以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る洗面化粧台を表す斜視図及び正面図である。
図1(a)及び図1(b)に表したように、洗面化粧台2は、吐水システム10と、洗面器20と、支持台30と、を備える。
洗面器20は、洗面ボウル22と、排水口24と、オーバーフロー排水具26と、を有する。洗面ボウル22は、下方に向かって凹んだ凹状に形成されている。排水口24は、洗面ボウル22の底部に設けられる。排水口24は、図示を省略した排水管に接続され、洗面ボウル22に吐出された水を排水管に流す。
オーバーフロー排水具26は、洗面ボウル22内に設けられる。オーバーフロー排水具26は、図示を省略したオーバーフロー経路を介して排水管に接続される。例えば、ゴム栓などで排水口24を塞いで洗面ボウル22内に水を溜めた場合に、オーバーフロー排水具26の高さに達した水は、オーバーフロー排水具26を介して排水管に排水される。これにより、オーバーフロー排水具26は、洗面ボウル22から水が溢れてしまうことを抑制する。
洗面器20は、支持台30の上に設けられる。支持台30は、洗面器20を支持する。支持台30は、例えば、本体部31と、一対の扉32、33と、を有する。本体部31は、例えば、前方及び上方を開口させた略直方体の開口箱状である。本体部31の上方の開口は、洗面器20によって塞がれる。洗面ボウル22の少なくとも一部は、本体部31の上方の開口から本体部31内に入り込む。各扉32、33は、本体部31の前方の開口を開閉可能に塞ぐ。これにより、支持台30は、物品を収納可能なキャビネットとしても機能する。支持台30は、換言すれば、下部キャビネットである。支持台30は、収納機能を有していなくてもよい。支持台30は、洗面器20を支持可能な任意の構成でよい。また、洗面器20は、例えば、洗面所などの壁面に直接取り付けてもよい。すなわち、支持台30は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
吐水システム10は、パネル部12(支持部)と、水栓ユニット14と、水栓操作部16と、を有する。パネル部12は、洗面器20の後端部の上に設けられる。換言すれば、パネル部12は、洗面器20のバックガードの上に設けられる。パネル部12は、例えば、洗面器20の上方において、洗面所の壁面などに取り付けられる。パネル部12は、後方に向けて開口した略直方体の箱状である。
パネル部12は、取付パネル12fを有する。取付パネル12fは、例えば、板状である。取付パネル12fは、取付面12aを有する。取付パネル12fは、鉛直方向に延びる。取付面12aは、立面(垂直面)である。取付面12aは、鉛直方向に対して傾斜してよい。取付パネル12fは、少なくとも鉛直方向に延びる成分を有していればよい。取付面12aは、パネル部12が洗面器20の上に取り付けられた状態(使用状態)において前方を向き、洗面化粧台2を使用する使用者と対向する。取付パネル12fは、換言すれば、パネル部12の前面パネルである。取付面12aは、換言すれば、パネル部12の前面である。
本願明細書においては、取付面12aから手前に向かう方向(取付面12aの向く方向)を「前方」とし、これと反対の方向を「後方」とする。また、前後方向及び上下方向に対して垂直な方向を左右方向とする。より具体的には、後方を向いた使用者側から見て右側の方向を右方向とし、これと反対の方向を左方向とする。
水栓ユニット14及び水栓操作部16は、パネル部12の取付面12aに設けられる。換言すれば、パネル部12は、水栓ユニット14及び水栓操作部16を支持する。水栓ユニット14は、洗面器20の洗面ボウル22に向けて水を吐出する吐水口14aを有する。水栓操作部16は、パネル部12の内部空間において配管などを介して水栓ユニット14に接続される。また、水栓操作部16は、パネル部12の内部空間において湯水混合部などを介して給水管及び給湯管に接続される。水栓操作部16は、水栓ユニット14の吐水口14aから吐出される水の流量及び温度を調節する。
水栓ユニット14から吐出される水は、例えば、上水(水道水)である。水栓ユニット14の吐水口14aは、例えば、整流、泡沫などの棒状の吐水を行う。水栓ユニット14の吐水口14aは、例えば、シャワー状の吐水を行うものでもよい。例えば、棒状の吐水を行う吐水口とシャワー状の吐水を行う吐水口とを水栓ユニット14に設けてもよい。
この例において、水栓操作部16は、レバーハンドルである。水栓操作部16は、これに限ることなく、回転型のハンドルなどでもよい。水栓操作部16は、少なくとも流量を調節できればよい。水栓操作部16は、例えば、洗面器20に設けてもよい。
吐水システム10は、吐水装置100と、給水装置110と、をさらに有する。吐水装置100は、パネル部12の取付面12aに設けられる。換言すれば、パネル部12は、吐水装置100を支持する。吐水装置100は、例えば、洗面器20の上面20a(溢れ面)よりも上方に設けられる。吐水装置100は、吐水口202a(図2参照)を有し、吐水口202aから洗面器20の洗面ボウル22に向けて水を吐出する。吐水装置100は、パネル部12に取り付けられた状態において、吐水口202aを洗面器20の上面20aよりも上方に配置する。
吐水装置100は、吐止水を操作するための操作部204を有し、使用者による操作部204の操作に応じて水を吐出する。吐水装置100は、例えば、操作部204の操作に応じて一定時間(例えば、10秒間)吐水を行い、一定時間の経過に応じて自動的に吐水を停止する。吐水装置100は、例えば、操作部204の1回目の操作で吐水を行い、操作部204の2回目の操作で吐水を停止させてもよい。
吐水装置100の吐出する水は、菌を減らす効果を有する機能水である。洗面化粧台2では、例えば、吐水装置100から洗面ボウル22に機能水を吐出することにより、排水口24における菌の繁殖を抑えることができる。洗面化粧台2では、例えば、排水口24の除菌を行い、洗面器20を清潔に保つことができる。また、洗面化粧台2では、例えば、歯ブラシやコップなどに機能水を吐出することにより、これらの除菌を行うこともできる。
吐水装置100の少なくとも一部は、水栓ユニット14の吐水口14aよりも下方に配置される。吐水装置100の吐水口202aは、水栓ユニット14よりも下方に配置される。これにより、例えば、吐水装置100から吐出された機能水が、水栓ユニット14にかかってしまうことを抑制することができる。例えば、使用者が、水栓ユニット14に付着した機能水を、使用者が直接触れたり、水栓ユニット14からの吐水に混入して機能水を誤飲してしまうことなどを抑制することができる。
また、吐水装置100は、水栓ユニット14の吐水口14aよりも後方(取付面12a側)に設けられる。取付面12aから吐水装置100の前端までの長さは、取付面12aから水栓ユニット14の前端までの長さよりも短い。
この例では、水栓ユニット14が、吐水装置100とは別体にパネル部12に支持されている。吐水装置100は、水栓ユニット14よりも小さい。吐水装置100の外形の前出寸法は、水栓ユニット14の外形の前出寸法よりも短い。換言すれば、取付面12aから吐水装置100の前端までの水平方向の長さは、取付面12aから水栓ユニット14の前端までの水平方向の長さよりも短い。水栓ユニット14と吐水装置100とは、互いに一体化させてもよい。例えば、通常の水を吐出する吐水口と機能水を吐出する吐水口とを一つのスパウトに設けてもよい。
給水装置110は、支持台30の本体部31内に設けられている。給水装置110は、電気配線及び通水部材を介して吐水装置100に接続されている。また、給水装置110は、給水源及び電源に接続され、給水源から水の供給を受け、電源から電力の供給を受ける。給水装置110は、通水部材を介して吐水装置100に機能水を供給するとともに、電気配線を介して吐水装置100への電力の供給及び電気信号の送受を行う。
使用者が吐水装置100に設けられた操作部204を操作すると、吐水装置100から給水装置110に操作信号が送信される。給水装置110は、操作信号を受信すると、給水源から供給された水から機能水を生成し、生成した機能水を吐水装置100に送る。これにより、使用者による操作部204の操作に応じて、吐水装置100から機能水が吐出される。例えば、所定時間の経過などにより、操作部204の操作とは無関係に吐水装置100から自動的に機能水を吐出させてもよい。以下では、操作部204の操作に応じて行う吐水を「手動吐水」、操作部204の操作とは無関係に行う吐水を「自動吐水」と称す。
給水装置110は、支持台30内に限ることなく、例えば、パネル部12の内部空間に配置してもよい。例えば、吐水装置100に給水装置110の機能を組み込んでもよい。
図2(a)〜図2(d)は、第1の実施形態に係る吐水装置を表す正面図、側面図、底面図、及び斜視図である。
図2(a)〜図2(d)に表したように、吐水装置100は、ケーシング200(装置本体)と、吐水ユニット202と、操作部204と、表示部206と、光照射部208(報知部)と、を有する。
ケーシング200は、前面200aと、上面200bと、底面200cと、一対の側面200d、200eと、を有する。ケーシング200は、例えば、三角柱状である。換言すれば、ケーシング200は、楔状である。ケーシング200は、中空状であり、内部空間を有する。ケーシング200は、この内部空間に吐水装置100の各種の部材を収納する。
前面200aは、水平面に対して傾斜する。この例において、前面200aは、上部から下部に向うにつれて厚みを増すように傾斜している。換言すれば、前面200aは、下方に向かうに従って前方に突出するように下降傾斜している。前面200aは、例えば、水平面に対して垂直な垂直面でもよい。前面200aは、換言すれば、水平面に対して交差する面であればよい。前面200aの傾斜角度θ1は、例えば、取付面12a(垂直面)に対して20°程度(10°以上30°以下)である。
この例においては、上面200bも、前方に向かうに従って下方に下がるように下降傾斜している。この例では、前面200a及び上面200bが、取付面12aと底面200cとの間において、連続的に下降傾斜する。前面200a及び上面200bは、取付面12aから前方に向かうに従って連続的に下方に傾斜する。前面200a及び上面200bは、水平面及び上方に傾斜する傾斜面を有しない。
上述のように、吐水装置100の少なくとも一部は、水栓ユニット14の吐水口14aよりも下方に配置される。この際、前面200a及び上面200bを上記のように下降傾斜させることにより、水栓ユニット14から吐出された水や手洗いにともなう汚水などが吐水装置100にかかった場合にも、これらの水がケーシング200の上に滞留してしまうことを抑制することができる。
ケーシング200は、必ずしも上面200bを有しなくてもよい。例えば、底面200cの前端と取付面12aとを結ぶように傾斜した前面200a(傾斜面)を形成してもよい。また、他の水栓器具などからの水掛かりの懸念が低い場所に吐水装置100を配置する場合などには、前面200a及び上面200bに水平面や上昇傾斜する傾斜面などを設けてもよい。
底面200cは、前面200aの下端から取付面12aに向かって延びる。底面200cは、前面200a及び上面200bの下方に位置する。底面200cは、前方に向かうに従って上方に上がるように上昇傾斜している。このように底面200cを傾斜させることにより、例えば、吐水装置100が取付面12aに取り付けられた状態において、吐水装置100に下方から力が加わった場合に、力を前方に逃がすことができる。例えば、洗面化粧台2では、バケツなどの容器を洗面ボウル22内から取り出す際に、容器の上端がケーシング200の底面200cに当接してしまうことが懸念される。底面200cを上昇傾斜させておくことにより、このように容器などが底面200cに当接した場合にも、容器の上端を前方にずらし易くすることができる。例えば、下方から力が加わった場合の吐水装置100の破損を抑制することができる。
底面200cの傾斜角度θ2は、例えば、水平面に対して0°よりも大きく20°以下である。底面200cは、例えば、前面200aと略直交する。これにより、例えば、下方から人体やその他の物体が衝突した場合であっても、力を適切に逃がすことができる。また、吐水ユニット202の吐水口202aなどが目立ってしまうことを抑制することができる。なお、底面200cは、必ずしも上昇傾斜する傾斜面に限ることなく、水平面でもよいし、下降傾斜する傾斜面でもよい。
各側面200d、200eは、略平行である。各側面200d、200eは、例えば、垂直面である。これにより、例えば、吐水装置100の取付面12aへの取り付けの際に、吐水装置100を把持し易くすることができる。例えば、吐水装置100の取り付けの作業性を向上させることができる。側面200dと側面200eは、例えば、ケーシング200を型成形する場合の抜き勾配を有してもよい。側面200dと側面200eとの成す角度は、例えば、5°以下である。また、各側面200d、200eは、全体が略平行である必要はなく、少なくとも最も幅の広い部分が互いに略平行であればよい。
ケーシング200の前後方向の長さ(取付面12aからの突出量)は、ケーシング200の上下方向の長さよりも短い。ケーシング200の前後方向の長さは、ケーシング200の左右方向の長さよりも短い。このように、ケーシング200(吐水装置100)は、薄型の外観を有する。ケーシング200の前後方向の長さは、例えば、2cm以上5cm以下である。ケーシング200の上下方向の長さは、例えば、5cm以上15cm以下である。ケーシング200の前後方向の長さは、例えば、ケーシング200の上下方向の長さの半分以下である。ケーシング200の左右方向の長さは、例えば、2cm以上10cm以下である。
このとき、ケーシング200の前後方向の長さ(取付面12aからの突出量)は、前面200aが約2cmに対して、上面200bは1cm以下であり、前面200aが過半数を占める状態となっている。このように構成することで、より水が溜まりにくく形成することが可能であると同時に、ユニット全体が薄く見えるという効果が望める。
吐水ユニット202は、少なくともその一部が鉛直方向において前面200aと重なるように、ケーシング200の下部に設けられる。吐水ユニット202は、ケーシング200の底面200cに設けられている。吐水ユニット202は、吐水口202aを有する。吐水ユニット202を傾斜した前面200aの下に設けることによって、ケーシング200全体の前後方向の長さを抑えることができる。吐水ユニット202は、吐水口202aを底面200cに露出させてケーシング200に保持され、底面200cから下方に向けて水を吐出する。吐水ユニット202は、給水装置110から供給された機能水を吐水口202aから洗面ボウル22に吐出する。吐水ユニット202は、例えば、洗面器20の排水口24に向けて機能水を吐水する。
吐水ユニット202は、ケーシング200の先端200tよりも奥側(後方)に配置される。ケーシング200の先端200tは、例えば、パネル部12(支持部)から水平方向において最も離間した部分である。この例において、先端200tは、取付面12aからの距離が、最長となる部分である。先端200tは、換言すれば、ケーシング200の前端である。
図2(a)及び図2(b)に表したように、吐水口202aの一部は、ケーシング200の先端200tに向かう方向において、ケーシング200と重なる。この例において、先端200tに向かう方向は、前方である。換言すれば、吐水口202aの一部は、先端200t側から後方に向かって水平に見た時に、ケーシング200と重なる。吐水口202aの一部は、前方から見た時に、ケーシング200と重なる。
ケーシング200は、先端200t側において、吐水口202aの一部を覆う。換言すれば、ケーシング200は、吐水口202aの一部の前方を覆う。
ケーシング200は、吐水ユニット202の一部を収容可能な凹部200v(空間)を有する。凹部200vは、ケーシング200の下部に設けられ、底面200c及び側面200dよりも凹んだ部分である。ケーシング200は、凹部200vに吐水ユニット202の一部を収容することにより、吐水口202aの一部を覆う。
このように、吐水ユニット202を先端200tよりも奥側に配置し、吐水口202aの一部を、ケーシング200の先端200tに向かう方向において、ケーシング200と重ねる。これにより、使用者から吐水口202aを視認し難くすることができる。
この例では、底面200cが上昇傾斜しており、前方から見た時に、吐水ユニット202の一部が、凹部200vよりも下方に露出している。例えば、底面200cを水平にしたり、凹部200vの深さをより深くすることにより、吐水ユニット202の全体が、凹部200v内に収容されるようにしてもよい。すなわち、吐水口202aの全体が、先端200tに向かう方向において、ケーシング200と重なるようにしてもよい。これにより、吐水口202aをより使用者から視認し難くすることができる。吐水口202aは、その少なくとも一部が、先端200tに向かう方向において、ケーシング200と重なっていればよい。
この例では、底面200cの傾斜に従って、吐水口202aも前方に向いて傾斜している。この場合、吐水口202aを視認し難くするためには、上記のように、吐水口202aの少なくとも一部をケーシング200で覆う必要がある。例えば、吐水口202aを水平にしたり、吐水口202aを僅かに後方側に向けて傾斜させることにより、吐水口202aが、先端200tに向かう方向において、吐水ユニット202の本体部(側面部分)と重なるようにしてもよい。このように、吐水ユニット202自体で吐水口202aを隠すようにしてもよい。吐水口202aは、その少なくとも一部が、先端200tに向かう方向において、ケーシング200及び吐水ユニット202のいずれかと重なっていればよい。
吐水口202aの少なくとも一部をケーシング200(装置本体)で覆う方法は、凹部200v内に吐水ユニット202を収容する方法に限らない。例えば、下方に向かって突出する突出部をケーシング200に設け、この突出部で吐水口202aの少なくとも一部を覆うようにしてもよい。吐水口202aの少なくとも一部を覆う部分は、ケーシング200の任意の部分でよい。
図1に表したように、排水口24の上方には、水栓ユニット14が配置され、吐水装置100は、排水口24よりも左方向にずらして配置されている。このため、吐水ユニット202は、吐水口202aの中心軸を鉛直方向に対して傾斜させている。ケーシング200は、吐水口202aの中心軸を鉛直方向に対して傾斜させた状態で吐水ユニット202を保持する。吐水ユニット202は、例えば、排水口24に向け、右斜め下方に機能水を吐水する。これにより、水栓ユニット14から吐出された水が吐水装置100にかかってしまうことを抑制しつつ、機能水を適切に排水口24に向けて吐出することができる。吐水ユニット202から吐出される水の向きは、上記に限ることなく、任意の方向でよい。
吐水ユニット202は、機能水をミスト状にして洗面ボウル22に噴霧する。吐水ユニット202の吐水口202aは、例えば、ミストノズルである。吐水ユニット202から吐出されるミスト状の機能水の外径(広がりの幅)は、吐水ユニット202の吐水口202aの開口径よりも大きい。吐水ユニット202は、例えば、円錐状に機能水を噴霧する。これにより、例えば、洗面ボウル22の広範囲に機能水を付着させることができ、洗面器20をより適切に除菌することができる。
また、機能水をミスト状にして噴霧する場合には、棒状の吐水やシャワー状の吐水に比べて、広範囲に機能水を散布しつつ、機能水の流量を抑えることができる。吐水装置100から吐出される機能水の流量は、水栓ユニット14から吐出される水の流量よりも少ない。吐水装置100の流量は、例えば、流量を調整可能な水栓ユニット14の最大の流量よりも少ない。吐水装置100の流量は、例えば、水栓ユニット14の最大の流量の1/100以上1/2以下である。
吐水ユニット202から吐出されるミスト状の機能水の粒子径は分布を持っており、サブミクロンオーダーのものから、2000マイクロメートルを超えるものまで存在するが、その平均粒子径は、例えば約200マイクロメートル(μm)以上1500μm以下程度である。これにより、例えば、必要な洗浄性能を確保することができ、かつ機能水の不要な飛散を抑制することができる。なお、ここでいう平均粒子径はHe−Neレーザを利用したフランホーヘル解析法で得られる粒子径分布に基づいたザウター平均値(総体積/総表面積)であり、直径相当のものを言う。
操作部204は、吐水口202aよりも上方に設けられる。この例において、操作部204は、ケーシング200の前面200aに設けられている。これにより、操作部204が前方を向き、使用者に操作部204を操作し易くさせることができる。また、前面200aは、前述のように下降傾斜している。このため、操作部204は、前面200aの傾斜角に応じて僅かに上方を向く。吐水装置100は、立った状態の成人の使用者の腰から胸の高さ付近に配置される。床面(支持台30の下端)から吐水装置100の下端までの高さは、例えば、70cm以上150cm以下である。従って、上記のように操作部204を上向きに取り付けることにより、操作部204を使用者により操作し易くさせることができる。操作部204は、前面200aに限ることなく、例えば、下降傾斜した上面200bに設けてもよい。
この例において、操作部204は、使用者が押圧操作する押しボタンである。このように、吐水装置100の吐止水の操作は、水栓ユニット14の吐止水の操作と異なる。また、この例において、操作部204は、平面状である。これにより、操作部204の部分に水が溜まってしまうことを抑制することができる。なお、「平面状」とは、例えば、操作していない状態(力が加わっていない状態)における前面200aからの高さが2mm以下の状態である。操作部204は、押しボタンに限ることなく、スライド式の操作部やレバー状の操作部などでもよい。操作部204の形状及び操作態様は、使用者が操作可能な任意の形状及び操作態様でよい。
表示部206は、ケーシング200の前面200aに設けられている。この例において、表示部206は、操作部204内に設けられている。表示部206は、操作部204とは別に前面200aに設けてもよい。換言すれば、表示部206は、操作部204と並べて前面200aに設けてもよい。表示部206は、前面200aに限ることなく、上面200bなどに設けてもよい。
表示部206は、使用者に対して吐水装置100の状態の表示を行う。表示部206は、例えば、光の点灯・消灯により、自動吐水機能のオン・オフの状態を表示する。表示部206は、例えば、自動吐水機能がオンに設定されている場合に点灯し、自動吐水機能がオフに設定されている場合に消灯することにより、自動吐水機能のオン・オフを使用者に表示する。
自動吐水機能のオン・オフは、例えば、操作部204の操作によって切り替えられる。例えば、自動吐水機能がオフに設定されている状態で操作部204を長押しする(所定時間押し続ける)ことにより、オンに設定される。そして、自動吐水機能がオンに設定されている状態で操作部204を長押しすることにより、オフに設定される。
表示部206による使用者への表示は、自動吐水機能のオン・オフに限ることなく、使用者への表示が必要な任意の情報でよい。また、表示部206の表示の態様は、光の点灯・消灯に限ることなく、使用者への表示が可能な任意の態様でよい。例えば、色や文字を変化させることによって表示を行ってもよい。表示部206には、例えば、ディスプレイ装置などを用いてもよい。
光照射部208は、吐水ユニット202と並べてケーシング200の底面200cに設けられている。光照射部208は、吐水ユニット202から機能水を吐水する際に点灯することにより、吐水が行われていることを使用者に報知する。光照射部208は、例えば、排水口24を照らす。より詳しくは、洗面器20のうちの吐水ユニット202から吐出された機能水が噴霧されるエリアを照らす。
また、光照射部208は、例えば、自動吐水機能を開始する直前に点滅することにより、自動吐水機能が開始されることを使用者に報知する。使用者への報知方法としては、点滅以外に点灯するものや明滅するものであってもよい。
光照射部208は、例えば、青色の光を照射する。機能水は、必ずしも飲用に適するものではない。従って、このように機能水の吐出を報知し、水栓ユニット14による通常の吐水時と異なる状況を形成することにより、通常の吐水ではないことを使用者に知らせることができる。例えば、使用者に飲用を思いとどまらせ、機能水の誤飲を抑制することができる。
吐水が行われているか否かの報知、及び自動吐水開始の報知は、例えば、表示部206で行ってもよい。吐水が行われているか否かの報知、及び自動吐水開始の報知は、光の照射に限ることなく、例えば、音声などで行ってもよい。例えば、飲用に不適な水が吐出されていることを、音声などで報知してもよい。これらの報知は、報知が可能な任意の態様でよい。
図3は、第1の実施形態に係る吐水装置を表す分解斜視図である。
図4は、第1の実施形態に係る吐水装置を表す断面図である。
図5は、第1の実施形態に係る吐水装置の一部を表す部分断面図である。
図4は、図2(a)のA1−A2線断面を表す。
図5は、図2(a)のB1−B2線断面を表す。
図3〜図5に表したように、吐水装置100は、電子ユニット210と、光照射ユニット212と、連結ユニット214と、シール部材216と、をさらに有する。また、ケーシング200は、ベース220と、カバー222と、表面シート224と、を有する。
ベース220は、略長方形状の板状部220aと、板状部220aから後方に向かって延びる筒状部220bと、を有する。板状部220aは、貫通孔状の開口部220cを有する。すなわち、ケーシング200は、後方に開口する開口部220cを有する。筒状部220bは、開口部220cを囲む。筒状部220bは、例えば、略円筒状である。筒状部220bは、例えば、開口部220cの全周を囲む。筒状部220bは、必ずしも開口部220cの全周を囲まなくてもよい。筒状部220bは、例えば、C字状でもよい。
カバー222は、後方に開口する開口箱状である。カバー222は、ベース220の前方を覆い、ベース220との間に内部空間200sを形成する。ケーシング200は、この内部空間200s内に電子ユニット210、光照射ユニット212、及び連結ユニット214などの各部を収納する。開口部220cは、この内部空間200sの一部を外部に露呈させる。
カバー222は、例えば、ベース220の板状部220aの背面側からネジ止めすることによってベース220に取り付けられる。カバー222の取付方法は、これに限ることなく、ベース220に取り付け可能な任意の方法でよい。なお、カバー222は、ベース220に対して着脱可能であることが好ましい。
図4に表したように、パネル部12の取付パネル12fは、貫通孔状の取付穴12bを有する。取付穴12bは、例えば、吐水装置100の取付パネル12fへの取り付けに用いられる。ケーシング200は、取付パネル12fに取り付けられた状態において、取付穴12bに開口部220cを対向させる。これにより、ケーシング200は、内部空間200sを取付パネル12fの裏側の空間と連通させる。換言すれば、ケーシング200は、内部空間200sを開口箱状のパネル部12の内部空間と連通させる。
また、ケーシング200は、取付パネル12fに取り付けられた状態において、筒状部220bの少なくとも一部を取付穴12bに挿通する。また、ケーシング200の外形形状は、取付穴12bの外形形状よりも大きい。ケーシング200は、取付パネル12fに取り付けられた状態において、取付穴12bを塞ぎ、取付穴12bを介してパネル部12内に水などが浸入してしまうことを抑制する(図1参照)。
カバー222は、カバー本体222aと、カバー本体222aの前面に設けられた可動部222bと、を有する。可動部222bは、カバー本体222aの前面の略中央に設けられている。可動部222bは、前後方向に移動可能にカバー本体222aに取り付けられている。可動部222bは、例えば、接続部を介してカバー本体222aに接続され、接続部の弾性変形により、前後方向に移動する。
表面シート224は、例えば、樹脂シートなどの可撓性を有するシート体である。表面シート224は、シート本体224aと、凸部224bと、光透過窓224cと、を有する。シート本体224aは、略長方形状である。シート本体224aの形状は、カバー本体222aの前面の形状と実質的に同じである。シート本体224aは、カバー本体222aの前面に貼り付けられる。
凸部224bは、シート本体224aよりも僅かに前方に膨らんだ部分である。凸部224bは、シート本体224aの略中央に設けられている。凸部224bは、シート本体224aをカバー本体222aに貼り付けた状態において、可動部222bと対向する。凸部224bは、シート本体224aと連続的に形成されている。換言すれば、凸部224bは、シート本体224aと一体化している。これにより、表面シート224は、カバー222のカバー本体222aと可動部222bとの間に空く隙間を覆う。表面シート224は、カバー222の隙間から水や塵埃などがケーシング200の内部空間200sに入り込んでしまうことを抑制する。
この例において、操作部204は、可動部222bと凸部224bとで形成される。使用者が表面シート224の凸部224bの部分を押圧すると、凸部224bが撓み、接続部が弾性変形して可動部222bが後方に移動する。そして、使用者が押圧操作を解除すると、接続部の弾性によって可動部222bが前方の初期の位置に戻り、凸部224bの撓みも解消される。このように、可動部222bと凸部224bとによって使用者の押圧操作が可能になり、可動部222bと凸部224bとで平面状の操作部204が形成される。
光透過窓224cは、可視光に対して光透過性を有する。光透過窓224cは、表示部206の一部を形成する。表面シート224において、シート本体224a及び凸部224bの光透過率は、光透過窓224cの光透過率よりも低い。シート本体224a及び凸部224bは、例えば、色付きのシートであり、可視光に対して実質的に光透過性を有しない。これにより、表面シート224は、可動部222bや、カバー本体222aと可動部222bとの間の隙間を覆い隠す。これにより、例えば、吐水装置100の美観を向上させることができる。
電子ユニット210は、基板230と、検出器232と、発光素子234と、ケース236と、電気配線238と、を有する。基板230は、実装面230aを有する。電子部品である検出器232及び発光素子234は、実装面230aの上に実装されている。ケース236は、基板230と検出器232と発光素子234とを保持する。
電子ユニット210は、少なくともその一部が鉛直方向において傾斜した前面200a及び吐水ユニット202と重なるように、ケーシング200の内部空間200s内に設けられる。電子ユニット210は、例えば、ベース220に保持される。ベース220は、実装面230aを水平面に対して傾斜させて保持する。すなわち、ケーシング200は、実装面230aを水平面に対して傾斜させた状態で電子ユニット210を内部空間200s内に保持する。ベース220は、実装面230aを下方に向かうに従って前方に突出するように下降傾斜させる。この例において、ベース220は、実装面230aをケーシング200の前面200aと略平行に保持する。電子ユニット210を傾斜した前面200a及び吐水ユニット202と重なるように設けることによって、ケーシング200全体の前後方向の長さを抑えることができる。
このように、電子ユニット210の実装面230aは、水平面に対して傾斜する。これにより、例えば、実装面230aの上に水滴などが付着した場合においても、実装面230aの上に水分が滞留してしまうことを抑制することができる。実装面230aの傾斜角は、ケーシング200の前面200aと略平行な角度に限ることなく、水平面と交差する任意の角度でよい。
ベース220は、電子ユニット210をカバー222の可動部222bと対向させる。また、ベース220は、電子ユニット210の少なくとも一部が水平方向において開口部220c及び取付穴12bと重なるように電子ユニット210を保持する。
ベース220は、電子ユニット210の少なくとも一部が筒状部220b内に入り込むように電子ユニット210を保持する。換言すれば、ベース220は、電子ユニット210の少なくとも一部を開口部220cに入り込ませる。ベース220は、例えば、取付パネル12fに取り付けられた状態において、電子ユニット210の少なくとも一部を取付穴12bに入り込ませる。
検出器232は、吐水ユニット202の吐止水を制御するための使用者の操作を検出する。この例において、検出器232は、使用者による操作部204の押圧操作を検出する。検出器232は、例えば、操作部204の操作を検出し、検出結果に応じた電気信号(操作信号)を出力する電気スイッチである。検出器232は、プランジャー232aを有する。検出器232は、いわゆる押しボタン式のスイッチである。検出器232は、プランジャー232aをカバー222の可動部222bと対向させる。検出器232は、使用者の押圧操作に応じて可動部222bが後方に移動した際に、プランジャー232aが可動部222bに当接して押圧されるように配置される。検出器232は、可動部222bの移動にともなうプランジャー232aの押圧により、使用者の押圧操作を検出する。
検出器232は、押しボタン式のスイッチに限ることなく、例えば、スライドスイッチやレバースイッチなどでもよい。検出器232は、操作部204の操作態様に応じた任意の検出器でよい。検出器232は、例えば、使用者のタッチ操作を検出するタッチパネルなどでもよい。また、検出器232は、静電容量センサなど、使用者の操作を非接触で検出するセンサなどでもよい。検出器232の検出する使用者の操作は、接触をともなう操作に限ることなく、例えば、手などをケーシング200に近接させる近接操作などでもよい。
非接触型のセンサなどを検出器232に用いる場合には、例えば、検出器232の検出領域を吐水ユニット202による機能水の噴霧領域よりも広くする。これにより、例えば、コップなどが噴霧領域に入る前に、機能水の噴霧を開始することができる。これにより、噴霧開始後にコップなどを差し入れざるを得なくすることができる。例えば、機能水が吐出されることを認識していない不慣れな使用者が、誤ってコップなどに機能水を溜めてしまうことを抑制することができる。
発光素子234は、表面シート224の光透過窓224cと対向する。発光素子234は、光透過窓224cを介してケーシング200の外部に光を照射する。これにより、発光素子234の点灯・消灯により、使用者に対して表示を行うことができる。すなわち、この例において、表示部206は、発光素子234と光透過窓224cとで構成される。発光素子234は、LED(Light Emitting Diode)、LD(Laser Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)など、光を照射可能な任意の素子でよい。
電気配線238は、基板230と電気的に接続されている。また、電気配線238は、給水装置110と電気的に接続されている。すなわち、電気配線238は、基板230と給水装置110とを電気的に接続する。電気配線238は、例えば、コネクタなどを介して基板230及び給水装置110に対して着脱可能に接続してもよい。
電気配線238は、例えば、グランド線238gと、検出器232の信号線238sと、発光素子234の電源線238pと、の3本の配線を有する(図7参照)。検出器232及び発光素子234は、基板230と電気配線238とを介して給水装置110と電気的に接続される。グランド線238gは、検出器232及び発光素子234に共通に用いられる。検出器232は、使用者の操作を検出すると、信号線238sを介して操作信号を給水装置110に送信する。発光素子234は、電源線238pを介する給水装置110からの電力供給に応じて点灯し、給水装置110の電力供給の停止に応じて消灯する。
電子ユニット210は、ケーシング200の内部空間200sにおいて電気配線238に接続される。より詳しくは、電子ユニット210の基板230が、内部空間200sにおいて電気配線238に接続される。電気配線238は、開口部220cに挿通され、開口部220cを介して内部空間200sに入り込む。また、電気配線238は、取付穴12bを介してパネル部12の内部空間に入り込み、パネル部12の内部空間を介して給水装置110に接続される。このように、開口部220c及び取付穴12bは、ケーシング200の取り付けに用いられるとともに、電気配線238を挿通するための開口としても用いられる。
光照射ユニット212は、略筒状のケース212aと、ケース212a内に設けられた発光素子212s(図7参照)と、を有する。光照射ユニット212は、ケース212aの開口端を底面200cに露出させた状態でケーシング200の内部空間200s内に保持される。光照射ユニット212は、発光素子212sの光をケース212aの開口端から放出し、底面200cから下方に向けて光を照射する。すなわち、この例においては、光照射ユニット212によって光照射部208が構成される。
光照射ユニット212は、電気配線212cを介して給水装置110に接続されている。光照射ユニット212は、給水装置110からの電力供給に応じて光を照射し、給水装置110の電力供給の停止に応じて光の照射を停止する。光照射ユニット212に接続された電気配線212cは、例えば、電気配線238と同様に、開口部220cを介して内部空間200sに入り込む。
連結ユニット214は、ケーシング200の内部空間200s内に設けられる。連結ユニット214は、筒状である。連結ユニット214は、吐水ユニット202に接続される第1接続部214aと、通水部材240に接続される第2接続部214bと、を有する。通水部材240は、給水装置110に接続される。このように、吐水ユニット202は、連結ユニット214及び通水部材240を介して、給水装置110に接続される。給水装置110は、連結ユニット214及び通水部材240を介して、吐水ユニット202に機能水を供給する。これにより、給水装置110から供給された機能水が、吐水ユニット202の吐水口202aから吐出される。通水部材240は、可撓性を有する。通水部材240は、例えば、ゴムチューブである。
連結ユニット214の第2接続部214bは、例えば、略円筒状である。第2接続部214bの外径は、断面略円形のチューブである通水部材240の内径と実質的に同じである。連結ユニット214は、例えば、第2接続部214bを通水部材240の一端に挿し込むことにより、通水部材240と接続される。また、通水部材240の一端には、例えば、クリップ242が取り付けられる。これにより、連結ユニット214と通水部材240との接続箇所からの水漏れや、通水部材240の抜けなどをより適切に抑制することができる。
ケーシング200の筒状部220bの後端下方には、上方に向かって突出する突出部220pが設けられている。突出部220pの上端は、例えば、開口部220cの下端よりも上に位置する。突出部220pは、例えば、連結ユニット214と通水部材240との接続箇所から水漏れが発生した場合に、漏れ出た水がパネル部12側に流れ落ちてしまうことを抑制する。突出部220pは、例えば、漏れ出た水がケーシング200側に流れるようにする。ケーシング200側に流れた水は、例えば、光照射ユニット212を露呈させる開口などを介して、洗面器20に滴下する。これにより、水漏れが発生した場合にも、漏れ出た水を洗面器20に流し、パネル部12内や支持台30内などに垂れ落ちてしまうことを抑制することができる。
吐水ユニット202は、先端に吐水口202aが設けられた筒状の本体部202hを有する。本体部202hは、例えば、略円筒状である。連結ユニット214の第1接続部214aは、例えば、略円筒状である。第1接続部214aの内径は、吐水ユニット202の本体部202hの後端付近の外径と実質的に同じである。
吐水ユニット202は、本体部202hの先端から外側に広がるフランジ部202fを有する。また、本体部202hの後端付近の外面には、雄ネジ202nが設けられている。連結ユニット214の第1接続部214aの内面には、吐水ユニット202の雄ネジ202nに対応した雌ネジ214nが設けられている。ケーシング200の底面200cには、吐水ユニット202の本体部202hの外径に対応した略円形の開口が設けられている。
吐水ユニット202は、ケーシング200の外側から本体部202hの後端を内部空間200s内に挿し込み、雄ネジ202nを雌ネジ214nに螺合させることにより、連結ユニット214に接続される。このように、吐水ユニット202は、ケーシング200の外側から取り付けることができる。ケーシング200は、吐水ユニット202をケーシング200の外側から着脱可能に保持する。これにより、例えば、吐水口202aの目詰まりなどが発生した場合に、吐水ユニット202のみを容易に交換することができる。吐水ユニット202をケーシング200の外側から着脱可能に保持する方法は、上記に限ることなく、ケーシング200の外側から吐水ユニット202を着脱可能な任意の方法でよい。
また、吐水ユニット202は、フランジ部202fの後端面をケーシング200に接触させる。そして、吐水ユニット202は、雄ネジ202nと雌ネジ214nとの螺合により、連結ユニット214とともにケーシング200の一部を共締めする。これにより、吐水ユニット202及び連結ユニット214が、ケーシング200に保持される。
また、吐水ユニット202は、フランジ部202fの後端面をケーシング200に接触させることにより、本体部202hとケーシング200との間をシールする。これにより、吐水ユニット202をケーシング200の外側から取り付ける場合においても、ケーシング200と吐水ユニット202との間の隙間などからケーシング200内に水などが浸入してしまうことを抑制することができる。
吐水ユニット202の本体部202hは、凹部202bを有する。凹部202bは、本体部202hの外面において、軸方向の中央付近に配置されている。凹部202bには、シール部材244が嵌め込まれる。シール部材244は、いわゆるOリングである。シール部材244は、弾性を有し、吐水ユニット202が連結ユニット214に接続された状態において、吐水ユニット202と連結ユニット214との間の隙間を埋める。これにより、例えば、吐水ユニット202と連結ユニット214との間における水漏れの発生をより適切に抑制することができる。
吐水ユニット202は、ケーシング200の内部空間200sにおいて、連結ユニット214を介して通水部材240に接続される。吐水ユニット202は、通水部材240を介して供給される水を吐水口202aから吐出する。通水部材240は、電気配線238と同様に、開口部220cに挿通され、開口部220cを介して内部空間200sに入り込む。また、通水部材240は、取付穴12bを介してパネル部12の内部空間に入り込み、パネル部12の内部空間を介して給水装置110に接続される。このように、開口部220c及び取付穴12bは、通水部材240を挿通するための開口としても用いられる。
シール部材216は、ケーシング200と取付面12aとの間をシールする。シール部材216は、弾性を有し、ケーシング200が取付面12aに取り付けられた状態において、ケーシング200と取付面12aとに挟まれて弾性変形することにより、ケーシング200と取付面12aとの間に空く隙間を埋める。シール部材216は、例えば、ケーシング200の後端部の外縁に沿う環状である。シール部材216は、例えば、ケーシング200の開口部220cを囲む。シール部材216は、例えば、ケーシング200が取付面12aに取り付けられた状態において、取付穴12bを囲む。これにより、シール部材216は、開口部220cからケーシング200内への水などの浸入、及び取付穴12bからパネル部12内への水などの浸入を抑制する。
図6は、第1の実施形態に係る吐水ユニットを表す断面図である。
図6に表したように、吐水ユニット202は、流入口202cと、直進流供給流路202dと、一対の旋回流供給流路202eと、を有する。流入口202cは、本体部202hの吐水口202aと反対側の開口である。流入口202cは、連結ユニット214を介して供給される機能水を受ける。機能水は、流入口202cを介して吐水ユニット202内に流入する。
直進流供給流路202dは、流入口202cと吐水口202aとの間を接続する。直進流供給流路202dは、例えば、流入口202cから吐水口202aに向かって直線状に延びる。直進流供給流路202dは、例えば、吐水口202a及び流入口202cの中心軸CAと平行に延びる。これにより、直進流供給流路202dは、流入口202cから流入した機能水の一部を、直進流として吐水口202aに供給する。直進流供給流路202dは、直線状に限ることなく、屈曲又は湾曲した形状などでもよい。直進流供給流路202dの形状は、吐水口202aに直進流を供給可能な任意の形状でよい。
各旋回流供給流路202eは、直進流供給流路202dと並行に設けられ、流入口202cと直進流供給流路202dの側方との間を接続する。各旋回流供給流路202eは、例えば、流入口202cから中心軸CAと平行に延び、略垂直に屈曲することにより、直進流供給流路202dの側方に接続される。また、各旋回流供給流路202eの一部は、中心軸CA周りの方向に延びる。各旋回流供給流路202eの一部は、例えば、中心軸CAに対して螺旋状に延びる。これにより、各旋回流供給流路202eは、流入口202cから流入した機能水の一部を、中心軸CA周りの旋回流として吐水口202aに供給する。換言すれば、各旋回流供給流路202eは、流入口202cから吐水口202aに流れる機能水に対して中心軸CA周りの旋回力を与える。各旋回流供給流路202eの形状は、上記に限ることなく、吐水口202aに旋回流を供給可能な任意の形状でよい。この例では、吐水ユニット202に2つの旋回流供給流路202eを設けている。旋回流供給流路202eの数は、2つに限ることなく、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
吐水ユニット202では、直進流と旋回流との比率を調整することにより、吐水時の略円錐状の噴霧状態における機能水の粒子PT(水滴)の疎密を、中央部分CPと外側部分EPとで変化させることができる。
例えば、直進流の比率を高くすることにより、中央部分CPにおける機能水の粒子PTの密度が高くなる。反対に、旋回流の比率を高くすることにより、外側部分EPにおける機能水の粒子PTの密度が高くなる。
中央部分CPとは、より詳しくは、吐水ユニット202の機能水の噴霧エリアのうち、吐水口202aの中心軸CAと直交する面内において、中心軸CAに近い部分である。外側部分EPとは、より詳しくは、吐水ユニット202の機能水の噴霧エリアのうち、吐水口202aの中心軸CAと直交する面内において、中心軸CAから離間した部分である。
図6に表したように、吐水ユニット202は、中央部分CPよりも外側部分EPの方が粒子PTの密度が低くなるように、ミスト状の機能水を噴霧する。吐水ユニット202は、例えば、中心において粒子PTの密度が最も高く、外側に向かう程、粒子PTの密度が低くなるように機能水を噴霧する。
粒子PTの密度は、上述のように、直進流と旋回流との比率を調整することによって調整することができる。また、直進流と旋回流との比率は、例えば、各流路202d、202eの断面積などを変化させることによって調整することができる。
粒子PTの密度の比較は、以下の方法によって行うことが出来る。
ノズルの吐水方向に、所定距離離した箇所に同心円状に複数の部屋を設けたノズルからの吐水の拡がりに合わせて吐水範囲と同等の外形を有する容器に向かって吐水を行い、所定時間経過後に溜まった水の量を比較することで、密度の比較を行うことが出来る。
具体的には、吐水角度が30度の円形範囲であるノズルを利用する場合、吐水口202aから距離30cmの位置に、吐水口202aの中心軸CAの延長線上をの中心位置から、直径方向に1cmずつ区切りを同心円状に設けた、直径16cmの容器を用意する。この容器に向かって、5分間吐水を行った際に、各区切りに溜まった水の量を、各区切りの表面積で割った値を粒子PTの密度とする。
図7は、第1の実施形態に係る給水装置を表すブロック図である。
図7に表したように、給水装置110は、ストレーナ300と、電磁弁302と、調圧弁304と、逆止弁306と、リリーフ弁308と、漏水検知部310と、機能水生成部312と、フィルタ314と、制御部320と、を有する。
給水装置110は、配管330、ストレーナ332、止水栓334などを介して給水源WSに接続される。給水装置110は、給水源WSから水の供給を受ける。給水源WSから給水装置110に供給される水は、例えば、上水(水道水)である。
また、給水装置110は、電源線などを介して電力源PSに接続される。給水装置110は、電力源PSから電力の供給を受ける。電力源PSは、例えば、商用電源である。給水装置110は、例えば、図示を省略した電源回路を有する。電源回路は、例えば、電力源PSから供給された電力を制御部320に対応した電力に変換し、変換後の電力を制御部320に供給する。制御部320は、電力の供給に応じて動作し、給水装置110の各部の動作を制御する。
制御部320は、電気配線238を介して電子ユニット210と接続され、電気配線212cを介して光照射ユニット212と接続される。制御部320は、検出器232から送信された操作信号を受信し、操作信号に応じて各発光素子212s、234の点灯・消灯を制御する。このように、制御部320は、給水装置110の各部の動作を制御するとともに、吐水装置100の各部の動作も制御する。
ストレーナ300は、給水源WSから供給された水を濾し、不純物などが下流に流れることを抑制する。電磁弁302は、開閉可能な電磁バルブである。電磁弁302は、制御部320に接続され、制御部320からの指令に基づいて水の供給を制御する。電磁弁302を開状態にすることにより、電磁弁302よりも下流に水が流れる。また、電磁弁302は、例えば、下流に流れる水の流量を調整する。
調圧弁304は、電磁弁302の下流に設けられ、給水圧が高い場合に、管路内の圧力を所定の圧力範囲に調整する。これにより、吐水装置100から吐出される機能水の流量を、水栓ユニット14から吐出される水の流量よりも少なくすることができる。逆止弁306は、調圧弁304の下流に設けられ、管路内の圧力が低下した場合などに、逆止弁306よりも上流側への水の逆流を抑制する。
リリーフ弁308は、調圧弁304と逆止弁306との間に設けられている。リリーフ弁308は、管路内の圧力が設定値に達した場合に、管路内を流れる水の少なくとも一部を管路外に排出する。
漏水検知部310は、リリーフ弁308からの水の排出を検知する。漏水検知部310は、制御部320に接続され、検知結果を制御部320に入力する。制御部320は、漏水検知部310によってリリーフ弁308からの水の排出が検知された場合、例えば、電磁弁302を閉じる動作など、検知に対応した所定の動作を行う。
機能水生成部312は、逆止弁306の下流に設けられている。機能水生成部312は、逆止弁306を介して供給された水から機能水を生成する。機能水生成部312を逆止弁306の下流に配置することにより、例えば、生成された機能水の給水源WS側への逆流を抑制することができる。
機能水生成部312は、例えば、電解槽を有する。電解槽の内部には、陽極板および陰極板が設けられている。機能水生成部312は、制御部320に接続され、制御部320から送信される信号に基づいて、電解槽の内部を流れる水道水や雑用水を電気分解する。ここで、水道水は、塩化物イオンを含んでいる。塩化物イオンは、水源(例えば、地下水や、ダムの水や、河川などの水)に例えば食塩(NaCl)や塩化カルシウム(CaCl2)などとして含まれている。そのため、塩化物イオンを電気分解することにより次亜塩素酸が生成される。その結果、機能水生成部312において電気分解された水(電解水)は、次亜塩素酸を含む液(機能水)に変化する。次亜塩素酸は、例えば、消臭成分あるいは殺菌成分として機能する。次亜塩素酸を含む液は、一般細菌などを減らしたりすることができる。
なお、本実施形態の機能水生成部312は、次亜塩素酸を含む液を生成することに限定されるわけではない。機能水生成部312において生成される機能水は、銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む液であってもよい。あるいは、機能水生成部312において生成される機能水は、電解塩素やオゾンなどを含む液であってもよい。あるいは、機能水生成部312において生成される機能水は、酸性水やアルカリ水であってもよい。また、機能水生成部312は、電解槽と、陽極板と、陰極板と、を有する電解槽ユニットに限定されるわけではない。
フィルタ314は、機能水生成部312の下流に設けられている。フィルタ314は、機能水生成部312から供給された機能水を濾し、機能水に含まれる不純物などが下流に流れることを抑制する。フィルタ314は、例えば、機能水に含まれるゴミなどが吐水装置100の吐水口202aに到達してしまうことを抑制する。フィルタ314は、例えば、吐水装置100に設けてもよい。フィルタ314の位置は、吐水口202aと機能水生成部312との間の任意の位置でよい。例えば、吐水口202aと機能水生成部312との間において、複数のフィルタ314を設けてもよい。
給水装置110は、前述のように、通水部材240に接続される。フィルタ314を透過した機能水は、通水部材240や連結ユニット214などを介して吐水装置100の吐水ユニット202に供給される。
制御部320は、例えば、検出器232からの制御信号の入力に応じて電磁弁302を開き、機能水生成部312に水を供給するとともに、機能水生成部312を動作させることにより、機能水生成部312に機能水を生成させる。これにより、使用者による操作部204の操作に応じて給水装置110から吐水装置100に機能水が供給され、吐水ユニット202の吐水口202aから機能水が吐出される。制御部320は、例えば、検出器232の検出に応じて吐水ユニット202から機能水を吐出させた後、一定時間の経過に応じて機能水の吐出を停止させる。
また、制御部320は、例えば、検出器232からの制御信号の入力に応じて光照射ユニット212の発光素子212sに電力を供給することにより、発光素子212sを点灯させる。これにより、吐水ユニット202からの機能水の吐水とともに光照射部208から光が照射され、吐水が行われていることを使用者に報知することができる。
制御部320は、例えば、自動吐水機能がオンに設定されている場合に、電子ユニット210の発光素子234に電力を供給することにより、発光素子234を点灯させる。このように、制御部320は、吐水ユニット202からの機能水の吐水を制御するとともに、表示部206による使用者への表示や、光照射部208からの光の照射なども制御する。
また、制御部320は、自動吐水機能がオンに設定されている場合、定期的に吐水ユニット202から機能水を吐出させる。制御部320は、例えば、前回の機能水の吐出から所定時間が経過した場合に、電磁弁302及び機能水生成部312を動作させることにより、吐水ユニット202から機能水を吐出させる。例えば、タイマなどを設け、予め設定された時間に機能水を吐出させるようにしてもよい。このように、制御部320は、検出器232の検出に応じて吐水ユニット202から機能水を吐出させるとともに、定期的に吐水ユニット202から機能水を吐出させる。
このように、本実施形態に係る吐水装置100では、棒状やシャワー状などの通常の吐水と異なるミスト状にして機能水を噴霧することにより、機能水の吐水であることを使用者に認識させることができる。例えば、通常吐水に比べて、より広い範囲に機能水を散布することもできる。さらに、中央部分CPよりも外側部分EPの方が粒子の密度が低くなるように、ミスト状の機能水を噴霧することにより、使用者の手などに機能水がかかってしまうことを抑制することができる。例えば、あまり濡れないうちに手を引っ込めることが可能になる。従って、機能水の吐出を容易に識別できるようにしつつ、使用者の操作に応じて機能水を吐出する場合にも、使用者の手などに機能水がかかってしまうことを抑制することができる。
また、使用者による操作が可能な操作部204を吐水口202aよりも上方に設けることにより、操作部204を操作する際に、操作する手などに機能水がかかってしまうことを抑制することができる。
また、ケーシング200が、吐水ユニット202をケーシング200の外側から着脱可能に保持することにより、施工後においても、吐水ユニット202を容易に着脱することができる。例えば、吐水ユニット202の交換を容易に行うことができる。例えば、吐水ユニット202を取り外して洗浄を行うことができる。従って、吐水装置100のメンテナンス性を向上させることができる。これにより、吐水口202aにゴミなどが詰まって吐水形態が乱れ、使用者の手や服などを濡らしてしまうことを抑制することができる。
また、吐水装置100を水栓ユニット14よりも前出寸法を小さくすることにより、水栓ユニット14と吐水装置100とをより識別し易くさせることができる。例えば、機能水が吐出されることを認識していない不慣れな使用者が、誤って吐水装置100を操作し、手にかかってしまったり、機能水を飲んでしまったりすることなどを抑制することができる。
また、吐水装置100の吐止水の操作を、水栓ユニット14の吐止水の操作と異ならせることにより、例えば、不慣れな使用者が吐水装置100を使用してしまうことを抑制することができる。例えば、不慣れな使用者に対し、水栓ユニット14側の使用を促し、手にかかってしまうことや機能水の誤飲をより抑制することができる。
また、吐水装置100の吐水口202aよりも上流に、吐水口202aに供給される機能水を濾すフィルタ314を設けることにより、吐水口202aの目詰まりを抑制することができる。例えば、吐水口202aにゴミなどが詰まって吐水形態が乱れ、使用者の手にかかってしまうことや服などを濡らしてしまうことを抑制することができる。
また、制御部320が、定期的に吐水ユニット202から機能水を吐出させることにより、例えば、スケールなどが乾燥して吐水口202aに固着することを抑制することができる。例えば、小さなゴミなどを吐水の力で押し流すことができる。吐水口202aの目詰まりをより抑制することができる。これにより、本来の吐水を長期間に亘って維持でき、使用者の手に機能水がかかってしまうことを抑制することが可能となる。また、機能水の吐出を定期的に行うことにより、排水口24における菌の繁殖をより適切に抑え、洗面器20をより清潔に保つことができる。
上記実施形態では、吐水装置100を洗面化粧台2に適用した例を示している。吐水装置100は、洗面化粧台2に限ることなく、例えば、水栓ユニットと洗面ボウルとを有する手洗い器などに適用してもよい。
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係るシステムキッチンを表す斜視図である。
図9は、第2の実施形態に係るシステムキッチンを表す上面図である。
図8及び図9に表したように、システムキッチン500(吐水システム)は、シンク502と、カウンタ504と、支持台506と、水栓ユニット508と、吐水装置510と、支持部512と、を備える。
シンク502は、凹状である。シンク502は、排水口502aを有する。排水口502aは、シンク502の底部に設けられる。排水口502aは、図示を省略した排水管に接続され、シンク502に吐出された水を排水管に流す。
カウンタ504は、シンク502に隣接する。カウンタ504は、例えば、シンク502の開口端部分を囲む。シンク502は、換言すれば、カウンタ504の上面504a(溢れ面)から下方に凹んだ部分である。
支持台506は、シンク502及びカウンタ504を支持する。この例において、支持台506は、調理器具などの物品を収納可能なキャビネットである。支持台506は、必ずしも収納機能を有しなくてもよい。支持台506は、シンク502及びカウンタ504を支持可能な任意の構成でよい。
水栓ユニット508は、シンク502の後方に設けられている。水栓ユニット508は、スパウト508aと、水栓操作部508bと、を有する。スパウト508aは、吐水口508cを有する。水栓ユニット508は、スパウト508aの吐水口508cからシンク502に向けて水を吐出する。水栓ユニット508は、棒状又はシャワー状の吐水を行う。水栓操作部508bは、例えば、吐水口508aからの吐止水を切り替えるとともに、吐水口508aから吐出される水の流量及び温度を調節する。
この例において、水栓操作部508bは、レバーハンドルである。水栓操作部508bは、回転型のハンドルなどでもよい。この例では、スパウト508aと水栓操作部508bとが一体化した水栓ユニット508を示している。水栓操作部508bは、スパウト508aとは別にシンク502の周囲に設けてもよい。水栓ユニット508は、必ずしも水栓操作部508bを含まなくてもよい。
吐水装置510は、シンク502の後方に設けられている。吐水装置510は、吐水口602aを有する(図10(b)参照)。吐水口602aは、カウンタ504の上面504aよりも上方に設けられる。吐水装置510は、吐水口602aからシンク502に向けて機能水を吐出する。吐水装置510は、上記第1の実施形態の吐水装置100と同様に、給水装置110に接続され、給水装置110から供給された機能水をシンク502に吐出する。これにより、システムキッチン500においても、上記第1の実施形態に関して説明した洗面化粧台2と同様に、排水口502aなどにおける菌の繁殖を抑え、シンク502を清潔に保つことができる。この例において、給水装置110は、例えば、支持台506内に設けられ、電気配線や通水部材を介して吐水装置510と接続される。
支持部512は、水栓ユニット508と吐水装置510とを支持する。吐水装置510は、水栓ユニット508の吐水口508aよりも後方に設けられる。また、吐水装置510は、支持部512に支持された状態において、吐水口602aをカウンタ504の上面504aよりも上方に配置する。
この例において、支持部512は、シンク502の後方に設けられ、カウンタ504の上面504aよりも僅かに凹んだ部分である。支持部512は、例えば、カウンタ504の上面504aと略面一でもよい。換言すれば、水栓ユニット508と吐水装置510とを支持する支持部は、カウンタ504でもよい。また、この例においても、水栓ユニット508は、吐水装置510と別体に支持部512に支持される。水栓ユニット508は、吐水装置510と一体化させてもよい。また、この例においても、吐水装置510は、水栓ユニット508よりも小さい。吐水装置510の外形の前出寸法は、水栓ユニット508の外形の前出寸法よりも短い。
図9に表したように、支持部512は、吐水装置510を可動可能に支持する。この例において、支持部512は、上下方向を軸に吐水装置を回動可能に支持する。これにより、例えば、使用に慣れた使用者が、吐水装置510の使用後に、使用し辛い位置に移動させておくことで、次に不慣れな使用者がシステムキッチン500を使用する場合に、吐水装置510の使用を抑制することができる。
例えば、吐水口602aをシンク502の上方に配置した使用位置(図9において実線で示す位置)から、吐水口602aを使用位置よりも後方に配置した非使用位置(図9において一点鎖線で示す位置)に移動させておく。これにより、不慣れな使用者が誤って吐水装置510を使用してしまうことを抑制することができる。例えば、水栓ユニット508の使用を促し、機能水の誤飲をより抑制することができる。
また、支持部512は、シンク502に向けて機能水が吐出されるとともに、可動可能な範囲MAのいずれの位置においても機能水がカウンタ504に届かないように吐水装置510を支持する。これにより、例えば、カウンタ504にコップなどを置いて機能水を溜めることを抑制し、機能水の誤飲をより抑制することができる。
吐水装置510の移動は、回転に限ることなく、スライド移動などでもよい。支持部512の構成は、例えば、使用位置と非使用位置との間で吐水装置510を移動可能に支持できる任意の構成でよい。
図10(a)及び図10(b)は、第2の実施形態に係る吐水装置を表す斜視図及び底面図である。
図11は、第2の実施形態に係る吐水装置の一部を表す部分断面図である。
図11は、図10(b)のC1−C2線断面を表す。
図10(a)、図10(b)、及び図11に表したように、吐水装置510は、装置本体600と、吐水ユニット602と、操作部604と、表示部606と、光照射部608(報知部)と、電子ユニット610と、光照射ユニット612と、連結ユニット614と、を有する。
装置本体600は、略L字状に屈曲した丸棒状である。装置本体600は、中空状のパイプであり、内部空間600sを有する。装置本体600は、この内部空間600sに吐水装置510の各種の部材を収納する。
装置本体600は、例えば、第1管部600aと第2管部600bとを有する。第1管部600aは、第1方向に延びる。第1方向は、例えば、上下方向である。第1管部600aは、支持部512に支持された状態において、上下方向に延びる。第2管部600bは、第1管部600aの一端から第1方向と交差する第2方向に延びる。第2管部600bは、例えば、第1管部600aの一端から水平方向に延びる。
第1管部600aの第2管部600bと反対側の端部には、支持部512に支持される被支持部600cが設けられている。支持部512は、被支持部600cを回動可能に支持する。支持部512は、例えば、第1管部600aを軸に吐水装置510を回転させる。
吐水ユニット602は、装置本体600の第2管部600bの下部に設けられる。吐水ユニット602は、吐水口602aを有する。吐水ユニット602は、給水装置110から供給された機能水を吐水口602aからシンク502に吐出する。
吐水ユニット602は、上記第1の実施形態の吐水ユニット202と同様に、機能水をミスト状にしてシンク502に噴霧する。この例においても、吐水装置510から吐出される機能水の流量は、水栓ユニット508から吐出される水の流量よりも少ない。また、吐水ユニット602は、中央部分CPよりも外側部分EPの方が粒子PTの密度が低くなるように、ミスト状の機能水を噴霧する。
第2管部600bは、開口部600dを有する。開口部600dは、第2管部600bの下部に設けられ、内部空間600sの一部を下方に露呈させる。吐水ユニット602は、内部空間600s内に設けられ、開口部600dを介して吐水口602aを下方に露呈させる。
操作部604は、第2管部600bの第1管部600aと反対側の端部に設けられている。換言すれば、操作部604は、装置本体600の先端600tに設けられている。この例において、装置本体600の先端600tは、例えば、支持部512に支持される被支持部600cから水平方向において最も離間した部分である。また、操作部604は、吐水口602aよりも上方に設けられる。
操作部604は、第2管部600bの軸方向に沿って移動可能に先端600tに取り付けられ、定常位置と、定常位置よりも第2管部600bに近接した押圧位置と、に移動する。操作部604は、バネなどの弾性体により、定常位置に保持される。すなわち、操作部604は、使用者が押圧操作する押しボタンである。
上記第1の実施形態と同様に、吐水装置510は、使用者による操作部604の操作に応じて、吐水ユニット602から機能水を吐出する。吐水装置510は、例えば、操作部604の操作に応じて吐水ユニット602から機能水を吐出させた後、一定時間の経過に応じて機能水の吐出を停止させる。また、吐水装置510は、自動吐水機能がオンに設定されている場合、定期的に吐水ユニット602から機能水を吐出させる。
この例においても、吐水装置510の吐止水の操作は、水栓ユニット508の吐止水の操作と異なる。操作部604の形状及び操作態様は、使用者が操作可能な任意の形状及び操作態様でよい。
表示部606は、操作部604の先端面604aに設けられている。表示部606は、上記第1の実施形態の表示部206と同様に、使用者に対して吐水装置510の状態の表示を行う。表示部606は、例えば、光の点灯・消灯により、自動吐水機能のオン・オフを使用者に表示する。表示部606は、操作部604に限ることなく、装置本体600に設けてもよい。表示部606の位置は、使用者から視認し易い任意の位置でよい。表示部606の表示の態様は、光の点灯・消灯に限ることなく、使用者への表示が可能な任意の態様でよい。
光照射部608は、吐水ユニット602と並べて装置本体600の第2管部600bの下部に設けられている。光照射部608は、上記第1の実施形態の光照射部208と同様に、吐水ユニット602から機能水を吐水する際に点灯することにより、吐水が行われていることを使用者に報知する。
電子ユニット610は、基板630と、検出器632と、発光素子634と、ケース636と、を有する。基板630は、実装面630aを有する。検出器632及び発光素子634は、実装面630aの上に実装されている。ケース636は、基板630と検出器632と発光素子634とを保持する。
電子ユニット610は、装置本体600の内部空間600s内に設けられる。装置本体600は、電子ユニット610を先端600tの近傍に配置し、実装面630aを操作部604と対向させて保持する。換言すれば、装置本体600は、検出器632及び発光素子634を操作部604と対向させる。
検出器632は、吐水ユニット602の吐止水を制御するための使用者の操作を検出する。この例において、検出器632は、使用者による操作部604の押圧操作を検出する。使用者の押圧操作に応じて操作部604が定常位置から押圧位置に移動すると、操作部604の一部が検出器632に接触する。これにより、使用者による操作部604の押圧操作が、検出器632によって検出される。
発光素子634は、操作部604に設けられた光透過窓604bと対向する。発光素子634は、光透過窓604bを介して装置本体600の外部に光を照射する。これにより、発光素子634の点灯・消灯により、使用者に対して表示を行うことができる。すなわち、この例において、表示部606は、発光素子634と光透過窓604bとで構成される。
検出器632及び発光素子634は、上記第1の実施形態に関して説明した電子ユニット610と同様に、電気配線(図示は省略)を介して給水装置110と電気的に接続される。検出器632は、使用者の操作を検出すると、操作信号を給水装置110に送信する。発光素子634は、給水装置110からの電力供給に応じて点灯し、給水装置110の電力供給の停止に応じて消灯する。
光照射ユニット612は、上記第1の実施形態に関して説明した光照射ユニット212と同様である。光照射ユニット612は、装置本体600の内部空間600s内に保持され、開口部600eを介して下方に向けて光を照射する。この例においては、光照射ユニット612によって光照射部608が構成される。光照射ユニット612は、図示を省略した電気配線を介して給水装置110に接続され、給水装置110からの電力供給に応じて光を照射し、給水装置110の電力供給の停止に応じて光の照射を停止する。
連結ユニット614は、装置本体600の内部空間600s内に設けられる。連結ユニット614は、吐水ユニット602に接続される第1接続部614aと、通水部材640に接続される第2接続部614bと、を有する。第1接続部614aは、上記第1の実施形態に関して説明したように、例えば、ネジを螺合させることにより、吐水ユニット602を装置本体600の外側から着脱可能に保持する。
通水部材640は、給水装置110に接続される。連結ユニット614は、第1接続部614aと第2接続部614bとを接続する流路(図示は省略)を有し、通水部材640を介して給水装置110から供給された機能水を吐水ユニット602に送る。これにより、給水装置110から供給された機能水が、吐水ユニット602の吐水口602aから吐出される。
この例においても、吐水ユニット602は、装置本体600の操作部604よりも奥側に配置される。図9に表したように、吐水口602aは、装置本体600の先端600tに向かう方向において、装置本体600と重なる。吐水口602aは、先端600t側から水平に見た時に、装置本体600と重なる。
装置本体600は、内部空間600s内に吐水ユニット602を収容することにより、先端600t側において、吐水口602aを覆う。
この例において、装置本体600は、吐水ユニット602の全体を内部空間600s内に収容している。従って、この例では、先端600tに向かう方向において、吐水口602aの全体が、装置本体600と重なる。上記第1の実施形態に関して説明したように、吐水口602aの少なくとも一部は、装置本体600と重ならなくてもよい。吐水ユニット602の一部は、開口部600dよりも下方に突出していてもよい。
このように、吐水ユニット602の少なくと一部を収容可能な空間は、装置本体600の中空状の内部空間600sでもよいし、上記第1の実施形態に関して説明したように、装置本体(ケーシング)の外面に設けられた凹部でもよい。
このように、本実施形態に係る吐水装置510においても、棒状やシャワー状などの通常の吐水と異なるミスト状にして機能水を噴霧することにより、機能水の吐水であることを使用者に認識させることができる。例えば、通常吐水に比べて、より広い範囲に機能水を散布することもできる。さらに、中央部分CPよりも外側部分EPの方が粒子の密度が低くなるように、ミスト状の機能水を噴霧することにより、使用者の手などに機能水がかかってしまうことを抑制することができる。例えば、あまり濡れないうちに手を引っ込めることが可能になる。従って、機能水の吐出を容易に識別できるようにしつつ、使用者の操作に応じて機能水を吐出する場合にも、使用者の手などに機能水がかかってしまうことを抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、吐水システム10、吐水装置100、510、及びシステムキッチン500などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。