JP6747401B2 - 無線電池システム及び無線システム - Google Patents

無線電池システム及び無線システム Download PDF

Info

Publication number
JP6747401B2
JP6747401B2 JP2017149002A JP2017149002A JP6747401B2 JP 6747401 B2 JP6747401 B2 JP 6747401B2 JP 2017149002 A JP2017149002 A JP 2017149002A JP 2017149002 A JP2017149002 A JP 2017149002A JP 6747401 B2 JP6747401 B2 JP 6747401B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
antenna
communication
wireless
evaluation value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017149002A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019028822A (ja
Inventor
啓 坂部
啓 坂部
孝徳 山添
孝徳 山添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2017149002A priority Critical patent/JP6747401B2/ja
Priority to PCT/JP2018/026522 priority patent/WO2019026591A1/ja
Priority to EP18840376.0A priority patent/EP3633646A4/en
Priority to CN201880049252.XA priority patent/CN110945573B/zh
Publication of JP2019028822A publication Critical patent/JP2019028822A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6747401B2 publication Critical patent/JP6747401B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04QSELECTING
    • H04Q9/00Arrangements in telecontrol or telemetry systems for selectively calling a substation from a main station, in which substation desired apparatus is selected for applying a control signal thereto or for obtaining measured values therefrom
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/42Methods or arrangements for servicing or maintenance of secondary cells or secondary half-cells
    • H01M10/48Accumulators combined with arrangements for measuring, testing or indicating the condition of cells, e.g. the level or density of the electrolyte
    • GPHYSICS
    • G08SIGNALLING
    • G08CTRANSMISSION SYSTEMS FOR MEASURED VALUES, CONTROL OR SIMILAR SIGNALS
    • G08C17/00Arrangements for transmitting signals characterised by the use of a wireless electrical link
    • G08C17/02Arrangements for transmitting signals characterised by the use of a wireless electrical link using a radio link
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/42Methods or arrangements for servicing or maintenance of secondary cells or secondary half-cells
    • H01M10/425Structural combination with electronic components, e.g. electronic circuits integrated to the outside of the casing
    • H01M2010/4278Systems for data transfer from batteries, e.g. transfer of battery parameters to a controller, data transferred between battery controller and main controller
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、無線電池システム及び無線システムに関する。
低炭素化社会の実現のため、風力、太陽光などの自然エネルギーの有効利用が望まれている。しかし、これらの自然エネルギーは、変動が大きく、出力が不安定である。そこで、自然エネルギーで発電したエネルギーを一時的に蓄電装置に蓄えることなどにより、出力の平準化をすることが考えられている。
蓄電装置は、高出力かつ大容量であることが必要であるため、それを構成する蓄電池モジュールは、複数の二次電池(以下「セル」又は「蓄電池」ともいう。)を直並列接続した構成を有する。二次電池として用いる鉛電池やリチウムイオン電池は、高電圧充電の防止や過放電による性能低下の防止など、適切な二次電池の使いこなしが必要となる。このため、蓄電池モジュールは、電圧、電流、温度などの電池状態を計測する機能を備えることが必要不可欠である。
図2は、一般的な蓄電池モジュールの構成例を示したものである。
本図に示すように、蓄電池モジュールM1〜Mnは、複数のセルCが直列接続され、あるいは直並列接続された構成を有する。ここでは、蓄電池モジュールM1〜Mnのうちの一つである蓄電池モジュールM1を用いて説明する。他の蓄電池モジュールMn等についても、蓄電池モジュールM1と同様の構成を有する。
蓄電池モジュールM1の両端間は、リレーボックスSWを介してインバータInに接続され、交流系統ACに電力を供給している。
また、蓄電池モジュールM1内においては、直列接続された所定の個数のセルCに対して一個のセルコントローラCCが配置されている。セルコントローラCCは、複数のセルCの状態を計測している。また、複数のセルコントローラCCは、バッテリーコントローラBCに接続されている。バッテリーコントローラBCは、複数のセルコントローラCCから複数のセルCの状態を取得する。さらに、バッテリーコントローラBCは、取得した複数のセルCの状態から充電状態(SOC:State of Charge)や電池劣化状態(SOH:State of Health)を演算し、上位のシステムコントローラSCなどに演算結果を通知する。
上位のシステムコントローラSCでは、例えば省エネルギーの観点からセルCの運用を決定している。
なお、本図においては、大型、高出力の設備とする場合として、システムコントローラSCが並列接続された複数の蓄電池モジュールM1〜Mnを制御する構成を示しているが、システムコントローラSCが一個の蓄電池モジュールM1を制御する構成であってもよい。
本図においては、蓄電池モジュールM1内のバッテリーコントローラBCとセルコントローラCCと間及びセルコントローラCC間において、各種情報の授受を行っている。この間での通信は、有線によるものであってもよいが、絶縁性の観点から、無線による通信も有望視されている。
特許文献1には、複数の電池モジュールと、複数の電池モジュールのそれぞれが有する二次電池の状態を監視する電池システム監視装置と、電池システム監視装置と接続された通信用アンテナと、を備え、通信用アンテナから送信されたデータは、複数の電池モジュール間を経由して、電池システム監視装置に通信される、電池システムが開示されている。これにより、フォトカプラなどによる絶縁が不要になり、フォトカプラ等の絶縁素子の短絡によるコントローラの絶縁破壊や、二次電池の短絡放電を防止でき信頼性を向上できる。また、特許文献1には、モジュール(図2のセルコントローラCCに相当)の相反する位置に通信アンテナを配置することにより、各通信アンテナから送信される信号が干渉することによる通信不良回避を可能とする技術も開示されている。
特許文献2には、1本のアンテナを有するバッテリーコントローラと、複数のセルコントローラと、を備えた無線電池システム及び無線システムであって、これらの間の時分割通信スロットを用い、電波環境に応じて周波数の変更を可能としたものが開示されている。また、特許文献2には、バッテリーコントローラが、指定された周波数ごとに通信信頼度の高い順に優先度を設定した周波数リストを作成し、ビーコンを用いてセルコントローラに送信する技術も開示されている。
特開2012−222913号公報 国際公開第2016/121644号
特許文献1に記載の無線電池システムは、蓄電池モジュールM内の通信・計測用の配線を不要にすることができるため、電池システムとして好ましい形態のものである。しかしながら、この無線電池システムは、通信不良の際に対応を図る必要がある。例えば、信号通信レベルが低い空間領域が存在するとか、外部からのノイズにより通信不良が生じるといった通信障害の際にも、安定して動作を継続できるようにする必要がある点で改善の余地がある。
特許文献2に記載の無線電池システムは、バッテリーコントローラが通信周波数以外の周波数の電波状態を常時認識することで、通信不良が発生したとしても適切な周波数を設定し通信を継続できるため、無線システムとして好ましい形態のものである。しかし、アンテナの設置位置によっては、どの通信周波数を用いても通信不良が起きることがある。
このような問題は、バッテリーコントローラに複数本のアンテナを設けることにより解決できる場合もあるが、複数本のアンテナのそれぞれに対して適切となる周波数が異なる場合もある。
また、複数本のアンテナのうち2本以上のアンテナが、いずれかの周波数で通信エラーの頻度が少なくなる場合(比較的通信不良が生じない状況となる場合)もある。このような場合は、その周波数は、全体として通信エラーの頻度が少なくなるため望ましいと考えられる。
バッテリーコントローラに設けた複数本のアンテナのそれぞれに対して適切となる周波数のうちいずれかを選択する場合には、適切な周波数の候補をまとめた周波数リストを用意することが望ましい。しかしながら、この周波数リストは、現在の通信方式の制限から、バッテリーコントローラから発信されるものであるため、セルコントローラ側ではどの周波数が適切かを判別することはできない。
また、複数本のアンテナのそれぞれに対して適切となる複数の周波数リストを作成したとしても、上述のとおり、複数本のアンテナのそれぞれに対して適切となる周波数が異なる場合もあるため、複数の周波数リストに食い違いが生じる場合がある。そのような場合、アンテナの切り替えの際に周波数リストを選択し、送信する必要が生じるなどの煩雑さが生じ、円滑な通信に影響が出かねない。このため、実際に使用する周波数リストは、1つにまとめる必要がある。言い換えると、バッテリーコントローラ(親機)とセルコントローラ(子機)との間における通信の各パケットに用いる周波数は同じである必要がある。
これは、バッテリーコントローラに複数本のアンテナを設け、電波環境に応じて周波数の変更を可能とした場合に生じる新たな課題である。
本発明の目的は、親機に複数本アンテナを設けた無線システムにおいて、通信に適切な周波数の選択を可能とし、外部の無線機器からの妨害や周囲の物理環境による電波の反射や遮蔽による通信不良に対応可能とすることにある。
本発明は、アンテナを有し、蓄電池に付設され、当該蓄電池の状態を検知する機能を有するセルコントローラと、複数のアンテナを有するバッテリーコントローラと、を備えた無線電池システムであって、セルコントローラとバッテリーコントローラとは、複数の通信チャンネルのうちのいずれか1つの通信チャンネルを使用する無線により相互に送信及び受信をすることが可能であり、バッテリーコントローラは、複数のアンテナのうち使用するアンテナを選択し切り替える機能を有し、かつ、複数の通信チャンネルのうち使用する通信チャンネルを選択し切り替える機能を有し、バッテリーコントローラは、セルコントローラから送信された信号の受信に成功する頻度が所定の値未満であるときには、使用している通信チャンネルから他の通信チャンネルに切り替えをする機能を有し、当該他の通信チャンネルに切り替えをするか否かは、評価順位が次の条件(1)及び(2)を両方とも満たす場合は、当該条件(2)に該当する通信チャンネルが、使用している通信チャンネルよりも評価順位が高い当該他の通信チャンネルである、とすることにより判定される。
(1)複数のアンテナのうち、セルコントローラから送信された信号の受信に成功する頻度が設定値以上であるアンテナが少なくとも1つ存在する場合は、その場合に使用する通信チャンネル
(2)複数のアンテナのうち、セルコントローラから送信された信号の受信に成功する頻度が設定値以上であるアンテナが2つ以上存在する場合は、その場合に使用する通信チャンネル
本発明は、アンテナを有する子機と、複数のアンテナを有する親機と、を備えた無線システムであって、子機と親機とは、複数の通信チャンネルのうちのいずれか1つの通信チャンネルを使用する無線により相互に送信及び受信をすることが可能であり、親機は、複数のアンテナのうち使用するアンテナを選択し切り替える機能を有し、かつ、複数の通信チャンネルのうち使用する通信チャンネルを選択し切り替える機能を有し、親機は、子機から送信された信号の受信に成功する頻度が所定の値未満であるときには、使用している通信チャンネルから他の通信チャンネルに切り替えをする機能を有し、当該他の通信チャンネルに切り替えをするか否かは、評価順位が次の条件(1)及び(2)を両方とも満たす場合は、当該条件(2)に該当する通信チャンネルが、使用している通信チャンネルよりも評価順位が高い当該他の通信チャンネルである、とすることにより判定される。
(1)複数のアンテナのうち、子機から送信された信号の受信に成功する頻度が設定値以上であるアンテナが少なくとも1つ存在する場合は、その場合に使用する通信チャンネル
(2)複数のアンテナのうち、子機から送信された信号の受信に成功する頻度が設定値以上であるアンテナが2つ以上存在する場合は、その場合に使用する通信チャンネル
本発明によれば、親機に複数本アンテナを設けた無線システムにおいて、通信に適切な周波数の選択が可能となり、外部の無線機器からの妨害や周囲の物理環境による電波の反射や遮蔽による通信不良にも対応することができる。これにより、親機は、通信中においても、実際に通信に用いている周波数以外の周波数の電波状態を常時判別することが可能となり、通信不良が発生したとしても周波数を変更し、通信を継続することが可能となる。
本発明に係る無線電池システムの基本構成を示す図である。 一般的な蓄電池モジュールの構成例を示す図である。 実施例1に係る、バッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCCとの間の時分割通信スロットの構成を示す図である。 実施例2に係る、バッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCCとの間の時分割通信スロットの構成を示す図である。 環境評価指標の1つとしての通信障害の回数について基本周波数候補ごとに記憶したリストを示す図である。 環境評価指標の1つとしての電波強度について基本周波数候補ごとに記憶したリストを示す図である。 基本周波数において通信障害が生じた場合のバッテリーコントローラBCにおける処理手順を示すフローチャートである。 基本周波数において通信障害が生じた場合のセルコントローラCCにおける処理手順を示すフローチャートである。 バッテリーコントローラBCとセルコントローラCCが十分な通信状態になるまでの時系列動作を示す図である。 実施例6に係る、バッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCCとの間の時分割通信スロットの構成を示す図である。
本発明は、蓄電池モジュール内に設置された複数のコントローラ間の通信を無線により実行する無線電池システムに関する。また、この通信方式は、蓄電池モジュール内の通信に適用範囲が限定されるものではなく、一般に、無線システムにも適用可能である。特に、通信不良などの障害が発生する際にも、安定的に動作を継続する無線電池システム及び無線システムを提供することができる。
本発明は、要するに、通信不良になった場合に、最適な周波数に移って通信を継続するために、通信と並行して通信周波数と異なる周波数における外部の無線機器や周囲の物理環境による電波状態を常時計測するものである。
バッテリーコントローラ(親機)のアンテナが、セルコントローラ(子機)から送信された信号の受信に成功する頻度が高いほど、通信エラーの回数が少ないといえる。よって、当該頻度が設定値以上であることは望ましい状態である。
以下、本発明の望ましい実施形態について説明する。ここでは、無線システムについての親機及び子機について説明するが、親機をバッテリーコントローラ、子機をセルコントローラと読み替えることにより、無線電池システムにも対応した内容となる。
前記無線システムは、アンテナを有する子機と、複数のアンテナを有する親機と、を備えている。子機と親機とは、複数の通信チャンネルのうちのいずれか1つの通信チャンネルを使用する無線により相互に送信及び受信をすることが可能である。
親機は、複数のアンテナのうち使用するアンテナを選択し切り替える機能を有し、かつ、複数の通信チャンネルのうち使用する通信チャンネルを選択し切り替える機能を有する。親機は、子機から送信された信号の受信に成功する頻度が所定の値未満であるときには、使用している通信チャンネルから他の通信チャンネルに切り替えをする機能を有する。そして、当該他の通信チャンネルに切り替えをするか否かは、評価順位が次の条件(1)及び(2)を両方とも満たす場合は、当該条件(2)に該当する通信チャンネルが、使用している通信チャンネルよりも評価順位が高い当該他の通信チャンネルである、とすることにより判定される。
(1)複数のアンテナのうち、子機から送信された信号の受信に成功する頻度が設定値以上であるアンテナが少なくとも1つ存在する場合は、その場合に使用する通信チャンネル
(2)複数のアンテナのうち、子機から送信された信号の受信に成功する頻度が設定値以上であるアンテナが2つ以上存在する場合は、その場合に使用する通信チャンネル
上記の子機から送信された信号の受信に成功する頻度に関する所定の値は、子機から送信された信号の受信に成功する割合又は回数の下限値を設定するものである。
評価順位は、下記式(1)により算出される評価値(CH)が小さいほど高いと判定される。
評価値(CH) = min(評価値(CH,アンテナ1),評価値(CH,アンテナ2),…評価値(CH,アンテナn)) + max(評価値(CH,アンテナ1),評価値(CH,アンテナ2),…評価値(CH,アンテナn)) / (影響度係数) …式(1)
式中、評価値(CH,アンテナn)は、アンテナnにおけるチャンネルCHの電波環境の評価値であり、評価値(CH)は、すべてのアンテナにおけるチャンネルCHの電波環境の評価値である。minは、複数の引数から最小値を返す関数を表す。maxは、複数の引数から最大値を返す関数を表す。
なお、電波環境の評価値は、受信強度及び通信障害の回数を用いて算出される値である。
上記式(1)の右辺においては、第一項に示す評価値(CH,アンテナi)の最小値(iは、1からnまでの整数を表す。)に、第二項に示す評価値(CH,アンテナi)の最大値を影響度係数で除することにより数値的な寄与を調節したものを加えることにより、左辺に示す評価値(CH)を算出している。
親機は、子機にビーコンを送信することにより、電波環境計測のための期間と計測する周波数とを条件として指定する機能を有し、子機は、指定された前記条件における電波環境計測を実行した後に、電波環境計測の結果を親機に返信する機能を有する。
上記の影響度係数は、電波環境計測のための一定期間内に、子機から送信された信号の受信に成功する頻度の最大値以下である。
親機は、影響度係数の値を増減することにより、前記条件(2)におけるアンテナの数値的な寄与を調節する機能を有する。
親機は、複数の通信チャンネルについての電波環境に関する周波数リストを作成し、当該周波数リストを、ビーコンを用いて子機に送信する機能を有する。
親機は、子機にビーコンを送信する機能を有し、ビーコンの送信をする前に、送信に使用するアンテナを切り替える機能を有する。
親機は、複数のアンテナのそれぞれについて、複数の周波数を切り替える所定のパターンにより電波環境計測を順次行う。
無線電池システム及び無線システムは、ディスプレー又はスピーカを有し、通信環境の状況の一部又はすべてを使用者に伝達可能とした構成を有することが望ましい。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明に係る無線電池システムの基本構成を示したものである。
図1に示す無線電池システムは、図2の蓄電池モジュールM1〜Mnのうちの1つを図1の蓄電池モジュールMに相当する部分とし、蓄電池モジュールMの通信及び計測に関するシステムの構成を示したものである。
図1においては、蓄電池モジュールMが上位のシステムコントローラSCに接続されている。蓄電池モジュールMは、直列に接続された複数個の蓄電池のうち1個又は複数個の蓄電池ユニット10に対して1個のセルコントローラCC1〜CC99がそれぞれ付設されている。そして、複数個のセルコントローラCC1〜CC99は、無線により、1個のバッテリーコントローラBCと通信するように構成されている。これにより、複数個のセルコントローラCC1〜CC99が1個のバッテリーコントローラBCにより管理されている。以下では、セルコントローラの符号を単に「CC」と表す場合もある。
セルコントローラCCは、蓄電池ユニット管理装置というべき機能を有するものである。また、バッテリーコントローラBCは、組電池管理装置というべき機能を有するものである。
セルコントローラCCは、蓄電池ユニット10の状態を計測する1個又は複数個の計測器20と、蓄電池の状態情報を取得し処理する処理部30と、無線回路40と、電波を入出力するアンテナ50(無線アンテナ)と、を備えている。
セルコントローラCCの主要部である処理部30は、複数個の蓄電池ユニット10から電源の供給を受けて動作電圧を生成する電源回路31と、計測器20によって計測された情報から1個又は複数個の蓄電池の状態を検出する検出回路32(A/D変換器)と、検出回路32によって検出された検出情報に基づいて1個又は複数個の蓄電池の状態を診断する処理回路33(CPU)と、個体識別情報及び検出情報或いは診断情報若しくはその両方を記憶する記憶部34(メモリ)と、を含む。
また、バッテリーコントローラBCは、無線回路210と、処理回路220(CPU)と、電池を含む電源回路230と、記憶部240(メモリ)と、アンテナ250、251と、スイッチ260と、を含む。なお、電源回路230については、図1では電池より電力を供給しているが、外部から供給してもよい。
なお、システムコントローラSCは、バッテリーコントローラBCと同様の構成とすることで実現できるが、バッテリーコントローラBCとの間を有線接続する場合には、無線回路210、アンテナ250、251及びスイッチ260を備えない。
バッテリーコントローラBCは、一つ以上のセルコントローラCCと周期的に通信を行い、セルコントローラCCが検出する電池状態などを取得する。この場合のセルコントローラCCとバッテリーコントローラBCとの間の無線通信においては、バッテリーコントローラBCがマスターとして、セルコントローラCCがスレーブとして作動する。
図3は、バッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCCとの間の時分割通信スロットの構成を示したものである。ここで、通信は、一定時間長の通信周期Tにより行われ、バッテリーコントローラBCが管理する通信周期T内で、バッテリーコントローラBCが複数のセルコントローラCCに対して送信要求を発し、これを受信した複数のセルコントローラCCが自己の保有する信号をバッテリーコントローラBCに返信するという、一連の処理により実行される。
図3には、これを実現するための通信周期T内のスロット構成を示している。但し、図3では、セルコントローラCCがCC1からCC99までの99台あり、1台のバッテリーコントローラBCがこの間の通信を管理しているものとする。
1通信周期T内の通信スロットは、周期の先頭を示すビーコンスロットB、ビーコンスロットBに続く電波環境計測スロット(T1、T2、T3)及びデータ通信スロット(1〜99)から構成される。図3においては、電波環境計測スロットは、T1からT3の3スロットで例示しているが、1以上のスロットであればよい。同じくデータ通信スロットは、1〜99で例示しているが、セルコントローラCCの台数に応じて1以上のスロットであればよい。
次に、バッテリーコントローラBCの動作を説明する。
バッテリーコントローラBCは、図1の無線回路210が、その周期において用いるアンテナ(アンテナ250、251のいずれか)で通信できるようスイッチ260を切り替える。どのアンテナを用いるかについては後述する。
そして、図3の通信周期の先頭を示すビーコンスロットBにおいて、通信に使用する周波数をf1に設定してブロードキャスト送信する。ビーコンスロットBの送信データの中には、ビーコンであることを示すデータと、バッテリーコントローラBCからセルコントローラCCに送る通信・計測用のデータと、ビーコンに続く電波環境計測各スロットにおいて使用する周波数(左側の周期では、T1=f2、T2=f3、T3=f4)のデータが含まれている。
このうち、ビーコンであることを示すデータには、いわゆる同期信号や、送信者がバッテリーコントローラBCであることを示すIDなどが含まれており、これにより受信側のセルコントローラCCは送信側との同期確認、セルコントローラCC内の時刻管理処理などを可能としている。
また、バッテリーコントローラBCからセルコントローラCCに送る通信・計測用のデータとしては、セルコントローラCCから送付すべきデータ(電圧、電流、温度などの電池状態)の種別の指定、データ通信に使用する周波数(以下「基本周波数」という。)の優先順位の情報などが含まれる。これにより、受信側のセルコントローラCCは、送信すべきデータをセルCから入力して送信し、また、優先順位で指定された周波数を基本周波数としてデータ通信に使用する。基本周波数の優先順位の情報とその用法については後述する。
ビーコンに続く電波環境計測各スロットにおける周波数(左側の周期では、T1=f2、T2=f3、T3=f4)のデータについては後述する。
ビーコンB送信後に、バッテリーコントローラBCは、周波数をf2に切替え、電波環境計測スロットT1において電波環境計測であることを示すデータをブロードキャスト送信する。その後、周波数をf3に切替えて、電波環境計測スロットT2において電波環境計測であることを示すデータをブロードキャスト送信する。さらにその後、周波数をf4に切替えて、電波環境計測スロットT3において電波環境計測であることを示すデータをブロードキャスト送信する。
バッテリーコントローラBCにおける送信要求側の処理は、以上のようであり、以後はセルコントローラCCからの受信処理に入る。このとき、バッテリーコントローラBCは、ビーコンスロットBと同じ周波数f1に設定し、各セルコントローラCCからの送信を受信する。
本図においては、ビーコンスロットBを送信する周波数f1及び、セルコントローラCCからの受信に使用する周波数f1のことを「基本周波数」と称している。また、ビーコンに続く電波環境計測の各スロットにおける周波数(左側の周期では、T1=f2、T2=f3、T3=f4)のことを「基本周波数候補」と位置付けている。
基本周波数f1での通信に障害が認められるとき、基本周波数候補の中から新たな周波数を基本周波数と定め、新基本周波数として運用を継続しようとしている。ビーコンスロットBに続く電波環境計測スロット(T1、T2、T3)では、この基本周波数候補のときの通信状態を監視計測するものである。これを周期的に繰り返す。
なお、周期によっては、電波環境計測スロットの周波数を変更してもよい。
図3では、3つの連続する通信周期Tを単位として基本周波数候補を変更している。図3の左側の周期ではf2からf4、中央の周期ではf5からf7を基本周波数候補として、このときの通信環境を計測している。
同様に、周期によって用いるアンテナを変更してもよい。すなわち、アンテナ250、251それぞれが、各周波数においてどのような通信状態となるか監視計測するため、各通信周期において用いるアンテナを切り替える。例えば、アンテナ250を用いて、図3の左、中央の通信周期が完了した後、右の通信周期ではアンテナ251を用いるようにスイッチ260を切り替える。これにより、各アンテナにおいて、各周波数における通信状態の監視計測が可能となる。
他方、各セルコントローラCC側では、周波数f1でバッテリーコントローラBCが発したビーコンを受信する。受信したビーコンデータの内容に応じて、同期化処理、ID処理、送信要求の確認、優先順位情報の更新を行い、さらには要求された送信情報の入手処理などを開始する。また、受信データから電波環境計測の各スロットの周波数(左側の周期では、T1=f2、T2=f3、T3=f4)を判別する。
その後、各セルコントローラCCは、周波数をf2に設定して電波環境計測スロットT1で、バッテリーコントローラBCの送信を受信し、受信結果(受信に成功したか否か、受信に成功した時の受信信号強度)を保存する。次に、周波数をf3に設定して電波環境計測スロットT2で、バッテリーコントローラBCの送信を受信し、受信結果(受信に成功したか否か、受信に成功した時の受信信号強度)を保存する。続いて、周波数をf4に設定して電波環境計測スロットT3で、バッテリーコントローラBC送信を受信し、受信結果(受信に成功したか否か、受信に成功した時の受信信号強度)を保存する。
そして、周波数をf1に戻して、セルコントローラCCごとに予め決められた通信スロットにおいて、T1〜T3スロットの受信結果と共に、電池状態を計測したデータ(電圧、温度、電流など)などの送信要求内容に応じたデータを送信する。
図3の時分割通信スロットの構成例において、セルコントローラCC99を例として詳細な動作について説明する。
この場合、セルコントローラCC99は、周波数f1でビーコンスロットBを受信し、通信周期の先頭、ビーコンスロットBに続く電波環境計測スロット(T1〜T3)の周波数(f2〜f4)などを判別する。
その後、それぞれの電波環境計測スロットで周波数を切替えて、バッテリーコントローラBCからの電波環境計測のための送信データを受信する。その後、基本周波数である周波数f1に設定して、データ通信スロット99までスリープする。
なお、セルコントローラCCは、その駆動電源をセルCから得ているため、消費電力を最小化したいという課題がある。そこで、スリープ期間中はディープスリープ状態として消費を抑え、スリープ時間は内部タイマを使用する。設定時間経過後、スリープを解除し、データ通信スロット99で電池状態データ及び電波環境計測における受信結果を送信する。データ送信後は、再びビーコンスロットBを受信するための動作を行う。このデータ送信後にもスリープ状態とする(セルコントローラCC2参照)が、次回ビーコンスロットBの受信直前には、覚醒している必要があり、このときの処理も内部タイマにて運用される。
なお、内部タイマは、ビーコンBの受信に応じて、送信側であるバッテリーコントローラBCと同期化されることが望ましい。この動作を周期的に繰り返す。上記のセルコントローラCCの動作は、ビーコンを正常に受信した場合の動作であるが、ビーコンを受信できなかった場合には、電波環境計測スロットでの受信及び通信スロットでの送信はしない。
図3のバッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCC(CC1〜CC99)との関係において、左側の通信周期は、外乱などの障害が存在しなかった状態を示している。全てのセルコントローラCC(CC1〜CC99)は、周波数f1からf4を使用したバッテリーコントローラBCからの通信を正しく受信し、その後、周波数f1を用いて正しく返信信号を送信しかつバッテリーコントローラBCが受信できたことで、この通信周期における通信障害が存在しなかったことをバッテリーコントローラBCが正しく判別することができる。
図3のバッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCC(CC1〜CC99)との関係において、中央の通信周期は、セルコントローラCC2において外乱などによる受信不良が発生した状態を示している。ビーコンBの周波数f1を検知できなかったセルコントローラCC2は、バッテリーコントローラBCからの送信要求を検知不可能であり、かつ以後のビーコンスロットBに続く電波環境計測スロット(T1〜T3)の周波数(f2〜f4)を検知することができない状態である。したがって、次回にビーコンBの周波数f1を検知するまでの中央の通信周期においては、一切の返信操作を開始することがない。
バッテリーコントローラBCは、この通信周期におけるセルコントローラCC2からの返信がないことから、セルコントローラCC2において外乱などによる受信不良が発生したことを正しく認識することができる。この場合は、ビーコンスロットB及び返信信号の送信に使用する周波数f1の障害、つまり基本周波数の障害であることから、一過性の問題でない場合には基本周波数候補への変更を考慮する必要がある。基本周波数候補への変更処理について後述する。
図3のバッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCC(CC1〜CC99)との関係において、右側の通信周期は、周波数f3において受信不良が発生した状態を示している。この場合には、複数のセルコントローラCC(CC1〜CC99)は、ビーコンBに含まれるデータから周波数f3を用いた送信を予期し受信体制に入っているが、セルコントローラCC2のみが、これを受信できない。しかし、セルコントローラCC2は、ビーコンBを起点とする返信処理が可能であり、自己に約束されたスロット位置での返信処理が可能である。
このときの返信信号には、周波数f3での受信不良が含まれるため、バッテリーコントローラBCは、セルコントローラCC2において周波数f9での受信不良が生じたことを正しく認識することができる。この場合は、基本周波数候補である周波数f3における受信不良の検知であるため、バッテリーコントローラBCは、周波数f3に対する基本周波数候補としての優先順位を下げる措置を実行する。基本周波数候補としての優先順位管理については、後述する。
バッテリーコントローラBCは、各セルコントローラCCが周期的に送信する各周波数の電波環境計測情報、すなわち受信エラー数及び受信信号強度に基き、各周波数の評価値を算出する。
評価値は、以下に述べる特性を有する。通信に不適な、すなわち低い評価値となる周波数は、通信エラーが起きる周波数である。通信エラーの頻度が高いほど通信に不適であるため、評価値は、通信エラーの頻度におよそ比例して低くなるべきである。また、通信エラーの頻度が等しい場合は、信号強度が低いほど、潜在的な通信エラーの可能性が高くなる。そのため、通信エラーの頻度が等しい場合は、評価値は、信号強度の強さにおよそ比例して高くなるべきである。
この特性に対応する計算式としては、例えば、下記式(2)が考えられる。
評価値(m,n)=(通信エラー回数(m,n))×k+(信号強度(m,n))
…(2)
ここで、mはアンテナ番号、nは周波数番号である。また、通信エラー回数(通信障害の回数)は、一定期間a内に、アンテナmと周波数nとの組み合わせにて起きた通信エラー回数である。信号強度(受信強度)は、0〜(k−1)の値を持ち、信号が弱いほど値が大きいとする。
なお、通信エラー回数(通信障害の回数)及び信号強度(受信強度)は、電波環境の評価値を算出する際に基礎となる変数である。
上記式(2)は、評価値が低いほど、その周波数が望ましいことを示すものである。
上記式(2)を用いることにより、前述の特性を満たす評価値が得られる。すなわち、通信エラー回数が同じならば、信号が強いほど、低いすなわち望ましい評価値となる。通信エラー回数が1回でも異なれば、信号強度の大小に関係なく通信エラー回数が少ない方が、低いすなわち望ましい評価値となる。
このようにして、あるアンテナmと周波数nとの組み合わせにおける評価値を求めることができるが、どの周波数で通信すべきかを判断するためには、アンテナ250、251それぞれの評価値を一つにまとめた周波数評価値を算出する必要がある。
周波数評価値は、以下に述べる特性を有する。
すなわち、両アンテナが望ましい評価値を持っているならば、それは望ましい周波数評価値Aとなる。一方のアンテナにおいて通信エラー頻度が高くても、もう一方において全くエラーが起きないならば、これも望ましい周波数評価値B(ただし、BはAよりは低い。)となる。一方、両アンテナにおいて通信エラー頻度が低くても、その周波数評価値Cは、周波数評価値Bよりも低い値となる。
この特性を持つ計算式として、下記式(3)に示すものを用いる。なお、この式は、上記式(1)を本実施例の表記にあわせて書き換えたものである。
周波数評価値(n)=min(評価値(250,n),評価値(251,n))
+max(評価値(250,n),評価値(251,n))/p …(3)
ただし、minは複数の引数から最小値を返す関数、maxは複数の引数から最大値を返す関数、pは通信状態の悪いアンテナが評価値に及ぼす影響の度合いを定める任意の数値(影響度係数)、定数250及び251はそれぞれアンテナ250、251のアンテナ番号である。周波数評価値が低いほど、その周波数が望ましいことを示す。
pの値を適切に設定し、上記式(3)を用いることにより、前述の特性を満たす周波数評価値が得られる。例えば、pを下記式(4)のように定めたとする。
p=E …(4)
ただし、Eは、前記一定期間a内に起きうる最大エラー回数とする。言い換えると、Eは、前記一定期間a内にセルコントローラから送信された信号の受信に成功する頻度の最大値である。
周波数1においては、アンテナ250、251のエラー回数が0であったとする。また、周波数2においては、アンテナ250のエラー回数が0、アンテナ251のエラー回数がEだったとする。周波数3においては、アンテナ250、251のエラー回数が1であったとする。信号強度はいずれも0であったとする。
この場合、周波数評価値(1)=0、周波数評価値(2)=k、周波数評価値(3)=k+k/Eとなり、それぞれの大小関係は、周波数評価値(1)<周波数評価値(2)<周波数評価値(3)となる。
これは、前述の周波数評価値が満たすべき特性を満たすことから、上記式(3)及び(4)を用いて周波数評価値を求められることがわかる。
なお、pの値を上記式(4)よりも小さい値とすることにより、通信状態の悪いアンテナが周波数評価値の計算に及ぼす影響を増やすことができる。例えば、pを下記式(5)のように定めたとする。
p=E/2 …(5)
この場合、周波数評価値(1)=0、周波数評価値(2)=2k、周波数評価値(3)=k+2k/Eとなる。E>2とすると、周波数評価値(1)<周波数評価値(3)<周波数評価値(2)となる。
上記式(4)を用いた場合と比べると、上記式(5)を用いた場合は、周波数評価値(3)と周波数評価値(2)との大小関係が逆転している。これにより、一方のアンテナの状態が悪く、アンテナを2本使うメリットが薄い場合に、その周波数の評価値を低く見積もることが可能となる。
バッテリーコントローラBCは、このようにして演算した周波数評価値を用いて、周波数を周波数評価値の順に並べた周波数リストを作成する。そして、この周波数リストに変更があった場合、各セルコントローラCCへ、ビーコンスロットBを使用して通知する。各セルコントローラCCは、バッテリーコントローラBCから送信された周波数リストを受信し、更新し、保持する。この周波数リストは、基本周波数候補としての優先順位を表している。この周波数リストは、ビーコンスロットBを介して各セルコントローラCCに通知される。
また、バッテリーコントローラBCは、各セルコントローラCCからの送信を所定の割合で受信できなかったとき、または所定の回数連続で受信できなかったときには、周波数リストの中から適切な周波数(電波環境が一番良い周波数、または基本周波数の次に電波環境が良い周波数)を選択して、各セルコントローラCCへ基本周波数を変更することを、ビーコンを使用して通知する。その後、バッテリーコントローラBC及び各セルコントローラCCは、基本周波数を切替えて通信をする。ここで、セルコントローラCCは、周波数変更通知を受信できなかったときには、所定の時間経過後に、周波数リストに基いて、基本周波数を、電波環境が一番良い周波数、または基本周波数の次に電波環境が良い周波数に変更して、連続受信し、ビーコンを探す。
このように、バッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCCが通信中に、他の周波数の電波環境を計測し電波状態を把握することで、通信中の当該周波数でエラーが発生した場合に、他の周波数の電波状態に基き、適切な周波数に切替えて通信を継続することが可能となる。
表1は、上記式(3)を簡略化して適用した具体例を示したものである。
本表においては、基本周波数候補に対応する通信チャンネルとして、チャンネル1(CH1)及び、チャンネル2(CH2)を例に挙げ、アンテナ1、2を用いた場合におけるそれぞれの通信エラーの回数を示している。そして、それらの通信エラーの回数を、上記式(3)を簡略化した式に代入して得られた評価値(周波数評価値)を算出して示している。ここで、p=100の場合とp=98の場合とについて評価値を算出している。
本表から、p=100の場合とp=98の場合とで評価値が逆転していることがわかる。すなわち、p=100の場合、チャンネル1の評価値がチャンネル2の評価値よりも小さく、基本周波数として採用することが望ましいと判定され得ることがわかる。一方、p=98の場合、チャンネル2の評価値がチャンネル1の評価値よりも小さく、基本周波数として採用することが望ましいと判定され得ることがわかる。
このことから、影響度係数pを調整することにより、通信チャンネルの選択が変化することがわかる。このような影響度係数pの調整は、無線電池システム及び無線システムの通信環境への対応に利用することができる。
Figure 0006747401
実施例1では、電波環境計測スロット(T1〜T3)でバッテリーコントローラBCが送信し、各セルコントローラCCは、バッテリーコントローラBCの送信を受信した結果をデータ通信スロットで電池状態データと共に送信する例を示したが、実施例2では、電波環境計測スロット(T1〜T3)で、バッテリーコントローラBC及び各セルコントローラCCは共に、受信動作をして受信信号強度を測定する。各セルコントローラCCは、受信信号強度の測定結果を電池状態データと共に送信する。
以下、図4を用いて、実施例2について詳細を説明する。なお、電波環境計測スロット(T1〜T3)が電波視聴期間であるという点以外は、図3と図4に条件上の相違はない。
図4において、バッテリーコントローラBCは、通信周期の先頭を示すビーコンスロットBで周波数f1に設定してブロードキャスト送信し、その送信データの中にはビーコンであることを示すデータと、バッテリーコントローラBCからセルコントローラCCに送る通信・計測用のデータと、ビーコンに続く電波環境計測各スロットにおいて使用する周波数(左側の周期では、T1=f2、T2=f3、T3=f4)のデータと、が含まれている。
ビーコン送信後に、バッテリーコントローラBCは、周波数をf2に切替えて、電波環境計測スロットT1で受信動作をし、受信信号強度を測定する。その後、周波数をf3に切替えて、電波環境計測スロットT2で受信動作をし、受信信号強度を測定する。次に、周波数をf4に切替えて、電波環境計測スロットT3で受信動作をし、受信信号強度を測定する。
次に、バッテリーコントローラBCは、ビーコンスロットBと同じ周波数f1に設定し、各セルコントローラCCからの送信を受信する。これを周期的に繰り返す。なお、周期によって、電波環境計測スロットの周波数を変更してもよい。
各セルコントローラCCは、周波数f1でビーコンを受信し、受信データから電波環境計測各スロットの周波数(周期1では、T1=f2、T2=f3、T3=f4)を判別する。その後、周波数をf2に設定して電波環境計測スロットT1で受信動作をし、受信信号強度を測定する。次に、周波数をf3に設定して電波環境計測スロットT2で受信動作をし、受信信号強度を測定する。次に、周波数をf4に設定して電波環境計測スロットT3で受信動作をし、受信信号強度を測定する。
そして、周波数をf1に戻して、予め決められた通信スロットで、T1〜T3スロットの受信信号強度測定結果と共に、電池状態を計測したデータを送信する。
図4のバッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCC(CC1〜CC99)との関係において、左側の通信周期は、外乱などが存在しなかった状態を示している。電波環境計測スロット(T1〜T3)において、バッテリーコントローラBC及び各セルコントローラCCは、受信動作をして受信信号強度を測定するが、指定された周波数(周期1では、T1=f2、T2=f3、T3=f4)における障害となる受信強度の周波数信号が受信されなかった状態を表している。
図4のバッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCC(CC1〜CC99)との関係において、中央の通信周期は、セルコントローラCC2において外乱などによる受信不良が発生した状態を示している。ビーコンBの周波数f1を検知できなかったセルコントローラCC2は、バッテリーコントローラBCからの送信要求を検知不可能であり、かつ以後のビーコンスロットBに続く電波環境計測スロット(T1〜T3)の周波数(f2〜f4)を検知することができない状態である。したがって、次回にビーコンBの周波数f1を検知するまでの中央の通信周期においては、一切の返信操作を開始することがない。
バッテリーコントローラBCは、この通信周期におけるセルコントローラCC2からの返信がないことから、セルコントローラCC2においてビーコンBの外乱などによる受信不良が発生したことを正しく判別することができる。また、この時の外乱の周波数がf1であることも判別可能である。この場合、バッテリーコントローラBCにおいては、基本周波数候補への変更を考慮する必要がある。
図4のバッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCC(CC1〜CC99)との関係において、右側の通信周期はセルコントローラCC2の周波数f9において受信が発生した状態を示している。図4の場合に電波環境計測スロット(T1〜T3)は視聴期間であり、本来聞こえるはずのない周波数f9を計測視聴したところ、周波数f9が計測されたという状態を示している。
この場合に、複数のセルコントローラCC(CC1〜CC99)は、ビーコンBに含まれるデータから周波数f9の監視、計測体制に入っており、本来周波数f9を検知することはないはずであるが、セルコントローラCC2のみが、これを受信していた。セルコントローラCC2は、ビーコンBを起点とする返信処理が可能であり、自己に約束されたスロット位置での返信処理の中で、周波数f9の受信(受信不良)をバッテリーコントローラBCに通知することができる。バッテリーコントローラBCでは、この結果を優先順位の変更に反映する。
以上の説明のとおり、実施例1においては、電波環境計測スロットにおいて積極的に基本周波数候補の周波数をバッテリーコントローラBCから発信してその受信を監視している。実施例2においては、電波環境計測スロットにおいて基本周波数候補の周波数を発信せず受信するのみの監視を行っている。
この方式は、本来聞こえるべきものが聞こえない通信障害(例えばヌル点)の発生を実施例1で把握し、本来聞こえないものが聞こえる通信障害(例えば雑音)の発生を実施例2で把握したものである。本発明においては、一方の機能を備えることも可能であるが、双方の機能を備えることがより望ましいことは言うまでもない。
なお、上記の説明においては、通信障害の判定をバッテリーコントローラBCで実行する例を示したが、これは上位のシステムコントローラの実行機能とすることもできる。
実施例1及び実施例2では、電波環境計測スロット(T1〜T3)を設けて、バッテリーコントローラBC主導で環境計測することを説明した。実施例3では、この場合に、計測した環境を記録する手法について図5及び図6を用いて説明する。
図5は、環境評価指標の1つとして、通信障害の回数を基本周波数候補ごとに記憶した表を示したものである。この表は、優先順位を決定するバッテリーコントローラBC内に設けられており、通信障害の都度記憶内容を更新している。
図5の表は、横軸に複数のセルコントローラCC(CC1〜CC99)を、縦軸に基本周波数候補(f2〜f10)を配したマトリクスであり、各マトリクスにその条件での通信障害の回数が順次記録され、障害の都度更新されている。また、表の右側には、当該基本周波数候補(f2〜f10)における合計の通信障害の回数が記録されている。なお、図5では、さらに、基本周波数についても計測して評価する例を示している。
図6は、環境評価指標の1つとして、計測した電波強度を基本周波数候補ごとに記憶した表を示したものである。この表は、優先順位を決定するバッテリーコントローラBC内に設けられており、電波強度を更新している。
図6の表は、横軸に複数のセルコントローラCC(CC1〜CC99)を、縦軸に基本周波数候補(f2〜f10)を配したマトリクスであり、各マトリクスにその条件での電波強度が記録されている。また、表の右側には、当該基本周波数候補(f2〜f10)における例えば平均の電波強度が記録されている。なお、電波強度は、例えば0から99の100段階に区分され、数値が小さいほど電波強度が高いものとされる。なお、図6では、さらに、基本周波数についても計測して評価する例を示している。
優先順位の決定指標は、アンテナごとに用意した図5及び図6の表を用いて決定する。
このように、実施例3では、実施例1及び実施例2で実行した環境測定の結果を踏まえ、バッテリーコントローラBCにおいて、各セルコントローラCCが周期的に送信する各基本周波数候補における周波数での受信信号強度測定結果とバッテリーコントローラBCの受信信号強度測定結果を処理する。また、通信障害の回数を管理しておく。この結果に応じて、電波環境が良い順番(受信信号強度が小さく、通信障害の回数が少ない順番)に周波数を並べた周波数リストを作成し、周波数リストに変更があった場合、各セルコントローラCCへ、ビーコンBを使用して通知する。各セルコントローラCCは、バッテリーコントローラBCから送信された周波数リストを受信し、更新し、保持する。
なお、実際に使用している周波数等や周波数リストを含む通信環境の状況は、バッテリーコントローラBC(親機)等に設けた表示部(ディスプレー)に表示可能としてもよい。また、表示部に表示する代わりに、バッテリーコントローラBC等に設けた拡声器(スピーカ)を用いて、音声により使用者に伝達してもよい。これにより、実際に使用している周波数等を含む通信環境の状況について、使用者が認識することができる。
実施例3では、計測した環境を評価して基本周波数候補としての優先順位に反映するために必要な記録方法について説明した。実施例4では、基本周波数において通信障害が生じた際に、バッテリーコントローラBC及びセルコントローラCCにおいて行う処理手順について説明する。
図7は、基本周波数において通信障害が生じた場合のバッテリーコントローラBCにおける処理手順を示すフローチャートである。
図8は、基本周波数において通信障害が生じた場合のセルコントローラCCにおける処理手順を示すフローチャートである。
図7のバッテリーコントローラBCにおいては、処理ステップS0において、正常状態の処理として図5及び図6の環境計測結果を用いて常に最新の周波数リスト(優先順位見直し)に更新し、周波数リストに変更があった場合にはビーコンBでの通信を通じてセルコントローラCC側に最新の周波数リストの内容を周知せしめている。
これに対し、処理ステップS1において基本周波数f1における通信障害(図3及び図4の中央の通信周期参照)が検知されたとする。この検知は、処理ステップS2において図5及び図6の表に反映される。
図7の処理ステップS3では、この障害が3回連続して検知されたことをもって基本周波数の切り替えを実行する。1回の障害計測で切り替えとすることもできるが、基本周波数は事前環境計測において最も信頼度が高いものとして評価決定されたものであることなどを考慮し、数回の確認を要するのが適切である。
したがって、3回の検知前に回復するときには、処理ステップS4において周波数リストの変更(優先順位変更)は行わず、かつ現在の基本周波数f1によるビーコン送信を再開するものとする。
連続検知される場合、基本周波数の切り替えを実行すべく、処理ステップS5において周波数リストを参照し、最も評価の高い基本周波数候補の中から新しい基本周波数を決定する(処理ステップS6)。処理ステップS7では、ビーコンBを用いて各セルコントローラに対し基本周波数を新しい基本周波数に切り替えるよう伝える。そして、処理ステップS8において、バッテリーコントローラBC内の設定を変更し、処理ステップS9より新しい基本周波数でビーコンBの送信を開始する。
他方、図8のセルコントローラCCにおいては、処理ステップS10において、正常状態の処理としてビーコンBにより、最新の周波数リストの内容を取得している。係る状態において処理ステップS11では、基本周波数f1における通信障害(図3及び図4の中央の通信周期参照)が検知される場合がある。
この場合には、セルコントローラCCは、処理ステップS12において受信周波数をf1としたまま、次のビーコンBの受信を連続する4通信周期経過するまで監視する。
仮に、通信障害が1回または2回連続のいずれかの場合には、図7のバッテリーコントローラBC側の処理(処理ステップS4)により、現在の基本周波数f1によるビーコン送信が再開されるはずであるから、これに従い処理ステップS13において従前どおりに運用すればよい。
一方、通信障害が3回連続する場合には、図7のバッテリーコントローラBC側の処理(処理ステップS5〜S9)により、新基本周波数によるビーコン送信が再開されるはずであるが、この判断にバッテリーコントローラBC側では3連続通信周期を要しており、かつ新基本周波数への変更を他のセルコントローラCCに通知するために更に1周期使っているため、新基本周波数での再開は5周期目からとなる。
このことから、セルコントローラCCでは、処理ステップS12において4周期経過を確認したら、処理ステップS14においてセルコントローラCC内の周波数リストを参照し、最も評価の高い基本周波数候補の中から新しい基本周波数を決定する(処理ステップS15)。また、処理ステップS16では、セルコントローラCC内の設定を変更するとともに、処理ステップS17において新基本周波数でのビーコンBによる処理を開始する。
このようにして、本発明によれば、バッテリーコントローラBCは、各セルコントローラCCからの送信を所定の割合で受信できなかったとき、または所定の回数連続で受信できなかったときには、周波数リストの中から適切な周波数(電波環境が一番よい周波数、または現在の基本周波数の次に電波環境がよい周波数)を選択して、各セルコントローラCCへ基本周波数を変更することについてビーコンを使用して通知しておき、バッテリーコントローラBC及び各セルコントローラCCは基本周波数を切替えて通信をする。ここで、セルコントローラCCは、周波数変更通知を受信できなかったときには、所定の時間経過後に、周波数リストに基づいて基本周波数を変更する(電波環境が一番よい周波数、または現在の基本周波数の次に電波環境がよい周波数に変更する。)そして、連続受信してビーコンを探す。
このように、バッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCCとが通信中に、他の周波数の電波環境を計測し電波状態を把握することで、通信中の当該周波数でエラーが発生したときに、他の周波数の電波状態に基き適切な周波数に切替えて通信を継続することが可能となる。
上記した実施例においては、周波数リストの優先順位を決定づけるための基礎データ(図5及び図6)が十分な量で確保されていることを前提として説明した。つまり、バッテリーコントローラBCとセルコントローラCCとが十分な実績の通信を経た通信状態にある場合の説明であった。しかしながら、初期状態においては、十分なデータが確保されていない可能性がある。
そこで、実施例5では、バッテリーコントローラBCとセルコントローラCCとが十分な通信状態になるまでの時系列動作について、図9を用いて説明する。
図9は、バッテリーコントローラBCとセルコントローラCCとが十分な通信状態になるまでの時系列動作(時分割通信スロットの構成)を示す図である。
設備の設置直後などの初期状態において、セルコントローラCCは、電源オン時やバッテリーコントローラBCとの通信ができないときには、所定の基本周波数f1で受信とスリープ状態(低消費電力状態)との繰り返し(所謂、間欠受信)をしている。間欠受信の期間は、図9においてAで示されている。
一方、バッテリーコントローラBCは、電源オンの際やセルコントローラCCとの通信ができなくなった場合には、所定の基本周波数f1でセルコントローラCCに対して、連続受信要求Bを送信する。この連続受信要求Bは、連続送信であっても間欠送信であってもよい。バッテリーコントローラBCからの連続送信要求Bは、セルコントローラCCにおいて受信可能となるが、セルコントローラCCのスリープ状態では検知できず、セルコントローラCCの間欠受信状態において受信される。連続受信要求Bを受信したセルコントローラCCは、周波数f1で連続受信するモードDに移行する。
次に、バッテリーコントローラBCは、連続受信要求Bを送信した後、そのまま周波数f1で基本周波数f1での電波環境計測のためのデータを連続で1パケット以上送信する(図中の電波環境計測データE)。
セルコントローラCCは、基本周波数f1での電波環境計測データを受信すると、受信結果(受信パケット数、受信した時の受信信号強度)を保存する。
次いでバッテリーコントローラBCは、各セルコントローラCCから基本周波数候補(f2〜F10)での電波環境計測結果を受信するために、基本周波数候補(f2〜F10)での電波環境計測のためのデータを送信した後、通信周期の先頭を示すビーコンを送信する。このビーコンのデータの中には、最初に電波環境計測をする基本周波数f1が設定されている(図中の電波環境計測結果F)。その後、基本周波数f1で受信状態となる。
セルコントローラCCは、ビーコンを受信すると、ビーコンBに続く通信スロットの所定の通信スロットで基本周波数f1の時の電波環境計測の受信結果を送信し、その後、周波数f2に切替えて受信状態となる。
ついで、バッテリーコントローラBCは、周波数f1で各セルコントローラCCからの基本周波数f1の時の電波環境計測の受信結果を受信した後、周波数をf2に切替えて電波環境計測のためのデータを連続で1パケット以上送信する(図中の電波環境計測データG)。
セルコントローラCCは、電波環境計測データを受信すると、受信結果(受信パケット数、受信した時の受信信号強度)を保存する。
バッテリーコントローラBCは、電波環境計測のためのデータ(G)を送信した後、通信周期の先頭を示すビーコンを送信する。このビーコンのデータの中には、次の電波環境計測をする周波数f3が設定されている。その後、周波数f2で受信状態となる。
セルコントローラCCは、ビーコンを受信すると、ビーコンに続く通信スロットの所定の通信スロットで電波環境計測の受信結果を送信し、その後、周波数f3に切替えて受信状態となる。
このように、バッテリーコントローラBCとセルコントローラCCは、周波数を切り替えながら電波環境を計測する。図9の例では周波数f1〜f10まで電波環境を計測する。バッテリーコントローラは、周波数f10で電波環境計測のためのデータを送信した後、通信周期の先頭を示すビーコンを送信する(図中の通常通信H)。このビーコンのデータの中には、次の周波数f1が設定されている。
バッテリーコントローラBCは、周波数f10で各セルコントローラCCからの電波環境計測の受信結果を受信した後、各周波数での各セルコントローラCCからの受信結果(受信パケット数、受信した時の受信信号強度)を集計し、電波環境が良い順番(受信エラーが少なく、且つ受信信号強度が大きい順番)に周波数を並べた周波数リストを作成する。
その後、周波数f1で通常通信のビーコンを送信し、各セルコントローラとの通信を開始する。ビーコンのデータの中には、作成した周波数リストが含まれる。
セルコントローラCCは、周波数f10で電波環境計測結果を送信した後、周波数をf1に切替えて受信状態になり、バッテリーコントローラBCからの通常通信のビーコンを受信すると、通常の時分割通信状態となると共に、ビーコンのデータの中に含まれている周波数リストを保存する。
実施例1では、図3に示すように、電波環境計測スロット(T1〜T3)にて計測する周波数を順次変えながら通信し、その後、使用するアンテナを切り替えて、同様に周波数を順次変えながら通信することで、アンテナ毎の各周波数における電波環境を計測する手法について説明した。
本実施例では、図10に示すように、通信周期T毎にアンテナを切り替え、その後、T1、T2、T3の基本周波数候補を変更する方式について説明する。
図10は、バッテリーコントローラBCと複数のセルコントローラCCとの間の時分割通信スロットの構成を示したものである。
本実施例では、まず、アンテナ250を用いて図10左の通信周期Tを行い、その後、アンテナを251に切り替え、中央の通信周期Tを行う。このとき、バッテリーコントローラBCが送信するデータやセルコントローラCCが送信するデータは、左の通信周期Tと中央の通信周期Tで同じである。そして、右の通信周期Tでは、T1、T2、T3の周波数をそれぞれ、f2からf5へ、f3からf6へ、f4からf7へ変更し、再びアンテナ250を用いて通信を行う。この時送信するデータは、中央の通信周期Tとは異なってもよい。
このような構成とすることで、基本周波数f1において一方のアンテナの通信状態が悪い場合でも、同一のデータについて状態の良い別のアンテナから速やかに送信するため、データの欠落を防止することができる。
10:蓄電池ユニット、20:計測器、30:処理部、31:電源回路、32:検出回路、33:処理回路、34:記憶部、40:無線回路、50:アンテナ、CC:セルコントローラ、BC:バッテリーコントローラ、210:無線回路、220:処理回路、230:電源回路、240:記憶部、250、251:アンテナ。

Claims (20)

  1. アンテナを有し、蓄電池に付設され、当該蓄電池の状態を検知する機能を有するセルコントローラと、
    複数のアンテナを有するバッテリーコントローラと、を備え、
    前記セルコントローラと前記バッテリーコントローラとは、複数の通信チャンネルのうちのいずれか1つの通信チャンネルを使用する無線により相互に送信及び受信をすることが可能であり、
    前記バッテリーコントローラは、前記複数のアンテナのうち使用するアンテナを選択し切り替える機能を有し、かつ、前記複数の通信チャンネルのうち使用する通信チャンネルを選択し切り替える機能を有し、
    前記バッテリーコントローラは、前記セルコントローラから送信された信号の受信に成功する頻度が所定の値未満であるときには、使用している前記通信チャンネルから他の通信チャンネルに切り替えをする機能を有し、
    前記他の通信チャンネルに切り替えをするか否かは、評価順位が次の条件(1)及び(2)を両方とも満たす場合は、当該条件(2)に該当する通信チャンネルが、前記使用している前記通信チャンネルよりも前記評価順位が高い前記他の通信チャンネルである、とすることにより判定される、無線電池システム。
    (1)前記複数のアンテナのうち、前記セルコントローラから送信された前記信号の前記受信に成功する前記頻度が設定値以上であるアンテナが少なくとも1つ存在する場合は、その場合に使用する通信チャンネル
    (2)前記複数のアンテナのうち、前記セルコントローラから送信された前記信号の前記受信に成功する前記頻度が設定値以上であるアンテナが2つ以上存在する場合は、その場合に使用する通信チャンネル
  2. 請求項1記載の無線電池システムであって、
    前記所定の値は、前記セルコントローラから送信された前記信号の前記受信に成功する割合又は回数の下限値を設定するものである、無線電池システム。
  3. 請求項1記載の無線電池システムであって、
    前記評価順位は、下記式(1)により算出される評価値(CH)が小さいほど高いと判定される、無線電池システム。
    評価値(CH) = min(評価値(CH,アンテナ1),評価値(CH,アンテナ2),…評価値(CH,アンテナn)) + max(評価値(CH,アンテナ1),評価値(CH,アンテナ2),…評価値(CH,アンテナn)) / (影響度係数) …式(1)
    (式中、評価値(CH,アンテナn)は、アンテナnにおけるチャンネルCHの電波環境の評価値であり、評価値(CH)は、すべてのアンテナにおけるチャンネルCHの電波環境の評価値である。)
  4. 請求項1記載の無線電池システムであって、
    前記バッテリーコントローラは、前記セルコントローラにビーコンを送信することにより、電波環境計測のための期間と計測する周波数とを条件として指定する機能を有し、
    前記セルコントローラは、指定された前記条件における前記電波環境計測を実行した後に、前記電波環境計測の結果と前記蓄電池の状態とを前記バッテリーコントローラに返信する機能を有する、無線電池システム。
  5. 請求項3記載の無線電池システムであって、
    前記影響度係数は、電波環境計測のための一定期間内に、前記セルコントローラから送信された前記信号の前記受信に成功する前記頻度の最大値以下である、無線電池システム。
  6. 請求項3記載の無線電池システムであって、
    前記バッテリーコントローラは、前記影響度係数の値を増減することにより、前記条件(2)における前記アンテナの数値的な寄与を調節する機能を有する、無線電池システム。
  7. 請求項3記載の無線電池システムであって、
    前記バッテリーコントローラは、前記複数の通信チャンネルについての前記電波環境に関する周波数リストを作成し、当該周波数リストを、ビーコンを用いて前記セルコントローラに送信する機能を有する、無線電池システム。
  8. 請求項1記載の無線電池システムであって、
    前記バッテリーコントローラは、前記セルコントローラにビーコンを送信する機能を有し、前記ビーコンの送信をする前に、前記送信に使用する前記アンテナを切り替える機能を有する、無線電池システム。
  9. 請求項4記載の無線電池システムであって、
    前記バッテリーコントローラは、前記複数のアンテナのそれぞれについて、複数の周波数を切り替える所定のパターンにより前記電波環境計測を順次行う、無線電池システム。
  10. 請求項1記載の無線電池システムであって、
    ディスプレー又はスピーカを有し、通信環境の状況の一部又はすべてを使用者に伝達可能とした、無線電池システム。
  11. アンテナを有する子機と、
    複数のアンテナを有する親機と、を備え、
    前記子機と前記親機とは、複数の通信チャンネルのうちのいずれか1つの通信チャンネルを使用する無線により相互に送信及び受信をすることが可能であり、
    前記親機は、前記複数のアンテナのうち使用するアンテナを選択し切り替える機能を有し、かつ、前記複数の通信チャンネルのうち使用する通信チャンネルを選択し切り替える機能を有し、
    前記親機は、前記子機から送信された信号の受信に成功する頻度が所定の値未満であるときには、使用している前記通信チャンネルから他の通信チャンネルに切り替えをする機能を有し、
    前記他の通信チャンネルに切り替えをするか否かは、評価順位が次の条件(1)及び(2)を両方とも満たす場合は、当該条件(2)に該当する通信チャンネルが、前記使用している前記通信チャンネルよりも前記評価順位が高い前記他の通信チャンネルである、とすることにより判定される、無線システム。
    (1)前記複数のアンテナのうち、前記子機から送信された前記信号の前記受信に成功する前記頻度が設定値以上であるアンテナが少なくとも1つ存在する場合は、その場合に使用する通信チャンネル
    (2)前記複数のアンテナのうち、前記子機から送信された前記信号の前記受信に成功する前記頻度が設定値以上であるアンテナが2つ以上存在する場合は、その場合に使用する通信チャンネル
  12. 請求項11記載の無線システムであって、
    前記所定の値は、前記子機から送信された前記信号の前記受信に成功する割合又は回数の下限値を設定するものである、無線システム。
  13. 請求項11記載の無線システムであって、
    前記評価順位は、下記式(1)により算出される評価値(CH)が小さいほど高いと判定される、無線システム。
    評価値(CH) = min(評価値(CH,アンテナ1),評価値(CH,アンテナ2),…評価値(CH,アンテナn)) + max(評価値(CH,アンテナ1),評価値(CH,アンテナ2),…評価値(CH,アンテナn)) / (影響度係数) …式(1)
    (式中、評価値(CH,アンテナn)は、アンテナnにおけるチャンネルCHの電波環境の評価値であり、評価値(CH)は、すべてのアンテナにおけるチャンネルCHの電波環境の評価値である。)
  14. 請求項11記載の無線システムであって、
    前記親機は、前記子機にビーコンを送信することにより、電波環境計測のための期間と計測する周波数とを条件として指定する機能を有し、
    前記子機は、指定された前記条件における前記電波環境計測を実行した後に、前記電波環境計測の結果を前記親機に返信する機能を有する、無線システム。
  15. 請求項13記載の無線システムであって、
    前記影響度係数は、電波環境計測のための一定期間内に、前記子機から送信された前記信号の前記受信に成功する前記頻度の最大値以下である、無線システム。
  16. 請求項13記載の無線システムであって、
    前記親機は、前記影響度係数の値を増減することにより、前記条件(2)における前記アンテナの数値的な寄与を調節する機能を有する、無線システム。
  17. 請求項13記載の無線システムであって、
    前記親機は、前記複数の通信チャンネルについての前記電波環境に関する周波数リストを作成し、当該周波数リストを、ビーコンを用いて前記子機に送信する機能を有する、無線システム。
  18. 請求項11記載の無線システムであって、
    前記親機は、前記子機にビーコンを送信する機能を有し、前記ビーコンの送信をする前に、前記送信に使用する前記アンテナを切り替える機能を有する、無線システム。
  19. 請求項14記載の無線システムであって、
    前記親機は、前記複数のアンテナのそれぞれについて、複数の周波数を切り替える所定のパターンにより前記電波環境計測を順次行う、無線システム。
  20. 請求項11記載の無線システムであって、
    ディスプレー又はスピーカを有し、通信環境の状況の一部又はすべてを使用者に伝達可能とした、無線システム。
JP2017149002A 2017-08-01 2017-08-01 無線電池システム及び無線システム Active JP6747401B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017149002A JP6747401B2 (ja) 2017-08-01 2017-08-01 無線電池システム及び無線システム
PCT/JP2018/026522 WO2019026591A1 (ja) 2017-08-01 2018-07-13 無線電池システム及び無線システム
EP18840376.0A EP3633646A4 (en) 2017-08-01 2018-07-13 WIRELESS BATTERY SYSTEM AND WIRELESS SYSTEM
CN201880049252.XA CN110945573B (zh) 2017-08-01 2018-07-13 无线电池系统以及无线系统

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017149002A JP6747401B2 (ja) 2017-08-01 2017-08-01 無線電池システム及び無線システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019028822A JP2019028822A (ja) 2019-02-21
JP6747401B2 true JP6747401B2 (ja) 2020-08-26

Family

ID=65232687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017149002A Active JP6747401B2 (ja) 2017-08-01 2017-08-01 無線電池システム及び無線システム

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP3633646A4 (ja)
JP (1) JP6747401B2 (ja)
CN (1) CN110945573B (ja)
WO (1) WO2019026591A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102550319B1 (ko) * 2019-02-01 2023-07-04 주식회사 엘지에너지솔루션 배터리 시스템 및 슬레이브 배터리 관리 시스템
DE102020122491A1 (de) * 2019-08-30 2021-03-04 Silicon Works Co., Ltd. Drahtloses batterie-verwaltungssystem, verwaltungsknoten für dasselbe und verfahren zum betreiben eines kanals
JP7106766B2 (ja) * 2019-09-17 2022-07-26 株式会社東芝 蓄電池装置
JP7354810B2 (ja) * 2019-12-04 2023-10-03 株式会社デンソー 通信システム
KR20220061307A (ko) * 2020-11-05 2022-05-13 주식회사 엘지에너지솔루션 배터리 관리 방법 및 이를 이용한 배터리 시스템
JPWO2022195820A1 (ja) * 2021-03-18 2022-09-22
US20230148115A1 (en) * 2021-11-05 2023-05-11 GM Global Technology Operations LLC Dynamically reconfigurable battery management architecture
JP2024007900A (ja) * 2022-07-06 2024-01-19 日立Astemo株式会社 無線通信システム

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4516163B2 (ja) * 1999-03-30 2010-08-04 大阪瓦斯株式会社 無線検針システム
TW545003B (en) * 2001-01-16 2003-08-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd Antenna diversity communications device
EP1363410A4 (en) * 2001-10-31 2010-10-20 Panasonic Corp RADIO TRANSMISSION DEVICE AND RADIO COMMUNICATION METHOD
JP4296240B2 (ja) * 2003-12-26 2009-07-15 日本電信電話株式会社 ソフトウェア無線通信装置および無線通信制御方法
JP2008187293A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk 自動車用無線機及び自動車用無線通信システム
US8478218B2 (en) * 2008-06-11 2013-07-02 Quintic Holdings Frequency modulation (FM) clear channel scanning system and method of using same
JP5677171B2 (ja) 2011-04-07 2015-02-25 株式会社日立製作所 電池モジュール及びこれを備えた電池システム
JP6421625B2 (ja) * 2015-01-30 2018-11-14 日立化成株式会社 無線電池システムおよび無線システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019028822A (ja) 2019-02-21
WO2019026591A1 (ja) 2019-02-07
CN110945573B (zh) 2021-01-01
EP3633646A4 (en) 2021-06-16
EP3633646A1 (en) 2020-04-08
CN110945573A (zh) 2020-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6747401B2 (ja) 無線電池システム及び無線システム
WO2016121644A1 (ja) 無線電池システムおよび無線システム
JP6342915B2 (ja) インテリジェントネットワークの動作
CN103098530A (zh) 用于对等网络中的信道选择的方法和装置
EP2728910B1 (en) Method, device, and system for acquiring application information in WLAN
KR20180125998A (ko) 2차 전지의 열화 억제 장치 및 개별 열화 억제 장치
JP2014206499A (ja) 二次電池寿命予測システム、二次電池特性評価装置、二次電池搭載装置、および二次電池寿命予測方法
US20190025382A1 (en) Secondary battery degradation assessment device
KR20220013137A (ko) 통신 오류의 원인을 진단하기 위한 슬레이브 bms, 마스터 bms 및 배터리 팩
KR20200098071A (ko) 슬레이브 bms 점검 시스템 및 방법
JP2007158418A (ja) アドホック無線通信ネットワーク用端末装置、アクティブ時間設定方法、アドホック無線通信ネットワーク及び伝送経路設定方法
JP6366376B2 (ja) 通知制御システム、コントローラおよび通知制御の方法
US10178629B2 (en) Communications node, system, communications method, and computer product
JP2016165106A (ja) 通信端局、および通信システム
JP6897484B2 (ja) 電池通信システム及び電池通信方法
US20220390523A1 (en) Storage battery management device, storage battery system,and storage battery management method
JP6678393B2 (ja) 蓄電システム及びその制御方法
US20170034791A1 (en) Control device, sensor terminal, and control system
CN103687021A (zh) 基站装置、无线电通信系统和通信方法
KR20210027092A (ko) 무선 배터리 관리 시스템과 이를 위한 매니저 노드 및 채널 운영 방법
JP7481016B2 (ja) 無線通信端末、無線通信方法及びプログラム
JPWO2018061459A1 (ja) 無線電池システム
EP3965251A1 (en) Battery management system and management method
US11330425B2 (en) Communication system, communication method, and communication program
JP4691949B2 (ja) 無線通信システムおよびそれを備えた車両検知システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200707

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200720

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6747401

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350