JP6739317B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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本発明は、発電機等の汎用機や自動二輪車等の車両に適用される内燃機関制御装置に関する。
近年、発電機等の汎用機や小型自動二輪車等の車両においては、キャブレタシステムでは今後より厳しくなる排気ガス規制に対応することが困難になるため、排気ガスの低減を目的として燃料噴射システムの採用が推進されている。しかしながら、発電機等の汎用機や小型自動二輪車等の車両の販売価格は大型自動二輪車や四輪自動車等の車両の販売価格と比較して安価であるために、このような販売価格を考えた場合、キャブレタシステムと比較して高コストな燃料噴射システムをそのまま発電機等の汎用機や小型自動二輪車等の車両に採用することは困難である。このため、発電機等の汎用機や小型自動二輪車等の車両においては、燃料噴射システムに関する部品、特にセンサ類については、コストの低減が求められている。
ここで、例えば燃料噴射システムにおける温度センサは、内燃機関の暖機運転状態の演算に用いられることが一般的である。具体的には、燃料噴射システムは、温度センサの出力に基づいて内燃機関の温度を算出し、このように算出した内燃機関の温度に基づいて内燃機関の暖機運転状態を検出して、点火時期及び燃料噴射の制御を行っている。このため、燃料噴射システムを採用する場合には、内燃機関に温度センサを装着する必要がある。更に、内燃機関に温度センサを設置する際には、配線用のワイヤやカプラを設置する必要がある上に、温度センサを設置する内燃機関の部位を加工する必要がある。この結果、販売価格における燃料噴射システムのコストの割合はキャブレタシステムのものと比較して高くなる。このため、特に発電機等の汎用機や小型自動二輪車等の車両において燃料噴射システムを制御する内燃機関制御装置においては、コストダウンを目的として燃料噴射システムから温度センサを省略することが求められている。
かかる状況下で、特許文献1は、内燃機関10の制御装置70に関し、内燃機関10又はその近傍に設けられた燃料噴射弁29及びクランク角センサ60と信号の入出力が可能であり、燃料噴射弁29のコイル(インジェクタコイル)又はクランク角センサ60の検出コイル(クランク角センサコイル)61の機能部品のコイルの抵抗値を検出し、検出した抵抗値より算出したコイルの温度を内燃機関の温度とする構成を開示する。
特開2014−206144号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成のように機能部品のコイルの抵抗値に基づいて内燃機関の温度を算出して内燃機関の運転状態を制御する際に、インジェクタ等の機能部品、内燃機関制御装置の回路構成及びハーネス等の量産における公差等により、内燃機関の温度の算出値にバラツキを生じる。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、機能部品の温度と内燃機関の雰囲気温度とに差異があるときに、内燃機関の雰囲気温度を基準として、機能部品のコイルの抵抗値に基づいて算出する機能部品の温度を補正することで、車両の量産における各種構成要素の公差等による内燃機関の温度の算出値のバラツキを校正することができる内燃機関制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、第1の局面において、内燃機関搭載体に搭載された内燃機関の機能部品のコイルの抵抗値から算出した機能部品温度に基づいて前記内燃機関の運転状態を制御する制御部を備えた内燃機関制御装置において、前記内燃機関の雰囲気温度を検出する温度センサと、前記機能部品温度及び前記雰囲気温度を記憶する記憶媒体と、を有し、前記制御部は、前記内燃機関制御装置への電源投入から電源遮断までの期間毎に、前記機能部品温度及び前記雰囲気温度の学習を実施すると共に、前記機能部品温度及び前記雰囲気温度が安定した際に、取得した前記機能部品温度が前記記憶媒体に記憶されている前記機能部品温度未満且つ取得した前記雰囲気温度が前記記憶媒体に記憶されている前記雰囲気温度未満の場合に、取得した前記機能部品温度及び前記雰囲気温度を前記記憶媒体に記憶して更新する学習を実施し、前記学習の実施回数が所定回数以上となった場合に、前記記憶媒体に記憶されている前記機能部品温度と前記雰囲気温度との温度差に基づいて補正量を算出し、前記補正量に基づいて前記機能部品温度を補正した補正温度を算出し、前記補正温度に基づいて前記内燃機関の運転状態を制御する内燃機関制御装置である。
本発明は、第1の局面に加えて、前記実施回数をカウントするカウンタを有し、前記制御部は、前記カウンタによりカウントする前記実施回数が前記所定回数以上となった場合に、前記カウンタによりカウントした前記実施回数をクリアすることを第2の局面とする。
本発明は、第1又はの局面に加えて、前記制御部は、前記補正量に制限値を設定することを第の局面とする。
本発明の第1の局面にかかる内燃機関制御装置においては、内燃機関搭載体に搭載された内燃機関の機能部品のコイルの抵抗値から算出した機能部品温度に基づいて内燃機関の運転状態を制御する制御部を備えた内燃機関制御装置において、内燃機関の雰囲気温度を検出する温度センサと、機能部品温度及び雰囲気温度を記憶する記憶媒体と、を有し、制御部は、内燃機関制御装置への電源投入から電源遮断までの期間毎に、機能部品温度及び雰囲気温度の学習を実施すると共に、機能部品温度及び雰囲気温度が安定した際に、取得した機能部品温度が記憶媒体に記憶されている機能部品温度未満且つ取得した雰囲気温度が記憶媒体に記憶されている雰囲気温度未満の場合に、取得した機能部品温度及び雰囲気温度を記憶媒体に記憶して更新する学習を実施し、学習の実施回数が所定回数以上となった場合に、記憶媒体に記憶されている機能部品温度と雰囲気温度との温度差に基づいて補正量を算出し、補正量に基づいて機能部品温度を補正した補正温度を算出し、補正温度に基づいて内燃機関の運転状態を制御するものであるため、機能部品の温度と内燃機関の雰囲気温度とに差異があるときに、内燃機関の雰囲気温度を基準として、機能部品のコイルの抵抗値に基づいて算出する機能部品の温度を補正することで、車両の量産における各種構成要素の公差等による内燃機関の温度の算出値のバラツキを校正することができる。
また、本発明の第の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、実施回数をカウントするカウンタを有し、制御部は、カウンタによりカウントする実施回数が所定回数以上となった場合に、カウンタによりカウントした実施回数をクリアするものであるため、車両が複数回に亘って始動された場合であっても雰囲気温度の一番低いときに学習することにより、確実にエンジンが冷機状態の時に学習することができる。
また、本発明の第の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、制御部は、補正量に制限値を設定するものであるため、学習値に誤りを生じた場合であっても誤りの影響を小さくすることができる。
図1は、本発明の実施形態における内燃機関制御装置の構成を示す模式図である。 図2は、本発明の実施形態における学習値算出処理の流れを示すフロー図である。 図3は、本発明の実施形態における雰囲気温度学習値更新処理の流れを示すフロー図である。 図4(a)は、本発明の実施形態におけるインジェクタ温度学習値更新処理の流れを示すフロー図であり、図4(b)は、本発明の実施形態におけるエンジン温度の推移を示す図であり、図4(c)は、本発明の実施形態における学習値算出処理の実行によるインジェクタ温度及び雰囲気温度の学習値の推移を示す図である。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における内燃機関制御装置につき、詳細に説明する。
<内燃機関制御装置の構成>
まず、図1を参照して、本実施形態における内燃機関制御装置の構成について説明する。本実施形態における内燃機関制御装置は、典型的には、発電機等の汎用機や自動二輪車等の車両といった内燃機関搭載体に好適に搭載されるものであるが、以下、説明の便宜上、かかる内燃機関制御装置は、自動二輪車等の車両に搭載されるものとして説明する。
図1は、本発明の実施形態における内燃機関制御装置の構成を示す模式図である。
図1に示すように、本実施形態における内燃機関制御装置1は、いずれも図示を省略する車両に搭載されたガソリンエンジン等の内燃機関であるエンジンの機能部品の温度に基づいてエンジンの運転状態を制御するものであり、電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)10を備えている。
ECU10は、車両に搭載されたバッテリBからの電力を利用して動作するものであり、波形整形回路11、サーミスタ素子12、A/D変換器13、点火回路14、駆動回路15、抵抗値検出回路16、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)17、ROM(Read−Only Memory)18、RAM(Random Access Memory)19、タイマ20、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)21及びカウンタ22を備えている。かかるECU10の各構成要素は、ECU10の筐体10a内に収容される。また、典型的には、ECU10及びエンジンは、それらの周囲が外気に触れており、かつ、ECU10は、エンジンの放射熱及びエンジンからの伝熱の影響を受けないようにそれから離間して配置されるものである。
波形整形回路11は、クランク角センサ2から出力されたエンジンのクランクシャフト3の回転角に対応するクランクパルス信号を整形してデジタルパルス信号を生成する。波形整形回路11は、このように生成したデジタルパルス信号をCPU21に出力する。
サーミスタ素子12aは、ECU10の筐体10a内で最も高温となる領域(典型的には点火回路14である発熱素子への距離が数ミリメータ程度である発熱素子に近接した領域)に配置されたチップサーミスタであり、その領域の雰囲気温度に対応した電気抵抗値を呈して、その電気抵抗値に応じた電圧を示す電気信号をA/D変換器13に出力する。なお、かかる電気信号を出力可能なものであれば、サーミスタ素子12aを熱電対等の他の温度センサに代替してもよい。
サーミスタ素子12bは、ECU10の筐体10a内で最もECU10の筐体10a外の周囲の大気温度(外気温)、つまりエンジンの周囲の大気温度(外気温度)に近くなる領域(典型的には筐体10aへの距離が数ミリメータ程度である筐体10aに近接した領域)に配置されたチップサーミスタであり、その領域の雰囲気温度に対応した電気抵抗値を呈してその電気抵抗値に応じた電圧を示す電気信号をA/D変換器13に出力する。サーミスタ素子12bが検出する温度は、エンジンの周囲の大気温度である雰囲気温度に等しいものである。なお、かかる電気信号を出力可能なものであれば、サーミスタ素子12bを熱電対等の他の温度センサに代替してもよい。
サーミスタ素子12aとサーミスタ素子12bとは、内燃機関制御装置1内の互いに温度差が生じる箇所に各々設けられている。なお、サーミスタ素子12a及びサーミスタ素子12bはECU10の他の構成要素と同様に図示しない回路基板に配置されるため、別途配線を設けて、これを介してサーミスタ素子12a及びサーミスタ12bを電気的に接続する必要がない。
A/D変換器13は、スロットル開度センサ4から出力されたエンジンのスロットルバルブの開度を示す電気信号、酸素センサ5から出力されたエンジンに吸気される大気中の酸素濃度を示す電気信号、及びサーミスタ素子12a、12bから出力された電気信号を、アナログ形態からデジタル形態に各々変換する。A/D変換器13は、このようにデジタル形態に変換したこれらの電気信号をCPU21に出力する。
点火回路14は、CPU21からの制御信号に従ってオン/オフ制御されるトランジスタ等のスイッチング素子を備え、このスイッチング素子がオン/オフ動作することによって、図示を省略する点火プラグを介してエンジン内の燃料及び空気の混合気に点火するための2次電圧を発生する点火コイル6の動作を制御する。また、点火回路14は、典型的には半導体素子であるドライバIC(Integrated Circuit)であり、筐体10a内で発熱量が最も大きい構成要素である。
駆動回路15は、CPU21からの制御信号に従ってオン/オフ制御されるトランジスタ等のスイッチング素子を備え、このスイッチング素子がオン/オフ動作することによって、エンジンに燃料を供給するインジェクタ7のコイルの通電/非通電状態を切り換える。ここで、インジェクタ7は、エンジンの図示を省略する吸気管やシリンダヘッドに装着され、エンジンから生じる熱が伝熱される。また、特にインジェクタ7のコイルは、インジェクタ7のソレノイドを電気的に駆動するための構成部品であり、コイルの通電状態においてソレノイドが動作することにより、インジェクタ7から燃料が噴出されるものである。
抵抗値検出回路16は、インジェクタ7のコイルの電気抵抗成分に依存して変動する物理量である電気抵抗値(抵抗値)を測定し、このように測定した抵抗値を示す電気信号をCPU21に出力する。
EEPROM17は、雰囲気温度の学習値やインジェクタ温度の学習値といった各種学習値に関するデータ等を記憶する。なお、このような各種学習値に関するデータ等を記憶可能なものであれば、EEPROM17をデータフラッシュ等の他の記憶媒体に代替してもよい。
ROM18は、不揮発性の記憶装置によって構成され、エンジン温度算出処理用の制御プログラム、エンジン温度算出処理で用いられるインジェクタ温度テーブルに関するデータ、雰囲気温度算出処理用の制御プログラム、及び学習値算出処理用の制御プログラム等の各種制御データを格納している。
RAM19は、揮発性の記憶装置によって構成され、CPU21のワーキングエリアとして機能する。
タイマ20は、CPU21からの制御信号に従って計時処理を実行する。
制御部としてのCPU21は、ECU10全体の動作を制御する。CPU21は、ROM18内に格納されているエンジン温度算出処理用の制御プログラムを実行することにより、抵抗値検出回路16を介してインジェクタ7のコイルの抵抗値を検出し、インジェクタ7のコイルの抵抗値とインジェクタ温度との関係を示すインジェクタ温度テーブルより、検出されたインジェクタ7のコイルの抵抗値に対応するインジェクタ温度をエンジンの温度(エンジン温度)として算出する。
CPU21は、ROM18内に格納されている雰囲気温度算出処理用の制御プログラムを実行することにより、サーミスタ素子12a及びサーミスタ素子12bからA/D変換器13を介して入力する電気信号の示す電圧に基づいて、サーミスタ素子12a及びサーミスタ素子12bが配置される各領域の各々の雰囲気温度を算出する。
CPU21は、ROM18内に格納されている学習値算出処理用の制御プログラムを実行することにより、上記により算出した雰囲気温度を基準として、上記により算出したインジェクタ温度を補正して、車両の量産における各種構成要素の公差等によるエンジン温度の算出値のバラツキを校正する。CPU21は、補正したインジェクタ温度をエンジン温度とし、このエンジン温度に基づいて点火回路14及び駆動回路15を制御することによって、エンジンの運転状態を制御する。
ここで、本発明者は、エンジンの機能部品であるインジェクタ7の温度(インジェクタ温度)の値とインジェクタ7が装着されたエンジンの温度(エンジン温度)の値との関係を規定する複数の相関特性曲線を計測してそれらの間の関係について検討したところ、以下の知見を得た。なお、かかる複数の相関特性曲線は、エンジンの作動開始時点の雰囲気温度が異なる環境にて、エンジンの同一の運転条件で計測されたものである。また、かかる複数の相関特性曲線は、エンジンの運転状態を異ならせても同様に得られるものであった。
つまり、本発明者の検討によれば、各々の相関特性曲線において、インジェクタ温度Tinjの初期値(エンジンの作動開始時点のインジェクタ温度Tinjの値)とエンジン温度Tengの初期値(エンジンの作動開始時点のエンジン温度Tengの値)とは等しく、これらはインジェクタ温度Tinjの値及びエンジン温度Tengの値が各々最も小さな値を示す初期座標点(エンジンの作動開始時点の座標点)を規定しており、かつ、エンジンが作動してその運転状態が継続することに伴って、各々の相関特性曲線は、それらの初期座標点からインジェクタ温度Tinjの値が増加していくことに伴いエンジン温度Tengの値が共に非線形に増加していくプロファイルが互いに同一である相関特性を呈することが判明した。なお、各々の相関特性曲線のプロファイルが互いに同一であるという意味は、エンジンが作動してその運転状態が継続する際に、これらが実用上同一(実質同一)なものとして取り扱えるという意味である。
各々の相関特性曲線の初期座標点で、インジェクタ温度Tinjの初期値とエンジン温度Tengの初期値とが等しくなる理由は、エンジンの作動開始時点においてはエンジンの燃焼が開始する時点であり、その発熱によるエンジン及びインジェクタの温度上昇が生じていないため、これらの初期値が共にエンジンの作動開始時点のその雰囲気温度に等しくなるためである。また、各々の相関特性曲線の初期座標点では、サーミスタ素子12が検出する検出温度(サーミスタ温度Tthr)が、インジェクタ温度Tinjの初期値及びエンジン温度Tengの初期値と等しくなり、これらはその際のエンジンの雰囲気温度に等しいものである。つまり、各々の相関特性曲線において、インジェクタ温度Tinjの初期値は、サーミスタ温度Tthrの初期値に等しい値であって、このようにサーミスタ温度Tthrの初期値に等しいインジェクタ温度Tinjの初期値とエンジン温度Tengの初期値とが、それらの初期座標点を成すことになる。
更に、エンジンの作動が開始されると、エンジンの発熱によりエンジン温度Tengが上昇すると共に、エンジンの発した熱がエンジンの金属製等の構成要素を介し伝熱してインジェクタ温度Tinjが上昇する。ここで、各々の相関特性曲線において、エンジンが作動してその運転状態が継続することに伴って、それらの初期座標点からインジェクタ温度Tinjの値及びエンジン温度Tengの値が共に増加していくプロファイルが、エンジンの運転条件によらず、互いに同一である相関特性を呈する理由は、エンジンの運転条件が互いに異なることに起因してエンジンの発熱状態が異なったとしても、エンジンの発熱によりエンジン温度Tengが上昇する経時変化の状態と、エンジンの発した熱が伝熱してインジェクタ温度Tinjが上昇する経時変化の状態と、の間の関係が、互いに等しくなるためである。
以上の本発明者による検討結果から、複数の相関特性曲線においては、各々の初期座標点が相違するのみで各々のプロファイルは実質同一なものであることが判明したので、エンジン温度算出処理においては、複数の相関特性曲線を取り扱うことなく、エンジンの作動開始時点のその雰囲気温度の相違を考慮しながら、所定の基準雰囲気温度を初期座標点とする代表的な相関特性曲線を単一の基準相関特性曲線として用いれば足りることが分かる。従って、上記の通り、インジェクタ温度をエンジン温度と推定することができる。
なお、エンジンの機能部品の温度としては、その測定の簡便性等の観点からインジェクタ温度が好適な例として挙げられるが、エンジンの機能部品としては、インジェクタと同様にエンジンで生じる熱が伝熱されるものであればその他の機能備品を用いることができ、その機能部品の温度を、エンジンの機能部品の温度として用いてもよい。
カウンタ22は、CPU21の制御に従ってカウント処理を実行する。
このような構成を有する内燃機関制御装置1は、以下に示す学習値算出処理を実行することによって、雰囲気温度及びインジェクタ温度の学習値を算出する。以下、本実施形態における学習値算出処理について、より具体的に説明する。
<学習値算出処理>
図2及び図4(b)を参照して、本実施形態における学習値算出処理の具体的な流れについて詳しく説明する。
図2は、本発明の実施形態における学習値算出処理の流れを示すフロー図である。図4(b)は、本発明の実施形態におけるエンジン温度の推移を示す図である。なお、図4(b)において、「Off」は車両の始動を停止していることを示し、「走行」は車両が始動していることを示している。
図2に示すフロー図は、車両のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り換えられてECU1が稼働したタイミングで開始となり、学習値算出処理はステップS1の処理に進む。かかる学習値算出処理は、車両のユーザがその車両を使用する際に実行される。
ステップS1の処理では、CPU21が、学習実施完了フラグがセット済みであるか否かを判定する。判定の結果、学習実施完了フラグがセット済みの場合には、CPU21は、学習値算出処理を終了する。一方、学習実施完了フラグがセットされていない場合には、CPU21は、学習値算出処理をステップS2の処理に進める。
ステップS2の処理では、CPU21が、サーミスタ素子12a及びサーミスタ素子12bからA/D変換器13を介して入力する電気信号の示す電圧に基づいて算出した雰囲気温度の算出値、及び抵抗値検出回路16から入力する電気信号の示す抵抗値に基づいて算出したインジェクタ温度の算出値が安定しているか否かを判定する。CPU21は、典型的には雰囲気温度の算出値及びインジェクタ温度の算出値の所定時間における各々の変動幅が所定値以下であるか否かを判定することにより、雰囲気温度及びインジェクタ温度の各々の算出値が安定しているか否かを判定する。判定の結果、雰囲気温度及びインジェクタ温度の各々の算出値が安定していない場合には、CPU21は、学習値算出処理を終了する。一方、雰囲気温度及びインジェクタ温度の各々の算出値が安定している場合には、CPU21は、学習値算出処理をステップS3の処理に進める。
ステップS3の処理では、CPU21が、カウンタ22を用いて学習実施回数のカウント値をインクリメントする。これにより、ステップS3の処理は完了し、学習値算出処理はステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、CPU21が、今回に算出したサーミスタ素子12aが配置される領域の雰囲気温度と、今回に算出したサーミスタ素子12bが配置される領域の雰囲気温度と、の中央値C1を算出する。ここで、中央値は、サーミスタ素子12aが配置される領域の雰囲気温度とサーミスタ素子12bが配置される領域の雰囲気温度との平均値である。これにより、ステップS4の処理は完了し、学習値算出処理はステップS5の処理に進む。
ステップS5の処理では、CPU21が、EEPROM17に記憶されているサーミスタ素子12aが配置される領域の雰囲気温度と、EEPROM17に記憶されているサーミスタ素子12bが配置される領域の雰囲気温度と、の中央値C2を算出する。これにより、ステップS5の処理は完了し、学習値算出処理はステップS6の処理に進む。
ステップS6の処理では、CPU21が、中央値C1は中央値C2よりも小さいか否かを判定する。判定の結果、中央値C1は中央値C2よりも小さい場合には、CPU21は、学習値算出処理をステップS7の処理に進める。一方、中央値C1は中央値C2以上の場合には、CPU21は、学習値算出処理をステップS9の処理に進める。
ステップS7の処理では、CPU21が、今回に算出したインジェクタ温度T1はEEPROM17に記憶しているインジェクタ温度T2よりも小さいか否かを判定する。判定の結果、インジェクタ温度T1はインジェクタ温度T2よりも小さい場合には、CPU21は、学習値算出処理をステップS8の処理に進める。一方、インジェクタ温度T1はインジェクタ温度T2以上の場合には、CPU21は、学習値算出処理をステップS9の処理に進める。
ステップS8の処理では、CPU21が、今回に算出したサーミスタ素子12aが配置される領域とサーミスタ素子12bが配置される領域との各々の雰囲気温度を、EEPROM17に記憶している各々の雰囲気温度に各々上書きして更新すると共に、今回に算出したインジェクタ温度T1を、EEPROM17に記憶しているインジェクタ温度T2に上書きしてインジェクタ温度T2を更新する。これにより、ステップS8の処理は完了し、学習値算出処理はステップS9の処理に進む。
ステップS9の処理では、CPU21が、カウンタ22のカウント値を参照して、学習実施回数が所定回数以上であるか否かを判定する。判定の結果、学習実施回数が所定回数以上である場合には、CPU21は、学習値算出処理をステップS10の処理に進める。一方、学習実施回数が所定回数未満である場合には、CPU21は、学習値算出処理をステップS15の処理に進める。
学習実施回数と比較する所定回数は、典型的には所定のドライビング回数である。ここで、1ドライビング回数は、イグニッションスイッチのオンによる内燃機関制御装置1への電源投入から、イグニッションスイッチのオフによる内燃機関制御装置1への電源遮断までの期間である。
このように、今回に算出された雰囲気温度及びインジェクタ温度がEEPROM17に記憶されている前回の雰囲気温度及びインジェクタ温度よりも低温度の場合に、今回に算出された雰囲気温度及びインジェクタ温度を上書きして更新することにより、所定のドライビング回数において取得した雰囲気温度のうちの最低温度、及びこの最低温度の取得時のインジェクタ温度を取得することができる。これにより例えば、CPU21は、図4(b)に示すように、車両を短い間隔で断続的に始動させた場合であっても、エンジン温度が最低温度となる時刻t=txの冷機時での雰囲気温度及びインジェクタ温度を取得することができる。ここで、エンジン温度が最低温度となる時刻t=txは、典型的には1日のうちの朝の時間帯における車両を始動させる前の時刻である。
ステップS10の処理では、CPU21が、EEPROM17に記憶されているサーミスタ素子12aが配置される領域の雰囲気温度と、EEPROM17に記憶されているサーミスタ素子12bが配置される領域の雰囲気温度と、の中央値C3を算出する。これにより、ステップS10の処理は完了し、学習値算出処理はステップS11の処理に進む。
ステップS11の処理では、CPU21が、雰囲気温度学習値更新処理を実行する。なお、雰囲気温度学習値更新処理については後述する。
これにより、ステップS11の処理は完了し、学習値算出処理はステップS12の処理に進む。
ステップS12の処理では、CPU21が、インジェクタ温度学習値更新処理を実行する。なお、インジェクタ温度学習値更新処理については後述する。
これにより、ステップS12の処理は完了し、学習値算出処理はステップS13の処理に進む。
ステップS13の処理では、CPU21が、EEPROM17に記憶されている雰囲気温度、インジェクタ温度及び学習実施回数をクリアする。これにより、ステップS13の処理は完了し、学習値算出処理はステップS14の処理に進む。
ステップS14の処理では、CPU21が、学習実施完了フラグをセットする。これにより、ステップS14の処理は完了し、学習値算出処理は終了する。
ステップS15の処理では、CPU21が、ステップS3でインクリメントした学習実施回数のカウント値をEEPROM17に書き込む。これにより、ステップS15の処理は完了し、学習値算出処理はステップS14の処理に進む。
<雰囲気温度学習値更新処理>
上記の学習値算出処理では、雰囲気温度の学習値を更新する雰囲気温度学習値更新処理を実行する。以下、図3を参照して、本実施形態における雰囲気温度学習値更新処理の具体的な流れについて詳しく説明する。
図3は、本発明の実施形態におけるサーミスタ温度学習値更新処理の流れを示すフロー図である。
図3に示すフロー図は、図2に示す学習値算出処理におけるステップS10の処理を終了したタイミングで開始となり、雰囲気温度学習値更新処理はステップS21の処理に進む。
ステップS21の処理では、CPU21が、学習値収束フラグがセット済みか否かを判定する。判定の結果、CPU21は、学習値収束フラグがセット済みの場合には、雰囲気温度学習値更新処理を終了する。一方、学習値収束フラグがセットされていない場合には、CPU21は、雰囲気温度学習値更新処理をステップS22の処理に進める。
ステップS22の処理では、CPU21が、図2のステップS8で更新されたサーミスタ素子12aが配置される領域の雰囲気温度からサーミスタ素子12bが配置される領域の雰囲気温度を減算し、その減算値を「2」で除すことにより雰囲気温度学習値更新量を算出する。これにより、ステップS22の処理は完了し、雰囲気温度学習値更新処理はステップS23の処理に進む。
ステップS23の処理では、CPU21が、雰囲気温度学習値更新量は雰囲気温度更新リミット量未満であるか否かを判定する。判定の結果、雰囲気温度学習値更新量は雰囲気温度リミット量未満である場合には、CPU21は、雰囲気温度学習値更新処理をステップS24の処理に進める。一方、雰囲気温度学習値更新量は雰囲気温度リミット量以上である場合には、CPU21は、雰囲気温度学習値更新処理をステップS26の処理に進める。
ステップS24の処理では、CPU21が、EEPROM17に記憶されている前回の雰囲気温度学習値Aに、雰囲気温度学習値更新量を加算して新たな雰囲気温度学習値Aを算出する。ここで、雰囲気温度学習値Aは、サーミスタ素子12aが配置される領域の雰囲気温度の学習値である。これにより、ステップS24の処理は完了し、雰囲気温度学習値更新処理はステップS25の処理に進む。
ステップS25の処理では、CPU21が、EEPROM17に記憶されている前回の雰囲気温度学習値Bに、雰囲気温度学習値更新量を加算して新たな雰囲気温度学習値Bを算出する。ここで、雰囲気温度学習値Bは、サーミスタ素子12bが配置される領域の雰囲気温度の学習値である。これにより、ステップS25の処理は完了し、雰囲気温度学習値更新処理はステップS28の処理に進む。
ステップS26の処理では、CPU21が、EEPROM17に記憶されている前回の雰囲気温度学習値Aに、雰囲気温度更新リミット量を加算して新たな雰囲気温度学習値Aを算出する。これにより、ステップS26の処理は完了し、雰囲気温度学習値更新処理はステップS27の処理に進む。
ステップS27の処理では、CPU21が、EEPROM17に記憶されている前回の雰囲気温度学習値Bに、雰囲気温度更新リミット量を加算して新たな雰囲気温度学習値Bを算出する。これにより、ステップS27の処理は完了し、雰囲気温度学習値更新処理はステップS28の処理に進む。
ステップS28の処理では、CPU21が、新たに算出した雰囲気温度学習値A及び雰囲気温度学習値BをEEPROM17に書き込む。これにより、ステップS28の処理は完了し、雰囲気温度学習値更新処理はステップS29の処理に進む。
ステップS29の処理では、CPU21が、雰囲気温度学習値更新処理を繰り返し実行する際における、前回の雰囲気温度学習値Aと新たに算出した雰囲気温度学習値Aとの差分、又は前回の雰囲気温度学習値Bと新たに算出した雰囲気温度学習値Bとの差分の積算量が学習収束判断量未満であるか否かを判定する。判断の結果、積算量が学習収束判断量未満である場合には、CPU21は、雰囲気温度学習値更新処理をステップS30の処理に進める。一方、積算量が学習収束判断量以上である場合には、CPU21は、雰囲気温度学習値更新処理をステップS34の処理に進める。
ステップS30の処理では、CPU21が、カウンタ22でカウントする学習値収束判断回数のカウント値をインクリメントする。これにより、ステップS30の処理は完了し、雰囲気温度学習値更新処理はステップS31の処理に進む。
ステップS31の処理では、CPU21が、カウンタ22のカウント値を参照して、学習値収束判断回数は所定回数以上であるか否かを判定する。判定の結果、学習値収束判断回数は所定回数以上である場合には、CPU21は、雰囲気温度学習値更新処理をステップS32の処理に進める。一方、学習値収束判断回数は所定回数未満である場合には、CPU21は、雰囲気温度学習値更新処理を終了する。
ステップS32の処理では、CPU21が、学習値収束フラグをセットする。これにより、ステップS32の処理は完了し、雰囲気温度学習値更新処理はステップS33の処理に進む。
ステップS33の処理では、CPU21が、学習値収束フラグをEEPROM17に書き込む。これにより、ステップS33の処理は完了し、雰囲気温度学習値更新処理を終了する。
ステップS34の処理では、CPU21が、学習値収束判断回数をカウントするカウンタ22のカウント値をリセットする。これにより、ステップS34の処理は完了し、雰囲気温度学習値更新処理を終了する。
<インジェクタ温度学習値更新処理>
上記の学習値算出処理では、インジェクタ温度の学習値を更新するインジェクタ温度学習値更新処理を実行する。以下、図4(a)及び図4(c)を参照して、本実施形態におけるインジェクタ温度学習値更新処理の具体的な流れについて詳しく説明する。
図4(a)は、本発明の実施形態におけるインジェクタ温度学習値更新処理の流れを示すフロー図である。図4(c)は、本発明の実施形態における学習値算出処理の実行によるインジェクタ温度及び雰囲気温度の学習値の推移を示す図である。
図4(a)に示すフロー図は、図3に示す雰囲気温度学習値更新処理を終了したタイミングで開始となり、インジェクタ温度学習値更新処理はステップS41の処理に進む。
ステップS41の処理では、CPU21が、図3のステップS28でEEPROM17に書き込んだ雰囲気温度学習値Aから、図3のステップS28でEEPROM17に書き込んだ雰囲気温度学習値Bを減算して求めた減算値の絶対値は学習実施リミット量以下であるか否かを判定する。
ここで、学習実施リミット量は、典型的には「0」である。学習実施リミット量を「0」にすることにより、2つのサーミスタ素子12a及びサーミスタ素子12bが配置される各々の領域の雰囲気温度が同じときにインジェクタ温度学習値更新量を求めることができるので、確実に冷機時における機能部品の温度と雰囲気温度とを用いて補正量を算出することができる。
判定の結果、求めた減算値の絶対値が学習実施リミット量より大きい場合には、CPU21は、インジェクタ温度学習値更新処理を終了する。一方、求めた減算値の絶対値が学習実施リミット量以下の場合には、CPU21は、インジェクタ温度学習値更新処理をステップS42の処理に進める。
ステップS42の処理では、CPU21が、図2のステップS8で更新されるインジェクタ温度T2から、図2のステップS10で算出された雰囲気温度の中央値C3を減算して、補正量としてのインジェクタ温度学習値更新量を求める。これにより、ステップS42の処理は完了し、インジェクタ温度学習値更新処理はステップS43の処理に進む。
ステップS43の処理では、CPU21が、インジェクタ温度学習値更新量はインジェクタ温度更新リミット量ΔTlim未満であるか否かを判定する。判定の結果、インジェクタ温度学習値更新量はインジェクタ温度更新リミット量ΔTlim未満である場合には、CPU21は、インジェクタ温度学習値更新処理をステップS44の処理に進める。一方、インジェクタ温度学習値更新量はインジェクタ温度更新リミット量ΔTlim以上である場合には、CPU21は、インジェクタ温度学習値更新処理をステップS46の処理に進める。
ステップS44の処理では、CPU21が、EEPROM17に記憶されている前回のインジェクタ温度学習値Trfdfにインジェクタ温度学習値更新量を加算して前回のインジェクタ温度学習値Trfdfを補正し、補正温度として新たなインジェクタ温度学習値Trfdfを求める。これにより、ステップS44の処理は完了し、インジェクタ温度学習値更新処理はステップS45の処理に進む。
ステップS45の処理では、CPU21が、新たに求めたインジェクタ温度学習値TrfdfをEEPROM17に書き込む。これにより、ステップS44の処理は完了し、インジェクタ温度学習値更新処理は終了する。
ステップS46の処理では、CPU21が、EEPROM17に記憶されている前回のインジェクタ温度学習値Trfdfに、インジェクタ温度更新リミット量ΔTlimを加算して新たなインジェクタ温度学習値Trfdfを求める。このように、インジェクタ温度学習値更新量に制限値としてのインジェクタ温度更新リミット量ΔTlimを設定して、前回のインジェクタ温度学習値Trfdfを補正することにより、学習値に誤りを生じた場合であっても誤りの影響を小さくすることができる。
これにより、ステップS46の処理は完了し、インジェクタ温度学習値更新処理はステップS45の処理に進む。
このように算出したインジェクタ温度学習値Trfdfをエンジン温度とすることにより、エンジン温度の算出値のバラツキを校正することができる。
具体的には、CPU21により求められた補正前のインジェクタ温度Trefは、図4(c)に示すように、中央値C3がインジェクタ温度学習値Trfdfよりも低い場合において、上記のインジェクタ温度学習値更新処理を繰り返すことにより、時刻t0から徐々に中央値C3に近づいていく。なお、図4(c)は、補正前のインジェクタ温度Tref又は前回のインジェクタ温度学習値Trfdfに、インジェクタ温度更新リミット量ΔTlimを加算する場合を一例として示している。
この際、インジェクタ温度更新リミット量ΔTlim以下の補正量で補正されるため、インジェクタ温度学習値Trfdfと中央値C3とが急激に近づくことはない一方で、一時的に不正確な中央値C3とインジェクタ温度T2との比較によりインジェクタ温度学習値Trfdfが補正された場合であっても、インジェクタ温度学習値Trfdfに対する影響を最小限にすることができる。
図4(c)では、CPU21は、時刻t=t5においてインジェクタ温度学習値Trfdfが中央値C3と一致することにより、車両の量産における各種構成要素の公差等による機能部品の温度の算出値のバラツキを校正することができる。
以上の本実施形態における内燃機関制御装置では、冷機時におけるインジェクタ温度と雰囲気温度との温度差に基づいて補正量を算出し、補正量に基づいてインジェクタ温度を補正した補正温度を算出し、補正温度に基づいて内燃機関の運転状態を制御するものであるため、インジェクタ温度と内燃機関の雰囲気温度とに差異があるときに、内燃機関の雰囲気温度を基準として、インジェクタのコイルの抵抗値に基づいて算出したインジェクタ温度を補正することで、車両の量産における各種構成要素の公差等による内燃機関の温度の算出値のバラツキを校正することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、内燃機関制御装置S内の互いに温度差が生じる箇所に各々設けられた2つのサーミスタ素子12a及びサーミスタ素子12bから取得する雰囲気温度が同じときに、インジェクタ温度学習値更新量を算出するものであるため、確実に冷機時におけるインジェクタ温度と雰囲気温度とを取得することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、所定のドライビング回数において取得した雰囲気温度のうちの最低温度の取得時の機能部品の温度を取得するものであるため、車両が複数回に亘って始動された場合であっても雰囲気温度の一番低いときに学習することにより、確実にエンジンが冷機状態の時に学習することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、補正量に制限値を設定するものであるため、学習値に誤りを生じた場合であっても誤りの影響を小さくすることができる。
本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範2囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明においては、機能部品の温度と内燃機関の雰囲気温度とに差異があるときに、内燃機関の雰囲気温度を基準として、機能部品のコイルの抵抗値に基づいて算出した機能部品の温度を補正することで、車両の量産における各種構成要素の公差等による機能部品の温度の算出値のバラツキを校正することができる内燃機関制御装置を提供することができ、その汎用普遍的な性格から自動二輪車等の内燃機関制御装置に広範に適用され得るものと期待される。
1…内燃機関制御装置
2…クランク角センサ
3…クランクシャフト
4…スロットル開度センサ
5…酸素センサ
6…点火コイル
7…インジェクタ
10…ECU
10a…筐体
11…波形整形回路
12a…サーミスタ素子
12b…サーミスタ素子
13…A/D変換機
14…点火回路
15…駆動回路
16…抵抗値検出回路
17…EEPROM
18…ROM
19…RAM
20…タイマ
21…CPU
22…カウンタ
B…バッテリ

Claims (3)

  1. 内燃機関搭載体に搭載された内燃機関の機能部品のコイルの抵抗値から算出した機能部品温度に基づいて前記内燃機関の運転状態を制御する制御部を備えた内燃機関制御装置において、
    前記内燃機関の雰囲気温度を検出する温度センサと、
    前記機能部品温度及び前記雰囲気温度を記憶する記憶媒体と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記内燃機関制御装置への電源投入から電源遮断までの期間毎に、前記機能部品温度及び前記雰囲気温度の学習を実施すると共に、前記機能部品温度及び前記雰囲気温度が安定した際に、取得した前記機能部品温度が前記記憶媒体に記憶されている前記機能部品温度未満且つ取得した前記雰囲気温度が前記記憶媒体に記憶されている前記雰囲気温度未満の場合に、取得した前記機能部品温度及び前記雰囲気温度を前記記憶媒体に記憶して更新し、前記学習の実施回数が所定回数以上となった場合に、前記記憶媒体に記憶されている前記機能部品温度と前記雰囲気温度との温度差に基づいて補正量を算出し、前記補正量に基づいて前記機能部品温度を補正した補正温度を算出し、前記補正温度に基づいて前記内燃機関の運転状態を制御する、
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  2. 前記実施回数をカウントするカウンタを有し、
    前記制御部は、
    前記カウンタによりカウントする前記実施回数が前記所定回数以上となった場合に、前記カウンタによりカウントした前記実施回数をクリアする、
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関制御装置。
  3. 前記制御部は、
    前記補正量に制限値を設定する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内燃機関制御装置。
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