以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る洗面化粧台を表す模式的斜視図である。
図1に表したように、洗面化粧台10は、洗面器12と、水栓装置14と、機能水吐出装置16と、支持台18と、を備える。
なお、本願明細書において、「上」、「下」、「右」および「左」という記載は、洗面化粧台10の前で洗面化粧台10を見た人を基準とした上、下、右および左をそれぞれいう。また、本願明細書においては、洗面化粧台10から、洗面化粧台10の前に居る人へ向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。
洗面器12は、ボウル部20を有する。ボウル部20は、下方に向かって凹んだ凹状に形成されている。ボウル部20は、排水口22を有する。排水口22は、ボウル部20の底部に設けられている。排水口22は、図示を省略した排水管に接続され、ボウル部20に吐出された水を排水管に流す。ボウル部20は、排水口22に向かって下方へ傾斜した排水勾配が形成されたボウル面20aを有する。なお、排水口22には、上下方向に昇降することにより排水口22を開閉する排水栓を設けてもよい。
洗面器12は、支持台18の上に設けられる。支持台18は、洗面器12を支持する。支持台18は、例えば、本体部18aと、2つの引き出し18b、18cと、を有する。本体部18aは、例えば、前方及び上方を開口させた略直方体の開口箱状である。本体部18aの上方の開口は、洗面器12によって塞がれる。ボウル部20の少なくとも一部は、本体部18aの上方の開口から本体部18a内に入り込む。
各引き出し18b、18cは、上方を開口させた略直方体の開口箱状である。各引き出し18b、18cは、本体部18aに前後に移動可能に支持され、本体部18a内に収納された収納位置(図1に表した位置)と、本体部18aから前方に引き出された引出位置と、に移動する。各引き出し18b、18cは、収納位置にある状態において、本体部18aの前方の開口を塞ぐ。そして、各引き出し18b、18cは、引出位置にある状態において、内部に物品を収納可能とする。
このように、支持台18は、物品を収納可能なキャビネットとしても機能する。支持台18は、換言すれば、下部キャビネット(フロアキャビネット)である。なお、引き出しの数は、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、支持台18は、引き出し式のキャビネットに限ることなく、扉式のキャビネットでもよい。
支持台18は、必ずしも収納機能を有していなくてもよい。支持台18は、洗面器12を支持可能な任意の構成でよい。また、洗面器12は、例えば、洗面所などの壁面に直接取り付けてもよい。すなわち、支持台18は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
水栓装置14は、洗面器12のボウル部20に向けて水を吐出する。水栓装置14は、水を吐出する吐水口14aを有する吐水部14bと、吐水口14aから吐出される水の流量及び温度を調節する操作部14cと、を有する。水栓装置14は、支持台18の内部空間などにおいて湯水混合部などを介して給水管及び給湯管に接続される。水栓装置14から吐出される水は、例えば、上水(水道水)である。操作部14cは、吐水部14bと別に設けてもよい。水栓装置14は、少なくとも吐水部14b(いわゆるスパウト)を有していればよい。
機能水吐出装置16は、除菌作用を有する機能水をボウル部20に吐出する。洗面化粧台10では、例えば、機能水吐出装置16からボウル部20に機能水を吐出することにより、排水口22や排水口22の内部における菌の繁殖を抑えることができる。洗面化粧台10では、例えば、排水口22及び排水口22の内部の除菌を行い、洗面器12を清潔に保つことができる。また、洗面化粧台10では、例えば、歯ブラシやコップなどに機能水を吐出することにより、これらの除菌を行うこともできる。
この例では、洗面器12が、水栓装置14及び機能水吐出装置16を支持する支持部12aを有する。支持部12aは、ボウル部20の後方に設けられ、ボウル部20の後方且つ上方に水栓装置14及び機能水吐出装置16を配置する。
このように、機能水吐出装置16は、例えば、水栓装置14と並べて支持部12aに取り付けられる。この場合、水栓装置14と機能水吐出装置16との間の距離を適切に設定することにより、機能水吐出装置16から吐出された機能水が、水栓装置14にかかってしまうことを抑制することができる。水栓装置14を介して使用者が機能水を誤飲してしまうことを抑制することができる。
水栓装置14及び機能水吐出装置16の取り付け位置は、上記に限ることなく、ボウル部20に水及び機能水を吐出可能な任意の位置でよい。例えば、ボウル部20の後端から上方に延びるバックガード部を洗面器12に設け、このバックガード部に水栓装置14及び機能水吐出装置16を取り付けてもよい。あるいは、洗面器12の後部上方に設けられる取付パネルに水栓装置14及び機能水吐出装置16を取り付けてもよい。また、機能水吐出装置16の取り付け箇所は、水栓装置14の取り付け箇所と同じでもよいし、異なってもよい。例えば、水栓装置14は、取付パネルに設け、機能水吐出装置16は、洗面器12に設けてもよい。
洗面化粧台10は、バックパネル24(反射部材)と、ミラーキャビネット26と、下部照明31(第2照射部)と、上部照明32と、をさらに備える。
ミラーキャビネット26は、ボウル部20を有する洗面器12よりも上方に設置される。ミラーキャビネット26は、キャビネット本体40と、3枚の扉41〜43と、を有する。キャビネット本体40は、前方を開口させた略直方体の開口箱状であり、内部に物品を収納可能とする。各扉41〜43は、キャビネット本体40に上下方向を軸に回転可能に軸支され、キャビネット本体40の前方の開口を塞ぐ閉じ位置(図1に表した位置)と、キャビネット本体40の前方の開口を露呈させる開き位置と、に移動する。また、各扉41〜43の前面には、鏡41a〜43aが設けられている。なお、ミラーキャビネット26に設けられる扉及び鏡の数は、3枚に限ることなく、1枚又は2枚でもよいし、4枚以上でもよい。
バックパネル24は、洗面器12とミラーキャビネット26との間に設けられ、洗面器12とミラーキャビネット26との間の隙間を埋める。これにより、洗面化粧台10の意匠性を向上させることができる。また、この例において、バックパネル24は、鏡である。バックパネル24の前面24aは、光を反射させる反射面として機能する。これにより、例えば、背の低い子供などが身だしなみの確認などを行うことができる。
下部照明31は、ミラーキャビネット26の下部に設けられている。下部照明31は、例えば、ミラーキャビネット26において各扉41〜43よりも下方に設けられる。下部照明31は、下方に向かって光を照射し、ボウル部20を照明する。下部照明31は、左右方向に延び、ボウル部20の略全体を照明する。下部照明31は、例えば、ボウル部20の一部のみをスポット的に照明してもよい。
下部照明31は、ミラーキャビネット26の下部に限ることなく、ボウル部20とミラーキャビネット26との間に設けてもよい。下部照明31は、ミラーキャビネット26とは別に、洗面所の壁面などに取り付けてもよい。下部照明31の取付位置は、洗面器12(ボウル部20)と各扉41〜43との間の任意の位置でよい。
上部照明32は、ミラーキャビネット26の上部に設けられている。上部照明32は、例えば、ミラーキャビネット26において各扉41〜43よりも上方に設けられる。バックパネル24は、下部照明31及び上部照明32よりも下方で、且つボウル部20よりも上方に設けられる。上部照明32は、下方に向かって光を照射し、各扉41〜43(各鏡41a〜43a)、及びボウル部20を照明する。このように、下部照明31及び上部照明32で照明を行うことにより、夜間などにおいても使用者が洗面化粧台10を利用することができる。
上部照明32は、左右方向に延び、各扉41〜43及びボウル部20の略全体を照明する。上部照明32は、例えば、各扉41〜43及びボウル部20の一部のみをスポット的に照明してもよい。また、上部照明32は、ミラーキャビネット26よりも上に設けてもよい。上部照明32は、ミラーキャビネット26とは別に、洗面所の壁面などに取り付けてもよい。
図2は、第1の実施形態に係る機能水吐出装置を表す模式的断面図である。
図2に表したように、機能水吐出装置16は、装置本体50と、機能水噴霧部52と、操作部54と、表示部56と、噴霧照射部58(第1照射部)と、を有する。
装置本体50は、上下方向に延びる第1部分50aと、第1部分50aの上端から水平方向に延びる第2部分50bと、を有する。第1部分50a及び第2部分50bは、中空状である。換言すれば、装置本体50は、略L字状に屈曲した筒状である。装置本体50は、内部の空間に機能水吐出装置16の各部を保持する。装置本体50は、第1部分50aの下端において、洗面器12の支持部12aに取り付けられる。装置本体50の形状は、上記に限ることなく、任意の形状でよい。
機能水噴霧部52は、装置本体50の第2部分50bの先端部に下方に向けて設けられている。機能水噴霧部52は、機能水を霧状にしてボウル部20に噴霧する。機能水噴霧部52は、噴霧口52aを有する。噴霧口52aは、例えば、ミストノズルである。機能水噴霧部52から噴霧される霧状の機能水の外径(広がりの幅)は、機能水噴霧部52の噴霧口52aの開口径よりも大きい。機能水噴霧部52は、例えば、円錐状に機能水を噴霧する。これにより、例えば、ボウル部20の広範囲に機能水を付着させることができ、洗面器12をより適切に除菌することができる。また、歯ブラシの毛束の内部(内側に生える毛の根元部)の菌を減らすためには、機能水を歯ブラシの毛束の内部まで浸入させる必要があるが、機能水を霧状に噴霧することで、機能水の流速を高めることができ、機能水を勢いでもって歯ブラシの毛束の内部まで浸入させることができる。
機能水噴霧部52から噴霧される霧状の機能水の粒子径は分布を持っており、サブミクロンオーダーのものから、2000マイクロメートルを超えるものまで存在するが、その平均粒子径は、例えば約200マイクロメートル(μm)以上1500μm以下程度である。これにより、例えば、必要な洗浄性能を確保することができ、かつ機能水の不要な飛散を抑制することができる。なお、ここでいう平均粒子径はHe−Neレーザを利用したフランホーヘル解析法で得られる粒子径分布に基づいたザウター平均値(総体積/総表面積)であり、直径相当のものを言う。
操作部54は、装置本体50の第1部分50aの上端部に上方に向けて設けられている。操作部54は、例えば、使用者が押圧操作する押しボタンである。操作部54は、押しボタンに限ることなく、スライド式の操作部やレバー状の操作部などでもよい。操作部54の形状及び操作態様は、使用者が操作可能な任意の形状及び操作態様でよい。
操作部54は、機能水噴霧部52からの機能水の吐止水の操作に用いられる。機能水吐出装置16は、使用者による操作部54の操作に応じて水を吐出する。機能水吐出装置16は、例えば、操作部54の操作に応じて機能水の噴霧を所定時間(例えば、10秒間)行い、所定時間の経過に応じて自動的に機能水の噴霧を停止する。
機能水吐出装置16は、例えば、操作部54の1回目の操作で機能水の噴霧を行い、操作部54の2回目の操作で機能水の噴霧を停止させてもよい。例えば、所定時間の経過などにより、操作部54の操作とは無関係に機能水吐出装置16から自動的に機能水を噴霧してもよい。以下では、操作部54の操作に応じて行う機能水の噴霧を「手動吐水」、操作部54の操作とは無関係に行う機能水の噴霧を「自動吐水」と称す。
操作部54は、機能水吐出装置16(装置本体50)とは別に洗面化粧台10に設けてもよい。操作部54は、例えば、ミラーキャビネット26の前面などに設けてもよい。操作部54の取付位置は、使用者が操作可能な任意の位置でよい。
表示部56は、操作部54内に設けられている。表示部56は、操作部54に設けられた表示窓54aに光を入射させ、光の点灯・消灯により、使用者に対して機能水吐出装置16の状態の表示を行う。表示部56は、例えば、光の点灯・消灯により、自動吐水機能のオン・オフの状態を表示する。表示部56は、例えば、自動吐水機能がオンに設定されている場合に点灯し、自動吐水機能がオフに設定されている場合に消灯することにより、自動吐水機能のオン・オフを使用者に表示する。
自動吐水機能のオン・オフは、例えば、操作部54の操作によって切り替えられる。例えば、自動吐水機能がオフに設定されている状態で操作部54を長押しする(所定時間押し続ける)ことにより、オンに設定される。そして、自動吐水機能がオンに設定されている状態で操作部54を長押しすることにより、オフに設定される。
表示部56による使用者への表示は、自動吐水機能のオン・オフに限ることなく、使用者への表示が必要な任意の情報でよい。また、表示部56の表示の態様は、光の点灯・消灯に限ることなく、使用者への表示が可能な任意の態様でよい。例えば、色や文字を変化させることによって表示を行ってもよい。表示部56には、例えば、ディスプレイ装置などを用いてもよい。また、表示部56は、操作部54とは別に装置本体50に設けてもよい。
噴霧照射部58は、機能水噴霧部52と並べて装置本体50の第2部分50bに設けられている。また、噴霧照射部58は、下方に向けて第2部分50bに設けられている。噴霧照射部58は、機能水噴霧部52から機能水を噴霧する際に点灯する。噴霧照射部58は、機能水噴霧部52から噴霧されている最中の機能水のうちで機能水噴霧部52よりも下方の所定範囲に存在する機能水に光を照射する。これにより、噴霧照射部58は、機能水の噴霧が行われていることを使用者に報知するとともに、噴霧されている霧状の機能水を見易くする。
噴霧照射部58は、例えば、円錐状に光を照射する。噴霧照射部58の光の照射範囲R1は、機能水噴霧部52の機能水の噴霧範囲R2よりも広い。換言すれば、噴霧照射部58の光の照射角度θ1は、機能水噴霧部52の機能水の噴霧角度θ2よりも広い。これにより、噴霧照射部58は、機能水噴霧部52から噴霧されている最中の機能水のうちで機能水噴霧部52よりも下方の所定範囲に存在する機能水の略全体に光を照射する。噴霧照射部58は、機能水噴霧部52から噴霧され、所定位置よりも下方に降下する機能水の略全体に光を照射する。これにより、噴霧されている霧状の機能水をより見易くすることができる。
また、噴霧照射部58は、例えば、自動吐水機能を開始する直前に点滅することにより、自動吐水機能が開始されることを使用者に報知する。使用者への報知方法としては、点滅以外に点灯するものや明滅するものであってもよい。吐水が行われているか否かの報知、及び自動吐水開始の報知は、例えば、表示部56で行ってもよい。吐水が行われているか否かの報知、及び自動吐水開始の報知は、光の照射に限ることなく、例えば、音声などで行ってもよい。これらの報知は、報知が可能な任意の態様でよい。
噴霧照射部58は、機能水吐出装置16(装置本体50)とは別に洗面化粧台10に設けてもよい。噴霧照射部58は、例えば、水栓装置14と一体に設けてもよい。噴霧照射部58は、例えば、機能水吐出装置16とは別に、支持部12aなどに設けてもよい。噴霧照射部58の取付位置は、機能水噴霧部52から噴霧された機能水に光を照射可能な任意に位置でよい。
但し、噴霧照射部58を水栓装置14や機能水吐出装置16に一体に設けることにより、例えば、洗面化粧台10の部品の増加などを抑えることができる。例えば、洗面化粧台10において、出っ張り部や角部などの増加を抑制し、清掃性を向上させることもできる。
図3は、第1の実施形態に係る洗面化粧台の要部構成を表す模式的ブロック図である。 図3に表したように、洗面化粧台10は、分岐金具82と、開閉弁84と、電磁弁86と、機能水生成部88と、制御部90と、照明スイッチ92と、をさらに備える。
分岐金具82、開閉弁84、電磁弁86、機能水生成部88、及び制御部90は、例えば、支持台18の本体部18a内に設けられる。一方、照明スイッチ92は、例えば、ミラーキャビネット26の前面など、使用者が外側から操作可能な位置に設けられる。照明スイッチ92は、下部照明31及び上部照明32の点灯・消灯の切り替えに用いられる。照明スイッチ92は、例えば、洗面器12やミラーキャビネット26などとは別に、洗面所の壁面などに取り付けてもよい。
水栓装置14は、分岐金具82及び開閉弁84を介して給水源80に接続されている。開閉弁84は、水栓装置14の操作部14cに接続されている。開閉弁84は、操作部14cへの手動操作により、開状態と閉状態とを切り替える。そして、開閉弁84が開状態となることにより、給水源80から供給された水が、水栓装置14の吐水部14bからボウル部20に吐出される。
機能水吐出装置16の機能水噴霧部52は、可撓性を有するチューブ60を介して機能水生成部88と接続されている。機能水生成部88は、電磁弁86及び分岐金具82を介して給水源80に接続されている。電磁弁86は、制御部90と電気的に接続され、制御部90の制御に基づいて、開状態と閉状態とを切り替える。電磁弁86が開状態となると、給水源80から供給された水が、機能水生成部88に供給される。
機能水生成部88は、電磁弁86から供給された水(水道水)から機能水を生成し、生成した機能水を機能水噴霧部52に供給する。また、機能水生成部88は、制御部90と電気的に接続されている。機能水生成部88における機能水の生成は、制御部90によって制御される。
制御部90は、電磁弁86及び機能水生成部88と電気的に接続されるとともに、機能水吐出装置16の操作部54、表示部56、噴霧照射部58と電気的に接続されている。表示部56及び噴霧照射部58の動作は、制御部90によって制御される。操作部54は、使用者の操作指示を制御部90に入力する。制御部90は、操作部54からの操作指示の入力に応じて、電磁弁86を開くとともに、機能水生成部88を動作させる。これにより、使用者の操作部54の操作に応じて、機能水が、機能水噴霧部52からボウル部20に霧状に噴霧される。
また、制御部90は、機能水の噴霧に応じて噴霧照射部58を点灯させ、前述のように、機能水噴霧部52から噴霧された機能水を照明する。さらに、制御部90は、操作部54から入力された操作指示の内容に応じて、表示部56の表示を変化させる。
制御部90は、下部照明31、上部照明32、及び照明スイッチ92とさらに電気的に接続されている。照明スイッチ92は、使用者の操作指示を制御部90に入力する。制御部90は、照明スイッチ92からの操作指示の入力に応じて、下部照明31及び上部照明32の点灯・消灯を切り替える。下部照明31及び上部照明32の点灯・消灯は、同時に切り替えてもよいし、2つの照明スイッチ92を設け、個別に切り替えられるようにしてもよい。
また、制御部90は、下部照明31及び上部照明32が消灯している状態で、操作部54から機能水の噴霧の操作指示が入力された場合、機能水噴霧部52による機能水の噴霧、及び噴霧照射部58による機能水の照明に連動させて、下部照明31及び上部照明32を点灯させる。
図4は、機能水生成部の一例を表す説明図である。
図4に表したように、機能水生成部88は、陽極88aと、陰極88bと、を内部に有し、制御部90から出力された通電の制御信号により、陽極88aと、陰極88bと、の間の空間(流路)を流れる水道水を電気分解することができる。水道水は、塩化物イオンを含んでいる。塩化物イオンは、水源(例えば、地下水や、ダムの水や、河川などの水)に例えば食塩(NaCl)や塩化カルシウム(CaCl2)などとして含まれている。
そこで、電圧が陽極88aと陰極88bとの間に供給されると、式(1)に表した反応が陰極88bにおいて生ずる。
H++e− → 1/2H2↑ ・・・(1)
一方で、電圧が陽極88aと陰極88bとの間に供給されると、式(2)および式(3)に表した反応が陽極88aにおいて生ずる。
2OH− → 2e−+H2O+1/2O2↑ ・・・(2)
Cl− → e−+1/2Cl2 ・・・(3)
式(3)において発生した塩素は気泡としては存在しにくく、ほとんどの塩素は水に溶解する。そのため、式(3)において発生した塩素については、式(4)に表した反応が生ずる。このようにして、塩化物イオンを電気分解することにより次亜塩素酸(HClO)が生成される。その結果、機能水生成部88において電気分解された水は、次亜塩素酸を含む液に変化する。
Cl2+H2O → HClO+H++Cl− ・・・(4)
次亜塩素酸は、除菌成分として機能する。次亜塩素酸を含む液は、例えばボウル部20や排水口22、排水口22の内部、ヘアキャッチャーなどに付着している細菌を除菌することができる。
電解水が細菌と反応すると、式(5)に表した反応が生ずる。
R−H+HClO → R−OH+H++Cl− ・・・(5)
式(5)の中に表した「R−H」は、有機物であり、例えば細菌の細胞である。式(5)の中に表した「R−OH」は、分解された有機物である。これにより、細菌の細胞が変性され、除菌(殺菌)が行われる。そして、電解水が細菌と反応すると、除菌成分(HClO)が失われるため、結果として、電解水(除菌水)の濃度が下がる。
また、時間が経つと、式(6)に表した反応が生ずる。
2HClO → 2H++2Cl−+O2 ・・・(6)
このように、時間が経つと、除菌成分(HClO)が失われるため、結果として、電解水(除菌水)の濃度が下がる。
上記のように、機能水が電解水であった場合、電解水を一度に多量に生成するためには、大型の電極、又は多量の電極が必要となる。このため、電解水は、一度に多量には生成し辛い。従って、電解水を機能水とする場合には、機能水を霧状に噴霧し、噴霧される機能水の流速を高め、比較的広い範囲に長い時間にわたって機能水を吐出することが、より効果的である。
なお、本実施形態の機能水生成部88は、次亜塩素酸を含む液を生成することに限定されるわけではない。機能水生成部88において生成される機能水は、銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む液であってもよい。あるいは、機能水生成部88において生成される機能水は、電解塩素やオゾンなどを含む液であってもよい。あるいは、機能水生成部88において生成される機能水は、酸性水やアルカリ水であってもよい。また、機能水生成部88は、電解槽と、陽極板と、陰極板と、を有する電解槽ユニットに限定されるわけではない。
図5は、第1の実施形態に係る洗面化粧台を表す模式的側面図である。
なお、図5では、便宜的に洗面器12及び支持台18の一部を省略して図示している。 図5に表したように、機能水吐出装置16は、洗面器12の支持部12aから装置本体50の第2部分50bを前方に延ばすことにより、ボウル部20の上方に機能水噴霧部52を配置する。これにより、機能水吐出装置16は、機能水をボウル部20内へ噴霧する。機能水吐出装置16は、例えば、排水口22の上方に機能水噴霧部52を配置する。機能水噴霧部52は、排水口22に向けて機能水を噴霧する。機能水噴霧部52から噴霧された機能水の少なくとも一部は、排水口22の上に落ちる。これにより、排水口22及び排水口22の内部における菌の繁殖をより確実に抑制することができる。
機能水噴霧部52が機能水を噴霧する位置は、上記に限ることなく、ボウル部20内へ機能水を噴霧可能な任意の位置でよい。また、機能水噴霧部52は、ボウル部20の上方に限ることなく、ボウル部20内に配置してもよい。
図5に表したように、下部照明31は、噴霧照射部58から照射された光の全体及びボウル部20内に対して光を照射する。また、下部照明31から照射される光の色は、噴霧照射部58から照射される光の色と異なる。
このように、下部照明31は、噴霧照射部58から照射された光の全体及びボウル部20内に対して、噴霧照射部58から照射される光とは異なる色の光を照射可能な第2照射部として機能する。
下部照明31から照射される光の色は、例えば、白色光や昼白色光などである。下部照明31から照射される光の色温度は、例えば、2500K以上6500K未満である。一方、噴霧照射部58から照射される光の色は、例えば、青色光である。噴霧照射部58から照射される光の色温度は、例えば、6500K以上である。このように、噴霧照射部58から照射される光の色を青色光とすることにより、霧状に噴霧された機能水を見易くすることができる。そして、下部照明31から照射される光の色を白色光や昼白色光とすることにより、霧状に噴霧された機能水をより見易くすることができる。
また、下部照明31は、下方に向けて光を照射することにより、噴霧照射部58から照射された光の全体及びボウル部20内に対して光を照射するとともに、鏡であるバックパネル24の前面24a(反射面)に、光の一部を入射させる。換言すれば、バックパネル24の前面24aの少なくとも一部は、下部照明31の光の照射範囲内に配置される。
図6は、第1の実施形態に係る洗面化粧台の動作の一部を表すフローチャートである。 図6に表したように、機能水吐出装置16の操作部54が使用者によって操作されると、機能水の噴霧を指示する操作指示が、操作部54から洗面化粧台10の制御部90に入力される(図6のステップS101)。
制御部90は、操作部54から機能水の噴霧の操作指示を受けると、照明スイッチ92の操作によって下部照明31及び上部照明32が消灯しているか否かを確認する(図6のステップS102)。
制御部90は、下部照明31及び上部照明32が消灯している場合、下部照明31及び上部照明32を点灯させる(図6のステップS103)。この後、制御部90は、噴霧照射部58を点灯させ、電磁弁86を開き、機能水生成部88を動作させることにより、機能水噴霧部52から機能水を噴霧させる(図6のステップS104〜S106)。なお、ステップS103〜S106の各動作の順序は、上記に限ることなく、入れ替え可能である。ステップS103〜S106の各動作は、例えば、実質的に同時に開始してもよい。
一方、制御部90は、ステップS102において、下部照明31及び上部照明32が既に点灯していることを確認した場合、ステップS103の動作を省略し、機能水の噴霧を開始する。
制御部90は、機能水噴霧部52から機能水を所定時間噴霧した後、機能水生成部88の動作を停止させ、電磁弁86を閉じ、噴霧照射部58を消灯させることにより、機能水の噴霧を停止させる。この際、操作部54の操作に連動させて下部照明31及び上部照明32を点灯させた場合には、機能水の噴霧の停止とともに下部照明31及び上部照明32を消灯させてもよいし、機能水の噴霧の停止後も下部照明31及び上部照明32を点灯させたままとしてもよい。
図7(a)及び図7(b)は、参考例の洗面化粧台を表す模式的側面図である。
図7(a)に表したように、洗面化粧台の周囲が明るい場合には、下部照明31及び上部照明32を点灯させなくても、噴霧照射部58から光を照射することにより、機能水噴霧部52から噴霧されている最中の機能水のうちで機能水噴霧部52よりも下方の噴霧範囲MRに存在する機能水を視認し易くすることができる。噴霧範囲MRは、換言すれば、照射範囲R1と噴霧範囲R2とが重なる範囲である。
しかしながら、図7(b)に表したように、洗面化粧台の周囲が暗い場合には、下部照明31及び上部照明32を点灯させずに噴霧照射部58のみから光を照射した場合、噴霧範囲MRに存在する光が照射された機能水だけでなく、光自体が暗い背景と比べて帯状に明るく見えてしまう。このため、機能水が噴霧されている部分ではない光照射部分LPに、使用者が誤って歯ブラシの先端を持っていってしまうことが懸念される。光照射部分LPは、換言すれば、照射範囲R1から噴霧範囲R2を差し引いた差分の部分(LP=R1−R2)である。
これに対して、本実施形態に係る洗面化粧台10では、下部照明31(第2照射部)が噴霧照射部58(第1照射部)から照射される光の全体及びボウル部20内に対して、噴霧照射部58から照射される光とは異なる色の光を照射する。これにより、夜間などの洗面化粧台10の周りが暗い場合でも、噴霧照射部58によって光が照射された霧状に噴霧されている機能水を使用者に視認させることができる。すなわち、噴霧照射部58から照射される光の全体及びボウル部20内が明るくなるため、噴霧照射部58から照射された光と背景との明暗差を抑制し、噴霧照射部58から照射された光のうち、機能水噴霧部52から噴霧された機能水に当たっている照射範囲と、それ以外の照射範囲とを明確に区別し易くすることができる。これにより、機能水が噴霧されている部分ではない光照射部分に、使用者が誤って歯ブラシの先端を持っていってしまうこと抑制することができる。したがって、歯ブラシの先端などに霧状に噴霧されている機能水を確実に当てることができる。
また、洗面化粧台10では、ミラーキャビネット26の下部に下部照明31を設けることにより、ボウル部20よりも上方に物品を収納可能なミラーキャビネット26を設置した際にも、開いた状態のまま放置されたミラーキャビネット26の各扉41〜43や開いた状態のまま放置されたミラーキャビネット26に収納された物品などにより、下部照明31がボウル部20及び機能水へ向けて照射した光が遮られてしまうことを抑制することができる。したがって、霧状に噴霧されている機能水を、より確実に使用者に視認させることができる。
また、洗面化粧台10では、下部照明31及び上部照明32よりも下方で、且つボウル部20よりも上方に、反射面である前面24aを有するバックパネル24が設けられている。これにより、下部照明31よりバックパネル24の前面24aへ照射された光を反射を利用して霧状に噴霧されている機能水及び噴霧照射部58から照射される光に当てることができるようになり、夜間などの洗面化粧台10の周りが暗い場合でも、噴霧照射部58によって光が照射された霧状に噴霧されている機能水をより視認し易くすることができる。例えば、下部照明31から照射された光が、機能水噴霧部52(装置本体50の第2部分50b)によって遮られ、下部照明31から照射された光に影ができてしまうことを抑制することができる。
また、洗面化粧台10では、バックパネル24が、鏡である。これにより、下部照明31から照射された光を効率良く反射させ、噴霧照射部58によって光が照射された霧状に噴霧されている機能水をより視認し易くすることができる。また、バックパネル24が鏡であるため、下部照明31による光の反射部材としてだけでなく、例えば、背の低い子供などが身だしなみなどを確認するための鏡としても利用することができる。
また、洗面化粧台10では、制御部90が、操作部54の操作に応じて噴霧照射部58を点灯させ、機能水噴霧部52から機能水を噴霧させるとともに、下部照明31及び上部照明32を点灯させる。これにより、機能水が噴霧される際には、第2照射部である下部照明31を確実に点灯させることができる。したがって、夜間などの洗面化粧台10の周りが暗い場合でも、噴霧照射部58によって光が照射された霧状に噴霧されている機能水を、より確実に使用者に視認させることができる。
上記実施形態では、下部照明31及び上部照明32の2つの照明を設けている。例えば、下部照明31から下方に向かって光を照射するとともに、上方に向かって光を照射し、ミラーキャビネット26の各鏡41a〜43aを照明することにより、上部照明32を省略してもよい。第2照射部の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、第2照射部の位置は、噴霧照射部58から照射される光の全体及びボウル部20内に対して、光を照射可能な任意の位置でよい。
上記実施形態では、制御部90が、操作部54の操作に応じて下部照明31及び上部照明32を点灯させている。下部照明31及び上部照明32の点灯・消灯は、上記に限ることなく、例えば、照明スイッチ92の使用者の操作のみに基づいて切り替えてもよい。
上記実施形態では、下部照明31及び上部照明32が消灯している状態で操作部54が操作された際に、すぐに下部照明31及び上部照明32を点灯させている。例えば、フォトダイオードなどの照度センサを設け、操作部54が操作された際に、周囲の明るさが所定値未満の場合にのみ下部照明31及び上部照明32を点灯させ、周囲の明るさが所定値以上の場合には、下部照明31及び上部照明32を消灯させたまま、噴霧照射部58のみを点灯させて機能水を噴霧してもよい。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係る洗面化粧台の要部構成を表す模式的ブロック図である。 図8に表したように、洗面化粧台100は、人体検知センサ102をさらに備える。なお、上記第1の実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明を省略する。
人体検知センサ102は、洗面化粧台100に接近する使用者などの人体を検知する。人体検知センサ102は、制御部90と電気的に接続されている。人体検知センサ102は、洗面化粧台100に接近した人体を検知し、検知結果を制御部90に入力する。人体検知センサ102には、例えば、赤外線センサ、焦電センサ、マイクロ波センサなど、人体を検知可能な任意のセンサが用いられる。
図9は、第2の実施形態に係る洗面化粧台の動作の一部を表すフローチャートである。 図9に表したように、使用者などの接近が人体検知センサ102によって検知されると、人体の検知を表す信号が、人体検知センサ102から制御部90に入力される(図9のステップS201)。
制御部90は、人体検知センサ102によって人体の接近が検知されると、下部照明31及び上部照明32を点灯させる(図9のステップS202)。このように、制御部90は、人体検知センサ102による人体の検知に応じて下部照明31及び上部照明32を点灯させる。
この後、制御部90は、操作部54から機能水の噴霧の操作指示を受けると、噴霧照射部58を点灯させ、電磁弁86を開き、機能水生成部88を動作させることにより、機能水噴霧部52から機能水を噴霧させる(図9のステップS203〜S206)。
制御部90は、所定時間機能水を噴霧した後、機能水の噴霧を停止させる。そして、制御部90は、人体検知センサ102による人体の検知の停止に応じて、下部照明31及び上部照明32を消灯させる。
このように、制御部90は、人体検知センサ102の検知結果に応じて、下部照明31及び上部照明32の点灯・消灯を切り替えてもよい。この場合にも、上記第1の実施形態と同様に、機能水が噴霧される際には、第2照射部である下部照明31を確実に点灯させることができる。したがって、夜間などの洗面化粧台10の周りが暗い場合でも、噴霧照射部58によって光が照射された霧状に噴霧されている機能水を使用者に視認させることができる。
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態に係る洗面化粧台を表す模式的側面図である。
図10に表したように、洗面化粧台110では、上記第1及び第2の実施形態のミラーキャビネット26が、一面鏡112に置き換えられている。また、洗面化粧台110では、下部照明31及び上部照明32が省略され、照明114(第2照射部)が設けられている。
照明114は、一面鏡112の上部に設けられている。照明114は、例えば、洗面所の壁面などに直接取り付けてもよい。図10に表したように、この照明114においても、噴霧照射部58から照射される光の全体及びボウル部20内に対して、光を照射することができる。従って、上記第1及び第2の実施形態と同様に、夜間などの洗面化粧台10の周りが暗い場合でも、噴霧照射部58によって光が照射された霧状に噴霧されている機能水を使用者に視認させることができる。
このように、第2照射部の取付位置は、必ずしもミラーキャビネット26の下部、又はボウル部20とミラーキャビネット26との間に限らない。この例で示したように、例えば、一面鏡112を備えた洗面化粧台110に機能水吐出装置16を設ける場合には、一面鏡112の上部、又は一面鏡112よりも上に照明114を設けてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、洗面化粧台10などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。