JP6745515B2 - 液体配管用凍結栓形成装置及び液体配管への凍結栓形成方法 - Google Patents

液体配管用凍結栓形成装置及び液体配管への凍結栓形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体配管用凍結栓形成装置及び液体配管への凍結栓形成方法に関する。
配管の流路上に設けられた弁や計器、その他の装置について点検や交換などの保守作業を行う際には、保守対象の弁などの機器の少なくとも上流側を遮断する必要がある。プラントによっては、保守作業を行う機器の上流や下流に仕切弁が設けられていない。このため、液体窒素を用いた凍結栓形成装置を設置して、保守作業を行う機器の上流や下流に凍結栓(アイスプラグ)を形成し、その後、必要な保守作業を行う。
既設配管に凍結栓を形成する方法としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。特許文献1では、発泡スチロールなどの断熱箱に配管形状に合わせて配管貫通部を形成する加工を施し、かつ、断熱箱を上部開放型とし、配管貫通部を配管が通るように断熱箱を配管に装着し、加工を施した部分をシリコンゴムなどの液状パッキンでシールした後、断熱箱内に液体窒素などの液化ガスを貯留して同箱内の配管を液化ガス内に浸漬させることにより、配管に凍結栓を形成している。
特開2011−153673号公報
特許文献1に記載の凍結栓形成装置も含めて、従来の凍結栓形成装置では、少なくとも配管との間の隙間にシールを施す必要がある。
このため、シールに不具合があれば、液体窒素が漏れだし、十分な凍結栓が形成できないおそれがある。また、毎回、シールを施す必要があり、作業性の面でも難点がある。
また、保守作業中に液体窒素が何等かの理由で喪失または減少した場合には、凍結栓を維持できなくなる可能性がある。配管内に凍結栓を形成して保守作業を開始した後に、何等かの理由により、液体窒素による冷却が維持できなくなっても、ある程度の時間、凍結栓を維持できるようにするのが望ましい。
本発明の目的は、配管への凍結栓形成装置の設置が容易であり、液体窒素などの液化ガスの漏洩の可能性を小さくすることが可能な液体配管用凍結栓形成装置及び液体配管への凍結栓形成方法を提供することにある。
本発明は、液体が流れる配管に凍結栓を形成する液体配管用凍結栓形成装置であって、液化ガスを収容する金属容器と、常温では液体または液体状となる冷却用熱媒体を軟質プラスチックで形成された袋に収容した二次冷媒封入袋とを備え、金属容器は、配管の外周に間隔を置いて設置され、二次冷媒封入袋は、金属容器と配管との間に設置されるようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、配管への凍結栓形成装置の設置が容易であり、液体窒素などの冷却媒体の漏洩の可能性を小さくすることが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1における液体配管用凍結栓形成装置を配管へ取付けたときの外観図である。 図1において保温材を省略したときの外観図である。 実施例1における液体配管用凍結栓形成装置を配管へ取付けたときの正面図である。 実施例1における液体配管用凍結栓形成装置を配管へ取付けたときの側面図である。 実施例1における液体配管用凍結栓形成装置を配管へ取付けたときの平面図である。 図3Aにおける3D−3D矢視断面図である。 実施例1における液体配管用凍結栓形成装置の金属容器の容器蓋の(a)正面図、(b)側面図である。 実施例1における液体配管用凍結栓形成装置の二次冷媒押え容器の容器蓋の(a)正面図、(b)側面図である。 実施例2における液体配管用凍結栓形成装置を配管へ取付けたときの外観図である。 図6において保温材を省略したときの外観図である。 実施例2における液体配管用凍結栓形成装置を配管へ取付けたときの正面図である。 実施例2における液体配管用凍結栓形成装置を配管へ取付けたときの左側面図(配管へ取付けた際に下部となる側の側面図)である。 実施例2における液体配管用凍結栓形成装置を配管へ取付けたときの右側面図(配管へ取付けた際に上部となる側の側面図)である。 実施例2における液体配管用凍結栓形成装置を配管へ取付けたときの平面図である。 図8Aにおける8E−8E矢視断面図である。 実施例2における液体配管用凍結栓形成装置の金属容器の容器蓋の(a)正面図、(b)側面図である。 実施例2における液体配管用凍結栓形成装置の二次冷媒押え容器の容器蓋の(a)正面図、(b)側面図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1〜図5を用いて本発明の実施例1の液体配管用凍結栓形成装置(冷却器)1を説明する。実施例1の液体配管用凍結栓形成装置は液体が流れる配管100が水平方向に設置されている場合に用いられる。
図1は実施例1における液体配管用凍結栓形成装置1を液体が流れる配管100へ取付けたときの外観図(保温施工済み)であり、図2は保温材60が無い状態の液体配管用凍結栓形成装置の外観図である。
本実施例の液体配管用凍結栓形成装置1は、配管100の設置方向(配管の垂直断面に直交する方向)から見たときの形状がU字状(コ字状とも言うが、以下、U字状と称する)となっている金属容器10と、U字状の金属容器10が配管100と所定の位置関係となるように金属容器10を設置するための固定冶具20と、U字状の金属容器10と配管100との間に敷き詰められる二次冷媒が封入された二次冷媒封入袋30と、二次冷媒封入袋30の上方に設置される二次冷媒押え容器40と、金属容器10及び二次冷媒押え容器40内へそれぞれ充填される液体窒素などの(超低温)液化ガスと、金属容器10及び二次冷媒押え容器40の液化ガス充填口11,12,41をそれぞれ塞ぐ容器蓋51,52から構成される。
金属容器10は、SUS304などのステンレス鋼で形成されている。但し、ステンレス鋼に限定されるものではないが、低温脆性を考慮するとステンレス鋼で金属容器を形成するのが望ましい。金属容器10は、本実施例では、液化ガスの収容部分10cが、図3Dに示すように、U字状の断面を有するよう形成されている。言い換えれば、金属容器10は、配管100に液体配管用凍結栓形成装置を設置した際に、配管の設置方向から見た形状がU字状の内部空間を有するように形成されている。U字状の収容部分10c(断面)は、U字における底部10aとU字における二つの立ち上がり部10bを有する。なお、本実施例では、金属容器は、U字状の断面を有するが、これは配管100の周囲を覆うのに適しているからである。したがって、金属容器の断面の形状は、配管100の外周に間隔を置いて配管の周囲を覆うようなものであれば良い。ここで配管の周囲を覆うとは、U字状のようなものを含むものであり、配管の全周を覆うものである必要はない。また、金属容器10は、図3Aに示すように、配管100の設置方向に所定の長さを有する。凍結栓による封止効果が確実になるような長さとなっている。本実施例では、配管径が25〜50mmを想定したものであり、金属容器10の配管100の設置方向の長さは300mm程度としている。ただし、これに限定されるものではない。この金属容器10の配管100の設置方向の長さは凍結栓の形成状況を実験などにより確認して適宜決定される。また、配管径が大きくなれば、凍結栓をより完全なものとするために、金属容器10の配管100の設置方向の長さを長くした方が望ましい。また、図3Dに示すように、金属容器10のU字の底部10aにおける容器内側の幅W2はU字の立ち上がり部10bにおける容器内側の幅W1よりも小さくしている。U字の底部10aの幅を小さくすることにより、比較的少ない液化ガスの充填量でU字状の金属容器10内を液化ガスで満たすことができ、少ない液化ガスで効率良く配管100を冷却することができる。
U字状の金属容器10の外表面(外側)は、U字の内周側の外表面、U字の外周側の外表面、配管100の設置方向の端部の外表面、U字の立ち上がり部10bの端部の外表面から構成されるが、金属容器10の外表面には、U字の内周側の外表面及び後述の液化ガスの充填口の形成箇所を除いて、発泡スチロールなどの保温材60が貼り付けられる。本実施例では、10mm程度の厚さの保温材を2枚重ねで金属容器10の外側に設けている。
金属容器10は、図3A及び図3Cに示すように、液体配管用凍結栓形成装置1を配管100に取付けた時に、金属容器10の上部(上端)となる位置には液化ガスの充填口11,12が設けられている。本実施例では充填口が二つ設けられているが、何れか一方でも良い。充填口11,12には、図4に示す容器蓋(金属容器蓋)51が液化ガス充填後に設置される。本実施例では、容器蓋51は、充填口11,12よりも配管100方向の長さが長くなるように形成され、長さ方向の端部において充填口11,12の縁に載置されるようになっている。また、容器蓋51には把手51aが設けられ、上面側に発泡スチロールなどの保温材60が貼り付けられている。本実施例では、10mm程度の厚さの保温材を2枚重ねとしている。
二次冷媒封入袋30は、可塑剤を含む塩化ビニルや低密度ポリエチレンなどの軟質プラスチックでできた袋に、少なくとも常温で、液体または液体状(ジェル状)となる冷却用熱媒体(二次冷媒)を充填したものである。本実施例では二次冷媒として水を充填している。二次冷媒が凍結した際に軟質プラスチック袋を破る可能性があり、保守作業終了後に二次冷媒が融解すると二次冷媒が破損した袋から漏れ出ることになる。二次冷媒として水を用いた場合、袋が破損して水が袋外に出ても周囲への影響が少なく、後片付けも容易である。また、軟質プラスチック袋は、二次冷媒封入袋30を設置する際に破れなければ良く、したがって、軟質プラスチック袋の厚さを薄くして熱伝達を良くするのが望ましい。二次冷媒としては、水に限定されず、例えば、水に給水性ポリマーを配合した保冷剤などを用いても良い。保冷剤を用いた場合には、液体窒素などの液化ガスによる冷却が維持できなくなった後でも凍結栓を長期に維持することができる。二次冷媒封入袋30は、金属容器10のU字状の内周側の外表面と配管100の外周の間に敷き詰められる。二次冷媒封入袋30は、配管100の上部も覆うように設けられる。二次冷媒封入袋30により金属容器10と配管100との間の熱伝導を確保する。本実施例では、二次冷媒封入袋30を二つ用いて金属容器10のU字状の内周側の外表面と配管100の外周の間を隙間なく二次冷媒封入袋30で埋めるようにしている。熱伝達を考慮すると、二次冷媒封入袋30の数は少ない方が良く、配管を効率良く、そして、熱伝達を良好に行わせるために、二つの二次冷媒封入袋30を用いて配管100の左右または上下に二次冷媒封入袋30を設置するのが良い。ただし、二次冷媒封入袋30の数はこれに限定されるものではない。また、径の異なる配管100に対して、二次冷媒の充填量を調節した二次冷媒封入袋30を用いることにより、金属容器10のU字状の内周側の外表面と配管100の外周の間を隙間なく二次冷媒封入袋30で埋めることが容易にできる。すなわち、一つの液体配管用凍結栓形成装置1を複数の配管径に用いることができる。
二次冷媒押え容器40は、二次冷媒封入袋30を金属容器10のU字状の内周側の外表面と配管100の外周の間に設けた後に、二次冷媒封入袋30の上部を抑えるように設けられる。二次冷媒押え容器40は、金属容器10と同様な観点でSUS304などのステンレス鋼で形成されている。この点から、二次冷媒押え容器は、第2の金属容器であるともいえる。二次冷媒押え容器40は、本実施例では、長手方向の両端部において、U字状の金属容器10の両側の上端部に設置される突起板40aが形成されている。二次冷媒押え容器40の上部(上端)となる位置には液化ガスの充填口41が設けられている。充填口41には、図5に示す容器蓋(二次冷媒押え容器蓋)52が液化ガス充填後に設置される。本実施例では、容器蓋52は、充填口41よりも配管100方向の長さが長くなるように形成され、長さ方向の端部において充填口41の縁に載置されるようになっている。また、容器蓋52には、金属容器10の容器蓋51と同様に、把手52aが設けられ、また、上面側に発泡スチロールなどの保温材60が貼り付けられている。
図3B,図3Dから明らかなように、二次冷媒押え容器40を金属容器10に設置した場合、金属容器10のU字状の内周側の外表面と二次冷媒押え容器40の下側の外表面との間に円筒状の空間が形成され、その空間に配管100が位置する。その空間を埋めるように二次冷媒封入袋30が設置される。なお、上述したように、二次冷媒押え容器は第2の金属容器とも言えるので、金属容器10と第2の金属容器(二次冷媒押え容器40)とで配管100の周囲に環状の空間を形成しているともに言える。
本実施例では、U字状の金属容器10の二つの立ち上がり部10bの間に、二次冷媒押え容器40が挿入されるようになっている。言い換えれば、本実施例では、U字状の金属容器10の二つの立ち上がり部10bは、二次冷媒封入袋30が設置された状態で、立ち上がり部10bの上端位置が、二次冷媒封入袋30の上部よりも上に位置するような長さとなっている。このように立ち上がり部10bを形成することにより、二次冷媒押え容器40を金属容器10に設置して形成される円筒状の空間に二次冷媒封入袋30を隙間なく設置する作業が容易となる。
なお、本実施例では、U字状の金属容器10の二つの立ち上がり部10bの間に、二次冷媒押え容器40が挿入されるようになっているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、二次冷媒封入袋30を隙間なく設置する作業が難しくなる可能性があるが、二つのU字状の金属容器を準備し、二つのU字状の金属容器を、そのU字状の立ち上がり部が対向するように、かつ、配管を挟むように上下に設置する構成としても良い。この場合、上部に設置されるU字状の金属容器は、U字状の底部側(設置した場合に配管の上方に位置する側)に液化ガスの充填口が設けられる。
また、本実施例では、金属容器10の上端と二次冷媒押え容器40の上端とが略同一となるようになっている。金属容器10の上端と二次冷媒押え容器40の上端には、発泡スチロールなどの保温材60が貼り付け又は載置される。図1に示すように、保温材60の外周にベルト70を巻き付け、ベルト70により二次冷媒押え容器40と金属容器10を固定する。本実施例では、充填口11,12,41を挟んで配管100の設置方向の二箇所においてベルト70を巻き付けているが、これに限定されるものではない。
U字状の金属容器10が配管100と所定の位置関係となるように金属容器10を設置するための固定冶具20は、配管100に取り付けられる配管クランプ20a、配管クランプ20aに一体に取り付けられ、先端部にねじが形成された吊りボルト20b、吊りボルト20bにナット20cを用いて固定される支え板20dから構成される。配管クランプ20aは、ボルトとナットを用いて配管100に固定される。支え板20dは、本実施例では、コ字状の形状を有し、その両端部にボルト20eが挿入される長円形の孔20fが形成されている。金属容器10の上端部にはボルト20eが螺合される雌ねじ部が一体的に設けられている。本実施例では雌ねじ部としてナット20gが金属容器10の上端部(本実施例では四隅に計4箇所)に固着されている。ナット20gが位置する金属容器10の上端部にはボルト20eの先端部が貫通可能な孔が形成されている。ボルト20eをそれぞれナット20gに螺合して支え板20dに金属容器10を固定する。なお、U字状の金属容器10が配管100と所定の位置関係となるように金属容器10を設置するという観点では、必ずしも、配管100に固定冶具20(配管クランプ20a)を取り付ける必要はなく、例えば、壁や床面などに取り付けた固定冶具により金属容器10を配管100の周囲に設置するようにしても良い。但し、配管100に固定冶具を取り付ける構造の方が取り扱い性において優れる。
次に、本実施例の液体配管用凍結栓形成装置1を配管100に取り付ける手順について説明する。
先ず、固定冶具20を配管100に取り付ける。配管クランプ20aを配管100に取り付け、また、吊りボルト20bへの支え板20dの取り付け高さを調節しておく。このとき、支え板20dは、図3Cに二点鎖線で示すように、コ字状の端部を金属容器10側と反対側に位置するようにしておく。金属容器10を二つの固定冶具間に位置させて、支え板20dを回転させ、支え板20dの長円形の孔20fにボルト10eを通して、金属容器10側のナット20gに螺合させて、支え板20dと金属容器10を固定する。これにより金属容器10が配管100を囲うように設置される。本実施例では配管100の中心と金属容器10のU字状の内周側の曲率中心とが略一致するように、金属容器10を配管100に対して配置している。このように配置することにより配管100の周りから略均一に配管100を冷却することができる。
その後、金属容器10のU字状の内周側と配管100の間に二次冷媒封入袋30を敷き詰める。そして、二次冷媒封入袋30を上から抑えるように二次冷媒押え容器40を金属容器10の上部に設置する。そして、充填口11,12,41を除く部分に保温材60を金属容器10及び二次冷媒押え容器40の上に取り付け、その後、図1に示すようにベルト70を取り付ける。
そして、充填口11,12,41を介して、(超低温)液化ガスとして液体窒素を金属容器10及び二次冷媒押え容器40内に注入する。なお、液化ガスとしては液体窒素以外のものを用いても良い。本実施例では、金属容器10と二次冷媒押え容器40を合わせて、おおよそ6リットルの液体窒素を注入している。径が大きい配管に対しては、容器容量を大きくして液体窒素注入量を多くするのが好ましい。液体窒素充填後、容器蓋51,52をそれぞれの充填口に設置する。これにより液体配管用凍結栓形成装置1による配管100への凍結栓(アイスプラグ)の形成が開始する。凍結栓形成過程において、必要に応じて、容器蓋51,52を開けて容器内の液体窒素量を確認し、液体窒素量が減少している場合には、液体窒素を補充する。
金属容器10のU字状の内周側及び二次冷媒押え容器40の下側を介して液体窒素により二次冷媒封入袋30が冷却され、そして、冷却された二次冷媒封入袋30により配管100が冷却され、配管100内を流れる流体が冷却される。
液体窒素による冷却開始後、1時間程度で凍結栓が形成される。また、その後、耐圧試験(最大1.2MPaの圧力を2分間程度保持)を一時間置きに数回行ったが、凍結栓が維持されることを確認している。
凍結栓が形成された後に、配管の流路上に設けられた弁や計器、その他の装置について点検や交換などの保守作業を行う。保守作業の間、必要に応じて、容器蓋51,52を開けて容器内の液体窒素量を確認し、液体窒素量が減少している場合には、液体窒素を補充する。または、温度計を凍結栓の形成箇所の配管100に設置して温度管理を行い、所定の温度以下となるように、液体窒素を補充する。
なお、保守作業が終了後、液体窒素の補充を行うことなく、そのまま放置しても3時間程度は凍結栓の形成箇所の温度は低温のまま維持され、さらに、0.7MPa程度の圧力を凍結栓に加えながら放置しても7時間程度は凍結栓による閉塞が維持されていた。したがって、本実施例の液体配管用凍結栓形成装置によれば、配管内に凍結栓を形成して保守作業を開始した後に、すなわち、保守作業中に、液体窒素などの液化ガスが何らかの要因により喪失または減少して液体窒素などの液化ガスによる冷却が喪失しても凍結栓の機能をある程度の時間(例えば数時間程度)維持することが可能である。
また、本実施例では、液体窒素が配管に直接接触していない点において熱伝達の面で不利ではあるが、金属容器10や二次冷媒押え容器40に液体窒素を充填する構造であるので、液体窒素の漏れの心配がなく、凍結栓の形成を確実なものとすることができる。言い換えれば、従来の凍結栓形成装置では、液体窒素の蒸発を抑制するため、保温性の高い発泡スチロールで凍結栓形成装置(容器)を構成し、液体窒素を液体が流れる配管に直接接触させる構成であるのに対して、本実施例では、液体窒素による配管の冷却を液体窒素による直接冷却という発想を取り止め、また、発泡スチロールで容器を構成するという発想を止めて、常温では液体となって形態変化可能で、漏れが生じても問題が少ない物質(水など)を軟質プラスチック袋に封入した二次冷媒封入袋と、液体窒素を収容する金属容器との二つに分け、二次冷媒封入袋と金属容器を介して、金属容器に収容した液体窒素により配管を冷却し、凍結栓を形成するようにするものである。これにより、本実施例では、液体窒素の漏れの心配がなく、凍結栓の形成を確実なものとすることができるほか、液体窒素を収容する容器は従来必要であったシールを施す必要がないものとすることができるので、液体配管用凍結栓形成装置の配管への設置作業が容易である。
なお、上述の実施例では金属容器10を一つの容器として形成しているがこれを分割して形成しても良い。例えば、配管100の設置方向から見たときに、左右分割構造とし、金属容器10を設置した際にU字状の断面となるようにしても良い。本発明においてU字状の金属容器10とはこのような分割された場合も含むものである。
図6〜図10を用いて本発明の実施例2の液体配管用凍結栓形成装置(冷却器)2を説明する。実施例2の液体配管用凍結栓形成装置は配管200が縦方向に設置されている場合に用いられる。
図6は実施例2における液体配管用凍結栓形成装置2を配管200へ取付けたときの外観図(保温施工済み)であり、図7は保温材60が無い状態の液体配管用凍結栓形成装置の外観図である。
本実施例の液体配管用凍結栓形成装置2は、実施例1と同様に、基本的に、配管200の設置方向(配管の垂直断面に直交する方向)から見たときの形状がU字状となっている金属容器15と、U字状の金属容器15を配管に固定するための固定冶具25(25a,25b)と、U字状の金属容器15と配管200との間に敷き詰められる二次冷媒が封入された二次冷媒封入袋30と、二次冷媒封入袋30の側方に設置される二次冷媒押え容器45と、金属容器15及び二次冷媒押え容器45内へそれぞれ充填される液体窒素などの液化ガスと、金属容器15及び二次冷媒押え容器45の液化ガス充填口16,17,42をそれぞれ塞ぐ容器蓋53,54から構成される。容器蓋53,54は把手それぞれ把手53a,54aを備える。
本実施例において、実施例1と異なる主な点は、液化ガスの充填口の位置である。本実施例では、金属容器15及び二次冷媒押え容器45を設置した際に、充填口16,17,42が上方に位置するようになっている。本実施例では、金属容器15及び二次冷媒押え容器45の配管の据え付け方向の上端部に充填口16,17,42が形成されている。
また、本実施例では、保温材60の外周に巻き付けるベルト70(図6参照)の他に、図7に示すように、保温材60の取り付け前であって、二次冷媒押え容器45を金属容器15に設置した際に、二次冷媒押え容器45と金属容器15を固定するベルト71を有する。
また、実施例1では同じ固定冶具20を二つ用いているが、本実施例では、U字状の金属容器15が配管200と所定の位置関係となるように金属容器15を設置するための固定冶具25は、上方に位置する固定冶具25aと下方に位置する固定冶具25bとから構成される。上方に位置する固定冶具25aは、配管200に取り付けられる配管クランプ25aa、配管クランプ25aaに一体に取り付けられ、先端部にねじが形成された吊りボルト25ab、吊りボルト25abにナット25acを用いて固定される上部支え板25adから構成される。配管クランプ25aaは、ボルトとナットを用いて配管200に固定される。上部支え板25adは、本実施例では、金属容器15のU字状の底部側に固定されるようにしているが、実施例1の支え板と同様に、コ字状の形状とし、金属容器15のU字状の立ち上がり部の端部側に固定されるようにしても良い。上部支え板25adの金属容器側の端部に形成された孔(図示省略)にボルト25aeを挿入し、金属容器15のU字状の底部側であって上部(金属容器15を配管200に設置した際の上部)側に固着されたナット25agにボルト25aeを螺合して上部支え板25adに金属容器15を固定する。下方に位置する固定冶具25bは、配管クランプ25baと、配管クランプ25baに一体化された環状の下部支え板25bbから構成される。配管クランプ25baは、ボルトとナットにより配管200に固定される。環状の下部支え板25bbは、配管クランプ25baに一体化され、本実施例では、配管クランプ25baと同様に二つ割りの構成であり、二つ合わせて環状の形態となる。固定冶具25bは、金属容器15及びそれに設置された二次冷媒押え容器45の重さを支える機能を有する。
その他は、実施例1と同様であり、説明は省略する。なお、図6〜10において、実施例1に示す部材に対応する部材には実施例1と同じ符号を付している。
本実施例においても実施例1と同様の効果が得られる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加,削除,置換をすることが可能である。
例えば、配管の敷設状況が水平または垂直でない場合には、その敷設状況に応じて、金属容器及び二次冷媒押え容器の液化ガスの充填口の位置を、金属容器及び二次冷媒押え容器を配管に設置した際に、上方の位置となるように適宜設定する。
また、二次冷媒押え容器を設置することにより配管の全周から冷却を行うことができるので凍結栓の形成をより確実なものとすることができるが、凍結栓の形成状況を事前に確認することにより二次冷媒押え容器を省略することも可能である。
1,2・・・液体配管用凍結栓形成装置、10,15・・・金属容器、11,12,16,17,41,42・・・充填口、20,25・・・固定冶具、30・・・二次冷媒封入袋、40,45・・・二次冷媒押え容器、51,52,53,54・・・容器蓋、60・・・保温材、70,71・・・ベルト、100,200・・・配管。

Claims (14)

  1. 液体が流れる配管に凍結栓を形成する液体配管用凍結栓形成装置であって、
    液化ガスを収容する金属容器と、常温では液体または液体状となる冷却用熱媒体を軟質プラスチックで形成された袋に収容した二次冷媒封入袋とを備え、
    前記金属容器は、前記配管の外周に間隔を置いて設置され、
    前記二次冷媒封入袋は、前記金属容器と前記配管との間に設置されることを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  2. 請求項1に記載の液体配管用凍結栓形成装置において、
    前記金属容器は、凍結栓を形成する配管に液体配管用凍結栓形成装置を設置した際に、配管の設置方向から見た形状がU字状の内部空間を有するように形成され、U字状の内部空間を形成する前記金属容器は、U字の底部とU字の立ち上がり部を有し、
    前記金属容器は、前記U字状の内部空間を形成する金属容器のU字の内周側に前記配管が位置するように設置されることを特徴とすることを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  3. 請求項2に記載の液体配管用凍結栓形成装置において、
    前記金属容器のU字の内周側を除く外表面には保温材が施されることを特徴とすることを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  4. 請求項2または3に記載の液体配管用凍結栓形成装置において、
    U字の立ち上がり部の端部側に、液化ガスを収容する第2の金属容器が設置され、
    前記金属容器と前記第2の金属容器とで前記配管の全周を覆い、前記金属容器及び前記第2の金属容器の前記配管側と前記配管の外周との間に環状の空間が形成され、
    前記二次冷媒封入袋は、前記環状の空間を埋めるように設置されることを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  5. 請求項4に記載の液体配管用凍結栓形成装置において、
    前記第2の金属容器は、前記金属容器のU字の立ち上がり部間に挿入されるように構成されることを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  6. 請求項5に記載の液体配管用凍結栓形成装置において、
    前記第2の金属容器の前記配管側と前記金属容器のU字の立ち上がり部と面する側を除く外表面には保温材が施されることを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  7. 請求項2から6の何れか一項に記載の液体配管用凍結栓形成装置において、
    前記金属容器のU字の底部における容器内側の幅はU字の立ち上がり部における容器内側の幅よりも小さいことを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載の液体配管用凍結栓形成装置において、
    凍結栓を形成する配管に液体配管用凍結栓形成装置を設置した際に、上方に位置する前記金属容器の端部側には液化ガスを注入する充填口が形成され、
    前記充填口を塞ぐ容器蓋を備えることを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  9. 請求項4から6の何れか一項、または、請求項4から6の何れか一項を引用する請求項8に記載の液体配管用凍結栓形成装置において、
    凍結栓を形成する配管に液体配管用凍結栓形成装置を設置した際に、上方に位置する前記第2の金属容器の端部側には液化ガスを注入する充填口が形成され、
    前記第2の金属容器の充填口を塞ぐ容器蓋を備えることを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  10. 請求項1から9の何れか一項に記載の液体配管用凍結栓形成装置において、
    前記二次冷媒封入袋に収容される冷却用熱媒体は水であることを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  11. 請求項1から10の何れか一項に記載の液体配管用凍結栓形成装置において、
    前記金属容器は、ステンレス鋼で形成されていることを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  12. 請求項1から11の何れか一項に記載の液体配管用凍結栓形成装置において、
    前記配管に対して前記金属容器の位置を固定する固定冶具を備えることを特徴とする液体配管用凍結栓形成装置。
  13. 請求項12に記載の液体配管用凍結栓形成装置を用いた液体配管への凍結栓形成方法であって、
    前記固定冶具を前記配管に取り付け、前記配管に取り付けた前記固定冶具に前記金属容器を取り付け、前記金属容器と前記配管との間に前記二次冷媒封入袋を設置し、前記金属容器内に液化ガスを充填することを特徴とする液体配管への凍結栓形成方法。
  14. 請求項13に記載の液体配管への凍結栓形成方法において、
    前記配管の径に応じて前記二次冷媒封入袋の大きさを変えるようにしたことを特徴とする液体配管への凍結栓形成方法。
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