JP6753572B2 - 外れ止め具付きフックが装着された張架・牽引材長さ調節装置 - Google Patents

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Description

本発明は,外れ止め具付きフックが装着された張架・牽引材長さ調節装置に係り,さらに詳しくは,チェーン等の張架材及びロープ等の牽引乃至懸架材など(以下,これらを張架・牽引材という。)の外れを防止する外れ止め具を付けたフックが装着された所定長さの張架・牽引材の長さを調節する調節装置に関する。
従来,高架道路や高架橋などの高架構造物の点検や補修作業などは,吊り足場を架設して行われている。この足場架設は,概ね,両端にフックが装着された吊りチェーン或いはこの吊りチェーンの長さを調節するチェーン長さ調節装置が使用されている。
これまでに様々なタイプのフックやチェーン長さ調節装置が提案されている。例えば,図示省略したが,一端が構造物に回し固定され,他端が足場板を敷設する丸パイプなどに回してこの丸パイプなどを懸架している概ね所定長さのリング状の吊りチェーンに併設して両端にフックを取り付けたチェーンを使用し、この両端にフックを取り付けたチェーンによってリング状吊りチェーンの長さを調節することが行われている。
しかし,この吊り足場の架設は,河川などから数十メートルも高い高所で行われるため,不安定となり様々な危険を含んだ作業となる。例えば,巻き回した吊りチェーンの長さがチェーンリンク(以下,リンクという。)に対して不足する場合は,リンクの数個分を長くした位置にあるリンクに掛け替え掛止しなければならず,このとき丸パイプなどの振動などにより,リンクがフックから外れてしまう恐れがある。そこで,この丸パイプなどの振動などに対して,リンクがフックから抜け出ないようにするために,ばね材等の弾発力を利用した外れ防止金具を付設した吊りチェーン用フックが提案されている(下記特許文献1,2参照)。
例えば,下記特許文献1に記載された吊りチェーン用フック1は,図16に示したように,略C字状のフック本体2と外れ防止金具3とで構成されている。この吊りチェーン用フック1は,吊りチェーンのリンク6が挿着される挿通孔を基部の中央に穿設するとともに,その基部から他のリンクを掛止するフック部2aの先端側に向けて延出する延出部2bを形成し,その延出部とフック部のそれぞれ先端の間に開口する開口部から内方に向けてリンク6が装着される切欠部を設けた略C字状のフック本体2に,そのフック部の内縁に一端側が弾発的に当接してリンク6の外れ止めを行う1本の屈曲成形された線材からなる外れ防止金具3を設けたものである。
そして,外れ防止金具3は,フック部の内縁に一端側として当接する当接部の両側に,他端側の各端部がそれぞれ前記延出部の先端側に軸着される一対の腕部を有し,これら一対の腕部が,それぞれ延出部に軸着される第一腕部4と,これらの第一腕部に対してフック部側に屈曲して前記当接部に続く第二腕部5とからなり,フック部内縁に該当接部が当接した状態で,これら第一腕部と第二腕部により形成される屈曲部とフック部内縁との間でリンク6を仮保持可能に,第一腕部4とフック部内縁との間隔をリンク6の軸径以上にすべく第二腕部5を屈曲したものとなっている。
この吊りチェーン用フックによれば,片手のみでも,容易かつ確実にフック部に装着することが可能になるとされている。すなわち,外れ防止金具3に屈曲部を設けることにより,この周辺部分が掛止部となり,延出部2bの先端側の位置に外れ防止金具3を軸着 する場合でも,リンク6を仮保持可能にすることができ,確実にリンク6をフックに装着することが可能となるとされている。
また,下記特許文献2には足場吊りチェーン用フックが記載されている。このフックは,フック部の内側に先端部が当接する自己復帰機能を有するヘアピン状バネを有する足場吊りチェーン用フックであって,ヘアピン状バネの長手方向がフック部の内側の当接部における接線方向に対して30〜60度の傾斜角を有するようにヘアピン状バネを取り付けたものである。
このようなフックは,リンクへの掛止は容易になるが一方でまた,取り外しが面倒になっているので,ハンドルや解除ワイヤーなどの解除手段を設けて,取り外しを簡単にしたフックも知られている(下記特許文献3,4参照)。
さらに,吊り足場の架設は,複数本のチェーンを用いて足場板などを懸架するので,これらのチェーン間で長さの不揃いが発生する。そこでこのようなチェーンの長さを調節するチェーン長さ調節装置も知られている(下記特許文献5,6参照)。
特許第4514090号公報 特開2000−104399公報 特開平11−159129号公報 特開2013−158065号公報 特開2006−070572号公報 特開2007−284933号公報
上記特許文献1,2に記載された吊りチェーン用フックによれば,フック部内でチェーンが振動しても外れ防止金具によって外れが防止される。しかも,上記特許文献1に記載された吊りチェーン用フックは,片手のみでも,容易かつ確実にフック部に装着することが可能になり,操作性がよくなる。
しかし,この種のフックは操作性の他に高い安全性が要求されている。すなわち,上記フックに特定したものでなく,一般論として言えることであるが,操作性と安全性とは概ね相反し,操作性をよくすると安全性が課題になることがある。
例えば,仮保持の場合,仮保持可能にすることによって,操作性がよくなるが,反面,この仮保持によって既に掛止されたものと見做されて安全性が見落とされることがある。
この点を詳述すると,チェーンの掛止は,チェーンの仮保持と,これに続く切欠部内へ牽引する第1,第2のステップ操作となっている。第1ステップの仮保持状態は外観からみればチェーンリンクが既に掛止されているように見えるが,実際は,未だ切欠部内に掛止されていないので,不安定な状態にあり,モノが触れ或いは振動が加わるとリンクが簡単に外れてしまう恐れがある。それにも拘わらず,作業員は仮保持掛止状態で掛止されたと思い込み或いは勘違いして,この掛止作業を終了してしまうことがある。これは作業員の経験の浅さ或いはうっかりミスに起因するものでもある。
また,上記特許文献1,2に記載のフックは,一方でチェーンの離脱が面倒になっている。
吊り足場の架設作業は,通常,作業手袋,例えば皮手袋を付けて行われているが,上記特許文献1,2に記載のフックは,このような手袋を付けたままで操作することができず,それを外して素手,それも両手での操作となる。そうすると,この吊り足場の架設作業では,フックの掛け替えの度に作業手袋の取り外し,またこの手袋の装着を繰り替えさなければならず,これらの手袋の外し,装着は極めて煩わしく面倒となり,また両手の使用となるので作業効率が低下し,しかも高所での作業となるので,多々危険を誘発する恐れがある。なお,上記特許文献2に添付された図3のフックにあっても,作業手袋(皮手袋)を付けて操作できるものではない。
この点,上記特許文献3,4に記載のフックは,ハンドルや解除ワイヤーなどの解除手段を設けて,取り外しを容易にしたものであるが,上記特許文献1,2に記載のフックとタイプが異なり,このようなハンドル等の解除手段を適用することはできない。
さらに,上記特許文献5,6に記載のチェーン長さ調節装置においても,同様の課題が潜在している。加えて,これらのチェーン長さ調節装置は,一対の頭部側及び先端側の係合部材はボルト軸に対し,それぞれフリーに相対回転して互いに異なる方向を向いてしまうので,チェーンを引っ掛ける際に引っ掛けようとすると掛止部材が回転してしまい引っ掛けが難く,また引っ掛けた際にも作業中に回転してしまい一人作業が難しいものになっている。また,これらの掛止部材は,いずれも1枚の板材(鉄板など)のプレス加工によりフック部が形成されているので,軽量になる利点はあるが一方で,板材プレス加工であるために機械的強度に難がある。
このようなフック及びチェーン長さ調節装置は,例えば吊り足場などに使用されるが,この吊り足場架設は河川などから数十メートルも高い高所で行われるため,不安定となり様々な危険を含んだ作業となり,そのために,万全の安全対策が必要となる。この安全対策は,作業員の技能,作業工程,使用機器および足場架設用の板,パイプ及び付属材など広範囲に亘っており,人の生命にも関わることであって,極めて高い安全性が要求されている。
本発明は,上記従来技術が抱える課題を解決すると共に,要求される高い安全性を確保するためになされたものである。そして,本発明の目的は,掛止時に吊りチェーン等の張架・牽引材を仮止めすることなく不用意,意図しないなどの中途半端な掛止を拒否し,作業員が確実に掛止した状態が確認できるようにして作業員のうっかりミスを無くした掛止が実行できて,掛止した後は張架・牽引材の外れを防止した安全性を有し,また離脱時には作業手袋を付けたままで容易に抜脱ができるようにして取り外し操作性をよくし,且つ国際的安全基準に合致した安全性を備えた外れ止め具付きフックを提供することである。
また,本発明の他の目的は,上記目的を備えた外れ止め具付きフックが装着されて,優れた作業性及び耐久性を有し,同様の国際的安全基準に合致した安全性を備えた吊りチェーン等の張架・牽引材の長さ調節装置を提供することにある。
なお、上記の国際的安全基準は,例えばISO/ECOガイド51であって,3−ステップメソッドは以下となっている。
ア 本質的な安全設計(inherently safe design)
この本質的な安全設計は,可能な限りハザードを除去する,または可能な限りリスクを低減すること,重要なことは,物理的な「原理原則」に基づいた安全対策を意味している,と定義されている。
イ 防護手段(protective devices)
この防護手段は,低減できないリスクに対してはエネルギーの伝達を阻止する構造等により拡大被害を防止すること,必ず,エネルギーの伝達を阻止,或いは遮断できることが必要と,定義されている。
ウ 使用者への通知(information for users)
この使用者への通知は,なお残留するリスクについては,使用上および据付上の情報を使用者に通知すること,定義されている。
本発明の本発明の第1の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,一端にボルト頭部,前記ボルト頭部から所定長さ延び外周面に雄ネジが刻設されたボルト軸を有する長尺ボルトと,前記長尺ボルトの頭部側に装着される第1の外れ止め具付フック及び前記ボルト軸に羅合される第2の外れ止め具付フックとを備えた吊りチェーンなどの張架・牽引材長さ調節装置において,
前記第1,第2の外れ止め具付フックは,フック部を有するフック本体と,前記フック本体に装着されて前記掛止部材の外れを防ぐ外れ止め具とを備え,
前記フック本体は,側本体部と,前記側本体部の頂部から側方に所定長さ延設した先端部と,前記側本体部の底部から前記先端部と同方向に所定長さ延設したフック部とを備え,前記先端部と前記フック部との間に前記張架・牽引材が挿入される挿入口と,前記挿入口に連通し前記張架・牽引材が挿入掛止されるフック溝を内部に備え,前記挿入口は前記張架・牽引材の挿入を制限する溝幅を狭めた隘路ゲートとされ,全体構造が側面視で略C字型をなしており,
前記外れ止め具は,前記フック本体の前記フック部に当接する当接部と,前記当接部の両端からそれぞれ所定長さ延設され外方へ所定高さ膨出した対向する一対の耳片部と,前記各耳片部から所定長さ延設され,前記フック部の先端側から前記フック本体の先端部の間において前記隘路ゲートの側面に沿って延在している一対のブロック部と,前記各ブロック部の先端側において互いに対向するように折曲げられた一対の枢支軸部とを有し,
当該外れ止め具は,前記当接部を前記フック部の内側に所定の弾発力で当接させ,前記フック部の先端と前記各ブロック部乃至各耳片部との隙間はゼロ乃至前記張架・牽引材の直径以下にされ,前記各耳片部を前記フック本体から前記張架・牽引材のリング幅を超える長さ膨出させて,前記各枢支軸部が前記フック本体の先端部に枢支されて,前記張架・牽引材は前記挿入口から前記隘路ゲートを通過させて前記フック溝に掛止されることを特徴とする。
本発明の第2の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,一端にボルト頭部,前記ボルト頭部から所定長さ延び外周面に雄ネジが刻設されたボルト軸を有する長尺ボルトと,内部に前記ボルト軸が挿通される中空孔及び外周壁の長さ方向に隙間溝を設けたカバーケースからなるホルダーと,前記ホルダー内に挿入されて前記長尺ボルトの頭部側に装着される第1の外れ止め具付フック及び前記ボルト軸に羅合される第2の外れ止め具付フックとを備え,
前記第1,第2の外れ止め具付フックは,前記ホルダーの前記隙間溝から上方へ突出するフック部を有するフック本体と,前記フック本体に装着されて掛止部材の外れを防ぐ外れ止め具とを有し,
前記フック本体は,側本体部と,前記側本体部の頂部から側方に所定長さ延設した先端部と,前記側本体部の底部から前記先端部と同方向に所定長さ延設したフック部とを備え,前記先端部と前記フック部との間に前記張架・牽引材が挿入される挿入口と,前記挿入口に連通し前記張架・牽引材が挿入掛止されるフック溝を内部に備え,前記挿入口は前記張架・牽引材の挿入を制限する溝幅を狭めた隘路ゲートとされ,全体構造が側面視で略C字型をなしており,
前記外れ止め具は,前記フック本体の前記フック部に当接する当接部と,前記当接部の両端からそれぞれ所定長さ延設され外方へ所定高さ膨出した対向する一対の耳片部と,前記各耳片部から所定長さ延設され,前記フック部の先端側から前記フック本体の先端部の間において前記隘路ゲートの側面に沿って延在している一対のブロック部と,前記各ブロック部の先端側において互いに対向するように折曲げられた一対の枢支軸部とを有し,
当該外れ止め具は,前記当接部を前記フック部の内側に所定の弾発力で当接させ,前記フック部の先端と前記各ブロック部乃至各耳片部との隙間はゼロ乃至前記張架・牽引材の直径以下にされ,前記各耳片部を前記フック本体から前記張架・牽引材のリング幅を超える長さ膨出させて,前記各枢支軸部が前記フック本体の先端部に枢支されて,前記張架・牽引材は前記挿入口から前記隘路ゲートを通過させて前記フック溝に掛止されることを特徴とする。
本発明の第3の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,第1又は2の態様の張架・牽引材長さ調節装置において,前記隘路ゲートは,前記張架・牽引材の直径に長さ1.0mm〜2.0mmの範囲内の長さを加算したゲート幅で形成されていることを特徴とする。
本発明の第4の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,第1又は2の態様の張架・牽引材長さ調節装置において,前記外れ止め具は,前記各耳片部が前記各枢支軸部から離れるに従って外方へ大きく膨出されていることを特徴とする。
本発明の第5の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,第1又は2の態様の張架・牽引材長さ調節装置において,前記長尺ボルトは,前記ホルダーに挿通されて,該長尺ボルトの先端部に前記ボルト頭部と異なる形状乃至サイズの抜け止め部材が装着されていることを特徴とする。
本発明の第6の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,第1又は2の態様の張架・牽引材長さ調節装置において,前記第1,第2の外れ止め具付きフックの少なくともいずれか一方に過大な荷重が掛かったときに,前記ホルダーと前記長尺ボルトとの組立セットは,前記第1,第2の外れ止め具付きフックより先に機械的に変形することを特徴とする。
本発明の第7の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,第6の態様の張架・牽引材長さ調節装置において,前記長尺ボルト及びホルダーは普通鋼で形成され,前記第1,第2の外れ止め具付きフックは,いずれも炭素鋼からなる鍛造成型体で形成されていることを特徴とする。
本発明の第8の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,1又は2の態様の張架・牽引材長さ調節装置において,前記ボルト頭部は,工具と結合される形状になっていることを特徴とする。
本発明の第1の態様の張架・牽引材長さ調節装置によれば,第1,第2の外れ止め具付フックにより,吊りチェーンなどの張架・牽引材は,その掛止時に,張架・牽引材を仮止め(仮保持)することなく,作業員が確実に掛止した状態を確認できる掛止が実行され,掛止された後は張架・牽引材の抜けを防止した安全性を有し,また,取り外しの操作性をよくできるようになり,しかも,これらの第1,第2の外れ止め具付フックが装着されているとともに雄ネジが刻設された長尺ボルトを備えているので,優れた作業性及び耐久性を有し,しかも国際的安全基準ISO/ECOガイド51の3−ステップメソッドに合致した高い安全性を備えた張架・牽引材長さ調節装置を提供できる。
本発明の第2の態様の張架・牽引材長さ調節装置は,第1,第2の外れ止め具付フックにより,吊りチェーンなどの張架・牽引材は,その掛止時に,張架・牽引材を仮止め(仮保持)することなく,作業員が確実に掛止した状態を確認できる掛止が実行され,掛止された後は張架・牽引材の抜けを防止した安全性を有し,また,取り外しの操作性をよくできるようになり,しかも,これらの第1,第2の外れ止め具付フックが装着されているとともに雄ネジが刻設された長尺ボルト及びホルダーを備えているので,優れた作業性及び耐久性を有し,しかも国際的安全基準ISO/ECOガイド51の3−ステップメソッドに合致した安全性を備え,さらに従来のものと比べて操作性が格段に向上する。

本発明の第3の態様の張架・牽引材長さ調節装置によれば,隘路ゲートは張架・牽引材の直径に長さ0.5mm〜2.0mmの範囲内の長さを加算したゲート幅で形成されているので,挿入口を入った初期の段階で張架・牽引材が仮止めされることなく不用意,意図しないなどの中途半端な掛止が拒否され,安全性が確保される。
本発明の第4の態様の張架・牽引材長さ調節装置によれば,外れ止め具は,各耳片部が各枢支軸部から離れるに従って外方へ大きく膨出されているので,梃子の原理を利用して,各耳片部の操作が容易になる。掛止部材への取付け或いは取り外し作業は作業手袋をしたままで,しかも小さい力で軽快に操作ができる。
本発明の第5の態様の張架・牽引材長さ調節装置によれば,長尺ボルトは,ホルダーに挿通されて,該長尺ボルトの先端部にボルト頭部と異なる形状乃至サイズの抜け止め部材が装着されているので,装置に過大な負荷が掛かり,長尺ボルトが弓型に屈曲しても,ボルト軸がホルダーの隙間溝から外へ飛び出すことが防止される。また,抜け止め部材がボルト頭部と間違って回転されることがない。
本発明の第6,7の態様の張架・牽引材長さ調節装置によれば,装置に制限を超える荷重負荷が掛かった場合,ホルダーと前記長尺ボルトとの組立セットは,第1,第2の外れ止めフックより先に機械的に変形するので,チェーン等の長さ調節装置が許容値を超していることが判断できる。この判断に伴い適切な対応策,例えば,過大負荷の軽減及びチェーン長さ調節装置の交換などにより,既存のチェーン等の長さ調節装置の破損などを未然に予知して事故の発生を防止できる。
本発明の第8の態様の張架・牽引材長さ調節装置によれば,ボルト頭部は,工具と結合される形状になっているので,効率よく作業ができる。
本発明の実施形態に係る外れ止め具付きフックを示し,図1Aは側面図,図1Bは正面図である。 図2Aは図1のIIA部分の拡大図,図2Bは公知の吊りチェーンの斜視図である。 図3は図1のフック本体を示し,図3Aは側面図,図3Bは正面図,図3Cは部分断面図である。 図4は図1の外れ止め具を示し,図2Aは正面図,図2Bは側面図である。 図5は吊りチェーンの掛止過程を示し,図5Aは掛止前の側面図,図5Bは吊りチェーンを挿入口に挿入した状態の側面図,図5Cは図5Bからさらに奥へ挿入した状態の側面図である。 本発明の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置を示した斜視図である。 図7Aは長尺ボルトの斜視図,図7Bは平ワッシャーの斜視図,図2Bは抜け止め部材の斜視図である。 ホルダーの斜視図である。 図9は固定フックを示し,図9Aは側面図,図9Bは上面図,図9Cは図9Aの背面から見た部分断面図である。 図10は可動フックを示し,図10Aは側面図,図10Bは上面図,図10Cは図10Aの背面から見た部分断面図である。 複数の張架・牽引材長さ調節装置で複数本の鋼管を吊り下げた状態の斜視図である。 張架・牽引材長さ調節装置の上下端にチェーンを引っ掛けた状態の側面図である。 張架・牽引材長さ調節装置に掛かる荷重を説明する側面図である。 張架・牽引材長さ調節装置のストローク対荷重負荷のテスト結果図である。 本発明の他の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置を示した斜視図である。 従来技術の外れ防止金具付きフックを示し,図16Aは側面図,図16Bはフックが装着されている側面図である。
以下,図面を参照して,本発明の実施形態を説明する。但し,以下に示す実施形態は,本発明の技術思想を具体化するための外れ止め具付きフック及びこのフックを使用した吊りチェーン等の張架・牽引材長さ調節装置を例示するものであって,本発明をこれらに特定することを意図するものではなく,特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
本発明の実施形態に係る外れ止め具付きフック10は,図1に示したように,吊りチェーンC(図2B参照)を掛止するフック部を有する側面視で略C字型のフック本体11と,このフック本体に装着されて吊りチェーン等の張架・牽引材の外れを防止する外れ止め具12とで構成されている。なお,張架・牽引材は吊りチェーン等や牽引ロープ等を含んでいるが,本実施形態では吊りチェーンに適用した例について説明する。
以下,外れ止め具付フック10を構成するフック本体11及び外れ止め具12を詳述する。まず,図1〜図3を参照して,フック本体11を説明する。なお,図1は本発明の実施形態に係る外れ止め具付きフックを示し,図1Aは側面図,図1Bは正面図,図2Aは図1のIIA部分の拡大図,図2Bは公知のチェーンの斜視図,図3は図1のフック本体を示し,図3Aは側面図,図3Bは正面図,図3Cは部分断面図である。
フック本体11は,一側(図1Aの左側)の側本体部11aの頂部から他側(図1Aの右側)へ所定長さ延設した先端部11bと,同様に底部11cから所定長さ延設したフック部11dとの間に,吊りチェーンC(図2B参照)のリンクが挿入される挿入口11及びこの挿入口に連通しリンクが挿入掛止されるフック溝11を内部に備え,挿入口11とフック溝11との間にリンクが通過する通路を狭くした隘路ゲート11を設け,全体形状が側面視で略C字型をなし,所定の肉厚及び大きさの鍛造による成型体で形成されている。金属は,例えば炭素鋼S45Cの鍛造成型体である。鍛造成型体を用いることにより,従来技術の1枚の板材(鉄板など)のプレス加工したもの或いは鋳物と比べて堅固になる。なお,外周角に所定のRを付けるのが好ましい。これによって怪我することがなく,デザイン性がよくなる。寸法は,横幅は例えば30mm,高さは50mm,肉厚は6.0mmである。
先端部11bは,側本体部11aから所定の幅及び長さで延設され,その先端がフック部11dの先端まで延びている。この先端部11bには,外れ止め具12の枢支軸部12f,12g(図4A参照)が装着される2つの枢支孔11,11が形成されている。これらの枢支孔は所定の間隔をあけて穿設されており,この間隔によって,当接部12aなどのバネ力が調節される。
なお,側本体部11aの上方には,挿通孔11(図3A参照)が形成されている。この挿通孔には,図示を省略したチェーンが装着される。また,先端部11bの幅は例えば8.0mm及び長さは21mmである。
フック部11dは,側本体部11aから延びた底部11cから他側へ所定の幅及び長さで先端部11bへ向かって延びて先端部側へ立設され,その先端が先端部11bの先端と略同一になっている。底部11cは側本体部11aに比べて幅広にしてある。この部分を幅広にすることによって,フック部11dを機械的に堅固にできる。また,フック部11dは,その幅を先き細にすることなく略同一幅にして,底部11cから立設されている。幅広の底部とこの底部からフック部11dを略同じ幅で立設させたことによって,フック部11dの引っ掛け強度がアップする。なお,フック部11dの幅は例えば8.0mm及び長さは15.5mm,底部の幅は16.5mmである。
先端部11bの先端とフック部11cの外側面とは,略同一面(図3Aでは垂直面)にあって,先端部11bとフック部11dとの間にチェーンCのリンクが挿入される挿入口11が形成されている。この挿入口11は,先端部11b及びフック部11dの先端を所定角度(例えば60°程度)で拡げてラッパ状にするのが好ましい。この形状によって,挿入口11はリンクの挿入がスムーズになるガイド口となる。なお,この挿入口はラッパ状に拡げることは必ずしも必要でない。
また,先端部11bとフック部11d間にあって挿入口11の奥,すなわち,挿入口11から入りフック溝11手前の入り口に,溝幅X(図2A,図3A参照)を狭めて,敢えてチェーンリンクの挿入を制限乃至困難にする関門,いわゆるゲート(以下,隘路ゲートという。)11が形成されている。すなわち,この隘路ゲート11は,挿入口11を入りフック溝11手前の入り口にあって,先端部11bとフック部11dとが対向する部分の平坦面11b,11d(図3C参照)間の溝幅をXとしたとき,この溝幅Xはチェーンリンクの直径をd(図2B参照)として,この直径dに所定の固定値aを加算した幅になっている。この固定値aは不用意な或いは意図しないチェーンの挿入を阻止する観点から,1.0mm〜2.0mmの範囲にするのが好ましい。すなわち,固定値aの下限を1.0mm未満にすると,隘路ゲート11へのチェーンリンクの挿入,挿通が困難になり,一方,上限が2.0mmを超すと不用意な或いは意図しないチェーンの挿入を阻止できなくなるので,上記範囲が好ましい。
なお,隘路ゲート11は,いわゆるボトルネックに似た形状及び機能を有し,チェーンリンクの挿入を敢えて制限乃至困難,いわゆるギリギリで通す溝幅にすることによって意図しない或いは不用意な中途半端な挿入を拒否することができる。勿論,サイズが異なるチェーンが掛止されることがなく,適合するもののみの掛止となる。この隘路ゲート11の溝幅Xは,例えばリンクの直径dを5.0とすると6.0〜7.0mmとなる。
フック溝11は,所定の幅及び深さに形成され,チェーンリンクが挿入掛止される。この溝幅は,幅広にするとフック本体11を大型サイズ或いはフック部11dの幅を狭くしなければならなくなるので,チェーンリンクの直径dより若干幅広,例えば隘路ゲートの幅Xと略同じにするのが好ましい。この溝幅により,フック本体11を大型にすることなく且つフック部11d幅も大きくできるので,フック部11dの強度を堅固にできる。
また,フック溝11は,挿入口と対向する側壁に当接部12aが退避される所定深さの凹み穴11が形成されている。なお,凹み穴の深さは外れ止め具12の当接部12aの直径以上になっている。
この凹み穴11は,フック本体11に装着された外れ止め具12が図5Cの時計方向へスイングされたときに,当接部12aが凹み穴に入り込み,チェーンリンクが通る通路幅が確保されて,フック溝11を幅広にしなくとも,チェーンリンクをスムーズに通すことができる。フック溝11は,角部に所定のRを付けるのが好ましい。これにより,チェーンリンクの摩耗を軽減できる。
次に,図4を参照して,外れ止め具12を説明する。なお,図4は図1の外れ止め具を示し,図4Aは正面図,図4Bは側面図である。
外れ止め具12は,フック本体11のフック部11dの先端内壁に当接する当接部12aと,この当接部の両端からそれぞれ所定長さ延設され外方へ所定長さ膨出した対向する一対の耳片部12b,12cと,これらの耳片部から所定長さ延設されてフック部11dの先端側からフック本体11の先端部11bの間において隘路ゲート11 の側面に沿って延在しているブロック部12d,12eと,各ブロック部12d,12eの先端側において互いに対向するように折曲げられた一対の枢支軸部12f,12gとを有し,側面視で略ヘヤピン状をなし,1本の所定の材料及び太さの線状のワイヤーを折曲加工して形成されている。線状ワイヤーは,ピアノ線(SWP)で,その径は例えば1.5mmである。なお,符号12d',12e'は各ブロック部の延長部であって枢支軸部との繋ぎになっている。また,線状ワイヤーはピアノ線(SWP)に限定されるものではない。
一対の耳片部12b,12cは,図4Aの状態で,横方向へ所定長さ(或いは高さ)膨出しているが,この長さ(高さ)Wは,チェーンリンクの横幅Wを考慮して決定される。すなわち,チェーンリンクaの横幅をW(長さ方向と直交する幅,図2B参照)として,長さ(高さ)WはW≧Wにする。なお,この関係はW>Wが好ましい。これらの寸法は,例えばWは25mm,Wは23mmであり,また,コ字状の内側は7mmである。
一対の耳片部12b,12c間の長さ(高さ)WをW≧Wにすることによって,外れ止め具12をフック本体11に装着したときに,これらの耳片部12b,12cがフック本体11の両側面から突出し,作業手袋,例えば皮手袋を付けたままで外れ止め具12の操作ができるようになる。特に,チェーンを離脱させる際に,両耳片部12b,12cがチェーンリンクの横幅から飛び出るので,その操作が容易になる。なお,横幅Wはチェーンリンクの場合,図2Bに示したように,長さ方向と直交する幅であるが,牽引ロープの場合は端部に引っ掛け環状部(リング)を設け,この環状部の横幅である。特許請求の範囲では,これらをリング幅と表現されている。
また,各耳片部12b,12c(符号12d',12e'は各ブロック部の延長部)と枢支軸部12f,12g間は,各耳片部に比べて,長くするのが好ましい。この部分を長くすると,フック本体への装着時に,ヘアピン状の拡張がし易くなり,フック本体への装着が容易になる。この長さは,例えば11mmである。
さらに,各耳片部12b,12cと各ブロック部12d,12eとは所定の角度θ(鈍角,例えば10°〜160°)折曲するのが好ましい。この折曲により,当接部12aと枢支軸部12f,12g間の長さを直線状にしたものに比べて長くでき,また,フック溝の幅を最小限にできる。勿論,この部分を折曲せず(θ=180°),すなわち直線状にしてもよい。
一対の耳片部12b,12cは,コ字状に形成したが,この形状に限定するものでなく,他の形状,例えば,半円形,半楕円形,角型などにしてもよい。また,それぞれの耳片部は,それらの膨出箇所が各枢支軸部12f,12gから離れ,当接部に最も近い箇所にするのが好ましい。これにより,外れ止め具12は,梃子の原理により操作が容易になる。
図1〜図4を参照して,フック本体11への外れ止め具12の装着を説明する。
まず,外れ止め具12の各ブロック部12d,12eの間をヘアピン状にしたピアノ線のバネ力に抗して強制的に拡げて,各枢支軸部12f,12gをフック本体11の肉厚以上に拡張する。拡張した後に,当接部12aをフック本体11のフック溝11内に挿入し,それぞれの枢支軸部12f,12gを先端部11aの各枢支孔11,11へ差し込んで軸支させる。
この軸支により,当接部12aはフック部11bの内壁に所定の弾発力で当接され,ブロック部12d,12eは挿入口11と対向され,且つ各耳片部12b,12cはフック本体11の側面から外方へ飛び出した状態で外れ止め具12がフック本体11に装着される。なお,ブロック部12d,12eと挿入口11とは,図1Bに示したように,挿入口11 の隘路ゲート11 の両サイドブロック部12d,12eが沿った状態で対向される。この装着では,当接部12aがフック部11bの内壁を押圧する力はチェーンリンク1個の質量の5倍以上にしてある。この押圧力は外れ止め具12を構成するピアノ線の種類,形状及び枢軸部の取付け位置などによって設定できる。なお,用語「弾発的」は辞書記載の「弾発性(変形からの戻り性)」から引用したもので,「力を加えたとき適度に変形しやすく,且つ変形から戻り性がよい」の意味である。
また,外れ止め具12がフック本体11へ装着されると,各ブロック部或いは各耳片部とフック部の先端との間にギャップG(図2A参照)ができることがある。このギャップGができても,ギャップGはチェーンリンク直径d(図2B参照)の半分以下にしてある。なお,牽引ロープの場合はロープの直径である。
このギャップGは,外れ止め具12の形状(折曲角度)或いは枢軸部の取付け位置などによって調整できる。なお,ギャップGはゼロが好ましい。各ブロック部と各耳片部とを折曲せず直線状にすれば略ゼロにできる。また,チェーンリンク径は,牽引ロープの場合はその直径であって,フックへは端部をリング状にして掛止される。
主に図5を参照して,外れ止め具付フック10への吊りチェーンCの掛止及び離脱を説明する。なお,図5はチェーンの掛止過程を示し,図5Aは掛止前の側面図,図5Bはチェーンを挿入口に挿入した側面図,図5Cは図5Bからさらに奥へ挿入した状態の側面図である。
(a)チェーンの掛止
吊りチェーンCの掛止は,図2Bに示した,チェーンC先端のリンクaを,隘路ゲート11を通過させるゲート通過工程と,このゲート通過後にブロック部12d,12eを強制的に通過させるブロック通過工程と,ブロック通過後にチェーンCを下方へ牽引する牽引工程とを経て実行される。
ゲート通過工程は,まず,左手でフック本体11を掴み固定し,右手でチェーンCの先端リンクaを把持して,挿入口11へ移動させ,挿入口11に当てて挿入する(図5A参照)。すると,挿入口11はラッパ状に開口しているので,この開口に沿ってリンクaがガイドされて挿入が容易になる。しかし,図5Bに示したように,挿入口11の奥には隘路ゲート11が形成されているので,この隘路ゲート11を通過させなければならない。この隘路ゲート11は溝幅が狭く,すなわち,リンクaの直径dに1.0〜2.0mmの範囲の長さをプラスした狭幅になっているので,狙いをつけて差し込まなければならない。すなわち,リンクaを隘路ゲート11と直交する方向などにして正確な位置決めをし,細心の集中力で押し込まなければならない。勿論,チェーンリンクの自重では先へは侵入されず,或いは単に押し込むだけでも挿入されなくなっている。なお,ガイド穴を設けない場合は,さらにこの通過が難しくなる。
このゲート通過工程は,正確な位置決めをした差し込みが必要になるが,作業員が細心の注意を払わずに,いい加減な操作では,差し込みに失敗し,この失敗により挿入が即拒否されてチェーンが落下してしまう。このチェーン落下は直ちにわかるので,作業員のうっかりミスが防止され大事に至ることがない。次いで,この状況から作業員は再度の挿入を試みて,次のブロック通過工程へと進むことになる。
次のブロック通過工程では,リンクaがブロック部12d,12eに突き当たる。しかし,リンクaがブロック部12d,12eに突き当たっても,隙間G(フック部11dの先端とブロック部12d,12e乃至耳片部12b,12cとの隙間)が狭くリンクaの直径d(図2B参照)以下になっているので,この隙間にリンクaが嵌まり込むことがなく,いわゆる仮止め,仮保持されることがなく,ここで押し込みを止めると,リンクaが後退し,挿入が拒否される。
また,このブロック工程では,外れ止め具12の当接部12aがフック部11dに所定の弾発力で当接しているので,この弾発力,すなわち,外れ止め具12のバネ力に抗した強制的な押し込みになる。なお,このバネ力は,リンク質量の5倍以上の力に設定されている。この押し込みに失敗すれば,チェーンの各ブロック部で通過が拒否される。なお,このブロック通過工程でバネ力に抗した強制的な押し込みと併行して,作業員が各耳片部12b,12cを掴んで,各ブロック部は枢支軸を支点にして図5Cの時計方向へスイングさせてもよい。この操作により次工程への移行が容易になる。
リンクaがバネ力に抗し強制的に押し込まれると,次の牽引工程へ移行する。この牽引工程では,各ブロック部12,12eは枢支軸12f,12gを枢支点にして図5Cの時計方向へ移動され,当接部12aとフック部11dの先端とに間にリンクaが通過される隙間ができ,この状況を確認して,作業員がチェーンCを下方へ牽引して,リンクaをフック溝11に収め掛止を終了する。
この牽引の際には,各ブロック部12,12eと耳片部12b,12cとが折曲され,しかも当接部12aが凹み穴11へ退避されるので,リンクaがフック溝11内へスムーズに入り込み掛止される。また,この折曲された箇所が滑動ガイドとなり,リンクが円滑に下方へ牽引される。
(b)チェーンの離脱
掛止された後のチェーンCの離脱は,左手でフック本体11を掴むとともに親指と人差し指で外れ止め具12のそれぞれの耳片部12b,12cを摘み,手前へ引いて,枢支軸部12f,12bを支点にして,時計方向へスイングさせて,当接部12aとフック部11dとの間にリンクaの通路を形成する。次いで,右手でチェーンを掴むと共に親指と人差し指でリンクを摘み拡張された通路を通して,リンクを外す。
この作業では,両耳片部12b,12cがフック本体11からリンク幅より長く膨出しているので,作業手袋,例えば皮手袋を付けたままで,簡単に抜脱でき,作業性乃至操作性がよくなる。
この外れ止め具付フック10は,上記の作業性(操作性)及び安全性を備えている。一方でまた,安全性において,国際的安全基準ISO/ECOガイド51の−3ステップメソッドの関係では,以下になっている。
外れ止め具付フック10は,まず,フック本体11が鍛造成型体で形成されているので,従来技術の1枚の板材(鉄板など)のプレス加工したもの或いは鋳物などと比べて堅固になっており,この堅固なフック本体に外れ止め具が装着され,チェーンの外れが防止されるので,国際基準の3ステップメソッドにおける「ア」本質的な安全設計(inherently safe design),すなわち,「この本質的な安全設計は,可能な限りハザードを除去する,または可能な限りリスクを低減すること,重要なことは,物理的な「原理原則」に基づいた安全対策を意味している,と定義されている。」に合致しており,加えて,「イ」防護手段(protective devices),すなわち「この防護手段は,低減できないリスクに対してはエネルギーの伝達を阻止する構造等により拡大被害を防止すること,必ず,エネルギーの伝達を阻止,或いは遮断できることが必要と,定義されている。」にも合致している。
また,吊りチェーンCの掛止は,上記のゲート通過工程,ブロック通過工程及び牽引工程で実行されるが,最初のゲート通過工程,次のブロック工程でチェーンリンクの通過が拒否されると,チェーンが落下してしまい,作業員は掛止に失敗したことを直に気付き,再度,掛止を試行できるので,不用意な或いは意図しない中途半端な掛止を予防できるので,国際基準3ステップメソッドにおける「ウ」使用者への通知(information for users),すなわち,「この使用者への通知は,なお残留するリスクについては,使用上および据付上の情報を使用者に通知すること,定義されている。」にも合致している。
しがって,本発明の実施形態に係る外れ止め具付フックは,国際的安全基準ISO/ECOガイド51の−3ステップメソッドの要件を具備しており,安全性が高いものとなっている。
上記の外れ止め具付きフックは,吊りチェーンの掛止だけでなく,他の用途,例えば,吊り足場の架設や,資材や型枠等を牽引する場合など広範囲の用途に使用可能である。
次に、図6〜図14を参照して,上記外れ止め具付きフックを使用した吊りチェーン等の張架・牽引材長さ調節装置を説明する。この張架・牽引材長さ調節装置は,2個の外れ止め具付きフックをボルトに装着できるようにして,それぞれ長尺ボルトに装着して,吊りチェーン等の張架・牽引材の長さを調節できるように構成したものである。なお,張架・牽引材は吊りチェーン等や牽引ロープ等であるが,この実施形態では吊りチェーンに適用したもので説明する。
まず,図6を参照して,本発明の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置の概要を説明する。なお,図6は,本発明の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置を示した斜視図である。
本発明の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置15は,一端にボルト頭部16aと,このボルト頭部から所定長さ延び雄ネジ16cが刻設された比較的長い長尺のボルト軸16bを有する長尺ボルト16と,内部にボルト軸16bが挿通される中空孔17及び外周壁17a(図8参照)の長さ方向に直線状の隙間溝17を設けた断面形状が略C型パイプからなるホルダー17と,長尺ボルト16及びホルダー17に装着される一対の外れ止め具付きフック(以下,フックと略称する。)10A,10Bと,ホルダー17の他端部17cに当接されて長尺ボルト16の先端部16dを回転自在にする平ワッシャー19及び抜け止め部材20で構成されている。
一対のフック10A,10Bは,ホルダー17に固定されるものと,同ホルダーのC型パイプ内で移動されるフックからなり,以下の説明では前者のフックを固定フック10A,後者のフックを可動フック10Bといい,図6では図示省略されているが,いずれも図1〜図5に示されているものと同様の外れ止め具が設けられたものである。なお,特許請求の範囲では固定フックを第1の外れ止め具付きフック,可動フックを第2の外れ止めフックと表現されている。この張架・牽引材長さ調節装置15は,上記の構成により,優れた作業性(操作性)及び耐久性を有すると共に,国際的安全基準に合致した安全性をも具備したものとなる。
以下,図6に加え図7〜図10を参照して,張架・牽引材長さ調節装置を構成する個々の部材を説明する。
まず,図7,図8を参照して,長尺ボルト,ホルダーなどを説明する。なお,図7Aは長尺ボルトの斜視図,図7Bは平ワッシャーの斜視図,図7Cは抜け止め部材の斜視図,図8はホルダーの斜視図である。
長尺ボルト16は,図7Aに示したように,一端にボルト頭部16aと,このボルト頭部16aから所定長さ延び外周に所定の雄ネジ16cが刻設された所定太さ及び長さのボルト軸16bと,平ワッシャーなどが装着される先端部16dを備え,棒状金属材の加工体で形成されている。
この長尺ボルト16のボルト頭部16aは,電動工具などを装着して回転できる形状,例えば六角型にするのが好ましい。また,この長尺ボルト16の寸法は,特に限定されもものでなく任意でよいが,本実施形態では,例えば長さ(全長)は408mm,ボルト頭部の高さは8mm,ボルト軸の長さは400mm,ボルト軸16bの太さ(直径)は12mmであり,金属材は一般構造用圧延鋼(以下,普通鋼ともいう。)SS400相当である。
平ワッシャー19は,図7Bに示したように,所定の外形及び高さを有し,挿通穴19を設けたコイン状をしており,金属材で形成されている。平ワッシャー19の外径は,ホルダー17より大きい直径となっている。また,挿通穴19は,ボルト軸16bの直径より若干大きくした貫通孔で形成され,ボルト軸16bの先端部に抜け止め部材20が固定されたときに,長尺ボルト16の先端部16dが回転自在になる。この平ワッシャー19は,装置に過大な負荷が掛かり,長尺ボルトが弓型に屈曲した際に,ホルダー17の端面に当たり,ボルト軸16bを軸方向の外側に引っ張るためボルト軸16bがホルダー17の隙間溝17から外へ飛び出すのを阻止する。すなわち,ホルダー17の隙間溝17の溝口が拡大してボルト軸16bが外へ飛び出すのを阻止する。
抜け止め部材20は,図7Cに示したように,所定の外形及び高さを有し,ネジ穴20を設けたコイン状をしており,金属材で形成されている。
この抜け止め部材20は,ボルト軸16bの先端部16dにネジ止めされて,ボルト軸16bがホルダー17から抜け出るのを止める一方でまた取り外し自在になっている。取り外し自在にすることによって,長尺ボルト16などをホルダー17から取り外すことができ,それらの補修等が可能になる。
なお,この抜け止め部材はボルト軸のボルト頭部と異なる形状等,例えばボルト頭部が六角形であればそれ以外の角型乃至丸型等或いはサイズを異ならせ、また取り外し自在なプラスチック乃至ゴム製キャップを被せて,ボルト頭部を回動させる工具が装着されないようにするのが好ましい。これにより,誤って抜け止め部材に工具が装着され,ボルト軸の先端部から外され、長尺ボルトが抜け出ることがない。
ホルダー17は,図8に示したように,内部に長尺ボルト16のボルト軸16bが挿通される大きさの中空孔17及び外周壁17aの長さ方向に直線状の隙間溝17を有し断面形状が略C型パイプからなり,所定長さの短辺及び長辺並びに所定肉厚の略矩形状の金属板を湾曲加工して形成されている。すなわち,矩形状の金属板は,その長さ方向から両長辺側端が接近するように湾曲させて,内部に所定大きさの中空孔17及び両長辺側端間に隙間溝17が形成されるように湾曲加工されている。隙間溝17は,その幅を可動フック10Bのフック本体11の厚さより若干広くして,可動フックの筒状体18が外へ飛出すのを防止すると共に,フック本体11が長さ方向へ移動するのをスムーズにするガイド溝となっている。
特に,このホルダーはフックに過大な荷重負荷が掛かったとき,隙間溝が拡大されてフックが外へ飛び出すのを防止する重要な働きをする。なお,このホルダー17は,一方の一端部17b及び他方の他端部17cを有し,所定の長さとなっている。なお、ホルダーは断面形状が略C型パイプに限定するものでなく他の形状カバーケース、例えば角型のカバーケースでもよい。
このホルダー17の寸法は,例えば長さ(全長)は390mm,外直径は22mm,内径は18mm,溝幅は7mm,金属材は普通鋼SS400相当である。
次に,図9,図10を参照して,一対のフックを説明する。なお,図9は固定フックを示し,図9Aは側面図,図9Bは上面図,図9Cは図9Aの背面から見た部分断面図,図10は可動フックを示し,図10Aは側面図,図10Bは上面図,図10Cは図10Aの背面から見た部分断面図である。
まず,図9を参照して,固定フックを説明する。この固定フック10Aは,図9Aに示したように,外れ止め具付きフック10(図1A参照)を用い,この側本体部11aの側面に所定長さ及び太さで内部に挿通孔を設けた筒状体18をフック本体11(図1A参照)に合体して形成したものである。フック本体11は,上記したように,鍛造成型体で形成したので,筒状体もフック本体の成型時に同じ材料で合体して鍛造されている。すなわち,筒状体18はフック本体11とは鍛造による一体成型体で形成されている。金属は炭素鋼S45C相当である
筒状体18は,外径がC型パイプからなるホルダー17の中空孔17内に挿入される太さ及び内部の挿通孔18aはボルト軸16bが挿通される大きさにして,所定長さ及び肉厚の円筒状をなしている。筒状体の寸法は,長さは45mm,内径は13mmである。挿通孔18aの大きさは,ボルト軸16bの直径より若干大きくして,ボルト軸が挿入されたときに若干の隙間ができるようにし,ボルト軸が自由に回動(空回り)できるようになっている(図9C参照)。
外れ止め具付きフック10は,既に図1〜図5を参照して説示したように,フック本体11に外れ止め具12を装着したものであって,固定フックも同様の構成を備えている。
次に,図10を参照して,可動フックを説明する。この可動フック10Bは,図10Aに示したように,外れ止め具付きフック10(図1A参照)を用い,この側本体部11aの側面に所定長さ及び太さで内部に挿通孔を設けた筒状体18をフック本体11(図1A参照)に合体し,鍛造による一体成型体で形成されている。
この構成は,固定フック10Aと同じであるが,挿通孔18aの一部内周壁に雌ネジ18が形成されている点が異なっている。ネジの長さは筒状体の長さ及び長尺ボルトでの牽引力との関係で決定される。すなわち,筒状体の長さが長い場合,挿通孔18aの全内周壁に形成すると,雌ネジの精度が劣る場合に長尺ボルトでの移動がスムーズにならず,一方,短くすると,牽引力に耐え得なくなる。この筒状体の長さは,例えば40mm,ネジの長さは例えば30mmである。
これらの固定フック10A及び可動フック10Bは,ホルダー17への装着時に両フックに設けた両フック部11dが互いに対向するように装着される。また,固定フック10A及び可動フック10Bは,いずれも炭素鋼S45C相当の鍛造成型体で形成されているので,普通鋼で形成された長尺ボルト16及びホルダー17より強度がアップする。
また,固定フック10A及び可動フック10Bは,外れ止め具付きフック10と同じ作用効果を奏するものとなっている。
図6〜図10を参照して,張架・牽引材長さ調節装置15の組立てを説明する。
まず,C型パイプからなるホルダー17に,固定フック10A,可動フック10B及び抜け止め部材20などを装着する。固定フック10Aの装着は,固定フック10Aの筒状体18をホルダー17の中空孔17の一端に,フック部11dを隙間溝17から突出させて挿入し,ホルダー17の端部に溶着固定する。なお,符号21は溶着箇所(図6参照)を示している。この組立時に筒状体18を中空孔17の一端から突出させることによって,長尺ボルト16がホルダー17に装着されたとき,ボルト頭部16aとホルダー17の端部との間に隙間G(図6参照)が形成される。このギャップGは,溶接部21aにボルト頭部16aが直接当たることがなくなり,溶接個所に荷重が掛かることがなくなる。
また,筒状体18を中空孔17の一端から突出させず,すなわち,隙間Gを形成させないで,代わりにボルト頭部16aとホルダー17端との間に2枚の平ワッシャー19を介在させても,同じ効果を奏する。
可動フック10Bの装着は,この可動フック10Bのフック部11dが固定フック10Aのフック部11dと向き合うようにして,この可動フック10Bの筒状体18をC型パイプからなるホルダー17の中空孔17の他端から,フック部11dを隙間溝17から突出させて挿入する。この状態では,可動フック10Bは中空孔17内で長さ方向に自由に移動される。隙間溝17は,可動フック10Bが長さ方向へ移動する際のガイド溝の働きをする。その後,長尺ボルト16を装着する。この装着は,まず,長尺ボルト16に少なくとも1枚の平ワッシャー19を取付けて置き,このボルト軸16bの先端部16dをホルダー17に固定された固定フック10Aの挿通孔18aに挿入して押し込む。この挿入・押込みは,挿通孔18aの径がボルト軸16bの径より大きくなっているので,スムーズに押し込むことができる。
次に,可動フック10Bをボルト軸先端16dに数回回転させて数山螺合させた後,ボルト頭部16aを時計方向へ回すと,ボルト軸16bの先端部の雄ネジ16cが可動フック10Bの挿通孔内の雌ネジ18に螺合してネジ結合される。更に可動フック10Bが完全にホルダーに覆われるまでボルト頭部16aを時計方向へ回す。次に,少なくとも1枚の平ワッシャー20をボルト軸16dの先端16dに装着し,抜け止め部材20を長尺ボルト先端に固定する。
この組み立てにより,張架・牽引材長さ調節装置15は,ボルト頭部16aに工具,例えば電動工具を結合し,時計方向へ回転させると,可動フック10Bがホルダー17内で移動可能になる。
図11〜図14を参照して,張架・牽引材長さ調節装置を吊り足場の架設に使用し,チェーンの長さ調節及び荷重試験を説明する。
まず,図11を参照して,複数の張架・牽引材長さ調節装置を使用し,吊り足場の架設及びチェーンの長さ調節を説明する。なお,図11は複数の張架・牽引材長さ調節装置で複数本の鋼管を吊り下げた状態の斜視図である。
複数の張架・牽引材長さ調節装置15を使用し,これらの調節装置を構造物(図示省略)などに懸架した複数本のチェーンC1と複数本の鋼管P1〜P3に取付けた複数本のチェーンC2との間に介在させて両チェーンを連結する。なお,複数本の鋼管P1〜P3の間にはそれぞれ足場板を敷設して作業足場を架設するが,図11ではこの足場板は省略されている。また,固定フック及び可動フックへの吊りチェーンの掛止及び離脱は外れ止め具付きフック10で説示した方法で行い,説明は省略する。
それぞれの張架・牽引材長さ調節装置15は,それぞれのチェーンC1,C2に連結した後に,それぞれのチェーンの長さ調節を行う。この調節は,張架・牽引材長さ調節装置15のボルト頭部16aを回転させて行う。すなわち,この回転操作は,ボルト頭部16aに工具,例えば電動工具やラチェットなどの手動工具(図示省略)を結合し,時計方向へ回転させる。この工具でボルト頭部16aが時計方向へ回転されると,可動フック10Bは下方の平ワッシャー19に接近した位置から上方の固定フック10A方向へ上昇する(図12B参照)。この可動フック10Bの上昇によって下方のチェーンC2が上方へ引っ張られて,可動フック10Bに繋がったチェーンC2の長さが調節される。なお,ボルト頭部16aの回転操作中に,このボルト頭部16aが固定フック10Aの筒状体18の突出部に接触し,中空孔17に直接当たらないので,溶接個所21aに荷重が掛かることがなく,溶接個所の破壊を防止できる。また,張架・牽引材長さ調節装置15はボルト頭部16aが反時計方向へ回転されれば可動フック10Bは下方へ降下する。すなわち,ボルト頭部16aを時計或いは反時計方向へ回転させることによって,可動フック10Bは上下動し,チェーンの長さが調節される。
この可動フック10Bは,ホルダー17内にあって,隙間溝17に沿って,すなわちガイドされて上下動するので,可動フック10Bがボルト軸16bの回りで回動することがなく,一人作業により効率よく行うことができる。
次に,図12〜図14を参照して,吊り足場を懸架した張架・牽引材長さ調節装置の安全性について説明する。なお,図12は張架・牽引材長さ調節装置の上下端にチェーンを引っ掛けた状態の側面図,図13は張架・牽引材長さ調節装置に掛かる荷重を説明する側面図,図14は張架・牽引材長さ調節装置のストローク対荷重負荷のテスト結果図である。
ところで,足場には,作業員が載り或いは機器などが載置されるが,定員がオーバし,或いは不用意に制限を超える重量機器などが載置され,或いはまた自然災害(台風)などにより,これらが制限を超えて,足場に過大な荷重負荷が掛かることがある。このような過大な荷重負荷が掛かり,張架・牽引材長さ調節装置の制限(許容値)を超えると,これが損傷或いは破損し,重大な事故を招く恐れがある。そのために,このような事故を未然に防ぐ防止対策が必要となる。
この防止対策として,この張架・牽引材長さ調節装置15は,ホルダー17と長尺ボルト16を組合せた組立セットS(図12,図13参照)と,固定フック10A及び可動フック10Bとに区分し,足場に過大な荷重負荷が掛かったときに,組立セットSが固定及び可動フック10A,10Bより先に機械的に変形,例えば略弓状に屈曲がるようにしてある(図13B参照)。
この屈曲は,足場に制限を超える過大な荷重負荷が掛かり,この過大荷重負荷がチェーンC2を介して可動フック10Aへ伝達されると,組立セットSに掛かる。すなわち,可動フック10Bのフック部11dとボルト軸16bの軸線間の距離をL,軸線上の点S1と組立セットSのS点との距離をL,フック部11dとS点間の距離Lとすると,LはLの2乗プラスLの2乗の平方根となり,組立セットSのS点に掛かるモーメントは,L×FCosθとなる(図13A参照)。
なお,固定フック10A及び可動フック10Bの各フック部11dは,ホルダー17の隙間溝17から突出し,同じ方向を向いているので,上記のモーメントは組立セットSのS点の同一方向,すなわち,各フック部11dが側に掛かる。
この値が組立セットSの許容値を超えると,組立セットSは略弓状に屈曲する。この屈曲状態は,簡単に目視でき,張架・牽引材長さ調節装置が許容値を超していることが判断できる。
したがって,この判断により適切な対応策,例えば,過大な荷重負荷の軽減及び張架・牽引材長さ調節装置の交換などにより,調節装置の破損などを未然に予知して事故の発生を防止できる。
ホルダー17と長尺ボルト16を組合せた組立セットSが固定フック10A及び可動フック10Bより,先に変形させるために,それらの部材を異なる素材で形成する。すなわち,この実施形態では,固定フック10A及び可動フック10Bを炭素鋼の鍛造成型体で形成し,ホルダー17及び長尺ボルト16(組立セットS)は普通鋼で形成する。これにより,固定フック10A及び可動フック10Bを鍛造成型体の強度がホルダー17及び長尺ボルト16より強くなり,組立セットSが固定フック10A及び可動フック10Bより先に機械的に変形する。
また,過大な負荷荷重が掛かった場合,上記のように組立セットSが機械的に変形するが,これを超え,さらに想定外の過大な負荷荷重が掛かった場合,長尺ボルト16のボルト軸16bがホルダー17から外れ飛び出すことも想定されるが,このような想定外の過大な負荷荷重が掛かる万一の場合に備え,ボルト軸16bがホルダー17から外れ飛び出しても,固定フック10A及び可動フック10Bは長尺ボルト16のボルト軸16bに堅固に結合されて残るので,チェーンが外れることが無く,安全性が担保される。
張架・牽引材長さ調節装置15の試験を行った。
・試験条件
長尺ボルト16;長さ(全長)408mm,ボルト頭部の高さ8mm,ボルト軸の長さ400mm,ボルト軸16bの太さ(直径)は12mm,普通鋼
SS400相当。
ホルダー17;長さ390mm,中外直径22mm,内径18mm,隙間溝幅7mm,肉厚2.0mm,普通鋼SS400相当。
固定フック10A及び可動フック10B:筒状体の長さ45mm,内径13mm,フック本体11の板厚6mm,底面の長さ42mm,高さ30mm,炭素鋼S45C相当鍛造の一体成型体。
チェーン:φ5mm(規格品)を長さ400mm(2本)。
・荷重試験結果
図14に示したグラフ。
なお,図14のグラフの横軸は装置及びチェーンのストローク(mm),縦軸は荷重負荷(kN),記号aの曲線は図12Aの吊り下げ状態,記号bは図12Bの吊り下げ状態の結果。
曲線a:屈曲までの耐荷重は9.1kN,最大荷重は21.5313kN(以降,チェーン破断)
曲線b:屈曲までの耐荷重は11.0kN,最大荷重は21.09381kN
(以降,チェーン破断)
・考察:通常の使用範囲(規定)2.0kN
この規定値(2.0kN)と,チェーンの変形を含めた屈曲までの耐荷重とを対比すると,4.5倍,5.5倍まで屈曲しない結果が得られた。
また,各最大荷重を超えた時点でチェーンが破断したが,装置は屈曲するものの破損しなかった。
この張架・牽引材長さ調節装置15は,国際的安全基準ISO/ECOガイド51の3−ステップメソッドとの関係は以下のとおりのものとなる。
ア 本質的な安全設計(inherently safe design)
この本質的な安全設計は,可能な限りハザードを除去する,または可能な限りリスクを低減すること,重要なことは,物理的な「原理原則」に基づいた安全対策を意味している,と定義されている。
張架・牽引材長さ調節装置15は,ストローク対荷重負荷の試験結果(図9参照)からみて,高い耐久性が得られ,高い安全性が確保されているので,上記「可能な限りハザードを除去する,または可能な限りリスクを低減すること」は十分満たしている。すなわち,この種の張架・牽引材長さ調節装置15の法定使用は2kNであるのに対して,チェーンの変形を含めた屈曲までの耐荷重は,4.5倍,5.5倍まで屈曲しない結果が得られ,この屈曲はチェーンが破断するまで,持続し,極めて安全性が高くなっている。
イ 防護手段(protective devices)
この防護手段は,低減できないリスクに対してはエネルギーの伝達を阻止する構造等により拡大被害を防止すること,必ず,エネルギーの伝達を阻止,或いは遮断できることが必要と,定義されている。
張架・牽引材長さ調節装置15は,長尺ボルト16,固定及び可動フック10A,10Bはホルダー17に装着され且つボルト軸16bの先端16dは,平ワッシャー19と抜け止め部材20で結合され,また可動及び可動フック10A,10Bにはそれぞれ止め具12が設けられているので,装置に過大な荷重負荷が掛ってもボルト軸16bがホルダー17から飛び出すことがなく,さらにチェーンの外れも防止できる。また,想定外の過大な負荷荷重が掛かった場合,長尺ボルト16のボルト軸16bがホルダー17から外れ飛び出すことも想定されるが,このような想定外の過大な負荷荷重が掛かる万一の場合に備え,ボルト軸16bがホルダー17から外れ飛び出しても,固定フック10A及び可動フック10Bが長尺ボルト16のボルト軸16bに堅固結合されて残るので,チェーンが外れることが無く,安全性が担保されている。
以上から,上記定義「低減できないリスクに対してはエネルギーの伝達を阻止する構造等により拡大被害を防止すること,必ず,エネルギーの伝達を阻止,或いは遮断できることが必要」に合致している。
ウ 使用者への通知(information for users)
この使用者への通知は,なお残留するリスクについては,使用上および据付上の情報を使用者に通知すること,定義されている。
張架・牽引材長さ調節装置15は,過大な荷重負荷が掛かったときに,ホルダーと長尺ボルトとからなる組立セットSが略弓状に屈曲する。この屈曲状態は,簡単に目視でき,張架・牽引材長さ調節装置が許容値を超していることが判断できる。したがって,この判断により適切な対応策,例えば,過大な荷重負荷の軽減及び張架・牽引材長さ調節装置の交換などにより,調節装置の破損などを未然に予知して事故の発生を防止できる。
以上から,本発明の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置は,国際的安全基準(ISO/ECOガイド51の3−ステップメソッド)に合致した安全性を備えている。しかも,各張架・牽引材長さ調節装置は,一対のフックにより,チェーンへの取付け,取り外しは,耳片部を利用して簡単な操作で且つ安全に行うことができる。
図15を参照して,他の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置を説明する。なお,本発明の他の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置を示した斜視図である。
他の実施形態に係る張架・牽引材長さ調節装置15Aは,ホルダー17及びこれに付属する部材を省いた点で,張架・牽引材長さ調節装置15と相違している。なお,張架・牽引材長さ調節装置15と同様の構成については同一の符号を付与し,説明は省略する。
この張架・牽引材長さ調節装置15Aは,図15に示したように,一端にボルト頭部16a,このボルト頭部から所定長さ延び外周面に雄ネジが刻設されたボルト軸を有する長尺ボルト16cと,この長尺ボルトの頭部側に装着される第1の外れ止め具付フック10A及びボルト軸に羅合される第2の外れ止め具付フック10Bを備え,第1,第2の外れ止め具付フック10A,10Bは,フック部11dを有するフック本体と,このフック本体に装着されて掛止部材の外れを防ぐ外れ止め具とを備えている。

フック本体には,外れ止め具12が軸支される挿入孔が設けられ,外れ止め具12は,フック本体のフック部11dの内側に弾発的に当接する当接部と,この当接部の両端から所定長さ延び外方へ所定高さ膨らんだ対向する一対の耳片部と,耳片部から所定長さ延設されて両先端端部をそれぞれ内方に折曲させて一対の枢軸部とを有し,枢軸部がフック本体の挿入孔に軸支されている。
この張架・牽引材長さ調節装置15Aによれば,ホルダー17及びこれに付属する部材を省かれているので,部品点数が少なくなると共の安価にできる。
10 外れ止め具付きフック
10A,10B 第1,第2の外れ止め具付きフック
11 フック本体
11a 側本体部
11b 先端部
11c 底部
11d フック部
11 挿入口
11 フック溝
11,11 枢支孔
11 隘路ゲート
12 外れ止め具
12a 当接部
12b,12c 耳片部
12d,12e ブロック部
12f,12g 枢支軸部
15,15A 引架・牽引材長さ調節装置
16 長尺ボルト
16a ボルト頭部
16b ボルト軸
16c 雄ネジ
16d 先端部
17 ホルダー
17 中空孔
171 隙間溝
18 筒状体
18a 挿通孔
18 雌ネジ
19 平ワッシャー
20 抜け止め部材
C チェーン
S 組立セット

Claims (8)

  1. 一端にボルト頭部,前記ボルト頭部から所定長さ延び外周面に雄ネジが刻設されたボルト軸を有する長尺ボルトと,前記長尺ボルトの頭部側に装着される第1の外れ止め具付フック及び前記ボルト軸に羅合される第2の外れ止め具付フックとを備えた吊りチェーンなどの張架・牽引材長さ調節装置において,
    前記第1,第2の外れ止め具付フックは,フック部を有するフック本体と,前記フック本体に装着されて前記掛止部材の外れを防ぐ外れ止め具とを備え,
    前記フック本体は,側本体部と,前記側本体部の頂部から側方に所定長さ延設した先端部と,前記側本体部の底部から前記先端部と同方向に所定長さ延設したフック部とを備え,前記先端部と前記フック部との間に前記張架・牽引材が挿入される挿入口と,前記挿入口に連通し前記張架・牽引材が挿入掛止されるフック溝を内部に備え,前記挿入口は前記張架・牽引材の挿入を制限する溝幅を狭めた隘路ゲートとされ,全体構造が側面視で略C字型をなしており,
    前記外れ止め具は,前記フック本体の前記フック部に当接する当接部と,前記当接部の両端からそれぞれ所定長さ延設され外方へ所定高さ膨出した対向する一対の耳片部と,前記各耳片部から所定長さ延設され,前記フック部の先端側から前記フック本体の先端部の間において前記隘路ゲートの側面に沿って延在している一対のブロック部と,前記各ブロック部の先端側において互いに対向するように折曲げられた一対の枢支軸部とを有し,
    当該外れ止め具は,前記当接部を前記フック部の内側に所定の弾発力で当接させ,前記フック部の先端と前記各ブロック部乃至各耳片部との隙間はゼロ乃至前記張架・牽引材の直径以下にされ,前記各耳片部を前記フック本体から前記張架・牽引材のリング幅を超える長さ膨出させて,前記各枢支軸部が前記フック本体の先端部に枢支されて,前記張架・牽引材は前記挿入口から前記隘路ゲートを通過させて前記フック溝に掛止されることを特徴とする張架・牽引材長さ調節装置。
  2. 一端にボルト頭部,前記ボルト頭部から所定長さ延び外周面に雄ネジが刻設されたボルト軸を有する長尺ボルトと,内部に前記ボルト軸が挿通される中空孔及び外周壁の長さ方向に隙間溝を設けたカバーケースからなるホルダーと,前記ホルダー内に挿入されて前記長尺ボルトの頭部側に装着される第1の外れ止め具付フック及び前記ボルト軸に羅合される第2の外れ止め具付フックとを備え,
    前記第1,第2の外れ止め具付フックは,前記ホルダーの前記隙間溝から上方へ突出するフック部を有するフック本体と,前記フック本体に装着されて掛止部材の外れを防ぐ外れ止め具とを有し,
    前記フック本体は,側本体部と,前記側本体部の頂部から側方に所定長さ延設した先端部と,前記側本体部の底部から前記先端部と同方向に所定長さ延設したフック部とを備え,前記先端部と前記フック部との間に前記張架・牽引材が挿入される挿入口と,前記挿入口に連通し前記張架・牽引材が挿入掛止されるフック溝を内部に備え,前記挿入口は前記張架・牽引材の挿入を制限する溝幅を狭めた隘路ゲートとされ,全体構造が側面視で略C字型をなしており,
    前記外れ止め具は,前記フック本体の前記フック部に当接する当接部と,前記当接部の両端からそれぞれ所定長さ延設され外方へ所定高さ膨出した対向する一対の耳片部と,前記各耳片部から所定長さ延設され,前記フック部の先端側から前記フック本体の先端部の間において前記隘路ゲートの側面に沿って延在している一対のブロック部と,前記各ブロック部の先端側において互いに対向するように折曲げられた一対の枢支軸部とを有し,
    当該外れ止め具は,前記当接部を前記フック部の内側に所定の弾発力で当接させ,前記フック部の先端と前記各ブロック部乃至各耳片部との隙間はゼロ乃至前記張架・牽引材の直径以下にされ,前記各耳片部を前記フック本体から前記張架・牽引材のリング幅を超える長さ膨出させて,前記各枢支軸部が前記フック本体の先端部に枢支されて,前記張架・牽引材は前記挿入口から前記隘路ゲートを通過させて前記フック溝に掛止されることを特徴とする張架・牽引材長さ調節装置。
  3. 前記隘路ゲートは,前記張架・牽引材の直径に長さ1.0mm〜2.0mmの範囲内の長さを加算したゲート幅で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の張架・牽引材長さ調節装置。
  4. 前記外れ止め具は,前記各耳片部が前記各枢支軸部から離れるに従って外方へ大きく膨出されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の張架・牽引材長さ調節装置。
  5. 前記長尺ボルトは,前記ホルダーに挿通されて,該長尺ボルトの先端部に前記ボルト頭部と異なる形状乃至サイズの抜け止め部材が装着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の張架・牽引材長さ調節装置。
  6. 前記第1,第2の外れ止め具付きフックの少なくともいずれか一方に過大な荷重が掛かったときに,前記ホルダーと前記長尺ボルトとの組立セットは,前記第1,第2の外れ止め具付きフックより先に機械的に変形することを特徴とする請求項1又は2に記載の張架・牽引材長さ調節装置。
  7. 前記長尺ボルト及びホルダーは普通鋼で形成され,前記第1,第2の外れ止め具付きフックは,いずれも炭素鋼からなる鍛造成型体で形成されていることを特徴とする請求項6に記載の張架・牽引材長さ調節装置。
  8. 前記ボルト頭部は,工具と結合される形状になっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の張架・牽引材長さ調節装置。
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