JP6751163B2 - 極端紫外光生成装置 - Google Patents
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Description
1.極端紫外光生成システムの全体説明
1.1 構成
1.2 動作
2.用語の説明
3.ドロップレット生成器を含むEUV光生成装置の説明
3.1 構成
3.2 動作
4.課題
4.1 課題1
4.2 課題2
5.第1実施形態
5.1 構成
5.2 動作
5.3 作用・効果
6.第1実施形態の変形例
6.1 構成
6.2 動作
6.3 作用・効果
7.第2実施形態
7.1 構成
7.2 動作
7.3 作用・効果
8.第3実施形態
8.1 構成
8.2 具体的設計例
8.3 動作
8.4 作用・効果
9.第3実施形態の変形例1
9.1 構成
9.2 動作
9.3 作用・効果
10.第3実施形態の変形例2
10.1 構成
10.2 動作
10.3 作用・効果
11.第4実施形態
11.1 構成
11.2 動作
11.3 作用・効果
12.ガス流によるデブリ抑制効果
13.レイノルズ数の説明
14.レーザ装置について
15.実施形態の組み合わせについて
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.1 構成
図1に、例示的なLPP式のEUV光生成システム10の構成を概略的に示す。EUV光生成装置12は、少なくとも1つのレーザ装置14と共に用いられる場合がある。本願においては、EUV光生成装置12及びレーザ装置14を含むシステムを、EUV光生成システム10と称する。図1に示し、かつ、以下に詳細に説明するように、EUV光生成装置12は、チャンバ16と、ターゲット供給部18とを含む。
図1を参照して、例示的なLPP式のEUV光生成システム10の動作を説明する。チャンバ16内は大気圧よりも低圧に保持され、好ましくは真空であってよい。あるいは、チャンバ16の内部にはEUV光の透過率が高いガスが存在してもよい。
「パルスレーザ光」は、複数のパルスを含むレーザ光を意味し得る。
3.1 構成
図2は、ドロップレット生成器を含むEUV光生成装置の構成を概略的に示す図である。図2において、方向に関する説明の便宜上、XYZ直交座標軸を導入する。チャンバ16から露光装置46に向かってEUV光を導出する方向をZ軸の方向とする。X軸及びY軸は、Z軸に直交し、かつ、互いに直交する軸である。ターゲット物質を出力するノズル126の中心軸方向をY軸の方向とする。Y軸の方向は、ドロップレットの軌道方向である。図2の紙面に垂直な方向をX軸の方向とする。図3以降の図面でも図2で導入した座標軸と同様とする。
図2を参照して、例示的なLPP式のEUV光生成システム10の動作を説明する。制御部40は、チャンバ16内が真空状態となるように、排気装置100を制御する。制御部40は、圧力センサ102の検出値に基づいて、チャンバ16内の圧力が所定の範囲内のように、排気装置100による排気及び図示せぬガス供給装置からのガス供給を制御し得る。
4.1 課題1
プラズマ生成領域でレーザ光が集光照射されたドロップレットは、瞬間的にプラズマ化し膨張する。この時、発生するデブリがノズル穴の周囲に付着するとドロップレットの軌道が変動する。この課題に対して、特許文献1及び2は、ガス流を利用してノズル穴周囲へのデブリの付着を抑制する技術を提案している。
ドロップレット生成器は、ピエゾ電源からピエゾ素子に変調波の電圧を印加することにより、ノズル穴から異なる速度の複数の微小な液滴を出力し、これら微小な液滴の速度差により、複数の液滴を結合させて、ドロップレットを生成する場合がある。このような変調波を利用したドロップレットの生成方法は、例えば、特開2014−186846号公報に開示されている。
5.1 構成
図3は、第1実施形態に係るEUV光生成装置12の要部の構成を例示的に示す。図3は、EUV光生成装置12におけるドロップレット生成器110付近の構成を示している。図4は、図3の矢印A方向から見たA矢視図である。図2との相違点について説明する。
流量調節器184は、ガス供給源182から供給されるガスを所定流量に制御して、ガスをガス導入部材170に供給する。ガスは、チャンバ壁から管路180を通じてガス導入部材170のガス導入空間176に導入される。所定流量は、例えば、200sccm以上であってよい。「sccm」は、スタンダード:0℃、1atm、cc/minを意味する。sccmの単位は、例えば、1sccm=1.69×10−3Pa・m3/sの関係を用いてSI単位系の換算値に変換することができる。
プラズマ生成領域26でパルスレーザ光23が集光照射されたドロップレット122から発生するデブリは、ガス出口177から噴出したガスの流れによって、ノズル穴124の方向への移動が抑制される。これにより、デブリがノズル穴124周囲に付着するのを抑制することができる。
6.1 構成
図5及び図6に、第1実施形態の変形例を示す。図6は、図5の矢印B方向から見たB矢視図である。図5及び図6において、図3及び図4に示した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図3及び図4に示した第1実施形態の構成との相違点を説明する。
図5及び図6に示した変形例の動作は、図3及び図4に示した第1実施形態の動作と同様である。
図5及び図6に示した変形例は、図3及び図4に示した第1実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、図5及び図6に示した構成によれば、円管構造を用いた第1実施形態と比較して、同じ管部の外形寸法でも、ドロップレット生成器110のステージ66の移動範囲を広くすることができる。
7.1 構成
図7及び図8に、第2実施形態を示す。図8は、図7の矢印C方向から見たC矢視図である。図7及び図8において、図3及び図4に示した第1実施形態の構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図3及び図4に示した第1実施形態の構成との相違点を説明する。
第2実施形態の動作は、第1実施形態の動作と同様である。
第2実施形態は、図3及び図4に示した第1実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、隔壁194は、ドロップレット軌道140と平行な方向にガスの流れを整える。第2実施形態の構成によれば、二重管部170Bの長さを第1実施形態よりも短くすることができる。したがって、ガス導入部材170の管構造部分の長さを短くすることができる。
8.1 構成
図9に、第3実施形態を示す。図9において、図3及び図4に示した第1実施形態の構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図3及び図4に示した第1実施形態の構成との相違点を説明する。
図10は、第3実施形態に関する具体的な設計例を示す断面図である。図10において、図9に示した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。第1の管171の上流側端部171Aには、第1のフランジ部311が設けられている。第1のフランジ部311は図示せぬボルトを用いて第1の遮蔽部材174に連結されている。第1の遮蔽部材174は、チャンバ16の内壁の付近において、図示せぬボルトを用いて第2の遮蔽部材175に連結されている。
流量調節器184は、ガス導入部材170に導入するガスの流量を所定流量に制御する。所定流量は、例えば、200sccm以上でもよい。流量調節器184によって所定流量に制御されたガスは、管路180を通じてチャンバ壁からガス導入部材170に導入される。
ノズル126の近傍にドロップレット軌道140の周囲を覆うように配置された筒200は、二重管部170Bの内管の内部をドロップレット生成器110の方に流れるガスの流れ方向を規制する。これにより、ドロップレット生成器110の方へと流れるガス流についても、ドロップレットの軌道方向に対して垂直方向の流れが抑制される。
9.1 構成
図11に、第3実施形態の変形例1を示す。図11において、図3、図4、図9及び図10に示した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図9に示した第3実施形態の構成との相違点を説明する。
図11に示す変形例1の動作は、図9に示した第3実施形態の動作と同様である。
変形例1によれば、第3実施形態の作用・効果に加えて、設計の自由度が広がる。
10.1 構成
図12に、第3実施形態の変形例2を示す。図12において、図3、図4、図9及び図10に示した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図9に示した第3実施形態の構成との相違点を説明する。
流量調節器184は、ガス導入部材170に導入するガスの流量を所定流量に制御する。所定流量は、例えば、200sccm以上でもよい。流量調節器184によって所定流量に制御されたガスは、管路180を通じてチャンバ壁からガス導入部材170に導入される。
変形例2によれば、二重管部170Bの内管を構成する第1の管171は、ドロップレット生成器110の方に向かってノズル126の近傍まで延びており、ドロップレット軌道140の周囲を覆うように配置されている。この第1の管171は、管の内部をドロップレット生成器110の方に流れるガスの流れ方向を規制する。これにより、ドロップレット生成器110の方へと流れるガス流についても、ドロップレットの軌道方向に対して垂直方向の流れが抑制される。
11.1 構成
図13及び図14に、第4実施形態を示す。図14は、図13の矢印Dの方向から見たD矢視図である。図13及び図14において、図3、図4、図9及び図10に示した構成と同一又は類似する要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。図3及び図4に示した第1実施形態の構成との相違点を説明する。
図示せぬ冷却水供給源から冷却水導入管路232を通じて冷却水流路230に冷却水が供給される。冷却水は冷却水流路230の中を流れて、冷却水排出管路234へと流れ、チャンバ壁の外に排出される。
ガス導入部材170の開口部170Aを構成する第1の管171及び第2の管172は、プラズマ領域からの熱で温度が上昇する。特に、外側の第2の管172はプラズマ領域に近いので、第1の管171よりも温度が上がる。ターゲット物質としてスズを用いた場合、プラズマ生成領域26で生成したスタナンガス(SnH4)が温度上昇した第1の管171に接触すると、ガス温度が上昇して、次式の分解速度が速くなる。
そして、温度上昇したスタナンガスが、EUV光集光ミラー表面で分解すると、ミラー表面にSnが堆積する。その結果、EUV光集光ミラーの反射率が低下し、EUV光エネルギが低下する。
デブリをガス流によって抑制できる割合Rは、(ガスを流した時の汚染物の抑制質量/ガスを流さない時の汚染物質量)であり、以下の式で表される。
v:代表速度;ガスの流速(m/s)
Df:分子拡散係数;ガス中におけるデブリの拡散係数(m2/s)
L:代表長さ;単一管部の長さ(m)
円管の場合の、ペクレ数は以下の式で表される。
P:チャンバ内の圧力(Pa)
S:単一円管部の流路断面積(m2)
D:単一円管の内径(m)
なお、既述した式(1)(2)の計算ではP・Dfを8とした。
レイノルズ数は、以下の式で表される。
v:流体の平均速度(m/s)
L:特性長さ(m):二重円管の場合は間隙の2倍
μ:流体の粘性係数(Pa・s);水素の粘性係数は、8.7×10−6(Pa・s)
円管の場合のレイノルズ数は以下の式で表される。
P:チャンバ内の圧力(Pa)
S:二重円管部の流路断面積(m2)
D1:二重円管部の流路の内径(m)
D2:二重円管部の流路の外径(m)
14.レーザ装置について
レーザ装置14は、プリパルスレーザ光を出力するよう構成されたプリパルスレーザ装置と、メインパルスレーザ光を出力するよう構成されたメインパルスレーザ装置とを含んで構成されてもよい。本実施形態におけるLPP式のEUV光生成装置12では、ドロップレット状のターゲットにプリパルスレーザ光を照射してターゲットを拡散させ、拡散ターゲットを形成した後、この拡散ターゲットにメインパルスレーザ光を照射する。このように、拡散ターゲットにメインパルスレーザ光を照射すれば、ターゲット物質が効率良くプラズマ化され得る。これによれば、パルスレーザ光のエネルギからEUV光のエネルギへの変換効率(CE:Conversion Efficiency)が向上し得る。
上述した各実施形態及び各変形例で説明した構成の要素は、適宜組み合わせることが可能である。
Claims (18)
- 内部でプラズマを生成するチャンバと、
前記チャンバ内のプラズマ生成領域にターゲット物質のドロップレットを供給するターゲット供給部と、
前記ドロップレットの軌道の少なくとも一部の周囲を覆う第1の管であって、前記ドロップレットの軌道方向の上流側端部である第1の端部及び下流側端部である第2の端部の両方が開放された第1の管と、
前記第1の管の少なくとも一部の周囲を覆い、前記第1の管の前記少なくとも一部との間に間隙を持って配置された第2の管であって、前記第2の管の両端部のうち前記ドロップレットの軌道方向の下流側端部である第3の端部が開放され、前記第3の端部が前記第1の管の前記第2の端部よりもさらに前記軌道方向の下流側に延出している第2の管と、
前記第1の管と前記第2の管との前記間隙に流すガスを供給し、前記間隙の前記第2の端部側に開口したガス出口から前記軌道方向に前記ガスを流出させるガス供給部と、
を備える極端紫外光生成装置。 - 請求項1に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記第1の管の外側部に延出した第1の遮蔽部材と、
前記第2の管の外側部に延出した第2の遮蔽部材と、を備え、
前記第1の遮蔽部材と前記第2の遮蔽部材との間にガス導入空間が設けられ、
前記ガス導入空間は、前記第1の管と前記第2の管との間の前記間隙と連通しており、
前記ガス供給部から前記ガス導入空間に導入されたガスが、前記ガス導入空間から前記間隙に供給される極端紫外光生成装置。 - 請求項1に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記第1の管の少なくとも一部の周囲が前記第2の管によって覆われた二重管部と、
前記第2の管のうち、前記第1の管における前記第2の端部よりもさらに前記軌道方向の下流側に延出した単一管部と、を含み、
前記二重管部のレイノルズ数が、限界レイノルズ数以下であり、かつ前記単一管部のペクレ数が5以上となる条件でガスを流す極端紫外光生成装置。 - 請求項1に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記第1の管及び前記第2の管のそれぞれは円管、又は四角管である極端紫外光生成装置。 - 請求項1に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記第1の管の少なくとも一部の周囲が前記第2の管によって覆われた二重管部の前記間隙内に、前記ドロップレットの軌道方向と平行な隔壁を備える極端紫外光生成装置。 - 請求項5に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記隔壁は、少なくとも2箇所に配置され、前記二重管部の前記間隙内のガス流路が前記隔壁によって少なくとも2つ以上の流路に分割されている極端紫外光生成装置。 - 請求項1に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記ターゲット供給部と前記第1の管との間に配置され、前記ドロップレットの軌道の一部の周囲を覆う筒状部材を備える極端紫外光生成装置。 - 請求項7に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記筒状部材の両端部のうち、前記軌道方向の下流側端部である第4の端部が開放され、
前記第4の端部は、前記第1の管に非接触である極端紫外光生成装置。 - 請求項8に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記筒状部材は、前記第4の端部と反対側の第5の端部側に、前記筒状部材を固定するための取り付け部を含み、
前記取り付け部は、前記ターゲット供給部の前記ターゲット物質を出力するノズル穴よりも、前記第1の管から遠い位置に設けられる極端紫外光生成装置。 - 請求項7に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記筒状部材には、前記筒状部材の内部を前記軌道方向の上流側に向かって流れたガスを前記筒状部材の外に流出させる開口が設けられている極端紫外光生成装置。 - 請求項10に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記筒状部材の内部を前記軌道方向の上流側に向かって流れたガスを前記筒状部材の外に流出させる前記開口は、前記ターゲット供給部の前記ターゲット物質を出力するノズル穴よりも、前記第1の管から遠い位置に設けられる極端紫外光生成装置。 - 請求項1に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記第1の管及び前記第2の管のうち少なくとも一方は、管内の流路断面積が前記軌道方向の下流側ほど大きくなる極端紫外光生成装置。 - 請求項1に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記軌道方向に直交する基準線に対して、
前記第1の管及び前記第2の管のそれぞれの側壁が交差する角度は、90度以上110度以下であり、
前記角度は、前記第2の管の外側に延びる前記基準線と、前記基準線よりも前記軌道方向の上流側の前記側壁とによって画成される交差角の角度である極端紫外光生成装置。 - 請求項7に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記筒状部材の筒内の流路断面積が前記軌道方向の上流側ほど大きくなる極端紫外光生成装置。 - 請求項14に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記軌道方向に直交する基準線に対して、
前記筒状部材の側壁が交差する角度は、80度以上90度以下であり、
前記角度は、前記筒状部材の外側に延びる前記基準線と、前記基準線よりも前記軌道方向の上流側の前記側壁とによって画成される交差角の角度である極端紫外光生成装置。 - 請求項2に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記第1の管の前記第1の端部は、前記第1の遮蔽部材よりもさらに前記軌道方向の上流側に延出しており、
前記ガス出口から流出したガスの一部が前記第1の管の内部を前記軌道方向の上流側に向かって流れる極端紫外光生成装置。 - 請求項1に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記チャンバは、
第1の容器と、
前記第1の容器に連通する第2の容器と、
前記第2の容器を前記第1の容器に対して移動可能に支持するステージと、
を含み、
前記第1の容器と前記第2の容器とが前記ステージを介して連結されており、
前記ターゲット供給部は、前記第2の容器に固定され、
前記第1の管及び前記第2の管を含むガス導入部材は、前記第1の容器に固定される極端紫外光生成装置。 - 請求項1に記載の極端紫外光生成装置であって、
前記第2の管に、前記第2の管を冷却するための冷却用流体を流す冷却用流路が設けられている極端紫外光生成装置。
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