JP3697118B2 - 気水分離器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水と蒸気との混合体から水と蒸気とを分離する気水分離器に係り、更に詳しくは、加圧水型原子炉に適用されるのに好適な気水分離器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、この種の従来から用いられている気水分離器の全体構成例を示す鳥瞰図である。
【0003】
この種の気水分離器は、加圧水型原子炉(以下「PWR」と称す)に適用されており、タービン駆動用の蒸気を発生させている蒸気発生器の下流部に設けられている。
【0004】
そして、蒸気発生器により発生された蒸気Sと水Wの混合流Mが、円筒状のライザ1の下部より上部に向かって導入される。この混合流Mは、ライザ1の下部に設けられたスワールベーン2により旋回上昇させられ、水Wはライザ1の内壁面に付着しつつ上昇し、蒸気Sはライザ1の円筒中心軸付近で旋回されつつライザ1の中を上昇する。
【0005】
ライザ1の中を上昇した蒸気Sは、主としてオリフィス5とベント6とを経由してデッキプレート4の上へ抜ける。一方、水Wはライザ1の上部開口部よりライザ1の外に抜けて、ライザ1の外側にあるダウンカマバレル3に流入し、このダウンカマバレル3内を流下する。これによって、デッキプレート4の上へは蒸気Sのみが流出するようにしている。
【0006】
このように、気水分離器では、気体である蒸気Sと液体である水Wとの分離がなされ、分離されてデッキプレート4上に流出した蒸気Sがタービンに供給され、そこでタービンの駆動に用いられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の気水分離器では、以下のような問題がある。
【0008】
すなわち、ライザ1の上端部よりダウンカマバレル3へ流出した水Wの大部分は、ダウンカマバレル3内を下降するが、一部の水Wはダウンカマバレル3の上部からダウンカマバレル3の外側に抜け出す。そして、ダウンカマバレル3の外側を上昇している蒸気Sに同伴されて、ベント6からデッキプレート4の上に流出してしまう。このため、気水分離性能が低下してしまう。
【0009】
図9は、このような問題を解決するために改良された気水分離器の構成例を示す断面図である。
【0010】
すなわち、この改良例では、ライザ1の上部に多孔穴7を設け、ライザ1の内壁に付着して上昇する水Wを、多孔穴7からダウンカマバレル3に流出させる一方、蒸気Sを、開口状態としている上部開口部9からデッキプレート4上に流出させるようにしている。
【0011】
しかしながら、このように改良された気水分離器においても、多孔穴7からダウンカマバレル3に導入された水Wは、多くの蒸気Sを同伴(キャリアンダ)してしまう。
【0012】
そのため、このようにダウンカマバレル3内に同伴された蒸気Sは、ダウンカマバレル3の外側に流出し、そこに水Wと蒸気Sとからなる二相状の水位を形成するとともに、それを上昇させる。そして、その水位がベント6の入口部に達した場合には、ベント6からデッキプレート4上に水Wを流出させてしまう。このため、気水分離性能が低下し、水Wを多く含んだ蒸気がタービンに供給されてしまうという問題がある。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ライザのみならずダウンカマバレルにおいても気水分離を行なうことによって、水と蒸気との気水分離性能の向上を図ることが可能な気水分離器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0015】
すなわち、請求項1の発明では、水と蒸気とが混合してなる第1の混合体から水と蒸気とを分離する気水分離器において、円筒体の下部開口部を、当該円筒体の内部に第1の混合体を導入する混合体導入部とするとともに、円筒体の内部に、混合体導入部から導入された第1の混合体を旋回上昇させる旋回羽根を備え、かつ円筒体の上部開口部より下側でかつ旋回羽根よりも上側の円筒体表面に、周方向に沿って細長形状になるように設けられたスリットを備えたライザと、ライザの外側に当該ライザとほぼ同心的に設けられた円筒形状のダウンカマバレルとを備え、旋回羽根により旋回上昇された第1の混合体を、ライザの内部を旋回上昇させながら、ライザの内壁付近を旋回上昇する水を主成分とする第2の混合体と、ライザの中心軸付近を中心に旋回上昇する蒸気を主成分とする第3の混合体とに分離し、第2の混合体を、ライザの内壁付近を旋回上昇させてスリットの高さにまで達した場合に、その一部をスリットを介してダウンカマバレルへ排出し、第3の混合体を、ライザの中心軸付近を中心に旋回上昇させてライザの上部開口部にまで達した場合に、その大部分をライザの上部開口部からライザの外部へ排出するようにする。
【0016】
請求項2の発明では、請求項1の発明の気水分離器において、スリットを介してダウンカマバレルへ排出された第2の混合体を、ダウンカマバレルの内部を旋回させるとともに、ダウンカマバレルの内壁付近を旋回する水と、この水の旋回半径よりも小さな旋回半径でダウンカマバレル内を旋回する蒸気とに分離し、水を、ダウンカマバレルの内壁に沿って下降させてダウンカマバレルの下部開口部からダウンカマバレルの外部へ排出し、蒸気を、ダウンカマバレルを上昇させてダウンカマバレルの上部開口部からダウンカマバレルの外部へ排出するようにする。
【0017】
請求項3の発明では、水と蒸気とが混合してなる第1の混合体から水と蒸気とを分離する気水分離器において、円筒体の下部開口部を、当該円筒体の内部に第1の混合体を導入する混合体導入部とするとともに、円筒体の内部に、混合体導入部から導入された第1の混合体を旋回上昇させる旋回羽根を備えたライザと、ライザの外側に当該ライザとほぼ同心的に設けられた円筒体の上端の一部に、周方向に沿って設けられた横長の孔を備えた円筒形状のダウンカマバレルとを備え、旋回羽根により旋回上昇された第1の混合体を、ライザの内部を旋回上昇させながら、ライザの内壁付近を旋回上昇する水を主成分とする第2の混合体と、ライザの中心軸付近を中心に旋回上昇する蒸気を主成分とする第3の混合体とに分離し、第3の混合体を、ライザの中心軸付近を中心に旋回上昇させてライザの上部開口部にまで達した場合に、その大部分をライザの上部開口部からライザの外部へ排出し、第2の混合体を、ライザの内壁付近を旋回上昇させてライザの上部開口部にまで達した場合に、その一部をライザの上部開口部からダウンカマバレルへ排出し、かつダウンカマバレルへ排出された第2の混合体を、ダウンカマバレルの内部を旋回上昇させながら、ダウンカマバレルの内壁付近を旋回する水と、この水の旋回半径よりも小さな旋回半径でダウンカマバレル内を旋回する蒸気とに分離し、水を、ダウンカマバレルの上端の一部に備えられた横長の孔を介してダウンカマバレルの外部へ排出し、蒸気を、ダウンカマバレルを上昇させてダウンカマバレルの上部開口部からダウンカマバレルの外部へ排出するようにする。
【0018】
請求項4の発明では、請求項3の発明の気水分離器において、横長の孔の側端部に、旋回羽根の旋回方向の接線方向に沿って設けられた側面フローガイドを備え、横長の孔の底端部に、ダウンカマバレルの軸方向とほぼ垂直方向に設けられた底面フローガイドを備え、側面フローガイドと底面フローガイドとから構成される領域に、ダウンカマバレルから排出される水を導入するようにする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
なお、以下の各実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図8および図9と同一部分については同一符号を付して示すことにする。
【0021】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1から図3を用いて説明する。
【0022】
図1は、第1の実施の形態に係る気水分離器の構成例を示す立断面図である。
【0023】
図2は、図1に示す気水分離器のA−A線に沿った平断面図である。
【0024】
図3は、第1の実施の形態に係る気水分離器に適用されるライザの構成例を示す外形図である。
【0025】
すなわち、本実施の形態に係る気水分離器は、ライザ1と、スワールベーン2と、ダウンカマバレル3と、デッキプレート4と、オリフィス5とを備え、更にライザ1の上部には横長のスリット8を備えている。
【0026】
ライザ1は、円筒形状をしており、上部開口部9よりも下側でかつ後述するスワールベーン2よりも上側の円筒表面に、周方向に沿って設けられた横長のスリット8を備えている。
【0027】
このようなライザ1には、図1に示すように、下部開口部より上部開口部9に向かって水Wと蒸気Sとの混合体Mが、図示しない蒸気発生器より導入されるようになっている。
【0028】
スワールベーン2は、ライザ1の内部に備えられ、ライザ1の下部開口部より上部開口部9に向かって導入される水Wと蒸気Sとの混合体Mを旋回上昇させる旋回羽根である。そして、水Wと蒸気Sとの混合体Mを、その質量差に応じて生じる旋回半径の違いによって、水Wを主成分とする混合体W’と蒸気Sを主成分とする混合体S’とに分離する。
【0029】
すなわち、質量の軽い蒸気Sを主成分とする混合体S’を、図1および図2に示すように、ライザ1の中心軸付近を中心とした小さな旋回半径でライザ1内を旋回上昇させ、ライザ1の上部開口部9にまで達した場合には、ライザ1の上部開口部9およびオリフィス5を経てデッキプレート4上へと排出するようにしている。
【0030】
一方、質量の重い水Wを主成分とする混合体W’を、図1および図2に示すように蒸気Sを主成分とする混合体S’よりも大きな旋回半径でライザ1内を旋回上昇させ、スリット8の高さまでに達した場合には、図2に示すようにスワールベーン2の旋回方向の接線方向に沿ってスリット8からダウンカマバレル3へ排出するようにしている。
【0031】
このダウンカマバレル3は、円筒形状をしており、ライザ1の外側にライザ1とほぼ同心的に配置したものである。
【0032】
なお、このとき、水Wを主成分とする混合体W’を、旋回力を維持したままダウンカマバレル3に導入し、ダウンカマバレル3内においても、更に旋回が継続するようにしている。
【0033】
そして、質量の重い水Wが、ダウンカマバレル3の内壁付近を旋回しながら次第にその旋回力を失ってゆき、しまいに水Wが、自重によりダウンカマバレル3内を下降するようにしている。一方、質量の軽い蒸気Sを、ライザ1の外周付近を旋回しながらダウンカマバレル3内を上昇するようにしている。
【0034】
ダウンカマバレル3を下降する水Wによって、蒸気Sの上昇が阻害される懸念があるが、図3に示すように、水Wを、スリット8が設けられている側面開口部10の外側を下降させる一方、蒸気Sを、スリット8が備えられていない側面閉塞部11の外側を上昇させるようになっており、下降する水Wの経路と、上昇する蒸気Sの経路とを分離している。
【0035】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る気水分離器の作用について説明する。
【0036】
ライザ1の下部開口部から上部開口部9に向かって導入された水Wと蒸気Sとの混合体Mは、スワールベーン2によって旋回上昇され、質量差に応じた旋回半径の違いによって、水Wを主成分とする混合体W’と、蒸気Sを主成分とする混合体S’とに分離される。
【0037】
質量の軽い蒸気Sを主成分とする混合体S’は、ライザ1の中心軸付近を中心とした小さな旋回半径でライザ1内を旋回上昇し、上部開口部9を介してオリフィス5、デッキプレート4へと排出される。
【0038】
一方、質量の重い水Wを主成分とする混合体W’は、蒸気Sを主成分とする混合体S’よりも大きな旋回半径でライザ1内を旋回しながら上昇し、スリット8の高さにまで達した場合には、スリット8より、旋回力を維持したままスワールベーン2の旋回方向の接線方向に沿ってダウンカマバレル3に導入される。
【0039】
このようにダウンカマバレル3に導入された水Wを主成分とする混合体W’は、ダウンカマバレル3においても、更に旋回を続ける。そして、ダウンカマバレル3に導入された混合体W’の主成分である水Wは、ダウンカマバレル3の内壁付近を旋回しながら次第にその旋回力を失ってゆき、しまいには自重によりダウンカマバレル3内を下降し、図示しないガウンカマバレル3の下部開口部より回収される。
【0040】
一方、ダウンカマバレル3に導入された混合体W’に同伴した蒸気Sは、ダウンカマバレル3内を旋回する水Wよりも小さな旋回半径で旋回しながらダウンカマバレル3内を上昇し、しまいにはオリフィス5を介してデッキプレート4上に移行する。
【0041】
このとき、水Wは、スリット8が備えられた側面開口部10の外側を下降する。一方、蒸気Sはスリット8が備えられていない側面閉塞部11の外側を上昇する。このように、ダウンカマバレル3内では、下降する水Wの経路と、上昇する蒸気Sの経路とは区別される。
【0042】
よって、混合体W’は、ダウンカマバレル3において水Wと蒸気Sとに効率よく分離される。
【0043】
上述したように、本実施の形態に係る気水分離器においては、ライザ1内で分離された水Wを主成分とする混合体W’をダウンカマバレル3に導き、ダウンカマバレル3おいて混合体W’を更に水Wと蒸気Sとに確実に分離することができる。
【0044】
その結果、水Wと蒸気Sとの気水分離性能の向上を図った気水分離器を実現することが可能となる。
【0045】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図4から図6を用いて説明する。
【0046】
図4は、第2の実施の形態に係る気水分離器の構成例を示す立断面図である。
図5は、図4に示す気水分離器のB−B線に沿った平断面図である。
【0047】
図6は、第2の実施の形態に係る気水分離器に適用されるダウンカマバレルの外形の一例を示す斜視図である。
【0048】
すなわち、本実施の形態に係る気水分離器は、図8に示す従来技術による気水分離器におけるダウンカマバレル3に、その上端の一部に、円筒周方向に沿って設けられた横長の孔により形成された側面開口部10を備えるとともに、この側面開口部10の側端部21を始点として、スワールベーン2の旋回方向30の接線方向31に沿って設けられた側面フローガイド12と、側面開口部10の底端部22から、ダウンカマバレル3の軸方向とほぼ垂直に設けられた底面フローガイド13とを備えている。
【0049】
なお、このライザ1は、図1に示したような横長のスリット8を備えたものでもよい。
【0050】
スワールベーン2は、ライザ1の内部に備えられ、ライザ1の下部開口部より上部開口部9に向かって導入される水Wと蒸気Sとの混合体Mを旋回方向30に沿って旋回させながら上昇させる旋回羽根である。そして、水Wと蒸気Sとの混合体Mを、その質量差に応じて生じる旋回半径の違いによって、水Wを主成分とする混合体W’と蒸気Sを主成分とする混合体S’とに分離する。
【0051】
すなわち、質量の軽い蒸気Sを主成分とする混合体S’を、図4に示すように、ライザ1の中心軸付近を中心とした小さな旋回半径でライザ1内を旋回上昇させ、ライザ1の上部開口部9にまで達した場合には、その大部分を、上部開口部9およびオリフィス5を経てデッキプレート4上へと排出するようにしている。
【0052】
一方、質量の重い水Wを主成分とする混合体W’を、図4に示すように、蒸気Sを主成分とする混合体S’よりも大きな旋回半径でライザ1内を旋回上昇させ、その一部を、上部開口部9または横長のスリット8から、旋回方向30に沿って旋回したままダウンカマバレル3へ排出するようにしている。
【0053】
このダウンカマバレル3は、円筒形状をしており、ライザ1の外側にライザ1とほぼ同心的に配置したものである。
【0054】
なお、このとき、水Wを主成分とする混合体W’を、旋回力を維持したままダウンカマバレル3に導入し、ダウンカマバレル3内においても、更に旋回を継続するようにしている。
【0055】
そして、水Wを主成分とする混合体W’のうち質量の重い水Wが、ダウンカマバレル3の内壁付近を旋回上昇し、側面開口部10の高さに達した場合には、側面開口部10から、側面フローガイド12および底面フローガイド13により形成された経路に従って、ダウンカマバレル3の外に排出されるようにしている。
【0056】
一方、水Wを主成分とする混合体W’のうち質量の軽い蒸気Sが、ダウンカマバレル3内を旋回する水Wの旋回半径よりも小さい旋回半径で旋回上昇し、側面開口部10の高さに達した場合には、一部の蒸気Sが、側面開口部10からダウンカマバレル3の外に排出されるようにしており、残りの大部分の蒸気Sが、ダウンカマバレル3内で旋回上昇を続けるようにしている。
【0057】
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る気水分離器の作用について説明する。
【0058】
ライザ1の下部開口部から上部開口部9に向かって導入された水Wと蒸気Sとの混合体Mは、スワールベーン2によって旋回上昇され、質量差に応じた旋回半径の違いによって、水Wを主成分とする混合体W’と、蒸気Sを主成分とする混合体S’とに分離される。
【0059】
質量の軽い蒸気Sを主成分とする混合体S’は、ライザ1の中心軸付近を中心とした小さな旋回半径でライザ1内を旋回上昇し、上部開口部9を経てオリフィス5、デッキプレート4へと排出される。
【0060】
一方、質量の重い水Wを主成分とする混合体W’は、蒸気Sを主成分とする混合体S’よりも大きな旋回半径でライザ1内を旋回しながら上昇し、その一部は、上部開口部9またはスリット8から、旋回力を維持したままスワールベーン2の旋回方向30の接線方向に沿ってダウンカマバレル3に導入される。
【0061】
このようにダウンカマバレル3に導入された混合体W’は、ダウンカマバレル3においても、更に旋回を続ける。
【0062】
そして、ダウンカマバレル3に導入された混合体W’のうち質量の重い水Wは、ダウンカマバレル3の内壁付近を旋回上昇し、側面開口部10の高さにまで達した場合には、側面開口部10から、側面フローガイド12および底面フローガイド13により形成された経路に従って、ダウンカマバレル3の外に排出される。このとき、水Wは、側面フローガイド12および底面フローガイド13により形成された経路に従って、旋回方向30の接線方向31に沿って直進し、ダウンカマバレル3の外に排出され、ダウンカマバレル3外を下降し、図示しないダウンカマバレル3の下部開口部より回収される。
【0063】
一方、水Wを主成分とする混合体W’のうち質量の軽い蒸気Sは、自重が小さく旋回半径が小さいので、ダウンカマバレル3内を旋回する水Wよりも小さな旋回半径で旋回しながら上昇し、側面開口部10の高さにまで達した場合には、一部の蒸気Sは、側面開口部10からダウンカマバレル3の外に排出されるとともにダウンカマバレル3の外を上昇し、最終的にはベント6からデッキプレート4上に排出される。しかしながら、大部分の蒸気Sは、ダウンカマバレル3内で旋回上昇を続け、オリフィス5からデッキプレート4へ排出される。
【0064】
よって、混合体W’はダウンカマバレル3において水Wと蒸気Sとに効率よく分離される。
【0065】
上述したように、本実施の形態に係る気水分離器においては、ライザ1内で分離された水Wを主成分とする混合体W’をダウンカマバレル3に導き、ダウンカマバレル3において混合体W’を更に水Wと蒸気Sとに確実に分離するとともに、ダウンカマバレル3に導かれた混合体W’のうち、水Wは優先的にダウンカマバレル3の外に排出される。
【0066】
その結果、第1の実施の形態と比較して、水Wと蒸気Sとの気水分離性能を更に向上させた気水分離器を実現することが可能となる。
【0067】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を図7を用いて説明する。
【0068】
図7は、第3の実施の形態に係る気水分離器に適用されるダウンカマバレルの外形の一例を示す斜視図である。
【0069】
第3の実施の形態に係る気水分離器は、第2の実施の形態に係る気水分離器における、ダウンカマバレル3の側面開口部10に設けられた側面フローガイド12および底面フローガイド13を省略したものであり、その他の構成は図4に示す気水分離器と同一である。
【0070】
この側面開口部10は、周方向に一定幅で切り欠き設けたものであり、その数は任意で良い。
【0071】
以上のように構成した本実施の形態に係る気水分離器においては、第2の実施の形態で説明した場合と同様の作用が得られるとともに、ダウンカマバレル3より外側に特別な付帯設備を必要としないために、寸法をコンパクト化した気水分離器を実現することが可能となる。
【0072】
以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の気水分離器によれば、ライザのみならずダウンカマバレルにおいても気水分離を行なうようにしているので、水と蒸気との気水分離性能の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る気水分離器の構成例を示す立断面図。
【図2】図1に示す気水分離器のA−A線に沿った平断面図。
【図3】第1の実施の形態に係る気水分離器に適用されるライザの構成例を示す外形図。
【図4】第2の実施の形態に係る気水分離器の構成例を示す立断面図。
【図5】図4に示す気水分離器のB−B線に沿った平断面図。
【図6】第2の実施の形態に係る気水分離器に適用されるダウンカマバレルの外形の一例を示す斜視図。
【図7】第3の実施の形態に係る気水分離器に適用されるダウンカマバレルの外形の一例を示す斜視図。
【図8】この種の従来から用いられている気水分離器の全体構成例を示す鳥瞰図。
【図9】改良された気水分離器の構成例を示す断面図。
【符号の説明】
1…ライザ、
2…スワールベーン、
3…ダウンカマバレル、
4…デッキプレート、
5…オリフィス、
6…ベント、
7…多孔穴、
8…スリット、
9…上部開口部、
10…側面開口部、
11…側面閉塞部、
12…側面フローガイド、
13…底面フローガイド、
21…側端部、
22…底端部、
30…旋回方向、
31…接線方向。

Claims (4)

  1. 水と蒸気とが混合してなる第1の混合体から前記水と前記蒸気とを分離する気水分離器において、
    円筒体の下部開口部を、当該円筒体の内部に前記第1の混合体を導入する混合体導入部とするとともに、前記円筒体の内部に、前記混合体導入部から導入された第1の混合体を旋回上昇させる旋回羽根を備え、かつ前記円筒体の上部開口部より下側でかつ前記旋回羽根よりも上側の円筒体表面に、周方向に沿って細長形状になるように設けられたスリットを備えたライザと、
    前記ライザの外側に当該ライザとほぼ同心的に設けられた円筒形状のダウンカマバレルとを備え、
    前記旋回羽根により旋回上昇された第1の混合体を、前記ライザの内部を旋回上昇させながら、前記ライザの内壁付近を旋回上昇する水を主成分とする第2の混合体と、前記ライザの中心軸付近を中心に旋回上昇する蒸気を主成分とする第3の混合体とに分離し、
    前記第2の混合体を、前記ライザの内壁付近を旋回上昇させて前記スリットの高さにまで達した場合に、その一部を前記スリットを介して前記ダウンカマバレルへ排出し、
    前記第3の混合体を、前記ライザの中心軸付近を中心に旋回上昇させて前記ライザの上部開口部にまで達した場合に、その大部分を前記ライザの上部開口部から前記ライザの外部へ排出するようにしたことを特徴とする気水分離器。
  2. 請求項1に記載の気水分離器において、
    前記スリットを介して前記ダウンカマバレルへ排出された第2の混合体を、前記ダウンカマバレルの内部を旋回させるとともに、前記ダウンカマバレルの内壁付近を旋回する水と、この水の旋回半径よりも小さな旋回半径で前記ダウンカマバレル内を旋回する蒸気とに分離し、
    前記水を、前記ダウンカマバレルの内壁に沿って下降させて前記ダウンカマバレルの下部開口部から前記ダウンカマバレルの外部へ排出し、
    前記蒸気を、前記ダウンカマバレルを上昇させて前記ダウンカマバレルの上部開口部から前記ダウンカマバレルの外部へ排出するようにしたことを特徴とする気水分離器。
  3. 水と蒸気とが混合してなる第1の混合体から前記水と前記蒸気とを分離する気水分離器において、
    円筒体の下部開口部を、当該円筒体の内部に前記第1の混合体を導入する混合体導入部とするとともに、前記円筒体の内部に、前記混合体導入部から導入された第1の混合体を旋回上昇させる旋回羽根を備えたライザと、
    前記ライザの外側に当該ライザとほぼ同心的に設けられた円筒体の上端の一部に、周方向に沿って設けられた横長の孔を備えた円筒形状のダウンカマバレルとを備え、
    前記旋回羽根により旋回上昇された前記第1の混合体を、前記ライザの内部を旋回上昇させながら、前記ライザの内壁付近を旋回上昇する水を主成分とする第2の混合体と、前記ライザの中心軸付近を中心に旋回上昇する蒸気を主成分とする第3の混合体とに分離し、
    前記第3の混合体を、前記ライザの中心軸付近を中心に旋回上昇させて前記ライザの上部開口部にまで達した場合に、その大部分を前記ライザの上部開口部から前記ライザの外部へ排出し、
    前記第2の混合体を、前記ライザの内壁付近を旋回上昇させて前記ライザの上部開口部にまで達した場合に、その一部を前記ライザの上部開口部から前記ダウンカマバレルへ排出し、
    かつ前記ダウンカマバレルへ排出された第2の混合体を、前記ダウンカマバレルの内部を旋回上昇させながら、前記ダウンカマバレルの内壁付近を旋回する水と、この水の旋回半径よりも小さな旋回半径で前記ダウンカマバレル内を旋回する蒸気とに分離し、
    前記水を、前記ダウンカマバレルの上端の一部に備えられた横長の孔を介して前記ダウンカマバレルの外部へ排出し、
    前記蒸気を、前記ダウンカマバレルを上昇させて前記ダウンカマバレルの上部開口部から前記ダウンカマバレルの外部へ排出するようにしたことを特徴とする気水分離器。
  4. 請求項3に記載の気水分離器において、
    前記横長の孔の側端部に、前記旋回羽根の旋回方向の接線方向に沿って設けられた側面フローガイドを備え、
    前記横長の孔の底端部に、前記ダウンカマバレルの軸方向とほぼ垂直方向に設けられた底面フローガイドを備え、
    前記側面フローガイドと前記底面フローガイドとから構成される領域に、前記ダウンカマバレルから排出される水を導入するようにしたことを特徴とする気水分離器。
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