JP6743635B2 - 制御装置および制御方法 - Google Patents
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本発明の制御装置の第2の例は、高炉本体と、前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御装置であって、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御手段と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整手段と、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定手段と、を有し、前記圧力制御手段および前記開度調整手段の一方は、他方が動作しているときには動作せず、前記開度調整手段は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、前記開度調整手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする。
本発明の制御装置の第3の例は、高炉本体と、前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことを検出するためのセンサである原料落下確認センサと、を有する高炉の制御装置であって、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御手段と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整手段と、を有し、前記圧力制御手段および前記開度調整手段の一方は、他方が動作しているときには動作せず、前記開度調整手段は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、前記開度調整手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を停止し、前記圧力制御手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を開始することを特徴とする。
本発明の制御方法の第2の例は、高炉本体と、前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御方法であって、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御工程と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整工程と、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定工程と、を有し、前記圧力制御工程および前記開度調整工程の一方における動作は、他方における動作が実行されているときには実行されず、前記開度調整工程は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、前記開度調整工程は、前記第1の判定工程により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする。
本発明の制御方法の第3の例は、高炉本体と、前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことを検出するためのセンサである原料落下確認センサと、を有する高炉の制御方法であって、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御工程と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整工程と、を有し、前記圧力制御工程および前記開度調整工程の一方における動作は、他方における動作が実行されているときには実行されず、前記開度調整工程は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、前記開度調整工程は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を停止し、前記圧力制御工程は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を開始することを特徴とする。
<高炉炉頂の設備の概要>
図1は、高炉の炉頂部分の設備の構成の一例を説明する図である。本実施形態では、高炉の炉頂に垂直ホッパーが配置される場合を例に挙げて説明する。
次に、後述する制御を採用するに至った経緯について説明する。前述したように、均圧ホッパー106から高炉本体101に高炉原料110を装入する際には、均圧ホッパー106の内部の圧力を、高炉本体101の内部の圧力と均圧にするために、均圧ホッパー106の内部にN2ガスを供給する。これまでは、N2ガスの使用量を削減するために、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧になり、均圧ホッパー106からの高炉原料110の装入が開始されると、均圧コントロール弁116の開度をその時点の開度に保持し、均圧弁115を閉としていた。尚、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧になると、均圧コントロール弁116の開度は0(ゼロ)になる。均圧ホッパー106からの高炉原料110の落下により、高炉本体101の内部のガスが均圧ホッパー106に流入することから、このようにして均圧コントロール弁116の開度を保持しても、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とに差が生じることはないと考えられていた。尚、以下の説明では、均圧ホッパー106から貯留ホッパー102を介して高炉本体101の内部に高炉原料110を装入することを必要に応じて「ダンプ」と称する。
タイミングt2からタイミングt3までの期間は、均圧ホッパー流調ゲート弁111の開動作が開始するまでの各機器の動作時間により定まる。尚、均圧ホッパー流調ゲート弁111は、目標開度に向かって徐々に開く。均圧ホッパー流調ゲート弁111の目標開度は、例えば、均圧ホッパー106に装入されている高炉原料110の銘柄、粒度、および容積(または質量)等に応じて定まる。
P1=P0×V0÷(V0+ΔV) ・・・(1)
(1)式において、V0は、タイミングtx2より前のタイミングtx1における均圧ホッパー106の空間の容積[m3]である。P0は、タイミングtx1における均圧ホッパー106の内部の圧力[kPa]である。ΔVは、タイミングtx1からタイミングtx2までの時間txの期間に均圧ホッパー106から貯留ホッパー102に落下する高炉原料110の容積[m3]である。
図5は、制御装置の構成の一例を示す図である。図5において、制御装置500は、圧力制御器501、開度設定器502、補償量演算器503、流量制御器504、および切替指示器505を有する。
圧力制御器501は、減算器と、PID制御器とを有する。減算器は、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差の設定値SVから、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差の実績値PVを減算し、これらの偏差を導出する。圧力制御器501は、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差の設定値SVから、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差の実績値PVを減算した値(偏差)を0(ゼロ)にするための均圧コントロール弁116の操作量を、PID演算を行うことにより導出する。そして、圧力制御器501は、導出した均圧コントロール弁116の操作量で均圧コントロール弁116を操作する。本実施形態では、圧力制御器501による制御は、均圧指令がONになるタイミングt1から、図2において、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力とが均圧になるタイミングt2までの期間と、図2において、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8から、ダンプの完了が検出されるタイミングt4までの期間で行われる(後述する図7も参照)。尚、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差は、高炉本体101の内部の圧力から均圧ホッパー106の内部の圧力を減算した値とするが、均圧ホッパー106の内部の圧力から高炉本体101の内部の圧力を減算した値としてもよい。
開度設定器502は、オペレータにより指示された状態になるように均圧コントロール弁116を動作させる。本実施形態では、開度設定器502は、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力とが均圧になる(即ち、タイミングt2になる)と、その時点における均圧コントロール弁116の開度を保持する。本実施形態では、この開度は、図2において、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングt5になるまで維持される(後述する図7も参照)。
補償量演算器503は、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を補償する圧力に対応するN2ガスの流量を導出する。以下の説明では、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を補償する圧力を、必要に応じて圧力補償値MVと称し、補償量演算器503により導出されるN2ガスの流量を必要に応じてN2吹込量と称する。圧力補償値は、図2等に示す、均圧コントロール弁116による圧力の調整値MVに対応するものである。以下に、N2吹込量の導出方法の一例を説明する。
以上のように本実施形態では、補償量演算器503は、均圧ホッパー流調ゲート弁111の開度の実績値PVが設定値SVを上回るタイミングt5から、均圧ホッパー106の内部から貯留ホッパー102の内部に全ての高炉原料が装入されたことが原料落下確認センサ103a、103bにより検出されるタイミングt8までの間の期間において、N2吹込量を導出する。
具体的に説明すると、本実施形態では、補償量演算器503は、流調ゲート開度GO、原料粒度OC、旋回速度CHV、傾動角度CHT、および装入物容量VOLを説明変数とし、目的変数である圧力低下時間Tαおよび圧力低下量PVLと、これらの説明変数との関係式をそれぞれ導出して記憶する。より具体的に説明すると、補償量演算器503は、以下の(2)式および(3)式の関係式を導出して記憶する。
PVL=M0+M1×GO+M2×OC+M3×CHV+M4×CHT+M5×VOL ・・・(2)
Tα=α0+α1×GO+α2×OC+α3×CHV+α4×CHT+α5×VOL ・・・(3)
ここでは、単位時間当たりの補償圧力[N/(m2・sec)]が、均圧ホッパー106の内部の圧力の圧力低下加速時間Tαにおける単位時間当たりの低下量の平均値であるものとし、以下の(4)式で表されるものとする。
単位時間当たりの補償圧力=1/2×PVL÷Tα ・・・(4)
また、ダンプを開始時の均圧ホッパー106の空間の容積と、均圧ホッパー106から単位時間に落下する高炉原料100の容積との和である空間変化容積[m3]は、以下の(5)式で表される。
空間変化容積=V0+K×S ・・・(5)
FV=(V0+K×S)×(1/2×PVL÷Tα)÷P2 ・・・(6)
このように、N2ガス吹込量FVは、高炉本体101から均圧ホッパー106の内部にガスの流入がないとした場合の、均圧ホッパー106から高炉本体101への高炉原料110の落下による均圧ホッパー106の内部の圧力の一定の低下量をN2ガスの流量に換算したものである。
流量制御器504は、減算器と、PID制御器とを有する。減算器は、補償量演算器503で導出されたN2ガス吹込量FVから、流量計114で測定されたN2ガスの流量の実績値PVを減算し、これらの偏差を導出する。PID制御器は、補償量演算器503で導出されたN2ガス吹込量FVから、流量計114で測定されたN2ガスの流量の実績値PVを減算した値(偏差)を0(ゼロ)にするための均圧コントロール弁116の操作量を、PID演算を行うことにより導出する。そして、流量制御器504は、導出した均圧コントロール弁116の操作量で均圧コントロール弁116を操作する。流量制御器504による制御は、図2において、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングt5から、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8までの期間で行われる。
切替指示器505は、圧力制御器501、開度設定器502、および流量制御器504に対して動作指示を行う。
前述したように、圧力制御器501による制御は、均圧指令がONになるタイミングt1から、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力とが均圧になるタイミングt2までの期間と、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8から、ダンプの完了が検出されるタイミングt4までの期間で行われる。また、開度設定器502による均圧コントロール弁116の開度の保持は、タイミングt2から、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングt5になるまで行われる。また、流量制御器504による制御は、タイミングt5から、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8までの期間で行われる。
[制御器506]
制御器506は、均圧コントロール弁116以外の高炉の各設備(旋回シュート104、均圧ホッパー流調ゲート弁111、均圧ホッパーシール弁112、均圧弁115等)の動作を制御する。
次に、図8のフローチャートを参照しながら、本実施形態の制御装置500の処理の一例を説明する。尚、図8のフローチャートが開始される前に、(2)式の係数M1〜M5および定数M0と、(3)式の係数α1〜α5および定数α0とが導出され、記憶されているものとする。
次に、ステップS806において、制御器506は、均圧ホッパー流調ゲート弁111を開く。
次に、ステップS807において、切替指示器505は、均圧ホッパー流調ゲート弁111の開度の実績値PVが設定値SVを上回るまで待機する。均圧ホッパー流調ゲート弁111の開度の実績値PVが設定値SVを上回ると(即ち、タイミングt5になると)、ステップS808に進む。ステップS808に進むと、切替指示器505は、開度設定器502に動作の終了を指示すると共に、補償量演算器503および流量制御器504に動作の開始を指示する。
以上のように本実施形態では、均圧ホッパー106に装入された高炉原料110が、貯留ホッパー102を介して高炉本体101に落下することにより生じる、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を補償するためのN2吹込量FVを導出し、流量計114で測定されたN2ガスの流量の実績値PVが、N2吹込量FVになるように、均圧コントロール弁116を操作する流量制御を行う。従って、均圧ホッパー106に装入された高炉原料110の落下による圧力実績値PVの低下やバラツキを抑制することができる。これにより、均圧ホッパー106における高炉原料110の棚吊りや息つき現象を抑制することができる。更に、高炉原料110の息つき現象を抑制することで、高炉本体101の内部において円周方向に均一に高炉原料110を装入することができると共に、高炉原料110の装入時間を短縮することができる。
[変形例1]
本実施形態では、均圧ホッパーが、垂直ホッパーにおける下部ホッパーである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、均圧ホッパーは、貯留ホッパーの上に配置され、内部の圧力が高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、貯留ホッパーを介して高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーであれば、必ずしも、垂直ホッパーにおける下部ホッパーに限定されない。例えば、均圧ホッパーは、並列ホッパーにおける炉頂ホッパーであってもよい。
本実施形態では、均圧ホッパー106の内部の圧力のフィードバック制御にPID制御(圧力制御器501)を用いる場合を例に挙げて説明した。しかしながら、均圧ホッパー106の内部の圧力のフィードバック制御は、PID制御に限定されない。例えば、均圧ホッパー106の内部の圧力のフィードバック制御にPI制御を用いてもよい。このことは、流量制御器504においても同じである。
本実施形態では、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8から、PID制御(圧力制御)を行う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、均圧ホッパー106の内部の圧力が高くなり過ぎないように、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧に近づくようにしていれば、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8から、ダンプの完了が検出されるタイミングt4までの期間、圧力補償値MV(均圧コントロール弁116の開度)を0(ゼロ)にして無制御の状態にしてもよい。
本実施形態では、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧になるタイミングt2から、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングt5までの期間、タイミングt2における均圧コントロール弁116の開度を保持する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、この期間においても、タイミングt1から圧力制御器501を用いて行われている圧力制御を継続してもよい。この場合、タイミングt5において、圧力制御器501の動作を停止し、流量制御器504の動作を開始する。
本実施形態では、圧力低下量PVLおよび圧力低下加速時間Tαを、重回帰分析を用いて導出する際の説明変数として、流調ゲート開度GO、原料粒度OC、旋回速度CHV、傾動角度CHT、および装入物容量VOLを説明変数とする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、説明変数は、均圧ホッパー106の圧力に影響を与える操業因子であれば、これらに限定されない。例えば、旋回速度CHVおよび傾動角度CHTの少なくとも何れか一方を、説明変数から除いてもよい。
本実施形態では、N2吹込量FVを、補償量演算器503により導出する場合を例に挙げて説明した。このようにすれば、圧力低下加速時間Tαによる圧力の低下の時間変化を考慮することができると共に、圧力低下量PVLを正確に反映したN2ガスの流量(N2吹込量FV)を導出することができるので好ましい。しかしながら、均圧ホッパー106から貯留ホッパー102を介して高炉本体101の内部に高炉原料110が装入されることにより生じる、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を補償する開度に、均圧コントロール弁116の開度を調整していれば、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、N2吹込量FVを外部装置で計算しておき、当該N2吹込量FVをオペレータが流量制御器504に設定してもよい。この場合、補償量演算器503は、不要になる。
圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8と、原料落下確認センサ103a、103bがOFFになるタイミングとは正確に一致しない。図1に示す構成では、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8に対応するタイミングを判定するセンサが、原料落下確認センサ103a、103bしかない。このため、本実施形態では、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8が、原料落下確認センサ103a、103bがOFFになるタイミングに対応するものとした。ただし、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8は、原料落下確認センサ103a、103bがOFFになるタイミングに限定されない。例えば、ダンプ開始時からの経過時間が所定の時間になったタイミングを、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8としてもよい。
尚、以上説明した本発明の実施形態における制御装置500が有する機能は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
Claims (18)
- 高炉本体と、
前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御装置であって、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御手段と、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整手段と、
前記ガスの流量の設定値を前記高炉の操業実績データに基づいて導出する補償量演算手段と、を有し、
前記圧力制御手段および前記開度調整手段の一方は、他方が動作しているときには動作せず、
前記開度調整手段は、前記ガスの流量の設定値および実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする流量制御手段を有し、
前記ガスの流量の設定値は、前記高炉本体から前記均圧ホッパーの内部に前記ガスの流入がないとした場合の、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介した前記高炉本体への前記高炉原料の落下による前記均圧ホッパーの内部の圧力の一定の低下量を前記ガスの流量に換算した値であり、
前記補償量演算手段は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることが開始された後に前記ガスを前記均圧ホッパーの内部に供給しないものとした場合、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に圧力低下量だけ低下した後に一定の値になるものとして、ガス吹込量を前記ガスの流量の設定値として導出し、
前記ガス吹込量は、単位時間当たりの補償圧力と、空間変化容積と、吹込み圧力とに基づいて導出され、
前記単位時間当たりの補償圧力は、前記均圧ホッパーの内部の圧力の圧力低下加速時間における単位時間当たりの低下量の平均値であり、
前記空間変化容積は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料を装入することを開始するときの前記均圧ホッパーの内部の空間の容積と、前記均圧ホッパーから単位時間に落下する前記高炉原料の容積との和であり、
前記吹込み圧力は、前記均圧コントロール弁の出側におけるガスの圧力であり、
前記圧力低下加速時間は、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に低下する時間であることを特徴とする制御装置。 - 前記操業実績データは、前記圧力低下量の実績データと、前記圧力低下加速時間の実績データと、前記均圧ホッパーの内部の圧力に影響を与える複数の操業因子の実績データとを含むことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 前記複数の操業因子は、前記均圧ホッパー流調ゲートの開度と、前記均圧ホッパーに装入される前記高炉原料の粒度と、前記均圧ホッパーに装入される前記高炉原料の容積とを含むことを特徴とする請求項2に記載の制御装置。
- 前記補償量演算手段は、前記操業実績データを用いた重回帰分析を行うことにより、前記圧力低下量と前記圧力低下加速時間とを導出することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の制御装置。
- 前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定手段を更に有し、
前記開度調整手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の制御装置。 - 前記圧力制御手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を停止することを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
- 前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったと判定されてから、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されるまでの間、前記第2の判定手段により、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったと判定されたときの開度に前記均圧コントロール弁の開度を保持する開度設定手段と、を更に有し、
前記圧力制御手段および前記開度調整手段は、前記開度設定手段により前記均圧コントロール弁の開度が保持されているときは動作せず、
前記開度設定手段は、前記圧力制御手段および前記開度調整手段が動作しているときには前記均圧コントロール弁の開度を保持しないことを特徴とする請求項5に記載の制御装置。 - 前記高炉は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことを検出するためのセンサである原料落下確認センサをさらに有し、
前記開度調整手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を停止し、
前記圧力制御手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を開始することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の制御装置。 - 高炉本体と、
前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御装置であって、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御手段と、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整手段と、
前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定手段と、を有し、
前記圧力制御手段および前記開度調整手段の一方は、他方が動作しているときには動作せず、
前記開度調整手段は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、
前記開度調整手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする制御装置。 - 高炉本体と、
前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、
前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことを検出するためのセンサである原料落下確認センサと、を有する高炉の制御装置であって、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御手段と、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整手段と、を有し、
前記圧力制御手段および前記開度調整手段の一方は、他方が動作しているときには動作せず、
前記開度調整手段は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、
前記開度調整手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を停止し、
前記圧力制御手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を開始することを特徴とする制御装置。 - 前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定手段を更に有し、
前記開度調整手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする請求項10に記載の制御装置。 - 前記圧力制御手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を停止することを特徴とする請求項9または11に記載の制御装置。
- 前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の判定手段により、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったと判定されてから、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されるまでの間、前記第2の判定手段により、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったと判定されたときの開度に前記均圧コントロール弁の開度を保持する開度設定手段と、を更に有し、
前記圧力制御手段および前記開度調整手段は、前記開度設定手段により前記均圧コントロール弁の開度が保持されているときは動作せず、
前記開度設定手段は、前記圧力制御手段および前記開度調整手段が動作しているときには前記均圧コントロール弁の開度を保持しないことを特徴とする請求項9または11に記載の制御装置。 - 前記開度調整手段は、前記ガスの流量の設定値および実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする流量制御手段を有し、
前記ガスの流量の設定値は、前記高炉本体から前記均圧ホッパーの内部に前記ガスの流入がないとした場合の、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介した前記高炉本体への前記高炉原料の落下による前記均圧ホッパーの内部の圧力の一定の低下量を前記ガスの流量に換算した値であることを特徴とする請求項9〜13の何れか1項に記載の制御装置。 - 前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する前記均圧コントロール弁の開度は、一定の開度であることを特徴とする請求項9〜13の何れか1項に記載の制御装置。
- 高炉本体と、
前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御方法であって、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御工程と、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整工程と、
前記ガスの流量の設定値を前記高炉の操業実績データに基づいて導出する補償量演算工程と、を有し、
前記圧力制御工程および前記開度調整工程の一方における動作は、他方における動作が実行されているときには実行されず、
前記開度調整工程は、前記ガスの流量の設定値および実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする流量制御工程を有し、
前記ガスの流量の設定値は、前記高炉本体から前記均圧ホッパーの内部に前記ガスの流入がないとした場合の、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介した前記高炉本体への前記高炉原料の落下による前記均圧ホッパーの内部の圧力の一定の低下量を前記ガスの流量に換算した値であり、
前記補償量演算工程は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることが開始された後に前記ガスを前記均圧ホッパーの内部に供給しないものとした場合、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に圧力低下量だけ低下した後に一定の値になるものとして、ガス吹込量を前記ガスの流量の設定値として導出し、
前記ガス吹込量は、単位時間当たりの補償圧力と、空間変化容積と、吹込み圧力とに基づいて導出され、
前記単位時間当たりの補償圧力は、前記均圧ホッパーの内部の圧力の圧力低下加速時間における単位時間当たりの低下量の平均値であり、
前記空間変化容積は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料を装入することを開始するときの前記均圧ホッパーの内部の空間の容積と、前記均圧ホッパーから単位時間に落下する前記高炉原料の容積との和であり、
前記吹込み圧力は、前記均圧コントロール弁の出側におけるガスの圧力であり、
前記圧力低下加速時間は、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に低下する時間であることを特徴とする制御方法。 - 高炉本体と、
前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御方法であって、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御工程と、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整工程と、
前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定工程と、を有し、
前記圧力制御工程および前記開度調整工程の一方における動作は、他方における動作が実行されているときには実行されず、
前記開度調整工程は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、
前記開度調整工程は、前記第1の判定工程により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする制御方法。 - 高炉本体と、
前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、
前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことを検出するためのセンサである原料落下確認センサと、を有する高炉の制御方法であって、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御工程と、
前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整工程と、を有し、
前記圧力制御工程および前記開度調整工程の一方における動作は、他方における動作が実行されているときには実行されず、
前記開度調整工程は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、
前記開度調整工程は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を停止し、
前記圧力制御工程は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を開始することを特徴とする制御方法。
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