JP2018162749A - 内燃機関制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インジェクタ温度から内燃機関温度を算出する際に、走行風の影響を考慮して内燃機関温度を適切に算出可能な内燃機関制御装置を提供する。【解決手段】内燃機関制御装置1では、エンジン温度算出部21bが、インジェクタ温度算出部21aによってインジェクタのコイルの抵抗値を用いて算出されたインジェクタ温度、および車速算出部21dによって車速センサ4から入力された信号を用いて算出された車両の車速、とを用いてエンジン温度を算出する。【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関制御装置に関し、特に、自動二輪車等の車両に適用される内燃機関制御装置に関する。
近年、小型自動二輪車等の車両においては、キャブレタシステムでは今後より厳しくなる排気ガス規制に対応することが困難になるため、排気ガスの低減を目的として燃料噴射システムの採用が推進されている。しかしながら、小型自動二輪車等の車両の販売価格は大型自動二輪車や四輪自動車等の車両の販売と比較して安価であるために、このような販売価格を考えた場合、キャブレタシステムと比較して高コストな燃料噴射システムをそのまま小型自動二輪車等の車両に採用することは困難である。このため、小型自動二輪車等の車両においては、燃料噴射システムに関する部品、特にセンサ類については、コストの低減が求められている。
ここで、例えば燃料噴射システムにおける温度センサは、内燃機関の暖機状態の検出のために用いられることが一般的である。具体的には、燃料噴射システムは、温度センサの出力に基づいて内燃機関の温度を算出し、このように算出した内燃機関の温度に基づいて内燃機関の暖機状態を検出して、点火時期及び燃料噴射の制御を行っている。このため、燃料噴射システムを採用する場合には、内燃機関に温度センサを装着する必要がある。更に、内燃機関に温度センサを設置する際には、配線用のワイヤやカプラを設置する必要がある上に、温度センサを設置する内燃機関の部位を加工する必要がある。この結果、販売価格における燃料噴射システムのコストの割合はキャブレタシステムのものと比較して高くなる。このため、特に小型自動二輪車等の車両において燃料噴射システムを制御する内燃機関制御装置においては、コストダウンを目的として燃料噴射システムから温度センサを省略することが求められている。
かかる状況下で、特許文献1は、エンジン10の電子制御装置20に関し、インジェクタ15の温度とエンジン10の温度との相関に着目し、インジェクタ15の温度からエンジン10の温度を算出し、算出されたエンジン10の温度にてエンジン10を制御する構成を開示する。
しかしながら、本発明者の検討によれば、インジェクタと内燃機関とでは各々の熱容量が異なるため、インジェクタと内燃機関とでは走行風によって冷却される速度が各々異なる。このため、特許文献1に開示されている構成によれば、車速が増加するに伴って走行風が強まると、インジェクタの温度(インジェクタ温度)から算出される内燃機関の温度(内燃機関温度)と実際の内燃機関温度との間に乖離が生じることが考えられる。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、インジェクタ温度から内燃機関温度を算出する際に、走行風の影響を考慮して内燃機関温度を適切に算出可能な内燃機関制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、内燃機関に適用されると共に、インジェクタのコイル抵抗値に基づいてインジェクタ温度を算出するインジェクタ温度算出部と、前記インジェクタ温度に基づいて内燃機関温度を算出する内燃機関温度算出部と、前記内燃機関温度に基づいて前記内燃機関の運転状態を制御する運転状態制御部と、を有する内燃機関制御装置において、前記内燃機関が搭載される車両の車速を算出する車速算出部を更に有し、前記内燃機関温度算出部は、前記インジェクタ温度と前記車速とを用いて前記内燃機関温度を算出することを第1の局面とする。
本発明は、第1の局面に加えて、前記内燃機関温度算出部は、前記インジェクタ温度を前記車速と相関関係を呈する補正値にて補正した補正インジェクタ温度を算出し、前記補正インジェクタ温度に基づいて前記内燃機関温度を算出することを第2の局面とする。
本発明は、第2の局面に加えて、前記内燃機関温度算出部は、前記車速と相関関係を呈する補正目標値を算出し、前記補正値を前記補正目標値に向けて徐々に推移させることを第3の局面とする。
本発明は、第1の局面に加えて、前記内燃機関温度算出部は、前記インジェクタ温度を前記車速と相関関係を呈する補正値にて補正した補正インジェクタ温度を算出すると共に、前記補正インジェクタ温度に基づいて基本内燃機関温度を算出し、前記基本内燃機関温度を前記車速と相関関係を呈する補正値にて補正することにより前記内燃機関温度を算出することを第4の局面とする。
本発明の第1の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、内燃機関温度算出部が、インジェクタ温度と車速とを用いて内燃機関温度を算出するものであるため、インジェクタ温度から内燃機関温度を算出する際に、走行風の影響を考慮して内燃機関温度を適切に算出することができる。
また、本発明の第2の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、内燃機関温度算出部が、インジェクタ温度を車速と相関関係を呈する補正値にて補正した補正インジェクタ温度を算出し、補正インジェクタ温度に基づいて内燃機関温度を算出するものであるため、簡便な構成で、走行風の影響を考慮して内燃機関温度を適切に算出することができる。
また、本発明の第3の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、内燃機関温度算出部が、車速と相関関係を呈する補正目標値を算出し、補正値を補正目標値に向けて徐々に推移させるものであるため、走行風による冷却能力がすぐにインジェクタ温度に現れないことを考慮し、実際のインジェクタ温度の変化に合わせて内燃機関温度を適切に算出することができる。
また、本発明の第4の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、内燃機関温度算出部が、インジェクタ温度を車速と相関関係を呈する補正値にて補正した補正インジェクタ温度を算出すると共に、補正インジェクタ温度に基づいて基本内燃機関温度を算出し、基本内燃機関温度を車速と相関関係を呈する補正値にて補正することにより内燃機関温度を算出するものであるため、簡便な構成で、走行風の影響を考慮して内燃機関温度を適切に算出することができる。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における内燃機関制御装置につき、詳細に説明する。
〔内燃機関制御装置の構成〕
まず、図1を参照して、本実施形態における内燃機関制御装置の構成について説明する。本実施形態における内燃機関制御装置は、典型的には、自動二輪車等の車両といった内燃機関搭載体に好適に搭載されるものであるが、以下、説明の便宜上、かかる内燃機関制御装置は、自動二輪車等の車両に搭載されるものとして説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態における内燃機関制御装置の構成について説明する。本実施形態における内燃機関制御装置は、典型的には、自動二輪車等の車両といった内燃機関搭載体に好適に搭載されるものであるが、以下、説明の便宜上、かかる内燃機関制御装置は、自動二輪車等の車両に搭載されるものとして説明する。
図1(a)は、本実施形態における内燃機関制御装置の構成を示す模式図であり、図1(b)は、図1(a)中のインジェクタの構成を示す模式図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態における内燃機関制御装置1は、いずれも図示を省略する車両に搭載されたガソリンエンジン等の内燃機関であるエンジンの機能部品の温度に基づいてエンジンの運転状態を制御するものであり、電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)10を備えている。
ECU10は、車両に搭載されたバッテリBからの電力を利用して動作するものであり、波形整形回路11、サーミスタ素子12(温度検出素子)、A/D変換器13、点火回路14、駆動回路15、抵抗値検出回路16、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)17、ROM(Read−Only Memory)18、RAM(Random Access Memory)19、タイマ20、及び中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)21を備えている。かかるECU10の各構成要素は、ECU10の筐体10a内に収容される。また、典型的には、ECU10及びエンジンは、それらの周囲が外気に触れており、かつ、ECU10は、エンジンの放射熱及びエンジンからの伝熱の影響を受けないようにそれから離間して配置されるものである。
波形整形回路11は、クランク角センサ2から出力されたエンジンのクランクシャフト3の回転角に対応するクランクパルス信号を整形してデジタルパルス信号を生成する。また、波形整形回路11は、車速センサ4から出力された車両の車速に対応するパルス信号を整形してデジタルパルス信号を生成する。なお、車速センサ4の代わりに、機械式の車速計が搭載されている車両に後付け等した車速パルサを用いてもよく、かかる場合には、波形整形回路11は、車速パルサからのパルス信号を用いてデジタルパルス信号を生成することになる。波形整形回路11は、このように生成したデジタルパルス信号をCPU21に出力する。
サーミスタ素子12は、ECU10の筐体10a内において、典型的には点火回路14である発熱素子から離間してECU10の雰囲気側の位置(例えば、筐体10aへの距離が数ミリメータ程度である筐体10aに近接した位置)に配置されたチップサーミスタであり、ECU10の筐体10a外の周囲の大気温度である雰囲気温度(外気温)を検出する。具体的には、サーミスタ素子12は、その雰囲気温度に対応した電気抵抗値を呈して、その電気抵抗値に応じた電圧を示す電気信号をA/D変換器13に出力する。なお、かかる電気信号を出力可能なものであれば、サーミスタ素子12を熱電対等の他の温度センサに代替してもよい。なお、サーミスタ素子12が検出する温度は、エンジンの周囲の大気温度である雰囲気温度(外気温)に等しいものである。
A/D変換器13は、スロットル開度センサ5から出力されたエンジンのスロットルバルブの開度を示す電気信号、酸素センサ6から出力されたエンジンに吸気される大気中の酸素濃度を示す電気信号、及びサーミスタ素子12から出力された雰囲気温度を示す電気信号を、アナログ形態からデジタル形態に各々変換する。A/D変換器13は、このようにデジタル形態に変換したこれらの電気信号をCPU21に出力する。
点火回路14は、CPU21からの制御信号に従ってオン/オフ制御されるトランジスタ等のスイッチング素子を備え、このスイッチング素子がオン/オフ動作することによって、図示を省略する点火プラグを介してエンジン内の燃料及び空気の混合気に点火するための2次電圧を発生する点火コイル7の動作を制御する。また、点火回路14は、典型的には半導体素子であるドライバIC(Integrated Circuit)であり、筐体10a内で発熱量が最も大きい構成要素である。
駆動回路15は、CPU21からの制御信号に従ってオン/オフ制御されるトランジスタ等のスイッチング素子を備え、このスイッチング素子がオン/オフ動作することによって、エンジンに燃料を供給するインジェクタ8のコイル8aの通電/非通電状態を切り換える。ここで、インジェクタ8は、エンジンの図示を省略する吸気管やシリンダヘッドに装着され、エンジンから生じる熱が伝熱される。また、特に図1(b)に示すように、インジェクタ8のコイル8aの等価回路8bは、インダクタンス成分Lと電気抵抗成分Rとから成る直列回路で表される。かかるコイル8aは、インジェクタ8のソレノイド8cを電気的に駆動するための構成部品であり、コイル8aの通電状態においてソレノイド8cが動作することにより、インジェクタ8から燃料が噴出されるものである。
抵抗値検出回路16は、インジェクタ8のコイル8aの電気抵抗成分に依存して変動する物理量である電気抵抗値(抵抗値)を測定し、このように測定した抵抗値を示す電気信号をCPU21に出力する。
EEPROM17は、燃料噴射量学習値やスロットル基準位置学習値といった各種学習値に関するデータ等を記憶する。なお、このような各種学習値に関するデータ等を記憶可能なものであれば、EEPROM17をデータフラッシュ等の他の記憶媒体に代替してもよい。
ROM18は、不揮発性の記憶装置によって構成され、後述するINJ冷却量算出処理用やエンジン温度算出処理用等の制御プログラム、及びINJ冷却量算出処理やエンジン温度算出処理等で用いられるテーブルデータ等の各種制御データを格納している。
RAM19は、揮発性の記憶装置によって構成され、CPU21のワーキングエリアとして機能する。
タイマ20は、CPU21からの制御信号に従って計時処理を実行する。
CPU21は、ECU10全体の動作を制御する。本実施形態では、CPU21は、ROM18内に格納されている制御プログラムを実行することにより、インジェクタ温度算出部21a、エンジン温度算出部21b、運転状態制御部21c、及び車速算出部21dとして機能する。ここで、インジェクタ温度算出部21aは、インジェクタ8のコイル8aの抵抗値に対応するインジェクタ8の温度(インジェクタ温度)を算出する。エンジン温度算出部21bは、インジェクタ温度算出部21aによって算出されたインジェクタ温度に基づいてエンジンの温度(エンジン温度)を算出する。運転状態制御部21cは、エンジン温度算出部21bによって算出されたエンジン温度に基づいて点火回路14及び駆動回路15を制御することによってエンジンの運転状態を制御する。車速算出部21dは、波形整形回路11を介して車速センサ4から入力された信号を用いて車両の車速を算出する。なお、車速センサ4の代わりに車速パルサが用いられる場合には、車速算出部21dは、波形整形回路11を介して車速パルサから入力された信号を用いて車両の車速を算出することになる。
なお、エンジンの機能部品の温度としては、その測定の簡便性等の観点からインジェクタ温度が好適な例として挙げられるが、エンジンの機能部品としては、エンジン温度に対応した抵抗値が測定できるものであればその他の機能備品を用いることができ、その機能備品の温度を、エンジンの機能部品の温度として用いてもよい。また、インジェクタ温度が相関を有するエンジン温度を取得する際には、エンジンの点火プラグ座の温度が実際のエンジン内部の温度に近いことを考慮して、エンジンの点火プラグ座の温度を実測し、これをエンジン温度とし取得することが簡便である。
次に、図2を参照して、インジェクタ温度を算出する場合に考慮すべき、走行風の影響によってその算出したインジェクタ温度と実際のエンジン温度に対して適切な相関関係を呈するインジェクタ温度との間に発生する可能性がある乖離について説明する。
図2は、本実施形態における内燃機関制御装置1が搭載される車両の車速、並びにその車速の変化に応じたインジェクタ温度(INJ温)及び実際のエンジン温度(実エンジン温)の時間変化の一例を示す図である。
図2の枠R内に示すように、図2(a)に示す車速が増すと、走行風による冷却速度の差によって図2(b)に示すインジェクタ温度と図2(c)に示すエンジン温度との間の相関関係に乖離が生じ、図2(b)の曲線L1で示すように、エンジンの熱容量よりも熱容量が小さいインジェクタ8の方がより早期に温度が低下して、算出したインジェクタ温度と実際のエンジン温度に対して適切な相関関係を呈するインジェクタ温度との間に乖離が生じてしまう。
そこで、本実施形態では、図2(b)の曲線L2で示すように、車速に基づいてインジェクタ温度を補正し、このように補正したインジェクタ温度(補正インジェクタ温度)を用いてエンジン温度を算出することとする。これにより、走行風の影響を考慮した態様で、エンジン温度を精度よく算出することができる。
以下、図3及び図4をも参照して、本実施形態におけるINJ(インジェクタ)冷却量算出処理及びエンジン温度算出処理を実行する際の内燃機関制御装置1の動作について、より具体的に説明する。
〔INJ冷却量算出処理〕
まず、図3(a)及び図3(b)を参照して、本実施形態における内燃機関制御装置1のINJ冷却量算出処理の流れについて説明する。
まず、図3(a)及び図3(b)を参照して、本実施形態における内燃機関制御装置1のINJ冷却量算出処理の流れについて説明する。
図3(a)は、本発明の実施形態における内燃機関制御装置1のINJ冷却量算出処理の流れを示すフローチャートであり、図3(b)は、かかるINJ冷却量算出処理で用いられるINJ冷却量目標値と車速との関係を表すテーブルデータの一例を示す図である。
図3(a)に示すフローチャートは、車両のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り換えられてCPU21が稼働したタイミングで開始となる後述の図4(a)図4(b)に示すエンジン温度算出処理中の処理の一つとして実行されるものであり、エンジン温度算出処理にてINJ冷却量算出処理に進むと、ステップS1の処理に進む。かかるINJ冷却量算出処理は、車両のイグニッションスイッチがオン状態でCPU21が稼働している間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、エンジン温度算出部21bが、波形整形回路11を介してクランク角センサ2から入力された信号に基づいて得られたエンジンの回転数等を参照して、エンジンが停止している状態(エンスト中)であるか否かを判別する。判別の結果、エンスト中である場合(ステップS1:Yes)、エンジン温度算出部21bは、INJ冷却量算出処理をステップS3の処理に進める。一方、エンスト中でない場合には(ステップS1:No)、エンジン温度算出部21bは、INJ冷却量算出処理をステップS2の処理に進める。
ステップS2の処理では、車速算出部21dが、波形整形回路11を介して車速センサ4から入力された信号を用いて車両の車速を算出する。そして、エンジン温度算出部21bが、このように算出した車速を用いてINJ冷却量目標値を算出する。具体的には、エンジン温度算出部21bは、図3(b)に示すようなINJ冷却量目標値と車速との関係を表すテーブルデータから、このように算出した車速に対応するINJ冷却量目標値を検索する。ここで、図3(b)に示すINJ冷却量目標値と車速との関係は、INJ冷却量目標値と車速が増加するに伴って、INJ冷却量目標値が漸次増加するものであることが好ましい。これにより、ステップS2の処理は完了し、INJ冷却量算出処理はステップS4の処理に進む。
ステップS3の処理では、エンジン温度算出部21bが、INJ冷却量目標値を所定の初期値にリセットする。これにより、ステップS3の処理は完了し、INJ冷却量算出処理はステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、エンジン温度算出部21bが、タイマ20のカウント値に基づいて所定時間が経過したか否かを判別する。判別の結果、所定時間が経過した場合(ステップS4:Yes)、エンジン温度算出部21bは、INJ冷却量算出処理をステップS5の処理に進める。一方、所定時間が経過していない場合には(ステップS4:No)、エンジン温度算出部21bは、今回の一連のINJ冷却量算出処理を終了する。
ステップS5の処理では、エンジン温度算出部21bが、所定時間を計測するタイマ20のカウント値をリセットする。これにより、ステップS5の処理は完了し、INJ冷却量算出処理はステップS6の処理に進む。
ステップS6の処理では、エンジン温度算出部21bが、INJ冷却量がINJ冷却量目標値より大きいか否かを判別する。判別の結果、INJ冷却量がINJ冷却量目標値より大きい場合(ステップS6:Yes)、エンジン温度算出部21bは、INJ冷却量算出処理をステップS8の処理に進める。一方、INJ冷却量がINJ冷却量目標値より大きくない場合には(ステップS6:No)、エンジン温度算出部21bは、INJ冷却量算出処理をステップS7の処理に進める。なお、INJ冷却量及びINJ冷却量目標値は、補正値及び補正目標値に各々対応するものである。また、INJ冷却量には、最初にこれらの処理を実行する際には所定の初期値が設定されている。
ステップS7の処理では、エンジン温度算出部21bが、INJ冷却量に正の所定値を加算する。これにより、ステップS7の処理は完了し、INJ冷却量算出処理はステップS9の処理に進む。
ステップS8の処理では、エンジン温度算出部21bが、INJ冷却量から正の所定値を減算する。これにより、ステップS8の処理は完了し、INJ冷却量算出処理はステップS9の処理に進む。なお、ステップS7の処理で加算される正の所定値及びステップS8の処理で減算される正の所定値は、同じ値でも異なった値でもよく、また固定値に限らず可変値であってもよい。
ステップS9の処理では、エンジン温度算出部21bが、INJ冷却量がINJ冷却量目標値に到達したか否かを判別する。判別の結果、INJ冷却量がINJ冷却量目標値に到達した場合(ステップS9:Yes)、エンジン温度算出部21bは、INJ冷却量算出処理をステップS10の処理に進める。一方、INJ冷却量がINJ冷却量目標値に到達していない場合には(ステップS9:No)、エンジン温度算出部21bは、今回の一連のINJ冷却量算出処理を終了する。
ステップS10の処理では、エンジン温度算出部21bが、INJ冷却量目標値をINJ冷却量に設定する。このような一連の処理によれば、INJ冷却量をINJ冷却量目標値に向けて徐々に近づけて到達させるように推移させることができる。これにより、ステップS10の処理は完了し、今回の一連のINJ冷却量算出処理は終了する。
〔エンジン温度算出処理〕
次に、図4(a)及び図4(b)を参照して、本実施形態及びその変形例における内燃機関制御装置1のエンジン温度算出処理の流れについて説明する。
次に、図4(a)及び図4(b)を参照して、本実施形態及びその変形例における内燃機関制御装置1のエンジン温度算出処理の流れについて説明する。
図4(a)は、本実施形態における内燃機関制御装置1のエンジン温度算出処理の流れを示すフローチャートであり、図4(b)は、本実施形態の変形例における内燃機関制御装置1のエンジン温度算出処理の流れを示すフローチャートである。
まず、図4(a)を参照して、本実施形態における内燃機関制御装置1のエンジン温度算出処理の流れについて説明する。
図4(a)に示すフローチャートは、車両のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り換えられてCPU21が稼働したタイミングで開始となり、エンジン温度算出処理はステップS21の処理に進む。かかるエンジン温度算出処理は、車両のイグニッションスイッチがオン状態でCPU21が稼働している間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS21の処理では、インジェクタ温度算出部21aが、抵抗値検出回路16の出力信号に基づいてインジェクタ8のコイル8aの抵抗値(INJコイル抵抗値)を算出する。これにより、ステップS21の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS22の処理に進む。
ステップ22の処理では、インジェクタ温度算出部21aが、INJコイル抵抗値とインジェクタ温度(INJ温)との関係を示すテーブルデータから、ステップS21の処理により算出されたINJコイル抵抗値に対応するインジェクタ温度のデータを検索することによって、インジェクタ温度を算出する。これにより、ステップS22の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS23の処理に進む。
ステップS23の処理では、エンジン温度算出部21bが、図3(a)及び図3(b)を参照して説明したINJ冷却量算出処理を実行することによりINJ冷却量を算出する。これにより、ステップS23の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS24の処理に進む。
ステップS24の処理では、エンジン温度算出部21bが、ステップS22の処理により算出されたインジェクタ温度からステップS23の処理により算出されたINJ冷却量を減算した値を補正インジェクタ温度として算出する。これにより、ステップS24の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS25の処理に進む。
ステップS25の処理では、エンジン温度算出部21bが、サーミスタ素子12の出力信号に基づいてECU10の筐体10a外の周囲の大気温度である雰囲気温度(外気温)を算出する。これにより、ステップS25の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS26の処理に進む。
ステップS26の処理では、エンジン温度算出部21bが、所定の基準温度からステップS25の処理により算出された雰囲気温度を減算した値をインジェクタ温度のオフセット量(INJオフセット量)として算出する。かかるINJオフセット量は、補正インジェクタ温度に対して雰囲気温度の影響を抑制するための別の補正値である。これにより、ステップS26の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS27の処理に進む。
ステップS27の処理では、エンジン温度算出部21bが、ステップS24の処理により算出された補正インジェクタ温度からステップS26の処理により算出されたINJオフセット量を減算した値をインジェクタ8のバッファ温度(INJバッファ温)として算出する。これにより、ステップS27の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS28の処理に進む。
ステップ29の処理では、エンジン温度算出部21bが、INJバッファ温とエンジン温度との関係を示すテーブルデータから、ステップS27の処理により算出されたINJバッファ温に対応するエンジン温度のデータを検索することによって、エンジン温度を算出する。これにより、ステップS29の処理は完了し、今回の一連のエンジン温度算出処理は終了する。なお、以降、運転状態制御部21cが、このように算出したエンジン温度に基づいて点火回路14及び駆動回路15を制御することによってエンジンの運転状態を制御することになる。
次に、図4(b)を参照して、本実施形態の変形例における内燃機関制御装置1のエンジン温度算出処理の流れについて説明する。
図4(b)に示すフローチャートは、車両のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り換えられてCPU21が稼働したタイミングで開始となり、エンジン温度算出処理はステップS31の処理に進む。かかるエンジン温度算出処理は、車両のイグニッションスイッチがオン状態でCPU21が稼働している間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
ステップS31の処理では、インジェクタ温度算出部21aが、抵抗値検出回路16の出力信号に基づいてインジェクタ8のコイル8aの抵抗値(INJコイル抵抗値)を算出する。これにより、ステップS31の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS32の処理に進む。
ステップ32の処理では、インジェクタ温度算出部21aが、INJコイル抵抗値とインジェクタ温度(INJ温)との関係を示すテーブルデータから、ステップS31の処理により算出されたINJコイル抵抗値に対応するインジェクタ温度のデータを検索することによって、インジェクタ温度を算出する。これにより、ステップS32の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS33の処理に進む。
ステップS33の処理では、エンジン温度算出部21bが、サーミスタ素子12の出力信号に基づいてECU10の筐体10a外の周囲の大気温度である雰囲気温度(外気温)を算出する。これにより、ステップS33の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS34の処理に進む。
ステップS34の処理では、エンジン温度算出部21bが、所定の基準温度からステップS33の処理により算出された雰囲気温度を減算した値をインジェクタ温度のオフセット量(INJオフセット量)として算出する。かかるINJオフセット量は、補正インジェクタ温度に対して雰囲気温度の影響を抑制するための別の補正値である。これにより、ステップS34の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS35の処理に進む。
ステップS35の処理では、エンジン温度算出部21bが、ステップS32の処理により算出されたインジェクタ温度からステップS34の処理により算出されたINJオフセット量を減算した値をインジェクタ8のバッファ温度(INJバッファ温)として算出する。これにより、ステップS35の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS36の処理に進む。
ステップ36の処理では、エンジン温度算出部21bが、INJバッファ温とエンジンのベース温度との関係を示すテーブルデータから、ステップS35の処理により算出されたINJバッファ温に対応するエンジンのベース温度のデータを検索することによって、エンジンのベース温度を算出する。これにより、ステップS36の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS37の処理に進む。なお、エンジンのベース温度は、基本内燃機関温度に対応するものである。
ステップS37の処理では、エンジン温度算出部21bが、前述した本実施形態のエンジン温度算出処理中のステップS23と同様のINJ冷却量算出処理を実行することによりINJ冷却量を算出する。但し、図3(a)中のステップS2におけるINJ冷却量目標値と燃料噴射積算時間を所定期間で除した値との関係を示すテーブルは、先の実施形態とは異なる形態をとる。これにより、ステップS37の処理は完了し、エンジン温度算出処理はステップS38の処理に進む。
ステップS38の処理では、エンジン温度算出部21bが、ステップS36の処理により検索されたエンジンのベース温度からステップS37の処理により算出されたINJ冷却量を減算した値をエンジン温度として算出する。これにより、ステップS38の処理は完了し、今回の一連のエンジン温度算出処理は終了する。なお、以降、運転状態制御部21cが、このように算出したエンジン温度に基づいて点火回路14及び駆動回路15を制御することによってエンジンの運転状態を制御することになる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態における内燃機関制御装置1では、エンジン温度算出部21bが、インジェクタ温度と車速とを用いてエンジン温度を算出するので、インジェクタ温度からエンジン温度を算出する際に、走行風の影響を考慮してエンジン温度を適切に算出することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置1では、エンジン温度算出部21bが、インジェクタ温度を車速と相関関係を呈するINJ冷却量にて補正した補正インジェクタ温度を算出し、補正インジェクタ温度に基づいてエンジン温度を算出するので、簡便な構成で、走行風の影響を考慮してエンジン温度を適切に算出することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置1では、エンジン温度算出部21bが、車速と相関関係を呈するINN冷却量目標値を算出し、INJ冷却量をINJ冷却量目標値に向けて徐々に推移させるので、走行風による冷却能力がすぐにインジェクタ温度に現れないことを考慮し、実際のインジェクタ温度の変化に合わせてエンジン温度を適切に算出することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置1では、エンジン温度算出部21bが、インジェクタ温度を車速と相関関係を呈するINJ冷却量にて補正した補正インジェクタ温度を算出すると共に、補正インジェクタ温度に基づいてエンジンのベース温度を算出し、エンジンのベース温度を車速と相関関係を呈するINJ冷却量にて補正することによりエンジン温度を算出するものであるため、簡便な構成で、走行風の影響を考慮してエンジン温度を適切によく算出することができる。
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
例えば、本実施形態では、インジェクタ温度に対応するエンジン温度として、エンジンの点火プラグ座の温度を用いているが、これに限定するものではなく、例えば、エンジン冷却水温やシリンダー壁温等を用いてもよい。
また、本実施形態の構成は、単気筒エンジンのみならず多気筒エンジンに用いてもよい。その場合には、多気筒エンジンの各気筒のインジェクタのコイル抵抗値からその気筒の温度を推定し、各気筒の温度に合わせてその気筒の燃料噴射量等を制御することができる。
以上のように、本発明は、インジェクタ温度から内燃機関温度を算出する際に、走行風の影響を考慮して内燃機関温度を適切に算出可能な内燃機関制御装置を提供することができるものであり、自動二輪車等の車両の内燃機関制御装置に広く適用され得るものと期待される。
1…内燃機関制御装置
2…クランク角センサ
3…クランクシャフト
4…車速センサ
5…スロットル開度センサ
6…酸素センサ
7…点火コイル
8…インジェクタ
8a…コイル
8b…コイルの等価回路
8c…ソレノイド
10…ECU
10a…筐体
11…波形整形回路
12…サーミスタ素子
13…A/D変換器
14…点火回路
15…駆動回路
16…抵抗値検出回路
17…EEPROM
18…ROM
19…RAM
20…タイマ
21…CPU
21a…インジェクタ温度算出部
21b…エンジン温度算出部
21c…運転状態制御部
21d…車速算出部
B…バッテリ
2…クランク角センサ
3…クランクシャフト
4…車速センサ
5…スロットル開度センサ
6…酸素センサ
7…点火コイル
8…インジェクタ
8a…コイル
8b…コイルの等価回路
8c…ソレノイド
10…ECU
10a…筐体
11…波形整形回路
12…サーミスタ素子
13…A/D変換器
14…点火回路
15…駆動回路
16…抵抗値検出回路
17…EEPROM
18…ROM
19…RAM
20…タイマ
21…CPU
21a…インジェクタ温度算出部
21b…エンジン温度算出部
21c…運転状態制御部
21d…車速算出部
B…バッテリ
Claims (4)
- 内燃機関に適用されると共に、インジェクタのコイル抵抗値に基づいてインジェクタ温度を算出するインジェクタ温度算出部と、前記インジェクタ温度に基づいて内燃機関温度を算出する内燃機関温度算出部と、前記内燃機関温度に基づいて前記内燃機関の運転状態を制御する運転状態制御部と、を有する内燃機関制御装置において、
前記内燃機関が搭載される車両の車速を算出する車速算出部を更に有し、
前記内燃機関温度算出部は、前記インジェクタ温度と前記車速とを用いて前記内燃機関温度を算出することを特徴とする内燃機関制御装置。 - 前記内燃機関温度算出部は、前記インジェクタ温度を前記車速と相関関係を呈する補正値にて補正した補正インジェクタ温度を算出し、前記補正インジェクタ温度に基づいて前記内燃機関温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
- 前記内燃機関温度算出部は、前記車速と相関関係を呈する補正目標値を算出し、前記補正値を前記補正目標値に向けて徐々に推移させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関制御装置。
- 前記内燃機関温度算出部は、前記インジェクタ温度を前記車速と相関関係を呈する補正値にて補正した補正インジェクタ温度を算出すると共に、前記補正インジェクタ温度に基づいて基本内燃機関温度を算出し、前記基本内燃機関温度を前記車速と相関関係を呈する補正値にて補正することにより前記内燃機関温度を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017060940A JP2018162749A (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | 内燃機関制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017060940A JP2018162749A (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | 内燃機関制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018162749A true JP2018162749A (ja) | 2018-10-18 |
Family
ID=63861020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017060940A Pending JP2018162749A (ja) | 2017-03-27 | 2017-03-27 | 内燃機関制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018162749A (ja) |
-
2017
- 2017-03-27 JP JP2017060940A patent/JP2018162749A/ja active Pending
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