JP6745528B2 - 安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤード - Google Patents

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Description

本発明は、主として高所作業において使用する安全帯のランヤードに関するものであり、特には伸縮式の蛇腹状ランヤードに関する。
高所での作業現場において、作業者が万一落下したときに、その墜落を阻止するため、作業者はランヤード(ロープ又はストラップ+フック又はカラビナ)を備えた安全帯を装着している。
作業者は、このランヤードに具備されたフック等を親綱や堅固な構造物等に掛止して自分の体と接続することにより、万一足を踏み外した場合等の墜落を防止している。
ランヤードには多様な種類があり、用途・価格等によって使い分けられている。
主なランヤードの種類としては、(1)ロープ式ランヤード(ロープは3つ打ちロープや8つ打ちロープやダブルブレードロープやストラップなど)、(2)巻取り器付きストラップ式ランヤード(以下、巻取り式ランヤードという。)、(3)ストラップ式ショックアブソーバ機能付きランヤード、(4)伸縮式蛇腹状ランヤード、などがある。
伸縮式蛇腹状ランヤードとして、特許文献1に開示されている「安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤード」がある。この発明は、ロープ本体を、非伸縮性材料より成る長尺袋で構成し、且つ、蛇腹構造域を設け、その蛇腹構造域は、長尺袋内に格納された長尺弾性体を伸張させた状態で長尺袋と長尺弾性体とを縫着することによって形成し、前記ランヤード長を二等分割する位置に、50mm程度の長さを有する平板状の拘持材の一端を合致させ、自然長状態とした前記長尺弾性体と、蛇腹状態を部分的に解除した前記袋ベルトと共に重縫合したものである。
未使用時には、長尺弾性体が縮み、外装部の長尺袋が蛇腹状になることにより、全長が短くなる特徴がある。
作業者が移動や屈伸する際には、長尺のランヤードが構造物に引っ掛ったり、足で踏んで転倒することがある。そこで、ロープ又はストラップの垂れ下がりがないか又は少ないことを特徴とする巻取り式ランヤードや伸縮式蛇腹状ランヤードが好んで使用されている。
ロープ式ランヤードの場合、ロープの断面が略円形(ストラップの場合は略矩形)であり、全長に亘り局所的な突起部がないため、構造物等との接触は一か所に限定されず、摩耗は外周面の全体に生じる。また表面が滑らかであるため、摩擦抵抗が少なく摩耗の進行速度は緩やかである。
また、巻取り式ランヤードの場合は、ストラップの断面が全長に亘り均一に略矩形であり、全長に亘り局所的な突起部がないため、構造物等との接触は一か所に限定されず、摩耗は外周面の全体に生じる。また表面が滑らかであるため、摩擦抵抗が少なく摩耗の進行速度は緩やかである。
これに対して、伸縮式蛇腹状ランヤードは、長尺袋の全長に亘って山部と谷部が交互に形成される蛇腹形状であるため、頂上部以外の谷部や中腹部が構造物と頻繁に接触することがなく、山部の頂上部のみが構造物等と頻繁に接触する。従って摩耗は山部の頂上部に集中する。
また、蛇腹形状はその製造時に癖が付くものであり、山部と谷部の位置はずれることがない。使用時に伸縮させた場合でも、山部の位置はストラップの同じ位置に形成される。
また、表面に凹凸が形成されていることによって、他のランヤードと比べ、摩擦抵抗が大きくなり構造物等から大きな外力を受けることなるため、摩耗の進行速度は速くなる。
換言すれば、伸縮式蛇腹状ランヤードは他の種類のランヤードと比べ強度劣化が早くなる特性を含有している。
安全帯のランヤードは、高所作業時に構造物や作業者の衣類や装備品に接触するため、長期間使用すると、表面の摩耗等によって強度が低下する。従って、使用前に劣化状態を点検することが必須の作業となっている。換言すれば、安全帯は経年使用により劣化が進む消耗品であるため、点検自体をしなかった場合や、点検において、誤って劣化状態が廃棄基準に達していることを見落とし継続使用とした場合には、最悪の場合、万一安全帯の装着者が落下したときにランヤードに加わる荷重に対して、ランヤードの強度が耐えられないことが想定され得る。従って劣化が進んで廃棄基準に達し強度低下したランヤードを、ユーザーが継続して使用しないように、使用前点検や定期点検は必須とされている。
ランヤードの種類毎に、点検方法と廃棄基準がメーカーによって定められている。
伸縮式蛇腹状ランヤード以外のランヤードは、一般的に摩耗がロープ又はストラップの全体にほぼ均等に生じる。従って、摩耗が進んで廃棄基準に達した場合、ユーザーが目視点検によって的確に判断することが容易である。
また伸縮式蛇腹状ランヤード以外のランヤードは、経年使用によって全体に摩耗が進んだ場合には、一般的に、色落ちや汚れ、表面の毛羽立ち等の変化が同時に生じることが多い。従って、必須の作業である使用前点検の実施をユーザーが怠った場合でも、劣化状態が廃棄基準に達していることを使用中に認識することが容易である。換言すれば、摩耗が進んで廃棄基準に達して強度低下したランヤードを、ユーザーが継続して使用する可能性は低い。
これに対して、伸縮式蛇腹状ランヤードは、経年使用による摩耗が全体的には生じずに、山部の頂上部に集中するため、他の種類のランヤードよりも注意して点検する必要がある。
前述のように他の種類のランヤードよりも摩耗の進行が早いため、相対的に色落ちや汚れ、表面の毛羽立ち等の外観の変化が少ない。また、山部の頂上部以外の谷部や中腹部はあまり劣化しないため、全体的に目視した場合には、劣化状態が廃棄基準に達していることを認識することが他の種類のランヤードほど容易ではない。
換言すれば、摩耗が進んで廃棄基準に達し強度低下したランヤードを、ユーザーが継続して使用しないように、他のランヤード以上に丁寧な点検が必要となる。
実用新案登録第3198593号は,長尺の弾性部材と補助ベルトと被覆部材で構成された伸縮式蛇腹状ランヤードである。被覆部材を具備することにより、補助ベルトの摩耗や紫外線による劣化を防止し、ランヤード全体としての強度劣化を抑え、耐久性を向上させている。しかしながら、弾性部材の引っ張り力によって補助ベルトを波打った状態とし、同時に被覆部材を蛇腹状にするために、従来の標準的な伸縮式蛇腹状ランヤードと比べ、弾性部材の弾性力を強くしなければならず、弾性部材への負荷が大きくなるため、使用限度回数が減る。また、弾性部材の重量、コストが増える。このことは、作業者にとって好ましくない。
また、従来の標準的な伸縮式蛇腹状ランヤードと比べ、構成要素として補助ベルト(または被覆部材)が1種類増えることになる。従来の伸縮式蛇腹状ランヤードが2重構造であるのに対して、当該考案は3重構造となっている。従って、ランヤードの太さや重量やコストが増える。また、ランヤードの曲げ剛性が高くなるため可撓性が悪くなり、使用時の取り回しも悪くなる。このことは、作業者にとって好ましくない。
実用新案登録第3203205号,実用新案登録第3203372号についても、伸縮式蛇腹状ランヤードが3重構造となっており、実用新案登録第3198593号と同様の課題がある。
特許第5512782号 実用新案登録第3198593号 実用新案登録第3203205号 実用新案登録第3203372号
安全帯の装着者が万一落下したときには、ショックアブソーバが具備されたランヤードの場合は通常4kN程度の引張荷重がランヤードに加わり、ショックアブソーバが具備されていないランヤードの場合は通常7kN程度の引張荷重がランヤードに加わる。
ランヤードが大きく摩耗した場合は、前記引張荷重に耐えられずに切断することが考えられる。従ってランヤードは、使用前に点検することは必須作業である。
従来の伸縮式蛇腹状ランヤードは、蛇腹状の山部の頂上部のみが頻繁に構造物や作業者の衣服等に接触する。従って、広い面で接触する他の種類のランヤードと比べ、摩耗の進行が早く、耐用期間が短くなり、短期間で買い替えが必要となる。換言すれば、他の種類のランヤードと比べ、コストパーフォーマンスが悪いことになる。
伸縮式蛇腹状ランヤード以外の種類のランヤードの場合、点検は、外観を全体的に目視してから、最も劣化が進んでいるところについて廃棄基準に達していないかを確認する方法で行う。
伸縮式蛇腹状ランヤードは、摩耗が全体的には生じずに山部の頂上部に集中し、摩耗部はランヤードの長尺方向に対して直交する方向に直線状に生じ、摩耗部の幅は数mm程度である。
伸縮式蛇腹状ランヤードは、蛇腹状の山部の頂上部が大きく摩耗した状態を廃棄基準としている。更に摩耗が進行すれば、蛇腹状の山部の頂上部において袋ベルトの厚みを貫通する穴が開いた状態となるが、この状態は廃棄基準を超えた状態であり、新品の引張強度と比較して大きく強度低下しているため、安全上好ましくない。この状態になる前に廃棄する必要がある。
従って、全体的に目視点検する他の種類のランヤードよりも注意して的確に点検する必要がある。
更に、伸縮式蛇腹状ランヤードの場合は、摩耗と傷によって外層を構成する袋ベルトの厚みを貫通する穴が開いた状態であっても、伸縮式蛇腹状ランヤードに張力を加えない自然状態のとき、袋ベルトには長尺袋内に格納された長尺弾性体により圧縮方向に荷重を受けているため、前記穴部の外観は閉口した状態となり、劣化状態を点検しづらい。
つまり、廃棄基準を超えた状態である袋ベルトの厚みを貫通する穴が開いた状態となっても、点検者によっては、この状態を見落とし、的確に点検ができないことも想定され得る。
そこで、伸縮式蛇腹状ランヤードの場合の点検方法は、外観を全体的に目視してから、ランヤードに張力を加えて、袋ベルトの蛇腹部を波打った状態から伸びきった状態にして、蛇腹状の各山部に大きな劣化がないかを確認する方法としている。
伸縮式蛇腹状ランヤードの場合、作業者が伸縮式蛇腹状ランヤード以外のランヤードの点検方法と同等以下の注意力でもって不的確な点検を行った場合には、廃棄基準に達した状態を見落とし、廃棄すべきものを継続して使用する判断を行なうことが想定され、安全上、好ましくない。
従って、点検者の判断結果に個人差が生じずに、廃棄基準に達しているか否かを目視で的確に確認できることが望まれている。
摩耗対策として3重構造とする方法によれば、外層の袋ベルトが大きく摩耗した場合でも、内層のベルトは劣化していないため、必要な強度を確保できる。しかし、3重構造とする方法によれば、ランヤードの太さや重量やコストが増える。更に、ランヤードの可撓性が悪くなることにより、使用時の取り回しが悪くなり、作業性の低下を招く。作業者にとっては煩わしいことである。
そこで、本発明の目的は、摩耗による強度劣化を低く抑えて耐久性を改善し、点検を容易にし、更に安価で操作性の良い伸縮式蛇腹状ランヤードを提供することである。
本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードは、
長尺で扁平状の袋ベルトと、当該袋ベルトより所定率短尺の長尺弾性体とから成り、袋ベルト内に格納された長尺弾性体を伸張させた状態で長尺弾性体の両端を袋ベルトと接合されたストラップであって、
前記ストラップの両端に引張力の負荷を加えたとき、前記袋ベルトは自然長状態となり、前記長尺弾性体は前記袋ベルト長さまで延伸された延伸状態となり、また、引張力の加わらない無負荷時には、前記長尺弾性体は自然長状態となり、前記袋ベルトは表裏両面に波状となった蛇腹状態となるように構成された前記ストラップにおいて、
前記袋ベルトの略長楕円形をした断面が対向する2つの長円弧部と対向する2つの短円弧部の4つの部分で構成され、
対向する2つの長円弧部が所定の経糸で構成され、対向する2つの短円弧部の全部または一部が前記長円弧部の経糸よりも引張強度の高い経糸またはおよび太い経糸で構成されている。
前記対向する2つの長円弧部を構成する所定の経糸とは、前記対向する2つの短円弧部と合わせて4つの部分で構成される袋ベルトにおいて、装着者の墜落を阻止する目的に適う特性(引張強度、耐摩耗性等)を持った経糸をいう。
前記袋ベルトにおいて、対向する2つの前記長弧部を構成する経糸が引張強度が2GPa未満の汎用的な合成繊維で形成され、
対向する2つの前記短円弧部を構成する経糸の全部または一部が、引張強度が2GPa以上の高強度の合成繊維または炭素繊維または金属繊維で形成される。
引張強度が2GPa未満の汎用的な合成繊維としては、ポリエステル繊維やポリアミド繊維やポリプロピレン繊維等がある。以下、「引張強度が2GPa未満の汎用的な合成繊維」を「汎用繊維」という。
引張強度が2GPa以上の高強度の合成繊維としては、アラミド繊維やポリアリレート繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール繊維等が知られている。これらは総称してスーパー繊維と呼ばれている。
前記「引張強度が2GPa以上の高強度の合成繊維」として、前記「スーパー繊維」または炭素繊維または金属繊維が採用され得る。以下、前記スーパー繊維または炭素繊維または金属繊維を「スーパー繊維等」という。
また、本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードの他の実施形態によれば、
長尺で扁平状の袋ベルトと、当該袋ベルトより所定率短尺の長尺弾性体とから成り、袋ベルト内に格納された長尺弾性体を伸張させた状態で長尺弾性体の両端を袋ベルトと接合されたストラップであって、
前記ストラップの両端に形成された輪状部間に引張力の負荷を加えたとき、前記袋ベルトは自然長状態となり、前記長尺弾性体は前記袋ベルト長さまで延伸された延伸状態となり、また、引張力の加わらない無負荷時には、前記長尺弾性体は自然長状態となり、前記袋ベルトは表裏両面に波状となった蛇腹状態となるように構成された前記ストラップにおいて、
前記袋ベルトの略長楕円形をした断面が対向する2つの長円弧部と対向する2つの短円弧部の4つの部分で構成され、
対向する2つの長円弧部が所定の経糸で構成され、対向する2つの短円弧部の全部または一部が前記長円弧部の経糸よりも太い経糸で構成された安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードである。
本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードの一実施形態において、袋ベルトを構成する緯糸と経糸の色が異なる。
本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードは、袋ベルトの略長楕円形をした断面が4つの部分で構成され、対向する2つの長円弧部が所定の経糸で構成され、対向する2つの短円弧部が前記長円弧部の経糸よりも引張強度の高い経糸で構成されている。
対向する2つの長円弧部は、構造物等に頻繁に接触するため摩耗の進行が早い。これに対し、対向する2つの短円弧部は、構造物等に接触する機会が少ないため摩耗の進行が遅い。
対向する2つの長円弧部が廃棄基準に達する程度に摩耗した場合でも、全体の強度の分担割合が大きい前記対向する2つの短円弧部が、墜落阻止時に加わる荷重に耐える強度を確保できるため、安全性が高く、耐用期間が長くなる。
また、本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードの他の実施形態によれば、
袋ベルトの略長楕円形をした断面が4つの部分で構成され、対向する2つの長円弧部が所定の経糸で構成され、対向する2つの短円弧部が前記長円弧部の経糸よりも太い経糸で構成されている。
対向する2つの長円弧部は、構造物等に頻繁に接触するため摩耗の進行が早い。これに対し、対向する2つの短円弧部は、構造物等に接触する機会が少ないため摩耗の進行が遅い。
対向する2つの長円弧部が廃棄基準に達する程度に摩耗した場合でも、全体の強度の分担割合が大きい前記対向する2つの短円弧部が、墜落阻止時に加わる荷重に耐える強度を確保できるため、安全性が高く、耐用期間が長くなる。
また、本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードの他の実施形態によれば、
前記袋ベルトにおいて、対向する2つの前記長円弧部を構成する経糸が引張強度が2GPa未満の汎用的な合成繊維で形成され、対向する2つの前記短円弧部を構成する経糸の全部または一部が、引張強度が2GPa以上のスーパー繊維等で形成されており、対向する2つの長円弧部が廃棄基準に達する程度に摩耗した場合でも、全体の強度の分担割合が大きい前記対向する2つの短円弧部が、墜落阻止時に加わる荷重に耐える強度を確保できるため、安全性が高く、耐用期間が長くなる。
本発明に係る他の実施形態においては、袋ベルトを構成する緯糸の色が経糸の色と異なる。この場合、経糸が大きく摩耗すれば、ベルトの色(経糸の色)と異なる色の緯糸が袋ベルトの表面に現れるため、目視点検において、摩耗状態が容易に認識でき、継続使用するか廃棄するかの判断が的確にできる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る実施の形態について説明する。
図1,図2は従来の標準的な安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤード(以下、従来のランヤード、という)であり、図1は正面図であり、図2はその下面図である。
長尺の袋ベルト1の内側に長尺弾性体2が配置され、長尺弾性体2の両端が袋ベルト1に縫着され、長尺の袋ベルト1の両端がそれぞれ折り返されて輪状部を形成するように縫着されることによってストラップ10が形成される。(図5および図6参照)
従来のランヤードは、前記輪状部に連結環4を介して一旦にフック5が連結され、他端には、安全帯のD環7にショックアブソーバ6が連結された構造である。
図3,図4は従来のランヤードが伸長方向に張力を加えられた場合に、袋ベルト1が自然長となった状態を示しており、図3はその正面図であり、図4はその下面図である。
図7,図8はストラップ10の一端近傍を示した拡大図であり、図7はその正面図であり、図8はその下面図である。また図9はストラップ10が伸長方向に張力を加えられた場合に、袋ベルト1が自然長となった状態を示した下面拡大図である。
図10は図9におけるA−A断面であり、図11は図8におけるB−B断面であり、図12は図8におけるC−C断面であり、図13は図8におけるD−D断面である。
ストラップの蛇腹状の部分の長尺方向に対して直交した断面は、ストラップの長尺方向において、図11の状態→図12の状態→図11の状態→図13の状態→図11の状態を1サイクルとして繰り返す。
図25は袋ベルト1の長尺方向に対して直交した断面における組成の一例を示した説明図であり、図26は袋ベルト1の正面における組成の一例を示した説明図である。
袋ベルト1は、図25、図26に示すように、経糸20と緯糸22で構成される。
経糸20が袋ベルト1の長手方向に対して平行に所定本数配置され、緯糸22が隣接する経糸20の間を経糸20の1本または複数本の上下を交互に通過することによって経糸20と緯糸22が編みこまれて袋ベルト1が形成される。
図28は、このようにして経糸20と緯糸22を製織して出来上がった袋ベルト1の表面の実際の形状を示している。
図28に示すように、製織された袋ベルト1の正面は、経糸20が緯糸22との接触部において円形断面形状から略扇状断面形状につぶれることによって経糸20の幅が広がるため、緯糸22は、幅が広がった経糸20によって表面から隠され、ベルトの厚みの中に埋もれた状態となり、袋ベルト1の表面にはほとんど経糸20のみが現れる。
図14は図8におけるC−C断面であり、構造物等に接触した状態である。
図18は図8におけるC−C断面であり、摩耗した標準的な状態であり、摩耗によって消失した部分1Aを示している。
図15,図16,図17は、ストラップ10が摩耗した標準的な状態であり、摩耗によって消失した部分1Aを示している。図15は正面図であり、図16はその下面図である。また、図17は蛇腹部が摩耗したストラップ10に伸長方向に張力が加えられた状態を示した下面図である。
袋ベルト1の蛇腹状の山部の頂上部のみが頻繁に構造物や作業者の衣服等に接触するため、図18に示すように、摩耗して消失した部分1Aが蛇腹状の山部の頂上部のみに生じる。また図16に示すように、蛇腹状の山部は袋ベルト1の上下の面に交互に形成されており、一般的に近接する上下の蛇腹状の山部において、大きな摩耗が生じる。
図15と図16に示すように、摩耗は、袋ベルト1の上面または下面の表面において、ランヤードの長尺方向に対して直交する方向に直線状に生じ、摩耗部の幅は数mm程度である。摩耗が進行すると、図16のE−E部として示すように、伸縮式蛇腹状ランヤードの外層を構成する袋ベルト1の厚みを貫通する穴が開いた状態となる。
このとき、図17に示すように摩耗したストラップ10に伸長方向に張力が加えられると、最も摩耗が進んだ袋ベルト1の上面の山部と、前記上面に近接する下面の山部を結ぶ断面であるF−F部において経糸20の多くの部分が切断またはほぼ切断された状態となる。
ランヤードの墜落阻止時における強度は、袋ベルト1の長尺方向に加わる荷重に対する強度であり、袋ベルト1を形成する経糸20の強度で決定される。緯糸22は、並列に並んだ経糸20に編みこみ、ベルト形状を保持する機能が主であり、前記強度をほとんど分担しない。換言すれば、経糸20が摩耗するとランヤードが強度低下する。
従って袋ベルト1の山部を構成する経糸20の多くの部分が切断またはほぼ切断された状態となった場合、袋ベルト1を構成するすべての経糸の本数に対する、摩耗して強度を分担しない経糸の本数の割合だけ、理論的に強度低下することになる。実際には、前記割合以上に強度低下することがある。
経糸20の摩耗の進行は、ランヤードの耐久性や安全性に直結する。
作業者が誤って高所から落下した場合、作業者が装着している安全帯とその安全帯のD環に一端を連結されたランヤードとランヤードの他端が係止された構造物等が直線状に連結されることによって、作業者が作業箇所の下方に墜落することを防いでいる。
墜落阻止時には、作業者が装着している安全帯のストラップ部に、大きな衝撃荷重が加わる。安全帯の構造等を定めた法的規格である「安全帯の規格」において、体重85kgの落下体をランヤードの長さ(1.7mが標準的)だけ自由落下させたとき、ストラップ部に加わる衝撃荷重は、8kN以下であることと定めている。一般的なランヤードの場合、この衝撃荷重は6kN〜7kNであり、ショックアブソーバを具備したランヤードの場合は4kN前後である。
また、前記「安全帯の規格」においては、新品のランヤードの引張強度を11.5kN以上と定めている。一般的なランヤードの場合、この引張強度は新品時に18kN以上である。
作業者が万一落下した時に、安全帯によって墜落を阻止するためには、ランヤードの強度は、ランヤードに加わる衝撃荷重値以上でなければならない。従ってランヤードの強度は、少なくとも前記「安全帯の規格」で定められた衝撃荷重値の上限値である8kNよりも高くなければならない。
しかし、摩耗の進行には限度がなく、使用方法や使用期間によってはランヤードの強度が前記8kNを下回ることが想定される。これを防ぐためには点検の実施が必須であるが、点検で廃棄基準に達した状態を見落として継続使用した場合や、点検の実施自体を怠ることが有り得る。段落[0008],[0009]に記載したように、伸縮式蛇腹状ランヤードの場合、点検において廃棄基準に達しているか否かの判別が容易であることと、その時点においても墜落阻止時に加わる衝撃荷重よりも高い残存強度を確保することが望まれている。
本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードの構成について説明される。
本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードは、
長尺で扁平状の袋ベルト1と、当該袋ベルト1より所定率短尺の長尺弾性体2とから成り、袋ベルト1内に格納された長尺弾性体2を伸張させた状態で長尺弾性体2の両端を袋ベルト1と接合されたストラップ10であって、
前記ストラップ10の両端に形成された輪状部間に引張力の負荷を加えたとき、前記袋ベルト1は自然長状態となり、前記長尺弾性体2は前記袋ベルト1長さまで延伸された延伸状態となり、また、引張力の加わらない無負荷時には、前記長尺弾性体2は自然長状態となり、前記袋ベルト1は表裏両面に波状となった蛇腹状態となるように構成された前記ストラップ10において、
前記袋ベルト1の略長楕円形をした断面が対向する2つの長円弧部11,13と対向する2つの短円弧部12,14の4つの部分で構成され、
対向する2つの長円弧部11,13が所定の経糸で構成され、対向する2つの短円弧部12,14の全部または一部が前記長円弧部11,13の経糸20よりも引張強度の高い経糸21またはおよび太い経糸21で構成された安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードである。
長尺弾性体2の両端と袋ベルト1の接合および袋ベルト1の両端が折り返されて輪状部を形成するために接合される方法としては、縫着が一般的である。縫着以外には、化学接着剤による接着や金属端子による圧着や熱等による溶着などが有り得る。
本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードにおける外観は、図1乃至図9と同じである。
図20は図9におけるA−A断面であり、図20は図8におけるB−B断面であり、図21は図8におけるC−C断面であり、図22は図8におけるD−D断面である。
ストラップの蛇腹状の部分の断面は、ストラップの長尺方向において、図20の状態→図21の状態→図20の状態→図22の状態→図20の状態を1サイクルとして繰り返す。
図20は、本発明の一実施形態に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードにおける袋ベルト1の説明図であり、略長楕円形をした断面が4つの部分で構成され、対向する2つの長円弧部11,13を構成する経糸20に対して、対向する2つの短円弧部12,14を構成する経糸21の方が太いことを示している。
図27は、本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードにおける袋ベルト1の正面における組成を示した説明図である。袋ベルト1の幅方向の中央部の経糸20は従来の袋ベルト1と同じであり、袋ベルト1の両端部近傍の経糸21は経糸20よりも太い経糸で構成されていることを示している。また、緯糸22は袋ベルト1の全てにおいて同じ太さである。
対向する2つの長円弧部11,13を構成する経糸20よりも、対向する2つの短円弧部12,14を構成する経糸21を太くすることにより、袋ベルト1の全体の引張強度において、短円弧部12,14が強度を分担する割合が、長円弧部11,13が強度を分担する割合よりも大きくなる。
例えば、ベルトを製織するためのポリアミド繊維の糸には、一般的に繊度が485dtex,695dtex,960dtex,1890dtexのように、太さの異なる種類がある。本発明に係る袋ベルト1は、経糸20と経糸21において、異なる繊度の糸を組み合わせることにより構成される。
例えば、経糸20に繊度が960dtexの糸を使用し,経糸21に繊度が1890dtexの糸を使用する。
図24は、図8におけるC−C断面であり、摩耗した標準的な状態であり、摩耗によって消失した部分13Aを示している。
図28に示すように、袋ベルト1の略長楕円形をした断面が4つの部分で構成され、対向する2つの長円弧部11,13が集中的に摩耗する。袋ベルト1が大きく摩耗して廃棄基準に達し、長円弧部11,13を構成する経糸20が殆ど切断された場合においても、短円弧部12,14を構成する経糸21は殆ど摩耗しない。従って、袋ベルト1の残存強度は、短円弧部12,14を構成する経糸21によって確保される。
安全帯のランヤードは、摩耗や傷以外に、紫外線が照射されることにより、繊維が劣化して強度低下することが知られている。
紫外線による劣化は、紫外線が照射される経糸20の表面に生じる。略扇状断面の経糸20において、紫外線の照射を受ける面は、上側の半円弧部分の表面である。中心部や下側部分は紫外線の照射を受けないため、紫外線による劣化をまぬがれる。
経糸20の糸の太さにおいて、太い糸の方が細い糸よりも単位太さ当たりの表面積の割合が小さくなる。つまり、太い糸の方が細い糸よりも糸の断面積に対して紫外線の照射を受ける部分の割合が小さくなり、太い糸で形成されたベルトの方が、細い糸で形成されたベルトよりも、紫外線による強度劣化の比率が低くなる。
本発明において、対向する2つの長円弧部11,13を構成する経糸20よりも、対向する2つの短円弧部12,14を構成する経糸21を太くすることにより、経糸21の方が経糸20よりも紫外線による劣化が小さくなる。
従って経年使用によって、長円弧部11,13が廃棄基準に達した場合において、短円弧部12,14の紫外線による強度低下は小さく抑えられ、ランヤード全体の残存強度の確保に寄与する。
本発明に係る他の安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードの構成について説明される。
本発明に係る他の安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードにおける袋ベルト1の略長楕円形をした断面が4つの部分で構成され、対向する2つの長円弧部11,13を構成する経糸20に対して、対向する2つの短円弧部12,14を構成する経糸21の方が高強度の糸で形成される。
経糸20が、汎用繊維等で形成され、経糸21の全部または一部が、スーパー繊維等で形成される。
経糸20を形成する繊維は、前記汎用繊維以外の合成繊維でも良い。
経糸21を形成する材料は、経糸20の材料よりも強度が高ければよく、前記スーパー繊維等以外の高強度繊維でも良い。
例えば、対向する2つの長円弧部11,13を構成する経糸20がポリアミド繊維で形成され、対向する2つの短円弧部12,14を構成する経糸21がパラ系アラミド繊維で形成され、袋ベルト1の断面を4分割して対向する2つの長円弧部11,13と対向する2つの短円弧部12,14が形成された場合、経糸21の強度は経糸20の強度の約2.5倍である。従って、対向する2つの長円弧部11,13が摩耗によって全く強度を分担しなくなったとしても、対向する2つの短円弧部12,14のみで、墜落阻止時の荷重に対して十分な強度を確保し得る。
また、前記スーパー繊維等は、摩耗に対しても耐久性が高く、摩耗による強度低下が抑制され新品時に近い強度を確保されるため、対向する2つの長円弧部11,13が摩耗によって全く強度を分担しなくなったとしても、対向する2つの短円弧部12,14のみで、墜落阻止時の荷重に対して十分な強度を確保し得る。
本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードは、実用新案登録第3198593号等に提示されるように摩耗対策として3重構造とする方法とは異なり、強度を担う部材が袋ベルト1のみであり、袋ベルト1だけの構成によって摩耗対策がされる。従って、3重構造とする方法と比べ、ランヤードが細く形成され、重量も軽くなり、コストも低減できる。更に、3重構造とする方法と比べ、ランヤードの可撓性が高いため、使用時の取り回しが良く、作業性が良い。作業者にとっては煩わしさを解消し得る。
本発明に係る他の実施形態について説明される。
本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードは、袋ベルト1を構成する経糸20,21と緯糸22との色が異なる。
袋ベルトを構成する経糸20が大きく摩耗した場合は、経糸20の内側に埋もれていた緯糸22が表面に現れることになる。このとき、経糸20と緯糸22の色が異なれば、ベルト全体は経糸20,21の色だが、経糸20が大きく摩耗した部分は、緯糸22の色がベルトの表面に現れることになる。
本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードにおいては、例えば、赤色の緯糸22と黄色の経糸20,21を使用する。または、赤色の緯糸22と原色の経糸20,21を使用し、ベルト状に織製後にベルトを黄色に染色する。この場合、緯糸22の色を濃い赤色とすれば、織製後にベルトを黄色に染色しても、赤色の緯糸22は黄色には変わらず、織製前の赤色とさほど変化しない。このような方法により、経糸20,21と緯糸22を異なった色とする。
この場合、経糸20が大きく摩耗したときに、ベルトの表面の色を目視点検することにより、摩耗していることを容易に判別することができる。
実用新案登録第3203205号において、内層の第1の被覆部材を外層の第2の被覆部材と異なる色とすることが開示されている。しかし、段落[0016]に記載したように、伸縮式蛇腹状ランヤードは外層の第2の被覆部材に厚みを貫通する穴が開いた状態まで摩耗した場合であっても、張力を加えない自然状態であれば、袋ベルトには長尺袋内に格納された長尺弾性体により圧縮方向に荷重を受けているため、穴部の外観は閉口した状態となり、内層の第1の被覆部材は目視できない。従って、第1の被覆部材と第2の被覆部材を異なる色としても、点検が容易および確実にはならない。
本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードにおいては、外層の袋ベルト1の経糸20が摩耗すれば、張力を加えない自然状態であっても、ベルトと異なる色である緯糸22が表面に現れるため、容易かつ確実に目視点検できる。
本発明に係る安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤードは、対向する2つの長円弧部11,13が摩耗によって全く強度を分担しなくなったとしても、対向する2つの短円弧部12,14のみで、墜落阻止時の荷重に対して十分な強度を確保し得るため、従来の伸縮式蛇腹状ランヤードと比べて、より大きな劣化状態になったときを廃棄基準として設定することができる。このことは目視点検を容易にすることに寄与する。
また、耐用期間が従来の伸縮式蛇腹状ランヤードと比べて長くなるため、ストラップ10の全体に、色落ちや汚れ、表面の毛羽立ち等の変化が同時に生じることが多く、必須の作業である使用前点検の実施をユーザーが怠った場合でも、劣化状態が廃棄基準に達していることを使用中に認識することが容易となる。換言すれば、摩耗が進んで廃棄基準に達して強度低下したランヤードを、ユーザーが継続して使用する可能性が低くなり、安全性の向上に寄与する。
本発明に係る実施形態と異なり、袋ベルト1の対向する2つの長円弧部11,13の経糸20を対向する2つの短円弧部12,14の経糸20よりも強度の高い経糸または太い経糸で構成される場合について考察する。
この場合、対向する2つの長円弧部11,13と対向する2つの短円弧部12,14の強度の分担割合は、対向する2つの長円弧部11,13の方が大きくなり、対向する2つの長円弧部11,13が主に墜落阻止時に加わる荷重に耐える強度を確保し、対向する2つの短円弧部12,14は十分な強度を確保しない構成となる。
経年使用等において、対向する2つの長円弧部11,13の経糸20に摩耗が集中することは前に述べた。従って、袋ベルト1の対向する2つの長円弧部11,13の経糸20を、従来の袋ベルト1の対向する2つの短円弧部12,14の経糸20よりも強度の高い経糸または太い経糸で構成すれば、使用限度回数は増える。
しかし、この袋ベルト1の構成によれば、作業者は点検において、対向する2つの長円弧部11,13の経糸20が大きく摩耗するまで廃棄せず、袋ベルト1が廃棄基準に達する程度に摩耗し廃棄しようとする直前においては、全体の強度の分担割合が大きい対向する2つの長円弧部11,13が摩耗により強度劣化し、強度を保持できないことが想定され得る。また、全体の強度の分担割合が小さい対向する2つの短円弧部12,14も、墜落阻止時に加わる荷重に耐える強度を元から確保できない構成となっている。
従って、袋ベルト1の対向する2つの長円弧部11,13の経糸20を対向する2つの短円弧部12,14の経糸20よりも強度の高い経糸または太い経糸で構成される場合は、墜落阻止時に加わる荷重に耐えられない劣化状態に至るまで、作業者が継続使用することが想定され、安全性に問題がある。
また、前記問題点を考慮して、点検における廃棄基準を厳しくした場合は、従来品と比べて耐久性が向上するとは言えなくなる。
本発明に係る実施形態においては、作業者が点検における廃棄基準に達したと判断したときにおいても、墜落阻止時に加わる荷重に耐える強度を確保できる構成となっているため、安全性が高く耐用期間が長くなる。
本発明の伸縮式蛇腹状ランヤードは、安全帯用のランヤードとしてだけでなく、荷役用の吊りロープとしても使用し得る。
図1は、伸縮式蛇腹状ランヤードが示された正面図である。 図2は、伸縮式蛇腹状ランヤードが示された下面図である。 図3は、伸縮式蛇腹状ランヤードのストラップ部に張力が加わった状態が示された正面拡大図である。 図4は、伸縮式蛇腹状ランヤードのストラップ部に張力が加わった状態が示された下面拡大図である。 図5は、伸縮式蛇腹状ランヤードのストラップ部が示された正面図である。 図6は、伸縮式蛇腹状ランヤードのストラップ部が示された下面図である。 図7は、伸縮式蛇腹状ランヤードのストラップの端末部が示された正面拡大図である。 図8は、伸縮式蛇腹状ランヤードのストラップの端末部が示された下面拡大図である。 図9は、伸縮式蛇腹状ランヤードのストラップに張力を加えた状態が示された下面拡大図である。 図10は、従来のストラップ部の図9におけるA−A断面図である。 図11は、従来のストラップ部の図8におけるB−B断面図である。 図12は、従来のストラップ部の図8におけるC−C断面図である。 図13は、従来のストラップ部の図8におけるD−D断面図である。 図14は、従来のストラップ部が構造物等と接触した状態を示す断面図である。 図15は、従来のランヤードのストラップ部が摩耗した状態を示す正面図である。 図16は、従来のランヤードのストラップ部が摩耗した状態を示す下面図である。 図17は、摩耗した従来のストラップ部に張力が加わった状態を示す下面図である。 図18は、従来のランヤードのストラップ部が摩耗した状態を示す断面図である。 図19は、本発明のストラップ部の図9におけるA−A断面図である。 図20は、本発明のストラップ部の図8におけるB−B断面図であり、本発明のストラップ部の構成を示す説明図である。 図21は、本発明のストラップ部の図8におけるC−C断面図である。 図22は、本発明のストラップ部の図8におけるD−D断面図である。 図23は、本発明のストラップ部が構造物等と接触した状態を示す断面図である。 図24は、本発明のストラップ部が構造物等と接触して摩耗した状態を示す断面図である。 図25は、本発明の袋ベルトの断面における経糸と緯糸の構成を示す説明図である。 図26は、従来の袋ベルトの正面における経糸と緯糸の構成を示す説明図である。 図27は、本発明の袋ベルトの正面における経糸と緯糸の構成を示す説明図である。 図28は、本発明の袋ベルトの正面における経糸と緯糸の形状を示す説明図である。
1 袋ベルト
1A,13A 摩耗して消失した部分
2 長尺弾性体
3 縫製糸
4 連結環
5 フック
6 ショックアブソーバ
7 安全帯のD環
8 構造物等
10 ストラップ部
11 袋ベルトの第一の長円弧部
12 袋ベルトの第一の短円弧部
13 袋ベルトの第二の長円弧部
14 袋ベルトの第二の短円弧部
20,21 経糸
22 緯糸

Claims (5)

  1. 長尺で扁平状の袋ベルトと、当該袋ベルトより所定率短尺の長尺弾性体とから成り、袋ベルト内に格納された長尺弾性体を伸張させた状態で長尺弾性体の両端を袋ベルトと接合されたストラップであって、
    前記ストラップの両端に引張力の負荷を加えたとき、前記袋ベルトは自然長状態となり、前記長尺弾性体は前記袋ベルト長さまで延伸された延伸状態となり、また、引張力の加わらない無負荷時には、前記長尺弾性体は自然長状態となり、前記袋ベルトは表裏両面に波状となった蛇腹状態となるように構成された前記ストラップにおいて、
    前記袋ベルトの略長楕円形をした断面が対向する2つの長円弧部と対向する2つの短円弧部の4つの部分で構成され、
    対向する2つの長円弧部が所定の経糸で構成され、対向する2つの短円弧部の全部または一部が前記長円弧部の経糸よりも引張強度の高い経糸で構成されることを特徴とする安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤード。
  2. 長尺で扁平状の袋ベルトと、当該袋ベルトより所定率短尺の長尺弾性体とから成り、袋ベルト内に格納された長尺弾性体を伸張させた状態で長尺弾性体の両端を袋ベルトと接合されたストラップであって、
    前記ストラップの両端に形成された輪状部間に引張力の負荷を加えたとき、前記袋ベルトは自然長状態となり、前記長尺弾性体は前記袋ベルト長さまで延伸された延伸状態となり、また、引張力の加わらない無負荷時には、前記長尺弾性体は自然長状態となり、前記袋ベルトは表裏両面に波状となった蛇腹状態となるように構成された前記ストラップにおいて、
    前記袋ベルトの略長楕円形をした断面が対向する2つの長円弧部と対向する2つの短円弧部の4つの部分で構成され、
    対向する2つの長円弧部が所定の経糸で構成され、対向する2つの短円弧部の全部または一部が前記長円弧部の経糸よりも太い経糸で構成されることを特徴とする安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤード。
  3. 前記袋ベルトにおいて、対向する2つの前記長円弧部を構成する経糸が引張強度が2GPa未満の汎用的な合成繊維で形成され、対向する2つの前記短円弧部を構成する経糸の全部または一部が、引張強度が2GPa以上の高強度の合成繊維または炭素繊維または金属繊維で形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤード。
  4. 前記袋ベルトを構成する緯糸の色が経糸の色と異なることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3に記載の安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤード。
  5. 前記袋ベルトの両端をそれぞれ折り返して接合することにより輪状部を形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の安全帯用伸縮式蛇腹状ランヤード。
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