JP6743635B2 - 制御装置および制御方法 - Google Patents

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本発明は、制御装置および制御方法に関し、特に、貯留ホッパーの上に配置され、高炉原料の装入に際し、内部の圧力が高炉本体内の圧力と略同一にされる均圧ホッパーの圧力を調整するために用いて好適なものである。
高炉は、鉄鉱石をコークスにより還元して銑鉄を生産するものである。これらの原料は、略一定の速度で連続的に稼働しているベルトコンベアを用いて高炉の炉頂に運ばれる。高炉の炉頂に到達した原料は、ホッパーを介して高炉本体に装入される。以下の説明では、銑鉄を生産するために高炉本体に装入される原料を必要に応じて高炉原料と称する。
ホッパーの構成は、垂直ホッパーと並列ホッパーに大別される。垂直ホッパーは、高炉本体の上に配置された貯留ホッパーと、貯留ホッパーの上に配置された下部ホッパーと、下部ホッパーの上に配置された上部ホッパーとを有する。並列ホッパーは、高炉本体の上に配置された貯留ホッパーと、貯留ホッパーの上に並列に配置された複数の炉頂ホッパーとを有する。高炉本体の内部は、大気圧よりも高圧である。従って、垂直ホッパーおよび並列ホッパーの何れにおいても、高炉本体の内部に高炉原料を装入するに際し、貯留ホッパーの上に配置されるホッパー(下部ホッパー、炉頂ホッパー)にN2ガス等のガスを供給して、当該ホッパー(下部ホッパー、炉頂ホッパー)の内部の圧力と高炉本体の内部の圧力とを均圧(略同一)にする。このとき、当該ホッパーの内部の圧力が均圧の状態に保たれること(即ち、当該ホッパーの内部の圧力の変動を抑制すること)が求められる。以下の説明では、当該ホッパーを必要に応じて均圧ホッパーと称する。
特許文献1には、流体の受け入れ、払い出し装置を含む実プラントを模擬するプラントモデルを構築し、プラントモデルから出力される制御量と実プラントにおける制御量との偏差から外乱の推定値を導出し、PID制御器から出力される操作量から、当該外乱の推定値を減算した操作量で実プラントを操作する技術が開示されている。
特許第3853556号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、実プラントを模擬するプラントモデルを構築する必要がある。従って、制御の精度がプラントモデルの精度に依存するが、高精度のプラントモデルを構築するのは容易ではない。また、特許文献1に記載の技術を均圧ホッパーの圧力制御に適用すると、制御に時間遅れが生じる。従って、高炉原料の装入時に、均圧ホッパーの内部の圧力が変動することを抑制することが容易ではないという問題点があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、高炉原料の装入時に、均圧ホッパーの内部の圧力が変動することを抑制することを目的とする。
本発明の制御装置の第1の例は、高炉本体と、前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御装置であって、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御手段と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整手段と、前記ガスの流量の設定値を前記高炉の操業実績データに基づいて導出する補償量演算手段と、を有し、前記圧力制御手段および前記開度調整手段の一方は、他方が動作しているときには動作せず、前記開度調整手段は、前記ガスの流量の設定値および実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする流量制御手段を有し、前記ガスの流量の設定値は、前記高炉本体から前記均圧ホッパーの内部に前記ガスの流入がないとした場合の、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介した前記高炉本体への前記高炉原料の落下による前記均圧ホッパーの内部の圧力の一定の低下量を前記ガスの流量に換算した値であり、前記補償量演算手段は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることが開始された後に前記ガスを前記均圧ホッパーの内部に供給しないものとした場合、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に圧力低下量だけ低下した後に一定の値になるものとして、ガス吹込量を前記ガスの流量の設定値として導出し、前記ガス吹込量は、単位時間当たりの補償圧力と、空間変化容積と、吹込み圧力とに基づいて導出され、前記単位時間当たりの補償圧力は、前記均圧ホッパーの内部の圧力の圧力低下加速時間における単位時間当たりの低下量の平均値であり、前記空間変化容積は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料を装入することを開始するときの前記均圧ホッパーの内部の空間の容積と、前記均圧ホッパーから単位時間に落下する前記高炉原料の容積との和であり、前記吹込み圧力は、前記均圧コントロール弁の出側におけるガスの圧力であり、前記圧力低下加速時間は、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に低下する時間であることを特徴とする。
本発明の制御装置の第2の例は、高炉本体と、前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御装置であって、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御手段と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整手段と、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定手段と、を有し、前記圧力制御手段および前記開度調整手段の一方は、他方が動作しているときには動作せず、前記開度調整手段は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、前記開度調整手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする。
本発明の制御装置の第3の例は、高炉本体と、前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことを検出するためのセンサである原料落下確認センサと、を有する高炉の制御装置であって、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御手段と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整手段と、を有し、前記圧力制御手段および前記開度調整手段の一方は、他方が動作しているときには動作せず、前記開度調整手段は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、前記開度調整手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を停止し、前記圧力制御手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を開始することを特徴とする。
本発明の制御方法の第1の例は、高炉本体と、前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御方法であって、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御工程と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整工程と、前記ガスの流量の設定値を前記高炉の操業実績データに基づいて導出する補償量演算工程と、を有し、前記圧力制御工程および前記開度調整工程の一方における動作は、他方における動作が実行されているときには実行されず、前記開度調整工程は、前記ガスの流量の設定値および実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする流量制御工程を有し、前記ガスの流量の設定値は、前記高炉本体から前記均圧ホッパーの内部に前記ガスの流入がないとした場合の、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介した前記高炉本体への前記高炉原料の落下による前記均圧ホッパーの内部の圧力の一定の低下量を前記ガスの流量に換算した値であり、前記補償量演算工程は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることが開始された後に前記ガスを前記均圧ホッパーの内部に供給しないものとした場合、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に圧力低下量だけ低下した後に一定の値になるものとして、ガス吹込量を前記ガスの流量の設定値として導出し、前記ガス吹込量は、単位時間当たりの補償圧力と、空間変化容積と、吹込み圧力とに基づいて導出され、前記単位時間当たりの補償圧力は、前記均圧ホッパーの内部の圧力の圧力低下加速時間における単位時間当たりの低下量の平均値であり、前記空間変化容積は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料を装入することを開始するときの前記均圧ホッパーの内部の空間の容積と、前記均圧ホッパーから単位時間に落下する前記高炉原料の容積との和であり、前記吹込み圧力は、前記均圧コントロール弁の出側におけるガスの圧力であり、前記圧力低下加速時間は、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に低下する時間であることを特徴とする。
本発明の制御方法の第2の例は、高炉本体と、前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御方法であって、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御工程と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整工程と、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定工程と、を有し、前記圧力制御工程および前記開度調整工程の一方における動作は、他方における動作が実行されているときには実行されず、前記開度調整工程は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、前記開度調整工程は、前記第1の判定工程により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする。
本発明の制御方法の第3の例は、高炉本体と、前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことを検出するためのセンサである原料落下確認センサと、を有する高炉の制御方法であって、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御工程と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整工程と、を有し、前記圧力制御工程および前記開度調整工程の一方における動作は、他方における動作が実行されているときには実行されず、前記開度調整工程は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、前記開度調整工程は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を停止し、前記圧力制御工程は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を開始することを特徴とする。
本発明によれば、高炉原料の装入時に、均圧ホッパーの内部の圧力が変動することを抑制することができる。
高炉の炉頂部分の設備の構成の一例を説明する図である。 均圧ホッパーの内部の圧力の変動と動作タイミングチャートの第1の例を示す図である。 均圧ホッパーの内部の圧力が変動するメカニズムの一例を説明する図である。 均圧ホッパーの内部の圧力の変動と動作タイミングチャートの第2の例を示す図である。 制御装置の構成の一例を示す図である。 圧力補償値およびN2吹込量を導出する方法の一例を説明する図である。 均圧ホッパーの内部の圧力の変動と動作タイミングチャートの第3の例を示す図である。 制御装置の処理の一例を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態を説明する。
<高炉炉頂の設備の概要>
図1は、高炉の炉頂部分の設備の構成の一例を説明する図である。本実施形態では、高炉の炉頂に垂直ホッパーが配置される場合を例に挙げて説明する。
図1において、高炉本体101の直上に配置されるホッパーとして、貯留ホッパー102が配置される。貯留ホッパー102には、原料落下確認センサ103a、103bが配置される。原料落下確認センサ103a、103bは、貯留ホッパー102の振動を検出することにより、均圧ホッパー106の内部の全ての高炉原料が貯留ホッパー102の内部に装入されたことを検出するためのセンサである。原料落下確認センサ103a、103bは、貯留ホッパー102の振動が閾値以下になると、OFFになる。
貯留ホッパー102の下部には、旋回シュート104が配置される。旋回シュート104は、貯留ホッパー102から排出された高炉原料を高炉本体101の内部に装入するためのものである。旋回シュート104は、高炉原料の高炉本体101の内部への装入に際し、高炉本体101の高さ方向に対して傾動すると共に、高炉本体101の周方向に旋回する。旋回シュート104の動作により、炉内原料105が高炉本体101の内部に堆積される。
貯留ホッパー102の直上に配置されるホッパーとして、均圧ホッパー(下部ホッパー)106が配置される。また、均圧ホッパー(下部ホッパー)106の直上に配置されるホッパーとして、上部ホッパー107が配置される。
上部ホッパー107には、図示しないベルトコンベアで高炉の炉頂に運ばれた高炉原料が装入される。上部ホッパー107の下部には、上部ゲート弁108a、108b、上部シール弁109a、109bが、この順で上から配置される。上部ゲート弁108a、108bは、上部ホッパー107に装入された高炉原料を均圧ホッパー106に装入するための弁である。上部シール弁109a、109bは、上部ホッパー107を均圧ホッパー106から遮断するための弁である。
均圧ホッパー106は、その内部の圧力が、高炉本体101の内部の圧力と均圧(略同一)にされた状態で、上部ホッパー107から装入された高炉原料110を、貯留ホッパー102を介して高炉本体101の内部に装入するためのホッパーである。均圧ホッパー106の下部には、均圧ホッパー流調ゲート弁111、均圧ホッパーシール弁112が、この順で上から配置される。均圧ホッパー流調ゲート弁111は、均圧ホッパー106の内部に装入された高炉原料の貯留ホッパー102への流量を調整するための弁である。均圧ホッパーシール弁112は、均圧ホッパー106を、高炉本体101および貯留ホッパー102から遮断するための弁である。
均圧ホッパー106の内部には、均圧ホッパー106の内部の圧力を高めるためにガスが供給される。本実施形態では、N2ガス(窒素ガス)が均圧ホッパー106の内部に供給される場合を例に挙げて説明する。尚、均圧ホッパー106の内部に供給されるガスは、N2ガスに限定されず、例えば、N2ガス以外の不活性ガスであってもよい。N2ガスを均圧ホッパー106の内部に供給するための配管113には、流量計114、均圧弁115、および均圧コントロール弁116が配置される。流量計114は、均圧ホッパー106の内部に供給されるN2ガスの流量を測定するためのセンサである。均圧弁115は、均圧ホッパー106の内部の圧力を、高炉本体101の内部の圧力と均圧にする際に開かれる弁であり、均圧弁115が開かれることにより、N2ガスが均圧ホッパー106の内部に供給される。均圧コントロール弁116は、均圧ホッパー106の内部の圧力を、高炉本体101の内部の圧力と均圧にする際に、N2ガスの流量を調整するための弁(即ち、流調弁)である。
圧力計117は、均圧ホッパー106の内部の圧力(絶対圧)を測定するためのセンサである。圧力計118は、高炉本体101の内部の圧力(絶対圧)を測定するためのセンサである。圧力計119は、圧力計117、118で測定された圧力に基づいて、高炉本体101の内部の圧力と均圧ホッパー106の内部の圧力との差(差圧)を測定するためのセンサである。圧力計119の測定値が、0(ゼロ)、または、0(ゼロ)を含む一定の範囲内になることにより、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧であると判定することができる。尚、圧力計117、118の測定値を減算することにより、高炉本体101の内部の圧力と均圧ホッパー106の内部の圧力との差(差圧)を計算することができる。従って、圧力計119は、なくてもよい。また、高炉の炉頂部分の設備としては、後述する制御を実現することができる構成を有していれば、図1に示した構成以外にも、垂直ホッパーとして採用されている公知の構成を採用するができる。
<本実施形態に至った経緯>
次に、後述する制御を採用するに至った経緯について説明する。前述したように、均圧ホッパー106から高炉本体101に高炉原料110を装入する際には、均圧ホッパー106の内部の圧力を、高炉本体101の内部の圧力と均圧にするために、均圧ホッパー106の内部にN2ガスを供給する。これまでは、N2ガスの使用量を削減するために、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧になり、均圧ホッパー106からの高炉原料110の装入が開始されると、均圧コントロール弁116の開度をその時点の開度に保持し、均圧弁115を閉としていた。尚、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧になると、均圧コントロール弁116の開度は0(ゼロ)になる。均圧ホッパー106からの高炉原料110の落下により、高炉本体101の内部のガスが均圧ホッパー106に流入することから、このようにして均圧コントロール弁116の開度を保持しても、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とに差が生じることはないと考えられていた。尚、以下の説明では、均圧ホッパー106から貯留ホッパー102を介して高炉本体101の内部に高炉原料110を装入することを必要に応じて「ダンプ」と称する。
しかしながら、均圧ホッパー106から高炉本体101に高炉原料110の装入を開始してからの均圧ホッパー106の内部の圧力を調査したところ、均圧ホッパー106から高炉本体101への高炉原料110の装入が開始されると、均圧ホッパー106の内部の圧力が急峻に低下するという知見を得た。図2は、均圧ホッパー106の内部の圧力の変動(上図)と、動作タイミングチャート(下図)の一例を示す図である。具体的に図2は、均圧ホッパー106から高炉本体101への高炉原料110の装入が開始されると、その時点の開度で均圧コントロール弁116の開度を保持し均圧弁115を閉とする場合の、均圧ホッパー106の内部の圧力の変動と、動作タイミングチャートの一例を示す図である。また、図3は、均圧ホッパー106の内部の圧力が変動するメカニズムの一例を説明する図である。図2および図3を参照しながら、前述した知見について説明する。
図2の上図において、PVは、均圧ホッパー106の内部の圧力の実績値を示す。MVは、均圧ホッパー106と高炉本体101の内部の圧力を均圧にするための、均圧コントロール弁116の開度操作量を示す。図2の下図において、コントロール弁モードは、PID制御を行っているか否かを示す。コントロール弁モードがAUTOである場合にはPID制御が行われ、MANである場合にはPID制御が行われない。また、均圧指令とは、均圧ホッパー106の内部の圧力を、高炉本体101の内部の圧力と均圧の状態に保つことの指令であり、均圧指令がONになっている間は、均圧弁115を開し均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とを均圧の状態にするための操作が行われる。ここでは、外部装置から制御装置500に均圧指令が出力されるものとする。ダンプ指令は、ダンプを行う指令であり、ダンプ指令がONになっている間は、ダンプが行われる。ここでは、外部装置から制御装置500にダンプ指令が出力されるものとする。
図2の下図に示す例では、タイミングt1において均圧指令がONとなり、均圧弁115が開き、PID制御器による演算が開始され演算される。PID制御器から出力される操作量で均圧コントロール弁116が操作される。これにより、N2ガスが均圧ホッパー106の内部に流入し、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力との差が0(ゼロ)に近づくと共に、図2の上図に示すように均圧コントロール弁116による圧力の調整値MVが0(ゼロ)に近づく。
そして、タイミングt2において、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧になると、均圧コントロール弁116による圧力の調整値MVは略0(ゼロ)となり、均圧コントロール弁116の開度は、その時点の開度に保持されると共に均圧弁115を閉し均圧指令をOFFとする。また、図2の下図に示すように、このタイミングt2でダンプ指令がONとなる。そうすると、タイミングt2において、旋回シュート104が傾動と旋回とを開始すると共に、均圧ホッパーシール弁112が開く。続いてタイミングt3において均圧ホッパー流調ゲート弁111が開く。
タイミングt2からタイミングt3までの期間は、均圧ホッパー流調ゲート弁111の開動作が開始するまでの各機器の動作時間により定まる。尚、均圧ホッパー流調ゲート弁111は、目標開度に向かって徐々に開く。均圧ホッパー流調ゲート弁111の目標開度は、例えば、均圧ホッパー106に装入されている高炉原料110の銘柄、粒度、および容積(または質量)等に応じて定まる。
その後、タイミングt4においてダンプ指令がOFFになると、ダンプを終了する。尚、タイミングt5は、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングである。タイミングt6は、均圧ホッパー106の内部の圧力が復帰するタイミングである。タイミングt7は、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下量が一定の値に落ち着き始めるタイミングである。タイミングt8は、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングである。タイミングt5〜t8の詳細については、図6等を参照しながら後述する。
ここで、図2の上図に示すように、タイミングt3において、均圧ホッパー流調ゲート弁111の開動作(即ち、ダンプ)が開始すると、均圧ホッパー106の内部の圧力の実績値PVが低下し、その後、略一定の値で推移した後、増加していることが分かる。このような均圧ホッパー106の内部の圧力の実績値PVの変動のメカニズムを、図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、「ダンプ前」においては、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101(貯留ホッパー102)の内部の圧力とが均圧になる。その後、ダンプが開始し、「ダンプ中」になると、均圧ホッパー106から貯留ホッパー102を介して高炉本体101の内部に高炉原料110が装入される。そうすると、高炉原料110の落下により均圧ホッパー106の空間の容積が増加するために、均圧ホッパー106の内部の圧力は減少する。ここで、均圧ホッパー106の内部の圧力が増加する要因がないとすると、「ダンプ中」のタイミングtx2における均圧ホッパー106の内部の圧力P1[kPa]は、以下の(1)式により表される。
1=P0×V0÷(V0+ΔV) ・・・(1)
(1)式において、V0は、タイミングtx2より前のタイミングtx1における均圧ホッパー106の空間の容積[m3]である。P0は、タイミングtx1における均圧ホッパー106の内部の圧力[kPa]である。ΔVは、タイミングtx1からタイミングtx2までの時間txの期間に均圧ホッパー106から貯留ホッパー102に落下する高炉原料110の容積[m3]である。
しかしながら、高炉原料110には隙間があるため、均圧ホッパー106よりも高圧の貯留ホッパー102(高炉本体101)から、その内部のガスが均圧ホッパー106の内部に流入する。このようにして均圧ホッパー106の内部に流入するガスは、均圧ホッパー106の内部の圧力を高める要因となる。尚、高炉原料110の粒度が大きい場合の方が小さい場合よりも、均圧ホッパー106の内部に流入するガスの流量は多くなり、均圧ホッパー106の内部の圧力が高くなる。また、均圧ホッパー106から貯留ホッパー102に落下する高炉原料110の流速が小さい場合の方が大きい場合よりも、均圧ホッパー106の内部に流入するガスの流量は多くなり、均圧ホッパー106の内部の圧力が高くなる。
以上のように「ダンプ中」における均圧ホッパー106の内部の圧力は、高炉原料110の落下により均圧ホッパー106の空間の容積が増加することによる圧力の減少と、貯留ホッパー102(高炉本体101)から均圧ホッパー106に流入するガスによる圧力の増加との大小関係によって増加したり減少したりする。具体的に、ダンプの開始直後は、高炉原料110の落下により均圧ホッパー106の空間の容積が増加することによる圧力の減少が支配的になる。このため、図2の上図に示すように、タイミングt3が経過すると、均圧ホッパー106の内部の圧力の実績値PVが低下する。その後、高炉原料110の落下により均圧ホッパー106の空間の容積が増加することによる圧力の減少と、貯留ホッパー102(高炉本体101)から均圧ホッパー106に流入するガスによる圧力の増加との差が略一定になり、均圧ホッパー106の内部の圧力の実績値PVは略一定の値になる。そして、均圧ホッパー106の内部の高炉原料110の原料が少なくなると、貯留ホッパー102(高炉本体101)から均圧ホッパー106に流入するガスによる圧力の増加が支配的になる。このため、均圧ホッパー106の内部の圧力の実績値PVが増加する。
本発明者らは、以上の知見の下、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を補償するという着想を得た。そこで、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧になっても、PID制御器による圧力制御を継続することを試みた。図4は、均圧ホッパー106の内部の圧力の変動(上図)と、動作タイミングチャート(下図)の一例を示す図である。具体的に図4は、均圧ホッパー106から高炉本体101への高炉原料110の装入が開始された後も、PID制御器による自動制御を継続する場合の、均圧ホッパー106の内部の圧力の変動と、動作タイミングチャートの一例を示す図である。図4は、図2に対応する図であり、図4に示す記号は、図2に示す記号と同じ意味を有する。
図4の上図に示すように、タイミングt5からタイミングt4の期間において、均圧ホッパー106の内部の圧力の実績値PVが大きく変動し、圧力の低下量にバラツキが生じることが分かる。PID制御器から出力される操作量で均圧コントロール弁116の開度を変更することによりN2ガスの流量を変更してから、均圧ホッパー106の内部の圧力が変化するまでの時間等が時間遅れとなるため、均圧ホッパー106の内部の圧力の変動にPID制御器による制御が追い付かないためである。
本発明者らは、以上の知見の下、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を予測し、その予測の結果に応じて、均圧ホッパー106の内部の圧力を補償するようにN2ガスの流量を制御するという着想を得、この着想に基づいて以下の実施形態に想到した。
<実施形態>
図5は、制御装置の構成の一例を示す図である。図5において、制御装置500は、圧力制御器501、開度設定器502、補償量演算器503、流量制御器504、および切替指示器505を有する。
[圧力制御器501]
圧力制御器501は、減算器と、PID制御器とを有する。減算器は、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差の設定値SVから、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差の実績値PVを減算し、これらの偏差を導出する。圧力制御器501は、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差の設定値SVから、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差の実績値PVを減算した値(偏差)を0(ゼロ)にするための均圧コントロール弁116の操作量を、PID演算を行うことにより導出する。そして、圧力制御器501は、導出した均圧コントロール弁116の操作量で均圧コントロール弁116を操作する。本実施形態では、圧力制御器501による制御は、均圧指令がONになるタイミングt1から、図2において、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力とが均圧になるタイミングt2までの期間と、図2において、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8から、ダンプの完了が検出されるタイミングt4までの期間で行われる(後述する図7も参照)。尚、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差は、高炉本体101の内部の圧力から均圧ホッパー106の内部の圧力を減算した値とするが、均圧ホッパー106の内部の圧力から高炉本体101の内部の圧力を減算した値としてもよい。
[開度設定器502]
開度設定器502は、オペレータにより指示された状態になるように均圧コントロール弁116を動作させる。本実施形態では、開度設定器502は、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力とが均圧になる(即ち、タイミングt2になる)と、その時点における均圧コントロール弁116の開度を保持する。本実施形態では、この開度は、図2において、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングt5になるまで維持される(後述する図7も参照)。
[補償量演算器503]
補償量演算器503は、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を補償する圧力に対応するN2ガスの流量を導出する。以下の説明では、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を補償する圧力を、必要に応じて圧力補償値MVと称し、補償量演算器503により導出されるN2ガスの流量を必要に応じてN2吹込量と称する。圧力補償値は、図2等に示す、均圧コントロール弁116による圧力の調整値MVに対応するものである。以下に、N2吹込量の導出方法の一例を説明する。
図6は、圧力補償値およびN2吹込量を導出する方法の一例を説明する図である。尚、以下の説明では、均圧ホッパー106の内部の圧力の実績値PVを必要に応じて圧力実績値PVと称する。具体的に図6の上図は、ダンプが開始された後に、N2ガスを均圧ホッパー106の内部に供給しないものとした場合の、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングt5から、均圧ホッパー106の内部の圧力が復帰するタイミングt6までの期間における圧力実績値PVの一例を概念的に示す図である。図6の下図は、図6の上図に示す圧力実績値PVを補償する圧力補償値MVの一例を概念的に示す図である。図2を参照しながら説明したように、ダンプが開始すると圧力実績値PVは、低下し、その後、概ね一定の値を有する。以下の説明では、このように圧力実績値PVが低下する期間を、必要に応じて圧力低下加速時間Tαと称する。図6に示す例では、タイミングt5からタイミングt7の期間が、圧力低下加速時間Tαになる。また、圧力実績値PVが概ね一定の値になるときの圧力実績値PVの低下量を、必要に応じて圧力低下量PVLと称する。
本実施形態では、圧力実績値PVは、時間に対し直線的に(即ち、線形の関係で)低下するものと仮定する。そこで、図6の下図に示すように、圧力低下加速時間Tαの間は、0(ゼロ)から圧力低下量PVL(の絶対値)まで直線的に増加するように、圧力補償値MVを定める。その後、タイミングt7から、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8までの間は、圧力低下量PVL(の絶対値)として一定の値を圧力補償値MVとして定める。図2および図3を参照しながら説明したように、均圧ホッパー106の内部の高炉原料110の原料が少なくなると、高炉本体101から貯留ホッパー102を介して均圧ホッパー106に流入するガスによる圧力の増加が支配的になる。そこで、本実施形態では、圧力実績値PVの増加が大きくなり過ぎないよう、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8以降においては、圧力制御器501による制御を行い、補償量演算器503により圧力補償値MVを導出しない。
また、本実施形態では、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングt5が、均圧ホッパー流調ゲート弁111の開度の実績値PVが設定値SVを上回るタイミングであるものとする。ここで、設定値SVは、圧力実績値PVの低下の補償を開始するトリガとなる値として、オペレータにより設定される値である。タイミングt3からタイミングt5までの期間は、均圧ホッパー流調ゲート弁111の動作の開始を指示してから、高炉原料110の落下による均圧ホッパー106の内部の圧力が変動し始めるまでの時間遅れに対応する。この時間遅れに対応するように、設定値SVが設定される。尚、設定値SVは、均圧ホッパー106に装入された高炉原料110を高炉本体101の内部に装入する際の均圧ホッパー流調ゲート弁111の目標開度よりも小さい値になる。
更に、本実施形態では、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8が、原料落下確認センサ103a、103bがOFFになるタイミングに対応するものとする。
以上のように本実施形態では、補償量演算器503は、均圧ホッパー流調ゲート弁111の開度の実績値PVが設定値SVを上回るタイミングt5から、均圧ホッパー106の内部から貯留ホッパー102の内部に全ての高炉原料が装入されたことが原料落下確認センサ103a、103bにより検出されるタイミングt8までの間の期間において、N2吹込量を導出する。
図6を参照しながら説明したように圧力補償値MVは、圧力低下時間Tα[sec]と圧力低下量PVL[kPa]とに基づいて定まる。本実施形態では、補償量演算器503は、高炉における過去の操業実績に基づく重回帰分析を行うことにより、圧力低下時間Tαおよび圧力低下量PVLを導出する。
具体的に説明すると、本実施形態では、補償量演算器503は、流調ゲート開度GO、原料粒度OC、旋回速度CHV、傾動角度CHT、および装入物容量VOLを説明変数とし、目的変数である圧力低下時間Tαおよび圧力低下量PVLと、これらの説明変数との関係式をそれぞれ導出して記憶する。より具体的に説明すると、補償量演算器503は、以下の(2)式および(3)式の関係式を導出して記憶する。
PVL=M0+M1×GO+M2×OC+M3×CHV+M4×CHT+M5×VOL ・・・(2)
Tα=α0+α1×GO+α2×OC+α3×CHV+α4×CHT+α5×VOL ・・・(3)
流調ゲート開度GOは、均圧ホッパー流調ゲート弁111の開度[%]である。原料粒度OCは、均圧ホッパー106に装入される高炉原料110の粒度である。本実施形態では、原料粒度OCを複数の階級で表現する。具体的に、原料粒度OCを「1」〜「10」の10段階の階級で表現し、粒度が細かい階級である程、原料粒度OCの値は大きくなるものとする(即ち、最も粒度が粗い高炉原料110が属する原料粒度OCを「1」、最も粒度が細かい高炉原料が属する原料粒度OCを「10」とする)。旋回速度CHVは、旋回シュート104の旋回速度[rpm]である。傾動角度CHTは、旋回シュート104の傾動角度[度]である。装入物容量VOLは、均圧ホッパー106に装入される高炉原料110の容積[m3]である。
補償量演算器503は、目的変数(圧力低下時間Tαおよび圧力低下量PVL)の実績値と、説明変数(流調ゲート開度GO、原料粒度OC、旋回速度CHV、傾動角度CHT、および装入物容量VOL)の実績値を含む操業実績データとして、複数組の操業実績データを入力する。操業実績データの入力形態としては、例えば、外部装置からの送信や可搬型記憶媒体からの読み出しが挙げられる。そして、補償量演算器503は、複数組の操業実績データを用いて重回帰分析を行うことにより、(2)式の係数M1〜M5および定数M0と、(3)式の係数α1〜α5および定数α0とを導出して記憶する。
ここで、均圧ホッパー106の内部の圧力を図6の下図に示すようにして補償することで、均圧ホッパー106の内部の圧力は一定になるように見える。しかしながら、均圧ホッパー106の内部の圧力を図6の下図に示すようにして補償すると、図3の「ダンプ中」の「炉内ガス流入による圧力増」の部分に示したような、高炉本体101から均圧ホッパー106へのガスの流入がなくなる。このようにして高炉本体101から均圧ホッパー106へのガスの流入がなくなると、均圧ホッパー106の内部の圧力は、均圧ホッパー106から貯留ホッパー102を介して高炉本体101の内部に高炉原料110が装入されることにより、一定量で連続して低下する。従って、この連続して低下する一定量の圧力を補償する必要がある。以下の説明では、この連続して低下する一定量の圧力を、必要に応じて補償圧力と称する。
ところで、前述したように、均圧ホッパー106の内部の圧力を制御すると、均圧ホッパー106の内部の圧力の変動に制御が追い付かない実態がある。そこで、本実施形態では、補償圧力を補償するためにN2ガスの流量を制御する。
ここでは、単位時間当たりの補償圧力[N/(m2・sec)]が、均圧ホッパー106の内部の圧力の圧力低下加速時間Tαにおける単位時間当たりの低下量の平均値であるものとし、以下の(4)式で表されるものとする。
単位時間当たりの補償圧力=1/2×PVL÷Tα ・・・(4)
また、ダンプを開始時の均圧ホッパー106の空間の容積と、均圧ホッパー106から単位時間に落下する高炉原料100の容積との和である空間変化容積[m3]は、以下の(5)式で表される。
空間変化容積=V0+K×S ・・・(5)
ここで、V0は、ダンプ開始時の均圧ホッパー106の空間の容積[m3]であり、均圧ホッパー106に装入される高炉原料110の容積と、(装入物がない状態の)均圧ホッパー106の容積とに基づいて導出される。Kは、高炉原料110の嵩比重(単位質量当たりの容積)[m3/ton]であり、Sは、高炉原料110の均圧ホッパー106からの落下速度[ton/sec]であり、均圧ホッパー流調ゲート弁111の目標開度を用いて導出される。
そうすると、単位時間当たりの補償圧力と空間変化容積との積を、吹込み圧力P2[N/m2]で割った値に、均圧ホッパー106の内部に供給するN2ガスの流量が等しくなるようにすれば、当該N2ガスの流量は、補償圧力に対応するN2ガスの流量になる。ここで、吹込み圧力P2は、均圧コントロール弁116の出口側におけるガスの圧力であり、均圧コントロール弁116の入側の圧力と、均圧コントロール弁116のバルブ特性とに基づいて事前に設定される。以下の説明では、この補償圧力に対応するN2ガスの流量[m3/sec]を必要に応じてN2ガス吹込量FVと称する。
従って、N2ガス吹込量FV[m3/sec]は、以下の(6)式で表される。
FV=(V0+K×S)×(1/2×PVL÷Tα)÷P2 ・・・(6)
このように、N2ガス吹込量FVは、高炉本体101から均圧ホッパー106の内部にガスの流入がないとした場合の、均圧ホッパー106から高炉本体101への高炉原料110の落下による均圧ホッパー106の内部の圧力の一定の低下量をN2ガスの流量に換算したものである。
補償量演算器503は、前述したようにして、(2)式の係数M1〜M5および定数M0と、(3)式の係数α1〜α5および定数α0とを記憶して(2)式および(3)式の関係式を得た後の操業において均圧ホッパー106に装入されている高炉原料110について、説明変数(流調ゲート開度GO、原料粒度OC、旋回速度CHV、傾動角度CHT、および装入物容量VOL)の値と、嵩比重Kおよび高炉原料落下速度Sの値と、吹込み圧力P2と、(装入物がない状態の)均圧ホッパー106の容積とを入力し、(6)式の計算を行うことにより、N2ガス吹込量FVを導出する。説明変数および嵩比重K、原料落下速度Sの入力形態としては、例えば、外部装置からの送信や可搬型記憶媒体からの読み出しが挙げられる。
[流量制御器504]
流量制御器504は、減算器と、PID制御器とを有する。減算器は、補償量演算器503で導出されたN2ガス吹込量FVから、流量計114で測定されたN2ガスの流量の実績値PVを減算し、これらの偏差を導出する。PID制御器は、補償量演算器503で導出されたN2ガス吹込量FVから、流量計114で測定されたN2ガスの流量の実績値PVを減算した値(偏差)を0(ゼロ)にするための均圧コントロール弁116の操作量を、PID演算を行うことにより導出する。そして、流量制御器504は、導出した均圧コントロール弁116の操作量で均圧コントロール弁116を操作する。流量制御器504による制御は、図2において、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングt5から、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8までの期間で行われる。
[切替指示器505]
切替指示器505は、圧力制御器501、開度設定器502、および流量制御器504に対して動作指示を行う。
前述したように、圧力制御器501による制御は、均圧指令がONになるタイミングt1から、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力とが均圧になるタイミングt2までの期間と、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8から、ダンプの完了が検出されるタイミングt4までの期間で行われる。また、開度設定器502による均圧コントロール弁116の開度の保持は、タイミングt2から、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングt5になるまで行われる。また、流量制御器504による制御は、タイミングt5から、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8までの期間で行われる。
また、前述したように本実施形態では、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングt5は、均圧ホッパー流調ゲート弁111の開度の実績値PVが設定値SVを上回るタイミングであるものとしている。また、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8は、原料落下確認センサ103a、103bがOFFになるタイミングに対応するものとしている。
そこで、本実施形態では、切替指示器505は、以下の動作を行うものとする。まず、切替指示器505は、外部装置から均圧指令がONになったことが通知されることにより、タイミングt1になったと判定すると、圧力制御器501に動作の開始を指示する。次に、切替指示器505は、圧力計119で測定された差圧に基づいて、タイミングt2になったと判定すると、圧力制御器501に動作の終了を指示すると共に開度設定器502に動作を指示する。次に、切替指示器505は、均圧ホッパー流調ゲート弁111の開度の実績値PVが設定値SVを上回り、タイミングt5になったと判定すると、開度設定器502に動作の終了を指示すると共に流量制御器504に動作の開始を指示する。次に、切替指示器505は、均圧ホッパー106の内部から貯留ホッパー102の内部に全ての高炉原料が装入されたことが原料落下確認センサ103a、103bにより検出され、タイミングt8になったと判定すると、流量制御器504に動作の終了を指示すると共に圧力制御器501に動作の開始を指示する。そして、切替指示器505は、ダンプ指令がOFFされることによりダンプの完了が検出され、タイミングt4になったと判定すると、圧力制御器501に動作の終了を指示する。
図7は、均圧ホッパー106の内部の圧力の変動(上図)と、動作タイミングチャート(下図)の一例を示す図である。具体的に図7は、本実施形態の制御装置500による制御が行われる場合の、均圧ホッパー106の内部の圧力の変動と、動作タイミングチャートの一例を示す図である。図7は、図2および図4に対応する図である。図2および図4では、PID制御として圧力制御のみが行われる。これに対し、本実施形態の制御装置500では、PID制御として圧力制御または流量制御が行われる。従って、これらを区別するために、コントロール弁モードにおいて、何れの制御が行われているのかを示している。また、圧力補償切替は、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を補償するための流量制御が行われている期間を示す。圧力補償切替がONの期間が、当該流量制御が行われている期間であり、圧力補償切替がOFFの期間が、当該流量制御が行われていない期間である。その他の図7に示す記号は、図2および図4に示す記号と同じ意味を有する。図7に示すように、本実施形態の制御装置500による制御により、圧力実績値PVは、図2に示すように大きく低下することも、図4に示すように大きくバラツクこともなく概ね一定の値を保つ。
[制御器506]
制御器506は、均圧コントロール弁116以外の高炉の各設備(旋回シュート104、均圧ホッパー流調ゲート弁111、均圧ホッパーシール弁112、均圧弁115等)の動作を制御する。
<動作フローチャート>
次に、図8のフローチャートを参照しながら、本実施形態の制御装置500の処理の一例を説明する。尚、図8のフローチャートが開始される前に、(2)式の係数M1〜M5および定数M0と、(3)式の係数α1〜α5および定数α0とが導出され、記憶されているものとする。
ステップS801において、切替指示器505は、均圧指令がONされるまで待機する。均圧指令がONされると(即ち、タイミングt1になると)、ステップS802に進む。
ステップS802に進むと、切替指示器505は、圧力制御器501に動作の開始を指示する。圧力制御器501は、この指示に基づいて圧力制御を行う。具体的に圧力制御器501は、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差の設定値SVから、均圧ホッパー106の内部の圧力と高炉本体101の内部の圧力との差の実績値PVを減算した値(偏差)を0(ゼロ)にするための均圧コントロール弁116の操作量を、PID演算を行うことにより導出し、導出した均圧コントロール弁116の操作量で均圧コントロール弁116を操作する。
次に、ステップS803において、切替指示器505は、圧力計119で測定された差圧に基づいて、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧になるまで待機する。均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧になると(即ち、タイミングt2になると)、ステップS804に進む。ステップS804に進むと、切替指示器505は、圧力制御器501に動作の終了を指示すると共に、開度設定器502に動作を指示する。圧力制御器501は、この指示に基づいて動作を終了する。また、開度設定器502は、この指示に基づいて、均圧コントロール弁116の開度を、タイミングt2時点の開度に保持させる。
次に、ステップS805において、制御器506は、旋回シュート104の旋回および傾動を開始させると共に、均圧ホッパーシール弁112を開く。
次に、ステップS806において、制御器506は、均圧ホッパー流調ゲート弁111を開く。
次に、ステップS807において、切替指示器505は、均圧ホッパー流調ゲート弁111の開度の実績値PVが設定値SVを上回るまで待機する。均圧ホッパー流調ゲート弁111の開度の実績値PVが設定値SVを上回ると(即ち、タイミングt5になると)、ステップS808に進む。ステップS808に進むと、切替指示器505は、開度設定器502に動作の終了を指示すると共に、補償量演算器503および流量制御器504に動作の開始を指示する。
開度設定器502は、この指示に基づいて動作を終了する。これにより、均圧コントロール弁116の開度の保持が解除される。また、補償量演算器503は、この指示に基づいて、(6)式により、N2ガス吹込量FVを導出する。そして、流量制御器504は、N2ガスの流量制御を行う。具体的に流量制御器504は、補償量演算器503で導出されたN2ガス吹込量FVから、流量計114で測定されたN2ガスの流量の実績値PVを減算した値(偏差)を0(ゼロ)にするための均圧コントロール弁116の操作量を、PID演算を行うことにより導出し、導出した均圧コントロール弁116の操作量で均圧コントロール弁116を操作する。
次に、ステップS809において、切替指示器505は、原料落下確認センサ103a、103bがOFFになるまで待機する。尚、この間、流量制御器504による制御は継続される。そして、原料落下確認センサ103a、103bがOFFになると(即ち、タイミングt8になると)、ステップS810に進む。ステップS810に進むと、切替指示器505は、流量制御器504に動作の終了を指示すると共に、圧力制御器501に動作の開始を指示する。流量制御器504は、この指示に基づいて動作を終了する。また、圧力制御器501は、この指示に基づいて圧力制御を行う。圧力制御の内容は、ステップS802で説明したのと同じであるので、詳細な説明を省略する。
次に、ステップS811において、切替指示器505は、ダンプ指令がOFFされることにより、ダンプの完了を検出するまで待機する。尚、この間、圧力制御器501による制御は継続される。そして、ダンプの完了を検出すると、切替指示器505は、圧力制御器501に動作の終了を指示する。圧力制御器501は、この指示に基づいて動作を終了する。そして、図8のフローチャートによる処理を終了する。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、均圧ホッパー106に装入された高炉原料110が、貯留ホッパー102を介して高炉本体101に落下することにより生じる、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を補償するためのN2吹込量FVを導出し、流量計114で測定されたN2ガスの流量の実績値PVが、N2吹込量FVになるように、均圧コントロール弁116を操作する流量制御を行う。従って、均圧ホッパー106に装入された高炉原料110の落下による圧力実績値PVの低下やバラツキを抑制することができる。これにより、均圧ホッパー106における高炉原料110の棚吊りや息つき現象を抑制することができる。更に、高炉原料110の息つき現象を抑制することで、高炉本体101の内部において円周方向に均一に高炉原料110を装入することができると共に、高炉原料110の装入時間を短縮することができる。
<変形例>
[変形例1]
本実施形態では、均圧ホッパーが、垂直ホッパーにおける下部ホッパーである場合を例に挙げて説明した。しかしながら、均圧ホッパーは、貯留ホッパーの上に配置され、内部の圧力が高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、貯留ホッパーを介して高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーであれば、必ずしも、垂直ホッパーにおける下部ホッパーに限定されない。例えば、均圧ホッパーは、並列ホッパーにおける炉頂ホッパーであってもよい。
[変形例2]
本実施形態では、均圧ホッパー106の内部の圧力のフィードバック制御にPID制御(圧力制御器501)を用いる場合を例に挙げて説明した。しかしながら、均圧ホッパー106の内部の圧力のフィードバック制御は、PID制御に限定されない。例えば、均圧ホッパー106の内部の圧力のフィードバック制御にPI制御を用いてもよい。このことは、流量制御器504においても同じである。
[変形例3]
本実施形態では、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8から、PID制御(圧力制御)を行う場合を例に挙げて説明した。しかしながら、均圧ホッパー106の内部の圧力が高くなり過ぎないように、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧に近づくようにしていれば、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8から、ダンプの完了が検出されるタイミングt4までの期間、圧力補償値MV(均圧コントロール弁116の開度)を0(ゼロ)にして無制御の状態にしてもよい。
[変形例4]
本実施形態では、均圧ホッパー106の内部の圧力と、高炉本体101の内部の圧力とが均圧になるタイミングt2から、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下が開始するタイミングt5までの期間、タイミングt2における均圧コントロール弁116の開度を保持する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、この期間においても、タイミングt1から圧力制御器501を用いて行われている圧力制御を継続してもよい。この場合、タイミングt5において、圧力制御器501の動作を停止し、流量制御器504の動作を開始する。
[変形例5]
本実施形態では、圧力低下量PVLおよび圧力低下加速時間Tαを、重回帰分析を用いて導出する際の説明変数として、流調ゲート開度GO、原料粒度OC、旋回速度CHV、傾動角度CHT、および装入物容量VOLを説明変数とする場合を例に挙げて説明した。しかしながら、説明変数は、均圧ホッパー106の圧力に影響を与える操業因子であれば、これらに限定されない。例えば、旋回速度CHVおよび傾動角度CHTの少なくとも何れか一方を、説明変数から除いてもよい。
[変形例6]
本実施形態では、N2吹込量FVを、補償量演算器503により導出する場合を例に挙げて説明した。このようにすれば、圧力低下加速時間Tαによる圧力の低下の時間変化を考慮することができると共に、圧力低下量PVLを正確に反映したN2ガスの流量(N2吹込量FV)を導出することができるので好ましい。しかしながら、均圧ホッパー106から貯留ホッパー102を介して高炉本体101の内部に高炉原料110が装入されることにより生じる、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を補償する開度に、均圧コントロール弁116の開度を調整していれば、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、N2吹込量FVを外部装置で計算しておき、当該N2吹込量FVをオペレータが流量制御器504に設定してもよい。この場合、補償量演算器503は、不要になる。
この他、タイミングt5からタイミングt8までの期間の均圧コントロール弁116の開度として一定の開度を、オペレータが設定してもよい。このようにする場合、均圧コントロール弁116の開度を、過去の操業実績から定めることができる。例えば、様々な操業条件において、均圧ホッパー106の内部の圧力の低下を抑制できたときの均圧コントロール弁116の開度を調査し、操業条件と均圧コントロール弁116の開度との関係を蓄積しておく。その後、本実施形態の制御装置500を適用した状態でダンプを開始する際に、そのときの操業条件に対応する均圧コントロール弁116の開度を、蓄積しておいた関係から読み取り、タイミングt5からタイミングt8までの期間において、均圧コントロール弁116の開度を、読み取った開度に保持する。
ただし、このようにすると、操業状態によっては、タイミングt5からタイミングt8の期間において、均圧ホッパー106の内部の圧力が想定以上に高くなり、旋回シュート104の駆動電流が大きくなる(過負荷になる)虞がある。従って、操業状態に応じて、このような均圧コントロール弁116の開度の設定を行うか否かを決定するのが好ましい。例えば、均圧ホッパー106に装入される高炉原料110が少ない場合や、均圧ホッパー流調ゲート弁111の目標開度が小さい場合や、旋回シュート104の傾動角度が小さい(高炉本体101の高さ方向と旋回シュート104の長手方向とのなす角度が大きい)場合に、均圧コントロール弁116の開度の設定を行うのが好ましい。
[変形例7]
圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8と、原料落下確認センサ103a、103bがOFFになるタイミングとは正確に一致しない。図1に示す構成では、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8に対応するタイミングを判定するセンサが、原料落下確認センサ103a、103bしかない。このため、本実施形態では、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8が、原料落下確認センサ103a、103bがOFFになるタイミングに対応するものとした。ただし、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8は、原料落下確認センサ103a、103bがOFFになるタイミングに限定されない。例えば、ダンプ開始時からの経過時間が所定の時間になったタイミングを、圧力実績値PVの復帰が開始するタイミングt8としてもよい。
前記所定の時間は、例えば、以下のようにして定めることができる。まず、様々な操業条件(高炉原料110の銘柄、粒度、容積、均圧ホッパー流調ゲート弁111の目標開度)において、ダンプを開始した後に均圧ホッパー106にN2ガスを供給しない状態で操業し、ダンプを開始してから圧力実績値PVの復帰が開始するまでの時間を調査する(図2を参照)。そして、ダンプを開始してから圧力実績値PVの復帰が開始するまでの時間と、操業条件との関係を蓄積しておく。その後、本実施形態の制御装置500を適用した状態でダンプを開始する際に、そのときの操業条件に対応する、ダンプを開始してから圧力実績値PVの復帰が開始するまでの時間を、前記所定の時間として、蓄積しておいた関係から読み取り、ダンプを開始してから、読み取った時間が経過するタイミングを、原料落下確認センサ103a、103bがOFFになるタイミングの代わりに用いる。
[その他の変形例]
尚、以上説明した本発明の実施形態における制御装置500が有する機能は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
101:高炉本体、102:貯留ホッパー、103a〜103b:原料落下確認センサ、104:旋回シュート、105:炉内原料、106:均圧ホッパー、107:上部ホッパー、108a〜108b:上部ゲート弁、109a〜109b:上部シール弁、110:高炉原料、111:均圧ホッパー流調ゲート弁、112:均圧ホッパーシール弁、113:配管、114:流量計、115:均圧弁、116:均圧コントロール弁、117〜119:圧力計、500:制御装置、501:圧力制御器、502:開度設定器、503:補償量演算器、504:流量制御器、505:切替指示器、506:制御器

Claims (18)

  1. 高炉本体と、
    前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
    前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
    前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
    前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御装置であって、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御手段と、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整手段と、
    前記ガスの流量の設定値を前記高炉の操業実績データに基づいて導出する補償量演算手段と、を有し、
    前記圧力制御手段および前記開度調整手段の一方は、他方が動作しているときには動作せず、
    前記開度調整手段は、前記ガスの流量の設定値および実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする流量制御手段を有し、
    前記ガスの流量の設定値は、前記高炉本体から前記均圧ホッパーの内部に前記ガスの流入がないとした場合の、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介した前記高炉本体への前記高炉原料の落下による前記均圧ホッパーの内部の圧力の一定の低下量を前記ガスの流量に換算した値であり、
    前記補償量演算手段は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることが開始された後に前記ガスを前記均圧ホッパーの内部に供給しないものとした場合、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に圧力低下量だけ低下した後に一定の値になるものとして、ガス吹込量を前記ガスの流量の設定値として導出し、
    前記ガス吹込量は、単位時間当たりの補償圧力と、空間変化容積と、吹込み圧力とに基づいて導出され、
    前記単位時間当たりの補償圧力は、前記均圧ホッパーの内部の圧力の圧力低下加速時間における単位時間当たりの低下量の平均値であり、
    前記空間変化容積は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料を装入することを開始するときの前記均圧ホッパーの内部の空間の容積と、前記均圧ホッパーから単位時間に落下する前記高炉原料の容積との和であり、
    前記吹込み圧力は、前記均圧コントロール弁の出側におけるガスの圧力であり、
    前記圧力低下加速時間は、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に低下する時間であることを特徴とする制御装置。
  2. 前記操業実績データは、前記圧力低下量の実績データと、前記圧力低下加速時間の実績データと、前記均圧ホッパーの内部の圧力に影響を与える複数の操業因子の実績データとを含むことを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  3. 前記複数の操業因子は、前記均圧ホッパー流調ゲートの開度と、前記均圧ホッパーに装入される前記高炉原料の粒度と、前記均圧ホッパーに装入される前記高炉原料の容積とを含むことを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  4. 前記補償量演算手段は、前記操業実績データを用いた重回帰分析を行うことにより、前記圧力低下量と前記圧力低下加速時間とを導出することを特徴とする請求項の何れか1項に記載の制御装置。
  5. 前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定手段を更に有し、
    前記開度調整手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の制御装置。
  6. 前記圧力制御手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を停止することを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  7. 前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったか否かを判定する第2の判定手段と、
    前記第2の判定手段により、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったと判定されてから、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されるまでの間、前記第2の判定手段により、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったと判定されたときの開度に前記均圧コントロール弁の開度を保持する開度設定手段と、を更に有し、
    前記圧力制御手段および前記開度調整手段は、前記開度設定手段により前記均圧コントロール弁の開度が保持されているときは動作せず、
    前記開度設定手段は、前記圧力制御手段および前記開度調整手段が動作しているときには前記均圧コントロール弁の開度を保持しないことを特徴とする請求項に記載の制御装置。
  8. 前記高炉は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことを検出するためのセンサである原料落下確認センサをさらに有し、
    前記開度調整手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を停止し、
    前記圧力制御手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を開始することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の制御装置。
  9. 高炉本体と、
    前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
    前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
    前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
    前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御装置であって、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御手段と、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整手段と、
    前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定手段と、を有し、
    前記圧力制御手段および前記開度調整手段の一方は、他方が動作しているときには動作せず、
    前記開度調整手段は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、
    前記開度調整手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする制御装置。
  10. 高炉本体と、
    前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
    前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
    前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
    前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、
    前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことを検出するためのセンサである原料落下確認センサと、を有する高炉の制御装置であって、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御手段と、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整手段と、を有し、
    前記圧力制御手段および前記開度調整手段の一方は、他方が動作しているときには動作せず、
    前記開度調整手段は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、
    前記開度調整手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を停止し、
    前記圧力制御手段は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を開始することを特徴とする制御装置。
  11. 前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定手段を更に有し、
    前記開度調整手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする請求項10に記載の制御装置。
  12. 前記圧力制御手段は、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を停止することを特徴とする請求項9または11に記載の制御装置。
  13. 前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったか否かを判定する第2の判定手段と、
    前記第2の判定手段により、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったと判定されてから、前記第1の判定手段により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されるまでの間、前記第2の判定手段により、前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になったと判定されたときの開度に前記均圧コントロール弁の開度を保持する開度設定手段と、を更に有し、
    前記圧力制御手段および前記開度調整手段は、前記開度設定手段により前記均圧コントロール弁の開度が保持されているときは動作せず、
    前記開度設定手段は、前記圧力制御手段および前記開度調整手段が動作しているときには前記均圧コントロール弁の開度を保持しないことを特徴とする請求項9または11に記載の制御装置。
  14. 前記開度調整手段は、前記ガスの流量の設定値および実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする流量制御手段を有し、
    前記ガスの流量の設定値は、前記高炉本体から前記均圧ホッパーの内部に前記ガスの流入がないとした場合の、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介した前記高炉本体への前記高炉原料の落下による前記均圧ホッパーの内部の圧力の一定の低下量を前記ガスの流量に換算した値であることを特徴とする請求項9〜13の何れか1項に記載の制御装置。
  15. 前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する前記均圧コントロール弁の開度は、一定の開度であることを特徴とする請求項9〜13の何れか1項に記載の制御装置。
  16. 高炉本体と、
    前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
    前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
    前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
    前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御方法であって、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御工程と、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整工程と、
    前記ガスの流量の設定値を前記高炉の操業実績データに基づいて導出する補償量演算工程と、を有し、
    前記圧力制御工程および前記開度調整工程の一方における動作は、他方における動作が実行されているときには実行されず、
    前記開度調整工程は、前記ガスの流量の設定値および実績値の偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする流量制御工程を有し、
    前記ガスの流量の設定値は、前記高炉本体から前記均圧ホッパーの内部に前記ガスの流入がないとした場合の、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介した前記高炉本体への前記高炉原料の落下による前記均圧ホッパーの内部の圧力の一定の低下量を前記ガスの流量に換算した値であり、
    前記補償量演算工程は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることが開始された後に前記ガスを前記均圧ホッパーの内部に供給しないものとした場合、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に圧力低下量だけ低下した後に一定の値になるものとして、ガス吹込量を前記ガスの流量の設定値として導出し、
    前記ガス吹込量は、単位時間当たりの補償圧力と、空間変化容積と、吹込み圧力とに基づいて導出され、
    前記単位時間当たりの補償圧力は、前記均圧ホッパーの内部の圧力の圧力低下加速時間における単位時間当たりの低下量の平均値であり、
    前記空間変化容積は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料を装入することを開始するときの前記均圧ホッパーの内部の空間の容積と、前記均圧ホッパーから単位時間に落下する前記高炉原料の容積との和であり、
    前記吹込み圧力は、前記均圧コントロール弁の出側におけるガスの圧力であり、
    前記圧力低下加速時間は、前記均圧ホッパーの内部の圧力が、時間の経過と共に直線的に低下する時間であることを特徴とする制御方法。
  17. 高炉本体と、
    前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
    前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
    前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
    前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、を有する高炉の制御方法であって、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御工程と、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整工程と、
    前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったか否かを判定する第1の判定工程と、を有し、
    前記圧力制御工程および前記開度調整工程の一方における動作は、他方における動作が実行されているときには実行されず、
    前記開度調整工程は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、
    前記開度調整工程は、前記第1の判定工程により、前記均圧ホッパー流調ゲート弁の開度が設定値を上回ったと判定されると、動作を開始することを特徴とする制御方法。
  18. 高炉本体と、
    前記高炉本体の上に配置される貯留ホッパーと、
    前記貯留ホッパーの上に配置されるホッパーであって、内部の圧力が前記高炉本体の内部の圧力と略同一にされた状態になった後に、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に高炉原料を装入するためのホッパーである均圧ホッパーと、
    前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーに流入する前記高炉原料の流量を調節するための弁である均圧ホッパー流調ゲート弁と、
    前記均圧ホッパーの内部に供給されるガスの流量を調節するための弁である均圧コントロール弁と、
    前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことを検出するためのセンサである原料落下確認センサと、を有する高炉の制御方法であって、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になるように、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の設定値と、前記均圧ホッパーの内部の圧力と前記高炉本体の内部の圧力との差の実績値との偏差に基づいて、前記均圧コントロール弁の開度を導出し、前記均圧コントロール弁の開度を当該導出した開度にする圧力制御工程と、
    前記均圧ホッパーの内部の圧力と、前記高炉本体の内部の圧力とが略同一になり、前記均圧ホッパーに装入された前記高炉原料が、前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に装入されることが開始された後に、前記均圧コントロール弁の開度を調整する開度調整工程と、を有し、
    前記圧力制御工程および前記開度調整工程の一方における動作は、他方における動作が実行されているときには実行されず、
    前記開度調整工程は、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーを介して前記高炉本体の内部に前記高炉原料が装入されることにより生じる、前記均圧ホッパーの内部の圧力の低下を補償する開度に、前記均圧コントロール弁の開度を調整し、
    前記開度調整工程は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を停止し、
    前記圧力制御工程は、前記原料落下確認センサにより、前記均圧ホッパーから前記貯留ホッパーの内部に全ての前記高炉原料が装入されたことが検出されると動作を開始することを特徴とする制御方法。
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