JP6743608B2 - 車両用ドアロック装置 - Google Patents
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Description
ラッチは、ストライカと係合しない(車両ドアの閉状態を保持しない)アンラッチ位置と、ストライカを保持可能な(車両ドアの閉状態を保持する)フルラッチ位置と、の間を回転可能である。ポールは、フルラッチ位置に位置するラッチと係合してラッチをフルラッチ位置に保持する係合位置と、ラッチから離間する非係合位置との間を回転可能である。さらに付勢手段の付勢力によって、ラッチは常にアンラッチ位置側に回転付勢され且つポールは常に係合位置側に回転付勢されている。
またハウジングには、車両ドアが閉じたときにストライカが進入するストライカ進入溝が形成されている。
このスイッチレバーは、その被支持部がハウジングに設けられた回転支持軸によって回転可能に支持される。
さらにこのドアロック装置は、捩じりコイルバネであるレバースプリングを備えている。このレバースプリングは、弾性変形した状態でスイッチレバー及びハウジングに取り付けられる。より詳細には、レバースプリングの一端はスイッチレバーに係止され、且つ、レバースプリングの他端はハウジングに係止される。そのため、レバースプリングは、スイッチレバーを一方向に向けて回転付勢する。
さらにこのカーテシスイッチは、車両に設けられた電子制御ユニット(以下、ECUと呼ぶ)に接続されており、ECUは車内に設けられた照明装置に接続されている。
一方、ラッチがアンラッチ位置まで回転すると、スイッチレバーはレバースプリングによる回転付勢力に抗して回転してカーテシスイッチを押圧する。そのため、カーテシスイッチはオン状態となる。このときECUは照明装置を点灯状態にする。
スイッチレバー及びレバースプリングは、以下の第一又は第二の方法によってハウジングに装着される。
まず、作業者が手等によって、スイッチレバーとレバースプリングを一体化させる。
次いで、作業者が手等によって、スイッチレバーの被支持部をハウジングの回転支持軸に回転可能に装着する。
次いで、作業者が手等によって、レバースプリングの両端部の一方をスイッチレバー及びハウジングの一方に係止する。
さらに作業者が手等によって、レバースプリングを弾性変形させながら、レバースプリングの両端部の他方をスイッチレバー及びハウジングの他方に係止する。
まず、作業者が手等によって、スイッチレバーとレバースプリングを一体化させる。
次いで、作業者が手等によって、レバースプリングの両端部の一方をスイッチレバー及びハウジングの一方に係止させ且つレバースプリングの両端部の他方をスイッチレバー及びハウジングの他方に係止する。
さらに作業者が手等によって、スイッチレバーの被支持部をハウジングの回転支持軸に回転可能に装着する。
そのため、スイッチレバー及びレバースプリングのハウジングへの装着作業は容易でなかった。
本発明は、車体に回転可能に支持される車両ドアに固定されるベース部材と、該ベース部材に回転可能に支持される回転レバーと、前記ベース部材と前記回転レバーとの間に設けられ、且つ、所定の態様で弾性変形するように前記ベース部材及び前記回転レバーに係止されたときに前記回転レバーを一方向に向けて回転させる付勢力を発生する付勢手段と、を備え、前記ベース部材が、仮ストッパと弾性変形片との一方を備え、前記回転レバーが、前記仮ストッパと前記弾性変形片との他方を備え、前記回転レバーが回転するときの前記他方の部材の回転軌跡上に前記一方の部材が位置し、前記回転レバーが所定の操作時回転領域よりも前記一方向側に位置する外側位置に位置するときに、前記ベース部材及び前記回転レバーに係止された前記付勢手段が前記付勢力を発生せず、前記回転レバーが前記外側位置から前記操作時回転領域へ回転したときに、前記弾性変形片が弾性変形しながら前記仮ストッパを乗り越え、且つ、前記ベース部材及び前記回転レバーに係止された前記付勢手段が弾性変形して前記付勢力を発生するのがよい。
そして、ベース部材に回転可能に支持され且つ外側位置に位置する回転レバーを、作業者が手等によって操作時回転領域まで回転させると、弾性変形片が弾性変形しながら仮ストッパを乗り越える。そのため、このとき作業者が大きな力を回転レバーに掛けなくても、弾性変形片は仮ストッパを乗り越えられる。即ち、このとき作業者は回転レバーを容易に回転させられる。
また、回転レバーを外側位置から操作時回転領域まで回転させると、付勢手段が弾性変形して、回転レバーを外側位置側に付勢する付勢力を発生する。しかし作業者は、ベース部材によって回転軌跡が定められた回転レバーを回転させることにより、回転レバーを外側位置から操作時回転領域へ移動させる。従って、このとき作業者の手等には付勢手段が発生する付勢力が負荷として掛かるものの、作業者は回転レバーを操作時回転領域まで容易に回転させることが可能である。
前記車体に取付けられたストライカと係合することにより前記車両ドアを閉状態に保持可能なフルラッチ位置と前記ストライカを解放するアンラッチ位置との間の前記操作時回転領域を回転可能なラッチと、
前記ラッチと連動して前記操作時回転領域を回転するレバー又は/及び前記ラッチであるラッチ連動レバーと、
前記車両ドアに回転可能に支持されたハンドルの回転操作に連動して前記操作時回転領域を回転し、且つ、所定のロック解除可能状態において所定方向に回転したときに前記ラッチを前記アンラッチ位置へ回転させるハンドル連動レバーと、
所定位置へ回転したときに前記ロック解除可能状態を作り出すアクティブレバーの回転動作に連動して前記操作時回転領域を回転するアクティブレバー連動レバーと、
の少なくとも一つであってもよい。
しかし本発明をこのように構成すると、回転レバーが操作時回転領域に位置する状態で第二ベース部材を第一ベース部材に装着したときに、第二ベース部材の組立完了時ストッパに対して、付勢手段によって回転付勢された回転レバーが接触する。すると仮ストッパと弾性変形片とが互いに離間する。そのため、仮ストッパから弾性変形片に対して負荷が掛からなくなる。
従って、弾性変形片が仮ストッパを容易に乗り越えられるように弾性変形片の機械的強度を低くしつつ、弾性変形片が破損するおそれを低減できるようになる。
図1に示す車両ドア10は車両の右側のサイドドアであり、その前端部が車体(図示略)に対して上下方向の回転軸まわりに回転可能として支持されている。車両ドア10は、車体の側面に形成された開口部を完全に開放する開位置と、この開口部を塞ぐ閉位置と、の間を車体に対して水平方向に回転可能である。なお、以下の説明中の車両ドア10に関する「前後方向」及び「左右方向(車内外方向)」は、車両ドア10が閉位置に位置する場合を基準とした方向である。
さらにトリム13の上端部には、ロックノブ19が上下方向にスライド自在として設けられている。ロックノブ19はアンロック位置(図1の位置)と、アンロック位置よりも下方に位置するロック位置(図示略)と、の間をトリム13に対してスライド可能である。
図2及び図3等に示すように、ドアロック装置20はラッチユニット25とアクチュエータユニット50とを一体化したものである。
第一ハウジング27の後面には、第一ハウジング27の左端面(車内側端面)から右側に延びるストライカ進入溝28が凹設されている。さらに図4及び図6に示すように、第一ハウジング27の後面には、ストライカ進入溝28を横断する態様でストライカ進入溝28と連続(連通)する取付用凹部29が凹設されている。取付用凹部29の底面には、第一ハウジング27を前後方向に貫通する貫通孔30が形成されている。図示するように貫通孔30は、上下方向に延びる長孔である。
第二ハウジング35の後部及び左側部には、左右方向に延びるストライカ進入溝36が形成されている。
さらに、ラッチ40及びポール45には付勢手段(図示略。例えば、引張バネ)が装着されている。そしてこの付勢手段の付勢力によって、ラッチ40は常にアンラッチ位置側に回転付勢され且つポール45は常に係合位置側に回転付勢されている。
一方、ポール45を付勢手段の付勢力に抗して非係合位置側に回転させると、ラッチ40がアンラッチ位置側へ回転可能となる。そのためラッチ機構は、ストライカを解放可能な「アンラッチ状態」となる。
第一ハウジング52は樹脂製の一体成形品である。
第一ハウジング52の後部にはラッチユニット接続部53が形成されている。
第一ハウジング52は、ラッチユニット接続部53の下方に位置し且つ後方に向かって延びる回転軸54を備えている。さらに第一ハウジング52の第二ハウジング75との対向面には、各軸線が第二ハウジング75側に向かって延びる複数の回転軸55、56、57、58、59が設けられている。回転軸55は端面が開口する円筒形状である。
さらに図9乃至図13、図20及び図21等に示すように、第一ハウジング52の第二ハウジング75との対向面にはレバー案内突起70が第二ハウジング75側に向けて突設されている。図示するように、レバー案内突起70はレバー案内突起68より前方に位置している。さらにレバー案内突起70は、回転軸58の軸線を中心とするレバー案内突起68と略同径の円弧形状である。
さらに、第一ハウジング52の第二ハウジング75との対向面には、回転軸58の近傍に位置するバネ係止部72が第二ハウジング75側に向けて突設されている。
第二ハウジング75の後部にはラッチユニット接続部76が形成されている。
第二ハウジング75の第一ハウジング52との対向面には嵌合突起78が突設されている。また第二ハウジング75の第一ハウジング52との対向面には、軸受部79、80、81、82が形成されている。軸受部79及び軸受部82は第二ハウジング75に形成した凹部であり、軸受部80及び軸受部81は端面が開口する円筒形状である。
さらに広幅部84の第一ハウジング52側の端部は組立完了時ストッパ90により構成されている。図15及び図16に示すように、組立完了時ストッパ90の前方の右側の角部には、組立完了時ストッパ90の前面及び右側面に対して傾斜する傾斜案内面90aが形成されている。
ドアスイッチ93は、本体部94と、本体部94の下端面から下方に突出し且つ本体部94に対して相対回転可能な被押圧凸部95と、を備えている。被押圧凸部95は本体部94に対して左右方向の回転軸まわりに回転可能である。具体的には、図9、図10、図18、図20、図22及び図23に示すオフ位置と、図17、図21及び図24乃至図29に示すオン位置と、の間を回転可能である。さらに、本体部94内に設けた付勢手段によって、被押圧凸部95はオフ位置側に移動付勢されている。
図17及び図18に示すように、第一ハウジング52の第二ハウジング75との対向面にはコネクタ97が固定されている。第一ハウジング52の第二ハウジング75との対向面には、ドアスイッチ93とコネクタ97とを接続するドアスイッチターミナル98が固定されている。コネクタ97は、車体に設けられたECU(Electronic Control Unit。図示略)に対して、図示を省略したケーブルを介して接続される。さらに、ECUは、車両の内面(例えば天井面)に設けられた照明装置(図示略)に接続されている。
アクティブレバー103は、オープンリンク100がアンロック位置に位置するのを許容するアンロック位置(図17及び図18の位置)と、オープンリンク100をロック位置に位置させるロック位置(図示略)と、の間を回転可能である。
アクティブレバー103とロックノブ19とは、図示を省略した操作ワイヤによって連係されている。ロックノブ19がロック位置に位置するときアクティブレバー103がロック位置に位置し、その結果、オープンリンク100がロック位置に位置する。その一方で、ロックノブ19がロック位置からアンロック位置へ移動すると、ロックノブ19の移動力によってアクティブレバー103がアンロック位置へ回転し、オープンリンク100がアンロック位置へ移動する。なお、アクティブレバー103がアンロック位置へ回転したときにドアロック装置20は「ロック解除可能状態」になり、アクティブレバー103がロック位置へ回転したときにドアロック装置20は「ロック解除不能状態」にる。
電動モータ112の出力軸にはウォームギヤ114が固定されている。
第一ハウジング52の回転軸57には図示を省略した円盤状のホイールギヤが回転可能に支持されている。このホイールギヤの外周面に形成されたギヤ歯はウォームギヤ114と噛合している。さらにホイールギヤはアクティブレバー103と連係している。
リモコンが開錠信号(無線信号)を発信すると受信手段(図示略)がこの開錠信号を受信し、さらに受信手段が開錠信号をECUに送信する。するとECUからの信号によって電動モータ112が回転するので、電動モータ112の回転力がウォームギヤ114を介してホイールギヤに伝わり、ホイールギヤが回転する。すると、ホイールギヤと連係するアクティブレバー103がアンロック位置へ回転する。一方、リモコンが施錠信号(無線信号)を発信すると受信手段がこの施錠信号を受信し、さらに受信手段が施錠信号をECUに送信する。するとECUからの信号によって電動モータ112が回転するので、アクティブレバー103がロック位置へ回転する。
インサイドオープンレバー116とインサイドハンドル18は操作ワイヤによって連係されている。
インサイドハンドル18が初期位置に位置するときインサイドオープンレバー116は、図17及び図18に示す非押圧位置に位置する。このときインサイドオープンレバー116はオープンリンク100に対して何ら力を及ぼさない。
その一方で、インサイドハンドル18が初期位置からラッチ解除位置へ移動すると、インサイドオープンレバー116が押圧位置(図示略)へ移動する。オープンリンク100がアンロック位置に位置する場合(即ち、ドアロック装置20が「ロック解除可能状態」にある場合)にインサイドオープンレバー116が押圧位置に移動すると、インサイドオープンレバー116がオープンリンク100を押圧するので、オープンリンク100が所定方向に回転する。また、オープンリンク100がロック位置に位置する場合(即ち、ドアロック装置20が「ロック解除不能状態」にある場合)にインサイドオープンレバー116が押圧位置に移動しても、インサイドオープンレバー116はオープンリンク100を押圧しない。
アウトサイドオープンレバー117はロッドを介してアウトサイドハンドル17に接続されている。
アウトサイドハンドル17が初期位置に位置するときアウトサイドオープンレバー117は図17及び図18に示す非押圧位置に位置する。このときアウトサイドオープンレバー117はオープンリンク100に対して何ら力を及ぼさない。
その一方で、アウトサイドハンドル17が初期位置からラッチ解除位置へ移動するとアウトサイドオープンレバー117が押圧位置(図示略)へ移動する。オープンリンク100がアンロック位置に位置する場合(即ち、ドアロック装置20が「ロック解除可能状態」にある場合)にアウトサイドオープンレバー117が押圧位置に移動すると、アウトサイドオープンレバー117がオープンリンク100を押圧するので、オープンリンク100が上記所定方向に回転する。また、オープンリンク100がロック位置に位置する場合(即ち、ドアロック装置20が「ロック解除不能状態」にある場合)にアウトサイドオープンレバー117が押圧位置に移動しても、アウトサイドオープンレバー117はオープンリンク100を押圧しない。
樹脂製の一体成形品であるスイッチレバー120は、回転軸58に対して回転可能且つ着脱可能に取付けられる円筒状のボス部121を有している。さらにスイッチレバー120は、ボス部121からボス部121の径方向に延びる第一係合アーム122を有している。
図9、図11乃至図14及び図22乃至図29等に示すように、第一係合アーム122の中間部の左側面には、第一係合アーム122よりも反時計方向(前方)に位置し且つボス部121の径方向に延びる第二係合アーム127が設けられている。即ち、第二係合アーム127は第一係合アーム122に対して左側にオフセットしている。さらに図15及び図16に示すように、第二係合アーム127の横断面形状は略矩形である。また、第二係合アーム127の後方の左側の角部には、第二係合アーム127の後面及び左側面に対して傾斜する傾斜案内面127aが形成されている。さらに第二係合アーム127の先端部には、ボス部121の軸線を中心とする円弧形状をなすスイッチ押圧片128が固定されている。
レバースプリング130は、コイル状の本体部131、並びに、本体部131の両端からそれぞれ延びる第一係止片132及び第二係止片133を備えている。本体部131がボス部121の外周側に位置するように、レバースプリング130はスイッチレバー120に装着される。従って、レバースプリング130は本体部131を中心にしてボス部121に対して相対回転可能である。さらに本体部131をボス部121に装着すると、本体部131を中心とする第一係止片132の回転軌跡上にバネ係止部125が位置する。
まず図11に示すように、作業者(図示略)が手でスイッチレバー120を持ちながら、ボス部121を回転軸58に対して装着する。このとき、スイッチレバー120の弾性変形片129bの基端部(前端部)が仮組時ストッパ73の後端部の直下に位置し且つ弾性変形片129bの基端部を除く部分が仮組時ストッパ73より後方に位置するように、スイッチレバー120の回転軸58に対する相対回転位置を調整する。なお、このときのスイッチレバー120の回転軸58に対する相対回転位置を「外側位置」と称する。
さらにレバースプリング130の第一係止片132を前方からバネ係止部125に接触させ且つ第二係止片133を後方からバネ係止部72に接触させる。このときレバースプリング130は自由状態となる。従って、このときレバースプリング130は付勢力を発生していない。
そのためバネ係止部125は、図11に示す位置から回転軸58を中心に反時計方向側に移動する。従って、バネ係止部125が第一係止片132を前方に押圧しながらバネ係止部72に対して接近する。そのため図12に示す状態においてレバースプリング130は弾性変形し、スイッチレバー120(バネ係止部125)を図12の時計方向に回転させる付勢力を発生する。
そのため、スイッチレバー120に対してレバースプリング130の回転付勢力以外の外力を及ぼさないとき、スイッチレバー120は回転軸58に対して図12の時計方向に回転しようとする。しかし図12に示すように、弾性変形片129bの先端部が仮組時ストッパ73に対して後方(下方)から接触したときに、仮組時ストッパ73及び弾性変形片129bによってスイッチレバー120がこれ以上時計方向に回転するのが規制される。換言すると、スイッチレバー120が操作時回転領域から外側位置側へ回転することを仮組時ストッパ73及び弾性変形片129bが規制する。
アクチュエータユニット50を完成させると、第一ハウジング52の回転軸55に対して第二ハウジング75の嵌合突起78が嵌合し、さらに第一ハウジング52の回転軸56、57、58、59が第二ハウジング75の軸受部79、80、81、82に対してそれぞれ嵌合する。
さらに図19に示すように、第一ハウジング52のレバー案内突起68と第二ハウジング75のレバー案内突起83の広幅部84とがスイッチレバー移動許容溝86(隙間)を形成しながら対向し、このスイッチレバー移動許容溝86内にスイッチレバー120の第一係合アーム122が回転可能に位置する。
さらに図20及び図21に示すように、スイッチレバー120の第二係合アーム127はレバー案内突起83の狭幅部85の右側且つ広幅部84の直前に位置する。即ち、スイッチレバー120の第二係合アーム127は、第一ハウジング52のレバー案内突起70と第二ハウジング75のレバー案内突起83(狭幅部85)との間に形成されたスイッチレバー移動許容溝91(隙間)に位置する。このスイッチレバー移動許容溝91の後端部はスイッチレバー移動許容溝86の前端部と連通している。
さらに、図11乃至図14及び図21に示すように、スイッチレバー120のスイッチ押圧片128がレバー案内突起68、レバー案内突起70及びレバー案内突起83の外周側に位置する。
図15の状態から第一ハウジング52の外周縁を第二ハウジング75の外周縁に対してさらに接近させると、組立完了時ストッパ90の傾斜案内面90aによって第二係合アーム127の傾斜案内面127aが前方(図11乃至図14の反時計方向)に押圧される。さらに、前方に押圧された第二係合アーム127が組立完了時ストッパ90の直前に位置すると(図示略)、レバースプリング130が発生する付勢力によって後方(図11乃至図14の時計方向)に回転付勢されている第二係合アーム127の後面が組立完了時ストッパ90の前面に接触し、さらに組立完了時ストッパ90の前面によって第二係合アーム127の後面が前方にさらに押圧される。そのため図14に示すように、それまで互いに接触していた弾性変形片129b及び仮組時ストッパ73が離間する。
さらに、組立完了時ストッパ90によって第二係合アーム127の時計方向への回転が規制されるので、スイッチレバー120が操作時回転領域から外側位置側へ回転することが規制される。即ち、弾性変形片129b及び仮組時ストッパ73が再び接触することが規制される。
さらに図18に示すように、スイッチレバー120の第一係合アーム122の先端部がラッチユニット25の貫通孔30(二点鎖線参照)を貫通する。そして図示は省略してあるが、ラッチユニット25内においてアーム先端部123がラッチ40に対して接触する。すると、スイッチレバー120はラッチ40から受ける反力によって、レバースプリング130の付勢力に抗して図11乃至図14、図17及び図18の反時計方向(即ち、外側位置と反対側)へ僅かに回転する。その結果、第二係合アーム127が組立完了時ストッパ90と当接する位置から反時計方向へ回転するので、第二係合アーム127が組立完了時ストッパ90に対して反時計方向に離間する。即ち、ドアロック装置20の完成状態において、第二係合アーム127と組立完了時ストッパ90とは常に離間する。
また、ラッチ40がフルラッチ位置P1にあるとき、スイッチレバー120の第一係合アーム122の前後方向の水平距離(水平面上における回転軸58からアーム先端部123までの前後方向距離)はLaとなる。この水平距離Laは、回転軸58とラッチ40の両側面のうちスイッチレバー120に対向する側面(ラッチ40の前面)である第二係合面40bとの間の前後方向間隔Lより長い。従って、スイッチレバー120のアーム先端部123は、レバースプリング130の弾性付勢力によってラッチ40の第一係合面40aに上方から当接する。また、スイッチレバー120の第二係合アーム127のスイッチ押圧片128は、ドアスイッチ93の被押圧凸部95から後方へ離間する。従って、スイッチ押圧片128はドアスイッチ93の被押圧凸部95をオフ位置からオン位置へと押圧しない。そのため、ラッチ40がフルラッチ位置P1にあるとき、ドアスイッチ93の作動状態はオフ状態となる。
そのため、この状態で閉位置に位置していた車両ドア10を開くと、ラッチ40がフルラッチ位置P1からアンラッチ位置P4(図28及び図29参照)に向けて回転する。このとき、スイッチレバー120は、第一係合アーム122のアーム先端部123がラッチ40の第一係合面40aによって押し上げられるため、レバースプリング130の弾性付勢力に抗して回転軸58を中心に図22及び図24の反時計方向に回転する。図24及び図25に示すように、ラッチ40がアンラッチ位置P4より手前の切替え位置(スイッチオン位置)P2まで回転したときに、スイッチレバー120のスイッチ押圧片128がそれまでオフ位置に位置していたドアスイッチ93の被押圧凸部95をオン位置へ押圧するので、ドアスイッチ93の作動状態がオン状態になる。その結果、ECUに接続された照明装置が点灯する。
このとき、スイッチレバー120の水平距離Lbは前記水平距離Laより短くなるものの間隔Lを上回る。従って、第一係合アーム122のアーム先端部123は、ラッチ40の第一係合面40aに対して前方へ摺動する。
また、このとき、スイッチレバー120の水平距離Lcは間隔Lより僅かに長くなる。従って、第一係合アーム122のアーム先端部123は、ラッチ40の第一係合面40a上を摺動し、やがて角部40d(第一係合面40aと第二係合面40bとの境界部)へ移動する。
このようにラッチ40が切替え位置P2からアンラッチ位置P4までの回転領域に位置するときに、スイッチレバー120はドアスイッチ93の作動状態をオン状態に維持するようにラッチ40に連動して回転する。
また、第一係合アーム122のアーム先端部123が第二係合面40bを摺動する間は、スイッチレバー120を介してラッチ40に作用するレバースプリング130の弾性付勢力が大きくならない。そのため、ラッチ40の回転動作が不円滑になるのを抑制できる。
しかし作業者は、第一ハウジング52の回転軸58によって回転軌跡が定められたスイッチレバー120を回転させることにより、スイッチレバー120を外側位置から操作時回転領域まで回転させる。従って、このとき作業者の手等にはレバースプリング130が発生する付勢力が負荷として掛かるものの、作業者はスイッチレバー120を操作時回転領域まで容易に回転させることが可能である。
従って、弾性変形片129bが仮組時ストッパ73を容易に乗り越えられるように弾性変形片129bの機械的強度を低くしつつ、弾性変形片129bが破損するおそれを低減できる。そのため作業者は、アクチュエータユニット50及びドアロック装置20を簡単且つ確実に組み立てることが可能である。
例えば、バックドアにドアロック装置20を設けてもよい。
またドアロック装置20を適用するドアの車体に対する回転方向は、水平方向のみならず上下方向であってもよい。
但し、一般的に、第一ハウジング52及びスイッチレバー120は樹脂製の一体成形品である。即ち、第一ハウジング52及びスイッチレバー120は図示を省略した成形型(金型)を用いて製造される。そして、図9及び図10等から明らかなように、第一ハウジング52はスイッチレバー120と比べて大型且つ形状が複雑である。そのため、第一ハウジング52に弾性変形片129bを設けると、第一ハウジング52の構造がさらに複雑になってしまう。そのため弾性変形片129bを有する樹脂製の第一ハウジング52を成形型によって一体成形するのは容易ではない。より具体的には、第一ハウジング52の成形後に成形型を型抜きするのが難しい。
一方、第一ハウジング52に比べて小型且つ形状が単純である樹脂製のスイッチレバー120は、成形型によって一体成形するのが容易である。即ち、この場合はスイッチレバー120の成形後に成形型を型抜きするのが容易である。
ラッチ連動レバー群:ポール45、リフトレバー48、及びスイッチレバー120
ハンドル連動レバー群:インサイドオープンレバー116、及びアウトサイドオープンレバー117
アクティブレバー連動レバー群:オープンリンク100
なお、ラッチ40に本発明を適用する場合は、フルラッチ位置とアンラッチ位置との間の領域がラッチ40の「操作時回転領域」となる。
また、ポール45及び/又はリフトレバー48に本発明を適用する場合は、ラッチ40がフルラッチ位置とアンラッチ位置との間を移動するときのポール45及び/又はリフトレバー48の回転領域が、ポール45及び/又はリフトレバー48の「操作時回転領域」となる。
また、インサイドオープンレバー116に本発明を適用する場合は、インサイドハンドル18が初期位置とラッチ解除位置との間を移動するときのインサイドオープンレバー116の回転領域が、インサイドオープンレバー116の「操作時回転領域」となる。同様に、アウトサイドオープンレバー117に本発明を適用する場合は、アウトサイドハンドル17が初期位置とラッチ解除位置との間を移動するときのアウトサイドオープンレバー117の回転領域が、アウトサイドオープンレバー117の「操作時回転領域」となる。
また、オープンリンク100に本発明を適用する場合は、アクティブレバー103がアンロック位置とロック位置との間を移動するときのオープンリンク100の回転領域が、オープンリンク100の「操作時回転領域」となる。
また、インサイドオープンレバー116に本発明を適用する場合は、インサイドハンドル18を回転付勢する上記付勢手段を省略し、代わりにインサイドオープンレバー116と一体化し且つインサイドオープンレバー116を回転付勢する付勢手段を設ける。
同様に、アウトサイドオープンレバー117に本発明を適用する場合は、アウトサイドハンドル17を回転付勢する上記付勢手段を省略し、代わりにアウトサイドオープンレバー117と一体化し且つアウトサイドオープンレバー117を回転付勢する付勢手段を設ける。
例えば図30乃至図32に示すように、スイッチレバー120を回転付勢する付勢手段を圧縮コイルバネからなるレバースプリング140によって構成してもよい。レバースプリング140の一端部(後端部)はスイッチレバー120の第二係合アーム127に設けられたバネ係止部126に係止される。
このようにして互いに一体化されたスイッチレバー120及びレバースプリング140は、以下の手順によって第一ハウジング52に装着される。
まず図30に示すように、作業者(図示略)が手でスイッチレバー120を持ちながら、ボス部121を回転軸58に対して取り付け、且つ、スイッチレバー120を回転軸58に対して外側位置に位置させる。
さらにレバースプリング140の他端部(前端部)を、第一ハウジング52に設けられたバネ係止部(図示略)に係止させる。このときレバースプリング140は、図30に示すように僅かに湾曲する。しかし、このときレバースプリング140は、スイッチレバー120を図30の時計方向に付勢する回転付勢力を発生しない。
この状態で作業者が手でスイッチレバー120を図30の反時計方向に回転させる。すると図32に示すように、弾性変形片129bがボス部121側に弾性変形しながら(撓みながら)仮組時ストッパ73を乗り越える。即ち、スイッチレバー120が操作時回転領域へ移動する。するとバネ係止部126が回転軸58を中心に図30及び図32の反時計方向に回転し、その結果、レバースプリング140が圧縮される。そのため図32に示す状態においてレバースプリング140は弾性変形し且つスイッチレバー120を時計方向に回転させる付勢力を発生する。
このように作業者は、スイッチレバー120を外側位置から操作時回転領域まで回転させることによりスイッチレバー120及びレバースプリング140を第一ハウジング52に対して仮組みする。このとき作業者の手等にはレバースプリング140が発生する付勢力が負荷として掛かるものの、スイッチレバー120の回転軌跡が第一ハウジング52の回転軸58によって定められているので、作業者はスイッチレバー120を操作時回転領域まで容易に回転させることが可能である。即ち、この変形例で本発明を実施する場合も、上記実施形態と同様の作用効果を得られる。
Claims (5)
- 車体に回転可能に支持される車両ドアに固定されるベース部材と、
該ベース部材に回転可能に支持される回転レバーと、
前記ベース部材と前記回転レバーとの間に設けられ、且つ、所定の態様で弾性変形するように前記ベース部材及び前記回転レバーに係止されたときに前記回転レバーを一方向に向けて回転させる付勢力を発生する付勢手段と、
を備え、
前記ベース部材が、仮ストッパと弾性変形片との一方を備え、
前記回転レバーが、前記仮ストッパと前記弾性変形片との他方を備え、
前記回転レバーが回転するときの前記他方の部材の回転軌跡上に前記一方の部材が位置し、
前記回転レバーが所定の操作時回転領域よりも前記一方向側に位置する外側位置に位置するときに、前記ベース部材及び前記回転レバーに係止された前記付勢手段が前記付勢力を発生せず、
前記回転レバーが前記外側位置から前記操作時回転領域へ回転したときに、前記弾性変形片が弾性変形しながら前記仮ストッパを乗り越え、且つ、前記ベース部材及び前記回転レバーに係止された前記付勢手段が弾性変形して前記付勢力を発生する、車両用ドアロック装置。 - 請求項1に記載の車両用ドアロック装置において、
前記回転レバーが、
前記車体に取付けられたストライカと係合することにより前記車両ドアを閉状態に保持可能なフルラッチ位置と前記ストライカを解放するアンラッチ位置との間の前記操作時回転領域を回転可能なラッチと、
前記ラッチと連動して前記操作時回転領域を回転するレバー又は/及び前記ラッチであるラッチ連動レバーと、
前記車両ドアに回転可能に支持されたハンドルの回転操作に連動して前記操作時回転領域を回転し、且つ、所定のロック解除可能状態において所定方向に回転したときに前記ラッチを前記アンラッチ位置へ回転させるハンドル連動レバーと、
所定位置へ回転したときに前記ロック解除可能状態を作り出すアクティブレバーの回転動作に連動して前記操作時回転領域を回転するアクティブレバー連動レバーと、
の少なくとも一つである、車両用ドアロック装置。 - 請求項1又は2に記載の車両用ドアロック装置において、
前記ベース部材が前記仮ストッパを備え、
前記回転レバーが前記弾性変形片を備える、車両用ドアロック装置。 - 請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用ドアロック装置において、
前記ベース部材が、
前記回転レバーを回転可能に支持し且つ前記付勢手段が係止される第一ベース部材と、
前記第一ベース部材に対して着脱可能な第二ベース部材と、
を備え、
前記第二ベース部材が前記第一ベース部材に装着され且つ前記回転レバーが前記操作時回転領域に位置するときに、前記回転レバーに接触することにより、前記仮ストッパと前記弾性変形片とを離間させ且つ前記回転レバーを前記操作時回転領域に位置させる組立完了時ストッパを前記第二ベース部材が備える、車両用ドアロック装置。 - 請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用ドアロック装置において、
前記ラッチの回転位置を検出するためのスイッチを備え、
前記回転レバーが、前記ラッチと前記スイッチとを連係し且つ前記ラッチの回転位置変化に連動して前記スイッチをオン状態とオフ状態とに切り替えるスイッチレバーである、車両用ドアロック装置。
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