JP6743831B2 - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
従来、インクジェットヘッドに備えられた複数のノズルからインクの液滴を射出して記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置が知られている。
また、1つのインクジェットヘッドで複数色のインクを印刷可能なインクジェットヘッドが知られている(例えば、特許文献1)。これにより、インクジェット記録装置に必要となるインクジェットヘッドの数を減らすことができるため、実装する際の手間を低減させるとともに、インクジェット記録装置の小型化が可能となる。
特開2012−061719号公報
ところで、インク室内のインク温度にムラがあるとインクの粘度ムラが発生し、印字ムラを生じるという問題がある。さらに、特許文献1のような複数色のインクを射出できるインクジェットヘッドでは、色単位でインク温度に差異があると、色間で印字ムラ(色ムラ)が発生するという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、複数色のインクを射出可能なインクジェットヘッドにおいて、インク室内のインク温度を均一化しやすいインクジェットヘッド及び当該インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置を提供することである。
上記課題の解決のために、請求項1に記載の発明は、インクジェットヘッドであって、
インクを射出する複数のノズルと、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、前記複数の圧力室の内部に圧力変化を生じさせることにより、前記ノズルからインクを射出させる圧力発生手段と、を有するヘッドチップと、
前記複数の圧力室に供給するインクを貯留するインク室と、を備え、
前記インク室は、分離部材によって、複数の部屋に分離されており、
前記分離部材の少なくとも一部が、金属又はセラミックによって形成されており、
前記インク室の前記複数の部屋の各々に、インクを供給する複数のインク導入部を備え、
前記複数のインク導入部のうち一のインク導入部は、対応する部屋のノズル配列方向の一端部に設けられ、当該一のインク導入部が設けられた部屋の隣の部屋に設けられた他の一のインク導入部は、前記隣の部屋のノズル配列方向の他端部に設けられており、
前記インク室の前記複数の部屋の各々からインクを排出する複数のインク排出部を備え、
前記インク室内に、ヘッドチップ側の第1領域とヘッドチップ側と反対側の第2領域とに前記インク室内を仕切るように配設された、当該インク室内の異物を除去するためのフィルターを備え、
前記複数のインク排出部のうち、前記インク室の前記複数の部屋の各々に対応する一のインク排出部が、当該一のインク排出部が設けられた前記インク室の部屋に設けられた前記インク導入部と、ノズル配列方向の他端部に設けられており、
当該一のインク排出部は、前記第1領域に連通し前記第1領域のインクを排出可能なインク排出路を有することを特徴とする。
上記課題の解決のために、請求項2に記載の発明は、インクジェットヘッドであって、
インクを射出する複数のノズルと、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、前記複数の圧力室の内部に圧力変化を生じさせることにより、前記ノズルからインクを射出させる圧力発生手段と、を有するヘッドチップと、
前記複数の圧力室に供給するインクを貯留するインク室と、を備え、
前記インク室は、分離部材によって、複数の部屋に分離されており、
前記分離部材の少なくとも一部が、金属又はセラミックによって形成されており、
前記ヘッドチップは、前記インク室から当該ヘッドチップ内の各々の圧力室にインクを供給するための複数のインク供給孔が設けられたインク供給孔形成面を有し、
前記分離部材は、前記インク室を分離する分離壁と、前記インク供給孔形成面に接合し当該分離壁を保持する分離壁保持部とを有する構成であり、
前記分離壁保持部は、前記分離壁と接合する面が、前記インク供給孔形成面と接合する面よりも面積が大きいことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記ヘッドチップは、前記インク室から当該ヘッドチップ内の各々の圧力室にインクを供給するための複数のインク供給孔が設けられたインク供給孔形成面を有し、
前記分離部材は、前記インク室を分離する分離壁と、前記インク供給孔形成面に接合し当該分離壁を保持する分離壁保持部とを有する構成であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項2又は3に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記分離壁保持部が、金属又はセラミックによって形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インク室内のインクを加熱可能なインクの加熱機構を備えることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インクの加熱機構は、前記インク室の前記複数の部屋のインクを個別に加熱可能であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項2、4〜6のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インク室の前記複数の部屋の各々に、インクを供給する複数のインク導入部を備え、
前記複数のインク導入部のうち一のインク導入部は、対応する部屋のノズル配列方向の一端部に設けられ、当該一のインク導入部が設けられた部屋の隣の部屋に設けられた他の一のインク導入部は、前記隣の部屋のノズル配列方向の他端部に設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インク室の前記複数の部屋の各々からインクを排出する複数のインク排出部を備えることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インク室内に、ヘッドチップ側の第1領域とヘッドチップ側と反対側の第2領域とに前記インク室内を仕切るように配設された、当該インク室内の異物を除去するためのフィルターを備え、
前記複数のインク排出部のうち、前記インク室の前記複数の部屋の各々に対応する一のインク排出部が、当該一のインク排出部が設けられた前記インク室の部屋に設けられた前記インク導入部と、ノズル配列方向の他端部に設けられており、
当該一のインク排出部は、前記第1領域に連通し前記第1領域のインクを排出可能なインク排出路を有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記分離壁保持部は、前記分離壁と接合する面が、前記インク供給孔形成面と接合する面よりも面積が大きいことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項2又は10に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記分離壁保持部は、前記インク供給孔形成面と接合する面から、前記分離壁と接合する面へ、階段状に広がるように形成されていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項2又は3に記載のインクジェットヘッドにおいて、
前記インク供給孔形成面において、前記インク供給孔の列間隔がそれぞれ等間隔となるように配列されていることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、
請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドと、
前記インク室にインクの供給及び排出を行うメンテナンス手段と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明によれば、複数色のインクを射出可能なインクジェットヘッドにおいて、インク室内のインク温度を均一化しやすい。
インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図 インクジェットヘッドの上方からの斜視図 インクジェットヘッドの下方からの斜視図 図2AのIII-IIIの断面の要部を示す断面図 図2AのIV-IVの断面の要部を示す断面図 インク室内のインクの流れを示す模式図 図3の断面における斜視図 図6の要部の拡大図 ヘッドチップ上に配置された保持部の分解斜視図 貫通電極を備えるインク射出部の断面図 貫通電極を備えないインク射出部の断面図 ヘッドチップの構成を説明する模式図 ノズル基板の底面図 ノズル形成エリアの位置関係を示すインクジェットヘッドの断面図 インクジェット記録装置の機能的構成を概略的に示すブロック図
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。但し、発明の範囲は図示例に限定されない。また、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
なお、以下の説明では、ラインヘッドを用いた記録媒体の搬送のみで描画を行う1パス描画方式での実施形態を例にして説明するが、適宜の描画方式に適用可能であり、例えば、スキャン方式やドラム方式を用いた描画方式を採用しても良い。
[インクジェット記録装置の概略]
インクジェット記録装置100は、プラテン101、搬送ローラー102、ラインヘッド103,104等を備える(図1)。
プラテン101は、上面に記録媒体Kを支持しており、搬送ローラー102が駆動されると、記録媒体Kを搬送方向(X方向)に搬送する。
ラインヘッド103,104は、記録媒体Kの搬送方向の上流側から下流側にかけて、搬送方向に直交する幅方向に並列して設けられている。そして、ラインヘッド103,104の内部には、インクジェットヘッド1が少なくとも一つ設けられており、例えば、シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),黒(K)のインクを記録媒体Kに向けて射出する。
また、ラインヘッド103,104には、2色のインクを射出することができるインクジェットヘッド1が備えられている。そして、例えば、ラインヘッド103には、シアン(C)及びマゼンタ(M)のインクを射出できるインクジェットヘッド1が少なくとも1つ設けられており、ラインヘッド104には、イエロー(Y)及び黒(K)のインクを射出できるインクジェットヘッド1が少なくとも1つ設けられている。
[インクジェットヘッド]
インクジェットヘッド1の構成について説明する。
なお、以下の説明において、複数のノズル11が設けられた平面をX−Y平面とし、当該平面に沿う方向であって、互いに直交する方向をそれぞれX方向、Y方向とする。また、X−Y平面に直交する方向をZ方向とする。また、X方向の矢印の先端側をX方向の下流側、当該先端側とは逆方向側をX方向の上流側とする。
インクジェットヘッド1は、ヘッドチップ2、インク室3、フィルターF、接続部材4、ヒーター80a,80b、及び保持部90等を備える(図2A、図2B及び図3等参照)。
ヘッドチップ2は、Z方向に複数の基板が積層されて構成されており、最下層の基板には、インクを射出する多数のノズル11が高密度に設けられている(図12参照)。また、ヘッドチップ2の内部には、各ノズル11に対応してインクが充填される圧力室311及び圧力発生手段としての圧電素子42が設けられている。また、これらの圧力室311に対応して、ヘッドチップ2の最上面には、多数のインク供給孔601が高密度に設けられており(図8参照)、インク室3からインク供給孔601を通して圧力室311にインクが供給される。そして、圧電素子42の変位によって、圧力室311に充填されたインクが加圧され、ノズル11からインクの液滴が射出される。また、以下の説明では、ヘッドチップ2のインク供給孔601が形成された面をインク供給孔形成面600という。
インク室3は、分離部材6によって、複数の部屋に分離されている。インク室3は、例えば、分離部材6によって2つに分離されており、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及び黒(K)のうち2色が、分離されたインク室3内に、それぞれ1色ずつ充填されている。そして、2つに分離されたインク室3から、ヘッドチップ2の最上面に設けられたインク供給孔601を通って、ヘッドチップ2内部のインク射出部7,8に設けられた圧力室311にインクが供給される。
分離部材6は、インク室3を分離できる部材であれば、一つの部材によって構成されていてもよいし、複数の部材によって構成されていてもよい。以下の説明では、分離部材6が複数の部材によって構成されている例として、インク室3を分離する分離壁3bと、インク供給孔形成面600に接合し当該分離壁3bを保持する分離壁保持部90bとを有する構成を例に挙げて説明する。
また、分離部材6の少なくとも一部は、金属又はセラミックによって形成されており、高伝熱性となっている。そのため、インク室3の複数に分離された部屋間でインク温度が異なる場合には、当該部屋間で分離部材6を介して熱が移動し、当該部屋間の温度が均一になりやすい。
金属としては、一般に高熱伝導率であるので種類は特に問わないが、例えば、42アロイ、ニッケル、コバール、インバー、ステンレス、銅、アルミダイカスト、アルミニウム等を用いることができる。また、これらの中でも、低線膨張であるという観点から、42アロイ、ニッケル、コバール、インバーであることが好ましく、42アロイであることが特に好ましい。
セラミックとしては、高熱伝導率であれば特に限られないが、低線膨張であり、耐インク性にも優れるという観点から、例えば、窒化アルミ、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素等を用いることが好ましい。
また、インク室3の内部には、フィルターFが設けられている。フィルターFは、インクの射出方向(Z方向)において、ヘッドチップ2側の第1領域Aと、ヘッドチップ2側と反対側の第2領域Bとをインク室3内で仕切るように配設されている。そして、インクが第2領域Bから第1領域Aに通過する際に、異物や気泡を除去することができるようになっている。また、気泡をより効果的に除去する観点から、インク導入部301a(301b)が設けられた側よりも、第1インク排出部302a(302b)及び第2インク排出部303a(303b)が設けられた側の方がZ方向の高さが高くなるように、フィルターFが傾斜して配置されていることが好ましい。これによって、インクの流れに沿って、気泡がフィルターFの排出部側に流れていきやすくなる。
また、2つに分離されたインク室3それぞれに対して、インク室3にインクを供給するインク導入部301a,301bと、インク室3のインクを排出する第1インク排出部302a,302b、及び第2インク排出部303a,303bが設けられている(図2A参照)。
インク導入部301aは、対応するインク室3の部屋のノズル配列方向(後述する第1方向D1)であるY方向の一端部に設けられ、インク室3の隣の部屋に設けられたインク導入部301bとは、ノズル配列方向(Y方向)の他端部に設けられている。
また、第1インク排出部302a(302b)及び第2インク排出部303a(303b)は、それらが設けられたインク室3の部屋に設けられたインク導入部301a(301b)と、ノズル配列方向(Y方向)の他端部に設けられている。
第1インク排出部302a,302bは、第2領域Bに連通しており、第2領域Bに存在するインクを気泡等とともに排出することができる。
第2インク排出部303a,303bは、第1領域Aに連通するインク排出路304a,304bを有しており、後述するメンテナンス機構によって、フィルターFの下に存在するインクを気泡等とともに排出することができる。
図5に、インク室3内のインクの流れる方向を模式的に表した図を示す。なお、図5では、インク導入部301a,301b、第1インク排出部302a,302b、及び第2インク排出部303a,303bのXY平面に対応する位置をそれぞれ破線で示し、インクの流れる方向を矢印で模式的に表している。
図5に示した通り、インク室3内では、インク導入部301a(301b)が設けられた一端部から、第1インク排出部302a(302b)設けられた他端部の方向に向かってインクが流れている。そして、インク導入部301aとインク導入部301bは、それぞれ他端側に設けられているため、隣接するインク室3の部屋のインクとは、逆方向にインクが流れるようになっている。
ここで、例えば、後述するメンテナンス等の際に、インク室3内に多量の冷たいインクが供給されると、インク導入部301a,301b付近のインク温度が低下し、部屋内で温度ムラが生じる。本実施形態のインク室3は、インク室3の部屋間の分離部材6の少なくとも一部が金属又はセラミックであり高伝熱性となっている。そのため、温度が均一になるように、インク室3の隣の部屋からも熱が伝わりやすい。例えば、インク導入部301a付近の温度が低く、当該インク導入部301a近くの分離部材6の部分が金属又はセラミックで形成されている場合には、隣の部屋の第1インク排出部302b及び第2インク排出部303b付近からも熱が伝わりやすい。また、例えば、インク導入部301b付近の温度が低く、当該インク導入部301b近くの分離部材6の部分が金属又はセラミックで形成されている場合には、隣の部屋の第1インク排出部302a及び第2インク排出部303a付近からも熱が伝わりやすい。また、上記のように、インク導入部301aと、インク導入部301bは他端部に構成されているため、インク室3内の各部屋に冷たいインクが多量に供給されても、インク温度が低くなる箇所が一端に集中せず、隣の部屋からも熱が伝わるので、インク室3内のインク温度が均一になりやすくなっている。
また、インク室3内の第1領域A又は第2領域Bに気泡が存在したときには、第1インク排出部302a,302b及び第2インク排出部303a,303bの方向へのインクの流れに沿って気泡も流れるため、それぞれの排出部からインクとともに気泡が除去できる。
接続部材4は、例えばFPC等からなる駆動部5に接続する配線部材であり、ヘッドチップ2の配線基板50の上面の貫通電極55を介した第一配線57又は配線基板50の下面の第二配線58に接続している。そして、駆動部5から、接続部材4と、第一配線57又は第二配線58とを通じて、圧電素子42に電気が供給される。また、配線基板50の下面に接続された接続部材4は、配線基板50のX方向端部付近にあけられた保持部90の貫通孔から保持部90の上面に引き回されている。
ヒーター80a,80bは、インク室3内のインクを加熱可能なインクの加熱機構である。インクの加熱機構を有することで、インク室3内のインクの粘度を制御し、粘度の高いインクも使用することができる。
また、ヒーター80a,80bは、図2A等に示すように、インク室3の各部屋に1つずつ設けられている。また、ヒーター80aは、入力リード線82a及び出力リード線83aを有し、ヒーター80bは、入力リード線82b及び出力リード線83bを有しているため、ヒーターの駆動装置(図示省略)から、それぞれの部屋に個別に電気の供給が可能な構成となっている。このように、本実施形態のインクジェットヘッド1は、ヒーター80a,80bによって、インク室3の複数の部屋のインクを個別に加熱可能な構成とすることが好ましい。これにより、個々のインク室3のインク温度を別々に制御することができ、例えば、インク室3の片方の部屋に冷たいインクが流れてきた際に、その片方の部屋に対応するヒーター80a(80b)によって、その片方の部屋を個別に温度調整できる。
また、ヒーター80a,80bの外側には、それぞれ伝熱板81a,81bが設けられている。伝熱板81a,81bは、インク室3の外周に設けられたヒーター80a,80bを保護するとともに、伝熱板81a,81bが温まることによって、インク室3に熱を伝える役割も有している。また、インク室3の部屋単位で温度制御できるようにする観点から、伝熱板81a,81bは、ヒーター80a,80bに対応してインク室3の部屋の各々に設けられることが好ましい。
保持部90は、ヘッドチップ2の上側のインク供給孔601が形成されたインク供給孔形成面600に接合されており、インク室3の外周壁3a及び分離壁3bを保持している。
また、保持部90は、インク供給孔形成面600上に設けられたスペーサー部91と、当該スペーサー部91の上面に設けられた支持部92と、を有している(図8)。これにより、スペーサー部91をヘッドチップ2の上面に高精度に位置合わせして設けた後に、当該スペーサー部91の上面に支持部92を設け、当該支持部92を目印として、インク室3の外周壁3aと分離壁3bを設けることができる。このような構成とすることで、簡易な構成で高精度にインク室3を分離することができる。
支持部92は、インク室3の外周壁3aを支持する外周壁支持部92aと、インク室3の分離壁3bを支持する分離壁支持部92bを有している。
スペーサー部91は、分離壁支持部92bに接合する第1スペーサー部91bと、インク供給孔601とインク室3とを連通する連通孔602を有する第2スペーサー部91cと、外周壁支持部92aに接合する第3スペーサー部91aと、を有している。
ここで、外周壁支持部92aと第3スペーサー部91aを合わせて外周壁保持部90aともいい、分離壁支持部92bと第1スペーサー部91bを合わせて分離壁保持部90bともいう。
本実施形態の保持部90のうち、少なくとも分離壁保持部90bが、金属又はセラミックによって形成されていることが好ましい。また、保持部90全体が金属又はセラミックで形成されていることがより好ましい。また、一般にヘッドチップ2を構成する層は低線膨張の部材を用いるため、保持部90も低線膨張とすることで、ヘッドチップ2と保持部90を位置ずれし難い構成にすることができる。
分離壁保持部90bを金属又はセラミックによって形成し高熱伝導率であることとすれば、インク室3の部屋と部屋の間で熱が伝わり、インク室3内のインク温度を均一化しやすくできる。また、分離壁保持部90bはインク供給孔601に近い位置に設けられているため、ヘッドチップ2に流れる直前のインクの温度を均一化しやすい。
また、保持部90全体を金属又はセラミックとすることで、インク供給孔601付近の温度をより均一化しやすくできる。さらには、フィルターFや、ヘッドチップ2も熱伝導性の高い材料で作製することが、インク室3の部屋と部屋の間のインク温度、特にインク供給孔601付近のインク温度をより均一化する観点から、好ましい。
分離壁保持部90bは、分離壁3bに接合する面が、インク供給孔形成面600に接合する面よりも面積が大きくなるように形成されている。これにより、インク供給孔形成面600との接合面を小さくしつつ、分離壁3bとの接合面をより広くとることができるため、分離壁3bの位置合わせをより正確に行うことができ、インク室3をより高精度に分離できる。さらに、分離壁保持部90bと分離壁3bの接着強度を向上させることができる。
また、分離壁保持部90bの形状としては、製造効率の観点から、インク供給孔形成面600と接合する面から、分離壁3bに接合する面に向かうにつれ、階段状に広がるように形成されていることが好ましい。
また、分離壁保持部90bの形状としては、インク供給孔形成面600と接合する面から、分離壁3bと接合する面に向かうにつれ、分離壁保持部90bのXY平面の断面積が徐々に大きくなる形態としても良い。
また、分離壁保持部90bの下側である第1スペーサー部91bと、分離壁保持部90bの上側である分離壁支持部92bとが、それぞれ独立して、分離壁3b側の面の方が、インク供給孔形成面600側の面よりも面積が大きくなるように形成されていてもよい。
また、第1スペーサー部91b及び分離壁支持部92bの形状としては、製造効率の観点から、インク供給孔形成面600側の面から、分離壁3b側の面に向かうにつれ、階段状に広がるように形成されていることが好ましく、XY平面の断面積が徐々に大きくなる形態としても良い。
第2スペーサー部91cは、インク供給孔形成面600上に接合され、インク供給孔601とインク室3とを連通する連通孔602を有し、第1スペーサー部91bと第3スペーサー部91aに囲まれた位置に配置されている。第2スペーサー部91cは、第1スペーサー部91bよりもインクの射出方向(Z方向)の厚さが薄く、かつ第1スペーサー部91bの隣の連通孔602が、少なくとも二つのインク供給孔601,601と連通している。このような第2スペーサー部91cを設けた構成とすることで、スペーサー部91の強度を向上させ、反りを防止することができる。また、第1スペーサー部91bの隣の連通孔602を、少なくとも二つのインク供給孔601,601と連通させることで、第1スペーサー部91bの隣のインク供給孔601付近により広いスペースを確保できるため、第1スペーサー部91bや分離壁支持部92b付近の流路抵抗の上昇を抑え、インク供給孔601にかかる圧力をより均等に分散することができる。
また、第2スペーサー部91cは、分離壁保持部90bと同様に、金属又はセラミックによって形成することが好ましい。第2スペーサー部91cは、インク供給孔601の近くに部材を有しているので、インク供給孔601付近の温度をより均一化しやすくできる。
第3スペーサー部91aは、インク供給孔形成面600上に接合され、上側が外周壁支持部92aに接合している。
また、スペーサー部91は、少なくとも第1スペーサー部91b及び第3スペーサー部91aが一体成形されていることが好ましく、第1スペーサー部91b、第2スペーサー部91c及び第3スペーサー部91aが一体成形されていることがより好ましい。また、第1スペーサー部91b及び第3スペーサー部91aのZ方向の高さが同一であることが好ましい。このような構成とすることで、インク供給孔形成面600上に高精度に接合することができ、さらには、スペーサー部91上に支持部92をより高精度に接合することができる。
外周壁支持部92aは、第3スペーサー部91a上に接合され、インク室3の外周壁3aを支持している。
分離壁支持部92bは、第1スペーサー部91b上に接合され、インク室3の分離壁3bを支持している。
また、スペーサー部91は、位置合わせを高精度に行う観点から、支持部92よりもZ方向の厚さが薄いことが好ましく、具体的には、第1スペーサー部91b及び第3スペーサー部91aのZ方向の厚さが0.05〜0.5mmであることが好ましく、0.1〜0.3mmであることがさらに好ましい。0.5mm以下とすることによって、加工精度の高いスペーサー部91とすることが可能であり、位置調整も高精度に行うことができる。また、0.05mm以上とすることによって、スペーサーとして十分な強度を得ることができる。
また、スペーサー部91のヘッドチップ2への接合は、高精度に位置合わせを行う観点から、スペーサー部91とヘッドチップ2のそれぞれにアライメントマークを設けて、それぞれを位置決めして接合することが望ましい。
本発明のスペーサー部91を有した位置合わせの方法を用いれば、±5μm程度の誤差レベルでの位置合わせが可能であり、10μm程度の狭ピッチのインク供給孔601を有するインク供給孔形成面600に対しても、高精度に位置合わせ可能である。
また、図8に示すように、インク供給孔形成面600には、後述するノズル配置(図12参照)に対応して、X方向に対して均等な列間隔でインク供給孔601が形成されている。そして、第1スペーサー部91bの下面は、均等な列間隔のインク供給孔の列間をY方向に通過するように形成されている。このような構成とすることにより、1色用のヘッドチップ2に分離壁保持部90b及び分離壁3bを設けることによって、インク室3を分離することができる。
また、保持部90は、XY平面上において、ヘッドチップ2よりも大きな面積を有しており、ヘッドチップ2周辺の熱を好適に放熱できるようになっている。
[インク射出部の構成]
インク射出部7,8は、図9及び図10に示す通り、2つの形態を有しており、インク射出部7は、配線基板50に貫通電極55を備え、インク射出部8は、配線基板50に貫通電極55を備えない形態である。
なお、以下の説明では、まずインク射出部7について詳細に説明し、インク射出部8については、インク射出部7との相違点のみを後述する。
また、インク射出部7のZ方向における位置関係を説明する都合上、図11には、後述の圧力室311やインレット512等を実線で示して説明する。
インク射出部7は、図9に示す通り、Z方向の下側から順にノズル基板10、接着用基板20、圧力室基板30、スペーサー基板40、配線基板50及び接着層60の6層構造で構成されている。
ノズル基板10は、インク射出部7の最下層に位置している。このノズル基板10には、複数のノズル11が形成され、ノズル基板10の下面が、ノズルが形成される面となっている。また、ノズル基板10は、金属、セラミック又はシリコンによって形成されていることが好ましい。ノズル11が形成された基板を高熱伝導性とすることで、射出直前のインク温度を均一化しやすくし、色間の色ムラや、同色間の印字ムラを低減できる。
接着用基板20は、ガラス製の基板であり、ノズル基板10の上面に積層され、接合されている。接着用基板20には、ノズル基板10のノズル11と連通して積層方向であるZ方向に貫通する貫通孔201が形成されている。
圧力室基板30は、圧力室層31と振動板32とから構成されている。
圧力室層31は、シリコン製の基板であり、接着用基板20の上面に積層され、接合されている。圧力室層31には、ノズル11から射出されるインクに射出圧力を付与する圧力室311が、当該圧力室層31をZ方向に貫通するように形成されている。圧力室311は、貫通孔201及びノズル11の上方に設けられ、これら貫通孔201及びノズル11と連通している。また、圧力室層31には、圧力室311と連通する連通部312が、当該圧力室層31をZ方向に貫通しつつ水平方向に延在するように形成されている(図11参照)。
振動板32は、圧力室311の開口を覆うように圧力室層31の上面に積層され、接合されている。すなわち、振動板32は、圧力室311の上壁部を構成している。振動板32の表面には、酸化膜が形成されている。また、振動板32には、連通部312と連通してZ方向に貫通する貫通孔321が形成されている。
スペーサー基板40は、42アロイにより構成された基板であり、振動板32の上面に積層され、振動板32と配線基板50との間に空間41を形成する隔壁層となっている。空間41は、スペーサー基板40をZ方向に貫通するように圧力室311の上方に形成され、内部に圧電素子42を収容している。
圧電素子42は、圧力室311と略同一の平面視形状に形成され、振動板32を挟んで圧力室311と対向する位置に設けられている(図11参照)。圧電素子42は、振動板32を変形させるためのPZT(lead zirconium titanate)からなるアクチュエーターで
ある。また、圧電素子42には、上面及び下面に2つの電極421,422が設けられており、このうち下面側の電極422が振動板32に接続されている。
また、スペーサー基板40には、振動板32の貫通孔321と連通してZ方向に貫通する貫通孔401が、空間41とは独立して形成されている。
配線基板50は、シリコン製の基板であるインターポーザ51を備えている。インターポーザ51の下面には、2層の酸化ケイ素の絶縁層52,53が被覆され、上面には、同じく酸化ケイ素の絶縁層54が被覆されている。そして、絶縁層52,53のうち下方に位置する絶縁層53が、スペーサー基板40の上面に積層され、接合されている。
インターポーザ51には、Z方向に貫通するスルーホール511が形成されており、このスルーホール511には、貫通電極55が挿通されている。貫通電極55の下端には、水平方向に延在する銅製の第三配線56の一端が接続されており、この第三配線56の他端には、圧電素子42上面の電極421に設けられたスタッドバンプ423が、空間41内に露出した半田561を介して接続されている。貫通電極55の上端には、第一配線57が接続されており、第一配線57は水平方向に延在し、接続部材4に接続されている(図3参照)。また、第三配線56は、インターポーザ51下面の2層の絶縁層52,53によって挟まれて保護されている。
なお、第三配線56は銅製であるとしたが、導体であれば素材は適宜変更可能であり、例えば、アルミニウムを使用することとしても良い。
また、インターポーザ51には、スペーサー基板40の貫通孔401と連通してZ方向に貫通するインレット512が形成されている。なお、絶縁層52〜54のうち、インレット512近傍を被覆する各部分は、インレット512よりも大きい開口径となるように形成されている。
接着層60は、配線基板50の上面に配設された第一配線57を覆いつつ、インターポーザ51の絶縁層54の上面に積層され、接合されている。この接着層60は、保持部90と接着する層で感光性樹脂層であるとともに、第一配線57を保護する保護層となっている。
また、接着層60には、インレット512と連通してZ方向に貫通するインク供給孔601が形成されている。
ここで、連通部312、貫通孔321,401、インク供給孔601及びインレット512は、インク室3と圧力室311とを連通する個別流路70を構成している。
次に、インク射出部8の構成について、図10を用いて説明する。なお、インク射出部7とは構成の異なる配線基板50についてのみ説明することとし、他の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
配線基板50は、シリコン製の基板であるインターポーザ51を備えている。インターポーザ51の下面には、2層の酸化ケイ素の絶縁層52,53が被覆され、上面には、同じく酸化ケイ素の絶縁層54が被覆されている。そして、絶縁層52,53のうち下方に位置する絶縁層53が、スペーサー基板40の上面に積層され、接合されている。
インターポーザ51の下面には、第三配線56が水平方向に延在しており、インターポーザ51下面の2層の絶縁層52,53によって挟まれて保護されている。第三配線56の一端には、圧電素子42上面の電極421に設けられたスタッドバンプ423が、空間41内に露出した半田561を介して接続されている。また、第三配線56の他端には、第二配線58が接続されており、第二配線58は水平方向に延在し、接続部材4に接続されている(図3参照)。
以上の構成を具備するインク射出部7,8は、インク室3内のインクが個別流路70を通じて圧力室311に供給される。そして、駆動部5からの駆動信号に応じて、接続部材4に接続された第一配線57又は第二配線58によって、第三配線56を通じて電極421,422間に電圧が印加され、電極421,422に挟まれた圧電素子42が振動板32とともに変形し、圧力室311内のインクが押し出されてノズル11から射出される。
[ノズルの配置]
ノズル11は、図12に示すように、ノズル基板10上に平行四辺形状の4つのノズル形成エリアN1〜N4を形成し、各ノズル形成エリア内に平行四辺形の各辺の方向に沿ってマトリクス状に並んで配置されている。なお、以下の説明では、平行四辺形のうちY方向に平行な方向を第1方向D1とし、X方向からY方向に対して幾分傾斜した方向を第2方向D2として説明する。
ノズル形成エリアN1〜N4は、第1方向D1と第2方向D2の向きが同じで、同一面積の領域がX方向に4つ並んだものであり、それぞれのエリア内には、同数のノズル11が設けられている。また、ノズル形成エリアN1〜N4は、ノズル基板10上において、X方向の下流側から順にN1,N3,N2,N4の順番で並んでおり、ノズルのX方向への列間隔が均等になっている。また、ノズル形成エリアN1〜N4は、Y方向の下流側に向かってN1,N2,N3,N4の順に等間隔でわずかずつずれて配置されている。そして、ノズル基板10上に設けられた全てのノズル11が第1方向D1(Y方向)に対して、等間隔でわずかずつずれるように配置されている。
ノズル11の数は、第1方向D1にn個(例えば、n=64)、第2方向D2にm個(例えば、m=16)設けられており、ノズル形成エリアN1〜N4内において、第1方向D1と第2方向D2に沿って所定の順番で配列されている。
[ノズル形成エリアの配線]
インクジェットヘッド1におけるノズル形成エリアN1〜N4の配置は、図13に示す通り、X方向の下流側からN1、N3、N2、N4となるように配置されている。
また、各ノズル形成エリアN1〜N4は、それぞれのノズル形成エリアから近い方の配線基板50の端部に配線されており、具体的には、N1とN3はX方向の下流側、N2とN4はX方向の上流側に配線されて接続部材4に接続され、最終的に駆動部5に接続される。
更に詳しく説明すると、ノズル形成エリアN1,N4は、ノズル基板10の端部側に設けられたノズル形成エリアであり、配線基板50の下面の第二配線58から配線され、図13において、N1はX方向の下流側、N4はX方向の上流側に配線されて接続される。また、ノズル形成エリアN2,N3は、ノズル基板10の中央部側に設けられたノズル形成エリアであり、貫通電極55を介して配線基板50の上面の第一配線57から配線され、図13において、N3はX方向の下流側、N2はX方向の上流側に配線されて接続される。
なお、説明の都合上、図13では、ノズル形成エリアN2、N3において、上部の一箇所のみ貫通している図を示しているが、実際には、各ノズル11に対応して、それぞれ一つずつ貫通電極55を備え、各ノズル11に対応して一つずつ配線基板50を貫通して配線されている。
[インクジェット記録装置の機能的構成]
インクジェット記録装置100の機能的構成について、図14を用いて説明する。
図14に示すように、インクジェット記録装置100は、当該装置を構成する各部を制御する制御部200を備えている。
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)200a、RAM(Random Access Memory)200b、ROM(Read Only Memory)200c等を備えて構成される。
ROM200cには、各種処理プログラムが記憶されており、CPU200aは、ROM200cに記憶されている各種プログラムを読み出してRAM200bに展開し、展開したプログラムに従ってインクジェット記録装置100の各部の動作を制御する。
例えば、制御部200によって、駆動モーター(図示略)が駆動されると、搬送ローラーが回転し、記録媒体Kがプラテン101に支持された状態で後方から前方に搬送される(図1)。
また、制御部200によって、駆動部5が駆動されると、接続部材4を介して、ヘッドチップ2の圧電素子42に電気が供給され、圧電素子42が変位して圧力室311を加圧することによって、ノズル11からインクの射出が行われる。
また、制御部200によって、ヒーターの駆動装置(図示略)が駆動されると、ヒーター80a,80bに電気が供給され、インク室3の温度の制御が行われる。
以下、制御部200によるインクの供給及び排出機構について、詳細に説明する。
[制御部によるインクの供給及び排出機構の制御]
制御部200は、例えば、メンテナンス手段としての供給用ポンプ211、排出用ポンプ212、第1〜第3連通弁221〜223等の駆動を制御して、インクジェットヘッド1のメンテナンス、インク室3へのインクの供給、インク室3からのインクの排出等を制御する。
なお、インク室3内の部屋の各々に対して、供給用ポンプ211、排出用ポンプ212、第1〜第3連通弁221〜223が別々に設けられているが、以下の説明では、インク導入部301a、第1インク排出部302a、及び第2インク排出部303aが設けられているインク室3の部屋に対するインクの供給及び排出について、代表例に挙げて説明する。
供給用ポンプ211及び第1連通弁221は、一端がインクタンク(図示略)と連通されるとともに他端がインクジェットヘッド1のインク導入部301aと連通された供給用インク流路(図示略)に設けられている。
供給用ポンプ211は、例えば、一回転あたりの送液量が一定量の定量ポンプである。また、供給用ポンプ211は、制御部200からの制御信号に応じて所定方向の回転数を変化させて、供給用インク流路を介したインク室3への送液量を変更する。
第1連通弁221は、例えば、供給用インク流路の供給用ポンプ211とインク導入部301aとの間に設けられている。また、第1連通弁221は、制御部200からの制御信号に応じてバルブを変位させて供給用インク流路を遮断する状態と連通する状態とに切り換える。
なお、第1連通弁221は、例えば、空気の圧力を調整してバルブを変位させるエアオペレートバルブ、電磁的にバルブを変位させる電磁弁等が適用可能であるが、これらに限定されるものではない。
そして、第1連通弁221により供給用インク流路を連通させた状態で、供給用ポンプ211が駆動することで、インクタンク内のインクが供給用インク流路を通りインク導入部301aを介してインク室3内に供給される。
なお、インク室3への送液量の調整は、供給用ポンプ211の回転数の制御に代えて、例えば、第1連通弁221のバルブを開放状態と閉止状態とする時間の比率(デューティー)を変更することにより行っても良いし、これらの制御を組み合わせて行っても良い。
第2連通弁222は、第1インク排出部302aと連通された第1排出用インク流路(図示略)に設けられている。
第2連通弁222は、制御部200からの制御信号に応じてバルブを変位させて第1排出用インク流路を遮断する状態と連通する状態とに切り換える。そして、第2連通弁222により第1排出用インク流路を連通させた状態で、インク室3のインクの導入側の第2領域B内のインクが異物や気泡等とともに第1インク排出部302aを介して第1排出用インク流路を通って排出される。
なお、第2連通弁222の構成は、上記した以外の点で第1連通弁221と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
排出用ポンプ212及び第3連通弁223は、第2インク排出部303aと連通された第2排出用インク流路(図示略)に設けられている。
排出用ポンプ212は、制御部200からの制御信号に応じて所定方向の回転数を変化させて、インク室3からの第2排出用インク流路を介した排液量を変更する。
なお、排出用ポンプ212の構成は、上記した以外の点で供給用ポンプ211と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
第3連通弁223は、例えば、第2排出用インク流路の第2インク排出部303aと排出用ポンプ212との間に設けられている。また、第3連通弁223は、制御部200からの制御信号に応じてバルブを変位させて第2排出用インク流路を遮断する状態と連通する状態とに切り換える。
なお、第3連通弁223の構成は、上記した以外の点で第1連通弁221及び第2連通弁222と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
そして、第3連通弁223により第2排出用インク流路を連通させた状態で、排出用ポンプ212が駆動することで、インク室3のノズル11側の領域A2内のインクが異物や気泡等とともに第2インク排出部303aを介して第2排出用インク流路を通って排出される。
なお、第1排出用インク流路や第2排出用インク流路のインクジェットヘッド1と反対側の端部は、例えば、図示は省略するが、廃液タンクに接続されていても良いし、インクタンク側にインクを循環させる機構に接続されていても良い。
また、上記したインク室3へインクを供給する機構や、インク室3からインクを排出する機構は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
[メンテナンス方法]
次に、インクジェット記録装置100のメンテナンス方法について、図4を参照して説明する。なお、メンテナンスは、インク室3内の部屋の各々に対して別々に行われるが、以下の説明では、インク導入部301a、第1インク排出部302a、及び第2インク排出部303aが設けられているインク室3の部屋に対するメンテナンス方法を代表例にして説明する。
以下に説明する加圧メンテナンスや減圧メンテナンスは、例えば、インクジェットヘッド1のメンテナンス時、インクジェット記録装置100の電源投入時、記録媒体Kへの画像の記録回数や所定時間毎等に定期的に行われる。
また、加圧メンテナンスや減圧メンテナンスは、第1連通弁221により供給用インク流路を連通させ、第2連通弁222により第1排出用インク流路を遮断し、第3連通弁223により第2排出用インク流路を連通させた状態で行われる。
先ず、加圧メンテナンスについて説明する。
制御部200によって、供給用ポンプ211が駆動することで、インクタンク内のインクが供給用インク流路を通り、インク導入部301aを介してインク室3内に供給される。インク室3内がインクの供給により加圧されることで、インク室3のノズル11側の第1領域Aでは、主として、ノズル11に対し相対的に開口面積の大きい第2インク排出部303aのインク排出路304aの開口へとインクの流れが生じる。これにより、インク室3のノズル11側の第1領域Aに存するインクは、第2インク排出部303aを介して第2排出用インク流路に排出される。
このとき、インク室3のノズル11側の第1領域Aに存する気泡は、その浮力によりフィルターFの下面側(ノズル11と反対側)に存する状態となっている。そして、インク室3内が加圧されることで生じるノズル11側の第1領域A内のインクの流れによって、気泡は第2インク排出部303a側が相対的に高くされているフィルターFの下面に沿うようにインク排出路304aに移動して、インクとともに第2インク排出部303aを介して第2排出用インク流路に排出される。
このように、供給用ポンプ211、第1〜第3連通弁221〜223は、インク導入部301aを介してインク室3にインクを流入させることで当該インク室3内を加圧して、第2インク排出部303aからインクを排出する加圧メンテナンス手段を構成している。
次に、減圧メンテナンスについて説明する。
制御部200によって、排出用ポンプ212が駆動することで、インク室3内のインクが第2インク排出部303aを介して第2排出用インク流路を通って排出される。インク室3内がインクの排出により減圧されることで、インク室3のノズル11側の第1領域Aでは、主として、ノズル11に対し相対的に開口面積の大きい第2インク排出部303a側へとインクの流れが生じる。
このとき、インク室3のノズル11側の第1領域Aに存する気泡は、その浮力によりフィルターFの下面側(ノズル11と反対側)に存する状態となっている。そして、インク室3内が減圧されることで生じるノズル11側の第1領域A内のインクの流れによって、気泡は第2インク排出部303a側が相対的に高くされているフィルターFの下面に沿うようにインク排出路304aに移動して、インクとともに第2インク排出部303aを介して第2排出用インク流路に排出される。
このように、排出用ポンプ212、第1〜第3連通弁221〜223は、インク室3のノズル11側の第1領域Aを、第2インク排出部303aを介して減圧して、第2インク排出部303aからインクを排出する減圧メンテナンス手段を構成している。
[本発明における技術的効果]
以上、説明した通り、本発明のインクジェットヘッド1は、インクを射出する複数のノズル11と、複数のノズル11にそれぞれ連通する複数の圧力室311と、複数の圧力室311の内部に圧力変化を生じさせることにより、ノズル11からインクを射出させる圧力発生手段としての圧電素子42と、を有するヘッドチップ2と、複数の圧力室311に供給するインクを貯留するインク室3と、を備える。また、インク室3は、分離部材6によって、複数の部屋に分離されており、分離部材6の少なくとも一部が、金属又はセラミックによって形成されている。これにより、分離部材6の少なくとも一部が高熱伝導率となるため、分離されたインク室3の部屋間で熱が伝わりやすくなり、インク室内のインク温度を均一化しやすくできる。
また、ヘッドチップ2は、インク室3から当該ヘッドチップ2内の各々の圧力室311にインクを供給するための複数のインク供給孔601が設けられたインク供給孔形成面600を有し、分離部材6は、インク室3を分離する分離壁3bと、インク供給孔形成面600に接合し分離壁3bを保持する分離壁保持部90bとを有する構成であることが好ましい。これにより、簡易な構成で高精度にインク室3を分離することができる。
また、分離壁保持部90bが、金属又はセラミックによって形成されていることが好ましい。これにより、熱伝導率の高い分離壁保持部90bがインク供給孔601に近い位置に設けられることとなるため、ヘッドチップ2内に流れる直前のインクの温度を均一化しやすくできる。
また、インクジェットヘッド1は、インク室3内のインクを加熱可能なインクの加熱機構であるヒーター80a,80bを備えることが好ましい。これにより、インク室3内のインクの粘度を制御し、粘度の高いインクも使用することができるようになる。また、インクの加熱機構を有するインクジェットヘッド1において、温度を均一化しやすいという本発明の効果をより有効に発現させることができる。
また、インクの加熱機構であるヒーター80a,80bは、インク室3の複数の部屋のインクを個別に加熱可能であることが好ましい。これにより、個々のインク室3のインク温度を別々に制御することができ、例えば、インク室3の片方の部屋に冷たいインクが流れてきた際に、その片方の部屋に対応するヒーター80a(80b)によって、その片方の部屋を個別に温度調整できる。
また、インク室3の複数の部屋の各々にインクを供給する複数のインク導入部301a,301bを備え、複数のインク導入部301a,301bのうち一のインク導入部301aは、対応するインク室3の部屋のノズル配列方向の一端部に設けられ、当該一のインク導入部301aが設けられたインク室3の部屋の隣の部屋に設けられた他の一のインク導入部301bは、隣の部屋のノズル配列方向の他端部に設けられている。上記の通り、本発明の分離壁保持部90bが金属又はセラミックであり高伝熱性となっているため、温度が均一になるように隣の部屋からも熱が伝わる。本発明のように、インク導入部301a,301bの位置が他端側である場合、仮に冷たいインクが供給されてもインク温度が冷たくなる箇所が一端に集中せず、隣の部屋からも熱が伝わるので、インク室3内のインク温度がより均一になりやすくなる。
また、インク室3には、インクを排出する第1インク排出部302a,302bを備えている。これにより、インク室3内のインクを気泡等とともに排出することができる
また、インク室3内に、ヘッドチップ2側の第1領域Aとヘッドチップ2側と反対側の第2領域Bとにインク室3内を仕切るように配設された、インク室3内の異物を除去するためのフィルターFを備え、インク室3の複数の部屋の各々に対応する一の第2インク排出部303a(303b)が、当該第2インク排出部303a(303b)が設けられたインク室3の部屋に設けられたインク導入部301a(301b)と、ノズル配列方向(D1方向)の他端部に設けられており、第2インク排出部303a(303a)は、第1領域Aに連通し第1領域Aのインクを排出可能なインク排出路304a(304b)を有している。これにより、フィルターFの下に存在するインクを気泡等とともに排出することができる。
また、分離壁保持部90bは、分離壁3bと接合する面が、インク供給孔形成面600と接合する面よりも面積が大きくなっている。これにより、インク供給孔形成面600との接合面を小さくしつつ、分離壁3bとの接合面をより広くとることができるため、分離壁3bの位置合わせをより正確に行うことができ、インク室3をより高精度に分離できる。さらに、分離壁保持部90bと分離壁3bの接着強度を向上させることができる。
また、分離壁保持部90bは、インク供給孔形成面600と接合する面から、分離壁3bと接合する面へ、階段状に広がるように形成されていることが好ましい。これにより、分離壁保持部90bの製造効率を向上させることができる。
また、インク供給孔形成面600において、インク供給孔601の列間隔がそれぞれ等間隔となるように配列されている。これにより、1色用のヘッドチップ2に分離壁保持部90b及び分離壁3bを設けることによって、インク室3を分離することができるため、複数色用のヘッドチップ2を別途製造する必要がない。また、インクジェットヘッド1を小型化できるため、インク温度を均一にしやすくなる。
[その他]
本発明の今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した詳細な説明に限定されるものではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、インク室3をX方向に2つに分離した実施形態について説明したが、インク室3が複数に分離されていれば、インク室3を分離する方向や数は適宜変更可能である。例えば、インク室3をX方向に4つに分離するように構成してもよい。
また、分離されたインク室3内の各部屋には、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及び黒(K)のインクが、それぞれ1色ずつ充填されているとしたが、同色のインクが充填されていてもよい。
また、分離部材6として、分離壁3bと分離壁保持部90bとが接合された例を示したが、分離壁3bと分離壁保持部90bとの結合部分の強度を向上させる観点から、分離壁3bと分離壁保持部90bとが一体成形された部材を用いることとしてもよい。
また、保持部90は必ずしも設ける必要はなく、分離部材6と、インク室3の外周壁3aとをインク供給孔形成面600に直接接合することとしてもよい。
また、インク室3の外周壁3a及び分離壁3bを、分離壁保持部90bと同様に、金属又はセラミックによって形成してもよい。これにより、インク室3間の温度をさらに均一にしやすくすることができる。
また、保持部90にスペーサー部91を設けた実施形態について説明したが、保持部90によってインク室3を分離することができれば、必ずしもスペーサー部91を有する構成としなくとも良い。
また、インク室3の外周壁3aの一部を弾性力のある樹脂部材によって形成しても良い。これにより、インク室3の内圧が急激に上昇又は低下することを防ぎ、インク室3から圧力室311に安定してインクを供給することができる。
また、スペーサー部91は、インク供給孔601を避けるように構成されており、かつ外周壁支持部92aに接合する第3スペーサー部91aと、分離壁支持部92bに接合する第1スペーサー部91bを有する構成となっていれば、適宜変更可能である。
また、ノズル11の配置を、平行四辺形状の4つのノズル形成エリアに分割して配置することとしたが、ノズル形成エリアの形状や数は適宜変更可能であり、例えば、8つのノズル形成エリアを設けてもよい。
また、ノズル11の配置に関しても適宜変更可能であり、例えば、第1方向D1と第2方向D2とが直交するように配置しても良い。
また、第一配線57、第二配線58は、各圧電素子42に接続できるように構成されていれば、配線方法に特に限られることはなく、適宜設計可能である。但し、配線基板50には、インク流路としての個別流路70が設けられているため、個別流路70を避けるようにして配線する必要がある。
また、圧力発生手段として圧電素子42を使用することとしたが、インクを射出できる機構を備えていれば特に限られることはなく、例えば、サーマル(電気熱変換素子)を使用することとしても良い。
本発明は、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に利用することができる。
1 インクジェットヘッド
2 ヘッドチップ
3 インク室
3a 外周壁
3b 分離壁
6 分離部材
11 ノズル
42 圧電素子
80a,80b ヒーター(インクの加熱機構)
90 保持部
90a 外周壁保持部
90b 分離壁保持部
100 インクジェット記録装置
211 供給用ポンプ(メンテナンス手段)
212 排出用ポンプ(メンテナンス手段)
221 第1連通弁(メンテナンス手段)
222 第2連通弁(メンテナンス手段)
223 第3連通弁(メンテナンス手段)
301a,301b インク導入部
302a,302b 第1インク排出部
303a,303b 第2インク排出部
304a,304b インク排出路
311 圧力室
600 インク供給孔形成面
601 インク供給孔
602 連通孔
D1 第1方向(ノズル配列方向)
F フィルター
A 第1領域
B 第2領域

Claims (13)

  1. インクを射出する複数のノズルと、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、前記複数の圧力室の内部に圧力変化を生じさせることにより、前記ノズルからインクを射出させる圧力発生手段と、を有するヘッドチップと、
    前記複数の圧力室に供給するインクを貯留するインク室と、を備え、
    前記インク室は、分離部材によって、複数の部屋に分離されており、
    前記分離部材の少なくとも一部が、金属又はセラミックによって形成されており、
    前記インク室の前記複数の部屋の各々に、インクを供給する複数のインク導入部を備え、
    前記複数のインク導入部のうち一のインク導入部は、対応する部屋のノズル配列方向の一端部に設けられ、当該一のインク導入部が設けられた部屋の隣の部屋に設けられた他の一のインク導入部は、前記隣の部屋のノズル配列方向の他端部に設けられており、
    前記インク室の前記複数の部屋の各々からインクを排出する複数のインク排出部を備え、
    前記インク室内に、ヘッドチップ側の第1領域とヘッドチップ側と反対側の第2領域とに前記インク室内を仕切るように配設された、当該インク室内の異物を除去するためのフィルターを備え、
    前記複数のインク排出部のうち、前記インク室の前記複数の部屋の各々に対応する一のインク排出部が、当該一のインク排出部が設けられた前記インク室の部屋に設けられた前記インク導入部と、ノズル配列方向の他端部に設けられており、
    当該一のインク排出部は、前記第1領域に連通し前記第1領域のインクを排出可能なインク排出路を有することを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. インクを射出する複数のノズルと、前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室と、前記複数の圧力室の内部に圧力変化を生じさせることにより、前記ノズルからインクを射出させる圧力発生手段と、を有するヘッドチップと、
    前記複数の圧力室に供給するインクを貯留するインク室と、を備え、
    前記インク室は、分離部材によって、複数の部屋に分離されており、
    前記分離部材の少なくとも一部が、金属又はセラミックによって形成されており、
    前記ヘッドチップは、前記インク室から当該ヘッドチップ内の各々の圧力室にインクを供給するための複数のインク供給孔が設けられたインク供給孔形成面を有し、
    前記分離部材は、前記インク室を分離する分離壁と、前記インク供給孔形成面に接合し当該分離壁を保持する分離壁保持部とを有する構成であり、
    前記分離壁保持部は、前記分離壁と接合する面が、前記インク供給孔形成面と接合する面よりも面積が大きいことを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 前記ヘッドチップは、前記インク室から当該ヘッドチップ内の各々の圧力室にインクを供給するための複数のインク供給孔が設けられたインク供給孔形成面を有し、
    前記分離部材は、前記インク室を分離する分離壁と、前記インク供給孔形成面に接合し当該分離壁を保持する分離壁保持部とを有する構成であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記分離壁保持部が、金属又はセラミックによって形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記インク室内のインクを加熱可能なインクの加熱機構を備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記インクの加熱機構は、前記インク室の前記複数の部屋のインクを個別に加熱可能であることを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記インク室の前記複数の部屋の各々に、インクを供給する複数のインク導入部を備え、
    前記複数のインク導入部のうち一のインク導入部は、対応する部屋のノズル配列方向の一端部に設けられ、当該一のインク導入部が設けられた部屋の隣の部屋に設けられた他の一のインク導入部は、前記隣の部屋のノズル配列方向の他端部に設けられていることを特徴とする請求項2、4〜6のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記インク室の前記複数の部屋の各々からインクを排出する複数のインク排出部を備えることを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記インク室内に、ヘッドチップ側の第1領域とヘッドチップ側と反対側の第2領域とに前記インク室内を仕切るように配設された、当該インク室内の異物を除去するためのフィルターを備え、
    前記複数のインク排出部のうち、前記インク室の前記複数の部屋の各々に対応する一のインク排出部が、当該一のインク排出部が設けられた前記インク室の部屋に設けられた前記インク導入部と、ノズル配列方向の他端部に設けられており、
    当該一のインク排出部は、前記第1領域に連通し前記第1領域のインクを排出可能なインク排出路を有することを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記分離壁保持部は、前記分離壁と接合する面が、前記インク供給孔形成面と接合する面よりも面積が大きいことを特徴とする請求項に記載のインクジェットヘッド。
  11. 前記分離壁保持部は、前記インク供給孔形成面と接合する面から、前記分離壁と接合する面へ、階段状に広がるように形成されていることを特徴とする請求項2又は10に記載のインクジェットヘッド。
  12. 前記インク供給孔形成面において、前記インク供給孔の列間隔がそれぞれ等間隔となるように配列されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェットヘッド。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドと、
    前記インク室にインクの供給及び排出を行うメンテナンス手段と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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