JP6742615B2 - 制振装置 - Google Patents

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本発明は、液体用貯蔵タンク内に配設されて液体揺動を制振する制振装置に関する。
従来の制振装置としては、例えば、以下の特許文献1に記載される制振装置が挙げられる。この文献に記載される制振装置は、ダンパーパネルが上下方向に複数段積み上げられて構成された制振用パネルを備える(例えば、特許文献1の図3参照)。
特開2015−147590号公報
大型の液体用貯蔵タンクでは、そのサイズに合わせて、より大型の制振装置を使用する必要がある。しかしながら、制振装置は、液体を入れる前のタンク内で組み立てられるのが通常であるため、従来の制振装置を大型化すると、組み立てた後の自重による変形が生じ易くなる。
本発明は、自重による変形が生じ難く、大型の液体用貯蔵タンクに対しても適用することが可能な制振装置を提供することを目的とする。
本発明の制振装置は、液体用貯蔵タンク内に配設されて液体揺動を制振する制振装置において、比重の異なる外枠及び内枠が複数のダンパーパネルを介して上下方向に相対移動可能に連結され、且つ隣接する前記ダンパーパネルの間にスリットが形成される枠体を備え、前記液体用貯蔵タンクに貯蔵された貯蔵液体に対して液面から所定深さまでの範囲に位置する状態で浮遊可能に構成されていることを特徴とする。
本構成のごとく、外枠及び内枠という構成を採用することによって、外枠の重さが内枠に直接作用することがなく、また逆に内枠の重さが外枠に直接作用することもないため、自重による変形が生じ難い。さらに、比重の異なる外枠及び内枠が複数のダンパーパネルを介して上下方向に相対移動可能に連結されているため、本構成の制振装置を、液体用貯蔵タンクに貯蔵された貯蔵液体に浮遊させようとした場合、外枠及び内枠のうち比重が大きい方が沈み易く、比重の小さい方が浮き易い。従って、制振装置が上下方向に伸びて大きくなるため、大型の液体用貯蔵タンクに対しても適用することができる。
さらに本発明の制振装置は、前記ダンパーパネルが、長手方向にS字状に弾性変形可能な板状部材で構成されていることを特徴とする。
本構成によれば、ダンパーパネルを長手方向にS字状に変形させることができるため、使用前の制振装置をよりコンパクト化することができる。
さらに本発明の制振装置は、前記ダンパーパネルが、長手方向にスライド伸縮自在な板状部材で構成されていることを特徴とする。
本構成によれば、ダンパーパネルを長手方向にスライドさせて収縮させることができるため、使用前の制振装置をよりコンパクト化することができる。
さらに本発明の制振装置は、複数の前記枠体が横方向に一体に連結されていることを特徴とする。
本構成によれば、適用する液体用貯蔵タンクの大きさに合わせて適宜枠体の数を調節することができる。従って、例えば、平面視において液体用貯蔵タンクの液面全体に亘るように制振装置を設定して、浮遊する制振装置の水平方向の回転運動と水平移動とを規制するように構成することができる。
さらに本発明の制振装置は、前記内枠の比重が、前記外枠の比重よりも大きいことを特徴とする。
本構成の制振装置によれば、液体用貯蔵タンクに貯蔵された貯蔵液体に浮遊した際、外枠が上方に位置し、内枠が下方に位置することになる。従って、制振装置における幅のより大きい部分が、貯蔵液体の液面付近に配置されることになるため、液体揺動の制振効果を一層高めることができる。
さらに本発明の制振装置は、前記貯蔵液体が水溶液であって、前記内枠の比重が1以上であり、且つ全体の比重が1未満であることを特徴とする。
本構成によれば、水溶液である貯蔵液体において、制振装置をより確実に浮遊させて液体揺動を制振することができる。
第1実施形態に係る制振装置の斜視図である。 第1実施形態に係る制振装置を配設した液体用貯蔵タンクの縦断側面図である。 枠体の組み立て方法を示す斜視図である。 組み立て後の枠体の斜視図である。 組み立て後の枠体の一部を拡大した斜視図である。 内枠及び外枠のそれぞれの両端を連結する方法を示す斜視図である。 内枠及び外枠のそれぞれの両端を連結する別の方法を示す斜視図である。 第2実施形態に係る制振装置の一部を示す側面図である。 本発明の制振装置を設置した貯水タンクにおける1次スロッシングモードでの波高の時系列変化を示す実証データである。 本発明の制振装置を設置しなかった貯水タンクにおける1次スロッシングモードでの波高の時系列変化を示す実証データである。
〔第1実施形態〕
本発明に係る制振装置の第1実施形態について図面に基づいて説明する。
(液体用貯蔵タンク)
本発明における液体用貯蔵タンクTとは、水、燃料、化学薬液等の貯蔵液体Rを収容・貯蔵するタンクを意味する。本発明に適用可能な液体用貯蔵タンクTの容器形状としては、例えば、矩形(正方形又は長方形)の横断面形状を有する一般的な箱型容器や、あるいは円形の横断面形状を有する円柱状容器等であっても良い。また、本発明に適用可能な液体用貯蔵タンクTの用途としては、例えば、上水を貯蔵する受水槽や、放射能で汚染された水を貯蔵する汚染水貯蔵用PCタンク等が挙げられる。また液体用貯蔵タンクの大きさについては特に限定されるものではなく、例えば高さ3m×幅3m×奥行3mといった一般的な受水槽に相当する大きさから、例えば内径が20mを超え、有効水深も7mを超えるような大型のPCタンクに至るまで幅広く適用することができる。
(制振装置)
図1に示されるように、本実施形態に係る制振装置1は、平面形状が円形の枠体2を4つ備えて構成されている。4つの枠体2は、前後方向及び左右方向のそれぞれに2つずつ配置されて一体に連結されている。
図3に示されるように、枠体2は、平面形状が円形の外枠3、外枠3よりも小径で且つ平面形状が円形の内枠4、及び外枠3と内枠4とを連結する複数のダンパーパネル5を備えて構成されており、上下方向に延びるスリット6が隣接するダンパーパネル5の間に形成されている。
外枠3と内枠4は、複数のダンパーパネル5を介して上下方向に相対移動可能に連結されている。本実施形態では、図4及び図5に示されるように、ダンパーパネル5が、長手方向にS字状に弾性変形可能な板状部材で構成されている。
また、外枠3の比重と内枠4の比重とはそれぞれ異なる。尚、本実施形態では、内枠4の比重が、外枠3の比重よりも大きくなるように構成されている。
比重の調節については、外枠3及び内枠4のそれぞれに比重の異なる材料を用いて調節しても良いし、あるいは、外枠3及び内枠4のそれぞれに比重調節部材を設けて調節しても良い。
比重調節部材を設ける構成としては、例えば、外枠3及び内枠4のそれぞれにボルト挿通用の貫通孔をいくつか設け、その貫通孔にボルトを挿通させてナットで締結するか、あるいはそれらのボルト及びナットを取り外すことによって比重を調節することができる。この場合、貫通孔に取り付けたボルト及びナットが比重調節部材として機能する。
上述の外枠3、内枠4、及びダンパーパネル5に適用可能な構成材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂素材を挙げることができる。樹脂素材を使用する場合、ダンパーパネル5については、例えば、公知の押出成形方法によって、細長い板状に成形して製造することができる。
また外枠3及び内枠4については、例えば、公知の押出成形方法によって細長い板状に成形した後、図6に示されるように、外枠3の両端3a,3b、及び内枠4の両端4a,4bを適当なジョイント部材7を介して連結するか、あるいは図7に示されるように、外枠3の両端3a,3b同士、及び内枠4の両端4a,4b同士を重ね合わせてボルト及びナット等で固定するなどして、リング状にすることによって製造することができる。
上述のようにして製造した外枠3、内枠4、及び複数のダンパーパネル5について、例えば、これらの部材の所定位置にボルト挿通用の貫通孔を設けて、これにボルトを挿通してナットで締結して連結することにより、枠体2を組み立てることができる。
例えば、図3に示されるように、ダンパーパネル5の一端を外枠3の内側に固定し、他端を内枠4の外側に固定する。この作業を繰り返して、外枠3と内枠4とを複数のダンパーパネル5で連結する。そして、図4に示されるように、複数のダンパーパネル5を、長手方向にS字状に弾性変形させることにより枠体2が完成する。
最後に、組み立てた枠体2の外枠3同士を、例えば、ボルトとナットを用いて横方向に相互に連結して一体にすることよって、制振装置1を組み立てることができる。
尚、上述の制振装置1を構成する枠体2の数や配置の仕方については、本実施形態に限定されるものではなく、適用する液体用貯蔵タンクTの大きさに合わせて適宜設定して良い。
また、上述の制振装置1における枠体2では、外枠3及び内枠4という2つの枠を備える構成が示されているが、この構成に限定されるものではなく、上記外枠3の外側にさらに大径の枠をさらに設けたり、あるいは、上記内枠4の内側にさらに小径の枠を設けるなど、枠の数については必要に応じて適宜調整して良い。このとき、制振装置1が、例えば、大、中、小の3つの枠を備えるような構成においては、それらの比重の大きさは、小枠>中枠>大枠という構成となる。
また、本実施形態に係る制振装置1は、適用する液体貯蔵タンクT内で組み立てることができると共に、制振装置1が不要となった場合や、別の制振装置1と取り換える必要が生じた場合にも、例えば、ボルトとナットの締結を解除することによって、容易に分解することもできる。
(制振装置の使用方法)
次に、本実施形態に係る制振装置1の使用方法について説明する。ここでは、液体用貯蔵タンクとして、円柱状のPCタンクを使用し、当該PCタンクに上述の本実施形態の制振装置1を適用した例を説明する。
上述のようにして組み立てられた制振装置1を収容するPCタンクに対して、貯蔵液体Rを所定量導入する。
このとき、制振装置1は、比重の大きい内枠4が沈み易く、比重の小さい外枠3が浮き易く構成されている。そのため、図2に示されるように、S字状に弾性変形していたダンパーパネル5が外枠3及び内枠4によって上下方向に引き伸ばされる状態となり、制振装置1が上下方向に伸びて大きくなる。
また、図2に示されるように、本実施形態に係る制振装置1は、所謂「フロート式」の制振装置1であって、液体用貯蔵タンクTの内部の貯蔵液体Rに対してその液面WLから所定深さDまでの範囲に位置する状態で、貯蔵液体Rに浮遊するように構成されている。例えば、貯蔵液体Rが水溶液である場合には、内枠4の比重を1以上とし、且つ制振装置1の全体の比重を1未満に設定する。
尚、所定深さDは、十分な制振効果を確保するため、貯蔵液体Rの貯蔵深さFの1/9〜1/3であることが望ましい。本実施形態に係る制振装置1では、貯蔵液体Rの種類に応じて、制振装置1における外枠3及び/又は内枠4の構成材料を変更したり、あるいは比重調節部材を使用するなどして貯蔵液体Rに対する比重を調節することによって、所定深さDとなるように制振装置1の沈み加減を調節すると良い。
また、本実施形態に係る制振装置1の前後方向と左右方向のそれぞれ大きさは、平面視においてPCタンクにおける液面全体に亘るように設定されている。これにより、浮遊する制振装置1の水平方向の回転運動と水平移動が規制される。
(制振装置の制振効果)
本実施形態に係る制振装置1によれば、貯蔵液体Rが制振装置1のスリット6を流通する際のダンパーパネル5による流通制限によって貯蔵液体Rの見かけ上の粘度が上昇するため、貯蔵液体Rの揺動エネルギーが減衰する。
〔第2実施形態〕
以下、本発明に係る制振装置1の第2実施形態について、図面に基づいて説明する。尚、先の第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、異なる構成について主に説明する。
本実施形態の制振装置1における枠体2は、上述の第1実施形態と同様に、平面形状が円形の外枠3、外枠3よりも小径で且つ平面形状が円形の内枠4、及び外枠3と内枠4とを連結する複数のダンパーパネル5を備えて構成されており、上下方向に延びるスリット6が隣接するダンパーパネル5の間に形成されている。
図8に示されるように、外枠3と内枠4は、複数のダンパーパネル5を介して上下方向に相対移動可能に連結されている。本実施形態では、ダンパーパネル5が、外枠3に固定される第1ダンパーパネル5aと、内枠4に固定される第2ダンパーパネル5bとを備えて構成されている。
第1ダンパーパネル5aは、細長い板状の部材であって、長手方向に延びる細隙8が幅方向の中央部に設けられている。第2ダンパーパネル5bは、第1ダンパーパネル5aと略同じ幅と長さを有する細長い板状の部材であって、ピン固定用貫通孔9が所定の位置に設けられている。第1ダンパーパネル5aと第2ダンパーパネル5bとが重ね合わせられて、第1ダンパーパネル5aの細隙8及び第2ダンパーパネル5bのピン固定用貫通孔9に亘るように抜け止め用のピン10が挿入されて固定されている。尚、細隙8の幅は、ピン10の長軸の直径よりもわずかに大きく設定されている。これにより、ピン10が細隙8内を移動できるため、第1ダンパーパネル5aと第2ダンパーパネル5bとが長手方向にスライド伸縮自在に連結される。
また、外枠3の比重と内枠4の比重とはそれぞれ異なる。尚、本実施形態では、内枠4の比重が、外枠3の比重よりも大きくなるように構成されている。
上述の外枠3、内枠4、第1ダンパーパネル5a、及び第2ダンパーパネル5bに適用可能な構成材料としては、例えば、ポリエチレン等の樹脂素材を挙げることができる。樹脂素材を使用する場合、第1ダンパーパネル5aについては、例えば、公知の押出成形方法によって細長い板状に成形した後、公知の穿孔方法によって細隙8を形成して製造することができる。第2ダンパーパネル5bについても第1ダンパーパネル5aと同様に、例えば、公知の押出成形方法によって細長い板状に成形した後、公知の穿孔方法によってピン固定用貫通孔9を形成して製造することができる。
また外枠3及び内枠4については、例えば、公知の押出成形方法によって細長い板状に成形した後、上述の第1実施形態の場合と同様に、その両端を適当なジョイント部材7を介して連結するか、あるいは端部同士を重ね合わせてボルト及びナット等で固定するなどして、リング状にすることによって製造することができる。
上述のようにして製造した外枠3、内枠4、第1ダンパーパネル5a、及び第2ダンパーパネル5bについて、例えば、これらの部材の所定位置にボルト挿通用の貫通孔を設けて、これにボルトを挿通してナットで締結して連結することにより、枠体2を組み立てることができる。
例えば、複数の第1ダンパーパネル5aを外枠3の内側に固定し、さらに複数の第2ダンパーパネル5bを内枠4の外側に固定する。そして、それぞれ対応する第1ダンパーパネル5aと第2ダンパーパネル5bとを重ね合わせて、第1ダンパーパネル5aの細隙8及び第2ダンパーパネル5bのピン固定用貫通孔9に亘るように抜け止め用のピン10を挿入して固定する。これにより、第1ダンパーパネル5aと第2ダンパーパネル5bとが長手方向にスライド移動自在に連結される。
そして、そのようにして組み立てた枠体2の外枠3同士を、例えば、ボルトとナット等を用いて横方向に相互に連結することよって、制振装置1を組み立てることができる。
尚、上述の実施形態では、スリット6及び細隙8をそれぞれ別個に設けてあるが、この構成に限定されるものではなく、例えば、細隙8を設けずに、スリット6の横幅をより狭くして、当該スリット6が細隙8としても機能するような形態としても良い。
(制振装置の使用方法)
次に、本実施形態に係る制振装置1の使用方法について説明する。ここでは、図示しないが、上述の第1実施形態と同様に、液体用貯蔵タンクとして、円柱状のPCタンクを使用し、当該PCタンクに上述の本実施形態の制振装置1を適用した例を説明する。
上述のようにして組み立てられた制振装置1を収容するPCタンクに対して、貯蔵液体Rを所定量導入する。
このとき、制振装置1は、比重の大きい内枠4が沈み易く、比重の小さい外枠3が浮き易く構成されている。そのため、図8に示されるように、外枠3及び内枠4によって、第1ダンパーパネル5aと第2ダンパーパネル5bとが上下方向に引き伸ばされるようにスライド移動し、制振装置1が上下方向に伸びて大きくなる。
また、本実施形態に係る制振装置1は、所謂「フロート式」の制振装置1であり、所定深さD、比重調節、及び前後方向と左右方向のそれぞれ大きさ等の構成については上述の第1実施形態と同様である。
(その他の実施形態)
1.上述の実施形態における枠体の平面形状については円形に限るものではなく、四角形等の多角形状としても良い。また、枠体については、必要に応じて異種形状のものを組み合わせたり、あるいはその大きさを枠体毎に変更するなどしても良い。例えば、大きい円と小さい円と組み合わせたり、あるいは円と四角形とを組み合わせたりする、などである。
2.上述の実施形態において、内枠の比重が、外枠の比重よりも小さくなるように構成しても良い。
3.上述の実施形態において、例えば、外枠、内枠、及びダンパーパネルのそれぞれの両面に、長手方向に延びる複数の溝によって凹凸面を形成するようにして良い。これにより、外枠、内枠、及びダンパーパネルのそれぞれの外周面と貯蔵液体との接触面積がフラットな平板を用いる場合よりも大きくなり、貯蔵液体の見かけ上の粘度がより一層大きくなるため、揺動エネルギーの減衰効果が向上する。
〔実証実験について〕
本発明の制振装置の効果を確認する実証実験を行ったので、その実証実験の条件及び実証結果について説明する。
液体用貯蔵タンクとして、内径0.6m×高さ0.49mの円柱状のタンクを用意した。また制振装置として、上述の第1実施形態に係る制振装置を使用した。本制振装置のサイズを、内枠の内径 約187mm 外枠の内径 約240mm 高さ50mm 厚さ1.5mmに設定し、開口率が約26%となるようにスリットの間隔を設定した。
起振条件として、本タンクに水深167mmまで水を注水したときの本タンクの一次固有振動数である1.1Hzの正弦波を変位±3mmで10波起振する1次スロッシングモードを設定した。そして、液面波高及び自由減衰揺動をレーザー変位計で計測して、上記制振装置を設置した場合と、設置しない場合とで応答波高を比較した。
図9及び図10に示されるように、本発明の制振装置を設置することによって、波高を低減させることができ(波高低減率:63.4%)、スロッシングによる波高を即座に減衰させていることが理解できる。
本発明の制振装置は、例えば上水を貯蔵する受水槽等の小型のタンクから、例えば汚染水貯蔵用PCタンク等の大型のタンクに至るまで、幅広いサイズの液体用貯蔵タンクに使用することができる。
1 制振装置
2 枠体
3 外枠
4 内枠
5 ダンパーパネル
5a 第1ダンパーパネル
5b 第2ダンパーパネル
6 スリット
7 ジョイント部材
8 細隙
9 ピン固定用貫通孔
10 ピン
D 所定深さ
F 貯蔵深さ
R 貯蔵液体
T 液体用貯蔵タンク
WL 液面

Claims (6)

  1. 液体用貯蔵タンク内に配設されて液体揺動を制振する制振装置において、
    比重の異なる外枠及び内枠が複数のダンパーパネルを介して上下方向に相対移動可能に連結され、且つ隣接する前記ダンパーパネルの間にスリットが形成される枠体を備え、前記液体用貯蔵タンクに貯蔵された貯蔵液体に対して液面から所定深さまでの範囲に位置する状態で浮遊可能に構成されていることを特徴とする制振装置。
  2. 前記ダンパーパネルが、長手方向にS字状に弾性変形可能な板状部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  3. 前記ダンパーパネルが、長手方向にスライド伸縮自在な板状部材で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  4. 複数の前記枠体が横方向に一体に連結されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の制振装置。
  5. 前記内枠の比重が、前記外枠の比重よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制振装置。
  6. 前記貯蔵液体が水溶液であって、前記内枠の比重が1以上であり、且つ全体の比重が1未満であることを特徴とする請求項5に記載の制振装置。
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