以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像処理システムの全体概要の一例を示す図である。図1に示す画像処理システム1は、1つの店舗にMFP100,100Aと、キャッシュレジスタ400が設置される場合を例に示している。図1を参照して、画像処理システム1は、サーバー300と、ゲートウェイ(G/W)装置200と、複合機であるMFP(Multi Function Peripheral)100,100Aと、キャッシュレジスタ400と、を含む。サーバー300およびゲートウェイ装置(G/W)200それぞれは、インターネット5に接続されており、インターネット5を介して互いに通信可能である。さらに、サーバー300およびゲートウェイ装置200それぞれは、インターネット5に接続された他のコンピューターと通信可能である。
ゲートウェイ装置200は、さらに、ローカルエリアネットワーク(LAN)3と接続されており、そのLAN3に、MFP100,100Aおよびキャッシュレジスタ400が接続されている。ゲートウェイ装置200は、LAN3に接続されたMFP100,100Aおよびキャッシュレジスタ400と通信可能である。さらに、ゲートウェイ装置200、MFP100,100Aおよびキャッシュレジスタ400それぞれは、LAN3に接続された他のコンピューターと通信可能である。
ゲートウェイ装置200は、LAN3と、インターネット5とを接続する。このため、サーバー300は、MFP100,100Aと通信が可能である。ゲートウェイ装置200、サーバー300およびキャッシュレジスタ400のハードウェア構成および機能は周知なので、ここでは説明を繰り返さない。
MFP100,100Aのハードウェア構成および機能は、基本的に同じである。したがって、以下の説明では特に言及しない限りMFP100を例に説明する。
図2は、本実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す斜視図である。図3は、本実施の形態におけるMFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。図2および図3を参照して、画像処理装置として機能するMFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。また、MFP100は、コインベンダー180と接続されている。
自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ125上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130のプラテンガラス上に設定された所定の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイ127上に排出する。原稿読取部130は、原稿読取位置に搬送されてきた原稿に光を照射する光源と、原稿で反射した光を受光する光電変換素子とを含み、原稿のサイズに応じた原稿画像を走査する。光電変換素子は、受光した光を電気信号である画像データに変換して、画像形成部140に出力する。給紙部150は、給紙トレイに収納された用紙を画像形成部140に搬送する。
画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、原稿読取部130から入力される画像データにシェーディング補正などの各種のデータ処理を施した、データ処理後の画像データまたは、外部から受信された画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成し、画像を形成した用紙を排紙トレイ155に排出する。
メイン回路110は、MFP100の全体を制御するCPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)115と、ファクシミリ部116と、外部記憶装置117と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150、操作パネル160およびコインベンダー180と接続され、MFP100の全体を制御する。
ファクシミリ部116は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部116は、受信したファクシミリデータを、HDD115に記憶するとともに、画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部116により受信されたファクシミリデータを用紙に画像を形成する。また、ファクシミリ部116は、HDD115に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
通信I/F部112は、LAN3にMFP100を接続するためのインターフェースである。通信I/F部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、LAN3に接続された他のMFP100A,100B、キャッシュレジスタ400、または、ゲートウェイ装置200を介して、サーバー300と通信する。なお、通信I/F部112が接続されるネットワークは、LAN3に限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット5等であってもよい。
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられる。操作パネル160は、表示部161と操作部163とを含む。表示部161は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。
操作部163は、タッチパネル165と、ハードキー部167とを含む。タッチパネル165は、静電容量方式である。なお、タッチパネル165は、静電容量方式に限らず、例えば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式等の他の方式を用いることができる。
タッチパネル165は、その検出面が表示部161の上面または下面に表示部161に重畳して設けられる。ここでは、タッチパネル165の検出面のサイズと、表示部161の表示面のサイズとを同じにしている。このため、表示面の座標系と検出面の座標系は同じである。タッチパネル165は、ユーザーが、表示部161の表示面を指示する位置を検出面で検出し、検出した位置の座標をCPU111に出力する。表示面の座標系と検出面の座標系は同じなので、タッチパネル165が出力する座標を、表示面の座標に置き換えることができる。以下、ユーザーが表示部161の表示面を指示することによりタッチパネル165が検出面で検出して出力する座標を、表示面の座標ともいう。
ハードキー部167は、複数のハードキーを含む。ハードキーは、例えば接点スイッチである。ユーザーがMFP100を操作する場合は直立した姿勢となる場合が多いので、表示部161の表示面、タッチパネル165の検出面およびハードキー部167は、上方を向いて配置される。ユーザーが表示部161の表示面を容易に視認することができ、ユーザーが指で操作部163を容易に指示することができるようにするためである。
外部記憶装置117は、CPU111により制御され、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)118、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU111は、ROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、CPU111は、外部記憶装置117を制御して、CD−ROM118からCPU111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM102に記憶し、実行するようにしてもよい。
なお、CPU111が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM118に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。さらに、CPU111がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD115に記憶する、または、ネットワークに接続されたコンピューターがプログラムをHDD115に書込みするようにして、HDD115に記憶されたプログラムをRAM114にロードしてCPU111で実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
コインベンダー180は、コイン投入口181と返却ボタン183と、表示部185と、コイン返却口187とを含む。コインベンダー180は、コイン投入口181に投入されるコインを受け付け、投入されるコインで定まる額を残金に加算し、残金を更新する。また、コインベンダー180は、MFP100により制御され、MFP100から料金の徴収指示を受信すると、徴収指示により定まる額を残金から減算し、残金を更新する。コインベンダー180は、表示部185に残金を表示するとともに、MFP100に残金を通知する。また、コインベンダー180は、残金が残っている段階で、返却ボタン183が押下されると、残金に相当する枚数のコインをコイン返却口187に排出する。
本実施の形態における画像処理システム1においては、MFP100,100Aそれぞれは、処理を実行する場合に課金する。具体的には、MFP100,100Aそれぞれは、コインベンダー180に投入された金額に基づいて課金する第1の課金方法と、サーバー300が発行するチケットを用いて課金する第2の課金方法と、キャッシュレジスタで課金する第3の課金方法と、のいずれかで課金する。例えば、MFP100は、第1の課金方法で課金する場合、コインベンダー180に残金が存在する状態で、処理を実行する。具体的には、MFP100は、コインベンダー180に残金が存在する状態であれば、操作パネル160にユーザーによる入力される操作に従って、処理を実行する。MFP100は、コインベンダー180に残金が存在しない状態の場合、操作パネル160にユーザーにより入力される操作を受け付けない。
MFP100は、第2の課金方法で課金する場合、サーバー300と通信して、サーバー300からチケットを受信する。サーバー300は、ユーザーテーブルを記憶する。ユーザーテーブルは、ユーザーごとに使用可能額と認証情報とを関連付ける。認証情報は、限定するものではないが、ユーザーカウントと、パスワードである。使用可能額は、クレジットカードまたは現金による支払いによって加算され、チケットの発行によって減算される。サーバー300は、MFP100,100Aいずれかからの要求により、ユーザーを認証し、認証されたユーザーに対してチケットを発行する。チケットは、使用可能額を定める。サーバー300は、チケットを発行するごとに、ユーザーユーザーテーブルの使用可能額を、チケットで定められる使用可能額だけ減算した値に更新する。また、MFP100,100Aにチケットを発行した後に、チケットが返送される場合、返金の要求を受け付け、返金処理を実行する。具体的には、ユーザーテーブルの使用可能額を、返送されたチケットで定められる使用可能額だけ加算した値に更新する。
サーバー300は、例えば、MFP100からのログイン要求に応じて、ログイン画面をMFP100に送信する。MFP100においては、ログイン画面に従ってユーザーにより認証情報が入力される場合、その認証情報を送信する。サーバー300は、MFP100から認証情報を受信する場合に、その認証情報がユーザーテーブルに含まれていれば、認証情報で特定されるユーザーを認証し、チケットを発行し、発行されたチケットをMFP100に送信する。ユーザーテーブルに含まれる使用可能額の全てを含むチケットを発行するようにしてもよいが、チケットで定められる使用可能額の上限を定めている。サーバー300とMFP100との間で、通信不良などで通信できなくなる場合に備えて、一人のユーザーに対して、複数のチケットを発行することができるようにするためである。
MFP100においては、サーバー300からチケットを受信した後は、処理を実行するごとに、チケットで定められる使用可能額を、処理の対価の額だけ減算することにより、使用可能額を更新する。これにより、MFP100は、サーバー300から受信されたチケットで定められる使用可能額が、処理の対価の額より小さくなるまで、処理を実行することができる。MFP100は、チケットで定められる使用可能額が予め定められた下限値以下となった後に再度処理を実行する場合には、サーバー300にチケットの発行を要求し、サーバー300から新たなチケットを受信する。また、MFP100において、処理が終了した段階で、チケットで定められる使用可能額がゼロでない場合には、チケットをサーバー300に返信することにより、サーバー300において返金処理が実行される。
また、サーバー300は、一時チケットを発行する。一時チケットは、サーバー300に登録されていないユーザーに対して発行するチケットである。例えば、サーバー300は、任意のユーザーがスマートフォンまたはPDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報装置またはPCを操作してサーバー300にアクセスする場合、そのユーザーがクレジットカードなどで支払った金額に相当する使用可能額を含む一時チケットを発行する。具体的には、一時チケットのチケット識別情報と使用可能額とを関連付けた一時チケットデータを記憶するとともに、ユーザーが使用する携帯情報装置に一時チケットを識別するためのチケット識別情報を送信する。ユーザーは、携帯情報装置に受信したチケット識別情報を表示させることにより、チケット識別情報を知ることができる。ユーザーが、MFP100を操作する場合に、MFP100にチケット識別情報を入力すると、MFP100は、サーバー300にチケット識別情報を送信する。サーバー300は、チケット識別情報を受信することにより、チケット識別情報と関連付けられた使用可能額を定めた一時チケットを生成し、MFP100に返信するので、MFP100は、一時チケットを受信する場合に、上述したチケットと同様にして、一時チケットで定められた使用可能額の範囲内で、処理を実行する。
MFP100は、第3の課金方法で課金する場合、ユーザーが操作部163に入力する管理情報に基づいて、課金する。管理情報は、キャッシュレジスタ400が発行する情報である。管理情報は、サーバー300を用いることなくキャッシュレジスタ400が発行するので、ユーザーがサーバー300を操作することなく取得できる点で、一時チケットと異なる。具体的には、ユーザーが現金またはカードで支払いをする場合、店員がキャッシュレジスタ400に支払いを登録する。キャッシュレジスタ400は、管理情報を生成し、商品明細書または領収書に管理情報を印字するとともに、MFP100に管理情報を送信する。これにより、ユーザーは、印字された管理情報を知ることができ、MFP100は、キャッシュレジスタ400から管理情報を受信する。その後、ユーザーが操作部163に管理情報を入力すれば、MFP100は、ユーザーにより入力された管理情報が、キャッシュレジスタ400から受信された管理情報と一致すれば、ユーザーが操作部163に入力操作に従って処理を実行する。
図4は、本実施の形態におけるMFPが備えるCPUが有する機能の一例を示すブロック図である。図4に示す機能は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶された画像処理プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。図4を参照して、MFP100が備えるCPU111は、操作受付部51と、実行依頼部53と、第1チケット送受信部55と、付帯処理実行依頼部57と、処理実行部59と、一時チケット取得部61と、チケット管理部63と、実行依頼受信部65と、付帯処理実行依頼受信部67と、管理情報受信部69と、認証時チケット取得部71と、第2チケット送受信部73と、を含む。
認証時チケット取得部71は、サーバー300と通信して、サーバー300が発行するチケットを取得する。認証時チケット取得部71は、通信I/F部112を制御して、サーバー300と通信し、サーバー300からログイン画面を受信する。認証時チケット取得部71は、表示部161にログイン画面を表示し、ユーザーが操作部163に入力する認証情報を、サーバー300に送信する。サーバー300は、認証情報を受信することに応じて、ユーザーテーブルを参照して、認証情報が予め登録された認証情報と同じならば認証し、チケットを発行する。認証時チケット取得部71は、通信I/F部112がサーバー300から受信するチケットを取得し、チケット管理部63に出力する。
チケット管理部63は、認証時チケット取得部71または第2チケット送受信部73から入力されるチケットを管理する。チケット管理部63は、使用可能額変更部91と、清算部92と、を含む。使用可能額変更部91は、チケットで定められる使用可能額を、後述する処理実行部59が課金対象となる処理を実行するごとに、実行された処理に対して予め定められた対価の額を、使用可能額から減算することにより使用可能額を更新する。
使用可能額変更部91は、認証時チケット取得部71からチケットが入力された後は、チケットで定められる使用可能額が予め定められた下限値以下となると、サーバー300に新たなチケットの発行を要求し、サーバー300から送信される新たなチケットが通信I/F部112が受信すると、新たなチケットを取得する。使用可能額変更部91は、新たなチケットを取得する場合、新たなチケットを取得する前にチケットで定められた使用可能額を、それに新たなチケットで定められた使用可能額を加算することにより使用可能額を更新する。
使用可能額変更部91は、チケットで定められる使用可能額を操作受付部51および処理実行部59に出力する。使用可能額変更部91は、チケットで定められる使用可能額が更新されるごとに、更新後の使用可能額を操作受付部51および処理実行部59に出力する。
清算部92は、操作受付部51を操作するユーザーがログアウトすることに応じて、チケットで定められた使用可能額を返金する。具体的には、通信I/F部112を制御して、サーバー300にチケットを返信することにより、サーバー300に返金処理を依頼する。
操作受付部51は、操作部163を制御し、ユーザーが操作部163に入力する操作を受け付ける。操作受付部51は、第1複合ジョブ受付部81と、第2複合ジョブ受付部82と、単独ジョブ受付部83と、管理情報受付部84と、チケット識別情報受付部85と、を含む。処理実行部59は、ハードウェア資源を制御して、ジョブを実行する。ハードウェア資源は、ここでは、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、が画像形成部140、給紙部150、通信I/F部112、HDD115、ファクシミリ部116および外部記憶装置117を含む。処理実行部59は、通常処理実行部86と、特定処理実行部87と、を含む。処理実行部59が実行するジョブは、操作受付部51により受け付けられるジョブと、実行依頼受信部65が受信するジョブと、付帯処理実行依頼受信部67が受信するジョブと、を含む。
ここで、単独ジョブ受付時の処理の流れについて説明する。図5は、単独ジョブ受付時のデータの処理の流れの一例を示す図である。図5においては、上から下に時間の流れを示し、MFP100を符号MFP−Aで示し、MFP100Aを符号MFP100Bで示している。
図4および図5を参照して、認証時チケット取得部71が、サーバー300に認証情報を送信すると、サーバー300においては、認証情報に基づいて、認証情報に基づいて認証し、認証に成功すると、チケットを返信する。そして、チケット管理部63が、サーバー300から受信したチケットを管理する。
単独ジョブ受付部83は、チケット管理部63から入力される使用可能額がゼロでない場合、ジョブを受け付ける。単独ジョブ受付部83は、チケット管理部63から使用可能額が入力されていない場合、チケット管理部63から入力される使用可能額がゼロの場合、第1複合ジョブを受け付けない。単独ジョブ受付部83が受け付け可能なジョブは、MFP100が単独で実行する処理を定めた単独ジョブである。単独ジョブ受付部83は、単独ジョブを受け付ける場合、単独ジョブを通常処理実行部86に出力する。
通常処理実行部86は、チケット管理部63から入力される使用可能額の範囲内でジョブを実行する。通常処理実行部86は、チケット管理部63から使用可能額が入力されていない場合、また、チケット管理部63から入力される使用可能額が、ジョブで定められる処理の対価の額より小さい場合には、ジョブを実行しない。通常処理実行部86は、単独ジョブ受付部83から単独ジョブが入力される場合、単独ジョブで定められる処理の対価がチケット管理部63から使用可能額以下であれば、単独ジョブを実行する。
そして、操作受付部51を操作するユーザーがログアウトすることに応じて、清算部92が、サーバー300にチケットを返信することにより、サーバー300に返金処理を依頼する。サーバー300においては、返信されたチケットに基づいてチケット返金処理を実行する。
次に、第1複合ジョブ受付時の処理の流れについて説明する。図6は、第1複合ジョブ受付時のデータの処理の流れの一例を示す図である。図6においては、上から下に時間の流れを示し、MFP100を符号MFP−Aで示し、MFP100Aを符号MFP100Bで示している。
サーバー300からチケットを受信する処理の流れは、図5に示した流れと同じである。図4および図5を参照して、第1複合ジョブ受付部81は、チケット管理部63から入力される使用可能額がゼロでないことを条件に、第1複合ジョブを受け付ける。第1複合ジョブ受付部81は、チケット管理部63から使用可能額が入力されていない場合、チケット管理部63から入力される使用可能額がゼロの場合、第1複合ジョブを受け付けない。第1複合ジョブは、自装置であるMFP100が実行するためのメイン処理を定めたジョブと、自装置とは別の装置が実行するための付帯処理を定めたジョブとを含む。付帯処理は、メイン処理に関連する処理であり、チケット管理部63により課金の対象とならない処理である。ここでは、別の装置を、MFP100Aとする場合を例に説明する。第1複合ジョブは、例えば、付帯処理が、MFP100Aに記憶されているデータをMFP100に送信する処理であり、メイン処理が、MFP100がMFP100Aから受信されるデータの画像を形成する処理である。第1複合ジョブ受付部81は、第1複合ジョブを受け付ける場合、第1複合ジョブを付帯処理実行依頼部57、および通常処理実行部86に出力する。
付帯処理実行依頼部57は、第1複合ジョブ受付部81から第1複合ジョブが受信されることに応じて、第1複合ジョブに含まれる付帯処理を定めたジョブを、付帯処理を実行することが定められた装置に送信する。ここでは、第1複合ジョブによって付帯処理を実行することが定められた装置をMFP100Aとしているので、付帯処理実行依頼部57は、通信I/F部112を制御して、MFP100Aに付帯処理を定めたジョブを送信する。
ここで、付帯処理実行依頼受信部67および特定処理実行部87について、付帯処理実行依頼を受信するMFP100Aの動作として説明する。この場合、MFP100Aにおいては、MFP100を操作するユーザーを認証していないため、MFP100Aが備えるチケット管理部63がMFP100を操作するユーザーのためのチケットを管理していない。MFP100Aが備える付帯処理実行依頼受信部67は、通信I/F部112を制御して、MFP100から付帯処理実行依頼を受信する。MFP100Aが備える付帯処理実行依頼受信部67は、受信された付帯処理実行依頼に含まれる付帯処理を定めるジョブを特定処理実行部87に出力する。
MFP100Aが備える特定処理実行部87は、付帯処理実行依頼受信部67から付帯処理を定めるジョブが入力される場合、チケット管理部63から使用可能額が入力されていない場合であっても、付帯処理を実行する。例えば、付帯処理が、HDD115に記憶されたデータをMFP100に送信する処理の場合、特定処理実行部87は、通信I/F部112を制御して、HDD115に記憶されたデータをMFP100に送信する。
次に、MFP100の動作に戻って、通常処理実行部86は、第1複合ジョブ受付部81から第1複合ジョブが入力される場合、第1複合ジョブに含まれるメイン処理を定めたジョブを実行する。第1複合ジョブに含まれる付帯処理を定めたジョブは、付帯処理実行依頼部57によってMFP100Aに送信され、MFP100Aによって実行される。このため、通常処理実行部86は、メイン処理の対価がチケット管理部63から入力される使用可能額以下であれば、MFP100Aによって実行される付帯処理の結果を利用してメイン処理を実行する。チケットを返信する処理の流れは、図5に示した流れと同じである。
次に、第2複合ジョブ受付時の処理の流れについて説明する。図7は、第2複合ジョブ受付時のデータの処理の流れの一例を示す図である。図7においては、上から下に時間の流れを示し、MFP100を符号MFP−Aで示し、MFP100Aを符号MFP100Bで示している。
サーバー300からチケットを受信する処理の流れは、図5に示した流れと同じである。図4および図7を参照して、第2複合ジョブ受付部82は、チケット管理部63から入力される使用可能額がゼロでないことを条件に、第2複合ジョブを受け付ける。第2複合ジョブ受付部82は、チケット管理部63から使用可能額が入力されていない場合、チケット管理部63から入力される使用可能額がゼロの場合、第1複合ジョブを受け付けない。第2複合ジョブは、自装置であるMFP100とは別の装置が実行するためのメイン処理を定めたジョブと、自装置が実行する付帯処理を定めたジョブと、を含む。ここでは、別の装置を、MFP100Aとする場合を例に説明する。第2複合ジョブは、例えば、付帯処理が、MFP100に記憶されているデータをMFP100Aに送信する処理であり、メイン処理が、MFP100AがMFP100から受信されるデータの画像を形成する処理である。第2複合ジョブ受付部82は、第2複合ジョブを受け付ける場合、第2複合ジョブを実行依頼部53、第1チケット送受信部55および特定処理実行部87に出力する。
実行依頼部53は、第2複合ジョブ受付部82から第2複合ジョブが受信されることに応じて、第2複合ジョブによってメイン処理を定めたジョブを実行することが定められた装置に、メイン処理を定めたジョブの実行を依頼する。ここでは、別の装置を、MFP100Aとしているので、実行依頼部53は、第2複合ジョブによってメイン処理を定めたジョブを、通信I/F部112を制御して、MFP100Aに送信する。
第1チケット送受信部55は、第2複合ジョブ受付部82から第2複合ジョブが入力されることに応じて、第2複合ジョブによってメイン処理を定めたジョブを実行することが定められた装置に、チケット管理部63が管理するチケットを送信する。チケット管理部63が管理するチケットは、最新の使用可能額を定める。ここでは、別の装置を、MFP100Aとしているので、第1チケット送受信部55は、チケット管理部63から最新の使用可能額を定めたチケットを取得し、通信I/F部112を制御して、取得したチケットをMFP100Aに送信する。第1チケット送受信部55がチケットを送信した後において、チケット管理部63はチケットが存在しなくなるので、処理実行部59に使用可能額を出力しない。
特定処理実行部87は、第2複合ジョブ受付部82から付帯処理を定めるジョブが入力される場合、チケット管理部63から使用可能額が入力されていない場合であっても、付帯処理を実行する。例えば、付帯処理が、HDD115に記憶されたデータをMFP100Aに送信する処理の場合、特定処理実行部87は、HDD115に記憶されたデータをMFP100Aに送信する。
ここで、第2チケット送受信部73、チケット管理部63、実行依頼受信部65、および通常処理実行部86について、MFP100Aの動作として説明する。この場合、MFP100Aが備える実行依頼受信部65は、通信I/F部112を制御して、MFP100からメイン処理を定めたジョブを受信し、第2チケット送受信部73は、通信I/F部112を制御して、MFP100からチケットを受信する。実行依頼受信部65は、MFP100から受信されるメイン処理を定めたジョブを通常処理実行部86に出力する。
MFP100Aが備える第2チケット送受信部73は、認証時チケット取得部71がチケットを取得していない場合に、サーバー300からチケットを受信する別の装置からチケットを受信する。ここでは、別の装置を、MFP100としているので、第2チケット送受信部73は、通信I/F部112を制御して、MFP100からチケットを受信すると、チケットをチケット管理部63に出力する。
MFP100Aが備える使用可能額変更部91は、第2チケット送受信部73からチケットが入力された後は、処理実行部59が課金対象となる処理を実行するごとに、実行された処理に対して予め定められた対価の額を、使用可能額から減算することにより使用可能額を更新する。使用可能額変更部91は、更新後の使用可能額を定めたチケットを第2チケット送受信部73に出力する。MFP100Aが備える第2チケット送受信部73は、チケット管理部63からチケットが入力されることに応じて、通信I/F部112を制御して、チケットを送信してきた装置、ここでは、MFP100にチケットを返信する。使用可能額変更部91は、第2チケット送受信部73からチケットが入力された後は、チケットで定められる使用可能額が予め定められた下限値以下となってもサーバー300に新たなチケットの発行を要求しない。MFP100Aにおいてユーザーが認証されていないからである。
MFP100Aが備える通常処理実行部86は、実行依頼受信部65から入力されるメイン処理を定めたジョブを、チケット管理部63から入力される使用可能額の範囲内で実行する。換言すれば、通常処理実行部86は、実行依頼受信部65から入力されるメイン処理を定めたジョブを、チケット管理部63から入力される使用可能額が、メイン処理の対価の額以下であれば、メイン処理を定めたジョブを実行する。このため、MFP100Aが備える通常処理実行部86は、メイン処理の対価がチケット管理部63から入力される使用可能額以下であれば、MFP100によって実行される付帯処理の結果を利用してメイン処理を実行する。
次に、MFP100の動作に戻って、第1チケット送受信部55は、チケットをMFP100Aに送信した後に、通信I/F部112が、MFP100Aから返信されるチケットを受信する場合、受信されたチケットをチケット管理部63に出力する。使用可能額変更部91は、第1チケット送受信部55からチケットが入力された後は、処理実行部59が課金対象となる処理を実行するごとに、実行された処理に対して予め定められた対価の額を、使用可能額から減算することにより使用可能額を更新する。使用可能額変更部91は、第1チケット送受信部55からチケットが入力された後は、チケットで定められる使用可能額が予め定められた下限値以下になると、サーバー300に新たなチケットの発行を要求する。
<第2の課金方法>
チケット識別情報受付部85は、ユーザーが操作部163に入力するチケット識別情報を受け付ける。チケット識別情報受付部85は、チケット管理部63から使用可能額が入力されていない場合であってもユーザーが操作部163に入力するチケット識別情報を受け付ける。具体的には、チケット識別情報受付画面を表示部161に表示し、操作部163がチケット識別情報受付画面に従ってユーザーにより入力されるチケット識別情報を受け付ける。チケット識別情報受付部85は、受け付けられたチケット識別情報を一時チケット取得部61に出力する。
一時チケット取得部61は、チケット識別情報受付部85からチケット識別情報が入力されることに応じて、サーバー300に一時チケットの発行を依頼する。具体的には、通信I/F部112を制御して、サーバー300にチケット識別情報を送信する。サーバー300は、チケット識別情報を受信することに応じて、受信されたチケット識別情報と関連付けられた使用可能額を定めた一時チケットを生成し、MFP100に返信するので、一時チケット取得部61は、通信I/F部112が一時チケットをサーバーから受信する。一時チケット取得部61は、受信された一時チケットを特定処理実行部87に出力する。
特定処理実行部87は、一時チケット取得部61から一時チケットが入力される場合、一時チケットで定められる使用可能額の範囲内で、ジョブを実行可能と判断する。特定処理実行部87は、ジョブを実行可能と判断する場合に、単独ジョブ受付部83から単独ジョブが入力されることに応じて、単独ジョブで定められる処理を実行するとともに、一時チケットで定められる使用可能額を、単独ジョブで定められる処理の対価の額を減算した値に更新する。
<第3の課金方法>
管理情報受信部69は、通信I/F部112を制御して、キャッシュレジスタ400から管理情報を受信する場合、管理情報を特定処理実行部87に出力するとともに、管理情報受付部84に受付指示を出力する。管理情報受付部84は、キャッシュレジスタ400から管理情報が受信されていることを条件に、操作部163がユーザーによる操作を受け付け可能な状態にし、操作部163にユーザーにより入力される管理情報を受け付ける。管理情報受付部84は、チケット管理部63から使用可能額が入力されていない場合であっても、管理情報を受け付ける。例えば、管理情報受付部84は、管理情報受信部69から受付指示が入力されることに応じて、表示部161に管理情報入力画面を表示し、操作部163が管理情報入力画面に従ってユーザーにより入力される管理情報を受け付ける。管理情報受付部84は、受け付けられた管理情報を特定処理実行部87に出力する。
特定処理実行部87は、管理情報受信部69から管理情報が入力されている場合は、管理情報受付部84から入力される管理情報が管理情報受信部69から入力される管理情報と同一である場合に、ジョブを実行可能と判断する。特定処理実行部87は、ジョブを実行可能と判断する場合に、単独ジョブ受付部83から単独ジョブが入力されることに応じて、単独ジョブで定められる処理を実行する。
図8は、本実施の形態における画像制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。画像制御処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD115またはCD−ROM118に記憶された画像処理プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図8を参照して、MFP100が備えるCPU111は、操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。操作部163が操作を受け付けたならば処理をステップS02に進めるが、そうでなければ処理をステップS07に進める。ステップS07〜ステップS17については、後述する。
ステップS02においては、ステップS01において受け付けられた操作によって処理を分岐させる。操作が認証ボタンを指示する操作ならば処理をステップS03に進め、一時チケットボタンを指示する操作ならば処理をステップS04に進め、管理情報ボタンを指示する操作ならば処理をステップS05に進め、その他の操作ならば処理をステップS06に進める。ステップS03においては、チケット課金処理を実行し、処理をステップS01に戻す。チケット課金処理の詳細は後述するが、サーバー300で発行されるチケットを用いて課金が可能なことを条件に、MFP100に処理を実行させる処理である。ステップS04においては、一時チケット課金処理を実行し、処理をステップS01に戻す。一時チケット課金処理の詳細は後述するが、サーバー300で発行される一時チケットを用いて課金が可能なことを条件に、MFP100に処理を実行させる処理である。ステップS05においては、管理情報課金処理を実行し、処理をステップS01に戻す。管理情報課金処理の詳細は後述するが、キャッシュレジスタ400で発行される管理情報を用いて課金が可能なことを条件に、MFP100に処理を実行させる処理である。ステップS06においては、エラー表示を実行し、処理をステップS01に戻す。したがって、認証ボタンを指示する操作、一時チケットボタンを指示する操作、および管理情報ボタンを指示する操作以外の操作を受け付けない。このため、ユーザーは、料金を支払わない場合には、操作部163を操作して、MFP100に処理を実行させることができない。
ステップS07においては、チケットを受信したか否かを判断する。通信I/F部112が他のMFP100Aからチケットを受信したならば処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。ステップS08〜ステップS11については後述する。ステップS12においては、付帯処理実行依頼を受信したか否かを判断する。通信I/F部112が他のMFP100Aから付帯処理実行依頼を受信したならば処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS14に進める。ステップS13については、付帯処理を実行し、処理をステップS01に戻す。付帯処理の実行についての詳細は後述する。ステップS14においては、管理情報を受信したか否かを判断する。通信I/F部112がキャッシュレジスタ400から管理情報を受信したならば処理をステップS15に進めるが、そうでなければ処理をステップS01に戻す。ステップS15においては、受信された管理情報を一時記憶し、処理をステップS01に戻す。
図9は、チケット課金処理の流れの一例を示すフローチャートである。チケット課金処理は、図8のステップS03において実行される処理である。図9を参照して、MFP100が備えるCPU111は、表示部161に認証画面を表示する(ステップS21)。認証画面は、ユーザーが認証情報を入力するための領域を含む。認証情報は、ここではユーザーカウントとパスワードとしている。次のステップS22においては、操作部163が認証情報を受け付けたか否かを判断する。認証情報を受け付けるまで待機状態となり(ステップS22でNO)、認証情報を受け付けたならば(ステップS22でYES)、処理をステップS23に進める。ステップS23においては、サーバー300にチケットの発行を要求する。通信I/F部112を制御して、サーバー300にチケット発行要求を送信する。チケット発行要求は、ステップS22において受け付けられた認証情報を含む。チケット発行要求を受信するサーバー300は、ユーザーテーブルを参照して、チケット発行要求に含まれる認証情報が予め登録されていれば、チケットを発行するが、登録されていなければチケットを発行しない。サーバー300は、ユーザーテーブルにおいて、認証情報に含まれるユーザーカウントに対して関連付けられた使用可能額を特定し、予め定められた額を減算するとともに、減算した額に対応する使用可能額を含むチケットを発行する。
次のステップS24においては、チケットを受信したか否かを判断する。通信I/F部112がサーバー300からチケットを受信したならば(ステップS24でYES)、処理をステップS25に進めるが、そうでなければ処理をステップS33に進める。ステップS33においては、表示部161にエラー画面を表示し、処理を画像制御処理に戻す。処理がステップS33に進む場合には、サーバー300によりチケットが発行されない場合である。エラー画面は、例えば、認証情報が異なることを示すメッセージまたは、チケットを発行するための使用可能額が不足していることを示すメッセージを含む。
ステップS25においては、表示部161に設定画面を表示し、処理をステップS26に進める。設定画面は、MFP100にハードウェア資源を制御した処理を実行させる処理、およびその処理を実行するために用いる設定値を設定する領域を含む。
ステップS26においては、ユーザーにより入力される操作によって処理を分岐させる。設定値を設定するための設定操作を受け付ける場合は処理をステップS27に進め、操作を終了するための終了操作を受け付ける場合は、処理をステップS28に進め、処理の実行を指示する実行指示操作を受け付ける場合は、処理をステップS29に進める。
ステップS27においては、受け付けられた設定値を設定し、処理をステップS25に戻す。ステップS28においては、チケットを返送し、処理を画像制御処理に戻す。通信I/F部112を制御して、サーバー300にチケットを送信する。サーバー300においては、返信されるチケットを受信する場合、チケットの返金処理を実行する。受信されたチケットに含まれる使用可能額に相当する額を、ユーザーテーブルで定められる残金に加算することにより、ユーザーテーブルを更新する。
ステップS29においては、実行指示操作によって特定されるジョブの種類によって処理を分岐する。実行指示操作によって特定されるジョブが単独ジョブならば処理をステップS30に進め、第1複合ジョブならば処理をステップS31進め、第2複合ジョブならば処理をステップS32に進める。
ステップS30においては、単独ジョブ実行処理を実行し、処理を画像制御処理に戻す。単独ジョブは、MFP100が単独で実行するジョブである。単独ジョブ実行処理の詳細は後述する。
ステップS31においては、第1複合ジョブ実行処理を実行し、処理を画像制御処理に戻す。ステップS32においては、第2複合ジョブ実行処理を実行し、処理を画像制御処理に戻す。第1複合ジョブおよび第2複合ジョブは、メイン処理を定めたジョブと、付帯処理を定めたジョブとを含む。第1複合ジョブは、メイン処理を定めたジョブを自装置で実行することが定められ、付帯処理を定めたジョブを他の装置、ここではMFP100Aで実行することが定められる。第2複合ジョブは、メイン処理で定められたジョブを他の装置、ここではMFP100Aで実行することが定められ、付帯処理で定められたジョブを自装置で実行することが定められる。第1複合ジョブ実行処理および第2複合ジョブ実行処理の詳細は後述する。
図10は、単独ジョブ実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。単独ジョブ実行処理は、図9のステップS30において実行される処理である。図10を参照して、MFP100が備えるCPU111は、チケットで定められた使用可能額が、単独ジョブで定められた処理の対価の額以上か否かを判断する(ステップS41)。使用可能額が処理の対価の額以上ならば処理をステップS42に進めるが、そうでなければ処理をステップS48に進める。ステップS42においては、単独ジョブを実行し、処理をステップS43に進める。ステップS43においては、使用可能額を更新し、処理をステップS44に進める。チケットで定められる使用可能額を、単独ジョブで定められた処理の対価の額を減算した値に更新する。
ステップS44においては、使用可能額が下限値以下か否かを判断する。使用可能額が下限値以下ならば処理をステップS45に進めるが、そうでなければ処理をチケット課金処理に戻す。ステップS45においては、図9のステップS23と同様に、サーバー300にチケットの発行を要求する。そして、次のステップS46においては、チケットを受信したか否かを判断する。通信I/F部112がサーバー300からチケットを受信したならば(ステップS46でYES)、処理をステップS47に進めるが、そうでなければ処理をステップS48に進める。ステップS47においては、チケットの使用可能額を更新し、処理をチケット課金処理に戻す。チケットで定められる使用可能額を、ステップS46においてサーバー300から受信されたチケットで定められる使用可能額を加算した値に更新する。ステップS48においては、表示部161にエラー画面を表示し、処理をチケット課金処理に戻す。エラー画面は、例えば、チケットを発行するための使用可能額が不足していることを示すメッセージを含む。
図11は、第1複合ジョブ実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。第1複合ジョブ実行処理が実行される前の段階で、第1複合ジョブが定められている。第1複合ジョブは、メイン処理を定めたジョブを自装置で実行することが定められ、付帯処理を定めたジョブを他の装置、ここではMFP100Aで実行することが定められる。
MFP100が備えるCPU111は、チケットで定められた使用可能額が、メイン処理の対価以上か否かを判断する(ステップS51)。使用可能額がメイン処理の対価の額以上ならば処理をステップS52に進めるが、そうでなければ処理をステップS59に進める。ステップS59においては、表示部161にエラー画面を表示し、処理をチケット課金処理に戻す。エラー画面は、例えば、チケットを発行するための使用可能額が不足していることを示すメッセージを含む。
ステップS52においては、付帯処理の実行依頼を送信し、処理をステップS53に進める。通信I/F部112を制御して、第1複合ジョブにより定められた付帯処理を定めたジョブを、第1複合ジョブにより定められた他の装置、ここではMFP100Aに送信する。
ここで、付帯処理を定めたジョブを受信するMFP100Aの動作について説明する。MFP100Aが備えるCPU111は、図8に示した画像制御処理を実行する。図8を参照して、MFP100Aが備えるCPU111は、ステップS12において、付帯処理実行依頼を受信したか否かを判断する。通信I/F部112が、MFP100から付帯処理を定めたジョブを受信する場合に、付帯処理実行依頼を受信したと判断する。付帯処理実行依頼を受信したなら処理をステップS13に進めるが、そうでなければ処理をステップS14に進める。
ステップS13においては、付帯処理を実行し、処理をステップS01に戻す。例えば、付帯処理が、データを送信する処理の場合、付帯処理を定めたジョブによって、MFP100AのHDD115に記憶されたデータと、データの送信先にMFP100が定められている場合、HDD115からジョブにより特定されるデータを読み出し、通信I/F部112を制御して、読み出されたデータをMFP100に送信する。
図11に戻って、MFP100が備えるCPU111は、ステップS53においてメイン処理を実行し、処理をステップS55に進める。例えば、メイン処理が、画像を形成する処理を定め、第1複合ジョブが、付帯処理を実行して得られるデータを、メイン処理の処理対象として定める場合、ステップS52において付帯処理の実行を依頼したMFP100Aから受信されるデータを処理対象とし、MFP100から得られるデータの画像を形成する。なお、実行結果が付帯処理の実行に失敗したことを示す場合には、MFP100Aで付帯処理の実行に失敗したことを示すメッセージを表示し、処理をチケット課金処理に戻すようにしてもよい。
ステップS54においては、使用可能額を更新し、処理をステップS55に進める。チケットで定められる使用可能額を、メイン処理の対価の額を減算した値に更新する。ステップS55〜ステップS58の処理は、図7に示したステップS44〜ステップS47の処理と同じである。従ってここでは説明を繰り返さない。
図12は、第2複合ジョブ実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2複合ジョブ実行処理は、図9のステップS32において実行される処理である。第2複合ジョブ実行処理が実行される前の段階で、第2複合ジョブが定められている。第2複合ジョブは、メイン処理で定められたジョブを他の装置、ここではMFP100Aで実行することが定められ、付帯処理で定められたジョブを自装置で実行することが定められる。
MFP100が備えるCPU111は、チケットで定められた使用可能額が、メイン処理の対価以上か否かを判断する(ステップS61)。使用可能額がメイン処理の対価の額以上ならば処理をステップS62に進めるが、そうでなければ処理をステップS70に進める。ステップS70においては、表示部161にエラー画面を表示し、処理をチケット課金処理に戻す。エラー画面は、例えば、チケットを発行するための使用可能額が不足していることを示すメッセージを含む。
ステップS62においては、チケットを送信し、処理をステップS63に進める。チケットの送信先は、第2複合ジョブによって、メイン処理を実行する装置として定められたMFP100Aである。通信I/F部112を制御して、チケットを、第2複合ジョブによりメイン処理を定めたジョブを実行する装置として定められたMFP100Aに送信する。
ステップS63においては、メイン処理の実行依頼を送信し、処理をステップS64に進める。実行依頼は、第2複合ジョブにより定められたメイン処理を定めたジョブと、第2複合ジョブにより定められた付帯処理を実行することにより得られるデータをジョブの処理対象となるデータとして定める。通信I/F部112を制御して、実行依頼を、第2複合ジョブにより定められた他の装置、ここではMFP100Aに送信する。
ステップS64においては、第2複合ジョブにより定められた付帯処理を実行し、処理をステップS65に進める。例えば、付帯処理がデータ送信処理の場合であって、付帯処理を定めたジョブによって、HDD115に記憶されたデータと、データの送信先としてMFP100Aが定められている場合、HDD115に記憶されたデータを読み出して、通信I/F部112を制御して、読み出したデータを、MFP100Aに送信する。
ここで、メイン処理を定めたジョブを受信するMFP100Aの動作について説明する。MFP100Aが備えるCPU111は、図8に示した画像制御処理を実行する。図8を参照して、MFP100Aが備えるCPU111は、ステップS07において、チケットを受信したか否かを判断する。通信I/F部112が、MFP100からチケットを受信したななら処理をステップS08に進めるが、そうでなければ処理をステップS12に進める。
ステップS08においては、実行依頼を受信したか否かを判断する。通信I/F部112が、実行依頼を受信するまで待機状態となり(ステップS08でNO)、MFP100から実行依頼を受信したならば(ステップS08でYES)、処理をステップS09に進める。ステップS09においては、実行依頼に含まれるメイン処理を実行し、処理をステップS10に進める。具体的には、メイン処理が画像を形成する処理で、実行依頼によりメイン処理の処理対象に、付帯処理を実行することにより得られるデータが定められている場合、通信I/F部112がMFP100から受信するデータの画像を形成する。
ステップS10においては、ステップS07において受信されたチケットで定められる使用可能額を更新し、処理をステップS11に進める。チケットで定められる使用可能額を、メイン処理の対価の額を減算した値に更新する。ステップS11においては、使用可能額を変更した後のチケットを、チケットを送信してきた装置、ここでは、MFP100に返信し、処理をステップS01に戻す。
図13は、一時チケット課金処理の流れの一例を示すフローチャートである。一時チケット課金処理は、図8のステップS04において実行される処理である。図13を参照して、MFP100が備えるCPU111は、表示部161にチケット識別情報受付画面を表示する(ステップS71)。チケット識別情報受付画面は、サーバー300により発行される一時チケットに付されたチケット識別情報を入力するための領域を含む。次のステップS72においては、操作部163がチケット識別情報を受け付けたか否かを判断する。チケット識別情報を受け付けるまで待機状態となり(ステップS72でNO)、チケット識別情報を受け付けたならば(ステップS72でYES)、処理をステップS73に進める。ステップS73においては、サーバー300に一時チケットの発行を要求する。通信I/F部112を制御して、サーバー300に一時チケット発行要求を送信する。一時チケット発行要求は、ステップS72において受け付けられたチケット識別情報を含む。一時チケット発行要求を受信するサーバー300は、登録済の一時チケットを参照して、一時チケットが登録されていれば、一時チケットを発行するが、登録されていなければ一時チケットを発行しない。
次のステップS74においては、一時チケットを受信したか否かを判断する。通信I/F部112がサーバー300から一時チケットを受信したならば(ステップS74でYES)、処理をステップS75に進めるが、そうでなければ処理をステップS80Aに進める。ステップS80Aにおいては、表示部161にエラー画面を表示し、処理を画像制御処理に戻す。処理がステップS83に進む場合には、サーバー300により一時チケットが発行されない場合である。エラー画面は、例えば、チケット識別情報が異なることを示すメッセージを含む。
ステップS75においては、表示部161に設定画面を表示し、処理をステップS76に進める。設定画面は、MFP100にハードウェア資源を制御した処理を実行させる処理、およびその処理を実行するために用いる設定値を設定する領域を含む。
ステップS76においては、ユーザーにより入力される操作によって処理を分岐させる。設定値を設定するための設定操作を受け付ける場合は処理をステップS77に進め、操作を終了するための終了操作を受け付ける場合は、処理を画像制御処理に戻し、処理の実行を指示する実行指示操作を受け付ける場合は、処理をステップS78に進める。
ステップS77においては、受け付けられた設定値を設定し、処理をステップS75に戻す。ステップS78においては、一時チケットで定められた使用可能額が、単独ジョブで定められた処理の対価以上か否かを判断する。使用可能額が処理の対価の額以上ならば処理をステップS79に進めるが、そうでなければ処理をステップS80に進める。ステップS79においては、単独ジョブを実行し、処理をステップS75に戻す。ステップS80においては、表示部161にエラー画面を表示し、処理を画像制御処理に戻す。エラー画面は、例えば、一時チケットの使用可能額が不足していることを示すメッセージを含む。
図14は、管理情報課金処理の流れの一例を示すフローチャートである。管理情報課金処理は、図8のステップS05において実行される処理である。図14を参照して、MFP100が備えるCPU111は、表示部161に管理情報受付画面を表示する(ステップS81)。管理情報受付画面は、キャッシュレジスタ400により発行される管理情報を入力するための領域を含む。次のステップS82においては、操作部163が管理情報を受け付けたか否かを判断する。管理情報を受け付けるまで待機状態となり(ステップS82でNO)、管理情報を受け付けたならば(ステップS82でYES)、処理をステップS83に進める。ステップS83においては、受け付けられた管理情報が、図8のステップS16において一時記憶された管理情報と一致するか否かを判断する。両者が一致するならば処理をステップS84に進めるが、そうでなければ処理をステップS88に進める。ステップS88においては、表示部161にエラー画面を表示し、処理を画像制御処理に戻す。エラー画面は、例えば、管理情報が誤っていることを示すメッセージを含む。
ステップS84においては、表示部161に設定画面を表示し、処理をステップS85に進める。設定画面は、MFP100にハードウェア資源を制御した処理を実行させる処理、およびその処理を実行するために用いる設定値を設定する領域を含む。
ステップS85においては、ユーザーにより入力される操作によって処理を分岐させる。設定値を設定するための設定操作を受け付ける場合は処理をステップS86に進め、操作を終了するための終了操作を受け付ける場合は、処理を画像制御処理に戻し、処理の実行を指示する実行指示操作を受け付ける場合は、処理をステップS87に進める。
ステップS86においては、受け付けられた設定値を設定し、処理をステップS84に戻す。ステップS87においては、単独ジョブを実行し、処理をステップS84に戻す。
以上説明したように、本実施の形態におけるMFP100は、サーバー300からチケットが取得されていない状態、または、サーバー300からチケットが取得されているが、そのチケットで定められる使用可能額がゼロの状態で、ハードウェア資源を制御する処理を実行させるための操作を受け付けないが、サーバー300からチケットを取得したMFP100Aが課金処理を実行しており、課金処理を実行するMFP100Aから課金処理と関連する付帯処理の実行が依頼される場合に、付帯処理を実行する。このため、使用可能額が不足する状態で、ハードウェア資源を制御する処理を実行させるためにユーザーにより入力される操作を受け付けないようにしつつ付帯処理を実行することができる。
また、MFP100は、サーバー300から取得したチケットを取得した状態で、第2複合ジョブを受け付ける場合、チケットをMFP100Aに送信する前に付随処理を定めるジョブを受けているので、チケットをMFP100Aに送信し、複合ジョブに含まれるメイン処理の実行をMFP100Aに依頼する。MFP100Aにおいて、MFP100からチケットを受信しているので、メイン処理を実行することが可能である。MFP100において、チケットをMFP100Aに送信しており、チケットが存在しないが、チケットをMFP100Aに送信する前に受け付けられた付随処理を定めるジョブを実行する。このため、使用可能額が不足する状態で、ハードウェア資源を制御する処理を実行させるためにユーザーにより入力される操作を受け付けないようにしつつ付帯処理を実行することができる。
また、MFP100は、チケットが取得されていない状態、または、チケットの使用可能額が存在しない状態で、キャッシュレジスタ400から管理情報を受信し、受信された管理情報と同じ情報を操作部163が受け付ける場合、チケットが取得されていない状態、または、チケットの使用可能額が存在しない状態であっても、操作部163で操作を受け付け、処理を実行するので、サーバー300からチケットを取得していない状態で処理を実行することができる。
また、MFP100は、サーバー300からチケットが取得されていない状態、または、チケットの使用可能額が存在しない状態で、サーバー300が発行する一時チケットのチケット識別情報と同一の情報を操作部163が受け付ける場合、チケットが取得されていない状態、または、チケットの使用可能額が存在しない状態であっても、操作部163で操作を受け付け、処理を実行するので、サーバー300からチケットを取得していない状態で処理を実行することができる。
また、MFP100は、サーバー300から取得された一時チケットで定められる使用可能額の範囲内で、処理を実行するので、実行することのできる処理を、一時チケットの使用可能額の範囲内に制限することができる。
なお、上述した実施の形態においては、画像処理装置の一例としてMFP100,100Aを例に説明したが、図8〜図14に示した画像制御処理を、MFP100,100Aそれぞれに実行させる画像処理方法、その画像処理方法を、MFP100,100Aそれぞれが備えるCPU111に実行させる画像処理プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。