JP6740720B2 - 検証システム、情報処理装置、検証方法 - Google Patents

検証システム、情報処理装置、検証方法 Download PDF

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Description

本発明は、検証システム、情報処理装置及び検証方法に関する。
カメラなどの撮像装置の低価格化・高機能化に伴い、様々な場所に撮像装置が設置されたり、様々な場面で撮像装置が撮像した映像の活用が進められている。例えば、撮像された映像が裁判の証拠として使われるようになってきている。また、例えば、取り調べの様子はDVD等に記録され、必要に応じて証拠として提出されている。また、監視カメラやタクシーのドライブレコーダーが撮像した映像も証明力のある証拠として採用される場合がある。
一方で撮像装置が証拠能力を持った場合に脅威となるのが、映像そのものや映像の属性情報(撮像時刻や撮像場所等)の改変である。映像や属性情報が改変されていることが判明すれば、裁判にかぎらず映像が証明力のある証拠として採用されることは困難になる。
映像や属性情報の改変を防ぐための方法として、例えば映像に撮像装置等が電子署名を付与する方法などが知られている。何らかの装置が電子署名を検証することで、映像が改変されていないと判断できる。
しかしながら、映像に対して電子署名を付与する方法では、属性情報が正しいものであるかどうかが分からない。映像と同様に撮像装置が属性情報に電子署名を付与することができるとしても、電子署名の付与の前に属性情報が改変されている場合(正しくない属性情報が付与された場合)、電子署名は正しくない属性情報に対する署名となってしまう。例えば、映像を撮像する撮像装置が電子署名する場合、撮像装置内部の時刻を映像の属性情報に付与して電子署名することができるが、撮像装置内部の時刻が間違っている場合は、電子署名されていても時刻が正しいことの証明にはならない。
このような点について、撮像に関する情報の信頼性を容易に推定することを可能とする技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、位置情報を決定する際に用いられた衛星の種類を示す情報を画像データに付与する表示制御装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されているように衛星の種類を示す情報が属性情報に含まれているとしても、属性情報に含まれる位置情報が信頼できるかどうかを判断することはできないという問題がある。すなわち、属性情報にGPS(Global Positioning System)等の衛星の情報が含まれていても、位置情報が衛星から送信された電波を用いて算出されたかどうかを保証するものではない。
本発明は上記課題に鑑み、属性情報保有情報が有する属性情報の信頼性を検証できる検証システムを提供することを目的とする。
本発明は、属性情報保有情報が有する属性情報を検証する検証システムであって、前記属性情報は位置情報と時刻情報を含み、前記属性情報から前記属性情報を検証するための属性検証データを取得する検証情報取得手段と、外部から前記属性情報を検証するための公開情報を取得する公開情報取得手段と、前記属性情報の検証を行うための検証用情報を、前記属性情報が有する前記位置情報と前記属性検証データを用いて生成する第一情報生成手段と、前記属性情報が有する前記時刻情報と前記公開情報を用いて検証情報を生成する第二情報生成手段と、前記第二情報生成手段が生成した前記検証情報と前記検証用情報を比較して、前記属性情報の信頼性を判断する判断手段と、を有する。
属性情報保有情報が有する属性情報の信頼性を検証できる検証システムを提供することができる。
検証システムの概略構成図の一例である。 撮像装置のハードウェア構成図の一例である。 検証装置のハードウェア構成図の一例である。 撮像装置が有する機能をブロックにして表す機能ブロック図の一例である。 撮像装置が属性検証データに電子署名を付与するまでの動作手順を示すシーケンス図の一例である。 属性検証データと電子署名データを模式的に説明する図の一例である。 撮像装置が映像を撮像する動作手順を示すシーケンス図の一例である。 H.264という動画像符号化方式の送信データを模式的に示す図である。 静止画に添付される属性情報を説明する図の一例である。 検証装置が有する機能をブロックにして表す機能ブロック図の一例である。 検証装置が属性情報を検証する手順を示すフローチャート図の一例である。 公開検証情報で推定された衛星の位置と、属性検証データを使って推定された測位時刻の衛星の位置を説明する図の一例である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態の撮像装置は、属性情報の信頼性を検証できるように属性情報を設定する。すなわち、正しい時刻情報や位置情報が設定されたことを検証装置が検証できるように属性情報が設定される。映像については別途、電子署名などで改変されていないことが保証されるので、映像が撮像された位置や時刻が信頼できるものであることを属性情報が保証することができる。
まず、属性情報の信頼性を向上させる従来の技術を説明する。例えば、映像を撮像する撮像装置が属性情報に電子署名する方法がある。撮像装置はRTC(Real Time Clock)などで撮像装置が保持する時刻を映像の属性情報に設定して電子署名するが、電子署名だけでは時刻が改変されていないことを保証できたとしても信頼性がある時刻が属性情報に保存された否かを検証装置が判断することはできない。
また、例えば、インターネット上に正しい時刻を配信するNTP(Network Time Protocol)サービスが存在する。撮像装置は、撮像装置の保持する内部時計をNPTサーバと同期させることもできる。しかし、悪意を持った操作者やソフトウェアが内部時計の時刻を改変していないことを保証することができない。
また、GPS(Global Positioning System)の機能を搭載した撮像装置も増えてきている。しかし、GPSの機能を利用して算出される位置情報と時刻情報を映像の属性情報に付与して撮像装置が電子署名した場合も、その属性情報がGPSの機能を利用して作成されたものであるかどうか分からない。例えば、悪意を持った操作者やソフトウェアがGPSが作成した時刻情報や位置情報を改変したり作成したりしたものでないことを保証することができない。
また、外部に設置された信頼性の高いサーバを利用する方法がある。撮像装置はそのサーバに映像や映像の特徴量を送信し、映像を撮像した時刻に映像が存在したことを証明するための電子署名を付与する方法がある(タイムスタンプサービス)。しかし、映像の撮像と並列に撮像装置がタイムサーバにアクセスしてタイムスタンプを取得するのは、オーバーヘッドが大きくなったり、時間差が生じたりするので、映像を撮像しながらタイムスタンプを取得することは困難である。
また、外部の信頼のおけるサーバが電子署名を付与した時刻情報を配信することによって、設定した時刻情報の正確性を保証するという技術が知られている。しかしながら、そのようなサービスは実際に運用されていない。
<本実施形態の属性情報の設定方法の概略>
そこで、本実施形態では公開されている検証用の情報を利用して、撮像装置が映像に付与した属性情報の信頼性を検証する検証方法を提供する。公共性の高い情報を提供するシステムでは情報の信頼性を保証するため運用状況が記録されており、特定の時刻に正常に運用されていたことが公開されている。このようなシステムには、例えば正確な時刻を提供するNTPサーバやGPSなども含まれており、特定の時刻に正常に運用されていたか否か、及び、検証に使用できる情報が公開されている。したがって、いつどのサービスから取得したデータが属性情報に設定されたのかが属性情報に含まれていれば、公開されている情報を用いて属性情報の信頼性を検証装置が検証することができる。
本実施形態では、時刻や場所等の属性情報の生成に撮像装置が使用した各サービスからのデータ(後述する属性検証データ)を属性情報に保持しておく。そして、検証装置は、各サービスからのデータと属性情報を用いて検証用情報を作成し、システムが公開する検証に使用できる情報と比較することで、属性情報の信頼性を検証する。
概略の手順は以下のようになる。
(1)信頼できる安価な属性情報を取得
GPSを始めとするGNSS(Global Navigation Satellite System)の衛星による位置情報提供サービスを用いて、撮像装置は地球上の位置を測位できる。また、位置情報提供サービスは時刻情報を配信したり、位置の測位に使用された衛星に関する情報の精度(誤差楕円)も配信している。また、位置情報提供サービスは任意の時刻における衛星の位置を算出できるように、各衛星の精密な軌道情報を公開している。GPSに対応した撮像装置はこれらの情報を安価に入手することが可能である。また標準時に同期したNTPサーバも各種存在しており、NTPに対応した撮像装置はインターネットを通じて安価に正確な時刻情報を取得できる。
(2)信頼できる方法による属性情報の設定
(1)のように様々なサービスを利用することによって、撮像装置は正確な属性情報を取得することができる。撮像装置は正確な属性情報に基づいて、例えば、撮像装置が内部で利用する時刻情報を修正することができる。また位置情報に関しても正確な情報を内部に設定することができる。特に、原子時計を搭載したGPSの時刻情報は非常に正確であり、電波によって直接、撮像装置に配信されるので、誤差の少ない時間設定が可能である。
(3)属性情報設定の記録
従来から、GPSやNTPサーバから取得したデータから属性情報に必要な情報(例えばGPSの場合には時刻情報と位置情報)のみを取り出して撮像装置が内部に反映させることが行われている。しかしながら、時刻情報と位置情報が単に設定されるだけでは、時刻情報と位置情報の設定方法が明らかでない。そのため、本実施形態では、時刻情報と位置情報の設定に使用されたデータを撮像装置が保持しておく。時刻情報と位置情報の設定に使用されたデータを属性検証データという。
(4)属性検証データの保護
属性検証データは保護されていないので、何らかの要因によって変更されるあるいは破壊されてしまう恐れがある。このため、撮像装置がいつどのようなデータに基づいて属性情報を設定したのかについて記録を残すだけでなく、撮像装置が属性検証データに対し電子署名を付与することで保護する。
(5)属性検証データの映像への設定
撮像装置は取得した映像に時刻情報や位置情報などの属性を付与することができるが、これを利用して撮像装置は属性検証データを映像に設定する。設定するとは、映像から取り出せる状態で映像に付随させること、付属させること、添付させること、映像と一体化すること等などをいう。映像はファイル転送あるいはストリーム転送などによって、映像を利用するクライアントに配信されるが、属性検証データも配信されることになる。
(6)属性情報の検証
撮像装置から取得された映像に付与されている属性検証データを含む属性情報を、公開されている検証情報を使用して検証装置が検証する。その結果、検証装置は信頼性がある方法で属性情報が算出されたこと又は設定されたと判断できる。
<用語について>
属性情報保有情報とは信頼性が検証される属性情報を有する情報である。例えば、映像であるが、時刻情報や位置情報などの属性情報を有する情報であればよい。例えば、文書データ、各種のアプリケーションファイル、実験データなどの電子データが相当する。本実施形態では主に映像を例にして説明する。
属性情報とは映像又は映像の撮像方法に関する情報である。また、属性情報とは、映像に設定等される情報である。具体的には、例えば映像の撮像位置や撮像場所である。この他、属性情報としては、撮像した撮像装置の情報、撮像条件、撮像者などが含まれていてもよい。
属性検証データは、属性情報を検証できる情報であればよく、属性情報によって種々である。本実施形態では、例えば、属性情報を位置情報とした場合、位置情報から衛星の位置を推定できる情報である。
検証用情報は、属性情報を検証するための情報である。例えば、位置情報と属性検証データから推定された衛星の位置である。
公開情報は、一般に公開され入手できる情報のうち属性情報を検証するための情報である。このため、属性情報によって種々である。本実施形態では、例えば、属性情報を時刻情報とした場合、時刻情報における衛星の位置を算出するための軌道情報である。
属性情報の信頼性を判断するとは、信頼性がある方法で属性情報が設定等されたかどうかを判断することをいう。また、この判断のプロセスで、属性情報が正確であることも判断差される(映像が属性情報に含まれる位置で撮像され、属性情報に含まれる時刻に撮像されたこと)。あるいは、信頼性がある方法で属性情報が設定されている場合には、属性情報も正確であると推定してよい。
また、検証情報は、公開情報を用いて算出され検証用情報と比較される情報である。本実施形態では、例えば、属性情報を時刻情報とした場合、公開情報から算出された時刻情報における衛星の位置である。
所定の方法とは、属性情報の正確性がある程度保証された属性情報の取得方法、算出方法、又は、設定方法などをいう。具体的には、衛星測位が可能なGPSによる測位方法や時刻の配信方法、NTPサーバによる時刻の提供方法などがある。
<システム構成例>
図1は、本実施形態の検証システム100の概略構成図の一例である。検証システム100は、撮像装置10、公開情報提供装置50、及び、検証装置30を有する。撮像装置10は、映像を撮像して保存する装置である。映像には動画だけでなく静止画も含まれる。撮像装置10として、例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどが挙げられる。一方、撮像装置10は映像を撮像する機能を有していればよく、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、ゲーム機、ナビゲーション装置、テレビ会議端末、電子黒板、複合機、又は、プロジェクタなどでもよい。
撮像装置10は、GPSなどの衛星51等から受信した電波により現在の時刻情報を取得し、また、電波を利用した測位により位置情報を作成し、映像の属性情報に設定する。また、撮像装置10は位置情報の作成に使用した属性検証データを属性情報に設定する。なお、GPS以外の位置情報提供サービスではガリレオ、準天頂衛星システムなどが知られている。本実施形態ではGPS以外の位置情報提供サービスを利用してもよい。
属性情報に時刻情報と位置情報が付与された映像はオンラインで検証装置30に送信される。オンラインによる送信では、ネットワークを介して送信すればよい。撮像装置10が屋外に存在する場合、撮像装置10はLTE(Long Term Evolution)、3G、4Gなどの携帯電話網を利用して映像を送信する。また、屋外で提供される公衆無線LANを使用して送信してもよい。また、撮像装置10が屋内に存在する場合、撮像装置10は無線LANや有線LANでインターネットに接続するなどして検証装置30と通信する。屋内の場合に、LTE、3G、4Gなどの携帯電話網を利用して映像を送信することもできる。
また、撮像装置10は記憶媒体に映像を記憶させることができる。この場合、ユーザが記憶媒体を持って検証装置30まで移動し、検証装置30に記憶媒体の映像を読み取らせる。したがって、撮像装置10と検証装置30が通信できなくても(オフラインでも)、検証装置30は検証できる。
公開情報提供装置50は、位置情報サービスの運用状況を監視して記録している。運用状況には、衛星51に異常がないかどうかだけでなく、GPSなどの衛星51の軌道情報も含まれる。公開情報提供装置50が公開する情報は、属性情報に含まれる時刻情報と位置情報の検証に使用される検証情報となる。
検証装置30は、公開情報提供装置50が公開する検証情報を用いて属性情報に含まれる時刻情報と位置情報の信頼性を検証する。すなわち、時刻情報と位置情報に基づいて属性検証データを使用することで、検証情報と同等の情報が得られるかどうかを判断する。例えば、検証装置30は時刻情報と位置情報に基づいて属性検証データを使用し衛星51の位置を推定する。任意の時刻の衛星51の位置は検証情報(衛星51の軌道情報)から算出できるので、両者が同じと見なせると衛星51の位置の推定に使用された時刻情報と位置情報に信頼性があると判断できる。
<ハードウェア構成例>
<<撮像装置のハードウェア構成>>
図2は、撮像装置10のハードウェア構成図の一例である。撮像装置10は、撮像装置10の全体の動作を制御するCPU101、IPL(Initial Program Loader)等のプログラムを記憶したROM102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM103を有する。また、撮像装置用のプログラム130や画像データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105を有する。また、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、撮像装置10に対する各種操作を受け付ける操作ボタン108、撮像装置10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、通信ネットワークを利用して無線又は有線でデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)111を有する。
また、撮像装置10は、CPU101の制御にしたがって被写体を撮像して画像データを取得する内蔵型のカメラ112、このカメラ112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力する内蔵型のマイク114、音声を出力する内蔵型のスピーカ115を有する。また、CPU101の制御にしたがってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御にしたがってディスプレイ150に画像データを伝送するディスプレイI/F117、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F118を有する。また、GPSの衛星51からの電波を受信して位置を検出するGPS受信装置119、撮像装置10に生じる加速度を検出する加速度センサ120、携帯電話網を介して音声通信・データ通信を行うLTE通信部121、及び、上記各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン122を有する。
ディスプレイ150は、液晶や有機ELによって構成され、ユーザが操作するメニュー、撮像した映像、メッセージなどを表示する表示領域である。ディスプレイI/F117は、ディスプレイ150のタッチパネル機能に対応している。
カメラ112は、レンズや、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子を含み、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)等が用いられる。
外部機器接続I/F118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、各種の外部デバイスを装着可能である。例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信装置を接続できる。
また、フラッシュメモリ104にはプログラム130が記憶されている。プログラム130はネットワークI/F111によりプログラム配信用のサーバからダウンロードされる。
なお、記録メディア106は、撮像装置10に対して着脱自在な構成となっている。また、上記のプログラム130は、記録メディア106に記録された状態で配布される場合がある。
<<検証装置のハードウェア構成>>
図3は、検証装置30のハードウェア構成図の一例である。検証装置30は、CPU201、ROM202、RAM203及び補助記憶装置204を備える。更に、検証装置30は、入力部205、表示部206及び通信部207を備える。なお、検証装置30の各部は、バス208を介して相互に接続されている。したがって、検証装置30は情報処理装置としての機能を有する。
CPU201は、補助記憶装置204に格納された各種プログラム、OS(Operating System))を実行する。ROM202は不揮発性メモリである。ROM202は、補助記憶装置204に格納された各種プログラムを、CPU201が実行するために必要なプログラム、データ等を格納する。
RAM203は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の主記憶装置である。CPU201によって実行される際に補助記憶装置204に格納された各種プログラムがRAM203に展開され、RAM203はCPU201の作業領域となる。
補助記憶装置204は、CPU201により実行される各種プログラム及び各種プログラムがCPU201により実行される際に利用される各種データベースを記憶する。補助記憶装置204は例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリである。
入力部205は、オペレータが検証装置30に各種指示を入力するためのインタフェースである。例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、音声入力装置などである。更に、USB I/Fなど記録媒体等の装着部を有していてもよい。
表示部206は、CPU201からの要求により、検証装置30が有する各種情報をカーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの形態でディスプレイ210に表示する。表示部206は、例えばグラフィックチップやディスプレイI/Fである。
通信部207は、ネットワークNを介して、他の機器と通信を行うネットワークI/Fである。
図示した検証装置30のハードウェア構成は、1つの筐体に収納されていたりひとまとまりの装置として備えられていたりする必要はなく、検証装置30が備えていることが好ましいハード的な要素を示す。また、クラウドコンピューティングに対応するため、本実施例の検証装置30の物理的な構成は固定的でなくてもよく、負荷に応じてハード的なリソースが動的に接続・切断されることで構成されてよい。
<撮像装置の機能について>
図4は、撮像装置10が有する機能をブロックにして表す機能ブロック図の一例である。図4に示すように、撮像装置10は、撮像部11、操作受付部12、表示制御部13、映像圧縮部14、制御部15、属性情報取得部16、送信データ生成部17、属性情報保存部18、属性検証データ取得部19、映像出力部20、及び、電子署名部21を有する。
これら各機能部は、図2に示された各構成要素のいずれかが、フラッシュメモリ104からRAM103に展開されたプログラムに従ったCPU101からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。しかしながら、一部又は全ての機能がIC、LSI、ASIC、FPGAなどのハードウェア回路によって実現されていてもよい。
撮像部11は、図2に示したCPU101がプログラムを実行し、カメラ112及び撮像素子I/F113等を制御することによって実現され、画角の範囲の被写体や風景がレンズを通して撮像素子上に形成する像を電気的に取り出し画像データを生成する。撮像部11は、動画撮像モードの場合は定期的に画像データを生成し、静止画モードの場合はユーザの操作のタイミングで画像データを生成する。
操作受付部12は、図2に示したCPU101がプログラムを実行し、タッチパネル及び操作ボタン108等を制御することによって実現され、ユーザの撮像装置10に対する操作を受け付ける。
表示制御部13は、図2に示したCPU101がプログラムを実行し、ディスプレイI/F117等を制御することによって実現され、ディスプレイに表示するための画像データを生成し、ディスプレイ150に表示させる。
映像圧縮部14は、図2に示したCPU101がプログラムを実行すること等で実現され、撮像部11が作成した画像データを圧縮する。撮像部11が作成した画像データはRawフォーマットやRGBフォーマットである。映像圧縮部14はこれを例えば、静止画であればJPEGなどのフォーマットの画像データを圧縮し、動画であればH.264やMpeg2などの符号化手順にしたがって符号化する。
送信データ生成部17は、図2に示したCPU101がプログラムを実行すること等で実現され、圧縮された映像から送信用のデータを生成する。例えば、静止画であれば、EXIFフォーマットにしたがって位置情報、時刻情報及び属性検証データを設定する。動画の場合には、例えばH.264のNALユニットに位置情報、時刻情報及び属性検証データを設定する。
映像出力部20は、図2に示したCPU101がプログラムを実行し、ネットワークI/F111を制御すること等で実現され、映像を外部に送信する。映像出力部20は、送信用のデータを生成する。例えば、静止画であれば、FTP、HTTPなどの所定のプロトコルで映像を送信するためのヘッダなどを作成する。動画配信(ストリーミング)の場合には、HTTPストリーミングやRTSP(Real-Time Streaming Protocol)などの専用プロトコルを用いたストリーミング方式がある。本実施形態ではどのような通信プロトコルで送信されてもよいものとする。
属性検証データ取得部19は、図2に示したCPU101がプログラムを実行しGPS受信装置119を制御すること等により実現され、属性検証データを取得する。なお、GPS受信装置119が受信した属性検証データには位置情報や時刻情報なども含まれる。
属性情報取得部16は、図2に示したCPU101がプログラムを実行すること等により実現され、位置情報や時刻情報などの属性情報を属性検証データ取得部19から取得する。GPS受信装置119は属性検証データと共に位置情報と時刻情報を取得している。換言すると属性検証データには位置情報と時刻情報が含まれている。あるいは、GPS受信装置119が受信する情報に、位置情報と時刻情報及び属性検証データが含まれている。属性情報取得部16は位置情報と時刻情報及び属性検証データが含まれる属性情報を属性情報保存部18に出力する。
属性情報保存部18は、図2に示したCPU101がプログラムを実行し、SSD105やRAM103を制御すること等で実現され、属性情報をRAM103、フラッシュメモリ104等に保存する。
電子署名部21は、図2に示したCPU101がプログラムを実行すること等で実現され、送信データ生成部17が送信する送信データに対し電子署名を付与する。
制御部15は、図2に示したCPU101がプログラムを実行すること等で実現され、撮像装置10の全体的な動作を制御する。
<<衛星から時刻情報及び位置情報を取得するまでの動作>>
例えば、ストリーミングにて映像を撮像装置10がクライアント(保存サーバ等)に配信する場合、撮像装置10は映像の転送にほとんどの処理を費やす。このため、属性情報の取得は予め行っておく。映像の配信に区切りのある場合(例えば、いくつかのパートに区分されている)、パートとパートの間に属性情報を取得してもよい。
属性検証データ取得部19は、GPS受信装置119と協働して、GPS等の衛星51の電波を捕捉して測位を行い、時刻、位置、及び受信したGPSの衛星51に関する情報を生成する。これらが、時刻情報、位置情報及び属性検証データである。本実施形態では、一例として属性検証データ取得部19はNMEA0183に従った情報を生成する。NMEA0183は、データをシリアル通信するための通信プロトコルである。一般に、GPS受信装置119と装置(ナビゲーション装置など)の制御部とを接続するための通信プロトコルとして用いられている。この他、NMEA0183は風速計、ジャイロコンパス、オートパイロットなど海上電子装置のデータを出力するためのフォーマットとしても使用されるが、海上に限られず広く使用されている。なお、NMEA0182が使用されてもよい。
NMEA0183の標準出力の中には、次の各メッセージが含まれる。
GNS/GGA…測位情報である。データ取得時刻(測位時刻)、経度・緯度・標高、位置の算出に用いた衛星51の数を含むメッセージである。
GST… 統計的エラー情報である。データ取得時刻(測位時刻)、誤差楕円の軸方向偏差及び角度、測位された経度・緯度・標高の誤差標準偏差を含むメッセージである。
GSA…使用した衛星51の情報である。位置の算出に用いた衛星番号の情報を含むメッセージである。
GSV…測位に用いた衛星51の番号、衛星仰角、衛星方位角を含むメッセージである。
ZDA…標準時の情報で、位置情報を取得した世界標準時の年月日及び時刻情報を含むメッセージである。
本実施形態では、これらのメッセージを含む属性検証データを属性検証データ取得機能が取得して属性情報取得部16に出力する。GNS/GGAが測位情報と位置情報を含むため、メッセージに位置情報と時刻情報が含まれている。
図5は、撮像装置10が属性検証データに電子署名を付与するまでの動作手順を示すシーケンス図の一例である。
S1:属性検証データ取得部19はGPS受信装置119が受信したNMEA0183のメッセージの一部又は全てを属性検証データとして、設定によって予め定められた時間ごとに取得する。例えば、ユーザは属性検証データを取得する時間間隔を設定できる。
S2:属性検証データ取得部19は属性検証データを属性情報取得部16に送信する。
S3:制御部15は、予め定められたタイミングで属性検証データから所定の項目の読み取りの要求を属性情報取得部16に指示する。予め定められたタイミングは、属性検証データ取得部19が属性検証データを取得するタイミングである。
S4:属性情報取得部16は、属性検証データ取得部19から取得した属性検証データのうち、GNS又はGCAのメッセージからGPS受信装置119が4つ以上の衛星51を捕捉していることを確認する。3つ以下の衛星51を捕捉して生成された位置情報の誤差が大きくなるためである。3つ以下の衛星51を捕捉している場合は属性検証データを破棄してよい。
S5:また、属性情報取得部16は、GNS/GGA、GST、GSA、GSV及びZDAの各メッセージが1つの測位に使用されたものであることを、各メッセージの時刻情報が一致するか否かによって確認する。確認できた場合、GNS/GGA、GST、GSA、GSV及びZDAのメッセージをRAM103やフラッシュメモリ104などに記憶する。
S6:次に、属性情報取得部16は、電子署名部21に対し、一連のメッセージに電子署名を付与させる。電子署名が不要な場合には、電子署名がなくてもよい。
S7:電子署名部21は一連のメッセージから電子署名データを作成し、属性情報取得部16に送出する。電子署名の作成方法は一般的なものでよい。例えば、電子署名部21はRAM103やフラッシュメモリ104に記憶した一連のメッセージからハッシュ値(メッセージダイジェスト)を作成し、秘密鍵で暗号化する。これが電子署名データとなる。時刻情報と位置情報だけでなくその他の属性情報のハッシュ値を暗号化することで、時刻情報と位置情報の信頼性が高いと判断できれば、その他の属性情報の信頼性も高いと判断できる。
S8:属性情報取得部16は、属性検証データと電子署名データを属性情報保存部18に送出する。
S9:属性情報保存部18は、属性検証データ及び電子署名データをRAM103やフラッシュメモリ104などに記憶する。
図6は属性検証データと電子署名データを模式的に説明する図の一例である。上記のように属性検証データ(GNS/GGA、GST、GSA、GSV及びZDA)及び電子署名データが対応付けて記憶されている。
なお、図5では制御部15からの要求に応じて属性検証データを取得する方法を説明したが、属性情報取得部16が制御部15とは独立して属性検証データを取得し、属性情報を保持してもよい。
<<映像撮像の手順>>
図7は、撮像装置10が映像を撮像する動作手順を示すシーケンス図の一例である。
S1:属性情報保存部18は、図5の処理で保存した属性検証データ及び電子署名データを属性情報として送信データ生成部17に出力する。
S2:制御部15は、映像を撮像するタイミングになると撮像部11に撮像を要求する。映像を撮像するタイミングは動画であれば周期的であり、静止画であればユーザが操作したタイミングである。
S3:撮像部11は周囲を撮像して映像を生成する。動画を撮像している場合、撮像部11は次々と映像を生成する。
S4:撮像部11は映像を映像圧縮部14に送出する。
S5:映像圧縮部14は圧縮した映像を送信データ生成部17に送出する。
S6:次に、送信データ生成部17は、動画の場合、圧縮された映像を送信データに変換すると共に、送信データに映像ではない属性情報を設定する。動画の場合の送信データの例を図8に示す。静止画の場合、送信データ生成部17は例えば、EXIFファオーマットにしたがって映像に属性情報を設定する。静止画の場合の送信データの例を図9に示す。
S7:作成された送信データは、映像出力部20が検証装置30に送信する。あるいは、動画を閲覧するクライアント端末又は動画を保存する画像記録サーバに送信されてもよい。また、映像出力部20は、映像をSDカードのような可搬型記録メディアにファイル形式で保存して、撮像装置の外部に出力してもよい。
<測定データについて>
図8は、H.264という動画像符号化方式の送信データを模式的に示す図である。H.264では、送信データはNALユニットという単位に分割される。NALは、Network Abstraction Layerの略で、動画(ストリーム)を送信単位(パケット)に分ける機能をいう。NALユニットは、VCL(Video Coding Layer:映像符号化層)と非VCLに分類される。VCLのNALユニットは、予測,変換,量子化及びエントロピー符号化した画像データそのものである。非VCLのNALユニットは、VCLのNALユニットの画像データをデコードするためのヘッダやパラメータ群が格納される。具体的には、以下のものが非VCLのNALユニットに格納される。
・SEI(Supplemental Enhancement Information)
・SPS(Sequence Parameter Set)
・PPS(Picture Parameter Set)
・AUD(Access Unit Delimiter)
SEIには表示やバッファ管理上有用な情報が格納される。SPSには、プロファイル、画像の幅・高さ、インタレースなど動画のデコードに必要な情報が格納される。PPSには個別のピクチャ(フレーム)をデコードする上で必要な情報が格納される。AUDには1枚の実効的なピクチャ(フレーム)を生成するためのNALユニットの区切りが格納される。
NALユニットには例えばnal_unit_typeというNALユニットにどのような情報が格納されているかを示す識別情報が付与されているので、ユニット内の情報がVCLのNALユニット(映像)なのかそれ以外の情報であるのかを、受信側が簡単に識別することができる。本実施形態では、送信データ生成部17は例えば非VCLのNALユニットのSEIに属性情報を格納する。
したがって、NALユニットを利用することで属性情報(位置情報と時刻情報を含む属性検証データ及び電子署名データ)を送信データの中に設定することが可能となる。なお、どのくらいの頻度で属性情報が設定されるかは、ユーザなどが適宜設定することができる。
<<静止画の場合の属性情報の格納>>
図9は、静止画に添付される属性情報を説明する図の一例である。図9では静止画のファイルフォーマットの1つであるEXIFを例にして説明する。この場合、送信データ生成部17は、EXIF等のファイルフォーマットに映像を変換する。また、映像のファイルの一部に属性情報(位置情報と時刻情報を含む属性検証データ及び電子署名データ)を設定する。
ExifではJpegフォーマットのアプリケーション・マーカセグメント1(APP1)を利用してデータが記録されている。図9(a)はJpegフォーマットの構造を示す。APP2〜APP15にはアプリケーションに固有の情報が格納される。その他のフィールドは受信側が映像をデコードするための情報である。
図9(b)はAPP1の構造を示す。APP1MakerはFFE1という2バイトデータ、APP1Lehgthはマーカ以降のデータ長でx0002〜xFFFFの2バイトデータである(Jpegの規約)。Exif識別コードはExifという4バイトの文字列+0000の2バイトが格納される。TIFFヘッダにはExifデータの記録形式がビッグ・エンディアンかリトル・エンディアンかを示す記号が格納される。以降のIFDは、TIFFのタグのセットを意味し、0thIFDはタグの数、タグ領域、次のIFDへのポインタ、タグの値の領域を含む。1st IFDもTIFFのタグのセットでありサムネイル画像の属性が格納される。
図9(c)に示すように、0thIFDは種々のタグを格納できるが、その1つにExif IFDがあり、EXIF固有のタグ(撮像条件など)が定義されている。また、0thIFDのタグには、GPS IFDのようにGPSの測定条件を格納するためのタグがある。また、EXIFの標準で規定されないタグ番号を用いれば、任意の情報を映像に添付することができる。
送信データ生成部17は、この機能を使って属性情報を映像のファイルの中に設定する(書き込む)。例えば、撮像装置10のメーカの担当者などがGPS IFDに加えSECURITY IFDというタグを定義する。SECURITY IFDに属性情報を格納することで属性情報の信頼性を保証するデータとして、撮像装置10が映像のファイルの中に属性情報を記録することができる。なお、他のセキュリティ情報をSECURITY IFDに格納してもよい。
<検証装置について>
図10を用いて検証装置30の機能を説明する。図10は、検証装置30が有する機能をブロックにして表す機能ブロック図の一例である。図10に示すように、検証装置30は、映像情報取得部31、映像情報保存部32、検証結果通知部33、映像情報信頼性検証部34、検証結果保存部35、公開検証情報取得部36、公開検証情報保存部37、及び、検証結果表示部38を有する。
これら各機能部は、図3に示された各構成要素のいずれかが、補助記憶装置204からRAM203に展開されたプログラムに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。しかしながら、一部又は全ての機能がIC、LSI、ASIC、FPGAなどのハードウェア回路によって実現されていてもよい。
映像情報取得部31は、図3のCPU201がプログラムを実行し通信部207等を制御することによって実現され、撮像装置10から属性情報が設定された映像情報を取得する。通信により取得するのでなく、記憶媒体に格納された映像情報を読み取ってもよい。
映像情報保存部32は、図3のCPU201がプログラムを実行すること等により実現され、補助記憶装置204やRAM203に映像を保存する。
公開検証情報取得部36は、図3のCPU201がプログラムを実行し通信部207等を制御することによって実現され、公開情報提供装置50から公開されている検証情報を取得する。記憶媒体に格納された検証情報を読み取ってもよい。
公開検証情報保存部37は、図3のCPU201がプログラムを実行すること等により実現され、検証情報を補助記憶装置204やRAM203に保存する。
映像情報信頼性検証部34は、図3のCPU201がプログラムを実行すること等により実現され、補助記憶装置204やRAM203に保存された映像情報に設定された属性情報の信頼性を検証する。信頼性が検証されるのは主に属性情報の位置情報と時刻情報である。また、映像情報信頼性検証部34は、検証情報取得部41、第1情報生成部42及び第2情報生成部43を有する。検証情報取得部41は属性情報から属性検証データ(位置情報と時刻情報を含む)を取得する。第1情報生成部42は、属性情報の位置情報に基づいて属性検証データを使用し衛星51の位置を推定する。第2情報生成部43は、属性情報の時刻情報に基づいて公開されている検証情報を使用して測位時刻の衛星51の位置を推定する。映像情報信頼性検証部34は推定された2つの位置を比較して位置情報と時刻情報に信頼性があるか否かを判断する。
検証結果保存部35は、図3のCPU201がプログラムを実行すること等により実現され、映像情報信頼性検証部34による検証結果を補助記憶装置204やRAM203に保存する。
検証結果通知部33は、図3のCPU201がプログラムを実行すること等により実現され、検証結果を外部に通知する。
検証結果表示部38は、図3のCPU201がプログラムを実行し、表示部206を制御すること等により実現され、検証結果をディスプレイ210に表示する。
検証の概略を説明する。映像情報取得部31は、撮像装置10からの映像情報をオンライン又はオフラインで取得し、映像情報保存部32が一時的に補助記憶装置204やRAM203に保存する。また、公開検証情報取得部36は公開されているGPS等の衛星51の軌道情報(検証情報)を取得し、公開検証情報保存部37が補助記憶装置204やRAM203に保存する。
映像情報信頼性検証部34の検証情報取得部41は、映像情報から検証に必要な属性検証データ(位置情報と時刻情報を含む)を取り出す。第1情報生成部42は、位置情報の測定に用いた衛星51の推定位置及びその誤差範囲を算出する。また、第2情報生成部43は公開されている検証情報を用いて撮像装置10が位置情報を測定した時刻(測位時刻)の衛星51の位置を算出する。映像情報信頼性検証部34は、属性情報の位置情報と属性検証データを取得から求め衛星51のた位置の存在可能範囲に、属性情報の時刻情報と公開されている検証情報から求めた衛星51の位置が含まれれば、位置情報と時刻情報の信頼性が高いと判断する。
動画の場合には検証装置30はこの判断を、順次、位置情報を求める際に用いられた衛星51について行い、同様に、位置情報と時刻情報の信頼性を検証する。
図11は、検証装置30が属性情報を検証する手順を示すフローチャート図の一例である。図11の処理は例えば、映像情報取得部31が映像情報を取得するとスタートする。
映像情報信頼性検証部34の検証情報取得部41は、映像情報から属性情報を取り出す(S10)。検証の対象となる映像情報が複数ある場合は、映像情報が選択されてもよいし、順番に検証されてもよい。
検証情報取得部41は、属性情報の中に検証に必要となる属性検証データ(GNS/GCA、GST、GSA, GSV及びZDAのメッセージ)が含まれるか否かを判断する(S20)。属性検証データがない場合(S20のNo)、検証不能であると判断する。メッセージに不足がある場合も検証できないので、検証不能と判断する(S30)。
次に、検証情報取得部41は電子署名データが正しいか否かを判断する(S40)。すなわち、属性検証データから求めたハッシュ値と、電子署名データを復号して得られるハッシュ値を比較する。
2つのハッシュ値が一致しない場合(S40のNo)、映像情報信頼性検証部34は検証不能と判断する(S50)。
2つのハッシュ値が一致した場合(S40のYes)、検証情報取得部41はGNS/GCA、GST、GSA, GSV及びZDAのメッセージに整合性があるか否かを判断する(S60)。例えば、衛星51の個数は正しいか、各メッセージの測位時刻は同じか、測定に用いた衛星51の情報があっているかなどを確認する。具体的には、GCA、GST、GSA、GSV、ZDAの各メッセージが有する測位時刻が同じか否かを確認する。測位時刻が同じなら、各メッセージは同じ位置情報の測位のために使われたと判断できる。また、衛星51の個数分のデータがGSA,SDVに含まれているか否かを確認する。メッセージに整合性がない場合(異なる測位時刻がメッセージが含まれている場合、衛星51の個数分のデータがGSA,SDVに含まれていない場合)、信頼できないと判断する(S70)。
ステップS60の判断がYesの場合、検証情報取得部41はGCAのメッセージから、測位に用いた衛星51の数を取得し、4つ以上か否かを判断する(S80)。
4つ未満の場合(S80のNo)、映像情報信頼性検証部34は位置情報を信頼できないと判断する(S90)。位置情報を信頼できない場合も、以下の処理は実行される。これは、最終的に位置情報と時刻情報の信頼性が高いと検証された場合、衛星51の数が4つ未満であり位置情報が間違っている可能性があっても位置情報と時刻情報が衛星51から取得されたものであることは保証できるためである。
次に、検証情報取得部41は属性検証データから時刻情報を取り出す(S100)。時刻情報が重要な場合には、時刻情報の検証を行ってもよい。例えば、NTPサーバから時刻を取得しておき、比較することなどが考えられる。
次に、映像情報信頼性検証部34の第2情報生成部43は、公開されている検証情報で測位に使用された衛星51の位置を算出する(S110)。属性検証データに含まれる測位時刻と、公開されている検証情報(例えば、GPSの過去からの衛星軌道情報は https://igscb.jpl.nasa.gov/components/prods_cb.html に公開されている)から測位時刻の衛星51の位置を算出できる。詳細は図12にて説明する。
次に、映像情報信頼性検証部34の第1情報生成部42は、位置情報に基づいて属性検証データを用いて測位時刻の衛星51の位置を推定し、衛星51の存在可能範囲を算出する(S120)。属性検証データには、測位された地球上の位置情報(GNSあるいはGCA)、及び衛星51の方向(GSV)が含まれる。また、衛星51の高度は既知(GPSの場合には約20200km)である。これらから衛星51の位置を推定することができる。更にGSTには角度方向の誤差(位置情報の位置から見て衛星51の方向の誤差を示す角度)が含まれているので、推定した衛星51の位置から衛星51の位置の存在可能範囲を求めることができる。詳細は図12にて説明する。
次に、映像情報信頼性検証部34は、公開された検証情報で推定された衛星51の位置が、属性検証データを使って推定された測位時刻の衛星51の存在可能範囲に含まれるか否かを判断する(S130)。
存在可能範囲に含まれない場合(S130のNo)、映像情報信頼性検証部34は、属性情報(位置情報と属性情報)が不正確であると判断する(S140)。
存在可能範囲に含まれる場合(S130のYes)、映像情報信頼性検証部34は属性情報に含まれる全ての衛星51に関し検証したか否かを判断する(S150)。
ステップS150の判断がNoの場合、処理はステップS110に戻る。ステップS150の判断がYesの場合、映像情報信頼性検証部34は属性情報が信頼できると判断する(S160)。
図12は、公開検証情報で推定された衛星51の位置と、属性検証データを使って推定された測位時刻の衛星51の位置を説明する図の一例である。まず、公開検証情報にはGPS週ごとに衛星51の楕円軌道を特定する情報が含まれる。GPS週は、GPS時を1980年1月6日0時にUTC(協定世界時)と同期して開始したときからの積算週である。したがって、位置を求めたい時刻が決まれた衛星51の位置P0が求められる。
また、GNSメッセージ又はGCAメッセージには衛星測位された地球80上の位置情報Pgが含まれる。そして、GSVメッセージには衛星51の方向として仰角(0〜90度)と方位度(0〜359度)が含まれる。したがって、地球80上の位置情報PgからGSVメッセージが指定する方向を示す直線Lが得られる。また、衛星51の高度は約20200Kmである。したがって、この直線L上でPgから長さが20200Kmの位置Psに衛星51があると推定される。
一方、GSTメッセージには角度方向の誤差D(位置情報の位置から見て衛星51の方向の誤差を示す角度)が含まれている。直線Lを中心に直線Lの方向をこの角度方向の誤差Dだけずらすと、位置Psを中心とする円が得られる。この円が存在可能範囲Cである。GSTメッセージには、測位された位置情報に対する長軸と短軸の誤差楕円が含まれている。この誤差楕円は測位された位置情報Pgに関する誤差であるが、測定位置から見ると衛星51の位置の誤差とみなすことができる。このため、存在可能範囲Cを衛星51の位置の誤差と見なせる。
したがって、位置Pが存在可能範囲Cに入っていれば、位置Psと位置Pが等しいと見なすことができる。
すなわち、検証装置30は以下の2つの方法で衛星51の位置を推定した。
・属性情報の時刻情報と公開された検証情報により推定される衛星51の位置P
・属性情報の位置情報と属性検証データにより推定される衛星51の位置Ps
とPsが等しいと見なせる場合、異なる方法で求めた衛星51の位置が同じことになるので、時刻情報と位置情報の信頼性が高いと判断できる。また、GPSを利用して2つの位置PとPsが推定されているので、検証装置30はGPSという信頼性がある方法で属性情報(位置情報と時刻情報)が算出されたこと又は設定されたと判断できる。
<まとめ>
以上のように、信頼できる機関が測定し公表している衛星51の位置が、属性情報に含まれていた属性検証データから算出できる衛星51の位置と等しいと見なせる場合、属性情報の位置情報と時刻情報が、信頼性がある方法で設定されたものであると判断できる。すなわち、悪意のある人間やソフトウェアにより設定されたものでないと判断できる。4つ以上の衛星51がある場合、すべての衛星51に関し属性情報を検証するので、信頼性が高いことをより厳密に保証できる。
なお、検証結果は検証装置30がディスプレイに表示してもよいし、映像情報の中に検証結果として設定してもよい。検証結果として設定する場合、検証に使用した公開検証情報(衛星軌道)を含めて付与すれば、検証結果の信頼性を高めることができる。更に検証結果を検証装置30が電子署名を付与して保護すれば、検証結果の信頼性が更に高まる。
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本実施形態では、公開情報提供装置50から軌道情報が提供されると説明したが、公開情報提供装置50が衛星51の位置Pを提供してもよい。すなわち、検証装置30が属性情報の測位時刻を公開情報提供装置50に送信すると、公開情報提供装置50が位置Pを算出し検証装置30に送信する。この場合、検証装置30は衛星51の位置Pを算出する必要がない。
また、本実施形態では、動画の動画像符号化方式としてH.264を例にしたが、H.264/AVC、Mpeg2、Mpeg4、Mpeg2/AVC、Mpeg4/AVC、AVCHD、H.265などで動画が符号化されてもよい。
また、静止画の圧縮方式としてJPEGを例にしたが、TIFF、GIF、PNGなどでもよい。このばあい、属性情報を設定するためのファイルフォーマットは適宜、適切なファイルフォーマットが選択される。
また、本実施形態ではGPSによる衛星測位で属性情報の位置情報と時刻情報が算出されたか否かを検証したが、属性情報に含まれる時刻情報は例えばNTPサーバから提供されたものでもよい。この場合、検証装置30はこの時刻情報で衛星51の位置Pを算出し、GPSによる位置情報で位置Psを算出する。両者が同等と見なせると、映像は位置情報が示す位置で撮像されその時刻は時刻情報の時刻であると判断できる。したがって、位置情報はGPSにより測位されたものであると判断でき、時刻情報はそれがNTPサーバから提供されたかどうか明らかでなくても正確であることが推定でき、時刻情報の出所も信頼性があると判断できる。
また、NTPサーバが提供する時刻を検証してもよい。国内の標準時を提供しているNICTではGPSを用いた原子時計等の時刻比較方法が定められている(http://jjy.nict.go.jp/QandA/data/gps.html)。したがって、これに基づいてNTPサーバを運用するサービス提供者が自身の時計の精度を公開すれば、本実施形態と同様の処理が可能になる。
また、衛星51の位置Psの算出を検証装置が行うでなく、外部のサーバが行ってもよい。この場合、検証装置は属性情報をサーバに送信し、サーバから位置Psを取得する。
また、図4,19などの構成例は、撮像装置10と検証装置30による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。撮像装置10と検証装置30の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
なお、検証情報取得部41は検証情報取得手段の一例であり、公開検証情報取得部36は公開情報取得手段の一例であり、第1情報加工部は第一情報生成手段の一例であり、映像情報信頼性検証部34は判断手段の一例である。第2情報加工部は第二情報生成手段の一例である。位置Psは第一の位置の一例であり、位置Pは第二の位置の一例である。
10 撮像装置
11 撮像部
30 検証装置
34 映像情報信頼性検証部
36 公開検証情報取得部
42 第1情報生成部
43 第2情報生成部
50 公開情報提供装置
特開2015-152398号公報

Claims (7)

  1. 属性情報保有情報が有する属性情報を検証する検証システムであって、
    前記属性情報は位置情報と時刻情報を含み、
    前記属性情報から前記属性情報を検証するための属性検証データを取得する検証情報取得手段と、
    外部から前記属性情報を検証するための公開情報を取得する公開情報取得手段と、
    前記属性情報の検証を行うための検証用情報を、前記属性情報が有する前記位置情報と前記属性検証データを用いて生成する第一情報生成手段と、
    前記属性情報が有する前記時刻情報と前記公開情報を用いて検証情報を生成する第二情報生成手段と、
    前記第二情報生成手段が生成した前記検証情報と前記検証用情報を比較して、前記属性情報の信頼性を判断する判断手段と、を有する検証システム。
  2. 前記判断手段は、前記検証情報と前記検証用情報を比較することで、前記属性情報が所定の方法で算出されたか否かを判断する請求項1に記載の検証システム。
  3. 記判断手段は、前記検証情報と前記検証用情報を比較することで、前記位置情報と前記時刻情報が所定の方法で算出されたか否かを判断する請求項1に記載の検証システム。
  4. 前記属性検証データは、衛星測位により得られた前記位置情報を用いて衛星の第一の位置を算出することができる情報を含み、
    前記検証情報は、前記時刻情報の前記衛星の第二の位置であり、
    前記判断手段は、前記第一の位置と前記第二の位置を比較することで、前記位置情報と前記時刻情報が所定の方法で算出されたか否かを判断する請求項3に記載の検証システム。
  5. 前記公開情報は、前記時刻情報の前記衛星の前記第二の位置を算出できる軌道情報を含み、
    前記第二情報生成手段は、前記時刻情報と前記軌道情報を用いて、前記衛星の前記第二の位置を算出する請求項4に記載の検証システム。
  6. 属性情報保有情報を有する属性情報を検証する情報処理装置であって、
    前記属性情報は位置情報と時刻情報を含み、
    前記属性情報から前記属性情報を検証するための属性検証データを取得する検証情報取得手段と、
    外部から前記属性情報を検証するための公開情報を取得する公開情報取得手段と、
    前記属性情報の検証を行うための検証用情報を、前記属性情報が有する前記位置情報と前記属性検証データを用いて生成する第一情報生成手段と、
    前記属性情報が有する前記時刻情報と前記公開情報を用いて検証情報を生成する第二情報生成手段と、
    前記第二情報生成手段が生成した前記検証情報と前記検証用情報を比較して、前記属性情報の信頼性を判断する判断手段と、を有する情報処理装置。
  7. 属性情報保有情報を有する属性情報を検証する検証システムが行う検証方法であって、
    前記属性情報は位置情報と時刻情報を含み
    検証情報取得手段が、前記属性情報から前記属性情報を検証するための属性検証データを取得するステップと、
    公開情報取得手段が、外部から前記属性情報を検証するための公開情報を取得するステップと、
    第一情報生成手段が、前記属性情報の検証を行うための検証用情報を、前記属性情報が有する前記位置情報と前記属性検証データを用いて生成するステップと、
    第二情報生成手段が、前記属性情報が有する前記時刻情報と前記公開情報を用いて検証情報を生成するステップと、
    判断手段が、前記第二情報生成手段が生成した前記検証情報と前記検証用情報を比較して、前記属性情報の信頼性を判断するステップと、を有する検証方法。
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