以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の記録済媒体貸出装置の一実施例であるコンテンツ貸出機1の運営システムを示したブロック図である。図1に示すように、運営システムは、複数のコンテンツ貸出機1と、サーバ50と、複数のユーザ端末60とを備えており、これらの各装置がインターネット網及び携帯電話回線網を含めた通信回線網90を介して各種データを相互通信可能に接続されている。
複数のコンテンツ貸出機1は、ユーザに対して後述する記録済媒体40の貸し出しを行うとともにユーザから返却される記録済媒体40の回収を行う装置である。このコンテンツ貸出機1は、通信回線網90を介してサーバ50と通信可能となっている。また、コンテンツ貸出機1は、後述する無線LAN(Local Area Networkの略記である。)通信回路14aを介してユーザ端末60と無線通信可能となっている。更に、コンテンツ貸出機1は、店頭、店内、街頭などの一角にある狭小スペースに設置可能な装置筐体2を備えており、この装置筐体2は、例えば、飲料自動販売機などの装置筐体と同程度の大きさに形成されている。なお、装置筐体2の大きさは、必ずしもこれに限定されるものではなく、記録済媒体40の最大収容枚数や設置場所のスペースなどに応じて適宜変更するようにしても良い。
サーバ50は、主に、ユーザ端末60からの記録済媒体40の貸出申込の受付、記録済媒体40が貸出申込済みであるか、受取前であるか、貸出中であるか、返却済みであるなどの各種状況(以下、単に「貸出状況」ともいう。)を管理する貸出管理データベース51と、ユーザごとに個々のユーザを識別するユーザコード及びそのユーザのユーザ端末60の通信アドレスなどを対応づけて記憶管理するユーザ管理データベース52と、コンテンツ貸出機1ごとに個々のコンテンツ貸出機1を識別する貸出機コード及びそのコンテンツ貸出機1の通信アドレスなどを対応づけて記憶管理する貸出機管理データベース53と、映像作品(映画作品を含む。)や音楽作品などの各種作品データを記憶保存する作品データライブラリ54とを備えており、コンテンツ貸出機1からの作品データの送信要求を受け付けてその作品データを提供するサーバシステムである。
複数のユーザ端末60は、ユーザにより操作されるスマートフォンなどの通信端末であり、ユーザにより操作される操作表示パネル65を備えており、記録済媒体40の貸出申込データを送信するとともに、記録済媒体40の貸出(受取)及び返却の際にユーザ認証するためにも使用される装置である。このユーザ端末60は、携帯電話通信回路64b又は無線LAN通信回路64aを介して通信回線網90と無線通信可能であって、この通信回線網90を介してサーバ50と通信可能となっている。また、ユーザ端末60は、無線LAN通信回路64aを介してコンテンツ貸出機1と無線通信可能となっている。
図2は、コンテンツ貸出機1の正面図である。図2に示すように、コンテンツ貸出機1は装置筐体2を備えており、この装置筐体2の正面に広告パネル3が配設されている。広告パネル3は、コンテンツ貸出機1に関する広告などを掲載するパネルである。また、装置筐体2の広告パネル3の下側には、料金支払いパネル4と、操作表示パネル5と、貸出口6と、返却口7と、バーコード読取部17とが設けられている。
料金支払いパネル4は、記録済媒体40のレンタル料金をユーザが支払うために操作するパネルであり、主に、電子マネー読取部4aと、紙幣投入口4bと、硬貨投入口4cと、返金ボタン4dと、硬貨返金口4eとを備えている。なお、装置筐体2内には、紙幣投入口4bから投入された紙幣を処理するビルバリと呼ばれる紙幣処理部と、硬貨投入口4cから投入された硬貨を処理するコインメックと呼ばれる硬貨処理部とを備えた硬貨紙幣処理機(図示せず。)が配設されている。
電子マネー読取部4aは、ユーザ端末60や電子マネーカードに搭載された電子マネー用ICタグとの間で課金情報を読み書きする非接触式ICタグ用のリーダライタである。紙幣投入口4bは、レンタル料金を支払う際に硬貨紙幣処理機に紙幣を投入する投入口であり、釣銭となる紙幣を硬貨紙幣処理機からユーザに返却する返金口でもある。硬貨投入口4cは、レンタル料金を支払う際に硬貨紙幣処理機に硬貨を投入する投入口であり、返金ボタン4dは、硬貨紙幣処理機から紙幣及び硬貨を返却する際に押される操作ボタンであり、硬貨返金口4eは、釣銭となる硬貨を硬貨紙幣処理機からユーザに返却する返金口である。
操作表示パネル5は、記録済媒体40の貸出及び返却の際にユーザにより操作されるタッチパネル5bを有した液晶表示装置(以下、LCD(Liquid Crystal Displayの略記である。)ともいう。)5aである。貸出口6は、ユーザに貸し出される記録済媒体40を供給するための開口であり、返却口7は、ユーザから返却される記録済媒体40を回収するための開口であり、この返却口7には、かかる返却口7を開閉する返却口扉7aが上下動可能に配設されている。
バーコード読取部17は、操作表示パネル5の側部(図2右側)に配設されている。このバーコード読取部17は、ユーザ暗証番号を変換したバーコード(一次元コード又は二次元コード)の画像を読み取るため、CCDやCMOSなどの光学センサを用いたカメラを備えている。
図3は、コンテンツ貸出機1の操作表示パネル5に表示される画面を示した図である。特に、図3(a)は、初期画面8を示しており、図3(b)は、ユーザ暗証番号入力選択画面9を示しており、図3(c)は、キー入力画面10を示している。ここで、コンテンツ貸出機1の操作表示パネル5は、後述するようにタッチパネル5bを有したLCD5aであることから、このLCD5aに表示された各種ボタンがタッチ操作可能な操作ボタンとなる。
図3(a)に示すように、初期画面8には、貸出ボタン8aと返却ボタン8bとが設けられている。貸出ボタン8aは、ユーザに貸し出される記録済媒体40をユーザが受け取る際にタッチ操作される操作ボタンであり、この貸出ボタン8aをタッチすることで後述する図10に示す貸出処理が実行される。返却ボタン8bは、ユーザが記録済媒体40を返却する際にタッチ操作される操作ボタンであり、この返却ボタン8bをタッチすることで後述する図11に示す返却処理が実行される。
図3(b)に示すように、ユーザ暗証番号入力選択画面9には、Wi−Fi接続ボタン9aと、キー入力ボタン9bと、戻るボタン9cとが設けられている。Wi−Fi接続ボタン9aは、ユーザ暗証番号の入力を、無線LAN通信回路14aを介して無線通信により行う場合にタッチ操作される操作ボタンであり、キー入力ボタン9bは、ユーザ暗証番号の入力を操作表示パネル5のキー入力画面10を用いて行う場合にタッチ操作される操作ボタンである。戻るボタン9cは、初期画面8を再表示する際にタッチ操作される操作ボタンである。
図3(c)に示すように、キー入力画面10には、ユーザ暗証番号入力欄10aと、「0」〜「9」のテンキーボタン10bと、確定ボタン10cと、戻るボタン10dとが設けられている。ユーザ暗証番号入力欄10aは、テンキーボタン10bにより入力されたユーザ暗証番号を表示する表示欄である。テンキーボタン10bは、ユーザ暗証番号を構成する複数の数字列を入力するためにタッチ操作される「0」〜「9」までの数字を入力する操作ボタンである。
確定ボタン10cは、ユーザ暗証番号の入力が終了した場合にタッチ操作される操作ボタンであり、この確定ボタン10cをタッチすることでユーザ暗証番号入力欄10aに入力されたユーザ暗証番号が確定する。戻るボタン10dは、ユーザ暗証番号入力選択画面9を再表示する際にタッチ操作される操作ボタンである。
図4(a)は、記録済媒体40の一例である光ディスクの正面図であり、図4(b)は、梱包ケース41の展開図であり、図4(c)は、梱包ケース41の正面図である。
図4(a)に示すように、記録済媒体40は、中央に円形状の小孔が穿設された正面視円形状の光ディスクであり、図4(b)に示すように、梱包ケース41は、蓋体部41aと本体部41bとを開閉可能に背表紙部41cにより連結したケース体であり、本体部41bの内側面に円形状の記録済媒体40を収容するために正面視円形状の収容凹部41dが形成されている。この梱包ケース41は、記録済媒体40をユーザに貸し出す際に記録済媒体40を収容して梱包するものである。図4(c)に示すように、梱包ケース41の蓋体部41aの前面にはケース用ICタグ45が貼付されている。ケース用ICタグ45は、非接触式ICタグであり、ユーザ暗証番号を記憶するものである。
図5は、コンテンツ貸出機1のブロック図である。図5に示すように、コンテンツ貸出機1は、CPU11(Central Processing Unitの略記である。)と、RAM12(Random Access Memoryの略記である。)と、EEPROM13(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memoryの略記である。)と、通信装置14と、LCD5a及びタッチパネル5bを有した操作表示パネル5と、2つのケース用ICタグリーダ15、15と、ケース用ICタグライタ16と、バーコード読取部17と、格納部18と、梱包ケース格納部19と、貸出前格納部20と、書込装置21と、読取装置22と、返却センサ23と、移送装置24と、梱包装置25とを備えており、これら各部が図示しない制御線及び信号線を介して電気的に接続されている。
CPU11は、コンテンツ貸出機1における各種の演算処理を行う中央演算処理装置である。RAM12は、CPU11による各種演算のために使用されるワークメモリであり、書き換え可能な揮発性メモリである。EEPROM13は、コンテンツ貸出機1の各部の制御を行うために必要となる各種の制御プログラムやデータを記憶するフラッシュ型EEPROMなどの書き換え可能な不揮発性メモリである。
EEPROM13には、主に、メイン制御プログラム13aとユーザ暗証番号発行プログラム13bとが記憶されており、更に、保有作品コードメモリ13cと、貸出作品コードメモリ13d、ユーザ暗証番号メモリ13eと、未記録媒体残数メモリ13fと、作品データ一時メモリ13gとが設けられている。メイン制御プログラム13aは、後述する図8から図11に示す各処理を実行するためのアプリケーションプログラムである。ユーザ暗証番号発行プログラム13bは、後述する図10に示す貸出処理及び図11に示す返却処理でユーザの認証に使用されるユーザ暗証番号を発行生成するためのアプリケーションプログラムである。
保有作品コードメモリ13cは、格納部18及び貸出前格納部20に格納されている各記録済媒体40に関する作品コードをそれぞれ記憶する記録領域である。ここで、作品コードは、映像(映画を含む。)や音楽などの複数の作品データを個々に識別する情報(作品識別情報)であり、例えば、作品Aについて「aaa」、作品Bについて「bbb」、作品Cについて「ccc」などの文字及び記号を組み合わせた文字列を使用しても良い。
貸出作品コードメモリ13dは、コンテンツ貸出機1からユーザに対して貸出中の記録済媒体40について、その作品コードを記憶するための記憶領域である。この貸出作品コードメモリ13dを参照することで、現在、貸出中の記録済媒体40を確認することができる。また、ユーザ暗証番号メモリ13eは、記録済媒体40の貸し出しの際にユーザ端末60に送信されたユーザ暗証番号を記憶するための記憶領域である。このユーザ暗証番号メモリ13eを参照することで、貸出処理又は返却処理の際にユーザ端末60から受信し又はユーザにより入力されたユーザ暗証番号が正しいものか否かを判断することができる。
未記録媒体残数メモリ13fは、格納部18に残存する未記録媒体の枚数(残数)を記録するためのメモリである。この未記録媒体残数メモリ13fの値は、未記録媒体に作品データが記録されるたびに、その使用枚数に応じた値が未記録媒体残数メモリ13fの値から減算される。また、未記録媒体が補充されたり又は記録済媒体40から作品データが消去されて未記録媒体が増加したりした場合には、その増加枚数に応じた値が未記録媒体残数メモリ13fの値に加算される。よって、この未記録媒体残数メモリ13fの値を参照することで、未記録媒体の残数をチェックすることができる。
作品データ一時メモリ13gは、サーバ50からダウンロードした作品データを一時的に記憶するための記録領域である。この作品データ一時メモリ13gは、作品データを書き込んで記録済媒体40を生成した後にクリアされて、そこに一時記憶された作品データが消去される。
通信装置14は、主に、無線LAN通信回路14aと携帯電話通信回路14bと有線通信回路14cとを備えている。無線LAN通信回路14aは、ユーザ端末60との間で無線LAN通信を行うための通信回路であり、例えば、Wi−Fi規格などの無線LAN規格に準拠したものである。携帯電話通信回路14bは、携帯電話基地局との間で携帯電話通信を行うための通信回路であり、携帯電話基地局から通信回線網90を介してサーバ50との間で通信を行うために使用される。この携帯電話通信回路14bは、例えば、3G及び4Gなどの通信規格に準拠した通信方式を使用している。有線通信回路14cは、通信回線網90との間で有線通信を行うための通信回路であり、通信回線網90を介してサーバ50との間で通信を行うために使用される。
操作表示パネル5は、入力装置であるタッチパネル5bを表示装置であるLCD5aに組み合わせた入力表示装置であり、上記した初期画面8、ユーザ暗証番号入力選択画面9、及び、キー入力画面10を表示するとともに、これらの各画面を操作するものである。
ケース用ICタグリーダ15は、貸出前格納部20と返却口7とにそれぞれ併設されており、梱包ケース41のケース用ICタグ45に記憶されているユーザ暗証番号を読み取るための非接触式ICタグ用リーダである。このケース用ICタグライタ16は、梱包装置25に併設されており、梱包ケース41のケース用ICタグ45にユーザ暗証番号を書き込むための非接触式ICタグ用のライタである。
バーコード読取部17は、上記したバーコードを読み取るカメラを備えている。また、図示は省略するが、EEPROM13は、ユーザ暗証番号をバーコードに変換するバーコード変換プログラムと、このバーコードを解析してユーザ暗証番号を解読するバーコード解読プログラムを格納し、CPU11は、これらのプログラムを実行することで、ユーザ暗証番号をバーコードに変換し、また、そのバーコードからユーザ暗証番号を解読する処理部となる。
格納部18は、複数枚の記録済媒体40及び複数枚の未記録媒体を格納可能となっている。また、梱包ケース格納部19は、記録済媒体40を貸し出す際に梱包する梱包ケース41が複数格納可能となっている。また、貸出前格納部20は、ユーザから貸出申込(予約)があった後そのユーザに貸し出されるまでの間、その貸出申込のあった記録済媒体40を事前に保管するため、記録済媒体40を収容した複数の梱包ケース41を複数格納可能となっている。
書込装置21は、格納部18に未記録媒体がある場合には未記録媒体に作品データを書き込むとともに、格納部18に未記録媒体がない場合は格納部18にある既存の記録済媒体40から作品データを消去してそのデータ消去後の未記録媒体に新たな作品データを書き込んで新たな記録済媒体40を生成するための装置である。
読取装置22は、記録済媒体40に記録されている作品データを読み取る装置であり、記録済媒体40の作品データを読み取って、ユーザから返却された記録済媒体40が当該ユーザに対して貸出中であった記録済媒体40であるか否かを確認するために使用される。また、ユーザが記録済媒体40と間違えて未記録媒体を返却する恐れもあることから、読取装置22は、記録済媒体40の作品データの確認に加えて、未記録媒体であるか否かを確認することもできる。返却センサ23は、記録済媒体40を収容した梱包ケース41が返却口7に投入されたか否かを検出するセンサである。
移送装置24は、装置筐体2内で記録済媒体40及び未記録媒体を移送する装置であり、格納部18、書込装置21、読取装置22又は梱包装置25のいずれかの場所からそれとは別の場所へ未記録媒体又は記録済媒体40を移送する。また、移送装置24は、装置筐体2内で梱包ケース41を移送する装置でもあり、梱包ケース格納部19、貸出前格納部20、梱包装置25、貸出口6又は返却口7のいずれかの場所からそれとは別の場所へ梱包ケース41(記録済媒体40を収容したものを含む。)を移送する。
梱包装置25は、梱包ケース格納部19から梱包ケース41を取り出してその梱包ケース41に記録済媒体40を収容し、或いは、記録済媒体40を梱包ケース41から取り出すための装置である。
図6は、ユーザ端末60のブロック図である。図6に示すように、ユーザ端末60は、主に、CPU61と、RAM62と、EEPROM63と、無線通信装置64と、操作表示パネル65とを備えており、これら各部が図示しない制御線及び信号線を介して電気的に接続されている。以下、コンテンツ貸出機1の各部と同一の部分については、その説明を省略し、異なる部分について説明する。
EEPROM63は、ユーザ端末60の各部の制御を行うために必要となる各種の制御プログラム及びデータを記憶するフラッシュ型EEPROMなどの書き換え可能な不揮発性メモリである。EEPROM63には、サーバ50に送信される貸出申込データを生成するためにユーザコードと、ユーザ暗証番号と、上記した作品コードと、貸出機コードとが記憶されている。
ユーザコードは、複数のユーザを識別する識別情報であり、例えば、ユーザ端末60の電話番号、ユーザ端末60の機器固有ID若しくはユーザ端末60のメールアドレスのいずれか一つ、又は、これらを組み合わせた情報である。このユーザコードは、貸出申込データに含めてユーザ端末60からサーバ50へ送信される。すると、サーバ50は、このユーザコードに基づいて貸出管理データベース51からユーザ端末60の通信アドレスを検索し、この通信アドレス宛にユーザ暗証番号を送信するのである。
ユーザ暗証番号は、ユーザと記録済媒体40とを対応づける認証情報であり、例えば、4桁以上の数字列である。このユーザ暗証番号は、ユーザが記録済媒体40の受取先として選択したコンテンツ貸出機1においてユーザ暗証番号発行プログラム13bにより発行され、通信回線網90を介してサーバ50を経由し、サーバ50から記録済媒体40の貸出申込をしてきたユーザのユーザ端末60の通信アドレス宛に送信され、これを受信したユーザ端末60のEEPROM63に記憶される。
貸出機コードは、複数のコンテンツ貸出機1を識別する識別情報であり、このユーザ端末60を使用するユーザが記録済媒体40の受取先として選択したコンテンツ貸出機1を特定するためにユーザ端末60に記憶保持されている。この貸出機コードは、貸出申込データに含めてユーザ端末60からサーバ50に送信され、この貸出機コードに基づいてサーバ50が貸出機管理データベース53からコンテンツ貸出機1の通信アドレスを検索し、この通信アドレス宛に作品コードを送信して、そのコンテンツ貸出機1にこの作品コードに対応する記録済媒体40があるか否かを問い合わせる。
無線通信装置64は、主に、無線LAN通信回路64aと携帯電話通信回路64bとを備えている。無線LAN通信回路64aは、コンテンツ貸出機1との間で無線LAN通信を行うための通信回路であり、例えば、Wi−Fi規格などの無線LAN規格に準拠した通信回路である。携帯電話通信回路64bは、携帯電話基地局との間で携帯電話通信を行うための通信回路であり、携帯電話基地局から通信回線網90を介してサーバ50との間で通信を行うための通信回路である。この携帯電話通信回路64bは、例えば、3G及び4Gなどの通信規格に準拠した通信方式を使用している。
操作表示パネル65は、入力装置であるタッチパネル65bを表示装置であるLCD65aに組み合わせた入力表示装置であり、後述する作品リスト画面66及び作品貸出申込画面67を表示するとともにこれらの各画面を操作するものである。このユーザ端末60の操作表示パネル65は、上記したコンテンツ貸出機1の操作表示パネル5と同様に、タッチパネル65bを有したLCD65aであることから、このLCD65aに表示された各種ボタンがタッチ操作可能な操作ボタンとなる。
図7は、ユーザ端末60の操作表示パネル65に表示される画面を示した図である。特に、図7(a)は、作品リスト画面66を示しており、図7(b)は、作品貸出申込画面67を示した図であり、図7(c)は、貸出申込データの概念図である。
ここで、サーバ50は、作品リスト画面66及び作品貸出申込画面67を生成するデータが格納されており、ユーザ端末60から要求に応じて作品リスト画面66及び作品貸出申込画面67をユーザ端末60に送信するウェブサーバとしての機能も備えている。また、サーバ50は、作品ごとに、その作品データ及び作品コードを対応づけて作品データライブラリ54に記憶しており、更に、コンテンツ貸出機1ごとに、その名称、貸出機コード、所在地の住所、及び地図画像を対応づけて貸出機管理データベース53に記憶している。
図7(a)に示すように、作品リスト画面66は、ユーザ端末60の操作表示パネル65に表示される画面であって、ユーザがレンタル(貸出)を希望する作品を選択するための画面である。この作品リスト画面66には、複数の作品(コンテンツ)について作品選択ボタン66aが設けられている。各作品選択ボタン66aには、作品の宣伝画像66b及び宣伝解説記事66cが表示されている。宣伝画像66bは、例えば、映画作品や音楽作品のジャケット画像、ポスター画像その他の広告用の画像である。また、宣伝解説記事66cは、例えば、映画作品や音楽作品のタイトル、解説文、演奏者、キャスト、スタッフその他の説明文である。
各作品選択ボタン66aは、ユーザによるタッチ操作が可能な操作ボタンであり、いずれかの作品選択ボタン66aをタッチすると、そのタッチした作品選択ボタン66aに表示されている作品に関する作品貸出申込画面67がサーバ50から読み込まれて操作表示パネル65に表示されるようになっている。
作品リスト画面66は、サーバ50で生成される際に各作品選択ボタン66aに表示する作品に対応した作品コードを作品データライブラリ54から検索して記録しており、タッチ操作した作品選択ボタン66aに対応する作品コードをサーバ50へ送信するようになっている。なお、サーバ50は、作品リスト画面66の作品選択ボタン66aのタッチ操作によりユーザ端末60から送信されてきた作品コードに基づいて、この作品コードに対応する作品に関する作品貸出申込画面67を生成して送信元であるユーザ端末60へ送信する。
図7(b)に示すように、作品貸出申込画面67には、作品説明欄67aと、受取貸出機選択欄67bと、レンタルボタン67cと、戻るボタン67dとが設けられている。作品説明欄67aは、上記した作品リスト画面66と同様に宣伝画像66bと宣伝解説記事66cとを表示した表示欄であり、上記した作品選択ボタン66aとは異なって操作ボタンではない。なお、戻るボタン67dは、作品リスト画面66を再表示する際にタッチ操作される操作ボタンである。
受取貸出機選択欄67bは、作品説明欄67aの下に設けられている。この受取貸出機選択欄67bは、作品説明欄67aの説明に対応する記録済媒体40を受け取り可能な近隣のコンテンツ貸出機1の一覧を表示している。受取貸出機選択欄67bには、コンテンツ貸出機1ごとに、ラジオボタン67b1と、コンテンツ貸出機1の名称と、その所在地と、その所在地を示す地図画像とが表示されている。コンテンツ貸出機1の名称の先頭にある空欄状態「○」のラジオボタン67b1をタッチして選択状態「●」にすることで、そのコンテンツ貸出機1を記録済媒体40の受取先として選択することができる。
レンタルボタン67cは、ユーザが作品貸出申込画面67の作品説明欄67aに表示されている記録済媒体40の貸出申込をする場合にタッチ操作される操作ボタンである。このレンタルボタン67cは、ユーザが受取貸出機選択欄67bのラジオボタン67b1を操作して受取先のコンテンツ貸出機1を選択した状態でタッチすると、ユーザ端末60がサーバ50に貸出申込データを送信する。
ここで、作品貸出申込画面67は、サーバ50で生成される際、作品説明欄67aに表示する作品に対応した作品コードを作品データライブラリ54から検索して記録し、かつ、受取貸出機選択欄67bに表示される各コンテンツ貸出機1の貸出機コードを貸出機管理データベース53から検索して記録しており、貸出申込データは、この受取貸出機選択欄67bにある選択状態「●」のラジオボタン67b1に対応するコンテンツ貸出機1の貸出機コードと、作品説明欄67aに表示した作品に対応する作品コードとに基づいて、ユーザ端末60により生成される。
図7(c)に示すように、貸出申込データは、主に、貸出申込コマンドと、ユーザコードと、作品コードと、貸出機コードとを含めたデータであり、ユーザ端末60からサーバ50へ送信される。ここで、貸出申込コマンドはサーバ50に対して記録済媒体40の貸出申込であることを宣言し、ユーザコードは貸出申込コマンドの送信元であるユーザ端末60(ユーザ)を特定し、作品コードは当該ユーザから貸出申込のあった作品を特定し、貸出機コードは当該ユーザが記録済媒体40の受取先として指定するコンテンツ貸出機1を特定している。
この貸出申込データを受信したサーバ50は、貸出申込データから各データを読み取り、例えば、貸出機コードに基づいて貸出機管理データベース53を検索して記録済媒体40の受取先となるコンテンツ貸出機1の通信アドレスを読み出して当該コンテンツ貸出機1と通信することができ、また、ユーザコードに基づいてユーザ管理データベース52を検索することでコンテンツ貸出機1で生成されたユーザ暗証番号を送信すべきユーザ端末60の通信アドレスを読み出して当該ユーザ端末60と通信することができる。
図8は、記録済媒体40の貸出申込処理を示したフローチャートである。図8に示すように、記録済媒体40の貸出申込処理では、ユーザ端末60から作品リスト画面66の送信要求がサーバ50に送信されると(S1)、作品リスト画面66がサーバ50からユーザ端末60に送信され(S2)、ユーザ端末60の操作表示パネル65に作品リスト画面66が表示される(S3)。ユーザ端末60では、作品選択ボタン66aのタッチ操作があるまで待機し(S4:No)、いずれかの作品選択ボタン66aがタッチされると(S4:Yes)、そのタッチされた作品選択ボタン66aに表示されている作品について作品貸出申込画面67がサーバ50からユーザ端末60に送信され(S5)、この作品貸出申込画面67がユーザ端末60の操作表示パネル65に表示される(S6)。ユーザ端末60では、作品貸出申込画面67のレンタルボタン67c又は戻るボタン67dのタッチ操作があるまで待機し(S7、S8:No)、戻るボタン67dがタッチされると(S7:Yes)、作品リスト画面66を再表示する(S3)。一方、レンタルボタン67cがタッチされると(S8:Yes)、ユーザ端末60が貸出申込データを生成してサーバ50へ送信する(S9)。
サーバ50では、貸出申込データを受信するとこれを解析して作品コード及び貸出機コードを読み取り、その貸出機コードに基づいてユーザが記録済媒体40の受け取りを希望しているコンテンツ貸出機1(の通信アドレス)を貸出機管理データベース53から検索し(S10)、この検索により抽出したコンテンツ貸出機1(の通信アドレス)宛に貸出申込データに記録されていた作品コードを送信する(S11)。これによって、ユーザが記録済媒体40の受取先として希望するコンテンツ貸出機1が、その記録済媒体40を保有しているか否かを確認するのである。
コンテンツ貸出機1では、サーバ50から作品コードを受信すると(S12)、この受信した作品コードに対応する記録済媒体40が格納部18にあるか否かを確認するため、受信した作品コードと同一の作品コードが保有作品コードメモリ13cに記憶されているかどうか、この保有作品コードメモリ13cを検索する(S12)。
S12の検索の結果、該当する作品コードが保有作品コードメモリ13cになければ(S13:No)、格納部18に該当する記録済媒体40を保有していないので、コンテンツ貸出機1は、サーバ50からS11の処理で送信されてきた作品コードをサーバ50へ返信することで(S14)、かかる作品コードに対応する作品データをサーバ50に対して送信するよう要求する。
このS14の処理で返信された作品コードを受信したサーバ50は、この作品コードに基づいて作品データライブラリ54を検索し(S15)、該当する作品データを読み出して、S14の処理で作品コードを返信してきたコンテンツ貸出機1の通信アドレスへ送信する(S16)。
コンテンツ貸出機1は、サーバ50から送信されてきた作品データを受信すると(S17)、その作品データを作品データ一時メモリ13gに書き込んで一時的に記憶し(S17)、格納部18にある未記録媒体の残数を確認するため、未記録媒体残数メモリ13fの値をチェックし(S18)、未記録媒体の残数があれば(S18:有)、未記録媒体を格納部18から書込装置21へ移送装置24により移送し(S19)、その未記録媒体に作品データ一時メモリ13gに記憶されている作品データを書込装置21により書き込んで貸出用の記録済媒体40を生成し(S20)、この作品データの書き込みに使用した未記録媒体の枚数の値を未記録媒体残数メモリ13fの値から減算する。
これに対し、未記録媒体の残数がない場合は(S18:無)、格納部18から任意の記録済媒体40を書込装置21へ移送装置24により移送し(S21)、その記録済媒体40に記憶されている元の作品データを書込装置21により消去し(S22)、その消去後の未記録媒体に作品データ一時メモリ13gに記憶されている作品データを書込装置21により書き込んで貸出用の記録済媒体40を生成する(S20)。
S20の処理による作品データの書き込み後は、作品データ一時メモリ13gをクリアして作品データを消去して(S23)、書込装置21にある貸出用の記録済媒体40を移送装置24により梱包装置25へ移送して、その記録済媒体40を梱包装置25により梱包ケース41に収容する(S24)。
また一方で、S13の検索の結果、該当する作品コードが保有作品コードメモリ13cにあれば(S13:Yes)、コンテンツ貸出機1は、サーバ50から送信されてきた作品コードに対応する記録済媒体40が格納部18に存在するものと判断し、格納部18から記録済媒体40を検索し(S25)、その検索の結果、抽出した記録済媒体40を梱包装置25へ移送装置24により移送して(S26)、その記録済媒体40を梱包装置25により梱包ケース41に収容する(S24)。
貸出用の記録済媒体40の梱包後は、ユーザ暗証番号発行プログラム13bを実行してユーザ暗証番号を生成してユーザ暗証番号メモリ13eに書き込み(S27)、そのユーザ暗証番号をケース用ICタグライタ16によりケース用ICタグ45に書き込み(S28)、その後、貸出用の記録済媒体40入りの梱包ケース41を移送装置24により梱包装置25から貸出前格納部20へ移送して格納し(S29)、この貸出申込処理を終了する。
また、S27の処理で生成された暗証番号は、コンテンツ貸出機1からサーバ50へ送信され(S27)、更にサーバ50から、S9の処理で記録済媒体40の貸出申込データを送信してきたユーザ端末60に対し、送信され(S30)、このユーザ端末60のEEPROM63に記憶保存される(S31)。また、サーバ50では、コンテンツ貸出機1からのユーザ暗証番号の受信に基づいて貸出管理データベース51を更新する(S32)。
図9は、コンテンツ貸出機1の受付処理を示したフローチャートである。図9に示すように、コンテンツ貸出機1は、操作表示パネル5の画面がタッチされるまで待機しており(S41:No)、操作表示パネル5の画面がタッチされると(S41:Yes)、初期画面8を表示し(S42)、貸出ボタン8a及び返却ボタン8bのいずれも選択(タッチ)されなければ(S43、S44:No)、所定時間経過するまで待機し(S45:No)、何のタッチ操作もなく所定時間が経過すると(S45:Yes)、操作表示パネル5の画面を消灯し(S46)、処理をS41へ移行して再び操作表示パネル5がタッチされるまで待機する(S41:No)。
一方、初期画面8の表示(S42)後、所定時間が経過するまでの間に(S45:No)、貸出ボタン8aが選択されると(S43:Yes)、貸出処理を実行し(S47)、返却ボタン8bがタッチされて選択されると(S44:Yes)、返却処理を実行する(S48)。
図10は、貸出用の記録済媒体40の貸出処理を示したフローチャートである。図10に示すように、記録済媒体40の貸出処理によれば、コンテンツ貸出機1は、まず、ユーザ暗証番号入力選択画面9を操作表示パネル5に表示し(S51)、所定時間が経過するまで待機する(S52〜S54:No)。ここで、Wi−Fi接続ボタン9a及びキー入力ボタン9bのいずれも選択(タッチ)がなく(S52、S53:No)、かつ、所定時間が経過するか又は戻るボタン9cが選択されると(S54:Yes)、コンテンツ貸出機1は、この貸出処理を終了して、処理を受付処理(図9)のS42へ移行して、初期画面8を表示する(図9のS42)。
ユーザ暗証番号入力選択画面9の表示(S51)から、所定時間経過するまでに(S54:No)、Wi−Fi接続ボタン9aが選択されず(S52:No)、キー入力ボタン9bが選択されると(S53:Yes)、コンテンツ貸出機1は、操作表示パネル5にキー入力画面10を表示し(S55)、所定時間が経過するまで待機する(S56、S57:No)。ここで、確定ボタン10cの選択(タッチ)がなく(S56:No)、かつ、所定時間が経過するか又は戻るボタン10dが選択されると(S57:Yes)、コンテンツ貸出機1は、この貸出処理を終了して、処理を受付処理(図9)のS42へ移行して、初期画面8を表示する(図9のS42)。
一方、キー入力画面10の表示(S55)から所定時間経過するまでに(S57:No)、確定ボタン10cが選択されると(S56:Yes)、キー入力画面10を用いて入力されたユーザ暗証番号が正しいか否かをユーザ暗証番号メモリ13eを参照して判断する(S58)。ここで、ユーザ暗証番号メモリ13eを参照してその中に一致するユーザ暗証番号が記憶されている場合にはユーザ暗証番号が正しいものと判断し(S58:Yes)、ユーザによる記録済媒体40の受取申請が適正であるものと判断して、ユーザに貸出申込のあった記録済媒体40を貸し出すべく、S59及びS60の処理を実行する。
具体的には、貸出前格納部20の中に格納されている各梱包ケース41を対象として、ケース用ICタグ45に記憶されているユーザ暗証番号をケース用ICタグリーダ15により読み取り、S58の処理で正しいとされたユーザ暗証番号に一致するユーザ暗証番号をケース用ICタグ45に記憶した梱包ケース41を、貸出前格納部20から抽出する(S59)。この抽出後は、抽出した梱包ケース41を移送装置24により貸出口6へ移送し(S60)、梱包ケース41に収容された貸出用の記録済媒体40を貸出口6からユーザに供給するのである。
記録済媒体40の貸出口6への供給(S60)の後は、コンテンツ貸出機1からサーバ50に対し、ユーザから貸出要求のあった記録済媒体40が貸し出されたことを示す貸出済データを送信し(S61)、保有作品コードメモリ13cから今回貸し出した記録済媒体40に対応する作品コードを消去して更新するとともに、貸出作品コードメモリ13dに今回貸し出した記録済媒体40に対応する作品コードを書き加えて更新する(S62)。その後、コンテンツ貸出機1の操作表示パネル5の画面を消灯して(S63)、コンテンツ貸出機1は、この貸出処理を終了して、他の処理(図示せず)を実行する。
なお、コンテンツ貸出機1からサーバ50に貸出済データが送信されると(S61)、サーバ50では、この貸出済データに基づいて、当該ユーザについて記録済媒体40の貸出状況を管理する貸出管理データベース51を更新する(S64)。
S58の判断において、ユーザ暗証番号メモリ13eを参照した結果、ユーザ暗証番号メモリ13eの中に符合するユーザ暗証番号が記憶されていない場合にはユーザ暗証番号が不正確であるものと判断し(S58:No)、ユーザによる記録済媒体40の受取申請が不適正なものであると判断して、S59〜S62の処理をスキップして、コンテンツ貸出機1の操作表示パネル5の画面を消灯し(S63)、この貸出処理を終了し、処理を受付処理(図9)のS42へ移行して、初期画面8を表示する(図9のS42)。
ところで、もしもユーザ暗証番号入力選択画面9の表示(S51)から所定時間経過するまでに(S54:No)、キー入力ボタン9bが選択されず(S53:No)、Wi−Fi接続ボタン9aが選択されたならば(S52:Yes)、コンテンツ貸出機1は、無線LAN通信回路14a、64aを介してユーザ端末60と通信を行い、ユーザ端末60に対してユーザ暗証番号の送信を要求する(S65)。ユーザ端末60ではEEPROM63にユーザ暗証番号が記憶されているか否かを判断し(S66)、ユーザ暗証番号が記憶されている場合は(S66:Yes)、そのユーザ暗証番号をユーザ端末60からコンテンツ貸出機1へ送信する(S67)。一方、ユーザ端末60のEEPROM63にユーザ暗証番号が未記憶の場合は(S66:No)、S67の処理をスキップしてユーザ暗証番号を送信することなく、ユーザ端末60の処理を終了する。
コンテンツ貸出機1は、S65の処理によりユーザ暗証番号をユーザ端末60に送信要求した後、ユーザ暗証番号を受信した場合には、そのユーザ暗証番号が正しいか否かを判断する(S58)。ここで、ユーザ暗証番号が正しい場合は(S58:Yes)、ユーザによる記録済媒体40の受取申請が適正であるものと判断し、ユーザに貸出申込のあった記録済媒体40を貸し出すべく、上記したS59〜S63の処理を実行し、サーバ50では、上記したS64の処理を実行する。また、ユーザ暗証番号が不正確である場合又はユーザ端末60からユーザ暗証番号を受信できなかった場合は(S58:No)、ユーザによる記録済媒体40の受取申請が不適正なものであると判断し、S59〜S62の処理をスキップして、コンテンツ貸出機1の操作表示パネル5の画面を消灯し(S63)、この貸出処理を終了し、処理を受付処理(図9)のS42へ移行して、初期画面8を表示する(図9のS42)。
図11は、貸出用の記録済媒体40の返却処理を示したフローチャートである。なお、図11に示すように返却処理におけるS51〜S58、S65〜S67の処理は、図10に示した貸出処理におけるS51〜S58、S65〜S67の処理と同じであるので同一の符号を付してこれらの説明を省略し、残るS70〜S80の処理についてのみ以下に説明する。
図11に示すように、記録済媒体40の返却処理(S48)によれば、S51〜S57、S65〜S67の処理が実行された後、S58の判断処理を実行する。具体的には、キー入力画面10の表示(S55)から所定時間経過するまでに(S57:No)、確定ボタン10cが選択されると(S56:Yes)、ユーザ暗証番号メモリ13eを参照してキー入力画面10を用いて入力されたユーザ暗証番号が正しいか否かを判断するか(S58)、又は、S65の処理によりユーザ暗証番号をユーザ端末60に送信要求した後にユーザ暗証番号が正しいか否かを判断する(S58)。ここで、ユーザ暗証番号が正しい場合は(S58:Yes)、ユーザから貸出用の記録済媒体40の返却申請があったものと判断し、ユーザから貸出中の記録済媒体40を回収すべく、S70〜S79の処理を実行する。
具体的には、まず、返却口7の返却口扉7aを開放し(S70)、返却口7に梱包ケース41が投入されたことが返却センサ23により検出されるまで待機する(S71:No)。梱包ケース41が返却センサ23により検出されると、返却口7に梱包ケース41が投入されたものと判断し(S71:Yes)、返却口7内で梱包ケース41のケース用ICタグ45に記憶されているユーザ暗証番号をケース用ICタグリーダ15により読み取り、ユーザ暗証番号メモリ13eに記憶されている複数のユーザ暗証番号の中に一致するものがあるか否かを判断する(S72)。
その結果、ケース用ICタグ45に記憶されているユーザ暗証番号に一致するものがユーザ暗証番号メモリ13eに記憶されていたならば(S72:Yes)、その記録済媒体40入りの梱包ケース41を返却口7から梱包装置25へ移送装置24により移送し、その梱包ケース41の中から記録済媒体40を梱包装置25により取り出し、更に、その梱包ケース41を移送装置24により梱包ケース格納部19に返却して格納する(S73)。
なお、ケース用ICタグ45に記憶されているユーザ暗証番号に一致するものがユーザ暗証番号メモリ13eに記憶されていなければ(S72:No)、ユーザからの記録済媒体40の返却申請が不適正なものであると判断し、S73〜S78の処理をスキップして、コンテンツ貸出機1の操作表示パネル5の画面を消灯し(S79)、この返却処理を終了して、かかる不適正な返却申請に対する対応処理(図示せず。)を実行する。
S73の処理により梱包ケース41から取り出された記録済媒体40は、移送装置24により読取装置22へ移送され、読取装置22により作品データの読み取りが行われ(S74)、この読み取りにより記録済媒体40の内容が貸出中の作品データであるか否かを判断する。このS74の処理による読み取りの結果、かかる作品データが貸出作品コードメモリ13dに記憶されている作品コードのいずれかに対応する作品データである場合は(S75:Yes)、保有作品コードメモリ13cに今回返却された記録済媒体40に対応する作品コードを書き加えて保有作品コードメモリ13cを更新するとともに、貸出作品コードメモリ13dから今回返却された記録済媒体40に対応する作品コードを消去して貸出作品コードメモリ13dを更新し、更に、S58の処理で今回判断されたユーザ暗証番号をユーザ暗証番号メモリ13eから消去することで、このユーザ暗証番号メモリ13eを更新する(S76)。
なお、S74の処理により読み取られた作品データが貸出作品コードメモリ13dに記憶されているいずれかの作品コードに対応する作品データではない場合は(S75:No)、ユーザから返却された記録済媒体40が不適正なものであると判断し、S76〜S78の処理をスキップして、コンテンツ貸出機1の操作表示パネル5の画面を消灯し(S79)、この返却処理を終了して、かかる不適正な記録済媒体40の返却に対する対応処理(図示せず。)を実行する。
S76の処理後は、読取装置22にある貸出用の記録済媒体40を移送装置24により格納部18に返送して収容し、返却口扉7aを閉鎖する(S77)。その後、コンテンツ貸出機1の操作表示パネル5の画面を消灯して(S79)、コンテンツ貸出機1は、この返却処理を終了して、他の処理(図示せず。)を実行する。
記録済媒体40の格納及び返却口扉7aの閉鎖(S77)の後は、コンテンツ貸出機1からサーバ50に対し、ユーザから貸出要求のあった記録済媒体40が返却されてきたことを示す返却済データを送信し(S78)、コンテンツ貸出機1の操作表示パネル5の画面を消灯して(S79)、この返却処理を終了し、他の処理(図示せず。)を実行する。なお、コンテンツ貸出機1からサーバ50に返却済データが送信されると(S78)、サーバ50では、この返却済みデータに基づいて、当該ユーザについて記録済媒体40の貸出状況を管理する貸出管理データベース51を更新する(S80)。
なお、S58の判断において、ユーザ暗証番号メモリ13eを参照した結果、ユーザ暗証番号メモリ13eの中に符合するユーザ暗証番号が記憶されていない場合にはユーザ暗証番号が不正確であるものと判断し(S58:No)、ユーザによる記録済媒体40の返却申請が不適正なものであると判断して、S70〜S78の処理をスキップして、コンテンツ貸出機1の操作表示パネル5の画面を消灯し(S79)、この返却処理を終了し、処理を受付処理(図9)のS42へ移行して、初期画面8を表示する(図9のS42)。
以上のように構成されたコンテンツ貸出機1によれば、装置筐体2を街頭や店頭などの空きスペースに設置できるので、空きスペースを有効活用しつつ記録済媒体40の無人レンタル店舗を多数設置することもできる。また、空きスペースであればその賃料も低減でき、記録済媒体40の無人レンタル店舗を低予算で多数開設することができ、レンタル店舗経営に伴う人件費や労力も削減できる。
また、ユーザがユーザ端末60を用いて記録済媒体40の貸出申込を予め通信回線網90を通じて行っておくことで、記録済媒体40のレンタルに要する所要時間を短縮でき、より手軽に記録済媒体40をレンタルできることから、記録済媒体40のレンタルを希望するユーザの利便性を向上できる。
そのうえ、このコンテンツ貸出機1によれば、記録済媒体40の有人レンタル店舗のように需要の高い記録済媒体40のみを厳選して格納することが不要なので、例えば、有人レンタル店舗では需要が低くてレンタル困難な作品であっても、その作品データをサーバ50からダウンロードして書き込んで記録済媒体40を生成すればよく、ユーザの多様な要望に対して適切な記録済媒体40を極めて容易に提供できる。
また、このコンテンツ貸出機1によれば、サーバ50が遠隔地にある場合でも、通信回線網90を介して作品データをダウンロードできるので、映像ディスクや音楽ディスクなどの有人レンタル店舗数が少ない地域にも、その装置筐体2を無人レンタル店舗として設置することができ、記録済媒体40のレンタル需要をより高めることができる。また、その装置筐体2を図書館などの館内に設置することで、映像作品や音楽作品を介した知識啓蒙にも資する。
また、自家用車で乗り付けられるドライブスルータイプの無人レンタル店舗とすることもでき、ユーザの利便性を更に向上することもできる。また、無人レンタル店舗であることから、自らの趣向に応じた記録済媒体40を、ユーザが店員や他の利用客の目を気にせずに借りることもできる。
ここまで実施例に基づき本発明を説明したが、請求項1から5に記載の発明と本実施との用語の対応について、以下に説明する。なお、その他の用語については後述する「符号の説明」の欄を参照されたい。
まず、各請求項中に記載した作品コード取得手段は本実施例中に記載した図8の処理S12が、作品データ要求手段は図8の処理S14が、作品データ受信手段は図8の処理S17が、作品データ書込手段は書込装置20及び図8の処理S20が、それぞれ該当する。また、請求項1記載の移送手段は移送装置24並びに図8の処理S20とS24との間の移送工程、処理S24とS29との間の移送工程及び図10の処理S60が、請求項2の移送手段は移送装置24及び図8の処理S13のYesの分岐、S25、S26及び図10の処理S60が、請求項3の作品データ書込手段は図8の処理S13のNoの分岐、S18の「有」の分岐、S19及びS20並びに図8の処理S18の「無」の分岐、S21、S22及びS20が、請求項4の移送手段は図11の処理S77が、請求項5の作品コードは図8の処理S9〜S11を経て処理S12により取得される作品コードが、それぞれ該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、本実施例では、電子マネー及び現金による料金支払いに対応した料金支払いパネル4をコンテンツ貸出機1に設けたが、かかる料金支払いパネル4は必ずしもこれに限定されるものではなく、電子マネー及び現金の他に、クレジットカードやデビットカードでの支払いに対応した料金支払い装置を搭載するようにしても良い。なお、料金支払いパネル4を用いた記録済媒体40の貸出料金の課金処理を、例えば、図10の処理S58のYesの分岐後に実行し、この課金処理が正常に終了した場合に、処理S59を実行するようにしても良い。
また、本実施例では、ユーザ端末60からコンテンツ貸出機1に対してユーザ暗証番号を送信する場合に通信方式として無線LAN方式を採用したが、かかる通信方式は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、スマートフォンや携帯電話機に搭載される電子マネー用の非接触式ICタグにユーザ暗証番号を記憶し、この非接触式ICタグに記憶したユーザ暗証番号を料金支払いパネル4に設けた電子マネー読取部4aに内蔵されている非接触式ICタグ用のリーダライタにより読み取るようにしても良い。
また、本実施例では、コンテンツ貸出機1がユーザ暗証番号を無線LAN通信回路14a、64aを介してユーザ端末60から取得するか、又は、ユーザ暗証番号をユーザにキー入力画面10を介して直接入力させたが、かかるユーザ暗証番号の入力方式は必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、ユーザ暗証番号を変換したバーコードをユーザ端末60の操作表示パネル65に表示させて、これをコンテンツ貸出機1のバーコード読取部17により読み取ることでユーザ暗証番号を取得するようにしても良い。
具体的には、コンテンツ貸出機1において、上記したS27の処理によりユーザ暗証番号が生成されると、CPU11によりバーコード変換プログラムを実行してユーザ暗証番号をバーコードに変換し、このバーコードを通信回線網90を介してコンテンツ貸出機1からサーバ50を経てユーザ端末60に送信する。すると、バーコードを受信したユーザ端末60は、このバーコードをEEPROM63に記憶するとともに、ユーザが記録済媒体40を借りる場合及び返却する場合に、このバーコードをEEPROM63から読み出して操作表示パネル65に表示する。すると、コンテンツ貸出機1は、ユーザ端末60の操作表示パネル65に表示されたバーコードを、バーコード読取部17によって読み取り、CPU11によりバーコード解読プログラムを実行してユーザ暗証番号に変換するのである。このようにユーザ暗証番号を変換したバーコードをユーザ端末60に記憶しておくことで、ユーザは記録済媒体40を借りる場合及び返却する場合に、コンテンツ貸出機1にユーザ暗証番号を直接入力する手間を省略することができる。
また、上記説明ではユーザ暗証番号をバーコードに変換したが、この変換は必ずしもバーコードに限定されるものではなく、例えば、ユーザ暗証番号をQR(Quick-Response)コードやSPコードなどの二次元コード(二次元シンボル)に変換しても良い。