JP6903955B2 - 移動物状態量推定装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、移動物状態量推定装置及びプログラムに関する。
従来より、複数のカメラ映像を用いて、複数の歩行者が歩いているシーンから隠れ(オクルージョン)ている歩行者の動きを捉えるために、複数カメラの配置・向き情報と複数のカメラ映像から抽出した歩行者の足領域情報を利用して時空間トラッキングをしながら、歩行者を分離・追跡する技術が知られている(非特許文献1)。
また、複数のカメラ映像を用いて、車両領域を表すテンプレート位置を抽出し、テンプレート位置情報に対して、多視点的処理と時系列処理を施し、複数のカメラで検出された車両の対応付けを行うことで、走行車両の運動軌道を高精度に計算することができる走行車両検出装置が知られている(特許文献1)。
S.M. Khan, et. al., "A multiview approach to tracking people in crowded scenes using a planar homography constraint," Proceedings of the 9th European conference on Computer Vision, ECCV06, Vol. 4, pp133-146.
特開2001-357489号公報
上記非特許文献1及び特許文献1の技術は、共にビデオフレームが一定間隔で、複数のカメラ(センサ)間でフレーム同期がとれることを前提としている。
しかしながら、通信遅延やセンサの仕様で複数のセンサ間でフレーム同期(検出結果送信タイミングの同期)がとれない場合は、一定時間のフレームを、結果を統合する装置上で蓄積し、データ補間等の同期処理を行う必要があり、さらにはセンサ数が不定の場合は、同期するセンサが不定ということであるため、同期処理が困難である。
また、センシング結果から得られる観測量が、障害物の内側などとして明らかに誤っている場合に、既存の状態量と対応づかないと、新規の状態量を生成してしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、非同期の複数センサのセンサ数が不定であっても、複数センサの結果を統合して、移動物の状態量を精度良く求めることができる移動物状態量推定装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために第1の発明に係る移動物状態量推定装置は、複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を記憶する移動物状態量記憶手段と、前記複数の移動物それぞれについて、前記移動物状態量記憶手段に記憶された状態量を用いて次の時刻の前記移動物の状態量を予測する移動物状態量予測手段と、数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取るセンシング結果獲得手段と、前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取る毎に、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、前記検出結果の時刻に対応して前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新する移動物状態量整合手段と、を含んで構成されている。
第2の発明に係るプログラムは、複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を記憶する移動物状態量記憶手段を含むコンピュータを、前記複数の移動物それぞれについて、前記移動物状態量記憶手段に記憶された状態量を用いて次の時刻の前記移動物の状態量を予測する移動物状態量予測手段、数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取るセンシング結果獲得手段、及び前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取る毎に、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、前記検出結果の時刻に対応して前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新する移動物状態量整合手段として機能させるためのプログラムである。
第1の発明及び第2の発明によれば、センシング結果獲得手段によって、数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取る。移動物状態量予測手段によって、前記複数の移動物それぞれについて、前記移動物状態量記憶手段に記憶された状態量を用いて次の時刻の前記移動物の状態量を予測する。
そして、移動物状態量整合手段によって、前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取る毎に、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、前記検出結果の時刻に対応して前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新する。
このように、数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取る毎に、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、検出結果の時刻に対応して複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新することにより、非同期の複数センサのセンサ数が不定であっても、複数センサの結果を統合して、移動物の状態量を精度良く求めることができる。
第3の発明に係る移動物状態量推定装置は、複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を記憶する移動物状態量記憶手段と、前記複数の移動物それぞれについて、前記移動物状態量記憶手段に記憶された状態量を用いて次の時刻の前記移動物の状態量を予測する移動物状態量予測手段と、数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取るセンシング結果獲得手段と、前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取った場合に、前記検出結果の時刻に対応して前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新し、前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取らなかった場合に、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量を修正し、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量を更新する移動物状態量整合手段と、を含んで構成されている。
第4の発明に係るプログラムは、複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を記憶する移動物状態量記憶手段を含むコンピュータを、前記複数の移動物それぞれについて、前記移動物状態量記憶手段に記憶された状態量を用いて次の時刻の前記移動物の状態量を予測する移動物状態量予測手段、数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取るセンシング結果獲得手段、及び前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取った場合に、前記検出結果の時刻に対応して前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新し、前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取らなかった場合に、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量を修正し、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量を更新する移動物状態量整合手段として機能させるためのプログラムである。
第3の発明及び第4の発明によれば、センシング結果獲得手段によって、数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取る。移動物状態量予測手段によって、前記複数の移動物それぞれについて、前記移動物状態量記憶手段に記憶された状態量を用いて次の時刻の前記移動物の状態量を予測する。
そして、移動物状態量整合手段によって、前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取った場合に、前記検出結果の時刻に対応して前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新する。
また、移動物状態量整合手段によって、前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取らなかった場合に、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量を修正し、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量を更新する。
このように、数不定の複数センサの何れかからも、複数の移動物を検出した検出結果を受け取らなかった場合には、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量を修正し、数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取った場合に、検出結果の時刻に対応して複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新することにより、非同期の複数センサのセンサ数が不定であっても、複数センサの結果を統合して、移動物の状態量を精度良く求めることができる。
また、上記発明のプログラムは、記録媒体に格納して提供することも可能である。
以上説明したように、本発明の移動物状態量推定装置及びプログラムによれば、非同期の複数センサのセンサ数が不定であっても、複数センサの結果を統合して、移動物の状態量を精度良く求めることができる、という効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態に係る歩行者状態量推定システムを示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る局地サーバを示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る局地サーバにおける歩行者状態量推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 歩行者の可動範囲を考慮して複数センサの結果を統合する方法を説明するための図である。 歩行者状態量推定システムでのデータの送受信を示す図である。 歩行者の可動範囲を考慮して複数センサの結果を統合する方法の効果を説明するための図である。 歩行者の可動範囲を考慮して状態量の予測結果を修正する方法を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る局地サーバを示すブロック図である。 非同期の複数センサからの検出結果を用いた存在確率に基づくセンシング結果統合のイメージ図である。 本発明の第2の実施の形態に係る局地サーバにおける歩行者状態量推定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る局地サーバを示すブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
<本発明の実施の形態の概要>
本発明の実施の形態は、複数のセンサ間でフレーム同期をしないアプローチをとっている。あるセンサからのセンシング結果を受け取ったタイミングで、歩行者位置の状態量(仮説)と受け取ったセンシング結果を対応付けて、誤差を計算し、仮説の歩行者位置を補正しながら、歩行者を検出・追従する。この処理を各センサからセンシング結果が統合処理装置に届く毎に行う。
しかしながら、本アプローチは、1台のセンサの結果だけを使って逐次上記処理を行うため、センサの検出率が悪い場合(歩行者がいない所に誤って歩行者がいると結果を出す頻度が高い場合)には、いない歩行者の仮説が増えてしまい、歩行者数の推定を間違ってしまう問題がある。
この問題を解決するために、各センサの検出率や最後に観測されてからの経過時間、地図情報などを利用して、誤検出の可能性が高い歩行者の検出結果を棄却する。
また、各センサから非同期に到達した情報から生成した観測量と、その空間的な移動可能性(可動範囲)と、既に保持している状態量の移動予測との近さに応じて、整合処理(対応付けと状態量の修正)を行い、適切な対応付けがない場合には、観測量周辺に可動範囲を鑑みて状態量を生成する。観測量が到来しない間も、可動範囲による状態量の修正は継続する。これにより、通信途絶によって観測量が得られない間も、例えば歩行者は歩道上を進行するなど、常識的な予測が実現されるので、通信復帰後の観測量と既存の状態量とを適切に対応付けることができる。既に保持している状態量は、最後に対応付けられてからの経過時間で削除するので、極めて長期間の途絶に対してのロバスト性は維持される。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態では、車両に搭載された歩行者の検出器やインフラセンサとしての歩行者の検出器の検出結果を統合して歩行者の状態量を推定する局地サーバに本発明を適用した場合を例に説明する。
<歩行者状態量推定システムのシステム構成>
図1に示すように、第1の実施の形態に係る歩行者状態量推定システム100は、局地サーバ10と、基地局50と、複数の車両に搭載された複数の検出器60と、インフラセンサとしての検出器62とを備え、基地局50と局地サーバ10とは、インターネットなどのネットワーク70で接続されており、基地局50と検出器60、62とは、無線通信により接続されている。なお、局地サーバ10は、移動物状態量推定装置の一例である。
検出器60、62は、カメラやレーダを用いて歩行者を随時検出し、検出する度に、検出結果を、基地局50を介して、局地サーバ10へ送信する。
例えば、検出器60は、自車両の前方を撮像するカメラによって撮像された前方の道路画像から、スライディングウィンドウ毎に、画像特徴量(SIFT,FIND、HOGなど)を抽出し、スライディングウィンドウ毎の画像特徴量と、歩行者検出モデル(SVM、AdaBoost)とを用いて、歩行者を検出し、検出された歩行者位置を表す画像座標を求める。また、検出器60は、歩行者位置を表す画像座標を、3次元位置に変換する。この際に、検出された歩行者の高さに応じて誤差分散行列を求める。また、検出器60は、自車両に搭載されたGPSにより計測された自車両の絶対座標と、求められた3次元位置とに基づいて、歩行者の絶対的な3次元位置を求める。
上記の歩行者の3次元位置及び誤差分散行列を、検出された歩行者毎に求め、車両Cの検出器60において検出した歩行者の3次元位置のセットY={yi,1,…yi,m}と、観測誤差分散行列のセットR={ri,1,…,ri,m}とからなる観測O={Y,R}を、観測毎に、局地サーバ10へ送信する。
検出器62は、検出器60と同様に、検出した歩行者の3次元位置のセットと、観測誤差分散行列のセットとからなる観測を、観測毎に、局地サーバ10へ送信する。
複数の検出器60、62は、非同期に、歩行者を検出している。また、複数の検出器60は、各々異なる車両に搭載されているため、局地サーバ10へ検出結果を送信する検出器60、62の数は、不定となる。
局地サーバ10は、CPUと、RAMと、後述する歩行者状態量推定処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備え、機能的には次に示すように構成されている。図2に示すように、局地サーバ10は、通信部12と、センシング結果獲得部14と、移動物状態量記憶部16と、移動物状態量予測部18と、移動物状態量消去部19と、移動物状態量整合部20と、移動物状態量更新部24と、移動物可動範囲地図30とを備えている。
移動物可動範囲地図30には、障害物や標識表示による歩行者の可動範囲地図を表わす尤度場mが格納されている。尤度場mは、例えば遠隔サーバ80から取得され、所定の周期で移動物可動範囲地図30の尤度場mが更新される。例えば、信号機による変化を想定した場合、1秒〜10秒の周期で、移動物可動範囲地図30の尤度場mが更新される。整備工事(補修、植栽剪定等)による規制を想定した場合には、1時間の周期で、移動物可動範囲地図30の尤度場mが更新される。また、道路構造の変更(道路の撤去/新設、建物の築造・増築/撤去)を想定した場合には、1日の周期で、移動物可動範囲地図30の尤度場mが更新される。
センシング結果獲得部14は、検出器60、62の何れかから送信された歩行者の座標のセット及び観測誤差分散行列のセットからなる観測を、通信部12により受信する毎に、歩行者の座標のセット及び観測誤差分散行列のセットからなる観測を取得する。
移動物状態量記憶部16は、観測された複数の歩行者それぞれの、移動物状態量更新部24により更新された状態量(歩行者の位置及び速度)、及び最後に観測した時刻を記憶する。具体的には、歩行者の状態量のセットX={x,…x}、および、状態量の分散共分散行列V={v,…,v}、最後に観測した時刻のセットT={t,…t}とを記憶している。なお、本実施の形態では、
Figure 0006903955

を、信念空間上の仮説と呼び、その構成要素
Figure 0006903955

を追跡器と呼ぶこととする。
移動物状態量予測部18は、現時刻に合わせて、複数の歩行者それぞれについて、パーティクルフィルタの予測ステップにより、移動物状態量記憶部16に記憶された状態量を用いて次の時刻の歩行者の状態量を予測することを繰り返し、現時刻における歩行者の状態量のセットX={x,…x}、および、状態量の分散共分散行列V={v,…,v}を求める。例えば、等速予測などにより、次の時刻の歩行者の状態量を予測する。
具体的には、仮説
Figure 0006903955

に対して、現時刻の状態に関する予測
Figure 0006903955

を生成する。
移動物状態量整合部20は、センシング結果獲得部14により最新の観測Oを受け取った場合に、移動物可動範囲地図30の尤度場mを用いて、現時刻に対応して移動物状態量予測部18によって複数の歩行者それぞれについて予測された状態量と、当該最新の観測Oが表す複数の歩行者それぞれの検出結果との対応付けを行う。
具体的には、移動物可動範囲地図30の尤度場mを用いて、現時刻における歩行者の状態量のセットX={x,…x}と、当該最新の観測Oにおいて検出した歩行者の3次元位置のセットY={yi,1,…yi,m}との対応付けを行う。例えば、観測Oに対する、追跡器
Figure 0006903955

のあてはまりのよさを意味する観測尤度
Figure 0006903955

を、尤度場m(xn)を含めて以下のように計算する。
Figure 0006903955
そして、対応付けられた追跡器
Figure 0006903955

と検出された歩行者の3次元位置yi,jとの組み合わせの観測尤度θi,jの積を最大にする対応付けを、ハンガリアン法などの手法により高速に計算する。
また、対応付けない観測尤度を設定値として与え、この設定値より小さい観測尤度の組み合わせは、対応付けられないようにする。
移動物状態量整合部20は、センシング結果獲得部14により最新の観測Oを受け取らなかった場合に、現時刻に対応して移動物状態量予測部18によって複数の追跡器それぞれについて予測された状態量に基づいてサンプリングして得られる、歩行者の状態量を表す複数のパーティクルを、追跡器ぞれぞれに対して生成し、パーティクルの各々に対し、移動物可動範囲地図30の尤度場mを用いて、地図尤度ωを算出する。
具体的には、状態予測
Figure 0006903955

に関して、シグマポイント
Figure 0006903955

によるサンプリングを行う。
Figure 0006903955
ここで、α、кはシグマポイントの平均値からのひろがりを調整する設定パラメータである。また、dはxnの次元である。一つの追跡器に対して、例えば、3つのパーティクルψn,1、ψn,2、ψn,3を生成する。
そして、シグマポイントψに関する地図尤度
Figure 0006903955

を、尤度場m(ψn)から以下のように算出する。
Figure 0006903955
移動物状態量更新部24は、センシング結果獲得部14により最新の観測Oを受け取った場合に、移動物状態量整合部20により最新の観測Oと対応付けられた追跡器の各々について、対応する3次元位置yi,jを観測値として、その誤差分散行列ri,jと、予測ステップで得られた歩行者の状態量及び分散共分散行列と用いて、パーティクルフィルタのフィルタリングステップにより、状態量を更新すると共に、最後に観測した時刻を更新する。
また、移動物状態量更新部24は、移動物状態量整合部20による最新の観測Oの検出結果との対応付けの結果に基づいて、最新の観測Oのうち、追跡器と対応付かなかった歩行者の検出結果から、新たな状態量xを含む追跡器を生成し、最後に観測した時刻として、現在時刻を、移動物状態量記憶部16に格納する。なお、新たな状態量xを含む追跡器は、観測された歩行者の3次元位置yと同じ座標、誤差分散行列を持つこととする。
移動物状態量更新部24は、センシング結果獲得部14により最新の観測Oを受け取らなかった場合に、追跡器の各々について、移動物状態量整合部20により求められた地図尤度ωを重みとする重み付き平均によって、追跡器
Figure 0006903955

の状態量及び分散共分散行列を更新する。
Figure 0006903955
移動物状態量消去部19は、最後に観測した時刻から一定時間以上経過している歩行者の状態量を含む追跡器を、移動物状態量記憶部16から消去する。
局地サーバ10は、上記の一連の処理により更新された状態量のセットXを、歩行者の検出結果の統合結果として出力する。
<歩行者状態量推定システム100の動作>
次に、第1の実施の形態に係る歩行者状態量推定システム100の動作について説明する。まず、複数の車両に搭載された複数の検出器60、及びインフラセンサとしての検出器62の各々によって、歩行者が逐次検出され、検出される毎に、検出結果が、基地局50を介して、局地サーバ10に送信されているときに、局地サーバ10において、図3に示す歩行者状態量推定処理ルーチンが実行される。
ステップS100において、以下のように仮説を空集合に初期化する。
Figure 0006903955
ステップS102は、前回のステップS104での処理時刻と現時刻との差分を算出する。
そして、ステップS104において、上記ステップS102で算出した差分時刻の分だけ、複数の歩行者に対応する複数の追跡器それぞれについて、パーティクルフィルタの予測ステップにより、移動物状態量記憶部16に記憶された状態量を用いて次の時刻の歩行者の状態量を予測することを繰り返し、現時刻における歩行者の状態量のセットX={x,…x}、および、その分散共分散行列V={v,…,v}を求める。
ステップS106では、最後に観測した時刻から一定時間以上経過している歩行者の状態量を含む追跡器を、移動物状態量記憶部16から消去する(図4参照)。
そして、ステップS108では、複数の検出器60及び検出器62の何れかから、歩行者の検出結果として、歩行者の3次元位置のセットY={yi,1,…yi,m}と、観測誤差分散行列のセットR={ri,1,…,ri,m}とからなる最新の観測Oを受信したか否かを判定する。最新の観測Oを受信した場合には、ステップS110へ移行し、最新の観測を受信しなかった場合には、ステップS120へ移行する。
ステップS110では、上記ステップS100で受信した最新の観測Oに含まれる歩行者の3次元位置を、センサ座標系から世界座標系に変換する。
ステップS112では、最新の観測Oと、上記ステップS104で予測された予測結果と、移動物可動範囲地図30の尤度場mとに基づいて、追跡器
Figure 0006903955

の各々に対し、当該追跡器のあてはまりのよさを意味する観測尤度θiを計算する。
ステップS114では、上記ステップS112で計算された観測尤度θiに基づいて、追跡器
Figure 0006903955

と最新の観測Oで検出された歩行者の3次元位置との対応付けを行う。
ステップS116では、上記ステップS114で最新の観測Oで検出された歩行者の3次元位置と対応付けられた追跡器の各々について、対応する3次元位置yi,jを観測値として、その誤差分散行列ri,jと上記ステップS104で得られた当該追跡器の歩行者の状態量及び分散共分散行列とを用いて、パーティクルフィルタのフィルタリングステップにより、状態量を更新すると共に、最後に観測した時刻を更新する。また、最新の観測Oで検出された歩行者の3次元位置のうち、追跡器と対応付かなかった歩行者の3次元位置に基づき、新たな状態量xを含む追跡器を生成し(図4参照)、最後に観測した時刻として、現在時刻を、移動物状態量記憶部16に格納する。
そして、ステップS118では、更新された状態量のセットXを、歩行者の検出結果の統合結果として出力し、上記ステップS102へ戻る。例えば、歩行者の検出結果の統合結果が、遠隔サーバ80へ送信される(図5参照)。
ステップS120では、現時刻に対応して移動物状態量予測部18によって追跡器について予測された状態量に基づいてサンプリングして得られる、歩行者の状態量を表す複数のパーティクルを、複数の追跡器ぞれぞれに対して生成する。
ステップS122において、複数の追跡器毎に、上記ステップS120で生成されたパーティクルの各々に対し、移動物可動範囲地図30の尤度場mを用いて、地図尤度ωを算出する。
ステップS124では、追跡器の各々について、上記ステップS120で生成されたパーティクルの各々と、上記ステップS122で求められた地図尤度ωとに基づいて、地図尤度ωを重みとする重み付き平均によって、当該追跡器の状態量を更新し、上記ステップS102へ戻る。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る歩行者状態量推定システムによれば、数不定の複数の検出器の何れかから、複数の歩行者を検出した検出結果を受け取る毎に、移動物可動範囲地図を用いて、検出結果の時刻に対応して複数の歩行者それぞれについて予測された歩行者の状態量と、複数の歩行者それぞれの検出結果との対応付けを行い、複数の歩行者それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新することにより、非同期の複数センサのセンサ数が不定であっても、複数センサの結果を統合して、歩行者の状態量を精度良く求めることができる。
また、数不定の複数の検出器の何れかからも、複数の歩行者を検出した検出結果を受け取らなかった場合には、移動物可動範囲地図を用いて、複数の歩行者それぞれについて予測された歩行者の状態量を修正し、数不定の複数の検出器の何れかから、複数の歩行者を検出した検出結果を受け取った場合に、検出結果の時刻に対応して複数の歩行者それぞれについて予測された歩行者の状態量と、複数の歩行者それぞれの検出結果との対応付けを行い、複数の歩行者それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新することにより、非同期の複数センサのセンサ数が不定であっても、複数センサの結果を統合して、歩行者の状態量を精度良く求めることができる。
また、非同期に不特定の複数センサからセンシング結果が来る場合に、一つのセンサ情報から追加した状態量を、検出からの経過時間に基づいて削除することにより、信頼できない検出結果の影響が状態量として残らないようにすることで、各センサの誤検出にロバストになる。このように、非同期に来る複数センサからのセンシング結果をリアルタイムに統合処理をする場合に、各センサの誤検出にロバストになる。
また、歩行者の可動範囲を、整合処理に直接組み込むことで、観測が誤っていても適切に追跡器と検出結果とを対応付けることができる(図6参照)。また、センシング結果が到達する度に、歩行者の位置・速度等の状態量(仮説)と対応付けて近さ(誤差)を計算し、仮説の状態量を補正しながら追跡することができる。観測量が到達しない間、既存の状態量は、歩行者の可動範囲を参照して継続的に移動予測がなされる。さらに、歩行者の可動範囲が整合処理に直接組み込まれることで、障害物の内部など、明らかに歩行者が存在し得ない位置に状態量を生成することも防ぐことができる。
また、センシング結果から歩行者か車両かといった大まかな情報が判っていれば、整合処理内で移動予測結果が修正されるので、移動物に関する詳細な移動制御モデルがなくても、妥当な予測が可能となる(図7参照)。
また、センシング結果から移動物の属性を認識し、移動物の属性によって異なる尤度場を用いるようにしてもよい。例えば、以下の表1に示すように、歩行者用尤度場、自動車用尤度場、自転車用尤度場を用意し、パーティクルの属性に応じて、異なる尤度場に切り替えてフィルタリングすることもできる。
Figure 0006903955
また、ネットワークを介して非同期に到達する複数センサからのセンシング結果をリアルタイムに統合処理をする場合に、一時的な通信途絶や誤検出・未検出に対してロバストになる。
[第2の実施の形態]
<歩行者状態量推定システムのシステム構成>
次に、第2の実施の形態に係る歩行者状態量推定システムについて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、複数の歩行者それぞれの存在確率を保持し、検出結果と状態量との対応付けに基づいて、複数の歩行者それぞれの存在確率を更新している点と、状態量を予測する際に、歩行者の可動範囲を考慮している点とが第1の実施の形態と異なっている。
図8に示すように、第2の実施の形態に係る局地サーバ210は、通信部12と、センシング結果獲得部14と、移動物状態量記憶部16と、移動物状態量予測部218と、移動物状態量消去部19と、移動物状態量整合部20と、移動物状態量更新部24と、移動物存在確率更新部220と、移動物存在確率記憶部222と、移動物可動範囲地図30とを備えている。
移動物存在確率記憶部222は、移動物状態量記憶部16に記憶されている複数の追跡器に対応する複数の歩行者それぞれの存在確率を記憶する。
移動物存在確率更新部220は、移動物状態量整合部20による最新の観測との対応付けの結果に基づいて、最新の観測のうち、追跡器と対応付かなかった歩行者の検出結果に対し、当該歩行者の存在確率として、設定値を移動物存在確率記憶部222に格納する。設定値は、検出器60、62について予め定められた検出精度に応じて定めればよい。
また、移動物存在確率更新部220は、移動物存在確率記憶部222に記憶されている複数の歩行者それぞれの存在確率のうち、移動物状態量整合部20により最新の観測の検出結果と対応付けられた追跡器の歩行者の存在確率の各々について、検出器60、62について予め定められた検出精度に応じて増加させるように更新する(図9参照)。
また、移動物存在確率更新部220は、移動物存在確率記憶部222に記憶されている複数の歩行者それぞれの存在確率のうち、移動物状態量整合部20により最新の観測の検出結果と対応付けられなかった追跡器の歩行者の存在確率の各々について、最後に観測した時刻からの経過時間に応じた存在確率となるように減衰させて更新する(図9参照)。
移動物状態量消去部19は、移動物存在確率記憶部222に記憶されている存在確率が閾値を下回った歩行者の状態量を含む追跡器を消去する(図9参照)。なお、閾値は、最後に観測した時刻から一定時間以上経過している歩行者の存在確率に対応した値とする。
移動物状態量予測部218は、現時刻に合わせて、複数の歩行者それぞれについて、パーティクルフィルタの予測ステップにより、移動物状態量記憶部16に記憶された状態量を用いて次の時刻の歩行者の状態量を予測することを繰り返し、現時刻における歩行者の状態量のセットX={x,…x}、および、その分散共分散行列V={v,…,v}を求める。このとき、歩行者の状態量に含まれる位置が、移動物可動範囲地図30が定める歩行者が位置することが可能な範囲外である場合には、歩行者の状態量に含まれる位置が、移動物可動範囲地図30が定める歩行者が位置することが可能な範囲内となるように、当該歩行者の状態量を修正する。
なお、第2の実施の形態に係る歩行者状態量推定システムの他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
<歩行者状態量推定システムの動作>
次に、第2の実施の形態に係る歩行者状態量推定システムの動作について説明する。まず、複数の車両に搭載された複数の検出器60、及びインフラセンサとしての検出器62の各々によって、歩行者が逐次検出され、検出結果が、基地局50を介して、局地サーバ210に送信されているときに、局地サーバ210において、図10に示す歩行者状態量推定処理ルーチンが実行される。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
ステップS100において、仮説を空集合に初期化する。
ステップS102は、前回のステップS200での処理時刻と現時刻との差分を算出する。
そして、ステップS200において、上記ステップS102で算出した差分時刻の分だけ、複数の歩行者に対応する複数の追跡器それぞれについて、パーティクルフィルタの予測ステップにより、移動物状態量記憶部16に記憶された状態量を用いて次の時刻の歩行者の状態量を予測することを繰り返し、現時刻における複数の歩行者の状態量のセットX={x,…x}、および、その分散共分散行列V={v,…,v}を求める。そして、歩行者の状態量に含まれる位置が、移動物可動範囲地図30が定める歩行者が位置することが可能な範囲外である場合には、歩行者の状態量に含まれる位置が、移動物可動範囲地図30が定める歩行者が位置することが可能な範囲内となるように、当該歩行者の状態量を修正する。
ステップS202では、移動物存在確率記憶部222に記憶されている存在確率が閾値を下回った歩行者の状態量を含む追跡器を、移動物状態量記憶部16から消去する。
そして、ステップS108では、複数の検出器60及び検出器62の何れかから、最新の観測Oを受信したか否かを判定する。最新の観測Oを受信した場合には、ステップS110へ移行し、最新の観測を受信しなかった場合には、ステップS120へ移行する。
ステップS110では、上記ステップS100で受信した最新の観測Oに含まれる歩行者の3次元位置を、センサ座標系から世界座標系に変換する。
ステップS112では、最新の観測Oと、上記ステップS104で予測された予測結果と、移動物可動範囲地図30の尤度場mとに基づいて、追跡器
Figure 0006903955

の各々に対し、当該追跡器のあてはまりのよさを意味する観測尤度θiを計算する。
ステップS114では、上記ステップS112で計算された観測尤度θiに基づいて、追跡器
Figure 0006903955

と最新の観測Oで検出された歩行者の3次元位置との対応付けを行う。
ステップS204では、移動物存在確率記憶部222に記憶されている複数の歩行者それぞれの存在確率のうち、上記ステップS114により最新の観測の検出結果と対応付けられた追跡器に対応する歩行者の存在確率の各々について、検出器60、62について予め定められた検出精度に応じて増加させるように更新する。また、移動物存在確率記憶部222に記憶されている複数の歩行者それぞれの存在確率のうち、上記ステップS114により最新の観測の検出結果と対応付けられなかった追跡器に対応する歩行者の存在確率の各々について、最後に観測した時刻からの経過時間に応じた存在確率となるように減衰させて更新する。
ステップS116では、上記ステップS114で最新の観測Oで検出された歩行者の3次元位置と対応付けられた追跡器の各々について、対応する3次元位置yi,jを観測値として、その誤差分散行列ri,jと上記ステップS200で得られた当該追跡器の歩行者の状態量及び分散共分散行列とを用いて、パーティクルフィルタのフィルタリングステップにより、状態量を更新すると共に、最後に観測した時刻を更新する。また、最新の観測Oで検出された歩行者の3次元位置のうち、追跡器と対応付かなかった歩行者の3次元位置に基づき、新たな状態量xを含む追跡器を生成し、最後に観測した時刻として、現在時刻を、移動物状態量記憶部16に格納する。また、所定の存在確率を、移動物存在確率記憶部222に格納する。
そして、ステップS118では、更新された状態量のセットXを、歩行者の検出結果の統合結果として出力し、上記ステップS102へ戻る。
ステップS120では、現時刻に対応して移動物状態量予測部18によって複数の追跡器それぞれについて予測された状態量に基づいてサンプリングして得られる、歩行者の状態量を表す複数のパーティクルを、追跡器ぞれぞれに対して生成する。
ステップS122において、複数の追跡器毎に、上記ステップS120で生成されたパーティクルの各々に対し、移動物可動範囲地図30の尤度場mを用いて、地図尤度ωを算出する。
ステップS124では、追跡器の各々について、上記ステップS120で生成されたパーティクルの各々と、上記ステップS122で求められた地図尤度ωとに基づいて、地図尤度ωを重みとする重み付き平均によって、当該追跡器の状態量を更新し、上記ステップS102へ戻る。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る歩行者状態量推定システムによれば、非同期に不特定の複数センサからセンシング結果が来る場合に、一つのセンサ情報から追加した状態量を、センサ性能等から決めた存在確率に基づいて削除することにより、信頼できない検出結果の影響が状態量として残らないようにすることで、各センサの誤検出にロバストになる。
また、移動物可動範囲地図が、歩行者に関する精緻な情報を持つ場合には、移動物可動範囲地図が定める歩行者が位置することが可能な範囲を制約として用いて、予測された歩行者の状態量を修正する。このように、移動物可動範囲情報を移動物状態量の予測に直接反映させることで、より精度の高い整合処理が可能となる。
[第3の実施の形態]
<歩行者状態量推定システムのシステム構成>
次に、第3の実施の形態に係る歩行者状態量推定システムについて説明する。なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、歩行者の存在確率を更新する際に、歩行者の可動範囲を考慮している点が第2の実施の形態と異なっている。
図11に示すように、第3の実施の形態に係る局地サーバ310は、通信部12と、センシング結果獲得部14と、移動物状態量記憶部16と、移動物状態量予測部18と、移動物状態量消去部19と、移動物状態量整合部20と、移動物状態量更新部24と、移動物存在確率更新部320と、移動物存在確率記憶部222と、移動物可動範囲地図30とを備えている。
移動物存在確率更新部320は、移動物状態量整合部20による追跡器と最新の観測の検出結果との対応付けの結果に基づいて、最新の観測の検出結果のうち、追跡器と対応付かなかった歩行者の検出結果に対し、上記第2の実施の形態と同様に、当該歩行者の存在確率として、設定値を移動物存在確率記憶部222に格納する。
また、移動物存在確率更新部320は、移動物存在確率記憶部222に記憶されている複数の歩行者それぞれの存在確率のうち、移動物状態量整合部20により最新の観測の検出結果と対応付けられた追跡器に対応する歩行者の存在確率の各々について、上記第2の実施の形態と同様に、検出器60、62について予め定められた検出精度に応じて増加させるように更新する。
また、移動物存在確率更新部320は、移動物存在確率記憶部222に記憶されている複数の歩行者それぞれの存在確率のうち、移動物状態量整合部20により最新の観測の検出結果と対応付けられなかった追跡器に対応する歩行者の存在確率の各々について、上記第2の実施の形態と同様に、最後に観測した時刻からの経過時間に応じた存在確率となるように減衰させて更新する。
また、移動物存在確率更新部320は、移動物状態量記憶部16に記憶されている歩行者の状態量に含まれる位置が、移動物可動範囲地図30が定める歩行者が位置することが可能な範囲外である場合には、当該歩行者の存在確率を減少させるように更新する。
なお、第3の実施の形態に係る歩行者状態量推定システムの他の構成及び作用は、第2の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
このように、移動物可動範囲地図が定める歩行者が位置することが可能な範囲を制約として用いて、歩行者の存在確率を更新することにより、いない歩行者の状態量を適切に消去することができる。
なお、上記の実施の形態では、検出対象となる移動物として歩行者を対象とする場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、例えば車両などの他の移動体を検出対象としてもよい。
また、複数の車両に搭載された複数の検出器及びインフラセンサとしての検出器を、非同期の複数センサとする場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、インフラセンサとしての検出器を用いないように構成してもよい。
また、単一の車両に搭載され、かつ、カメラ及びレーダを含む複数の計測器を用いた、複数の検出器を、非同期の複数センサとしてもよい。例えば、異なる計測器を用いた検出器が、後付けで当該車両に追加される場合には、複数センサの数が不定になることが想定される。
また、パーティクルフィルタを用いて、状態量の予測及び更新を行う場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、カルマンフィルタを用いて、状態量の予測及び更新を行うようにしてもよい。
なお、本発明のプログラムは、記録媒体に格納して提供することができる。
10、210、310 局地サーバ
12 通信部
14 センシング結果獲得部
16 移動物状態量記憶部
18、218 移動物状態量予測部
19 移動物状態量消去部
20 移動物状態量整合部
24 移動物状態量更新部
30 移動物可動範囲地図
50 基地局
60、62 検出器
70 ネットワーク
100 歩行者状態量推定システム
220、320 移動物存在確率更新部
222 移動物存在確率記憶部

Claims (12)

  1. 複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を記憶する移動物状態量記憶手段と、
    前記複数の移動物それぞれについて、前記移動物状態量記憶手段に記憶された状態量を用いて次の時刻の前記移動物の状態量を予測する移動物状態量予測手段と、
    数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取るセンシング結果獲得手段と、
    前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取る毎に、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、前記検出結果の時刻に対応するまで前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて繰り返し次の時刻の前記移動物の状態量を予測させ、前記複数の移動物それぞれについて繰り返し予測された次の時刻の前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれについて、前記繰り返し予測された次の時刻の前記移動物の状態量と、前記移動物の状態量と対応付けられた前記移動物の前記検出結果とに基づいて、前記移動物の状態量を更新すると共に、最後に観測した時刻を、前記検出結果の時刻に更新する移動物状態量整合手段と、
    を含む移動物状態量推定装置。
  2. 複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を記憶する移動物状態量記憶手段と、
    前記複数の移動物それぞれについて、前記移動物状態量記憶手段に記憶された状態量を用いて次の時刻の前記移動物の状態量を予測する移動物状態量予測手段と、
    数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取るセンシング結果獲得手段と、
    前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取った場合に、前記検出結果の時刻に対応して前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新し、
    前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取らなかった場合に、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量を修正し、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量を更新する移動物状態量整合手段と、
    を含む移動物状態量推定装置。
  3. 前記移動物状態量整合手段は、前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取らなかった場合に、前記複数の移動物それぞれについて、前記移動物状態量予測手段によって前記移動物について予測された前記移動物の状態量に基づいてサンプリングして得られる、前記移動物の状態量を表す複数のパーティクルを生成し、前記複数のパーティクルと、前記移動物可動範囲情報とに基づいて、前記移動物について予測された前記移動物の状態量を修正し、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量を更新する請求項2記載の移動物状態量推定装置。
  4. 前記複数センサは、各々異なる移動体に搭載されたセンサを含む請求項1〜請求項3の何れか1項記載の移動物状態量推定装置。
  5. 前記移動物状態量整合手段によって前記検出結果と対応付かなった前記移動物の状態量であって、前記最後に観測した時刻から一定時間以上経過している前記移動物の状態量を、前記移動物状態量記憶手段から消去する移動物状態量消去手段を更に含む請求項1〜請求項4の何れか1項記載の移動物状態量推定装置。
  6. 前記複数の移動物それぞれの存在確率を記憶する移動物存在確率記憶手段と、
    前記移動物状態量整合手段による前記検出結果との対応付けの結果、又は前記センサについて予め定められた検出精度に応じて、前記移動物の存在確率を、前記移動物存在確率記憶手段に設定し、又は
    前記移動物存在確率記憶手段に記憶されている前記複数の移動物それぞれの存在確率を、前記移動物状態量整合手段による前記検出結果との対応付けの結果、前記最後に観測した時刻からの経過時間、又は前記センサについて予め定められた検出精度に応じて増減させる移動物存在確率更新手段と、
    を更に含み、
    前記移動物状態量消去手段は、前記移動物存在確率記憶手段に記憶されている前記複数の移動物それぞれの存在確率に基づいて、前記移動物の状態量を、前記移動物状態量記憶手段から消去する請求項5記載の移動物状態量推定装置。
  7. 前記移動物状態量予測手段は、前記移動物可動範囲情報を制約として用いて、次の時刻の前記移動物の状態量を予測する請求項1〜請求項6の何れか1項記載の移動物状態量推定装置。
  8. 前記移動物存在確率更新手段は、前記移動物可動範囲情報を制約として用いて、前記移動物存在確率記憶手段に記憶されている前記複数の移動物それぞれの存在確率を増減させる請求項6記載の移動物状態量推定装置。
  9. 前記複数センサは、複数の車両に搭載された、又はインフラセンサに用いられた、歩行者又は車両を検出する複数の検出器であって、
    前記移動物の状態量は、歩行者又は車両の位置及び速度であって、
    前記移動物可動範囲情報は、道路又は歩道を表す地図である請求項1〜請求項8の何れか1項記載の移動物状態量推定装置。
  10. 前記複数センサは、単一の車両に搭載された、カメラ及びレーダを含む複数の計測器を用いた、歩行者又は車両を検出する複数の検出器であって、
    前記移動物の状態量は、歩行者又は車両の位置及び速度であって、
    前記移動物可動範囲情報は、道路又は歩道を表す地図である請求項1〜請求項8の何れか1項記載の移動物状態量推定装置。
  11. 複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を記憶する移動物状態量記憶手段を含むコンピュータを、
    前記複数の移動物それぞれについて、前記移動物状態量記憶手段に記憶された状態量を用いて次の時刻の前記移動物の状態量を予測する移動物状態量予測手段、
    数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取るセンシング結果獲得手段、及び
    前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取る毎に、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、前記検出結果の時刻に対応するまで前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて繰り返し次の時刻の前記移動物の状態量を予測させ、前記複数の移動物それぞれについて繰り返し予測された次の時刻の前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれについて、前記繰り返し予測された次の時刻の前記移動物の状態量と、前記移動物の状態量と対応付けられた前記移動物の前記検出結果とに基づいて、前記移動物の状態量を更新すると共に、最後に観測した時刻を、前記検出結果の時刻に更新する移動物状態量整合手段
    として機能させるためのプログラム。
  12. 複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を記憶する移動物状態量記憶手段を含むコンピュータを、
    前記複数の移動物それぞれについて、前記移動物状態量記憶手段に記憶された状態量を用いて次の時刻の前記移動物の状態量を予測する移動物状態量予測手段、
    数不定の複数センサの何れかから、複数の移動物を検出した検出結果を受け取るセンシング結果獲得手段、及び
    前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取った場合に、前記検出結果の時刻に対応して前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量と、複数の移動物それぞれの前記検出結果との対応付けを行い、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量及び最後に観測した時刻を更新し、
    前記センシング結果獲得手段によって前記検出結果を受け取らなかった場合に、移動物の可動範囲が記録されている移動物可動範囲情報を用いて、前記移動物状態量予測手段によって前記複数の移動物それぞれについて予測された前記移動物の状態量を修正し、前記移動物状態量記憶手段に格納された、前記複数の移動物それぞれの、状態量を更新する移動物状態量整合手段
    として機能させるためのプログラム。
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