JP6745105B2 - スワラ、スワラを含む気水分離器、およびこれを含む沸騰水型原子炉 - Google Patents

スワラ、スワラを含む気水分離器、およびこれを含む沸騰水型原子炉 Download PDF

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Description

例示的な実施形態は、スワラ、沸騰水型原子炉用の気水分離システム、および/または沸騰水型原子炉に関する。
沸騰水型原子炉は、炉心から発生する熱を利用することによって蒸気を発生させ、この蒸気を用いてタービンおよび発電機を回転させる。加圧水型原子炉において、冷却水は、原子炉を循環する一次冷却システムおよび蒸気発生器としての役割を果たす二次冷却システムに別々に流れる。一次冷却システムでは、高温水が、原子炉炉心から発生した熱によって生成される。二次冷却システムでは、二次冷却システム内の水は、蒸気発生器の熱交換器で沸騰されて蒸気となり、タービンまたは発電機を回転させる。
原子炉の種類に関係なく、タービンに供給される蒸気からは、水分が除去されなければならない。この目的のために、典型的な原子炉は、原子炉または蒸気発生器で生成された、蒸気および水の二相流から水を除去するために複数の気水分離器および乾燥器などを備える。
従来の気水分離器では、気水分離器に流れ込んだ二相流から分離された水が、排水管を通してバレルの外に排出される場合であっても、大部分の蒸気が、バレルの上部から外に流れてしまう。したがって、二相フローストリーム(FS:flow stream)の速度が高く、および/または気水分離器入口の含水量が高い場合、蒸気によって運ばれる水分液滴の数は増加し、その結果、水分の同伴(carry−over)が増加し得る。水分の同伴の増加は、発電所の放射能レベルを増加させ、停止性能に悪影響を及ぼす。水分の同伴レベルが、有害なまでに高くなった場合、主蒸気ラインおよびタービンの特定の構成要素が、より高い保守費用につながる流れ促進腐食などのメカニズムからの劣化の増大の結果として悪影響を受け得る。
少なくとも一実施形態は、気水分離器に関する。
一実施形態において、気水分離器は、気体−液体二相フローストリームを受け入れるように構成されるスタンドパイプおよびスタンドパイプから気体−液体二相フローストリームを受け入れるように構成される第1のスワラを含む。第1のスワラは、気体−液体二相フローストリームを分離するように構成される。第1のスワラは、真っ直ぐな流れ部分および真っ直ぐでない流れ部分を含む。真っ直ぐな流れ部分は、第1のスワラを通る気体−液体二相フローストリームの真っ直ぐな流れを可能にする真っ直ぐな流れ通路を有し、真っ直ぐでない流れ部分は、第1のスワラを通る気体−液体二相フローストリームの真っ直ぐでない流れを実現する、第1のスワラ内の少なくとも1つのベーンによって画成される少なくとも1つの真っ直ぐでない流れ通路を有する。
一実施形態において、スワラは、第1の内部空間を画成する外側ハウジングおよび複数のベーンを含む。複数のベーンは、少なくとも1つのベーンを含み、複数のベーンは、外側ハウジングの内面から外側ハウジングの内部に向かって延在し、複数のベーンは、第1の内部空間を、少なくとも1つの真っ直ぐな流れ通路および少なくとも1つの真っ直ぐでない流れ通路に分ける。
一実施形態において、複数のベーンの互いに隣り合うベーンの外側面は、真っ直ぐでない流れ通路の1つをそれぞれに画成する。
一実施形態において、複数のベーンの遠位端の間の、内部空間の隙間は、真っ直ぐな流れ通路としての役割を果たす。
一実施形態において、スワラは、真っ直ぐな流れ通路を画成する内側ハウジングを含み、複数のベーンは、外側ハウジングの内面から内側ハウジングの外側まで延在する。
一実施形態において、内側ハウジングは、対称な断面を有する。
一実施形態において、内側ハウジングは、非対称な断面を有する。
一実施形態において、気水分離器は、第1のスワラから気体−液体二相フローストリームの下流に配置された第2のスワラを含む。
少なくとも一実施形態は、沸騰水型原子炉に関する。
一実施形態において、原子炉は、原子炉圧力容器と、原子炉圧力容器内の炉心と、複数の気水分離器とを含む。複数の気水分離器は、原子炉圧力容器内の炉心の上方に配置される。複数の気水分離器の一部は、気体−液体二相フローストリームを受け入れるように構成されるスタンドパイプおよびスタンドパイプから気体−液体二相フローストリームを受け入れるように構成される第1のディフューザを含む。第1のディフューザは、気体−液体二相フローストリームを分離するように構成される第1のスワラを含む。第1のスワラは、真っ直ぐな流れ部分および真っ直ぐでない流れ部分を含む。真っ直ぐな流れ部分は、第1のスワラを通る気体−液体二相フローストリームの真っ直ぐな流れを可能にする真っ直ぐな流れ通路を有し、真っ直ぐでない流れ部分は、第1のスワラを通る気体−液体二相フローストリームの真っ直ぐでない流れを実現する、第1のスワラ内のベーンによって画成される少なくとも1つの真っ直ぐでない流れ通路を有する。
一実施形態において、炉心の中央領域の上方に配置される、複数の気水分離器の少なくとも1つの真っ直ぐな流れ通路の体積は、炉心の周辺領域の上方に配置される、複数の気水分離器の少なくとも1つの真っ直ぐな流れ通路の体積よりも大きい。
一実施形態において、スワラは、第1の内部空間を画成する外側ハウジングおよび複数のベーンを含む。複数のベーンは、少なくとも1つのベーンを含み、複数のベーンは、外側ハウジングの内面から外側ハウジングの内部に向かって延在し、複数のベーンは、第1の内部空間を、少なくとも1つの真っ直ぐな流れ通路および少なくとも1つの真っ直ぐでない流れ通路に分ける。
一実施形態において、複数のベーンの互いに隣り合うベーンの外側面は、真っ直ぐでない流れ通路の1つをそれぞれに画成する。
一実施形態において、複数のベーンの遠位端の間の、内部空間の隙間は、真っ直ぐな流れ通路としての役割を果たす。
一実施形態において、スワラは、真っ直ぐな流れ通路を画成する内側ハウジングを含み、複数のベーンは、外側ハウジングの内面から内側ハウジングの外側まで延在する。
少なくとも一実施形態は、スワラに関する。
一実施形態において、スワラは、第1の内部空間を画成する外側ハウジングおよび外側ハウジングの内面から外側ハウジングの内部に向かって延在する複数のベーンを含む。複数のベーンは、第1の内部空間を、少なくとも1つの真っ直ぐな流れ通路および少なくとも1つの真っ直ぐでない流れ通路に分ける。
一実施形態において、複数のベーンの互いに隣り合うベーンの外側面は、真っ直ぐでない流れ通路の1つをそれぞれに画成する。
一実施形態において、複数のベーンの遠位端の間の、内部空間の隙間は、真っ直ぐな流れ通路としての役割を果たす。
一実施形態において、スワラは、真っ直ぐな流れ通路を画成する内側ハウジングを含み、複数のベーンは、外側ハウジングの内面から内側ハウジングの外側まで延在する。
本明細書の非限定的な例示的な実施形態の様々な特徴および利点は、添付図面と共に詳細な説明を検討することによってより明らかになり得る。添付図面は、例証目的のために提供されているに過ぎず、特許請求の範囲を限定すると解釈されるべきでない。添付図面は、明示的に注記されていない限り一定の縮尺で描かれていると考えられるべきではない。明確にするために、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
例示的な実施形態に係る沸騰水型原子炉の断面図である。 例示的な実施形態に係る気水分離器1000の1つの長手方向断面図である。 図2の気水分離器のスワラの例示的な実施形態の斜視図である。 図3Aのスワラの例示的な実施形態の端面図である。 図2の気水分離器のスワラの別の例示的な実施形態の斜視図である。 図4Aのスワラの例示的な実施形態の端面図である。 図2の気水分離器のスワラのさらなる例示的な実施形態の斜視図である。 図5Aのスワラの例示的な実施形態の端面図である。 スワラの実施形態の真っ直ぐな流れ通路のための代替的な長手方向プロファイルを示している。
要素が、別の要素「の上にある」、「に連結される」、「に結合される」、または「を覆う」と言われている場合、この要素は、直接的にこの別の要素「の上にある」、「に連結される」、もしくは「を覆う」ことまたは存在してもよい介在する要素「の上にある」、「に連結される」、もしくは「を覆う」ことが可能であることが理解されるべきである。対照的に、要素が、別の要素「の上に直接ある」、「に直接連結される」、または「に直接結合される」と言われている場合、介在する要素は存在しない。同じ数字は、本明細書を通して同じ要素を指し示している。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、1つ以上の関連する列挙された項目の任意のおよびすべての組み合わせを含む。
用語「第1の」、「第2の」、「第3の」などは、様々な要素、構成要素、領域、層、および/または部分を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素、構成要素、領域、層、および/または部分は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるべきである。これらの用語は、ある要素、構成要素、領域、層、または部分を別の領域、層、または部分から区別するために使用されるに過ぎない。したがって、以下で述べられる第1の要素、構成要素、領域、層、または部分は、例示的な実施形態の教示から逸脱しなければ、第2の要素、構成要素、領域、層、または部分と呼ばれてもよい。
空間的に相対的な用語(例えば、「の下に」、「の下方に」、「下方の」、「の上方に」、および「上方の」など)は、本明細書において、図に示されているような、別の要素または特徴に対するある要素または特徴の関係を説明する記述を簡単にするために使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描かれている向きに加えて使用時または動作時の装置の異なる向きを包含することが意図されていることが理解されるべきである。例えば、図の装置がひっくり返された場合、他の要素または特徴「の下方に」または「の下に」あるものとして説明されている要素は、その他の要素または特徴「の上方に」位置する。したがって、用語「の下方に」は、上方および下方の両方の向きを包含し得る。装置は、他の方向に向けられてもよく(90度回転されてもよいし、または他の向きに配置されてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述は、それに応じて解釈される。
本明細書で使用されている用語は、様々な実施形態を説明するためだけのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数形をも含むことが意図されている。用語「含む」、「含んでいる」、「備える」、および/または「備えている」は、本明細書で使用される場合、言明されている特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明確に述べているが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはこれらの群の存在または追加を排除しないことがさらに理解される。
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想化された実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照して本明細書で説明されている。したがって、図の形状からの、例えば製造技術および/または公差の結果としての変形が予期され得る。したがって、例示的な実施形態は、本明細書に示されている領域の形状に限定されるものとして解釈されるべきではなく、例えば製造に起因する形状の逸脱を含み得る。
別段の規定がない限り、本明細書で使用されているすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。用語(一般に使用される辞書で規定されているものを含む)は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と整合する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に形式的な意味に、本明細書にそのような明示的な規定がない限り、解釈されないことがさらに理解される。
図1は、例示的な実施形態に係るBWRの構造を示している。BWRにおいて、以下で説明される構造を有する複数の気水分離器1000および蒸気乾燥器システム500は、原子炉圧力容器6の上部にあるドーム16内に配置されている。以下は、圧力容器6の内部の構造の説明である。
圧力容器6と同心である円筒形の炉心シュラウド8は、圧力容器6の下部に設置されている。炉心下部プレナム10は、圧力容器6内のシュラウド8の下に形成されている。炉心7は、この下部プレナム10の上方に配置されており、シュラウド8によって囲まれている。また、炉心7の上方には、炉心上部プレナム11cが存在する。シュラウド8に設けられたシュラウドヘッド12aは、上部プレナム11cの上方に配置されている。圧力容器6とシュラウド8との間には、環状空間9が形成されており、これは、軽水冷却材のための循環路として機能することに留意すべきである。
冷却材が通過する所定の数の孔(図示せず)が、シュラウドヘッド12aに設けられている。複数の気水分離器1000は、これらの孔に挿入され、互いに平行に配置されている。炉心7と気水分離器1000とをつなぐ流路は、上部プレナム11cを介して互いに接続されている。
また、蒸気乾燥器システム500が、複数の気水分離器1000の上方に設けられている。支持構造300(例えば、図示のような支持リング)は、気水分離器1000の上方で蒸気乾燥器システム500を支持しており、気水分離器1000との間に乾燥器プレナム400を形成している。支持リングに連結された円筒形の乾燥器スカート350は、支持リング300から下方に延在している。供給水入口ノズル17および蒸気出口ノズル15が、圧力容器6の側壁に設けられている。再循環ポンプ90は、原子炉圧力容器6の下部に設けられている。
BWRにおいて、軽水を加熱することによって炉心7で発生した湿り蒸気は、軽水を含む二相流として、シュラウドヘッド12aに取り付けられた気水分離器1000のそれぞれに上部プレナム11cを経由して流れ込む。気水分離器1000において、導入される気体−液体二相FSは、下方向から上方方向に通過する。除去されなかった水分を含む蒸気は、気水分離器1000の上方に配置された蒸気乾燥器システム500に供給される。
蒸気乾燥器システム500によってさらに水分が除去された蒸気(飽和蒸気)は、蒸気出口ノズル15から排出され、タービン2に供給される。この蒸気は、タービン2を駆動し、タービン2は、タービン2に連結された発電機(図示せず)を回転させ、この結果、電力が生成される。タービン2から排出された蒸気は、凝縮器3で凝縮され、凝縮水になる。凝縮水(すなわち、冷却水(軽水))は、供給水ポンプ4によって供給水加熱器5に供給される。供給水加熱器5によって加熱された冷却水は、供給水入口ノズル17から圧力容器6に再導入される。
一方、気水分離器1000によって分離された水は、供給水入口ノズル17から供給された冷却水と混合され、環状空間9を下降し、下部プレナム10を経由して炉心7に導入される。このとき、炉心7に供給される冷却水は、BWRの内部または外部のいずれにあってもよいポンプ90によって加圧される。
図2は、例示的な実施形態に係る気水分離器1000の1つの長手方向断面図である。複数の気水分離器1000のそれぞれまたは一部が、図2に示されている構造を有してもよいことが理解されよう。
例示的な実施形態において、気水分離器1000は、スタンドパイプ100と、スワラ200を含む第1のディフューザ150と、分離バレル400と、スカート600と、排水通路700と、随意の第2のディフューザ800とを含む。
スタンドパイプ100は、気体−液体二相フローストリーム(FS)(図2の矢印によって示されている)を導入するように構成されている。気体−液体二相FSの気体は、蒸気であってもよく、気体−液体二相FSの液体は、水であってもよい。
スタンドパイプ100の入口110は、図示のように円筒形を有してもよいし、あるいはベルマウス形状を有してもよい。入口110のベルマウス形状は、気体−液体二相FSの圧力降下を緩和または防止する。入口110のベルマウス形状は、可変の曲率半径を有し、この可変の曲率半径は、気体−液体二相FSの境界条件(例えば、流量、圧力、および蒸気質)に合わせて調整されてもよい。入口110のベルマウス形状は、スタンドパイプ100に流入する気体−液体二相FSの特性に基づいて修正されてもよい。スタンドパイプ100は、円筒形を有する。
スタンドパイプ100は、気体−液体二相FSの圧力降下の緩和または防止に寄与する材料を用いて被覆されてもよい。被覆材料は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2010/0055308号明細書に記載されているTiO2であってもよい。
第1のディフューザ150は、スタンドパイプ100の上端面に連結され、流路を形成している。例えば、第1のディフューザ150は、スタンドパイプ100に溶接される。第1のディフューザ150の内部には、スワラ200が備えられている。別の言い方をすれば、スワラ200は、ディフューザ150である。
図3Aは、図2の気水分離器のスワラの例示的な実施形態の斜視図であり、図3Bは、図3Aのスワラの例示的な実施形態の端面図である。
図示のように、複数のベーン220は、スワラ200の内面からスワラ200の長手方向軸線に向かって延在している。ベーン220は湾曲している。一実施形態において、スワラ200の入力端部にある、ベーン220の前縁222のプロファイルは、スワラ200の出力端部にある後縁224のプロファイルと同じである。別の実施形態において、プロファイルは異なる。また、ベーン220の厚さは、一定であってもよいし、あるいは変動してもよい。例えば、ベーン220は、先端または遠位端228の付近に比べて根元または近位端226においてより厚くてもよい。図3Aの実施形態において、ベーンの先端228は互いに接触しておらず、空隙230が残されている。さらに、他の実施形態の前縁および/または後縁のプロファイルは、一定の半径で湾曲していなくてもよく、プロファイルの範囲にわたって変動してもよい。他の実施形態において、前縁および/または後縁のプロファイルは、プロファイルの範囲の全体にわたって湾曲していなくてもよい。さらに、他の実施形態において、前縁および/または後縁のプロファイルは、直線的/曲線的なプロファイルを有してもよい。空隙の形状は、実質的に円形であってもよいが、他の形状(例えば、楕円形、歪んだ楕円形など)が形成されてもよい。
複数のベーン220は、スワラ200の内部空間を、複数の真っ直ぐでない流れ通路240および真っ直ぐな流れ通路250に分けている。具体的には、真っ直ぐでない流れ通路240のそれぞれは、互いに隣り合う1対のベーン220によって画成されており、曲がった経路を辿り得る。真っ直ぐな流れ通路250は、空隙230に沿っている。
図4Aは、図2の気水分離器のスワラの例示的な実施形態の斜視図であり、図4Bは、図4Aのスワラの例示的な実施形態の端面図である。図4A〜図4Bの実施形態は、空隙230が大幅により小さく、したがって、真っ直ぐな流れ通路250が図3A〜図3Bの実施形態よりも小さな断面を有する点を除いて、図3A〜図3Bの実施形態と同じである。
図5Aは、図2の気水分離器のスワラの例示的な実施形態の斜視図であり、図5Bは、図5Aのスワラの例示的な実施形態の端面図である。図5A〜図5Bの実施形態は、内側ハウジング260が、空隙230を画成しており、したがって、真っ直ぐな流れ通路250をも画成している点を除いて、図3A〜図3Bの実施形態と同じである。したがって、ベーン220の遠位端228は、内側ハウジング260の外面に連結されており、一方、近位端226は、外側スワラハウジングの内面に連結されている。理解されるように、スワラ200は、一体構造であってもよい。
図6にさらに示されているように、半径方向におけるベーン220の長さおよび/または高さは、空隙230および長手方向にプロファイルを変化させる真っ直ぐな流れ通路250を形成するためにスワラ200の長手方向長さに沿って変化してもよい。例えば、円錐形状が形成されてもよい。あるいは、別の例として、真っ直ぐな流れ通路250へのベルマウス入口が形成されてもよい。
例示的な実施形態において、スワラ200は、スタンドパイプ100から気体−液体二相FSを受け入れ、気体−液体二相FSの液体を分離するように構成されている。スワラ200に真っ直ぐな流れ通路250を設けることによって、例示的な実施形態は、スワラ200を横切る気体−液体二相流FSが受ける圧力損失を緩和する。さらに、液体および蒸気はやはり、液体が壁に移動し、蒸気が長手方向中央に移動するように、ベーン220の作用によってスワラ200の前縁で分離される。理解されるように、複数のベーン220の形状(例えば、前縁プロファイル、後縁プロファイル、長さなど)は、スタンドパイプ100への入口における気体−液体二相FSの特性に基づいて修正されてもよい。例えば、それらの特性は、蒸気の含水量、BWRにおける気水分離システムの位置に基づく流れ分布、シュラウドヘッド12aに関係する流れ方向(図1参照)などを含んでもよい。
さらに理解されるように、異なる位置の気水分離器1000は、異なる構成のスワラ200を有してもよい。例えば、炉心の中央領域の上方に配置される複数の気水分離器1000の少なくとも1つにおけるスワラ200の真っ直ぐな流れ通路の体積は、炉心の周辺領域の上方に配置される複数の気水分離器1000の少なくとも1つにおけるスワラ200の真っ直ぐな流れ通路の体積よりも大きい。
一実施形態において、複数のスワラベーン220は、後に説明される分離バレル400の施条通路(rifled channel)410に合わせて調整される。例えば、複数のスワラベーン220の角度は、システムが最小のまたは低減された圧力降下および最大のまたは増加された分離効率(低減された同伴)を有するように分離バレル400の施条通路410の角度に対応するよう設計される。
図2に戻ると、分離バレル400は、第1のディフューザ150の上端面に連結されており、流路を形成している。例えば、分離バレル400は、第1のディフューザ150に溶接される。分離バレル400は、スワラ200から気体−液体二相FSを受け入れるように構成されている。スカート600は、第1のディフューザ150および分離バレル400と同心になるようにこれらを取り囲む環状空間を形成し、これらとの間に、排水通路700と呼ばれる空間を画成している。間の空間は、後に詳細に説明される排水通路700を含む。
分離バレル400の内壁420は、表面摩擦における損失を最小化または低減するために付着防止剤を用いて被覆されてもよい。付着防止剤は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2010/0055308号明細書に記載されているTiO2であってもよい。
分離バレル400は、施条通路410と、スカート600と、排水通路700とを含む。施条通路410は、分離バレル400の内壁420に螺旋状の施条形状(rifled twist shape)を形成している。施条通路410は、複数のスワラベーン220に合わせて調整される。施条通路410は、気体−液体二相FSから液体を分離し、この液体を排水通路700に導き、これにより、分離された液体の再同伴を最小化または低減する。
気体−液体二相FSは、分離バレルの内壁420に螺旋状の施条形状を有する施条通路410に接触しながら分離バレル400を通って流れ、分離バレルは、気体−液体二相FSから、内壁420に接触する液体を分離し、この液体を排水通路700に導く。スワラ200は、気体−液体二相FSから液体を、分離バレル400の内壁420に付着する液滴として遠心分離し、気体−液体二相FSの気体は、分離バレル400の中央に流れる。
分離バレル400の内壁420上の施条通路410は、圧力損失を緩和または防止しながら、分離バレル400の表面およびこれの近傍における分離能力を強化し、さらには、分離バレル400の排水能力を強化する。施条通路410は、気水分離器1000の入口110で行う必要がある旋回の量を低減し、これにより、圧力損失を緩和または防止する。
施条通路410の一連のオリフィス430は、気体−液体二相FSから液体を集め、これを排水通路700に導き直す。より多くの量のオリフィス430が、排水能力を制御するためにスタンドパイプ100の最も近くの、施条通路410の部分に配置される。オリフィス430の形状は、施条通路410の位置に合わせて調整される。
気体−液体二相FSの分離された液体は、施条通路410のオリフィスによって捕らえられ、排水通路700を通って流れ落ちる。分離バレル400における圧力降下は、分離バレル400と排水通路700との間の空間に吸引力を発生させ、次に、これは、気体−液体二相FSが排水通路700に流入する前に気体−液体二相FSに加えられる。
他の実施形態において、分離バレル400は、施条通路410を含まない。
図2に戻ると、随意の第2のディフューザ800が、分離バレル400の上端面に連結されており、流路を形成している。例えば、第2のディフューザ800は、分離バレル400に溶接される。第2のディフューザ800は、分離バレル400から流出する気体−液体二相FSの混合を可能にする。第2のディフューザ800は、出口の幅が第2のディフューザ800への入口よりも広い形状に形成されてもよく、また、第2のディフューザの側壁の高さおよび角度は、気水分離器1000内の第2のディフューザ800の配置に応じて変更されてもよい。ディフューザ150と同様に、第2のディフューザ800もまた、上で説明したスワラの実施形態の1つを用いて実施されてもよい。
気水分離器の構成要素のすべては、核環境を許容できるものとして知られている材料から作られてもよい。例えば、ステンレス鋼(304、316、XM−19、または同等の)が使用されてもよい。
例示的な実施形態は、以上のように説明されているが、例示的な実施形態が、日常の実験を通して、さらなる発明活動なしに変更されてもよいことが、当業者によって理解されるであろう。変形例は、例示的な実施形態の精神および範囲からの逸脱であると見なされてはならず、当業者には自明なすべての修正例は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
2 タービン
3 凝縮器
4 供給水ポンプ
5 供給水加熱器
6 圧力容器
7 炉心
8 炉心シュラウド
9 環状空間
10 下部プレナム
11c 上部プレナム
12a シュラウドヘッド
15 蒸気出口ノズル
16 ドーム
17 供給水入口ノズル
90 再循環ポンプ
100 スタンドパイプ
150 第1のディフューザ
200 スワラ
220 ベーン
222 前縁
224 後縁
226 近位端
228 遠位端
230 空隙
240 真っ直ぐでない流れ通路
250 真っ直ぐな流れ通路
260 内側ハウジング
300 支持構造
350 乾燥器スカート
400 分離バレル、乾燥器プレナム
410 施条通路
420 内壁
430 オリフィス
500 蒸気乾燥器システム
600 スカート
700 排水通路
800 第2のディフューザ
1000 気水分離器
FS 気体−液体二相フローストリーム

Claims (7)

  1. 沸騰水型原子炉のための気水分離器であって、
    気体−液体二相フローストリームを受け入れるように構成されたスタンドパイプと、
    前記スタンドパイプから前記気体−液体二相フローストリームを受け入れるように構成され、前記気体−液体二相フローストリームを分離するように構成された第1のスワラと、
    を備え、
    前記第1のスワラは、
    前記第1のスワラを通る前記気体−液体二相フローストリームの真っ直ぐな流れを可能にする真っ直ぐな流れ通路を有する真っ直ぐな流れ部分と、
    前記真っ直ぐな流れ通路を画成する内側ハウジングと、
    外側ハウジングと、
    前記外側ハウジングの内面から前記内側ハウジングの外側まで延在する複数のベーンと、
    前記第1のスワラ内の前記複数のベーンのうち少なくとも1つのベーンによって画成された少なくとも1つの真っ直ぐでない流れ通路であって、前記第1のスワラを通る前記気体−液体二相フローストリームの真っ直ぐでない流れを実現する少なくとも1つの真っ直ぐでない流れ通路を有する真っ直ぐでない流れ部分と、
    を含み、
    前記内側ハウジングおよび前記真っ直ぐな流れ通路は、前記第1のスワラの第1端と前記第1のスワラの第2端とで異なる直径を有する、気水分離器。
  2. 前記複数のベーンの互いに隣り合うベーンの外側面が、少なくとも1つの前記真っ直ぐでない流れ通路の1つをそれぞれに画成している、請求項に記載の気水分離器。
  3. 前記内側ハウジングが、対称な断面を有する、請求項1に記載の気水分離器。
  4. 前記第1のスワラから前記気体−液体二相フローストリームの下流に配置された第2のスワラをさらに備える、請求項1に記載の気水分離器。
  5. 沸騰水型原子炉であって、
    原子炉圧力容器と、
    前記原子炉圧力容器内の炉心と、
    前記原子炉圧力容器内の前記炉心の上方に配置された複数の気水分離器と、
    を備え、
    前記複数の気水分離器の一部が、
    気体−液体二相フローストリームを受け入れるように構成されたスタンドパイプと、
    前記スタンドパイプから前記気体−液体二相フローストリームを受け入れるように構成された第1のディフューザと、
    を含み、
    該第1のディフューザが、前記気体−液体二相フローストリームを分離するように構成された第1のスワラを含み、
    前記第1のスワラが、
    前記第1のスワラを通る前記気体−液体二相フローストリームの真っ直ぐな流れを可能にする真っ直ぐな流れ通路を有する真っ直ぐな流れ部分と、
    前記真っ直ぐな流れ通路を画成する内側ハウジングと、
    外側ハウジングと、
    前記外側ハウジングの内面から前記内側ハウジングの外側まで延在する複数のベーンと、
    前記複数のベーンのうち少なくとも1つのベーンによって画成された少なくとも1つの真っ直ぐでない流れ通路であって、前記第1のスワラを通る前記気体−液体二相フローストリームの真っ直ぐでない流れを実現する少なくとも1つの真っ直ぐでない流れ通路を有する真っ直ぐでない流れ部分と、
    を含み、
    前記内側ハウジングおよび前記真っ直ぐな流れ通路は、前記第1のスワラの一端と前記第1のスワラの他端とで異なる直径を有する、沸騰水型原子炉。
  6. 前記炉心の中央領域の上方に配置された、前記複数の気水分離器の少なくとも1つの前記真っ直ぐな流れ通路の体積が、前記炉心の周辺領域の上方に配置された、前記複数の気水分離器の少なくとも1つの前記真っ直ぐな流れ通路の体積よりも大きい、請求項に記載の沸騰水型原子炉。
  7. 前記複数のベーンの互いに隣り合うベーンの外側面が、前記真っ直ぐでない流れ通路の1つをそれぞれに画成している、請求項に記載の沸騰水型原子炉。
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