JP3948162B2 - ベルレス高炉における原料装入方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋回シュートを旋回させて高炉内に原料を装入するベルレス高炉における原料装入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉操業においては、高炉炉頂部での半径方向における粒度分布、およびコークスと鉱石との装入物分布等を適正に制御して、鉱石の還元・溶解を安定にする必要がある。
高炉は軸対称形をなしており、操業の安定にはガス流分布、熱流比分布を高炉の円周方法に均一にする必要がある。しかし、実際の高炉内空間は、付着物の生成や耐火物の損耗などに起因して、必ずしも軸対称とはいえない場合が一般的である。また、高炉の円周方向に数10本配置された羽口についても、その送風量や補助燃料の吹き込み量が等しいとはいえない。
【0003】
そのため、高炉の炉頂における装入物分布や粒径の分布についても、単純な軸対称ではなく高炉内状況や送風条件に対応して、高炉の円周方向において偏差を形成させることが望ましい。
ところで、ベルレス高炉において、その円周方向の装入物分布を制御する方法としては、以下に示すようなものが知られている。
【0004】
まず、特公平1−28086号公報に記載の発明(以下、第1の従来技術という)は、旋回シュートを一定方向に所望の速度で旋回させておき、円周方向の任意に設定された角度範囲においてのみ、流量調整ゲート(開閉弁)を開状態または閉状態にするものである。
次に、特公昭62−32242号公報に記載の発明(以下、第2の従来技術という)は、高炉シャフト部の円周方向の温度分布または熱負荷分布を測定し、熱負荷の低い側では旋回シュートの旋回角速度を大きくし、熱負荷の高い側ではその旋回角度を小さくして装入物の堆積形状の最凸部を変化させることによって、高炉内のガス流れ分布を制御し、円周バランスの安定を図るようにしたものである。
【0005】
さらに、特開平8−246011号公報に記載の発明(以下、第3の従来技術という)は、炉頂ホッパから原料を排出し、原料貯溜室に一時貯溜させ、原料貯溜室の下部に開口位置および開口面積が調整可能な排出ゲートを設け、高炉内容物の高炉内降下が均一になるように、排出ゲートの開口位置および開口面積を調整するようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、第1の従来技術では、流量調整ゲートから原料が排出され、高炉内堆積原料面へ落下するまでに時間を要するため、原料を装入する円周方向の角度範囲の設定は、その原料の落下時間を見込んで設定しなければならない。原料の落下時間は、原料の種類、原料の性状、旋回シュートの傾動角度や摩耗度合いなどにより変化するため、落下位置精度が低下するという不都合がある。
【0007】
特に、旋回シュートの傾動角度は、高炉の操業状態に応じて変更するほか、原料の装入中でも旋回回数ごとに変化させることで半径方向の装入物分布制御を行っており、変更頻度は高い。また、炉頂バンカーから原料を排出しているときに流量調整ゲートを開閉するため、ゲート刃先の摩耗が激しくなるばかりでなく、原料に噛み込みによる設備トラブルを発生させる原因ともなる。
【0008】
また、第2の従来技術では、旋回シュートの加減速により円周方向の装入物分布を制御するために前述の原料の落下時間が短くなり、良好な制御精度が得られる。しかし、旋回回数ごとに旋回シュートを加減速するため、旋回シュート駆動モータなどが過負荷となり、これを解決するためには駆動モータの容量を大きくするなどの対策が必要となる。
【0009】
さらに、第3の従来技術では、新たな設備を必要とするため、設備費用や保全費用が掛かるという不都合がある。
そこで、本発明は、上記の点に鑑み、新規な設備が不要である上に、旋回シュートの駆動モータへの過負荷がなく、かつ高炉の円周方向の装入物分布の偏差制御を精度良くできるようにしたベルレス高炉における原料装入方法を提供することをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、旋回シュートを旋回させて高炉内に原料を装入するベルレス高炉における原料装入方法において、原料の装入開始時、原料の装入途中、および原料の装入終了時のうちの少なくとも1つのタイミングで、旋回シュートの旋回動作を所定時間だけ停止させ高炉内に原料の装入を行うことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のベルレス高炉における原料装入方法において、前記旋回シュートの停止時間と、その停止位置とを任意に設定できるようにしたことを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のベルレス高炉における原料装入方法において、前記高炉内への原料装入の目標時間は、前記旋回シュートの停止時間を考慮して決めるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
このように本発明では、原料の装入開始時、原料の装入途中、、および原料の装入終了時のうちの少なくとも1つのタイミングで、旋回シュートの旋回動作を所定時間だけ停止させ高炉内に原料の装入を行うようにした。このため、新規な機械的な設備が不要である上に、旋回シュートの駆動モータへの過負荷がなく、かつ高炉の円周方向における装入物分布の偏差制御を精度良くできる。
【0013】
また、本発明において、旋回シュートの停止時間と、その停止位置とを任意に設定することができ、この場合には、装入物分布の偏差制御において、任意の制御ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の方法が適用されるベルレス高炉の原料装入装置の構成例について、図1の模式図を参照して説明する。
この原料装入装置は、図1に示すように高炉1の上部に設置され、原料2を貯溜する複数の炉頂バンカ3〜5が並列に配置されたパラレルバンカー型である。炉頂バンカ3〜5の各排出口は、垂直シュート6内に位置するようになっている。また、炉頂バンカ3〜5の各排出口には、その各排出口を開閉する各シール弁7〜9と、開度により原料の流量を調整する各流量調整ゲート10〜12とがそれぞれ設けられている。
【0015】
炉頂バンカ3〜5内に貯溜される原料は、その排出口から垂直シュート6に落下したのち、垂直シュート6の排出口から排出されて旋回シュート13に収容されるようになっている。旋回シュート13は、その傾斜角度が任意に設定できるとともに、その設定された傾斜角を維持した状態で駆動モータ(図示せず)により旋回できるようになっている。
【0016】
なお、この原料装入装置は、複数の炉頂バンカ3〜5を並列に配置したパラレルバンカ型であるが、炉頂バンカの数が異なっても良い。また、これに代えて複数の炉頂バンカを上下方向に配置した垂直型でも良い。
このような構成からなる原料装入装置は、図2に示す制御装置21により後述のように各部が制御されるので、その制御系の構成例について、図2を参照して説明する。
【0017】
制御装置21の入力側には、旋回シュート13の旋回位置(旋回角度)を検出する旋回シュート位置検出器22と、後述の旋回停止時間Toなどの制御に必要な各種のデータを設定するデータ設定器23とが少なくとも接続されている。また、制御装置21の出力側には、その制御対称であるシール弁9、流量調節ゲート12、および旋回シュート13が少なくとも接続されている。
【0018】
なお、図2では、制御装置21の制御対象であるシール弁7、8、流量調節ゲート11、12は省略されている。
次に、以上のような構成からなる原料装入装置を用いた高炉への原料の装入方法について、図面を参照して説明する。
まず、この実施形態に係る方法と従来からの方法との差異を明確にするために、従来からの方法の概要について図3のフローチャートを参照して説明する。
【0019】
この従来方法では、原料を装入するタイミングが検出されると、旋回シュート13が所定の傾斜角度になる(ステップS1)。次に、旋回シュート13の旋回の開始、シール弁9の開動作、および流量調整ゲート12の開動作の各動作が順次行われる(ステップS2〜S4)。この結果、炉頂バンカ5内の原料2が、旋回シュート13内に落下し、この落下した原料2は旋回シュート13の旋回動作により高炉1内に装入されていく。
【0020】
この原料の装入中には、炉頂バンカ5内の原料2が空の状態になったか否かが判定される(ステップS5)。この結果、炉頂バンカ5内の原料2が空の状態になったことが判定されると、流量調整ゲート12の閉動作、シール弁9の閉動作、および旋回シュート13の旋回停止の各動作が順次行われる(ステップS6〜S8)。
【0021】
ここで、第1の従来技術は、上記のように原料の装入中に、旋回シュート13の設定旋回角度を検出し、その角度を検出したときに流量調節ゲートを開閉するものである。また、第2の従来技術は、上記のように原料の装入中に、旋回シュート13の旋回速度を変化させるものである。
次に、この実施形態に係る方法を、図2の制御装置21の制御により実施する場合について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0022】
まず、ステップS11では、旋回シュート13を予め設定されている目標位置にセットさせる。ここで、目標位置とは、データ設定器23により設定できる旋回シュート13の所望の旋回方向の位置(旋回角度)である。この目標位置は、高炉1内の円周方向の位置であって、装入原料を部分的に多く偏在させたい位置に対応する。
【0023】
旋回シュート13の目標位置へのセットが終了すると、次のステップS12では、旋回シュート13が予め設定されている傾斜角度に設定される。その後、ステップS13でシール弁9を開かれ、ステップS14で流量調整ゲート12が所定の開度となる。
流量調整ゲート12が開くと、この時点でタイマ(図示せず)が計数を開始し、次のステップS15では、そのタイマの計数時間が、予め設定されている旋回停止時間Toを経過したか否かが判定される。ここで、旋回停止時間Toとは、原料の装入開始時に旋回シュート13の旋回を停止させておくための時間であり、データ設定器23により任意に設定可能である。
【0024】
このように、旋回停止時間To中は、旋回シュート13が目標位置に停止状態となるので、装入初期の原料は、旋回シュート13が停止状態で高炉1内に装入される。従って、炉頂バンカ5からの1回の装入原料の一部が、その目標位置に対応する高炉1内の円周方向の所望の位置に装入される。
その後、ステップS15において、タイマの計数時間が旋回停止時間Toを経過したことが判定されると、次のステップS16に進む。ステップS16では、旋回シュート駆動モータ(図示せず)の駆動が開始され、これにより旋回シュート13の旋回動作が開始される。旋回シュート13は、旋回の開始後、設定旋回速度まで加速され、加速終了後は一定の速度で旋回するように制御される。
【0025】
このように、旋回停止時間Toの経過後からは旋回シュート13が旋回を開始するので、その開始から停止までの期間は、1回の装入原料の残りが、高炉1内の円周方向に均等に装入されていく。
原料の装入中には、炉頂バンカ5内の原料2が空の状態になったか否かが判定される(ステップS17)。この判定は、例えば炉頂バンカ5の排出口に設けられ、原料が空になったことを検出する原料空状態検出器(図示せず)からのデータにより行う。ステップS17において、炉頂バンカ5内の原料2が空の状態になったことが判定されると、流量調整ゲート12の閉動作、シール弁9の閉動作、および旋回シュート13の旋回停止の各動作が順次行われる(ステップS18〜S20)。
【0026】
このような一連の制御処理により、高炉内の円周方向における装入物分布に偏差を持たせることができる。そして、高炉内の円周方向の所望の位置に原料を多く偏在させたい場合には、その所望の位置を目標位置としてデータ設定器23で設定すれば良い。また、その目標位置に装入する原料の所望の量は、その所望の量に応じた旋回停止時間Toをデータ設定器23で設定すれば良い。
【0027】
ところで、この実施形態にかかる原料の装入方法では、原料の装入中に旋回シュート13を停止させるので、目標旋回数(1回分の原料を装入する場合に、旋回シュート13が旋回する回数)が従来方法と同じでも、目標装入時間(原料の装入に要する時間)を従来方法に比べて長くする必要がある。一般的な公知技術では、目標装入時間に応じて流量調整ゲート12の開度を所定の演算で求め、荷切れ精度(目標旋回数に対する実績旋回数の精度)を確保している。
【0028】
そこで、この実施形態に係る方法の場合には、その演算に用いる目標装入時間Tは、設定旋回停止時間をTo、旋回シュート13の加速度をα〔deg/sec2 〕、設定旋回速度をω〔deg/sec〕、目標旋回数をNとすると、次の(1)式となる。
T=N×(360/ω)+2×(ω/α)+To …(1)
(1)式の右辺の第1項は、設定旋回速度ωが一定で目標回転数Nだけ旋回するのに要する時間で、その第2項は、旋回シュートが停止から設定旋回速度ωまで加速するのに必要な時間である。
【0029】
以上説明したように、この実施形態に係る方法では、上記のような制御により原料の装入を行うので、既存の設備を利用でき特に新規な機械的は機器や設備を必要としない。また、旋回シュート13の旋回角度により目標の原料装入箇所を決め、旋回シュートを停止させた状態で原料を装入するようにしたので、原料の落下時間の変化に対する装入箇所の変動が少なく、位置に対する制御精度が良い。さらに、旋回シュート13の起動は1回の原料の装入につき1回のみであるので、旋回シュート駆動モータに対する負荷が軽減される。
【0030】
ところで、上述の実施形態に係る方法は、原料の高炉1への装入開始直後に、旋回シュート13を旋回停止時間Toだけ停止するものである。しかし、旋回シュート13の旋回停止のタイミングを、炉頂バンカ5内の原料2が空状態になる直前、または原料を高炉1内に装入中の所定のタイミング、例えば旋回シュート13が所定の旋回数になったときとし、この各タイミング時に、旋回シュート13を旋回停止時間Toだけ停止させるようにしても良く、これらの場合にも上記と同様な効果が得られる。
【0031】
ここで、炉頂バンカ5内の原料2が空状態になる直前に旋回シュート13を停止させる方法では、目標装入時間Tを(1)式のように長くしておき、旋回シュート13を停止させるタイミングは、目標旋回数Nに到達する直前の減速に必要な角度分の手前、すなわち(2×ω2/α’)〔deg〕手前とする。なお、α’は、減速時の加速度(正数、deg/sec2 )である。そして、旋回停止時間Toを調整することで、その停止位置に装入される原料の量を増減できる。
【0032】
また、原料を高炉1内に装入中の所定の旋回数目に旋回シュート13を停止させる方法では、旋回シュート13を減速させる動作が加わるので、目標装入時間Tを次の(2)式とし、(1)式と比較して減速に必要な時間(2×ω/α’)の分だけ長くする。
T=N×(360/ω)+2×(ω/α)+(2×ω/α’)+To…(2)
そして、旋回停止時間Toを調整することで、その停止位置に装入される原料の量を増減できる。
【0033】
次に、同一条件の下で、この実施形態に係る方法(原料の装入開始後に旋回シュート13を旋回させる場合)、第1の従来技術に係る方法、および第2の従来技術に係る方法について以下のような比較試験を行ったので、それについて以下に述べる。
ここで、第1の従来技術に係る方法とは、旋回シュート13を一定方向に所望の速度で旋回させておき、円周方向の任意に設定された角度範囲においてのみ流量調整ゲート12を開閉させる場合である。また、第2の従来技術に係る方法とは、原料の装入中に、連続的に旋回シュート13の旋回速度を加減速させる場合である。
【0034】
まず、旋回シュート13を駆動する旋回シュート駆動モータに流れる電流を、各方法について測定した結果を図5に示す。
同図(A)は第1の従来技術に係る方法の場合、同図(B)は第2の従来技術に係る方法の場合、同図(C)はこの実施形態に係る方法の場合である。図5から、この実施形態に係る方法は、第2の従来技術に係る方法に比べて旋回シュート駆動モータに流れる電流の平均値が小さく、第1の従来技術に係る方法と同等であることがわかる。
【0035】
次に、旋回シュート13の傾動角度(傾斜角度)に対する円周方向の原料装入分布の変化を、各方法について測定した結果を図6に示す。
同図(A)は第1の従来技術に係る方法の場合、同図(B)は第2の従来技術に係る方法の場合、同図(C)はこの実施形態に係る方法の場合である。図6から、第1の従来技術に係る方法では、傾動角度により原料の落下速度が変化するために原料が多く堆積する箇所が変化するのに対し、第2の従来技術に係る方法、およびこの実施形態に係る方法では、その箇所が一定に保たれていることがわかる。
【0036】
従って、以上の測定結果によれば、この実施形態に係る方法では、従来、不都合であった旋回シュート駆動モータの過負荷と、傾動角度の変更時における円周方向の装入物分布の制御精度を同時に解決できることが確認された。
次に、原料の装入開始後に旋回シュートの旋回を開始させた場合について、旋回停止時間Toを変化させた場合の円周方法の装入物分布の変化を、模型実験により求めたのでその結果を図7に示す。
【0037】
図7の横軸は旋回停止時間Toであり、その縦軸は{(最大層厚)−(最小層厚)}/(平均層厚)で表される円周方法の装入物分布偏差である。この図7から、旋回停止時間Toの変化によりその偏差が増減できるので、旋回停止時間Toを変更することにより、高炉内の円周方向の装入物分布の偏差を制御できることがわかる。
【0038】
図8は、旋回停止期間中の旋回シュートの旋回角度(旋回位置)を変化させた場合に、これに対応する原料が最大層厚となる円周方向の角度を測定した結果を示す。この結果から、旋回シュートの旋回角度と原料が最大層厚となる円周方向の角度とがほぼ一致するので、旋回シュートの旋回角度を任意に設定することにより、高炉内の円周方向の原料の最大層厚の位置を任意とすることができる。
【0039】
次に、この実施形態による円周方向の装入物分布の制御の効果を、内容積が4500m3 のベルレス式炉頂装入装置を持つ高炉において確認した。図9は、鉱石の高炉への装入時に、溶銑温度の高い出銑口の方向に旋回シュートを停止させてこの実施形態の方法により原料装入を実施した場合の測定例であり、旋回停止時間Toを変化させたときの、溶銑温度偏差ΔTと、溶銑中の濃度偏差Δ[Si]の変化の様子とを、時間(日数)に対して測定した結果のグラフである。このグラフから、この実施形態に係る方法によれば、溶銑性状の偏差を解消できることが分かる。
【0040】
なお、上記の説明では、旋回シュート13を停止させるのは、旋回シュート13の起動時、炉頂バンク5内の原料が空状態になる直前、または原料の装入中における旋回シュート13の所定の旋回回数目として説明したが、これらのうちの複数の各タイミングにおいて、旋回シュート13を複数回停止させるようにしても良い。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、原料の装入開始時、原料の装入途中、、および原料の装入終了時のうちの少なくとも1つのタイミングで、旋回シュートの旋回動作を所定時間だけ停止させ高炉内に原料の装入を行うようにした。このため、新規な機械的な設備が不要である上に、旋回シュートの駆動モータへの過負荷がなく、かつ高炉の円周方向における装入物分布の偏差制御を精度良くできる。
【0042】
また、本発明によれば、旋回シュートの停止時間と、その停止位置とを任意に設定できるようにしたので、この場合には、装入物分布の偏差制御において、任意の制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法が適用されるベルレス高炉の原料装入装置の一例を模式的に示す図である。
【図2】その原料装入装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図3】従来の方法による原料の装入方法を示すフローチャートである。
【図4】この実施形態に係る原料の装入方法を示すフローチャートである。
【図5】従来方法とこの実施形態の方法とを実施した場合に、旋回シュートの駆動モータに流れる電流の比較例を示す図である。
【図6】旋回シュートの傾動角度に対する円周方向の原料装入分布の変化を、各方法について測定した結果を示す図である。
【図7】旋回停止時間Toを変化させた場合の円周方法の装入物分布の変化を、模型実験により求めた結果を示す図である。
【図8】旋回停止期間中の旋回シュートの旋回角度を変化させた場合に、これに対応する原料が最大層厚となる円周方向の角度を測定した結果を示す図である。
【図9】この実施形態による円周方向の装入物分布の制御の効果を示す図である。
【符号の説明】
1 高炉
2 原料
3〜5 炉頂バンカ
7〜9 シール弁
10〜12 流量調節弁
13 旋回シュート
21 制御装置
22 旋回シュート位置検出器
23 データ設定器
Claims (3)
- 旋回シュートを旋回させて高炉内に原料を装入するベルレス高炉における原料装入方法において、
原料の装入開始時、原料の装入途中、および原料の装入終了時のうちの少なくとも1つのタイミングで、旋回シュートの旋回動作を所定時間だけ停止させ高炉内に原料の装入を行うことを特徴とするベルレス高炉における原料装入方法。 - 前記旋回シュートの停止時間と、その停止位置とを任意に設定できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のベルレス高炉における原料装入方法。
- 前記高炉内への原料装入の目標時間は、前記旋回シュートの停止時間を考慮して決めるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のベルレス高炉における原料装入方法。
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JPS62260009A (ja) | ベルレス式高炉のペレツト配合原料装入方法 |
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