JP6747350B2 - 検出対象物質捕捉ユニット及び抽出装置 - Google Patents
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Description
本発明は、抗原、抗体等の生体物質の内包物質を抽出するための検出対象物質捕捉ユニット及び抽出装置に関する。
疾病に関連付けられた特定の抗原または抗体をバイオマーカーとして検出することで、疾病の発見及び治療の効果等を定量的に分析する免疫検定法(immunoassay)が知られている。
特許文献1には、試料分析用ディスク上の反応領域に固定された抗体と試料中の検出対象物質である抗原とを結合させ、抗体を有する微粒子によって検出対象物質を標識し、光ピックアップから照射されるレーザ光を走査することにより、反応領域に捕捉された微粒子を検出する分析装置が記載されている。
特許文献1に記載されているような従来の分析装置では、試料分析用ディスクに貫通孔を有するカートリッジを装着することにより、試料分析用ディスクの表面とカートリッジの貫通孔の内周面とによってウェルが形成される。ウェルに試料液及び緩衝液を注入し、抗原抗体反応を進行させることにより反応領域が形成される。
反応領域には、検出対象物質が試料分析用ディスク上に固定された抗体と微粒子とによりサンドイッチ捕獲されている。試料分析用ディスクとカートリッジとを分離させ、試料分析用ディスク上の反応領域に捕捉された微粒子を検出することで、検出対象物質を間接的に検出することができる。
検出対象物質であるエクソソーム(exosome)は、血液,リンパ液,唾液,尿,母乳,精液等の体液に含まれている。エクソソームは、液体中では概略球形であり、内包物質が脂質二重膜で包まれた構造を有する。内包物質は、細胞情報を伝達する物質とされるDNA(デオキシボ核酸)、RNA(リボ核酸)、miRNA(マイクロRNA)等の高分子生体物質である。
検出対象物質を、界面活性剤を主成分とする抽出液と反応させることにより、エクソソームの表皮を構成する脂質二重膜を溶解させ、内包物質を抽出液中に遊離させることができる。検出対象物質は、試料分析用ディスク上の反応領域、及びカートリッジの貫通孔の内周面の反応領域にサンドイッチ捕獲されている。
ウェル内にサンドイッチ捕獲されている全ての検出対象物質から内包物質を抽出するためには、試料分析用ディスク上の反応領域、及びカートリッジの貫通孔の内周面の反応領域が満たされる高さまで抽出液をウェル内に注入しなければならない。抽出液の液量が多いと、抽出液中の内包物質の濃度が低くなるため、内包物質の分析精度を悪化させる要因となる。
従来では、ウェル毎に抽出液をピペッティングにより分析用ケースに移し替えるため、作業性を悪化させる要因となっている。また、ピペッティングによる移し替えはウェル内に抽出液が残りやすいため、残った抽出液を純水で希釈してからピペッティングする作業を繰り返すことになる。希釈の度合いに応じて抽出液中の内包物質の濃度が低くなるため、内包物質の分析精度を悪化させる要因となる。また、反応領域がピペッティングにより損傷する場合がある。
本発明は、抽出液中の内包物質の濃度が低くなることを抑制し、反応領域の損傷を防止してウェル内の抽出液を分析用ケースに効率的に移し替えることができる検出対象物質捕捉ユニット及び抽出装置を提供することを目的とする。
本発明は、試料分析用ディスクと、前記試料分析用ディスクに装着されているカートリッジとを備え、前記カートリッジは、カートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の前記試料分析用ディスクに装着されている面とは反対側の第1の面に形成されているリムと、前記リム及び前記カートリッジ本体を貫通する貫通孔とを有し、前記リムは、前記第1の面に対して前記カートリッジ本体の中心部側が高く、外周部側が低くなるように斜めに切断された円筒形状を有することを特徴とする検出対象物質捕捉ユニットを提供する。
また、本発明は、検出対象物質捕捉ユニットと、前記検出対象物質捕捉ユニットが装着されるターンテーブルと、前記ターンテーブルを回転させるターンテーブル回転駆動部と、前記ターンテーブルを傾斜させるターンテーブル傾斜駆動部とを備え、検出対象物質捕捉ユニットは、試料分析用ディスクと、前記試料分析用ディスクに装着されているカートリッジとを有し、前記カートリッジは、カートリッジ本体と、前記カートリッジ本体の前記試料分析用ディスクに装着されている面とは反対側の第1の面に形成されているリムと、前記リム及び前記カートリッジ本体を貫通する貫通孔とを有し、前記リムは、前記第1の面に対して前記カートリッジ本体の中心部側が高く、外周部側が低くなるように斜めに切断された円筒形状を有することを特徴とする抽出装置を提供する。
本発明の検出対象物質捕捉ユニット及び抽出装置によれば、抽出液中の内包物質の濃度が低くなることを抑制し、反応領域の損傷を防止してウェル内の抽出液を分析用ケースに効率的に移し替えることができる。
[検出対象物質捕捉ユニット]
図1〜図3を用いて、検出対象物質捕捉ユニットの一例を説明する。図1は検出対象物質捕捉ユニットをカートリッジ側から見た状態を示している。図2Aは図1のA−Aで切断した検出対象物質捕捉ユニットの断面を示している。図2Bはカートリッジが試料分析用ディスクに対して取り外しできることを示している。図3は図1のウェルをB−Bで切断した状態を部分的に拡大して示している。
図1〜図3を用いて、検出対象物質捕捉ユニットの一例を説明する。図1は検出対象物質捕捉ユニットをカートリッジ側から見た状態を示している。図2Aは図1のA−Aで切断した検出対象物質捕捉ユニットの断面を示している。図2Bはカートリッジが試料分析用ディスクに対して取り外しできることを示している。図3は図1のウェルをB−Bで切断した状態を部分的に拡大して示している。
図1に示すように、検出対象物質捕捉ユニット100は、試料分析用ディスク200とカートリッジ300とを備える。試料分析用ディスク200は、例えば、ブルーレイディスク(BD)、DVD、コンパクトディスク(CD)等の光ディスクと同等の円板形状を有する。試料分析用ディスク200は、例えば、一般的に光ディスクに用いられるポリカーボネート樹脂またはシクロオレフィンポリマー等の樹脂材料で形成されている。なお、試料分析用ディスク200は、上記の光ディスクに限定されるものではなく、他の形態または所定の規格に準拠した光ディスクを用いることもできる。
図1、図2A、または図2Bに示すように、試料分析用ディスク200は、中心部に形成された中心孔201と、外周部に形成された切欠き部202とを有する。切欠き部202は試料分析用ディスク200の基準位置を識別するための基準位置識別部である。
図3に示すように、試料分析用ディスク200の表面には、凸部203と凹部204とが半径方向に交互に配置されたトラック領域205が形成されている。凸部203及び凹部204は、内周部から外周部に向かってスパイラル状に形成されている。凸部203は光ディスクのランドに相当する。凹部204は光ディスクのグルーブに相当する。凹部204の半径方向のピッチに相当するトラックピッチは例えば320nmである。
図1に示すように、カートリッジ300は、カートリッジ本体301と、複数の円筒状のリム310と、複数の貫通孔302とを有する。リム310は、カートリッジ本体301の試料分析用ディスク200に装着されている面とは反対側の面である上面301a(第1の面)に形成されている。貫通孔302は、リム310とカートリッジ本体301とを貫通する。
また、カートリッジ300は、凸部303,304と、中心孔305と、複数の切欠き部306とを有する。凸部303はカートリッジ本体301の中心部に形成されている。凸部304はカートリッジ本体301の外周部に形成されている。中心孔305は、カートリッジ本体301の中心部に形成され、カートリッジ本体301と凸部303とを貫通する。切欠き部306はカートリッジ本体301の上面301aと側面301bとの連接部に形成されている。
貫通孔302はリム310に対応して形成されている。リム310及び貫通孔302は、カートリッジ本体301の中心孔305の中心を中心点として、それぞれの中心が同一円周上に位置するように等間隔に形成されている。中心孔305の内周面305aには中心孔305の中心軸に向かって凸部305bが形成されている。
図2Aに示すように、リム310は、カートリッジ本体301の上面301aに対して、カートリッジ本体301の中心部側が高く、外周部側が低くなるように斜めに切断されたような円筒形状を有する。リム310は、円筒形状の斜めに切断された面に相当する端面310a(第2の面)と貫通孔302の内周面302aとの角度θaが、カートリッジ本体301の中心部側で鋭角(θa<90°)になるように円筒形状の内周部から外周部に向かって傾斜している。即ち、リム310は、カートリッジ本体301の外周部側が低く、中心部側が高く、かつ、上方に向かって鋭利な先端形状を有する。
カートリッジ300を試料分析用ディスク200に取り付ける場合に、凸部303を試料分析用ディスク200の中心孔201に挿入し、凸部304を切欠き部202に挿入することにより、カートリッジ300と試料分析用ディスク200とを位置決めすることができる。
図2A及び図3に示すように、検出対象物質捕捉ユニット100は、カートリッジ300の貫通孔302と試料分析用ディスク200のトラック領域205とによって形成される複数のウェル101を有する。貫通孔302の内周面302aはウェル101の内周面101aを構成し、試料分析用ディスク200のトラック領域205はウェル101の底面101bを構成している。ウェル101は試料液、緩衝液、及び抽出液等の溶液を溜めるための容器である。
カートリッジ300の試料分析用ディスク200と接触する接触面が撥液性またはシール性を有するように表面処理を実施してもよい。例えば、接触面にシリコーンゴムまたはフッ素樹脂を形成することにより、ウェル内に溜められている溶液が接触面を伝って近傍のウェル内に浸入することを防止できる。なお、図1では、一例として8個のウェル101を示しているが、ウェル101の数はこれに限定されるものではない。
図2Bに示すように、カートリッジ300を試料分析用ディスク200から分離することができる。即ち、カートリッジ300は試料分析用ディスク200に着脱自在に装着されている。検出対象物質を標識する微粒子を検出及び計測する場合は、カートリッジ300が分離された試料分析用ディスク200単体で行われる。検出対象物質から内包物質を抽出液中に遊離して抽出する場合は、カートリッジ300が試料分析用ディスク200に装着された状態で行われる。
[反応領域の形成]
図2A、図2B、及び図4を用いて、検出対象物質捕捉ユニット100のウェル101内に反応領域を形成する方法の一例を説明する。
図2A、図2B、及び図4を用いて、検出対象物質捕捉ユニット100のウェル101内に反応領域を形成する方法の一例を説明する。
オペレータは、図2Aに示すように、抗体111を含む緩衝液112を、検出対象物質捕捉ユニット100のウェル101内に高さH1以上の高さまで注入する。オペレータは、検出対象物質捕捉ユニット100を、適切な時間、適切な温度でインキュベートさせる。
図4に示すように、抗体111は、ウェル101の底面101bを構成する試料分析用ディスク200のトラック領域205上に固定される。また、抗体111は、ウェル101の内周面101aを構成する貫通孔302の内周面302aに固定される。オペレータは、ウェル101から緩衝液112を排出し、ウェル101を別の緩衝液で洗浄する。固定されなかった抗体111はこの洗浄によって除去される。
オペレータは、図2Aに示すように、検出対象物質であるエクソソーム121を含む試料液122を、検出対象物質捕捉ユニット100のウェル101内に高さH1まで注入する。エクソソーム121の大きさは約100nmである。なお、試料液122にはエクソソーム121が含まれていない場合もある。説明をわかりやすくするために、試料液122にエクソソーム121が含まれている場合について説明する。
図5に示すように、エクソソーム121は、脂質二重膜123で覆われている。脂質二重膜123には、複数の種類の膜貫通型たんぱく質等のたんぱく質が表面分子124として存在する。たんぱく質の個数または脂質二重膜123における位置は、エクソソーム121の種類によって異なり、個体によっても異なる。
これらの表面分子124を抗原として抗原抗体反応を用いてエクソソーム121を認識する。抗原である表面分子124として、CD63,CD9,Rab−5b等の他様々なたんぱく質等の分子の存在が多くの論文で報告されている。エクソソーム121には、細胞情報を伝達する物質とされるDNA、RNA、miRNA等の高分子生体物質である内包物質125が脂質二重膜123で覆われた領域に内包されている。
オペレータは、検出対象物質捕捉ユニット100を、適切な時間、適切な温度でインキュベートさせる。これにより、エクソソーム121は、ウェル101の底面101b及び内周面101aに固定されている抗体111と抗原抗体反応により特異的に結合する。その結果、エクソソーム121は、ウェル101の底面101b及び内周面101aに捕捉される。
オペレータは、ウェル101から試料液122を排出し、ウェル101を緩衝液で洗浄する。なお、抗体111と結合しないで試料液122中に分散しているエクソソーム121、及び、抗原抗体反応ではない非特異吸着によってウェル101の底面101b及び内周面101aに付着しているエクソソーム121は、この洗浄によって除去される。
オペレータは、図2Aに示すように、標識となる微粒子131を含む緩衝液132をウェル101内に高さH1以上の高さまで注入する。微粒子131の表面にはエクソソーム121と抗原抗体反応により特異的に結合する抗体が形成されている。微粒子131の大きさは約200nmである。
オペレータは、検出対象物質捕捉ユニット100を、適切な時間、適切な温度でインキュベートさせる。これにより、微粒子131は、ウェル101の底面101b及び内周面101aに捕捉されているエクソソーム121と抗原抗体反応により特異的に結合する。その結果、微粒子131は、ウェル101の底面101b及び内周面101aにエクソソーム121と結合した状態で捕捉される。
オペレータは、ウェル101から緩衝液132を排出し、ウェル101を別の緩衝液で洗浄し、乾燥させる。なお、エクソソーム121と結合しないで緩衝液132中に分散している微粒子131は洗浄により除去される。オペレータは、図2Bに示すように、検出対象物質捕捉ユニット100のカートリッジ300と試料分析用ディスク200とを分離する。
試料分析用ディスク200には、複数のウェル101に対応して複数の円形の反応領域210が形成されている。図4に示すように、反応領域210では、エクソソーム121が微粒子131と結合した状態でトラック領域205の凹部204に捕捉されている。即ち、エクソソーム121は、抗体111と微粒子131とによってトラック領域205の凹部204にサンドイッチ捕獲されている。なお、図4に示す内包物質125は、図5に示す内包物質125を簡略化して模式的に示している。図6は、微粒子131がエクソソーム121と結合した状態でトラック領域205の凹部204に捕捉されている状態の一例を示している。
図2Bに示すように、カートリッジ300の各貫通孔302の内周面302aには、高さH1の円筒状の反応領域320が形成されている。反応領域320では、エクソソーム121が微粒子131と結合した状態で貫通孔302の内周面302aに捕捉されている。即ち、エクソソーム121は、抗体111と微粒子131とによって貫通孔302の内周面302aにサンドイッチ捕獲されている。
試料分析用ディスク200を回転させた状態で、図4に示すように、レンズ220により集光されたレーザ光221を反応領域210に照射し、その反射光を検出して分析することにより、各反応領域210における微粒子131を計測することができる。各反応領域320における微粒子131の数は、対応する反応領域210における微粒子131の数に、反応領域210に対する反応領域320の面積比を乗算することにより算出することができる。従って、各ウェル101の反応領域210,320における微粒子131の総数を計測することができ、微粒子131と特異的に結合しているエクソソーム121の総数を間接的に計測することができる。
[抽出装置]
図7〜図9を用いて、検出対象物質であるエクソソーム121から内包物質125を抽出するための抽出装置を説明する。図7に示すように、抽出装置1は、基台2と、ターンテーブル3と、ターンテーブル保持部4と、ユニットホルダ5と、ケースホルダ30と、押し当て板40と、ターンテーブル傾斜回転軸部6と、ケースホルダスライド軸部7と、押し当て板スライド軸部8とを備える。
図7〜図9を用いて、検出対象物質であるエクソソーム121から内包物質125を抽出するための抽出装置を説明する。図7に示すように、抽出装置1は、基台2と、ターンテーブル3と、ターンテーブル保持部4と、ユニットホルダ5と、ケースホルダ30と、押し当て板40と、ターンテーブル傾斜回転軸部6と、ケースホルダスライド軸部7と、押し当て板スライド軸部8とを備える。
ターンテーブル傾斜回転軸部6は、水平方向に配置され、基台2に回転自在に保持されている。ターンテーブル保持部4はターンテーブル傾斜回転軸部6に固定されている。ターンテーブル3はターンテーブル保持部4にターンテーブル傾斜回転軸部6を回転軸として回転自在に保持されている。ユニットホルダ5はターンテーブル3に可倒自在に保持されている。
ケースホルダスライド軸部7は、ターンテーブル3に対して垂直方向に配置され、ターンテーブル3を貫通し、ターンテーブル保持部4にスライド自在に保持されている。ケースホルダ30は、ケースホルダスライド軸部7に着脱自在に装着されている。ケースホルダスライド軸部7の外周面7aには、ターンテーブル3に対して垂直方向に凹部7bが形成されている。
検出対象物質捕捉ユニット100の中心孔305の内周面305aに形成されている凸部305bとケースホルダスライド軸部7の外周面7aに形成されている凹部7bとを位置合わせして、検出対象物質捕捉ユニット100の中心孔305にケースホルダスライド軸部7を挿通させる。これにより、検出対象物質捕捉ユニット100は、ターンテーブル3上に載置され、ケースホルダスライド軸部7を回転軸とした回転方向に位置決めされ、ユニットホルダ5により保持される。
押し当て板スライド軸部8は、ターンテーブル3に対して垂直方向に配置され、ケースホルダ30を貫通し、ターンテーブル保持部4にスライド自在に保持されている。押し当て板スライド軸部8の外周面8aには、ターンテーブル3に対して垂直方向に凹部8bが形成されている。押し当て板40は、凹部8bにより押し当て板スライド軸部8を回転軸とした回転方向に位置決めされ、押し当て板スライド軸部8に着脱自在に装着されている。
また、抽出装置1は、ターンテーブル回転駆動部11と、ユニットホルダ駆動部12と、押し当て板駆動部13と、ターンテーブル傾斜駆動部14と、駆動制御部15と、操作・表示部16とを備える。ターンテーブル回転駆動部11、ユニットホルダ駆動部12、及び押し当て板駆動部13は、ターンテーブル保持部4の内部に配置されている。ターンテーブル傾斜駆動部14及び駆動制御部15は基台2の内部に配置されている。操作・表示部16は基台2の表面に配置されている。なお、抽出装置1は操作・表示部16を備えていなくてもよく、外部の操作・表示部を用いてもよい。
ユニットホルダ駆動部12は、ユニットホルダ5の先端がターンテーブル3の中心に接近するようにユニットホルダ5を駆動させる。検出対象物質捕捉ユニット100がターンテーブル3上に載置されている状態で、ユニットホルダ駆動部12がユニットホルダ5を駆動させることにより、ユニットホルダ5が検出対象物質捕捉ユニット100の切欠き部306と接触して、検出対象物質捕捉ユニット100はターンテーブル3上に装着される。
ターンテーブル回転駆動部11は、ターンテーブル3を、ケースホルダスライド軸部7を回転軸として回転させる。検出対象物質捕捉ユニット100がターンテーブル3上に装着されている場合、検出対象物質捕捉ユニット100は、ターンテーブル3と共に回転する。
押し当て板駆動部13は、押し当て板スライド軸部8をケースホルダスライド軸部7に沿って移動させる。押し当て板40が押し当て板スライド軸部10に装着されている状態で押し当て板スライド軸部10を移動させることにより、押し当て板40はターンテーブル3に対して垂直方向、具体的にはターンテーブル3に接近する方向及び離隔する方向に移動する。
押し当て板40をターンテーブル3に接近する方向に移動させることにより、押し当て板40はケースホルダ30と接触する。押し当て板40がケースホルダ30と接触している状態で、さらに押し当て板40をターンテーブル3に接近する方向に移動させることにより、ケースホルダ30は押し当て板40と共にターンテーブル3に接近する方向に移動する。
ターンテーブル傾斜駆動部14は、ターンテーブル保持部4を、ターンテーブル傾斜回転軸部6を回転軸として所定の角度に傾斜させる。検出対象物質捕捉ユニット100がターンテーブル3上に装着されている場合、検出対象物質捕捉ユニット100は、ターンテーブル3と共に傾斜する。駆動制御部15は、ターンテーブル回転駆動部11、ユニットホルダ駆動部12、押し当て板駆動部13、及びターンテーブル傾斜駆動部14を制御する。
図8及び図9を用いて、ケースホルダ30と、ケースホルダ30に装着される分析用ケースとの関係を説明する。図8に示すように、分析用ケース20は、ケース本体21と、周縁部22と、キャップ23と、ヒンジ24とを有する。分析用ケース20は、検出対象物質であるエクソソーム121の内包物質125を分析するためのポリプロピレン製の小型試験管である。周縁部22はケース本体21の開口部25の周囲にリング状に形成されている。
キャップ23は、ヒンジ24を介して周縁部22と接続されている。キャップ23にはリング状の凸部26が形成されている。凸部26の外径と開口部25の開口径とは同じ径R1である。ヒンジ24を折り曲げて凸部26を開口部25に挿入することにより、ケース本体21の内部をキャップ23により密閉させることができる。なお、周縁部22が形成されているケース本体21と、キャップ23とを別部品にして分析用ケース20を構成してもよい。この場合、ヒンジ24は不要となる。
図9に示す分析用ケース20は、図8に示す分析用ケース20が上下に反転された状態を示している。図9に示すように、ケースホルダ30は、円板状のベース板31と、ベース板31の中心部に形成された中心孔32と、ベース板31の外周部に複数形成された円弧状の一対のホルダアーム33a,33bとを有する。
中心孔32の内周面32aには中心孔32の中心軸に向かって凸部32bが形成されている。一対のホルダアーム33a,33bは、ベース板31の中心孔32の中心を中心点として同一円周上に位置するように、ベース板31の外周部に等間隔に形成されている。一対のホルダアーム33a,33bは、検出対象物質捕捉ユニット100の複数のリム310に対応して複数形成されている。
一対のホルダアーム33a,33bの内周面33cには、内周面33cに沿って円弧状の凹部33dが形成されている。ケースホルダ30は、シリコーンゴム等の弾性変形部材により形成されている。凹部33dの内径と分析用ケース20の周縁部22の外径とは同じ径R2である。
分析用ケース20のケース本体21の底部を上側にして周縁部22を一対のホルダアーム33a,33bの間隙に凹部33dに沿って挿入させると、ホルダアーム33a,33bが変形するため、周縁部22をベース板31に向かってさらに挿入することができる。周縁部22が凹部33dにより位置決めされ、一対のホルダアーム33a,33bにより保持される。これにより、複数の分析用ケース20は、キャップ23がケースホルダ30の外側に向くように、一対のホルダアーム33a,33b毎にケースホルダ30に装着される。
ケースホルダ30の中心孔32の内周面32aに形成されている凸部32bとケースホルダスライド軸部7の外周面7aに形成されている凹部7bとを位置合わせして、ケースホルダ30の中心孔32にケースホルダスライド軸部7を挿入させる。これにより、ケースホルダ30は、ケースホルダスライド軸部7を回転軸とした回転方向に位置決めされ、着脱自在に装着される。
押し当て板40は、分析用ケース20のケース本体21が挿通される複数の貫通孔41が外周部に等間隔に形成されている。複数の貫通孔41は、ケースホルダ30の複数の一対のホルダアーム33a,33b、及び検出対象物質捕捉ユニット100の複数のリム310に対応して形成されている。
[抽出方法]
図10A、図10B、及び図11〜図21を用いて、検出対象物質であるエクソソーム121から内包物質125を抽出する抽出方法の一例を説明する。オペレータは、図10Aに示すフローチャートのステップS1にて、抽出装置1から押し当て板40及びケースホルダ30を取り外す。
図10A、図10B、及び図11〜図21を用いて、検出対象物質であるエクソソーム121から内包物質125を抽出する抽出方法の一例を説明する。オペレータは、図10Aに示すフローチャートのステップS1にて、抽出装置1から押し当て板40及びケースホルダ30を取り外す。
オペレータは、ステップS2にて、検出対象物質捕捉ユニット100の中心孔305にケースホルダスライド軸部7を挿通させ、検出対象物質捕捉ユニット100をターンテーブル3上に載置する。検出対象物質捕捉ユニット100はケースホルダスライド軸部7の凹部7bにより位置決めされる。
検出対象物質捕捉ユニット100の各ウェル101の内周面101aには高さH1の円筒状の反応領域320が形成され、底面101bには反応領域210が形成されている。反応領域210,320には、エクソソーム121が微粒子131と結合した状態で捕捉されている。
オペレータは、操作・表示部16を操作して、ユニットホルダ駆動部12を駆動制御部15により制御し、ユニットホルダ5を駆動させる。検出対象物質捕捉ユニット100は、ユニットホルダ5によりターンテーブル3上に装着される。
オペレータは、ステップS3にて、界面活性剤を主成分とする抽出液140を、検出対象物質捕捉ユニット100の各ウェル101内に注入する。抽出液140は、エクソソーム121の表皮を構成する脂質二重膜123を溶解させ、内包物質125を抽出液140中に遊離させる溶解液である。
オペレータは、ステップS4にて、複数の分析用ケース20を一対のホルダアーム33a,33b毎にケースホルダ30に装着する。オペレータは、図11に示すように、分析用ケース20のケース本体21の底部を上側にして、ケースホルダ30をケースホルダスライド軸部7に装着する。オペレータは、押し当て板40を押し当て板スライド軸部8に装着する。
ケースホルダ30はケースホルダスライド軸部7の凹部7bにより位置決めされる。押し当て板40は押し当て板スライド軸部8の凹部8bにより位置決めされる。これにより、検出対象物質捕捉ユニット100のウェル101及びリム310と、分析用ケース20のケース本体21と、押し当て板40の貫通孔41とは、同一の垂直軸上に配置される。
オペレータは、操作・表示部16を操作して、抽出装置1による抽出動作を実行させる。抽出装置1は、予め設定されているプログラムに基づいて抽出動作を実行する。具体的には、抽出装置1の駆動制御部15は、ステップS5にて、押し当て板駆動部13を制御して、押し当て板40を検出対象物質捕捉ユニット100と接近する方向(図11における下方向)へ移動させる。
押し当て板40は、貫通孔41にケース本体21が挿通され、ケースホルダ30と接触する。駆動制御部15は、押し当て板駆動部13を制御して、押し当て板40をさらに移動させることにより、ケースホルダ30及び分析用ケース20を押し当て板40と共に検出対象物質捕捉ユニット100と接近する方向へ移動させる。図11においては、ケースホルダ30及び分析用ケース20が押し当て板40と共に検出対象物質捕捉ユニット100と接近する方向は、図面の下方向となる。
図12または図13に示すように、駆動制御部15は、押し当て板駆動部13を制御して、ケースホルダ30及び分析用ケース20を押し当て板40と共に、ケースホルダ30の下面30aと検出対象物質捕捉ユニット100のカートリッジ本体301の上面301aとが接触しない位置まで移動させる。具体的には、駆動制御部15は、分析用ケース20のケース本体21と検出対象物質捕捉ユニット100のリム310との間隙GPが形成されるように押し当て板駆動部13を制御して、ケースホルダ30及び分析用ケース20を押し当て板40と共に移動させる。
図13に示すように、リム310は、カートリッジ本体301の上面301aに対して、カートリッジ本体301の中心部側が高く、外周部側が低くなるように斜めに切断されたような円筒形状を有する。そのため、間隙GPは検出対象物質捕捉ユニット100の外周部側に形成される。検出対象物質捕捉ユニット100の中心部側では、ケース本体21の内周面21aとリム310の外周面310bとは接触している。
抽出液140は、ウェル101内に高さH2(H2<H1)まで注入されている。従って、ウェル101内には試料液122よりも少量の抽出液140が注入されている。間隙GPは、抽出液140がエクソソーム121の脂質二重膜123を溶解させることにより発生するガス成分を、ウェル101内から検出対象物質捕捉ユニット100の外側に向かって排出するための排気口としての機能を有する。ガス成分は検出対象物質捕捉ユニット100の外側に向かって排出されるため、他のウェル101内へのガス成分の侵入を抑制できる。
駆動制御部15は、ステップS6にて、ターンテーブル回転駆動部11を制御して、検出対象物質捕捉ユニット100をターンテーブル3と共に回転させる。ケースホルダ30、分析用ケース20、及び押し当て板40は、検出対象物質捕捉ユニット100と共に回転する。
図14に示すように、駆動制御部15は、ターンテーブル傾斜駆動部14を制御して、検出対象物質捕捉ユニット100をターンテーブル3と共に傾斜させる。具体的には、駆動制御部15は、ターンテーブル傾斜回転軸部6を回転軸として、図15に示すように、検出対象物質捕捉ユニット100が所定の角度θ1に傾斜する状態となるようにターンテーブル傾斜駆動部14を制御する。ケースホルダ30、分析用ケース20、及び押し当て板40は、検出対象物質捕捉ユニット100と共に傾斜する。
検出対象物質捕捉ユニット100を所定の角度θ1に傾斜させると、ウェル101内の抽出液140は、液面を水平に保つように流動する。角度θ1及び検出対象物質捕捉ユニット100の傾斜前における抽出液140の高さH2は、反応領域210が形成されているウェル101の底面101bの中心C101bから、反応領域320が形成されているウェル101の内周面101aにおける高さH1までの範囲が抽出液140で満たされるように、設定されている。
検出対象物質捕捉ユニット100を回転させた状態で傾斜させることにより、抽出液140は、ウェル101の底面101bの中心C101bから内周面101aにおける底面101bから高さH1までの範囲が抽出液140で満たされた状態を維持しながら、ウェル101内を回転流動する。なお、ステップS6では、検出対象物質捕捉ユニット100を回転させてから傾斜させてもよいし、傾斜させてから回転させてもよいし、回転と傾斜とを同時に行ってもよい。
抽出液140は、反応領域210,320に捕捉されているエクソソーム121の表皮を構成する脂質二重膜123を溶解させる。具体的には、抽出液140は、脂質二重膜123の組織または細胞を破砕する。検出対象物質捕捉ユニット100を傾斜させた状態で抽出液140を回転流動させることにより、試料液122よりも少ない量の抽出液140で脂質二重膜123を効率的に溶解させることができる。
図16に示すように、エクソソーム121の表皮が溶解することにより、内包物質125が抽出液140中に遊離する。図16は図4に対応する。図16に示す内包物質125は、図5に示す内包物質125を簡略化して模式的に示している。
駆動制御部15は、検出対象物質捕捉ユニット100を傾斜させた状態で所定の時間だけ回転させた後、ステップS7にて、ターンテーブル回転駆動部11を制御して、ターンテーブル3の回転を停止させる。
駆動制御部15は、図10Bに示すフローチャートのステップS8にて、押し当て板駆動部13を制御して、図17に示すように、ケースホルダ30及び分析用ケース20を押し当て板40と共に、ケースホルダ30の下面30aと検出対象物質捕捉ユニット100のカートリッジ本体301の上面301aとが接触する位置まで移動させる。これにより、分析用ケース20のケース本体21はリム310に装着される。
ケース本体21の内周面21aとリム310の外周面310bとが全周に亘って接触するため、間隙GPは閉鎖される。即ち、抽出液140が溜められているウェル101の内部は、ケース本体21とリム310とにより密閉された状態となる。
駆動制御部15は、ステップS9にて、ターンテーブル傾斜回転軸部6を回転軸として、所定の角度θ1に傾斜している検出対象物質捕捉ユニット100がさらに角度θ2だけ回転した状態となるようにターンテーブル傾斜駆動部14を制御する。角度θ1と角度θ2とは、θ2=180°−θ1の関係を有する。
図18に示すように、検出対象物質捕捉ユニット100と分析用ケース20は、駆動制御部15によりリム310とケース本体21の底部とが下側に位置するように回転する。ケースホルダ30及び押し当て板40は、検出対象物質捕捉ユニット100と共に回転する。即ち、図18に示す状態は、図12に示す状態を上下に反転させた状態に相当する。これにより、検出対象物質捕捉ユニット100のウェル101及びリム310と、分析用ケース20のケース本体21と、押し当て板40の貫通孔41とは、同一の垂直軸上に配置される。
検出対象物質捕捉ユニット100を分析用ケース20と共にリム310及びケース本体21の底部が下側に位置するように回転させることにより、図19Aに示すように、複数のウェル101内の抽出液140は、各ウェル101の内周面101aを伝って、対応する複数の分析用ケース20のケース本体21へ一度に移し替えられる。
リム310は、リム310の端面310aと貫通孔302の内周面302aとの角度θaがカートリッジ本体301の中心部側で鋭角になるように、内周部から外周部に向かって傾斜した鋭利な先端形状を有する。リム310の鋭利な先端形状により、ウェル101の内周面101aを伝ってきた抽出液140の液切れを速やかに行うことができる。
図18及び図19Aに示す状態において、検出対象物質捕捉ユニット100が傾斜方向または回転方向に小刻みに往復回転駆動するように、駆動制御部15はターンテーブル傾斜駆動部14またはターンテーブル回転駆動部11を制御してもよい。
駆動制御部15は、ステップS10にて、押し当て板駆動部13を制御して、押し当て板40を検出対象物質捕捉ユニット100から離隔する方向(図18及び図19Aにおける下方向)に移動させる。押し当て板40は、貫通孔41からケース本体21が離脱する位置まで移動する。
駆動制御部15は、押し当て板駆動部13を制御して、押し当て板40をさらに移動させる。これにより、図19B及び図20に示すように、ケースホルダ30及び分析用ケース20は押し当て板40と共に検出対象物質捕捉ユニット100から離隔する方向へ移動する。抽出装置1は抽出動作を終了する。
オペレータは、ステップS11にて、ケースホルダ30に分析用ケース20が装着されている状態で、分析用ケース20のヒンジ24を折り曲げてキャップ23の凸部26をケース本体21の開口部25に挿入する。これにより、ケース本体21の内部に移し替えられた抽出液140はキャップ23により密閉される。オペレータは、抽出液140が密閉された分析用ケース20をケースホルダ30から取り外し、回収する。
分析用ケース20を抽出液140が密閉された状態でケースホルダ30から取り外すことにより、取り外すときの衝撃で抽出液140が分析用ケース20から外部へ飛び出すことを防止できる。
オペレータは、ケースホルダ30に装着されている全ての分析用ケース20を回収した後、ステップS12にて、操作・表示部16を操作して、ターンテーブル保持部4を初期位置へ移動させる。具体的には、図21に示すように、抽出装置1の駆動制御部15は、ターンテーブル傾斜回転軸部6を回転軸として、検出対象物質捕捉ユニット100が傾斜する前の状態に戻るようにターンテーブル傾斜駆動部14を制御し、ターンテーブル保持部4を初期位置へ移動させる。
オペレータは、ステップS13にて、抽出装置1から押し当て板40及びケースホルダ30を取り外す。オペレータは、操作・表示部16を操作して、検出対象物質捕捉ユニット100の装着が解除されるようにユニットホルダ駆動部12を駆動制御部15により制御し、ユニットホルダ5を駆動させる。オペレータは、抽出装置1から検出対象物質捕捉ユニット100を取り外す。以上により、抽出工程は終了となる。
分析用ケース20に回収された抽出液140は、試料液122よりも少量である。また、鋭利な先端形状を有するリム310により、抽出液140の液切れを速やかに行うことができるため、ウェル101内の抽出液140のほぼ全量を分析用ケース20に移し替えることができる。
回収された抽出液140中の内包物質125は、例えばリアルタイムPCR(Real-Time Polymerase Chain Reaction)法を用いて分析することができる。リアルタイムPCR法は、DNAポリメラーゼによる酵素反応を利用してDNAを増幅させ、増幅産物の増加量をリアルタイムでモニタリングして解析する方法である。
例えば、段階的に希釈した基準サンプルに対してリアルタイムPCR法を適用することにより増幅産物の増幅曲線を得る。増幅曲線と設定された閾値との交わる点であるCt(Threshold Cycle)値を算出し、検量線を作成する。回収された抽出液140についても基準サンプルと同様にCt値を算出し、算出したCt値と作成した検量線とからエクソソーム121の内包物質125を定性及び定量することができる。
従って、上記の抽出装置1及び抽出方法によれば、試料液122よりも少量の抽出液140でエクソソーム121の内包物質125を抽出することができる。また、上記の抽出装置1及び抽出方法によれば、検出対象物質捕捉ユニット100の複数のウェル101を用いて内包物質125を抽出し、ケースホルダ30に装着された複数の分析用ケース20に外気に触れることなく一度に移し替えることができる。そのため、抽出液140の移し替えを効率的に行うことができ、ピペッティングによる反応領域210,320の損傷を防止することができる。
よって、上記の抽出装置1及び抽出方法によれば、抽出液140中の内包物質125の濃度が低くなることを抑制し、反応領域210,320の損傷を防止してウェル101内の抽出液140を分析用ケース20に効率的に移し替えることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、図22及び図23に示すように、検出対象物質捕捉ユニット400を構成するカートリッジ500の貫通孔502が、リム310側の内径R11が試料分析用ディスク200側の内径R12よりも小さい形状を有する。図23は図15に対応する。図22及び図23に示す検出対象物質捕捉ユニット400は、前述の検出対象物質捕捉ユニット100と比較して、貫通孔502の形状が異なる点で相違し、それ以外の構成は同じである。検出対象物質捕捉ユニット400は、前述の抽出装置1に装着される。
検出対象物質捕捉ユニット400を用いて抽出液140中に内包物質125を抽出する抽出方法は、図10A及び図10Bのフローチャートに示す抽出方法と同じである。図10AのステップS6にて、検出対象物質捕捉ユニット400を傾斜させて回転させた場合、ウェル401を構成する貫通孔502のリム310側の内径R11が小さくなっているため、抽出液140がウェル401から外部へ飛び出すことを抑制できる。
また、図10Aに示すステップS2では、駆動制御部15がユニットホルダ駆動部12を制御してユニットホルダ5を駆動させることにより、検出対象物質捕捉ユニット100はターンテーブル3上に装着されるが、オペレータがユニットホルダ5を手動で操作することにより、検出対象物質捕捉ユニット100をターンテーブル3上に装着してもよい。この場合、ユニットホルダ駆動部12は不要となる。
また、図10AのステップS5から図10BのステップS10までの抽出工程は抽出装置1により自動で実行されるが、オペレータがステップ毎に操作・表示部16を操作して、抽出装置1による抽出動作をステップ毎に実行させてもよい。
1 抽出装置
3 ターンテーブル
11 ターンテーブル回転駆動部
14 ターンテーブル傾斜駆動部
100 検出対象物質捕捉ユニット
200 試料分析用ディスク
300 カートリッジ
301 カートリッジ本体
301a 上面(第1の面)
302 貫通孔
310 リム
3 ターンテーブル
11 ターンテーブル回転駆動部
14 ターンテーブル傾斜駆動部
100 検出対象物質捕捉ユニット
200 試料分析用ディスク
300 カートリッジ
301 カートリッジ本体
301a 上面(第1の面)
302 貫通孔
310 リム
Claims (5)
- 試料分析用ディスクと、
前記試料分析用ディスクに装着されているカートリッジと、
を備え、
前記カートリッジは、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体の前記試料分析用ディスクに装着されている面とは反対側の第1の面に形成されているリムと、
前記リム及び前記カートリッジ本体を貫通する貫通孔と、
を有し、
前記リムは、前記第1の面に対して前記カートリッジ本体の中心部側が高く、外周部側が低くなるように斜めに切断された円筒形状を有する
ことを特徴とする検出対象物質捕捉ユニット。 - 前記リムは、前記円筒形状の斜めに切断された第2の面と前記貫通孔の内周面との角度が前記カートリッジ本体の中心部側で鋭角になるように、前記円筒形状の内周部から外周部に向かって傾斜している先端形状を有することを特徴とする請求項1に記載の検出対象物質捕捉ユニット。
- 前記試料分析用ディスク及び前記貫通孔は、検出対象物質を捕捉するためのウェルを構成することを特徴とする請求項1または2に記載の検出対象物質捕捉ユニット。
- 検出対象物質捕捉ユニットと、
前記検出対象物質捕捉ユニットが装着されるターンテーブルと、
前記ターンテーブルを回転させるターンテーブル回転駆動部と、
前記ターンテーブルを傾斜させるターンテーブル傾斜駆動部と、
を備え、
検出対象物質捕捉ユニットは、
試料分析用ディスクと、
前記試料分析用ディスクに装着されているカートリッジと、
を有し、
前記カートリッジは、
カートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体の前記試料分析用ディスクに装着されている面とは反対側の第1の面に形成されているリムと、
前記リム及び前記カートリッジ本体を貫通する貫通孔と、
を有し、
前記リムは、前記第1の面に対して前記カートリッジ本体の中心部側が高く、外周部側が低くなるように斜めに切断された円筒形状を有する
ことを特徴とする抽出装置。 - ケース本体を有する分析用ケースが装着されるケースホルダと、
前記ケース本体が挿通される貫通孔を有する押し当て板と、
前記押し当て板を前記ケースホルダと共に前記ターンテーブルに接近する方向及び離隔する方向に移動させる押し当て板駆動部と、
をさらに備え、
前記ケース本体は、前記ケースホルダが前記ターンテーブルに接近することにより、前記リムに装着される
ことを特徴とする請求項4に記載の抽出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017058415A JP6747350B2 (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 検出対象物質捕捉ユニット及び抽出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017058415A JP6747350B2 (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 検出対象物質捕捉ユニット及び抽出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018159684A JP2018159684A (ja) | 2018-10-11 |
JP6747350B2 true JP6747350B2 (ja) | 2020-08-26 |
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ID=63796653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017058415A Active JP6747350B2 (ja) | 2017-03-24 | 2017-03-24 | 検出対象物質捕捉ユニット及び抽出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP6747350B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
KR102352887B1 (ko) * | 2020-02-18 | 2022-01-17 | 재단법인 한국기계전기전자시험연구원 | 스피커 지향 특성 시험지그 |
-
2017
- 2017-03-24 JP JP2017058415A patent/JP6747350B2/ja active Active
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JP2018159684A (ja) | 2018-10-11 |
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