JP6429451B2 - 放射性核種製造システムおよび放射性核種製造方法 - Google Patents

放射性核種製造システムおよび放射性核種製造方法 Download PDF

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本発明は、放射性核種製造システムおよび放射性核種製造方法に関する。
例えば、SPECT(Single photon emission computed tomography:単一光子放射断層撮影)装置は、放射性核種(例えば、テクネチウム99m(Tc-99m))と疾病部に集積しやすい性質を有する薬剤とを結合させた核診断用薬剤を被検体に投与して、放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)をカメラ(ガンマカメラ)で検知して画像化することにより、疾病の検査を行う装置である。ちなみに、準安定状態(meta stable)のテクネチウム99m(Tc-99m)は、基底状態(ground state)のテクネチウム99(Tc-99)に核異性体転移する際、ガンマ線を放出する。
テクネチウム99m(Tc-99m)は親核種の放射性核種であるモリブデン99(Mo-99)がベータ崩壊して生じる子孫核種(娘核種)であることから、テクネチウム99m(Tc-99m)を用いる核診断用薬剤の原料としてモリブデン99(Mo-99)が用いられる。この場合、モリブデン99(Mo-99)を保有しておき、モリブデン99(Mo-99)からベータ崩壊により生じたテクネチウム99m(Tc-99m)を生理食塩水によって溶出・回収(ミルキング)し、回収したテクネチウム99m(Tc-99m)を核診断用薬剤に用いている。
従来、モリブデン99(Mo-99)の製造方法は、原子炉内に高濃度または低濃度のウラニウム235(U-235)を挿入して、ウラニウム235(U-235)に中性子照射を行い、ウラニウム235(U-235)の核分裂により生成した核分裂生成物からモリブデン99(Mo-99)を分離回収し、精製することにより、モリブデン99(Mo-99)を製造している。なお、このような核分裂反応を用いたモリブデン99(Mo-99)の製造方法は、「核分裂法」と呼ばれている。
このような原子炉を利用したモリブデン99(Mo-99)の製造施設は、世界中を見ても少数であり、かつ、偏在している。また、モリブデン99(Mo-99)の半減期は約66時間であり、テクネチウム99m(Tc-99m)の半減期は約6時間であるため、モリブデン99(Mo-99)およびテクネチウム99m(Tc-99m)の長期間の貯蔵は不可能である。このため、モリブデン99(Mo-99)の製造施設を持たない国々は、航空機による輸入に頼っており、安定供給に関して課題がある。また、原子炉を利用したモリブデン99(Mo-99)の製造施設においても、原子炉の老朽化をはじめとする施設運転に関するリスクがあり、やはり、安定供給に関して課題がある。
日本においては、商業炉(発電炉)、試験炉(研究炉)等の原子炉は多数存在するが、いずれの原子炉においてもモリブデン99(Mo-99)の製造は行っておらず、100%輸入に頼っている。また、原子炉事故の危険性や、原子炉を利用した製造設備には多大な投資及び維持費がかかることなどから、原子炉を利用したモリブデン99(Mo-99)の日本国内での製造に関して、具体的進展がない。
一方、核分裂反応を利用しないモリブデン99(Mo-99)の製造方法(放射性核種製造方法)に関して、広く研究が進められている。
まず、第一の放射性核種製造方法には、中性子によるモリブデン98(Mo-98)の放射化法[98Mo(n,γ)99Mo]がある。本反応は、中性子源を提供できればよいことから、原子炉内の中性子だけではなく、加速器によって生成する中性子を利用することが可能である。また、加速器によって生成する中性子を利用する放射性核種の製造方法として、第二の放射性核種製造方法には、モリブデン100(Mo-100)と中性子の反応を利用する方法[100Mo(n,2n)99Mo]がある。
さらに、加速器を利用する放射性核種の製造方法として、第三の放射性核種製造方法には、モリブデン100(Mo-100)に加速器で加速した陽子を照射する方法[100Mo(p,pn)99Moまたは100Mo(p,2n)99mTc]がある(特許文献1参照)。
第一〜第三の放射性核種製造方法のような加速器を利用する放射性核種の製造方法は、従来の核分裂反応を利用する(原子炉を利用する)放射性核種の製造方法の課題である原子炉事故の危険性や、原子炉を利用した製造設備には多大な投資及び維持費がかかる等の課題が、解決可能なことが期待できる。
国際公開第2011/132265号
しかしながら、第一および第二の放射性核種製造方法は、加速器によって生成する中性子(例えば、加速器で加速した40MeV重陽子を炭素ターゲットに照射することにより発生する中性子)を利用するため、大型の加速器(重粒子加速器)が必要となる。また、中性子が照射されるモリブデン98(Mo-98)またはモリブデン100(Mo-100)ターゲットの周囲に、大きな遮蔽体を設置する必要がある。このため、放射性核種製造装置全体が大型化してしまうという課題がある。
また、第一および第二の放射性核種製造方法は、従来の核分裂反応を利用する放射性核種製造方法と比較して、いずれも収率が低いという課題がある。また、必要とするモリブデン99(Mo-99)に対して未反応のモリブデン98(Mo-98)またはモリブデン100(Mo-100)が多く存在することから、比放射能が低いという課題がある。このため、従来の原子炉を利用する製造設備で確立していた精製技術が適用できない等の課題もある。但し、精製技術に関しては、前述の加速器を利用する放射性核種製造方法に対する精製技術も開発されてきており、核診断用薬剤の原料として最終的に必要なテクネチウム99m(Tc-99m)を得ることも可能となってきている。
また、第三の放射性核種製造方法は、陽子を加速する中型の加速器(陽子加速器)が必要となる。このため、放射性核種製造装置全体の小型化には限界があるという課題がある。
また、第三の放射性核種製造方法は、モリブデン100(Mo-100)に加速した陽子を照射した場合、モリブデン99(Mo-99)およびテクネチウム99m(Tc-99m)が生成するとともに、基底状態(ground state)のテクネチウム99(Tc-99)も生成[100Mo(p,2n)99Tc]されてしまう。このため、原理的に、比放射能の高いテクネチウム99m(Tc-99m)を得ることができないという課題がある。
そこで、本発明は、小型軽量な装置で効率よく放射性核種を製造することが可能な放射性核種製造システムおよび放射性核種製造方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明に係る放射性核種製造システムは、原料核種を含み、制動放射線発生用ターゲットを兼ねる制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料に、電子線加速器によって加速された電子を照し、制動放射線発生用ターゲットから発生した制動放射線を放射性核種製造用原料に照射し、前記制動放射線の照射により中性子を発生させる(γ,n)反応によって、放射性核種を生成させると共に、前記電子線加速器からの電子を前記制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料に照射することにより前記放射性核種を含む放射性核種製造物を加熱する放射性核種生成部と、前記放射性核種生成部によって加熱された前記放射性核種製造物に流入ガスを流入させることにより、前記放射性核種生成部が生成した前記放射性核種から必要な放射性核種を含む放射性核種製造物を気体状態として分離精製する放射性核種精製部と、前記必要な放射性核種の頒布予約情報に基づいて、前記放射性核種生成部及び前記放射性核種精製部を制御する制御システムと、を備え、前記放射性核種生成部によって生成される前記放射性核種の放射性崩壊によって、前記必要な放射性核種が少なくとも生成され、前記放射性核種生成部によって生成される前記放射性核種の半減期よりも、前記必要な放射性核種の半減期の方が短く、前記制御システムは、前記放射性核種生成部によって生成される前記放射性核種から前記必要な放射性核種を含む前記放射性核種製造物を気体状態として分離精製する処理が、当該必要な放射性核種の放射能量の飽和時に行われるように、前記放射性核種精製部を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る放射性核種製造方法は、原料核種を含み、制動放射線発生用ターゲットを兼ねる制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料に照射することで、制動放射線発生用ターゲットから制動放射線を発生させる制動放射線発生ステップと、前記制動放射線を前記制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料に含まれる放射性核種製造用原料に照射する制動放射線照射ステップと、前記制動放射線の照射により中性子を発生させる(γ,n)反応によって、放射性核種を生成させると共に、前記電子線加速器からの電子を前記制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料に照射することにより前記放射性核種を含む放射性核種製造物を加熱する放射性核種生成ステップと、前記放射性核種生成ステップにおいて加熱された前記放射性核種製造物に流入ガスを流入させることにより、前記放射性核種生成ステップにおいて生成した前記放射性核種から必要な放射性核種を含む放射性核種製造物を気体状態として分離精製する放射性核種精製ステップと、を実行し、制御システムが、前記必要な放射性核種の頒布予約情報に基づいて、前記放射性核種生成ステップ及び前記放射性核種精製ステップを実行し、前記放射性核種生成ステップによって生成される前記放射性核種の放射性崩壊によって、前記必要な放射性核種が少なくとも生成され、前記放射性核種生成ステップによって生成される前記放射性核種の半減期よりも、前記必要な放射性核種の半減期の方が短く、前記制御システムは、前記放射性核種生成ステップによって生成される前記放射性核種から前記必要な放射性核種を含む前記放射性核種製造物を気体状態として分離精製する前記放射性核種精製ステップが、当該必要な放射性核種の放射能量の飽和時に行われるようにすることを特徴とする。
本発明によれば、小型軽量な装置で効率よく放射性核種を製造することが可能な放射性核種製造装置、放射性核種製造システムおよび放射性核種製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る放射性核種製造装置および放射性核種製造システムの構成模式図である。 モリブデン100(Mo-100)にガンマ線を照射して中性子を発生させる(γ,n)反応においてガンマ線エネルギと反応断面積との関係を示すグラフである。 (a)は制動放射線照射開始からの時間とモリブデン99(Mo-99)の放射能量(相対値)との関係を示すグラフであり、(b)は制動放射線照射開始からの時間とテクネチウム99m(Tc-99m)の放射能量(相対値)との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る放射性核種製造装置の放射性核種生成部の構成模式図である。 第3実施形態に係る放射性核種製造装置の構成模式図である。 第4実施形態に係る放射性核種製造装置の構成模式図である。 第5実施形態に係る放射性核種製造装置の放射性核種生成部の構成模式図である。 第6実施形態に係る放射性核種製造装置の構成模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
≪第1実施形態≫
第1実施形態に係る放射性核種製造装置1および放射性核種製造システムSについて、図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る放射性核種製造装置1および放射性核種製造システムSの構成模式図である。
図1に示すように、放射性核種製造システムSは、放射性核種製造装置1と、製造核種頒布システム8と、放射性核種製造装置用制御システム9と、を備えている。また、放射性核種製造装置1は、電子線加速器2、制動放射線発生用ターゲット4および放射性核種製造用原料6からなる放射性核種生成部1aと、放射性核種精製部7と、を備えている。
電子線加速器2は、電子を加速して、加速された電子を電子線3として放出する加速器である。電子は陽子や重粒子(重陽子など)と比較して質量が小さいため、同じ加速エネルギであれば、電子線加速器2は、前述の第一および第二の放射性核種製造方法に用いる重粒子を加速する重粒子加速器(大型の加速器)や、前述の第三の放射性核種製造方法に用いる陽子を加速する陽子加速器(中型の加速器)と比較して、小型化することができる。
電子線加速器2で加速された電子線3は、制動放射線発生用ターゲット4に照射される。高速の電子線3が制動放射線発生用ターゲット4と衝突すると、制動放射(制動輻射)により、制動放射線5が発生する。制動放射線発生用ターゲット4から放出された制動放射線5は、放射性核種製造用原料6に照射される。なお、制動放射線5は、発生機構からみればX線に属するものであるが、X線とガンマ線とは発生機構が相違するものであり、放射線(電磁波)としての差異はない。即ち、制動放射線発生用ターゲット4から放射性核種製造用原料6に制動放射線5(ガンマ線)が照射される。
放射性核種製造用原料6は、生成する放射性核種の原料となる原料核種を含む。放射性核種製造用原料6に制動放射線5が照射されると、放射性核種製造用原料6の原料核種は、1個の制動放射線5(γ)の照射により1個の中性子(n)を発生させる(γ,n)反応によって、放射性核種を生成させる。
具体的には、放射性核種製造用原料6の原料核種がモリブデン100(Mo-100)である場合、モリブデン100(Mo-100)に制動放射線5を照射すると(γ,n)反応によって、放射性核種としてモリブデン99(Mo-99)を生成する[100Mo(γ,n)99Mo]。
ここで、(γ,n)反応の反応断面積について図2を用いて説明する。図2は、モリブデン100(Mo-100)にガンマ線を照射して中性子を発生させる(γ,n)反応においてガンマ線エネルギと反応断面積との関係を示すグラフである。
図2に示すように、本反応[100Mo(γ,n)99Mo]は、好適な反応断面積を有しており、前述の第一の放射性核種製造方法[98Mo(n,γ)99Mo]や、前述の第二の放射性核種製造方法[100Mo(n,2n)99Mo]や、前述の第三の放射性核種製造方法[100Mo(p,pn)99Moまたは100Mo(p,2n)99mTc]等の他の反応からモリブデン99(Mo-99)を生成する反応断面積と同程度である。
原料核種としてモリブデン100(Mo-100)を含む放射性核種製造用原料6としては、金属状のモリブデン100(100Mo)または三酸化モリブデン100(100MoO3)を用いることができる。この場合、(γ,n)反応によって、金属状のモリブデン99(99Mo)または三酸化モリブデン99(99MoO3)が生成する。生成した金属状のモリブデン99(99Mo)または三酸化モリブデン99(99MoO3)は、約66時間の半減期で金属状のテクネチウム99m(99mTc)または酸化テクネチウム99m(99mTc27)となる。なお、前述のように、核診断用薬剤に用いる放射性核種はテクネチウム99m(Tc-99m)であり、モリブデン99(Mo-99)はその原料である。
放射性核種精製部7は、(γ,n)反応によって生成されたモリブデン99(Mo-99)(および、放射性核種製造用原料6のモリブデン100(Mo-100))から、モリブデン99(Mo-99)のベータ崩壊により生じる放射性核種であるテクネチウム99m(Tc-99m)を分離回収して、精製する装置である。
ここで、準安定状態(meta stable)のテクネチウム99m(Tc-99m)は、約6時間の半減期で、基底状態(ground state)のテクネチウム99(Tc-99)となる。核診断用薬剤に用いる放射性核種は核異性体転移する際にガンマ線を放出するテクネチウム99m(Tc-99m)であり、テクネチウム99(Tc-99)は核診断用薬剤に必要のない核種である。また、テクネチウム99m(Tc-99m)とテクネチウム99(Tc-99)との分離は困難であり、放射性核種精製部7でテクネチウム99m(Tc-99m)を分離回収する際、テクネチウム99(Tc-99)も分離回収される。このため、テクネチウム99m(Tc-99m)の比放射能が高い状態で、モリブデン99(Mo-99)(および、放射性核種製造用原料6のモリブデン100(Mo-100))から、テクネチウム99m(Tc-99m)を分離回収することが望ましい。
ここで、電子線加速器2から制動放射線発生用ターゲット4に電子線3を照射開始してからの時間、即ち、制動放射線発生用ターゲット4から放射性核種製造用原料6に制動放射線5を照射開始してからの時間と、親核種であるモリブデン99(Mo-99)および子孫核種であるテクネチウム99m(Tc-99m)の放射能量(相対値)との関係について図3を用いて説明する。図3(a)は制動放射線照射開始からの時間とモリブデン99(Mo-99)の放射能量(相対値)との関係を示すグラフであり、図3(b)は制動放射線照射開始からの時間とテクネチウム99m(Tc-99m)の放射能量(相対値)との関係を示すグラフである。
図3(b)に示すように、テクネチウム99m(Tc-99m)の放射能量(相対値)は、比較的短い制動放射線照射時間で飽和に達する。なお、図示は省略するが、テクネチウム99(Tc-99)の量は、時間が経過するほど多くなる。したがって、テクネチウム99m(Tc-99m)の放射能量(相対値)が飽和に達したタイミングで、放射性核種精製部7を用いてモリブデン99(Mo-99)(および、放射性核種製造用原料6のモリブデン100(Mo-100))から、テクネチウム99m(Tc-99m)を分離回収すれば、比放射能の高いテクネチウム99m(Tc-99m)が得られる。
このように、比放射能の高いテクネチウム99m(Tc-99m)を得るためには、製造時間の最適化が必要である。このため、図1に示すように、放射性核種製造システムSは、放射性核種製造装置1と、製造核種頒布システム8と、放射性核種製造装置用制御システム9と、を備えている。
製造核種頒布システム8は、放射性核種であるテクネチウム99m(Tc-99m)の頒布予約情報を有している。放射性核種製造装置用制御システム9は、製造核種頒布システム8からの頒布予約情報に基づいて、放射性核種製造装置1(電子線加速器2および放射性核種精製部7)を制御する。このように、放射性核種製造システムSは、テクネチウム99m(Tc-99m)の頒布予約情報に応じて、比放射能の高いテクネチウム99m(Tc-99m)を製造することができる。
以上のように、第1実施形態に係る放射性核種製造装置1は、他の方法(第一〜第三の放射性核種製造方法)による加速器を利用する放射性核種製造装置と比較して、加速器を小さくすることができ、また、反応断面積が同程度である。このため、第1実施形態に係る放射性核種製造装置1は、放射性核種生成部1aの大きさを小型化することができ、放射性核種製造装置1の装置全体の大きさを小型化することができる。
また、第1実施形態に係る放射性核種製造装置1および放射性核種製造システムSによれば、核診断用薬剤の原料として需要の大きいモリブデン99(Mo-99)やテクネチウム99m(Tc-99m)に代表される半減期の短い放射性核種を、小型軽量な装置で効率よく製造することができる。
また、従来の核分裂法を用いて生成したモリブデン99(Mo-99)からベータ崩壊により生じたテクネチウム99m(Tc-99m)を生理食塩水によって溶出・回収(ミルキング)する方法では、モリブデン99(Mo-99)の状態で空輸されるため、テクネチウム99m(Tc-99m)をミルキングしない状態でも放射性核種を消費し続ける。これに対し、第1実施形態に係る放射性核種製造装置1および放射性核種製造システムSによれば、半減期が約7.8×1018年のモリブデン100(Mo-100)の状態で国内に備蓄しておくことができ、例えば、噴火による空港や空路の閉鎖といったアクシデントが発生しても、安定して放射性核種を供給することができる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る放射性核種製造装置について、図4を用いて説明する。図4は、第2実施形態に係る放射性核種製造装置の放射性核種生成部1aAの構成模式図である。第2実施形態に係る放射性核種製造装置は、第1実施形態に係る放射性核種製造装置1(図1参照)と比較して、第1実施形態の放射性核種生成部1a(図1参照)にかえて、放射性核種生成部1aA(図4参照)を備えている点で異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
図4に示すように、第2実施形態の放射性核種生成部1aAは、電子線加速器2と、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10と、収納容器11と、を備えている。なお、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10は、第1実施形態の制動放射線発生用ターゲット4および放射性核種製造用原料6を兼ねるものである。
電子線加速器2で加速された電子線3は、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10に照射される。高速の電子線3が制動放射線発生用ターゲット4(制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10)と衝突すると、制動放射(制動輻射)により、制動放射線が発生する。制動放射線が発生した位置またはその近傍の位置に放射性核種製造用原料6(制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10)が存在していることから、放射性核種製造用原料6(制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10)中の原料核種と、制動放射線が(γ,n)反応によって放射性核種を生成させる確率が非常に高くなる。
ここで、制動放射線の発生量は、制動放射線発生用ターゲット4(制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10)の原子番号の2乗に比例することが知られている。このため、原子番号が大きい制動放射線発生用ターゲット4(制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10)であるほど、制動放射線の発生量が多くなり、(γ,n)反応によって生成する放射性核種の量も多くなる。
制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10として、金属状のモリブデン100(100Mo)または三酸化モリブデン100(100MoO3)を用いる場合、原子番号が比較的大きいことから、制動放射線の発生量が多くなり、(γ,n)反応によって生成する放射性核種であるモリブデン99(Mo-99)の生成量も多くなる。
制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10は、収納容器11に収納されている。収納容器11は、容器によって電子線3ができるだけ遮蔽されないように、原子番号の小さい薄い材料、例えば、ベリリウムBe等を用いることが望ましい。
また、制動放射線(ガンマ線)は、透過性が高いことから、放射性核種製造用原料6(制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10)の厚さを厚くして、(γ,n)反応に寄与する制動放射線を多くすることが望ましい。第2実施形態では、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10とすることにより、制動放射線発生用ターゲット4と放射性核種製造用原料6とを別にする第1実施形態(図1参照)と比較して、放射性核種製造用原料6(制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10)の厚さを厚くすることができる。また、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10の厚さを厚くすることにより、放射性核種製造用原料6の量を容易に増やすことができる。これにより、第2実施形態の放射性核種生成部1aAは、放射性核種の生成量を増やすことができる。
なお、前記した陽子線を用いる第三の放射性核種製造方法の場合、陽子線の材料中の飛程が短いことから、放射性核種製造用原料の厚さを薄くする必要がある。このため、放射性核種製造用原料の量が少なくなることから、放射性核種の生成量を増やすことが困難である。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態に係る放射性核種製造装置1Bについて、図5を用いて説明する。図5は、第3実施形態に係る放射性核種製造装置1Bの構成模式図である。第3実施形態に係る放射性核種製造装置1Bは、第2実施形態に係る放射性核種製造装置の放射性核種生成部1aA(図4参照)に加え、放射性核種精製部7Bを備えている。
即ち、第3実施形態に係る放射性核種製造装置1Bは、電子線加速器2と、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10と、収納容器11と、放射性核種精製部7Bと、を備えている。なお、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10は、第1実施形態の制動放射線発生用ターゲット4および放射性核種製造用原料6を兼ねるものである。
放射性核種精製部7Bは、流入側配管22と、分離容器23と、流出側配管24と、を有している。流入側配管22は、収納容器11と接続され、流入側配管22から収納容器11に流入ガス21が流入するようになっている。なお、流入ガス21は、酸素ガスまたは酸素ガスと不活性ガス(窒素ガス)の混合ガスを用いる。分離容器23は、配管を介して収納容器11と接続され、収納容器11を通ったガスが分離容器23に流入するようになっている。流出側配管24は、分離容器23と接続され、分離容器23から流出側配管24へ流出ガス25が流出するようになっている。即ち、流入側配管22から流入した流入ガス21は、収納容器11および分離容器23を流れ、流出側配管24から流出ガス25として流出するようになっている。
電子線加速器2で加速された電子線3は、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10に照射される。高速の電子線3が制動放射線発生用ターゲット4(制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10)と衝突すると、制動放射(制動輻射)により、制動放射線が発生する。制動放射線が発生した位置またはその近傍の位置に放射性核種製造用原料6(制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10)が存在していることから、放射性核種製造用原料6(制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10)中の原料核種と、制動放射線が(γ,n)反応によって放射性核種を生成させる。また、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10は、電子線3が照射されることにより加熱される。
制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10として、金属状のモリブデン100(100Mo)または三酸化モリブデン100(100MoO3)を用いる場合、(γ,n)反応によって、金属状のモリブデン99(99Mo)または三酸化モリブデン99(99MoO3)が生成する。生成した金属状のモリブデン99(99Mo)または三酸化モリブデン99(99MoO3)は、約66時間の半減期で金属状のテクネチウム99m(99mTc)または酸化テクネチウム99m(99mTc27)となる。
ここで、第3実施形態に係る放射性核種製造装置1Bは、流入側配管22から酸素ガスまたは酸素ガスと不活性ガスの混合ガスである流入ガス21が収納容器11に供給される。このため、金属状のテクネチウム99m(99mTc)は、流入ガス21の酸素と反応して酸化テクネチウム99m(99mTc27)となる。また、流入ガス21は、電子線3が照射されることにより加熱された制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10を冷却する。
ここで、金属状のモリブデン99(99Mo)および金属状のモリブデン100(100Mo)の融点は2623℃である。また、三酸化モリブデン99(99MoO3)および三酸化モリブデン100(100MoO3)の融点は795℃であり、沸点は1155℃である。
また、金属状のテクネチウム99m(99mTc)および金属状のテクネチウム99(99Tc)の融点は2204℃である。また、酸化テクネチウム99m(99mTc27)および酸化テクネチウム99(99Tc27)の融点は119.5℃であり、沸点は、310.6℃である。
したがって、流入側配管22を介して流入ガス21を流入させ、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10の温度が酸化テクネチウムの沸点である310.6℃以上(かつ、三酸化モリブデンの融点である795℃未満)となるように、流入ガス21の流量を調整することにより、酸化テクネチウム(99mTc2799Tc27)を三酸化モリブデン(99MoO3100MoO3)から気体状態として分離することができる。気体状態の酸化テクネチウム(99mTc2799Tc27)は、流入ガス21とともに、収納容器11から分離容器23へと流れる。
そして、分離容器23で、収納容器11から流入した気体状態の酸化テクネチウム(99mTc2799Tc27)を含んだガスを、酸化テクネチウムの融点である119.5℃以下に冷却することにより、酸化テクネチウム(99mTc2799Tc27)が放射性核種製造物20として分離容器23に沈着する。これにより、分離精製した放射性核種製造物20が得られる。なお、分離容器23を通り抜けたガスは流出ガス25として流出側配管24から流出する。
以上のように、第3実施形態に係る放射性核種製造装置1Bは、放射性核種精製部7Bを放射性核種生成部(電子線加速器2、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10、収納容器11)と近接して配置することができる。また、放射性核種精製部7Bは、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10への電子線3の照射中に放射性核種の分離回収、精製を行うことができる。これにより、効率よく比放射能の高い放射性核種(テクネチウム99m(99mTc))を得ることができる。
≪第4実施形態≫
次に、第4実施形態に係る放射性核種製造装置1Cについて、図6を用いて説明する。図6は、第4実施形態に係る放射性核種製造装置1Cの構成模式図である。第4実施形態に係る放射性核種製造装置1Cは、第3実施形態に係る放射性核種製造装置1Bと比較して、放射性核種精製部7Cを備えている点で異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
第4実施形態の放射性核種精製部7Cは、第3実施形態の放射性核種精製部7Bの構成に加え、ヒータ26と、冷却管27と、を有している。
ヒータ26は、収納容器11に収納された制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10を加熱することができるようになっている。これにより、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10の温度が酸化テクネチウムの沸点である310.6℃未満である場合、ヒータ26を動作させて、制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料10の温度を酸化テクネチウムの沸点である310.6℃以上とすることができる。これにより、より好適に、酸化テクネチウム(99mTc2799Tc27)を三酸化モリブデン(99MoO3100MoO3)から気体状態として分離することができる。
冷却管27は、冷却管27内に冷却材を流すことにより、分離容器23を冷却し、収納容器11から分離容器23に流入したガスを冷却することができるようになっている。これにより、分離容器23の温度が酸化テクネチウムの融点である119.5℃以上である場合、冷却管27内に冷却材を流して、分離容器23の温度を酸化テクネチウムの融点である119.5℃未満とすることができる。これにより、より好適に、酸化テクネチウム(99mTc2799Tc27)を放射性核種製造物20として分離容器23に沈着させることができる。
以上のように、第4実施形態に係る放射性核種製造装置1Cは、第3実施形態に係る放射性核種製造装置1Bよりも、好適に比放射能の高い放射性核種(テクネチウム99m(99mTc))を得ることができる。
≪第5実施形態≫
次に、第5実施形態に係る放射性核種製造装置について、図7を用いて説明する。図7は、第5実施形態に係る放射性核種製造装置の放射性核種生成部1aDの構成模式図である。第5実施形態に係る放射性核種製造装置は、第1実施形態に係る放射性核種製造装置1(図1参照)と比較して、第1実施形態の放射性核種生成部1a(図1参照)にかえて、放射性核種生成部1aD(図7参照)を備えている点で異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
図7に示すように、第5実施形態の放射性核種生成部1aDは、電子線加速器2と、制動放射線発生用ターゲット4と、放射性核種製造用原料6と、を備えている。また、放射性核種製造用原料6は、制動放射線発生用ターゲット4を囲むように設置されている。
電子線加速器2で加速された電子線3は、制動放射線発生用ターゲット4に照射される。高速の電子線3が制動放射線発生用ターゲット4と衝突すると、制動放射(制動輻射)により、制動放射線5が発生する。制動放射線発生用ターゲット4から放出された制動放射線5は、放射性核種製造用原料6に照射され、放射性核種製造用原料6の原料核種と制動放射線5が(γ,n)反応によって放射性核種を生成させる。
ここで、制動放射線5は、主に電子線3の進行方向に沿って発生するが、その他の方向にも発生する。放射性核種製造用原料6は、制動放射線発生用ターゲット4を囲むように設置されているので、放射性核種製造用原料6の原料核種と制動放射線5が(γ,n)反応によって放射性核種を生成させる確率を高くすることができる。これにより、放射性核種の生産量を増やすことができる。
≪第6実施形態≫
次に、第6実施形態に係る放射性核種製造装置1について、図8を用いて説明する。図8は、第6実施形態に係る放射性核種製造装置1の構成模式図である。
前述のように、放射性核種製造装置1は、電子線加速器2を用いるものであり、電子線加速器2は陽子加速器や重粒子加速器と比較して小型軽量化を図ることが容易である。このため、図8に示すように、放射性核種製造装置1を移動用車両30に積載することができる。
放射性核種製造装置1を移動用車両30に積載することにより、移動用車両30を放射性核種製造物を必要とする所の近くに移動させて、放射性核種製造物を製造後短い時間で、放射性核種製造物を必要とする所に頒布することが可能となる。
≪変形例≫
なお、本実施形態に係る放射性核種製造装置および放射性核種製造システムは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
本実施形態に係る放射性核種製造装置および放射性核種製造システムは、放射性核種として、テクネチウム99m(Tc-99m)を製造するものとして説明したが、これに限られるものではなく、その他の放射性核種であってもよい。
S 放射性核種製造システム
1,1B,1C 放射性核種製造装置
1a,1aA,1aD 放射性核種生成部
2 電子線加速器
3 電子線
4 制動放射線発生用ターゲット
5 制動放射線
6 放射性核種製造用原料
7,7B,7C 放射性核種精製部
8 製造核種頒布システム(制御システム)
9 放射性核種製造装置用制御システム(制御システム)
10 制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料
11 収納容器
20 放射性核種製造物
21 流入ガス
22 流入側配管
23 分離容器
24 流出側配管
25 流出ガス
26 ヒータ
27 冷却管
30 移動用車両

Claims (10)

  1. 原料核種を含み、制動放射線発生用ターゲットを兼ねる制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料に、電子線加速器によって加速された電子を照し、制動放射線発生用ターゲットから発生した制動放射線を放射性核種製造用原料に照射し、前記制動放射線の照射により中性子を発生させる(γ,n)反応によって、放射性核種を生成させると共に、前記電子線加速器からの電子を前記制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料に照射することにより前記放射性核種を含む放射性核種製造物を加熱する放射性核種生成部と、
    前記放射性核種生成部によって加熱された前記放射性核種製造物に流入ガスを流入させることにより、前記放射性核種生成部が生成した前記放射性核種から必要な放射性核種を含む放射性核種製造物を気体状態として分離精製する放射性核種精製部と、
    前記必要な放射性核種の頒布予約情報に基づいて、前記放射性核種生成部及び前記放射性核種精製部を制御する制御システムと、を備え、
    前記放射性核種生成部によって生成される前記放射性核種の放射性崩壊によって、前記必要な放射性核種が少なくとも生成され、
    前記放射性核種生成部によって生成される前記放射性核種の半減期よりも、前記必要な放射性核種の半減期の方が短く、
    前記制御システムは、前記放射性核種生成部によって生成される前記放射性核種から前記必要な放射性核種を含む前記放射性核種製造物を気体状態として分離精製する処理が、当該必要な放射性核種の放射能量の飽和時に行われるように、前記放射性核種精製部を制御する
    ことを特徴とする放射性核種製造システム。
  2. 前記流入ガスは、
    酸素ガスまたは酸素ガスと不活性ガスの混合ガスである
    ことを特徴とする請求項に記載の放射性核種製造システム。
  3. 前記原料核種として、モリブデン100(Mo-100)を用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射性核種製造システム。
  4. 前記放射性核種製造用原料として、金属モリブデン100(100Mo)または三酸化モリブデン100(100MoO3)を用いる
    ことを特徴とする請求項に記載の放射性核種製造システム。
  5. 前記放射性核種生成部で生成される前記放射性核種は、
    モリブデン99(Mo-99)およびモリブデン99(Mo-99)がベータ崩壊して生成されるテクネチウム99m(Tc-99m)であり、
    前記放射性核種精製部で精製される前記必要な放射性核種は、
    テクネチウム99m(Tc-99m)である
    ことを特徴とする請求項に記載の放射性核種製造システム。
  6. 前記放射性核種精製部は、
    三酸化モリブデン99(99MoO3)と酸化テクネチウム99m(99mTc27)の沸点の違いを用いて分離精製する
    ことを特徴とする請求項に記載の放射性核種製造システム。
  7. 前記制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料は、
    ベリリウム金属製の収納容器に収納される
    ことを特徴とする請求項に記載の放射性核種製造システム。
  8. 前記放射性核種製造用原料は、前記制動放射線発生用ターゲットを囲む位置に配置される
    ことを特徴とする請求項に記載の放射性核種製造システム。
  9. 前記放射性核種生成部及び前記放射性核種精製部を備える放射性核種製造装置は、
    移動用車両に積載される
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射性核種製造システム。
  10. 電子線加速器によって加速された電子を、原料核種を含み、制動放射線発生用ターゲットを兼ねる制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料に照射することで、制動放射線発生用ターゲットから制動放射線を発生させる制動放射線発生ステップと、
    前記制動放射線を前記制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料に含まれる放射性核種製造用原料に照射する制動放射線照射ステップと、
    前記制動放射線の照射により中性子を発生させる(γ,n)反応によって、放射性核種を生成させると共に、前記電子線加速器からの電子を前記制動放射線発生用ターゲット兼放射性核種製造用原料に照射することにより前記放射性核種を含む放射性核種製造物を加熱する放射性核種生成ステップと、
    前記放射性核種生成ステップにおいて加熱された前記放射性核種製造物に流入ガスを流入させることにより、前記放射性核種生成ステップにおいて生成した前記放射性核種から必要な放射性核種を含む放射性核種製造物を気体状態として分離精製する放射性核種精製ステップと、を実行し、
    制御システムが、前記必要な放射性核種の頒布予約情報に基づいて、前記放射性核種生成ステップ及び前記放射性核種精製ステップを実行し、
    前記放射性核種生成ステップによって生成される前記放射性核種の放射性崩壊によって、前記必要な放射性核種が少なくとも生成され、
    前記放射性核種生成ステップによって生成される前記放射性核種の半減期よりも、前記必要な放射性核種の半減期の方が短く、
    前記制御システムは、前記放射性核種生成ステップによって生成される前記放射性核種から前記必要な放射性核種を含む前記放射性核種製造物を気体状態として分離精製する前記放射性核種精製ステップが、当該必要な放射性核種の放射能量の飽和時に行われるようにする
    ことを特徴とする放射性核種製造方法。
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