JP6752878B2 - 神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の処置における使用のためのchk1/2阻害剤 - Google Patents

神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の処置における使用のためのchk1/2阻害剤 Download PDF

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Description

軟部組織肉腫と診断された個体の20%〜25%は全生存率が低く、生存期間中央値が12ヶ月と短いと推定されている。神経芽細胞腫に関しては、高リスク神経芽細胞腫患者の転帰は低く、長期生存率は50%未満である。したがって、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫を治療するための新規なアプローチが必要である。
CHK1は、DNA合成中のDNA損傷応答及び複製フォークライセンスを促進するために重要な多機能タンパク質セリン/スレオニンキナーゼである。CHK1小分子阻害剤は、固形腫瘍及びヘム悪性腫瘍の臨床研究を受けている。DNA損傷修復におけるCHK1及びCHK2の役割のために、CHK1/2の阻害剤は、癌の治療における使用のための関心を受けている。例えば、US8314108は、CHK1/2阻害剤である、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルギ酸塩、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル二塩酸塩、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸塩、及び5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩を開示している。
しかしながら、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療に有益であり得るDNA損傷剤の増強剤として効果的に作用し得る細胞周期チェックポイントの強力な阻害剤であるCHK1阻害剤に対する必要性が依然として存在する。本発明は、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療に有益であり得るCHK1の強力な阻害剤である、アミノピラゾール化合物またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物に関する。化合物またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物は、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療に有益であり得る、組織培養及びインビボでのDNA損傷剤による処置によって誘導されるCHK1媒介細胞周期停止を強力に排除する。さらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物は、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療に有益であり得るCHK2の阻害も提供する。さらに、CDK1のような特定の他のプロテインキナーゼの阻害がないと、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療のための化合物またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物を使用する場合の望ましくない影響を最小限に抑えることによる治療利益を提供することができる。
本発明はまた、CHK1のアンタゴニストであり、神経芽細胞腫及び/または小児及び成人軟部組織肉腫のより安全で効果的な治療の必要性に取り組むことができるアミノピラゾール化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供する。
本発明は、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療のための5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物を伴う使用または方法を企図する。他の非限定的な実施形態は、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルギ酸塩、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル二塩酸塩、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸塩、及び5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩を含む。
特定の実施形態として、本発明は、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルである化合物を提供する。
本発明は、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルのギ酸、二水素塩化物及びメタンスルホン酸塩を提供する。
本発明はまた、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩である化合物を提供する。
本発明は、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、2θ±0.02°=12.64°、21.25°及び26.15°にピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする結晶形態の5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩を提供する。
本発明は、神経芽細胞腫及び/または脂肪肉腫を除く軟部組織肉腫を治療するための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物を伴う使用または方法を企図する。他の非限定的な実施形態は、神経芽細胞腫及び/または脂肪肉腫を除く軟部組織肉腫の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルギ酸塩、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル二塩酸塩、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸塩、及び(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩を含む。
特定の実施形態として、本発明は、神経芽細胞腫及び/または脂肪肉腫を除く軟部組織肉腫の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルである化合物、提供する。
本発明は、神経芽細胞腫及び/または脂肪肉腫を除く軟部組織肉腫の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルのギ酸、二水素塩化物及びメタンスルホン酸塩を提供する。
本発明はまた、神経芽細胞腫及び/または脂肪肉腫を除く軟部組織肉腫の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩である化合物を提供する。
本発明は、神経芽細胞腫及び/または脂肪肉腫を除く軟部組織肉腫を含む癌の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、2θ±0.02°=12.64°、21.25°及び26.15°にピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする結晶形態の5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩を提供する。
本発明は、神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物と、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤のうちの1つ以上とを含む薬学的組成物を提供する。本発明は、神経芽細胞腫及び/または脂肪肉腫を除く軟部組織肉腫の治療における使用のためのまたは治療する方法としての、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物と、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤のうちの1つ以上とを含む薬学的組成物を提供する。本発明は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される、癌の治療における使用のためのまたは癌を治療する方法としての、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物と、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤のうちの1つ以上とを含む薬学的組成物を提供する。
本発明は、癌を治療する方法を提供し、本方法は、それを必要とする患者に、有効量の5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物を投与することを含み、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。さらに、本発明はまた、癌を治療する方法を提供し、本方法は、それを必要とする患者に、有効量の5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物、及び電離放射線を投与することを含み、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。本発明は、癌を治療する方法を提供し、本方法は、それを必要とする患者に、有効量の5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物、及び少なくとも1つの化学療法剤を投与することを含み、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。本発明は、癌を治療する方法を提供し、本方法は、それを必要とする患者に、有効量の5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物と、少なくとも1つの化学療法剤と、電離放射線とを投与することを含み、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。
本発明は、癌の治療のための医薬の製造のための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物の使用を提供し、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。さらに、本発明は、癌の治療のための医薬の製造のための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物の使用を提供し、その治療は電離放射線との組み合わせ療法を含み、その癌が、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。本発明は、組み合わせ療法による癌の治療のための医薬の製造のための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物の使用を提供し、その組み合わせ療法の治療は、同じ患者への前記薬物の投与と、1つ以上の他の化学療法薬の投与とを含み、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。本発明は、組み合わせ療法による癌の治療のための医薬の製造のための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物の使用を提供し、その組み合わせ療法の治療は、同じ患者への前記薬物の投与と1つ以上の他の化学療法薬及び電離放射線の投与とを含み、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。
本発明は、療法に使用するための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供する。本発明はまた、癌の治療に使用するための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供する。
さらに、本発明は、癌の治療において電離放射線と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供する。さらに、本発明は、癌の治療において1つ以上の化学療法剤と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供する。
本発明は、癌の治療に使用するための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供し、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。さらに、本発明はまた、癌の治療において電離放射線と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供し、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、繊維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。本発明は、癌の治療において1つ以上の化学療法剤と同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供し、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、繊維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。本発明は、癌の治療において1つ以上の化学療法剤と電離放射線とを同時に、別々に、または順次組み合わせて使用するための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供し、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、繊維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。
本発明は、癌の治療のための医薬の製造のための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物の使用を提供し、前記医薬は、電離放射線と同時に、別々に、または順次組み合わせて投与され、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、繊維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。
本発明は、癌の治療のための医薬の製造のための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物の使用を提供し、前記医薬はまた、少なくとも1つの化学療法剤を含み、または少なくとも1つの化学療法剤と同時に、別々に、または順次組み合わせて投与され、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、繊維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。
本発明は、癌の治療において電離放射線と同時に、別々にまたは順次組み合わせて使用するための5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供し、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、繊維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。
本発明は、癌の治療において少なくとも1つの化学療法剤と同時に、別々にまたは順次組み合わせて使用するための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される塩の溶媒和物を提供し、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。
本発明は、癌治療における少なくとも1つの化学療法剤と電離放射線と同時、別々または順次組み合わせて使用するための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物を提供し、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、繊維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。
本発明は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物を薬学的に許容される担体及び場合により他の治療成分と共に含む薬学的組成物を提供し、その癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、繊維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される。
(5−(5−(2−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩は、単剤として、S期中に二本鎖DNA切断を生じて複製の破局及び最終的には有糸分裂の破局につながる、CHK1/CHK2小分子阻害剤である。さらに、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩によるCHK1の阻害は、ドキソルビシン及びゲムシタビンのような遺伝毒性物質による処理後のDNA損傷応答を無効にし、DNA損傷及びこれらの薬剤に対するアポトーシス応答を増強する。
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩の有効性は、神経芽細胞腫のマウスモデルとヒト小児及び成体肉腫においてインビボで測定可能である。5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(10mg/kg)は、ヒト横紋筋肉腫、繊維形成性小円形細胞腫瘍(DSRCT)、骨肉腫、及びユーイング肉腫の、細胞由来異種移植片(CDX)または患者由来異種移植片(PDX)のいずれかを有するヌードマウスに、3日、1日2回投与し、4日休止する、投薬スケジュールで皮下投与することができる。腫瘍体積及び体重は、週に2回測定することができる。腫瘍特異的パラメータは、免疫組織化学によって評価することができる。
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩は、不変から完全な退縮までの7/13の小児腫瘍モデルにおいて強力な単剤活性を引き起こす。注目すべきことに、DSRCTのPDXモデルでは、4回の投与サイクルの後に完全な退縮が観察される。治療を中止すると、DSRCTのPDXモデルにおいて5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩で再チャレンジした場合の腫瘍退縮を含めて、治療後50日で腫瘍増殖が観察される。SJCRH−30aRMSモデルでは、治療中に観察された完全な退縮は薬物の投与中止をすると直ちに逆転し、その後の再増殖は10mg/kgの5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩によるさらなる治療に耐性がある。しかしながら、この同じモデルでは、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水和物+ドキソルビシンは、治療を中止してから2ヶ月超の間、検出可能な腫瘍増殖のない耐久性のある完全な退縮をもたらす。
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩は、平滑筋肉腫のPDXモデルにおいても活性であったが、脂肪肉腫では活性がなかった。5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩単独で及び化学療法と組み合わせることで、肉腫のヒトPDX及びCDXモデルの増殖を有意に阻害し得る。
本発明は、CHK1を阻害する、及びデオキシリボ核酸(DNA)の複製、染色体の分離または細胞分裂の欠損を特徴とする癌の治療に有用な、アミノピラゾール化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩の溶媒和物に関する。
化学療法剤の非限定的な例には、5−フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、ゲムシタビン、メトトレキサート、ペメトレキセド、ドキソルビシン、ダクチノマイシン、エトポシド、ビンクリスチン、イホスファミド、イリノテカン、シクロホスファミド、シスプラチン、タキソール及びそれらの組み合わせが含まれる。本明細書に記載の方法及び使用の実施形態は、膀胱癌、結腸癌、胃癌、肝臓癌、肺癌、乳癌、黒色腫、卵巣癌、膵臓癌、中皮腫、腎癌及び子宮癌からなる群から選択される他の癌を含む。さらに、本発明は、その横紋筋肉腫が肺胞性横紋筋肉腫及び/または胚性横紋筋肉腫である、本明細書に記載の方法及び使用の実施形態を提供する。
本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物は、互変異性体として存在し得る。互変異性体が存在する場合、それらの各形態及び混合物は、本発明において考慮される。
他に定義されない限り、本発明は、実施例3の化合物の薬学的に許容される塩、ならびに実施例3の化合物の遊離塩基またはその薬学的に許容されるそれらの塩の溶媒和物を含む。本明細書で使用される用語「薬学的に許容される塩」は、実施例3の化合物の塩を指す。薬学的に許容される塩の例及びそれらの調製方法は、当技術分野において慣用的である。例えば、Stahl et al.,“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use”,VCHA/Wiley−VCH,(2002);Gould,P.L.,“Salt selection for basic drugs”,International Journal of Pharmaceutics,33:201−217(1986)及びBastin et al.“Salt Selection and Optimization Procedures for Pharmaceutical New Chemical Entities”,Organic Process Research and Development,4:427−435(2000)を参照されたい。
薬学的に許容される塩に加えて、他の塩が本発明に含まれる。それらは、化合物の精製において、または他の薬学的に許容される塩の調製において中間体になり得るか、または同定、特徴付け、または精製に有用である。
本明細書中で使用される場合、用語「患者」は、ヒトまたはヒト以外の哺乳動物を指す。より詳細には、用語「患者」はヒトを指す。
用語「治療する(treating)」(または「治療する(treat)」または「治療」(treatment)は、症状、障害、状態または疾患の進行または重症度を緩徐化、中断、阻止、抑制、低減、または逆転させるプロセスを指す。
本明細書で使用する用語「有効量」は、本明細書に記載の本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物の量もしくは用量を、単独で、または電離放射線もしくは化学療法薬と組み合わせて、患者への単回投与または複数回投与時に、診断または治療下の患者に所望の効果を提供する。有効量は、哺乳動物の種などのいくつかの因子例えば、その大きさ、年齢、及び一般的な健康状態、必要に応じて他の薬剤の同時投与、関与する特定の疾患、疾患の程度または重症度、個々の患者の応答、投与される特定の化合物、投与の様式、投与された製剤のバイオアベイラビリティ特性、選択された投与レジメン、付随する医薬品の使用、その他の関連する状況、を考慮することにより、当業者に認められる診断者によって容易に決定することができる。本発明を何ら限定するものとして解釈されるべきではないが、20〜150mg/mは、本明細書に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩または塩の溶媒和物の有効量を表す。
本明細書で使用される用語「組み合わせ療法」は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくはその塩の溶媒和物、及び少なくとも1つの化学療法剤の別々の、同時の、または順次の投与を指す。さらに、「組み合わせ療法」という用語は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物と、電離放射線との別々の、同時の、または順次の投与を指す。用語「組み合わせ療法」はまた、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物と、電離放射線、及び少なくとも1つの化学療法剤との別々の、同時の、または順次の投与を指す。
当業者であれば、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩は、代わりに2−ピラジンカルボニトリル、5−[[5−[2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル]−1H−ピラゾール−3−イル]アミノ]モノメシレート一水塩と呼ぶことができることを認識するであろう。
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルの化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物は、薬学的組成物の一部として投与するために配合されてもよい。このように、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルの化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物を、1つ以上の薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤と組み合わせて含む薬学的組成物は、本発明の重要な実施形態である。薬学的組成物及びそれらの調製方法の例は、当技術分野で周知である。例えば、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY,A.Gennaro,et al.,eds.,22nd ed.,Pharmaceutical Press(2012)を参照されたい。
本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物は、それを生物学的に利用可能にするいずれかの経路によって投与することができる。例えば、化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物は、経口で、皮下で、筋肉内に、静脈内に、経皮的に、局所的に、鼻腔内に、直腸に、口腔内に等で投与することができる。あるいは、化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物を、注入によって投与してもよい。IV注入が好ましい投与経路である。
「ATCC」はAmerican Type Culture collectionを指し、「ATM」は血管拡張性失調症変異を指し、「ATP」はアデノシン三リン酸を指し、「ATR」は運動失調及びラド関連キナーゼを指し、「BCA」はビシンコニン酸を指し、「b.i.d.」は1日2回の投薬を指し、「Bocまたはt−Boc」はtert−ブトキシカルボニルを指し、「BSA」はウシ血清アルブミンを指し、「CTG」はCell Titer Glow試薬を指し、「DPBS」はダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水を指す、「DIAD」はジイソプロピルアゾジカルボキシレートを指し、「DMF」はジメチルホルムアミドを指し、「DMSO」はジメチルスルホキシドを指し、「DTT」はジチオスレイトールを指し、「DSRCT」は繊維形成性小円形細胞腫瘍を指し、「EDTA」はエチレンジアミン四酢酸を指し、「ERK」は細胞外シグナル調節キナーゼを指し、「EtOH」はエタノールを指し、「EWS」はユーイング肉腫を指し、「FBS」はウシ胎児血清を指し、「G2M」は細胞周期のG2及びM期を指し、「HBSS」はハンクスの平衡塩類溶液を指し、「HEPES」は、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸を指し、「hnRNP」はヘテロ核リボヌクレオタンパク質を指し、「HRP」は西洋ワサビペルオキシダーゼを指し、「LMS」は平滑筋肉腫を指し、「MEM」は最小必須培地を指し、MeOH」はメタノールまたはメチルアルコールを指し、「NBM」は神経芽細胞腫を指し、「OS」は骨肉腫を指し、「PBS」はリン酸緩衝生理食塩水を指し、「PBST」はリン酸緩衝食塩水Tween−20を指し、「Ph」はフェニルを指し、「pHH3」はリン酸化ヒストンH3を指し、「PI」はヨウ化プロピジウムを指し、「PKC」はプロテインキナーゼCを指し、「RMS」は横紋筋肉腫を指し、「RNAアーゼ」はリボヌクレアーゼAを指し、「RPMI」はRoswell Park Memorial Instituteを指し、「SDS」は、ドデシル硫酸ナトリウムを指し、「ST」は軟部組織を指し、「TBST」はトリス緩衝生理食塩水Tween−20を指し、「THF」はテトラヒドロフランを指し、「TR−FRET」は時間分解蛍光エネルギー移動を指し、「Tris」はトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを指し、「Triton(商標)−X」は、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル−ポリエチレングリコールt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノールポリエチレングリコールtert−オクチルフェニルエーテルを指し、「Tween−20」はポリソルベート20を指す。
以下の調製及び実施例は、本発明をさらに詳細に説明し、化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物の典型的な合成を示すために提供さる。
ルートA
調製1
5−イソチオシアナトピラジン−2−カルボニトリル
THF(4mL)中のチオホスゲン(1.86g、15mmol)の溶液を、CHCl(200mL)及びTHF(25mL)中の5−アミノピラジン−2−カルボニトリル(1.20g、10mmol)及びピリジン(2mL)の溶液に室温で加える。反応混合物を室温で3時間撹拌する。混合物を濃縮し、粗生成物を酢酸エチルで希釈し、ろ過し、濃縮して標記化合物を得る。
調製2
(tert−ブチル3−(2−アセチル−3−メトキシフェノキシ)プロピルカルバメート
DIAD(2.82g,14.0mmol)を、THF(50mL)中のtert−ブチル3−ヒドロキシプロピルカルバメート(2.45g、14.0mmol)、1−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)エタノン(1.94g、11.7mmol)及びトリフェニルホスフィン(3.66g、14.0mmol)の撹拌溶液に室温で加える。18時間撹拌後、溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル:0−60%勾配)に付して標記化合物(1.60g、42%)を得る。
実施例1
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルギ酸塩
THF(7.6mL、7.6mmol)中のリチウムヘキサメチルジシラザンの1M溶液を、乾燥THF(25mL)中のtert−ブチル3−(2−アセチル−3−メトキシフェノキシ)プロピルカルバメート(1.08g、3.17mmol)の撹拌溶液に室温でゆっくりと加える。10分間撹拌した後、THF(4mL)中の5−イソチオシアナトピラジン−2−カルボニトリル(0.510g、3.17mmol)を加え、30分間撹拌を続ける。反応混合物を濃縮し、EtOH(50mL)及び酢酸(5mL)に再溶解し、続いてヒドラジン水和物(2mL)を添加する。次いで、得られた反応混合物を120℃で2分間加熱する。次いで、反応混合物を室温に冷却し、水(100mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出する(2×100mL)。有機部分を無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、濃縮する。粗生成物をCHCl(50mL)に再溶解し、トリフルオロ酢酸(10mL)で処理し、室温で15分間撹拌する。溶媒を除去し、粗生成物(1.20g)を、HPLCを用いて精製して、標記化合物(0.046g、3.5%)を得る。LC−ES/MS m/z 366.1[M+H]
ルートB
調製3
1−[2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル]エタノン
フラスコに1−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)エタノン(30g、180.5mmol)、炭酸カリウム(49.9g、361mmol)、ヨウ化ナトリウム(2.68g、18.1mmol)、及びTHF中の4−メトキシベンジルクロライド(27.0mL、198.6mmol)を装入し、混合物を加熱して一晩還流する。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、ろ過し、濃縮する。粗生成物を、酢酸エチル/ヘキサンの溶離液を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記生成物(32.51g、57%)を白色固体として得る。
調製4
1−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−3,3−ビス(メチルチオ)プロプ−2−エン−1−オン
500mL丸底フラスコに95%NaH(7.28g、288mmol)を装入し、乾燥DMSOを加えた(170mL)。得られた不均一混合物に、乾燥DMSO(60mL)中の1−[2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル]エタノン(41.2g、144mmol)を滴下で加える。混合物を室温で10分間撹拌し、その時点で二硫化炭素を滴下で添加し(8.69mL、144mmol)、直ぐにヨウ化メチル(18.0mL、288mmol)を加える。慎重な添加を促す両方の試薬の添加中、熱とガスが発生する。均質な溶液を室温で18時間撹拌し、次いで3容量の水にゆっくりと注ぐ。固体生成物をろ過し、高真空下で乾燥させて、標記化合物をオレンジ色の固体として得る。
調製5
5−ブロモ−N−(5−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミン
5−ブロモピラジン−2−アミン(3.73g、21.4mmol)をTHF(30mL)に溶解し、混合物を−78℃に冷却する。n−ブチルリチウムのヘキサン溶液(10.32mL、23.5mmol)をゆっくりと加える。反応混合物を低温で15分間撹拌し、次いでゆっくりと室温に温め、さらに1時間撹拌する。混合物を0℃に再冷却し、1−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−3,3−ビス(メチルチオ)プロプ−2−エン−1−オン(8.39g、21.4mmol)のTHF(50mL)溶液を、カニューレを介して加える。この溶液は均質になり、室温で15分間撹拌され、その後10時間加熱還流される。次いで、溶液を室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去する。固体残渣をEtOH(150mL)に溶解し、氷酢酸(1.3mL、23.5mmol)を加える。ヒドラジン水和物(5.25mL、107mmol)を加え、溶液をさらに8時間還流する。混合物を室温に冷却し、真空下で濃縮する。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/MeOH)で精製して、標記化合物(5.76g、74%)を褐色固体として得る。
調製6
2−(3−(5−ブロモピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−メトキシフェノール
5−ブロモ−N−(5−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−3−イル)ピラジン−2−アミン(3.1g、6.43mmol)をMeOH(100mL)に溶解する。HClガスを反応混合物中に20分間吹き込む。混合物を2時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去する。残渣を3:1クロロホルム/イソプロパノール(100mL)に再溶解し、飽和NaHCO溶液(100mL)と合わせる。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出する(3×50mL)。合わせた有機層を濃縮し、MeOHで摩砕して、標記化合物(1.5g、64%)を褐色固体として得る。
調製7
tert−ブチル3−(2−(3−(5−ブロモピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−メトキシフェノキシ)プロピルカルバメート
DIAD(1.73mL、8.76mmol)を、THF(50mL)中のtert−ブチル3−ヒドロキシプロピルカルバメート(0.83mL、4.83mmol)、2−(3−(5−ブロモピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−メトキシフェノール)(1.59g、4.38mmol)及びポリスチレントリフェニルホスフィン(5.91g、8.76mmol)の撹拌溶液に室温で添加した。45分間撹拌した後、反応物をろ過し、溶媒を減圧下で除去する。得られた残渣をクロマトグラフィー(MeOH/CHCl)して、標記化合物(1.27g、54%)を黄色固体として得る。
調製8
tert−ブチル3−(2−(3−(5−シアノピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−メトキシフェノキシ)プロピルカルバメート
DMF(10mL)中、tert−ブチル3−(2−(3−(5−ブロモピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−メトキシフェノキシ)プロピルカルバメート(0.378g、0.730mmol)及びシアン化亜鉛(0.10g、0.870mmol)の溶液を窒素気流で1時間脱気し、次いで80℃に加熱する。反応物にPd(PhP)(0.080g、0.070mmol)を添加し、混合物を一晩加熱する。反応物を室温に冷却し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/MeOH)で精製して、標記化合物(0.251g、73%)を得る。
ルートC
調製9
(E)−5−(3−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−1−(メチルチオ)−3−オキソプロプ−1−エニルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル
エアースターラーロッド及びパドル、温度計、水凝縮器及び窒素バブラーを備えた5リットルのフランジネックフラスコに、水素化ナトリウム(22.4g、560.1mmol)及び無水THF(3L)を装入する。十分に撹拌した混合物に、2−アミノ−5−シアノピラジン(67.0g、557.8mmol)を1.5時間かけて少しずつ添加し、発泡させた。内部温度は全体を通して22℃のままに保たれる。混合物を35分間撹拌する。次いで、1−(2−メトキシ−6−(4−メトキシ−ベンジルオキシ)−フェニル)−3,3−ビス−メチルスルファニル−プロペノン(146.0g、373.9mmol)を22℃で1時間かけて添加する。黄色の懸濁液を室温で45分間撹拌し、次いで反応が穏やかな還流状態になるまで加熱する。65℃で19時間後、反応混合物を15℃に冷却する。次いで、混合物を二等分に分割し、各ロットを水(2L)中でクエンチし、酢酸エチルで抽出する(2×1L)。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、40℃で、減圧下で濃縮して、さらに精製することなく次の段階で使用される、黄色/橙色固体として標記化合物(196g、100%粗製物)を得る。LC−ES/MS m/z 463.2[M+H]
調製10
5−(5−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル
エアースターラーロッド及びパドル、温度計、水凝縮器及び窒素バブラーを備えた10Lのフランジネックフラスコに、(E)−5−(3−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−1−(メチルチオ)−3−オキソプロプ−1−エニルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル(196g、423.8mmol)及び無水EtOH(3L)を加える。窒素下で撹拌懸濁液に、ヒドラジン水和物(41.0mL、838.7mmol)及び氷酢酸(66.0mL、1.15モル)を加える。わずかに発熱が認められる。黄色の懸濁液を65℃に加温する。次いで、加熱を中止し、反応混合物を室温に冷却させる。混合物を窒素雰囲気下で一晩放置する。固体をろ過により収集し、新鮮なEtoHで洗浄し、45℃で真空乾燥させて、明るい黄色固体の標記化合物(140g、2段階で収率87%)を得る。生成物をさらに精製することなく次の段階で使用する。LC−ES/MS m/z 429.2[M+H]
調製11
5−(5−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル
エアースターラーロッド及びパドル、温度計、水凝縮器及び苛性溶液ガススクラバーへの出口を備えた10Lのフランジネックフラスコに、5−(5−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル(140g、326.76mmol)及び4N HCl(2500mL、10.0モル)の1,4−ジオキサン溶液を加えた。混合物を60〜65℃で1.5時間よく撹拌し、50℃に冷却する。合計4時間後、1,4−ジオキサン中の4N HClをさらに添加し(1000mL)、65℃への加熱を再開した。この温度で1時間後、加熱を停止し、混合物を撹拌しながら一晩室温に冷却させる。混合物を大きな焼結漏斗でろ過する。収集した固体を新鮮な1,4−ジオキサンで洗浄し、次いで簡単に乾燥させる。バルクフィルターケーキを10Lフラスコに戻し、水(2L)及び酢酸エチル(3.5L)と共に激しく撹拌する。次いで、濃アンモニア(440mL)を添加することにより混合物をアルカリ性にする。溶液をろ過し、次いで5Lの分液漏斗に移す。水層を分離し、酢酸エチル(0.5L)で再び抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮する。固体を45℃で真空乾燥して101.3gを得る。粗生成物を温無水THF(2.2L)中に懸濁させ、イソヘキサンを用いて湿式充填したシリカのパッド(1kg)に充填する。生成物を酢酸エチルで溶出する。合わせた画分を部分的に濃縮し、得られた沈殿物をろ過により収集し、40℃で一晩真空乾燥して、標記化合物(60.9gm、60%)を得る。LC−ES/MS m/z 309.2[M+1]
調製12
tert−ブチル3−(2−(3−(5−シアノピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−メトキシフェノキシ)プロピルカルバメート
エアースターラーロッド及びパドル、温度計、均圧滴下漏斗及び窒素バブラーを備えた5Lのフランジネック丸底フラスコに、5−(5−(2−ヒドロキシ−6−メトキシ−フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル(47.0g、152mmol)及び無水THF(1.2L)を装入する。撹拌懸濁液を窒素下で0℃に冷却する。大きなマグネチックスターラーバー、温度計、及び窒素バブラーを備えた別の2L 3首丸底フラスコに、トリフェニルホスフィン(44.0g、168mmol)及び無水THF(600mL)を装入する。撹拌した溶液を窒素下で0℃に冷却し、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(34.2g、169mmol)を加え、白濁溶液を形成させる。3〜4分後、無水THF(100mL)中のt−ブチル−N−(3−ヒドロキシプロピル)−カルバメート(30.3g、173mmol)の溶液を加え、混合物を3〜4分間撹拌する。次いで、この混合物を出発物質の撹拌懸濁液に0℃で5分間かけて添加する。反応混合物はすぐに暗色の溶液になり、室温までゆっくりと温める。6.5時間後、無水THF(150mL)中のPPh(8g)、DIAD(6.2g)及びカルバメート(5.4g)を用いて上記のようにしてより多くの試薬を調製する。この混合物を反応混合物に加え、−5℃に冷却し、混合物を一晩放置して室温まで温める。溶媒を真空中で除去する。得られた粘稠な溶液をシリカパッド上に充填し、生成物を酢酸エチルで溶出する。濃縮画分を別々にMeOHで摩砕し、得られた固体をろ過によって回収する。合わせた固形物を再びMeOH(400mL)で摩砕し、次いでろ過により単離し、50℃で一晩真空乾燥させて、標記化合物(31.3g、44%)を得る。LC−ES/MS m/z 466.2[M+1]
実施例2
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル二塩酸塩
エアースターラーロッド及びパドル、温度計、及びバブラーを取り付けた空気凝縮器を備えた5Lのフランジネック丸底フラスコに、tert−ブチル3−(2−(3−(5−シアノピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−メトキシフェノキシ)プロピルカルバメート(30.9g、66.3mmol)及び酢酸エチル(3L)を装入する。機械的に撹拌された黄色の懸濁液を10℃直下まで冷却する。次いで、氷浴を所定の位置にして、レクチャーボトルからの塩化水素を、ガス注入管を通して15分間激しく泡立てる。5時間後、混合物は外観が顕著に濃厚になる。固体をろ過によって収集し、酢酸エチルで洗浄し、次いで60℃で一晩真空乾燥して、標記化合物(30.0g、100%)を得る。H NMR(400MHz,d−DMSO)δ2.05(m,2H),2.96(m,2H),3.81(s,3H),4.12(t,J=5.8Hz,2H),6.08(br s,3H),6.777(d,J=8.2Hz,1H),6.782(d,J=8.2Hz,1H),6.88(br s,1H),7.34(t,J=8.2Hz,1H),8.09(br s,1H),8.55(br s,1H),8.71(s,1H),10.83(s,1H),12.43(br s,1H)。LC−ES/MS m/z 366.2[M+1]
実施例3
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル二塩酸塩(3.0g、6.84mmol)をCHCl(200mL)に懸濁する。1N NaOHを添加する(200mL,200mmol)。混合物を窒素下、室温で5時間磁気的に撹拌する。固体をろ過により収集し、水で十分に洗浄する。フィルターケーキを50℃で一晩真空乾燥して、遊離塩基(2.26g、90%)を黄色固体として得る。H NMR(400MHz,d−DMSO)δ1.81(m,2H),2.73(t,J=6.2Hz,2H),3.82(s,3H),4.09(t,J=6.2Hz,2H),6.76(t,J=8.2Hz,2H),6.93(br s,1H),7.31(t,J=8.2Hz,1H),8.52(br s,1H),8.67(s,1H)。LC−MS/ES m/z 366.2[M+1]
実施例4
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸塩
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル(1.0g、2.74mmol)をMeOH(100mL)に懸濁する。MeOH(2.74mL、2.74mmol)中のメタンスルホン酸の1M溶液を撹拌しながら混合物に滴下する。固体をほぼ完全に溶解し、超音波処理し、15分間撹拌し、ろ過し、50mLまで濃縮する。この溶液を−15℃で一晩冷却し、形成した固体をろ過によって集める。固体を真空オーブンで一晩乾燥して、黄色固体(0.938g、74%)を得る。H NMR(400MHz,d−DMSO)δ1.97(m,2H),2.28(s,3H),2.95(m,2H),3.79(s,3H),4.09(t,J=5.9Hz,2H),6.753(d,J=8.4Hz,1H),6.766(d,J=8.4Hz,1H),6.85(br s,1H),7.33(t,J=8.4Hz,1H),7.67(br s,3H),8.49(br s,1H),8.64(s,1H),10.70(s,1H),12.31(s,1H)。LC−ES/MS m/z 366.2[M+1]
ルートD
調製13
1−[2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル]エタノン
22Lフラスコに、1−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)エタノン(1300g、7.82mol)及びDMF(10.4L)を加え、撹拌して溶液を得る。炭酸カリウム(2700g、19.54mol)を少しずつ加え、混合物を少なくとも30分間撹拌する。温度を<30℃に維持しながら、添加漏斗を用いて、塩化4−メトキシベンジル(14700g、9.39mol)をこの混合物に2.5時間かけて滴下する。反応混合物を35℃に加温し、反応をその温度で12時間保持する。反応変換をHPLCでモニターし、35℃で13時間後に完了したとみなす。スラリーをろ過し、得られた固体をDMF(1L)で洗浄する。ろ液の酢酸エチル及び水による抽出処理後、濃縮し、ろう状の黄色の固体が得られる。ろう状の黄色固体にメチルt−ブチルエーテル(2.6L)を加える。得られたスラリーを撹拌する。今や自由に流れるスラリーをろ過し、メチルt−ブチルエーテル(1L)で洗浄する。白色固体を真空乾燥して、標記化合物の標記化合物(1539g、69%)を得る。融点105〜107℃。
調製14
1−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−3,3−ビス(メチルチオ)プロプ−2−エン−1−オン
窒素雰囲気下の無水DMSO(11.0L)中のリチウムtert−ブトキシド(602.4g、7.52mol)の混合物に、1−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)エタノン(1000.0g、3.49mol)を加えた。得られた混合物を30分間撹拌し、内部温度を30℃未満に維持しながらCS(259mL、4.296mol)を1〜1.5時間かけてゆっくりと添加する。周囲温度で少なくとも1時間撹拌した後、内部温度を30℃未満に維持しながらヨードメタン(1000g、7.045mol)をゆっくりと添加する。得られた混合物を周囲温度で30分〜1時間撹拌する。HPLCにより反応の完了を確認する。得られた反応混合物を冷却し、続いて水及び酢酸エチルで抽出した。得られた有機部分を濃縮してスラリーを得、これをろ過し、酢酸エチル(1L)、続いてメチルt−ブチルエーテル(2×1L)で洗浄する。単離した固体を真空オーブン中、40℃で乾燥させて、標記化合物(1057g、77%)を得る。融点93〜94℃;ES/MS m/z 391.2[M+1]
調製15
(E)−5−(3−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−1−(メチルチオ)−3−オキソプロプ−1−エニルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル
乾燥した不活性の22Lフラスコに、水素化ナトリウム(159.2g、3.98mol)及びTHF(10.4L)を加える。混合物を5〜15℃に冷却する。水素の放出を制御するために、5−イソシアノピラジン−2−アミン(382.2g、3.18mol)を30分間かけて4回に分けて添加し、発泡が添加の間に沈静化し、温度を10℃に維持することを可能にする。温度を15℃に上昇させながら混合物を15〜90分間撹拌する。反応混合物に、1−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−3,3−ビス(メチルチオ)プロプ−2−エン−1−オン(1036g、2.65mol)を、発泡を制御するため小分けにして添加する。得られたスラリーを15分間撹拌する。混合物を66℃で穏やかに還流するまで加熱する。反応変換をHPLCでモニターする。反応混合物を冷却水(14.2L)中でクエンチし、続いて酢酸エチルで抽出する。有機部分を濃縮してスラリーを形成し、それをろ過して標記化合物(957g、78%)を得る。融点128〜135℃;ES/MS m/z 463.2[M+1]
調製16
5−(5−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル
EtOH(11.28L)及び酢酸(318mL、5.545mol)を合わせる。反応物を窒素パージしながらブリーチスクラバー(bleach scrubber)に通気する。(E)−5−(3−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−1−(メチルチオ)−3−オキソプロプ−1−エニルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル(940g、1.931mol)及びEtOH/酢酸溶液を22Lの反応フラスコに加える。得られた褐色スラリーにヒドラジン一水塩(197g、3.935mol)を加え、わずかな発熱を生じる。得られた黄色スラリーをゆっくりと65〜70℃に加熱し、HPLCでモニターする。反応の持続時間は1時間未満である。濃いスラリーを1〜2時間かけて30℃未満に徐々に冷却する。スラリーをろ過し、冷EtOHで洗浄する。この物質を40℃で真空乾燥して、標記化合物(820g、99.1%)を得る。融点215〜117℃;ES/MS m/z 429.2[M+1]
調製17
5−(5−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル二塩酸塩
以下の全ての操作は、HClガス発生を制御するために苛性スクラバーシステムに通気される。5−(5−(2−メトキシ−6−(4−メトキシベンジルオキシ)フェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル(1.24kg、2.89mol)及びジオキサン中4N HCl(26.06kg、99.28モル)を60Lのガラス反応器に入れる。スラリーを60〜70℃にゆっくりと加熱する。反応をHPLCでモニターする。9時間後、反応は完了したと判断される。褐色のスラリーを20℃に冷却し、一晩保持する。酸性反応混合物をろ過し、ケーキを酢酸エチル(7L)で洗浄する。湿ったケーキを一定重量まで真空乾燥させて、標記化合物(1010g、補正収率91.84%)を得る。融点225〜228℃(遊離塩基);ES/MS m/z 309.2[M+1]
調製18
tert−ブチル3−(2−(3−(5−シアノピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−メトキシフェノキシ)プロピルカルバメート
THF(6.18L、10容量)中で5−(5−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル(618g、1.62mol)をスラリー化し、アセトン/氷浴で5〜0℃に冷却する。トリエチルアミン(330g、3.25mol)を、添加漏斗を通して−5〜5℃で30〜40分間かけて添加する。得られたスラリーを−5〜5℃で60〜90分間撹拌する。不溶性トリエチルアミン塩酸塩をろ過し、フェノール((5−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルの溶液を適切な反応容器に収集する。ケーキをTHF(1.24L)ですすぐ。このフェノールのTHF溶液を必要になるまで15〜20℃に保持する。トリフェニルホスフィン(1074g、4.05mol)を室温でTHF(4.33L)に溶解する。透明な無色の溶液をアセトン/氷浴で−5〜5℃に冷却する。ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(795g、3.89mol)を滴下漏斗から40〜60分かけて滴下し、温度を10℃未満に保つ。得られた濃厚な白色スラリーを冷却して−5〜0℃に戻す。tert−ブチル3−ヒドロキシプロピルカルバメート(717g、4.05モル)を最低限のTHF(800mL)に溶解する。tert−ブチル3−ヒドロキシプロピルカルバメート/THF溶液を、添加漏斗を介して−5〜5℃で20〜30分かけて試薬スラリーに添加する。調製した試薬を、使用準備が整うまで−5〜0℃の氷浴中で撹拌する。
調製した試薬スラリー(20%)を15〜20℃で基質溶液に添加する。残りの試薬は氷浴に戻される。基質溶液を周囲温度で30分間撹拌し、HPLC用にサンプリングする。試薬の第2の約20%部分を基質に添加し、周囲温度で撹拌し、以前と同様にサンプリングする。試薬の添加は、HPLCによる反応完了のモニタリングを続けながら継続される。完了した反応物を濃縮し、温MeOH(4.33L、50〜60℃)で摩砕し、続いて氷浴で冷却する。得られた黄色の沈殿物をろ過し、冷MeOH(2L)ですすぎ、一定重量まで乾燥して、標記化合物の標記化合物(544g、72%)を得る。融点214〜216℃;ES/MS m/z 466.2[M+1]
実施例5
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩
30L反応器中でtert−ブチル3−(2−(3−(5−シアノピラジン−2−イルアミノ)−1H−ピラゾール−5−イル)−3−メトキシフェノキシ)プロピルカルバメート(1430g、3.07mol)をアセトン(21.5L)でスラリー化する。メタンスルホン酸(1484g、15.36mol)を、添加漏斗を通して中程度の流れで加える。スラリーを約52℃で1〜3時間加熱還流し、HPLC分析による反応完了をモニターする。完了した反応物を還流から4.5時間かけて15〜20℃に冷却する。5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルジメシラート塩の黄色のスラリーをろ過し、アセトン(7L)ですすぎ、真空オーブン中で乾燥する。ジメシルレート塩(1608g、2.88mol)を水(16L)中でスラリー化する。水酸化ナトリウム(水性50%、228g、2.85mol)をゆっくりとスラリーに注ぐ。スラリーを60℃に加熱し、1時間撹拌する。次にこれを4時間かけて16℃に冷却し、ろ過する。湿ったフィルターケーキをアセトン(4L)ですすぎ、40℃の真空オーブン中で一定重量まで乾燥させて、標記化合物(833g、94%)を得る。融点222.6℃;ES/MS m/z 366.2[M+1]
代替の調製、実施例5
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩
粗5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩を以下の手順を用いて精製する。工業グレード5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(1221g、2.55mol)を、1:1アセトン/水(14.7L)の溶媒混合物中でスラリー化する。混合物を50〜55℃に加温することにより固体を溶解する。この溶液を50〜55℃で0.22μカートリッジフィルターを通して研磨ろ過(polish filtrate)する。この溶液をゆっくりと約42〜45℃のシーディング温度まで冷却し、シーディングする。ゆっくりとした冷却を、次の30〜60分にわたって継続して、核生成を確認する。薄いスラリーを38℃から15℃まで3時間かけて冷却する。真空蒸留を準備し、アセトンを110〜90mm及び20〜30℃で除去する。混合物を30〜15℃まで14時間かけて冷却し、15℃で2時間保持し、次いでろ過する。再結晶した物質を19:1の水/アセトン(2L)で、次いで水(6L)ですすぎ、40℃の真空オーブン中で一定重量まで乾燥させて標記化合物(1024g、83.9%)を得る。融点222.6℃;ES/MS m/z 366.2[M+1]
位置感応検出器を有する40kV及び40mAで動作するCuKα源(λ=1.54056オングストローム)を備えたBruker D8 Advance粉末回折計でX線粉末回折(XRPD)パターンを得ることができる。各サンプルは、0.6mmの発散スリット、10.39mmの検出スリットで、2θ±0.02で0.026°のステップサイズ、0.3秒のステップ時間を用いて、2θ±0.02で4°〜35°の間で走査される。一次及び二次ソーラースリットはそれぞれ2°であり、抗散乱スリット(antiscattering slit)は6.17mmであり、空気散乱シンク(air scatter sink)が適所にある。
示差走査熱量測定(DSC)分析は、Mettler−Toledo DSC装置(モデルDSC822e)で実施することができる。サンプルを、ピンホール付き密閉アルミニウムパン内で窒素パージ50mL/分と共に、10℃/分にて、25〜350℃で加熱する。熱重量分析(TGA)は、Mettler Toledo TGA装置(Model TGA/SDTA 851e)で行うことができる。サンプルを、ピンホール付き密閉アルミニウムパン内で窒素パージ50mL/分と共に、10℃/分にて、25℃〜350℃で加熱する。DSCからの熱プロファイルは、80℃〜140℃の弱い広範な吸熱を示し、続いて222℃開始(225℃、ピーク)で鋭い融解吸熱を示す。25〜140℃のTGAでは4%の質量損失が見られる。
以下のアッセイの結果は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩またはその塩の溶媒和物が、CHK1阻害剤、CHK2阻害剤、及び抗癌剤として有用であるという証拠を示す。本明細書で使用される場合、「IC50」は、その薬剤について可能な最大阻害応答の50%を生じる薬剤の濃度を指し、「EC50」は、その薬剤に対して可能な最大応答の50%を生じる薬剤の濃度を指す。
CHK1生化学アッセイ
CHK1生化学活性に対する化合物の効果は、TR−FRETアッセイを用いて決定することができる。このアッセイでは、テルビウム標識抗体を使用して、キナーゼ、フルオレセイン標識基質、及びATPの反応から形成されたリン酸化生成物を検出する。抗体は、リン酸化基質に結合し、アクセプターシグナル(フルオレセイン)対ドナーシグナル(テルビウム)の比として計算されるTR−FRET値の増加をもたらす。
キナーゼ反応(25μlの反応体積)を、96ウェルハーフエリア黒ポリスチレンプレート(Costa、カタログ番号3694)中で実施する。反応はATPの添加により開始される。最終反応条件は、50mM HEPES pH7.5、0.005%(v/v)Triton(商標)X−100、2mM DTT、2mM MgCl、104nMフルオレセイン−PKC基質(Invitrogen、カタログ番号PV3506)、30μM ATP、1.5nM活性CHK1酵素(Millipore、カタログ番号14−346)、4%(v/v)DMSO及び実施例2の化合物の段階希釈(1:3段階希釈、20μM、10点から開始)である。ATP添加後、反応物を室温で75分間インキュベートし、次いで10mM EDTA及び2.1nM Tb−pSer抗体(Invitrogen、カタログ番号PV3574)を含む25μlのTR−FRET希釈緩衝液(Invitrogen番号PV3574)の添加で終了させる。クエンチした反応物を室温で60分間インキュベートし、次いでEx340nm、Em495nm及びEm520nm波長のフィルターを備えるPerkinElmer社のEnvisionプレートリーダーを用いてTR−FRETを測定した。
IC50測定のために、各プレート上で行った対照からのTR−FRET比を用いて、各濃度の阻害パーセントを計算する。次に、10点化合物濃度データを、ActivityBase 4.0を使用して4パラメータロジスティック方程式に適合させる。得られた曲線から、絶対値のIC50値を算出する。このアッセイにおいて実施例2の化合物は、<0.001μMのIC50を有すると測定された。これは、本発明の化合物がCHK1の強力な阻害剤であることを実証する。
CHK2生化学アッセイ
CHK2生化学活性に対する化合物の効果は、TR−FRETアッセイを用いて決定することができる。このアッセイでは、テルビウム標識抗体を使用して、キナーゼ、フルオレセイン標識基質、及びATPの反応から形成されるリン酸化生成物を検出する。抗体は、リン酸化基質に結合し、アクセプターシグナル(フルオレセイン)対ドナーシグナル(テルビウム)の比として計算されるTR−FRET値の増加をもたらす。
キナーゼ反応(25μlの反応体積)を、96ウェルハーフエリアブラックポリスチレンプレート(Costa、カタログ番号3694)中で実施する。反応はATPの添加により開始される。最終反応条件は、50mM HEPES pH7.5、0.005%(v/v)Triton(商標)X−100、2mM DTT、2mM MgCl 、104nMフルオレセイン−PKC基質(Invitrogen、カタログ番号PV3506)、30μM ATP、2.5nM活性CHK2酵素(Millipore、カタログ番号14−347)、4%(v/v)DMSO及び実施例2の化合物の段階希釈(1:3段階希釈、20μM、10点から開始)である。ATP添加後、反応物を室温で75分間インキュベートし、次いで10mM EDTA及び2.1nM Tb−pSer抗体(Invitrogen、カタログ番号PV3574)を含む25μlのTR−FRET希釈緩衝液(Invitrogen番号PV3574)の添加で終了させる。クエンチした反応物を室温で60分間インキュベートし、次いでEx340nm、Em495nm及びEm520nm波長のフィルターを備えるPerkinElmer社のEnvisionプレートリーダーを用いてTR−FRETを測定した。
IC50測定のために、各プレート上で行った対照からのTR−FRET比を用いて、各濃度の阻害パーセントを計算する。次に、10点化合物濃度データを、ActivityBase 4.0を使用して4パラメータロジスティック方程式に適合させる。得られた曲線から絶対値のIC50値を算出する。このアッセイにおいて実施例2の化合物は、<0.0047μMのIC50を有すると測定された。これは、本発明の化合物がCHK2の強力な阻害剤であることを示す。
CHK1自己リン酸化細胞アッセイ
CHK1の阻害剤は、タンパク質のキナーゼ活性が、DNA損傷応答が活性化された細胞における基質をリン酸化するのを防止する。CHK1の容易に検出可能な基質は、CHK1自体の自己リン酸化部位であり、セリン296である。以下の免疫ブロットアッセイは、CHK1上のセリン296のリン酸化量及び間接的にCHK1タンパク質キナーゼの活性レベルを測定するのに使用できる。HeLa細胞(ATCCから購入)を、10%(v/v)熱不活性化FBS(Gibco(商標))、1×MEM非必須アミノ酸(Gibco(商標))、1×ピルビン酸ナトリウム(Gibco(商標))を補充した、MEM w/Earle’s塩類(Invitrogen)w/L−グルタミン(Gibco(商標))中で培養し、1×10細胞を24ウェル細胞培養プレートの1ウェルあたり600μLのMEM培養培地(上記)にプレーティングした。細胞を37℃、5%CO、及び湿度95%〜100%で24時間インキュベートする。培養培地中のドキソルビシン(Sigma)の4μMストックの16μLを各適切なウェルに添加して100nMのドキソルビシンの最終濃度を作製する。CHK1阻害剤化合物を添加する前に、プレートをインキュベーターにさらに24時間戻す。化合物を100%DMSO中で、10mMで可溶化し、次いで40%(v/v)DMSO中で2mMに希釈し、次いで培地+4%(v/v)DMSOで100μMに希釈する。続いて化合物(1:3)の連続希釈を100μM〜0.005μMの範囲にわたって調製する。化合物ストックの66μLをプレート中の適切なウェルに添加して、0.4%(v/v)の最終DMSO濃度及び最終化合物の濃度範囲1μM〜0.0005μMを生成する。プレートをインキュベーターにさらに2時間戻し、次いで細胞溶解及び処理のために取り出した。培地をプレートから取り出し、各ウェルを0.5mlの氷冷DPBS(Gibco(商標))で1回洗浄し、全ての液体を除去し、プレートを手順の残りの間氷上に置く。各ウェルに、ホスファターゼ阻害剤(Sigma)及びプロテアーゼ阻害剤(Roche Diagnostics)を含むCell Extraction Buffer(Invitrogen)からなる氷冷溶解緩衝液75μLを添加する。10分後、各ウェルをこすり取り、溶解物を氷上の1.5mLのポリプロピレン製微量遠心管に移す。各溶解物を、水/氷浴中に懸濁させながら、プレートのキュフォンソニケーター(Misonix)で45秒間超音波処理する。各サンプル50μLを、4×Laemmliサンプル緩衝液(240mM Tris−HCl、pH6.8、40%グリセロール、0.05%ブロモフェノールブルー、8%w/v SDS及び20%(v/v)β−メルカプトエタノール)25μLを含む0.5mLポリプロピレン製微量遠心管に移し、95℃で5分間加熱し、−80℃で凍結保存する。残りの溶解物をタンパク質濃度の測定に使用する(BCA(商標)タンパク質アッセイキット、Thermo Scientific)。試料緩衝液中の各細胞溶解物5 μgをE−96ウェルゲル(Invitrogen)に適用し、メーカーの使用説明書に従って電気泳動に付す。当技術分野で十分に理解されている手順(Towbin et al.,1979)に従って、タンパク質をゲルからImmobilon−P膜(Millipore)に電気泳動転写する。膜を10mM Tris/HCl pH8.0、150mM NaCl及び0.05%(v/v)Tween 20(TBST)で短時間すすいで、TBST/5%(v/v)再構成カーネーション(登録商標)インスタントミルク中に25℃で1時間浸漬した。膜をTBSTで5分間4回洗浄し、次いでウサギ抗ホスホCHK1(セリン296)(Cell Signaling)の適切な希釈液を含むTBST/5%(w/v)BSA中に4℃で24時間浸漬する。膜を25℃で5分間TBSTで4回洗浄し、次いでHRP(Amersham)にコンジュゲートしたロバ抗ウサギIgGの適切な希釈物を含むTBST/5%ミルク中に25℃で2時間浸して、自己リン酸化CHK1タンパク質を検出する。膜を25℃で5分間TBSTで再び4回洗浄する。膜上に固定された抗原−抗体−レポーターコンジュゲートを、化学発光イメージャ(Fujifilm)を使用してメーカーが推奨するように、Super Signal Western Femto HRP−検出試薬(Pierce)で検出する。ホスホ−CHK1(ser296)バンド強度は、「Total Lab」ソフトウェア(非線形動力学)を用いて計算する。ドキソルビシン誘発CHK1自己リン酸化の阻害パーセントは、以下の式を用いて計算される:阻害%=(試料ホスホCHK1バンド強度−ドキソルビシンなし陰性対照ホスホCHK1バンド強度)/(ドキソルビシン陽性対照ホスホCHK1バンド強度−ドキソルビシンなし陰性対照ホスホCHK1バンド強度)×100。実施例2の化合物は、このアッセイにおいて、<0.0005μMのEC50を有することが測定される。このことは、本発明の化合物がCHK1の強力な阻害剤であることを実証する。
ドキソルビシン誘発G2Mチェックポイント抑止HeLa細胞ベースの洞察アッセイ
CHK1の阻害剤は、トポイソメラーゼII阻害剤、ドキソルビシンで処置したp53マイナス腫瘍細胞におけるG2M DNA損傷チェックポイントを無効にする。G2Mチェックポイント抑止の測定は、セリン10上のヒストンH3のリン酸化であり、これは、細胞がG2Mチェックポイントを横切って有糸分裂に入る後に起こる。以下の高含量イメージングアッセイを使用して、細胞中のヒストンH3のリン酸化を測定することができる。HeLa細胞(ATCCから購入)を、10%(v/v)FBSを補充したMEM培地(Gibco(商標))中で培養し、ポリD−リシンでコートしたクリアボトムブラックプレート(BD Biocoatカタログ番号3504640)(ウェルあたり100μL)中に2000細胞/ウェルでプレーティングする。次いで、プレートを細胞培養インキュベーター内で18〜24時間インキュベートする(37℃、5%CO及び95%相対湿度)。最初のインキュベーションの後、625nMのドキソルビシンを含むGibco(商標)MEM培地10%FBSの20μLをプレートの適切なウェルに加え、最終濃度125nMとする。プレートをインキュベーターに24時間戻し、G2Mチェックポイントで細胞を停止させるのに十分である。翌日、細胞を実施例2の化合物で処理する。実施例2の化合物を100%DMSO中、10mMで可溶化し、次いで4%(v/v)DMSO−MEM中50μMから開始する10倍ストックに希釈する。その後、化合物(1:2)の連続希釈液を50μM〜0.39μM範囲にわたって調製する。化合物ストックの13μLをプレート中の適切なウェルに添加して、0.4%の最終DMSO濃度及び5μM〜0.039μMの間の最終化合物濃度範囲を生成する。プレートをインキュベーターにさらに7時間戻し、次いで固定のために取り出した。液体を注意深く各ウェルから除去し、100μLのPREFER(商標)固定剤(Anatech LTD.カタログ番号414)を添加する。プレートを室温で20分間保持し、固定剤を除去し、次いで細胞をDPBS(Gibco(商標)カタログ番号14040)中の0.1%(v/v)Triton(登録商標)X100 Pierceカタログ番号28314)を100μL/ウェルで10分間添加することによって透過性にする。溶液を除去し、プレートを1ウェルあたり100μLのDPBSで2回洗浄し、続いて50μg/mLのRNAase(Sigmaカタログ番号R−6513)を含む100μLのDPBSを室温で1時間にわたって加える。RNAase溶液を除去し、ウサギ抗pHH3(ser10)(UBIカタログ番号06−570)+1%(w/v)BSA(Gibco(商標)カタログ番号15260)の1:500希釈物を含む50μLのRNAase溶液を各ウェルに添加することによってセリン10(pHH3)上でリン酸化されたヒストンH3の存在について細胞を染色した。プレートを密封し、4℃で一晩保温する。一次抗体は、各プレートを1ウェルあたり100μLのDPBSで2回洗浄することによって除去され、DPBS+1%(w/v)BSA中のAlexa dye 488(Invitrogenカタログ番号A11008)に結合したヤギ抗ウサギIgGの1:750希釈液50μLで置き換える。プレートは、光から保護するためにアルミホイルで覆われた室温で1時間保持される。プレートを再度100μLのDPBSで2回洗浄し、100μLの15nMのPI(元の溶液からPBSでの1:100希釈液、Molecular Probesカタログ番号P3566)で置き換える。プレートは黒いシールでシールされ、プレートを光から保護する。プレートを30分間インキュベートして核を染色する。プレートを、488nm励起(TTP LABTECH LTC)を用いて、ACUMEN EXPLORER(商標)レーザー走査蛍光マイクロプレートサイトメーターでスキャンして、2N及び4Nを含むpHH3及びDNA含有量を測定する。pHH3陽性細胞は、Alexa488からの519nmにおける平均強度によって同定される。PI/DNAからの655〜705nmでの全強度を用いて、細胞周期(2N細胞、4N細胞)における個々の細胞及び亜集団を同定する。各集団の最終的な読み出しは、pHH3の%、2Nの%及び4Nの%の最終アッセイ出力を生じる全細胞の%に対して正規化することによって決定される。次いで100nMの阻害剤対照化合物の最大濃度で細胞を処理して各化合物の最終%活性を測定することにより100%活性を測定する。0%活性は、化合物処理なしに基づく。相対EC50は、100%の対照最大に対するpHH3の%を決定する、ACTIVITY BASE(商標)、Excel適合、4つのパラメータのロジスティック適合を用いた曲線適合化、式205を用いることにより決定される。実施例2の化合物は、このアッセイにおいて、0.0105μMのEC50を有することが測定される。これは、本発明の化合物がG2M DNA損傷チェックポイントを無効にすることを実証する。
ECtfs(二倍過敏症)アッセイ
CHK1の阻害剤は、S期のチェックポイントの無効化を介してゲムシタビン(または他の細胞傷害剤)の抗増殖活性を増強し、DNA損傷を持続的かつ増加させることができる。DNA損傷後の腫瘍細胞増殖の継続能力は、細胞がDNAを複製する能力を決定することによって分析することができる。このアッセイは、細胞がDNA損傷を修復する機会を得た後に、そのDNAを複製する細胞の能力を評価する。このアッセイでは、細胞をゲムシタビンで処理し、次に実施例2の化合物で処理する。回復期の後、S期中に放射性チミジンをDNAに組み込む能力について細胞をアッセイする。ECtfsパラメータは、CHK1阻害の非存在下でこのアッセイで測定したゲムシタビンのGI90濃度の半分を減少させるのに必要なCHK1阻害剤の濃度の尺度である。HT−29細胞(ATCCから入手)をRPMI1640+(Gibco(商標))10%(v/v)の熱不活性化FBS中で増殖させる。これらの細胞を、Corning Costar 96ウェル組織培養プレート上に1.3×10/ウェルでプレーティングする。細胞をプレーティングした後、37℃に戻す前に、組織培養プレートを室温で45分間保持する。ゲムシタビンを添加する前にプレートを24時間インキュベートする。ゲムシタビンを添加する前に、培地を全てのウェルから取り出し、1ウェルあたり150μlの新しいRPMI培地と交換する。10mMのゲムシタビンストックをPBS中で調製する。ゲムシタビン希釈液をRPMI培地中4倍濃度で調製し、1ウェルあたり50μLでウェルに添加した。使用されるゲムシタビンの最高最終濃度は80μMであり、希釈は4倍段階で進行する。2時間後、ゲムシタビン含有培地をウェルから取り出し、150μl/ウェルの新鮮RPMI培地で置き換える。実施例2の化合物(DMSO中10mM)を最初にDMSO中で2000倍の最終濃度に希釈し、次いでRPMI培地で1:500に希釈してウェルに添加するための4倍ストックを生成する。添加容量は50μLである。化合物の希釈は、5000nMで開始して、2倍段階で進行する。実施例2の化合物を添加して24時間後、阻害剤を含む培地を吸引除去し、1ウェルあたり200μLの新鮮RPMI培地と交換する。実施例2の化合物を除去して72時間後、トリチウム化チミジン標識を開始する。H−チミジン(NET027X001、PerkinElmer、比活性20Ci/mmol)を、完全RPMIで1:20に希釈して、0.05mCi/mLの濃度を得る。この溶液の20μLを各ウェルに加え、1μCi/ウェルのH−チミジンを生成する。細胞を22時間標識する。H−チミジンを含む培地をウェルから完全に除去する。次いで、プレートを−20℃で数時間凍結する。組み込まれたH−チミジンを含むDNAを採取するために、プレートを数分間解凍し、次いで1ウェルあたり120μLの0.1N NaOHを各ウェルに添加する。次いで、各プレートを37℃で、ローテーター上でゆっくりと混合しながら10分間インキュベートする。DNAをFiltermate 196 Harvester(PerkinElmer)で採取し、96ウェルUnifilter GF/Cプレート(PerkinElmer番号6005174)上に収集する。細胞が標識された組織培養プレートのウェルを水で洗浄する(5×)。Unifilterプレート膜を、1ウェルあたりさらに4.5mLで洗浄する(3×1.0mL及び最後に1.5mL洗浄)。UnifiをBackseal接着シート(PerkinElmer)で密封し、MicroScint−20(Perkin Elmer)の50μL/ウェルを加える。次いで、各プレートをトップシール透明接着シート(PerkinElmer)で密封する。1ウェルあたり1分でTopcountシンチレーションカウンター(PerkinElmer)でプレートを計数する。H−チミジンカウント/分(cpm)を分析及びプロットのためにPrism(GraphPad)にエクスポートする。ゲムシタビン用量応答は、実施例2の化合物の各濃度について決定される。これを行うために、ゲムシタビンの非存在下での実施例{2の化合物の濃度の平均cpmとして100%の取り込みを設定し、cpm=0(1分あたりのカウントなし)として取り込まない(100%阻害)と設定してcpmを標準化する。Prismでデータをプロットするために、ゲムシタビン濃度をlog値に変換し、用量応答曲線を非線形回帰によって適合させる。上部と下部のどちらの適合も制限されない。ECtfs値は0.3nMである。さらに、3nMの実施例2の化合物は、HT29結腸癌細胞においてゲムシタビンのEC50を37nMから5nMまで7倍減少させる。実施例2の化合物の作用はまた、ゲムシタビンについての52から組み合わせに対する73への増殖阻害の割合を増加させる。単独で、3nMの[1]実施例2の化合物はHT29細胞の増殖にほとんど影響を与えない。
CHK1インビボ標的阻害アッセイ
Calu−6細胞(ATCC)を増殖培地(10%(v/v)熱不活性化FBS(Gibco(商標))、1×MEM非必須アミノ酸(Gibco(商標))、1×ピルビン酸ナトリウム(Gibco(商標))を補充したL−グルタミン(Gibco(商標))とのEarle’s塩とのMEM(Invitrogen))で培養し、増殖させる。細胞を採取し、リン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄し、増殖培地(血清を含まない)中の1×10個の細胞を同量のBD Matrigel(商標)マトリックス(BD Bioscience、Franklin、NJ)と混合し、予め照射した(4.5Gy)ヌードマウス(Harlan、Indianapolis、INからの胸腺欠損ヌード)の側腹部に皮下注射する。移植後の15日目(腫瘍サイズ=150〜200mm)に、毎日150mg/kgの用量で腹腔内経路により動物に生理食塩水(Hospira、Lake Forest、IL)で新鮮に配合されたゲムシタビンを動物に投与する。6時間後、動物に、メタンスルホン酸/20%カプチソール(CYDEX、Overland Park、KS)のモル比で配合された実施例2の化合物を、15mg/kgの用量を下方に変化させる静脈内経路によって投与する。CHK1阻害剤投与の2時間後に動物を屠殺し、腫瘍を採取し、ホスファターゼ阻害剤(Sigma)及びプロテアーゼ阻害剤(Roche Diagnostics)を含む氷冷Cell Extraction buffer(Invitrogen カタログ番号FNN0011)で直ちに処理する。腫瘍を、15秒間高に設定した電動式組織ホモジナイザー(Powergen 700)を用いて、氷冷した15mLのポリプロピレン円錐管中1.5〜2.0mLの溶解緩衝液中で処理する。試料を氷上に保ったまま、25ゲージの針を備えた1mLのシリンジを通して4回、溶解物を吸引する。次に、0.35mLの腫瘍溶解物を、0.15mLの4×Laemmli試料緩衝液(240mM Tris−HCl、pH6.8,40%グリセロール、0.05%ブロモフェノールブルー、8%w/v SDS及び20%(v/v)ベータメルカプトエタノール)を含む1.5mLのポリプロピレン微量遠心管に移す。次いで、サンプルを混合し、95℃で5分間加熱し、Misonix3000プレートホーンソニケーターで高出力を用いて1分間超音波処理する。次いで、サンプルを氷上で保存するか、またはウェスタンブロットによる標的阻害評価のために−80℃で保存する。残りの溶解物をタンパク質濃度の測定に使用する(BCA(商標)protein assay kit,Thermo Scientific)。[1]試料緩衝液中の各腫瘍溶解物5μgをE−Page96ウェルゲル(Invitrogen)に適用し、メーカーの使用説明書に従って電気泳動に付す。当技術分野で十分に理解されている手順(Towbin et al.、1979)に従って、タンパク質をニトロセルロースプロトランBA83膜(Whatman)に移す。次に膜を処理して、セリン296上で自己リン酸化されたCHK1タンパク質を測定する。膜を水、次いで10mM Tris/HCl pH8.0、150mM NaCl及び0.05%(v/v)Tween 20(TBST)で短時間すすぎ、TBST/5%(w/v)再構成Carnation(登録商標)インスタントミルク中に25℃で1時間浸漬する。次いで膜をTBSTで5分間4回洗浄する。膜を、ウサギ抗ホスホCHK1(セリン296)(Cell Signaling)の適切な希釈液中のTBST/5%(w/v)BSA中に、4℃で16時間浸漬する。次に、膜を25℃で5分間TBSTで4回洗浄し、次いでHRP(Amersham)にコンジュゲートしたロバ抗ウサギIgGの適切な希釈物を含むTBST/5%ミルク中に25℃で2時間浸漬して、ホスホ−CHK1(ser296)を検出する。膜を25℃で5分間TBSTで4回洗浄する。メンブレン上に固定された抗原−抗体−レポーターコンジュゲートを、Super Signal Western Femto HRP−検出試薬(Pierce)で、製造元の推奨にする方法で検出される。
信号はFUJI LAS−4000イメージングシステムを使用して検出され捕捉される。
Phospho−CHK1(ser296)バンド強度は、「Total Lab」ソフトウェア(非線形動力学)を用いて計算される。ゲムシタビン誘発CHK1自己リン酸化の阻害パーセントを、以下の式を用いて計算する:阻害%=(試料ホスホCHK1バンド強度−平均ゲムシタビン(最大)陽性対照ホスホCHK1バンド強度)/(平均陰性対照(最小)ホスホCHK1バンド強度−平均ゲムシタビン(最大)陽性対照ホスホCHK1バンド強度)×100。
実施例2の化合物は、このアッセイにおいて、0.03mg/kgのCHK1自己リン酸化のための標的調節有効用量50(TMED50)を有すると測定される。
ヒト腫瘍異種移植片モデル
腫瘍死をもたらすCHK1阻害剤の能力は、Calu−6肺及びHT−29結腸腫瘍異種移植の有効性モデルを用いてインビボで決定することができる。Calu−6肺癌細胞(ATCC)を、増殖培地(10%(v/v)熱不活性化FBS(Gibco(商標))、1×MEM非必須アミノ酸(Gibco(商標))及び1×ピルビン酸ナトリウム(Gibco(商標))を補充した、L−グルタミン(Gibco(商標)を含むMEM w/Earle’s塩(Invitrogen))で培養し、及びHT−29結腸癌細胞(ATCC)を増殖培地(10%FBS(Gibco(商標))を補充したMcCoy’s5A培地(Gibco(商標)))で培養して、増殖させる。細胞を採取し、リン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄し、増殖培地(血清を含まない)中の5×10細胞(HT−29)または1×10細胞(Calu−6)を、同量のBD Matrigel(商標)マトリクス(BD Bioscience、Franklin,NJ)と混合し、次いでヌードマウス(Charles River Labs、Wilmington、MAからのCD−1nu/nu)の側腹部に皮下注射した。移植後約16日(150〜200mm)に、ゲムシタビンを毎日生理食塩水で新鮮に配合し、60mg/kg用量の腹腔内経路により動物に投与する。24時間後、静脈内経路によりメタンスルホン酸/20%Captisol(CYDEX、Overland Park、KS)のモル比で配合された実施例2の化合物を動物に投与する。休止1日後、投与を3サイクル以上繰り返す(CHK1阻害剤オフセット+24時間で、Q3Dx4)。各投与群は9匹の動物からなる。腫瘍応答は、治療過程中に週に2回行われる腫瘍体積測定によって決定される。腫瘍成長阻害(TGI)は、ビヒクル処置対照群の平均腫瘍サイズから、化合物処置群の平均腫瘍サイズの減少率として計算される。実施例2の化合物は、単独で、及びゲムシタビンと組み合わせて、HT−29及びCalu−6腫瘍異種移植片モデルの両方において優れた用量依存性抗腫瘍活性を示し、ゲムシタビン単独よりも腫瘍増殖阻害が最大で6倍増加する。
単一薬剤の有効性投与
腫瘍死をもたらすCHK1阻害剤の能力は、Calu−6肺異種移植の有効性モデルを用いてインビボで決定することができる。Calu−6肺癌細胞(ATCC)を上記のように培養する。細胞を採取し、リン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄し、増殖培地(血清を含まない)中の1×10個の細胞(Calu−6)を同量のBD Matrigel(商標)マトリックス(BD Bioscience、Franklin、NJ)と混合し、次いでヌードマウスCharles River Labs、Wilmington、MAからのCD−1nu/nu)の側腹部に皮下注射する。移植(150〜200mm)後約16日目に、実施例2の化合物を15mg/kg(皮下(SC)、1日2回(BID×5日、休止2日)×3サイクルで投与する。腫瘍応答は、治療過程中に週に2回行われる腫瘍体積測定によって決定される。5日間のBIDスケジュール(15mg/kg)で投与した実施例2の化合物は、先に記載したゲムシタビンと実施例2の化合物との組み合わせスケジュールに優れた増殖阻害を提供する。完全な腫瘍退縮は迅速かつ耐久性がある。
単層増殖及び細胞毒性アッセイ
CHK1阻害剤の有効性の1つの尺度は、制御されていない複製起点活性化のために培養中の癌細胞の増殖を阻害する能力である。(Conti et al.Cell Cycle 6:2760−2767,2007)。広範な種類の腫瘍に由来する細胞株におけるCHK1阻害剤の抗増殖活性の決定は、どの腫瘍型がCHK1阻害剤による化学療法に対して臨床的に応答性であり得るかを示す。以下に記載される細胞増殖アッセイは、ドイツのOncotest、GmbHで実施される。30種の固形腫瘍細胞は、それぞれ1〜6種の異なる細胞株(Oncotest、GmbH)によって示される13種の異なる腫瘍組織型に由来する。それらは、膀胱、脳、結腸、胃、肝臓、肺、乳房、卵巣、膵臓、腎臓及び子宮体の癌、ならびに黒色腫及び胸膜中皮腫から確立される。全ての細胞株は、患者由来の腫瘍異種移植片からのOncotestで確立されている(Roth et al.1999).ドナー異種移植片の起源は、Fiebig et al。(Fieberg et al.1992及び1999)に記載される。細胞株は、毎週1〜2回定期的に継代培養され、20継代まで培養液中に維持される。全ての細胞を、10%(v/v)ウシ胎児血清(PAA、Colbe、Germany)及び0.1mg/mLのゲンタマイシン(PAA、Colbe、Germany)を補充したRPMI 1640培地(PAA、Colbe、Germany)で、5%COの加湿雰囲気中、37℃で増殖させる。これらの細胞株に対する化合物の細胞傷害活性を評価するために、改変PIアッセイを使用する。簡潔に述べると、接着細胞をトリプシン処理により指数期培養から回収し、カウントし、96ウェル平底マイクロタイタープレートで、細胞株に応じた細胞密度(4.000〜20.000細胞/ウェル)でプレーティングする。細胞を付着させて指数関数的増殖を再開させるための24時間の回復期間の後、10μLの、培養培地(6対照ウェル/プレート)または実施例2の化合物を含む培養培地を添加する。実施例2の化合物のストック溶液をDMSO中に1mMの濃度で調製する。その後の希釈は、以下のように完全RPMI 1640細胞培養培地で行う:DMSO原液を最初に1:22(4.5%(v/v)DMSO含有)に希釈する。この溶液を用いて、細胞培養培地中で連続希釈(半対数または2倍)を行う。最終希釈段階(1:15)のために、それぞれの最終化合物溶液10μL/ウェルを、140μL/ウェル培養培地に直接添加する。最終DMSO濃度は≦0.3%(v/v)である。実施例2の化合物は、10点濃度曲線において3回適用して、処理を4日間続けた。4日間の処理の後、培地を除去し、7μg/mLPI水溶液200μLで置き換える。生存細胞の数を測定するために、細胞は凍結により透過性にされ、化合物による処理後にウェルに付着したままである全ての細胞が死滅する。最後に、PI蛍光をCytofluor 4000マイクロプレートリーダー(励起λ=530nm、発光λ=620nm)を用いて測定し、生存可能な全細胞数を決定する。増殖阻害は、試験/対照×100(%T/C)値として表される。T/C値に基づいて、非線形回帰(log[阻害剤濃度]対応答(%T/C))を用いて相対IC50値を決定する。実施例2の化合物は、これらの腫瘍細胞株の大部分の増殖を、20nM未満のEC50で阻害する。
5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩への小児細胞株のインビトロ応答
細胞溶解物は、最終濃度5及び50nMで24時間、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)で処理した、胚性及び肺胞性横紋筋肉腫(それぞれRD及びSJCRH30)、骨肉腫(Saos−2)及びユーイング肉腫(RD−ES)細胞株から得ることができる。
ウェスタンブロットは、上記の細胞溶解物を使用して実行することができる。前記ウェスタンブロットの分析は、細胞株を5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)で処理した場合にCHK1タンパク質レベルが変化しないこと、及び処理によりホスホCHK1(S345)レベルが増加することを示す。CHK1阻害により、より高いレベルのDNA損傷が観察され得る。したがって、DNA損傷のシグナルであるγH2AXのレベルは、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)での処理により増加する。CHK1阻害後に増加することが知られているホスホ−ERK1/2(T202/Y204)レベルもまた、4つの細胞株のうち3つにおいて増加し、非応答性RD−ES細胞株は4つのうち最もインビトロで感受性が低い。これらのデータはまた、ホスホ−hnRNP−Cレベルの増加によっても支持されており、これは、RD−ES細胞系においても影響を受けないCHK1阻害のマーカーである。ホスホAKTのレベルは、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)で処理した後に変化しないようである。
異種移植腫瘍モデル
以下のプロトコールは、有効薬学的成分に応答して腫瘍体積の減少を測定するために使用することができる。ヒトNBM癌細胞SH−SY5Y(ATCC、番号CRL−2226)を培養し、採取し、HBSS及びMatrigel(登録商標)の1:1溶液200μL中の5×10個の細胞をメスのCD−1 nu/nuマウス(20−24g、Charles River Laboratories)の右後部側腹部に皮下注射する。培養中のヒトNBM癌細胞KELLY(Sigma−番号92110411)を増殖させ、採取し、HBSSとMatrigel(登録商標)の1:1溶液200μL中の5×10細胞を、メスCB−17 SCIDマウス(20−24g、Charles River Laboratories)の右後部側腹部に皮下注射する。培養中のヒトNBM癌細胞IMR−32(ATCC、番号CCL−127)を増殖させ、採取し、HBSSとMatrigel(登録商標)の1:1溶液200μL中の5×10細胞をメスCB−17 SCIDマウス(20−24g、Charles River Laboratories)の右後部側腹部に皮下注射する。
ヒトRMS癌細胞SJCRH−30(St.Jude Children’s Research Hospital)を培養で増殖させ、採取し、200μLのHBSS中の5×10個の細胞を、メスの胸腺欠損ヌードマウス(20−22g、Harlan Laboratories)の右後部側腹部に皮下注射する。ヒトの横紋筋肉腫癌細胞RD(ATCC、番号CCL−136)を培養で増殖させ、採取し、200μLのHBSS中の5×10個の細胞を、メスの胸腺欠損ヌードマウス(20−22g、Harlan Laboratories)の右後部側腹部に皮下注射する。
全ての「CTG」モデル(ヒトRMS、DSRCT、EWS、OS及びLMS患者由来異種移植モデルを包含する)では、メスのNCrヌード自然発生突然変異マウス(5−8週齢、Taconic)は、特定の継代ロットからそれぞれ移植されたドナー動物から採取した腫瘍断片で側腹部領域の片側に移植される。
全ての「ST」モデル(RMS及びLMSを包含する)について、患者由来の異種移植片は、生存可能なヒト腫瘍組織から樹立され、腫瘍異種性を維持するために制限された回数だけ動物において継代培養される。皮下モデルでは、胸腺欠損ヌードマウス(Crl:NU(NCr)−Foxn1nu)またはCB−17SCIDマウス(CRL−CB17/Icr−Prkdcscid/IcrIcoCrl)は、特定の継代ロットからそれぞれ移植された宿主動物から採取した腫瘍断片で片側の側腹に注射または移植される。全ての試験で、移植後7日目から週2回の腫瘍増殖と体重を測定する。腫瘍の大きさが150〜300mmに達する時、動物をランダム化し、4〜7匹の動物のグループに分類する。試験化合物を適切なビヒクル(例えば、ビヒクルは滅菌水中の20%Captisol(登録商標)とすることができる)中に調製し、3日間連続して皮下投与し、その後4日間の投与休暇を行い、最低4週間反復する。腫瘍応答は、治療の過程で週に2回行われる腫瘍体積測定によって決定される。5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)は、以下の表2に示す%T/Cまたは%退縮値を有することが分かる。これらの結果は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)が、骨肉腫(CTG−0242)、ユーイング肉腫(CTG−0994)、DSRCT(CTG−0926)、RMS(CTG−1213、CTG−1116、SJCRH−30及びST162)、及びNBM(SH−SY5Y、KELLY、IMR−32)、LMS(CTG−1006、ST1547)を含むヒト異種移植モデルの範囲において有意な抗腫瘍活性を示すことを示す。
異種移植腫瘍モデル:組み合わせの研究
組み合わせ療法は、腫瘍増殖を効果的にブロックし、単一の薬剤に応答してしばしば発症する獲得した腫瘍耐性を克服することができる癌治療の方法である。インビボSJCRH−30 RMSモデルにおいて、肉腫標準治療、ドキソルビシンと組み合わせて、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)を試験することができる。(表3を参照されたい。)この組み合わせ有効性試験は、上記のように胸腺欠損ヌードマウスで行うことができる。この試験で使用したビヒクルは、滅菌水中の20%Captisol(登録商標)であり、3日間連続して皮下投与し、その後4日間の投与休暇を行い、最低4週間繰り返した。ドキソルビシン(滅菌水中5%デキストロース)は、1週間に1回静脈内投与され、他方5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)は、滅菌水中20%Captisol(登録商標)中で投与され、3日間連続して皮下投与され、その後、4日間の投与休暇が行われる。治療期間は4週間続く。
単剤としての5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)の投与は、その時点で腫瘍再増殖が起こる38日目までの初期完全応答を生じる。5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)+ドキソルビシンによる腫瘍の治療は完全な応答をもたらし、腫瘍再増殖をもたらさない。(表3を参照;87%退縮、p<0.001)。5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)とドキソルビシンとの組み合わせは、有意な体重減少がないので、許容されるようである。これらの結果は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)とドキソルビシンとの組み合わせが、いずれかの薬剤の単独投与と比較して腫瘍増殖を阻害する上でより有効であり得ることを示唆する。


表4に示されるように、小児肉腫細胞株は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)を用いたインビボ治療に対して非常に感受性である。5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)は、試験したマウスモデルのインビボでの小児肉腫のほぼ41%(7/17)において単一の薬剤として有効であり、結果は安定疾患から完全応答に及ぶ。インビボで評価した大人の肉腫モデル(10/12;83%)の大部分は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)による単剤処置に感受性であった。5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩(実施例5)とドキソルビシン、イホスファミドまたはイリノテカンとの組み合わせは、SJCRH30異種移植片における獲得された耐性を回避するようである。

本発明は、以下の態様を含む。
[1]
癌の治療方法であって、それを必要とする患者に、有効量の5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルである化合物、またはその薬学的に許容される塩、または前記その薬学的に許容される塩の溶媒和物を投与することを含み、前記癌は、神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群より選択される、方法。
[2]
前記癌は、神経芽細胞腫である、[1]に記載の方法。
[3]
前記癌は、横紋筋肉腫である、[1]に記載の方法。
[4]
前記横紋筋肉腫は、胞巣状横紋筋肉腫または胎児性横紋筋肉腫である、[3]に記載の方法。
[5]
前記癌は、骨肉腫である、[1]に記載の方法。
[6]
前記癌は、ユーイング肉腫である、[1]に記載の方法。
[7]
前記癌は、線維形成性小円形細胞腫瘍である、[1]に記載の方法。
[8]
前記癌は、平滑筋肉腫である、[1]に記載の方法。
[9]
前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
[10]
前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルである、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
[11]
前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルギ酸塩である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
[12]
前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル二塩酸塩である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
[13]
前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸塩である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
[14]
前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
[15]
前記塩は、2θ±0.02°=12.64°、21.25°、及び26.15°にピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする結晶形態の、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩である、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の方法。
[16]
前記化合物、その塩、またはその溶媒和物を、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤のうちの1つ以上と共に投与する、[1]〜[15]のいずれか1項に記載の方法。
[17]
前記方法は、電離放射線を投与することをさらに含む、[1]〜[16]のいずれか1項に記載の方法。
[18]
前記方法は、1つ以上の化学療法剤を投与することをさらに含む、[1]〜[17]のいずれか1項に記載の方法。
[19]
前記方法は、5−フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、ゲムシタビン、メトトレキサート、ペメトレキセド、ドキソルビシン、エトポシド、シスプラチン、ビンクリスチン、イホスファミド、イリノテカン、シクロホスファミド、及びタキソールからなる群から選択される1つ以上の化学療法剤を投与することをさらに含む、[1]〜[17]のいずれか1項に記載の方法。
[20]
神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群から選択される癌の治療のための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、または前記その薬学的に許容される塩の溶媒和物の使用。
[21]
前記癌は、神経芽細胞腫である、[20]に記載の使用。
[22]
前記癌は、横紋筋肉腫である、[20]に記載の使用。
[23]
前記横紋筋肉腫は、胞巣状横紋筋肉腫または胎児性横紋筋肉腫である、[22]に記載の使用。
[24]
前記癌は、骨肉腫である、[20]に記載の使用。
[25]
前記癌は、ユーイング肉腫である、[20]に記載の使用。
[26]
前記癌は、線維形成性小円形細胞腫瘍である、[20]に記載の使用。
[27]
前記癌は、平滑筋肉腫である、[20]に記載の使用。
[28]
前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩である、[20]〜[27]のいずれか1項に記載の使用。
[29]
前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルである、[20]〜[27]のいずれか1項に記載の使用。
[30]
前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルギ酸塩である、[20]〜[27]のいずれか1項に記載の使用。
[31]
前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル二塩酸塩である、[20]〜[27]のいずれか1項に記載の使用。
[32]
前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸塩である、[20]〜[27]のいずれか1項に記載の使用。
[33]
前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩である、[20]〜[27]のいずれか1項に記載の使用。
[34]
前記塩は、2θ±0.02°=12.64°、21.25°、及び26.15°にピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする結晶形態の、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルである、[20]〜[27]のいずれか1項に記載の使用。
[35]
電離放射線と組み合わせた、[20]〜[34]のいずれか1項に記載の使用。
[36]
1つ以上の化学療法剤と組み合わせた、[20]〜[35]のいずれか1項に記載の使用。
[37]
5−フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、ゲムシタビン、メトトレキサート、ペメトレキセド、ドキソルビシン、エトポシド、シスプラチン、ビンクリスチン、イホスファミド、イリノテカン、シクロホスファミド、及びタキソールからなる群から選択される1つ以上の化学療法剤と組み合わせた、[20]〜[35]のいずれか1項に記載の使用。
[38]
神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群から選択される、癌の治療における使用のための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルである化合物、またはその薬学的に許容される塩、または前記その薬学的に許容される塩の溶媒和物。
[39]
前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルである、[38]に記載の使用のための化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその薬学的溶媒和物。
[40]
前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルである、[38]に記載の使用のための化合物。
[41]
前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルギ酸塩である、[38]に記載の使用のための化合物。
[42]
前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル二塩酸塩である、[38]に記載の使用のための化合物。
[43]
前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸塩である、[38]に記載の使用のための化合物。
[44]
前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩である、[38]に記載の使用のための化合物。
[45]
前記化合物は、2θ±0.02°=12.64°、21.25°、及び26.15°にピークを有するX線粉末回折パターンを有する結晶形態の、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩である、[38]に記載の使用のための化合物。
[46]
前記癌は、神経芽細胞腫である、[38]〜[45]のいずれか1項に記載の使用のための化合物、その塩、またはその溶媒和物。
[47]
前記癌は、横紋筋肉腫である、[38]〜[45]のいずれか1項に記載の使用のための化合物、その塩、またはその溶媒和物。
[48]
前記癌は、胞巣状横紋筋肉腫または胎児性横紋筋肉腫から選択される、[38]〜[45]のいずれか1項に記載の使用のための化合物、その塩、またはその溶媒和物。
[49]
前記癌は、骨肉腫である、[38]〜[45]のいずれか1項に記載の使用のための化合物、その塩、またはその溶媒和物。
[50]
前記癌は、ユーイング肉腫である、[38]〜[45]のいずれか1項に記載の使用のための化合物、その塩、またはその溶媒和物。
[51]
前記癌は、線維形成性小円形細胞腫瘍である、[38]〜[45]のいずれか1項に記載の使用のための化合物、その塩、またはその溶媒和物。
[52]
前記癌は、平滑筋肉腫である、[38]〜[45]のいずれか1項に記載の使用のための化合物、その塩、またはその溶媒和物。
[53]
前記使用は、電離放射線と同時に、別々に、または順次組み合わせられる、[38]〜[52]のいずれか1項に記載の使用のための化合物、その塩、またはその溶媒和物。
[54]
前記使用は、1つ以上の化学療法剤と同時に、別々に、または順次組み合わせられる、[38]〜[53]のいずれか1項に記載の使用のための化合物、その塩、またはその溶媒和物。
[55]
前記使用は、5−フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、ゲムシタビン、メトトレキサート、ペメトレキセド、ドキソルビシン、エトポシド、シスプラチン、ビンクリスチン、イホスファミド、イリノテカン、シクロホスファミド、及びタキソールからなる群から選択される、1つ以上の化学療法剤と同時に、別々に、または順次組み合わせられる、[38]〜[53]のいずれか1項に記載の使用のための化合物、その塩、またはその溶媒和物。

Claims (21)

  1. 神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、及び平滑筋肉腫からなる群から選択される癌の治療のための、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、または前記その薬学的に許容される塩の溶媒和物を含む薬学的組成物。
  2. 前記癌は、神経芽細胞腫である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  3. 前記癌は、横紋筋肉腫である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  4. 前記横紋筋肉腫は、胞巣状横紋筋肉腫または胎児性横紋筋肉腫である、請求項3に記載の薬学的組成物。
  5. 前記癌は、骨肉腫である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  6. 前記癌は、ユーイング肉腫である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  7. 前記癌は、線維形成性小円形細胞腫瘍である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  8. 前記癌は、平滑筋肉腫である、請求項1に記載の薬学的組成物。
  9. 前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  10. 前記化合物は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  11. 前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルギ酸塩である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  12. 前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリル二塩酸塩である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  13. 前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸塩である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  14. 前記塩は、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルメタンスルホン酸一水塩である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  15. 前記塩は、2θ±0.02°=12.64°、21.25°、及び26.15°にピークを有するX線粉末回折パターンを特徴とする結晶形態の、5−(5−(2−(3−アミノプロポキシ)−6−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピラジン−2−カルボニトリルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  16. 電離放射線と組み合わせた、請求項1〜15のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  17. 1つ以上の化学療法剤と組み合わせた、請求項1〜16のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  18. 5−フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、ゲムシタビン、メトトレキサート、ペメトレキセド、ドキソルビシン、エトポシド、シスプラチン、ビンクリスチン、イホスファミド、イリノテカン、シクロホスファミド、及びタキソールからなる群から選択される1つ以上の化学療法剤と組み合わせた、請求項1〜17のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
  19. 前記癌の治療において、電離放射線と同時に、別々に、または順次組み合わせられる、請求項1〜18のいずれか1項に記載の薬学的組成物
  20. 前記癌の治療において、1つ以上の化学療法剤と同時に、別々に、または順次組み合わせられる、請求項1〜19のいずれか1項に記載の薬学的組成物
  21. 前記癌の治療において、5−フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、ゲムシタビン、メトトレキサート、ペメトレキセド、ドキソルビシン、エトポシド、シスプラチン、ビンクリスチン、イホスファミド、イリノテカン、シクロホスファミド、及びタキソールからなる群から選択される、1つ以上の化学療法剤と同時に、別々に、または順次組み合わせられる、請求項1〜19のいずれか1項に記載の薬学的組成物
JP2018503174A 2015-07-23 2016-07-15 神経芽細胞腫及び/または軟部組織肉腫の処置における使用のためのchk1/2阻害剤 Active JP6752878B2 (ja)

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