JP6747461B2 - 対応付け装置、物体追跡装置、及びプログラム - Google Patents

対応付け装置、物体追跡装置、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、対応付け装置、物体追跡装置、及びプログラムに関する。
非特許文献1には、複数対象を追跡するためのRBPF(Rao-Blackwellized Particle Filter)が記載されている。
非特許文献2には、m-bestの対応付けを整数計画法による最適化により求める、改良されたJPDAF(Joint Probabilistic Data Association Filter)が記載されている。
非特許文献1に記載の手法では、サンプリングにより対応付けの仮説を生成するが、対応付けにおける排他性が保持されていないため、実行不可能な仮説が多く生成されてしまい、非効率的である。
非特許文献2に記載の手法では、整数計画法による最適化に計算時間が長くなる。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、複数の検出結果と複数の対象(予測状態量や他の検出結果)とを対応付ける場合に、複数の対応付けを高速かつ高精度に取得することができる、対応付け装置、物体追跡装置、及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の対応付け装置は、少なくとも1つの検出器により検出された検出結果であって、各検出器に対して相対移動する複数の物体を検出した検出結果を受け取る結果獲得手段と、前記複数の物体各々について、前の時刻の複数の状態量を用いて次の時刻の複数の予測状態量を取得する予測手段と、前記複数の物体に応じた複数の検出結果と、検出結果を受け取った時刻に応じた複数の予測状態量との対応付けを、複数個生成する対応付け手段と、を含み、前記対応付け手段は、ランダムに配列された前記複数の検出結果の各々を、配列順に、前記複数の予測状態量のうちで他の検出結果が割り当てられていない何れか1つの予測状態量に割り当てて、対応付けを生成することを繰り返す、対応付け装置である。
本発明のもう1つの対応付け装置は、少なくとも1つの検出器により検出された検出結果であって、各検出器に対して相対移動する複数の物体を検出した検出結果を受け取る結果獲得手段と、1つの検出器により検出された複数の第1検出結果と、同じ検出器により異なる時刻に検出された、または、他の検出器により検出された複数の第2検出結果との対応付けを、複数個生成する対応付け手段と、を含み、前記対応付け手段は、ランダムに配列された前記複数の第1検出結果の各々を、配列順に、前記複数の第2検出結果のうちで他の第1検出結果が割り当てられていない何れか1つの第2検出結果に割り当てて、対応付けを生成することを繰り返す、対応付け装置である。
本発明の物体追跡装置は、複数の物体を追跡する物体追跡装置において、前記複数の物体の各々について状態量を記憶する記憶手段と、少なくとも1つの検出器により検出された検出結果であって、各検出器に対して相対移動する複数の物体を検出した検出結果を受け取る結果獲得手段と、前記複数の物体各々について、前の時刻の複数の状態量を用いて次の時刻の複数の予測状態量を取得する予測手段と、前記複数の物体に応じた複数の検出結果と、検出結果を受け取った時刻に応じた複数の予測状態量との対応付けを、複数個生成する対応付け手段と、複数の対応付けの各々に重みを付与する重み付与手段と、前記複数の検出結果、前記複数の予測状態量、前記複数の対応付け、及び前記複数の対応付けの重みを用いて、前記記憶手段に格納された状態量を更新する更新手段と、を含み、前記対応付け手段は、ランダムに配列された前記複数の検出結果の各々を、配列順に、前記複数の予測状態量のうちで他の検出結果が割り当てられていない何れか1つの予測状態量に割り当てて、対応付けを生成することを繰り返す、物体追跡装置である。
本発明のプログラムは、コンピュータを、本発明の対応付け装置の各手段として機能させるためのプログラムである。
本発明のもう1つのプログラムは、コンピュータを、本発明の物体追跡装置の各手段として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、複数の検出結果と複数の対象とを対応付ける場合に、複数の対応付けを高速かつ高精度に取得することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る歩行者追跡システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る歩行者追跡装置の構成を示すブロック図である。 複数の検出結果と複数の予測状態量との全部の対応付けを示す模式図である。 (A)から(D)は本発明の第1の実施の形態に係る対応付け手順を説明するための模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る「歩行者追跡処理」の処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 「対応付け処理」の処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 「割り当て処理」の処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る歩行者追跡装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る「歩行者追跡処理」の処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 「仮説内対応付け処理」の処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の対応付け処理を適用した具体例2を示す模式図である。 本発明の対応付け処理を適用した具体例3を示す模式図である。 本発明の対応付け処理を適用した具体例4を示す模式図である。 本発明の対応付け処理を適用した具体例5を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
本実施の形態では、移動物である歩行者を追跡対象として、歩行者を追跡する「歩行者追跡装置」に本発明を適用した場合を例に説明する。本実施の形態では、車両に搭載された歩行者の検出器やインフラセンサとしての歩行者の検出器の検出結果を統合して、時間毎に変化する複数の歩行者の状態量を推定する。本実施の形態では、JPDAFを改良した方法で歩行者の追跡を行う。
<歩行者追跡システムのシステム構成>
図1は本発明の第1の実施の形態に係る歩行者追跡システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施の形態に係る歩行者追跡システム100は、歩行者追跡装置10と、基地局50と、複数の車両に搭載された複数の検出器60と、インフラセンサとしての検出器62とを備え、基地局50と歩行者追跡装置10とは、インターネットなどのネットワーク70で接続されており、基地局50と検出器60、62とは、無線通信により接続されている。
検出器60、62は、カメラやレーダを用いて歩行者を随時検出し、検出する度に、検出結果を、基地局50を介して、歩行者追跡装置10へ送信する。
例えば、検出器60は、自車両の前方を撮像するカメラによって撮像された前方の道路画像から、スライディングウィンドウ毎に、画像特徴量(SIFT,FIND、HOGなど)を抽出し、スライディングウィンドウ毎の画像特徴量と、歩行者検出モデル(SVM、AdaBoost)とを用いて、歩行者を検出し、検出された歩行者位置を表す画像座標を求める。また、検出器60は、歩行者位置を表す画像座標を、3次元位置に変換する。この際に、検出された歩行者の高さに応じて誤差分散行列を求める。また、検出器60は、自車両に搭載されたGPSにより計測された自車両の絶対座標と、求められた3次元位置とに基づいて、歩行者の絶対的な3次元位置を求める。
本実施の形態では、上記の歩行者の3次元位置及び誤差分散行列を、検出された歩行者毎に求める。また、本実施の形態では、複数の歩行者についての検出結果を得ることを「観測」という。具体的には、観測Oは、複数の歩行者についての検出結果として、歩行者の3次元位置のセットY={y,…y}と、観測誤差分散行列のセットR={r,…,r}とを含む。
検出器60は、検出した歩行者の3次元位置のセットYと、観測誤差分散行列のセットRとからなる観測Oを、観測毎に、歩行者追跡装置10へ送信する。
検出器62は、検出器60と同様に、検出した歩行者の3次元位置のセットYと、観測誤差分散行列のセットRとからなる観測Oを、観測毎に、歩行者追跡装置10へ送信する。
複数の検出器60、62は、非同期に、歩行者を検出している。また、複数の検出器60は、各々異なる車両に搭載されているため、歩行者追跡装置10へ観測を送信する検出器60、62の数は、不定となる。
歩行者追跡装置10は、例えば、サーバ等のコンピュータで構成される。歩行者追跡装置10は、CPUと、RAMと、後述する「歩行者追跡処理」ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備え、機能的には次に示すように構成されている。
図2は本発明の第1の実施の形態に係る歩行者追跡装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、歩行者追跡装置10は、通信部12と、センシング結果獲得部14と、状態量記憶部16と、状態量予測部18と、状態量対応付け部20と、状態量更新部22とを備えている。
センシング結果獲得部14は、検出器60、62の何れかから送信された観測Oを、通信部12により受信する毎に、最新データとして、歩行者の3次元位置のセットY={y,…y}と、観測誤差分散行列のセットR={r,…,r}とを取得する。
状態量記憶部16は、観測された複数の歩行者それぞれの、状態量更新部22により更新された状態量(歩行者の位置及び速度)、及び最後に観測した時刻を記憶する。
状態量予測部18は、最新データを取得した時刻に合わせて、複数の歩行者それぞれについて、状態量記憶部16に記憶された状態量を用いて次の時刻の歩行者の状態量を予測することを繰り返し、最新データを取得した時刻における予測状態量を取得する。以下では、最新データを取得した時刻を「現時刻」という。
具体的には、状態量予測部18は、現時刻における複数の歩行者それぞれの予測状態量のセットX={x,…,x}、および、予測状態量の分散共分散行列のセットV={v,…,v}を取得する。複数の歩行者の状態量は、例えば、カルマンフィルタの予測ステップ、等速予測などにより予測する。
状態量対応付け部20は、センシング結果獲得部14により最新のデータを取得する度に、複数の歩行者それぞれについて予測された予測状態量と、最新のデータが表す複数の歩行者それぞれの検出結果との対応付けを行う。
具体的には、現時刻における複数の歩行者それぞれの予測状態量のセットX={x,…,x}と、最新のデータに含まれる複数の歩行者それぞれの3次元位置のセットY={y,…,y}との対応付けを行う。
図3は複数の検出結果と複数の予測状態量との全部の対応付けを示す模式図である。図3に示す例では、1つの観測には検出結果1〜4が含まれる。検出結果1〜4の各々は、確率に応じて選択された予測状態量a〜dのいずれかに対応付けられる。
図4(A)〜(D)は本発明の第1の実施の形態に係る対応付け手順を説明するための模式図である。まず、図4(A)に示すように、1つの観測に含まれる複数の検出結果をランダムに並べ替える。図示した例では、検出結果1〜4が3→1→4→2の順に並べ替えられているが、この配列はランダムに決定されたものである。
次に、図4(B)及び図4(C)に示すように、複数の検出結果を配列順に1つ選択する。選択された検出結果を、他の検出結果が割り当てられていない予測状態量の中から、確率に応じて選択された1つの予測状態量に割り当てる。以下では、他の検出結果が割り当てられていない予測状態量を「割当候補の予測状態量」という。確率は下記式(1)で表される。図4(D)に示すように、複数の検出結果各々の割当先が決まると、1つの対応付けが完成する。
上記式(1)では、検出結果yの個数をN個、割当候補の予測状態量xの個数をM個とする。1つの検出結果y(i=1〜N)が1つの予測状態量x(j=1〜M)に割り当てられる確率は、p(y|x)である。1つの検出結果yが、M個の予測状態量xのいずれかに割り当てられる確率は、M個の予測状態量xについての確率p(y|x)の和Σjp(y|x)である。式(1)に示すように確率は、確率p(y|x)のΣp(y|x)に対する割合と定義される。
図示した例では、まず検出結果3が選択される。割当候補は予測状態量a〜dである。例えば、検出結果3と予測状態量aとの確率は50%、予測状態量bとの確率は30%、予測状態量cとの確率は10%、予測状態量dとの確率は10%とする。検出結果3は、これらの確率に応じて選択された予測状態量aに割り当てられる。
図示した例では、配列順に従って次に検出結果1が選択される。予測状態量aには検出結果3が割り当てられたので、割当候補は予測状態量b〜dである。検出結果1は、割当候補の中から確率に応じて選択された予測状態量dに割り当てられる。同様に、次に選択された検出結果4は、予測状態量bに割り当てられ、次に選択された検出結果2は、残った予測状態量cに割り当てられる。
状態量対応付け部20は、上記の手法で、ランダムな並べ替えを繰り返し行い、複数の対応付けを生成する。複数の対応付けは、同じパターンの対応付けを含んでいてもよい。
生成する対応付けの個数は、例えば100個など、予め定めた個数とする。通常のJPDAFを利用する追跡では、複数の検出結果と複数の予測状態量との対応付けのすべてのパターンについて計算が行われている。対応付けの個数を「予め定めた個数」とすることで、歩行者数が増え、検出結果の個数が増えた場合であっても、計算量を増やさずに済み、高速に追跡を行うことができる。対応付けパターンの総数に応じて、対応付けの個数を対応付けパターンの総数より少ない個数としてもよい。
状態量対応付け部20は、対応付け毎に、対応付けの重みwを計算する。状態量対応付け部20は、計算された重みwを対応付けに付与する。確率に応じて対応付けた場合、対応付けの重みwは下記式(2)で与えられる。
上記式(2)では、1つの検出結果yについて得られた、M個の予測状態量xに対する確率p(y|x)の和Σp(y|x)が、N個の検出結果について掛け合わされている。但し、図4(B)及び図4(C)に例示した通り、1つの検出結果について、割当候補となる予測状態量の個数Mは、割当の度に1個減少する。例えば、図4(B)に示す1回目の割当では、割当候補となる予測状態量は4個であるが、図4(C)に示す2回目の割当では、割当候補となる予測状態量は3個である。
本実施の形態では、複数の対応付けを、重みwに基づき重み付け平均をとることで、複数の検出結果が各予測状態量に確率的に対応付けられる。歩行者の予測状態量の各々には、最新のデータが表す複数の歩行者それぞれの検出結果が重み付けされて対応付けられる。
状態量更新部22は、検出結果毎に、複数の歩行者それぞれについて、3次元位置を観測値として、対応する観測誤差分散行列と、予測ステップで得られた予測状態量及び分散共分散行列とを用いて、フィルタリングを行う。フィルタリングは、例えば、カルマンフィルタのフィルタリングステップにより行う。
状態量更新部22は、複数の歩行者それぞれについて、フィルタリング後の複数の状態量を統合する。具体的には、対応付けの重みwを用いて、検出結果毎に、フィルタリングにより得られた複数の状態量の統合分布を計算し、その平均値と分散共分散行列とを計算する。
状態量更新部22は、計算された重み付け平均値と分散共分散行列とで、状態量記憶部16に記憶された状態量を更新すると共に、最後に観測した時刻を更新する。
図3、図4(A)〜(D)では、検出結果1〜4の各々が、予測状態量a〜dのいずれかに対応付けられる例について説明したが、実際には、予測状態量と対応付かない検出結果や、検出結果が割り当てられない予測状態量が発生する。これ等が発生する場合は、例えば、以下のように対応する。
状態量更新部22は、対応付けの結果に基づいて、最新のデータの検出結果のうち、予測状態量と対応付かなかった歩行者の検出結果から、新たな状態量xを生成し、最後に観測した時刻として、現在時刻を、状態量記憶部16に格納する。なお、新たな状態量xは観測された歩行者の3次元位置yと同じ座標、誤差分散行列を持つこととする。
例えば、状態量対応付け部20は、対応付けない確率を設定値として与え、この設定値より小さい確率の組み合わせは、対応付けないようにしてもよい。この場合は、図4(B)に示す例で、検出結果3と各予測状態量との確率がいずれも設定値以下の場合は、検出結果3は、いずれの予測状態量にも割り当てられないことになる。
また、例えば、ダミーの予測状態量を用意しておいてもよい。各検出結果とダミーの予測状態量との間の確率を設定値として与える。この場合は、図4(B)に示す例で、予測状態量dをダミーであると仮定すると、確率に応じて検出結果1がダミーの予測状態量に割り当てられたことになる。
また、状態量更新部22は、検出結果と対応付かなった歩行者の状態量のうち、最後に観測した時刻から一定時間以上経過している歩行者の状態量を、状態量記憶部16から消去する。
歩行者追跡装置10は、上記の一連の処理により更新された状態量のセットを、歩行者の検出結果の統合結果として出力する。
(変形例/最尤法による対応付け)
なお、上記では、「確率に基づいて」検出結果と予測状態量との対応付けを行う例について説明したが、「最尤法」により対応付けを行ってもよい。最尤法では、複数の検出結果を配列順に1つ選択して、選択された検出結果を、他の検出結果が割り当てられていない予測状態量の中で、結合確率が最も高い予測状態量に割り当てる。最尤法により対応付けを行う場合は、同じパターンの対応付けを含まないように、複数の対応付けを生成する。
最尤法により検出結果を予測状態量に対応付けた場合は、対応付けの重みは、下記式(3)で与えられる。
上記式(3)では、1つの検出結果yについて得られた最尤の予測状態量xに対する確率max(p(y|x))が、N個の検出結果について掛け合わされている。
<歩行者追跡システムの動作>
次に、第1の実施の形態に係る歩行者追跡システム100の動作について説明する。
複数の車両に搭載された複数の検出器60、及びインフラセンサとしての検出器62の各々によって、歩行者が逐次検出され、検出される毎に、検出結果が「観測」として、基地局50を介して、歩行者追跡装置10に送信される。観測が送信されているときに、歩行者追跡装置10においては「歩行者追跡処理」の処理ルーチンが実行される。
まず、「歩行者追跡処理」の処理ルーチンについて説明する。図5は本発明の第1の実施の形態に係る「歩行者追跡処理」の処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
ステップS100において、複数の検出器60及び検出器62の何れかから、観測を受信すると、ステップS102へ進む。観測が受信されると最新データが取得される。具体的には、歩行者の3次元位置のセットYと、観測誤差分散行列のセットRとを含む観測Oが受信される。
ステップS102では、上記ステップS100で最新データが取得した時刻(現時刻)に合わせて、複数の歩行者それぞれについて、状態量記憶部16に記憶された状態量を用いて現時刻の歩行者の状態量を予測する。具体的には、現時刻における複数の歩行者それぞれの予測状態量のセットX、および、予測状態量の分散共分散行列のセットVを取得する。
ステップS104では、上記ステップS102で複数の歩行者それぞれについて予測された予測状態量と、上記ステップS100で受信した観測に含まれる複数の検出結果とを対応付ける「対応付け処理」を実行する。具体的には、現時刻における複数の歩行者それぞれの予測状態量のセットXと、最新のデータに含まれる複数の歩行者それぞれの3次元位置のセットYとの対応付けを行う。
(対応付け処理)
図6は「対応付け処理」の処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。図7は「割り当て処理」の処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
図6に示すように、「対応付け処理」では、まず、ステップ200で、図7に示す「割り当て処理」を実行して、観測に含まれる複数の検出結果と、複数の歩行者に応じた複数の予測状態量との1つの対応付けを生成する。後述する通り、生成された対応付けについては、「対応付けの重みw」が計算される。
次に、ステップ202で、対応付けと対応付けの重みwとを記憶する。次に、ステップ204で、対応付けが目標個数だけ生成されたか否かを判断する。対応付けの個数が目標個数に到達した場合は、ルーチンを終了する。対応付けの個数が目標個数未満の場合は、ステップ200に戻って、「割り当て処理」を繰り返し行う。
図7に示す「割り当て処理」では、まず、ステップ300で、1つの観測に含まれる複数の検出結果をランダムに並べ替える。次に、ステップ302で、配列順に1つの検出結果を選択する。並べ替えられた複数の検出結果は、配列順に先頭から順番に選択される。次に、ステップ304で、選択された検出結果と割当候補の予測状態量との間の確率を計算する。
次に、ステップ306で、選択された検出結果を、確率に応じて選択された予測状態量に割り当てる。次に、ステップ308で、予測状態量に割り当てられていない検出結果があるか否かを判断する。未割当の検出結果がない場合は、ステップ310に進む。複数の検出結果の各々が、何れかの予測状態量に割り当てられると1つの対応付けが定まる。未割当の検出結果がある場合は、ステップ302に戻って、配列順に次の検出結果を選択する。
次に、ステップ310で、定まった1つの対応付けについて「対応付けの重み」を計算して、ルーチンを終了する。対応付けの重みは、上記式(2)または上記式(3)で与えられる。
本実施の形態では、複数の検出結果と複数の予測状態量とを対応付ける場合に、複数の対応付けパターンを高速かつ高精度に取得することができる。また、後述する「定理」に基づいて重み対応付けを行うので、結合確率分布に比例する確率分布に基づいて対応付けを行う場合と同等の確率で、複数の対応付けパターンを取得することができる。また、1つの対応付け内では、各検出結果が1つの予測状態量に割り当てられるので、1つの予測状態に複数の検出結果が割り当てられる等の「重複」がない。
「対応付け処理」が終了すると、図5のステップS105に進む。ステップS105では、重みwに基づいて「対応付けの重み付け平均値」を計算する。
次に、ステップS106で、検出結果毎に、フィルタリングを行う。具体的には、複数の歩行者それぞれについて、対応する3次元位置を観測値として、対応する観測誤差分散行列と、予測ステップで得られた予測状態量及び分散共分散行列とを用いて、フィルタリングを行う。
次に、ステップS108では、ステップS105で計算した「対応付けの重み付け平均値」を用いて、フィルタリングにより得られた複数の状態量の統合分布の平均値と、分散共分散行列とを計算する。そして、計算された値で、状態量記憶部16に記憶された状態量を更新すると共に、最後に観測した時刻を更新する。
例えば、図3、図4(A)〜(D)に示す例では、歩行者Aの予測状態量aは検出結果1〜4のいずれかに対応付けられる。ここでの「対応付け」は、検出結果と予測状態量との1対1の対応付けである。1対1の対応付けと区別するために、ここでは、検出結果1〜4の各々と予測状態量a〜dとの組合せは「対応付けサンプル」と称する。
予測状態量aと検出結果3との対応付けを、対応付け(a-3)とする。複数の対応付けサンプルのうち、対応付け(a-3)を含む対応付けサンプルが3つあり、それらの対応付けの重みをw、w、wとする。対応付け(a-3)の「対応付けの重み付け平均値」を「wa3」とする。対応付けの重み付け平均値wa3は、下記式(A)に示すように、重みw、w、wの和を全てのサンプルの重みの和で除した値となる。
歩行者Aの状態量の分布の平均をX、分散共分散行列をV、とする。検出結果1〜4の各々についてフィルタリングを行い、下記に示すフィルタリング結果が得られる。フィルタリング結果は、対応付け、状態量、分散共分散行列、及び対応付けの重み付け平均値を含む。フィルタリング結果の重みは、上記の「対応付けの重み付け平均値」に応じて計算される。
対応付け(a-1) 状態量Xa1 分散共分散行列Va1 対応付けの重み付け平均値wa1
対応付け(a-2) 状態量Xa2 分散共分散行列Va2 対応付けの重み付け平均値wa2
対応付け(a-3) 状態量Xa3 分散共分散行列Va3 対応付けの重み付け平均値wa3
対応付け(a-4) 状態量Xa4 分散共分散行列Va4 対応付けの重み付け平均値wa4
これらの分布を統合することで、最終的な歩行者Aの状態量の分布が計算される。統合後の状態量の分布の平均X'と分散 V'とは、下記式(B)及び下記式(C)により計算される。なお、Tは転置行列を表す。
歩行者B〜Dについても同様に、統合後の状態量の分布の平均と分散共分散行列とが計算されて、計算された値により記憶された状態量が更新される。
また、上記ステップS100で受信した検出結果のうち、状態量と対応付かなかった歩行者の検出結果に基づき、新たな状態量xを生成し、最後に観測した時刻として、現在時刻を、状態量記憶部16に格納する。
次に、ステップS110では、複数の歩行者の各々について計算された、複数の状態量の統合分布の平均値を、歩行者の検出結果の統合結果として出力し、上記ステップS100へ戻る。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では、観測された複数の歩行者それぞれの更新された状態量(歩行者の位置及び速度)を、重み付けされた複数の仮説として保持している。各仮説は、複数の歩行者に応じた複数の状態量を有している。仮説毎に、複数の予測状態量が取得され、1つの観測に含まれる複数の検出結果と複数の予測状態量との対応付けが行われ、フィルタリングにより複数の状態量が更新される点が、第1の実施の形態とは相違している。本実施の形態では、RBPFを改良した方法で歩行者の追跡を行う。
仮説の個数は、例えば100個など、予め定めた個数とする。仮説の個数を「予め定めた個数」とすることで、歩行者数が増え、検出結果の個数が増えても、計算量を増やさずに済み、高速に追跡を行うことができる。
図8は本発明の第2の実施の形態に係る歩行者追跡装置の構成を示すブロック図である。図8に示すように、歩行者追跡装置10は、通信部12と、センシング結果獲得部14と、仮説記憶部30と、仮説内状態量予測部32と、仮説内状態量対応付け部34と、仮説重み更新部36と、仮説更新部38と、仮説内状態量更新部40と、重み付け平均計算部42とを備えている。
センシング結果獲得部14は、検出器60、62の何れかから送信された観測Oを、通信部12により受信する毎に、最新データとして、歩行者の3次元位置のセットY={y,…y}と、観測誤差分散行列のセットR={r,…,r}とを取得する。
仮説記憶部30は、観測された複数の歩行者それぞれの、仮説更新部38により更新された状態量(歩行者の位置及び速度)、及び最後に観測した時刻を、仮説毎に記憶する。
具体的には、仮説毎に、歩行者の状態量のセットX={x,…x}、および、状態量の分散共分散行列V={v,…,v}と、最後に観測した時刻のセットT={t,…t}とを記憶している。
なお、本実施の形態では、

を、信念空間上の仮説と呼び、仮説の構成要素

を「追跡器」と呼ぶこととする。追跡器は、各歩行者について得られた一連の状態量のセットであり、追跡する歩行者を選定するのに使用される。追跡する歩行者について「追跡器」が設定される。
仮説内状態量予測部32は、現時刻に合わせて、仮説毎に、仮説で追跡している複数の歩行者それぞれについて、例えばカルマンフィルタの予測ステップにより、仮説記憶部30に記憶された状態量を用いて次の時刻の歩行者の状態量を予測することを繰り返し、現時刻の歩行者の状態量を予測する。「追跡器」が設定された歩行者について予測状態量が取得される。
具体的には、仮説内状態量予測部32は、現時刻における複数の歩行者それぞれの予測状態量のセットX={x,…,x}、および、予測状態量の分散共分散行列V={v,…,v}を求める。
本実施の形態では、仮説

に対して、現時刻の状態に関する予測

を生成する。
仮説内状態量対応付け部34は、センシング結果獲得部14により最新のデータを取得する度に、仮説毎に、現時刻に対応して複数の歩行者それぞれについて予測された予測状態量と、最新のデータが表す複数の歩行者それぞれの検出結果との対応付けを行う。
具体的には、仮説毎に、現時刻における複数の歩行者それぞれの予測状態量のセットX={x,…,x}と、最新のデータに含まれる複数の歩行者それぞれの3次元位置のセットY={y,…y}との対応付けを行う。換言すれば、複数の追跡器と、複数の3次元位置とが対応付けられる。
仮説内状態量対応付け部34は、仮説毎に、第1の実施の形態と同様の手順で対応付けを行い、仮説の個数分だけ対応付けを生成する。仮説内状態量対応付け部34は、仮説毎に、複数の検出結果をランダムに並べ替え、配列順に、確率に応じて選択される予測状態量に割り当てる。1つの仮説について1つの対応付けが生成される。「最尤法」による対応付けは行わない。
仮説内状態量対応付け部34は、仮説毎に、上記式(2)に従って対応付けの重みwを計算する。計算された対応付けの重みwが、対応する仮説に付与される。
仮説内状態量更新部40は、仮説毎に、状態量の更新を行う。仮説内状態量更新部40は、対応付けの定まった仮説内の複数の追跡器の各々について、対応する3次元位置を観測値として、対応する観測誤差分散行列と、予測ステップで得られた予測状態量及び分散共分散行列の各々とを用いて、フィルタリングを行い、仮説記憶部30に記憶された状態量を更新すると共に、最後に観測した時刻を更新する。フィルタリングは、例えば、カルマンフィルタのフィルタリングステップにより行う。
仮説内状態量更新部40は、対応付けの結果に基づいて、最新のデータの検出結果のうち、予測状態量と対応付かなかった歩行者の検出結果から、新たな状態量xを含む追跡器を生成し、最後に観測した時刻として、現在時刻を、仮説記憶部30に格納する。なお、新たな状態量xを含む追跡器は、観測された歩行者の3次元位置と同じ座標、誤差分散行列を持つこととする。
また、仮説内状態量更新部40は、検出結果と対応付かなった歩行者の状態量を含む追跡器のうち、最後に観測した時刻から一定時間以上経過している歩行者の状態量を含む追跡器を、仮説記憶部30から消去する。
仮説重み更新部36は、仮説毎に、元の仮説の重みと「対応付けの重み」との積により、仮説の重みを更新する。例えば、元の仮説の重みをW1、対応付けの重みをwとすると、仮説の重みはそれらの積(W×w)に更新される。更新後の重みをWαとする。
本実施の形態では、最新のデータが表す複数の歩行者それぞれの検出結果を用いて、各仮説内の状態量が更新される。複数の追跡器の各々について、仮説毎に更新された複数の状態量が、仮説毎の重みWαと共に得られる。
例えば、仮説1〜3の各々が追跡器A〜Dを含むと仮定する。仮説1では、追跡器A〜Dについて、歩行者の状態量のセットX={xa1,xb1,xc1,xd1}が重みWα1と共に得られる。仮説2では、追跡器A〜Dについて、歩行者の状態量のセットX={xa2,xb2,xc2,xd2}が重みWα2と共に得られる。仮説3では、追跡器A〜Dについては、歩行者の状態量のセットX={xa3,xb3,xc3,xd3}が重みWα3と共に得られる。
重み付け平均計算部42は、複数の追跡器の各々について、仮説毎に更新された歩行者の状態量と、仮説毎の重みとに基づいて、状態量の重み付け平均値を計算する。具体的には、例えば、追跡器Aについて、更新された複数の状態量{xa1,xa2,xa3}の重み付け平均値を計算する。
仮説更新部38は、仮説重み更新部36により更新された仮説の重みWαに基づいて、リサンプリングにより複数の仮説を更新する。例えば、重みが大きい仮説は複製され、重みが小さい仮説は消滅する。
歩行者追跡装置10は、重み付け平均計算部42により求めた、複数の追跡器の各々についての状態量の重み付け平均値を、歩行者の検出結果の統合結果として出力する。
<歩行者追跡システムの動作>
次に、第2の実施の形態に係る歩行者追跡システム100の動作について説明する。
まず、「歩行者追跡処理」の処理ルーチンについて説明する。図9は本発明の第2の実施の形態に係る「歩行者追跡処理」の処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
ステップS400において、複数の検出器60及び検出器62の何れかから、観測を受信すると、ステップS402へ進む。観測が受信されると最新データが取得される。具体的には、歩行者の3次元位置のセットYと、観測誤差分散行列のセットRとを含む観測Oが受信される。
ステップS402では、上記ステップS400で最新データが取得した時刻(現時刻)に合わせて、仮説毎に、追跡器が設定された複数の歩行者それぞれについて、仮説記憶部30に記憶された状態量を用いて現時刻の歩行者の状態量を予測する。具体的には、仮説毎に、現時刻における複数の歩行者それぞれの予測状態量のセットX、および、予測状態量の分散共分散行列のセットVを取得する。
ステップS404では、仮説毎に、上記ステップS402で複数の歩行者それぞれについて予測された予測状態量と、上記ステップS100で受信した観測に含まれる複数の検出結果とを対応付ける「対応付け処理」を実行する。具体的には、仮説毎に、複数の追跡器と、最新データに含まれる歩行者の3次元位置のセットYとの対応付けを行う。
(仮説内対応付け処理)
仮説内の対応付けは、第1の実施の形態と同様の手法で実施する。
図10は「仮説内対応付け処理」の処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。図10に示すように、「仮説内対応付け処理」では、まず、ステップ500で、複数の仮説の中から、1つの仮説を選択する。
次に、ステップ502で、図7に示す「割り当て処理」を実行して、1つの観測に含まれる複数の検出結果と、複数の歩行者に応じた複数の予測状態量との1つの対応付けを生成する。生成された対応付けについては、「対応付けの重みw」が計算される。対応付けの重みは、上記式(2)で与えられる。
次に、ステップ504で、仮説毎に、対応付けと対応付けの重みwとを記憶する。次に、ステップ506で、まだ対応付けが行われていない仮説があるか否かを判断する。対応付けが行われていない仮説が無い場合は、ルーチンを終了する。対応付けが行われていない仮説がある場合は、ステップ500に戻って、次の仮説を選択して「割り当て処理」を繰り返し行う。
本実施の形態では、複数の仮説の各々について、複数の検出結果と複数の予測状態量とを対応付ける場合に、仮説毎の対応付けパターンを高速かつ高精度に取得することができる。また、後述する「定理」に基づいて重み対応付けを行うので、結合確率分布に比例する確率分布に基づいて対応付けを行う場合と同等の確率で、複数の対応付けパターンを取得することができる。また、1つの対応付け内では、各検出結果が1つの予測状態量に割り当てられるので、1つの予測状態に複数の検出結果が割り当てられる等の「重複」がない。
「仮説内対応付け処理」が終了すると、図9のステップS406に進む。ステップ406では、仮説毎に、仮説内の複数の追跡器の各々について、対応する3次元位置を観測値として、対応する観測誤差分散行列と、予測ステップで得られた予測状態量及び分散共分散行列の各々とを用いて、フィルタリングを行い、仮説記憶部30に記憶された状態量を更新すると共に、最後に観測した時刻を更新する。
次に、ステップS408で、仮説毎に、仮説の重みをWαに更新する。仮説の重みWαは、元の仮説の重みをWと、対応付けの重みwとの積(W×w)である。
次に、ステップS410で、複数の追跡器の各々について、仮説毎に更新された歩行者の状態量と、仮説毎の重みとに基づいて、状態量の重み付け平均値を計算する。次に、ステップS412で、複数の追跡器の各々についての状態量の重み付け平均値を、歩行者の検出結果の統合結果として出力する。
次に、ステップS414で、リサンプリングにより複数の仮説を更新して、上記ステップ400に戻る。
[重み付き対応付けの確率的な意義]
ここで、重み付き対応付けの確率的な意義について説明する。
上記第1及び第2の実施の形態では、以下の定理に基づき、複数の対応付けを生成しているため、結合確率分布からのサンプリングが近似できている。ここでは、対応付けを生成することを「サンプリング」という。なお、JPDAを利用する場合など、統計量を計算する手法では、確率に応じた対応付けを行う部分で最尤を選択しても経験的にうまくいくことが分かっている。
−定理−
図4(A)〜(D)に示すように、ランダムな順に並べ替えて、確率に応じて対応付けを行い、上記式(2)または(3)に従って重み付けを行うことは、対応付けの結合確率分布の確率に応じてサンプリングしているのと等価である。
−証明−
結合確率分布p(θ)は、下記式(4)で記述できる。
ここで、θはある対応付けを表す。[M]、[N]は対応付ける対象数を表す。

は、対応付けを表す変数であり、rとkが対応づいていれば「1」 、rとkが対応づいていなければ「0」となる。

は、

の確率分布を表す。対応付け処理で説明したp(y|x)に相当する。
ここで、定理の手順を見直していくと、まず、ランダムな順に並べ替えることにより、その並べ替えパターンに対して等確率にサンプリングを行ったことと等価になるため、その確率pは、下記式(5)で表される。
ここでは、[N]を並べ替えている。次に、[N]を並べ替えた順に対応付ける。各々に対応付ける確率としては、下記式(6)で表される確率pを用いる。
上記式(6)の分母を、対応付けの重みwとしてpに乗じると、下記式(7)が得られる。
つまり、各サンプルの確率pは、下記式(8)で表される。
これを変形すると、下記式(9)が得られる。
上記式(9)から分かるように、本定理に基づいて重み付けサンプリングを行うことは、結合確率分布に比例する確率分布に基づいてサンプリングしているのと等価になる。
換言すれば、複数の対応付けの重みの和が、複数の検出結果と複数の予測状態量との全部の対応付けにおける検出結果と予測状態量との結合確率の和を近似するように、複数の対応付けの各々に重みが付与されている。
従って、本実施の形態では、結合確率分布に比例する確率分布に基づいて対応付けを行う場合と同等の確率で、結合確率の高い複数の対応付けを取得することができる。
[変形例]
なお、上記実施の形態で説明した物体追跡装置及びプログラムの構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内においてその構成を変更してもよいことは言うまでもない。
本発明の対応付け処理は、各種確率的対応付けに有効に利用できる。
以下に具体例を例示する。上記の実施の形態で説明した例を具体例1とし、他の具体例2から具体例6までについて説明する。
図11は本発明の対応付け処理を適用した具体例2を示す模式図である。具体例2では、単眼カメラを搭載した車両が1台ある。単眼カメラは、車両と共に移動する。具体例2では、単眼カメラに基づく静止物体の位置推定に基づく車両の自己位置推定において、単眼カメラから観測した静止物体の位置と、過去に観測した静止物体の位置とを対応付けるのに、本発明の対応付け処理を利用する。
図12は本発明の対応付け処理を適用した具体例3を示す模式図である。具体例3では、単眼カメラを搭載した車両が複数ある。具体例3では、複数のカメラによる静止物体の位置推定に基づくマップ生成において、1つのカメラから観測した静止物体の位置と、他のカメラから観測した静止物体の位置とを対応付けるのに、本発明の対応付け処理を利用する。
図13は本発明の対応付け処理を適用した具体例4を示す模式図である。具体例4では、単眼カメラを搭載した複数の車両と、インフラセンサを備えたインフラ側のサーバとがある。インフラ側のサーバが、物体追跡装置に相当する。具体例4では、複数のセンサの検出結果の統合に基づく動的地図の生成において、インフラ側のサーバが、1つのカメラから観測した物体(静止物体、移動物体)の位置と、他のカメラから観測した物体の位置とを対応付けるのに、本発明の対応付け処理を利用する。物体の検出結果の統合結果として得られる動的地図は、各車両にフィードバックされる。
図14は本発明の対応付け処理を適用した具体例5を示す模式図である。具体例5では、単眼カメラを搭載した1台の車両と、インフラセンサとがある。具体例5では、物体追跡装置は、車両に搭載されている。具体例5では、インフラセンサにより道路上の移動物体(車両)を認識し、その情報を車両に送信する。
車両に搭載された物体追跡装置は、インフラセンサにより観測した移動物体の位置と、単眼カメラにより観測した移動物体の位置、または、移動物体の予測状態量とを対応付けるのに、本発明の対応付け処理を利用する。インフラ情報を利用した車載システムにおける車両の認識範囲が拡大する。
具体例6では、複数種類のセンサ(例えば、カメラとレーザレーダ)を搭載した車両が1台ある。単一の車両におけるセンサフュージョンにおいて、複数種類のセンサの認識結果を互いに対応付けして統合するのに、本発明の対応付け処理を利用する。
10 歩行者追跡装置
12 通信部
14 センシング結果獲得部
16 状態量記憶部
18 状態量予測部
20 状態量対応付け部
22 状態量更新部
30 仮説記憶部
32 仮説内状態量予測部
34 仮説内状態量対応付け部
36 仮説重み更新部
38 仮説更新部
40 仮説内状態量更新部
42 重み付け平均計算部
50 基地局
60 検出器
62 検出器
70 ネットワーク
100 歩行者追跡システム

Claims (17)

  1. 少なくとも1つの検出器により検出された検出結果であって、各検出器に対して相対移動する複数の物体を検出した検出結果を受け取る結果獲得手段と、
    前記複数の物体各々について、前の時刻の複数の状態量を用いて次の時刻の複数の予測状態量を取得する予測手段と、
    前記複数の物体に応じた複数の検出結果と、検出結果を受け取った時刻に応じた複数の予測状態量との対応付けを、複数個生成する対応付け手段と、
    を含み、
    前記対応付け手段は、
    ランダムに配列された前記複数の検出結果の各々を、配列順に、前記複数の予測状態量のうちで他の検出結果が割り当てられていない何れか1つの予測状態量に割り当てて、対応付けを生成することを繰り返す、
    対応付け装置。
  2. 少なくとも1つの検出器により検出された検出結果であって、各検出器に対して相対移動する複数の物体を検出した検出結果を受け取る結果獲得手段と、
    1つの検出器により検出された複数の第1検出結果と、同じ検出器により異なる時刻に検出された、または、他の検出器により検出された複数の第2検出結果との対応付けを、複数個生成する対応付け手段と、
    を含み、
    前記対応付け手段は、
    ランダムに配列された前記複数の第1検出結果の各々を、配列順に、前記複数の第2検出結果のうちで他の第1検出結果が割り当てられていない何れか1つの第2検出結果に割り当てて、対応付けを生成することを繰り返す、
    対応付け装置。
  3. 複数の物体を追跡する物体追跡装置において、
    前記複数の物体の各々について状態量を記憶する記憶手段と、
    少なくとも1つの検出器により検出された検出結果であって、各検出器に対して相対移動する複数の物体を検出した検出結果を受け取る結果獲得手段と、
    前記複数の物体各々について、前の時刻の複数の状態量を用いて次の時刻の複数の予測状態量を取得する予測手段と、
    前記複数の物体に応じた複数の検出結果と、検出結果を受け取った時刻に応じた複数の予測状態量との対応付けを、複数個生成する対応付け手段と、
    複数の対応付けの各々に重みを付与する重み付与手段と、
    前記複数の検出結果、前記複数の予測状態量、前記複数の対応付け、及び前記複数の対応付けの重みを用いて、前記記憶手段に格納された状態量を更新する更新手段と、
    を含み、
    前記対応付け手段は、
    ランダムに配列された前記複数の検出結果の各々を、配列順に、前記複数の予測状態量のうちで他の検出結果が割り当てられていない何れか1つの予測状態量に割り当てて、対応付けを生成することを繰り返す、
    物体追跡装置。
  4. 前記複数の検出結果の各々を、予測状態量に対する確率に基づいて、前記複数の予測状態量のうちで他の検出結果が割り当てられていない何れか1つの予測状態量に割り当てる、
    請求項3に記載の物体追跡装置。
  5. 前記複数の検出結果の各々を、他の予測状態量より確率が大きい1つの予測状態量に割り当てる、
    請求項3または請求項4に記載の物体追跡装置。
  6. 前記複数の対応付けの個数は、予め定めた個数とする、
    請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の物体追跡装置。
  7. 前記複数の対応付けの個数は、複数の検出結果と複数の予測状態量との対応付けの総数より少ない個数とする、
    請求項3から請求項6までのいずれか1項に記載の物体追跡装置。
  8. 前記複数の対応付けの重みの和が、前記複数の検出結果と前記複数の予測状態量との全部の対応付けにおける検出結果と予測状態量との結合確率の和を近似するように、前記複数の対応付けの各々に重みを付与する、
    請求項3から請求項7までのいずれか1項に記載の物体追跡装置。
  9. 対応付けの重みは、
    前記複数の検出結果の各々について、前記複数の予測状態量のうちで他の検出結果が割り当てられていない各予測状態量に対する確率を求め、
    前記検出結果毎に得られる各予測状態量に対する確率の和を、前記複数の検出結果分を掛け合わせた値とする、
    請求項3から請求項8までのいずれか1項に記載の物体追跡装置。
  10. 前記更新手段は、
    複数の検出結果各々について、各予測状態量に対応付けられた検出結果を用いてフィルタリングし、
    複数の対応付けの重み付け平均値に応じて、フィルタリング後の複数の統合分布を取得し、
    前記統合分布を用いて前記記憶手段に格納された状態量を更新する、
    請求項3から請求項9までのいずれか1項に記載の物体追跡装置。
  11. 前記記憶手段が、重み付けされた複数の仮説毎に複数の状態量を記憶している場合は、
    前記予測手段は、仮説毎に、次の時刻の複数の予測状態量を取得し、
    前記対応付け手段は、仮説毎に、前記複数の検出結果と前記複数の予測状態量との対応付けを生成し、
    前記更新手段は、
    仮説毎に、対応付けられた検出結果を用いて前記仮説内の複数の状態量を更新し、
    仮説毎に、仮説の重みに対応付けの重みを乗じて仮説の重みを更新し、
    更新後の仮説の重みに応じて、前記複数の仮説の更新後の状態量の重み付け平均値を出力し、
    更新後の仮説の重みに応じて複数の仮説を増減する、
    請求項3から請求項10までのいずれか1項に記載の物体追跡装置。
  12. 前記少なくとも1つの検出器の各々は、固定された検出器及び移動可能な検出器の少なくとも一方である、
    請求項3から請求項11までのいずれか1項に記載の物体追跡装置。
  13. 前記複数の物体の各々は、静止物体及び移動物体の少なくとも一方である、
    請求項3から請求項12までのいずれか1項に記載の物体追跡装置。
  14. 前記物体追跡装置が車両に搭載されており、
    前記少なくとも1つの検出器は、自車両に搭載された検出器及び車両外に配置された検出器の少なくとも一方である、
    請求項3から請求項13までのいずれか1項に記載の物体追跡装置。
  15. コンピュータを、請求項1に記載の対応付け装置の結果獲得手段、予測手段、及び対応付け手段として機能させるためのプログラム。
  16. コンピュータを、請求項2に記載の対応付け装置の結果獲得手段、及び対応付け手段として機能させるためのプログラム。
  17. コンピュータを、請求項3に記載の物体追跡装置の記憶手段、結果獲得手段、予測手段、対応付け手段、重み付与手段、及び更新手段として機能させるためのプログラム。
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