JP2000329889A - 気水分離器 - Google Patents

気水分離器

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JP2000329889A
JP2000329889A JP11138265A JP13826599A JP2000329889A JP 2000329889 A JP2000329889 A JP 2000329889A JP 11138265 A JP11138265 A JP 11138265A JP 13826599 A JP13826599 A JP 13826599A JP 2000329889 A JP2000329889 A JP 2000329889A
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swirl
steam
water
standpipe
cylinder
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JP11138265A
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Yasushi Yamamoto
泰 山本
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】蒸気と水との分離性能を向上させ、液滴発生を
極力小さくするとともに、圧力損失を減少させる。 【解決手段】気液二相流が流れる垂直状スタンドパイプ
7の下流に、前記スタンドパイプ7を通過してくる気液
二相流に遠心力を付与する旋回羽根15を設ける。この旋
回羽根15を包囲するようにしてスタンドパイプ7の上部
外側を離間して旋回筒17aを設ける。旋回筒17aの下端
部に多数の流路孔29を設け、スタンドパイプ7の外面に
旋回筒17aの下端部を取付けて封止し、スタンドパイプ
7と旋回筒17aとの間に水淀み部30を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気水分離器に係
り、特に沸騰水型原子炉の炉心からの冷却材の気液二相
流を水と蒸気に分離するために好適した気水分離器に関
する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子炉においては、原子炉圧力
容器内に多数の燃料集合体を装荷した炉心を有し、この
炉心の上方に、炉心からの冷却材の気液二相流を水と蒸
気に分離するための気水分離器を設置し、この気水分離
器の上方に、気水分離器で水分が除去された蒸気をさら
に乾燥させるための蒸気乾燥器が複数基設置されてい
る。蒸気乾燥器で乾燥された蒸気は主蒸気管を通してタ
ービンへ送られる。
【0003】図6により従来の改良型沸騰水型原子炉
(ABWR)を説明する。図6は改良型沸騰水型原子炉
の概略を一部側面で示す断面図である。図6において、
原子炉圧力容器1の中央部よりやや下部に多数体の燃料
集合体を具備する炉心2が配置されている。この炉心2
の下方には多数の制御棒案内管3が設けられ、炉心2を
形成するシュラウド4の上端中口はシュラウドヘッド5
で閉塞されている。シュラウドヘッド5には気水分離器
6のスタンドパイプ7が立設され、気水分離器6上には
蒸気乾燥器8が配設されている。
【0004】原子炉圧力容器1の下部には制御棒案内管
3の内面をガイドとして炉心2内の十字型制御棒を駆動
する制御棒駆動機構9が設けられている。原子炉圧力容
器1の内側とシュラウド4の外側との間の底部には複数
台のインターナルポンプ10が設置されている。
【0005】炉心2は多数体の燃料集合体の下部が炉心
支持板11により、上部が上部格子板12によりそれぞれ支
持され、全体がシュラウド4により包囲されている。原
子炉圧力容器1の内側とシュラウド4の外側との間の底
部には、蒸気乾燥器8で乾燥された蒸気をタービンへと
送る主蒸気管13が接続している。また、給水管14により
原子炉圧力容器1内に流入した冷却材はインターナルポ
ンプ10により強制循環される。
【0006】次に、気水分離器6の構成について図7な
いし図10を参照して説明する。図7は一般的な気水分離
器6の縦断面図、図8は図7に示す気水分離器6内の冷
却材の気液二相流の流れを模式的に示す図、図9は図8
におけるA−A矢視方向の横断面図、図10は気水分離器
6の旋回羽根の拡大断面図である。
【0007】図7に示すように、気水分離器6は、原子
炉炉心2の真上に位置し炉心からの冷却材とボイドとの
気液二相流を上方へと通すスタンドパイプ7(ライザ管
ともいう)と、このスタンドパイプ7の上方に設けられ
気液二相流に旋回作用を与える旋回手段である旋回羽根
15と、この旋回羽根15の上方に設けられ気液二相流の気
水分離を行う気水分離手段として設けられた軸方向に通
常は3段に連なる気水分離ステージ16a,16b,16cと
からなる。
【0008】旋回羽根15は、図10に示すように、逆円錐
型の中心ハブ15aの周りに複数、例えば8枚の螺旋状の
傾斜翼15bを有するものである。また、気水分離ステー
ジ16a,16b,16cは、それぞれ旋回筒17a,17b,17
cと、これらの旋回筒17a,17b,17cの外側に位置す
る外筒18a,18b,18cと、この外筒18a,18b,18c
に連なり旋回筒17a,17b,17cの内側に位置するよう
外筒に形成された鉤型のピックオフリング19a,19b,
19c(キャッチリングともいう)とを有するものであ
る。
【0009】この鉤型のピックオフリング19a,19b,
19cは、旋回筒17a,17b,17cの内壁面に形成される
冷却材の液膜を捕捉し、旋回筒17a,17b,17cと外筒
18a,18b,18cの間隙に確実に導けるようになってい
る。また、通常これらの気水分離ステージ16a,16b,
16cは下段に位置するものほど旋回筒および外筒が軸方
向に長く設計されているが、ピックオフリング19a,19
b,19cはほぼ同じ長さである。
【0010】また、図7において、従来の気水分離器6
の最下段の気水分離ステージ16aでは、ピックオフリン
グ19aの長さxは旋回筒17aの長さ1の約1/20となる
よう設計されている。各気水分離ステージにおける旋回
筒17a,17b,17cの内径はほぼ同じ長さd1に設定さ
れ、かつこの旋回筒内径d1はスタンドパイプ7の内径
d2より大きい。
【0011】次に、気水分離器6の作用について図8か
ら図10により説明する。沸騰水型原子炉において、冷却
材は、核分裂反応の熱により沸騰し、通常水と気体の混
合した気液二相流となって、炉心3の上方に設けられた
上部プレナム(図示せず)内で混合される。この混合さ
れた気液二相流は、原子炉圧力容器1内に複数配置され
た気水分離器6に流量配分されて、スタンドパイプ7内
を上昇する。
【0012】そして、図8および図9に示すようにスタ
ンドパイプ7内で冷却材は環状流と呼ばれる流動状態に
なっている。すなわち、スタンドパイプ7の内壁面を液
膜20が覆い、この液膜20の内部は液滴21と蒸気22の気泡
23が混合した流れになっている。
【0013】スタンドパイプ7を上昇した水と蒸気の気
液二相流は、スタンドパイプ7の真上の旋回羽根15によ
って強制的に遠心力を付与されて、図10において矢印で
模式的に示したように、旋回流となる。このとき、沸騰
水型原子炉の通常の運転圧力下において、冷却材の気液
の密度比はおよそ1:20であるから、旋回作用を受ける
気液二相流の気相と液相にかかる遠心力には有為な差が
生ずる。
【0014】よって、図8および図9に示すように、低
密度の蒸気は最下段の気水分離ステージ16aの中心側に
位置し、また高密度の液体はこの気水分離ステージ16a
の旋回筒17aの内壁面に沿って液膜20を形成して、とも
に旋回しながら上昇する。また旋回筒17aの軸近傍では
液滴21と蒸気22が混在している。
【0015】液膜20は気水分離ステージ16aの上部に位
置するピックオフリング19aで捕捉され、旋回筒17aと
外筒18aの間隙を通り、オリフィスとしてのブレイクダ
ウンリング24を経て、炉心の上部に位置するダウンカマ
部(図示せず)へと放出される。一方、最下段の気水分
離ステージ16aにおいて捕捉されなかった液相は、大半
がその上段の気水分離ステージ16b,16cにおいてピッ
クオフリング19b,19cにより捕捉される。
【0016】なお、気水分離器6を通過する蒸気中から
気水分離器6によって取り除かれる湿分のうち、約9割
は最下段の気水分離ステージ16aにおいて除去される
ように設置されている。また、気水分離器6の出口にお
いては、気液二相流のうち水の質量分率を10%以下に抑
えるように設計されている。
【0017】このようにして、気水分離器6の最上段の
気水分離ステージ16cを通過した蒸気は、蒸気作用によ
り湿分の低いものとなっているが、この気水分離器6の
上方に設置された蒸気乾燥器8へと導かれて、さらに湿
分が除去される。気水分離器6は通常200本から300本の
垂直管群として構成され、シュラウドヘッド5に溶接さ
れて一体に懸架されているのに対し、蒸気乾燥器8は1
体で多数の波板群を格納している。
【0018】つぎに、蒸気乾燥器8の構成について、図
11(a),(b)を参照して説明する。図11(a)は一
般的な蒸気乾燥器8の一部切欠図、図11(b)は図11
(a)における波板の拡大上面図である。従来の蒸気乾
燥器8は、図11(a)に示したように鉛直方向長さが2
m弱の波板25が垂直に懸架されたユニットが複数並んで
配置されたものである。これらの波板25を集合した板群
は多孔板26で側面を覆われている。
【0019】また、図11(b)に示すように、1体の波
板25には通常3段の山があり、2枚の波型の板25a,25
bと、これらの波型の板25a,25bに内接する板25cと
からなる。さらに、波板25a,25bは切欠部25dを有
し、波板25a,25bと波板25cとの接点付近25eは鉤状
液滴捕獲部に成形されている。これらの波板25を集合し
た板群の下部にはドレン樋27が設置され、また、除去し
た湿分を蒸気乾燥器8外へ排出するドレン管28が設置さ
れている。
【0020】次に、蒸気乾燥器8の作用について説明す
る。気水分離器6から送られる蒸気は、微細な液滴を含
む湿分の低い霧状の蒸気となっている。この霧状蒸気の
流れを図11において波線矢印29で示した。まず蒸気は、
多孔板26の孔から波板25群へと入り込み、波板25の間を
通り抜ける。
【0021】しかし、この場合、霧状蒸気中の微細な液
滴は、波板25を通り抜ける過程で波板25の流線の急激な
変化に追従できずに波板25の接点付近25eに設けられた
鉤状液滴捕獲部に入り込み、この鉤状液滴捕獲部に沿っ
て流下し、ドレン樋27とドレン管28を通して炉心上方の
ダウンカマ部(図示せず)に流れ込む。こうして、蒸気
乾燥器8を通過する蒸気は、さらに湿分が除去されて主
蒸気管13を通してタービンへ送られる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】沸騰水型原子炉では発
電のために炉心からの蒸気をタービンに直接供給する
が、この蒸気に対して蒸気中の水の質量分率であるキャ
リーオーバーを一定値以下にする必要がある。従来の沸
騰水型原子力発電所の場合、気水分離器6、および蒸気
乾燥器8におけるキャリーオーバーを一定値以下にして
いる。
【0023】しかし、従来の原子炉と同じ炉心のサイズ
でありながら、より多くのエネルギーを取出すような炉
心を考えた場合には、従来の気水分離器6と蒸気乾燥器
8ではキャリーオーバーを一定値以下にできない可能性
がある。すなわち、気水分離器6におけるキャリーオー
バーが増加し、蒸気乾燥器8でも十分に蒸気中の水を分
離できなくなる可能性があり、次に述べる課題1〜3が
ある。
【0024】(課題1)従来の気水分離器6は、旋回羽
根15による旋回力により、蒸気と水の密度差を利用して
分離する。密度の大きい水は、旋回筒18aの壁面に液膜
となって集まるが、少なくとも第1段(最上流)の気水
分離ステージの最上端まで上昇させ、そこで鉤状断面の
ピックオフリング19aにより気水分離器6の外筒18aと
旋回筒17aとの間の環状流路へ導き、セパレータ外へ排
出する。ここで、液膜をピックオフリング19aの位置ま
で上昇させるため、液膜20から液滴21が発生してキャリ
ーオーバーを増加させる。
【0025】従来の気水分離器の場合、さらに下流(上
方)の気水分離ステージによりこのような液滴は分離さ
れているが、炉心の出力が増加し、気水分離器1体あた
りの二相流の流量が増加し蒸気流速が上昇する場合に
は、液膜からの液滴発生がキャリーオーバー増加の原因
となる。このキャリーオーバーを低減させるために、こ
のような液滴発生を極力小さくすることが課題となる。
【0026】(課題2)圧力損失についても低減するこ
とが望ましいが、一般に、圧力損失は流速の2乗で増加
する。したがって、炉心の出力が増加すれば蒸気流量が
増し、気水分離器6における圧力損失は増加することに
なる。従来の気水分離ステージは3段設けられている
が、ピックオフリング19aは、図7から明らかなように
流路を狭めているので圧力損失を大きくしている。
【0027】この従来3段の気水分離ステージを2段に
できれば、圧力損失を減らすことができることになる
が、気水分離ステージを2段にした場合に、従来例以上
の気水分離性能を維持することができるか課題となる。
【0028】(課題3)気水分離器6に流入する二相流
の蒸気割合が大きくなると、ピックオフリング19a,19
b,19cにより水とともに蒸気も気水分離器外へ排出さ
れるため、気水分離器外へ排出された蒸気が、蒸気と一
緒に排出された液滴を伴って上昇しキャリーオーバーを
増加させる要因となっている。
【0029】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、従来例よりも気水分離性能を向上させること
ができ、圧力損失を低減することができる気水分離器を
提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、気液
二相流を通す垂直状のスタンドパイプと、このスタンド
パイプの下流に設けられ、前記スタンドパイプを通過し
てくる前記気液二相流に遠心力を与える旋回羽根と、こ
の旋回羽根を包囲してその下流側に設けられた旋回筒と
を具備し、前記旋回筒の下端部に前記スタンドパイプの
上部を挿入して二重円筒状に構成し、前記旋回筒の下端
部を前記スタンドパイプの外周面に取付けて封止し、前
記旋回筒と前記スタンドパイプとの間に水淀み部を設け
てなることを特徴とする。
【0031】請求項2の発明は、前記旋回筒の下端部に
複数の流路孔を設けてなることを特徴とする。請求項3
の発明は、前記流路孔は前記旋回筒と前記スタンドパイ
プとの封止部下面に設けられていることを特徴とする。
【0032】請求項4の発明は、気液二相流を通す垂直
状のスタンドパイプと、このスタンドパイプの下流に設
けられ、前記スタンドパイプを通過してくる気液二相流
に遠心力を与える旋回羽根と、この旋回羽根の下流に設
けられた旋回筒とを具備し、前記旋回羽根の下流に流路
が急拡大し、かつ急拡大した流路の流れ方向と垂直面、
または前記垂直面に隣接する前記旋回筒との角部付近に
流路孔を設けてなることを特徴とする。
【0033】請求項5の発明は、気液二相流を通す垂直
状のスタンドパイプと、このスタンドパイプの下流に設
けられ、前記スタンドパイプを通過してくる気液二相流
に遠心力を与える旋回羽根と、この旋回羽根の下流に設
けられた旋回筒と前記旋回羽根は中心にハブを有し、こ
のハブの下流部は前記旋回羽根よりも下流に突出し、そ
の突出したハブに第2の旋回羽根を設けてなることを特
徴とする。
【0034】請求項6の発明は、気液二相流を通す垂直
状のスタンドパイプと、このスタンドパイプの下流に設
けられ、前記スタンドパイプを通過してくる気液二相流
に遠心力を与える旋回羽根と、この旋回羽根の下流に設
けられた旋回筒と、この旋回筒とその外側に位置する外
筒へ分離された水を導く複数段の気水分離ステージとを
具備し、前記複数段の気水分離ステージの第2段目以降
の前記旋回筒は、前記旋回羽根の下流において内径が流
路が部分的に絞られている絞り部を有することを特徴と
する。
【0035】請求項7の発明は、前記流路の一部に多孔
壁を設けてなることを特徴とする。請求項8の発明は、
前記外筒は旋回筒の絞り部付近で外筒自体が絞られてい
るか、または旋回筒の絞り部付近で内壁にリングを設け
てなることを特徴とする。
【0036】請求項9の発明は、気液二相流を通す垂直
状のスタンドパイプと、このスタンドパイプの下流に設
けられ、前記スタンドパイプを通過してくる気液二相流
に遠心力を与える旋回羽根と、この旋回羽根の下流に設
けられた旋回筒と、この旋回筒とその外側に位置する外
筒へ分離された水を導く複数段の気水分離ステージと、
この複数段の気水分離ステージの第2段目以降の前記外
筒と前記旋回筒の環状流路出口の一部に多孔壁を設けて
なることを特徴とする。
【0037】本発明によれば、旋回羽根直後の流路を急
拡大し、流れに水淀み部を設けると、水淀み部では、軽
い蒸気は浮力により上方へ流れ、重い水がたまる傾向が
あるので、水淀み部付近の旋回筒に流路孔を設け、水の
一部を気水分離器外へ排出する。これにより、水を液膜
として気水分離ステージのピックオフリングの位置まで
上昇させる量を減少させることができるので、旋回筒壁
面の液膜厚さも薄くなる。液膜が薄くなると液膜からの
液滴発生量も減少するので、気水分離性能が向上する。
さらに、ピックオフリングの径も大きくできるので、圧
力損失が低減する。
【0038】主に(課題2)を解決するためには、気水
分離ステージの第1段目のみならず、第2段目の気水分
離性能を向上させる必要がある。気水分離ステージの第
2段目では、旋回羽根からの距離が第1段目に比べて遠
いので、旋回力が減衰している。よって、ピックオフリ
ングの位置にもう一つの補助旋回羽根を設けることによ
り、第2ステージの気水分離性能は向上するが、旋回羽
根は圧力損失を上昇させるので、2段にしてもかえって
圧力損失が上昇してしまう。
【0039】そこで、第2段目のステージの気水分離性
能を向上させるために、第2ステージの旋回筒の一部の
流路を緩やかに絞って、さらに緩やかに拡大させる。粘
性が0とすると、旋回筒内の渦度は保存されるため、流
路が絞られると旋回力が増す。これは、例えば、アイス
スケートのスピンの時に、両腕を体に近付けるほど回転
スピードが増すのと同じ原理である。これにより2段目
の気水分離性能を向上させることが可能である。
【0040】主に(課題3)を解決する手段としては、
問題となるのは、分離した水を気水分離器外へ排出する
位置が、原子炉圧力容器内の水位より高い第2段目、お
よび第3段目のステージである。旋回筒と外筒の環状流
路に蒸気が混入した場合、この環状流路においても、気
水分離できれば、(課題3)は解決できる。そのため、
環状流路から気水分離器外への排出口の下側を多孔壁と
する。これにより、蒸気と液滴を分離することができ、
気水分離器外からのキャリーオーバー量を低減すること
ができる。
【0041】
【発明の実施の形態】図1(a),(b)および図2に
より本発明に係る気水分離器の第1の実施の形態を説明
する。図1(a)は本実施の形態に係る気水分離器の縦
断面図で、図1(b)は図1(a)の一部断面で示す側
面図で、図2は図1(a)の要部を中心線から左半分を
縦断面図で示している。
【0042】図1(a)中、符号16aは第1段目の気水
分離ステージで、16bは第2段目の気水分離ステージ
で、第1段の気水分離ステージ16a上に第2段目の気水
分離ステージ16bが連接している。
【0043】第1段目の気水分離ステージ16aは旋回筒
17a内の下端部にスタンドパイプ7の上部を挿入して二
重円筒状に構成され、旋回筒17aの下端部をスタンドパ
イプ7の外周面に接続して封止している。旋回筒17aの
下端部には複数の流路孔29が設けられている。旋回筒17
aの下端部内面とスタンドパイプ7の上部外面との間に
は水淀み部30が形成される。
【0044】旋回筒17aの外側は外筒18aによって包囲
されており、外筒18aの内面にはスタンドパイプ7の上
端部に位置してブレイクダウンリング24が取付けられて
いる。スタンドパイプ7の上部内面には旋回羽根15が設
けられており、旋回羽根15の上方に補助旋回羽根35が取
付けられている。外筒18aの上端部にはピックオフリン
グ19aが取付けられている。
【0045】一方、第2段の気水分離ステージ16bは旋
回筒17bの中央部から下方に向けて縮径する絞り33が形
成され、絞りの下端部がピックオフリング19aに接続し
ている。旋回筒17bを包囲して外筒18bが設けられてお
り、外筒18aの上端部にピックオフリング19bが取付け
られている。ピックオフリング19aの外側を包囲するよ
うにして旋回筒17bの上端部が挿入されている。
【0046】外筒18bの下端部には多数の流路孔29を有
する多孔壁31が設けられており、この多孔壁31の下端部
が外筒18aの上端面に接している。外筒18bの内面には
絞り33の上部に位置して上方に拡径するリング32が取付
けられている。
【0047】次に図2により第1の実施の形態の作用効
果を説明する。図2に示すように、水淀み部30を設ける
と、旋回流により蒸気よりも密度の高い水は壁面に押付
けられ、かつ重力が働くので、水淀み部30には水が集中
する。また、この集中する水は、流路孔29により旋回筒
17a内の圧力の方が外の圧力よりも高いので、差圧によ
り排出される。
【0048】ここで、水を排出すると図1に示した第1
の気水分離ステージ16aのピックオフリング19aまで持
ち上げる液膜の量を減ずることができるので、圧力損失
低減につながり、さらに旋回筒17aの内壁を持ち上げる
液膜の厚さが薄くなる。一般に、液膜厚さが薄くなる
と、その周囲の液滴発生量も減るので、第1の気水分離
ステージ16aまでで分離する二相流中の水の量を増加さ
せることができる。
【0049】次に、図3(a)により本発明に係る気水
分離器の第2の実施の形態を説明する。図3(a)中、
図1(a)と同一部分には同一符号を付して重複する部
分の説明は省略する。図3(a)は本実施の形態に係る
気水分離器を、中心線から右半分のみ縦断面で模式的に
示している。
【0050】本実施の形態は図3(a)に示したように
スタンドパイプ7と旋回筒17aとを連接して、その連接
する傾斜部36の内面に旋回羽根15を設けるとともに、旋
回羽根15の中心ハブ15aに補助旋回羽根35を取付けたこ
とにある。その他の部分は図1(a)と同様なので、そ
れらの説明は省略する。なお、中心ハブ15aは旋回羽根
15から上方に突出した突出部15cを有し、この突出部15
cは細長いたまご形の曲面状に滑らかに形成されてい
る。
【0051】本実施の形態によれば、中心ハブ15aの下
流側を滑らかに形成して中心ハブ15aに補助旋回羽根35
を設けることにより、中心ハブ15aに形成された液膜20
や液滴21を効果的に旋回筒17aの内壁へ向かわせること
ができ、キャリーオーバー量を低減することができる。
【0052】これに対して、補助旋回羽根35を設けない
場合には、図3(b)に示すように、旋回羽根15の中心
ハブ15aの後流端を中心ハブ15aの下流で液滴21を伴っ
た蒸気の渦37が発生する。旋回筒17aの中心部の流速が
速くなるので、中心部付近の液滴21は旋回力により旋回
筒17aの内壁へ到達する前に下流へ運ばれ、キャリーオ
ーバーを増加させることになる。なお、図3(b)は図
3(a)と対比するための図で、左半分を縦断面で示し
ている。
【0053】次に図4により本発明に係る気水分離器の
第3の実施の形態を説明する。図4中、図1(a)と同
一部分には同一符号を付して重複する部分の説明は省略
する。本実施の形態は第2段の気水分離ステージ16bの
外筒18bの下端部に蒸気孔34と、多数の流路孔29を有す
る多孔壁31を設けたことにある。その他の部分は図1
(a)同様なので、それらの説明は省略する。
【0054】本実施の形態の作用効果を以下に説明す
る。通常、気水分離ステージが、下流になると、旋回羽
根15による二相流の旋回力は弱くなっているので、下流
の後段の気水分離ステージは第1段の気水分離ステージ
16aに比べて気水分離効果が小さくなっている。
【0055】そこで、図4のように、下流の第2段目の
気水分離ステージ16bに設けた旋回筒17bの位置部に絞
り33を入れる。このように絞り33を入れると、円管流路
の軸に対して旋回流がある場合、粘性が小さい場合には
旋回が強まる。したがって、遠心力による気水分離効果
を高めることができる。これは、主に課題2の解決手段
である。
【0056】さらに、この旋回筒17bと外筒18bの空間
34が、旋回筒17bを絞ったことにより広がることが課題
3の解決に寄与する。すなわち、この空間に水だけでな
く、蒸気も入ってくるような流動条件になった場合に、
この旋回筒17bと外筒18bの空間が広がったことによ
り、流速が小さくなるので、蒸気流に随伴される液滴を
減らすことができ、結果的にキャリーオーバーを減ずる
ことができる。
【0057】また、図4に示すように、リング32を設け
ることによって外筒外へ蒸気流が排出されるところで蒸
気流の向きを偏向させ、さらに多孔壁31を設けることに
より、蒸気と水を分離させることが可能である。
【0058】本実施の形態によれば、キャリーオーバー
を10%以下が運転適用範囲とすると、図5に示すよう
に、従来の気水分離器の運転範囲に比べ、より広い二相
流の流量でキャリーオーバーを10%以下とすることがで
きるので、運転適用範囲を拡大することが可能である。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、従来例よりも気水分離
性能を向上させることができ、かつ圧力損失を低減する
ことができる。したがって、本発明を沸騰水型原子炉に
適用することにより、従来よりも広い運転範囲で気水分
離性能を維持できるので、二相流の流量が増加する炉心
の高出力密度化に対応できる。また、圧力損失が低減さ
れるので、タービンやポンプにかかる負担を低減させる
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る気水分離器の第1の実施
の形態を示す縦断面図、(b)は(a)を一部断面で示
す側面図。
【図2】図1における旋回羽根部付近の作用効果を説明
するための一部断面で示す模式図。
【図3】(a)は本発明に係る気水分離器の第2の実施
の形態を説明するために右半分を縦断面で示す模式図、
(b)は(a)において補助旋回羽根を設けない場合の
左半分を縦断面で示す模式図。
【図4】第2ステージの効果を説明するための縦断面
図。
【図5】本発明の気水分離効果を示す特性曲線図。
【図6】従来の改良型沸騰水型原子炉の概略を示す縦断
面図。
【図7】図6における気水分離器を示す縦断面図。
【図8】図7に示す気水分離器における冷却材の流れを
模式的に示した縦断面図。
【図9】図8に示す気水分離器のA−A矢視方向を切断
して拡大して示す横断面図。
【図10】従来の一般的な気水分離器の旋回羽根を示す
斜視図。
【図11】(a)は図6における蒸気乾燥器を示す斜視
図、(b)は(a)における波板群を示す上面図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器、2…炉心、3…制御棒案内管、4
…シュラウド、5…シュラウドヘッド、6…気水分離
器、7…スタンドパイプ、8…蒸気乾燥器、9…制御棒
駆動機構、10…インターナルポンプ、11…炉心支持板、
12…上部格子板、13…主蒸気管、14…給水管、15…旋回
羽根、15a…中心ハブ、15b…傾斜翼、15c…突出部、
16a,16b,16c…気水分離ステージ、17a,17b,17
c…旋回筒、18a,18b,18c…外筒、19a,19b,19
c…ピックオフリング、20…液膜、21…液滴、22…蒸
気、23…気泡、24…ブレイクダウンリング、25…波板、
26…多孔板、27…ドレン樋、28…ドレン管、29…流路
孔、30…水淀み部、31…多孔壁、32…リング、33…絞
り、34…蒸気孔、35…補助旋回羽根、36…傾斜部、37…
渦。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気液二相流を通す垂直状のスタンドパイ
    プと、このスタンドパイプの下流に設けられ、前記スタ
    ンドパイプを通過してくる前記気液二相流に遠心力を与
    える旋回羽根と、この旋回羽根を包囲してその下流側に
    設けられた旋回筒とを具備し、前記旋回筒の下端部に前
    記スタンドパイプの上部を挿入して二重円筒状に構成
    し、前記旋回筒の下端部を前記スタンドパイプの外周面
    に取付けて封止し、前記旋回筒と前記スタンドパイプと
    の間に水淀み部を設けてなることを特徴とする気水分離
    器。
  2. 【請求項2】 前記旋回筒の下端部に複数の流路孔を設
    けてなることを特徴とする請求項1記載の気水分離器。
  3. 【請求項3】 前記流路孔は前記旋回筒と前記スタンド
    パイプとの封止部下面に設けられていることを特徴とす
    る請求項2記載の気水分離器。
  4. 【請求項4】 気液二相流を通す垂直状のスタンドパイ
    プと、このスタンドパイプの下流に設けられ、前記スタ
    ンドパイプを通過してくる気液二相流に遠心力を与える
    旋回羽根と、この旋回羽根の下流に設けられた旋回筒と
    を具備し、前記旋回羽根の下流に流路が急拡大し、かつ
    急拡大した流路の流れ方向と垂直面、または前記垂直面
    に隣接する前記旋回筒との角部付近に流路孔を設けてな
    ることを特徴とする気水分離器。
  5. 【請求項5】 気液二相流を通す垂直状のスタンドパイ
    プと、このスタンドパイプの下流に設けられ、前記スタ
    ンドパイプを通過してくる気液二相流に遠心力を与える
    旋回羽根と、この旋回羽根の下流に設けられた旋回筒と
    前記旋回羽根は中心にハブを有し、このハブの下流部は
    前記旋回羽根よりも下流に突出し、その突出したハブに
    第2の旋回羽根を設けてなることを特徴とする気水分離
    器。
  6. 【請求項6】 気液二相流を通す垂直状のスタンドパイ
    プと、このスタンドパイプの下流に設けられ、前記スタ
    ンドパイプを通過してくる気液二相流に遠心力を与える
    旋回羽根と、この旋回羽根の下流に設けられた旋回筒
    と、この旋回筒とその外側に位置する外筒へ分離された
    水を導く複数段の気水分離ステージとを具備し、前記複
    数段の気水分離ステージの第2段目以降の前記旋回筒
    は、前記旋回羽根の下流において内径が流路が部分的に
    絞られている絞り部を有することを特徴とする気水分離
    器。
  7. 【請求項7】 前記流路の一部に多孔壁を設けてなるこ
    とを特徴とする請求項6記載の気水分離器。
  8. 【請求項8】 前記外筒は、旋回筒の絞り部付近で外筒
    自体が絞られているか、または旋回筒の絞り部付近で内
    壁にリングを設けてなることを特徴とする請求項7記載
    の気水分離器。
  9. 【請求項9】 気液二相流を通す垂直状のスタンドパイ
    プと、このスタンドパイプの下流に設けられ、前記スタ
    ンドパイプを通過してくる気液二相流に遠心力を与える
    旋回羽根と、この旋回羽根の下流に設けられた旋回筒
    と、この旋回筒とその外側に位置する外筒へ分離された
    水を導く複数段の気水分離ステージと、この複数段の気
    水分離ステージの第2段目以降の前記外筒と前記旋回筒
    の環状流路出口の一部に多孔壁を設けてなることを特徴
    とする気水分離器。
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