JP6752590B2 - ターゲット装置および放射性核種製造装置 - Google Patents

ターゲット装置および放射性核種製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射性核種を生成させるターゲット装置および放射性核種製造装置に関する。
核医学画像を撮影する手法として、単一光子放射断層撮影(SPECT:Single Photon Emission Computed Tomography)やポジトロン断層法(PET:Positron Emission Tomography)が知られている。SPECTやPETは、放射性核種で標識された化合物である放射性医薬品を被験者の体内に投与し、放出されるガンマ線をカメラで撮像することによって行われる。放射性医薬品には種々の放射性核種が用いられ、その一例がテクネチウム99m(99mTc)である。準安定状態のテクネチウム99mが基底状態のテクネチウム99に転移する際にガンマ線が放出され、半減期は約6時間と短いため被験者の被曝量を抑制することができる。
テクネチウム99mは、モリブデン99(99Mo)がベータ崩壊して生じる娘核種であることから、テクネチウム99mを用いる放射性医薬品の原料としてモリブデン99が用いられる。
モリブデン99の製造方法については、従来商業的に行われてきた原子炉内のウラニウム235に中性子を照射して核分裂反応を利用する方法に代替するものとして、加速器で加速された中性子や陽子などの粒子ビームをモリブデン100に照射する方法など、これまで幾つかの手法が提案されてきた。特に、粒子ビームを照射する後者の方法は、原子炉を利用しない方法であるため、原子炉事故のリスクがなく将来に亘って安定的に放射性核種を製造できるとして着目されている。
粒子ビームを照射して放射性核種を製造する技術に関し、特許文献1には、電子線加速器によって加速された電子を、コンバーターと呼ばれる制動放射線発生用の材料に照射することで制動放射線(光子)を発生させ、この制動放射線をモリブデン100に衝突させて放射性核種を生成する方法が記載されている。コンバーターは、タンタルなどの重い金属元素で作成されている。上記の反応は、ガンマ(γ)線などの光子を、放射性核種の製造用の材料であるモリブデン100などのターゲット材料に衝突させ、中性子(neutron)を発生させるとともにモリブデン99などの目的の放射性核種を生成する方法であることから、(γ,n)反応と略記され、具体的には100Mo(γ,n)99Moと記号表記される。また特許文献1には、多数枚のモリブデン100のターゲットディスクを、空隙をもって互いに隔ててホルダーに保持して照射に供することが記載されている。この空隙には冷却水が供給され、光子と衝突して発熱するターゲットディスクを冷却する。
特許文献2および3にも同様に、電子線加速器によって加速された電子をコンバーターに照射して制動放射線を得るとともに、この制動放射線をモリブデン100などのターゲット材料に照射させ、(γ,n)反応を発生させて放射性核種(モリブデン99)を生成することが記載されている。特許文献3には、円柱形状のモリブデン100を薄くスライスしてモリブデン箔とモリブデン板を形成し、これらの箔と板を複数式(たとえば6式)交互に配置してターゲット材料とすることが記載されている。このようにモリブデン板の間にモリブデン箔を介挿することで、それぞれの箔の深さ位置でのテクネチウム99の活性の程度を定量評価することができるとされている。
国際公開第2014/186898号パンフレット 特開2015−99117号公報 特表平10−508950号公報
モリブデン99などの放射性核種を多量に生産するためには、ターゲット材料の量を増やし、また電子線加速器のビーム出力を上げることが有効である。しかしながら、ビーム出力を上げるとターゲット材料における発熱量が増大して熱制御が困難となり、ターゲット材料が融解する場合がある。
逆に、放射性核種を商業生産するにあたっては、原料となるターゲット材料の使用量を低減することが求められる。特に、放射性核種の製造用のターゲット材料には、核反応の副生成物である不純物核種の混入を低減するために所望の安定同位体のみを同位体濃縮して純度を高めた高価なものが用いられるためである。ターゲット材料を再使用するとしても1回のビーム照射ごとに材料ロスが発生するため、ターゲット材料が大型であるほど材料の利用効率は低下して経済的な損失が増大する。また、ターゲット材料が大型化すると、生成された放射性核種を抽出する後工程での化学処理が大規模となるため処理負担が更に増大して問題となる。
上記のように、放射性核種の生産にあたっては、1回のビーム照射に使用するターゲット材料の使用量を減らす方向と増やす方向とで相反する要請がある。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、粒子ビームによる熱負荷を冷却するという制限の中で、できるだけ少ないターゲット材料で効率良く目的の放射性核種を製造することが可能なターゲット装置、およびかかるターゲット装置を備える放射性核種製造装置を提供するものである。
本発明のターゲット装置は、放射性核種を生成するための互いに重ね合わされて配列された複数枚のターゲット材料板を備え、粒子ビームが前記ターゲット材料板に照射されることにより放射性核種を生成させるものであって、前記ターゲット材料板はターゲット物質を板状に形成したものであり、前記粒子ビームが入射する前方側に位置する複数枚の前記ターゲット材料板により構成される前方板群と、前記前方側と反対側の後方側に位置する複数枚の前記ターゲット材料板により構成される後方板群と、を有し、前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板および前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板にかかる前記ターゲット物質が共通の金属であり、前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径または平均厚みが、前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径または平均厚みよりも小さいことを特徴とする。
また、本発明の放射性核種製造装置は、上記のターゲット装置と、前記粒子ビームを生成する加速器と、前記粒子ビームを前記ターゲット材料板に照射して生成された前記放射性核種を前記ターゲット装置から取り出す抽出部と、を備える。
本発明においては、前方側に配置されたターゲット材料板の直径または平均厚みが、後方側に配置されたターゲット材料板の直径または平均厚みよりも小さくなっている。電子線や制動放射光子などの粒子ビームが入射する前方側に位置するターゲット材料板には粒子ビームから強いエネルギーが与えられて大きく発熱する。一方、後方側に位置するターゲット材料板の発熱は、前方側に比べて緩やかである。このため、前方板群を構成するターゲット材料板の平均厚みを小さくして冷却効率を高めることで、ターゲット装置の全体として高いビーム出力に対しても熱制御をすることが可能となる。
また、ターゲット材料板に入射する粒子ビームは、後述するようにターゲット材料板に衝突することによりターゲット材料板の内部において制動放射光子を発生させる。この制動放射光子の密度分布は、前方側から後方側に向って拡幅する形状を描くことが本発明者により明らかとなっている。このため、少なくとも一部枚数のターゲット材料板の直径を他のターゲット材料板と異ならせるとともに、前方側から後方側に向って直径が拡大するようにターゲット材料板を配列することで、ターゲット材料板の面内の比較的全体で制動放射光子との衝突が発生するため放射性核種の製造効率を向上させることができる。
(a)第一実施形態のターゲット装置を示す断面模式図である。(b)ターゲット材料板の正面模式図である。 ターゲット装置を備える放射性核種製造装置の構成図である。 (a)第二実施形態のターゲット材料板の配列状態を示す側面模式図である。(b)第二実施形態の変形例にかかるターゲット材料板の配列状態を示す側面模式図である。 (a)第三実施形態のターゲット材料板の配列状態を示す側面模式図である。(b)第三実施形態の変形例にかかるターゲット材料板の配列状態を示す側面模式図である。 実施例1のターゲット材料板における制動放射光子の密度分布を示す図である。 図5の濃淡表示を変更した図である。 実施例2のターゲット材料板における制動放射光子の密度分布を示す図である。 図7の濃淡表示を変更した図である。 実施例3のターゲット材料板における制動放射光子の密度分布を示す図である。 図9の濃淡表示を変更した図である。 比較例1のターゲット材料板における制動放射光子の密度分布を示す図である。 図11の濃淡表示を変更した図である。 実施例4のターゲット材料板における制動放射光子の密度分布を示す図である。 図13の濃淡表示を変更した図である。 実施例5のターゲット材料板における制動放射光子の密度分布を示す図である。 図15の濃淡表示を変更した図である。 比較例2のターゲット材料板における制動放射光子の密度分布を示す図である。 図17の濃淡表示を変更した図である。 実施例6の各ターゲット材料板における収量を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、すべての図面において、同様の構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
<第一実施形態>
図1(a)は第一実施形態のターゲット装置10を示す断面模式図であり、図1(b)はターゲット材料板20の正面模式図であり、ターゲット材料板20を粒子ビームの照射方向に見た平面視形状を示している。
本実施形態のターゲット装置10は、放射性核種を生成するための互いに重ね合わされて配列された複数枚のターゲット材料板20(20a、20b)を備え、粒子ビームがターゲット材料板20に照射されることにより放射性核種を生成させるものである。
ターゲット装置10は、粒子ビームが入射する前方側(図1(a)における左側)に位置する複数枚のターゲット材料板20aにより構成される前方板群GRFと、前方側と反対側の後方側(同、右側)に位置する複数枚のターゲット材料板20bにより構成される後方板群GRRと、を有している。
本実施形態のターゲット装置10は、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの平均厚みが、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの平均厚みよりも小さいことを特徴とする。
なお、本実施形態の変形態様として、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの直径を、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの直径よりも小さくすることによっても所期の効果が発揮される。かかる態様については第三実施形態を参照して後述する。
次に、ターゲット装置10および放射性核種製造装置100について詳細に説明する。
ターゲット装置10は、所望の放射性核種を生成するために選択された原料(以下、「ターゲット物質」と呼称する場合がある)からなる複数枚のターゲット材料板20と、これらのターゲット材料板20を配列状態で保持する保持フレーム30とで構成されている。ターゲット材料板20は、ターゲット物質を板状に形成して焼結したものである。ターゲット材料としては、金属または金属酸化物を用いることができる。
図1(b)に示すように、本実施形態のターゲット材料板20の各枚は円盤状に形成されている。ここで、円盤状とは、板厚方向からみて、真円形状、楕円形状もしくは長円形状などの円形状のほか、円形状に近い略円形状、および円形状もしくは略円形状の一部を切り欠いた切欠円形状などを広く含む。ターゲット材料板20の厚みに関しては後述する。
生成される放射性核種としては、テクネチウム99mの親核種であるモリブデン99(99Mo)が例示されるほか、リン32(32P)、チタン44(44Ti)、スカンジウム47(47Sc)、銅64(64Cu)、銅67(67Cu)、ゲルマニウム68(68Ge)、イットリウム90(90Y)、ルテチウム177(177Lu)などを挙げることができる。
核反応の表現形式としては一般に、ターゲット物質を左側、生成物を右側に記載し、入射粒子と飛び出す粒子を括弧内に併記して記載する。ターゲット物質をモリブデン100、生成物をモリブデン99とし、入射粒子を放射線(γ)、ターゲット物質から飛び出す粒子が1個の中性子(n)である場合の核反応は、下式(1)のように表現される。なお、本明細書において放射線と電磁波と光子とは同義である。
100Mo(γ,n)99Mo ・・・(1)
リン32、チタン44、スカンジウム47、銅64、銅67、ゲルマニウム68、イットリウム90、ルテチウム177を生成する場合は以下の核反応を用いることができる。たとえば下式(2)は、硫黄33に放射線(電磁波)を照射し、陽子(p)を飛び出させることでリン32が生成されることを意味している。また下式(3)は、チタン46に放射線(電磁波)を照射し、2個の中性子を飛び出させてチタン44が生成されることを意味している。また下式(5)は、亜鉛66に放射線(電磁波)を照射し、陽子(p)および中性子(n)を各1個飛び出させることで銅64が生成されることを意味している。
33S(γ,p)32P ・・・(2)
46Ti(γ,2n)44Ti ・・・(3)
48Ti(γ,p)47Sc ・・・(4)
66Zn(γ,pn)64Cu ・・・(5)
68Zn(γ,p)67Cu ・・・(6)
70Ge(γ,2n)68Ge ・・・(7)
91Zr(γ,p)90Y ・・・(8)
178Hf(γ,p)177Lu ・・・(9)
上記のように、ターゲット物質から飛び出す粒子は中性子に限らず陽子の場合もあり、中性子と陽子の両方が飛び出す場合もある。そして、ターゲット物質(標的核)に放射線(γ)が入射し、任意の1個または複数個(複数個の場合は、単一種でもよく複数種の混合でもよい)の粒子(x)が飛び出して放射性核種が生成されることを、(γ,x)核反応と表記する。
以下、本実施形態においては、生成される放射性核種をモリブデン99とし、ターゲット物質をモリブデン100とする場合を例に以下の説明を行う。
モリブデン99の半減期は約3日であり娘核種であるテクネチウム99mよりも半減期が長いため、生理食塩水等でテクネチウム99mを溶解させることで放射平衡の原理により、ミルキングと呼ばれる抽出操作によりモリブデン99からテクネチウム99mを取り出すことができる。すなわち放射性核種製造装置100を用いてモリブデン99を生成し、医療機関等においてミルキングによりモリブデン99からテクネチウム99mを取り出して標識化合物を製造してもよく、または放射性核種製造装置100においてテクネチウム99mをモリブデン99から分離して抽出したうえで更に標識化合物の製造に供してもよい。本実施形態では、放射性核種製造装置100においてテクネチウム99mをモリブデン99から分離する場合を図2に示す。
図2は、本実施形態のターゲット装置10を備える放射性核種製造装置100の構成図である。放射性核種製造装置100は、ターゲット装置10と、粒子ビームを生成する加速器60と、粒子ビームをターゲット材料板20に照射して生成された放射性核種をターゲット装置10から取り出す抽出部70と、を備えている。
加速器60は、入射粒子を加速して粒子ビームを生成する手段である。ターゲット物質に核反応を発生させる粒子ビームを構成する入射粒子には種々のものが用いられ、陽子、重陽子、α粒子、イオン、電子または光子を例示することができる。加速器60としては、静電加速器、サイクロトロンやシンクロトロンなどの円形加速器、線形加速器、または円形加速器と線形加速器とを組み合わせたマイクロトロンなどを用いることができ、入射粒子の種類とエネルギーに応じて選択される。
本実施形態では入射粒子として電子を用い、加速器60としては電子を一直線上で加速する線形加速器(ライナック)を用いる場合を例示する。加速器60には直線的に形成された円筒形の加速空洞62が接続されている。加速空洞62では電場を利用して電子を加速して、所望のエネルギーの粒子ビーム(電子線EB)を生成する。
放射性核種製造装置100におけるビーム出力は特に限定されないが、10kW以上100kW以下、好ましくは20kW以上50kW以下とすることができる。
放射性核種製造装置100において、加速器60とターゲット材料板20とは対面して配置されており、加速器60で生成された粒子ビーム(電子線EB)はターゲット材料板20に直接に照射される。電子線EBがターゲット材料板20に衝突すると、制動放射が生じて制動放射線(制動放射光子)が発生する。
ここで、ターゲット物質に核反応を生じさせるためには、制動放射光子をターゲット物質に高い密度で衝突させることが望まれる。このため従来一般には、コンバーターと呼ばれる原子番号および密度の大きな金属元素の板材料に電子線EBを衝突させて制動放射光子を発生させ、このコンバーターの下流側にターゲット物質を配置することで制動放射光子をターゲット物質と衝突させていた。これに対し本実施形態では、モリブデン100という原子番号および密度の大きな金属元素をターゲット物質に用いることから、かかるターゲット物質と電子線EBとの衝突によっても制動放射光子を発生させることができる。このため本実施形態の放射性核種製造装置100では、コンバーターを用いることなく電子線EBをターゲット物質(ターゲット材料板20)に衝突させる。これによりコンバーターを不要とすることができるため装置の簡素化が図られ、またコンバーターの冷却やメンテナンスといった手間を省くことができる。
ただし本実施形態のように電子線EBをターゲット材料板20に入射させることに代えて、コンバーター(図示せず)に粒子ビームを衝突させて発生させた制動放射光子BSをターゲット材料板20に入射させてもよい(図1参照)。
電子線EBも制動放射線(制動放射光子BS)も粒子により構成された粒子ビームである。本明細書において「粒子ビームがターゲット材料板20に照射される」とは、少なくとも、電子線EBがターゲット材料板20に直接に入射する場合と、電子線EBがコンバーターに照射されて生成された制動放射光子BSがターゲット材料板20に入射する場合と、を含む。
ターゲット装置10は冷却装置50の内部に配置されている。冷却装置50には冷却水CWが供給される。本実施形態では熱交換器52および給水路54が冷却装置50に接続され、冷却水CWが循環的にターゲット装置10に供給される態様を一例として例示する。給水路54の両端は冷却装置50と連通しており、熱交換器52は給水路54の中途に設けられている。熱交換器52は、ターゲット装置10の冷却に供されて加熱された冷却水CWを冷却する。冷却水CWとしては、純水などの水性溶媒が好ましく用いられる。
保持フレーム30は、複数枚のターゲット材料板20を保持するとともに、粒子ビーム(電子線EB)の入射側にあたる前方側(図2における左側)に位置するターゲット材料板20の略中央に電子線EBが衝突するように配置させる手段である。本実施形態では、ターゲット材料板20に対して粒子ビームが入射してくる側を前方側と呼称し、粒子ビームや制動放射光子BSが通過していく側を後方側と呼称する。なお、上記のように前後方向を規定して説明するが、これはターゲット装置10における前方板群GRFと後方板群GRRとの相対関係を便宜的に説明するためのものであり、本発明にかかるターゲット装置10の製造時や流通時の方向を必ずしも限定するものではない。
図1に示すように、本実施形態の保持フレーム30は、隣り合うターゲット材料板20どうしの間に空隙部Vを設けてターゲット材料板20を保持する。かかる空隙部Vを冷却水CWが通過することで、電子線EBや制動放射光子と衝突して発熱するターゲット材料板20を冷却する。図1および図2では、ターゲット材料板20の並び方向(各図の左右方向)に対して側方から冷却水CWを供給して各ターゲット材料板20の面内方向に流通させる態様を例示するが、冷却水CWの供給および流通方向はこれに限られるものではない。
複数枚のターゲット材料板20どうしの間には空隙部Vがそれぞれ形成されている。各空隙部Vの幅寸法Wは均一でもよく、または不均一でもよい。空隙部Vの幅寸法Wとは、隣接するターゲット材料板20の対向面間の距離である。本実施形態では各空隙部Vの幅寸法Wはいずれも均一としている。
空隙部Vの幅寸法Wは、ターゲット材料板20のうちもっとも薄いものの板厚(最小板厚)の二分の一以上、好ましくは最小板厚以上であることが好ましい。空隙部Vの幅寸法Wが過少になると、冷却水CWの粘性により空隙部Vの内部に冷却水CWが流通しにくくなるため、冷却水CWに水性溶媒を用いる場合は空隙部Vの幅寸法Wを0.5mm以上とすることが好ましい。
抽出部70では化学処理工程によりターゲット材料板20から放射性核種を取り出す。化学処理工程の具体的な処理内容は、ターゲット材料板20の原料(ターゲット物質)に応じて選択することができる。モリブデン100をターゲット物質とする場合は、たとえば、過酸化水素などの酸化力のある処理液72でターゲット材料板20を溶解させたうえで炭酸アンモニウムなどの中和剤を添加するとよい。これにより、モリブデン酸アンモニウム塩などのモリブデン酸塩が生成されるとともに、(γ,n)反応で生成された放射性核種(たとえばテクネチウム99m)の酸塩も生成される。そして、各種のクロマトグラフ法を用いることで、モリブデン酸塩からテクネチウム酸塩を分離することができる。分離されたテクネチウム酸塩(99mテクネチウム酸塩)は中和工程や不純物の除去工程を経て、放射性医薬品の標識化合物として供される。
一方、テクネチウム酸塩が除去されたモリブデン酸塩は、たとえば、水分を除去したうえで還元性雰囲気下にて加熱することによりモリブデン金属(モリブデン100)に還元されて回収される。回収されたモリブデン金属は、再生処理部80にて圧縮工程やプラズマ放電焼結工程が施され、円盤状のターゲット材料板20として再生される。
図1に戻り、ターゲット材料板20の詳細を説明する。ターゲット材料板20は円盤状のターゲット物質(本実施形態では濃縮されたモリブデン100)で作成されている。ターゲット材料板20は板状をなし、各枚のターゲット材料板20は略均一な厚さで作成されている。ターゲット装置10には、複数枚のターゲット材料板20が互いに重ね合わされて配列された状態で装填される。複数枚のターゲット材料板20が互いに重ね合わされているとは、隣接するターゲット材料板20の少なくとも一部どうしが、粒子ビームの照射方向(前後方向:図1における左右方向)からみて重なり合っていることをいう。好ましくは、各枚のターゲット材料板20の面心が一直線上に並び、かつ粒子ビームの照射方向と当該一直線とが平行である。すなわち、保持フレーム30に保持されたターゲット材料板20の集合体は、粒子ビームの照射方向を軸心として回転対称形であることが好ましい。
図1(a)では18枚のターゲット材料板20が図示されているが、ターゲット材料板20の枚数はこれに限られるものではなく、たとえば4枚以上30枚以下とすることができる。上述したように、電子線EBまたは制動放射光子BSなどの粒子ビームがターゲット材料板20に入射する前方側に位置する複数枚のターゲット材料板20aを前方板群GRFと呼称し、その反対側にあたる後方側に位置する複数枚のターゲット材料板20bを後方板群GRRと呼称する。本実施形態においては、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの平均厚みが、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの平均厚みよりも小さい。
これは、前方板群GRFに属するターゲット材料板20aでは粒子ビームとの衝突による発熱が顕著であるため、ターゲット材料板20aの板厚を薄くして、当該板厚に対する空隙部Vの幅寸法Wの比率(以下、「空隙比率」と呼称する場合がある)を大きくすることを意味している。
すなわち、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの厚みに対する、当該ターゲット材料板20aと隣り合う他のターゲット材料板との間の空隙部Vの幅寸法の比率(空隙比率)は、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bにかかる空隙比率よりも大きい。これにより、ターゲット材料板20aを熱制御し、ターゲット材料板20aの融解を抑制することが可能である。また、粒子ビームは、複数枚のターゲット材料板20aを通過するにしたがって核反応を発生させるとともにエネルギーを失って減衰するため、後方板群GRRに属するターゲット材料板20bにおける発熱量は低下する。このため、後方板群GRRにおいては空隙比率を高くする必要はなく、ターゲット材料板20bの存在比率を高くして粒子ビームとの衝突確率を高めることで効率的に放射性核種を生成することができる。
上記の現象を示すシミュレーション結果は、後述する実施例1から3において詳細に説明する。
本実施形態のターゲット装置10を用いることにより、放射性核種製造装置100では以下の放射性核種の製造方法(以下、「本方法」という場合がある)が実現される。
本方法は、ターゲット材料板20に粒子ビームを照射することにより放射性核種を生成するものである。本方法では、複数枚のターゲット材料板20が互いに重ね合わされて配列され、隣り合うターゲット材料板20どうしの間に空隙部Vが設けられており、かかる空隙部Vに冷却材(冷却水CW)を流しながら粒子ビームをターゲット材料板20に入射させる。そして上述したように、前方側に位置する複数枚のターゲット材料板20aにより構成される前方板群GRFと、後方側に位置する複数枚のターゲット材料板20bにより構成される後方板群GRRと、を仮定する。このとき、前方板群GRFに属するターゲット材料板20aの平均厚みに対する当該ターゲット材料板20aに隣接する空隙部Vの幅寸法Wの比率(空隙比率)は、後方板群GRRに属するターゲット材料板20bにかかる空隙比率よりも大きくなっている。
したがって本実施形態に代えて、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの前後に隣接する空隙部Vの幅寸法Wを大きくし、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの前後に隣接する空隙部Vの幅寸法Wを、これよりも小さくしてもよい。これにより、前方板群GRFにかかる空隙比率を、後方板群GRRにかかる空隙比率よりも大きくすることができる。
複数枚のターゲット材料板20のうち、前方側に位置する何枚目までを前方板群GRFと呼称し、何枚目からを後方板群GRRと呼称するかは任意である。図1(a)では、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの厚みは均一であり、また後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの厚みは均一であり、かつターゲット材料板20aの厚みよりも大きい。すなわち、本実施形態における複数枚のターゲット材料板20は、ターゲット材料板20aとターゲット材料板20bとで二段階の厚みに設定され、かつ前方板群GRFから後方板群GRRに亘って厚みが単調に増大するように配列されている。
ただし、本発明はこれに限られるものではなく、前方板群GRFを構成する複数枚のターゲット材料板20aの中に異なる厚みのものが混在していてもよく、同様に後方板群GRRを構成する複数枚のターゲット材料板20bの中に異なる厚みのものが混在していてもよい。そして、ターゲット材料板20aの平均厚みがターゲット材料板20bの平均厚みよりも小さいかぎり、複数枚のターゲット材料板20aの一部に、ターゲット材料板20bの一部のものよりも大きな厚みを有するものが混在していてもよい。
たとえば、最前方に位置するターゲット材料板20aの厚みを、ターゲット材料板20bの一部よりも大きくしてもよい。これは、ターゲット材料板20に入射する粒子ビームが最前方のターゲット材料板20aを通過し、数枚目のターゲット材料板20aにおいて最も高い発熱を発生させるという本発明の検討結果に基づくものであり、詳細は実施例2および3にて後述する。
本実施形態のターゲット材料板20においては、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aは、いずれも、ターゲット材料板20の全枚数の平均厚み未満の厚みを有している。また、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bは、いずれも、ターゲット材料板20の全枚数の平均厚み以上の厚みを有している。これにより、粒子ビームの出力を高くして前方板群GRFの全体に対して高い熱負荷が発生した場合にも、冷却水CWおよび冷却装置50(図2参照)によりターゲット材料板20の全体を好適に熱制御することが可能である。図1(a)に示す本実施形態では、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの枚数(図示は7枚)は、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの枚数(図示は11枚)よりも少ない。
ただし、後述する第二実施形態のように、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの枚数を、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの枚数よりも多くしてもよい。ターゲット材料板20aとターゲット材料板20bの具体的な板厚や枚数は、粒子ビームの出力に応じて適切に決定することができる。
前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの厚みは、0.2mm以上10mm以下が好ましい。また、上述したように冷却水CWが流通する空隙部Vの幅寸法Wはターゲット材料板20の最小板厚の二分の一以上が好ましく、言い換えると前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの最小板厚は空隙部Vの二倍以下が好ましい。
後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの厚みは、特に限定されない。本実施形態では、ターゲット材料板20aとターゲット材料板20bとの境界部においてターゲット材料板20aとターゲット材料板20bとの板厚が不連続に増大しているが、本発明はこれに限られない。すなわち、前方板群GRFにおける後方側でターゲット材料板20aの板厚が徐々に拡大し、また前方板群GRFと後方板群GRRとの境界部でターゲット材料板20の板厚が連続的に(すなわち多段階に徐々に)増大するようにターゲット材料板20を配列してもよい。
また、前方板群GRFおよび後方板群GRRを構成するターゲット材料板20の直径は特に限定されないが、いずれも10mm以上50mm以下が好ましい。ターゲット材料板20のとりうる直径の最大値は、粒子ビームによる発熱量と冷却水CWによる冷却効率に基づいて決定することができる。本実施形態では、図1(b)に示すように総てのターゲット材料板20は同一直径を有しており同心配置されているが、後述する第三実施形態のように複数枚のターゲット材料板20において直径が互いに異なってもよい。
本実施形態の複数枚のターゲット材料板20は、保持フレーム30に装填されて放射性核種の製造に供される際には、空隙部Vをもって互いに離間して配列される。保持フレーム30に装填される以前の流通時には複数枚のターゲット材料板20どうしが離間している必要はなく、互いに接して積層された状態で搬送容器(図示せず)に密閉して収容されていてもよい。この場合、流通時のターゲット材料板20の並び順のまま保持フレーム30に前方から後方に配列することができるよう、ターゲット材料板20の並び順の一方側にターゲット材料板20aを配置し、他方側にターゲット材料板20bを配置しておくとよい。
<第二実施形態>
図3(a)は第二実施形態のターゲット材料板20の配列状態を示す側面模式図である。図3(b)は第二実施形態の変形例にかかるターゲット材料板20の配列状態を示す側面模式図である。各図における左側が、粒子ビームが入射する前方側にあたる。
前方板群GRFに含まれる複数枚のターゲット材料板20aは、並び順の前方側から後方側に向って板厚が減少したのちに増大するように配列されている。
本実施形態の場合、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aは、最前方に位置する最前方ターゲット20cから、板厚が最小となる最薄ターゲット20dに向って徐々に板厚が減少するように配列されている。またターゲット材料板20aは、最薄ターゲット20dから、前方板群GRFと後方板群GRRとの境界に位置する境界ターゲット20eに向って、徐々に板厚が増大するように配列されている。また、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bは、境界ターゲット20eよりも後方に配置されており、ターゲット材料板20bのいずれの板厚も、境界ターゲット20eの板厚よりも大きい。ターゲット材料板20bのうち、最後方に位置する最後方ターゲット20fを除き、ターゲット材料板20bの板厚は前方から後方に向って徐々に増大している。最後方ターゲット20fの板厚は、ターゲット材料板20のトータルの質量を調整すべく任意に決定することができる。
なお、境界ターゲット20eとしては、最薄ターゲット20dよりも後方に位置し、かつ境界ターゲット20eよりも後方に複数枚のターゲット材料板20bが配置されているものであれば任意に設定することができる。本実施形態では、最薄ターゲット20dよりも後方のターゲット材料板のうち、最前方ターゲット20cよりも大きな板厚を有し、かつ最前位置のものを境界ターゲット20eとして設定している。
本実施形態のターゲット材料板20においては、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの枚数(図示は15枚)が、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの枚数(図示は18枚)よりも少なくなっている。
また、図3(a)に示す第二実施形態のターゲット材料板20においても、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aは、いずれも、ターゲット材料板20の全枚数の平均厚み未満の厚みを有している。また、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bは、いずれも、ターゲット材料板20の全枚数の平均厚み以上の厚みを有している。
前方板群GRFと後方板群GRRとの境界部、すなわち境界ターゲット20eの前後において、ターゲット材料板20の板厚は多段階に徐々に増大している。また、隣接するターゲット材料板20どうしの間の空隙部Vの幅寸法Wはそれぞれ均一に設定されている。このため、ターゲット材料板20の空隙比率は前方板群GRFから後方板群GRRにかけて徐々に減少するようになっている。このため、粒子ビームによる加熱が或る1枚のターゲット材料板20において顕著に極大化してしまうことが抑制されている。
図3(b)に示す変形例のターゲット材料板20は、図3(a)に示した第二実施形態と比較して、全枚数が異なり、また最後方ターゲット20fが最大の板厚を有している点で異なる。本変形例のターゲット材料板20もまた、最前方ターゲット20cから最薄ターゲット20dまで並び順の前方側から後方側に向って板厚が減少したのちに、境界ターゲット20eに向って板厚が増大するように配列されている。境界ターゲット20eは、最薄ターゲット20dよりも後方にあって最前方ターゲット20cの板厚を超える最前位置のターゲット材料板である。本変形例のターゲット材料板20においては、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの枚数(図示は11枚)が、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの枚数(図示は5枚)よりも多くなっている。
本変形例のターゲット材料板20では、粒子ビームによる加熱が最も緩やかな最後方ターゲット20fの板厚が最大であり、言い換えると空隙比率が最後方ターゲット20fにおいて最小となっている。このため、ターゲット材料板20の全体として比較的均等に熱制御をすることができる。
<第三実施形態>
図4(a)は第三実施形態のターゲット材料板20の配列状態を示す側面模式図である。図4(b)は第三実施形態の変形例にかかるターゲット材料板20の配列状態を示す側面模式図である。各図における左側が、粒子ビームが入射する前方側にあたる。
第三実施形態のターゲット材料板20は、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの直径が、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの直径よりも小さいことを特徴とする。ここで、ターゲット材料板20aの直径がターゲット材料板20bの直径よりも小さいとは、ターゲット材料板20aの平均直径とターゲット材料板20bの平均直径との比較ではなく、ターゲット材料板20aに含まれる少なくとも1枚の直径が、ターゲット材料板20bの少なくとも一部枚数の直径よりも小さいことを意味する。
図4(a)および図4(b)に示すように、後方板群GRRの後方側(各図の右方)に位置するターゲット材料板20bの直径は、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの直径と同等またはそれ以下であってもよい。このため、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの平均直径よりも、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの平均直径の方が小さくなっていてもよい。
そして、前方板群GRFにおける最前方位置のターゲット材料板(最前方ターゲット20c)の直径は、ターゲット材料板20の全枚数中の最大直径よりも小さい。すなわち、ターゲット材料板20のうち最前方ターゲット20cとは異なるものが最大直径となっている。本実施形態では、最前方ターゲット20cと最後方ターゲット20fとの中間に位置するターゲット材料板20が、最大直径を有する最大ターゲット20gとなっている。そして、最前方ターゲット20cと最大ターゲット20gとの中央のターゲット材料板20を境界ターゲット20eと設定し、最前方ターゲット20cから境界ターゲット20eまでを前方板群GRF、境界ターゲット20eよりも後方側を後方板群GRRとしてそれぞれ設定している。
本実施形態のターゲット材料板20は、図4(a)に示すように、前方板群GRFを構成する複数枚のターゲット材料板20aのうちの少なくとも一部(本実施形態ではターゲット材料板20aの全部)は、並び順の前方側から後方側に向って直径が増大するように配列されている。そして、後方板群GRRを構成する複数枚のターゲット材料板20bのうちの少なくとも一部、具体的には最大ターゲット20gよりも後方のターゲット材料板20bは、並び順の前方側から後方側に向って直径が減少するように配列されている。言い換えると、最前方ターゲット20cから最大ターゲット20gまでは、前方側から後方側に向って、直径の小さなターゲット材料板20から順に配列されている。そして、最大ターゲット20gから最後方ターゲット20fまでは、前方側から後方側に向って、直径の大きなターゲット材料板20から順に配列されている。また、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20aの枚数は、後方板群GRRを構成するターゲット材料板20bの枚数よりも少ない。
本実施形態のターゲット材料板20の集合体は、2個の円錐台を組み合わせた形状、より詳細には、2個の円錐台の頂面を前方および後方にそれぞれ反対向きにして底面どうしを接合した形状をなしている。ターゲット材料板20の直径は、最前方ターゲット20cから境界ターゲット20eまで単調に増大し、そして最大ターゲット20gから最後方ターゲット20fまで単調に減少している。総てのターゲット材料板20はそれぞれ円盤状をなし、中心軸は一直線上に並んでいる。
隣接するターゲット材料板20どうしの間の空隙部Vの幅寸法Wは均一であり、またターゲット材料板20の板厚も全枚数に亘って均一となっている。本実施形態では、最大ターゲット20gよりも前方側と後方側でターゲット材料板20は鏡面対称に配列されている。
図4(a)に示す本実施形態において、前方板群GRFを構成するターゲット材料板20a(すなわち少なくとも一部のターゲット材料板20)は、その直径が前方側から後方側に向って拡大するように配列されている。このように後方側に向って拡大するターゲット材料板20の形状は、後述する実施例4および5にて説明するように、粒子ビームがターゲット材料板20に照射されて発生する制動放射光子の拡がり形状に沿った形状である。具体的には、制動放射光子の拡がり形状は、粒子ビームが入射する前方側において、前方側から後方側に向って拡幅する形状である。そして、粒子ビームが入射する前方側に位置する複数枚のターゲット材料板20aは、前方側から後方側に向って直径が増大するように配列されている。
このように、制動放射光子の形状に対応するようにターゲット材料板20の直径を前後方向の場所ごとに設定することで、粒子ビームが入射するターゲット材料板20の中心軸上から径方向の外側に緩やかに広がる制動放射光子を有効に利用して核反応を発生させることができる。
制動放射光子の拡がり形状は、より詳細には、最大幅部が前方側に偏って形成された紡錘形状、すなわち後方に横倒しにしたロウソクの炎のような形状をなしている。後方側を先端とする矢尻型と表現することもできる。そして、最大幅部よりも後方側において制動放射光子は縮幅する形状となる。一方、図4(b)に示す本実施形態の変形例においては、少なくとも一部のターゲット材料板20(ターゲット材料板20a)が、直径が前方側から後方側に向って、拡大したのちに縮小するように配列されている。そして、最大ターゲット20gよりも後方側において、ターゲット材料板20bは直径が緩やかに減少するように配列されている。
本変形例におけるターゲット材料板20の集合体は、最大ターゲット20gは前後方向の中央よりも前方側(図4(b)における左方)に偏った位置に配置されている点で第三実施形態(図4(a)参照)と相違する。このように直径が異なるターゲット材料板20を順に配列することで、ターゲット材料板20の集合体の形状を、ターゲット材料板20の内部における制動放射光子の密度分布の形状に、より高い精度で一致させることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
以下、100Mo(γ,n)99Mo反応によりモリブデン99を製造するためのターゲット材料板の寸法を決定する方法を例示する。
粒子ビームとしては電子線を用い、電子エネルギーを40MeV、ビーム出力を100kW(ビーム平均電流を2.5mA)、ビーム直径を15mmとした。
ターゲット材料板は、100Moをターゲット物質とし、直径Φ=15mmの円盤形状とした。ターゲット物質(金属100Mo)のトータル質量を100gとした。
以上の条件で、ターゲット材料板である100Mo円板の厚さの最適化計算を行った。具体的な解析手法としては、モンテカルロシミュレーションを用い、ターゲット材料板の厚さを変化させたときの各ターゲット材料板の発熱量と制動放射光子の密度分布を計算し、発熱量が水冷能力の上限を超えないよう、ターゲット材料板の厚さの組合せを計算した。直径Φ=15mmの円盤状のターゲット材料板の両面を、冷却水が通過する幅寸法を1mmとして冷却水で水冷する場合、ターゲット材料板の1枚あたりの水冷能力の上限は約1kWとなる。
電子線EBが入射する上流側(前方側)のターゲット材料板の厚みができるだけ大きくなる方が、高いエネルギーの電子線および制動放射光子とターゲット材料板とが衝突するため、得られる放射性核種の収量は高くなる。しかしながら、ターゲット材料板の厚みを過大に大きくすると冷却水による水冷能力を超えて熱制御が不可能となる。
計算の結果、33枚のターゲット材料板に分割し、各板を下表1の厚み寸法とすることで、上記の条件下でモリブデン99を最も効率よく製造できることが分かった。表1の上段は、前方側から後方側に向って配列されるターゲット材料板の順番と、各板の厚さを示す。そして下段の数字は、各ターゲット材料板における、ターゲット物質の質量あたり、かつビーム1電子あたりにおける、99Mo原子の収量[N/source/g]である。Nは生成する99Mo原子数であり、sourceは電子ビームの入射電子数であり、gはターゲット物質(100Mo)の質量である。
なお、表1に示すターゲット材料板の配列は、図3(a)に示した第二実施形態のターゲット材料板20に対応するものである。
上記の解析により、33枚のターゲット材料板におけるモリブデン99の収量を合計することで、実施例1の全体における99Mo原子の収量[N/source/g]は、1.1×10−5と求められた。
また、実施例1のターゲット材料板における10MeVから20MeVのエネルギーの制動放射光子の密度分布をターゲット材料板の中心断面でプロットした図を、図5および図6に示す。10MeVから20MeVの光子エネルギーは、100Mo(γ,n)99Mo反応を起こすのに適している。制動放射光子の密度は、核反応が起こる回数、すなわち目的とする放射性核種の収量に比例する。図6は、制動放射光子の密度(フルエンス)ごとの濃淡表示を図5から変更しただけのものであり、制動放射光子の分布形状は図5と図6とで同じものを表している。図5および図6のそれぞれにおいて色の濃い範囲が、制動放射光子の密度(フルエンス)が高く、目的の放射性核種を効率良く製造できる範囲となる。
(実施例2)
実施例1から一部のパラメータを変化させて同様の解析を行った。
電子線のビーム直径を30mmとし、ターゲット材料板の直径Φ=30mmとし、ターゲット物質(金属100Mo)のトータル質量を300gとした点を除き、実施例1と共通とした。なお、直径Φ=30mmの円盤状のターゲット材料板の両面を、冷却水が通過する幅寸法を1mmとして冷却水で水冷する場合、ターゲット材料板の1枚あたりの水冷能力の上限は約3.7kWとなる。発熱量が水冷能力の上限を超えないよう、ターゲット材料板の厚さの組合せを計算した。
計算の結果、16枚のターゲット材料板に分割し、各板を下表2の厚さとすることで、上記の条件下でモリブデン99を最も効率よく製造できることが分かった。表2の上段は、前方側から後方側に向って配列されるターゲット材料板の順番と各板の厚さを示す。下段の数字は、各ターゲット材料板における99Mo原子の収量[N/source/g]を示す。
なお、表2に示すターゲット材料板の配列は、図3(b)に示した第二実施形態の変形例にかかるターゲット材料板20に対応するものである。
上記の解析により、16枚のターゲット材料板におけるモリブデン99の収量を合計することで、実施例2の全体における99Mo原子の収量[N/source/g]は、7.0×10−6と求められた。
図7は、実施例2のターゲット材料板における10MeVから20MeVのエネルギーの制動放射光子の密度分布をターゲット材料板の中心断面でプロットした図である。図8は、制動放射光子の密度(フルエンス)ごとの濃淡表示を図7から変更しただけのものであり、制動放射光子の分布形状は図7と図8とで同じものを表している。
(実施例3)
ターゲット材料板の板厚を、図1(a)に示すように2種類のみの組み合わせとした点を除き、実施例2と同様の条件で解析を行った。解析の結果、ターゲット材料板の板厚と枚数の組み合わせとして、上流側(前方板群GRF)に板厚0.8mmのターゲット材料板20aを14枚、下流側(後方板群GRR)に板厚2.0mmのターゲット材料板20bを16枚とすることで、モリブデン99を最も効率よく製造できることが分かった。
計算の結果から、実施例3のターゲット材料板の全体における99Mo原子の収量[N/source/g]は、6.6×10−6と求められた。
図9は、実施例3のターゲット材料板における10MeVから20MeVのエネルギーの制動放射光子の密度分布をターゲット材料板の中心断面でプロットした図である。図10は、制動放射光子の密度(フルエンス)ごとの濃淡表示を図9から変更しただけのものであり、制動放射光子の分布形状は図9と図10とで同じものを表している。
図7および図9に示すように、制動放射光子の密度が最大となるのはターゲット材料板の最前方位置ではなく、それよりも数枚分だけ内側のターゲット材料板において発生していることが分かる。これは、粒子ビームには透過力があるため、最前方のみならずそこから数枚分に亘るターゲット材料板において粒子ビーム(電子線EB)の進行が急激に曲げられて制動放射が発生して光子が発生し、上記数枚分だけ内側のターゲット材料板において制動放射光子の密度が最大になっているためと考えられる。このため、最前方ターゲット20c(図3(a)および図3(b)参照)での発熱量は最大ではなく、最前方位置から数枚目のターゲット材料板20aにおいて発熱量が最大となる。よって上記の表1や表2に示したように、実施例1では6〜10枚目、実施例2では6枚目におけるターゲット材料板の板厚を最小として空隙効率を大きくし、1枚目のターゲット材料板の板厚はこれよりも大きくしている。
(比較例1)
総てのターゲット材料板の板厚を均一にした点を除き、実施例2と共通の条件で解析を行った。この結果、ターゲット材料板を53枚に分割し、各板厚を0.83mmとすることで、モリブデン99を最も効率よく製造できることが分かった。
計算の結果から、比較例1のターゲット材料板の全体における99Mo原子の収量[N/source/g]は、6.1×10−6と求められた。
図11は、比較例1のターゲット材料板における10MeVから20MeVのエネルギーの制動放射光子の密度分布をターゲット材料板の中心断面でプロットした図である。図12は、制動放射光子の密度(フルエンス)ごとの濃淡表示を図11から変更しただけのものであり、制動放射光子の分布形状は図11と図12とで同じものを表している。
実施例2および3と比較例1とを対比すると、比較例1におけるモリブデン99の収量を基準として、実施例2の収率は114%、実施例3の収率は108%に上ることが分かった。これにより、ターゲット物質の使用量を共通(300g)としながらも、ターゲット材料板の板厚を場所ごとに相違させ、具体的には前方板群GRFにおける平均板厚を後方板群GRRにおける平均板厚よりも小さくするだけで、放射性核種を効率的に製造できることが分かった。
(実施例4)
図6、図8、図10および図12に示したように、制動放射光子の密度分布は、粒子ビームの下流側(各図における右方)に向かって広がる傾向があることが分かった。また、特に制動放射光子の密度の高い部分は、下流側に横倒しにしたロウソクの炎のような紡錘形状となった。
そこでターゲット材料板の円板の直径を、制動放射光子の密度の高い領域の分布形状にフィットさせることを試みた。
具体的には、図4(a)に示したように40枚のターゲット材料板の直径を前方側から後方側に向って増大させたのちに減少させ、円錐台を2個あわせた形状とした。その他の条件を実施例1と共通として解析を行った。
この結果、図13および図14に示すように、制動放射光子の密度分布が高い濃色の領域をターゲット材料板の集合体の形状と略一致させることできた。図13は、実施例4のターゲット材料板における10MeVから20MeVのエネルギーの制動放射光子の密度分布をターゲット材料板の中心断面でプロットした図である。図14は、制動放射光子の密度(フルエンス)ごとの濃淡表示を図13から変更しただけのものである。具体的には、最前方ターゲット20cの直径Φを15mm、最大ターゲット20gの直径Φを34mmとした(図4(a)参照)。
実施例4の全体における99Mo原子の収量[N/source/g]は、1.0×10−5という高い値となった。
これにより、実施例4のターゲット材料板によれば、より少ないターゲット物質でより多くの放射性核種を製造することが可能になることが分かった。これは、ターゲット材料板の直径Φを電子ビームの直径よりも過大にしてターゲット物質の使用量を過剰にすることがなく、また逆にターゲット材料板の直径Φを電子ビームの直径よりも過小にして外側の制動放射光子を無駄にすることもないためである。
(実施例5)
図4(b)に示したように、40枚のターゲット材料板の集合体の形状を、後方に横倒しにしたロウソクの炎のような、最大幅部が前方側に偏った紡錘形状とした点を除き、実施例4と共通の条件で解析を行った。その結果、図15および図16に示すように、制動放射光子の密度分布が高い濃色の領域をターゲット材料板の集合体の形状と良好に一致させることできた。図15は、実施例5のターゲット材料板における10MeVから20MeVのエネルギーの制動放射光子の密度分布をターゲット材料板の中心断面でプロットした図である。図16は、制動放射光子の密度(フルエンス)ごとの濃淡表示を図15から変更しただけのものである。具体的には、最前方ターゲット20cの直径Φを15mmで最小とし、最大ターゲット20gの直径Φを30mmとした(図4(b)参照)。
実施例5の全体における99Mo原子の収量[N/source/g]もまた、1.2×10−5という高い値となった。
(比較例2)
直径Φを30mmに固定してターゲット材料板を円柱状に配列した点を除き、実施例4および実施例5と共通の条件で解析を行った。その結果、図17および図18に示すように、ターゲット材料板の上流側(各図の左側)において、制動放射光子がほぼ通過しない領域が発生し、ターゲット物質が無駄になっていることが確認された。図17は、比較例2のターゲット材料板における10MeVから20MeVのエネルギーの制動放射光子の密度分布をターゲット材料板の中心断面でプロットした図である。図18は、制動放射光子の密度(フルエンス)ごとの濃淡表示を図17から変更しただけのものである。言い換えると、同じ使用量のターゲット物質で比較した場合、比較例2は実施例4や実施例5に比べて99Mo原子の収量が低くなると予想される。
そして実際に、比較例4の全体における99Mo原子の収量[N/source/g]は、7.7×10−6という低い値となった。
実施例4および5と比較例2とを対比すると、比較例2におけるモリブデン99の収量を基準として、実施例4の収率は130%、実施例5の収率は実に156%に上ることが分かった。これにより、ターゲット物質の使用量を共通(300g)としながらも、ターゲット材料板の直径を場所ごとに相違させ、制動放射光子の密度の高い領域の拡がり形状にフィットさせるようにターゲット材料板の集合体の外形形状を設定することで、放射性核種を効率的に製造できることが分かった。
(実施例6)
上述したように、電子線加速器で制動放射による光子を発生させるときには、原子番号および密度が大きく制動放射の発生効率が良い金属元素からなるコンバーターが一般に用いられる。これは(γ,x)反応全般によって放射性核種を製造する場合でも同様である。
これに対し、大量に放射性核種を製造する場合には、1回の照射で使うターゲット物質の量が多いため、粒子ビームの進行方向に装填されるターゲット材料板の合計厚みが充分に厚くなる。このため、コンバーターを省略して、ターゲット材料板がコンバーターを兼用しても、トータルの放射性核種の収量にはさほど影響が出ないことが予想される。
これを実証するため、上記の実施例1の条件にて、コンバーターが有る場合とコンバーターが無い場合とで、99Mo収量を計算した。コンバーターはタングステン製で厚み寸法を2.0mmとした。
計算の結果を下表3および図19に示す。表3の上段はコンバーター無しの場合の各ターゲット材料板における99Mo原子の収量[N/source/g]を示し、下段はコンバーター有りの場合の各ターゲット材料板における99Mo原子の収量[N/source/g]を示す。また、図19の横軸は前方側から数えたターゲット材料板の番号を表し、縦軸は各ターゲット材料板における99Mo原子の収量[N/source/g]を表す。
コンバーターが有る場合は、コンバーター直後のターゲットの収量が向上し、前方側に位置する12枚目のターゲット材料板において収量が最大となった。これに対し、コンバーターが無い場合は、5枚目のターゲット材料板において、コンバーターが有る場合の1枚目の収量を超える収量が初めて得られた。そしてコンバーターが無い場合、15枚目および17枚目のターゲット材料板において収量が最大となった。
しかしながら、コンバーターが有る場合の全体の収量[N/source/g]が1.0×10−5であるのに対し、コンバーターが無い場合の全体の収量[N/source/g]は1.1×10−5となり、ターゲット全体のトータル収量として大きな差は見られなかった。すなわち、コンバーターの有無により、図19にも示されるように収量が最大になるターゲット材料板の位置が前後方向にずれるだけで、トータル収量の差は大きくないことが分かった。
このため、コンバーターを不要とし、コンバーターの冷却やメンテナンスを省くことが有効であることが確認された。
以上、本発明を実施形態および実施例に基づいて説明した。ただし本発明は上記の実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
たとえば、実施例1から実施例3では前方板群GRFのターゲット材料板20aと後方板群GRRのターゲット材料板20bとの平均厚さを相違させることを説明し、実施例4および実施例5では前方板群GRFのターゲット材料板20aと後方板群GRRのターゲット材料板20bとで直径を相違させることを説明した。
上記実施形態および実施例は以下の技術思想を包含するものである。
(1)放射性核種を生成するための互いに重ね合わされて配列された複数枚のターゲット材料板を備え、粒子ビームが前記ターゲット材料板に照射されることにより放射性核種を生成させるターゲット装置であって、前記粒子ビームが入射する前方側に位置する複数枚の前記ターゲット材料板により構成される前方板群と、前記前方側と反対側の後方側に位置する複数枚の前記ターゲット材料板により構成される後方板群と、を有し、前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径または平均厚みが、前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径または平均厚みよりも小さいことを特徴とするターゲット装置。
(2)前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の平均厚みが、前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板の平均厚みよりも小さくなっており、かつ前記前方板群は、前記ターゲット材料板の全枚数の平均厚み未満の厚みを有する前記ターゲット材料板で構成され、前記後方板群は、前記ターゲット材料板の全枚数の平均厚み以上の厚みを有する前記ターゲット材料板で構成されているとともに、前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の枚数が、前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板の枚数よりも少ないことを特徴とする上記(1)に記載のターゲット装置。
(3)隣り合う前記ターゲット材料板どうしの間に空隙部を設けて前記ターゲット材料板を保持する保持フレームを備える上記(1)または(2)に記載のターゲット装置。
(4)前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の厚みに対する、当該ターゲット材料板と隣り合う他の前記ターゲット材料板との間の前記空隙部の幅寸法の比率が、前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板にかかる前記比率よりも大きい上記(3)に記載のターゲット装置。
(5)複数枚の前記ターゲット材料板は、前記前方板群から前記後方板群に亘って厚みが単調に増大するように配列されている上記(1)から(4)のいずれか一項に記載のターゲット装置。
(6)前記前方板群に含まれる複数枚の前記ターゲット材料板は、並び順の前方側から後方側に向って板厚が減少したのちに増大するように配列されている上記(1)から(4)のいずれか一項に記載のターゲット装置。
(7)前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径が、前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径よりも小さくなっており、かつ前記前方板群における最前方位置の前記ターゲット材料板の直径が、前記ターゲット材料板の全枚数中の最大直径よりも小さい上記(1)から(6)のいずれか一項に記載のターゲット装置。
(8)前記前方板群を構成する複数枚の前記ターゲット材料板のうちの少なくとも一部は、並び順の前方側から後方側に向って直径が増大するように配列されており、前記後方板群を構成する複数枚の前記ターゲット材料板のうちの少なくとも一部は、並び順の前方側から後方側に向って直径が減少するように配列されている上記(7)に記載のターゲット装置。
(9)前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の厚みが0.2mm以上10mm以下である上記(1)から(8)のいずれか一項に記載のターゲット装置。
(10)前記前方板群および前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径がいずれも10mm以上50mm以下である上記(1)から(9)のいずれか一項に記載のターゲット装置。
(11)上記(1)から(10)のいずれか一項に記載のターゲット装置と、前記粒子ビームを生成する加速器と、前記粒子ビームを前記ターゲット材料板に照射して生成された前記放射性核種を前記ターゲット装置から取り出す抽出部と、を備える放射性核種製造装置。
(12)ターゲット材料板に粒子ビームを照射することにより放射性核種を生成する方法であって、複数枚の前記ターゲット材料板が互いに重ね合わされて配列され、隣り合う前記ターゲット材料板どうしの間に空隙部が設けられており、前記空隙部に冷却材を流しながら前記粒子ビームを前記ターゲット材料板に入射させ、前記粒子ビームが入射する前方側に位置する複数枚の前記ターゲット材料板により構成される前方板群と、前記前方側と反対側の後方側に位置する複数枚の前記ターゲット材料板により構成される後方板群と、を仮定したとき、前記前方板群に属する前記ターゲット材料板の平均厚みに対する当該ターゲット材料板に隣接する前記空隙部の幅寸法の比率が、前記後方板群に属する前記ターゲット材料板にかかる前記比率よりも大きくなっていることを特徴とする放射性核種の製造方法。
(13)ターゲット材料板に粒子ビームを照射することにより放射性核種を生成する方法であって、複数枚の前記ターゲット材料板が互いに重ね合わされて配列され、隣り合う前記ターゲット材料板どうしの間に空隙部が設けられており、前記空隙部に冷却材を流しながら前記粒子ビームを前記ターゲット材料板に入射させ、少なくとも一部の前記ターゲット材料板が、前記粒子ビームが当該ターゲット材料板に照射されて発生する制動放射光子の拡がり形状に沿って前記ターゲット材料板の直径が前方側から後方側に向って拡大するように配列されていることを特徴とする放射性核種の製造方法。
(14)制動放射光子の前記拡がり形状が、前記粒子ビームが入射する前方側において、前方側から後方側に向って拡幅する形状であり、前記粒子ビームが入射する前方側に位置する複数枚の前記ターゲット材料板は、前方側から後方側に向って直径が増大するように配列されている上記(13)に記載の放射性核種の製造方法。
(15)前記制動放射光子の前記拡がり形状が、最大幅部が前記前方側に偏って形成された紡錘形状であり、少なくとも一部の前記ターゲット材料板は、直径が前方側から後方側に向って、拡大したのちに縮小するように配列されている上記(14)に記載の放射性核種の製造方法。
10 ターゲット装置
20、20a、20b ターゲット材料板
20c 最前方ターゲット
20d 最薄ターゲット
20e 境界ターゲット
20f 最後方ターゲット
20g 最大ターゲット
30 保持フレーム
50 冷却装置
52 熱交換器
54 給水路
60 加速器
62 加速空洞
70 抽出部
72 処理液
80 再生処理部
100 放射性核種製造装置
BS 制動放射光子
CW 冷却水
EB 電子線
GRF 前方板群
GRR 後方板群
V 空隙部
W 幅寸法

Claims (11)

  1. 放射性核種を生成するための互いに重ね合わされて配列された複数枚のターゲット材料板を備え、粒子ビームが前記ターゲット材料板に照射されることにより放射性核種を生成させるターゲット装置であって、
    前記ターゲット材料板はターゲット物質を板状に形成したものであり、
    前記粒子ビームが入射する前方側に位置する複数枚の前記ターゲット材料板により構成される前方板群と、前記前方側と反対側の後方側に位置する複数枚の前記ターゲット材料板により構成される後方板群と、を有し、
    前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板および前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板にかかる前記ターゲット物質が共通の金属であり、
    前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径または平均厚みが、前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径または平均厚みよりも小さいことを特徴とするターゲット装置。
  2. 前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の平均厚みが、前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板の平均厚みよりも小さくなっており、かつ
    前記前方板群は、前記ターゲット材料板の全枚数の平均厚み未満の厚みを有する前記ターゲット材料板で構成され、
    前記後方板群は、前記ターゲット材料板の全枚数の平均厚み以上の厚みを有する前記ターゲット材料板で構成されているとともに、
    前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の枚数が、前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板の枚数よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載のターゲット装置。
  3. 隣り合う前記ターゲット材料板どうしの間に空隙部を設けて前記ターゲット材料板を保持する保持フレームを備える請求項1または2に記載のターゲット装置。
  4. 前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の厚みに対する、当該ターゲット材料板と隣り合う他の前記ターゲット材料板との間の前記空隙部の幅寸法の比率が、前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板にかかる前記比率よりも大きい請求項3に記載のターゲット装置。
  5. 複数枚の前記ターゲット材料板は、前記前方板群から前記後方板群に亘って厚みが単調に増大するように配列されている請求項1から4のいずれか一項に記載のターゲット装置。
  6. 前記前方板群に含まれる複数枚の前記ターゲット材料板は、並び順の前方側から後方側に向って板厚が減少したのちに増大するように配列されている請求項1から4のいずれか一項に記載のターゲット装置。
  7. 前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径が、前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径よりも小さくなっており、かつ
    前記前方板群における最前方位置の前記ターゲット材料板の直径が、前記ターゲット材料板の全枚数中の最大直径よりも小さい請求項1から6のいずれか一項に記載のターゲット装置。
  8. 前記前方板群を構成する複数枚の前記ターゲット材料板のうちの少なくとも一部は、並び順の前方側から後方側に向って直径が増大するように配列されており、
    前記後方板群を構成する複数枚の前記ターゲット材料板のうちの少なくとも一部は、並び順の前方側から後方側に向って直径が減少するように配列されている請求項7に記載のターゲット装置。
  9. 前記前方板群を構成する前記ターゲット材料板の厚みが0.2mm以上10mm以下である請求項1から8のいずれか一項に記載のターゲット装置。
  10. 前記前方板群および前記後方板群を構成する前記ターゲット材料板の直径がいずれも10mm以上50mm以下である請求項1から9のいずれか一項に記載のターゲット装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のターゲット装置と、
    前記粒子ビームを生成する加速器と、
    前記粒子ビームを前記ターゲット材料板に照射して生成された前記放射性核種を前記ターゲット装置から取り出す抽出部と、を備える放射性核種製造装置。
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