JP6752408B2 - 継手と支持部材との接合構造およびその製造方法 - Google Patents

継手と支持部材との接合構造およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、継手と当該継手に取り付けられる支持部材との接合構造およびその製造方法に関する。
継手と当該継手に取り付けられる支持部材との接合構造としては、従来より、図13に示すような接合構造が知られている。この従来構造においては、継手101に支持部材102(ブラケット等)を取り付ける際、クリップ状の板バネ103が用いられることが多かった。この場合、先に継手101にホース等を取り付けてホースアセンブリを作製してから、その後に、板バネ103によって、このホースアセンブリに支持部材102を接合するのが一般的である。このように、ホースアセンブリに支持部材102を後付けできる構成としていることで、継手101にホース等を取り付ける工程を自動化しやすく、生産効率を向上させることが可能となっている。
特許第4174242号公報
上述のような接合構造は、例えば自動車のブレーキホースを接続するのに使用されるが、その場合には、支持部材102が車体の外部に取り付けられることになる。近年、自動車の室内空間をできるだけ広く確保するため、ブレーキホースの配設空間周辺(タイヤハウス)が狭くなる傾向があり、車輪を操舵した際に車輪が支持部材102に接触するという問題が生じ得る。そこで、特許文献1では、支持部材や板バネの形状を工夫することで、接合構造の小型化が図られているが、板バネが特殊形状となることでコスト面で劣っていた。また、信頼性向上のために、板バネよりもさらに強固な接合構造が求められているという現状もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、小型化が求められる継手と支持部材との接合構造において、コストを低減しつつ、接合強度を向上させることを目的とするものである。
本発明は、継手と当該継手に取り付けられる支持部材との接合構造であって、前記支持部材は、前記継手が挿入される取付孔が形成された支持面を有しており、前記継手は、前記取付孔に係合する係合部と、軸方向において前記係合部の一方側に設けられ、外周面に形成された環状溝と、軸方向において前記係合部の他方側に設けられ、前記係合部よりも径方向外側まで延設された鍔部と、を有しており、前記係合部が前記取付孔に係合するとともに前記鍔部が前記支持面に当接した状態で、環状のリング部材の一端が前記環状溝に入り込んで当該環状溝の内面に当接するとともに、前記リング部材の他端が前記支持面に当接するように、前記リング部材が、前記一端から前記他端に向かって徐々に拡径するようにかしめられていることを特徴とする。
また、本発明は、継手と当該継手に取り付けられる支持部材との接合構造の製造方法であって、前記支持部材は、前記継手が挿入される取付孔が形成された支持面を有しており、前記継手は、前記取付孔に係合する係合部と、軸方向において前記係合部の一方側に設けられ、外周面に形成された環状溝と、軸方向において前記係合部の他方側に設けられ、前記係合部よりも径方向外側まで延設された鍔部と、を有しており、前記係合部を前記取付孔に係合させるとともに前記鍔部を前記支持面に当接させた状態で、前記継手および前記支持部材を治具にセットする第1準備工程と、前記支持面を挟んで前記鍔部の反対側において前記継手に環状のリング部材をセットする第2準備工程と、前記リング部材の一端が前記環状溝に入り込んで当該環状溝の内面に当接するとともに、前記リング部材の他端が前記支持面に当接するように、前記リング部材を、前記一端から前記他端に向かって徐々に拡径するようにかしめるかしめ工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、環状のリング部材の一端が、継手の外周面に形成された環状溝に入り込んで当該環状溝の内面に当接するとともに、リング部材の他端が、支持面に当接するようにかしめられている。このように、複雑な形状の板バネの代わりに、単純な形状のリング部材を用いることによって、コストの低減を図ることができる。また、リング部材が環状溝に入り込んだ状態でかしめられることで、強固な接合が可能となり、継手と支持部材との接合強度を向上させることができる。
第1実施形態にかかる継手と支持部材との接合構造を示す斜視図である。 継手の側面図である。 継手の上面図である。 支持部材の上面図である。 継手と支持部材との接合手順を示す断面図である。 継手と支持部材との接合構造の上面図である。 第2実施形態における継手と支持部材との接合手順を示す一部拡大断面図である。 かしめ用治具の変形例を示す一部拡大断面図である。 リング部材の変形例を示す一部拡大断面図である。 リング部材の変形例を示す一部拡大断面図である。 継手と支持部材との接合構造の変形例を示す断面図である。 継手と支持部材との接合構造の参考例を示す断面図である。 従来技術にかかる継手と支持部材との接合構造を示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明にかかる継手と支持部材との接合構造およびその製造方法の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態にかかる継手と支持部材との接合構造を示す斜視図である。本実施形態の接合構造1は、継手10と支持部材20(ブラケット)とを環状のリング部材30を用いて接合したものである。本実施形態の接合構造1は、自動車用のブレーキホース(図示省略)を、車体側から引き出された袋ナット付きパイプ(図示省略)に接続するために用いられるものであるが、適用対象はこれに限定されるものではない。
図2は、継手10の側面図であり、図3は、継手10の上面図である。図2に示すように、継手10は全体として概ね円筒形状を有する金属製のものであり、その内部にはブレーキオイルが流通可能な流路(図示省略)が形成されている。継手10には、継手10の軸方向(図2において上下方向)において一方側(上方)から他方側(下方)へと順番に、雌ネジ部11、環状溝12、係合部13、鍔部14およびソケット部15が形成されている。
雌ネジ部11は、内周面に雌ネジが形成された部位であり、車体側から引き出された袋ナット付きパイプが雌ネジ部11に固定される。環状溝12は、継手10の外周面に形成された円環状の溝であり、周方向に直交する断面において、環状溝12の断面形状は矩形状となっている。係合部13は、図3に示すように、半円と矩形とを組み合わせた平面形状を有しており、後述する支持部材20の取付孔22(図4参照)に係合可能な部位となっている。鍔部14は、図3に示すように、円形の一部が弦で切り取られた平面形状を有しており、係合部13よりも径方向外側まで延設されている。このため、鍔部14は、上記取付孔22を通過できない。ソケット部15は、ブレーキホースが接続される部位であり、ソケット部15にブレーキホースが接続されることによって、ホースアセンブリが作製される。
図4は、支持部材20の上面図である。支持部材20は、継手10に取り付けられる支持面21を有する金属製のものである。支持面21には、継手10が挿入される取付孔22が形成されている。この取付孔22は、半円と矩形とを組み合わせた平面形状を有しており、継手10の係合部13と略同一の形状を有している。このため、係合部13に取付孔22を係合させると、支持部材20が周方向において位置決めされる。また、支持面21のうち、取付孔22の半円部の径方向外側の部分は、円弧状の円弧部21aとなっており、この円弧部21aの外径は、継手10の鍔部14の外径と略同じとなっている。このため、係合部13に取付孔22を係合させたとき、円弧部21aの外周面と鍔部14の外周面とは略面一となり、一方が他方よりも径方向外側に大きくはみ出すことはない。支持面21の外縁部の一部には、支持面21から立設されたリブ23(図1参照)が設けられており、支持部材20の強度アップが図られている。
継手10と支持部材20とを接合する手順について説明する。図5は、継手10と支持部材20との接合手順を示す断面図である。図示は省略するが、継手10のソケット部15にはブレーキホースが予め接続されてホースアセンブリとされており、このホースアセンブリを構成する継手10に支持部材20が取り付けられるものとする。このように、ホースアセンブリを作製してから、当該ホースアセンブリと支持部材20とを接合させることにより、従来用いられていたホースアセンブリの自動製造機をそのまま使用することが可能となる。
まず、継手10の係合部13に支持部材20の取付孔22を係合させるとともに、継手10の鍔部14に支持面21の下面を当接させた状態で、継手10および支持部材20を治具40にセットする(図5(a)、第1準備工程)。
次に、環状のリング部材30を、支持面21を挟んで鍔部14の反対側において継手10にセットする(図5(b)、第2準備工程)。詳細には、リング部材30を上方から継手10に通し、リング部材30が支持面21(または係合部13)に載置された状態とする。リング部材30の内径は、雌ネジ部11の外径よりもわずかに大きくされている。このため、リング部材30を継手10に容易にセットすることができるとともに、継手10の外周面とリング部材30の内周面との間に大きな隙間が生じないようになっている。
リング部材30は、例えば、鉄、銅、ステンレス等の金属で作製されている。また、リング部材30の強度が周方向において均一化されるように、周方向に溶接等の継ぎ目が存在しないものをリング部材30として採用するのが好ましい。周方向に継ぎ目のないリング部材30は、例えば、シームレスパイプをカットしたり、金属板をプレス加工で打ち抜いたりすることで、作製することができる。
また、後述するように、リング部材30は支持面21に対して傾斜するようにかしめられることによって、環状溝12の上面と支持面21の上面との間にわたって配設される。このため、リング部材30をかしめる前の上下方向の寸法(軸方向の長さ)は、環状溝12の上面と支持面21の上面との間の上下方向の距離よりもわずかに長くされている。
続いて、不図示のプレス装置等に取り付けられたかしめ用治具50によって、リング部材30をかしめる(図5(c)、かしめ工程)。かしめ用治具50は、内部空間51を有する有底円筒状となっており、この内部空間51が下方を向くようにプレス装置等に取り付けられる。内部空間51の内径は、継手10の雌ネジ部11の外径よりもわずかに大きくされており、内部空間51内に雌ネジ部11が位置した状態(かしめ用治具50を継手10に被せた状態)で、かしめ用治具50が昇降できるようになっている。かしめ用治具50の下端部の内周面には、上方へ向かうほど内径が小さくなるテーパー面52が形成されている。このテーパー面52の支持面21(水平面)に対する傾斜角度は、45度以上90度未満とされている。
かしめ用治具50を継手10に被せた状態で、かしめ用治具50を上方から下方に移動させると、テーパー面52によってリング部材30が押圧されることによって、テーパー面52に沿った形状にリング部材30がかしめられる。その結果、図5(d)に示すように、リング部材30が、上端から下端に向かって徐々に拡径するように、支持面21に対して傾斜した状態でかしめられる。このとき、リング部材30の上端が、環状溝12に入り込んで環状溝12の上面に当接するとともに、リング部材30の下端が、環状溝12から突出して支持面21の上面に当接する。テーパー面52の傾斜角度に対応して、リング部材30は、支持面21に対して45度以上90度未満の傾斜角度をもって傾斜している。
継手10に接合された支持部材20は、鍔部14に支持面21が当接していることによって下方に移動することができず、また、リング部材30が環状溝12の上面と支持面21の上面との間に突っ張った状態で存在することで、上方に移動することができないようになっている。すなわち、継手10に接合された支持部材20は、鍔部14とリング部材30とによって上下方向のがたつきが抑えられている。また、継手10の係合部13に取付孔22が係合していることによって、周方向へのがたつきも抑えられる。
図6は、継手10と支持部材20との接合構造1の上面図である。図6では、リング部材30を分かりやすく示すため、上から見たときのリング部材30の内周縁と外周縁をそれぞれ太線で図示している(内周縁に関しては、実際は環状溝12に入り込んで見えないため点線としている)。また、リング部材30が支持部材20の支持面21と当接している範囲にクロスハッチングを付してある。
図6から明らかなように、リング部材30の下端部は、その全周が支持面21と当接しているわけではなく、リング部材30の下端部のうち係合部13(取付孔22)よりも外側の部分(クロスハッチングの部分)のみが支持面21と当接している。したがって、本実施形態のように、リング部材30が、上端から下端に向かって徐々に拡径するようにかしめられることで、リング部材30の下端部が支持面21と当接する範囲を拡大することができ、継手10と支持部材20との接合強度を高めることができる。
また、上述のように、継手10の鍔部14は基本形状が円形となっているが(図3参照)、リング部材30の外周縁が鍔部14の径方向外側にはみ出さないように、リング部材30の外径は鍔部14の外径よりも小さくされている。これによって、接合構造1を一層コンパクトにすることができ、他の部品(例えば車輪)との干渉を効果的に抑えることができる。
こうして作製された継手10(ホースアセンブリ)と支持部材20とからなる構造物は、その後、支持部材20が車体側にボルト締結等により固定される。そして、車体側から引き出された袋ナット付きパイプが継手10の雌ネジ部11に接続されることによって、パイプから継手10を経由してブレーキホースに至る、ブレーキオイルの流通経路が完成する。
[効果]
以上のように、本実施形態では、環状のリング部材30を用いて継手10に支持部材20を取り付けている。このように、複雑な形状の板バネの代わりに、単純な形状のリング部材30を用いることによって、コストの低減を図ることができる。また、リング部材30が環状溝12に入り込んだ状態でかしめられることで、強固な接合が可能となり、継手10と支持部材20との接合強度を向上させることができる。また、図13から明らかなように、板バネ103の場合は、周方向の数箇所(図13では2箇所)でしか継手101に支持部材102を接合させることができないが、リング部材30の場合は、概ね全周にわたって連続的に継手10に支持部材20を接合させることができる(図6のクロスハッチングの範囲参照)ので、この点からも接合強度を向上させることができる。
また、本実施形態では、リング部材30は、上端(一端)から下端(他端)に向かって徐々に拡径するようにかしめられている。このように、下端側ほど径方向外側に広がるように、すなわち、裾野広がりとなるようにリング部材30をかしめることで、リング部材30の下端部が支持部材20の支持面21と当接する面積を増やすことができ、継手10と支持部材20との接合強度をさらに向上させることができる。なお、リング部材30が裾野広がりの湾曲面となっていても、同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、リング部材30が、支持面21に対して傾斜するようにかしめられている。このため、図5(d)から明らかなように、リング部材30が、環状溝12の上面と支持面21の上面との間で直線状に突っ張った状態となるため、リング部材30の支持強度を向上させることができる。
また、本実施形態では、軸方向から見て、リング部材30が継手10の鍔部14よりも外側にはみ出さないようにかしめられているので、接合構造1を一層コンパクトにすることができる。
また、本実施形態では、かしめ工程において、円筒状のかしめ用治具50を、継手10に被せた状態で上方(一方側)から下方(他方側)に向けて移動させることによって、リング部材30をかしめている。このため、かしめ作業用にリング部材30の周囲に確保すべき空間が少なくて済み、図1に示すように、接合箇所の近傍にリブ23等の障害物が存在する場合にも、容易にかしめ作業を行うことができる。
また、本実施形態では、かしめ用治具50の下端部の内周面に、下方に向かうほど内径が大きくなるテーパー面52が形成されている。このようなかしめ用治具50を用いることで、上述のように、リング部材30を上端から下端に向かって徐々に拡径するように傾斜させてかしめることが容易となる。
また、本実施形態では、リング部材30の支持面21に対する傾斜角度を45度以上90度未満としているので、リング部材30が左右方向よりも上下方向により突っ張った状態となる。このため、リング部材30に上下方向の力が作用した場合であっても、この力を良好に支持しやすく、リング部材30が押しつぶされにくくなる。このような効果をさらに高めるためには、上記傾斜角度が60度以上90度未満であればより好ましい。
[第2実施形態]
図7は、第2実施形態における継手と支持部材との接合手順を示す一部拡大断面図であり、図7(a)、(b)は、それぞれ図5(c)、(d)に相当する図であり、図5(c)に示す範囲Rを拡大して示した図である。なお、第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同じ符号を付してある。以下、第1実施形態と異なる点について説明する。
図7(a)に示すように、第2実施形態で使用されるかしめ用治具150の下端部の内周面には、下方へ向かうほど内径が大きくなるテーパー面152が形成されているが、このテーパー面152は、傾斜角度の異なる第1テーパー面152aと第2テーパー面152bとからなる2段テーパー面となっている。第1テーパー面152aの径方向内側に、第1テーパー面152aと連続して第2テーパー面152bが形成されている。第2テーパー面152bの支持面21(水平面)に対する傾斜角度βは、45度以上90度未満とされている。第1テーパー面152aの支持面21(水平面)に対する傾斜角度αは、0度よりも大きく、βよりも小さい角度とされている。
かしめ用治具150を下降させると、第1テーパー面152aがリング部材30の上端に最初に当接する。第1テーパー面152aの傾斜角度αはβよりも小さくされているので、第1テーパー面152aにより下方に押圧されるリング部材30は、第2テーパー面152bに押圧される場合よりも、下方に縮む変形が優勢となる。このため、上下方向(軸方向)の寸法が環状溝12よりも大きくされているリング部材30は、第1テーパー面152aによって、まず上下方向の寸法が縮められ、環状溝12の内部に入り込みやすい状態とされる。続いて、かしめ用治具150をさらに下降させると、傾斜角度βの大きな第2テーパー面152bがリング部材30に当接し始め、これによって、リング部材30が環状溝12の内部に入り込むように、径方向内側に変形させられる。
このようにしてかしめられたリング部材30には、図7(b)に示すように、支持面21に対する傾斜角度の異なる第1傾斜部31と第2傾斜部32とが形成される。第1傾斜部31は、主に第1テーパー面152aによって変形させられた部位であり、支持面21に対する傾斜角度は、αと略同じ角度となっている。一方、第2傾斜部32は、主に第2テーパー面152bによって変形させられた部位であり、支持面21に対する傾斜角度は、βと略同じ角度となっている。つまり、支持面21に当接している第1傾斜部31の傾斜角度は、環状溝12の内面(上面)に当接している第2傾斜部32の傾斜角度よりも小さくなっている。
[効果]
第2実施形態によれば、第1実施形態と共通する効果に加えて次のような効果を奏する。第2実施形態では、かしめ用治具150に形成されたテーパー面152が、かしめ工程において最初にリング部材30と当接する第1テーパー面152aと、第1テーパー面152aよりも径方向内側に形成された第2テーパー面152bとを有して構成されており、第1テーパー面152aの支持面21に対する傾斜角度αが、第2テーパー面152bの支持面21に対する傾斜角度βよりも小さくされている。このため、まず第1テーパー面152aによってリング部材30を上下方向(軸方向)に縮めてから、第2テーパー面152bによってリング部材30を径方向内側に変形させることで、リング部材30を良好に環状溝12に入り込ませた状態でかしめることができる。
なお、第1テーパー面152aの傾斜角度αは、上述のように、0度よりも大きく、βよりも小さい角度であればよいが、第1テーパー面152aによって効果的にリング部材30を上下方向に縮めるためには、傾斜角度αを55度未満とすることが好ましい。さらに、第1テーパー面152aによって、リング部材30を径方向内側に変形させることも考慮すると、ある程度の傾斜はあったほうがよく、この観点から、傾斜角度αを10度以上とすることが好ましい。また、第2テーパー面152bの傾斜角度βは、上述のように、45度以上90度未満、且つ、傾斜角度αよりも大きい角度とされている。ただし、傾斜角度αと傾斜角度βとがほとんど同じ角度だと、第1テーパー面152aによってリング部材30を上下方向に縮めてから、第2テーパー面152bによってリング部材30を径方向内側に変形させるという効果が得にくくなるため、傾斜角度βと傾斜角度αとの差が10度以上(β―α≧10)であることが好ましい。また、第2テーパー面152bによって効果的にリング部材30を径方向内側に変形させるためには、傾斜角度βを60度以上90度未満とすることが好ましい。
また、上述のような効果を得るために、テーパー面152を2段テーパー面とすることは必須ではなく、例えば、3段以上のテーパー面としてもよい。また、図8に示すように、かしめ用治具250の下端部の内周面を下に凸の湾曲面252としてもよい。こうすれば、最初にリング部材30に当接する箇所における湾曲面252の接線の傾斜角度が、その後にリング部材30に当接する箇所における湾曲面252の接線の傾斜角度よりも小さくなり、最初にリング部材30を良好に上下方向に縮ませることができる。
さらに、かしめ用治具150、250にテーパー面152や湾曲面252を形成する代わりに、あるいは、これに加えて、図9、図10に示すように、リング部材130、230の上端部の外周面に、上方へ向かうほど外径が小さくなる上に凸の湾曲面131や、上段ほど水平面に対する傾斜角度の小さくなる複数段からなるテーパー面231を形成してもよい。なお、リング部材130、230に湾曲面131やテーパー面231を設けた場合は、図9、10に示すように、かしめ用治具350の下端部は平坦面でもよい。
図7(b)に示すように、上述の方法でかしめられたリング部材30は、支持面21に当接する第1傾斜部31と、第1傾斜部31よりも上方(一端側)に形成されている第2傾斜部32とを有しており、第1傾斜部31の支持面21に対する傾斜角度が、第2傾斜部32の支持面21に対する傾斜角度よりも小さくなっている。このように、第1傾斜部31の傾斜角度が小さいと、リング部材30の裾野を拡大することができ、リング部材30の下端部が支持面21と当接する面積を拡大することができる。その結果、継手10と支持部材20との接合強度を向上させることができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記実施形態の要素を適宜組み合わせまたは種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、周方向に直交する断面において、環状溝12の断面形状を矩形状としたが、環状溝12の断面形状は半円形状等の他の形状であってもよい。つまり、リング部材30の上端が環状溝12の内面の上部に当接し、リング部材30が環状溝12と支持面21との間で適切に突っ張った態様となっていれば、環状溝12の形状はどのような形状でも構わない。
また、上記実施形態では、継手10として雌ネジ部11を有するものを一例として取り上げたが、継手10はどのような種類のものでもよい。
また、上記実施形態では、図5に示すように、係合部13の高さと支持面21の厚みが同じであり、その結果、係合部13の上面(環状溝12の下面)と支持面21の上面とが略面一になっているものとした。しかしながら、係合部13の高さと支持面21の厚みは同じでなくても構わない。すなわち、リング部材30の上端が環状溝12の上面に当接し、リング部材30の下端が支持面21の上面に当接するように、リング部材30をかしめることができるのであれば、係合部13の上面(環状溝12の下面)が支持面21の上面よりも若干上方や下方に位置してもよい。
図11は、継手と支持部材との接合構造の変形例を示す断面図である。図11に示すように、リング部材30と環状溝12の内面との間に形成される空間に、当該空間を充填する充填材41を設けるようにしてもよい。このような充填材41を設けることで、当該空間に水分等が浸入することが抑えられ、継手10、支持部材20およびリング部材30の腐食を抑制することができる。なお、充填材41としては、例えば、Oリング等のゴムを使用してもよいし、樹脂を使用することも可能である。
図12は、継手と支持部材との接合構造の参考例を示す断面図である。図12に示すように、かしめ工程において、リング部材30が環状溝12の中に入り込まず、リング部材30の下端(他端)が支持面21に当接し、上端(一端)が継手10(雌ネジ部11)の外周面に当接した状態でかしめられる場合もある。このようにリング部材30がかしめられた場合でも、一定以上の接合強度が確保できていれば特に問題はない。ちなみに、このような接合形態であれば、継手10に環状溝12を設ける必要がなくなる。
このように、かしめ工程において、円筒状のかしめ用治具50を継手10に被せた状態で上方(一方側)から下方(他方側)へと移動させることによって、リング部材30を継手10の外周面と支持面21との間にわたって位置させるようにかしめてもよい。この場合でも、円筒状のかしめ用治具50を下方に移動させるだけでかしめ作業が可能となるので、かしめ作業用にリング部材30の周囲に確保すべき空間が少なくて済み、かしめ作業が行い易いというメリットがある。
1:接合構造
10:継手
12:環状溝
13:係合部
14:鍔部
20:支持部材
21:支持面
22:取付孔
30、130、230:リング部材
31:第1傾斜部
32:第2傾斜部
131:テーパー面
231:湾曲面
40:治具
41:充填材
50、150、250、350:かしめ用治具
52、152:テーパー面
152a:第1テーパー面
152b:第2テーパー面
252:湾曲面

Claims (10)

  1. 継手と当該継手に取り付けられる支持部材との接合構造であって、
    前記支持部材は、前記継手が挿入される取付孔が形成された支持面を有しており、
    前記継手は、
    前記取付孔に係合する係合部と、
    軸方向において前記係合部の一方側に設けられ、外周面に形成された環状溝と、
    軸方向において前記係合部の他方側に設けられ、前記係合部よりも径方向外側まで延設された鍔部と、を有しており、
    前記係合部が前記取付孔に係合するとともに前記鍔部が前記支持面に当接した状態で、環状のリング部材の一端が前記環状溝に入り込んで当該環状溝の内面に当接するとともに、前記リング部材の他端が前記支持面に当接するように、前記リング部材が、前記一端から前記他端に向かって徐々に拡径するようにかしめられていることを特徴とする、継手と支持部材との接合構造。
  2. 前記リング部材は、前記支持面に対して傾斜するようにかしめられていることを特徴とする、請求項に記載の継手と支持部材との接合構造。
  3. 前記リング部材は、前記支持面に当接する第1傾斜部と、前記第1傾斜部よりも前記一端側に形成されている第2傾斜部とを有しており、前記第1傾斜部の前記支持面に対する傾斜角度が、前記第2傾斜部の前記支持面に対する傾斜角度よりも小さいことを特徴とする、請求項に記載の継手と支持部材との接合構造。
  4. 軸方向から見て、前記リング部材が前記鍔部よりも外側にはみ出さないようにかしめられていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれか1項に記載の継手と支持部材との接合構造。
  5. 前記リング部材と前記環状溝の内面との間に形成される空間に、当該空間を充填する充填材が設けられていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれか1項に記載の継手と支持部材との接合構造。
  6. 継手と当該継手に取り付けられる支持部材との接合構造の製造方法であって、
    前記支持部材は、前記継手が挿入される取付孔が形成された支持面を有しており、
    前記継手は、
    前記取付孔に係合する係合部と、
    軸方向において前記係合部の一方側に設けられ、外周面に形成された環状溝と、
    軸方向において前記係合部の他方側に設けられ、前記係合部よりも径方向外側まで延設された鍔部と、を有しており、
    前記係合部を前記取付孔に係合させるとともに前記鍔部を前記支持面に当接させた状態で、前記継手および前記支持部材を治具にセットする第1準備工程と、
    前記支持面を挟んで前記鍔部の反対側において前記継手に環状のリング部材をセットする第2準備工程と、
    前記リング部材の一端が前記環状溝に入り込んで当該環状溝の内面に当接するとともに、前記リング部材の他端が前記支持面に当接するように、前記リング部材を、前記一端から前記他端に向かって徐々に拡径するようにかしめるかしめ工程と、
    を備えることを特徴とする、継手と支持部材との接合構造の製造方法。
  7. 前記かしめ工程では、円筒状のかしめ用治具を、前記継手に被せた状態で前記一方側から前記他方側に向けて移動させることによって、前記リング部材をかしめることを特徴とする、請求項に記載の継手と支持部材との接合構造の製造方法。
  8. 前記かしめ用治具の前記他方側の端部の内周面に、前記他方側へ向かうほど内径が大きくなるテーパー面又は湾曲面が形成されていることを特徴とする、請求項に記載の継手と支持部材との接合構造の製造方法。
  9. 前記かしめ用治具に形成された前記テーパー面は、前記かしめ工程において最初に前記リング部材と当接する第1テーパー面と、前記第1テーパー面よりも径方向内側に形成された第2テーパー面とを有して構成されており、前記第1テーパー面の前記支持面に対する傾斜角度が、前記第2テーパー面の前記支持面に対する傾斜角度よりも小さいことを特徴とする、請求項に記載の継手と支持部材との接合構造の製造方法。
  10. 前記リング部材の前記一方側の端部の外周面に、前記一方側へ向かうほど外径が小さくなるテーパー面又は湾曲面が形成されていることを特徴とする、請求項ないしのいずれか1項に記載の継手と支持部材との接合構造の製造方法。
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