(本発明に至った経緯)
測定装置として、例えば、特許文献1に記載の口腔内の水分測定器が知られている。特許文献1に記載の水分測定器では、センサを口腔内の測定部位に押し当てることにより、口腔内の水分を測定している。
このような装置では、センサと測定部位との接触が不十分である場合、正確な測定値を得ることができない。このため、測定するとき、測定部位とセンサとの接触を担保するために、センサを測定部位に押し当てている。
このような装置においては、測定部位に対するセンサの押圧力が所定の閾値を超えたときに測定を開始する構成が検討されている。所定の閾値とは、測定部位とセンサとの接触を担保する程度の押圧力の値である。
しかしながら、測定部位に対するセンサの押圧力が所定の閾値を超えた場合であっても、押圧力の大きさによって測定値がばらつくという問題がある。例として、所定の閾値を超える第1押圧力で測定した場合と、第1押圧力より大きい第2押圧力で測定した場合と、を説明する。この例では、第2押圧力で測定した場合の測定値は、第1押圧力で測定した場合の測定値よりも大きくなる。これは、本発明者らが発見した新規な課題である。
そこで、本発明者らは、生体センサが生体の測定部位に接触することにより生じる押圧力の大きさに応じて測定値を補正する構成を見出し、以下の発明に至った。
本発明の一態様の測定装置は、
生体情報を取得する生体センサと、
前記生体センサが生体の測定部位に接触することにより生じる押圧力を検知する押圧検知部と、
前記生体情報に基づいて得られる第1測定値を前記押圧力に基づいて補正することによって第2測定値を算出し、前記第2測定値の情報を出力する処理部と、
を備える。
このような構成により、測定精度を向上させることができる。
前記処理部は、前記押圧力が大きくなるのに伴い、前記第1測定値の補正量を大きくしてもよい。
このような構成により、測定精度を更に向上させることができる。
前記処理部は、前記押圧力が第1閾値以上のときに測定処理を開始してもよい。
このような構成により、生体センサが生体の測定部位との接触を担保した上で、測定処理を開始することができる。これにより、測定精度を更に向上させることができる。
前記処理部は、測定処理を開始してから所定の期間内で検知された前記押圧力の平均値に基づいて前記第1測定値を補正してもよい。
このような構成により、測定精度を更に向上させることができる。
前記処理部は、前記平均値が第2閾値以上第3閾値以下であるとき、前記平均値に基づいて前記第1測定値を補正してもよい。
このような構成により、測定精度を更に向上させることができる。
前記測定装置においては、更に、
前記生体センサ、前記押圧検知部及び前記処理部を収納し、長手方向を有する筐体を備え、
前記筐体は、
前記長手方向の一端側に設けられるセンサ部と、
前記長手方向の他端側に設けられる把持部と、
棒状に形成され、且つ前記センサ部と前記把持部とを接続するプローブ部と、
を有し、
前記生体センサは、前記センサ部に配置され、
前記押圧検知部は、前記センサ部又は前記プローブ部に配置され、
前記処理部は、前記プローブ部に配置されていてもよい。
このような構成により、押圧力を容易且つ正確に検知することができる。これにより、測定精度を更に向上させることができる。
前記生体センサは、前記生体情報を取得する検出面を有し、
前記押圧検知部は、前記センサ部の内部に配置され、且つ前記検出面と直交する方向から見て前記検出面の外周よりも内側に配置されていてもよい。
このような構成により、押圧力をより容易且つより正確に検知することができる。これにより、測定精度を更に向上させることができる。
前記生体センサは、静電容量を検出する静電容量センサであり、
前記処理部は、前記静電容量センサで検出された静電容量を周波数に変換処理してもよい。
このような構成により、測定精度を更に向上させることができる。
前記測定装置においては、更に、
前記第2測定値に基づいて測定対象物の量を算出する算出部を備えていてもよい。
このような構成により、測定装置において測定対象物の量を算出することができる。
前記測定対象物の量は、水分量であってもよい。
このような構成により、測定対象物の量として水分量を測定することができる。
前記押圧検知部は、圧電式圧力センサであってもよい。
このような構成により、押圧力をより容易且つより正確に検知することができる。これにより、測定精度を更に向上させることができる。
前記測定装置においては、更に、
情報を通知する通知部を備え、
前記処理部は、前記押圧力が所定の閾値の範囲内にあるか否かを判定し、判定結果の情報を前記通知部に出力してもよい。
このような構成により、測定装置の使い勝手が向上する。
前記生体の測定部位は、口腔内の測定部位であってもよい。
このような構成により、口腔内の状態を精度高く測定することができる。
本発明の一態様の測定システムは、
測定装置と、
前記測定装置と通信する処理装置と、
を備え、
前記測定装置は、
生体情報を取得する生体センサと、
前記生体センサが生体の測定部位に接触することにより生じる押圧力を検知する押圧検知部と、
前記生体情報に基づいて得られる第1測定値を前記押圧力に基づいて補正することによって第2測定値を算出し、前記第2測定値の情報を出力する処理部と、
前記第2測定値の情報を前記処理装置に送信する第1通信部と、
を有し、
前記処理装置は、
前記測定装置の前記第1通信部から前記第2測定値の情報を受信する第2通信部と、
前記第2測定値の情報に基づいて測定対象物の量を算出する算出部と、
を有する。
このような構成により、測定精度を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは必ずしも合致していない。
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、本発明に係る実施の形態1の測定装置1Aの一例の概略斜視図である。図2は、本発明に係る実施の形態1の測定装置1Aの一例の内部構成を示す模式図である。図3は、本発明に係る実施の形態1の測定装置1Aの一例の概略構成を示すブロック図である。図中のX,Y,Z方向は、それぞれ、測定装置1Aの幅方向、長さ方向、高さ方向を示す。
実施の形態1では、測定装置1Aが口腔内測定装置である例について説明する。また、実施の形態1では、測定装置1Aの測定対象物が水分であり、測定装置1Aを用いて口腔内の水分量を測定する例について説明する。
<外観>
測定装置1Aの外観について説明する。図1及び図2に示すように、測定装置1Aは、筐体2を備える。筐体2は、長手方向D1を有する棒状の形状を有する。具体的には、筐体2は、センサ部10、プローブ部20及び把持部30を有する。
センサ部10は、生体の測定部位に接触する部分である。生体の測定部位とは、口腔内の測定部位である。口腔内の測定部位とは、例えば、舌部である。センサ部10は、測定装置1Aの長手方向D1の一端E1に設けられている。センサ部10の外形寸法は、プローブ部20及び把持部30よりも小さく設計されている。例えば、センサ部10のX方向の寸法及びY方向の寸法は、プローブ部20及び把持部30に比べて小さく設計されている。
センサ部10は、生体の測定部位に接触する接触面10aを有している。接触面10aは、筐体2の長手方向D1の一端E1側に設けられており、且つ一端E1側の端面と交差する方向(X,Y方向)に設けられている。
プローブ部20は、センサ部10と把持部30とを接続する。プローブ部20は、棒状に形成されている。プローブ部20は、把持部30からセンサ部10に向かってX方向の寸法及びZ方向の寸法が小さくなっている。即ち、プローブ部20は、把持部30からセンサ部10に向かって先細りしていく形状を有する。
把持部30は、ユーザが把持する部分である。把持部30は、測定装置1Aの長手方向D1の他端E2に設けられている。把持部30は、棒状に形成されている。把持部30の外形寸法は、センサ部10及びプローブ部20よりも大きく設計されている。例えば、把持部30のX、Y,Z方向の寸法は、センサ部10及びプローブ部20に比べて大きく設計されている。
筐体2は、例えば、樹脂で形成されている。また、筐体2の一部は、金属で形成されていてもよい。あるいは、筐体2の全体が金属で形成されていてもよい。
次に、測定装置1Aを構成する構成要素について説明する。図1−図3に示すように、測定装置1Aは、生体センサ11、押圧検知部12、処理部21、及び操作表示部31を備える。
なお、実施の形態1では、測定装置1Aが操作表示部31を備える例について説明するが、これに限定されない。操作表示部31は、必須の構成ではなく、測定装置1Aとは別の装置に備えられていてもよい。
<生体センサ>
生体センサ11は、生体情報を取得する。生体情報とは、生体が発する種々の生理学的且つ解剖学的情報である。生体情報は、例えば、静電容量、抵抗値、水分量、温度、硬度、心拍、脈拍、誘電率、心電、筋電などの情報である。生体センサ11は、ユーザの口腔内の測定部位に接触し、接触した測定部位の生体情報を取得する。
実施の形態1では、生体センサ11は、例えば、静電容量センサである。生体センサ11は、口腔内の測定部位に接触し、静電容量の情報を取得する。即ち、実施の形態1では、生体センサ11で取得される生体情報は、静電容量の情報である。
生体センサ11は、接触面10aに配置される。生体センサ11は、測定装置1Aの長手方向D1の一端E1側の接触面10aに配置されている。例えば、生体センサ11は、筐体2のセンサ部10の接触面10a側に設けられた凹部に配置される。
図4は、本発明に係る実施の形態1の測定装置におけるセンサ部の一例の概略拡大底面図である。生体センサ11は面状に形成されている。具体的には、生体センサ11は、生体情報を取得する検出面11aを有する。検出面11aは、センサ部10の接触面10a側に露出している。例えば、検出面11aは、測定装置1Aの高さ方向(Z方向)から見て、矩形状に形成されている。検出面11aは、測定部位と接触することによって生体情報を検出する。即ち、生体センサ11は、検出面11aを測定部位に接触させることによって生体情報を取得する。
生体センサ11で取得された生体情報は、処理部21に送信される。
<押圧検知部>
押圧検知部12は、生体センサ11が生体の測定部位に接触することにより生じる押圧力Pを検知する。押圧力Pとは、測定部位に対して生体センサ11を押し当てる力を意味する。例えば、押圧力Pは、押圧による荷重を意味する。例えば、押圧検知部12は、圧電式圧力センサ、ひずみゲージ式圧力センサである。圧電式圧力センサは、チャージアンプ(圧力による電圧出力を得るための処理部分)のレンジ設定により、より微小な力を正確に計測することができる。ひずみゲージ式圧力センサは、ドリフトがないこと、温度依存性が小さいというメリットを有する。
押圧検知部12は、生体センサ11にかかる押圧力を直接検知してもよいし、生体センサ11の接触により筐体2に生じる押圧力を検知することにより生体センサ11にかかる押圧力を間接的に検知してもよい。
押圧検知部12は、センサ部10に配置される。押圧検知部12は、前記センサ部10の内部に配置されており、生体センサ11の検出面11aと直交する方向(Z方向)から見て検出面11aの外周よりも内側に配置される。具体的には、押圧検知部12は、Z方向において、センサ部10の内部で生体センサ11の検出面11aと反対側の面に配置されている。
押圧検知部12により検知された押圧力Pの情報は、処理部21に送信される。
<処理部>
処理部21は、生体情報に基づいて得られる第1測定値R1を押圧力Pに基づいて補正することによって第2測定値R2を算出する。また、処理部21は、第2測定値R2の情報を出力する。
処理部21は、生体センサ11で取得された生体情報に基づいて第1測定値R1を取得する。具体的には、処理部21は、生体センサ11から生体情報を受信し、生体情報に基づいて第1測定値R1の情報に変換処理する。例えば、生体情報はアナログ情報であり、第1測定値R1の情報はデジタル情報である。実施の形態1では、処理部21は、生体センサ11で取得した生体情報である静電容量の情報を周波数に変換する周波数変換回路を有する。処理部21は、生体センサ11から静電容量の情報を受信し、周波数変換回路によって静電容量を周波数に変換している。これにより、第1測定値R1として周波数を取得する。
例えば、処理部21は、静電容量とみなした生体センサ11に対して繰返し充放電を行い、その充放電スピードによって決まる周期の周波数に変換する。
処理部21は、押圧検知部12から押圧力Pの情報を受信し、押圧力Pに基づいて第1測定値R1を補正することによって、第2測定値R2を算出する。実施の形態1では、処理部21は、押圧力Pに基づいて第1測定値R1を補正することによって第2測定値R2を算出する補正回路を有する。処理部21は、押圧検知部12から押圧力Pの情報を受信し、押圧力Pの情報に基づいて周波数を、補正回路によって補正している。これにより、第2測定値R2として補正された周波数を取得する。
補正回路は、押圧力Pが大きくなるのに伴い、第1測定値R1の補正量を大きくする。補正回路は、補正係数Qを用いて第1測定値R1を補正することによって第2測定値R2を算出する。例えば、補正回路は、第1測定値R1に補正係数Qを乗算することによって第2測定値R2を算出する。補正回路は、押圧力Pが大きくなるのに伴い、補正係数Qを大きくしている。
図5は、押圧力P、第1測定値R1、補正係数Q及び第2測定値R2の一例を示す表である。なお、図5に示す例においては、押圧力Pが50gより小さい場合、測定部位と生体センサ11との接触を担保できないため、押圧力Pが50gより小さい例を示していない。図5に示すように、押圧力Pが50gより大きくなるのに伴い、第1測定値R1が大きくなっている。このように、測定部位と生体センサ11の接触を担保できているにも関わらず、押圧力Pが大きくなるのに伴い、第1測定値R1がばらつく。
補正係数Qは、押圧力Pが大きくなるのに伴い、補正量が大きくなるように設定される。補正係数Qは、押圧力Pが所定の値又は所定の範囲ごとに設定されている。図5に示す例では、補正係数Qは、押圧力Pが10g変化するごとに設定されている。
補正回路は、押圧力Pに基づいて補正係数Qを決定し、第1測定値R1に補正係数Qを乗算することによって第2測定値R2を算出している。
図6は、補正係数Qの算出方法の一例を説明するための図である。なお、図6に示すデータは、所定の条件において、押圧力Pのみを変化させた場合の第1測定値R1及び第2測定値R2を示している。例えば、図6に示すデータは、製品の製造工程で取得してもよい。
図6に示すように、押圧力Pと第1測定値R1との近似式Eq1を算出する。例えば、近似式Eq1は一次の式である。近似式Eq1は、例えば、最小二乗法で算出することができる。補正係数Qは、基準値となる押圧力Pの第1測定値R1の近似値と、基準値以外の押圧力Pの第1測定値R1の各近似値の比によって設定される。
なお、実施の形態1では、近似式Eq1が一次式の例を説明したが、これに限定されない。例えば、近似式Eq1は二次式であってもよい。近似式Eq1が二次式である場合、多項式近似、線形近似、指数近似、累乗近似、対数近似によって近似式Eq1を算出してもよい。
図5及び図6に示す例では、押圧力Pが50gのときの第1測定値R1を基準とした場合、即ち、押圧力Pが50gのときの補正係数Qを「1」に設定した場合を示している。
補正回路は、押圧力Pに対応する補正係数Qを選択し、第1測定値R1に補正係数Qを乗算する。これにより、第2測定値R2を算出する。
処理部21は、算出した第2測定値R2の情報を出力する。例えば、処理部21は、測定対象物の量を算出する算出部に送信される。算出部は、測定装置1Aに備えられていてもよいし、測定装置1Aとは別の装置に備えられていてもよい。
実施の形態1では、処理部21は、押圧力Pが第1閾値S1以上のときに測定処理を開始する。測定処理とは、測定対象物の量を測定するための処理である。例えば、測定処理は、周波数変換回路及び補正回路による処理を意味する。
処理部21は、押圧力Pが第1閾値S1以上であるか否かを判定する判定回路を有する。処理部21は、判定回路によって押圧力Pが第1閾値S1以上であるか否かを判定する。判定回路において、押圧力Pが第1閾値S1以上であると判定されたとき、処理部21は、測定処理を開始する。判定回路において、押圧力Pが第1閾値S1より小さいと判定されたとき、処理部21は、測定処理を開始しない。このように。処理部21は、生体センサ11からの生体情報及び押圧検知部12からの押圧力Pの情報を受信し続けているが、押圧力Pが第1閾値S1以上とならない限り、測定処理を開始しない。
例えば、第1閾値S1は、測定部位と生体センサ11との接触が担保できる程度の押圧力Pの値に設定される。図5及び図6に示す例では、第1閾値S1は、50gに設定されてもよい。なお、第1閾値S1は、これに限定されず、任意の値に設定することができる。
実施の形態1では、処理部21は、測定処理を開始してから所定の期間内で検知された押圧力Pの平均値Pzに基づいて第1測定値R1を補正することによって第2測定値R2に算出してもよい。処理部21は、測定処理を開始してから所定の期間内で検知された押圧力Pの平均値Pzを算出する算出回路を有していてもよい。押圧検知部12は、測定処理を開始してから所定の期間内の押圧力Pを検知する。処理部21は、算出回路によって、所定の期間内の押圧力Pの平均値Pzを算出する。補正回路は、押圧力Pの平均値Pzに基づいて、第1測定値R1を第2測定値R2に補正する。例えば、補正係数Qは、押圧力Pの平均値Pzを用いて算出される。
実施の形態1では、処理部21は、所定の期間内に検知された押圧力Pの平均値Pzが第2閾値S2以上第3閾値S3以下であるとき、平均値Pzに基づいて第1測定値R1を第2測定値R2に補正してもよい。例えば、第2閾値S2は、測定部位と生体センサ11との接触が担保できる程度の押圧力Pの値に設定される。第2閾値S2は、第1閾値S1と同じであってもよい。第3閾値S3は、測定部位に損傷を与えない程度の押圧力Pに設定される。例えば、第2閾値S2は50g、第3閾値S3は130gに設定されてもよい。なお、第2閾値S2及び第3閾値S3は、これらに限定されず、任意の値に設定することができる。
図7Aは、押圧力Pの平均値Pzの算出方法の一例を説明するための図である。図7Aに示すように、処理部21は、押圧検知部12で検知される押圧力Pが第1閾値S1以上となるタイミングts1で測定処理を開始する。測定処理は、所定の期間taの間に行われる。所定の期間taは、例えば、1.5秒である。
所定の期間は、第1期間ta1及び第2期間ta2を含む。第1期間ta1は、タイミングts1から所定の時間経過したタイミングts2で終了する。第2期間ta2は、タイミングts2から所定の時間経過したタイミングts3で終了する。第2期間ta2は、第1期間ta1よりも長い。例えば、第1期間ta1は0.5秒である。第2期間ta2は1.0秒である。
処理部21は、第2期間ta2の間に検知された押圧力Pの値に基づいて平均値Pzを算出する。これにより、押圧力Pの平均値Pzをより正確に算出することができる。即ち、処理部21は、測定処理を開始した直後の第1期間ta1の間に検知された押圧力Pの値を平均値Pzの算出に用いていない。第2期間ta2では、第1期間ta1と比べて、安定して押圧力Pを検知することができる。第2期間ta2の間に検知された押圧力Pの値に基づいて平均値Pzを算出することによって、より正確な押圧力Pの平均値Pzを算出することができる。
なお、所定の期間taは、第2期間Ta2の後に第3期間ta3を有していてもよい。
図7Bは、押圧力Pの平均値Pzの算出方法の別例を説明するための図である。図7Bに示すように、所定の期間taは、第1期間ta1、第2期間ta2及び第3期間ta3を含む。第1期間ta1は、タイミングts1から所定の時間経過したタイミングts2で終了する。第2期間ta2は、タイミングts2から所定の時間経過したタイミングts3で終了する。第3期間ta3は、タイミングts3から所定の時間経過したタイミングts4で終了する。第2期間ta2は、第1期間ta1及び第3期間ta3よりも長い。所定の期間taは、例えば、2.0秒である。例えば、第1期間ta1は0.5秒である。第2期間ta2は1.0秒である。第3期間ta3は0.5秒である。処理部21は、第2期間ta2の間に検知された押圧力Pの値に基づいて平均値Pzを算出する。
処理部21は、測定装置1Aの長手方向D1において中央部C1よりも生体センサ11側に配置される。具体的には、処理部21は、プローブ部20の内部に配置されている。これにより、ノイズの発生を抑制することができる。
処理部21は、半導体素子などで実現可能である。処理部21は、例えば、マイコン、CPU、MPU、GPU、DSP、FPGA、ASIC、ディスクリート半導体、LSIで構成することができる。処理部21の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。処理部21は、処理部21内の図示しない記憶部に格納されたデータやプログラムを読み出して種々の演算処理を行うことで、所定の機能を実現する。記憶部は、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又はこれらの組み合わせによって実現できる。
<操作表示部>
操作表示部31は、ユーザからの入力を受け付けると共に、測定対象物の量の情報を表示する。例えば、操作表示部31は、ユーザからの操作を受け付ける操作部と、情報を表示する表示部とを備える。
操作部は、ユーザからの入力を受け付ける1つ又は複数のボタンを有する。複数のボタンは、例えば、電源ON/OFFを切り替える電源ボタンなどを含む。
表示部は、測定対象物の量の情報を表示する。表示部は、例えば、ディスプレイである。測定対象物の量の情報は、例えば、測定装置1Aに備えられる算出部から表示部に送信される。あるいは、測定対象物の量の情報は、測定装置1Aとは別の装置に備えられる算出部から、例えば、ネットワークなどを介して表示部に送信される。
操作表示部31は、把持部30の上面に配置される。
測定装置1Aは、測定装置1Aを構成する構成要素を統括的に制御する制御部を備える。制御部は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路を備える。例えば、制御部においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。実施の形態1では、制御部は、生体センサ11、押圧検知部12、処理部21及び操作表示部31を制御する。
[測定装置の動作]
測定装置1Aの動作の一例、即ち、測定方法の一例について説明する。図8は、本発明に係る実施の形態1の測定装置1Aの動作の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップST1では、押圧検知部12によって、生体センサ11が生体の測定部位に接触することにより生じる押圧力Pを検知する。具体的には、ユーザが測定装置1Aのセンサ部10に配置された生体センサ11を口腔内の測定部位に接触させる。ステップST1では、押圧検知部12は、生体センサ11が口腔内の測定部位に対して押し当てられることにより生じる押圧力Pを検知する。押圧検知部12で検知された押圧力Pの情報は、処理部21に送信される。
ステップST2では、処理部21によって、押圧力Pが第1閾値S1以上であるか否かを判定する。ステップST2において、処理部21は、押圧検知部12から押圧力Pの情報を受信する。処理部21によって押圧力Pが第1閾値S1以上であると判定されたとき、フローはステップST3に進む。処理部21によって押圧力Pが第1閾値S1より小さいと判定されたとき、フローはステップST1に戻る。
ステップST3では、生体センサ11によって、生体情報を取得する。生体センサ11で取得された生体情報は、処理部21に送信される。
実施の形態1では、生体センサ11は静電容量センサである。生体センサ11は生体情報として静電容量の情報を取得する。また、生体センサ11は、静電容量の情報を処理部21に送信する。
ステップST4では、処理部21によって、生体情報を第1測定値R1の情報に変換処理する。実施の形態1では、処理部21は、生体センサ11から静電容量の情報を受信し、周波数変換回路によって静電容量を周波数に変換する。
ステップST5では、処理部21によって、押圧力Pに基づいて第1測定値R1を補正することによって、第2測定値R2を算出する。処理部21は、押圧力Pに基づいて補正係数Qを決定し、第1測定値R1に補正係数Qを乗算することによって第2測定値R2を算出する。実施の形態1では、処理部21は、周波数変換回路によって変換された周波数に補正係数Qを乗算することによって周波数を補正する。これにより、第2測定値R2を取得する。
ステップST6では、処理部21によって、第2測定値R2の情報を出力する。例えば、処理部21は、測定装置1Aに備えられる算出部に第2測定値R2の情報を出力する。あるいは、処理部21は、測定装置1Aとは別の装置に備えられる算出部に第2測定値R2の情報を出力する。
算出部は、第2測定値R2の情報に基づいて、測定対象物の量の算出処理を開始する。実施の形態1では、測定対象物の量は、水分量である。
算出部によって算出された測定対象物の量の情報は、操作表示部31に送信される。操作表示部31は、測定対象物の量の情報を表示する。
このように、ステップST1〜ST6を実施することによって、測定装置1Aは、押圧力Pに基づいて第1測定値R1を補正して得られた第2測定値R2の情報を出力することができる。
[測定装置の使用方法]
測定装置1Aの使用方法の一例について図9を用いて説明する。図9は、本発明に係る実施の形態1の測定装置1Aを使用している様子の一例を示す模式図である。なお、以下では、測定装置1Aの例として、口腔内測定装置を使用方法の一例を説明する。
図9に示すように、測定装置1Aのセンサ部10及びプローブ部20をフィルム3によって覆う。操作表示部31の電源ボタンを押して、測定装置1Aの電源をONにする。これにより、測定装置1Aを測定可能な状態にする。
測定においては、測定装置1Aの接触面10aをユーザの口腔内の測定部位に接触させる。例えば、接触面10aをユーザの舌部に接触させる。
測定装置1Aにおいては、図8に示す動作の一例を実施する。
測定装置1Aは、押圧検知部12によって押圧力Pを検知する。測定装置1Aは、押圧検知部12で検知される押圧力Pが第1閾値以上であるとき、測定処理を開始する。一方、測定装置1Aは、押圧検知部12で検知される押圧力Pが第1閾値より小さいとき、測定処理を開始しない。この場合、測定装置1Aは、操作表示部31に測定できないことを示すエラーを表示してもよい。あるいは、測定装置1Aは、測定できないことを示す音声情報を出力してもよい。ユーザは、測定装置1Aが測定を開始しない場合、再度、接触面10aを舌部に接触させる。
測定を開始してから所定の期間経過すると、測定装置1Aは、生体センサ11で取得した生体情報を第1測定値R1の情報に変換処理する。測定装置1Aは、第1測定値R1を押圧力Pに基づいて補正することによって第2測定値R2を算出し、第2測定値R2の情報を算出部に送信する。算出部は、第2測定値R2に基づいて測定対象物の量として、水分量を算出する。
測定が終了すると、測定装置1Aは、操作表示部31に、測定結果として測定対象物の量の情報を表示する。このとき、測定装置1Aは、測定終了をユーザに通知してもよい。例えば、操作表示部31に測定が終了したメッセージが表示されてもよい。あるいは、スピーカーからの音声情報によってユーザに測定の終了を通知してもよい。
[効果]
実施の形態1に係る測定装置1Aによれば、以下の効果を奏することができる。
測定装置1Aは、生体センサ11、押圧検知部12及び処理部21を備える。生体センサ11は、生体情報を取得する。押圧検知部12は、生体センサ11が生体の測定部位に接触することにより生じる押圧力Pを検知する。処理部21は、生体情報に基づいて得られる第1測定値R1を押圧力Pに基づいて補正することによって第2測定値R2を算出し、第2測定値R2の情報を出力する。
このような構成により、測定精度を向上させることができる。測定装置1Aによれば、生体センサ11が生体の測定部位に接触することにより生じる押圧力Pの大きさに応じて測定値を補正することができる。このため、生体の測定部位と生体センサ11とが十分に接触していても押圧力Pの大きさの変化によって測定値がばらつくという新規な問題を解決することができる。
生体センサ11を測定部位に押し当てる押圧力Pは、使用状況やユーザの習熟度などによっても異なってくる。測定装置1Aによれば、容易に精度の高い測定を行うことができる。
処理部21は、押圧力Pが大きくなるのに伴い、第1測定値R1の補正量を大きくしている。このような構成により、測定精度を更に向上させることができる。
処理部21は、押圧力Pが第1閾値S1以上のときに測定処理を開始する。このような構成により、生体センサ11と測定部位との接触が十分であるときに測定を開始することができるため、測定精度を更に向上させることができる。
処理部21は、測定処理を開始してから所定の期間内で検知された押圧力Pの平均値Pzに基づいて第1測定値R1を補正する。このような構成により、測定精度を更に向上させることができる。
処理部21は、押圧力Pの平均値Pzが第2閾値S2以上第3閾値S3以下であるとき、平均値Pzに基づいて第1測定値R1を補正する。このような構成により、測定中における生体センサ11と測定部位との接触が十分であるときに押圧力Pの平均値Pzに基づいて第1測定値R1を補正することができる。これにより、測定精度を更に向上させることができる。
測定装置1Aは、生体センサ11、押圧検知部12及び処理部21を収納し、長手方向D1を有する筐体2を備える。筐体2は、センサ部10、プローブ部20及び把持部30を有する。センサ部10は、長手方向D1の一端E1側に設けられる。把持部30は、長手方向D1の他端E2側に設けられる。プローブ部20は、棒状に形成され、且つセンサ部と把持部30とを接続する。生体センサ11は、センサ部10に配置される。押圧検知部12は、センサ部10に配置される。処理部21は、プローブ部20に配置される。このような構成により、生体センサ11と測定部位との接触により生じる押圧力Pを容易に検知することができる。これにより、測定精度を更に向上させることができる。また、処理部21をプローブ部20に配置することによって、処理部21においてノイズが発生することを抑制することができる。
生体センサ11は、生体情報を取得する検出面11aを有する。押圧検知部12は、センサ部10の内部に配置され、且つ検出面11aと直交する方向から見て検出面11aの外周よりも内側に配置される。このような構成により、生体センサ11と測定部位との接触により生じる押圧力Pを容易に且つ正確に検知することができる。これにより、測定精度を更に向上させることができる。
生体センサ11は、静電容量を検出する静電容量センサである。処理部21は、静電容量センサで検出された静電容量を周波数に変換処理する。このような構成により、測定精度を更に向上させることができる。
押圧検知部12は、圧電式圧力センサである。このような構成により、生体センサ11と測定部位との接触により生じる押圧力Pを容易に且つ正確に検知することができる。これにより、測定精度を更に向上させることができる。
なお、実施の形態1では、測定装置1Aは、生体センサ11、押圧検知部12、処理部21及び操作表示部31を備える例について説明したが、これ限定されない。測定装置1Aは、これらの構成要素を1つの装置で実現してもよいし、複数の装置で実現してもよい。例えば、処理部21と操作表示部31とが一体で形成されていてもよい。生体センサ11と処理部21とが一体で形成されていてもよい。
実施の形態1では、操作表示部31が測定装置1Aに設けられる例について説明したが、これに限定されない。操作表示部31は、測定装置1Aに設けられていなくてもよい。例えば、操作表示部31は、測定装置1Aとは別の装置に設けられていてもよい。
実施の形態1では、測定装置1Aが口腔内測定装置であり、測定対象物の量として水分量を測定する例について説明したが、これに限定されない。例えば、測定装置1Aは、唾液の分泌量、咬合力、舌圧力、舌の色調及び/又は唾液中に含まれる各種物質の量を測定してもよい。具体的には、測定装置1Aは、測定対象物として、分泌される電解質の量、各種酵素、たんぱく質、アンモニアなどを測定してもよい。
あるいは、測定装置1Aは、脈波計、パルスオキシメータなどであってもよい。
実施の形態1では、筐体2がセンサ部10、プローブ部20及び把持部30を備える例について説明したが、これに限定されない。
実施の形態1では、生体センサ11が静電容量センサである例について説明したが、これに限定されない。生体センサ11は生体情報を取得できるセンサであればよい。例えば、生体センサ11は、インピーダンス測定センサ、荷重センサ、及び湿度センサのうちの少なくともいずれか1つであってもよい。
実施の形態1では、生体センサ11の検出面11aは、測定装置1Aの高さ方向(Z方向)から見て矩形状に形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、生体センサの検出面11aは、測定装置1Aの高さ方向(Z方向)から見て多角形状、円形、又は楕円形を有していてもよい。
実施の形態1では、押圧検知部12がセンサ部10に配置される例について説明したが、これに限定されない。押圧検知部12は、生体センサ11が測定部位に接触することにより生じる押圧力Pを検知可能な位置に配置されていればよい。
図10は、本発明に係る実施の形態1の変形例の測定装置1Bの内部構成を示す図である。図10に示すように、測定装置1Bにおいて、押圧検知部12は、プローブ部20に配置されていてもよい。このような構成においても、押圧検知部12は押圧力Pを容易に検知することができる。
実施の形態1では、測定装置1Aが1つの押圧検知部12を備える例について説明したが、これに限定されない。測定装置1Aは、1つ又は複数の押圧検知部12を備えていてもよい。
実施の形態1では、処理部21が所定の期間内に検知された押圧力Pの平均値Pzに基づいて第1測定値R1を補正する例について説明したが、これに限定されない。例えば、処理部21は、所定の期間内で検知された押圧力Pの中央値に基づいて第1測定値R1を補正してもよい。
実施の形態1では、処理部21が静電容量を周波数に変換処理する変換回路を有する例について説明したが、これに限定されない。処理部21は、生体センサ11で取得した生体情報を周波数以外の情報に変換する回路を有していてもよい。あるいは、処理部21は、変換回路を有していなくてもよい。この場合、処理部21は、生体情報をそのまま第1測定値R1として用いてもよい。
実施の形態1では、操作表示部31が操作部と表示部とを備える例について説明したが、これに限定されない。操作表示部31は、操作部と表示部とのうち少なくともいずれか一方を有していればよい。
実施の形態1では、測定装置1Aの動作の一例として図8に示すステップST1〜ST6を用いて説明したが、これに限定されない。例えば、図8に示すステップST1〜ST6は、統合されてもよいし、分割されてもよい。あるいは、図8に示すフローチャートは、追加のステップを含んでいてもよい。例えば、操作表示部31に測定結果を表示するステップを追加してもよい。図8に示すステップST1〜ST6を実施する順番についても、これらに限定されない。
図11は、本発明に係る実施の形態1の変形例の測定装置1Cの概略構成を示すブロック図である。図11に示すように、測定装置1Cは、情報を通知する通知部32を備えていてもよい。例えば、通知部32は、音声情報及び/又は光情報を出力する装置である。例えば、通知部32は、スピーカー、LED、ディスプレイなどであってもよい。通知部32は、測定の終了を通知する情報、測定エラーを通知する情報を出力してもよい。通知部は、制御部によって制御される。
例えば、処理部21は、押圧力Pが所定の閾値の範囲内にあるか否かを判定し、判定結果の情報を通知部32に送信する。通知部32は、判定結果の情報に基づいて、情報を出力する。例えば、押圧力Pが所定の閾値の範囲内にあった場合、通知部32は測定の終了を通知する情報を出力する。あるいは、押圧力Pが所定の閾値の範囲内になかった場合、通知部32は測定エラーを通知する情報を出力する。このような構成により、測定装置1Cの使い勝手が向上する。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る測定装置について説明する。なお、実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
実施の形態2の測定装置の一例について、図12を用いて説明する。図12は、本発明に係る実施の形態2の測定装置1Dの一例の概略斜視図である。
実施の形態2では、算出部33を備えている点で、実施の形態1と異なる。
図12に示すように、測定装置1Dは、算出部33を備える。算出部33は、処理部21で算出された第2測定値R2に基づいて測定対象物の量を算出する。
算出部33は、筐体2の把持部30に収納されている。算出部33は、処理部21から第2測定値R2の情報を受信する。算出部33は、受信した第2測定値R2の情報に基づいて測定対象物の量を算出する。実施の形態2では、第2測定値R2の情報は、周波数の情報である。算出部33は、周波数の情報に基づいて水分量を算出する。算出部33は、制御部によって制御される。
算出部33は、半導体素子などで実現可能である。算出部33の機能は、ハードウェアのみで構成してもよいし、ハードウェアとソフトウェアとを組み合わせることにより実現してもよい。算出部33は、例えば、周波数の変化量に基づいて水分量を算出する水分量算出回路を有する。なお、周波数の変化量とは、基準周波数と、処理部21において静電容量の情報に基づいて変換された周波数との差である。基準周波数とは、標準的な空気雰囲気中における周波数を意味する。
算出部33は、記憶部を有する。記憶部は、例えば、ハードディスク(HDD)、SSD、RAM、DRAM、強誘電体メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、又はこれらの組み合わせによって実現できる。例えば、算出部33は、測定対象物の量の算出を実施する際に、処理部21から送信された第2測定値R2の情報を記憶部に保存する。
算出部33で算出された水分量の情報は、操作表示部31に送信される。
図13は、本発明に係る実施の形態2の測定装置1Dの動作の一例を示すフローチャートである。図13に示すステップST11〜ST13及びST16〜ST18は、実施の形態1の図8に示すステップST1〜ST6と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図13に示すように、ステップST11では、押圧検知部12によって押圧力Pを検知する。
ステップST12では、処理部21によって、押圧力Pが第1閾値S1以上であるか否かを判定する。押圧力Pが第1閾値S1以上であると判定された場合、フローはステップST13に進む。押圧力Pが第1閾値S1より小さいと判定された場合、フローはステップST11に戻る。
ステップST13では、生体センサ11によって生体情報を取得する。
ステップST14では、処理部21によって、所定の期間内で検知された押圧力Pの平均値Pzを算出する。なお、押圧力Pの平均値Pzの算出方法は、実施の形態1と同様のため説明を省略する。
ステップST15では、処理部21によって、押圧力Pの平均値Pzが第2閾値S2以上第3閾値S3以下であるか否かを判定する。平均値Pzが第2閾値S2以上第3閾値以下であると判定された場合、フローはステップST16に進む。平均値Pzが第2閾値S2以下又は第3閾値以上であると判定された場合、フローはステップST11に戻る。
ステップST16では、処理部21によって、生体情報を第1測定値R1の情報に変換処理する。
ステップST17では、処理部21によって、押圧力Pの平均値Pzに基づいて第1測定値R1を補正することによって、第2測定値R2を算出する。
ステップST18では、処理部21によって、第2測定値R2の情報を出力する。処理部21は、第2測定値R2の情報を算出部33に出力する。
ステップST19では、算出部33によって、第2測定値R2の情報に基づいて測定対象物の量を算出する。算出部33は、処理部21から第2測定値R2の情報を受信し、第2測定値R2に基づいて測定対象物の量を算出する。算出された測定対象物の量の情報は、操作表示部31に送信される。
ステップST20において、操作表示部31によって測定結果を表示する。操作表示部31は、算出部33から測定対象物の量の情報を受信し、測定対象物の量の情報を表示する。
このように、ステップST11〜ST20を実施することによって、測定装置1Dは、測定対象物の量を算出することができる。
[効果]
実施の形態3に係る測定装置1Dによれば、以下の効果を奏することができる。
測定装置1Dは、第2測定値R2に基づいて測定対象物の量を算出する算出部33を備える。このような構成により、測定対象物の量を算出することができる。
なお、実施の形態2では、算出部33が把持部30の内部に配置される例について説明したが、これに限定されない。例えば、算出部33は、プローブ部20の内部に配置されていてもよい。この場合、算出部33は処理部21と一体で形成されていてもよい。
実施の形態2では、算出部33が測定対象物の量として水分量を算出する例について説明したが、これに限定されない。また、算出部33が周波数の変化量に基づいて水分量を算出する水分量算出回路を有する例について説明したが、これに限定されない。例えば、算出部33は、測定対象物の量を算出する算出回路を有していればよい。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る測定システムについて説明する。なお、実施の形態3では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態3においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態3では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
実施の形態3の測定システムの一例について、図14を用いて説明する。図14は、本発明に係る実施の形態3の測定システム50の一例の概略構成を示すブロック図である。
実施の形態3では、測定装置1Eで取得した情報を処理装置40に送信し、処理装置40で測定対象物の量を算出する点で、実施の形態1と異なる。
図14に示すように、測定システム50は、生体の測定部位に接触する測定装置1Eと、測定装置1Eと通信する処理装置40と、を備える。
<測定装置>
測定装置1Eは、生体センサ11、押圧検知部12、処理部21及び第1通信部34を備える。実施の形態3では、生体センサ11、押圧検知部12及び処理部21については、実施の形態1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
第1通信部34は、処理装置40と通信する。具体的には、第1通信部34は、処理部21から出力される第2測定値R2の情報を処理装置40に送信する。
第1通信部34は、所定の通信規格に準拠して処理装置40との通信を行う回路を含む。所定の通信規格は、例えば、LAN、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface)、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)、I2C(Inter-Integrated Circuit)を含む。
測定装置1Eは、測定装置1Eを構成する構成要素を統括的に制御する第1制御部を備える。第1制御部は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路を備える。例えば、第1制御部においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。実施の形態3では、第1制御部は、生体センサ11、押圧検知部12、処理部21及び第1通信部34を制御する。
<処理装置>
処理装置40は、測定装置1Eからの情報を受信し、受信した情報に基づいて測定対象物の量を算出する。具体的には、処理装置40は、測定装置1Eから第2測定値R2の情報を受信し、第2測定値R2の情報に基づいて測定対象物の量を算出する。
処理装置40は、コンピュータである。例えば、処理装置40は、スマートフォン又はタブレット端末などの携帯型の端末であってもよい。あるいは、処理装置40は、ネットワークに接続されたサーバであってもよい。
処理装置40は、第2通信部41、操作表示部31及び算出部33を備える。実施の形態3では、操作表示部31及び算出部33は、実施の形態1及び2と同様であるため、詳細な説明を省略する。
第2通信部41は、測定装置1Eと通信する。具体的には、第2通信部41は、測定装置1Eの第1通信部34から第2測定値R2の情報を受信する。
第2通信部41は、所定の通信規格に準拠して測定装置1Eとの通信を行う回路を含む。所定の通信規格は、例えば、LAN、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、USB、HDMI(登録商標)、CAN(controller area network)、SPI(Serial Peripheral Interface)、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)、I2C(Inter-Integrated Circuit)を含む。
処理装置40は、第2通信部41を介して、測定装置1Eから第2測定値R2の情報を受信する。
処理装置40において、算出部33は、測定装置1Dから受信した第2測定値R2の情報に基づいて測定対象物の量を算出する。実施の形態3では、算出部33は、第2測定値R2の情報に基づいて水分量を算出する。算出された水分量の情報は、操作表示部31に送信される。操作表示部31は、算出された水分量の情報を表示する。
処理装置40は、処理装置40を構成する構成要素を統括的に制御する第2制御部を備える。第2制御部は、例えば、プログラムを記憶したメモリと、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサに対応する処理回路を備える。例えば、第2制御部においては、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行する。実施の形態3では、第2制御部は、第2通信部41、操作表示部31及び算出部33を制御する。
図15は、本発明に係る実施の形態3の測定システム50の動作の一例を示すフローチャートである。図15に示すステップST21−ST26は、実施の形態1の図8に示すステップST1〜ST6と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図15に示すように、ステップST21では、押圧検知部12によって押圧力Pを検知する。
ステップST22では、処理部21によって、押圧力Pが第1閾値S1以上であるか否かを判定する。処理部21によって押圧力Pが第1閾値S1以上であると判定されたとき、フローはステップST23に進む。処理部21によって押圧力Pが第1閾値S1より小さいと判定されたとき、フローはステップST21に戻る。
ステップST23では、生体センサ11によって、生体情報を取得する。生体センサ11で取得された生体情報は、処理部21に送信される。
ステップST24では、処理部21によって、生体情報を第1測定値R1の情報に変換処理する。
ステップST25では、処理部21によって、押圧力Pに基づいて第1測定値R1を補正することによって、第2測定値R2を算出する。
ステップST26では、処理部21によって、第2測定値R2の情報を出力する。処理部21は、第1通信部34によって、第2測定値R2の情報を処理装置40に送信する。
ステップST27では、第2通信部41によって、第2測定値R2の情報を受信する。第2通信部41で受信された第2測定値R2の情報は、算出部33に送信される。
ステップST28では、算出部33によって、第2測定値R2の情報に基づいて測定対象物の量を算出する。実施の形態3では、算出部33は、測定対象物の量として水分量を算出する。算出部33は、算出した測定対象物の量の情報を操作表示部31に送信する。
ステップST29では、操作表示部31によって、測定結果を表示する。
このように、ステップST21〜ST29を実施することによって、測定システム50は、測定対象物の量を算出することができる。
[効果]
実施の形態3に係る測定システム50によれば、以下の効果を奏することができる。
測定システム50は、測定装置1Eと、測定装置1Eと通信する処理装置40と、を備える。測定装置1Eは、生体センサ11、押圧検知部12、処理部21及び第1通信部34を有する。生体センサ11は、生体情報を取得する。押圧検知部12は、生体センサ11が生体の測定部位に接触することにより生じる押圧力Pを検知する。処理部21は、生体情報に基づいて得られる第1測定値R1を押圧力Pに基づいて補正することによって第2測定値R2を算出し、第2測定値R2の情報を出力する。第1通信部34は、第2測定値R2の情報を処理装置40に送信する。処理装置40は、第2通信部41及び算出部33を備える。第2通信部41は、測定装置1Eの第1通信部34から第2測定値R2の情報を受信する。算出部33は、第2測定値R2の情報に基づいて測定対象物の量を算出する。
このような構成により、測定精度を向上させることができる。測定システム50によれば、生体センサ11が生体の測定部位に接触することにより生じる押圧力Pの大きさに応じて測定値を補正することができる。このため、生体の測定部位と生体センサ11とが十分に接触していても押圧力Pの大きさの変化によって測定値がばらつくという新規な問題を解決することができる。
生体センサ11を測定部位に押し当てる押圧力Pは、使用状況やユーザの習熟度などによっても異なってくる。測定システム50によれば、容易に精度の高い測定を行うことができる。
なお、実施の形態3では、処理装置40が操作表示部31を備える例について説明したが、これに限定されない。処理装置40において、操作表示部31は必須の構成ではない。例えば、操作表示部31は測定装置1Eに設けられていてもよい。あるいは、操作表示部31は別の外部機器に設けられていてもよい。
実施の形態3では、測定システム50は、水分を測定対象物としている例について説明したが、これに限定されない。測定システム50は、測定対象物の量を測定できればよい。
実施の形態3では、測定システム50は、測定装置1Eを備える例について説明したが、これに限定されない。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。