JP6746884B2 - 眼科撮影装置及び眼科撮影プログラム - Google Patents

眼科撮影装置及び眼科撮影プログラム Download PDF

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    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/102Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for optical coherence tomography [OCT]

Description

本開示は、被検眼を撮影して観察するための眼科撮影装置及び眼科撮影プログラムに関する。
従来において、血管造影を行う装置として、例えば、眼底カメラ、走査型レーザー検眼装置などが知られている。この場合、特定の励起光によって発光する造影剤が体内に注射される。装置は、造影剤からの光を受光することによって、血管造影画像を得ていた。つまり、従来は、造影剤の注射が必要であった。
近年では、OCT技術を応用して、造影剤を用いずにモーションコントラスト(血管造影画像)を得る装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2010/143601号
OCTを用いて、正面(Enface)モーションコントラストデータ(例えば、ドップラー正面(Enface)画像データ、スペックルバリアンス正面画像データ)又は三次元モーションコントラストデータを取得する場合、各走査位置において、被検眼の同一の部位に関して時間的に異なる複数のOCT信号を取得し、取得された各走査位置での複数のOCT信号を処理して被検眼における正面モーションコントラストデータ又は三次元モーションコントラストデータを取得している。しかしながら、被検体の同一の部位に関して時間的に異なる複数のOCT信号を取得している間に、被検眼の動き等によって、撮影状態が変更されてしまい、良好な正面モーションコントラストデータ又は良好な三次元モーションコントラストデータを取得することができないことがあった。
本開示は、上記問題点を鑑み、診断に有用な正面モーションコントラストデータ又は診断に有用な三次元モーションコントラストデータを取得することができる眼科撮影装置及び眼科撮影プログラムを提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 本開示の第1態様に係る眼科撮影装置は、被検眼を撮影する眼科撮影装置であって、被検眼の断層画像データを得るOCT光学系によって、被検眼上の同一位置に関して時間的に異なる複数のOCT信号を取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって、取得された各走査位置での深さ方向における前記複数のOCT信号を処理して、前記被検眼における正面モーションコントラストデータ又は三次元モーションコントラストデータを取得する画像処理手段と、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータを、複数の領域に分割する画像分割手段と、前記画像分割手段によって分割された分割領域毎の正面モーションコントラストデータ又は分割領域毎の三次元モーションコントラストデータの適否を、分割領域毎に判定する判定手段と、を備え、前記画像処理手段は、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータにおいて、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータから輝度値の変化に基づいて画像処理によってモーションアーチファクトを検出し、前記モーションアーチファクトが検出された位置の内、少なくとも1つ以上の位置を、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータを前記複数の領域に分割するための分割位置として設定することを特徴する。
(2) 本開示の第2態様に係る眼科撮影装置は、被検眼を撮影する眼科撮影装置であって、被検眼の断層画像データを得るOCT光学系によって、被検眼上の同一位置に関して時間的に異なる複数のOCT信号を取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって、取得された各走査位置での深さ方向における前記複数のOCT信号を処理して、前記被検眼における正面モーションコントラストデータを取得する画像処理手段と、を備え、前記画像処理手段は、前記正面モーションコントラストデータにおいて、前記正面モーションコントラストデータから輝度値の変化に基づいて画像処理によって、モーションアーチファクトを検出し、前記モーションアーチファクトが検出された位置の内、少なくとも1つ以上の位置を、正面モーションコントラストデータを再取得する位置として設定することで、前記画像処理手段によって前記モーションアーチファクトが検出された二次元領域と同一の領域における正面モーションコントラストデータを前記第1取得手段によって再取得させ、再取得した正面モーションコントラストデータを、前記モーションアーチファクトが検出された二次元領域における正面モーションコントラストデータとして補完する制御手段を備えることを特徴する。
(3) 本開示の第3態様に係る眼科撮影プログラムは、被検眼を撮影する眼科撮影装置の動作を制御する制御装置において実行される眼科撮影プログラムであって、前記制御装置のプロセッサによって実行されることで、被検眼の断層画像データを得るOCT光学系によって、被検眼上の同一位置に関して時間的に異なる複数のOCT信号を取得する第1取得ステップと、前記第1取得ステップによって、取得された各走査位置での深さ方向における前記複数のOCT信号を処理して、前記被検眼における正面モーションコントラストデータ又は三次元モーションコントラストデータを取得する画像処理ステップであって、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータにおいて、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータから輝度値の変化に基づいて画像処理によってモーションアーチファクトを検出し、前記モーションアーチファクトが検出された位置の内、少なくとも1つ以上の位置を、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータを前記複数の領域に分割するための分割位置として設定する画像処理ステップと、前記正面モーションコントラストデータ又は三次元モーションコントラストデータを、複数の領域に分割する画像分割ステップと、前記画像分割ステップによって分割された分割領域毎の正面モーションコントラストデータ又は分割領域毎の三次元モーションコントラストデータの適否を、分割領域毎に判定する判定ステップと、を前記眼科撮影装置に実行させることを特徴とする。
(4) 本開示の第4態様に係る眼科撮影プログラムは、被検眼を撮影する眼科撮影装置の動作を制御する制御装置において実行される眼科撮影プログラムであって、前記制御装置のプロセッサによって実行されることで、被検眼の断層画像データを得るOCT光学系によって、被検眼上の同一位置に関して時間的に異なる複数のOCT信号を取得する第1取得ステップと、前記第1取得ステップによって、取得された各走査位置での深さ方向における前記複数のOCT信号を処理して、前記被検眼における正面モーションコントラストデータを取得し、前記正面モーションコントラストデータにおいて、前記正面モーションコントラストデータから輝度値の変化に基づいて画像処理によって、モーションアーチファクトを検出する画像処理ステップと、前記モーションアーチファクトが検出された位置の内、少なくとも1つ以上の位置を、正面モーションコントラストデータを再取得する位置として設定することで、前記画像処理ステップによって前記モーションアーチファクトが検出された二次元領域と同一の領域における正面モーションコントラストデータを再取得させる第2取得ステップと、再取得した正面モーションコントラストデータを、前記モーションアーチファクトが検出された二次元領域における正面モーションコントラストデータとして補完する制御ステップと、を前記眼科撮影装置に実行させることを特徴とする。
本実施形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置の構成について説明するブロック図である。 本実施形態に係るOCT光学系の概略を示す図である。 OCTデータを処理するときの制御動について説明するフローチャートを示している。 OCT信号の取得動作について説明する図である。 血管強調画像データの生成について説明する図である。 正面モーションコントラストデータの補正処理動作の一例を示すフローチャートである。 正面モーションコントラストデータの一例を示す図である。 正面モーションコントラストデータの分割について説明する図である。 モーションアーチファクトの検出について説明する図である。 第3正面画像と分割領域における正面モーションコントラストデータとの位置合わせについて説明する図である。
以下、典型的な実施形態の1つについて、図面を参照して説明する。なお、本実施形態においては、眼科撮影装置として、光コヒーレンストモグラフィ装置(以下、OCTデバイスと記載)を例に挙げて説明する。もちろん、眼底カメラ、眼科用走査型レーザー検眼鏡(SLO)等であってもよい。図1は本実施形態に係る光コヒーレンストモグラフィ装置の構成について説明するブロック図である。図2は、OCT光学系について説明する概略図である。
光コヒーレンストモグラフィ装置(以下、OCTデバイスと記載)1は、OCT光学系(干渉光学系)100によって取得された検出信号を処理する。本実施形態において、OCTデバイス1は、OCT光学系100によって撮影された画像を表示手段(例えば、モニタ)75上で観察できる構成を備える。例えば、OCTデバイス1は、OCT光学系100と、CPU(制御部)70と、マウス(操作部)76と、メモリ(記憶部)72と、モニタ75と、を備え、各部はバス等を介してCPU70と電気的に接続されている。なお、以下の説明においては、被検眼として、被検眼の眼底をOCTデバイス1によって撮影する場合を例に挙げて説明する。もちろん、OCTデバイス1としては、被検眼の前眼部を撮影することができる。
制御部70は、メモリ72に記憶されている演算プログラム及び各種制御プログラム等に基づいて各部の動作を制御する(詳細は後述する)。なお、制御部70、操作部76、メモリ72、モニタ75として、市販のPC(パーソナルコンピュータ)が持つ演算処理部、入力部、記憶部、表示部を用い、市販のPCに各種プログラムをインストールするようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、OCTデバイス1として、OCT光学系100と、各部と、が一体となった装置を例に挙げて説明するがこれに限定されない。例えば、OCTデバイス1としては、OCT光学系100を備えていない構成であってもよい。この場合、OCTデバイスは、別途設けられたOCT光学系等と接続され、OCT信号又はOCT画像データを受信し、受信した情報に基づいて、各種演算処理を行う。
例えば、本実施形態において、OCT光学系100は、正面観察光学系200を含む。もちろん、OCT光学系と、正面観察光学系200が一体となった構成でなくてもよい。OCT光学系100は、眼底Efに測定光を照射する。OCT光学系100は、眼底Efから反射された測定光と,参照光との干渉状態を受光素子(検出器120)によって検出する。OCT光学系100は、眼底Ef上の撮像位置を変更するため、眼底Ef上における測定光の照射位置を変更する照射位置変更ユニット(例えば、光スキャナ108、固視標投影ユニット300)を備える。制御部70は、設定された撮像位置情報に基づいて照射位置変更ユニットの動作を制御し、検出器120からの受光信号に基づいて断層画像を取得する。
<OCT光学系>
OCT光学系100について説明する。OCT光学系100は、いわゆる眼科用光断層干渉計(OCT:Optical coherence tomography)の装置構成を持ち、被検眼Eの断層画像を撮像する。例えば、制御部70は、OCT光学系100を制御することによって、OCT信号を取得する。OCT光学系100は、測定光源102から出射された光をカップラー(光分割器)104によって測定光(試料光)と参照光に分割する。そして、OCT光学系100は、測定光学系106によって測定光を眼Eの眼底Efに導き,また、参照光を参照光学系110に導く。その後、眼底Efによって反射された測定光と,参照光との合成による干渉光を検出器120に受光させる。
検出器120は、測定光と参照光との干渉信号を検出する。フーリエドメインOCTの場合では、干渉光のスペクトル強度(スペクトル干渉信号)が検出器120によって検出され、スペクトル強度データに対するフーリエ変換によって複素OCT信号が取得される。
例えば、フーリエドメインOCTにおいて、スペクトル強度データに対するフーリエ変換によって取得された複素OCT信号における振幅の絶対値を算出することによって、所定範囲における深さプロファイル(Aスキャン信号)が取得される。光スキャナ108によって走査された測定光の各走査位置における深さプロファイルを並べることによって、OCT画像データ(断層画像データ)が取得される。さらに、測定光を二次元的に走査することによって、三次元OCT画像データ(三次元断層画像データ)を取得してもよい。また、三次元OCT画像データから、OCT正面(Enface)画像データ(例えば、深さ方向に関して積算された積算画像データ、XY各位置でのスペクトルデータの積算値、ある一定の深さ方向におけるXY各位置での輝度データ、網膜表層画像データ、等)が取得されてもよい。
また、時間の異なる同じ位置(同一の部位)における少なくとも2つ以上のOCT信号から、モーションコントラストデータが取得される。すなわち、少なくとも2つ以上の複素OCT信号が、解析処理されることで、モーションコントラストデータが取得される。例えば、複素OCT信号から一次元モーションコントラストデータが取得される。光スキャナ108によって走査された測定光の各走査位置における一次元モーションコントラストデータを並べることによって、二次元モーションコントラストデータが取得される。さらに、測定光をXY方向に二次元的に走査することによって、三次元モーションコントラストデータ(モーションコントラストボリュームデータ)が取得される。また、三次元モーションコントラストデータから、正面(Enface)モーションコントラストデータ(例えば、ドップラー正面(Enface)画像データ、スペックルバリアンス正面画像データ等)が取得される。なお、各データは、生成された画像のデータであってもよいし、画像が生成される前の信号データであってもよい。なお、モーションコントラストデータの詳細については後述する。
例えば、フーリエドメインOCTとしては、Spectral-domain OCT(SD−OCT)、Swept-source OCT(SS−OCT)が挙げられる。また、例えば、Time-domain OCT(TD−OCT)であってもよい。SD−OCTの場合、光源102として低コヒーレント光源(広帯域光源)が用いられ、検出器120には、干渉光を各周波数成分(各波長成分)に分光する分光光学系(スペクトロメータ)が設けられる。スペクトロメータは、例えば、回折格子とラインセンサからなる。SS−OCTの場合、光源102として出射波長を時間的に高速で変化させる波長走査型光源(波長可変光源)が用いられ、検出器120として、例えば、単一の受光素子が設けられる。光源102は、例えば、光源、ファイバーリング共振器、及び波長選択フィルタによって構成される。そして、波長選択フィルタとして、例えば、回折格子とポリゴンミラーの組み合わせ、ファブリー・ペローエタロンを用いたものが挙げられる。
光源102から出射された光は、カップラー104によって測定光束と参照光束に分割される。そして、測定光束は、光ファイバーを通過した後、空気中へ出射される。その光束は、光スキャナ108、及び測定光学系106の他の光学部材を介して眼底Efに集光される。そして、眼底Efで反射された光は、同様の光路を経て光ファイバーに戻される。
光スキャナ108は、眼底上で二次元的に(XY方向)に測定光を走査させる。光スキャナ108は、瞳孔と略共役な位置に配置される。光スキャナ108は、例えば、2つのガルバノミラーであり、その反射角度が駆動機構50によって任意に調整される。
これにより、光源102から出射された光束はその反射(進行)方向が変化され、眼底上で任意の位置に走査される。これにより、眼底Ef上における撮像位置が変更される。光スキャナ108としては、光を偏向させる構成であればよい。例えば、反射ミラー(ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントスキャナ)の他、光の進行(偏向)方向を変化させる音響光学素子(AOM)等が用いられる。
参照光学系110は、眼底Efでの測定光の反射によって取得される反射光と合成される参照光を生成する。参照光学系110は、マイケルソンタイプであってもよいし、マッハツェンダタイプであっても良い。参照光学系110は、例えば、反射光学系(例えば、参照ミラー)によって形成され、カップラー104からの光を反射光学系により反射することにより再度カップラー104に戻し、検出器120に導く。他の例としては、参照光学系110は、透過光学系(例えば、光ファイバー)によって形成され、カップラー104からの光を戻さず透過させることにより検出器120へと導く。
参照光学系110は、参照光路中の光学部材を移動させることにより、測定光と参照光との光路長差を変更する構成を有する。例えば、参照ミラーが光軸方向に移動される。光路長差を変更するための構成は、測定光学系106の測定光路中に配置されてもよい。
<正面観察光学系>
正面観察光学系200は、被検眼の正面画像データを取得する。なお、正面画像データは、生成された画像のデータであってもよいし、画像が生成される前の信号データであってもよい。例えば、正面観察光学系200は、眼底Efの正面画像を得るために設けられている。本実施形態において、正面観察光学系200は、例えば、光源から発せられた測定光(例えば、赤外光)を眼底上で二次元的に走査させる光スキャナと、眼底と略共役位置に配置された共焦点開口を介して眼底反射光を受光する第2の受光素子と、を備え、いわゆる眼科用走査型レーザー検眼鏡(SLO)の装置構成を持つ。
なお、正面観察光学系200の構成としては、いわゆる眼底カメラタイプの構成であってもよい。また、例えば、赤外光を用いて被検体を撮影する赤外撮影光学系であってもよい。また、例えば、OCT光学系100が、正面観察光学系200を兼用してもよい。すなわち、正面画像データ(以下、正面画像と記載)は、二次元的に得られた断層画像(OCT正面画像)を形成するデータを用いて取得されるようにしてもよい。
なお、正面観察光学系200がOCTデバイス等と一体となった構成でなくてもよい。この場合、例えば、別途設けられた正面観察光学系200によって取得された正面画像データが、OCTデバイス等によって受信される。
<固視標投影ユニット>
固視標投影ユニット300は、被検眼Eの視線方向を誘導するための光学系を有する。固視標投影ユニット300は、被検眼Eに呈示する固視標を有し、複数の方向に被検眼Eを誘導できる。
例えば、固視標投影ユニット300は、可視光を発する可視光源を有し、視標の呈示位置を二次元的に変更させる。これにより、視線方向が変更され、結果的に撮像部位が変更される。例えば、撮影光軸と同方向から固視標が呈示されると、眼底の中心部が撮像部位として設定される。また、撮影光軸に対して固視標が上方に呈示されると、眼底の上部が撮像部位として設定される。すなわち、撮影光軸に対する視標の位置に応じて撮影部位が変更される。
固視標投影ユニット300としては、例えば、マトリクス状に配列されたLEDの点灯位置により固視位置を調整する構成、光源からの光を光スキャナによって走査させ、光源の点灯制御により固視位置を調整する構成、等、種々の構成が考えられる。また、固視標投影ユニット300は、内部固視灯タイプであってもよいし、外部固視灯タイプであってもよい。
<制御部>
制御部70は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM等を備える。制御部70のCPUは、各構成100〜300の各部材など、装置全体の制御を司る。RAMは、各種情報を一時的に記憶する。制御部70のROMには、装置全体の動作を制御するための各種プログラム、初期値等が記憶されている。なお、制御部70は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。
制御部70には、不揮発性メモリ(記憶手段)72、操作部(コントロール部)76、および表示部(モニタ)75等が電気的に接続されている。不揮発性メモリ(メモリ)72は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体である。例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、OCTデバイス1、及び、OCT光学系100に着脱可能に装着されるUSBメモリ等を不揮発性メモリ72として使用することができる。メモリ72には、OCT光学系100による正面画像データおよび断層画像データの撮影を制御するための撮影制御プログラムが記憶されている。また、メモリ72には、OCTデバイス1を使用することを可能にする眼底解析プログラムが記憶されている。また、メモリ72には、走査ラインにおける断層画像データ(OCT画像データ)、三次元断層画像データ(三次元OCT画像データ)、正面画像データ(眼底正面画像データ)、断層画像データの撮影位置の情報等、撮影に関する各種情報が記憶される。操作部76には、検者による各種操作指示が入力される。
操作部76は、入力された操作指示に応じた信号を制御部70に出力する。操作部74には、例えば、マウス、ジョイスティック、キーボード、タッチパネル等の少なくともいずれかを用いればよい。
モニタ75は、装置本体に搭載されたディスプレイであってもよいし、本体に接続されたディスプレイであってもよい。パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)のディスプレイを用いてもよい。複数のディスプレイが併用されてもよい。また、モニタ75は、タッチパネルであってもよい。なお、モニタ75がタッチパネルである場合に、モニタ75が操作部として機能する。モニタ75には、OCT光学系100によって撮影された断層画像データおよび正面画像データを含む各種画像が表示される。
<信号処理方法>
本実施形態におけるOCT信号からモーションコントラストデータを取得するための演算処理方法について説明する。本実施形態において、モーションコントラストデータを取得するために、制御部70は、同じ位置において、時間の異なる少なくとも2フレームの干渉信号(OCT信号)を取得する。
本実施形態において、制御部70は、ドップラー位相差法に関する処理と、ベクトル差分法に関する処理と、を行うことによって、複数のOCT信号からモーションコントラストデータ(例えば、二次元モーションコントラストデータ)を取得する。複素OCT信号を処理する方法としては、例えば、複素OCT信号の位相差を算出する方法、複素OCT信号のベクトル差分を算出する方法、複素OCT信号の位相差及びベクトル差分を掛け合わせる方法などが考えられる。本実施形態では、位相差とベクトル差分を掛け合わせる方法を例に説明する。
初めに、制御部70は、OCT光学系100を制御して、OCT信号を取得する。制御部70は、OCT光学系100によって取得されたOCT信号をフーリエ変換する。制御部70は、フーリエ変換によって、複素OCT信号を得る。複素OCT信号は、実数成分と虚数成分とを含む。
血流信号を得るには、時間が異なる同じ位置の画像を比較することが必要である。このため、制御部70は、画像情報を基に画像の位置合わせをすることが好ましい。イメージのレジストレーションは、複数のイメージを揃えて配置するプロセスである。イメージの位置がずれる原因として、例えば、撮影中の被検眼の動き(例えば、固視微動、調節微動、拍動等)等が考えられる。なお、フレーム間の位置合わせをしても、同じ画像内でAスキャンライン間に位相ずれが生じる場合がある。したがって、位相補正を行うことが好ましい。なお、レジストレーション及び位相補正の処理は、本実施形態の処理を行いやすくするためのものであり、必須ではない。
次に、制御部70は、同じ位置の少なくとも2つ以上の異なる時間に取得された複素OCT信号に対して、位相差を算出する。制御部70は、S/N比(信号雑音比)が低い領域に存在するランダムな位相差を取り除く。
制御部70は、位相差の小さい部分を取り除く。これは、NFL(神経線維層)などの高反射部からの反射信号を取り除くためである。これによって、高反射部からの信号なのか、血管からの信号なのか、区別し易くなる。本実施形態においては、位相差を算出したフレームが1つ取得される。なお、位相差を算出したフレームが複数ある場合には、制御部70は、上記の処理を施したフレームの信号を加算平均処理し、ノイズを除去するとよりよい。もちろん、ノイズ除去処理をしない構成であってもよい。
次いで、制御部70は、複素OCT信号のベクトル差分を算出する。例えば、OCT光学系によって検出された複素OCT信号のベクトル差分を算出する。例えば、複素OCT信号は、複素平面上のベクトルとして表すことができる。そこで、異なる時間における同じ位置での2つの信号を検出し、ベクトル差分を算出することで、被検眼内の造影画像データを生成する。なお、ベクトル差分を画像化する場合、例えば、差分の大きさの他に、位相情報に基づいて画像化を行ってもよい。本実施形態においては、ベクトル差分を算出したフレームが1つ取得される。なお、ベクトル差分を算出したフレームが複数ある場合には、制御部70は、上記の処理を施したフレームの信号を加算平均処理し、ノイズを除去するとよりよい。
制御部70は、ベクトル差分の算出結果に、位相差の算出結果をフィルタとして用いる。なお、本実施形態の説明において、「フィルタを掛ける」とは、例えば、ある数値に重み付けを行うことである。例えば、制御部70は、ベクトル差分の算出結果に、位相差の算出結果を掛けることで重み付けを行う。つまり、位相差の小さい部分のベクトル差分は、弱められ、位相差の大きい部分のベクトル差分は、強められる。これによって、ベクトル差分の算出結果は、位相差の算出結果によって重み付けされる。また、例えば、重み付けとしては、閾値を設けて、ある位相差が閾値未満の部分のベクトル差分を弱め、閾値以上の位相差は補正しないような非線形に重み付けをする構成であってもよい。
なお、本実施形態の処理において、制御部70は、例えば、ベクトル差分の算出結果と、位相差の算出結果を掛け合わせる。これによって、制御部70は位相差の算出結果によって重み付けされた二次元モーションコントラストデータを生成する。
ベクトル差分の算出結果と、位相差の算出結果を掛け合わせることによって、それぞれの測定方法のデメリットを打ち消すことができ、上手く血管部の画像データを取得することができる。
制御部70は、各走査ラインに上記演算処理を行い、各走査ラインにおける二次元モーションコントラストデータを取得する。そして、これらの複数の位置で、二次元モーションコントラストデータを取得することによって、疑似的な血管造影画像として用いられる正面モーションコントラストデータを取得することができる。
なお、本実施形態においては、制御部70は、モーションコントラストデータを取得するために、ベクトル差分の算出結果と位相差の算出結果とを掛け合わせる構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、モーションコントラストデータは、ベクトル差分の算出結果を用いて取得されてもよい。また、例えば、モーションコントラストデータは、位相差の算出結果を用いて取得されてもよい。また、例えば、モーションコントラストデータは、振幅の差分結果、Amplitude-decorrelation、Speckle variance、Phase variance等によって取得されてもよい。
なお、本実施形態においては、制御部70は、2つのOCT信号を用いて、モーションコントラストデータを取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。モーションコントラストデータは、2つ以上のOCT信号によって取得される構成であってもよい。
<撮影動作>
以下、OCTデバイス1を用いた一連の撮影動作について説明する。図3は、OCTデータを処理するときの制御動について説明するフローチャートを示している。なお、以下の説明については、正面モーションコントラストデータを取得する場合を例に挙げて説明する。もちろん、本発明に開示の技術は、モーションコントラストデータを取得する際に適用することができる。例えば、一次元モーションコントラストデータを取得する場合や二次元モーションコントラストデータを取得する場合等に適用することができる。
初めに、検者は、固視標投影ユニット300の固視標を注視するように被検者に指示した後、図示無き前眼部観察用カメラで撮影される前眼部観察像をモニタ75で見ながら、被検眼の瞳孔中心に測定光軸がくるように、操作部76(例えば、図示無きジョイスティック)を用いて、アライメント操作を行う。
例えば、アライメント操作が完了すると、制御部70は、OCT光学系100を制御し、設定された領域に対応する三次元OCT画像データを取得する。また、制御部70は、正面観察光学系200を制御し、眼底画像データ(眼底正面画像データ)を取得する。そして、制御部70は、OCT光学系100によって三次元OCT画像データ、正面観察光学系200によって眼底画像データを随時取得する。なお、三次元OCT画像データには、XY方向に関して二次元的にAスキャン信号を並べた画像データ、三次元グラフィック画像、などが含まれる。
検者は、正面観察光学系200の眼底正面像を用いて、走査位置を設定する。そして、操作部76から撮影開始の信号が出力されると、制御部70は、光スキャナ108の動作を制御し、撮像領域に対応する走査範囲において測定光をXY方向に二次元的に走査させることにより三次元モーションコントラストデータの取得を開始する。なお、走査パターンとして、例えば、ラスタースキャン、複数のラインスキャン、サークル状、屈折のある形状、屈曲のある形状、等が考えられる。
<OCT信号取得(S1)>
例えば、撮影開始の信号が出力されると、制御部70は、正面モーションコントラストデータを取得するために、光スキャナ108の駆動を制御し、眼底上で測定光を走査させる。例えば、撮影開始の信号の出力に応じて、制御部70は、設定されたフレームレートにてOCT信号を取得するために、OCT光学系100を制御する。なお、OCT信号を得るフレームレートは、OCT信号の取得開始前後で変更してもよいし、変更しなくてもよい。
図4は、本実施形態の撮影について説明するための模式図である。制御部70は、同一の走査位置(同一の部位)で複数のOCT信号を取得する。なお、同一の走査位置とは、完全に同一な走査位置である必要はなく、略同一の走査位置で走査されるものであってもよい。このため、制御部70は、眼底上の同一の走査位置での走査を繰り返す。このような複数の走査によって、制御部70は、同一の走査位置における複数のOCT信号を取得できる。
図4に示すように、例えば、制御部70は、走査位置(走査ライン)S1,S2,・・・,Snに沿ってX方向に測定光を走査させる。例えば、第1の走査位置S1に沿ってX方向に測定光を走査させる。このように、XY方向のいずれかの方向(例えば、X方向)に測定光を走査させることを「Bスキャン」と呼ぶ。以下、1フレームの干渉信号とは、1回のBスキャンによって得られたOCT信号として説明する。制御部70は、走査中に検出器120によって検出されたOCT信号を取得する。なお、図4において、Z軸の方向は、測定光の光軸の方向とする。X軸の方向は、Z軸に垂直かつ左右の方向とする。Y軸の方向は、Z軸に垂直かつ上下の方向とする。
1回目の走査が完了すると、制御部70は、1回目と同じ位置で2回目の走査を行う。例えば、制御部70は、図4に示す第1の走査ラインS1に沿って測定光を走査させた後、再び測定光を走査させる。制御部70は、2回目の走査中に検出器120によって検出されたOCT信号を取得する。これによって、制御部70は、同一の走査位置における時間の異なる2フレームのOCT信号を取得することができる。例えば、制御部70は、同一の走査位置において、繰り返しOCT信号を取得し、4フレームのOCT信号を取得する。なお、本実施形態においては、同一の走査位置において、4フレームのOCT信号を取得する構成を例に挙げて説明するが、これに限定されない。同じ位置において、少なくとも2フレームのOCT信号が取得される構成であればよい。例えば、同じ位置での走査を8回繰り返し、時間の異なる連続する8フレームのOCT信号を取得するようにしてもよいし、同じ位置での走査を2回繰り返し、時間の異なる2フレームのOCT信号を取得するようにしてもよい。
なお、1回の走査で、時間の異なる同じ位置のOCT信号を取得することができる場合は、2回目の走査を行わなくてもよい。例えば、所定間隔だけ光軸のずれた2つの測定光を1度に走査させる場合、複数回走査する必要はなく、被検眼内の同じ位置における時間の異なるOCT信号を取得することができればよい。すなわち、同じ位置とは、完全に同一な位置である必要はなく、実質的に同じ位置で走査されるものであってもよい。なお、2つの測定光を1度に走査させる場合、2つの測定光の間隔によって任意の血流速度を目標として検出できる。
<正面画像取得>
一方、撮影開始の信号の出力に応じて、制御部70は、正面画像を繰り返し得るため、正面観察光学系200を制御する。制御部70は、複数のOCT信号が取得されている間、正面画像の取得動作を繰り返す。このような制御により、制御部70は、OCT信号が取得されている間の眼の移動(動き)を監視する。例えば、制御部70は、正面観察光学系200の作動により眼底正面からの反射光を受光する。制御部70は、受光された反射光を処理することにより正面画像を取得する。なお、本実施形態において、例えば、正面画像は、15°〜40°程度の画角にて、取得される。もちろん、画角はこれに限定されない。制御部70は、取得された複数の正面画像を随時メモリ72に記憶させる。以上のように、制御部70は、正面画像の取得とOCT信号の取得を並行させる。
<正面モーションコントラストデータの取得(S2)>
制御部70は、上記のようにOCT信号を取得すると、複数のOCT信号を処理して被検眼眼底におけるモーションコントラストデータ(本実施形態においては、正面モーションコントラストデータ)を取得する。なお、正面モーションコントラストデータは、複数のOCT信号を処理して取得される三次元モーションコントラストデータに基づいて取得される。
より詳細には、例えば、正面モーションコントラストデータを取得する場合、制御部70は、三次元モーションコントラストデータを深さ方向に関して積算することによって、正面モーションコントラストデータを取得する。もちろん、正面モーションコントラストデータは、XY各位置でのスペクトルデータの積算、ある一定の深さ方向におけるXY各位置での輝度データの抽出等によって、取得されてもよい。なお、例えば、正面モーションコントラストデータとしては、所定の深さ領域において取得される構成であってもよい。例えば、所定の深さ領域における正面モーションコントラストデータとは、三次元モーションコントラストデータの深さ方向の全領域(例えば、各網膜層の全層間)、三次元モーションコントラストデータの深さ方向の一部の領域(例えば、各網膜層の内の少なくとも1つの層、又は、各網膜層の内の複数の層間)等において、取得される正面モーションコントラストデータが挙げられる。
<血管強調画像データ生成(S3)>
また、例えば、制御部70は、複数のOCT信号が取得されている間に取得されている正面画像(正面観察光学系200によって取得された正面画像)に基づいて血管強調画像データ(以下、血管強調画像データと記載)を取得する(S3)。もちろん、血管強調画像データは、生成された画像のデータであってもよいし、画像が生成される前の信号データであってもよい。
以下、血管強調画像データの取得について、より詳細に説明する。例えば、制御部70は、被検眼上において第1正面画像データ(以下、第1正面画像と記載)を取得するとともに、第1正面画像を取得した部位と共通する部位を含む第2正面画像データ(以下、第2正面画像と記載)を取得する。例えば、第1正面画像と第2正面画像は、異なる時間に同一部位において取得される。例えば、第1正面画像を取得した後、第2正面画像を取得する間までの時間は、血流が抽出できる時間で設定されるようにすればよい。
図5は、血管強調画像データの生成について説明する図である。本実施形態において、第1正面画像F1を取得した部位と共通する部位を含む第2正面画像F2としては、第1正面画像F1を取得した被検眼上の部位と同一部位において取得する。すなわち、第1正面画像F1と第2正面画像F2とを、同一の撮影範囲、同一の撮影部位にて撮影する。なお、本実施形態において、同一とは完全に同一である必要はなく、略同一であってもよい。なお、第2正面画像F2としては、第1正面画像F1を取得した部位と共通する部位を含むように取得される構成であればよい。例えば、第1正面画像F1と第2正面画像F2の撮影範囲が異なる(例えば、撮影画角が異なる等)構成、第1正面画像F1と第2正面画像F2との撮影部位がずれて撮影されている構成等であってもよい。
制御部70は、第1正面画像F1と、第2正面画像F2と、を比較処理して、第1正面画像F1と第2正面画像F2とで共通する部位の少なくとも一部における血管強調画像データ(以下、血管強調画像と記載)を含む第3正面画像データ(以下、第3正面画像と記載)F3を基準画像データ(以下、基準画像と記載)として生成する。もちろん、各画像データは、画像データであってもよいし、信号データであってもよい。
例えば、本実施形態において、制御部70は、第1正面画像F1と第2正面画像F2とで共通する部分全体において、血管強調画像を取得する。なお、血管強調画像を取得する構成としてはこれに限定されない。血管強調画像を取得する構成としては、第1正面画像F1と第2正面画像F2とで共通する部位の少なくとも一部において取得される構成であればよい。例えば、血管強調画像を取得する構成としては、第1正面画像F1と第2正面画像F2とで共通する部位の一部において取得される構成であってもよい。この場合、例えば、第1正面画像F1と第2正面画像F2の共通の部位の内、一部の部位の画像データを比較処理して、一部の部位の血管強調画像を取得する。
なお、本実施形態において、第3正面画像F3全体が血管強調画像となる。すなわち、本実施形態において、同一部位において取得された、第1正面画像F1全体と第2正面画像F2全体とを比較処理することによって、画像全体が血管強調画像である第3正面画像F3を取得する。もちろん、第3正面画像F3としては、画像上の一部に血管強調画像が含まれる構成であってもよい。この場合、第3正面画像F3の内、一部が血管強調画像であり、他の部分は、第1正面画像F1等の画像データが用いられる。もちろん、血管強調画像を除いた画像領域において、第1正面画像F1及び第2正面画像F2に基づいて取得された画像を用いてもよい。例えば、第1正面画像F1と第2正面画像F2とで加算平均処理された加算平均画像が用いられる構成であってもよい。
本実施形態において、第3正面画像F3は、各種制御、各種設定を行うための基準画像として用いられる。例えば、第3正面画像F3は、他の正面画像を位置合わせする基準となる基準画像(テンプレート)として用いられる。この場合、例えば、第3正面画像F3は、正面モーションコントラストデータの補正のための基準画像として用いられる。また、例えば、第3正面画像F3は、OCT光学系100による断層画像データの取得位置(走査位置)の設定、確認等を行うための画像として用いられる。なお、本実施形態においては、上記のように取得された正面モーションコントラストデータを補正するための基準画像として第3正面画像F3が用いられる(詳細は後述する)。
<正面画像の比較処理>
以下、より詳細に第3正面画像F3を取得する比較処理について説明する。本実施形態において、比較処理として、統計処理を用いることによって、第3正面画像(本実施形態においては、血管強調画像)F3を取得する。より詳細には、例えば、制御部70は、比較処理として、第1正面画像F1と、第2正面画像F2と、の輝度値の比率から輝度値の時間的な変化を取得し、取得した輝度値の変化に基づいて、血管強調画像を含む第3正面画像F3を基準画像として生成する。なお、血管強調画像を生成する場合、少なくとも2フレーム以上の正面画像に基づいて生成することができる。
例えば、制御部70は、第1正面画像F1及び第2正面画像F2の各画素位置における輝度値を算出する。次いで、制御部70は、第1正面画像F1上の所定の画素位置における輝度値と、第1正面画像F1上の所定の画素位置に対応する第2正面画像F2上の所定の画素位置における輝度値と、の比率を、各画素位置においてそれぞれ算出する。つまり、制御部70は、同一の撮影位置における第1正面画像F1の画素の輝度値と、第2正面画像F2の画素の輝度値と、の比率を、各画素位置においてそれぞれ算出する。なお、本実施形態において、第1正面画像F1と第2正面画像F2は同一部位にて取得されているため、位置合わせ処理を必要としない。例えば、第1正面画像F1と第2正面画像F2とが同一部位にて取得されていない場合に、第1正面画像F1と第2正面画像F2とを位置合わせした後、処理を開始する構成であってもよい。
例えば、第1正面画像F1上の所定の画素位置(x、y)における輝度値Iと、第1の正面画像F1上の所定の画素位置に対応する第2正面画像F2上の所定の画素位置(x、y)における輝度値Iと、の比率Dは以下の式(1)によって算出される。式(1)中におけるIは輝度値を示している。なお、以下の式(1)では、j番目に取得された正面画像と、j番目の次(j+1番目)に取得された正面画像と、の輝度値の比率Dの算出を例に挙げている。
Figure 0006746884
なお、血管強調画像を生成するための正面画像として、第1正面画像F1と第2正面画像F2の他に複数の正面画像が存在する場合(少なくとも4フレームの正面画像を取得している場合)、制御部70は、以下の平均化処理及び標準偏差算出を行ってもよい。例えば、制御部70は、各正面画像において、その前後に取得された正面画像との比率をそれぞれ算出する。制御部70は、各正面画像にて取得された比率において、前後の比率の平均値をそれぞれ算出する。
より詳細には、例えば、4フレームの正面画像を取得し、4フレームの正面画像に基づいて、血管強調画像を生成する場合、制御部70は、1番目に取得された正面画像と、2番目に取得された正面画像と、の輝度値の比率D1を算出する。また、2番目に取得された正面画像と、3番目に取得された正面画像と、の輝度値の比率D2を算出する。また、3番目に取得された正面画像と、4番目に取得された正面画像と、の輝度値の比率D3を算出する。次いで、制御部70は、前後の比率(上記の場合、比率D1と比率D2、比率D2と比率D3)を平均化処理して、平均値をそれぞれ算出する。制御部70は、比率D1と比率D2を平均化処理し、平均値M1を算出する。また、制御部70は、比率D2と比率D3を平均化処理し、平均値M2を算出する。すなわち、例えば、8フレームの正面画像を取得し、血管強調画像を生成する場合には、7つの比率D1〜D7が算出され、7つの比率から6つの平均値M1〜M6が算出される。なお、平均値は、以下の式(2)によって算出される。式(2)中におけるMは平均値を示している。
Figure 0006746884
制御部70は、平均値が算出されると、算出した平均値の標準偏差を求める。すなわち、制御部70は、正面画像上における各画素位置の平均値の標準偏差をそれぞれ算出する。例えば、標準偏差は、以下の式(3)によって算出される。式(3)におけるNは、正面画像のフレーム数を示しており、Sは標準偏差を示している。
Figure 0006746884
各画素位置における標準偏差がそれぞれ算出されると、制御部70は、各画素位置の標準偏差をそれぞれ輝度値に変換処理する。例えば、制御部70は、標準偏差を輝度値(例えば、0〜255の輝度値)に変換する。すなわち、制御部70は、第1の画素位置の標準偏差が10であり、第2の画素位置の標準偏差が100であった場合、第1の画素位置における輝度値を25に変換し、第2の画素位置における輝度値を255に変換する。制御部70は、各画素位置において変換された輝度値に基づいて、画像を生成し、血管部分の強調された血管強調画像(本実施形態においては、第3正面画像F3)を生成する。このように、少なくとも2フレームの正面画像の比較処理に基づいて、より細い血管等が良好に画像化された血管強調画像を含む第3正面画像F3を取得することによって、被検眼のより詳細な状況を確認することが容易となる。
なお、上記説明においては、標準偏差を輝度値に変換することによって、血管強調画像を生成する構成を例に挙げたがこれに限定されない。例えば、比率を輝度値に変換して血管強調画像を生成してもよい。より詳細には、例えば、2フレームの正面画像に基づいて、血管強調画像を生成する場合、1つの比率が算出(2フレームの正面画像の輝度値から1つの比率が算出)されるため、各画素位置における比率を輝度値に変換することによって、血管強調画像が生成するようにしてもよい。この場合、例えば、2フレームの正面画像の内、輝度値の高いものが分母となるように統一することによって、比率を算出すればよい(比率が1以上の数値に統一できる)。また、例えば、平均値を輝度値に変換して血管強調画像を生成してもよい。より詳細には、例えば、3フレームの正面画像に基づいて、血管強調画像を生成する場合、1つの平均値が算出(2つの比率を算出し、2つの比率に基づいて1つの平均値が算出)されるため、各画素位置における平均値を輝度値に変換することによって、血管強調画像が生成するようにしてもよい。もちろん、平均値又は比率からの変換処理による血管強調画像の生成は、4フレーム以上の正面画像を取得している場合であっても適用できる。例えば、各正面画像に基づいて取得された複数の比率全体から1つの平均値を求め、血管強調画像の生成を行ってもよい。また、各正面画像に基づいて取得された複数の比率又は複数の平均値から適正な比率又は平均値を選択して、血管強調画像の生成を行ってもよい。
なお、本実施形態においては、比較処理として、上記の統計処理を用いる構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。第1正面画像F1と第2正面画像F2とを比較することによって、血流(血管部分)による輝度値の変化量を抽出するための処理方法であればよい。例えば、比較処理として差分処理を用いる構成であってもよい。この場合、例えば、第1正面画像F1の輝度値及び第2正面画像F2の輝度値を検出し、それらの輝度値の差分から血管強調画像を生成する。すなわち、正面画像上において、血管に対応する部分については、血液が流れているため、時間の経過に伴って輝度値が変化する。一方、その他の部位では、輝度値の変化は小さい。このため、輝度値の差分処理を行い、輝度値の時間的な変化を取得することによって、血管強調画像を含む第3正面画像F3を基準画像として生成することができる。
<正面モーションコントラストデータの補正(S4)>
ここで、例えば、モーションコントラストデータ(本実施形態においては、正面モーションコントラストデータ)を取得する場合、撮影時間が長くなるため、被検眼の瞬きや固視微動等の影響を受けやすく、歪み、データの不連続性(欠損)等が問題となる。本実施形態において、例えば、制御部70は、正面モーションコントラストデータを取得する際に、基準画像をテンプレートとし、正面モーションコントラストデータを構築するための各走査位置でのモーションコントラストデータ(例えば、二次元モーションコントラストデータ)を基準画像に対して位置合わせし、各走査位置におけるモーションコントラストデータの位置ずれを補正する。
以下、正面モーションコントラストデータの補正処理について説明する。図6は、正面モーションコントラストデータの補正処理動作の一例を示すフローチャートである。図7は、正面モーションコントラストデータA1の一例を示す図である。図7に示されるように、正面モーションコントラストデータA1には、被検眼の瞬きや固視微動等の影響によって、走査位置間で画像の取得位置がずれてしまい、画像内において、画像領域G1〜G4の間でXY方向に位置ずれが生じる。本実施形態においては、X方向のみに位置ずれが生じている場合を例に挙げて説明する。また、OCT機能正面画像A1には、被検眼の瞬きや固視微動等の影響によって、同一位置において複数のOCT信号が取得できていないことによって、それらの複数のOCT信号からモーションコントラストデータを取得した場合に、モーションアーチファクトB1〜B3が生じる。
例えば、制御部70は、第3正面画像(本実施形態においては、血管強調画像)F3が取得されると、第3正面画像F3を基準画像として設定し、正面モーションコントラストデータA1の補正を行う。これによって、正面モーションコントラストデータA1を位置ずれが抑制された正面モーションコントラストデータに補正する。
本実施形態においては、制御部70は、正面モーションコントラストデータA1を取得し、取得した正面モーションコントラストデータA1を補正することによって、最終的な正面モーションコントラストデータA2(図10参照)を取得する。なお、本実施形態においては、制御部70は、一度、正面モーションコントラストデータA1を取得する。そして、制御部70は、取得した正面モーションコントラストデータA1を、基準画像に基づいて位置合わせし、補正することによって、最終的な正面モーションコントラストデータA2を生成する構成を例に挙げて説明する。もちろん、最終的な正面モーションコントラストデータA2を生成する構成はこれに限定されない。制御部70は、各走査位置におけるモーションコントラストデータ(例えば、正面モーションコントラストデータを構築している各走査位置での二次元モーションコントラストデータ)をそれぞれ取得する。制御部70は、各走査位置におけるモーションコントラストデータを第3正面画像F3に基づいて位置合わせしていくことによって正面モーションコントラストデータを補正し、最終的な正面モーションコントラストデータを取得する構成としてもよい。このように、例えば、第3正面画像F3のような血管強調画像に対してモーションコントラストデータ(例えば、正面モーションコントラストデータ)の位置合わせを行うことで、血管部分の強調された画像データ同士(画像データとして類似している画像データ同士)で位置合わせを行うことができるため、位置合わせの精度をより良好とすることができる。また、例えば、第3正面画像に対して、モーションコントラストデータを位置合わせしていくことで、各走査位置間でずれの少ない良好な正面モーションコントラストデータが取得できる。
以下、正面モーションコントラストデータA1の補正処理について、より詳細に説明する。図8は、正面モーションコントラストデータの分割について説明する図である。例えば、制御部70は、上記記載のようにして取得された正面モーションコントラストデータA1(図3のS2参照)を、複数の領域に分割する。制御部70は、分割した分割領域毎の正面モーションコントラストデータを基準画像に対して、それぞれ位置合わせすることによって、正面モーションコントラストデータA1を補正する。
<モーションアーチファクトの検出(S41)>
例えば、図8に示されるように、制御部70は、モーションアーチファクトB1〜B3が検出された位置に基づいて、正面モーションコントラストデータA1の分割位置を設定する。より詳細には、例えば、制御部70は、正面モーションコントラストデータA1において、正面モーションコントラストデータA1から画像処理によって、モーションアーチファクトB1〜B3を検出する(S41)。図9は、モーションアーチファクトの検出について説明する図である。
例えば、正面モーションコントラストデータA1の輝度レベルが検出され、モーションアーチファクトB1〜B3に相当する所定の輝度を持つ部分の位置が検出される。なお、モーションアーチファクトB1〜B3を特定する場合、例えば、制御部70は、正面モーションコントラストデータにおける各横方向(X方向)の輝度値を加算していく。
モーションアーチファクトB1〜B3は、Y方向において、略一定の走査位置に略一定の輝度値にて表示される。図9に示すように、モーションアーチファクトB1〜B3は、通常、X方向(二次元モーションコントラストデータを取得する際の走査方向)に延びるラインを形成する。このため、X方向に輝度値を加算処理し、加算処理された輝度値をY方向に向かって検出することによって、モーションアーチファクトの位置が特定できる。例えば、制御部70は、加算処置された輝度値をY方向に向かって検出することによって、輝度分布Lを取得できる。制御部70は、輝度値が大きく変化する部分(例えば、輝度値の立ち上がり部分と輝度値の立ち下がり部分等)L1,L2,L3を検出し、検出した輝度値の変化が大きい部分L1,L2,L3をモーションアーチファクトB1〜B3が存在する位置として特定する。以上のようにして、モーションアーチファクトの位置が検出される。
なお、モーションアーチファクトが所定の領域に亘って(Y方向において複数の走査位置に亘って)検査された場合、モーションアーチファクトの検出位置としては、任意の位置に設定することができる。例えば、モーションアーチファクトが所定の領域に亘って検査された場合、モーションアーチファクトの検出位置としては、モーションアーチファクトが検出された始めた部分(例えば、Y方向における輝度値の立ちあがり部分)をモーションアーチファクトの検出位置としてもよい。また、例えば、モーションアーチファクトが所定の領域に亘って検査された場合、モーションアーチファクトの検出位置としては、モーションアーチファクトが検出された領域の中間位置(例えば、Y方向における輝度値の立ち上がりと輝度値の立ち下がりの中間位置)をモーションアーチファクトの検出位置としてもよい。なお、モーションアーチファクトB1〜B3の検出方法は、上記手法に限定されない。モーションアーチファクトB1〜B3を検出する場合、モーションアーチファクトB1〜B3に対応する血管部分の繋がりの検出(血管部分が途切れている部分を検出)等が利用されてもよい。
<正面モーションコントラストデータの分割(S42)>
図8の説明に戻る。例えば、制御部70は、正面モーションコントラストデータの副走査方向(Y方向)において分割位置を設定する。本実施形態において、例えば、制御部70は、検出されたモーションアーチファクトB1〜B3が検出された位置に基づいて、正面モーションコントラストデータA1の分割位置を設定し、分割をする(S42)。例えば、制御部70は、図8に示す例において、設定した分割位置に基づいて、正面モーションコントラストデータA1を、第1分割領域における正面モーションコントラストデータ(以下、第1正面モーションコントラストデータと記載)A1a、第2分割領域における正面モーションコントラストデータ(以下、第2正面モーションコントラストデータと記載)A1b、第3分割領域における正面モーションコントラストデータ(以下、第3正面モーションコントラストデータと記載)A1c、第4分割領域における正面モーションコントラストデータ(以下、第4正面モーションコントラストデータと記載)A1d、に分割する。このように、一例として、本実施形態では、モーションアーチファクトB1〜B3が発生している部分を境界として、正面モーションコントラストデータA1を分割することで、被検眼の位置ずれが生じた位置等で、機能OCT正面画像を分割することでき、各走査位置間でのずれを考慮した位置合わせ処理を行う良好に行うことができる。
なお、本実施形態において、制御部70は、検出されたモーションアーチファクトB1〜B3が検出された位置に基づいて、正面モーションコントラストデータA1の分割位置を設定する場合に、モーションアーチファクトB1〜B3の領域の除去処理をし(例えば、輝度値の立ちあがり部分から輝度値の立ち下がり部分までの領域を除去)、正面モーションコントラストデータA1を、第1正面モーションコントラストデータA1a、第2正面モーションコントラストデータA1b、第3正面モーションコントラストデータA1c、第4正面モーションコントラストデータA1dに分割する。なお、本実施形態においては、正面モーションコントラストデータA1を分割する際に、モーションアーチファクトB1〜B3を除去する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、制御部70は、モーションアーチファクトB1〜B3の少なくとも一部を含んだ状態で、正面モーションコントラストデータA1を分割するようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、正面モーションコントラストデータA1の分割位置をモーションアーチファクトが検出された境界に基づいて設定する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、正面モーションコントラストデータA1の分割位置は、一定の間隔で分割する構成としてもよい。また、例えば、正面モーションコントラストデータA1の分割位置は、検者によって選択された位置にて分割する構成としてもよい。なお、正面モーションコントラストデータA1において、モーションアーチファクトが検出された位置に基づいて分割位置を設定する場合に、制御部70は、モーションアーチファクトが検出された位置のすべての位置を分割位置として設定してもよい。また、例えば、正面モーションコントラストデータA1において、モーションアーチファクトが検出された位置に基づいて分割位置を設定する場合に、制御部70は、モーションアーチファクトが検出された位置の内、少なくとも1つ以上の位置を分割位置として設定してもよい。
<分割領域における正面モーションコントラストデータの適否判定(S43)>
例えば、制御部70は、正面モーションコントラストデータA1が分割されると、分割された分割領域毎の正面モーションコントラストデータ(本実施形態において、第1正面モーションコントラストデータA1a〜第4正面モーションコントラストデータA1d)の適否を、分割領域毎に判定する(S43)。例えば、制御部70は、分割領域毎の正面モーションコントラストデータが所定の基準(所定の閾値)を超えるか否かに基づいて判定を行う。より詳細には、例えば、本実施形態において、制御部70は、分割領域毎の正面モーションコントラストデータの画質に基づいて、分割領域毎の正面モーションコントラストデータの適否を、分割領域毎に判定する。
このように、例えば、分割領域毎の正面モーションコントラストデータの適否を確認することで、分割領域毎に適正な正面モーションコントラストデータを取得することができる。これによって、各分割領域で適正な正面モーションコントラストデータを適用することが可能となり、これらによって構築される正面モーションコントラストデータがより良好な画像データとなる。すなわち、診断に有用な正面モーションコントラストデータを取得することができる。
なお、画像データを分割し、分割された分割領域毎の画像データの適否を、分割領域毎に判定する構成としては、三次元モーションコントラストデータにおいても用いることができる。これによって、各分割領域で適正な三次元モーションコントラストデータを適用することが可能となり、これらによって構築される三次元モーションコントラストデータがより良好な画像データとなる。もちろん、各分割領域で適正な三次元モーションコントラストデータを適用した後、三次元モーションコントラストデータに基づいて、正面モーションコントラストデータを取得してもよい。これによっても、診断に有用な正面モーションコントラストデータを取得することができる。
例えば、制御部70は、正面モーションコントラストデータA1が分割されると、分割された分割領域毎の正面モーションコントラストデータ(本実施形態において、第1正面モーションコントラストデータA1a〜第4正面モーションコントラストデータA1d)の適否を、分割領域毎に判定する(S43)。例えば、制御部70は、分割領域毎の正面モーションコントラストデータが所定の基準(所定の閾値)を超えるか否かに基づいて判定を行う。より詳細には、例えば、本実施形態において、制御部70は、分割領域毎の正面モーションコントラストデータの画質に基づいて、分割領域毎の正面モーションコントラストデータの適否を、分割領域毎に判定する。
なお、本実施形態においては、分割領域毎の正面モーションコントラストデータの画質に基づいて、判定処理を行う構成を例に挙げているがこれに限定されない。他の分割領域の正面モーションコントラストデータとの関係から判定処理を行うようにしてもよい。例えば、分割領域間の正面モーションコントラストデータのずれ量を算出し、ずれ量が所定の閾値を超えるか否かによって、分割領域毎の正面モーションコントラストデータの適否を判定してもよい。
以下、分割領域毎の正面モーションコントラストデータの画質に基づいて、判定処理を行う構成について説明する。本実施形態においては、制御部70は、画質に基づく判定処理として、画質の評価値を算出し、評価値が所定の閾値を超えるか否かに基づいて、分割領域毎の正面モーションコントラストデータの適否を判定する。例えば、所定の閾値は、予め、シミュレーションや実験等によって設定される。
例えば、画質の評価値としては、正面モーションコントラストデータの各画素の輝度値の合算値や、空間周波数の分布による周波数の高低の結果等を用いることができる。例えば、本実施形態において、正面モーションコントラストデータの画質の信号強度(例えば、Signal Strength Index(SSI))を示す評価値Vが用いられる。例えば、評価値Vは、V=((画像の平均最大輝度値)−(画像の背景領域の平均輝度値))/(背景領域の輝度値の標準偏差)の式より求められる。すなわち、正面モーションコントラストデータにおいてノイズが大きい場合には、評価値Vが小さくなる(詳細は、特開2013−34658号公報参照)。
例えば、制御部70は、分割領域毎に評価値Vを算出する。例えば、制御部70は、第1正面モーションコントラストデータA1aの評価値V1を算出する。制御部70は、算出した評価値V1が所定の閾値を超えるか否かを判定する。例えば、制御部70は、算出した評価値1が所定の閾値を超える場合には、第1正面モーションコントラストデータA1aが適正であると判定する。また、例えば、制御部70は、算出した評価値V1が所定の閾値を超えない場合に、第1正面モーションコントラストデータA1aが適正でないと判定する。このように、分割領域における正面モーションコントラストデータのみの情報から適否の判定を行うことができ、容易に分割領域毎の正面モーションコントラストデータを取得することができる。
<分割領域の正面モーションコントラストデータ再取得(S44)>
例えば、制御部70は、所定の分割領域において正面モーションコントラストデータが適正でないと判定された場合、適正でないと判定された分割領域の正面モーションコントラストデータと、同一の分割領域における各走査位置にて複数のOCT信号を再取得する(S44)。なお、同一とは完全に同一である必要はなく、略同一であってもよい。例えば、適正でないと判定された分割領域を含み、且つ、適正でないと判定された分割領域よりも大きい領域で、OCT信号が再取得される構成であってもよい。次いで、制御部70は、再取得した前記各走査位置における複数のOCT信号を、適正でないと判定された分割領域における複数のOCT信号として設定する(複数のOCT信号を置き換える)。
より詳細には、例えば、制御部70は、第1正面モーションコントラストデータA1aが適正でないと判定された場合、第1正面モーションコントラストデータA1aを取得した各走査位置において、再度、複数のOCT信号を取得する。例えば、制御部70は、第3正面画像と再取得時において取得されている正面画像(正面観察光学系200によって取得された正面画像)とのずれ量に基づいて、光スキャナ108を制御し、走査位置を補正する。もちろん、例えば、第3正面画像の代わりに、第1正面画像及び第2正面画像の少なくともいずれかが用いられてもよい。また、例えば、再取得時において、複数の正面画像を取得し、複数の正面画像から血管強調画像(新たな第3正面画像)を生成し、血管強調画像を第3正面画像とのずれ量の算出に用いてもよい。血管が強調された正面画像でずれ量を算出することで、より精度よくずれ量を算出することができる。例えば、制御部70は、光スキャナ108を制御し、走査位置を補正した後、再度、複数のOCT信号の取得を開始する。
例えば、制御部70は、再取得した各走査位置における複数のOCT信号を、適正でないと判定された第1分割領域(第1正面モーションコントラストデータA1aが取得された領域)における複数のOCT信号として設定する。すなわち、制御部70は、再取得した複数のOCT信号に基づいて、第1分割領域における正面モーションコントラストデータを取得する。そして、制御部70は、適正でないと判定された第1分割領域における正面モーションコントラストデータを破棄し、再取得した正面モーションコントラストデータを、第1分割領域の正面モーションコントラストデータとして設定する。
例えば、制御部70は、第1分割領域において、再取得された正面モーションコントラストデータについて、再度、正面モーションコントラストデータの適否を判定する。制御部70は、正面モーションコントラストデータが適正と判定されるまで、上記再取得処理を繰り返し行う。以上のように、各分割領域において取得されている正面モーションコントラストデータが適正でなかった場合であっても、正面モーションコントラストデータを再取得することできる。これによって、各分割領域において、適正な正面モーションコントラストデータを取得することができる。
なお、例えば、再取得処理を所定回数繰り返した場合であっても、正面モーションコントラストデータが適正と判定されない場合には、再取得を停止させてもよい。また、例えば、再取得処理を所定回数繰り返した場合であっても、正面モーションコントラストデータが適正と判定されない場合には、その旨を報知するようにしてもよい。例えば、報知構成としては、エラー表示、警告音等によって、検者に報知する構成が挙げられる。また、例えば、再取得処理を所定回数繰り返した場合であっても、正面モーションコントラストデータが適正と判定されない場合には、次の処理(例えば、図6におけるS45)に移行するようにしてもよい。
<分割領域の正面モーションコントラストデータ位置合わせ(S45)>
例えば、制御部70は、所定の分割領域において正面モーションコントラストデータが適正であると判定された場合、第3正面画像F3を基準画像として設定する。制御部70は、基準画像をテンプレートとし、適正であると判定された分割領域の正面モーションコントラストデータを基準画像に対して位置合わせすることによって、正面モーションコントラストデータを補正する。
より詳細に説明する。図10は、第3正面画像F3と分割領域における正面モーションコントラストデータとの位置合わせについて説明する図である。例えば、制御部70は、第1正面モーションコントラストデータA1aが適正であると判定された場合、第3正面画像F3を基準画像として設定する。制御部70は、第3正面画像F3をテンプレートとし、第1正面モーションコントラストデータA1aを第3正面画像F3に対して位置合わせする。例えば、制御部70は、第3正面画像F3における正面モーションコントラストデータA1を取得した領域に対応する走査領域F3aに対して、分割された正面モーションコントラストデータA1の位置合わせを行っていく。
以下、位置合わせ処置について説明する。例えば、制御部70は、第3正面画像F3と、第1正面モーションコントラストデータA1aとのマッチング処理を行い、第3正面画像F3と、第1正面モーションコントラストデータA1aとを対応づける。
例えば、制御部70は、マッチング処理として、第3正面画像F3と、第1正面モーションコントラストデータA1aと、の位置ずれ量を検出し、位置ずれ量に基づいて、第3正面画像F3と第1正面モーションコントラストデータA1aとの位置関係を対応させる。
例えば、2つの画像間の位置ずれ量を検出する手法としては、種々の画像処理手法(各種相関関数を用いる方法、フーリエ変換を利用する方法、特徴点のマッチングに基づく方法)、非剛体レジストレーション、等を用いることが可能である。
例えば、所定の基準画像データ(例えば、第3正面画像F3)又は対象画像データ(第1正面モーションコントラストデータA1a)を1画素ずつ位置ずれさせ、基準画像と対象画像を比較し、両データが最も一致したとき(相関が最も高くなるとき)の両データ間の位置ずれ量を検出する手法が考えられる。また、所定の基準画像及び対象画像から共通する特徴点を抽出し、抽出された特徴点の位置ずれを検出する手法が考えられる。
また、2つの画像データ間の位置ずれを求めるための関数として、位相限定相関関数を用いるようにしてもよい。この場合、まず、各画像データをフーリエ変換し、各周波数成分の位相と振幅を得る。なお、得られた振幅成分は、各周波数成分に関して大きさ1に正規化しておく。次に、2つの画像データ間で周波数毎の位相差を算出した後、これらに逆フーリエ変換をかける。
ここで、2つの画像データ間の位置ずれがなければ、余弦波のみの加算となり、原点位置(0,0)にピークが出現する。また、位置ずれがある場合、位置ずれに対応する位置にピークが出る。そこで、ピークの検出位置を求めることにより2つの画像データ間の位置ずれ量が得られる。この手法によれば、第3正面画像F3と、第1正面モーションコントラストデータA1aと、の位置ずれ量を高精度かつ短時間で検出できる。
本実施例において、制御部70は、第3正面画像F3と、第1正面モーションコントラストデータA1aと、から共通する特徴点を抽出し、抽出された特徴点の位置ずれ量を検出する手法を用いる。制御部70は、位置ずれ量を検出すると、位置ずれ量に基づいて、第3正面画像F3と第1正面モーションコントラストデータA1aとの位置関係を対応させる。このようにして、正面画像に対して分割された正面モーションコントラストデータの位置合わせが行われる。
例えば、制御部70は、第1正面モーションコントラストデータA1aの位置合わせが完了した後、第2正面モーションコントラストデータA1bの判定処理に移行する。例えば、制御部70は、各分割領域の正面モーションコントラストデータにおいて、上記第1分割領域における処理(例えば、S43〜S45)と同様の処理を行っていく。このようにして、各分割領域の正面モーションコントラストデータの位置合わせが行われる。なお、本実施形態において、上記処理(S43〜S45)を分割領域毎に順に行っていく構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、すべての分割領域における正面モーションコントラストデータの判定処理を完了した後、次の処理(S44又はS45)を行うようにしてもよい。
以上のように、例えば、正面モーションコントラストデータを所定の領域毎に分割し、正面モーションコントラストデータを構築している各走査位置のモーションコントラストデータを所定の領域単位で位置合わせしていくことによって、より迅速に位置ずれ補正を行うことができる。また、特に、このような分割領域毎に位置合わせ処理を行う場合に、画像データとして類似している画像データ同士で位置合わせを行うことができるため、位置合わせの精度をより良好とすることができる。
次いで、例えば、制御部70は、所定の分割領域における正面モーションコントラストデータの位置合わせ処理が完了すると、全ての分割領域において、位置合わせ処理までが完了したか否かを判定する(S46)。より詳細には、例えば、制御部70は、第1正面モーションコントラストデータA1aの位置合わせが完了した後、他の分割領域の正面モーションコントラストデータ(例えば、第2正面モーションコントラストデータA1b、第3正面モーションコントラストデータA1c、第4正面モーションコントラストデータA1d)の位置合わせが完了しているか否かを判定する。
例えば、制御部70は、全ての分割領域の位置合わせが完了していないと判定すると、次の分割領域の処理に移行する(S47)。より詳細には、例えば、制御部70は、第1正面モーションコントラストデータA1aの位置合わせが完了した後、第2正面モーションコントラストデータA1bの判定処理に移行する。もちろん、所定の分割領域においては、位置合わせを行わなく、次の処理(例えば、S48)に進む構成としてもよい。
<モーションアーチファクト検出位置の正面モーションコントラストデータ再取得(S48)>
例えば、制御部70は、全ての分割領域の位置合わせが完了していると判定すると、モーションアーチファクトが検出された領域と同一の領域における各走査位置にて複数のOCT信号を再取得する(S48)。なお、前述したように、本実施形態において、同一とは完全に同一である必要はなく、略同一であってもよい。例えば、制御部70は、再取得した各走査位置における複数のOCT信号を、モーションアーチファクトがされた領域における複数のOCT信号として設定する。
より詳細には、例えば、制御部70は、モーションアーチファクトB1〜B3が検出された位置(領域)に対応する各走査位置において、再度、複数のOCT信号を取得する。例えば、制御部70は、第3正面画像と、再取得時において取得されている正面画像とのずれ量に基づいて、光スキャナ108を制御し、走査位置を補正する。もちろん、例えば、第3正面画像の代わりに、第1正面画像及び第2正面画像の少なくともいずれかが用いられてもよい。また、例えば、再取得時において、複数の正面画像を取得し、複数の正面画像から血管強調画像を生成し、血管強調画像を第3正面画像とのずれ量の算出に用いてもよい。血管が強調された正面画像でずれ量を算出することで、より精度よくずれ量を算出することができる。例えば、制御部70は、光スキャナ108を制御し、走査位置を補正した後、再度、モーションアーチファクトB1〜B3が検出された領域に対応する各走査位置における複数のOCT信号の取得を開始する。
例えば、制御部70は、再取得した各走査位置における複数のOCT信号を、モーションアーチファクトB1〜B3が検出された領域における複数のOCT信号として設定する。すなわち、制御部70は、再取得した複数のOCT信号に基づいて、モーションアーチファクトB1〜B3が検出された領域における正面モーションコントラストデータを取得する。そして、制御部70は、モーションアーチファクト画像データを破棄し、再取得した正面モーションコントラストデータを、モーションアーチファクトB1〜B3が検出された領域の正面モーションコントラストデータとして設定する。もちろん、分割処理、及び、各分割領域の正面モーションコントラストデータの判定処理を、実施することなく、モーションアーチファクトB1〜B3が検出された領域における正面モーションコントラストデータを再取得するようにしてもよい。この場合、例えば、制御部70は、正面モーションコントラストデータからモーションアーチファクトを検出し、モーションアーチファクトが検出された領域における正面モーションコントラストデータを再取得するようにしてもよい。
例えば、制御部70は、モーションアーチファクトB1〜B3が検出された領域において、再取得された正面モーションコントラストデータについて、上記記載の判定処理等(例えば、S43〜S47)と同様の処理を行う。例えば、制御部70は、正面モーションコントラストデータの適否を判定する。もちろん、正面モーションコントラストデータの適否を判定しない構成であってもよい。この場合、制御部70は、判定処理を行うことなく、モーションアーチファクトB1〜B3が検出された各領域における正面モーションコントラストデータを第3正面画像F3に対して位置合わせしていく。
例えば、制御部70は、正面モーションコントラストデータが適正と判定されるまで、上記再取得処理を繰り返し行う。制御部70は、正面モーションコントラストデータが適正であると判定された場合、モーションアーチファクトB1〜B3が検出された各領域における正面モーションコントラストデータを第3正面画像F3に対して位置合わせしていく。以上のように、モーションアーチファクトが発生した領域において複数のOCT信号を再取得することによって、モーションアーチファクト部分のモーションコントラストデータを補完することができる。これによって、モーションアーチファクトが発生している領域について、OCT信号を再取得できるため、モーションアーチファクトの抑制された、良好な正面モーションコントラストデータ取得することができる。
なお、モーションアーチファクトの検出位置における複数のOCT信号の再取得を行うタイミングとしては、分割領域毎の正面モーションコントラストデータの位置合わせが完了した後に限定されない。任意のタイミングで行うことができる。例えば、S42の後に行うようにしてもよい。
以上のように、制御部70は、第3正面画像F3に対して、分割領域毎の適正な正面モーションコントラストデータを位置合わせする。また、制御部70は、モーションアーチファクト部分について正面モーションコントラストデータを再取得し、モーションアーチファクト部分の正面モーションコントラストデータを補完することによって、最終的な正面モーションコントラストデータA2が取得される。これによって、診断に有用な正面モーションコントラストデータを取得することができる。
<変容例>
なお、本実施形態において、所定の分割領域及びモーションアーチファクトの発生領域の少なくともいずれかにおいて、複数のOCT信号を再取得する場合に、再取得を行う以前に、眼科撮影装置(本実施形態においては、光コヒーレンストモグラフィ装置1)における光学部材の調整を行うようにしてもよい。例えば、光学部材の調整としては、測定光と参照光との光路長差を変更する光路長変更部材、OCT光学系100のフォーカスを調整する図示無きフォーカシングレンズ等を調整する構成が挙げられる。このように、複数のOCT信号の再取得を行う以前に、撮影条件の調整を行うため、被検眼の位置ずれ等によって、撮影状態が良好でなくなっていた場合であっても、撮影状態を良好な状態に再調整することができる。これによって、分割領域における適正な正面モーションコントラストデータを適切に取得することができる。
なお、本実施形態において、所定の分割領域及びモーションアーチファクトの発生領域の少なくともいずれかにおいて、複数のOCT信号を再取得する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、予め、複数の正面モーションコントラストデータを取得しておき、複数の正面モーションコントラストデータの中から、所定の分割領域に最適な正面モーションコントラストデータを選択し、所定の分割領域の正面モーションコントラストデータとして設定していく構成であってもよい。
なお、本実施形態においては、分割領域毎に正面モーションコントラストデータの判定処理を行う構成を例に挙げて説明したが、判定処理を行うことなく、第3正面画像に対して、分割領域毎の正面モーションコントラストデータを位置合わせしていく構成であってもよい。
なお、本実施形態において、分割領域毎に正面モーションコントラストデータの判定処理を行う構成については、種々の正面画像を用いることができる。例えば、従来の正面観察光学系によって取得された正面画像を基準画像として、分割領域毎に正面モーションコントラストデータを位置合わせする構成であってもよい。また、例えば、OCT正面画像、被検眼の瞬きや固視微動等の影響を受けないように高速で取得されたOCT機能正面画像等を基準画像としてもよい。すなわち、第3正面画像を位置合わせ用の基準画像として用いない場合の眼科撮影装置であっても適用することができる。このように、例えば、正面画像に対して、各分割領域で適正な正面モーションコントラストデータを、位置合わせして補正することによって、撮影中に、被検眼の固視微動等の影響を受けていた場合であっても、診断に有用な正面モーションコントラストデータを取得することができる。
なお、本実施形態においては、第3正面画像(血管強調画像)に対して、正面モーションコントラストデータを位置合わせする構成について説明したがこれに限定されない。血管強調画像に対して、種々の正面画像を位置合わせする構成であってもよい。例えば、OCT光学系100によって、各走査位置で取得されたOCT信号に基づいて取得されるOCT正面画像データを第3正面画像に対して、位置合わせする構成であってもよい。この場合、例えば、制御部70は、被検眼の断層画像データを得るOCT光学系100によって、各走査位置でのOCT信号を取得する。制御部70は、取得された各走査位置での深さ方向におけるOCT信号を処理して、被検眼におけるOCT正面画像データを取得する。制御部70は、基準画像(第3正面画像)をテンプレートとし、OCT正面画像データを取得する際に、OCT正面画像データを構築するための各走査位置でのOCT画像データを基準画像に対して位置合わせし、各走査位置におけるOCT画像データの位置ずれを補正する。
なお、OCT正面画像データの位置合わせを行う場合に、OCT正面画像データ全体を取得してから位置合わせを行ってもよいし、OCT正面画像データの少なくとも一部を取得してから位置合わせを行ってもよい。このように、特徴部分である血管がより強調された画像データを用いて、特徴部分に基づく、画像データ位置合わせをすることで、血管部分の位置合わせの精度をより良好とすることができる。特に、OCT正面画像データとして、深さ方向において所定の層領域のみから取得されたOCT正面画像データの場合に、画像データ中における血管部分が多くなることがあるため、血管部分の強調された画像データ同士(画像データとして類似している画像データ同士)で位置合わせを行うことができるため、位置合わせの精度をより良好とすることができる。
なお、本実施形態においては、眼科撮影装置として、OCT信号を取得する光コヒーレンストモグラフィ装置を例に挙げて説明したこれに限定されない。本開示の技術は、複数の信号からモーションコントラストデータを取得する装置であれば、適用することができる。
なお、本実施形態においては、撮影装置として、被検眼を撮影する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。本開示の技術は、種々の生体を撮影する撮影装置において適用することができる。例えば、耳、鼻、各種臓器等が挙げられる。また、例えば、生体以外の試料、等を撮影する撮影装置においても、本開示の技術が適用可能である。
なお、本実施形態においては、 第1正面画像データと、第2正面画像データと、を比較処理して、血管強調画像データを含む第3正面画像データ生成する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。本開示の技術は、第1正面画像データと、第2正面画像データと、を比較処理して、導管を強調した導管強調画像データを生成する装置であれば適用することができる。例えば、導管強調画像データとしては、リンパ管を強調する構成が挙げられる。
なお、本発明においては、本実施形態に記載した装置に限定されない。例えば、上記実施形態の機能を行う眼科撮影ソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体等を介して、システムあるいは装置に供給する。そして、システムあるいは装置の制御装置(例えば、CPU等)がプログラムを読み出し、実行することも可能である。
1 光コヒーレンストモグラフィデバイス
70 制御部
72 メモリ
75 モニタ
76 操作部
100 干渉光学系(OCT光学系)
108 光スキャナ
120 検出器
200 正面観察光学系
300 固視標投影ユニット

Claims (6)

  1. 被検眼を撮影する眼科撮影装置であって、
    被検眼の断層画像データを得るOCT光学系によって、被検眼上の同一位置に関して時間的に異なる複数のOCT信号を取得する第1取得手段と、
    前記第1取得手段によって、取得された各走査位置での深さ方向における前記複数のOCT信号を処理して、前記被検眼における正面モーションコントラストデータ又は三次元モーションコントラストデータを取得する画像処理手段と、
    前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータを、複数の領域に分割する画像分割手段と、
    前記画像分割手段によって分割された分割領域毎の正面モーションコントラストデータ又は分割領域毎の三次元モーションコントラストデータの適否を、分割領域毎に判定する判定手段と、
    を備え、
    前記画像処理手段は、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータにおいて、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータから輝度値の変化に基づいて画像処理によってモーションアーチファクトを検出し、前記モーションアーチファクトが検出された位置の内、少なくとも1つ以上の位置を、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータを前記複数の領域に分割するための分割位置として設定することを特徴する眼科撮影装置。
  2. 請求項1の眼科撮影装置において、
    前記判定手段によって、所定の分割領域において、正面モーションコントラストデータ又は三次元モーションコントラストデータが適正でないと判定された場合、適正でないと判定された分割領域の正面モーションコントラストデータ又は適正でないと判定された分割領域の三次元モーションコントラストデータと同一の分割領域における各走査位置にて複数のOCT信号を第2取得手段によって再取得させ、再取得した前記各走査位置における前記複数のOCT信号を、適正でないと判定された前記分割領域における複数のOCT信号として設定する制御手段を備えることを特徴する眼科撮影装置。
  3. 請求項1又は2の眼科撮影装置において、
    前記画像処理手段は、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータにおいて、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータから画像処理によって、モーションアーチファクトを検出し、
    前記画像処理手段によって前記モーションアーチファクトが検出された領域と同一の領域における各走査位置にて複数のOCT信号を第2取得手段によって再取得させ、再取得した前記各走査位置における前記複数のOCT信号を、前記モーションアーチファクトが検出された領域における複数のOCT信号として設定する制御手段を備えることを特徴する眼科撮影装置。
  4. 被検眼を撮影する眼科撮影装置であって、
    被検眼の断層画像データを得るOCT光学系によって、被検眼上の同一位置に関して時間的に異なる複数のOCT信号を取得する第1取得手段と、
    前記第1取得手段によって、取得された各走査位置での深さ方向における前記複数のOCT信号を処理して、前記被検眼における正面モーションコントラストデータを取得する画像処理手段と、を備え、
    前記画像処理手段は、前記正面モーションコントラストデータにおいて、前記正面モーションコントラストデータから輝度値の変化に基づいて画像処理によって、モーションアーチファクトを検出し、前記モーションアーチファクトが検出された位置の内、少なくとも1つ以上の位置を、正面モーションコントラストデータを再取得する位置として設定することで、前記画像処理手段によって前記モーションアーチファクトが検出された二次元領域と同一の領域における正面モーションコントラストデータを前記第1取得手段によって再取得させ、
    再取得した正面モーションコントラストデータを、前記モーションアーチファクトが検出された二次元領域における正面モーションコントラストデータとして補完する制御手段を備えることを特徴する眼科撮影装置。
  5. 被検眼を撮影する眼科撮影装置の動作を制御する制御装置において実行される眼科撮影プログラムであって、
    前記制御装置のプロセッサによって実行されることで、
    被検眼の断層画像データを得るOCT光学系によって、被検眼上の同一位置に関して時間的に異なる複数のOCT信号を取得する第1取得ステップと、
    前記第1取得ステップによって、取得された各走査位置での深さ方向における前記複数のOCT信号を処理して、前記被検眼における正面モーションコントラストデータ又は三次元モーションコントラストデータを取得する画像処理ステップであって、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータにおいて、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータから輝度値の変化に基づいて画像処理によってモーションアーチファクトを検出し、前記モーションアーチファクトが検出された位置の内、少なくとも1つ以上の位置を、前記正面モーションコントラストデータ又は前記三次元モーションコントラストデータを前記複数の領域に分割するための分割位置として設定する画像処理ステップと、
    前記正面モーションコントラストデータ又は三次元モーションコントラストデータを、複数の領域に分割する画像分割ステップと、
    前記画像分割ステップによって分割された分割領域毎の正面モーションコントラストデータ又は分割領域毎の三次元モーションコントラストデータの適否を、分割領域毎に判定する判定ステップと、
    を前記眼科撮影装置に実行させることを特徴とする眼科撮影プログラム。
  6. 被検眼を撮影する眼科撮影装置の動作を制御する制御装置において実行される眼科撮影プログラムであって、
    前記制御装置のプロセッサによって実行されることで、
    被検眼の断層画像データを得るOCT光学系によって、被検眼上の同一位置に関して時間的に異なる複数のOCT信号を取得する第1取得ステップと、
    前記第1取得ステップによって、取得された各走査位置での深さ方向における前記複数のOCT信号を処理して、前記被検眼における正面モーションコントラストデータを取得し、前記正面モーションコントラストデータにおいて、前記正面モーションコントラストデータから輝度値の変化に基づいて画像処理によって、モーションアーチファクトを検出する画像処理ステップと、
    前記モーションアーチファクトが検出された位置の内、少なくとも1つ以上の位置を、正面モーションコントラストデータを再取得する位置として設定することで、前記画像処理ステップによって前記モーションアーチファクトが検出された二次元領域と同一の領域における正面モーションコントラストデータを再取得させる第2取得ステップと、
    再取得した正面モーションコントラストデータを、前記モーションアーチファクトが検出された二次元領域における正面モーションコントラストデータとして補完する制御ステップと、
    を前記眼科撮影装置に実行させることを特徴とする眼科撮影プログラム。
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