JP6744097B2 - 射出成形金型及び射出成形金型の制御方法 - Google Patents
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Description
従来から、金型温度を制御して樹脂を射出成形する技術が知られている。例えば、第1従来技術は、金型に媒体流路を形成し、金型の型開きから射出充填が完了するまで媒体流路に熱水を供給し、射出充填の完了から型開きまで媒体流路に冷水を供給することにより、生産性を向上させると共に、射出成形品の寸法精度を向上させるようになっている(特許文献1参照)。
また、図21に示す第2従来技術に係る金型111は、キャビティ112の近傍にキャビティ部用カードリッジヒータ113を設置し、金型111の外周部に金型本体用カートリッジヒータ114を設置し、この金型本体用カートリッジヒータ114よりも外側に冷却水用配管115を設置して、成形サイクルを短縮し、低コストで高精度の成形品を製造するようになっている(特許文献2参照)。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る射出成形金型1の断面図である。この図1に示すように、射出成形金型1は、固定側金型2と可動側金型3に大別される。そして、この射出成形金型1は、型締め時に、固定側金型2と可動側金型3の突き合わせ面側にキャビティ4が形成され、このキャビティ4内に図示しないゲートから溶融樹脂が射出され、キャビティ4の形状を転写したような成形品が製造されるようになっている。
図1に示すように、固定側金型2は、固定側キャビティ駒5と固定側金型本体6とを有している。固定側金型本体6は、固定側キャビティ駒5が断熱材7(例えば、日光化成株式会社製の商品名「ロスナボード」)を介して取り付けられる第1固定側金型本体8と、固定側キャビティ駒5を収容するキャビティ駒収容穴10が形成された第2固定側金型本体11と、を有している。第1及び第2固定側金型本体8,11は、固定側金型本体6の温度を成形品の取り出し温度に維持するために、流体(熱水又は蒸気)を流動させる固定側温度調節流路(12)が形成されている。この固定側温度調節流路(12)は、固定側キャビティ駒5の第1固定側温度調節流路13と区別するために、第2固定側温度調節流路12と呼称する。なお、第1及び第2固定側金型本体8,11は、第2固定側温度調節流路12に代えて、カートリッジヒータ、シーズヒータ等の抵抗加熱ヒータ(14)を設置してもよい。この第1及び第2固定側金型本体8,11に設置する抵抗加熱ヒータ(14)は、固定側キャビティ駒5の第1固定側抵抗加熱ヒータ15と区別するために、第2固定側抵抗加熱ヒータ14と呼称する。また、第1及び第2固定側金型本体8,11は、第2固定側温度調節流路12と第2固定側抵抗加熱ヒータ14とを併用してもよい。
図1に示す可動側金型3は、可動側キャビティ駒37と可動側金型本体38とを有している。可動側金型本体38は、可動側キャビティ駒37が断熱材7を介して取り付けられる第1可動側金型本体40と、可動側キャビティ駒37を収容するキャビティ駒収容穴41が形成された第2可動側金型本体42と、を有している。第1及び第2可動側金型本体40,42は、可動側金型本体38の温度を成形品の取り出し温度に維持するために、流体(熱水又は蒸気)を流動させる可動側温度調節流路(43)が形成されている。この可動側温度調節流路(43)は、可動側キャビティ駒37の第1可動側温度調節流路44と区別するために、第2可動側温度調節流路43と呼称する。なお、第1及び第2可動側金型本体40,42は、第2可動側温度調節流路43に代えて、カートリッジヒータ、シーズヒータ等の可動側抵抗加熱ヒータ(45)を設置してもよい。この第1及び第2可動側金型本体40,42に設置する可動側抵抗加熱ヒータ(45)は、可動側キャビティ駒37の第1可動側抵抗加熱ヒータ46と区別するために、第2可動側抵抗加熱ヒータ45と呼称する。また、第1及び第2可動側金型本体40,42は、第2可動側温度調節流路43と第2可動側抵抗加熱ヒータ46とを併用してもよい。
図5乃至図6は、本実施形態に係る射出成形金型1の制御方法を説明するための図である。なお、図5は、固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37の温度と射出成形時間との関係を示す図である。図6は、射出成形金型1の作動状態を示すタイムチャート図である。なお、射出成形金型1は、固定側金型2の固定側キャビティ駒5と可動側金型3の可動側キャビティ駒37が同時に作動制御される。
本実施形態に係る射出成形金型1を使用した射出成形は、型締めした後、コントローラ33によってバルブユニット24が作動制御され、固定側キャビティ駒5の第1固定側温度調節流路13と可動側キャビティ駒37の第1可動側温度調節流路44に第1流体供給装置25から第1の流体が供給されると共に、コントローラ33によってスイッチ31がオンさせられ、固定側キャビティ駒5の第1固定側抵抗加熱ヒータ15と可動側キャビティ駒37の第1可動側抵抗加熱ヒータ46が通電されることにより、成形サイクルがスタートする。その結果、固定側キャビティ駒5は、第1固定側温度調節流路13を流動する第1の流体と第1固定側抵抗加熱ヒータ15によって成形品の取り出し温度(T1℃)以上の温度に加熱される。また、可動側キャビティ駒37は、第1可動側温度調節流路44を流動する第1の流体と第1可動側抵抗加熱ヒータ46によって成形品の取り出し温度(T1℃)以上の温度に急速に加熱される。なお、固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37は、予め成形品の取り出し温度以上の温度に加熱された第1の流体が第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44に供給されるため、第1固定側抵抗加熱ヒータ15及び第1可動側抵抗加熱ヒータ46の温度上昇の遅れが第1の流体から供給される熱エネルギーによって補われる。
射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5と可動側キャビティ駒37の温度が熱電対32,32でそれぞれ測定され、固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37の温度が成形品の取り出し温度(T1℃)以上の第1の設定温度(T2℃)に到達すると(t1秒経過すると)、コントローラ33によってバルブユニット24が作動させられ、第1流体供給装置25から第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44への第1の流体の供給が停止され、第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44の第1の流体が第1流体供給装置25に還流される。
射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5と可動側キャビティ駒37が第1の設定温度(T2℃)から第2の設定温度(T3℃)に到達するまで(t1秒からt2秒まで)、固定側キャビティ駒5が第1固定側抵抗加熱ヒータ15のみによって加熱され、可動側キャビティ駒37が第1可動側抵抗加熱ヒータ46によってのみ加熱される。
そして、射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5と可動側キャビティ駒37の温度が第2の設定温度(T3℃)に到達すると(t2秒経過すると)、コントローラ33によってスイッチ31がオフさせられ、第1固定側抵抗加熱ヒータ15及び第1可動側抵抗加熱ヒータ46への通電が遮断される。
また、射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5と可動側キャビティ駒37の温度が第2の設定温度(T3℃)に到達すると(t2秒経過すると)、溶融樹脂が図示しないゲートからキャビティ4内に射出されると共に、バルブユニット24がコントローラ33によって作動させられ、コンプレッサ27と第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44とがバルブユニット24を介して接続され、圧縮空気が第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44に瞬間的に(僅かな時間Δtだけ)供給され、第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44に残留している第1の流体がドレンタンク28に圧縮空気と共に排出される。なお、生産サイクルが僅かに長くなることを許容できる場合には、圧縮空気を第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44に供給するのを省略してもよい。
また、射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5と可動側キャビティ駒37の温度が第2の設定温度(T3℃)で維持され、溶融樹脂がキャビティ4に充填された後に保圧された状態で所定時間経過(t3秒経過)すると、バルブユニット24がコントローラ33によって作動させられ、第1固定側温度調節流路13と第1可動側温度調節流路44に第2流体供給装置26から第2の流体が供給される。この第2の流体は、第1固定側温度調節流路13と第1可動側温度調節流路44を流動して、固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37の温度を第2の設定温度(T3℃)から成形品の取り出し温度(T1℃)まで急速に冷却する。
そして、射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37の温度が成形品の取り出し温度(T1℃)に到達すると(t4秒経過すると)、バルブユニット24がコントローラ33によって作動させられ、第2流体供給装置26からの第2の流体の供給が停止されると共に、第2の流体が第1固定側温度調節流路13と第1可動側温度調節流路44から第2流体供給装置26に還流される。
また、射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37の温度が成形品の取り出し温度(T1℃)に到達すると(t4秒経過すると)、可動側金型3が固定側金型2から分離され(型開きされ)、可動側キャビティ駒37の可動側キャビティ形成部分17に残っている成形品が図示しないエジェクタピンで取り出される。
また、射出成形金型1は、成形品の取り出し作業が終了すると(t5秒経過すると)、型締めされ(可動側金型3が固定側金型2に押し当てられ)、次の射出成形サイクルがスタートし、第1固定側温度調節流路13と第1可動側温度調節流路44に第1の流体が供給されると共に、第1固定側抵抗加熱ヒータ15と第1可動側抵抗加熱ヒータ46が通電される。このように、第1固定側温度調節流路13と第1可動側温度調節流路44には、第1の流体と第2の流体が交互に供給され、射出成形サイクルが繰り返される。
本実施形態に係る射出成形金型1によれば、固定側キャビティ駒5は、第1固定側抵抗加熱ヒータ15の温度上昇の遅れが第1固定側温度調節流路13を流動する第1の流体の熱で補われる。また、可動側キャビティ駒37は、第1可動側抵抗加熱ヒータ46の温度上昇の遅れが第1可動側温度調節流路44を流動する第1の流体の熱で補われる。したがって、本実施形態の射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5が第1固定側抵抗加熱ヒータ15のみで加熱される場合、及び可動側キャビティ駒37が第1可動側抵抗加熱ヒータ46のみで加熱される場合と比較し、固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37を短時間で射出成形に適した温度(T3℃)に加熱することができる。その結果、本実施形態に係る射出成形金型1は、成形サイクル(成形品の生産サイクル)を短縮できる。
また、本実施形態に係る射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5が断熱材7を介して第1固定側金型本体8に取り付けられ、固定側キャビティ駒5から第1固定側金型本体8への熱伝導が防止される。また、本実施形態に係る射出成形金型1は、可動側キャビティ駒37が断熱材7を介して第1可動側金型本体40に取り付けられ、可動側キャビティ駒37から第1可動側金型本体40への熱伝導を防止できる。したがって、本実施形態に係る射出成形金型1は、上記第1の効果と相俟って、より一層成形サイクルを短縮できる。
また、本実施形態に係る射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5の第1固定側抵抗加熱ヒータ15の周囲が遮熱体34で覆われると共に、遮熱体34と第2固定側金型本体11との間に隙間35(空気層)が形成されているため、固定側キャビティ駒5から第2固定側金型本体11への熱の移動を抑えることができる。また、本実施形態に係る射出成形金型1は、可動側キャビティ駒37の第1可動側抵抗加熱ヒータ46の周囲が遮熱体55で覆われると共に、遮熱体55と第2可動側金型本体42との間に隙間56(空気層)が形成されているため、可動側キャビティ駒37から第2可動側金型本体42への熱の移動を抑えることができる。したがって、本実施形態に係る射出成形金型1は、上記第1及び第2の効果と相俟って、より一層成形サイクルを短縮できる。
また、本実施形態に係る射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5が第1固定側抵抗加熱ヒータ15で射出成形に適した第2の設定温度(T3℃)まで加熱され、可動側キャビティ駒37が第1可動側抵抗加熱ヒータ46で射出成形に適した第2の設定温度(T3℃)まで加熱されるようになっているため、射出温度が高いスーパーエンジニアリングプラスチックの射出成形を短時間で効率的に行うことが可能になる。
また、本実施形態に係る射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37の内部に高温水と低温水を交互に流動させるヒート&クール成形技術を採用しているため、高精度(高転写精度)で低歪みの成形品を生産できる。
また、本実施形態に係る射出成形金型1は、第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44が二条の螺旋形状であるため、第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44が直線状の場合と比較し、流路長さが長くなり、第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44を流動する第1の流体及び第2の流体と固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37との接触面積が大きい。その結果、本実施形態に係る射出成形金型1は、第1の流体の熱を固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37の全体に均一に且つ効率的に伝達でき、固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37の加熱速度が大きい。また、本実施形態に係る射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37の全体の温度を均一且つ効率的に吸収でき、固定側キャビティ駒5及び可動側キャビティ駒37の冷却速度が大きい。
また、本実施形態に係る射出成形金型1は、第1固定側温度調節流路13の少なくとも一部が固定側キャビティ駒5の固定側キャビティ形成部分16の近傍に位置し、第1可動側温度調節流路44の少なくとも一部が可動側キャビティ駒37の可動側キャビティ形成部分17の近傍に位置しているため、第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44を流動する第1の流体でキャビティ4近傍を効率的に加熱でき、第1固定側温度調節流路13及び第1可動側温度調節流路44を流動する第2の流体でキャビティ4の近傍領域を効率的に冷却できる。その結果、本実施形態に係る射出成形金型1は、ヒート&クール成形技術の効果を高め、高精度で且つ低歪みの成形品を得ることができる。
また、本実施形態に係る射出成形金型1は、成形品の取り出し時に、第1可動側金型本体40の温度と可動側キャビティ駒37の温度が成形品の取り出し温度(T1℃)に合わせられるため、第1可動側金型本体40のエジェクタピン収容穴と可動側キャビティ駒37のエジェクタピン収容穴との位置に熱膨張差に起因するずれを生じることがなく、エジェクタピンが成形品の取り出し時に円滑に作動する。
図7は、固定側キャビティ駒5の変形例を説明する図である。この図7に示す固定側キャビティ駒5は、金属接合技術を使用して略円柱形状に形成されており、複数の円板状の金属製プレート61〜68を積み重ねて一体化することにより、内部に第1固定側温度調節流路70が形成されている。この固定側キャビティ駒5は、中心軸CLに沿った一端側に固定側キャビティ形成部分16が形成され、中心軸CLに沿った他端側にフランジ部61aが形成されている。なお、この固定側キャビティ駒5は、8枚の円板状の金属製プレート61〜68からなっているが、これに限定されず、成形品の大きさ等に応じた最適の枚数の金属製プレートを重ねて形成される。
図12は、本発明の第2実施形態に係る射出成形金型1の断面図である。本実施形態に係る射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5の第1固定側温度調節流路76と可動側キャビティ駒37の第1可動側温度調整流路77が第1実施形態の第1固定側温度調節流路13と第1可動側温度調節流路44と異なる点を除き、他の構成が第1実施形態に係る射出成形金型1と同様である。したがって、本実施形態に係る射出成形金型1は、図1に示した第1実施形態に係る射出成形金型1と同一の構成部分に同一符号を付し、第1実施形態に係る射出成形金型1の説明と重複する説明を省略する。
図14は、本発明の第3実施形態に係る射出成形金型1の断面図である。本実施形態に係る射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5の第1固定側抵抗加熱ヒータ81と可動側キャビティ駒37の第1可動側抵抗加熱ヒータ82が第1実施形態の第1固定側抵抗加熱ヒータ15と第1可動側抵抗加熱ヒータ46と異なる点を除き、他の構成が第1実施形態に係る射出成形金型1と同様である。したがって、本実施形態に係る射出成形金型1は、図1に示した第1実施形態に係る射出成形金型1と同一の構成部分に同一符号を付し、第1実施形態に係る射出成形金型1の説明と重複する説明を省略する。
図15は、本発明の第4実施形態に係る射出成形金型1の断面図であり、第2実施形態の射出成形金型1の構成を一部変更した射出成形金型1の断面図である。本実施形態に係る射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5の第1固定側抵抗加熱ヒータ81と可動側キャビティ駒37の第1可動側抵抗加熱ヒータ82が第2実施形態の第1固定側抵抗加熱ヒータ15と第1可動側抵抗加熱ヒータ46と異なる点を除き、他の構成が第2実施形態に係る射出成形金型1と同様である。したがって、本実施形態に係る射出成形金型1は、図12に示した第2実施形態に係る射出成形金型1と同一の構成部分に同一符号を付し、第1及び第2実施形態に係る射出成形金型1の説明と重複する説明を省略する。
図16は、本発明の第5実施形態に係る射出成形金型1の断面図である。本実施形態に係る射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5の第1固定側抵抗加熱ヒータ83と可動側キャビティ駒37の第1可動側抵抗加熱ヒータ84が第1実施形態の第1固定側抵抗加熱ヒータ15と第1可動側抵抗加熱ヒータ46と異なる点を除き、他の構成が第1実施形態に係る射出成形金型1と同様である。したがって、本実施形態に係る射出成形金型1は、図1に示した第1実施形態に係る射出成形金型1と同一の構成部分に同一符号を付し、第1実施形態に係る射出成形金型1の説明と重複する説明を省略する。
図17は、本発明の第6実施形態に係る射出成形金型1の断面図であり、第2実施形態の射出成形金型1の構成を一部変更した射出成形金型1の断面図である。本実施形態に係る射出成形金型1は、固定側キャビティ駒5の第1固定側抵抗加熱ヒータ83と可動側キャビティ駒37の第1可動側抵抗加熱ヒータ84が第2実施形態の第1固定側抵抗加熱ヒータ15と第1可動側抵抗加熱ヒータ46と異なる点を除き、他の構成が第2実施形態に係る射出成形金型1と同様である。したがって、本実施形態に係る射出成形金型1は、図12に示した第2実施形態に係る射出成形金型1と同一の構成部分に同一符号を付し、第1及び第2実施形態に係る射出成形金型1の説明と重複する説明を省略する。
図18は、本発明の第7実施形態に係る射出成形金型1の断面図であり、第1実施形態の射出成形金型1の構成を一部変更した射出成形金型1の断面図である。本実施形態に係る射出成形金型1は、第2固定側金型本体11と第2可動側金型本体42が省略されている点を除き、他の構成が第1実施形態に係る射出成形金型1と同様である。したがって、本実施形態に係る射出成形金型1は、図1に示した第1実施形態に係る射出成形金型1と同一の構成部分に同一符号を付し、第1実施形態に係る射出成形金型1の説明と重複する説明を省略する。
図19は、本発明の第8実施形態に係る射出成形金型1を説明するための図である。なお、図19(a)は、キャビティ駒85の外観斜視図であり、内部の第1温度調節流路86及び第1抵抗加熱ヒータ87を透視できるように描いたキャビティ駒85の外観斜視図である。また、図19(b)は、キャビティ駒85を断熱材88を介して金型本体90に固定した状態を示す図であり、キャビティ駒85を正面側から見た図である。
図20は、本発明の第9実施形態に係る射出成形金型1を説明するための図であり、第8実施形態に係る射出成形金型1の変形例を示す図である。なお、図20(a)は、キャビティ駒85の外観斜視図であり、内部の第1温度調節流路86及び第1抵抗加熱ヒータ98を透視できるように描いたキャビティ駒85の外観斜視図である。また、図20(b)は、キャビティ駒85を断熱材88を介して金型本体90に固定した状態を示す図であり、キャビティ駒85を正面側から見た図である。
Claims (9)
- キャビティ内に溶融樹脂を射出する射出成形金型において、
キャビティ形成部分を有するキャビティ駒と、このキャビティ駒が取り付けられる金型本体とを有し、
前記キャビティ駒は、流体が流動する第1温度調節流路と、通電により発熱する第1抵抗加熱ヒータとが配置され、
前記金型本体は、流体が流動する第2温度調節流路と通電により発熱する第2抵抗加熱ヒータの少なくとも一つが配置され、前記第2温度調節流路を流動する流体と前記第2抵抗加熱ヒータの少なくとも一つによって成形品の取り出し温度に維持され、
前記キャビティ駒と前記金型本体との間には、断熱材が介装され、
前記第1温度調節流路と前記第1抵抗加熱ヒータ両方の少なくとも一部は、前記キャビティ形成部分の近傍に配置され、
前記第1温度調節流路は、第1の流体と第2の流体が交互に流動させられ、
前記第1の流体は、前記キャビティ駒を成形品の取り出し温度以上の温度まで加熱する高温水又は蒸気であり、
前記第2の流体は、前記キャビティ駒を成形品の取り出し温度まで冷却する低温水である、
ことを特徴とする射出成形金型。 - 前記キャビティ駒は、略円柱形状であり、中心軸に沿った方向の一端側に前記キャビティ形成部分が形成され、
前記第1温度調節流路は、前記キャビティ駒の内部に一筆書き状に連続するように形成された二条の螺旋状流路を有し、前記二条の螺旋状流路の一端が流体導入路に接続され、前記二条の螺旋状流路の他端が流体排出路に接続された、
ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型。 - 前記キャビティ駒は、略円柱形状であり、中心軸に沿った方向の一端側に前記キャビティ形成部分が形成され、
前記第1温度調節流路は、前記キャビティ駒の内部に形成され、略C形状の円弧状流路が前記中心軸に沿って間隔を開けて複数(1〜n)形成され、前記円弧状流路を前記中心軸の他端側から一端側へ向けて順次第1乃至第n円弧状流路とすると、前記第1円弧状流路の一端が流体導入路と流体排出路のいずれか一方に接続され、前記第1円弧状流路の他端が第2円弧状流路の他端に第1接続路を介して接続され、前記第n円弧状流路の一端が第(n−1)円弧状流路の一端と第(n−1)接続路を介して接続され、前記第n円弧状流路の他端が前記流体導入路と前記流体排出路のいずれか他方に接続され、前記第2円弧状流路の一端から前記第(n−1)円弧状流路の他端までが第2乃至第(n−2)接続路のうちの一つで一筆書き状に連続するように接続された、
ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型。 - 前記キャビティ駒は、略円柱形状であり、中心軸に沿った方向の一端側に前記キャビティ形成部分が形成され、
前記第1温度調節流路は、前記キャビティ駒の内部に形成され、前記キャビティ形成部分の近傍に位置する流体溜まりと、前記流体溜まりに流体を案内する流体導入路と、前記流体溜まりから流体を排出する流体排出路と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形金型。 - 前記第1抵抗加熱ヒータは、フレキシブルヒータであって、前記キャビティ駒の外周面に螺旋状に形成されたヒータ収容溝内に収容され、
前記フレキシブルヒータの外周側に円筒状の遮熱体が嵌合された、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の射出成形金型。 - 前記第1抵抗加熱ヒータは、コイルヒータであって、前記キャビティ駒の外周面に嵌合され、
前記コイルヒータの外周側に円筒状の遮熱体が嵌合された、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の射出成形金型。 - 前記第1抵抗加熱ヒータは、棒状ヒータであって、前記キャビティ駒の内部で且つ前記中心軸に沿う位置に配置され、
前記キャビティ駒の外周側に円筒状の遮熱体が嵌合された、
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の射出成形金型。 - キャビティ内に溶融樹脂を射出する射出成形金型の制御方法において、
前記射出成形金型は、キャビティ形成部分を有するキャビティ駒と、このキャビティ駒が取り付けられる金型本体とを有し、
前記キャビティ駒は、流体が流動する第1温度調節流路と、通電により発熱する第1抵抗加熱ヒータとが配置され、
前記金型本体は、流体が流動する第2温度調節流路と通電により発熱する第2抵抗加熱ヒータの少なくとも一つが配置され、前記第2温度調節流路を流動する流体と前記第2抵抗加熱ヒータの少なくとも一つによって成形品の取り出し温度に維持され、
前記キャビティ駒と前記金型本体との間には、断熱材が介装され、
前記第1温度調節流路と前記第1抵抗加熱ヒータ両方の少なくとも一部は、前記キャビティ形成部分の近傍に配置され、
前記第1温度調節流路は、第1の流体と第2の流体が交互に流動させられ、
前記第1の流体は、前記キャビティ駒を成形品の取り出し温度以上の温度まで加熱する高温水又は蒸気であり、前記第1の抵抗加熱ヒータが通電されると同時に前記第1温度調節流路を流動させられ、前記キャビティ形成部分の近傍の温度が成形品の取り出し温度以上の第1の設定温度に到達すると前記第1温度調節流路から排出され、
前記第1の抵抗加熱ヒータは、前記キャビティ形成部分の近傍の温度が前記第1の設定温度以上の温度で且つ前記溶融樹脂の射出成形に適した温度である第2の設定温度に到達すると通電が遮断され、
前記第2の流体は、前記キャビティ駒を成形品の取り出し温度まで冷却する低温水であり、前記第1の抵抗加熱ヒータへの通電が遮断された後に前記第1温度調節流路を流動させられ、前記キャビティ形成部分の近傍の温度が前記成形品の取り出し温度まで低下すると前記第1温度調節流路から排出される、
ことを特徴とする射出成形金型の制御方法。 - 前記第1温度調節流路は、前記第1の抵抗加熱ヒータへの通電が遮断された後、前記第2の流体が流動させられる前に、圧縮空気が注入される、
ことを特徴とする請求項8に記載の射出成形金型の制御方法。
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