JP6742318B2 - 喫食時・嚥下時の食塊の挙動や食感を推定する計測装置及び方法 - Google Patents

喫食時・嚥下時の食塊の挙動や食感を推定する計測装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、喫食や嚥下時の食塊の挙動や食感を推定するための、特性を計測する装置に関する。また、本発明は、装置が実現する疑似嚥下現象を利用して動的特性を得る方法に関する。
日本人の死因の第三位は肺炎であり、高齢者の肺炎の90%以上は誤嚥性肺炎と言われている。高齢者が肺炎になった場合、入院期間が長くなり、急速に体力等が低下し、フレイル(高齢になって筋力や活力が衰えた状態)やサルコペニア(加齢性筋肉減弱の現象)等になるリスクがある。健康寿命の延伸や医療費の抑制のために、嚥下時の生体のメカニズムならびに嚥下時の食塊の挙動について注目が集まっている。
嚥下とは、口腔内に取り込まれた食品(飲料を含む)を、咽頭・食道を経て胃に送り込む反射運動である。嚥下時には、口腔、咽頭、喉頭、食道の筋が、短時間のうちに決められた順序で活動し、複雑な運動を遂行している。
これまで嚥下時の食塊の挙動を模擬する技術としては、コンピューターを用いた嚥下動態シミュレーターが開示されている(特許文献1、2)。特許文献1は、口腔モデリング、器官特性設定部、器官運動設定部、食品物性設定部、運動部、物性決定部、制御部からなる嚥下シミュレーション装置を開示する。
コンピューター上で、嚥下動態と食塊挙動を模擬できる。嚥下時の食塊流下速度、加速度、せん断速度、せん断応力、食物の粘度、生体器官に掛かる力、エネルギー等を抽出できる。任意の時間、位置のデータの抽出のみならず、嚥下動作中の物理量の経時変化を抽出できて、視覚的に可視化や定量化できる。
特許文献2は、頭頸部モデリング部、器官運動設定部、経口摂取品物性設定部、擬似経口摂取品を口腔内に入力する入力部と運動解析部、物性決定部、制御部からなる嚥下シミュレーション装置を開示する。
コンピューター上で、嚥下動態と食塊挙動を模擬できる。嚥下時の食塊流下速度、加速度、せん断速度、せん断応力、食物の粘度、生体器官に掛かる力、エネルギーなどを抽出できる。任意の時間、位置のデータの抽出のみならず、嚥下動作中の物理量の経時変化を抽出できて、視覚的に可視化や定量化できる。
また、嚥下時の食塊の挙動を模擬する技術としては、粉末蒸着法によって作製された、実物の大口腔咽頭模型を用いて、疑似食品の滑落速度、滑落様相、滑落経路を測定できる。嚥下造影写真に基づいて、速度を算出する方法が開示されている(非特許文献1参照)。
さらに、食品と壁面の撥水性(もしくは濡れ性)を考慮した計測としては、微小液滴を対象とした物理量の計測方法が開示されている(特許文献3、4)。特許文献3は、上面から試料を照らす光源と、試料を上から撮影した上方映像データをパソコン本体に送る上面測定用カメラと、側面から照らす光源と横から撮影した側方映像データをパソコン本体に送るカメラと、液体試料、固体試料への着滴位置を調整する試料台と、映像データを演算処理するパソコン本体からなる、ぬれ性の評価装置を開示する。液滴を側面から捉えて、接触角・液径・液高・液量を計測・算出できる他、側面と同時に撮影した上面から捉えて、液滴の真円度と、ぬれ面積による撥水性を評価できる。
特許文献4は、固定表面において、液滴が移動する際に、移動方向に対して側面から見て、液滴外周と固体表面が交わる両側の2点のうち、移動方向側の1点の加速度を、カメラで計測する、液滴移動挙動の測定方法を開示する。動的滑落法による動的接触角を測定でき、移動距離、速度、加速度、上面を観察できて、液滴内部の流動の速度分布から、せん断速度、せん断応力を測定できる。
国際公開2013/146436 特開2013−202119号公報 特開2011−064586号公報 特開2006−078477号公報
飯田他, 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌,13,3,p.215−224,2009
発明者らは嚥下時の食塊の挙動を模擬するために、コンピューターを用いた嚥下動態シミュレーターを開発した(特許文献1、2参照)。嚥下動態シミュレーターでは、嚥下造影などの医療画像と比較し、非常に高い精度があることを確認している。したがって、このシミュレーターから算出された、様々な物理量(速度、加速度、圧力、力、せん断応力など)、食塊形状ならびに流下経路は、比較的正しいと考えられる。一方、実際の嚥下では、食品物性に合わせて動作するため、嚥下動態シミュレーターで食品の物性を解析するには、食品物性に応じた嚥下モデルを作成する必要がある。嚥下モデルの作成には多くの時間と手間がかかるため、現在の技術では1年に数モデルしか作成することができない。よって、多種多様な食品毎ならびに患者の生体形状にあわせた詳細なコンピューターシミュレーションを行うことは、現在の技術では現実的ではない。
そこで、非特許文献1にあるような、粉末蒸着法によってつくられた、正確な口腔咽頭形状を有する固定モデル(動くことができない石膏モデル)を用いて、疑似食塊の滑落速度や滑落形状、滑落軌跡を計測する方法が考えられる。しかし、この方法では時間的、空間的分解能が低い医療画像(時間分解能:1/10〜1/30sec程度, 空間分解能:0.5〜1mm程度)から、速度などを計測する必要があり、精度の面で課題が残る。また、コンピューターシミュレーションの結果から、嚥下現象には壁面の撥水性(もしくは濡れ性)が大きく関与することがわかっているが、非特許文献1の方法では壁面の物性を変えることは困難である。また、この方法では速度と滑落形状、滑落軌跡の情報しか抽出できず、その他の力学的な物理量を計測することが困難である。
食品と壁面の撥水性(もしくは濡れ性)を考慮した計測としては、微小液滴を対象とした特許文献3、4の方法が一般的である。双方の計測方法に共通して言える課題は、液滴径の大きさによってその計測される物理量の値が異なるという点である。つまり、実際の食塊のスケール(マクロスケール:mLオーダーの食塊)と計測のスケール(ミクロスケール:μLオーダーの液滴)が1000倍以上異なるため、これら汎用の計測機器で測定した各種特性が実際の食塊嚥下の特性と合わない。
個別の技術の課題を整理すると、特許文献3の計測機器の場合、μLオーダーの微小液滴に関して、液滴を側面からとらえ、接触角・液径・液高・液量を計測・算出するほか、同時に撮影した上面からとらえた液滴の真円度と、ぬれ面積による撥水性の評価が可能である。つまり、液滴の撥水(濡れ)性を多面的に観測できるメリットがある。しかし、この技術の場合、固定した板の上の現象の観察にすぎず、マクロスケールの食塊の動的に移動する際の計測については困難である。
一方、特許文献4の計測機器の場合、微小液滴に関して、動的滑落法による動的接触角測定、移動距離、速度、加速度、液滴内部流動の速度分布からせん断速度、せん断応力を測定可能である。しかし、この計測機器の場合、側面方向からの測定が基本であり、マクロスケールの食塊について、異なる2方向からの同時計測を想定していない。
従って、多種多様な食品物性、壁面特性値を有する素材について対応でき、時間、空間分解能の面からみても非常に高い精度で、実際の喫飲量のオーダーに近いマクロスケールの食塊について、動的に移動する際の力学的な物理量と特性値を多方向から、多面的に測定、評価、数値化できる計測装置、すなわち、喫食や嚥下の現象(状態)を模擬した上で、食塊の挙動や食感を定量的に評価(推定)する計測装置と計測方法を課題とする。
本発明者は、傾斜した板の上に生体表面を模擬する素材を設置し、その上に、所定量の試料を供給し、傾斜板上を流下又は滑落する試料の挙動を複数のセンサと複数のカメラで多面的に捉えて、疑似嚥下現象を精度高く、定量的に妥当に評価できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の計測装置は、食塊の嚥下状態を模擬的に再現し、食塊としての試料の運動及び形状を計測するための計測装置であって、傾斜面を有する傾斜部材と、前記傾斜面上に前記試料を供給する供給部と、前記供給部から前記傾斜面上へ供給された前記試料を検出する供給センサと、前記傾斜面上の所定の地点を流下又は滑落する前記試料を検出する到達センサと、前記供給センサ及び前記到達センサによる前記試料の検出タイミングを記録するタイミング記録部と、前記傾斜面上を移動する前記試料を前記傾斜面の上方から撮像して上面画像を生成する上面カメラと、前記傾斜面上を流下又は滑落する前記試料を前記傾斜面の側方から撮像して側面画像を生成する側面カメラと、前記タイミング記録部の出力、前記側面画像、及び前記上面画像の少なくとも一つを使用して、前記傾斜面上を流下又は滑落する前記試料の状態を表す状態パラメータを演算する演算部とを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、多種多様な食品について、喫食時・嚥下時の食塊の挙動(動的物性)を、精度よく定量的に計測や評価する装置を提供できる。この計測した物性値はコンピューターを用いた嚥下動態のシミュレーションに必要な初期のデータに利用できる。そして、動的物性と嚥下動態のシミュレーションを対比しながら、嚥下動態のシミュレーションの計算結果の妥当性を客観的に評価や確認するために利用できる。また、動的物性と官能評価を対比しながら、官能評価の解析結果の妥当性を客観的に評価や確認するために利用できる。また、前記動的特性と官能評価をリンクさせれば、官能評価のみに頼っていた食感をより客観的に評価することができる。さらには、喫食・嚥下困難者(高齢者など)に適合しやすい食感などを動的物性から推定し、このために必要な食品の設計(開発、改良)に活用できる。
図1は、喫食・嚥下の特性の計測装置の概略図を示す。 図2は、計測データの一例(上部到達センサ、中部到達センサ、下部到達センサ、ノズル先端センサ、圧力値)を示す。 図3(a)〜図3(e)は、傾斜板流下時の水食塊先端形状を示す側面画像を示す。 図4(a)〜図4(e)は、傾斜板流下時のとろみ調整食品の食塊先端形状を示す側面画像を示す。 図5は、食塊(水)の拡散面積の経時変化を示す。 図6は、食塊(とろみ調整食品)の拡散面積の経時変化を示す。 図7は、濃度の異なる試料における流下速度の比較を示す。 図8(a)〜図8(d)は、異なる試料濃度における試料の流下形状を示す。 図9(a)〜図9(d)は、異なる試料濃度における試料の流下時の拡散面積の比較を示す。 図10は、薄いとろみのフローカーブを示す。 図11は、濃いとろみのフローカーブを示す。 図12は、種類の異なるとろみ調整食品ならびに濃度における流下時間を示す。 図13は、種類の異なるとろみ調整食品ならびに濃度における流下速度を示す。 図14(a)〜図14(d)は、流下時の食塊先端形状(薄いとろみ)を示す側面画像を示す。 図15(a)〜図15(d)は、流下時の食塊先端形状(濃いとろみ)を示す側面画像を示す。 図16(a)〜図16(d)は、異なる試料における傾斜板流下時のマクロスケールの動的接触角の側面画像を示す。 図17(a)〜図17(d)は、上部センサに食塊が到達した瞬間の拡散面積(傾斜板の上部領域)の上面画像を示す。 図18(a)〜図18(d)は、中部センサに食塊が到達した瞬間の拡散面積(傾斜板の中部領域)の上面画像を示す。 図19(a)〜図19(d)は、下部センサに食塊が到達した瞬間の拡散面積(傾斜板の下部領域)の上面画像を示す。 図20は、異なる試料における拡散面積(計測エリア別)を示す。 図21は、上部観察エリアにおける流下軌跡から得られる最大長さの比較を示す。 図22は、上部観察エリアにおける流下軌跡から得られる最大幅の比較を示す。 図23は、壁面せん断応力の違いを示す。 図24は、壁面に掛かる力の違いを示す。 図25は、壁面で消費されるエネルギーの比較を示す。 図26は、試料がノズルから吐出されてから上部到達確認センサの検出位置に到達するまでの到達時間を示すグラフを示す。 図27は、上部到達確認センサの検出位置よりも上流の傾斜面を流下する試料の拡散面積を示すグラフを示す。 図28は、上部到達確認センサの検出位置よりも上流の傾斜面を流下する試料の拡散面積速度を示すグラフを示す。 図29は、上部到達確認センサの検出位置と中間部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料の区間速度を示すグラフを示す。 図30は、上部到達確認センサの検出位置と中間部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料の拡散面積を示すグラフを示す。 図31は、上部到達確認センサの検出位置と中間部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料の拡散面積速度を示すグラフを示す。 図32は、中間部到達確認センサの検出位置と下部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料の区間速度を示すグラフを示す。 図33は、中間部到達確認センサの検出位置と下部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料の拡散面積を示すグラフを示す。 図34は、上部到達確認センサの検出位置と下部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料の区間速度を示すグラフを示す。 図35は、試料の接触角を示すグラフを示す。 図36は、試料の厚さを示すグラフを示す。 図37は、試料のせん断速度を示すグラフを示す。 図38は、試料の粘度を示すグラフを示す。 図39は、従来の評価法による種類の異なる発酵乳食品の試料の評価マッピングを示す。 図40は、傾斜面に対する試料のせん断応力を示すグラフを示す。 図41は、傾斜面に対する試料の力を示すグラフを示す。 図42は、傾斜面に対する試料の仕事量を示すグラフを示す。 図43は、傾斜面に対する試料の仕事率を示すグラフを示す。 図44は、傾斜面に対する試料の付着性を示すグラフを示す。 図45は、試料の仕事率と付着性とを組み合わせたマッピングを示す。 図46は、試料の拡散面積と拡散速度とを組み合わせたマッピングを示す。 図46は、試料の流下速度を示すグラフを示す。 図48(a)は、シリコンの傾斜面上を流下する試料の側面画像を示し、図48(b)は、親水性PVAの傾斜面を流下する試料の側面画像を示す。 図49は、喫食・嚥下の特性の計測装置の概略図を示す。
図1に、本実施形態の計測装置を示す。本計測装置は、食塊の嚥下状態を模擬的に再現し、模擬的な食塊としての試料の運動及び形状を計測するための計測装置である。同図に示すように、本計測装置は、150mm×100mmの傾斜面を有する傾斜部板と、傾斜面上に試料を供給する供給部(a)と、供給部(a)から傾斜面上へ供給された試料を検出する供給センサ(c)と、傾斜面上の所定の地点を流下又は滑落する試料を検出する到達センサ(d)、(e)、(f)と、供給センサ(c)及び到達センサ(d)、(e)、(f)による試料の検出タイミングを記録するタイミング記録部として各センサ(c)、(d)、(e)、(f)の出力を記録するデータロガー(i)と、傾斜面上を流下又は滑落する試料を傾斜面の上方から撮像して上面画像を生成する上面カメラ(h)と、傾斜面上を流下又は滑落する試料を傾斜面の側方から撮像して側面画像を生成する側面カメラ(g)と、データロガーの出力、側面画像、及び上面画像の少なくとも一つを使用して、傾斜面上を流下又は滑落する試料の状態を表す状態パラメータを演算する演算部(コンピュータ、図示せず)とを備えている。
供給部(a)は、傾斜面の上方に配置されたノズルと、ノズルに所定量の試料を供給するピストンポンプ(a)とから構成されている。ノズルの先端は、傾斜面の上部で、傾斜面から25mm上方に配置されているが、ノズルに位置や高さは任意に設定できる。また、ノズルには、ノズル内の圧力を検出する圧力センサ(b)が取り付けられている。
到達センサは、上部到達確認センサ(上部センサ)(d)と、下部到達確認センサ(下部センサ)(f)と、中間部到達確認センサ(中間センサ)(e)とから構成されている。
上部到達確認センサ(d)は、傾斜面上の第1の地点を流下又は滑落する試料を検出する。第1の地点は、傾斜板の上縁から50mm下がった位置である。下部到達確認センサ(f)は、傾斜面上の第2の地点を流下又は滑落する試料を検出する。
第2の地点は、第1の所定センサから傾斜面の最大傾斜角度方向に沿って40mmだけ離間した位置である。そして、上面カメラ(h)は、上部到達確認センサ(d)の出力をトリガとして、試料を撮像する
中間部到達確認センサ(e)は、第1の地点と第2の地点との間の第3の地点を流下又は落下する前記試料を検出する。第3の地点は、第1の地点から20mm下がった位置であり、第1の地点と第2の地点との丁度中間点である。そして、側面カメラ(g)は、中間部到達確認センサ(e)の出力をトリガとして、試料を撮像する。
これらの各センサ(d),(e),(f)は、光学的に前記試料を検出する光学センサである。
本実施形態の動的な食塊の挙動及び/又は食感を推定する計測装置(以下、本発明の装置)では、食塊に関する各種の動的特性を同時にかつ、同調させながら計測する。すなわち、本発明は、動的な食塊に関する各計測値を時間、位置、形状をリンクさせながら、定量的に計測や評価する装置である。本発明の装置は、短時間に簡易な操作で、食塊の動的物性を計測や評価できるにも関わらず、その計測の精度や妥当性が高い点で優れる。
本実施形態において、食塊とは、人が飲み込みやすい形状にした食品(飲料含む)の塊、又は、本発明の装置で計測する際の1回分の形状や量を意味する。
傾斜面上に供給される試料は、一度に経口摂取される食塊の体積と同等の1ml以上50ml以下の体積を有することが好ましい。また、試料は、1m(g)以上50m(g)以下の質量を有することが好ましい。
本実施形態において、食感とは、食品を喫食した際に感じる五感のうち、歯や舌を含む口腔内や咀嚼に伴って動く生体器官の感覚(触覚)を意味する。
本実施形態において、傾斜板の傾斜面は嚥下時の口腔、咽頭、喉頭を模擬しているため、得たい情報によって傾斜面の角度は適宜変更できる。傾斜面は、たとえば、設置面に対して30〜80°、より好ましくは30〜70°、さらに好ましくは40〜65°、最も好ましくは45〜60°に傾ける。
傾斜板の形状は、試料(食塊)の形状や量によって適宜選択できる。たとえば、円柱、楕円柱、直方体、3次元プリンターなどから製作される複雑な人体の生体器官の形状等が挙げられる。センサを平行に設置しやすい観点から、直方体が好ましい。
傾斜板の大きさは、試料(食塊)の形状や量によって適宜選択できる。たとえば、直径5〜30cm、高さが0.2〜2cm、あるいは縦(長さ)5〜30cm、横(幅)2〜10cm、厚さ0.2〜2cmの直方体等を例示できる。
傾斜板の傾斜面の素材は、嚥下時の口腔、咽頭、喉頭などの生体表面を模擬する物性になるように、適宜選択すればよい。たとえば、合成樹脂(シリコン、ウレタン、エポキシレジン、ヨウ素化ポリマー)や天然物(天然ゴム)等の一種類以上を選択してもよい。傾斜板は、合成樹脂や天然ゴム等を所定量の比率で配合して、加熱、UV処理、冷却、プラズマガス処理、コーティング処理等の加工や3Dプリンター等を利用して作製してもよい。また、傾斜板は、安定した計測、素材・形状の変更や設置が容易になるように、2層以上の異なる素材で構成してもよい。
また、傾斜板の傾斜面は、ポリビニルアルコール(PVA)を利用した疑似生体材料(親水性PVA)で形成してもよい。親水性PVAとしては、例えば、特開2007−31634号公報に記載の水性ゲル組成物を利用することができる。この水性ゲル組成物は、鹸化度が97モル%以上でかつ重合度が500〜3000の第一のPVAと、鹸化度が70〜90モル%でかつ重合度が500〜3000である第二のPVAとを含み、含水率が70〜95重量%であると規定されている。また、親水性PVAとしては、水、PVA、及びジメチルスルホスキドを混合したものを用いて形成してもよい。
本実施形態において、試料を供給する供給部(a)とは、食具やチューブ等に食塊(試料)を一定量に保持できる形態であればよい。ゼリー、プリン等の食品が固形物の場合では、食具で一回分を載せられる大きさであればよい。供給部(a)は、食塊(試料)の量や食塊(試料)の温度、pH等の条件に耐えられる素材で構成する。たとえば、合成樹脂のスプーンが挙げられる。さらに、本発明の一態様において、試料を食具等の上に設置する場合は、食具をサーボ駆動装置で動かし、試料を一定のタイミングや速さで滑落することが、精度(再現性)の観点から好ましい。
本実施形態において、試料がゼリー、プリン等の固形物よりも軟らかいゲル状や液状の食品や飲料であれば、1回分の量を正確にかつ同じ速度で排出(吐出)できるように、供給部1回分の量を正確にかつ同じ速度で排出(吐出)する構造や形状にすることが好ましい。たとえば、所定量の試料をビーカーに入れ、高性能ピストンポンプ、たとえばHIBAR社:形式2BC10J23を使用し、ポンプの制御には空気圧でのピストンの調整を行うコントローラ、たとえばHIBAR社:形式UNIMATIC CP50を用いることができる。ビーカー等の容器にいれた試料はポンプによって自吸され、ノズルを通して傾斜板上に排出(吐出)される。
容器内の試料の温度を一定にしたいときには、恒温槽や攪拌機等を取り付けてもよい。ノズルまでの中部についても保温や加温をしてもよい。
本実施形態において、供給センサ(c)、即ち、供給部の排出確認センサ(c)とは、供給部から傾斜面状へ供給される試料を検出するためのセンサであり、換言すれば、食塊(試料)が排出された時間を検知するためのセンサである。供給部の排出確認センサ(c)は、力、圧力、振動、光等の物理量を経時的に計測できればよい。光電管等の光学的センサを利用してもよい。たとえば、吐出の確認用レーザーセンサーは、株式会社キーエンス:センサ:LV-NH42, アンプ:LV-N11MN等を用いることができる。排出確認センサ(c)の出力値等のデータは自動、又は手動でデータ解析用のコンピューターに転送される。
本実施形態において、供給部の圧力センサ(b)とは、食塊(試料)が排出された時間を検知するためのセンサである。供給部の圧力センサ(b)は、供給部における食塊(試料)の圧力を経時的に計測できればよい。圧力センサ(b)は食品のmLオーダーの微量な圧力を検出できるセンサがよく、たとえば、センサは、株式会社キーエンス:(A)P-10S、アンプは、株式会社キーエンス:(A)P-V80を例示できる。圧力センサ(b)の出力値等のデータは、自動又は手動でデータ解析用のコンピューターに転送することが好ましい。
本実施形態において、食塊(試料)の形状を捉えるカメラは、レンズを介して被写体(試料)の動きを撮像素子(CCD等)で捉えて、画像処理し、記録を時間の経過毎に記録する機能を備える。食塊(試料)の経時的に変化する面積や形状を捉えるために、上面から試料を捉える上面カメラ(h)は、動画又は静止画を撮影できる機能を備える。試料の動きを把握する場合には、動画の撮影がより好ましい。より好ましくは、上面カメラは(h)、高速、高密度(時間分解能:1/250sec 以上, 空間分解能:100μm以下)の動画を撮影できるデジタルカメラが好ましい。たとえば、上面カメラ(h)は、株式会社キーエンス:VW-600を例示できる。また、食塊(試料)の動画は、目視で確認するためだけでなく、拡散軌跡の変化を拡散面積に換算して、食塊(試料)の拡散面積を定量することにも利用する。具体的には、食塊(試料)の画像は、画像処理ソフトを用いて2値化され、試料の滑落時又は流下時の拡散面積を求める。画像処理ソフトとしては、たとえばNational Institutes of Health:Image JやMathworks, Matlabを例示できる。
また、食塊(試料)を側面から捉える側面カメラ(g)では、動画及び静止画のいずれか一方又は両方を撮影してもよい。側面カメラ(g)が動画を撮影する場合、傾斜板の食塊の挙動と動画とを同期化させるために、食塊の通過を捉えるセンサを備えることが好ましい。側面カメラ(g)が静止画を撮影する場合では、食塊の先端を捉えるために傾斜板の一つにトリガを設置することが好ましい。装置をコンパクトにする観点、ならびに実験データの小容量化の観点から、食塊(試料)を側面から捉える側面カメラ(g)は静止画が好ましい。静止画を撮影する側面カメラ(g)は、たとえば、株式会社キーエンス:CV-3500等を例示できる。食塊(試料)の動画又は静止画を、画像処理ソフトで2値化して、試料の拡散面積を計測できる。画像処理ソフトとしては、たとえばNational Institutes of Health:Image JやMathworks, Matlabを例示できる。これらの食塊(試料)の画像は、食塊(試料)の滑落時又は流下時の食塊(試料)の厚さや動的接触等を計測するために用いられる。
上面から食塊(試料)を捉える上面カメラ(h)は、傾斜板と連動して動くことができる。すなわち、傾斜板の角度を変えた場合は、その角度に追従してカメラの角度も変わる。この上面カメラ(h)は常に傾斜板の平面の鉛直上向きに設置してあることが望ましい。側面から食塊(試料)を捉える側面カメラ(g)も同様に、傾斜板の角度に追従して、傾斜板の傾斜方向に対して常に直角方向に設置される必要がある。たとえば、食塊(試料)の画像は、画像処理ソフトを用いて2値化され、試料の滑落時又は流下時の拡散面積を計測するために用いられる。
画像データや2次化したデータは、自動、もしくは手動でデータ解析用のコンピューターに転送される。
本実施形態において、タイミング記録部としてのデータロガー(i)とは、食塊(試料)の動的な挙動を捉えたときの電圧、電流、圧力、温度、ひずみ、加速度、パルス等を経時的に記録するソフトウェア、システムである。たとえば、株式会社キーサイエンス:マルチ入力データ収集システムNR-シリーズ等が挙げられる。
前記データロガー(i)は、自動、もしくは手動でデータ解析用のコンピューターに転送するシステムとする。
本実施形態において、流下時又は滑落時における食塊(試料)の特性値は、面積、長さ、幅、速度、角度、接触角の厚さ、中心の厚さある。これら特性値の計測から、せん断速度、壁面せん断応力、壁面せん断力、壁面(傾斜面)に掛かる力、壁面で消費されるエネルギーをコンピューターで自動的に演算する。具体的には、せん断速度は、平均速度を中心の厚さで除すことで求められる。壁面せん断力は、粘度に平均速度を乗じて、中心の厚さで除すことで求められる。壁面せん断応力は、壁面せん断力に面積を乗じて求められる。壁面で消費されるエネルギーは、壁面せん断力に平均速度を乗じて求められる。
なお、粘度は、例えば、レオメータ(動的粘弾性測定装置)で測定することができる。
本実施形態の模擬的な食塊としての試料は、食品であり(中間製品、最終製品、最終製品の調整品)、飲料も包含される。飲料としては、水、炭酸水、酒、清涼飲料、果汁飲料、スープ等が挙げられるが、これらに限定されない。食品としては、穀類、芋類、種実類、豆類、乳製品、卵類、肉類、魚介類、野菜類、果物類等、各種食品添加物(たとえば、キサンタンガム等)、及び、これらを調合、溶解、乾燥、加熱、調理、発酵、混合等した加工食品や、加工食品を還元、調理、希釈した飲食品等が挙げられるが、これらに限定されない。
本実施形態では、食品の物性は、同一の飲食品の官能的な食感との相関から、食感の推定方法として利用することができる。たとえば、傾斜板の上部の面積推移と、口に残る感覚との相関、食塊の広がり幅と、口の中のべたつき感との相関、吐出時の圧力と、口当たりの重さとの相関、吐出開始から上部センサまでの時間と、喉への滑りやすさとの相関、力(粘度に通過時間を乗じて付着面積で除する)と、飲み込みやすさとの相関、動力(力に速度を乗じる)と、のど越しとの相関、上部センサにかかるまでの拡大速度や食塊が上部センサに掛かるまでの付着面積の推移と、口に広がる感覚との相関、食塊を通過させた後の残留の面積や時間と、口の中にまとわりつく感じとの相関、対象領域の食塊の付着面積の推移と、キレの良さとの相関等が挙げられる。
本実施形態の計測装置は、試料(食塊)の動的物性を1回以上計測する。滑落する固形物を含む試料(食塊)や、流下中に2層以上に分離する試料(食塊)は、計測の精度を向上ために、2回以上計測することが好ましい。
本明細書中において、数値の範囲を「X〜Y」と表記する場合には、数値の範囲は、その範囲の両端の数値であるX及びYを含むものとする。
以下、実施例や実験例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これら実施例や実験例の記載に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示した計測本実施例においては、試料供給に使うポンプ(a)は、高性能ピストンポンプ(HIBAR社:形式2BC10J23)を使用し、ポンプの制御には空気圧でのピストンの調整を行うコントローラ(HIBAR社:形式UNIMATIC CP50)を用いた。ビーカーに入れた試料(水)は、ポンプ(a)によって自吸され、ノズルを通して傾斜板上に吐出した。
ポンプ(a)とノズルの間には微差圧圧力のセンサ(b)(株式会社キーエンス センサ:AP-10S,アンプ:AP-V80)を設置した。ノズル先端近傍に設置している吐出確認用レーザーセンサー(c)(株式会社キーエンス センサ:LV-NH42,アンプ:LV-N11MN)の出力値の比較から、吐出時間を計測した。吐出ポンプの吐出量のみならず、吐出時間も測定することで、吐出時間(吐出流量)を確認できた。
次に、幅100mm、高さ150mmの傾斜板(角度と材質は任意に変更可能、通常は角度45°〜60°、材質はシリコンやウレタンを使用)の垂直上方25mmの高さのところにノズル先端が設置した。試料(水)は傾斜板を溢れることなく流下した。
傾斜板の端面から50mmの位置に、上部到達確認センサ(d)(株式会社キーエンス センサ:LV-NH100,アンプ:LV-N11MN)が配置され、上部センサから20mm下流側に、中間部到達確認のセンサ(e)(株式会社キーエンス センサー:LV-NH42, アンプ:LV-N11MN)が配置され、さらに上部到達確認センサから40mm下流側に下部到達の確認センサ(f)(株式会社キーエンス センサ:LV-NH100,アンプ:LV-N11MN)を設置した。センサ(d),(e),(f)間の距離は既知であることから、食塊が到達したタイミングを波形の変化によって検出し、それぞれの区間における流下速度や加速度を演算できた。すべての波形は、データロガー(株式会社キーエンス:NR-500)で記憶した。また、センサ(d)及び(f)は、傾斜板側面に設置している透過型であるが、センサ(e)(株式会社キーエンス:CV-3500)は、傾斜板ななめ上方に設置している反射型センサである。センサ(e)は、側面に設置した側面カメラ(g)(株式会社キーエンス:CV-3500)のトリガーを兼ねている。この側面カメラ(g)は、流下時の食塊の形状を側面から撮影するとともに、食塊の先端の角度を計測することにより、マクロスケールにおける動的接触角を演算できた。
また、傾斜板の上方に、常に傾斜板と90°の角度で、上面カメラ(h)としての高速・高精度カメラ(株式会社キーエンス:VW-600)を設置し、流下現象の全体(たとえば、形状の時間的変化や到達時間)を計測した。この動画用カメラ(h)のトリガはセンサ(d)であり、画像処理装置は、センサ(d)のトリガがかかる100msec前から画像を撮影した。つまり、試料がノズルから吐出され、傾斜板に到達する瞬間も高速度カメラ(h)で録画できた。これらの画像を画像処理ソフト(National Institutes of Health:Image J、もしくはMathworks, Matlab)を用いて2値化して、流下時の拡散面積を算出した。すべてのセンサからの出力値、画像のデータ等を自動でデータ解析用のコンピューターに取り込んだ。
[実験例1]
図1に示した計測装置において、最上流である液の供給部分の精度(量、時間)が計測データの精度に直接関係する。そのため、供給装置の精度について確認した。
供給に使うポンプ(a)は、高性能ピストンポンプ(HIBAR社:形式2BC10J23)を用いた。ポンプ(a)の制御には、空気圧でピストン速度を調整するコントローラ(HIBAR社:形式UNIMATIC CP50)を用いた。
ポンプ(a)にノズルを設置し、水、ならびにとろみ調整食品(株式会社 明治:トロメイク(登録商標)SP 2重量%)を所定量(5mL)、複数回(N=10)吐出させて、その吐出量の妥当性と精度を確認した。平均値が5±0.5(g)であれば妥当性があると評価した。相対誤差(以下、誤差)が10%未満であれば、計測の精度は高いと評価した。
各試料の吐出量の計測値、平均値、標準偏差、誤差の結果を表1に示した。水では、平均値5.05(g)、標準偏差0.058(g)、誤差1.1%であった。トロミ調整食品では、平均値5.00(g)、標準偏差0.081(g)、誤差1.6%であった。いずれの試料の吐出量にも妥当性があり、精度が高かった。したがって、本発明の装置において、食塊(試料)の供給システムは、食塊(試料)の粘度の高低に関わらず、妥当に精度高く吐出(供給)できたといえる。
[実験例2]
図1に示した計測装置において、傾斜板に試料を供給した際の各種計測値の妥当性や精度について確認した。図2に、本計測装置から得られる典型的な計測波形を示した。図2のグラフの横軸は、時間を表し、左側の縦軸は、各センサ(c)、(d)、(e)及び(f)の出力を表し、右側の縦軸は、圧力センサ(b)の出力を表す。グラフ中の破線Iは、上部センサ(d)の出力を表し、一点鎖線IIは、中部センサ(e)の出力を表し、点線IIIは、下部センサ(f)の出力を表し、曲線IVは、ノズル先端の排出確認センサ(c)の出力を表す。また、グラフ中の曲線Vは、ノズルの圧力センサ(b)の出力を表す。それぞれのセンサの出力波形が大きく変化するタイミングは、食塊到達時間を示している。食塊(試料)の速度、吐出量の精度を確認するとともに、食塊(試料)の速度の妥当性を考察した。
実施例1の装置を用いて、傾斜板に試料を供給した際の圧力低下時間(j)、吐出陰圧時間(k)、ノズル到達時間(l)、上部センサまでの到達時間(上部到達時間と略すことがある)(m)、中部センサまでの到達時間(中部到達時間と略すことがある)(n)、下部センサまでの到達時間(下部到達時間と略することがる)(o)、及び吐出終了時間(p)を計測した。計測結果から、上部センサから中部センサまでの速度(上部−中部の速度と略すことがある)と、中部センサから下部センサまでの速度(中部−下部の速度と略すことがある)と、上部センサから下部センサまでの速度(上部−下部の速度と略すことがある)とを算出し、吐出時間の精度を確認した。図2には、実施例から得られる典型的な測定した波形の概略図を示した。各センサの出力波形が大きく変化するタイミングは、食塊が到達した時刻と判断できる。
試料は、水及びとろみ調整食品(株式会社 明治:トロメイク(登録商標)SP 2重量%)について、繰り返し回数:N=5にて行われた。各センサの食塊(試料)の到達時間を計測して、食塊の平均速度(速度)を算出した。上部−中部の速度、中部−下部の速度、上部−下部の速度の精度は、誤差が10%未満であれば良好であると判定した。
その結果、水又はとろみ調整食品の上部−中部の速度、中部−下部の速度、上部−下部の速度の誤差は、いずれも5%未満であった。上部−下部の速度の誤差は、いずれも2%未満であった。吐出時の速度の精度が高いといえる。水又はとろみ調整食品の吐出時間の誤差は、いずれも2%未満の誤差であった。つまり、本発明の装置における試料供給の精度は、供給量、供給時間、そして供給流量の面において、繰り返し精度が高いといえる。
ところで、健常な成人では1回に嚥下する量は5ml程度で、嚥下時の速度は、1.7±0.7m/sとの報告がある。実施例の結果では、水5mlを流下させた際の上部−下部の速度は平均値1.49秒であった。つまり、実際の嚥下と本発明の装置の計測した速度が同等な値であり、供給量、速度の面から疑似嚥下として妥当性があるといえる。
[実験例3]
図1に示した計測装置において、食塊の先端の形状の再現性や測定タイミングの精度を確認した。
装置は、実施例1を用いた。傾斜板の側面には、流下時の食塊形状、ならびに接触角を測定するための静止画撮影用のカメラ(株式会社キーエンス:CV-3500)を設置した。静止画の撮影のトリガのタイミングについて、繰り返し撮影精度(タイミング)と、食塊の先端の形状を定性的に比較検討した。試料は、実施例2と同様に、試料は水ならびにとろみ調整食品(株式会社 明治:トロメイク(登録商標)SP 2重量%)を用い、撮影は繰り返し回数:N=5にて行われた。図3、図4に、撮影された食塊先端形状を示した。食塊の長さは、静止画から食品の先端から末端までの長さを指した。
図3に示したとおりに、水食塊の流下時の食塊形態は先端が細いことから、食塊が全体的に板上に広く拡散している様子がわかる。図3(a)〜図3(e)中の白い矢印(Run1〜Run5)の長さ(左端面から矢印先端までの距離)は、すべてほとんど同じであった。つまり、5回の繰り返し撮影中、ほとんど同じタイミングで食塊の先端を検知できていることがわかる。従来、水は多数の飛沫を伴い、広範囲に拡散する水の先端の検出は非常に困難であったが、センサの種類、感度、そして位置調整を適宜行うことで、繰り返し精度の高い撮影が可能となった。したがって、食塊の先端を精度が高く検出できるといえる。
図4に示したとおりに、とろみ調整食品の流下時の先端形状は丸く、塊となって流下している様子が観察できた。試料(0.2%重量のとろみ調整食品)の食塊の先端は、楕円形状で、水に比べて厚みのある形状であった。とろみ調整食品の食塊の長さ(図4(a)〜図4(e)中の白い矢印(Run1〜Run5))は、いずれもほぼ同じ長さ(端面から矢印先端までの距離)にあった。つまり、本計測システムは5回の繰り返し撮影中、ほとんど同じタイミングで食塊の先端を検知できていることがわかる。したがって、粘度の高低にかかわらず、本計測システムは精度よく食塊の先端を検出することができたといえる。
[実験例4]
図1に示した計測装置において、傾斜板の傾斜方向と常に垂直な位置になるように設置された高速・高精度カメラ(g)(動画用、株式会社キーエンス:VW-600)は、食塊流下時の形状変化を経時的にとらえることができる。
さらに、本計測システムでは、拡散軌跡の変化を、目視による確認だけでなく、拡散面積に換算し、数値化して捉えることができる。その検証として、食塊(試料)の拡散面積の精度を確認した。
実施例1の装置を用いて、傾斜板に試料を供給した際の上部カメラ(h)から食塊(試料)を動画で撮影した。試料は、実施例2と同様に、水及びとろみ調整食品(株式会社 明治:トロメイク(登録商標)SP 2重量%)を用いた。各試料5mlずつ吐出させて、撮影は繰り返し回数:N=5にて行われた。食塊(試料)の動画は、Image Jで2値化した。2値化の手順は以下のとおりとした。まず、撮影した動画ファイルを開き、角度補正、対象領域を抽出して、画像を補完した。つぎに、前記処理した画像と当該画像(32bit)をスタック分解した画像(32bit)の食塊を黒に変換し、コントラスト等を調整した後、Set Scaleで食塊の長さを設定し、粒子解析の方法で拡散面積を計測した。図5に、傾斜板上の食塊(水)の流下時の拡散面積の経時変化を示した。また、図6に、傾斜板上の食塊(とろみ調製食品)の流下時の拡散面積の経時変化を示した。
図5(w1〜w5)に示すように、5回の繰り返しにおいて流下初期の拡散面積、また面積の増加傾向は、ほとんど変わらなかった。また、最大拡散面積の値も、繰り返し実験ではほとんど同じ値を示していた。
図6(tm1〜tm5)に示すように、5回の繰り返しにおいて流下初期の拡散面積、また面積の増加傾向は、一致していた。また、最大拡散面積の値も、繰り返し実験ではほとんど同じ値を示していた。
つまり、本測定装置においては、粘度が異なる両試料において、最大拡散面積、ならびに最大拡散面積に到達する時間については非常に高い繰り返し精度での計測の精度が高いといえる。
[実験例5]
図1に示した計測装置において、濃度の異なるとろみ調整剤の動的特性(流下速度、食塊の先端形状、拡散面積等、流下の特性)の精度や妥当性を確認した。
装置は実施例1を用いた。試料は、水、とろみ調整剤(明治社:トロメイク(登録商標)SP)を0.5重量%、1.0重量%、2.0重量%にそれぞれ調整した。繰り返し回数は、N=5で行い、各センサ間の試料の速度ならびに試料の吐出時間を計測し、平均値、標準偏差、誤差を表3にまとめた。5回の計測した動的物性の誤差が10%未満であれば、精度が高いと判断した。いずれの濃度の試料(食塊)も誤差がいずれも10%未満であった。また、上部−下部の速度を図7に示した。流下時の側面における、各試料の流下時の食塊形状を図8(a)〜図8(d)に示した。また、流下時の各試料の食塊において、領域(全体、上部、中部、下部)毎に、経時的な拡張面積を図9(a)〜図9(d)に示した。
表3に示したとおりに、水、0.5重量%のとろみ調整食品、1.0重量%のとろみ調整食品、2.0重量%のとろみ調整食品において、上部−下部センサ間の速度の誤差、吐出時間の誤差は、いずれも7%未満であった。したがって、本発明の装置は、食塊の速度を精度高く計測できるといえる。
図7に示したとおりに、水ととろみ調整食品とでは流下速度が大幅に異なり、0.5重量%のとろみ調整食品の流下速度は、水の流下速度と比較して約半分であった。また、とろみ調整食品の濃度(粘度)の増加に伴って、流下速度の減少が見られた。言い換えると、粘度の増加に伴って流下速度が低下するという実際の現象と、本発明の装置の物性の計測値及び演算値とに矛盾がない。すなわち、本発明の装置で計測した食塊の動的物性には、妥当性があるといえる。
図8に示したとおりに、水は食塊先端の厚みが薄く、傾斜板上で広く拡散している様子が見られた。また、とろみ調整食品の濃度が上昇するほど食塊(試料)の先端の厚さが厚くなり、流下食塊の先端から後方に向かいその厚みが続くことが確認できた。
図9(a)〜図9(d)に示したとおりに、水の拡散面積は、傾斜板上全体、上部、中部、下部ともに、とも他のどの試料よりも大きかった。また、とろみ調整食品の間で比較すると、とろみ調整食品の濃度が上昇するにしたがって拡散面積が小さくなり、最大拡散面積と観測終了時の拡散面積の差が小さくなった。とろみ調整食品の濃度と拡散面積との関係は、とろみ調整食品の濃度と食塊の先端の形状とも同様であった。これらの傾向は図8(a)〜図8(d)の流下食塊先端の形状からも確認できることから、本計測システムで得られた結果は、異なる計測方法のデータでありながら相互関連性を持っていることがわかった。
このように本装置(システム)は速度、食塊の先端形状、拡散面積の面からみても濃度の異なるサンプルの異なる流下特性を精度よく測定でき、実際に起きている現象を矛盾なく説明できる。したがって、実際の試料(食塊)の挙動を妥当に評価したといえる。
[実験例6]
図1に示した計測装置で、各種の増粘剤の流下特性を確認した。
試料は、4種類の増粘剤(ダニスコ・ジャパン社 キサンタンガム、:XG、サクシノグリカン:SG、グアガム:GG、セルロース:CMC)を用いた。増粘剤の濃度を表4に示した。これらの試料濃度は100 [1/s]における粘度がほぼ同一(薄いとろみは約60mPa・s、濃いとろみは約250mPa・s)になるように調整した。各試料5ml/回を5回ずつ吐出させて、撮影した食塊(試料)の動的物性を算出すると共に、形状(動的接触角(接触角)、拡散面積、流下軌跡の寸法)を計測した。接触角の計測は、汎用画像処理ソフトImageJ(NIH)のContact angle plug inを使用した。流下軌跡のうち、最大長さは、流下方向と平行する方向で、最も長い長辺を計測した。最大幅は、流下方向と直交する方向で、最も長い短辺方向の長さを計測した。
薄いとろみ、濃いとろみ それぞれの試料のフローカーブ(せん断速度―粘度曲線)を図10、図11に示した。食塊(試料)の流速時間と流下速度を図12、図13に示した。
薄いとろみは、前述のように各試料が一定のせん断速度と粘度であっても、流下時間ならびに流下速度は各試料で異なった。濃いとろみにおいても、薄いとろみと同様に、流下時間及び流下速度は各試料で異なった。所定のせん断速度と粘度に調整した試料であっても、各増粘剤の食塊(試料)が異なるせん断速度で流下した。つまり、各増粘剤は固有の特性をもって流下することがわかる。
また、側面からの食塊(試料)の先端の形状を図14(a)〜図14(d)、図15(a)〜図15(d)に示した。図14(a)〜図14(d)のように、薄いとろみの先端の形状は、CMC(0.25重量%)が他のとろみ調整食品に比べて先端の厚さが薄く、傾斜板上で広く拡散した。一方、図15(a)〜図15(d)に示すように、濃いとろみの先端の形状は、目視では他のサンプルとの大きな差を見出すことができなかった。
そこで、図16(a)〜図16(d)に示すように、マクロスケールにおける動的接触角を本測定システムで計測した。濃いとろみの接触角は、XG149.2°(図16(a))、SG147.2°(図16(b))、GG145.8°(図16(c))、CMC143.4°(図16(d))であった。したがって、本発明の装置では、目視では確認できなかった各試料間の形状の差を、動的接触角で定量的に評価できた。
次に、各食塊(試料)の流下軌跡を2次値して拡散面積を確認した。濃いとろみの拡散面積は、上部領域(上部センサに到達時)を図17(a)〜図17(d)、中部領域(中部センサに到達時)を図18(a)〜図18(d)、下部領域(下部センサに到達)を図19(a)〜図19(d)に分けて示した。
図17(a)〜図17(d)に示すように、XGとCMCの拡散面積に比較して、SGとGGの拡散面積が若干小さいことを目視で確認できた。図18(a)〜図18(d)、図19(a)〜図19(d)は、図17(a)〜図17(d)と同じように、XGとCMCの拡散面積に比較して、SGとGGの拡散面積が若干小さいことを目視で確認できた。
目視だけでなく、これら拡散面積の変化を図20に示した。目視では微妙な差であった拡散面積は数値化することによって、その差を明確に理解することができた。拡散面積はCMC0.7重量%、XG1.5重量%、GG0.75重量%、SG重量1.2%の順に小さくなっていた。この傾向はどの観測領域においても同じであった。
流下軌跡から測定した最大長さを図21、最大幅を図22に示した。図21に示すように、XGとCMCの最大長さがSGとGGに比べて長かった。図22に示すように、XGとCMCの最大幅がSGとGGに比べて明らかに長かった。ところで、粘度−ずり速度の関係曲線(フローカーブ)では、XGとSGは同じ特性を有していた。つまり、フローカーブの特性値と流下特性は一致するとは限らない。このことは、フローカーブがほぼ同一だと思われる試料の官能検査をしても、必ずしも同じような評価(マッピング)にならないという食感の実現象の原因を定性的に説明している。
本装置で計測された動的特性値(工学的指標)の例を示した(表5)。特許文献3では液滴内部流動の速度分布からせん断速度、せん断応力しか計測できなかったが、本計測方法では壁面に掛かる力、そして壁面に掛かる消費エネルギーまで計測できる点が大きく異なる。力、ならびにエネルギーの計測方法は、
(F)[N]:力=τ×Sm
W[W]:エネルギー =(F)×U
ここでU[m/s]:上下センサー間の通過速度、δ[m]:側面計測から得た食塊の厚さ、γ[1/s]:せん断速度=U/δ、 μ[Pa・s]:粘度,τ[N/m2]:せん断応力=μ×U/δ、Sm[m2]:中間部の拡散面積 である。
図23に、各試料の、壁面におけるせん断応力を示した。各試料のせん断応力については、図11に示したフローカーブと同様の傾向(分類分け)を示した。XGとSGは、フローカーブ上同じラインに乗るが、GG、CMCは、そのラインからずれていた。各試料のせん断応力もそのような傾向が見えた。
図24に、各試料の、壁面に掛かる力を比較した。各試料の力は、せん断応力の傾向とは逆に、図11に示したフローカーブの特徴とは異なる傾向を示した。
図25に、壁面で消費されるエネルギーの比較結果を示す。図24の力と同様に壁面に掛かるエネルギーは、図11のフローカーブの特徴と多く異なった。
図1に示した本計測装置では、せん断速度、壁面のせん断応力、壁面に掛かる力、壁面で消費されるエネルギーなどが各種計測値から算出できた。これにより、食品固有の流下特性を客観的に明らかにすることができた。従来技術では、客観的に定量的に計測できなかった食品固有の流下特性を、本計測装置で客観的に明らかにできた。
[実験例7]
図1に示した計測装置で、各種の発酵乳製品の流下特性を確認した。ただし、本実験例では、傾斜板の傾斜面を、シリコンよりも口腔内面に近い、ポリビニルアルコールを利用した疑似生体材料(親水性PVA)で形成した。
試料は、3種類の発酵乳製品(試料(A)、試料(B)及び試料(C))を用いた。3種類の発酵乳製品の無脂乳固形分、乳脂肪分、たんぱく質、脂質、炭水化物の組成は表6の通りである。
図26〜図28に、傾斜面の上流部での試料(A)〜(C)の運動の計測結果を示す。
図26は、試料(A)〜(C)がノズルから吐出されてから上部到達確認センサの検出位置に到達するまでの到達時間を示す。同図に示すように、試料(B)は、残りの試料(A)及び(C)よりも短い到達時間を示した。
図27は、上部到達確認センサの検出位置よりも上流の傾斜面を流下する試料(A)〜(C)の拡散面積を示す。同図に示すように、試料(B)は、残りの試料(A)及び(C)よりも大きい拡散面積を示した。
図28は、上部到達確認センサの検出位置よりも上流の傾斜面を流下する試料(A)〜(C)の拡散面積速度を示す。同図に示すように、試料(B)は、残りの試料(A)及び(C)よりも大きい拡散面積速度を示した。
次に、図29〜図31に、傾斜面の中流部での試料(A)〜(C)の運動の計測結果を示す。
図29は、上部到達確認センサの検出位置と中間部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料(A)〜(C)の区間速度を示す。同図に示すように、試料(A)と試料(B)は、ほぼ同等の区間速度を示し、試料(C)は、試料(A)及び(B)よりも遅い区間速度を示した。
図30は、上部到達確認センサの検出位置と中間部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料(A)〜(C)の拡散面積を示す。同図に示すように、試料(B)は、傾斜面の中流部においても、残りの試料(A)及び(C)よりも大きい拡散面積を示した。
図31は、上部到達確認センサの検出位置と中間部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料(A)〜(C)の拡散面積速度を示す。同図に示すように、試料(B)は、傾斜面の中流部においても、残りの試料(A)及び(C)よりも大きい拡散面積速度を示した。
次に、図32及び図33に、傾斜面の中流部での試料(A)〜(C)の運動の計測結果を示す。
図32は、中間部到達確認センサの検出位置と下部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料(A)〜(C)の区間速度を示す。同図に示すように、試料(A)と試料(B)は、ほぼ同等の区間速度を示し、試料(C)は、試料(A)及び(B)よりも小さい区間速度を示した。
図33は、中間部到達確認センサの検出位置と下部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料(A)〜(C)の拡散面積を示す。同図に示すように、試料(B)は、傾斜面の中流部においても、残りの試料(A)及び(C)よりも大きい拡散面積を示した。
次に、図34に、傾斜面全体での試料(A)〜(C)の運動の計測結果を示す。
図34は、上部到達確認センサの検出位置と下部到達確認センサの検出位置との間の傾斜面上を流下する試料(A)〜(C)の区間速度を示す。同図に示すように、試料(B)は、傾斜面の全体におい、残りの試料(A)及び(C)よりも大きい区間速度を示した。
次に、図35及び図36に、側面画像に基づく、試料(A)〜(C)の形状の計測結果を示す。
図35は、試料(A)〜(C)の接触角を示す。同図に示すように、試料(A)が大きな接触角を示し、試料(B)が小さな接触角を示した。
図36は、試料(A)〜(C)の厚さを示す。同図に示すように、試料(A)が大きな厚さを示し、試料(B)が小さな厚さを示した。
次に、図37に、試料(A)〜(C)の流下速度を厚さで除して算出したせん断速度を示す。同図に示すように、試料(B)が、残りの試料(A)及び(C)よりも大きいせん断速度を示した。
次に、図38に、試料(A)〜(C)の想定値を示す。同図に示すように、試料(C)が、残りの試料(A)及び(B)よりも大きい粘度を示し、試料(A)と試料(B)は、ほぼ同等の粘度を示した。なお、粘度は、図1に示した計測装置ではなく、レオメータで測定された。
ここで、図39に、従来の評価法による試料(A)〜(C)の評価グラフを示す。同図のマップの横軸は、せん断速度を対数表示し、縦軸は、粘度を対数表示する。グラフ中の実線I、破線II及び実線IIIは、それぞれ試料(A)、(B)及び(C)に対応する。
人が食塊を嚥下しているときのせん断速度は、50〜150S−1と考えられる。図39中、この範囲にハッチングを付す。この範囲では、試料(A)と試料(B)がほぼ同等の粘度を示すため、試料(A)の実線Iと試料(B)の破線IIが重なっている。したがって、従来の評価法では、試料(A)と試料(B)とを区別することが困難であった。
しかしながら、人は、粘度以外の情報も使用して食塊の食感を評価しているため、官能評価では、試料(A)と試料(B)との食感が明確に異なることが明らかになっている。
そこで、本実験例では、以下に説明するように、傾斜面上を流下又は滑落する試料の状態を表す状態パラメータ(指標)を演算して、試料(A)〜(C)の評価を行う。本計測装置の計測結果及び演算結果を使用し、複数の力学的指標を組み合わせてマッピングすることにより、試料の食感を客観的且つ正確に評価することが可能となる。
そのため、図40〜図44に、試料(A)〜(C)の種々の状態パラメータの演算結果を示す。
図40は、傾斜面に対する試料(A)〜(C)のせん断応力を示す。同図に示すように、試料(C)が大きいせん断応力を示し、試料(A)が小さいせん断応力を示した。
図41は、傾斜面に対する試料(A)〜(C)の力を示す。同図に示すように、試料(C)が大きい力を示し、試料(A)が小さい力を示した。
図42は、傾斜面に対する試料(A)〜(C)の仕事量(傾斜面に掛かる消費エネルギー)を示す。同図に示すように、試料(C)が大きい仕事量を示し、試料(A)が小さい仕事量を示した。
図43は、傾斜面に対する試料(A)〜(C)の仕事率を示す。同図に示すように、試料(A)が、残りの試料(B)及び(C)よりも小さい仕事率を示し、試料(B)と試料(C)とは、ほぼ同等の仕事率を示した。
図44は、傾斜面に対する試料(A)〜(C)の付着性を示す。ここでは、付着性とは、傾斜面の単位面積あたりの、傾斜面で消費されるエネルギーをいう。同図に示すように、試料(C)が大きい付着性を示し、試料(A)が小さい付着性を示した。
図45に、図43に示した試料(A)〜(C)の仕事率と、図44に示した試料(A)〜(C)の付着性とを組み合わせたマッピングを示す。図45に示すように、試料(A)のプロットと、試料(B)のプロットとが大きく離間している。したがって、このマッピングにより、図39では区別が困難であった試料(A)と試料(B)とを明確に区別することができる。
仕事率と付着性とを組み合わせたマッピングは、口当たりといった食感にと関連すると考えられる。
次に、図46に、図27に示した試料(A)〜(C)の拡散面積と、図28に示した試料(A)〜(C)の拡散面積速度とを組み合わせたマッピングを示す。図46に示すように、試料(A)のプロットと、試料(B)のプロットとが大きく離間している。したがって、このマッピングにより、図39では区別が困難であった試料(A)と試料(B)とを明確に区別することができる。
拡散面積と拡散面積速度とを組み合わせたマッピングは、口どけやキレといった食感と関連すると考えられる。
[実験例8]
図1に示した計測装置において、傾斜板の傾斜面の素材の影響を、シリコンで形成した傾斜面と、より口腔内面に近い、ポリビニルアルコールを利用した疑似生体材料(親水性PVA)で形成した傾斜面とで確認した。試料は、2重量%水溶液トロメイク(登録商標)を使用した。また、傾斜面の水平面に対する傾斜角度を45°に設定した。
図47に、試料の流下速度を示すグラフを示す。同図には、試料が上部到達確認センサ(d)に検出されてから中間部センサ(e)に検出されるまでの、傾斜面の上流部での試料の流下速度と、試料が中間部到達確認センサ(e)に検出されてから下部到達確認センサ(f)に検出されるまでの、傾斜面の下流部での試料の流下速度と、試料が上部到達検出センサ(d)に検出されてから下部到達検出センサ(f)に検出されるまでの、傾斜面傾斜面全体での試料の流下速度とが示されている。図47に示すように、傾斜面の上流部、下流部、及び全体のいずれにおいても、シリコンの傾斜面上の流下速度と比較して、親水性PVAの傾斜面上の両加速度が、2〜3割遅いことが確認された。また、傾斜面の材料に関係なく、上流部の流下速度が、下流部の流下速度よりも遅い傾向があることが確認された。
図48(a)及び図48(b)に、流下している試料の先端形状の側面画像を示す。図48(a)に示すように、シリコンの傾斜面上を流下する試料の先端形状は楕円形に近い形状を有している。これに対し、図48(b)に示すように、親水性PVAの傾斜面を流下する試料の先端形状は、半楕円形に千晶形状を有し、高さが低く、大きな動的接触角を有している。これにより、親水性PVAの傾斜面上では、シリコンの傾斜面上よりも、試料が傾斜面上に拡散しやすいことが示された。
[実施例2]
図49に、本発明の実施例2の計測装置を示す。本計測装置の構成は、供給部を除いて図1に示した実施例1の計測装置のものと同じである。このため、供給部以外の構成要素の詳細な説明を省略する。本計測装置の供給部は、傾斜面の上方に反転可能に配置された、所定容量を有する上部開口容器を備えている。ここでは、上部開口容器は、プラスチック製のスプーン(a)である。スプーンのくぼみ部分の大きさは、20mm×28mm×3mmである。
本実施例では、試料を入れたスプーン(a)を反転させて、試料を傾斜面上へ供給する。スプーンの反転動作は、動力確認センサ(b)によって検出される。試料として乳飲料が供給され、試料の流下速度及び拡散面積が計測された。試料の供給は5回行われ、誤差を確認した。
5回計測した結果は、傾斜面の上流部で、流下速度が0.748±0.022m/s、誤差3%であり、傾斜面の下流部で、流下速度が0.8258±0.010m/s、誤差5%であり、傾斜面全体で、流下速度が0.7514±0.014m/s、誤差2%であった。また、拡散面積は、1391±63(任意単位)であり、誤差は5%であった。
また、別の種類の乳飲料を試料とした、4回計測した結果は、傾斜面の上流部で、流下速度が0.7125±0.011m/s、誤差2%であり、傾斜面の下流部で、流下速度が0.8050±0.014m/s、誤差2%であり、傾斜面全体で、流下速度が0.7514±0.010m/s、誤差2%であった。また、拡散面積は、1358±21(任意単位)であり、誤差は2%であった。
このように、スプーンで試料を供給しても、試料の流下速度及び拡散面積のそれぞれ誤差5%以下であり、再現性があることが確認できた。
また、粘度の低い乳飲料であっても、計測結果の再現性が高いことが確認できた。
なお、本実施形態では、単位面積あたりのエネルギーと仕事率とを組み合わせてマッピングした例と、拡散面積と拡散面積速度とを組み合わせてマッピングした例を説明したが、マッピングに用いる状態パラメータの組み合わせは、これらに限定されない。本計測装置で演算した種々の状態パラメータを組み合わせてマッピングすることができる。
また、マッピングに使用するパラメータは、本計測装置で演算した状態パラメータに限定されない。本計測装置以外の装置で測定された既知のパラメータと本計測装置で演算した状態パラメータとを組み合わせてマッピングすることができる。例えば、粘度、密度、比重又は硬度のような試料の物性を示す既知のパラメータ(物性値)と、本計測装置で演算した状態パラメータとを組み合わせてマッピングしてもよい。
本発明は、次の<1>〜<7>の態様を有してもよい。
<1> 試料が供給される傾斜板と、試料を前記傾斜板に供給する供給部と、試料が前記傾斜板へ供給されたことを確認するセンサと、試料が前記傾斜板の途中まで到達したことを確認するセンサと、
試料が傾斜板を流下及び/又は滑落する形状を前記傾斜板上の試料の形状を上面から撮影するカメラと、試料が前記傾斜板を流動及び/又は滑落する形状を 側面から撮影するカメラと、
試料が供給部から排出されたことを確認するセンサと、各センサで確認した 時間や速度の データロガーと、各カメラで撮影した 画像のデータを演算や処理するコンピューターとからなる、動的な食塊の挙動及び/又は食感を推定する計測装置。
<2> 前記供給部に圧力センサを有する、<1>記載の動的な食塊の挙動及び/又は食感を推定する計測装置。
<3> 前記傾斜板の表面が口腔内を模擬する素材である、<1>又は<2>に記載の動的な食塊の挙動及び/又は食感を推定する計測装置。
<4> 前記傾斜板上の到達確認センサが光電管等の光学的センサである<1>〜<3>のいずれかの1に記載の動的な食塊の挙動及び/又は食感を推定する計測装置。
<5> 前記傾斜板上の光電管等の光学的センサによる到達確認センサが2つ以上及びその間に静止画撮影用のセンサを設置した、<1>〜<4>のいずれかの1に記載の動的な食塊の挙動及び/又は食感を推定する計測装置。
<6> 前記試料の排出量が1ml以上である<1>〜<5>のいずれかの1に記載の動的な食塊の挙動及び/又は食感を推定する計測装置。
<7> <1>〜<6>のいずれか1の態様に記載の装置を用いて、試料の動的物性のうち、速度、加速度、圧力、力、せん断速度、壁面せん断応力、壁面せん断力、壁面で消費されるエネルギー、動的接触角、流下面積、滑落面積、流下軌跡、滑落軌跡、試料流下時の中心の厚さ、滑落時の中心の厚さの一つ以上を演算する方法。
食塊の物性値や特性値(撥水性など)の違いにより、喫食時・嚥下時の食塊の挙動に与える影響を定量的に評価できることから、喫食・嚥下困難者(高齢者など)にとって最適な食品の物性や形態を推定し、食品を設計できる。このとき、高齢者などの誤嚥を抑制できれば、日本人の健康寿命の延伸に繋がり、この結果として、健康保険医療費の低減などで、社会に大きく貢献できる。また、コンピューターを用いた嚥下動態のシミュレーションなどと対比すれば、より簡便かつ客観的に、食塊の特徴を分類できる。
この明細書に記載の文献及び本願のパリ優先の基礎となる日本出願明細書の内容を全てここに援用する。

Claims (14)

  1. 食塊の嚥下状態を模擬的に再現し、食塊としての試料の運動及び形状を計測するための計測装置であって、
    傾斜面を有する傾斜部材と、
    前記傾斜面上に前記試料を供給する供給部と、
    前記供給部から前記傾斜面上へ供給された前記試料を検出する供給センサと、
    前記傾斜面上の所定の地点を流下又は滑落する前記試料を検出する到達センサと、
    前記供給センサ及び前記到達センサによる前記試料の検出タイミングを記録するタイミング記録部と、
    前記傾斜面上を流下又は滑落する前記試料を前記傾斜面の上方から撮像して上面画像を生成する上面カメラと、
    前記傾斜面上を流下又は滑落する前記試料を前記傾斜面の側方から撮像して側面画像を生成する側面カメラと、
    前記タイミング記録部の出力、前記側面画像、及び前記上面画像の少なくとも一つを使用して、前記傾斜面上を流下又は滑落する前記試料の状態を表す状態パラメータを演算する演算部と
    を備え
    前記傾斜面は、口腔・咽頭内の生体表面の状態を模擬する材料で形成されている
    ことを特徴とする、計測装置。
  2. 前記試料は、1ml以上50ml以下の体積を有する
    ことを特徴とする、請求項1記載の計測装置。
  3. 前記供給部は、
    前記傾斜面の上方に配置されたノズルと、
    前記ノズルに、所定量の前記試料を供給するピストンポンプと
    を備える
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の計測装置。
  4. 前記供給部は、前記ノズル内の圧力を検出する圧力センサを更に備える
    ことを特徴とする、請求項記載の計測装置。
  5. 前記供給部は、前記傾斜面の上方に反転可能に配置された、所定容量を有する上部開口容器を備える
    ことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の計測装置。
  6. 前記到達センサは、光学的に前記試料を検出する光学センサである
    ことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の計測装置。
  7. 前記到達センサは、
    前記傾斜面上の第1の地点を流下又は滑落する前記試料を検出する上部センサと、
    前記上部センサから前記傾斜面の最大傾斜角度方向に沿って所定距離だけ離間した前記傾斜面上の第2の地点を流下又は滑落する前記試料を検出する下部センサとを含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の計測装置。
  8. 前記到達センサは、前記傾斜面上の前記第1の地点と前記第2の地点との間の第3の地点を流下又は落下する前記試料を検出する中間センサを更に含む
    ことを特徴とする、請求項記載の計測装置。
  9. 前記側面カメラは、前記中間センサの出力をトリガとして、前記試料を撮像する
    ことを特徴とする、請求項に記載の計測装置。
  10. 前記上面カメラは、前記到達センサの出力をトリガとして、前記試料を撮像する
    ことを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の計測装置。
  11. 前記演算部は、前記状態パラメータとして、
    前記傾斜面上を流下又は滑落する前記試料の、速度、加速度、厚さ、前記傾斜面上の拡散面積、及び前記傾斜面上の軌跡、
    前記傾斜面に対する前記試料の、動的接触角、圧力、力、せん断速度、及びせん断応力、並びに、
    前記傾斜面で消費される仕事量や仕事率、力積
    のうちの一つ以上のパラメータを算出する
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の計測装置。
  12. 前記演算部は、前記状態パラメータとして、
    前記傾斜面の単位面積あたりの、前記傾斜面で消費されるエネルギー、及び
    前記試料の前記傾斜面上の拡散面積速度
    の一方又は双方を算出することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の計測装置。
  13. 請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の計測装置を用いて、食塊の嚥下状態を模擬的に再現し、模擬的な食塊としての試料の運動及び形状を計測する計測方法であって、
    前記供給センサの出力、前記到達センサの出力、前記側面画像、及び上面画像の少なくとも一つを使用して、前記傾斜面上を流下又は滑落する前記試料の状態を表す状態パラメータを演算する
    ことを特徴とする、計測方法。
  14. 複数の前記状態パラメータを組み合わせて、又は、前記試料の物性を示す既知のパラメータと1つ以上の前記状態パラメータとを組み合わせて、マッピングする
    ことを特徴とする、請求項13記載の計測方法。
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