JP6749854B2 - 透過加飾フィルム - Google Patents

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本発明は、透過加飾フィルムに関する。
コレステリック液晶相を含む層(以後、「コレステリック液晶層」とも称する)は、特定の波長域において右円偏光及び左円偏光のいずれか一方を選択的に反射させる性質を有する層として知られている。そのため、コレステリック液晶層は種々の用途へ適用されており、例えば、部分的に色相の異なる画像等を表示するためのディスプレイ用品等への応用が挙げられる(特許文献1)。
特開2009−300662号公報
ところで、昨今、特定の画像等を表示可能な加飾フィルムについて様々な要望があり、例えば、そのフィルム自体を介して向こう側の光景が視認できるような透過型の加飾フィルム(透過加飾フィルム)であって、一方の側(表面)からは特定の表示を視認でき、他方の側(裏面)からは実質的にその表示を視認できないような加飾フィルムが求められている。特に、裏面において、実質的に表面に表示される特定の表示を視認できないだけでなく、上記特定の表示とは全く異なる色相の表示又は画像を表示できれば、より加飾効果が高まる。
特許文献1の実施例に記載された液晶ディスプレイ用品は、主に液晶層に形成した画像(コレステリック液晶層内に、選択反射波長が互いに異なる領域を2以上有することにより得られ得る画像)をより高い色調で表示することを目的としており、観察面によって表示される像が異なる形態については何ら検討されていない。なお、特許文献1の実施例では、液晶層の色調を効果的に見せることを目的として、墨インキを用いて液晶層とは反対側に厚みのある光吸収層を形成しているため、液晶層とは反対側の面を観察面として観察しても、外の景色を透かして見ることはできない。
そこで、本発明は、観察面で異なる視覚効果を与え得る透過加飾フィルム及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、円偏光板と、円偏光板上の一部に配置されたコレステリック液晶層と、コレステリック液晶層の側面、ならびに、円偏光板の、コレステリック液晶層が形成されない表面を覆う充填層と、を有することにより上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 円偏光板と、
円偏光板上の一部に配置されたコレステリック液晶層と、
コレステリック液晶層の側面、ならびに、円偏光板の、コレステリック液晶層が形成されない表面を覆う充填層と、を有する透過加飾フィルム。
(2) 充填層の表面とコレステリック液晶層の表面とが面一である(1)に記載の透過加飾フィルム。
(3) 充填層の厚みが、コレステリック液晶層の厚み以上である(1)に記載の透過加飾フィルム。
(4) コレステリック液晶層は、選択反射波長が異なる2以上の反射領域を有する(1)〜(3)のいずれかに記載の透過加飾フィルム。
(5) 円偏光板が、コレステリック液晶層によって反射される円偏光の旋回方向とは逆向きの円偏光を透過する(1)〜(4)のいずれかに記載の透過加飾フィルム。
(6) コレステリック液晶層は、面方向の少なくとも一部の領域において選択反射波長が異なる2以上の反射層が積層されてなる(1)〜(5)のいずれかに記載の透過加飾フィルム。
本発明によれば、観察面で異なる視覚効果を与え得る透過加飾フィルムを提供することができる。
本発明の透過加飾フィルムの一例を模式的に示す斜視図である。 図1に示す透過加飾フィルムの断面図である。 図1に示す透過加飾フィルムの作用を説明するための図である。 本発明の透過加飾フィルムの他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の透過加飾フィルムの他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の透過加飾フィルムの他の一例を模式的に示す斜視図である。 図6に示す透過加飾フィルムの断面図である。 本発明の透過加飾フィルムの作製方法の一例を説明するための模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、45°等の具体的な角度については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、本発明においては、角度は、具体的に示された厳密な角度に対して、±5°未満であること等を意味し、示された厳密な角度に対する誤差は、±3°以下であるのが好ましく、±1°以下であるのが好ましい。
なお、本明細書において、円偏光につき「センス」というときは、右円偏光であるか、又は、左円偏光であるかを意味する。円偏光のセンスは、光が手前に向かって進んでくるように眺めた場合に電場ベクトルの先端が時間の増加に従って時計回りに回る場合が右円偏光であり、反時計回りに回る場合が左円偏光であるとして定義される。
本明細書においては、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向について「センス」との用語を用いることもある。コレステリック液晶相による選択反射は、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向(センス)が右の場合は右円偏光を反射して左円偏光を透過し、センスが左の場合は左円偏光を反射して右円偏光を透過する。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの両方を表す表記である。
可視光は電磁波のうち、ヒトの目で見える波長の光であり、380〜780nmの波長域の光を示す。非可視光は、380nm未満の波長域又は780nmを超える波長域の光である。
また、これに限定されるものではないが、可視光のうち、420〜490nmの波長域の光は、青色光であり、495〜570nmの波長域の光は、緑色光であり、620〜750nmの波長域の光は、赤色光である。
赤外線は、780nm超1mm以下の波長域の電磁波である。紫外線は、10nm以上380nm未満の波長域の光である。
本明細書において、選択反射波長とは、対象となる物(部材)における透過率の極小値をTmin(%)とした場合、下記の式で表される半値透過率:T1/2(%)を示す2つの波長の平均値のことを言う。
半値透過率を求める式: T1/2=100−(100−Tmin)÷2
〔透過加飾フィルム〕
本発明の透過加飾フィルムは、
円偏光板と、
円偏光板上の一部に配置されたコレステリック液晶層と、
コレステリック液晶層の側面、ならびに、円偏光板の、コレステリック液晶層が形成されない表面を覆う充填層と、を有する透過加飾フィルムである。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の透過加飾フィルムの一例を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1に示す透過加飾フィルムの断面図である。なお、本発明における図は模式図であり、各層の厚みの関係及び位置関係等は必ずしも実際のものとは一致しない。以下の図も同様である。
図1および図2に示す透過加飾フィルム10aは、円偏光板12と、円偏光板12上の一部に配置された、コレステリック液晶層14aと、コレステリック液晶層14aの側面、ならびに、円偏光板12の、コレステリック液晶層14aが形成されない表面を覆う充填層36aとを備える。
コレステリック液晶層14aは、右円偏光または左円偏光のいずれか一方の円偏光を反射し、円偏光板12は、コレステリック液晶層が反射する円偏光とは逆の旋回方向の円偏光を透過する。
なお、各層間には他の各種の機能層を有していてもよい。例えば、図2に示す例では、円偏光板12とコレステリック液晶層14aおよび充填層36aとを貼り合わせるための粘着層34を有する。
(コレステリック液晶層)
コレステリック液晶層14aは、コレステリック液晶相を含む層であり、特定の波長域(選択反射波長)の右円偏光または左円偏光のいずれか一方の円偏光を反射する層である。また、コレステリック液晶層14aは、円偏光板12上の一部に所望の形状に形成されている。したがって、コレステリック液晶層14a側から観察した際に、コレステリック液晶層14が反射した特定波長の光によりコレステリック液晶層14aの形状の模様を視認することができる。
一般的に、選択反射波長λは、コレステリック液晶相における螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)に依存し、コレステリック液晶相の平均屈折率nとλ=n×Pの関係に従う。そのため、この螺旋構造のピッチを調節することによって、選択反射波長を調節できる。コレステリック液晶相のピッチは、重合性液晶化合物とともに用いるキラル剤の種類、又はその添加濃度に依存するため、これらを調節することによって所望のピッチを得ることができる。
また、選択反射を示す選択反射帯域(円偏光反射帯域)の半値幅Δλ(nm)は、コレステリック液晶相の屈折率異方性Δnと螺旋のピッチPとに依存し、Δλ=Δn×Pの関係に従う。そのため、Δnを調節することにより、選択反射帯域の幅を制御できる。Δnは、反射領域を形成する液晶化合物の種類及びその混合比率、ならびに、配向時の温度により調節できる。なお、コレステリック液晶相における反射率はΔnに依存することも知られており、同程度の反射率を得る場合に、Δnが大きいほど、螺旋ピッチの数を少なく、すなわち膜厚を薄く、することができる。
螺旋のセンス及びピッチの測定法については「液晶化学実験入門」日本液晶学会編 シグマ出版2007年出版、46頁、及び「液晶便覧」液晶便覧編集委員会 丸善 196頁に記載の方法を用いることができる。
また、コレステリック液晶層の反射する光の波長領域を広くするには、選択反射波長λをずらした層を順次積層することで実現することができる。また、ピッチグラジエント法と呼ばれる層内の螺旋ピッチを段階的に変化させる方法で、波長範囲を広げる技術も知られており、具体的にはNature 378、467−469(1995)、特開平6−281814号公報、および、特許4990426号公報に記載の方法などが挙げられる。
コレステリック液晶相の反射光は円偏光である。反射光が右円偏光であるか左円偏光であるかは、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向による。コレステリック液晶相による円偏光の選択反射は、コレステリック液晶相の螺旋の捩れ方向が右の場合は右円偏光を反射し、螺旋の捩れ方向が左の場合は左円偏光を反射する。
なお、コレステリック液晶相の旋回の方向は、コレステリック液晶層を形成する液晶化合物の種類又は添加されるキラル剤の種類によって調節できる。
コレステリック液晶層14aは、光拡散性を有していてもよい。光拡散性とは、コレステリック液晶層に入射した光が、広範囲に反射される性質を意図する。コレステリック液晶層が光拡散性を有する場合、視認範囲がより広がるため好ましい。
光拡散性を有するコレステリック液晶層の一形態としては、光拡散要素を含むコレステリック液晶層が挙げられる。光拡散要素としては、有機系粒子、無機系粒子、及び、気泡が挙げられる。
光拡散性を有するコレステリック液晶層の他の形態としては、液晶化合物の配向欠陥を有するコレステリック液晶層が挙げられる。
また、光拡散性を有するコレステリック液晶層の他の形態としては、コレステリック液晶相の螺旋軸とコレステリック液晶層表面とのなす角が周期的に変化する構造(アンジュレーション構造)を有するコレステリック液晶層が挙げられる。言い換えれば、コレステリック液晶相を有する層であって、走査型電子顕微鏡にて観測されるコレステリック液晶層の断面図においてコレステリック液晶相由来の明部と暗部との縞模様を与え、少なくとも一つの暗部がなす線の法線と円偏光反射層の表面となす角が周期的に変化する、コレステリック液晶層である。
上記のような、配向欠陥を有するコレステリック液晶層、又は、アンジュレーション構造(波状構造)を有するコレステリック液晶層であれば、光拡散性に優れる。
なお、コレステリック液晶層のヘイズは特に限定されないが、上記光拡散性がより優れる点で、30%以下が好ましく、15%以下がより好ましい。
本明細書において、「ヘイズ」は、日本電色工業株式会社製のヘーズメーターNDH−2000を用いて測定される値を意味する。
コレステリック液晶層14aの厚みは特に限定されないが、発色性及び配向性がいずれも優れる観点から、1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜6μmがさらに好ましい。
なお、コレステリック液晶層のより具体的な構成、及び、製造方法は後段で詳述する。
(円偏光板)
円偏光板12は、コレステリック液晶層14aによって反射される円偏光の旋回方向とは逆向きの円偏光(左円偏光)を透過する。
円偏光板12としては、直線偏光板と、λ/4板とを積層したものが挙げられる。円偏光板中の構成としては、コレステリック液晶層14側から、λ/4板及び直線偏光板がこの順に配置される。直線偏光板とλ/4板とは、λ/4板側から入射した光のうち、左円偏光を直線偏光にして透過するように、λ/4板の遅相軸及び直線偏光板の透過軸を合わせて配置される。より具体的には、通常、λ/4板の遅相軸と直線偏光板の透過軸とのなす角が45°となるように、直線偏光板とλ/4板とは配置される。
(充填層)
充填層36aは、円偏光板12の、コレステリック液晶層14aが形成されていない部分に、コレステリック液晶層14aと略同等の厚みで形成されている。すなわち、充填層36aとコレステリック液晶層14aとは、略面一に形成されている。これにより、充填層36aはコレステリック液晶層14aの側面、および、円偏光板12の表面(コレステリック液晶層14aが形成されていない表面)を覆っている。
充填層36aの形成材料は、透明性を有する樹脂が適宜利用可能である。
具体的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、TAC(セルローストリアセテート)、アクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、シクロオレフィン系ポリマー、無機系材料、あるいは、光学粘着シート等が利用可能である。特にレターデーション(Re)が0に近い材料を用いるのが好ましく、TAC、アクリル系樹脂が好適である。
なお、本発明において、「透明性を有する」とは、実質的に可視光領域に吸収を有さないことを意図し、380〜780nmの波長域の平均透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
また、充填層の形成方法には限定はない。例えば、充填層の形成材料からなるフィルムを、コレステリック液晶層の形状に応じて切り抜いて粘着剤等でλ/4板上に貼り合わせる方法で形成すればよい。あるいは、充填層の形成材料となる塗布液を調製し、λ/4板上に塗布して硬化させる方法で形成してもよい。
(表面保護層)
表面保護層31は、面一に形成されたコレステリック液晶層14aおよび充填層36aの上に積層される、透明性を有する層である。
表面保護層31としては限定はなく、各種の光学フィルムで用いられる従来公知の表面保護層が適宜利用可能である。
例えば、後述する透過加飾フィルムの作製方法において、コレステリック液晶層を形成する際の仮支持体として用いられる基材フィルムを表面保護層として用いてもよい。すなわち、仮支持体である基材フィルム上にコレステリック液晶層を形成した後、コレステリック液晶層を基材フィルムから剥離せずに、基材フィルムとともにコレステリック液晶層をλ/4板上に積層して、仮支持体として用いた基材フィルムを、透過加飾フィルムの表面保護層として用いてもよい。
表面保護層として用いられる基材フィルムの材料としては、例えば、セルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、アミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、及びポリエーテルエーテルケトン系ポリマー等が挙げられ、なかでも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又は(メタ)アクリル系ポリマー等が挙げられる。
また、表面保護層の厚みは特に限定されないが、1〜100μmが好ましく、2〜50μmがより好ましい。表面保護層は、市販の粘着剤を介してコレステリック液晶層14aおよび充填層36aの上に貼り合せることが好ましい。
(粘着層)
粘着層34は、コレステリック液晶層14aと円偏光板12と間に配置され、コレステリック液晶層14aと円偏光板12とを貼り合わせるものである。
粘着層34は、対象となる層(シート状物)を貼り合わせられる物であれば、公知の各種の材料からなるものが利用可能であり、貼り合わせる際には流動性を有し、その後、固体になる、接着剤からなる層でもよいし、貼り合わせる際にゲル状(ゴム状)の柔らかい固体で、その後もゲル状の状態が変化しない、粘着剤からなる層でもよいし、接着剤と粘着剤との両方の特徴を持った材料からなる層でもよい。従って、粘着層34は、光学透明接着剤(OCA(Optical Clear Adhesive))、光学透明両面テープ、紫外線硬化型樹脂等、シート状物の貼り合わせに用いられる公知のものを用いればよい。
透過加飾フィルム10aは、上記の構成により、コレステリック液晶層14a側から観察した場合の視覚効果と、円偏光板12側から観察した場合の視覚効果とが異なる。すなわち、コレステリック液晶層14a側から観察した場合と、円偏光板12側から観察した場合とで、異なる模様(画像)が視認される。
この点について、図3を用いて説明する。以下、コレステリック液晶層14aの円偏光板12側とは反対側の表面を「表面」とし、円偏光板12側の表面を「裏面」として説明する。なお、以下の説明においてコレステリック液晶層14aは、赤色の右円偏光を反射しそれ以外の光を透過する場合を例として説明する。
なお、図3においては、説明のため表面保護層31および粘着層34の記載は省略している。
図3に示すように、表面側から透過加飾フィルム10aに入射した光のうち、コレステリック液晶層14aでは、選択反射波長である赤色の右円偏光が反射され、それ以外の光はコレステリック液晶層14aを透過し、円偏光板12に入射する。円偏光板12に入射した光のうち、左円偏光は円偏光板12を透過する(参照:図3の一点鎖線(1))。
一方、充填層36aでは、表面側から入射した光を透過する。充填層36aを透過した光は円偏光板12に入射する。円偏光板12に入射した光のうち、左円偏光は円偏光板12を透過する(参照:図3の一点鎖線(2))。
一方、裏面側から透過加飾フィルム10aに入射した光は、円偏光板12により左円偏光に変換されて円偏光板12を透過し、コレステリック液晶層14aまたは充填層36aに入射する。例えば、円偏光板12が、直線偏光板とλ/4板とを積層した構成の場合には、特定の向きの直線偏光のみが直線偏光板を通過し、直線偏光板を通過した直線偏光が、λ/4板により左円偏光に変換されて通過する。
円偏光板12を透過した左円偏光のうちコレステリック液晶層14aに入射した左円偏光は、コレステリック液晶層14aのコレステリック液晶相の螺旋の旋回方向と逆の旋回方向であるため、コレステリック液晶層14aで反射されずにコレステリック液晶層14aを透過する(参照:図3の点線(3))。
また、円偏光板12を透過した左円偏光のうち充填層36aに入射した左円偏光は、充填層36aを透過する(参照:図3の点線(4))。
従って、透過加飾フィルム10aを表面側から観察した際には、裏面側から入射し透過する左円偏光により、透過加飾フィルム10aの向こう側の光景が視認されるとともに、コレステリック液晶層14aの反射領域の選択反射波長の光が視認される。
すなわち、表面側から見た際には、透過加飾フィルム10aの向こう側の光景とともに、コレステリック液晶層14aの形状に応じた模様の画像が視認される。
一方、透過加飾フィルム10aを裏面側から観察した際には、表面側から入射し透過する左円偏光により、透過加飾フィルム10aの向こう側の光景が視認されるが、表面側からは観察できるコレステリック液晶層14aにより表示される画像は視認されない。
このように、透過加飾フィルム10aは、透明性を有していながら、一方の面側(コレステリック液晶層側)から見た画像と、他方の面側(円偏光板側)から見た画像とが異なる。
ここで、透過加飾フィルムを、充填層を有さず、単に、コレステリック液晶層を円偏光板の一方の面の一部に形成する構成とした場合であっても、上述したような、透明性を有していながら、一方の面側から見た画像と、他方の面側から見た画像とが異なる視覚効果を有する透過加飾フィルムとすることができる。
しかしながら、充填層を有さず、コレステリック液晶層を円偏光板の一方の面の一部に形成する構成の場合には、コレステリック液晶層が形成された領域と形成されない領域とで円偏光板との屈折率差が異なるため、すなわち、円偏光板とコレステリック液晶層との屈折率差と、円偏光板と空気との屈折率差が異なるため、より強い光が当たった場合などに、裏面側から観察した場合でも表面側のコレステリック液晶層で形成した模様が視認されるおそれがある。
これに対して、コレステリック液晶層の側面、および、円偏光板の表面を覆う充填層を有することで、コレステリック液晶層が形成された領域と形成されない領域とで円偏光板との屈折率差の差異が少なくなるため、すなわち、円偏光板とコレステリック液晶層との屈折率差と、円偏光板と充填層との屈折率差が近くなるため、より強い光があたった場合などでも、コレステリック液晶層で形成した模様が裏面側からが視認されることを抑制できる。
なお、図3の例においては、右円偏光を反射するコレステリック液晶層と左円偏光板との組み合わせについて述べたが、本発明はこの組み合わせには限定されず、左円偏光を反射するコレステリック液晶層と右円偏光板(右円偏光を透過する円偏光板)の組み合わせであってもよい。
また、図3の例においては、コレステリック液晶層の選択反射波長は、赤色の波長域としたが、本発明はこれに限定されず、可視光(380〜780nm程度)及び近赤外線(780nm超2000nm以下程度)のいずれの範囲にも設定することが可能であり、その設定方法は上述した通りである。例えば、コレステリック液晶層の選択反射波長が、緑色の波長域、あるいは、青色の波長域であってもよい。
また、図1に示す例では、コレステリック液晶層14aが1つの選択反射波長を有する構成としたが、これに限定はされず、図4に示す透過加飾フィルム10bのように、コレステリック液晶層は選択反射波長が互いに異なる2以上の反射領域を有する構成としてもよい。
図4に示す透過加飾フィルム10bは、円偏光板12と、粘着層34と、コレステリック液晶層14bと、充填層36aと、表面保護層31とを有する。
コレステリック液晶層14bは、円偏光板12の一方の面の一部に形成されている。また、充填層36aは、円偏光板12の一方の面の、コレステリック液晶層14bが形成されていない領域に形成されている。また、コレステリック液晶層14bと充填層36aとは、表面が面一になるように同じ厚みで形成されている。
コレステリック液晶層14bは、面方向において互いに離間した位置に、青色右円偏光反射領域20rBと、赤色右円偏光反射領域20rRとを有する。
このように、コレステリック液晶層を、選択反射波長が異なる反射領域を2つ以上有する構成とすることで、多色の模様(画像)を視認できるようにすることができる。
なお、図4に示す例では、コレステリック液晶層14bが、青色右円偏光反射領域20rBと、赤色右円偏光反射領域20rRとの選択反射波長が異なる2種の反射領域を有する構成としたが、これに限定はされず、選択反射波長が異なる3種以上の反射領域を有する構成としてもよい。
また、図4に示す例では、2種の反射領域が離間して配置される構成としたが、これに限定はされず、異なる種類の反射領域が接するように配置されていてもよい。
なお、2種以上の反射領域の選択反射波長の差は特に限定されないが、2種以上の反射領域の選択反射波長が互いに30nm以上異なることが好ましく、45nm以上異なることが好ましい。
また、図1に示す例では、コレステリック液晶層14aは1層からなる構成としたが、これに限定はされず、図5に示す透過加飾フィルム10cのように、コレステリック液晶層は、選択反射波長が互いに異なる2種以上の反射領域を積層した構成としてもよい。
図5に示す透過加飾フィルム10cは、円偏光板12と、粘着層34と、コレステリック液晶層14cと、充填層36aと、表面保護層31とを有する。
コレステリック液晶層14cは、円偏光板12の一方の面の一部に形成されている。また、充填層36aは、円偏光板12の一方の面の、コレステリック液晶層14cが形成されていない領域に形成されている。また、コレステリック液晶層14cと充填層36aとは、表面が面一になるように同じ厚みで形成されている。
図示例において、コレステリック液晶層14cは、粘着層34側から、緑色右円偏光反射領域20rG、赤色右円偏光反射領域20rR、および、青色右円偏光反射領域20rBの3層が積層された構成を有する。
このように、コレステリック液晶層を、選択反射波長の異なる反射領域を2層以上積層した構成とすることで、白色光および選択反射波長以外の色を視認できるようにすることができる。
ここで、図2、図4および図5に示す例では、充填層をコレステリック液晶層と略同じ厚さとし、表面が面一になるように形成する構成としたが、これに限定はされず、図6および図7に示す透過加飾フィルム10dのように、充填層の厚みをコレステリック液晶層の厚みよりも厚くして、充填層でコレステリック液晶層を包埋する構成としてもよい。
図6に示す透過加飾フィルム10dは、円偏光板12と、粘着層34と、コレステリック液晶層14aと、充填層30bと、表面保護層31とを有する。
なお、透過加飾フィルム10dは、充填層30aに代えて充填層30bを有する以外は、図2に示す透過加飾フィルム10aと同様の構成を有する。
図6に示すように、充填層30bは、円偏光板12、および、コレステリック液晶層14aを包埋するように、コレステリック液晶層14aよりも厚く形成されている。これにより、充填層30bはコレステリック液晶層14aの側面、および、円偏光板12の表面(コレステリック液晶層14aが形成されていない表面)を覆って形成されている。
このように、充填層の厚みをコレステリック液晶層よりも厚くして、コレステリック液晶層の側面、および、円偏光板の表面を覆う構成とすることでも、コレステリック液晶層が形成された領域と形成されない領域とで円偏光板との屈折率差の差異が少なくして、より強い光があったった場合などでも、コレステリック液晶層で形成した模様が裏面側からが視認されることを抑制できる。
なお、充填層の厚みをコレステリック液晶層よりも厚くする場合の充填層の厚みには限定はないが、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
上述した透過加飾フィルム10a〜10dにおいては、コレステリック液晶層側(充填層側)の最表面に表面保護層を有する構成としたが、表面保護層を有さない構成としてもよい。
また、本発明の透過加飾フィルムにおいては、コレステリック液晶層は、液晶化合物の配向欠陥をもたせたコレステリック液晶層としてもよい。配向欠陥をもたせたコレステリック液晶層を有する透過加飾フィルムは、光拡散性(光散乱性)を有する。コレステリック液晶層が光拡散性(光散乱性層)を有することにより、視認性を上げることができる。
また、図2、図4、図5および図7に示す例ではいずれも、コレステリック液晶層は、粘着層を介して円偏光板に積層される構成としたが、これに限定はされず、円偏光板の上に表層フィルムを有し、コレステリック液晶層が表層フィルム上に直接形成される構成であってもよい。
表層フィルムとしては、コレステリック液晶層を直接形成可能な透明なフィルムであればよく、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、TAC(セルローストリアセテート)フィルム、アクリレート系のハードコート材料などが挙げられる。特にレターデーション(Re)が0に近いフィルムを用いるのが好ましい。具体的には、TACフィルム、アクリル系フイルム等の樹脂フィルム、ガラスフィルムが利用可能であり、中でも、TACフィルムが好適である。
以下、透過加飾フィルムを構成する各部材について詳述する。
(コレステリック液晶層)
コレステリック液晶層とは、コレステリック液晶相を含む層のことを言う。コレステリック液晶層はコレステリック液晶相を固定してなる層であることが好ましいが、これに限定されない。静止画を表示させる場合にはコレステリック液晶相を固定してなる層であることが好ましく、動画を表示させる場合は固定させない方が好ましい。
コレステリック液晶相を固定した構造は、コレステリック液晶相となっている液晶化合物の配向が保持されている構造であればよく、典型的には、重合性液晶化合物をコレステリック液晶相の配向状態としたうえで、紫外線照射、加熱等によって重合、硬化し、流動性が無い層を形成して、同時に、外場又は外力によって配向形態に変化を生じさせることない状態に変化した構造であればよい。なお、コレステリック液晶相を固定した構造においては、コレステリック液晶相の光学的性質が保持されていれば十分であり、液晶化合物はもはや液晶性を示していなくてもよい。例えば、重合性液晶化合物は、硬化反応により高分子量化して、もはや液晶性を失っていてもよい。
コレステリック液晶層の形成に用いる材料としては、液晶化合物を含む液晶組成物等が挙げられる。液晶化合物は、重合性基を有する液晶化合物(重合性液晶化合物)であることが好ましい。
重合性液晶化合物を含む液晶組成物は、さらに界面活性剤、キラル剤、重合開始剤等を含んでいてもよい。以下、各成分について詳述する。
−−重合性液晶化合物−−
重合性液晶化合物は、棒状液晶化合物であっても、円盤状液晶化合物であってもよいが、棒状液晶化合物であることが好ましい。
コレステリック液晶層を形成する棒状の重合性液晶化合物の例としては、棒状ネマチック液晶化合物が挙げられる。棒状ネマチック液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類、及び、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましい。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
重合性液晶化合物は、重合性基を液晶化合物に導入することで得られる。重合性基としては、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が挙げられ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基がより好ましい。重合性基は種々の方法で、液晶化合物の分子中に導入できる。重合性液晶化合物が有する重合性基の個数は、1〜6個が好ましく、1〜3個がより好ましい。重合性液晶化合物の例としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、同5622648号明細書、同5770107号明細書、国際公開WO95/22586号公報、同95/24455号公報、同97/00600号公報、同98/23580号公報、同98/52905号公報、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報等に記載の化合物が挙げられる。2種類以上の重合性液晶化合物を併用してもよい。2種類以上の重合性液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
重合性液晶化合物の具体例としては、下記式(1)〜(11)に示す化合物が挙げられる。
[化合物(11)において、X1は2〜5(整数)である。]
また、上記以外の重合性液晶化合物としては、特開昭57−165480号公報に開示されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物等を用いることができる。さらに、前述の高分子液晶化合物としては、液晶を呈するメソゲン基を主鎖、側鎖、又は、主鎖及び側鎖の両方の位置に導入した高分子、コレステリル基を側鎖に導入した高分子コレステリック液晶、特開平9−133810号公報に開示されているような液晶性高分子、及び、特開平11−293252号公報に開示されているような液晶性高分子等を用いることができる。
また、液晶組成物中の重合性液晶化合物の添加量は、液晶組成物の固形分質量(溶媒を除いた質量)に対して、75〜99.9質量%であることが好ましく、80〜99質量%であることがより好ましく、85〜90質量%であることがさらに好ましい。
−−キラル剤(光学活性化合物)−−
キラル剤はコレステリック液晶相の螺旋構造を誘起する機能を有する。キラル化合物は、化合物によって誘起する螺旋の捩れ方向又は螺旋ピッチが異なるため、目的に応じて選択すればよい。
キラル剤としては、特に限定はなく、公知の化合物(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN(twisted nematic)、STN(Super-twisted nematic)用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)、イソソルビド、イソマンニド誘導体を用いることができる。
キラル剤は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物又は面性不斉化合物もキラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物又は面性不斉化合物の例としては、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン及びこれらの誘導体が挙げられる。キラル剤は、重合性基を有していてもよい。キラル剤と液晶化合物とがいずれも重合性基を有する場合は、重合性キラル剤と重合性液晶化合物との重合反応により、重合性液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、キラル剤から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成できる。この態様では、重合性キラル剤が有する重合性基は、重合性液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。従って、キラル剤の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基又はアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがより好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることがさらに好ましい。
また、キラル剤は、液晶化合物であってもよい。
なお、後述するように、コレステリック液晶層を製造する際に、露光量によってコレステリック液晶相の螺旋ピッチの大きさを制御する場合、光に感応しコレステリック液晶相の螺旋ピッチを変化させ得るキラル剤(以後、感光性キラル剤とも称する)を用いることが好ましい。
感光性キラル剤とは、光を吸収することにより構造が変化し、コレステリック液晶相の螺旋ピッチを変化させ得る化合物である。このような化合物としては、光異性化反応、光二量化反応、及び、光分解反応の少なくとも1つを起こす化合物が好ましい。
光異性化反応を起こす化合物とは、光の作用で立体異性化又は構造異性化を起こす化合物をいう。光異性化化合物としては、例えば、アゾベンゼン化合物、及び、スピロピラン化合物等が挙げられる。
また、光二量化反応を起こす化合物とは、光の照射によって、二つの基の間に付加反応を起こして環化する化合物をいう。光二量化化合物としては、例えば、桂皮酸誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、及び、ベンゾフェノン誘導体等が挙げられる。
上記感光性キラル剤としては、以下の一般式(I)で表されるキラル剤が好ましく挙げられる。このキラル剤は、光照射時の光量に応じてコレステリック液晶相の螺旋ピッチ(捻れ力、螺旋の捻れ角)等の配向構造を変化させ得る。
一般式(I)中、Ar1とAr2は、アリール基又は複素芳香環基を表す。
Ar1とAr2で表されるアリール基は、置換基を有していてもよく、総炭素数6〜40が好ましく、総炭素数6〜30がより好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、シアノ基、又は、複素環基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、又は、アリールオキシカルボニル基がより好ましい。
このようなアリール基のうち、下記一般式(III)又は(IV)式で表されるアリール基が好ましい。
一般式(III)中のR1及び一般式(IV)中のR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、カルボキシル基、又は、シアノ基を表す。なかでも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、又は、アシルオキシ基が好ましく、アルコキシ基、ヒドロキシル基、又は、アシルオキシ基がより好ましい。
一般式(III)中のL1及び一般式(IV)中のL2は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、又は、ヒドロキシル基を表し、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、ヒドロキシル基が好ましい。
lは0、1〜4の整数を表し、0、1が好ましい。mは0、1〜6の整数を表し、0、1が好ましい。l、mが2以上のときは、L1とL2は互いに異なる基を表してもよい。
Ar1とAr2で表される複素芳香環基は、置換基を有していてもよく、総炭素数4〜40が好ましく、総炭素数4〜30がより好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、又は、シアノ基が好ましく、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、又は、アシルオキシ基がより好ましい。
複素芳香環基としては、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、及び、ベンゾフラニル基等が挙げられ、この中でも、ピリジル基、又は、ピリミジニル基が好ましい。
液晶組成物における、キラル剤の含有量は、重合性液晶性化合物量の0.01〜200モル%が好ましく、1〜30モル%がより好ましい。
−−重合開始剤−−
液晶組成物が重合性化合物を含む場合は、重合開始剤を含むことが好ましい。紫外線照射により重合反応を進行させる態様では、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であることが好ましい。光重合開始剤の例としては、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)等が挙げられる。
液晶組成物中の光重合開始剤の含有量は、重合性液晶化合物の含有量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜12質量%であることがさらに好ましい。
−−架橋剤−−
液晶組成物は、硬化後の膜強度向上、耐久性向上のため、任意に架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤としては、紫外線、熱、湿気等で硬化するものが好適に使用できる。
架橋剤としては、特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、4,4−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、ビウレット型イソシアネート等のイソシアネート化合物;オキサゾリン基を側鎖に有するポリオキサゾリン化合物;ビニルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン化合物等が挙げられる。また、架橋剤の反応性に応じて公知の触媒を用いることができ、膜強度及び耐久性向上に加えて生産性を向上させることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋剤の含有量は、3質量%〜20質量%が好ましく、5質量%〜15質量%がより好ましい。
−−その他の添加剤−−
液晶組成物中には、必要に応じて、さらに界面活性剤、重合禁止剤、酸化防止剤、水平配向剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学的性能等を低下させない範囲で添加することができる。
液晶組成物は溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、有機溶媒が好ましい。
有機溶媒としては、特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アルキルハライド類、アミド類、スルホキシド類、ヘテロ環化合物、炭化水素類、エステル類、及び、エーテル類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<透過加飾フィルムの製造方法>
上述した透過加飾フィルムの製造方法は特に限定されず、公知の方法を採用できる。
なお、上記コレステリック液晶層を形成する方法としては、コレステリック液晶相の螺旋ピッチの制御が容易である点から、以下の工程1〜工程4を有する製造方法が好ましい。
工程1:重合性基を有する液晶化合物、及び、光に感応しコレステリック液晶相の螺旋ピッチを変化させ得るキラル剤を含む液晶組成物を用いて所望の形状の塗膜を形成する工程
工程2:キラル剤が感光する光にて、塗膜に露光処理を施す工程
工程3:露光処理が施された塗膜に対して加熱処理を施し、液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とする工程
工程4:加熱処理が施された塗膜に対して硬化処理を施し、コレステリック液晶相を固定化してなるコレステリック液晶層を形成する工程
以下、本発明の透過加飾フィルムの製造方法の一例を図8を用いて説明する。
(工程1)
工程1は、重合性基を有する液晶化合物、及び、光に感応しコレステリック液晶相の螺旋ピッチを変化させ得るキラル剤を含む液晶組成物を用いて所望の形状の塗膜を形成する工程である。本工程を実施することにより、まず、塗膜13aが形成される。
なお、より配向性に優れて透過性の高い円偏光反射層とする観点から、塗膜を形成する前に、基材の表面に対して配向処理を施してもよい。配向処理を施すことで、塗膜に形成されるコレステリック液晶相の配向性が向上し、透過加飾フィルムの透過性をより高めることができる。
なお、図8においては、基材として円偏光板を用いて、直接、コレステリック液晶層を円偏光板上で形成する例を示したが、基材として仮基材(転写基材)を使用して、仮基材上で形成されたコレステリック液晶層を仮基材から剥離して粘着層を介して円偏光板に貼着する構成であってもよい。あるいは、表面保護層となる基材を仮基材として用いてもよい。
液晶組成物に含まれる重合性基を有する液晶化合物、及び、感光性キラル剤は上述の通りである。液晶組成物に含まれてもよい成分も、上述の通りである。
液晶組成物の固形分濃度は、塗布性の観点から、液晶組成物全質量に対して、10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
工程1で塗膜を形成する方法としては、例えば、上述した液晶組成物を基材上に塗布する方法が挙げられる。塗布方法は特に限定されず、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、及び、ダイコーティング法等が挙げられる。
なお、必要に応じて、塗布後に、基材上に塗布された液晶組成物を乾燥する処理を実施してもよい。乾燥処理を実施することにより、塗布された液晶組成物から溶媒を除去できる。
塗膜の膜厚は特に限定されないが、コレステリック液晶層の反射性がより優れる点で、0.1〜20μmが好ましく、0.2〜15μmがより好ましく、0.5〜10μmがさらに好ましい。
(工程2)
工程2は、キラル剤が感光する光にて、塗膜に露光処理を施してコレステリック液晶相の螺旋ピッチが所望のピッチとなるように螺旋誘起力を調整する工程である。本工程を実施することにより、所望の選択反射波長のコレステリック液晶層(反射領域)を形成できる。
本工程で照射される光の波長としては、感光性キラル剤が感光する波長の光であれば特に限定されない。
なお、上記液晶組成物に重合開始剤が含まれる場合、重合開始剤が感光しづらい波長の光で露光を実施することが好ましい。
また、光照射の際には、塗膜を加熱してもよい。加熱温度としては、15〜50℃が好ましく、20〜40℃がより好ましい。
(工程3)
工程3では、工程2の露光処理が施された塗膜に対して加熱処理を施し、液晶化合物を配向させてコレステリック液晶相の状態とする工程である。ヒーターH等を用いた加熱処理により、コレステリック液晶相の状態の塗膜13bを形成できる。
液晶組成物の液晶相転移温度は、製造適性の点から、10〜250℃が好ましく、10〜150℃がより好ましい。
好ましい加熱条件としては、40〜100℃(好ましくは、60〜100℃)で0.5〜5分間(好ましくは、0.5〜2分間)にわたって液晶組成物を加熱することが好ましい。
(工程4)
工程4は、加熱処理が施された塗膜に対して硬化処理を施し、コレステリック液晶相を固定化してなるコレステリック液晶層を形成する工程である。
硬化処理の方法は特に限定されず、光硬化処理及び熱硬化処理が挙げられる。なかでも、光照射処理が好ましく、図8に示すように、UV(紫外線)光源を用いた紫外線照射処理がより好ましい。本工程を実施することにより、コレステリック液晶相を固定化してなるコレステリック液晶層14が形成される。
紫外線照射には、紫外線ランプ等の光源が利用される。
紫外線の照射エネルギー量は特に限定されないが、一般的には、0.1〜0.8J/cm2程度が好ましい。また、紫外線を照射する時間は特に限定されないが、得られる反射層の強度及び生産性の観点から適宜決定すればよい。
なお、複数の反射領域を有するコレステリック液晶層を備えた透過加飾フィルムを製造する場合には、上記工程1〜4を繰り返せばよい。
次に、円偏光板12上に形成されたコレステリック液晶層14の形状に合わせて、充填層36となる透明フィルムを切り抜ぬき、切り抜いた透明フィルムを円偏光板12上に貼合する。この際、充填層36は、コレステリック液晶層14と同じ厚みになるように、コレステリック液晶層の厚みと同じ厚みの透明フィルムを準備してもよいし、複数の透明フィルムを積層して厚みを調整してもよい。
充填層36となる透明フィルムとしては、前述のとおり、PETフィルム、TACフィルム等が利用可能である。
以上により、透過加飾フィルムが作製される。
なお、必要に応じて、さらに、コレステリック液晶層14と充填層36との上面に、表面保護層を積層してもよい。
また、コレステリック液晶層の形成方法として、工程1〜工程4を有する製造方法を例に挙げて説明したが、勿論上記以外の方法であってもよい。
例えば、左円偏光及び右円偏光のいずれか一方を反射し、且つ、所定の選択反射波長を有するコレステリック液晶層を複数色準備し、複数色のコレステリック液晶層を所定の形状に切り出して、コレステリック液晶層を得る方法であってもよい。なお、ここでいう「複数色の」とは選択反射波長が互いに異なることを意図する。
また、コレステリック液晶層の形成方法としては、レーザー直描露光装置を用いることもできる。未硬化のコレステリック液晶層(塗膜)に光を照射する際に、レーザー直描露光装置を用いて、露光量、露光回数および露光時間等を層の位置によって調節することにより、所望のパターン状のコレステリック液晶層を得ることができる。
また、コレステリック液晶相を固定化しないコレステリック液晶層を形成する場合には、上記工程4を施さずに、上記工程1〜工程3を行なう製造方法により作製することができる。
さらに、室温で配向可能な液晶化合物を用いる場合は、工程3の加熱処理を施さずにコレステリック液晶層を形成できる場合もある。
また、選択反射波長の異なる2以上の反射領域を有するコレステリック液晶層を形成する方法としては、上記以外にも、特開2009−300662号公報に記載の方法等他の公知の方法を採用できる。
また、充填層36の形成方法も上記の形成方法に限定はされない。
前述のとおり、充填層の形成材料となる塗布液を調製し、一部にコレステリック液晶層が形成された円偏光板の上に塗布液を塗布して硬化させる方法で形成してもよい。
〔用途〕
上記透過加飾フィルムの用途は特に限定されないが、例えば、ビルの窓広告として窓ガラスに貼り付けられる広告媒体;車、タクシー、バス、及び電車等の窓ガラスに貼り付けられる広告媒体、又は車、タクシー、バス、及び電車等のライト部分の加飾材;道路標識;住宅、店舗、水族館、動物園、植物館、及び美術館等の窓ガラスの加飾材;舞台又は劇場用の器材;エレベータ、エスカレータ、及び階段等の透明部材の加飾材;遊戯機及び遊戯用カード等の玩具;下敷き等の文房具;カバン、服、ゴーグル、及びサングラス等のファッション部材;カベ、及び床等のインテリアファブリクス用材料、POP広告(Point of purchase advertising)、名刺、ステッカー、はがき、写真、コースター、チケット、うちわ、せんす、テント、ブラインド、シャッター、防護用盾、衝立などのセパレーション、家電製品(カメラ、インスタントカメラ、PC(personal computer)、スマートフォン、テレビ、レコーダー、レンジ、オーディオプレーヤー、ゲーム機、VR(virtual reality)ヘッドセット、掃除機、洗濯機)、スマートフォンカバー、ぬいぐるみ、コップ、お皿、プレート、壺や花瓶、机、イス、CD(compact disc)、DVDケース、本、カレンダー、ペットボトル、食品包装容器、ギターやピアノなどの楽器、ラケット、バット、クラブ、ボールなどのスポーツ用品、迷路、観覧車、ジェットコースター、お化け屋敷などのアトラクション、造花、知育玩具、ボードゲーム、かさ、杖、時計、オルゴール、ネックレスなどの服飾材料、化粧品などの容器、ソーラーパネル、電灯やランプカバーとして用いることができる。
また、以上説明した例では、透過加飾フィルムは、コレステリック液晶層の反射光により静止画を表示するものとしたが、これに限定はされない。
例えば、米国特許公開2016/0033806号、特許第5071388号、及び、OPTICS EXPRESS 2016 vol.24 No.20 P23027-23036等に記載の方法を参考にして、コレステリック液晶層を完全にUV硬化させずに、電圧印加または温度変化によってコレステリック液晶層の液晶相の配向が可変な状態にすることで、コレステリック液晶層のパターンを変化させて、表示される絵及び文字等を可変にする、すなわち、動画を表示するものとしてもよい。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(液晶組成物1の調製)
以下に示す各成分を混合し、液晶組成物1を調製した。
・重合性液晶化合物1(下記構造): 1g
・キラル剤2(下記構造): 55.5mg
・水平配向剤1(下記構造): 1〜1.5mg
・光ラジカル開始剤1(下記構造): 40mg
・重合禁止剤1(下記構造): 10mg
・メチルエチルケトン(MEK): 1.6g
光ラジカル開始剤1(BASF社製 IRGACURE 819(下記構造))
重合禁止剤1(BASF社製 IRGANOX1010(下記構造))
(コレステリック液晶層の形成)
仮支持体として、厚み100μmの東洋紡(株)社製PET(ポリエチレンテレフタレート、コスモシャインA4100)フィルム上に、液晶組成物1を室温にて所望の形状に塗布した後、乾燥することにより、所望の形状の塗膜を形成した(乾燥後の塗膜(乾膜)の厚みを2〜5μm程度となるように調整した)。
得られた塗膜に対して、酸素雰囲気下、室温にて、一定時間UV照射を施した。なお、露光量は50mJ/cmとなるように調整した。また、UV照射の光源として、「UVトランスイルミネーターLM−26型」(フナコシ株式会社製)を用いた。
次いで、上記の塗膜が形成されたPETフィルムを100℃のホットプレート上に1分間静置することにより、塗膜に熱処理を施し、コレステリック液晶相の状態とした。
次いで、熱処理後の塗膜に対し、窒素雰囲気下(酸素濃度500ppm以下)、室温にて一定時間UV照射を施して塗膜を硬化することにより、コレステリック液晶層を形成した。UV照射の光源として「EXECURE3000−W」(HOYA CANDEO OPTRONICS(株)社製)を用いた。
なお、上述の工程を経て得られたコレステリック液晶層は、右円偏光反射性を示す。
得られたコレステリック液晶層側の表面に、光学両面粘着フィルム(「MCS70」、(株)美舘イメージング社製)を貼合した、次いで、コレステリック液晶層を上記PETフィルムから左円偏光板(「CP125L」、(株)美舘イメージング社製)に転写した。
(充填層の形成)
充填層としてコレステリック液晶層の形状に応じて切り抜いた粘着シート(MCS70:株式会社美舘イメージング製)を、コレステリック液晶層と同じ厚さになるまで複数積層して、その上に、表面保護層としてPETフィルム(東洋紡(株)社製、コスモシャインA4100、100μm)を貼り合わせて透過加飾フィルムを作製した。
[実施例2]
以下のようにして充填層を形成した以外は実施例1と同様にして透過加飾フィルムを作製した。
(充填層の形成)
コレステリック液晶層が形成された円偏光板に、下記の充填層用溶液を約6μmの膜厚になるように、コレステリック液晶層の上からバー塗布し、60℃で300mJ/cm2のUV照射を行い硬化させた。
充填層用溶液の組成
・バナレジンGH−1203(新中村化学工業(株)社製) 50質量部
・ビスコート#360(大阪有機化学工業(株)社製) 50質量部
・IRGACURE819(BASF社製) 4質量部
・上記の水平配向剤1 0.01質量部
なお、固形分が30wt%になるように、MEK/MIBK(メチルイソブチルケトン)(1/1wt%)で調整した。
<評価>
各実施例で作製した透過加飾フィルムについて、コレステリック液晶層側(表面側)および円偏光板側(裏面側)それぞれから観察したところ、いずれの実施例においても、透明性を有しており、かつ、表面側からはコレステリック液晶層による画像が観察でき、裏面側からはコレステリック液晶層による画像が観察されなかった。
さらに、作製した透過加飾フィルムを蛍光灯にかざしてコレステリック液晶層側(表面側)および円偏光板側(裏面側)それぞれから観察したところ、いずれの実施例においても、裏面側からはコレステリック液晶層の模様は視認されなかった。
以上より、本発明の効果は明らかである。
10a、10b、10c、10d 透過加飾フィルム
12 円偏光板
13a 塗膜
13b コレステリック液晶相の状態の塗膜
14、14a、14b、14c コレステリック液晶層
20rR 赤色右円偏光反射領域
20rG 緑色右円偏光反射領域
20rB 青色右円偏光反射領域
31 表面保護層
34 粘着層
36、36a、36b 充填層
H ヒーター
UV 紫外線照射装置

Claims (4)

  1. 円偏光板と、
    前記円偏光板上の一部に配置されたコレステリック液晶層と、
    前記コレステリック液晶層の側面、ならびに、前記円偏光板の、前記コレステリック液晶層が形成されない表面を覆う充填層と、を有し、
    前記充填層の表面と前記コレステリック液晶層の表面とが面一である透過加飾フィルム。
  2. 前記コレステリック液晶層は、選択反射波長が異なる2以上の反射領域を有する請求項に記載の透過加飾フィルム。
  3. 前記円偏光板が、前記コレステリック液晶層によって反射される円偏光の旋回方向とは逆向きの円偏光を透過する請求項1または2に記載の透過加飾フィルム。
  4. 前記コレステリック液晶層は、面方向の少なくとも一部の領域において選択反射波長が異なる2以上の反射層が積層されてなる請求項1〜のいずれか一項に記載の透過加飾フィルム。
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