JP6739958B2 - ポリマー構造の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ポリマー構造の製造方法に関し、特に、ポリマー(高分子材料)の微細構造を形成するためのフォトリソグラフィ及びドライエッチング技術を使用する製造方法に関する。
ポリマーは、スピンコート法などにより容易に薄膜形成が可能であり、サイズの制限も受けないという大きな利点を有するため、近年、光導波路材料としての利用が試みられている。このようなポリマー光導波路デバイス(高分子光導波路素子)は、下部クラッド層、導波路層、上部クラッド層となる高分子材料あるいは高分子前駆体化合物を、シリコン等からなる基板上に溶融又は溶解させた状態で順次塗布、硬化させた後に、所定の導波路の形状にパターニングし、また、切断や研磨によって導波路端面(光導入面)を鏡面化することで作製される。特に、電界により屈折率が変化する電気光学(Electro-optic、以下「EO」と略す)効果で導波光を制御する導波路型光素子の研究において、EO特性を有するEOポリマー材料は、無機材料に比べ、光変調器の小型化・低電力化・超高速光動作において優れていると考えられている(非特許文献1)。
大友 明、他、「超高速光通信のための有機電気光学ポリマーデバイス」、情報通信研究機構研究報告、Vol. 59、No. 1、pp.3-10、(2013年)
一般に、導波路の形成は、フォトリソグラフィやエッチング等、周知の技術を組み合わせて行われるが、ポリマー光導波路デバイスのアスペクト比が高く微細な構造を形成するためには、超小型電子技術分野では公知のドライエッチストップとして機能する金属等のハードマスクを使用する必要がある。しかしながら、ポリマー光導波路上にウエットエッチング又はドライエッチング用のハードマスク材料(金属等)を直接堆積するのは難しい。特に、EOポリマーにおいては、高温のプロセスにより電気光学(EO)活性が損失するので、理想的には転移温度以下(例えば90℃以下)でのプロセスが望まれる。この場合、ハードマスクの製作はさらに困難なものとなる。
図2は、ポリマー層上に直接、金属ハードマスクを形成する従来の製造方法における途中構造図である。
図2において、基板10上に、ポリマー層20、金属ハードマスク材料層40、感光性層(フォトレジスト)50が積層されている。基板10は、例えば、シリコン基板11の表面に酸化膜(図示せず)を形成し、その上に金属等からなる下部電極12を形成したものを用いることができる。ポリマー層20は、ここでは、下部クラッド層21、導波路(コア)層22、上部クラッド層23からなる光導波路デバイスの層構造を有している。
しかしながら、この構造を実際に製作する場合、低温プロセスのポリマー層20上に金属ハードマスク(例えば、Crマスク)材料層40を直接形成しようとすると、金属(Cr)をスパッタした時点でポリマー層20の表面に大きな損傷が生じ、スパッタ蒸着した金属40がポリマー層と一緒にはがれてしまう。これは、スパッタ時にポリマー層20の表面にプラズマや温度の高い金属粒子が衝突し、ポリマーが熱を受けることにより、表面温度が局所的にポリマー層20を構成するポリマーの許容温度(耐熱温度)を超えたたり、熱膨張を生じることが原因と考えられている。
また、図3は、ポリマー層上にポリマー保護層(感光性層)を介して金属ハードマスクを形成する、従来の別の製造方法における途中構造図である。
図3において、基板10上に、ポリマー層20、ポリマー保護層31、金属ハードマスク材料層40、感光性層(フォトレジスト)50が積層されている。図2と同様に、基板10は、シリコン基板11の表面に酸化膜(図示せず)を形成し、その上に金属等の下部電極12を形成したものを用いることができ、また、ポリマー層20は、下部クラッド層21、導波路(コア)層22、上部クラッド層23からなる光導波路デバイスの層構造を有している。ポリマー保護層31は、ポリマー層20より耐熱性の高い感光性層(フォトレジスト)を利用することができる。
しかしながら、ポリマー層20と金属ハードマスク(例えば、Crマスク)材料層40の間にポリマー保護層として感光性層(フォトレジスト)31を設けた場合、金属(Cr)をスパッタした時点での金属膜の剥離はなくなるが、スパッタ金属の粒界の間隔が大きく、金属(Cr)層40上の感光性層(フォトレジスト)50の形成時に、下地の感光性層31と金属層40も一緒に剥離してしまう。すなわち、この製造方法では、ポリマー保護層(感光性層)31を形成する際のベーキング温度を被加工物であるポリマー層20の耐熱温度より高くすることができないため、ポリマー保護層(感光性層)31を十分緻密な層とすることができず、その上にスパッタで形成される金属層の粒界の間隔が大きくなる。そして、金属ハードマスク材料層40上に感光性層50をスピンコート等で形成する際に、溶液(溶剤)が金属粒界の間を通って感光性層31に達し、感光性層31が溶け出すことにより、感光性層31及び金属ハードマスク材料層40が剥離するのである。
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、ハードマスクを利用したエッチングが可能な、ポリマー構造の製造方法を提供することにある。特に、ポリマー光導波路デバイスの製造に有利な、低温プロセスにおいてもハードマスクを使用可能な、ポリマー微細構造の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るポリマー構造の製造方法は、基板上に、電気光学特性を有するポリマー層と、前記ポリマー層に対して選択的に除去可能な第1のポリマー保護層と、前記第1のポリマー保護層よりも緻密な第2のポリマー保護層と、ハードマスク材料層と、感光性層とを、順次積層した積層体を準備する段階と、前記感光性層を露光・現像して、所定のパターンに形成する段階と、所定のパターンに形成された前記感光性層をマスクとして、前記ハードマスク材料層をエッチングし、前記所定のパターンのハードマスクを形成する段階と、前記ハードマスクをマスクとして、前記第2のポリマー保護層、前記第1のポリマー保護層、ポリマー層を順次エッチングして、前記基板の一部を曝す段階と、前記ハードマスクをエッチングして除去する段階と、前記第1のポリマー保護層の残存部分を除去し、前記基板上に、前記所定のパターンに形成された前記ポリマー層を生成する段階と、を含む、ポリマー構造の製造方法であって、前記第2のポリマー保護層は、前記感光性層の溶剤には溶解せず、気相から分子単位で成長するポリマー材料からなり、全ての段階において、前記電気光学特性を有するポリマー層の転移温度以下の温度で処理することを特徴とする。
また、前記ポリマー構造の製造方法は、前記ハードマスクを形成後に、前記ハードマスクに重なる前記感光性層の残存部を、露光・現像して除去する段階を更に含むことが望ましい。
また、前記第1のポリマー保護層は、感光性のポリマー材料からなることが望ましい。
また、前記第2のポリマー保護層は、パリレンポリマーからなることが望ましい。
また、ハードマスク材料層は、金属からなり、スパッタリング、蒸着、又はイオンプレーティングにより形成されることが望ましい。
また、前記ポリマー層は、下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に形成され、前記下部クラッド層の屈折率よりも大きい屈折率を有する導波路(コア)層と、前記導波路層上に形成された上部クラッド層、を含むことが望ましい。
また、前記ポリマー層は、有機非線形光学材料を含み電気光学効果を有することが望ましい。
また、前記ポリマー構造の製造方法は、全ての段階において前記ポリマー層に加わる温度が、90℃以下であることが望ましい。
また、前記ポリマー構造の製造方法は、前記基板の表面に、下部電極層あるいはパターンニングされた下部電極を形成する工程と、前記ポリマー層の表面に、上部電極層あるいはパターンニングされた上部電極を形成する工程と、を含むことが望ましい。
本発明の製造方法により、ハードマスクを利用してポリマー層を所望の形状にパターニングすることができ、ポリマーの微細構造を作製することができる。また、この製造方法を利用し、90℃以下の低温プロセスでポリマーの微細加工を行うことができ、EOポリマー材料を含むポリマー光導波路デバイスについて、アスペクト比が高く微細な構造を形成することが可能となる。
本発明の実施例のポリマー構造の製造方法を示す図である。 従来の製造方法における途中構造図である。 従来の別の製造方法における途中構造図である。 本発明と従来技術のハードマスク材料層の外観を示す写真である。 パターニングを行った本発明のハードマスクの外観を示す写真である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施例であるポリマー構造の製造方法を、工程順に示した図である。
図1(A)は、ポリマー構造の前駆体物品となる積層体を準備する段階である。基板10は、例えば、表面が酸化処理されて、2μm程度の表面酸化膜(図示せず)を有するシリコン(Si)基板11を用いることができる。なお、基板11として、ガラス基板やセラミック基板等、必要に応じて、適宜の材料からなる基板を用いても良い。本実施例では、基板11上に、厚さ100nm程度の金属からなる電極層あるいはパターニングされた電極12が形成されており、最終的なポリマー光導波路デバイスの下部電極となる。本発明では、所定の材料からなる基板11のみならず、その表面に別の材料からなる表面層や電極12等が形成された状態のものを含めて、「基板」と呼ぶこととする。電極材料としては、例えば、Cr、Cu、Al等の金属や、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO[登録商標](Indium Zinc Oxide)等の酸化物導電材料を用いることができ、デバイスに対応して適宜の材料を選択できる。この下部電極12は、スパッタ等により被着され、その後パターニングされており、このときはまだポリマー層がないので、必要に応じて、製作温度は300℃程度まで加熱できる。
基板10上に重なるポリマー層20は、導波路(コア)層22にEO材料であるジスパースレッド1アクリラート(Disperse Red 1 methacrylate)95% (Sigma-Aldrich社) melting point 85−104℃、下部クラッド層21及び上部クラッド層23にPMMA-co-GMA(polymethyl-methacrylate-co-glycidyl methacrylate) (Sigma-Aldrich社)を用い、スピンコーターとベーキング(90℃)・UV(紫外線)照射をくり返して形成する。一般に、EOポリマー材料(有機非線形光学材料)は高温でEO特性が劣化するので、ポリマー層20としてEOポリマー材料を用いた場合は、このポリマー層20の形成以降の工程では、EOポリマー材料に加わる温度が100℃以下の低温プロセスを採用することが必要であり、EOポリマー材料の転移温度以下(例えば、90℃以下)のプロセスとすることが、より望ましい。
ポリマー層20上に、第1のポリマー保護層31を形成する。この第1のポリマー保護層31は、製造過程において、ポリマー層20へダメージが加わるのを防止するものであり、ポリマー層20とは異なる溶解特性(又はエッチング特性)を有し、ポリマー層20に悪影響を与えることなく形成でき、また、ポリマー層20に対して選択的に除去することができるポリマー材料を用いる。例えば、第1のポリマー保護層31として、感光性層(フォトレジスト:感光性のポリマー材料)を用いることができる。感光性層を利用した場合には、露光と現像により、所望の領域のポリマー保護層31を部分的に除去することができ、製造工程の自由度を高めることができる。本実施例では、感光性層として、ポジ型フォトレジストであるTSMR−V90(東京応化工業)を用い、90℃でベーキングを行った。なお、第1のポリマー保護層31は、感光性層以外にも、ポリマー層20上から選択的に除去することが可能な任意のポリマー材料を用いても良い。
第1のポリマー保護層31に重ねて、第2のポリマー保護層32を形成する。この第2のポリマー保護層32は、その後のハードマスクの製造過程において、下層の第1のポリマー保護層31及びポリマー層20へダメージが加わるのを防止するとともに、良質・均質なハードマスク材料層40を形成するためのものであり、第1のポリマー保護層31より緻密なポリマー材料が選択される。なお、後に形成される感光性層の溶液(溶剤)に溶解することのないポリマー材料であることが望ましい。第2のポリマー保護層32として用いるポリマー材料は、第1のポリマー保護層31上に室温にて気相から分子単位で「成長」し(例えば、蒸着により重合し)、ピンホールなどができにくいポリマー材料が適しており、例えば、パリレンポリマーを用いることができる。パリレンポリマーは、ダイマーと呼ばれる固体材料を加熱・気化してダイマー気体とし、このダイマー気体が熱分解してモノマー形態となり、このモノマーが表面で重合して、薄く透明なポリマーフィルムを形成することができる。本実施例では、第2のポリマー保護層32として、パリレンC(日本パリレン合同会社製)を蒸着した。なお、第2のポリマー保護層32は、パリレンCの他、パリレンD,パリレンHT等を利用でき、さらに、パリレンポリマー以外にも、その後のハードマスク材料層の被着に耐えることができ、第1のポリマー保護層31よりも緻密なポリマー材料を用いても良い。
第2のポリマー保護層32上に、ハードマスク材料層40を形成する。このハードマスク材料層40は、その後、パターン形成されてポリマー層20及びポリマー保護層31,32をエッチングする際のマスクとなる層であり、一般には、金属からなり、スパッタリング、蒸着、又はイオンプレーティング等により形成される。本実施例では、ハードマスク材料層40として、スパッタリングによりCrを100nm成膜した。なお、ハードマスク材料層40は、下層のポリマー層20に悪影響を与えない低温プロセスで形成することができ、ポリマー層20及びポリマー保護層31,32をエッチングするプラズマにマスク効果のある材料であれば、例えば、無機材料(酸化膜等)を用いても良い。
そして、最上層として、ハードマスク材料層40上に、感光性層(フォトレジスト)50を形成する。本実施例では、感光性層50として、TSMR−V90(東京応化工業)を用い、90℃でベーキングを行った。
図4に、本発明のハードマスク材料層40(図4(A)参照)と、従来技術によるハードマスク材料層(図4(B)参照)との外観を電子顕微鏡写真で示す。図4(A)は、第2のポリマー保護層(パリレンポリマー)の上に、Cr膜をスパッタで被着したものであり、図4(B)は、第1のポリマー保護層(感光層)の上に、Cr膜をスパッタで被着したものである。両者を比較すると、従来の製法によるCr膜は、粒界の間隔が大きいのに対して、明らかに、本発明のCr膜の方が緻密に形成されており、粒径が細かく粒界の間隔も小さい。
本実施例では、ハードマスク材料層40が、図3の従来例と比較して緻密に形成されているため、感光性層50をスピンコート等により形成する際に、感光性層50の溶剤がハードマスク材料層40の粒界の間から下層に漏れる可能性が極めて低くなる。また更に、第2のポリマー保護層は、感光性層50の溶剤には溶解せず、また、緻密であるから溶剤が第2のポリマー保護層を通過することはない。したがって、感光性層50を形成する際に、第1のポリマー保護層(感光性層)に上層から溶剤が達することはなく、剥離等を生じることはない。
このようにして形成された、ポリマー構造の前駆体物品となる積層体に対して、規定されたパターンを有するフォトマスクを通る光(放射線)hνを照射し、感光性層50を露光した。なお、露光において、フォトマスクは必須のものではなく、例えば、細くビーム化した電子線を制御して、感光性層(この場合は電子線レジスト)50を所定のパターンで照射し、露光を行っても良い。
図1(B)は、感光性層50をパターニングしてレジストマスク51を形成する段階である。規定されたパターンで露光された感光性層50を現像して、当該パターンによって規定された感光性層50を除去し、下に横たわるハードマスク材料層40の対応部分を曝す。なお、感光性層50が、ポジ型のフォトレジストである場合は、現像後に露光部分が除去され、ネガ型のフォトレジストである場合は、現像後に露光部分が残る。感光性層50は、パターン化されることにより、ハードマスク材料層40をエッチングする際のレジストマスク51となる。
図1(C)は、ハードマスク材料層40をパターニングしてハードマスク41を形成する段階である。ハードマスク材料層40は、本実施例ではCrで形成されており、レジストマスク51により曝された部分を、MPM−E350(DNPファインケミカル製)のエッチング液でエッチングして、下に横たわる第2のポリマー保護層32の対応部分を曝す。ハードマスク材料層40は、パターン化されることにより、その下層のポリマー保護層31,32及びポリマー層20をエッチングする際のハードマスク41となる。
図5に、本発明により形成されたハードマスクの写真を示す。図5は、パターンのピッチ(周期)4μmで、ストライプ状の金属(Cr)パターンを形成した例である。本発明により、パターンの崩れを生じることなく、ハードマスクを形成できることが確認できる。したがって、ポリマー層の微細構造(パターン)を製作できる。
図1(D)は、レジストマスク51を除去する段階を示す。ハードマスク(ハードマスク材料層40の残存部分)41に重なるレジストマスク(感光性層50の残存部)51を除去する。本実施例では、感光性層50としてポジ型レジストを用いていることから、レジストマスク51の全面を露光し、続いて現像して除去することができる。なお、後述のように、このレジストマスク51をプラズマでエッチング除去することも可能であり、このレジストマスク51を露光して除去する段階は、省略することができる。
図1(E)は、被加工物であるポリマー層20をパターニングする段階である。ハードマスク41をエッチングしないプラズマP(例えば、O2+CF4)を用いて、第2のポリマー保護層32の曝された部分と、その部分の下に横たわる第1のポリマー保護層31の対応する一部と、第1のポリマー保護層31のその部分の下に横たわるポリマー層20の対応する一部を、順次エッチングして、基板10の対応部分を曝す。このとき、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma;ICP)エッチングや、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching;RIE)等の方向性エッチングを用いることにより、光ポリマー導波路デバイスのアスペクト比が高く微細な構造を形成することが可能となる。
なお、図1(D)の段階で、レジストマスク51が十分に除去されなかった場合、あるいは、レジストマスク51の除去工程を省略した場合であっても、レジストマスク51はポリマーであるから、ポリマー保護層31,32及びポリマー層20のエッチングの際に、同時にプラズマPでエッチング除去される。
図1(F)は、ハードマスク41が除去された段階を示している。ハードマスク41は、ここではCrで形成されており、MPM−E350エッチング液でエッチング除去することができる。ハードマスク41を除去した後、第1のポリマー保護層31及び第2のポリマー保護層32の残存部を除去する。第1のポリマー保護層31がポジ型レジストで形成されている場合、第2のポリマー保護層32を介して第1のポリマー保護層31を所定波長の光(hν)で全面露光し(第2のポリマー保護層32は実質的に透明)、露光に続いて現像することにより、第1のポリマー保護層31を除去し、同時に、その上の第2のポリマー保護層32もリフトオフにより除去することができる。なお、第1のポリマー保護層31は感光性層以外の層であっても良く、その場合は、ポリマー層20に対して第1のポリマー保護層31を選択的に除去できるエッチング液により、第1のポリマー保護層31をエッチング除去し、同時に、第2のポリマー保護層32も除去すれば良い。
図1(G)は、ポリマー構造の完成図である。第1のポリマー保護層31及び第2のポリマー保護層32の残存部を除去することにより、基板10上に、規定された露光パターンに対応するパターンに配列されたポリマー層20の一部を備えるポリマー構造が完成する。本実施例では、下部クラッド層21、導波路層22、上部クラッド層23とからなるポリマー光導波路デバイス(高分子光導波路素子)が生成される。
ポリマー光導波路デバイスにEO特性を生じさせるために、ポリマー構造の表面に上部電極層あるいはパターニングされた上部電極を形成しても良い。上部電極材料としては、例えば、有機EL等で用いられている透明電極のIZO(Indium Zinc Oxide)を使用することができる。IZOは室温でポリマー層を傷めずに形成可能であり、ポリマー構造上に厚さ100nm程度形成することにより、電極として機能する。なお、上部電極は、新たな電極層を形成しても良く、また、金属からなるハードマスクの一部を残して、上部電極として利用してもよい。
この微細加工プロセスにより、90℃以下の低温プロセスにおいても金属マスク等のハードマスクを利用して、ポリマー構造を製作することができる。
上述の実施の形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施の形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
10 基板
11 シリコン基板
12 金属電極
20 ポリマー層
21 下部クラッド層
22 導波路(コア)層
23 上部クラッド層
31 第1のポリマー保護層
32 第2のポリマー保護層
40 ハードマスク材料層
41 ハードマスク
50 感光性層
51 レジストマスク

Claims (9)

  1. 基板上に、電気光学特性を有するポリマー層と、前記ポリマー層に対して選択的に除去可能な第1のポリマー保護層と、前記第1のポリマー保護層よりも緻密な第2のポリマー保護層と、ハードマスク材料層と、感光性層とを、順次積層した積層体を準備する段階と、
    前記感光性層を露光・現像して、所定のパターンに形成する段階と、
    所定のパターンに形成された前記感光性層をマスクとして、前記ハードマスク材料層をエッチングし、前記所定のパターンのハードマスクを形成する段階と、
    前記ハードマスクをマスクとして、前記第2のポリマー保護層、前記第1のポリマー保護層、ポリマー層を順次エッチングして、前記基板の一部を曝す段階と、
    前記ハードマスクをエッチングして除去する段階と、
    前記第1のポリマー保護層の残存部分を除去し、前記基板上に、前記所定のパターンに形成された前記ポリマー層を生成する段階と、
    を含む、ポリマー構造の製造方法であって、
    前記第2のポリマー保護層は、前記感光性層の溶剤には溶解せず、気相から分子単位で成長するポリマー材料からなり、
    全ての段階において、前記電気光学特性を有するポリマー層の転移温度以下の温度で処理することを特徴とするポリマー構造の製造方法。
  2. 請求項1に記載のポリマー構造の製造方法において、前記ハードマスクを形成後に、前記ハードマスクに重なる前記感光性層の残存部を、露光・現像して除去する段階を更に含むことを特徴とするポリマー構造の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のポリマー構造の製造方法において、前記第1のポリマー保護層は、感光性のポリマー材料からなることを特徴とするポリマー構造の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリマー構造の製造方法において、前記第2のポリマー保護層は、パリレンポリマーからなることを特徴とするポリマー構造の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリマー構造の製造方法において、ハードマスク材料層が金属からなり、スパッタリング、蒸着、又はイオンプレーティングにより形成されることを特徴とするポリマー構造の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポリマー構造の製造方法において、前記ポリマー層は、下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に形成され、前記下部クラッド層の屈折率よりも大きい屈折率を有する導波路(コア)層と、前記導波路層上に形成された上部クラッド層、を含むことを特徴とするポリマー構造の製造方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリマー構造の製造方法において、前記ポリマー層は、有機非線形光学材料を含み電気光学効果を有することを特徴とするポリマー構造の製造方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリマー構造の製造方法において、全ての段階において前記ポリマー層に加わる温度が、90℃以下であることを特徴とするポリマー構造の製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のポリマー構造の製造方法において、前記基板の表面に、下部電極層あるいはパターンニングされた下部電極を形成する工程と、前記ポリマー層の表面に、上部電極層あるいはパターンニングされた上部電極を形成する工程と、を含むことを特徴とするポリマー構造の製造方法。
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