以下、複数の実施形態による冷蔵庫を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図1から図9を参照して説明する。図1に示すように、冷蔵庫1の筐体2は、前面が開口した矩形の箱状をなしていて、鋼板製の外箱3と合成樹脂製の内箱(図示せず)との間に、発泡ウレタンなどの発泡断熱材からなる断熱材4(図6参照)を充填して構成されている。この筐体2は、内部に複数の貯蔵室を有している。貯蔵室としては、最上部に冷蔵室5が設けられ、その下に野菜室6が設けられ、その野菜室6の下に、図示はしないが製氷室および冷凍室が設けられている。
冷蔵室5の前面開口部は、この場合観音開き式の2枚の扉7A、7Bにより開閉される。2枚の扉7A、7Bのうち、正面から見て左側の扉7Aは、これの左端部がヒンジユニット8により筐体2に回動可能に支持され、右側の扉7Bは、これの右端部がヒンジユニット9により筐体2に回動可能に支持されている。この場合、左側の扉7Aの左右方向の幅寸法L1は、右側の扉7Bの左右方向の幅寸法L2よりも小さく設定されている(L1<L2)。左側の扉7Aの自由端部側である右端部の後面側には、縦仕切部材10が設けられている。この縦仕切部材10は、扉7Aに水平方向に回動可能に設けられている。
左側の扉7Aを閉鎖した状態では、縦仕切部材10の一部が右側へ張り出して、右側の扉7Bの左端部を受けるようになり、また、左側の扉7Aを開放方向へ回動させることに伴い縦仕切部材10は後ろ側へ回動する。また、左側の扉7Aの前面側には、タッチパネル式の操作パネル11が設けられている。この操作パネル11には、静電スイッチ12や表示用のLED(図示せず)が設けられている。野菜室6の前面開口部は、引出し式の扉14により開閉される。扉14の裏側には、図示はしないが容器が設けられている。
次に、冷蔵室5における左右の扉7Aおよび扉7Bのうち、右側の扉7Bにおける右上部のヒンジユニット9付近の構成について、図2から図6も参照して説明する。ヒンジユニット9におけるヒンジ部16(図3、図6参照)は、金属、例えば鋼板製のもので、後部が筐体2の天井部における上面の右前部にねじ止めにより固定され、前部のヒンジ軸17が、扉7Bの右上端部に回動可能に連結されている。ヒンジ軸17は、下向きの円筒状をなしている。
筐体2の天井部において、ヒンジ部16の後方には、接続線引出し用部材18が設けられている。この接続線引出し用部材18は、例えば合成樹脂製で、上面が開口した矩形状をなしていて、筐体2における外箱3の天井部に形成した開口部19(図6参照)に上方から嵌め込まれることにより、下部が断熱材4内に挿入された形態となっている。接続線引出し用部材18には、引出し口20と、収容凹部21が設けられている。引出し口20と収容凹部21は、接続線引出し部22を構成している。
収容凹部21の内面には、金属部材、この場合アルミ箔15(図6参照)が設けられている。このアルミ箔15は、断熱材4の保護用および結露防止用である。接続線引出し用部材18の周囲壁18aの上端部は、筐体2(外箱3)の上面より例えば2mm以上、上方へ突出している。周囲壁18aは、接続線引出し部22への水の浸入を防止する水浸入防止手段として機能する。
ヒンジユニット9の近傍の筐体2の壁の中には、複数本の接続線23が配線されている。この接続線23は、一端部が筐体2の背面部に設けられた制御装置24(図1(a)参照)に接続され、他端部が引出し口20を通して接続線引出し部22に引き出されている。制御装置24は、冷蔵庫1の運転全般を制御するメインの制御装置であり、マイクロコンピュータを主体に構成されている。
接続線引出し部22に引き出された接続線23のうち、一部の接続線23Aは、ヒンジ部16側に配線され、前記ヒンジ軸17に挿通されている。この接続線23Aとしては、例えば湿度センサ13(図1(b)参照)などの接続用である。湿度センサ13は、例えば野菜室6の湿度を検知するように設けられる。接続線引出し部22に引き出された接続線23のうち、残りの接続線23Bは、後述する無線通信手段としてのITアダプタ25の接続用であり、先端部にコネクタ26が設けられている。
このコネクタ26には、図7に示すコネクタカバー27が着脱可能に装着されるようになっている。ITアダプタ25を設置しない場合には、コネクタ26にコネクタカバー27を装着した状態で、接続線23Bおよびコネクタ26を収容凹部21内に収容しておく。
ITアダプタ25接続用の接続線23Bの周囲には、当該接続線23Bに乗るノイズをシールするための金属線28がスパイラル状に覆うように設けられている。この金属線28にアース線28aの一端部が接続されていて、このアース線28aの他端部が、金属製の前記ヒンジ部16にねじなどで接続されている(図3参照)。
前記ヒンジ部16の上面には、ヒンジカバー30がねじ止めされる。このヒンジカバー30は、例えば合成樹脂製で、図3に示すように、ヒンジ部16を上方から覆うヒンジカバー部31と、前記接続線引出し用部材18を囲う囲い部32と、浅底容器状の収納部33が一体に設けられている。収納部33は、囲い部32の後方に設けられている。ヒンジカバー部31は、ヒンジ部16側に配線される接続線23Aも上方から覆っている。囲い部32の高さは、接続線引出し用部材18の周囲壁18aよりも高く設定されていて、この囲い部32も、接続線引出し部22への水の浸入を防止する水浸入防止手段として機能する。囲い部32は、接続線引出し部22の一部を構成している。
収納部33には、無線通信手段を構成するITアダプタ25が収納されている。収納部33は、ITアダプタ25を取り付ける取付部としても機能する。収納部33に収納されたITアダプタ25は、前面部に前向きに突出するコネクタ34を有し、内部に無線通信部35(図6参照)を有している。無線通信部35は、プリント配線基板からなる配線基板35a上に設けられている。配線基板35aの上面には、図示はしないが、アンテナとして細長のF字状の配線が設けられている。配線基板35aおよびアンテナは、ITアダプタ25の下面、ひいては筐体2の上面と平行に位置している。
ITアダプタ25の上面部において、対角線上に位置する2箇所の角部には、周囲より低くなる段部36が形成されている。収納部33側には、それら段部36に対応する部位に位置させて、弾性変形可能な係合爪37が一体に設けられている。ITアダプタ25を収納部33にあって正規の位置に収納した状態で、それら係合爪37が対応する段部36に係合することで、ITアダプタ25が収納部33に取り付けられて保持される。
ITアダプタ25を収納部33の正規の位置に取り付けた状態では、無線通信部35が上向きにされるとともに、コネクタ34が前方に向けられていて、このコネクタ34に、前記接続線23Bのコネクタ26が前方から着脱可能に接続される。この場合、ITアダプタ25を収納部33の正規の位置に取り付けた状態では、無線通信部35のアンテナと筐体2の上面との間の距離H1(図6参照)は、例えば10mmとしている。
ここで、ITアダプタ25を収納部33に取り付ける際に、例えば上下逆向きにして収納部33に取り付けようとした場合、段部36と係合爪37を係合させることができないため、ITアダプタ25を収納部33に取り付けることができない。したがってこの場合、段部36と係合爪37は、ITアダプタ25を収納部33に取り付ける際に、前記無線通信部35を上向きに位置させるための取付規制手段として機能する。収納部33の周囲の側壁33aは、収納部33内へ水が浸入することを防止する水浸入防止手段としても機能する。
ヒンジカバー30において、ヒンジカバー部31と囲い部32との間には接続部39が一体に設けられている。この接続部39は、図8に示すように山形状をなしていて、左右方向の中央部39aが高く、この中央部39aから左右両端部に向けて下降傾斜する傾斜部39b、39bが形成されている。傾斜部39bの水平面からの傾斜角度αは、5度以上とすることが好ましい。
この構成によれば、接続部39に対して上から水が掛かったとしても、その水は傾斜部39bに沿って端部側へ素早く流すことができ、接続部39に水が溜まることを防止できる。この山形状をなす接続部39も、接続線引出し部22に対する水の浸入を防止する水浸入防止手段として機能する。図8に示すように、ヒンジカバー部31の後面部には、接続部39の左右両側に位置させて係合孔40が形成されている。
ヒンジカバー30の上面において、ヒンジカバー部31の後方に位置させて通信手段用カバー41が着脱可能に装着されている。この通信手段用カバー41は、合成樹脂製で、囲い部32および接続線引出し部22を上方から覆う引出し部用カバー部42と、ITアダプタ25を上方から覆うアダプタカバー部43とを一体に有している。
アダプタカバー部43は、ITアダプタ25に対応する部分が一段高くなっている。アダプタカバー部43の上面には、この場合「無線」と文字で表示された表示部44が設けられている。この表示部44は、内部にITアダプタ25(無線通信手段)が収納されていることを表示するためのもので、文字に限られず、例えばイラストなどでもよい。
通信手段用カバー41の前部の左右両側には、前記係合孔40に係合する係合爪45が設けられている。この係合爪45は、弾性変形可能であり、係合孔40に対して後方から挿入することで抜け止め状態に係合する。通信手段用カバー41における引出し部用カバー部42の左右両側壁の内面には、内方へ突出する凸部46が設けられている。
前記囲い部32の左右両側壁の外面には、側方へ突出する凸部47(図3、図4に一方のみ示す)が設けられている。凸部46と凸部47は、対応する位置で、かつ上下に少しずれて設けられている。通信手段用カバー41におけるアダプタカバー部43の後壁部の下端部には、前方へ突出する凸部48が例えば2個設けられている。収納部33の後部には、図6に示すように、後面側が開口した凹部49が形成されている。
ここで、通信手段用カバー41をヒンジカバー30の上面に装着する際には、通信手段用カバー41を、囲い部32および収納部33の上面のやや後に位置させた状態から前方へスライドさせる。このとき、通信手段用カバー41の凸部46を囲い部32の凸部47の下方に入り込ませるとともに、通信手段用カバー41の凸部48を収納部33の後部の凹部49に後方から入り込ませる。そして、通信手段用カバー41の前部における左右両側の係合爪45を、ヒンジカバー部31の係合孔40に係合させる。これにより、ヒンジカバー30に対して通信手段用カバー41は、上方へ浮き上がることが防止された状態でヒンジカバー30に取り付けられる。
この場合、ヒンジカバー30側の係合孔40、凸部47、凹部49と、通信手段用カバー41側の係合爪45、凸部46、凸部48は、ヒンジカバー30に対して通信手段用カバー41の浮き上がりを防止する浮き防止手段を構成している。このようにして通信手段用カバー41をヒンジカバー30の上面に装着した状態では、通信手段用カバー41の前部が、前記接続部39を上方から覆うように位置している(図6参照)。
ヒンジ部16を覆うヒンジカバー部31、接続線引出し部22、および収納部33に収納されたITアダプタ25を覆う通信手段用カバー41は、前部のヒンジ部16側から後部のITアダプタ25側に向かって幅方向(横方向)に徐々に拡大する形態をなしている。収納部33に収納されたITアダプタ25の無線通信部35は、筐体2の上面(外箱3の上面)よりも高く、またヒンジ部16よりも高い位置に位置している。接続線引出し部22における収容凹部21の内面に設けられたアルミ箔15は、ITアダプタ25の無線通信部35より下側に位置している。
通信手段用カバー41の左右両側の外側面の前部には、係合爪45の近傍に位置させて着脱操作用の滑り止め部51が設けられている。この滑り止め部51は、この場合、上下方向に延びる2本のビード部により構成されている。2本のビード部の下端部は、通信手段用カバー41の左右両側壁の下端部まで延びている。
通信手段用カバー41をヒンジカバー30の上面に取り付ける際には、作業者は手の指をそれら左右の滑り止め部51に宛がいながら通信手段用カバー41を持ち、この通信手段用カバー41をヒンジカバー30に対して前方へスライドさせることで、左右の係合爪45を係合孔40に係合させることができる。
また、通信手段用カバー41をヒンジカバー30から外す場合には、作業者は手の指を左右の滑り止め部51に宛がった状態で、それら滑り止め部51を内方へ押圧して係合爪45を内方へ弾性変形させながら、通信手段用カバー41を後方へスライドさせることで、係合爪45と係合孔40の係合を解除させることができる。このように、滑り止め部51が設けられていることで、通信手段用カバー41をヒンジカバー30に対して着脱操作する際の操作がし易くなる。
なお、冷蔵室5の左側の扉7Aを支持する左上部のヒンジユニット8には、詳細には示されてはいないが、前記ヒンジ部16と同様なヒンジ部16と、接続線引出し部22と、ヒンジカバー52を備えている。このヒンジカバー52は、ヒンジ部16を覆うヒンジカバー部53と、接続線引出し部22を覆う引出し部用カバー部54を一体に有している。
このヒンジユニット8側には、ITアダプタ25は設けられていない。制御装置24からヒンジユニット8側に導出された接続線23は、筐体2の壁内を通されて接続線引出し部22において引き出され、ヒンジ軸17から扉7A側に配線されている。その接続線23としては、この場合、図1(b)に示すように、操作パネル11用の接続線23Cと、ヒータ接続線23Dが含まれている。操作パネル11用の接続線23Cには、静電スイッチ12やLED制御用が含まれる。また、ヒータ接続線23Dは、縦仕切部材10に設けられた結露防止用のヒータ(図示せず)に接続するものである。このヒータ接続線23Dは、100V用であり、他の接続線よりも太くなっている。
図9には、ITアダプタ25に関係したシステム構成の概略図が示されている。冷蔵庫1に設置されたITアダプタ25は、接続線23Bにより冷蔵庫1の制御装置24に接続されている。また、冷蔵庫1の操作パネル11は、接続線23Cにより制御装置24に接続されている。ITアダプタ25は、無線通信部35を介して、外部機器、この場合、家庭内に設置されたルータ56と無線通信が可能である。ルータ56は、インターネット57を介して情報サーバ58に接続されている。情報サーバ58には、インターネット57を介して、使用者が携帯する携帯端末機59からアクセス可能となっている。無線通信部35による無線通信の電波の波長λは、この場合120mmである。
上記した実施形態によれば次のような作用効果を得ることができる。
従来から冷蔵庫においては、扉のヒンジ部の近傍に、冷蔵庫の制御装置に接続される接続線が引き出され、ここからヒンジ軸を通して扉側に配線することが行われている。そこで、本実施形態においては、無線通信手段を構成するITアダプタ25を、冷蔵庫1における扉7Bのヒンジ部16の近傍に配設している。このため、ITアダプタ25に接続する接続線23Bを、ヒンジ軸17を通して扉側に配線される他の接続線23Aと、接続線引出し部22を共用化できる。これにより、ITアダプタ25および接続線23Bのレイアウトが行い易くできる。また、ITアダプタ25に接続する接続線23Bを、扉7B側に配線される他の接続線23Aと同様に、筐体2の壁(断熱材)4内を通すことが容易になり、接続線23Bを筐体2の上面上に露出させないように配線することが可能となる。
ITアダプタ25を、扉7Bのヒンジ部16の近傍に配設したので、扉7Bの閉鎖時の衝撃を受け難くできる。仮に、ITアダプタ25を、扉7Bにおいてヒンジ部16とは反対側の自由端部側(筐体2の上面において、正面から見て左右方向の中央部付近)に配設した場合、ITアダプタ25は、扉7Aおよび扉7Bの閉鎖時の衝撃を受け易くなるという不具合があるが、本実施形態によればそのような不具合の発生を防止できる。特に、コネクタ着脱式のITアダプタ25を利用する場合には、コネクタ26,34が外れるおそれが少ない。
なお、上記した実施形態においては、冷蔵室5の扉は観音開き式の2枚の扉7A,7Bで、このうちの右側の扉7Bのヒンジ部16の近傍にITアダプタ25を設けた場合で説明したが、扉が一枚の場合でも、ITアダプタ25をヒンジ部の近傍に設けることで、上記と同様な作用効果が得られる。
ヒンジ部16を覆うヒンジカバー30に、ITアダプタ25を取り付ける収納部33を設けているので、ITアダプタ25をヒンジ部16の近傍に容易に配設することができる。また、ヒンジカバー30の囲い部32に接続線23A,23Bを引き出していて、そのうちの接続線23BとITアダプタ25を、それらのコネクタ26とコネクタ34を介して接続する構成としたことにより、接続線23BとITアダプタ25を容易に接続することができる。なおこの場合、ITアダプタ25は、筐体2の上面に直接取り付けるようにしてもよい。
ヒンジ部16を覆うヒンジカバー30と、このヒンジカバー30に設けられITアダプタ25を収納する収納部33と、この収納部33に収納したITアダプタ25を覆う通信手段用カバー41を備えたことにより、ヒンジ部16およびITアダプタ25が露出せず、見栄えを良くすることができるとともに、使用者がそれらに不用意に触ることを防止できる。通信手段用カバー41は、接続線23を引き出す接続線引出し部22も覆う構成としているので、接続線23が露出することも防止できる。
なお、ヒンジカバー30に収納部33を設けず、ITアダプタ25を、筐体2の上面に両面接着テープ等により直接取り付けるようにした場合には、ヒンジカバーにより、接続線引出し部22およびITアダプタ25も一緒に覆う構成とすることもできる。
ITアダプタ25は、ヒンジ部16の後方に位置させた。これにより、ITアダプタ25があることが、前方からは見難く、目立ち難くできる。なお、ITアダプタ25を、筐体2の上面においてヒンジ部16の左横に位置させた場合には、ITアダプタ25がヒンジカバー30で隠れ難くなり、目立ち易くなる。
接続線引出し部22は、ヒンジ部16とITアダプタ25との間に位置させている。接続線引出し部22は、筐体2の上面に開口部19を形成して設けることになるので、ヒンジ部16の後方で、筐体2の上面の端部に設けることが好ましい。
ヒンジユニット9側の接続線23には、ITアダプタ25に接続する接続線23Bと扉7B側に導出される接続線23Aとがあり、これら接続線23A、23Bは、ヒンジ部16とITアダプタ25との間の接続線引出し部22においてITアダプタ25側とヒンジ部16側とに前後に分かれる構成とした。これにより、接続線引出し部22に引き出された接続線23A,23Bを前後に良好に配線することができる。
ITアダプタ25が有する無線通信部35は、筐体2の上面より上方に位置しているので、無線通信部35による無線通信が筐体2により邪魔されることを防止できる。また、接続線引出し部22の収容凹部21には、金属部材であるアルミ箔15を設けているが、このアルミ箔15は、前記無線通信部35より下側で、かつ無線通信部35を覆わないように位置しているので、無線通信部35による無線通信が金属製のアルミ箔15により邪魔されることを防止できる。
ITアダプタ25における無線通信部35は、ヒンジ部16よりも高い位置にあるので、やはり無線通信部35による無線通信が、金属製のヒンジ部16により邪魔されることを防止できる。ITアダプタ25を覆う通信手段用カバー41のアダプタカバー部43は、ヒンジ部16より上方に突出しているので、ITアダプタ25の無線通信部35を、ヒンジ部16よりも高い位置にすることを一層容易にできる。
ITアダプタ25を覆う通信手段用カバー41のアダプタカバー部43の上面には、ITアダプタ25が収納されていることを表示する表示部44を設けているので、その表示部44を見ることで、作業者も、また、使用者もわかりやすい。
ITアダプタ25が有するコネクタ34は、筐体2の上面より上方に位置している。このため、仮に筐体2の上面に水が流れることがあったとしても、その水がコネクタ34に接触することを防止できる。
ITアダプタ25を収納部33に取り付ける場合に、ITアダプタ25が有する無線通信部35を上向きに位置させるための取付規制手段として、段部36と係合爪37を設けているので、ITアダプタ25は、無線通信部35を確実に上向きにした状態で取り付けることができる。これにより、無線通信部35が下向きにした状態で取り付けられる場合に比べて、無線通信部35による通信を良好に行うことが可能になる。
ITアダプタ25接続用の接続線23Bのコネクタ26には、着脱可能なコネクタカバー27が備えられている。冷蔵庫1にITアダプタ25を設置しない場合には、接続線23Bのコネクタ26は収容凹部21内に収容しておくことになるが、この場合、コネクタ26にコネクタカバー27を装着しておくことで、コネクタ26の端子が露出することを防止できる。これにより、コネクタ26の端子が、金属製のアルミ箔15やヒンジ部16に接触することを確実に防止することができる。
ITアダプタ25接続用の接続線23Bにノイズ防止用の金属線28を設けるとともに、この金属線28に接続したアース線28aを、金属製のヒンジ部16に接続する構成とした。これにより、接続線23Bにノイズが乗ることを防止できる。また、このような構成は、ITアダプタ25をヒンジ部16の近傍に配置する構成としたことで、容易に達成することができる。また、金属線は接続線23Bの被覆線内に配置されていても良く、その場合、コネクタ26にアース線28aを接続すると良い。
接続線引出し部22に対する水浸入防止手段を備えている。この場合の水浸入防止手段としては、接続線引出し用部材18において接続線引出し部22を囲む周囲壁18aと、この周囲壁18aを囲む囲い部32と、山形状をなす接続部39がある。これらにより、接続線引出し部22に対する水の浸入を防止できる。ITアダプタ25を収納する収納部33は、容器状をなしているから、その周囲の側壁33aがITアダプタ25に対する水浸入防止手段としても機能する。
冷蔵室5の扉は観音開き式の2枚の扉7A、扉7Bであり、これら二枚の扉7A、扉7Bのうち、左側の扉7Aのヒンジユニット8には、ヒータ接続線23Dが通されていて、ITアダプタ25は、ヒータ接続線23Dが通されていない右側の扉7Bのヒンジユニット9の近傍に設けている。これによれば、ITアダプタ25が、ヒータ接続線23Dからノイズなどの影響を受け難くできる利点がある。
また、冷蔵室5の二枚の扉7A、扉7Bのうち、左側の扉7Aには静電スイッチ12を備えた操作パネル11が設けられ、ITアダプタ25は、静電スイッチ12が設けられていない右側の扉7Bのヒンジユニット9の近傍に設けている。これによれば、ITアダプタ25による通信が静電スイッチ12に悪影響を及ぼすことを極力防止できる。
ヒンジカバー30と通信手段用カバー41との間には、ヒンジカバー30に対して通信手段用カバー41の浮き上がりを防止する浮き防止手段を設けている。この場合、浮き防止手段としては、ヒンジカバー30側の係合孔40、凸部47、凹部49と、通信手段用カバー41側の係合爪45、凸部46、凸部48である。通信手段用カバー41は前後方向に長い形状であり、装着時に浮きが発生しやすいが、通信手段用カバー41の前後の3箇所に浮き防止手段を設けることにより、通信手段用カバー41が浮き上がることを良好に防止することができる。
通信手段用カバー41はその外側面に着脱操作用の滑り止め部51を有していて、その滑り止め部51は、上下方向に延びる2本のビードにより形成されていて、通信手段用カバー41の外側面の下端部まで延びている。これによれば、通信手段用カバー41を型成形で成形する際に、上型と下型の合わせ面を、滑り止め部51の下端部、すなわち通信手段用カバー41の左右側壁の下端部に設定することで、通信手段用カバー41の左右側壁の外面の中間部に型の合わせ面となる、いわゆるパーティングラインが残らないようにできる利点がある。
ヒンジ部16を覆うヒンジカバー30と、接続線引出し部22およびITアダプタ25を覆う通信手段用カバー41を備え、これら両カバーは、ヒンジ部16側からITアダプタ25側に向かって、幅方向に徐々に拡大する形態となっている。これによれば、ヒンジカバー30および通信手段用カバー41に、極端な段部が形成されないようにできて、見栄えをよくできる利点がある。なお、カバーとしては、ヒンジ部16からITアダプタ25までを一括して覆う一つのカバーとしてもよい。また、カバーにおいて、ヒンジ部16側からITアダプタ25側に向かって拡大する方向は、幅方向(横方向)に限られず、高さ方向とすることもできる。
ITアダプタ25は、これの無線通信部35(アンテナ)と筐体2の上面となる金属製の外箱3の上面との間の距離H1が10mmとなる位置に配置している。無線通信部35と金属(外箱3)との間の距離が、無線通信部35が扱う無線電波(2.5GHz帯)の波長λ(約120mm)の1/2の倍数の距離、すなわち60mm、120mm、180mmなどに設定されていると、無線電波の入射波と反射波が打ち消しあってしまい、電波が届かなくなってしまうおそれがある。
この点、本実施形態においては、無線通信部35と筐体2の上面との間の距離H1を10mmに設定しているので、上記の数値には該当せず、無線電波が届かなくなることを防止できる。また、特に本実施形態においては、上記距離H1を、波長λの1/2未満となる10mmに設定しているので、ITアダプタ25が上方へ大きく突出することを防止でき、意匠上も好ましくできる。
なお、上記距離H1を、波長λの1/4となる30mmに設定すると、電波の入射波と反射波の位相がそろって電波が倍増する可能性が高くなり、通信性能が一層高くなることが期待できる。また、他の無線電波を利用した場合も同様である。例えば、2.4GHz(波長:125mm)帯、5GHz(波長:60mm)帯なども同様である。
(第2実施形態)
第2実施形態について図10を参照して説明する。この第2実施形態では、ITアダプタ25を収納部33に取り付ける構造において、ITアダプタ25が有する無線通信部35を上向きに位置させるための取付規制手段を構成する前記係合爪37がない場合である。このような場合においては、ITアダプタ25が、図10に示すように、これの無線通信部35が下向きとなる状態で収納部33に取り付けられてしまうことがある。
仮に、このようにITアダプタ25が上下逆向きに取り付けられたとしても、前面部のコネクタ34は、筐体2の上面よりも上に位置するようになっている。このため、筐体2の上面に水が流れることがあったとしても、その水がコネクタ34に接触することを防止できる。この点については、収納部33がなく、ITアダプタ25を筐体2の上面に直接取り付ける場合でも同様である。
(第3実施形態)
第3実施形態について図11および図12を参照して説明する。この第3実施形態では、無線通信手段を構成するITアダプタ25を、右上部のヒンジユニット9側には設けておらず、代わりに左上部のヒンジユニット8付近に設けている。左上部のヒンジユニット8は、左右2枚の扉7Aおよび扉7Bのうち、幅寸法が小さいほうの左側の扉7Aを支持する。
ヒンジカバー30には、第1実施形態のヒンジカバー30と同様に、ヒンジカバー部31と、接続線引出し部22を囲う囲い部32と、ITアダプタ25を収納する収納部33が一体に設けられている。接続線引出し部22には、一端部が制御装置24に接続された接続線23が引き出されている。接続線23には、この場合、ITアダプタ25接続用の接続線23B、操作パネル11用の接続線23C、ヒータ接続線23Dが含まれている。
接続線引出し部22において、ITアダプタ25接続用の接続線23BはITアダプタ25側に向けられて、先端部のコネクタ26が、ITアダプタ25のコネクタ34に接続されている。他の接続線23(操作パネル11用の接続線23C、ヒータ接続線23D)は、ヒンジ部16側に向けられて、ヒンジ軸17に挿入されている。
このとき、収容凹部21において、当該収容凹部21の内面に設けられたアルミ箔15は、ヒータ接続線23Dと断熱材4との間に位置する。なお、右側のヒンジユニット9のヒンジ部16および接続線引出し部22は、第1実施形態の左側のヒンジユニット8と同様に、ヒンジカバー52により覆われる。
上記した実施形態によれば、特に次のような利点がある。
ITアダプタ25は、観音開き式の2枚の扉7A,7Bのうち幅寸法が小さい左側の扉7Aのヒンジユニット8の近傍に設ける構成とした。この構成によれば、幅寸法が小さい左側の扉7Aは、右側の扉7Bよりも重量が軽くなるので、扉7Aの閉鎖時にITアダプタ25が受ける衝撃を一層低減することができる。
接続線引出し部22において、ここに引き出された接続線23には、100V通電用のヒータ接続線23Dが含まれており、収容凹部21の内面には、発泡断熱材からなる断熱材4の延焼防止のためのアルミ箔15が設けられている。この場合も、アルミ箔15は筐体2の上面よりも下方に設けているので、金属製のアルミ箔15が無線通信部35の無線通信に悪影響を及ぼすことを防止できる。
(第4実施形態)
第4実施形態について図13を参照して説明する。この第4実施形態は、前述した第1実施形態とは次の点が異なっている。すなわち、接続線引出し用部材18の後部に、容器状の収納部61を一体に設けていて、この収納部61も、外箱3の開口部19に上方から嵌め込んでいる。したがって、収納部61の底面は、外箱3の上面より下方に位置している。そして、その収納部61にITアダプタ25を収納配置し、このITアダプタ25のコネクタ34と接続線23Bのコネクタ26を接続している。
(第5実施形態)
第5実施形態について図14を参照して説明する。図14には、ITアダプタ25を、左側の扉7Aのヒンジ部16の近傍に設けた例が簡略化して示されている。筐体2の上面において、接続線23を引き出す接続線引出し部62は、ヒンジ部16の後方で、かつ前方から見てヒンジ部16より内側(この場合、右側)に位置するように右斜めに配置されている。ITアダプタ25は、接続線引出し部62の後方延長線上に位置するように配置されている。換言すれば、ITアダプタ25は、ヒンジ部16から右斜め後方に配置されている。
接続線引出し部62に引き出された接続線23のうち、扉7A側の接続線23はヒンジ部16側に導出されてヒンジ軸17に挿入され、ITアダプタ25用の接続線23Bは、ITアダプタ25側に向けられ、コネクタ26,34を介してITアダプタ25に接続されている。そして、ヒンジ部16、接続線引出し部22、およびITアダプタ25は、これらを一括して覆うカバー63により覆われている。なお、カバー63としては、二つに分けてもよい。
(第6実施形態)
第6実施形態について図15を参照して説明する。図15では、ITアダプタ25を、右側の扉7Bのヒンジ部16の近傍に設けた例が簡略化して示されている。筐体2の上面において、接続線引出し部62は、ヒンジ部16の左横に設けられている。ITアダプタ25は、接続線引出し部62の左横に位置させて、扉7Bに並行するように横向き配置されている。コネクタ34は右に向けられている。接続線引出し部62に引き出された接続線23のうち、扉7A側の接続線23はヒンジ部16側に導出されてヒンジ軸17に挿入され、ITアダプタ25用の接続線23Bは、ITアダプタ25側に向けられ、コネクタ26,34を介してITアダプタ25に接続されている。
そして、ヒンジ部16、接続線引出し部62、およびITアダプタ25は、これらを一括して覆うカバー64により覆われている。このカバー64は、ヒンジ部16、接続線引出し部22、およびITアダプタ25の配置に沿うように、上から見てL字状をなしている。筐体2の天井部の後部には、冷凍サイクルのコンプレッサ65が配置されている。
この場合、接続線引出し部62およびITアダプタ25は、筐体2の天井部の凹部にそれぞれ配置されているが、これら接続線引出し部62およびITアダプタ25を、一体の凹部の中に配置しても良い。
(第7実施形態)
第7実施形態について図16を参照して説明する。この第7実施形態は、上記した第6実施形態とは次の点が異なっている。すなわち、筐体2の上面において、ITアダプタ25を、ヒンジ部16および接続線引出し部62の後方に位置させて、前方から見てそれらヒンジ部16および接続線引出し部62にラップするように配置している。ITアダプタ25は、コネクタ34を左に向けた横向きで、扉7Bに並行するように配置されている。そして、ヒンジ部16、接続線引出し部62、およびITアダプタ25は、これらを一括して覆うカバー66により覆われている。このカバー66は、ヒンジ部16、接続線引出し部62、およびITアダプタ25の配置に沿うように、上から見てL字状をなしている。
(第8実施形態)
第8実施形態について図17を参照して説明する。この第8実施形態は、次の点を特徴としている。筐体2の上面において、右側の扉7Bのヒンジ部16の後方に、接続線引出し部62を形成する部材として取付部材68が設けられている。この取付部材68は、例えば合成樹脂製で、接続線引出し部62と収納部69を有している。収納部69は接続線引出し部62の後方に位置していて、この収納部69に、配線基板70とITアダプタ25が収納されている。この場合、ITアダプタ25は、配線基板70の後方に位置させて、コネクタ34を前に向けた状態で配置されている。
ヒンジ部16と、接続線引出し部62と、配線基板70と、ITアダプタ25が、前後方向に直線状に配置されている。そして、ヒンジ部16、接続線引出し部62、配線基板70、およびITアダプタ25は、これらを一括して覆うカバー71により覆われている。このカバー71は、ヒンジ部16、接続線引出し部62、配線基板70、ITアダプタ25の配置に沿うように、上から見て直線状をなしている。配線基板70には温度センサや湿度センサを設けており、これらの検出値に基づいて庫内の制御をしている。また、これらの検出値により、ITアダプタ25の動作するための周囲環境を報知するようにしても良い。
(第9実施形態)
第9実施形態について図18はを参照して説明する。この第9実施形態は、上記した第8実施形態とは次の点が異なっている。すなわち、接続線引出し部62を形成する取付部材72は、接続線引出し部62の周りに収納部73を有している。この収納部73において、配線基板70は接続線引出し部62の後方に配置され、ITアダプタ25は、接続線引出し部62と配線基板70の左横に配置されている。
したがって、ITアダプタ25は、前方から見て配線基板70より内側に配置されている。そして、ヒンジ部16、接続線引出し部62、配線基板70、およびITアダプタ25は、これらを一括して覆うカバー74により覆われている。このカバー74は、ヒンジ部16、接続線引出し部62、配線基板70、ITアダプタ25の配置に沿うように、上から見てL字状をなしている。
(第10実施形態)
第10実施形態について図19から図22を参照して説明する。図19から図22のうち、図19および図20は、右上部のヒンジユニット9の近傍にITアダプタ25を設置していない場合を示し、図21および図22は、ITアダプタ25を設置した場合を示している。なお、図19から図22において、2枚の扉7A,7Bは省略されている。
まず、図19および図20において、ヒンジカバー30には、ヒンジ部16(図3参照)を覆うヒンジカバー部31の後方に、接続部39を介して囲い部32は一体に設けられているが、収納部33は設けられていない。囲い部32内の接続線引出し部22には、接続線23が引き出されている。接続線23のうち、図示されていない扉7B側の接続線23Aはヒンジカバー部31側に導出されている。
そして、ITアダプタ25用の接続線23Bは、収容凹部21に出し入れ可能に収容されている。囲い部32の後面の2箇所に孔部75が形成されている。ヒンジカバー部31の後面には、接続部39の左右両側に位置させて、第1実施形態と同様に係合孔40が形成されている。また、囲い部32の左右両側面には凸部47が形成されている。
接続線引出し部22には、引出し部用カバー76が着脱可能に装着される。この引出し部用カバー76は、接続線引出し部22を覆う第1のカバーである。引出し部用カバー76には、前部に前記係合孔40に係合する係合爪45が設けられ、左右側壁の内面に、前記凸部47に対応する凸部46が設けられ、後部に前記孔部75に対応する前向きの凸部77が設けられている。また、引出し部用カバー76の左右両外側面の前部には、滑り止め部51も設けられている。
引出し部用カバー76をヒンジカバー30の上面に取り付ける際には、作業者は手の指を左右の滑り止め部51に宛がいながら引出し部用カバー76を持ち、この引出し部用カバー76をヒンジカバー30に対して前方へスライドさせることで、左右の係合爪45を係合孔40に係合させるとともに、後部の各凸部77を対応する孔部75に挿入する。このとき、引出し部用カバー76の左右の凸部46が、囲い部32の凸部47の下方に入り込む。これにより、引出し部用カバー76をヒンジカバー30の上面に、浮き上がりを防止した状態で取り付けることができる。
また、引出し部用カバー76をヒンジカバー30から外す場合には、第1実施形態の前記通信手段用カバー41の場合と同様に、作業者は手の指を左右の滑り止め部51に宛がった状態で、それら滑り止め部51を内方へ押圧して係合爪45を内方へ弾性変形させながら、引出し部用カバー76を後方へスライドさせることで、係合爪45と係合孔40との係合を解除させることができる。これにより、引出し部用カバー76をヒンジカバー30から外すことができる。
上記構成のヒンジユニット9に対してITアダプタ25を設置する場合には、図22に示すように、ITアダプタ25と、このITアダプタ25を収納するアダプタ固定具78と、第1実施形態と同様な構成の通信手段用カバー80を用意する。アダプタ固定具78は、例えば合成樹脂製で、矩形容器状をなしていて、内部に収納部81を有している。ITアダプタ25を、その収納部81に収納固定する。
ITアダプタ25を固定したアダプタ固定具78は、ヒンジカバー30を基準にして、囲い部32の後方に位置させた状態で、筐体2(外箱3)の上面に例えば両面テープで固定状態に取り付ける。アダプタ固定具78の後部には、後面が開口した凹部49が形成されている。
通信手段用カバー80は、第1実施形態の通信手段用カバー41とは上面の形態が若干異なっているが、構成はほぼ同様である。通信手段用カバー80は、接続線引出し部22(囲い部32)およびITアダプタ25を同時に覆う第2のカバーを構成する。この通信手段用カバー80は、左右両側壁の前部に係合爪45を有し、左右両側面の前部に滑り止め部51を有し、左右両側壁の内面に凸部46を有し、後部に前向きの凸部48を有している。
通信手段用カバー80の上面には、ヒンジ部16側からITアダプタ25側に向けて徐々に高くなるように傾斜する傾斜部80aを有していて、ITアダプタ25側に向けて徐々に拡大する形態となっている。また、通信手段用カバー80の上面には、ITアダプタ25の上方に位置させて、「無線」の表示部44が設けられている。
この通信手段用カバー80は、ヒンジカバー30に対して次のようにして取り付けられる。通信手段用カバー80を、囲い部32およびITアダプタ25の上面のやや後に位置させた状態から前方へスライドさせる。このとき、通信手段用カバー80の凸部46を囲い部32の凸部47の下方に入り込ませるとともに、通信手段用カバー80の凸部48をアダプタ固定具78の後部の凹部49に後方から入り込ませる。
そして、通信手段用カバー80の前部における左右両側の係合爪45を、ヒンジカバー部31の係合孔40に係合させる。これにより、ヒンジカバー30に対して通信手段用カバー80は、上方へ浮き上がることが防止された状態でヒンジカバー30に取り付けられる。
この場合、ヒンジカバー30の係合孔40は、接続線引出し部22を覆う引出し部用カバー76(第1のカバー)と、接続線引出し部22とITアダプタ25を同時に覆う通信手段用カバー80(第2のカバー)の双方の取り付けが可能なカバー取付部を構成している。なお、本実施形態においては、接続線23Bに、ノイズ防止用の金属線28およびアース線28aが設けられていないが、設けておくことが好ましい。
(その他の実施形態)
上記した実施形態では、冷蔵室5の扉として観音開き式の2枚の扉7A、7Bを備えたものを例示したが、一枚の扉の場合にも適用することができる。この場合にも、ITアダプタ25は、その扉を支持するヒンジ部の近傍に設ける。
以上説明したように本実施形態の冷蔵庫によれば、無線通信手段を、ヒンジ部周辺に引き出された接続線に接続する構成とことにより、無線通信手段や配線のレイアウトをし易くできる。
また、上記した実施形態には、以下の複数の発明が記載されている。
前記無線通信手段は、前記ヒンジ部の近傍に配設されていることを特徴とする冷蔵庫。
前記扉は左右二つの観音開き式の扉であり、これら左右二つの扉のうち一方の扉は、他方の扉に比べて左右方向の幅寸法が小さく形成され、前記無線通信手段は、前記左右二つの扉のうち前記幅寸法が小さい側の扉のヒンジ部の近傍に配置されていることを特徴とする冷蔵庫。
前記ヒンジ部を覆うヒンジカバーを備え、前記ヒンジカバーには、前記無線通信手段を取り付ける取付部が設けられていることを特徴とする冷蔵庫。
前記ヒンジ部を覆うヒンジカバーを備え、前記ヒンジカバーには前記接続線が引き出されていて、この接続線と前記無線通信手段はコネクタを介して接続可能であることを特徴とする冷蔵庫。
前記ヒンジ部を覆うヒンジカバーと、このヒンジカバーに設けられ前記無線通信手段を収納する収納部と、この収納部に収納された前記無線通信手段を覆う通信手段用カバーと、を備えていることを特徴とする冷蔵庫。
前記通信手段用カバーは、前記接続線を引き出す接続線引出し部も覆うことを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段は、前記ヒンジ部の後方に位置していることを特徴とする冷蔵庫。
前記接続線を引き出す接続線引出し部は、前記ヒンジ部と前記無線通信手段との間に位置していることを特徴とする冷蔵庫。
前記接続線には、前記無線通信手段に接続する接続線と前記扉側に導出される接続線とがあり、これら接続線は、前記接続線引出し部において前記無線通信手段側と前記ヒンジ部側とに分かれていることを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段における前記無線通信部は、前記筐体の上面より上方に位置していることを特徴とする冷蔵庫。
前記接続線を引き出す接続線引出し部には金属部材が設けられていて、前記金属部材は、前記無線通信部を覆わないように位置していることを特徴とする冷蔵庫。
前記金属部材は、前記無線通信部より下側に位置していることを特徴とする冷蔵庫。
前記接続線にはヒータ用接続線が含まれていて、前記金属部材は、前記ヒータ用接続線と前記筐体内の発泡断熱材との間に位置していることを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段における前記無線通信部は、前記ヒンジ部より高い位置にあることを特徴とする冷蔵庫。
前記通信手段用カバーは、前記ヒンジ部より上方に突出していることを特徴とする冷蔵庫。
前記通信手段用カバーには、前記無線通信手段が収納されていることを表示する表示部が設けられていることを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段が有するコネクタは、前記筐体の上面より上方に位置していることを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段を取り付ける場合に、当該無線通信手段が有する前記無線通信部を上向きに位置させるための取付規制手段を備えていることを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段は、これの前記無線通信部が下向きに取り付けられた場合でも、当該無線通信手段が有するコネクタが、前記筐体の上面よりも上に位置することを特徴とする冷蔵庫。
前記接続線のコネクタには、着脱可能なコネクタカバーが設けられることを特徴とする冷蔵庫。
前記接続線にはアース線が設けられていて、このアース線を、金属製の前記ヒンジ部に接続することを特徴とする冷蔵庫。
前記接続線を引き出す接続線引出し部に対して水の浸入を防止する水浸入防止手段を備えていることを特徴とする冷蔵庫。
前記扉は左右二つの観音開き式の扉であり、これら左右二つの扉のうち一方の扉のヒンジ部にはヒータ接続線が通されていて、前記無線通信手段は、前記左右二つの扉のうち前記一方とは反対の他方の扉のヒンジ部の近傍に設けられていることを特徴とする冷蔵庫。
前記扉は左右二つの観音開き式の扉であり、これら左右二つの扉のうち一方の扉には静電スイッチが設けられ、前記無線通信手段は、前記静電スイッチが設けられる一方の扉とは反対の他方の扉のヒンジ部の近傍に設けられていることを特徴とする冷蔵庫。
前記ヒンジカバーと前記通信手段用カバーとの間には、前記ヒンジカバーに対して前記通信手段用カバーの浮き上がりを防止する浮き防止手段が設けられていることを特徴とする冷蔵庫。
前記通信手段用カバーはその外側面に着脱操作用の滑り止め部を有していて、前記滑り止め部は、前記通信手段用カバーの外側面の端部まで延びていることを特徴とする冷蔵庫。
前記ヒンジ部、前記接続線を引き出す接続線引出し部、および前記無線通信手段を覆うカバーを備え、このカバーは、前記ヒンジ部側から前記無線通信手段側に向かって徐々に拡大していることを特徴とする冷蔵庫。
前記接続線を引き出す接続線引出し部は、前方から見て前記ヒンジ部より内側に位置していて、前記無線通信手段は、前記接続線引出し部の後方延長線上に位置していることを特徴とする冷蔵庫。
前記接続線を引き出す接続線引出し部は、前方から見て前記ヒンジ部の横に位置していて、前記無線通信手段は前記扉に並行するように位置し、前記ヒンジ部、前記接続線引出し部、および前記無線通信手段を覆うカバーはL字状部を有し、前記筐体の天井部の後部にはコンプレッサが配置されていることを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段は、前記ヒンジ部と前記接続線引出し部の後方に位置し、前方から見てそれらヒンジ部および接続線引出し部にラップしていることを特徴とする冷蔵庫。
前記ヒンジ部の後方に前記接続線を引き出す接続線引出し部が配置され、その接続線引出し部を形成する部材に配線基板が収納されていることを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段は、前記配線基板と同じ収納部に収納されていることを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段は、前方から見て前記基板より内側に配置されていることを特徴とする冷蔵庫。
前記ヒンジ部を覆うヒンジカバーを備え、このヒンジカバーは、前記接続線を引き出す接続線引出し部と、カバー取付部を有していて、前記カバー取付部には、前記接続線引出し部を覆う第1のカバーと、前記接続線引出し部および前記無線通信手段を同時に覆う第2のカバーの双方の取り付けが可能となっていることを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段は、前記無線通信部と前記筐体との間の距離が、無線電波の波長の1/2の長さの倍数の寸法となる位置には配置されていないことを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段は、前記無線通信部と前記筐体との間の距離が、無線電波の波長の1/2以下の寸法となる位置に配置されていることを特徴とする冷蔵庫。
前記無線通信手段は、前記無線通信部と前記筐体との間の距離が、無線電波の波長のほぼ1/4の寸法となる位置に配置されていることを特徴とする冷蔵庫。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。