以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下の順序で説明を行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.第3の実施の形態
<<1.第1の実施の形態>>
<ロボットカメラ制御システムの構成例>
図1を参照して、本開示の技術を適用したロボットカメラ制御システムについて説明する。図1のロボットカメラ制御システムは、複数のロボットカメラを用いたテレビ番組の収録、音楽ライブ、およびスポーツ中継等の撮影で使用されるシステムであり、被写体となる出演者、アーティスト、またはスポーツ選手を、テレビ番組、音楽ライブ、およびスポーツ中継の流れに沿って、遠隔操作で動作するロボットカメラの撮像を制御するものである。
尚、以降においては、ロボットカメラ制御システムの用途として、テレビ番組の収録、音楽ライブ、およびスポーツ中継を撮像する場合の例について説明を進めるものとするが、その用途は、一例にすぎず、当然のことながら、テレビ番組の収録、音楽ライブ、およびスポーツ中継以外の撮像対象を撮像するものであってもよい。
より詳細には、ロボットカメラ制御システム1は、スイッチャ装置11、受信部12、外部情報供給部13、ロボットカメラ14−1乃至14−n、マニュアルカメラ15、およびセンサ装置16−1乃至16−mより構成される。尚、以降において、ロボットカメラ14−1乃至14−n、およびセンサ装置16−1乃至16−mについて、それぞれ特に区別する必要がない場合、単にロボットカメラ14、およびセンサ装置16と称し、それ以外の構成についても同様に称する。
センサ装置16−1乃至16−mは、図中の被写体側の点線枠内に構成されるように、被写体となる出演者、アーティスト、およびスポーツ選手などにより保持されるものであり、位置情報を取得して無線の通信機能により受信部12に送信する。
尚、センサ装置16は、被写体となるもので、特に、動くようなものであれば、人物に限らず様々なものに保持させることが可能であり、例えば、バスケットボールの試合の中継などでは、バスケットボールなどに保持されるようにして、バスケットボールの位置情報が取得できるようにしてもよい。また、この例では、位置情報の送信には、無線の通信機能により受信部12に送信する例を示すが、センサ装置16は保持される対象(被写体)の動きに制限があるような場合(被写体が、例えば、舞台セットなどで固定された範囲を移動する人形などである場合)、有線の通信機能で受信部12に送信するようにしてもよい。
受信部12は、センサ装置16−1乃至16−mより送信される、それぞれの位置情報を受信し、有線や無線の通信機能によりスイッチャ装置11に送信する。
ロボットカメラ14−1乃至14−nは、図中の撮像側の点線枠内に構成されるように、スイッチャ装置11によりカメラワークを制御されて、例えば、被写体となる出演者、アーティスト、またはスポーツ選手を撮像し、撮像した画像をスイッチャ装置11に送信する。
マニュアルカメラ15は、カメラスタッフにより操作されて、画像を撮像するカメラであり、カメラスタッフの操作に応じたカメラワークで被写体を撮像し、撮像した画像をスイッチャ装置11に送信する。
外部情報供給部13は、テレビ番組であれば、番組の進行情報、音楽ライブであれば、楽曲のスコア情報、スポーツ中継であれば、得点、選手の活動データなどの、いわゆる、スタッツ情報を含むスポーツデータからなる外部情報を、例えば、図示せぬ情報配信用のサーバなどからネットワークを介して取得し、スイッチャ装置11に供給する。
スイッチャ装置11は、入力系統となるロボットカメラ14−1乃至14−nにより撮像された画像を受信し、1系統以上の図示せぬ出力系統に切り替えて出力する。スイッチャ装置11は、受信部12より供給されるセンサ装置16−1乃至16−mのそれぞれの位置情報、外部情報供給部13より供給される外部情報、および撮像の経過時間を示すタイミング情報に基づいて、ロボットカメラ14−1乃至14−nのカメラワークの動作を制御して、被写体を撮像させて、撮像された画像をロボットカメラ14−1乃至14−nから受信する。尚、タイミング情報は、絶対時刻情報であってもよいし、それ以外の時間の経過を示すパラメータであってもよい。
<図1のスイッチャ装置の構成例>
次に、図2のブロック図を参照して、スイッチャ装置11の構成例について説明する。
スイッチャ装置11は、制御部31、位置情報取得部32、外部情報取得部33、記憶部34、カメラワーク制御情報送信部35、画像受信部36、およびタイミング情報取得部37より構成される。
制御部31は、スイッチャ装置11の動作の全体を制御し、カメラワーク制御情報生成部51、および画像取得管理部52を備えている。
カメラワーク制御情報生成部51は、タイミング情報取得部37よりタイミング情報を、位置情報取得部32よりセンサ装置16−1乃至16−mの位置情報をそれぞれ取得する。また、カメラワーク制御情報生成部51は、記憶部34のカメラワーク情報テーブルセット格納部71に格納されている撮像対象毎に格納されているカメラワーク情報テーブルセットのうち、撮像する撮像対象に対応するカメラワーク情報テーブルセットを読み出す。
ここで、カメラワーク情報テーブルセットは、被写体の位置と、撮像の経過時間を表すタイミング情報とに対応するカメラワーク情報を特定するためのテーブルである。カメラワーク情報とは、タイミング情報により指定されるタイミングのそれぞれにおいて、特定の被写体を特定のカメラワークで撮像するために、ロボットカメラ14を制御するためのパンチルトズームの値を特定する情報である。
カメラワーク制御情報生成部51は、撮像する撮像対象に応じて読み出されたカメラワーク情報テーブルセットのうち、タイミング情報に対応するカメラワーク情報のパン、チルト、ズームの情報から、ロボットカメラ14−1乃至14−nのそれぞれで認識可能な形式のカメラワーク制御情報(Control)を生成する。
そして、カメラワーク制御情報生成部51は、生成したカメラワーク制御情報を、カメラワーク制御情報送信部35より、ロボットカメラ14−1乃至14−nのそれぞれに送信させる。
画像取得管理部52は、画像受信部36を制御して、ロボットカメラ14−1乃至14−nにより撮像された画像(Video)を順次記憶部34の画像データ格納部72にロボットカメラ14−1乃至14−nを識別する識別子に対応付けて格納させる。
位置情報取得部32は、受信部12より送信されるセンサ装置16−1乃至16−mのそれぞれの位置情報を取得して、制御部31に供給する。
外部情報取得部33は、外部情報供給部13より供給される外部情報を取得して、制御部31に供給する。
記憶部34は、カメラワーク情報テーブルセット格納部71、および画像データ格納部72を備える。カメラワーク情報テーブルセット格納部71に格納されるカメラワーク情報テーブルセットについては、図6を参照して詳細を後述する。また、画像データ格納部72は、ロボットカメラ14−1乃至14−nのそれぞれにより撮像された画像を、それぞれに対応する識別子に対応付けて格納する。
ここで、画像データ格納部72に格納される、ロボットカメラ14−1乃至14−nのそれぞれにより撮像された画像は、音声を含む動画像であることを前提として説明を進めるものとするが、当然のことながら、静止画像であってもよいし、動画像のみであってもよいものである。
タイミング情報取得部37は、外部より供給されるタイミング情報を取得して制御部31に供給する。
<ロボットカメラの構成例>
次に、図3のブロック図を参照して、ロボットカメラ14の構成例について説明する。
ロボットカメラ14は、スイッチャ装置11からのカメラワーク制御情報に基づいて、画角を調整し、調整された画角に基づいた構図で撮像された画像をスイッチャ装置11に出力する。したがって、ロボットカメラ14は、カメラスタッフを必要とせず、無人で画角を調整することができる。
より詳細には、ロボットカメラ14は、カメラワーク制御情報受信部91、制御部92、撮像制御部93、撮像部94、画像取得部95、および画像送信部96を備えている。
カメラワーク制御情報受信部91は、スイッチャ装置11から送信されたカメラワーク制御情報を受信し、制御部92に供給する。
制御部92は、ロボットカメラ14の動作の全体を制御し、さらに、カメラワーク制御情報受信部91より供給されるカメラワーク制御情報に基づいて、撮像制御部93を制御する制御信号を生成して、撮像制御部93を制御する。
撮像制御部93は、制御部92からの制御信号に基づいて、撮像部94のパン、チルト、ズームを制御する。
撮像部94は、撮像素子と光学ブロックとから構成されている。撮像部94は、パン、チルト、ズーム機構を備えており、撮像制御部93により制御され、画像を撮像して画像取得部95に出力する。ここでいう、ズーム機構は、光学ブロックを利用した光学ズームにより実現される機構と、電子ズームにより実現される機構とを組み合わせたものでもよいし、そのいずれかの機構のみで実現するものであってもよい。
画像取得部95は、制御部92により制御されて、撮像部94により供給された画像を取得し、一時的に記憶し、後段の画像送信部96における画像の送信に際して、アンダーフローやオーバーフローが発生しないように調整して、画像を画像送信部96に出力する。
画像送信部96は、制御部92により制御され、画像取得部95より供給される画像データをスイッチャ装置11に送信する。
<マニュアルカメラの構成例>
次に、図4のブロック図を参照して、マニュアルカメラ15の構成例について説明する。
マニュアルカメラ15は、カメラスタッフの操作に応じて、画像を撮像し、撮像した画像をスイッチャ装置11に送信する。
より詳細には、マニュアルカメラ15は、操作部111、制御部112、撮像制御部113、撮像部114、画像取得部115、および画像送信部116を備えている。
操作部111は、撮像部114のパン、チルト、ズームを制御するためのカメラスタッフによる操作を受け付けて、操作内容に対応する操作信号を制御部112に出力する。
制御部112は、マニュアルカメラ15の動作の全体を制御し、さらに、操作部111より供給される操作信号に基づいて、撮像制御部93を制御する制御信号を生成して、供給する。尚、マニュアルカメラ15におけるパン、チルト、ズームは、制御部112が撮像部114の姿勢を調整するアクチュエータ等を制御する他、運台に載った撮像部114をカメラスタッフが直接振ってパン、チルトさせたり、マニュアル操作でズームを実現させたりすることも可能である。
尚、撮像制御部113、撮像部114、画像取得部115、および画像送信部116は、それぞれ撮像制御部93、撮像部94、画像取得部95、および画像送信部96と同一の構成であるので、その説明は省略する。
<センサ装置の構成例>
次に、図5のブロック図を参照して、センサ装置16の構成例について説明する。
センサ装置16は、位置情報検出部131、記憶部132、位置算出部133、および通信部134を備えている。
位置情報検出部131は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)を用いた位置検出装置であり、図示せぬ衛星からの信号に基づいて、地球上の位置情報を検出し、位置算出部133に出力する。
記憶部132は、位置情報検出部131のそれぞれに固有の誤差を補正するためのキャリブレーション情報を記憶しており、位置算出部133に出力する。
位置算出部133は、位置情報検出部131より供給される位置情報を、キャリブレーション情報に基づいて補正して、適切な位置情報を算出して通信部134に供給する。なお、この位置算出部133を備えずに位置情報検出部131で検出された位置情報をそのまま通信部134に供給しても良い。
通信部134は、位置算出部133より供給される位置情報を取得して、受信部12に送信する。
<カメラワーク情報テーブルセット>
次に、図6を参照して、カメラワーク情報テーブルセットについて説明する。
カメラワーク情報テーブルセットは、ロボットカメラ14毎に設定されるものであり、例えば、図6で示されるように、被写体が存在する3次元空間上の座標位置毎に設定されるカメラワーク情報のテーブルセットである。図6においては、撮像する撮像対象毎にカメラワーク情報テーブルセットTS1乃至TSxが構成されている。
なお、カメラワーク情報テーブルセットTS1乃至TSnは、それぞれロボットカメラ14毎に設定されていても良い。また、カメラワーク情報テーブルセットTS1乃至TSnは、例えば、テレビ番組収録、音楽ライブ、およびスポーツ中継など、撮像すべき撮像対象に対応してそれぞれ設けられる。尚、テーブルセットTS1乃至TSxのそれぞれを区別する必要がない場合、単に、テーブルセットTSと称する。
各テーブルセットTSは、ロボットカメラ14毎であって、被写体の3次元空間内の位置毎に設定されるカメラワーク情報から構成される。尚、カメラワーク情報は、例えば、2次元で表現されるテニスコート内に存在する選手の位置を表すように、2次元空間内の位置毎に設定されるようにしてもよい。
カメラワーク情報とは、ロボットカメラ14のそれぞれについて、タイミング情報により指定されるタイミング毎に、どの被写体をどのようなカメラワークで撮像するのかを指定する情報である。
より具体的には、カメラワーク情報は、被写体の位置、および、タイミング毎に、ズーム、パン、チルトの量や方向、それらの変化量などを指定する情報である。
例えば、図6のテーブルセットTS1は、音楽ライブの撮像に使用されるテーブルセットTSの例である。テーブルセットTS1は、図中の下方向に経過する時間に応じたタイミングT毎の、3次元空間内の座標(x1,y1,z1),(x2,y2,z2),(x3,y3,z3),・・・(xn,yn,zn)のそれぞれの位置に被写体が存在したときのカメラワーク情報が登録されたテーブルである。
すなわち、図6のテーブルセットTS1において、例えば、被写体151の位置情報が座標(x1,y1,z1)である場合、タイミングT=t0乃至t3においては、被写体151が撮像される画像F11内の垂直方向に全身を収め、かつ、水平方向に対して左寄りの位置に位置するような構図(カメラワーク)で撮像することを指定するカメラワーク情報が登録されている。
また、被写体151の位置情報が座標(x1,y1,z1)である場合、タイミングT=t3乃至t5においては、被写体151が撮像される画像F11内の垂直方向に上半身を収め、かつ、水平方向に中央の位置に位置するような構図(カメラワーク)で撮像することを指定するカメラワーク情報が登録されている。
さらに、被写体151の位置情報が座標(x2,y2,z2)である場合、タイミングT=t0乃至t2においては、被写体151が撮像される画像F21内の垂直方向に全身を収め、かつ、水平方向に中央の位置に位置するような構図(カメラワーク)で撮像することを指定するカメラワーク情報が登録されている。
また、被写体151の位置情報が座標(x2,y2,z2)に存在する場合、タイミングT=t2乃至t5においては、被写体151が撮像される画像F21内の垂直方向に上半身を収め、かつ、水平方向に中央の位置に位置するような構図(カメラワーク)を指定するカメラワーク情報が登録されている。
同様に、被写体151の位置情報が座標(x3,y3,z3)に存在する場合、タイミングT=t0乃至t1においては、被写体151が撮像される画像F31内の垂直方向に全身を収め、かつ、水平方向に右寄りの位置に位置するような構図(カメラワーク)を指定するカメラワーク情報が登録されている。
また、被写体151の位置情報が座標(x3,y3,z3)に存在する場合、タイミングT=t1乃至t3においては、被写体151が撮像される画像F31内の垂直方向に全身を収め、かつ、水平方向に左寄りの位置に位置するような構図(カメラワーク)を指定するカメラワーク情報が登録されている。
さらに、被写体151の位置情報が座標(x3,y3,z3)に存在する場合、タイミングT=t3乃至t5においては、被写体151が撮像される画像F31内の垂直方向に全身を収め、かつ、水平方向に右寄りの位置に位置するような構図(カメラワーク)を指定するカメラワーク情報が登録されている。
尚、図6のテーブルに格納される各カメラワーク情報は、それぞれのロボットカメラ14により撮像される被写体の構図として表記されているが、実際のカメラワーク情報は、ロボットカメラ14で撮像する際に必要とされるカメラワークを実現するためのパンチルトズームを指定する情報となる。
被写体151の位置は、被写体151により所持されるセンサ装置16より送信される位置情報により特定することができる。そこで、ロボットカメラ制御情報生成部51は、例えば、被写体151の位置情報が座標(x1,y1,z1)に存在する場合、タイミングT=t0乃至t3については、被写体151の位置情報、およびカメラワーク情報に基づいて、被写体151が画像F11内の垂直方向に全身が入り、かつ、水平方向に中心から左寄りの位置に入るような構図(カメラワーク)を実現可能なロボットカメラ14を制御するためのパンチルトズーム情報からなるカメラワーク情報を示すカメラワーク情報テーブルセットTSからカメラワーク制御情報を生成し、カメラワーク制御情報送信部35からロボットカメラ14に送信させる。
また、例えば、音楽ライブを撮像する場合、カメラワーク情報は、所定のタイミングにおける音楽ライブが開催されるステージ171上の被写体151の位置に応じて、被写体の構図(画角)を特定することを指定する情報である。
すなわち、図7の左部で示されるように、所定のタイミングTにおいて、音楽ライブにおけるステージ171内において、例えば、被写体151となるアーティストが、ステージ171における向かって左側の位置PLに存在する場合、カメラワーク情報は、ロボットカメラ14により撮像される画像F111内の垂直方向に全身が収まるように構図が制御され、かつ、画像F111の左寄りに位置するように構図が制御されるように指定する情報である。
また、図7の中央部で示されるように、所定のタイミングTにおいて、例えば、被写体151となるアーティストが、ステージ171における正面中央の位置PCに存在する場合、カメラワーク情報は、ロボットカメラ14により撮像される画像F112で示されるように、画像F112内の垂直方向に上半身が収まるように構図が制御され、かつ、画像F112の水平方向の中央に位置するように構図が制御されるように指定する情報である。
同様に、図7の右部で示されるように、所定のタイミングTにおいて、例えば、被写体151となるアーティストが、ステージ171における向かって右側の位置PRに存在する場合、カメラワーク情報は、撮像する画像F113で示されるように、画像F113内の垂直方向に全身が収まるように構図が制御され、かつ、画像F113の水平方向の右寄りに位置するように構図が制御されるように指示する情報である。
このように指示することで、被写体の位置に応じた様々なカメラワークを実現することができる。
尚、図7においては、それぞれ上段においては、ステージ171上の被写体151のそれぞれの位置PL,PC,PRと、対応するロボットカメラ14により撮像される画像F111乃至F113の範囲が示されており、下段においては、画像F111乃至F113が示されている。
<撮像される画像における2次元空間上の画素位置と、被写体の3次元空間上の位置との関係>
次に、図8,図9を参照して、撮像される画像における2次元空間上の画素位置と、被写体の3次元空間上の位置との関係について説明する。
図8で示されるように、ロボットカメラ14により撮像される被写体151の3次元空間内の点の座標位置を、座標(x,y,z,1)の転置行列で表し、対応するロボットカメラ14により撮像された画像内の点の座標位置を、座標(u,v,1)の転置行列で表すとき、透視投影モデルに基づいたカメラモデルは、以下の行列式からなる式(1)で表現される。
ここで、fu,fvは、ロボットカメラ14の焦点距離を、u,vは、撮像された画像内における被写体151の中心位置(センサ装置16が所持されている位置)を、sは、skewを、rij(i,j=0,1,2),ti(i=0,1,2)は回転と並進を、それぞれ表すパラメータである。
すなわち、3次元空間内の座標(x,y,z,1)に存在する点は、2次元の画像空間内における座標(u,v,1)に投影される。
ここで、パン、チルト、ズームは、パンP・チルトTが、rijにより表現され、ズーム率Zが、fu,fvにより表現される。
そこで、パンP・チルトTは、rij=R(x,y,z)と定義し、ズーム率Z=(fu+fv)/2をF(x,y,z)と定義し、予めパンP・チルトT=R(x,y,z)、およびズーム率Z=F(x,y,z)を特定することで、ロボットカメラ14のカメラワークを特定する。
例えば、図9の右部で示されるように、ロボットカメラ14により撮像される画像F111の中心位置を座標中心として画素位置の座標(x,y)を定義するとき、図9の左上部で示される、ステージ171上の、位置PLの被写体151が座標(x,y,z,1)の点として表現される場合、上述した式(1)を用いることで、対応する被写体151が画像F111内の画素位置FPL(u,v,1)上の点として投影される。
このような関係を用いることで、カメラワーク制御情報生成部51は、カメラワーク情報に基づいた、3次元空間内における被写体151の座標位置(位置情報)と、ロボットカメラ14により撮像される画像内における画素位置とを対応付けることで、ロボットカメラ14のパン、チルト、ズームを制御するカメラワーク制御情報を求めることが可能となり、様々なカメラワークを設定することができる。
カメラワーク情報は、各ロボットカメラ14において撮像する被写体と、その被写体に関する構図を特定する情報である。具体的には、被写体と、被写体に関する構図でその被写体を撮像するためのパンチルトズームの情報である。カメラワーク制御情報は、カメラワーク情報により特定されたパンチルトズームの情報をロボットカメラ14で認識できる情報に変換した情報である。したがって、ロボットカメラ14がカメラワーク情報を認識できる場合は、カメラワーク制御情報へ変換する必要はない。
また、カメラワーク情報は、被写体151が存在し得る3次元空間内の座標位置毎に設定されているが、ある範囲を有する領域ごとにカメラワーク情報を設定しても良い。
また、被写体の全ての位置に対してテーブルセットを用意しなくても良い。この場合は、被写体の位置に近い複数の位置情報に対応するカメラワーク情報から補間により、カメラワーク情報を生成しても良い。
<カメラワーク制御処理>
次に、図10,図11のフローチャートを参照して、図1のロボットカメラ制御システム1によるカメラワーク制御処理について説明する。
ステップS11において、センサ装置16の位置情報検出部131は、図示せぬGNSSの衛星からの信号を受信し、現在の位置情報を検出し、位置算出部133に供給する。
ステップS12において、位置算出部133は、記憶部132に記憶されているキャリブレーション情報を読み出す。
ステップS13において、位置算出部133は、位置情報検出部131より供給される位置情報を、キャリブレーション情報に基づいて補正して、補正した位置情報を通信部134に出力する。
ステップS14において、通信部134は、補正された位置情報を受信部12に送信する。
通信部134が送信する位置情報は、センサ装置16を識別する識別子id、センサ装置16を保持する保持者のタイプ情報type、および位置を示す座標情報(x,y,z)を含む情報である。センサ装置16を保持する保持者のタイプ情報typeは、例えば、撮像する撮像対象がスポーツ中継の場合、例えば、「Player in Team A」、「Player in Team B」であり、音楽ライブやコンサートの場合、例えば、「Vocal」、「Guitar」、「Bass」、「Dancer」などである。したがって、位置情報は、位置情報Sid=(id,type,x,y,z)のように表現することができる。
ステップS15において、位置算出部133は、処理の終了が指示されたか否かを判定し、終了が指示されていない場合、処理は、ステップS11に戻る。そして、ステップS15において、終了が指示された場合、処理は、終了する。すなわち、処理の終了が指示されるまで、センサ装置16は、繰り返し、位置情報を生成して、受信部12に送信する。
以上の処理により、センサ装置16−1乃至16−mは、個別に位置情報Sidを生成して、受信部12に送信する処理を終了が指示されるまで繰り返す。そして、受信部12は、センサ装置16−1乃至16−mより送信される位置情報を受信して、スイッチャ装置11に出力する。
一方、スイッチャ装置11は、ステップS31において、制御部31が、カメラワーク制御情報生成部51を制御して、記憶部34のカメラワーク情報テーブルセット格納部71に格納されているカメラワーク情報テーブルセットTSのうち、撮像する撮像対象に対応するカメラワーク情報テーブルセットTSを読み出す。尚、カメラワーク情報テーブルセットTSは、カメラワーク制御処理を開始する前のタイミングで予め読み出しておくようにしてもよい。
ステップS32において、制御部31が、タイミング情報取得部37を制御して、外部の図示せぬタイミング発生装置より生成されるタイミング情報Tを取得させる。
ステップS33において、制御部31は、カメラワーク制御情報生成部51を制御して、未処理のロボットカメラ14のいずれかを処理対象のロボットカメラ14に設定させる。
ステップS34において、カメラワーク制御情報生成部51は、読み出したカメラワーク情報テーブルセットのうち、処理対象のロボットカメラ14のカメラワーク情報テーブルからタイミング情報Tに対応するカメラワーク情報を読み出す。
ステップS35において、カメラワーク制御情報生成部51は、センサ装置16からの位置情報を使用するか否かを判定する。すなわち、センサ装置16からの位置情報については、予め使用するか否かを設定するか、または、位置情報が取得できるか否かにより切り替えることができる。ステップS34において、位置情報を使用すると判定された場合、処理は、ステップS36に進む。
ステップS36において、カメラワーク制御情報生成部51は、位置情報取得部32を制御して、センサ装置16からの位置情報を取得させる。
ステップS37において、カメラワーク制御情報生成部51は、カメラワーク情報、および位置情報に基づいて、カメラワーク制御情報を生成し、処理は、ステップS39に進む。より詳細には、カメラワーク制御情報生成部51は、以下の式(2)で演算される3次元空間内の座標情報ctrlnを求め、カメラワーク情報テーブルセットより、対応するロボットカメラ14のパン、チルト、ズームを読み出して、カメラワーク制御情報を生成し、カメラワーク制御情報送信部35に出力する。
ここで、widは、センサ装置16を保持する保持者または保持物である被写体の重みであり、Sidは、センサ装置16の位置情報である。また、λは、センサ装置16により特定される被写体の3次元空間内の位置に対する重みであり、(1−λ)はカメラワーク情報により特定される被写体の3次元空間内の位置に対する重みであり、Qnは、カメラワーク情報により特定される、センサ装置16が使用されない時、または、位置情報が検出できない状態における、被写体の3次元空間内で存在することを仮定する位置である。また、mは、センサ装置16の数であり、idは、センサ装置16を識別する識別子である。
式(2)における第一項は、センサ装置16−1乃至16−mのそれぞれの重みに応じた位置情報の重心位置と、その重みλが乗じられた値となり、第二項は、カメラワーク情報により位置情報を使用しない、または、位置情報が検出されない状態で、被写体が存在するものと仮定される3次元空間内の位置と、その重み(1−λ)が乗じられた値となる。
ここで、3次元空間内の位置Qnは、センサ装置16を使用しない、または、位置情報が検出できない状態における、被写体151が存在するものと仮定する3次元空間内における位置情報である。
したがって、式(2)において、ctrlnは、複数のセンサ装置16により特定される3次元空間内のロボットカメラ14で撮像する被写体の位置と、センサ装置16を使用しない、または、位置情報が検出できない状態における、被写体151が存在するものと仮定する3次元空間内における位置との重みλを用いた重心位置となる。重みλが大きいほど適応的な制御が可能となる。
一方、ステップS35において、位置情報を使用しないと判定された場合、処理は、ステップS38に進む。
ステップS38において、カメラワーク制御情報生成部51は、カメラワーク情報に基づいて、カメラワーク制御情報を生成し、処理は、ステップS39に進む。より詳細には、カメラワーク制御情報生成部51は、以下の式(3)で示される演算により、カメラワーク制御情報を生成し、カメラワーク制御情報送信部35に出力する。
すなわち、位置情報を使用しない場合、被写体が存在するものと仮定する3次元空間内の位置Qnを基準にしたカメラワーク制御情報が生成される。
ステップS39において、カメラワーク制御情報送信部35は、処理対象となるロボットカメラ14にカメラワーク制御情報を送信する。
ステップS40において、カメラワーク制御情報生成部51は、未処理のロボットカメラ14が存在するか否かを判定し、未処理のロボットカメラ14が存在する場合、処理は、ステップS33に戻る。すなわち、未処理のロボットカメラ14がなくなるまで、ステップS33乃至S40の処理を繰り返す。
そして、ステップS40において、未処理のロボットカメラ14がないとみなされた場合、処理は、ステップS41に進む。
この処理に応じて、ロボットカメラ14は、ステップS71(図11)において、カメラワーク制御情報受信部91を制御して、カメラワーク制御情報を受信させ、取得する。
ステップS72において、制御部92は、取得したカメラワーク制御情報に基づいて、撮像制御部93を制御して、撮像部94のパンチルトズームにより構図を制御させる。
ステップS73において、制御部92は、取得したカメラワーク制御情報に基づいて、撮像制御部93を制御して、撮像部94により撮像させる。この処理により、撮像部94は、カメラワーク制御情報に基づいたパンチルトズームにより構図を制御し、制御された構図で画像を撮像して画像取得部95に出力する。
ステップS74において、制御部92は、画像取得部95を制御して、撮像部94により撮像された画像を取得させ、一時的に記憶し、オーバーフローやアンダーフローが発生しないように調整しながら画像を画像送信部96に出力させる。
ステップS75において、制御部92は、画像送信部96を制御して、画像取得部95より供給された画像をスイッチャ装置11に送信させる。
ステップS76において、制御部92は、処理の終了が指示されたか否かを判定し、終了が指示されていない場合、処理は、ステップS71に戻り、終了が指示されるまで、ステップS71乃至S76の処理が繰り返される。
そして、ステップS76において、終了が指示されると、処理は、終了する。
尚、マニュアルカメラ15については、ステップS71,S72の処理に代えて、制御部112が、カメラワーク制御情報に対応する、カメラスタッフによる操作に応じた操作部111からの操作信号に応じて、撮像部114を制御する。以降の処理については、ステップS73乃至S76と同様の処理であるので、その説明は省略するものとする。
以上の処理により、ロボットカメラ14およびマニュアルカメラ15より撮像された画像がスイッチャ装置11に送信される。
この処理に応じて、ステップS41において、制御部31は、画像受信部36を制御して、全ロボットカメラ14およびマニュアルカメラ15より送信される画像を受信させる。
ステップS42において、制御部31は、画像受信部36を制御して、記憶部34に、受信した画像を画像データ格納部72にロボットカメラ14の識別子と対応付けて記録させる。
ステップS43において、制御部31は、終了が指示されたか否かを判定し、終了が指示されていない場合、処理は、ステップS31に戻る。すなわち、処理の終了が指示されるまで、ステップS31乃至S43の処理が繰り返される。
そして、ステップS43において、終了が指示されると、処理が終了する。
以上の処理により、例えば、センサ装置16の位置情報を使用しない場合、例えば、図12で示されるようなカメラワーク情報からなるカメラワーク情報テーブルセットTSを使用する場合を考える。
図12においては、タイミングT=t1乃至t3において、ロボットカメラ14により撮像される画像F112内において、ステージ171上の中心位置PCに存在することを仮定する被写体151が画像内の垂直方向に上半身を収め、かつ、水平方向に中央の位置に位置するような構図で撮像されるようにパン、チルト、ズームが設定されるようなカメラワーク情報が登録されている。
また、タイミングT=t3乃至t5において、ロボットカメラ14により撮像される画像F112内において、ステージ171上の中心位置PCに存在することを仮定する被写体151がフレーム内の垂直方向に全身を収め、かつ、水平方向に中央の位置に位置するような構図で撮像されるようにパン、チルト、ズームが設定されるようなカメラワーク情報が登録されている。
さらに、タイミングT=t5乃至t7において、ロボットカメラ14により撮像される画像F112内において、ステージ171上の中心位置PCに存在することを仮定する被写体151がフレーム内の垂直方向に上半身を収め、かつ、水平方向に中央の位置に位置するような構図で撮像されるようにパン、チルト、ズームが設定されるようなカメラワーク情報が登録されている。
ここで、図12のカメラワーク情報テーブルセットについては、被写体151がステージ171上の中心となる位置PCに存在すること仮定としたカメラワーク情報であるので、被写体151が位置PCに正確に存在すれば、適切な画像を生成することができる。
しかしながら、被写体151の位置が、位置PCではないときには、適切な画像を撮像することができない可能性がある。
これに対して、位置情報を利用した場合、図13で示されるように、被写体151の位置に応じた適応的な撮像が可能となる。
すなわち、図13で示されるように、例えば、タイミングT=t1乃至t3において、被写体151が現実に存在する位置PC’が、仮定された位置PCと一致した場合、図12を参照して説明した場合と同様に、想定された被写体の構図(画角)で被写体151を撮像することができる。
しかしながら、図13のタイミングT=t3乃至t5において、被写体151の存在することが仮定された位置PCからずれた、位置PC’に現実の被写体151’が存在する場合、位置PC’の位置情報に基づいて、式(2)で示されるような演算であって、例えば、λ=1のとき、撮像される画像は、被写体151が位置PCに存在することを仮定した場合の画像F112’ではなく、被写体151’が現実に存在する位置PC’の位置情報に対応した画像F131で示される構図の画像となる。
さらに、図13のタイミングT=t5乃至t7において、被写体151が、仮定となる位置PCからずれた、位置PC’’に被写体151’’として現実に存在する場合、位置PC’’の位置情報に基づいて、式(2)で示されるような演算であって、例えば、λ=1のとき、撮像される画像は、被写体151が位置PCに現実存在した場合の画像F112ではなく、被写体151’’が存在する位置PC’’の位置情報に対応した画像F132で示される構図の画像となる。
このように、位置情報を利用することで、カメラワーク情報テーブルセットに予め設定されたカメラワーク情報に対して、位置情報に応じた補正を加えることが可能となる。尚、図13においては、重みλ=1を例にしているが、重みλを0乃至1の範囲で変化させることにより、被写体151が存在することが仮定された位置情報のカメラワーク情報により撮像される構図の画像と、現実の位置情報により撮像されるカメラワーク情報により撮像される構図の画像との中間で位置を調整することが可能となる。したがって、重みλが大きいほど、適応的な処理が実現できる。
尚、図13における点線で示される画像F112,F112’は、図12における画像F112,F112’に対応するものである。
また、例えば、撮像対象が、バスケットボールの試合のスポーツ中継の場合、第1のロボットカメラ14に対しては、選手が存在する全範囲を画像内に収めるような構図となるように制御するカメラワーク情報テーブルセットを用意し、第2のロボットカメラ14に対しては、バスケットボールの周辺を収めるような構図となるように制御するカメラワーク情報テーブルセットを用意するようにしてもよい。
この場合、図14で示されるように、タイミングT=t1乃至T3においては、第1のロボットカメラ14により、バスケットボール選手からなる被写体151−1乃至151−5、および151−11乃至151−15の存在する位置情報に基づいて、全選手を画像内に収めるような構図の画像F141が撮像される。同時に、第2のロボットカメラ14により、バスケットボールBの位置情報に基づいて、バスケットボールBからなる被写体151−Bの周辺をズームアップした画像F151が撮像される。
また、図14で示されるように、タイミングT=t3乃至T5においては、第1のロボットカメラ14により、バスケットボール選手からなる被写体151−1乃至151−5、および151−11乃至151−15の存在する位置情報に基づいて、全選手を画像内に収めるような構図の画像F132が撮像される。同時に、第2のロボットカメラ14により、バスケットボールBの位置情報に基づいて、バスケットボールBからなる被写体151−Bの周辺をズームアップしたような構図の画像F152が撮像される。
同様に、図14で示されるように、タイミングT=t5乃至T7においては、第1のロボットカメラ14により、バスケットボール選手からなる被写体151−1乃至151−5、および151−11乃至151−15の存在する位置情報に基づいて、全選手を画像内に収めるような構図の画像F143が撮像される。同時に、第2のロボットカメラ14により、バスケットボールBの位置情報に基づいて、バスケットボールBからなる被写体151−Bの周辺を収めるような構図の画像F153が撮像される。
ただし、図14を参照して説明したスポーツ中継においては、選手の被写体151−1乃至151−5および151−11乃至151−15、並びにバスケットボールBの被写体151−Bのそれぞれの位置は、特定の位置を仮定することができない。このため、位置情報を使用しない場合は、第1および第2のロボットカメラ14に対するカメラワーク情報テーブルセットの各カメラワーク情報は、例えば、バスケットコート全体を撮像させるような構図の画像に設定する必要がある。
また、位置情報を使用しない状態でバスケットコート全体を撮像するようにする場合、位置情報を使用するときには、式(2)において、重みλを1に近い値にする必要がある。
以上の処理により、カメラワーク情報テーブルセット格納部71に格納されたカメラワーク情報テーブルセットのうち、撮像しようとする撮像対象に対応するカメラワーク情報テーブルセットを選択して撮像することにより、撮像を開始してからの経過時間に応じて、予め設定されたカメラワーク情報を切り替えながら、すなわち、対応するパンチルトズームを変化させて構図を変えながら撮像することが可能となる。また、カメラワーク情報に加えて、被写体の位置情報を使用することで、撮像に係る時間の経過に応じて(撮像される撮像対象の時間の経過に伴った流れに沿って)、被写体の動きに対応した構図の画像を撮像することが可能となる。
結果として、複数のロボットカメラを制御するにあたって、様々な状況の変化に対応したカメラワークを実現することが可能となる。
<<2.第2の実施の形態>>
以上においては、撮像する撮像対象に応じて、固定されたカメラワーク情報テーブルセットを用いる例について説明してきたが、同一の撮像対象の撮像に用いる、複数の異なるカメラワーク情報テーブルセットを用意し、外部情報に応じて切り替えて使用するようにしてもよい。
図15は、同一の撮像対象の撮像に用いる、複数の異なるカメラワーク情報テーブルセットを用意し、外部情報に応じて切り替えて使用するようにしたスイッチャ装置11の構成例を示している。
図15のスイッチャ装置11において、図2のスイッチャ装置11と異なる点は、制御部31において、カメラワーク制御情報生成部51に代えて、カメラワーク制御情報生成部191が設けられ、カメラワーク情報テーブルセット格納部71に代えて、同一の撮像対象に対して複数のカメラワーク情報テーブルセットが格納されたカメラワーク情報テーブルセット格納部201が記憶部34に記憶されている点である。
すなわち、カメラワーク制御情報生成部191は、カメラワーク制御情報生成部51と基本的な機能は同一であるが、さらに、例えば、カメラワーク制御処理が開始されてから、所定時間が経過した後、外部情報取得部33より供給される外部情報に基づいて、記憶部34に記憶されているカメラワーク情報テーブルセット格納部201に格納されている同一の撮像対象に設定されているカメラワーク情報テーブルセットを切り替える。
尚、受信部12、外部情報供給部13、ロボットカメラ14、マニュアルカメラ15、およびセンサ装置16の構成については、第1の実施の形態と同一であるので、その説明は省略する。
<図15のスイッチャ装置によるカメラワーク制御処理>
次に、図16のフローチャートを参照して、図15のスイッチャ装置11によるカメラワーク制御処理について説明する。
尚、図16のフローチャートにおいて、ステップS91乃至S102の処理は、図10のステップS31乃至S43の処理と同様であるので、その説明は省略する。
すなわち、ステップS104において、カメラワーク制御情報生成部191は、所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していない場合、処理は、ステップS91の処理に戻る。また、ステップS104において、所定の時間が経過した場合、処理は、ステップS105に進む。
ステップS105において、カメラワーク制御情報生成部191は、外部情報取得部33を制御して、外部情報供給部13より供給される外部情報を取得させる。
ステップS106において、カメラワーク制御情報生成部191は、取得した外部情報に基づいて、記憶部34に記憶されているカメラワーク情報テーブルセット格納部201に格納されている同一撮像対象に設定されているカメラワーク情報テーブルセットを切り替えて、処理は、ステップS91に戻る。
すなわち、例えば、図17で示されるように、最初のカメラワーク情報テーブルセットでは、タイミングTがt1乃至t4において、バスケットボール選手からなる被写体151−1乃至151−5、および151−11乃至151−15の存在する位置情報に基づいて、全選手が画像内に収まるような構図の画像F171が撮像される。
これに対して、タイミングTがt4において所定時間が経過するとき、例えば、試合が開始してから時間が経過して、前半戦が終了し、後半戦が開始するようなタイミングで、外部情報に基づいて、前半戦で、被写体151−5に対応する選手が最高得点を挙げているときには、最高得点を挙げた注目選手である被写体151−5の周辺が収まるように構図を制御するカメラワーク情報テーブルセットに切り替えるようにする。このようにすることで、タイミングTがt4乃至t7において、画像F181で示される構図の画像が撮像されるように制御することができる。
尚、カメラワーク情報テーブルセットが切り替えられない場合、タイミングTがt4乃至t7において、バスケットボール選手からなる被写体151−1乃至151−5、および151−11乃至151−15の存在する位置情報に基づいて、全選手が画像内に収まるように点線で示される構図の画像F172が撮像され、注目選手がプレイしているにも関わらず、画像内のどこにいるのかを一目で見つけ出すことができない。
従って、このようにカメラワーク情報テーブルセットを切り替えるようにすることで、前半戦では、全選手が収まるように構図を制御し、後半戦では、前半戦で最高得点を挙げている注目度の高い選手を中心とするように構図を制御することが可能となり、視聴者の目を引く構図の画像を撮像することが可能となる。
以上の処理により、試合の経過に沿って、外部情報に応じた、カメラワーク情報テーブルセットを切り替えるようにすることで、試合の経過と、外部情報に応じてカメラワークに変化を付けることが可能となる。
以上においては、撮像対象がスポーツ中継であるものとしてバスケットボールの試合を図1のロボットカメラ制御システムで撮像する例について説明してきたが、それ以外のスポーツの試合であってもよく、バレーボール、およびサッカーボール、並びに野球などでもよい。また、競馬、競輪、および競艇などの中継でもよく、例えば、スタート直後、中盤、終盤のそれぞれでカメラワーク情報テーブルセットを切り替えるようにしてもよい。すなわち、スタートした直後は、全競技者からなる全被写体が収まるように構図が制御されるカメラワーク情報テーブルセットにし、中盤においては、先頭集団の競技者からなる被写体が収まるように構図が制御されるカメラワーク情報テーブルセットにし、終盤においては、先頭を争う数名の競技者からなる被写体が収まるように構図が制御されるカメラワーク情報テーブルセットにしてもよい。
また、以上においては、所定の時間が経過したとき、外部情報に基づいて、カメラワーク情報テーブルセットを切り替える例について説明してきたが、外部情報に変化が発生したときに、カメラワーク情報テーブルセットを切り替えるようにしてもよい。すなわち、バスケットの試合を中継する場合、外部情報により、スコアが逆転する度に、勝っているチームにおいて活躍している選手を中心とするように構図を制御するカメラワーク情報テーブルセットに切り替えて使用するようにしてもよい。
尚、以上においては、外部情報として、カメラワーク制御処理が開始されてから、所定時間が経過するまでの間の選手の活躍の記録(例えば、スタッツ情報)を用いる例について説明してきたが、これ以外の外部情報であってもよく、例えば、音楽ライブなどの場合、楽曲のスコアに基づいて、複数のアーティストからなるグループを被写体とするとき、現在歌っているアーティストからなる被写体のみを画像に収めるような構図に制御するようにしてもよい。
すなわち、撮像対象が音楽ライブである場合、最初のカメラワーク情報テーブルセットでは、図18で示されるように、ステージ171上のアーティストからなる被写体151−31乃至151−34の存在する位置情報に基づいて、全体が収まるような構図の画像F211が撮像されるものとする。
そして、楽曲のスコアに基づいて、被写体151−31乃至151−33が歌っていて、被写体151−34が歌っていないタイミングになったとき、カメラワーク情報テーブルセットが切り替えられるようにし、以降は、図19で示されるように、ステージ171上の歌っているアーティストである被写体151−31乃至151−33の存在する位置情報に基づいて、被写体151−31乃至151−33の3人のアーティストが収まるような構図の画像F212が撮像されるように構図が制御されるようにしてもよい。
このようにすることで、楽曲の演奏の経過に合わせて、ステージ171上で現在歌っている、注目度の高いアーティストからなる被写体151−31乃至151−33の3人を中心とした構図の画像を撮像するように制御することが可能となる。
以上においては、音楽ライブにおいて楽曲のスコアに基づいてカメラワーク情報テーブルセットを切り替える例について説明してきたが、例えば、音楽ライブの開始直後、中盤、終盤のそれぞれでカメラワーク情報テーブルセットを切り替えるようにしてもよい。
以上においては、外部情報に基づいて、カメラワーク情報テーブルセットを切り替える例について説明してきたが、外部情報以外の情報に基づいてカメラワーク情報テーブルセットを切り替えるようにしてもよい。例えば、外部情報に代えて、マニュアルカメラ15により撮像される画像を参照して、マニュアルカメラ15により撮像される画像の構図と類似する構図の画像を撮像するロボットカメラ14については、マニュアルカメラ15により撮像される構図とは異なるカメラワーク情報からなるカメラワーク情報テーブルセットであって、かつ、その他のロボットカメラ14のカメラワーク情報テーブルセット以外のカメラワーク情報テーブルセットを選択するようにしてもよい。このようにすることで、マニュアルカメラ15とロボットカメラ14とで類似した構図の画像が重複して撮像されるのを防止することができる。
<<3.第3の実施の形態>>
以上においては、外部情報に応じたカメラワーク情報テーブルセットを複数に用意しておき、時間の経過に伴った外部情報の変化に応じて、カメラワーク情報テーブルセットが切り替えられる例について説明してきたが、被写体の位置は、センサ装置16により検出される位置情報に基づくものであるので、実際の被写体を写すために想定された構図ではない可能性がある。そこで、このような想定外の構図で撮像されてしまう場合には、想定された構図に近付けるように補正するようにしてもよい。
すなわち、例えば、音楽ライブの場合、被写体となるアーティストにより保持されるセンサ装置16の位置情報と、カメラワーク情報とに基づいて、パンチルトズームを制御するカメラワーク制御情報が生成されることになるが、被写体の位置情報だけでは、被写体であるアーティストの身長などは考慮されない。このため、撮像された画像の垂直方向に、全身が収まるような構図の画像を撮像するようカメラワーク制御信号が生成されても、例えば、背の高いアーティストの場合、実際に撮像される画像では、アーティストである被写体の頭や足先が画像内に収まらない状態になってしまい、想定された構図による撮像が実現できないことが考えられる。
そこで、実際に撮像された画像より被写体を認識して、想定された構図での撮像が実現できているか否かを検証し、想定外の構図になっている場合には、カメラワーク制御情報を補正して、適切に想定された構図での撮像を実現できるようにしてもよい。
図20は、撮像された画像より被写体を検出して、想定された構図での撮像が実現できているか否かを検証し、想定外の構図の画像になっている場合には、カメラワーク制御情報を補正して、適切に想定された構図での撮像を実現できるようにしたスイッチャ装置11の構成例を示している。
図20のスイッチャ装置11において、図2のスイッチャ装置11と異なる点は、制御部31において、カメラワーク制御情報生成部51に代えて、カメラワーク制御情報生成部211が設けられている点である。
カメラワーク制御情報生成部211は、基本的な機能は、カメラワーク制御情報生成部51と同様であるが、記憶部34の画像データ格納部72に格納された直前に撮像された画像を読み出して、各ロボットカメラ14において撮像されている画像が想定された構図の画像であるか否かを判定し、想定された構図で撮像されていない場合、以降の処理において、想定された構図で撮像できるように、カメラワーク制御情報を補正する。
より詳細には、カメラワーク制御情報生成部211は、指定された撮像対象のカメラワーク情報テーブルセットのうち、直前の撮像に使用したカメラワーク情報を読み出して、想定された構図の画像として、例えば、撮像する画像の垂直方向に被写体の全身または上半身が収まるような構図になるように制御されることが指定されているときには、撮像する画像の縦方向に被写体の全身または上半身が撮像されているか否かに基づいて、想定された構図の画像であるか否かを判定する。
また、想定された構図の画像として、例えば、カメラワーク情報により、撮像する画像内の右寄りの位置、中央位置、または左寄りの位置に被写体が撮像されることが指定されているときには、カメラワーク制御情報生成部211は、撮像する画像内右寄りの位置、中央位置、または左寄りの位置に被写体が撮像されているか否かに基づいて、想定された構図の画像であるか否かを判定する。
さらに、想定された構図の画像として、例えば、撮像する画像の全体に複数の被写体の全て、または特定の被写体が撮像されることが指定されているときには、カメラワーク制御情報生成部211は、撮像する画像内に複数の被写体の全て、または特定の被写体が撮像されているか否かに基づいて、想定された構図の画像であるか否かを判定する。
<図20のスイッチャ装置によるカメラワーク制御処理>
次に、図21のフローチャートを参照して、図20のスイッチャ装置11によるカメラワーク制御処理について説明する。
尚、図21のフローチャートにおいて、ステップS131乃至S142,S144の処理は、図10のステップS31乃至S43の処理と同様であるので、その説明は省略する。ただし、ステップS137,S138の処理については、後述する補正処理により求められた補正値が存在する場合は、考慮したカメラワーク制御情報が生成される。
すなわち、図21の処理において、図10の処理と異なるのは、ステップS143の処理が設けられた点である。
ステップS143において、カメラワーク制御情報生成部211は、補正処理を実行して、撮像された画像より被写体を検出して、想定された構図からの撮像が実現できているか否かを検証し、想定外の画像になっている場合には、カメラワーク制御情報を補正するための補正値を生成し、以降の処理において補正値を用いてパン、チルト、ズームを求める。
<補正処理>
ここで、図22のフローチャートを参照して、補正処理について説明する。
ステップS161において、カメラワーク制御情報生成部211は、ロボットカメラ14のうち、未処理のロボットカメラ14のいずれかを処理対象ロボットカメラ14に設定する。
ステップS162において、カメラワーク制御情報生成部211は、記憶部34における画像データ格納部72に格納された画像のうち、処理対象ロボットカメラ14により撮像された直近の画像を読み出し、被写体を認識する。
ステップS163において、カメラワーク制御情報生成部211は、カメラワーク情報テーブルセット格納部71より、読み出した画像に対応する処理対象のロボットカメラ14のカメラワーク情報を読み出して、読み出した画像内における被写体の位置に基づいて、想定された構図の画像であるか否かを判定する。
ステップS163において、読み出した直近の画像が、想定された構図の画像ではないと判定された場合、処理は、ステップS164に進む。
ステップS164において、カメラワーク制御情報生成部211は、想定された構図の画像となるように補正する補正値を算出し、ロボットカメラ14を識別する識別子に対応付けて記憶する。
より詳細には、カメラワーク制御情報生成部211は、例えば、撮像する画像の垂直方向に被写体の全身が収まるような構図が指定されているが、撮像する画像の垂直方向に被写体の全身が収まっていない構図に制御されているような場合、被写体の位置情報と、自らの位置との関係とから被写体の全体が画像内に収まるようにズーム率を所定の倍率だけ小さく変化させる補正値を求める。尚、以降の処理において、カメラワーク制御情報を生成する処理において、求められた補正値を含めたズーム率のカメラワーク制御情報が生成される。
ステップS165において、カメラワーク制御情報生成部211は、記憶部34における画像データ格納部72に格納された直近の画像のうち、未処理のロボットカメラ14により撮像された直近の画像があるか否かを判定し、未処理のロボットカメラ14により撮像された画像が存在する場合、処理は、ステップS161に戻る。すなわち、記憶部34における画像データ格納部72に格納された全ロボットカメラ14により撮像された画像に対して処理がなされるまで、ステップS161乃至S165の処理が繰り返される。
そして、ステップS165において、記憶部34における画像データ格納部72に格納された全ロボットカメラ14により撮像された直近の画像に対して処理がなされたとみなされた場合、処理は、終了する。
以上の処理により補正値が求められると、カメラワーク制御情報生成部211は、ステップS137,S138の処理において、カメラワーク制御情報を生成する際、処理対象となるロボットカメラ14を識別する識別子に対応付けて記憶された補正値を用いて、カメラワーク制御情報を生成する。すなわち、撮像する画像の垂直方向に被写体の全身が収まっていない構図で撮像されているような場合、被写体の位置情報と、自らの位置との関係とから被写体の全体が画像内に収まるようにズーム率を所定の倍率だけ小さく変化させるための値が構図を補正するための補正値として求められて、構図を補正するための補正値を用いてカメラワーク制御情報が生成されることになる。
ただし、ここで求められた補正値を用いたカメラワーク制御情報を使用しても、再び、撮像する画像の垂直方向に被写体の全身が収まらない構図で撮像される場合も想定される。しかしながら、撮像する画像の垂直方向に被写体の全身が収まった状態の構図で撮像されるまで、同様の処理を繰り返すことで、撮像する画像の垂直方向に被写体の全身が収まった構図で画像が撮像されるようになる。
以上の如く、本開示のロボットカメラ制御システムにおいては、複数のロボットカメラを用いた撮像対象の撮像に係る時間の経過や、外部情報の変化に応じて、適切なカメラワークを実現することが可能となる。
<ソフトウェアにより実行させる例>
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
図23は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタ-フェイス1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
入出力インタ-フェイス1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011ら読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
尚、図23におけるパーソナルコンピュータが、スイッチャ装置11に対応し、CPU1001が、制御部31に対応するものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本開示は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
尚、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
<1> タイミング情報と被写体の位置を示す位置情報とカメラワークを示すカメラワーク情報とが対応付けられたテーブルセットに基づいて、現在の撮像の時間を示す現在タイミング情報と、現在の被写体の位置を示す現在位置情報と対応するカメラワークを特定し、特定したカメラワークに応じて、前記被写体を撮像する撮像装置のカメラワークを制御する制御部を含む
情報処理装置。
<2> 前記テーブルセットは、複数の撮像装置に対応してそれぞれ設けられており、
前記制御部は、前記複数の撮像装置毎のテーブルセットを用いて、各撮像装置のカメラワークを制御する
<1>に記載の情報処理装置。
<3> 前記テーブルセットは、撮像対象ごとに設けられており、
前記制御部は、前記撮像対象に対応したテーブルセットを選択的に用いる
<1>または<2>に記載の情報処理装置。
<4> 前記制御部は、前記撮像対象の状況を示す状況情報に基づいて、同一の撮像対象に対して設定された複数のテーブルセットのいずれかを選択的に用いる
<3>に記載の情報処理装置。
<5> 前記状況情報は、前記撮像対象がスポーツ中継である場合、スタッツ情報であり、前記撮像対象が音楽ライブである場合、楽曲スコアである
<4>に記載の情報処理装置。
<6> 前記制御部は、前記テーブルセットに、前記現在位置情報に対応する位置情報が存在しない場合、前記現在位置情報の近傍の位置に対応する複数の位置情報を用いて、前記現在位置情報に対応する位置情報を補間する
<1>乃至<5>のいずれかに記載の情報処理装置。
<7> 前記位置情報は、3次元空間での位置を示す
<1>乃至<6>のいずれかに記載の情報処理装置。
<8> 前記カメラワーク制御情報は、前記撮像装置のパン、チルト、およびズームのいずれかを制御する情報である
<1>乃至<7>のいずれかに記載の情報処理装置。
<9> 前記制御部は、
前記撮像装置で撮像された画像から前記被写体を認識し、前記カメラワーク情報で示される被写体の位置と、認識した被写体の位置とが一致しない場合、前記撮像装置で撮像された画像に基づいて、前記特定したカメラワークを補正する
<1>乃至<8>のいずれかに記載の情報処理装置。
<10> タイミング情報と被写体の位置を示す位置情報とカメラワークを示すカメラワーク情報とが対応付けられたテーブルセットに基づいて、現在の撮像の時間を示す現在タイミング情報と、現在の被写体の位置を示す現在位置情報と対応するカメラワークを特定し、特定したカメラワークに応じて、前記被写体を撮像する撮像装置のカメラワークを制御する
ステップを含む情報処理方法。
<11> タイミング情報と被写体の位置を示す位置情報とカメラワークを示す前記カメラワーク情報とが対応付けられたテーブルセットに基づいて、現在の撮像の時間を示す現在タイミング情報と、現在の被写体の位置を示す現在位置情報と対応するカメラワークを特定し、特定したカメラワークに応じて、前記被写体を撮像する撮像装置のカメラワークを制御する制御部を含む
処理をコンピュータに実行させるプログラム。