JP6739158B2 - 水素添加ブロック共重合体組成物及び粘接着剤組成物 - Google Patents

水素添加ブロック共重合体組成物及び粘接着剤組成物 Download PDF

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本発明は、水素添加ブロック共重合体組成物とそれを用いた粘接着剤組成物に関する。
近年、省エネルギー、省資源、環境負荷低減などの観点から、ホットメルト型の粘接着剤が広く利用されるようになっており、ホットメルト型粘接着剤のベースポリマーとして、ビニル芳香族炭化水素単量体−共役ジエン単量体系ブロック共重合体(例えば、SBS:スチレン−ブタジエン−スチレン−ブロック共重合体など)が広く用いられている。
例えば、特許文献1には、トリブロック共重合体とジブロック共重合体よりなる粘接着剤組成物が開示されている。また、特許文献2では、特定の2官能性カップリング剤(特定のジハロゲン化合物)でカップリングさせて得られるブロック共重合体よりなる粘接着剤組成物が開示されている。更に特許文献3では、ビニル芳香族炭化水素単量体と共役ジエン単量体とのブロック共重合体を特定の割合で水添したブロック共重合体よりなる粘接着剤組成物が開示されている。
特開昭61−278578号公報 特開昭63−248817号公報 特開平05−98130号公報
しかしながら、上述した従来提案されている技術においても、色調、寸法制御性、ダイカット性の改良効果は、いまだ不十分であり、また、これらのバランスにおいてはさらに不十分である。
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、色調、寸法制御性、及びダイカット性に優れ、また、これらのバランスに優れる粘接着剤組成物となる水素添加ブロック共重合体組成物、及びこれを用いた粘接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定構造の水素添加ブロック共重合体組成物、及びその水素添加ブロック共重合体組成物と粘着付与剤とを、それぞれ所定量含有する粘接着剤組成物が、上述した従来技術の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック、及び、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを有する水素添加ブロック共重合体と、
平均粒子径が0.1〜20μmであるチタン化合物と、を含み、
前記チタン化合物の含有量が、チタン原子換算で、水素添加ブロック共重合体100質量部に対し、0.000001〜2質量部であり、
前記チタン化合物の80vol%以上が、粒子径が0.1〜100μmの粒子であり、
前記共役ジエン単量体単位における不飽和二重結合の総水素添加率が、5mol%以上90mol%未満である、
水素添加ブロック共重合体組成物。
〔2〕
前記共役ジエン単量体単位がブタジエン単量体単位を含む、〔1〕に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
〔3〕
前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックの重量平均分子量が、7,500を超え、150,000以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
〔4〕
前記チタン化合物の含有量が、チタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部に対し、0.000001〜0.05質量部である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
〔5〕
前記チタン化合物の含有量が、チタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部に対し、0.0075質量部を超え、0.02質量部以下である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
〔6〕
前記チタン化合物が、酸化チタン、チタン酸リチウム、含水酸化チタン、及び水酸化チタンからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
〔7〕
前記水素添加ブロック共重合体として、水素添加ブロック共重合体(A)と水素添加ブロック共重合体(B)を含み、
前記水素添加ブロック共重合体(A)が、前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックと、前記共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックと、を有し、
前記水素添加ブロック共重合体(B)が、前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも2つと、前記共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックと、を有し、
前記水素添加ブロック共重合体(A)に対する前記水素添加ブロック共重合体(B)の重量平均分子量の比(前記水素添加ブロック共重合体(B)の重量平均分子量)/(前記水素添加ブロック共重合体(A)の重量平均分子量)が、1.3〜10であり、
前記水素添加ブロック共重合体(A)の含有量が、前記水素添加ブロック共重合体(A)と前記水素添加ブロック共重合体(B)の合計100質量%に対して、20質量%以上90質量%以下であり、
前記水素添加ブロック共重合体(B)の含有量が、前記水素添加ブロック共重合体(A)と前記水素添加ブロック共重合体(B)の合計100質量%に対して、10質量%以上80質量%以下である、
〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
〔8〕
〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物100質量部と、
粘着付与剤20〜700質量部と、
を、含有する、粘接着剤組成物。
〔9〕
芳香族ビニル系エラストマーを含有する、
〔8〕に記載の粘接着剤組成物。
〔10〕
共役ジエン系合成ゴムを含有する、
〔8〕又は〔9〕に記載の粘接着剤組成物。
〔11〕
天然ゴムを含有する、
〔8〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物。
本発明によれば、色調、寸法制御性、ダイカット性に優れ、これらのバランスに優れる粘接着剤組成物となる水素添加ブロック共重合体組成物、及びこれを用いた粘接着剤組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
なお、以下において、重合体を構成する構成単位のことを「〜単量体単位」といい、重合体の材料として記載する場合は「単位」を省略し、単に「〜単量体」と記載する。
〔水素添加ブロック共重合体組成物〕
本実施形態の水素添加ブロック共重合体組成物は、ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックと、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックと、を含有する水素添加ブロック共重合体と、チタン化合物と、を含み、前記チタン化合物の含有量が、チタン原子換算で、水素添加ブロック共重合体100質量部に対し、0.000001〜2質量部である。
〔水素添加ブロック共重合体〕
本実施形態の水素添加ブロック共重合体は少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)と、少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)と、を含有する。
水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは2,000以上であり、より好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは30,000以上である。また、水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは1,000,000以下であり、より好ましくは400,000以下であり、さらに好ましくは300,000以下である。水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量が2,000以上であることにより、保持力がより向上する傾向にある。また、水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量が1,000,000以下であることにより、優れた低溶融粘度特性、生産性を有する水素添加ブロック共重合体及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。なお、水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は実施例に記載する方法により求めることができる。
本明細書において「ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする」とは、重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が、60質量%以上であり、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であることを意味する。重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が、60%質量以上であることにより、保持力に優れる水素添加ブロック共重合体組成物及び粘接着剤組成物が得られる。
また、本明細書において「共役ジエン単量体単位を主体とする」とは、重合体ブロック中の共役ジエン単量体単位の含有量が、60質量%以上であり、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であることを意味する。
水素添加ブロック共重合体の構造としては、特に限定されないが、例えば、下記の式(i)〜(vi)が挙げられる。
(Ar−D)n ・・・(i)
D−(Ar−D)n ・・・(ii)
Ar−(D−Ar)n ・・・(iii)
Ar−(D−Ar)n−X ・・・(iv)
[(Ar−D)km−X ・・・(v)
[(Ar−D)k−Ar]m−X ・・・(vi)
上記式(i)〜(vi)中、Arはビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)を表し、Dは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を表し、Xは、カップリング剤の残基又は多官能有機リチウム等の重合開始剤の残基を表し、m、n及びkは、1以上の整数を表し、それぞれ1〜6の整数であることが好ましい。重合体ブロック(Ar)及び/又は重合体ブロック(D)が複数存在している場合には、各重合体ブロック(Ar)及び/又は各重合体ブロック(D)の重量平均分子量、組成、構造は同一であってもよいし、異なっていてもよいが、重合体ブロック(Ar)が複数存在している場合、保持力や耐熱性、生産性の観点から、複数存在する重合体ブロック(Ar)の重量平均分子量の差は小さい方が好ましい。また、各重合体ブロック(Ar)が含有するビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を重合体ブロック(Ar)の数で除した値と、水素添加ブロック共重合体中に占めるビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を重合体ブロック(Ar)の数で除した値の差が小さい方が好ましい。
複数存在する重合体ブロック(Ar)の重量平均分子量の差は、特に制限されないが、最も大きい重量平均分子量を有する重合体ブロック(Ar)に対する、他の重合体ブロック(Ar)の重量平均分子量の差が、最も大きい重量平均分子量を有する重合体ブロック(Ar)の重量平均分子量の35%以下であることが好ましく、25%以下がより好ましく、15%以下がさらに好ましく、5%以下がさらにより好ましい。また、特に制限はないが、0%以上であることが好ましい。
なお、重合体ブロック(Ar)の重量平均分子量は、実施例に記載の測定方法により求めることができる。
各重合体ブロック(Ar)が含有するビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を重合体ブロック(Ar)の数で除した値と、水素添加ブロック共重合体中に占めるビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を重合体ブロック(Ar)の数で除した値の差は、特に制限されないが、水素添加ブロック共重合体中に占めるビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を重合体ブロック(Ar)の数で除した値の7%以下が好ましく、5%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましく、1%以下がさらにより好ましい。また、特に制限はないが、0%以上であることが好ましい。
なお、各重合体ブロック(Ar)が含有するビニル芳香族化合物単量体単位含有量は、重合体ブロック(Ar)および重合体ブロック(D)の重合終了ごとに少量を抜き出し、実施例に記載の方法で、ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量を測定し、最終的に得られた水素添加ブロック共重合体の構造を考慮して計算することで、得られる。
本実施形態の水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量は、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは8質量%以上であり、さらに好ましくは10質量%以上である。また、水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量は、好ましくは95質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以下である。ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が上記範囲であることにより、優れた粘接着性能を有し、またそのバランスにも優れた水素添加ブロック共重合体及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。特に、ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が5質量%以上であることにより、優れた保持力を有する水素添加ブロック共重合体が得られる傾向にある。また、ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が95質量%以下であることにより、優れたタック、生産性を有する水素添加ブロック共重合体及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。粘着テープなどの用途に用いる場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。粘着ラベル用途などの用途に用いる場合、好ましくは10質量%以上、好ましくは12質量%以上、より好ましくは18質量%以上、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。衛材用途などの用途に用いる場合、好ましくは12質量%以上、より好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、好ましくは70質量%以下、より好ましくは68質量%以下である。ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が上記範囲であることにより、優れた粘接着性能を有し、またそのバランスにも優れた水素添加ブロック共重合体及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。なお、水素添加ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量は、後述する実施例において記載する方法により測定することができる。
また、本実施形態の水素添加ブロック共重合体中の水素添加前の共役ジエン単量体単位のビニル結合量は、好ましくは95mol%以下であり、好ましくは90mol%以下であり、より好ましくは85mol%以下である。また、水素添加前の共役ジエン単量体単位のビニル結合量は、好ましくは15mol%以上であり、より好ましくは18mol%以上であり、さらに好ましくは20mol%以上である。より具体的には、水素添加ブロック共重合体が有する水素添加前の共役ジエン単量体単位のビニル結合量は、好ましくは15mol%以上95mol%以下であり、より好ましくは18mol%以上90mol%以下であり、より好ましくは20mol%以上85mol%以下である。共役ジエン単量体単位のビニル結合量が上記範囲内であることにより、生産性および粘接着特性、に優れた特性が得られる傾向にある。
ここで、ビニル結合量とは、水素添加前において、1,2−結合、3,4−結合及び1,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエン単量体単位の総mol量に対する、1,2−結合及び3,4−結合で組み込まれている共役ジエン単量体単位の総mol量の割合である。なお、水素添加後において、水素未添加の1,2−結合、水素添加後の1,2−結合、水素未添加の3,4−結合、水素添加後の3,4−結合、水素未添加の1,4−結合及び水素添加後の1,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエン単量体単位の総mol量に対する、水素未添加の1,2−結合、水素添加後の1,2−結合、水素未添加の3,4−結合及び水素添加後の3,4−結合で組み込まれている共役ジエン単量体単位の総mol量の割合は、水素添加前の共役ジエン単量体単位のビニル結合量と等しい。したがって、水素添加前の共役ジエン単量体単位のビニル結合量は、水素添加後のブロック共重合体を用いて核磁気共鳴スペクトル解析(NMR)により測定でき、具体的には後述する実施例に記載の方法により測定できる。
なお、ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量、重量平均分子量の値は水素添加前後でほぼ同じ値となるので水素添加後の値を採用する。
水素添加前の共役ジエン単量体単位は後述するように重合工程において極性化合物やランダム化剤を使用することで制御することができる。
水素添加工程において、ビニル芳香族炭化水素単量体単位の共役結合が水素添加されてもよいが、保持力や接着力の観点から、全ビニル芳香族炭化水素単量体単位の共役結合の水素添加率は、30mol%以下が好ましく、10mol%以下が好ましく、3mol%以下がさらに好ましい。
また、本実施形態の水素添加ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位における不飽和二重結合の総水素添加率は、保持力、タックの観点から、好ましくは5mol%以上であり、より好ましくは15mol%以上であり、さらに好ましくは20mol%以上である。また、水素添加ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位における不飽和二重結合の総水素添加率は、低溶融粘度の観点から、好ましくは90mol%未満であり、より好ましくは88mol%以下であり、さらに好ましくは87mol%以下である。水素添加率が5mol%以上であることにより、優れた保持力、タックを有する水素添加ブロック共重合体が得られる傾向にある。また、水素添加率が90mol%未満であることにより、優れたタック、低溶融粘度特性を有する水素添加ブロック共重合体及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。なお、水素添加ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位の水素添加率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
また、本実施形態の重合体ブロック(Ar)において、25量体以上となっているビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量は、90質量%以上が好ましく、93質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、98質量%以上がさらにより好ましい。また、特に限定されないが100質量%以下が好ましい。重合体ブロック(Ar)において、25量体以上となっているビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量が上記範囲であることにより、優れた粘接着性能を有し、またそのバランスにも優れた水素添加ブロック共重合体及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。特に、90質量%以上であることにより、優れた保持力、耐熱性を有する水素添加ブロック共重合体が得られる傾向にある。また、100質量%以下であることにより、優れた生産性を有する水素添加ブロック共重合体及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。なお、25量体以上になっているビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量は、実施例に記載の測定方法により求めたビニル芳香族炭化水素単量体単位からなる重合体ブロック成分の重量(但し、平均重合度が24以下のビニル芳香族重合体成分は除かれている)を用いて求めることができる。
また、本実施形態のビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)の平均分子量は、好ましくは7,500を超え、より好ましくは8,000以上であり、さらに好ましくは10,000以上であり、さらにより好ましくは11,500以上である。また、重合体ブロック(Ar)の平均分子量は、好ましくは150,000以下であり、より好ましくは50,000以下であり、さらに好ましくは30,000以下であり、さらにより好ましくは20,0000以下である。重合体ブロック(Ar)の平均分子量が7,500を超えることにより、優れた保持力を有する水素添加ブロック共重合体が得られる傾向にある。また、重合体ブロック(Ar)の平均分子量が150,000以下であることにより、優れたタックを有する水素添加ブロック共重合体及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。ここで、「重合体ブロック(Ar)の平均分子量」とは、水素添加ブロック共重合体中に含まれる重合体ブロック(Ar)が1つである場合にはそのブロックの分子量、重合体ブロック(Ar)が2つ以上である場合にはそれらのブロックの平均の分子量をいう。重合体ブロック(Ar)の平均分子量は、後述する製造方法の諸条件を調整することにより上記範囲内に制御することができる。また、重合体ブロック(Ar)の平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の水素添加ブロック共重合体として、粘接着特性と低溶融粘度特性のバランス改善の観点から下記水素添加ブロック共重合体(A)(以下、「成分(A)」ともいう。)と水素添加ブロック共重合体(B)(以下、「成分(B)」ともいう。)の2つの異なる構造を有する水素添加ブロック共重合体を含有してもよい。ここで、成分(A)は、少なくとも1つの重合体ブロック(Ar)と少なくとも1つの重合体ブロック(D)を含有する水素添加ブロック重合体であり、成分(B)は、少なくとも2つの重合体ブロック(Ar)と少なくとも1つの重合体ブロック(D)を含有する水素添加ブロック重合体である。
成分(A)の含有量は、成分(A)及び成分(B)の総量100質量%に対して、好ましくは20質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは25質量%以上85質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以上80質量%以下であり、よりさらに好ましくは40質量%以上75質量%以下である。
成分(B)の含有量は、成分(A)及び成分(B)の総量100質量%に対して、好ましくは10質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは15質量%以上75質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以上70質量%以下であり、よりさらに好ましくは25質量%以上60質量%以下である。
成分(A)及び成分(B)の含有量が上記範囲内であることにより、低溶融粘度特性及び粘接着特性がともに優れた、そのバランスも良い水素添加ブロック共重合体組成物及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。なお、成分(A)及び成分(B)の含有量は、後述する製造方法の諸条件を調整することにより上記範囲内に制御することができる。また、成分(A)及び成分(B)の含有量は、後述する実施例において記載する方法により測定することができる。なお、成分(A)及び成分(B)の含有量の値は水素添加前後でほぼ同じ値となるが、水素添加後の値を採用する。
成分(A)及び成分(B)を含む場合の、成分(A)の重量平均分子量に対する成分(B)の重量平均分子量の比〔(成分(B)の重量平均分子量)/(成分(A)の重量平均分子量)〕は、1.3以上10以下であり、好ましくは1.5以上8.0以下であり、より好ましくは1.8以上5.0以下である。成分(A)の重量平均分子量に対する成分(B)の重量平均分子量の比が上記範囲内であることにより、低溶融粘度特性、粘接着特性に優れ、またそのバランスも優れた水素添加ブロック共重合体組成物及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。
成分(A)及び成分(B)の含有量、重量平均分子量、及び重量平均分子量の比は、後述する製造方法の諸条件を調整することにより上記範囲内に制御することができる。また、成分(A)及び成分(B)の含有量、重量平均分子量、及び重量平均分子量の比は、後述する実施例において記載する方法により測定することができる。
水素添加ブロック共重合体として、成分(A)、成分(B)を含む場合の、ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量とは、成分ごとの値ではなく、水素添加ブロック共重合全体としての含有量、すなわち各成分の含有量の平均値である。
水素添加ブロック共重合体として、成分(A)、成分(B)を含む場合の、水素添加前の共役ジエン単量体単位のビニル結合量とは、成分ごとの値ではなく、水素添加ブロック共重合体全体としてのビニル結合量、すなわち各成分のビニル結合量の平均値である。
また、水素添加ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位における不飽和二重結合の総水素添加率も、成分ごとの値ではなく、水素添加ブロック共重合体全体としてのビニル結合量、すなわち各成分のビニル結合量の平均値である。
以下、各成分についてより詳細に説明する。
(成分(A))
成分(A)は、少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)と、を含有することが好ましい。
成分(A)の水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは2,000以上であり、より好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは20,000以上である。また、成分(A)の水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは500,000以下であり、より好ましくは200,000以下であり、さらに好ましくは150,000以下である。成分(A)の重量平均分子量が2,000以上であることにより、保持力、生産性に優れ、また、成分(A)の重量平均分子量が500,000以下であることにより、優れた低溶融粘度特性を有する水素添加ブロック共重合体組成物及び粘接着剤組成物が得られる。なお、成分(A)の重量平均分子量は実施例に記載する方法により求めることができる。
成分(A)の構造としては、特に限定されないが、例えば、下記の式(i)〜(vi)が挙げられる。
(Ar−D)n ・・・(i)
D−(Ar−D)n ・・・(ii)
Ar−(D−Ar)n ・・・(iii)
Ar−(D−Ar)n−X ・・・(iv)
[(Ar−D)km−X ・・・(v)
[(Ar−D)k−Ar]m−X ・・・(vi)
(上記式(i)〜(vi)中、Arは重合体ブロック(Ar)を表し、Dは重合体ブロック(D)を表し、Xは、カップリング剤の残基又は多官能有機リチウム等の重合開始剤の残基を表し、m、n及びkは、1以上の整数を表し、それぞれ1〜6の整数であることが好ましく、複数存在する場合のArはビニル芳香族炭化水素単量体の種類が同じであっても異なってもよく、複数存在する場合のDは共役ジエン単量体の種類や分子量が同じであっても異なってもよいが、Arが複数存在している場合は、上述の態様が好ましく用いられる。)
前記式(i)〜(vi)の中でも、ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)を1つ含有する水素添加ブロック共重合体が好ましく、Ar−D、D−Ar−Dによって表される水素添加ブロック共重合体がより好ましい。成分(A)がこのような構造を有することにより、優れた低溶融粘度特性、粘着力を有し、そのバランスにも優れた水素添加ブロック共重合体組成物及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。
(成分(B))
成分(B)は、少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)と少なくとも1つの共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)と、を含有することが好ましい。
成分(B)の水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは4,000以上であり、より好ましくは10,000以上であり、さらに好ましくは20,000以上である。また、成分(B)の水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは1,000,000以下であり、より好ましくは400,000以下であり、さらに好ましくは300,000以下である。成分(B)の重量平均分子量が4,000以上であることにより、保持力や生産性がより向上する傾向にある。また、成分(B)の重量平均分子量が1,000,000以下であることにより、優れた低溶融粘度特性を有する水素添加ブロック共重合体組成物及び粘接着剤組成物が得られる傾向にある。なお、成分(B)の重量平均分子量は実施例に記載する方法により求めることができる。
また、成分(B)の構造としては、特に限定されないが、例えば、下記の式(vii)
〜(xii)が挙げられる。
(Ar−D)e ・・・(vii)
D−(Ar−D)e ・・・(viii)
Ar−(D−Ar)g ・・・(ix)
[Ar−(D−Ar)gf−X ・・・(x)
[D−(Ar−D)gf−X ・・・(xi)
[(Ar−D)gf−X ・・・(xii)
[(Ar−D)g−Ar]f−X ・・・(xiii)
(上記式(vii)〜(xiii)中、Arはビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体と
する重合体ブロック(Ar)を表し、Dは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロック(D)を表し、Xは、カップリング剤の残基又は多官能有機リチウム等の重合開始剤の残基を表し、e及びfは2以上の整数、gは1以上の整数を表し、それぞれ6以下の正の整数であることが好ましく、複数存在する場合のArはビニル芳香族炭化水素単量体の種類が同じであっても異なってもよく、複数存在する場合のDは共役ジエン単量体の種類や分子量が同じであっても異なってもよいが、Arが複数存在している場合は、上述の態様が好ましく用いられる。)
前記式(vii)〜(xiii)の中でも、式(vii)、(ix)、(xi)、(x
ii)(e=2、g=1、f=2〜4)によって表される水素添加ブロック共重合体が好
ましい。成分(B)がこのような構造を有することにより、粘接着性能のバランスおよび生産性がより向上する傾向にある。
〔水素添加ブロック共重合体の製造方法〕
水素添加ブロック共重合体は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤として、少なくとも共役ジエン単量体とビニル芳香族炭化水素単量体を重合させて重合体を得る重合工程、得られた重合体の共役ジエン単量体単位中の二重結合を水素添加する水素添加工程、水素添加されたブロック共重合体を含む溶液の溶媒を脱溶剤する脱溶剤工程、を順次行い、製造することができる。水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は、例えば後述するカップリング剤の種類や添加量を制御することによって調整することができる。また、後述する重合開始剤の添加量と添加回数を制御して、複数回に分けて添加することによっても、重量平均分子量を調整することができる。
水素添加ブロック共重合体として、成分(A)と成分(B)の2つの異なる構造を有する水素添加ブロック共重合体を二つ含む場合、成分(A)と成分(B)は、別々に製造して、後から混合してもよいし、同時に製造してもよい。成分(A)と成分(B)を同時に製造する場合、成分(A)と成分(B)の重量平均分子量、重量平均分子量の比及び含有量は、例えば後述するカップリング剤の種類や添加量を制御することによって調整することができる。また、後述する重合開始剤の添加量と添加回数を制御して、複数回に分けて添加することによっても、成分(A)と成分(B)の重量平均分子量、重量平均分子量の比及び含有量を調整することができる。また、後述する失活剤の添加量を制御して一度失活工程を行い、さらに重合反応を続けることによっても、成分(A)と成分(B)の重量平均分子量、重量平均分子量の比及び含有量を調整することができる。
(重合工程)
重合工程は、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物を重合開始剤として、少なくとも共役ジエン単量体とビニル芳香族炭化水素単量体を含む単量体を重合させて重合体を得る工程である。
重合反応温度は、通常10〜150℃、好ましくは30〜130℃、より好ましくは40℃〜100℃である。重合圧力は、上記重合温度範囲で単量および溶媒を液相に維持するに十分な圧力の範囲で行えばよく、特に限定されない。要する時間は条件によって異なるが、通常、48時間以内、好ましくは0.5〜10時間である。
<炭化水素溶媒>
上述したように、重合工程においては、炭化水素溶媒を用いる。炭化水素溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。炭化水素溶媒は1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
<重合開始剤>
重合工程においては、重合開始剤として、少なくとも有機リチウム化合物を用いる。有機リチウム化合物としては、特に限定されないが、例えば、分子中に一個以上のリチウム原子を結合した有機モノリチウム化合物、有機ジリチウム化合物、有機ポリリチウム化合物が挙げられる。より具体的には、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。重合開始剤は1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤は複数回に分けて、反応液に添加してもよい。こうすることにより、重量平均分子量や構造が異なる複数種のブロック共重合体を含む組成物を一度に得ることができる。
<重合に用いる単量体>
重合体ブロック(D)を構成する共役ジエン単量体は、1対の共役二重結合を有するジオレフィンである。共役ジエン単量体としては、特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。このなかでも、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。また、粘接着剤組成物の保持力改良の観点から、1,3−ブタジエンがより好ましい。共役ジエン単量体は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合体ブロック(Ar)を構成するビニル芳香族炭化水素単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられる。このなかでも、経済性の点から、スチレンが好ましい。ビニル芳香族炭化水素単量体は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素単量体単位及び共役ジエン単量体単位以外の単量体単位を含んでもよく、重合工程においては、ビニル芳香族炭化水素単量体及び共役ジエン単量体の他、当該単量体と共重合可能な他の単量体を用いることができる。
<極性化合物及びランダム化剤>
重合工程においては、重合速度の調整、重合した共役ジエン単量体単位のミクロ構造(シス、トランス、ビニルの比率)の制御、共役ジエン単量体とビニル芳香族炭化水素単量体との反応比率の調整等の目的で、所定の極性化合物やランダム化剤を使用することができる。
極性化合物やランダム化剤としては、特に限定されないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類;チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
<カップリング剤>
重合工程においては、活性末端を有するビニル芳香族−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、その活性末端に対して官能基が1mol当量未満となる量で、前記式(iv)〜(vi)、(x)〜(xiii)においてXで表されるカップリング剤を添加し
てもよい。
添加されるカップリング剤としては、特に限定されないが、2官能以上の任意のカップリング剤を用いることができる。2官能のカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、ジクロロシラン、モノメチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシランなどの2官能性ハロゲン化シラン;ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシランなどの2官能性アルコキシシラン;ジクロロエタン、ジブロモエタン、メチレンクロライド、ジブロモメタンなどの2官能性ハロゲン化アルカン;ジクロロスズ、モノメチルジクロロスズ、ジメチルジクロロスズ、モノエチルジクロロスズ、ジエチルジクロロスズ、モノブチルジクロロスズ、ジブチルジクロロスズなどの2官能性ハロゲン化スズ;ジブロモベンゼン、安息香酸、CO、2―クロロプロペンなどが挙げられる。
3官能のカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、トリクロロエタン、トリクロロプロパンなどの3官能性ハロゲン化アルカン;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシランなどの3官能性ハロゲン化シラン;メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどの3官能性アルコキシシラン;などが挙げられる。
4官能のカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、四塩化炭素、四臭化炭素、テトラクロロエタンなどの4官能性ハロゲン化アルカン;テトラクロロシラン、テトラブロモシランなどの4官能性ハロゲン化シラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの4官能性アルコキシシラン;テトラクロロスズ、テトラブロモスズなどの4官能性ハロゲン化スズ;などが挙げられる。
5官能以上のカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、1,1,1,2,2−ペンタクロロエタン、パークロロエタン、ペンタクロロベンゼン、パークロロベンゼン、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテルなどが挙げられる。その他、エポキシ化大豆油、2〜6官能のエポキシ基含有化合物、カルボン酸エステル、ジビニルベンゼンなどのポリビニル化合物を用いることもできる。カップリング剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上記の中でも色調、プラントへの低悪影響性の観点から、非ハロゲン系カップリング剤であることが好ましい。また、生産性やプラントへの低悪影響性の観点から、エポキシ基含有化合物、アルコキシシランであることが好ましい。
以上のように、活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体を含有する溶液に、その活性末端に対して官能基が1mol当量未満となる量で、カップリング剤を添加すると、活性末端を有する芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体のうちの一部のブロック共重合体において、活性末端同士がカップリング剤の残基を介して結合され、る。そして、活性末端を有するビニル芳香族−共役ジエンブロック共重合体の残り一部は、未反応のまま溶液中に残ることとなる。これらのカップリング剤を用いた反応では、カップリング剤の種類や添加量を調製することなどにより、カップリング率を制御することができる。
本実施形態の重合体の製造方法における、重合工程で実施する重合方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を適用でき、例えば、特公昭36−19286号公報、特公昭43−17979号公報、特公昭46−32415号公報、特公昭49−36957号公報、特公昭48−2423号公報、特公昭48−4106号公報、特公昭56−28925号公報、特開昭59−166518号公報、特開昭60−186577号公報等に記載された方法が挙げられる。
<失活剤>
重合工程においては、失活剤を添加してもよい。失活剤としては、特に限定されないが、水又はアルコールなどが知られている。このなかでも失活効率の観点から、アルコールが好ましい。失活剤は重合工程のどのタイミングで添加してもよい。添加する失活剤が活性末端の100mol%より少ない量であれば、失活剤の添加後に共役ジエン単量体及び/又はビニル芳香族炭化水素単量体をさらに続けて添加してもよい。こうすることにより失活していない活性末端と共役ジエン単量体及び/又はビニル芳香族炭化水素単量体との重合反応が継続し、異なる分子量の重合体を含む重合体溶液を得ることができる。
また、成分(A)と成分(B)の異なる構造を有する水素添加ブロック共重合体を二つ有する場合、失活工程において成分(A)と成分(B)の含有量は、重合開始剤の添加量に対する失活剤の添加モル量を調整することによって制御することができる。失活剤の添加モル量が多いほど成分(A)の含有量が多くなり、失活剤の添加モル量が少ないほど成分(B)の含有量が少なくなる傾向にある。
さらに、失活剤の添加後に共役ジエン単量体及び/又はビニル芳香族炭化水素単量体を添加し、重合反応を続けることにより成分(A)と成分(B)の重量平均分子量、重量平均分子量の比を制御することができる。具体的には、失活剤の添加後に添加する共役ジエン単量体及び/又はビニル芳香族炭化水素単量体の量が多いほど、成分(B)の重量平均分子量が大きくなり、それに伴い重量平均分子量の比も大きくなる傾向にある。
(水素添加工程)
水素添加工程は、重合工程で得られた重合体の少なくとも共役ジエン単量体中の二重結合を水素添加反応により水素添加物とする工程である。具体的には、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して水素添加されたブロック共重合体溶液を得ることができる。その際、ブロック共重合体の水素添加率は、反応温度、反応時間、水素供給量、触媒量などを調整することにより制御することができる。
水素添加反応に使用される触媒としては、特に限定されないが、例えば、(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等の担体に担持させた担持型不均一系触媒と、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機塩又はアセチルアセトン塩と有機Al等の還元剤とを用いるいわゆるチーグラー型触媒、又はRu、Rh等の有機金属化合物等のいわゆる有機錯触媒、或いはチタノセン化合物に還元剤として有機Li、有機Al、有機Mg等を用いる均一触媒が知られている。このなかでも、経済性、重合体の着色性あるいは接着力の観点から、チタノセン化合物に還元剤として有機Li、有機Al、有機Mg等を用いる均一触媒系が好ましい。
水素添加反応温度は、好ましくは0〜200℃であり、より好ましくは30〜150℃である。また、水素添加反応に使用される水素の圧力は、好ましくは0.1〜15MPaであり、より好ましくは0.2〜10MPaであり、さらに好ましくは0.3〜5MPaである。さらに、水素添加反応時間は、好ましくは3分〜10時間であり、より好ましくは10分〜5時間である。なお、水素添加反応は、バッチプロセス、連続プロセス、あるいはこれらの組み合わせのいずれであってもよい。
水素添加方法としては、特に限定されないが、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、及び特公昭63−5401号公報に記載された方法が挙げられる。
水素添加反応は、特に限定するものではないが、高い水素添加活性の観点から、後述する重合体の活性末端を失活する工程後に行うことが好ましい。
(脱溶剤工程)
脱溶剤工程は、重合体を含む溶液の炭化水素溶媒を脱溶剤する工程である。脱溶剤方法としては、特に限定されないが、例えばスチームストリッピング法や直接脱溶媒法により脱溶剤する方法が挙げられる。
上記重合体の製造方法により得られる重合体中の残存溶媒量は、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下であり、さらにより好ましくは0.2質量%以下であり、よりさらにより好ましくは0.05質量%以下であり、特により好ましくは0.01質量%以下である。
また、本実施形態のブロック共重合体の耐熱老化性やゲル化の抑制の観点から、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、ラジカル補捉剤のフェノール系酸化防止剤、過酸化物分解剤のリン系酸化防止剤やイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、両性能を併せ持つ酸化防止剤を使用してもよい。これらは単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。このなかでも、重合体の耐熱老化性やゲル化の抑制の観点から、少なくともフェノール系酸化防止剤を添加することが好ましい。
その他、重合体の着色防止や高い機械強度の観点から、重合体中の金属を除去する脱灰工程や、ポリマーのpHを調整する中和工程、例えば、酸の添加や炭酸ガスの添加を行ってもよい。
上述のようにして製造できる本実施形態の水素添加ブロック共重合体は、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、スズからなる群より選ばれる原子を含む極性基含有官能基がブロック共重合体に結合した、いわゆる変性重合体や、ブロック共重合体成分を無水マレイン酸等の変性剤で変性した変性ブロック共重合体を含んでもよい。このような変性共重合体は、上述の方法で得られる水素添加ブロック共重合体に対し、公知の変性反応を行うことにより得られる。
これらの官能基を付与する方法としては、特に限定されないが、例えば、開始剤、単量体、カップリング剤あるいは停止剤に官能基を有する化合物を用いて、重合体に官能基を付加する方法が挙げられる。
官能基を含む開始剤としては、特に限定されないが、例えば、N基を含有する開始剤が好ましく、ジオクチルアミノリチウム、ジ−2−エチルヘキシルアミノリチウム、エチルベンジルアミノリチウム、(3−(ジブチルアミノ)−プロピル)リチウム、ピペリジノリチウム等が挙げられる。
また、官能基を含む単量体としては、特に限定されないが、例えば、前述の重合に用いる単量体に、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シラノール基、アルコキシシラン基を含む化合物が挙げられる。この中でもN基を含有する単量体が好ましく、N,N−ジメチルビニルベンジルアミン、N,N−ジエチルビニルベンジルアミン、N,N−ジプロピルビニルベンジルアミン、N,N−ジブチルビニルベンジルアミン、N,N−ジフェニルビニルベンジルアミン、2−ジメチルアミノエチルスチレン、2−ジエチルアミノエチルスチレン、2−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルスチレン、1−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−1−フェニルエチレン、N,N−ジメチル−2−(4−ビニルベンジロキシ)エチルアミン、4−(2−ピロリジノエチル)スチレン、4−(2−ピペリジノエチル)スチレン、4−(2−ヘキサメチレンイミノエチル)スチレン、4−(2−モルホリノエチル)スチレン、4−(2−チアジノエチル)スチレン、4−(2−N−メチルピペラジノエチル)スチレン、1−((4−ビニルフェノキシ)メチル)ピロリジン、1−(4−ビニルベンジロキシメチル)ピロリジン等が挙げられる。
さらに、官能基を含むカップリング剤及び停止剤としては、特に限定されないが、例えば、前述のカップリング剤の内、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、シラノール基、アルコキシシラン基を含む化合物等が挙げられる。この中でもN基やO基を含有するカップリング剤が好ましく、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、ジグリシジルアニリン、γ−カプロラクトン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジエチルエトキシシラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレンウレア、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
〔チタン化合物〕
本実施形態の水素添加ブロック共重合体組成物は、チタン化合物を含む。チタン化合物の含有量は、チタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部に対し、0.000001〜2質量部である。ここで「チタン原子換算」とは、酸化チタン、チタン酸リチウム等の化合物を含むチタン化合物中における、チタン原子の量をいう。具体的には実施例に記載の方法により測定することができる。
チタン化合物の種類としては、特に限定されないが、例えば、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型などの結晶性の酸化チタン;非晶性酸化チタン、オルトチタン酸やメタチタン酸などの含水酸化チタン;水酸化チタン、チタン酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムのようなチタンと異種金属との複合酸化物などが挙げられる。このなかでも、チタン化合物が、酸化チタン、含水酸化チタン、水酸化チタン、及びチタン酸リチウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。このようなチタン化合物を用いることにより、色調がより優れる傾向にある。これらは、1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
また、チタン化合物は、共役ジエン系重合体の水素添加触媒として用いたチタン化合物の反応物を含んでもよい。このようなチタン化合物を用いることにより、経済性、生産性により優れる傾向にある。具体的には、ブロック共重合体がチタン化合物を用いて水素化反応された水素添加ブロック共重合体である場合、水素添加ブロック共重合体はチタン化合物を含有し得る。そのため、例えばこのチタン化合物を粒子径0.1〜100μmのチタン化合物となるように調製し、かつ、そのチタン化合物の含有量が0.000001〜2質量部となるように制御してもよい。具体的には、触媒であるチタン化合物を、例えば水等との接触によりチタン酸化物とし、かつ、得られるチタン酸化物の粒子を所定の粒子径に成長させる方法が挙げられる。なお、水との接触によりチタン化合物を粒子成長させる場合はチタン化合物の含有量や水の量にもよるが接触時間や頻度が高いほど粒子が成長する傾向にある。また、チタン化合物の含有量は、濾過等の方法により制御することができる。
粒子径が0.1μm以上100μm以下であるチタン化合物の含有量は、チタン化合物の総量100vol%に対して、好ましくは80vol%以上であり、より好ましくは85vol%以上であり、さらに好ましくは90vol%以上である。粒子径が0.1μm以上100μm以下であるチタン化合物の含有量の上限は、特に制限されないが、100vol%以下が好ましい。このような粒子径分布を有することにより、粘接着特性、寸法制御性、ダイカット性に優れる水素添加ブロック共重合体組成物および粘接着剤組成物が得られる傾向にある。なお、水素添加ブロック共重合体組成物がチタン化合物以外の他の金属化合物粒子を含む場合、例えば、金属化合物が、チタン化合物及びリチウム化合物を含む場合、上記「粒子径が0.1μm以上100μm以下であるチタン化合物の含有量」は「粒子径が0.1μm以上100μm以下である金属化合物の含有量」と読み替えることができる。
また、より好ましくは、粒子径が0.1μm以上50μm以下であるチタン化合物の含有量が、チタン化合物の総量100vol%に対して、80vol%以上100vol%以下であり、さらに好ましくは、粒子径が0.1μm以上30μm以下であるチタン化合物の含有量が、チタン化合物の総量100vol%に対して、80vol%以上100vol%以下である。このような粒子径分布を有することにより、寸法制御性、ダイカット性に優れる水素添加ブロック共重合体組成物および粘接着剤組成物が得られる傾向にある。なお、水素添加ブロック共重合体組成物がチタン化合物以外の他の金属化合物粒子を含む場合、例えば、金属化合物が、チタン化合物及びリチウム化合物を含む場合、上記「粒子径が0.1μm以上50μm以下であるチタン化合物の含有量」は「粒子径が0.1μm以上50μm以下である金属化合物の含有量」と読み替えることができる。
チタン化合物の含有量は、チタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部に対して、0.000001質量部であり、好ましくは0.00001質量部以上であり、より好ましくは0.0001質量部以上であり、さらに好ましくは0.0005質量部以上であり、0.0075質量部を超えることがさらにより好ましい。また、チタン化合物の含有量は、チタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部に対して、2質量部以下であり、保持力、タックの観点から1質量部以下が好ましく、好ましくは0.05質量部以下であり、より好ましくは0.025質量部以下であり、さらに好ましくは0.02質量部以下である。チタン化合物の含有量が0.000001質量部以上であることにより優れた色調、寸法制御性、ダイカット性を有し、2質量部以下であることにより、優れた生産性を有し、経済的に有利な水素添加ブロック共重合体組成物および粘接着剤組成物が得られる傾向にある。また、チタン化合物の含有量が2質量部超過であると粘接着剤組成物の保持力とタックが損なわれる傾向がある。
チタン化合物の平均粒子径は、好ましくは0.1〜50μmであり、より好ましくは0.1〜30μmであり、さらに好ましくは0.1〜20μmである。このような平均粒子径であることにより優れた色調、寸法制御性、ダイカット性およびこれらと粘接着特性の良好なバランスを得ることができる。
チタン化合物の含有量は、後述の実施例に記載の方法により求めることができる。また、共役ジエン系重合体に含まれるチタン化合物の平均粒子径は、チタン含有組成物を不活性溶媒に溶解して得られた重合体溶液をレーザー回折式の粒度分布計で分析することで測定できる。より具体的には、実施例に記載の方法により求めることができる。
なお、チタン含有組成物がチタン化合物以外の他の金属化合物粒子を含む場合、例えば、金属化合物が、チタン化合物及びリチウム化合物を含む場合、「チタン化合物の粒子径」は、「金属化合物の粒子径」と読み替えることができる。ここで、「金属化合物の粒子径」とは、チタン化合物と他の金属化合物からなる粒子の粒子径、又は、チタン化合物粒子と他の金属化合物粒子との粒子径を意味する。
チタン化合物を含む水素添加ブロック共重合あるいは、チタン化合物を含む水素添加ブロック共重合体組成物の製造方法としては、特に限定されず、固体状の共役ジエン系重合体と、チタン化合物と、をプラストミル、押出し機、ロール等を用いて混合することで、水素添加ブロック共重合体あるいは水素添加ブロック共重合体組成物中に分散させる方法、水素添加ブロック共重合体あるいは水素添加ブロック共重合体組成物が溶解した重合体溶液にチタン化合物を添加し、溶液を撹拌した後に、加熱や減圧操作によって溶剤を除去する方法、重合体溶液にチタンアルコキシドと水を加えて、チタンアルコキシドを加水分解させて、チタン化合物を系内で生成させる等の方法が挙げられる。この際、混合方法(撹拌方法)を制御することにより、粒子径を制御することができる。そのほか、上記のように、水素添加ブロック共重合体あるいは水素添加ブロック共重合体組成物中で粒子径0.1〜100μmのチタン化合物が形成するようにチタン化合物を含む水素添加ブロック共重合あるいは、チタン化合物を含む水素添加ブロック共重合体組成物を調製してもよい。
〔粘接着剤組成物〕
本実施形態の粘接着剤組成物は、上述した水素添加ブロック共重合体又は水素添加ブロック共重合体組成物100質量部と、後述する粘着付与剤20〜700質量部と、必要に応じて後述するその他の成分とを含有することが好ましい。このような本実施形態の粘接着剤組成物は、優れた保持力、タック、低溶融粘度特性、色調、寸法制御性、ダイカット性を有し、これらのバランスに優れる粘接着剤組成物となる。
なお、本実施形態の粘接着剤組成物は、成分(A)及び成分(B)以外の重合体(例えば、ポリオレフィン;ポリオレフィン系共重合体;スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−イソプレン系ブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエン−イソプレン系ブロック共重合体等の芳香族ビニル系エラストマー;その他ゴムなど)を含有していてもよい。この場合は、これらの重合体と本実施形態の成分(A)及び成分(B)の合計含有量100質量部に対して、後述する粘着付与剤:20〜500質量部と、後述する軟化剤:0〜300質量部を含むものとする。
なお、用途に応じて、水素添加ブロック共重合体組成物中の成分(A)及び(B)の重量平均分子量を選択し、粘着付与剤、及び軟化剤等の各成分の配合量を調整することが好ましい。
(粘着付与剤)
粘着付与剤は、得られる粘接着剤組成物の用途、要求性能によって、多種多様に選択することができる。粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、天然ロジン、変性ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水素添加ロジン、水素添加ロジンのペンタエリスリトールエステルなどのロジン系化合物;天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、芳香族変性テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂の水素添加誘導体、テルペンフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂の水素添加誘導体、テルペン樹脂(モノテルペン、ジテルペン、トリテルペン、ポリペルテン等)、水素添加テルペン樹脂、などのテルペン系化合物;脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素添加誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)、芳香族石油炭化水素樹脂の水素添加誘導体、ジシクロペンタジエン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂の水素添加誘導体、C5/C9共重合系樹脂、C5/C9共重合系樹脂の水素添加誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素添加誘導体などの石油炭化水素系化合物を例示することができる。これらの粘着付与剤は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
粘着付与剤は、色調が無色〜淡黄色であって、臭気が実質的に無く熱安定性が良好な液状タイプの粘着付与樹脂も使用できる。
以下、用途・性能に応じた好ましい粘着付与剤についてより具体的に説明する。
(水素添加誘導体の粘着付与剤)
着色のし難さや臭気の低さの観点で、粘着付与樹脂は、水素添加誘導体が好ましい。水素添加誘導体としては、特に限定されないが、例えば、ロジン樹脂の水素添加誘導体、ロジンエステルの水素添加誘導体、芳香族変性テルペン樹脂の水素添加誘導体、テルペンフェノール樹脂の水素添加誘導体;脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)の水素添加誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加誘導体、ジシクロペンタジエン系樹脂の水素添加誘導体、変性ジシクロペンタジエン系樹脂の水素添加誘導体、C5/C9共重合系樹脂の水素添加誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素添加誘導体が挙げられる。このなかでも特に芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加誘導体、ジシクロペンタジエン系樹脂の水素添加誘導体等が好ましい。このような水素添加誘導体の市販品としては、特に限定されないが、荒川化学社製のアルコンP90、アルコンP100、アルコンP115、アルコンP125、アルコンP140(商品名)、アルコンM90、アルコンM100、アルコンM115、アルコンM135(商品名)、エステルガムH、エステルガムHP(商品名)、ハイペール(商品名)、イーストマンケミカル社製のリガライトR1010、リガライトR1090、リガライトR1100、リガライトS5100、リガライトR7100、リガライトC6100(商品名)、イーストタックC100W、イーストタックC100L、イーストタックC100R、イーストタックC115W、イーストタックC115R(商品名)、ステペライトE(商品名)、フォーラルAXE(商品名)、ステペライトエステル10E(商品名)、ヤスハラケミカル社製のクリアロンP(商品名)、クリアロンM(商品名)、クリアロンK(商品名)、YSポリスターUH(商品名)、エクソン社製のエスコレッツ5340、エスコレッツ5320、エスコレッツ5300、エスコレッツ5380、エスコレッツ5400、エスコレッツ227E、エスコレッツ5600、エスコレッツ5690(商品名)、日本ゼオン社製のクイントンA100、クイントンB170、クイントンM100、クイントンR100、クイントンS195、クイントンD100、クイントンU185、クイントンDX395、クイントン390N、クイントンN180、クイントンG100B、クイントンG115、クイントンE200SN、クイントンD200、クイントン1105、クイントン1325、クイントン1340(商品名)出光興産社製のアイマーブS100、アイマーブS110、アイマーブP100、アイマーブP125、アイマーブP140(商品名)、理化ファインテク社製のリカロジンF(商品名)等が挙げられる。
(水素添加誘導体以外の粘着付与剤)
水素添加誘導体以外の粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、天然ロジン、重合ロジン、変性ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステルなどいったようなロジンエステル;天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペン樹脂;ピネン樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)、ジシクロペンタジエン系樹脂、C5/C9共重合系樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂が挙げられる。このなかでも、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系)、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)、C5/C9共重合系樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、テルペン樹脂、天然及び変性ロジンエステル、並びに、それらの混合物が好ましい。市販品としては、荒川化学社製エステルガムAA−L、エステルガムA、エステルガムAAV、エステルガム、エステルガム105、エステルガムAT、ベンセルA、ベンセルAZ、ベンセルC、ベンセルD125、ベンセルD160(商品名)、スーパーエステル(商品名)、タマノル(商品名)、パインクリスタル(商品名)、アラダイム(商品名)、CrayValley社製のWingtack10、Wingtack95、Wingtack98、WingtackExtra、WingtackRWT−7850、WingtackPLUS、WingtackET、WingtackSTS、Wingtack86(商品名)、Norsolnene(製品名)、イーストマンケミカル社製のPiccotac8095、Piccotac1095、Piccotac1098、Piccotac1100(商品名)、エクソンモービルケミカル社製のエスコレッツ1102、エスコレッツ1202、エスコレッツ1204LS、エスコレッツ1304、エスコレッツ1310、エスコレッツ1315、エスコレッツ224、エスコレッツ2101、エスコレッツ213、エスコレッツ807(商品名)、アリゾナケミカル社製のSylvagum(商品名)およびSylvalite(商品名)、およびアッシュランド製のPiccolyte(商品名)、ヤスハラケミカル社製のYSレジンPX(商品名)、YSレジンPXN(商品名)、YSポリスターU(商品名)、YSポリスターT(商品名)、YSポリスターS(商品名)、YSポリスターG(商品名)、YSポリスターN(商品名)、YSポリスターK(商品名)、YSポリスターTH(商品名)、YSレジンTO(商品名)、YSレジンTR(商品名)、YSレジンSX(商品名)、丸善石油化学社製のマルカレッツM(商品名)等が挙げられる。
(脂肪族系粘着付与剤)
高い粘着性、高い保持力を有する粘接着剤組成物を得ること、及び経済性の観点からは、粘着付与剤として、脂肪族系粘着付与剤を用いることが好ましい。脂肪族系粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)の水素添加誘導体、C5/C9共重合系樹脂、C5/C9共重合系樹脂の水素添加誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素添加誘導体が挙げられる。なお、脂肪族系粘着付与剤とは、脂肪族炭化水素基の含有量が、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、よりさらに好ましくは88質量%以上であり、さらにより好ましくは95質量%以上である粘着付与剤をいう。脂肪族炭化水素基の含有量が上記範囲内であることにより、粘着性、保持力及び経済性がより向上する傾向にある。
脂肪族系粘着付与剤は、脂肪族基及び重合可能な不飽和基を有するモノマーを単独重合又は共重合させることにより製造することができる。脂肪族基及び重合可能な不飽和基を有するモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、C5又はC6シクロペンチル又はシクロヘキシル基を含む天然及び合成のテルペンが挙げられる。また、共重合において用い得るその他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、シス−1,3−ペンタジエン、トランス−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−2−ブテン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、テルペン、テルペン−フェノール樹脂などが挙げられる。
(芳香族系粘着付与剤)
高い接着力、高い凝集力、高い塗工性を有する粘接着剤組成物を得る、あるいは粘接着剤組成物の凝集力とタックのバランスの改善という観点からは、粘着付与剤として、芳香族系粘着付与剤を用いることが好ましい。芳香族系粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)及びC5/C9共重合系樹脂が挙げられる。なお、芳香族系粘着付与剤とは、芳香族系炭化水素基の含有量が、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上であり、よりさらに好ましくは88質量%以上であり、さらにより好ましくは95質量%以上である粘着付与剤をいう。芳香族系炭化水素基の含有量が上記範囲内であることにより、粘着力、塗工性がより向上する傾向にある。
芳香族系粘着付与剤は、芳香族基及び重合可能な不飽和基をそれぞれ有するモノマーを単独重合又は共重合させることにより製造することができる。芳香族基及び重合可能な不飽和基をそれぞれ有するモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、メトキシスチレン、TERT−ブチルスチレン、クロロスチレン、インデンモノマー(メチルインデンを含む)が挙げられる。また、共重合において用い得るその他のモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、シス−1,3−ペンタジエン、トランス−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−2−ブテン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、テルペン、テルペン−フェノール樹脂などが挙げられる。市販品としては、イーストマンケミカル社製の、エンデックス155(商品名)、クリスタレックス1120、クリスタレックス3085、クリスタレックス3100、クリスタレックス5140、クリスタレックスF100(商品名)、プラストリン240、プラストリン290、ピコテックス100(商品名)、日塗化学のニットレジンクマロンG−90、V−120、V−120S(商品名)などが挙げられる。
(ブロック共重合体のガラス相(例えば、重合体ブロック(Ar))及び/又は非ガラス相(例えば、重合体ブロック(D))のブロックに親和性のある粘着付与剤)
粘接着剤組成物として、接着性の高いもの、接着強度の経時変化やクリープ性能(値が小さい方が良好)の低いもの、溶融粘度の低いもの、耐熱性の高いもの、及び、それらのバランスが良好なものを得るという観点から、粘接着剤組成物中に含まれるブロック共重合体の非ガラス相のブロック(例えば、重合体ブロック(D)、通常は中間ブロック)に親和性のある粘着付与剤を20〜75質量%、且つブロック共重合体のガラス相のブロック(例えば、重合体ブロック(Ar)、通常は外側ブロック)に親和性のある粘着付与剤を0.1〜30質量%含有することがより好ましい。ここで、ブロック共重合体とは、成分(A)、(B)を含む概念である。
ブロック共重合体の非ガラス相のブロック(例えば、重合体ブロック(D))に親和性のある粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、ロジン系化合物、テルペン系化合物、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素添加誘導体、C5/C9共重合系樹脂、C5/C9共重合系樹脂の水素添加誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素添加誘導体などが挙げられる。
ブロック共重合体の非ガラス相に親和性のある粘着付与剤の含有量は、粘接着剤組成物100質量%に対して、好ましくは20〜75質量%であり、より好ましくは25〜70質量%であり、さらに好ましくは30〜65質量%である。
ブロック共重合体のガラス相のブロック(例えば、重合体ブロック(Ar))に親和性のある粘着付与剤としては、特に限定されないが、例えば、分子内に芳香環を有する樹脂が好ましい。このような樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビニルトルエン、スチレン、α−メチルスチレン、クマロン、又はインデンを構成単位として含有する単独重合体又は共重合体等の芳香族基含有樹脂が挙げられる。さらに、これらの中で、α−メチルスチレンを有するクリスタレックスやプラストリン、ピコテックス(イーストマンケミカル社製、商品名)などが好ましい。
ブロック共重合体のガラス相のブロックに親和性のある粘着付与剤の含有量は、粘接着剤組成物100質量%に対して、好ましくは0.5〜30質量%であり、より好ましくは1〜20質量%であり、さらに好ましくは2〜12質量%である。
高い初期接着力、高い濡れ性、低い溶融粘度あるいは高い塗工性等を有する粘接着剤組成物を得るという観点から、粘着付与剤として、アロマ含有率が3〜12質量%である石油樹脂を用いることが好ましい。このような石油樹脂としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)、脂肪族石油炭化水素樹脂(C5系樹脂)の水素添加誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)、芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)の水素添加誘導体、ジシクロペンタジエン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂の水素添加誘導体、C5/C9共重合系樹脂、C5/C9共重合系樹脂の水素添加誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素添加誘導体が挙げられる。該石油樹脂のアロマ含有率は、好ましくは3〜12質量%であり、より好ましくは4〜10質量%である。このなかでも特に、水素添加の石油樹脂が好ましい。
高い初期接着力、高い濡れ性、低い溶融粘度あるいは高い塗工性等を有する粘接着剤組成物を得るという観点から、粘着付与剤として、スチレンオリゴマーを用いることが好ましい。スチレンオリゴマーとしては、特に限定されないが、PiccolasticA5(商品名)やPiccolasticA75(イーストマンケミカル社製、商品名)などの芳香族石油炭化水素樹脂(C9系樹脂)が挙げられる。
スチレンオリゴマーの含有量は、粘接着剤組成物100質量%に対して、好ましくは35質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは25質量%以下である。
高い低臭気特性、高い耐候性、高い透明性、無色性、低い加熱変色性等を有する粘接着剤組成物を得るという観点から、粘着付与剤として、水素添加した樹脂(例えば、上記水素添加誘導体)を用いることが好ましい。
粘着付与剤の含有量は、水素添加ブロック共重合体組成物100質量部に対して、20質量部以上であり、好ましくは30質量部以上であり、より好ましくは50質量部以上であり、さらに好ましくは75質量部以上である。また、粘着付与剤の含有量は、ブロック共重合体組成物100質量部に対して、700質量部以下であり、好ましくは500質量部以下であり、より好ましくは400質量部以下であり、350質量部以下である。また、粘着付与剤の含有量は、ブロック共重合体組成物100質量部に対して、20〜700質量部であり、好ましくは20〜500質量部であり、より好ましくは30〜400質量部であり、さらに好ましくは50〜350質量部であり、さらにより好ましくは75〜350質量部である。粘着付与剤の含有量が上記範囲内であることにより、粘接着特性がより向上する。
なお、本実施形態の粘接着剤組成物が、後述する成分(A)及び成分(B)以外の重合体を含む場合は、粘着付与剤の含有量は粘接着剤組成物に含まれる重合体の合計100質量部に対して、20質量部以上であり、好ましくは30質量部以上であり、より好ましくは50質量部以上であり、さらに好ましくは75質量部以上である。また、粘着付与剤の含有量は、粘接着剤組成物に含まれる重合体の合計100質量部に対して、500質量部以下であり、好ましくは400質量部以下であり、350質量部以下である。粘着付与剤の含有量が上記範囲内であることにより、粘接着特性がより向上する。ここで粘接着剤組成物に含まれる重合体とは、成分(A)、成分(B)と後述する芳香族ビニル系エラストマー、共役ジエン系合成ゴム、天然ゴムをいう。
(軟化剤)
「軟化剤」とは、粘接着剤組成物の硬度を下げ、粘度を低下させる働きを有するものをいう。軟化剤としては、特に限定されないが、例えば、公知のパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、エキステンダーオイル及びこれらの混合オイル等の石油系オイル類;植物性油;可塑剤;合成液体オリゴマー;並びに、これらの混合物が挙げられる。
以下、用途・性能に応じた好ましい軟化剤についてより具体的に説明する。
粘接着組成物の粘度低下、粘着性向上、低硬度化の観点から、オイル類を用いることができる。オイル類としては、特に限定されないが、例えば、公知のパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、エキステンダーオイル及びこれらの混合オイル等が挙げられる。低温特性、耐老化性、耐汚染性、色調の観点からパラフィン系プロセスオイルが好ましく、相溶性の観点からアロマ系プロセスオイルが好ましく、低温特性、耐老化性、耐汚染性、色調、相溶性のバランスの観点からナフテン系プロセスオイルが好ましい。
粘接着組成物を経皮吸収製剤として使用する場合、経皮吸収性と保存安定性の向上、粘接着剤組成物中への薬物溶解性を高める観点から、軟化剤として可塑剤を使用することができる。可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、流動パラフィン;ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル等の炭素数12〜16の高級脂肪酸と炭素数1〜4の低級1価アルコールからなる脂肪酸エステル;炭素数8〜10の脂肪酸;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;オリーブ油、ヒマシ油、スクアレン、ラノリン等の油脂類;酢酸エチル、エチルアルコール、ジメチルデシルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルラウリルアミド、ドデシルピロリドン、イソソルビトール、オレイルアルコール、ラウリン酸等の有機溶剤;液状の界面活性剤;エトキシ化ステアリルアルコール、グリセリンエステル、ミリスチン酸イソトリデシル、N−メチルピロリドン、オレイン酸エチル、オレイン酸、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸オクチル、1,3−プロパンジオール、グリセリン等が挙げられる。これらの中から常温で液状の化合物が使用される。このなかでも、グリセリンエステルが好ましく、8〜10の脂肪酸とグリセリンとのエステルである中鎖脂肪酸トリグリセリドがより好ましい。中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルが挙げられる。可塑剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
粘接着剤組成物及び粘着テープをテーピングテープなどの医療用粘着テープとして使用する場合、流動パラフィンとその他の可塑剤とを組み合わせて使用することが好ましい。
粘接着剤組成物及び粘着テープを医療用途に使用する場合、可塑剤の添加量は、粘接着剤組成物100質量%に対して、好ましくは3〜30質量%であり、より好ましくは3〜20質量%であり、さらに好ましくは3〜10質量%である。液状可塑剤の添加量が3質量%以上であることにより、経皮吸収性、保存安定性、及び粘接着剤組成物中への薬物溶解性がより向上する傾向にある。また、液状可塑剤の添加量が20質量%以下であることにより、粘接着剤組成物の凝集力がより向上する傾向にある。
粘接着組成物をより柔らかくしたい場合、ブリード性改善の観点から、合成液体オリゴマーを用いることができる。合成液体オリゴマーは液状ゴムとも呼ばれる場合があり、特に限定されないが、例えば、スチレンオリゴマー、ブタジエンオリゴマー、イソプレンオリゴマー、ブテンオリゴマー、イソブチレンオリゴマー等が挙げられる。
軟化剤として天然由来成分を用いたい場合、植物性油が用いられる。植物性油としては特に限定されないが、ひまし油、トール油、パインタールなどが挙げられる。耐寒性の観点からひまし油が好ましい。
可塑剤としては特に限定されないが、DBPやDOPといった二塩基酸エステルなどが挙げられる。
このような軟化剤の市販品としては、特に限定されないが、例えば、出光興産社製のダイアナフレシアS32、ダイアナプロセスオイルPW−32、PW−90、PW−150、PS−430、ダイアナプロセスオイルNP−24、NR−26、NR−68、NS−90S、NS−100、NM−280、ダイアナプロセスオイルAC−12、AC−640、AH−16、AH−24、AH−58(商品名)、Kukdong Oil&Chem社製のWhite Oil Broom350(商品名)、DNオイルKP−68(商品名)、BPケミカルズ社製のEnerperM1930(商品名)、Crompton社製のKaydol(商品名)、エッソ社製のPrimol352(商品名)、PetroChina Company社製のKN4010(商品名)、神戸油化学製のシンタックN−40、N−60、N−70、N−75、N−80、シンタックPA−95、PA−100、PA−140、シンタックHA−10、HA−15、HA−30、HA−35(商品名)、ジャパンエナジー製のJOMOプロセスP200、P300、P500、750、JOMOプロセスR25、R50、R200、R1000、JOMOプロセスX50、X100E、X140(商品名)、日本サン石油製のサンパー110、115、120、130、150、2100、2280、サンセンオイル310、410、415、420、430、450、380、480、3125、4130、4240、JSOアロマ790、ニトプレン720L(商品名)、富士興産製フッコールプロセスP−100、P−200、P−300、P−400、P−500、フッコールニューフレックス1060W、1060E、1150W、1150E、1400W、1400E、2040E、2050N、フッコールアロマックス1、3、5、EXP1(商品名)、シェルジャパン社製のシェルフレックス371JY(商品名)、山文油化製のペトレックスプロセスオイルPN−3、PN−3M、PN−3N−H(商品名)、ペトレックスプロセスオイルLPO−R、LPO−V、PF−2(商品名)、コスモ石油ルブリカンツ製のコスモプロセス40、40A、40C、200A、100、1000(商品名)等が挙げられる。
また、軟化剤の含有量は、ブロック共重合体組成物100質量部に対して、0〜300質量部であり、好ましくは10〜175質量部であり、より好ましくは20〜150質量部である。軟化剤の含有量が上記範囲内であることにより、粘接着特性がより向上する。
また、軟化剤の含有量は、粘接着剤組成物に対して、35質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、30質量%以下であることがより好ましい。軟化剤の含有量が上記範囲内であることにより、粘接着特性がより向上する。
なお、本実施形態の粘接着剤組成物が、後述する成分(A)及び成分(B)以外の重合体を含む場合は、軟化剤の含有量は、粘接着剤組成物に含まれる重合体の合計100質量部に対して、0〜300質量部であり、好ましくは10〜175質量部であり、より好ましくは20〜150質量部である。軟化剤の含有量が上記範囲内であることにより、粘接着特性がより向上する。
(その他の成分)
本実施形態の粘接着剤組成物は、必要に応じて、成分(A)及び成分(B)以外の重合体、ワックス、極性基含有重合体、安定剤、及び微粒子充填剤を含んでもよい。
(成分(A)及び成分(B)以外の重合体)
成分(A)及び成分(B)以外の重合体としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン、ポリオレフィン系共重合体、芳香族ビニル系エラストマー、その他ゴムが挙げられる。なお、本明細書において、「成分(A)及び成分(B)以外の」とは、成分(A)及び成分(B)のいずれにも該当しないことを意味する。
成分(A)及び成分(B)以外の重合体の含有量に限定はないが、成分(A)と成分(B)の合計が、成分(A)、成分(B)、並びに、成分(A)及び成分(B)以外の重合体の合計100質量部に対して、10質量部以上となるようにすることが好ましい。成分(A)と成分(B)の合計は、20質量部以上であってもよいし、30質量部以上であってもよいし、50質量部以上であってもよい、70質量部以上であってもよいし、80質量部以上であってもよいし、90質量部以上であってもよい。また、成分(A)及び成分(B)以外の重合体を含まなくてもよい。
ポリオレフィン、ポリオレフィン系共重合体としては、結晶性でもよく、非結晶性でもよく、それらが共存してもよく、特に限定されないが、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の1種類あるいは2種類以上の単量体からなる重合体やアタクチックポリプロピレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体等が挙げられる。ポリオレフィンの市販品としては、デグサ社製のVESTOPLAST 308、VESTOPLAST 408、VESTOPLAST 508、VESTOPLAST 520、VESTOPLAST 608、VESTOPLAST 703、VESTOPLAST 704、VESTOPLAST 708、VESTOPLAST 750、VESTOPLAST 751、VESTOPLAST 792、VESTOPLAST 828、VESTOPLAST 888、VESTOPLAST 891、VESTOPLAST EPNC702、VESTOPLAST EP807、VESTOPLAST 206、VESTOPLAST EP2403、VESTOPLAST 2412、(商品名)、クラリアントジャパン社製のLicocene PP1302、Licocene PP1502、Licocene PP1602、Licocene PP2602(商品名)等が挙げられる。
芳香族ビニル系エラストマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン−エチレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、スチレン−プロピレン系ブロック共重合体、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−イソプレン系ブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン系ブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−イソプレン系ブロック共重合体等であって、成分(A)及び成分(B)以外の重合体が挙げられる。
スチレン−イソプレン系ブロック共重合体の市販品としては、日本ゼオン社製のクインタック3421、クインタック3620、クインタック3433N、クインタック3520、クインタック3450、クインタック3270、クインタック3280、クインタック3390(商品名)、クレイトンポリマー社製のD1107P、D1111、D1112P、D1113P、D1114PX、D1117P、D1119P、D1124P、D1128PX、D1193P、D4433P(商品名)、TSRC社製のベクター4111A、ベクター4111N、ベクター4113A、ベクター4113N、ベクター4114A、ベクター4114N、ベクター4186A、ベクター4187A、ベクター4211A、ベクター4211N、ベクター4213A、ベクター4213N、ベクター4215A、ベクター4230、ベクター4293A、ベクター4411A(商品名)、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体の市販品としては、クレイトンポリマー社製のD1101、D1102、D1116、D1118、D1122、D1133、D1144、D1184、D4141、D4150、D4158(商品名)TSRC社製のベクター2336、ベクター2411、ベクター2411P、ベクター2518、ベクター2518A、ベクター2518LD、ベクター2518P、ベクター2518PC、ベクター、ベクター6241A、ベクター7400、ベクター8508、ベクター8508A、タイポール3201、タイポール3206、タイポール4202、タイポール4230、タイポール4270(商品名)、旭化成ケミカルズ社製のタフプレンA、タフプレン125、タフプレン126S、タフプレン315P、アサプレンT411、アサプレンT412、アサプレンT413、アサプレンT420、アサプレンT432、アサプレンT436、アサプレンT437、アサプレンT438、アサプレンT439(商品名)などが挙げられる。水素添加スチレン−イソプレン系ブロック共重合体の市販品としては、クレイトンポリマー社製のG1701、G1702、G1750X、G1765X、G1780X(商品名)、クラレ社製のセプトン1001、セプトン1020、セプトン2002、セプトン2004、セプトン2005、セプトン2006、セプトン2007、セプトン2063、セプトン2104(商品名)などが挙げられる。水素添加スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体の市販品としては、クレイトンポリマー社製のG1643、G1645、G1650、G1651、G1652、G1654、G1657、G1726(商品名)、クラレ社製のセプトン8004、セプトン8006、セプトン8007、セプトン8076、セプトン8104(商品名)、TSRC社製のタイポール6150、タイポール6151、タイポール6152、タイポール6154、タイポール6159(商品名)、旭化成ケミカルズ社製のH1221,H1062、H1052、H1041、H1051、H1057、H1043、N504(商品名)などが挙げられる。水素添加スチレン−ブタジエン−イソプレン系ブロック共重合体の市販品としてはクラレ社製のセプトン4033、セプトン4044、セプトン4055、セプトン4077、セプトン4099(商品名)などが挙げられる。
また、成分(A)及び成分(B)以外の芳香族ビニル系エラストマーの含有量は、成分(A)、成分(B)、並びに、成分(A)及び成分(B)以外のブロック共重合体の合計100質量部に対して、好ましくは5〜95質量部であり、より好ましくは10〜90質量部であり、さらに好ましくは15〜85質量部である。
その他ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム;イソプレン−イソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、プロピレン−ブチレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ポリペンテナマーゴムのような合成ゴムが挙げられる。このなかでも、架橋性や経済性の観点からは天然ゴムが好ましい。
天然ゴムを用いることにより、粘接着剤組成物の架橋性がより向上し、経済性にも優れる傾向にある。
天然ゴムを含有する場合、その含有量は、粘接着剤組成物100質量%に対して、好ましくは3〜90質量%であり、より好ましくは10〜80質量%であり、さらに好ましくは15〜75質量%である。天然ゴムの含有量が上記範囲内であることにより、粘接着組成物の架橋性、耐熱性、耐溶剤性、経済性がより向上する傾向にある。
以下、用途・性能に応じた好ましい成分(A)及び成分(B)以外の重合体についてより具体的に説明する。
(水素添加芳香族ビニル系エラストマー)
粘接着剤組成物を被着体に張り付け、それを剥がしたときの糊残りの低減や、粘接着剤組成物の接着強度の経時変化抑制あるいはクリープ性(値が小さい方が良好)、耐熱性及び耐候性等の観点からは、水素添加芳香族ビニル系エラストマーを用いることができる。水素添加芳香族ビニル系エラストマーとしては、特に限定されないが、例えば、S−EB−S(S:ポリスチレンブロック、EB:エチレン/ブチレン共重合体ブロック)等の構造を有する水素添加スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体;S−EP−S(S:ポリスチレンブロック、EP:エチレン/プロピレン共重合体ブロック)等の構造を有する水素添加スチレン−イソプレン系ブロック共重合体;S−EEP−S(S:ポリスチレンブロック、EEP:エチレン/エチレン/プロピレン共重合体ブロック)等の構造を有する水素添加スチレン−ブタジエン−イソプレン系ブロック共重合体等が挙げられる。このなかでも、水素添加スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン系ブロック共重合体が好ましい。
水素添加芳香族ビニル系エラストマーのスチレン含有量は、水素添加芳香族ビニル系エラストマー100質量%に対して、好ましくは10質量%〜45質量%であり、より好ましくは13質量%〜40質量%であり、さらに好ましくは15質量%〜35質量%である。
また、水素添加芳香族ビニル系エラストマーのポリスチレンブロックの含有量は、水素添加芳香族ビニル系エラストマー100質量%に対して、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは21質量%以下であり、さらに好ましくは15質量%以下である。ポリスチレンブロックの含有量が上記範囲内であることにより、柔軟性や相容性がより向上する傾向にある。
また、水素添加芳香族ビニル系エラストマー中のエチレン/ブチレン共重合体ブロック中のBの含有量は、高い方が良く、水素添加芳香族ビニル系エラストマー100質量%に対して、好ましくは35mol%以上であり、より好ましくは45mol%以上であり、さらに好ましくは55mol%以上であり、特に好ましくは60mol%以上である。エチレン/ブチレン共重合体ブロック中のBの含有量が上記範囲内であることにより、柔軟性や相容性がより向上する傾向にある。
水素添加芳香族ビニル系エラストマー中の共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の水素添加率は、好ましくは90mol%超過である。
(その他の部分水素添加芳香族ビニル系エラストマー)
粘接着組成物の凝集力、粘着力、タック、T(ODT)(秩序無秩序転移温度)の調整の観点から、その他の部分水素添加芳香族ビニル系エラストマーを用いることが好ましい。T(ODT)(秩序無秩序転移温度)を調整することにより、溶融粘度を調整することができる。その他の部分水素添加芳香族ビニル系エラストマーとは、少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと少なくとも1つの共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとを含有し、共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の水素添加率H(%)が5〜90mol%であり、かつ−100℃から0℃における損失係数tanδの最大値が0.4未満であるものをいう。
(非水素添加芳香族ビニル系エラストマー)
粘接着剤組成物として、高い柔軟性、高い接着性を持たせ、ゲル化を抑制する観点、あるいは、高い経済性等の観点からは、非水素添加芳香族ビニル系エラストマーを用いてもよい。非水素添加芳香族ビニル系エラストマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン−エチレン系ブロック共重合体;S−B−S、(S−B)nX(S:ポリスチレンブロック、B:ポリブタジエンブロック、X:カップリング剤の残基)などの構造を有するスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体;スチレン−プロピレン系ブロック共重合体;S−I−S、(S−I)nX(S:ポリスチレンブロック、I:ポリイソプレンブロック、X:カップリング剤の残基)などの構造を有するスチレン−イソプレン系ブロック共重合体;(S−(I/B))nX、S−(I/B)−S(S:ポリスチレンブロック、I/B:イソプレン/ブタジエン共重合体ブロック(イソプレンとブタジエンは任意の割合で交互にならんでもよく、その割合は一定でなくてもよい)、X:カップリング剤の残基)などの構造を有するスチレン−ブタジエン−イソプレン系ブロック共重合体が挙げられる。この中でも、(S−I)nX、(S−B)nX、(S−(I/B))nXが好ましく、ラジアル構造を有することがより好ましい。これらは、1種単独で用いても、2種以上併用してもよい。
非水素添加芳香族ビニル系エラストマーのスチレン含有量は、非水素添加芳香族ビニル系エラストマー100質量%に対して、好ましくは45質量%以下である。
また、非水素添加芳香族ビニル系エラストマーのジブロック(例えば、S−BやS−I、S−B−X、S−I−X)の含有量は、非水素添加芳香族ビニル系エラストマー100質量%に対して、好ましくは10〜80質量%である。
(イソプレン系ブロック共重合体)
粘接着剤組成物として、優れたタックを持たせる観点又は経済性の観点からは、非水素添加イソプレン単量体単位を有するイソプレン系ブロック共重合体を用いてもよい。イソプレン系ブロック共重合体としては、特に限定されないが、例えば、(S−I)n、(S−I)n−S、(S−I)nX(S:ポリスチレンブロック、I:ポリイソプレンブロック、n:1以上の整数、好ましくは1〜6の整数、X:カップリング剤の残基)等の構造を有するスチレン−イソプレン系ブロック共重合体が好ましい。これらは、1種単独で用いても、2種以上併用してもよい。
イソプレン系ブロック共重合体のスチレン含有量は、イソプレン系ブロック共重合体100質量%に対して、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは20質量%以下であり、よりさらに好ましくは18質量%以下である。
(共役ジエン系合成ゴム)
加工性、180℃以下における低い溶融粘度や良好なタックや粘着力、接着性、ダイカット性の観点からは、共役ジエン系合成ゴムを用いることができる。共役ジエン系合成ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、イソプレン−イソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、プロピレン−ブチレンゴム等が挙げられる。
また、粘着テープ用粘接着剤組成物として、自背面粘着力や皮膚貼着力を向上させる観点からは、ポリブタジエンゴムやポリイソプレンゴムを用いてもよい。このなかでも、ポリイソプレンゴムがより好ましい。ポリブタジエンゴム及びポリイソプレンゴムの添加量は、粘接着剤組成物100質量%に対して、好ましくは3〜25質量%であり、より好ましくは5〜20質量%であり、さらに好ましくは5〜15質量%である。ポリブタジエンゴム及びポリイソプレンゴムの添加量が3質量%以上であることにより、自背面粘着力及び皮膚貼着力がより向上する傾向にある。また、ポリブタジエンゴム及びポリイソプレンゴムの添加量が25質量%以下であることにより、凝集力がより向上し、糊残りがより抑制される傾向にある。
共役ジエン系合成ゴムとしては、粘接着剤組成物の加工性、180℃以下における低い溶融粘度や良好なタックや粘着力、接着性の観点からは、共役ジエン系ジブロック共重合体を用いてもよい。共役ジエン系ジブロック共重合体としては、特に限定されないが、例えば、S−I、(S−I)X、S−B、(S−B)X等の構造を有する重合体、これらの水素添加物が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上併用してもよく、常温において液状であっても固体状であってもよい。
共役ジエン系合成ゴムの含有量は、粘接着剤組成物100質量%に対して、好ましくは3〜90質量%であり、より好ましくは10〜80質量%であり、さらに好ましくは15〜75質量%である。共役ジエン系合成ゴムの含有量が上記範囲内であることにより、粘接着組成物の耐オイルブリード性、低溶融粘度性、タック、粘着力、接着性、柔軟性がより向上する傾向にある。
(アイオノマー)
粘接着剤組成物として、高い低温塗工性、低いクリープ性能、高強度あるいは高伸度等が必要な場合には、重合体をアイオノマーの状態で使用してもよい。アイオノマーとしては、特に限定されないが、例えば、金属イオンにより中和されるかまたは部分的に中和されるカルボキシレート、スルホネートまたはホスホネートを含む単独重合体又は共重合体が好ましい。アイオノマーの含有量は、粘接着剤組成物の総量に対して、好ましくは5質量%以下である。
(ポリオレフィン系樹脂)
粘接着剤組成物として、高温貯蔵安定性や高伸度を持たせる観点、あるいは粘接着剤組成物中の粘着付与樹脂量を低減する(組成物中の55質量%以下、さらに45質量%以下)、高流動性、流動性と粘接着特性の改善、経済性等の観点からは、ポリオレフィン系樹脂を用いることができる。ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、α−オレフィンとオレフィンの共重合体、あるいはプロピレン単独重合体を用いることが好ましい。これらのポリマーの融点(条件:DSC測定、5℃/分)は、好ましくは110℃以下であり、より好ましくは100℃以下であり、さらに好ましくは60℃〜90℃である。これらのポリマーは樹脂であってもエラストマーであってもよい。ポリオレフィン系エラストマーの市販品としては、特に限定されないが、ダウ・ケミカル社製のAFFINITYおよびAFFINITY GA(商品名)、エクソンモービル・ケミカル社製のVistamaxx(商品名)などが挙げられ、特に限定されないが、AFFINITY GA1875、GA1900、GA1000R、GA1950、EG8185、EG8200G、PL1280Gなどが好ましい。
また、クリープ性能(値が小さい方が良好)の観点から、ブロックを有するオレフィン系エラストマーがより好ましい。これらのポリマーの分子量分布は、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜3である。また、加工性の観点から、2種以上の該ポリマーを併用することがより好ましい。具体的には、30,000〜60,000と、60,000〜90,000のポリマーを併用することが好ましく、少なくとも、3,5000〜5,5000と、60,000〜80,000のポリマーを併用することがより好ましい。
(液状成分)
ポリオレフィン系樹脂を用いた粘接着剤組成物中には、液状成分(オイル等)を含有することが好ましい。液状成分の含有量は、粘接着剤組成物100質量%に対して、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは25質量%以上である。また、伸度が必要な場合は、オレフィン系エラストマーを併用することが好ましく、−10℃以下にTgを有するオレフィン系エラストマーを併用することがより好ましい。
(ワックス)
粘接着剤組成物には、必要に応じて、ワックスを含有してもよい。ワックスの添加量は、粘接着剤組成物100質量%に対して、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは2〜10質量%であり、さらに好ましくは5〜10質量%である。ワックスの添加量が上記範囲内であることにより、溶融粘度、特に140℃以下での溶融粘度がより低下する傾向にある。
ワックスとしては、特に限定されないが、例えば、パラフィンワックス、微晶質ワックス、並びにフィッシャー−トロプシュワックスが挙げられる。このようなワックスを用いることにより、溶融粘度、特に140℃以下での溶融粘度がより低下する傾向にある。
ワックスの融点は、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは65℃以上であり、さらに好ましくは70℃以上であり、よりさらに好ましくは75℃以上である。また、ワックスの融点は、110℃以下が好ましい。ワックスの融点が上記範囲内であることにより、溶融粘度、特に140℃以下での溶融粘度がより低下する傾向にある。
なお、ワックスと併用する粘着付与剤の軟化点は、好ましくは70℃以上であり、より好ましくは80℃以上である。この場合において得られる粘接着剤組成物のG‘(測定条件:25℃、10rad/s)は、好ましくは1Mpa以下であり、結晶化温度は、好ましくは7℃以下である。
使用できるワックスとしては、市販品としては、日本精鑞社製の商品名「115」、商品名「120」、商品名「125」、商品名「130」、商品名「135」、商品名「140」、商品名「150」、商品名「155」、商品名「HNP−3」、商品名「HNP−5」、商品名「HNP−9」、商品名「HNP−10」、商品名「HNP−11」、商品名「HNP−12」、商品名「HNP−51」、商品名「SP−0145」、商品名「SP−0160」、商品名「SP−0165」、商品名「SP−1035」、商品名「SP−1040」、商品名「SP−3035」、商品名「SP−3040」、商品名「EMW−0001」、商品名「EMW−0003」、商品名「Hi−Mic−1045」、商品名「Hi−Mic−1070」、商品名「Hi−Mic−1080」、商品名「Hi−Mic−1090」、商品名「Hi−Mic−2045」、商品名「Hi−Mic−2065」、商品名「Hi−Mic−2095」、東ソー社製の「ウルトラセン 7A55A」、ハニーウェル社製の商品名「A−C540」、商品名「A−C540A」、商品名「A−C580」、商品名「A−C5120」、商品名「A−C400」、商品名「A−C400A」、商品名「A−C405(S)」、商品名「A−C405(M)」、商品名「A−C405(T)」、商品名「A−C645P」、商品名「A−C573A」、商品名「A−C573P」等を挙げることができる。
(極性基含有重合体)
粘接着剤組成物は、必要に応じて、窒素、酸素、ケイ素、リン、硫黄、スズなどからなる群より選ばれる原子を含む極性基含有重合体を含んでもよい。極性基含有重合体としては、特に限定されないが、例えば、ブロック共重合体に結合した、いわゆる変性重合体や、ブロック共重合体成分を無水マレイン酸等の変性剤で変性した変性ブロック共重合体、側鎖や末端をアミンやエポキシ、カルボン酸、カルボン酸無水物などで変性したオイル、などが挙げられる。極性基含有重合体を用いることにより、高吸水性高分子(SAP)、アクリル樹脂、塩化ビニル、ナイロンなどといった樹脂やその架橋物、及びガラス、金属、などといった高いSP値を有する被着体に対する粘接着特性がより向上する傾向にある。市販品としては、クラレ社製のHG252(商品名)、旭化成ケミカルズ社製のM1943、M1911、M1913、MP10、タフプレン912(商品名)、TSRC社製のタイポール7131(商品名)などが挙げられる。
(安定剤)
粘接着剤組成物は、必要に応じて、安定剤を含んでもよい。「安定剤」とは、ホットメルト接着剤の熱による分子量低下、ゲル化、着色、臭気の発生等を防止して、ホットメルト接着剤の安定性を向上するために配合されるものであり、特に制限されるものではない。
安定剤として、例えば酸化防止剤及び光安定剤などを例示することができる。酸化防止剤及び光安定剤は、一般的に使い捨て製品に使用されるものであって、後述する目的とする使い捨て製品を得ることができるものであれば使用することができ、特に制限されるものではない。
(酸化防止剤)
「酸化防止剤」は、例えば、ホットメルト接着剤の酸化劣化を防止するために使用することができる。酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−0−クレゾール、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルべンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−〔1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)]アクリレート等のフェノール系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロビオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネートペンタエリスリトールーテトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)等のイオウ系酸化防止剤;トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤の市販品の具体例としては、住友化学工業(株)製のスミライザーGM(商品名)、スミライザーTPD(商品名)及びスミライザーTPS(商品名)、チバスペシャリティーケミカルズ社製のイルガノックス1076(商品名)、イルガノックス1010(商品名)、イルガノックスHP2225FF(商品名)、イルガフォス168(商品名)及びイルガノックス1520(商品名)、城北化学社製のJF77(商品名)を例示することができる。
酸化防止剤の含有量は、粘接着剤組成物100質量部に対して、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは5質量部以下である。
(光安定剤)
「光安定剤」は、例えば、ホットメルト接着剤の耐光性(UV照射後の低い粘接着特性変化)を改善するために使用することができる。光安定剤としては、特に限定されないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;トリアジン系紫外線吸収剤;ヒンダードアミン系光安定剤;ラクトン系安定剤:HALS等を挙げることができる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
光安定剤の市販品の具体例としては、BASF製のチヌビンP(商品名)、チヌビン770DF(商品名)、Cimassorb2020FDL(商品名)、ADEKA社製のアデカスタブLA−52(商品名)、アデカスタブLA−57(商品名)、アデカスタブLA−77Y(商品名)を例示することができる。
本実施形態の粘接着剤組成物中の光安定剤含有量としては、高い耐光性の点で0.03質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.07質量%以上がさらに好ましい。
また、本実施形態の粘接着剤組成物中の耐光剤含有量としては、耐光剤のブリードの抑制や経済性の点で、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましい。
より高い耐光性の点で、上記の耐光剤にさらに上記の酸化防止剤を併用することが好ましい。
酸化防止剤の中で、より高い耐光性の点で、上記耐光剤に加えて、少なくともリン系酸化防止剤を用いることが好ましい。
本実施形態の粘接着剤組成物中の酸化防止剤含有量としては、高い耐光性の点で、0.02質量%以上が好ましく、0.04質量%以上がより好ましく、0.06質量%以上がさらに好ましい。
また、本実施形態の粘接着剤組成物中の耐光剤含有量としては、酸化防止剤のブリードの抑制や経済性の点で、1.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましい。
(微粒子充填剤)
粘接着剤組成物は、必要に応じて、微粒子充填剤を含んでいてもよい。微粒子充填剤としては、特に限定されないが、例えば、雲母、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、ケイソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ、焼成クレー、澱粉、亜鉛華、活性亜鉛華形質炭酸マグネシウム、水酸化シリカゲル、珪藻土、硫酸バリウム等が挙げられる。これらの形状は、好ましくは球状であり、その寸法(球状の場合は直径)については特に限定されるものではない。
〔粘接着剤組成物の特性〕
本実施形態の粘接着剤組成物の性能は、後述する実施例において示される条件により作製される粘着テープを用い、実施例中に示された測定条件に従って測定することができる。
粘接着剤組成物のG‘(測定条件:25℃、10rad/s)は、好ましくは20000以下であり、より好ましくは15000以下である。粘接着剤のG‘が上記範囲内であることにより、粘接着剤組成物の糊残りがより減少する傾向にある。
また、液状希釈剤の含有量は、粘接着剤組成物100質量%に対して、好ましくは60質量%以下である。液状希釈剤の含有量が上記範囲内であることにより、特に経皮的薬物送達用途を包含する接着剤の皮膚適用に有用である。
本実施形態の粘接着剤組成物は、紙加工、製本、使い捨て製品等にも利用可能である。このなかでも、湿潤状態での接着に優れているので、使い捨て製品に好適である。使い捨て製品は、織布、不織布、ゴム、樹脂、紙類、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、PVCフィルム、アイオノマーフィルム、PVDCフィルム、PVAフィルム、PCフィルム、PSフィルム、PANフィルム、PENフィルム、セロファンフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、EMAAフィルム、EVOHフィルムからなる群から選択される少なくとも一種の部材に粘接着剤組成物に溶液塗工あるいは、ホットメルト塗工することで構成することができる。尚、ポリオレフィンフィルムは、耐久性及びコスト等の理由からポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムが好ましい。尚、紙類は耐久性及びコスト等の理由からクラフト紙や上質紙が好ましく、耐久性及び耐水性の観点からポリエチレンをラミネートしたクラフト紙が好ましい。
衛生材料向け使い捨て製品用ホットメルト粘接着剤の150℃の溶融粘度は、好ましくは5000mPa.s以下であり、より好ましくは400〜3500mPa.sであり、さらに好ましくは800〜3000mPa.sである。溶融粘度とは、ホットメルト粘接着剤の溶融体の粘度であり、ブルックフィールドRVT型粘度計(スピンドルNo.27)で測定される。溶融粘度が上記範囲であることにより、ホットメルト粘接着剤は、低温塗工に適したものとなり、さらには不織布にも均一に塗工され、浸透し易くなるので、衛生材料向け使い捨て製品用に好適である。
衛生材料向け使い捨て製品としては、特に限定されないが、例えば、紙おむつ、生理用ナプキン、ペットシート、病院用ガウン、手術用白衣等が挙げられる。
〔粘接着剤組成物の製造方法〕
本実施形態の粘接着剤組成物は、公知の方法により、上述した水素添加ブロック共重合体組成物と、粘着付与剤と、軟化剤と、必要に応じてその他の成分と、を混合することにより製造することができる。混合方法としては、特に限定されないが、例えば、ブロック共重合体組成物、粘着付与剤、軟化剤とを、混合機又はニーダー等で、加熱しながら均一混合する方法が挙げられる。
混合する際の温度は、好ましくは130℃〜220℃であり、より好ましくは140℃〜210℃であり、さらに好ましくは150℃〜200℃である。混合する際の温度が130℃以上であることにより、ブロック共重合体組成物を十分に溶融でき、分散が良好となる傾向にある。また、混合する際の温度が220℃以下であることにより、架橋剤や粘着付与剤の低分子量成分の蒸発、粘接着特性の劣化の防止ができる傾向にある。
〔粘接着剤組成物の塗布方法〕
粘接着剤組成物を塗布して使用する場合、その塗布方法は、目的とする製品を得ることができる限り、特に制限されるものではなく、例えば、粘接着剤組成物を溶媒に溶かし、溶液塗工する方法や粘接着剤組成物を溶融させて塗工するホットメルト塗工法等で塗工する方法が挙げられる。
このなかでも、環境汚染や塗工の容易性からホットメルト塗工法が好ましい。ホットメルト塗工法は、接触塗布及び非接触塗布に大別される。「接触塗布」とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、噴出機を部材やフィルムに接触させる塗布方法をいう。また、「非接触塗布」とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、噴出機を部材やフィルムに接触させない塗布方法をいう。接触塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、スロットコーター塗工及びロールコーター塗工、ダイコート塗工、多孔状に塗工するポーラスコート、パターンコート等が挙げられる。また、非接触塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、間欠又は連続塗工で接着剤をエアーでらせん状に塗布できるスパイラル塗工、波状に塗布できるオメガ塗工やコントロールシーム塗工、面状に塗布できるスロットスプレー塗工やカーテンスプレー塗工、点状に塗工できるドット塗工、線状に塗工できるビード塗工、ホットメルトを発泡させるフォーミングメルト塗工、糸状のものへの塗工、霧状に塗工するスプレー塗工などが挙げられる。
従来の熱安定性に乏しいホットメルト接着剤は、高温タンク内で容易に成分が相分離する。相分離は、タンクフィルター、輸送配管詰まりの原因ともなる。この点、本実施形態の粘接着剤組成物は、熱安定性が良好であり、100〜220℃の高温タンク内で均一に溶融され、相分離が抑制されたものとなる。
衛生材料向け使い捨て製品の製造ラインでは、一般に使い捨て製品の各種部材(例えば、ティッシュ、コットン、不織布、ポリオレフィンフィルム等)にホットメルト接着剤を塗布する。塗布の際、ホットメルト接着剤を、種々の噴出機から噴出して使用してよい。
衛生材料向け使い捨て製品向けのホットメルト粘接着剤は、スパイラル塗工に適している。ホットメルト粘接着剤を、スプレー塗工にて広い幅で塗工できることは、使い捨て製品を製造するには極めて有用である。広い幅で塗工できるホットメルト接着剤は、ホットエアーの圧力を調整することにより、塗工幅を狭く調節することが可能である。
ホットメルト粘接着剤が広い幅で塗工困難であると、充分な接着面積を得るために数多くのスプレーノズルが必要になり、尿取りライナーのような比較的小さな使い捨て製品、複雑な形状の使い捨て製品を製造するにも不適である。この点、本実施形態の粘接着剤組成物は、広い幅でスパイラル塗工が可能であるため、衛生材料向け使い捨て製品用として好適である。
本実施形態の粘接着剤組成物は、150℃以下の塗工適性が良好なので、衛生材料向け使い捨て製品の製造に有用である。ホットメルト接着剤を高温で塗工すると、使い捨て製品の基材であるポリオレフィン(好ましくは、ポリエチレン)フィルムが溶融したり、熱収縮したりするので、使い捨て製品の外観が大きく損なわれる。150℃以下でホットメルト粘接着剤を塗工すると、使い捨て製品の基材であるポリオレフィン(好ましくは、ポリエチレン)フィルムや不織布の外観が殆ど変化せず、製品の外観が損なわれない。
本実施形態の粘接着剤組成物は、高速塗工適性に優れているので、短時間で衛生材料向け使い捨て製品を製造するために好適である。高速で搬送される基材にホットメルト粘接着剤を塗工する場合、接触式の塗工方法では、摩擦による基材の破断が発生することがある。本実施形態の粘接着剤組成物は、非接触塗工の一種であるスパイラル塗工に適しているので、高速塗工向きであり、使い捨て製品の生産効率を向上させることが可能である。さらに、高速塗工に適した本実施形態の粘接着剤組成物は、塗工パターンが乱れることもない。
〈粘接着性テープ・ラベルの製造方法〉
本実施形態の粘接着剤組成物の製造方法としては、特に制限されず、水素添加ブロック共重合体、及び粘着付与樹脂、並びに必要に応じて他のブロック共重合体、及びオイルなどの各成分を、公知の混合機、ニーダー、1軸押出機、2軸押出機、バンバリーミキサー等などで、加熱しながら、所定の配合比で均一に混合する方法が挙げられる。
本実施形態の粘接着組成物は、少なくとも基材に積層され用いられることが好ましい。基材の種類に限定はなく、例えば、熱可塑性樹脂からなるフィルムや、紙、金属、織布、不織布等の非熱可塑性の基材を用いることもできる。
塗料の塗り替え作業時のマスキング材として用いる場合、薬液に腐食されることを抑制する観点から、基材としてアルミ箔等の金属箔を用いることが好ましい。
また、衛生用品に使用する場合、基材として不織布を用い、不織布上に粘接着剤組成物層とエラストマー層とをこの準に積層した伸縮性積層体としてもよい。優れたフィット性を出すためには、伸縮性積層体の100%伸長時強度残存率が80%以上で、且つ50%伸長時強度残存率が70%以上であることが好ましい。
基材の材料には剥離剤を添加あるいは塗布しても良い。剥離剤としては、長鎖アルキル系剥離剤、シリコン系剥離剤などが挙げられる。基材以外に、剥離層をさらに設けても良い。
より高い耐候性(UV照射後の低い粘着力変化)が必要な場合には、紫外線透過率が低い基材や剥離層を用いることがより好ましく、透過率は1%以下がさらに好ましい。
また、UV照射による酸化劣化を抑制する観点から、酸素透過係数が低い基材や剥離層を用いることが好ましく、20℃、乾燥条件での酸素透過係数が10,000(cc・20μ/m2・day・atm)以下であることが好ましく、1,000(cc・20μ/m2・day・atm)以下であることがより好ましく500(cc・20μ/m2・day・atm)以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の粘接着剤組成物を基材に塗工する方法としては、特に限定されないが、例えば、Tダイ塗工法、ロール塗工法、マルチビード塗工法、及びスプレー塗工法等が挙げられる。また、押出し塗工(熱溶融塗工)法または溶展塗工法のどちらでも良いが、本実施形態の粘接着組成物は、高い耐熱老化性、経済性の高い押出し塗工法が適している。
〔用途〕
本実施形態の粘接着剤組成物は、良好な溶解性及び塗工性、吐出安定性、表面肌を有し、粘着性及び粘着力に優れ、かつこれらの粘接着特性バランスも良好である。このような特徴を生かして、各種粘着テープ・ラベル類、感圧性薄板、感圧性シート、表面保護シート・フィルム、各種軽量プラスチック成型品固定用裏糊、カーペット固定用裏糊、タイル固定用裏糊、接着剤等に利用でき、特に粘着性テープ用、粘着性シート・フィルム用、粘着性ラベル用、表面保護シート・フィルム用、衛材用等の各種用途の粘接着剤用として好適に用いることができる。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例において、重合体の特性や物性の測定は、下記の方法により行った。
〔(1):水素添加ブロック共重合体の特性〕
<(1−1)重量平均分子量>
水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量は、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して、クロマトグラムのピークの分子量に基づいて、求めた。水素添加ブロック共重合体として、成分(A)と成分(B)の2つの異なる構造を有する水素添加ブロック共重合体を含む場合、重量平均分子量の最も小さいピークを成分(A)、成分(A)の次に重量平均分子量の大きいピークを成分(B)として、同様に求めた。なお、成分(A)および成分(B)は各成分のピーク面積を総ピーク面積で除した値((成分(A)あるいは成分(B)のピーク面積)/(総ピーク面積))が0.1以上であるとする。測定ソフトとしては、HLC−8320EcoSEC収集を用い、解析ソフトとしては、HLC−8320解析を用いた。ピーク面積は後述する方法で測定した。
(測定条件)
GPC ;HLC−8320GPC(東ソー株式会社製)
検出器 ;RI
検出感度 ;3mV/分
サンプリングピッチ;600msec
カラム ;TSKgel superHZM−N(6mmI.D×15cm)4本(東ソー株式会社製)
溶媒 ;THF
流量 ;0.6mm/分
濃度 ;0.5mg/mL
カラム温度 ;40℃
注入量 ;20μL
<(1−2)ビニル芳香族炭化水素単量体単位(スチレン)の含有量>
一定量の水素添加ブロック共重合体をクロロホルムに溶解し、紫外分光光度計(島津製作所製、UV−2450)を用いて、溶解液中のビニル芳香族化合物成分(スチレン)に起因する吸収波長(262nm)のピーク強度を測定した。得られたピーク強度から、検量線を用いてビニル芳香族炭化水素単量体単位(スチレン)の含有量を算出した。
<(1−3)共役ジエン単量体単位中のビニル結合量及び共役ジエン単量体単位の水素添加率>
水添反応後の反応液に、大量のメタノールを添加することで、水素添加前のブロック共重合体及び水素添加ブロック共重合体を沈殿させて回収した。次いで、水素添加ブロック共重合体をアセトンで抽出し、水素添加ブロック共重合体を真空乾燥した。これを、1H−NMR測定のサンプルとして用いて、水素添加率及びビニル結合量を測定した。1H−NMR測定の条件を以下に記す。
(測定条件)
測定機器 :JNM−LA400(JEOL製)
溶媒 :重水素化クロロホルム
測定サンプル :ポリマーを水素添加する前後の抜き取り品
サンプル濃度 :50mg/mL
観測周波数 :400MHz
化学シフト基準:TMS(テトラメチルシラン)
パルスディレイ:2.904秒
スキャン回数 :64回
パルス幅 :45°
測定温度 :26℃
<(1−4)ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)の平均分子量>
重合体ブロック(Ar)の平均分子量は、水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量と水素添加ブロック共重合体中の重合体ブロック(Ar)の含有量(質量%)を用いて下記の式より求めた。
(水素添加ブロック共重合体の重量平均分子量)×(水素添加ブロック共重合体中の重合体ブロック(Ar)の平均含有量(質量%))/100=(ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)の平均分子量)
「水素添加ブロック共重合体中の重合体ブロック(Ar)の平均含有量(質量%)」とは、水素添加ブロック共重合体中に含まれる重合体ブロック(Ar)が1つである場合にはそのブロックの含有量、重合体ブロック(Ar)が2つ以上である場合にはそれらのブロックの平均の含有量をいう。水素添加ブロック共重合体中の重合体ブロック(Ar)の平均含有量(質量%)は、ビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量、水素添加ブロック共重合体が有するビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)の数から以下のように算出することができる。
(水素添加ブロック共重合体中の重合体ブロック(Ar)の平均含有量(質量%))=(水素添加ブロック共重合体が有するビニル芳香族炭化水素単量体単位の含有量(質量分率))÷(水素添加ブロック共重合体が有するビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック(Ar)の数)
(なお、水素添加ブロック共重合体が成分(A)および成分(B)を含む場合、それぞれの成分の重量平均分子量を用いて上記のように計算した値を採用することとする。)
<(1−5)成分(A)及び成分(B)の含有量>
水素添加ブロック共重合体として、成分(A)と成分(B)の2つの異なる構造を有する水素添加ブロック共重合体を含む場合、上記(1−1)で測定した溶出曲線の総ピーク面積に対する成分(A)のピーク面積の割合を成分(A)の含有量とした。また、上記(1−1)で測定した溶出曲線の総ピーク面積に対する成分(B)のピーク面積の割合を成分(B)の含有量とした。なお、面積比については、解析ソフトにHLC−8320解析を用いて各ピーク間曲線の変曲点での垂直分割により求めた。
<(2):製造例で得た水素添加ブロック共重合体組成物の物性の測定方法>
<(2−1)金属原子換算の金属化合物(金属量)の測定>
後述の製造例で得られた水素添加ブロック共重合体組成物中に含まれる金属量は、誘導結合プラズマ(ICP,Inductivuty Coupled Plasa,株式会社島津製作所製、装置名:ICPS−7510)を用いて測定した。まず、水素添加ブロック共重合体を硫酸と硝酸により完全に溶解し、金属成分を含む水溶液をアルゴンプラズマ中に噴霧し、そこから放出される各種金属元素固有の光の波長の強度を計測し、検量線法によって、水素添加ブロック共重合体組成物100質量部に含まれる金属量を決定した。
<(2−2)粒子径(粒子径分布)の測定>
後述の製造例で得られた水素添加ブロック共重合体組成物中に含まれる金属化合物粒子の粒子径を、レーザー回折式粒度分布計(株式会社HORIBA社製、LA−300)により下記方法で測定した。
シクロヘキサンを循環させた循環バスに、水素添加ブロック共重合体組成物のシクロヘキサン溶液を滴下し、透過率が70〜98%の領域になる循環濃度に制御して、下記条件で粒子径の測定を行った。
なお、水素添加ブロック共重合体組成物がチタン化合物以外の金属を含む場合は、下記の方法で求められる平均粒子径は、チタン化合物と他の金属化合物とを含む金属化合物粒子全体の粒子径である。
[測定条件]
測定方式 :Mie散乱理論
測定範囲 :0.1〜600μm
測定時間 :20sec
光源 :650nm 半導体レーザー5mW
データ読み取り回数:5〜10回
測定温度 :25℃
ここで平均粒子径は、算術平均径のことであり、頻度分布を算術平均した値であり、下記式によって表される。
算術平均径 = Σ{q(J)×X(J)}÷Σ{q(J)}
J:粒子径分割番号
q(J):頻度分布値(%)
X(J):J番目の粒子径範囲の代表値(μm)
また、チタン化合物中で0.1μm〜50μmの粒子径を有するチタン化合物の含有量、及び、0.1μm〜100μmの粒子径を有するチタン化合物の含有量、並びにチタン化合物の平均粒子径は、LA−300ソフトウェアにおける通過分積算より求めた。
<(2−3)水素添加ブロック共重合体組成物中の金属成分の状態分析>
後述の製造例で得られた水素添加ブロック共重合体組成物中に含まれる金属成分を、X線回折装置XRD(株式会社リガク製 Ultra−IV(Cu管球))を用いて、励起電圧:電流=40kV:40mA、スリットDS=1度、SS開放、RS開放、縦スリット10mm、スキャン範囲2θ=5〜65度(0.02度/ステップ)、スキャンスピード1〜10度/分の条件で分析を行った。これにより重合体に含まれるチタン化合物の状態を分析した。
〔(3):粘接着剤組成物の物性の測定〕
(粘接着剤組成物の作製)
水素添加ブロック共重合体100質量部と、粘着付与剤であるクイントンR100(日本ゼオン(株)製)200質量部と、軟化剤であるPW−90(出光興産(株)製)100質量部と、を混合した。混合物を、オイルバスを用いて加熱しながら、ミキサー(型式:L5M−A、シルバーソンニッポン(株)、パドル型4枚翼)により180℃×60分間、溶融混練し、ホットメルト型粘接着剤組成物を得た。
なお、粘接着剤組成物には、水素添加ブロック共重合体組成物100質量部に対して、安定剤として2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートを1質量部配合した。
(粘接着剤組成物の評価)
<(3−1)粘接着剤組成物の溶融粘度>
粘接着剤組成物の溶融粘度は、温度180℃でブルックフィールド型粘度計(ブルックフィールド社製 DV−III)により測定した。得られた値に基づいて溶融粘度を下記の基準により評価した。評価は、良い順から◎、〇、△、×とする。
溶融粘度(180℃)(mPa・s)≦1500 :◎
1500<溶融粘度(180℃)(mPa・s)≦4500 :〇
4500<溶融粘度(180℃)(mPa・s)≦8000 :△
8000<溶融粘度(180℃)(mPa・s) :×
<(3−2)粘接着剤組成物のダイカット性評価>
粘接着剤組成物を厚み1cmのシートに成型し、5cm×5cmの大きさとなるように切り出した。エタノールで湿らせたガーゼで鋏の刃部を拭いた後すぐに、切り出した粘接着剤組成物を鋏で切った。得られた結果に基づいてダイカット性を下記の基準により評価した。評価は、良い順から〇、×とする。
粘接着剤組成物が鋏に残らなかった場合:〇
粘接着剤組成物が鋏に残った場合 :×
(粘着テープの作製)
溶融させた粘接着剤組成物を室温まで冷却し、これをトルエンに溶かした。得られたトルエン溶液をアプリケーターでPETフィルムにコーティングし、その後、室温で30分間、70℃のオーブンで7分間保持し、トルエンを完全に蒸発させて、粘着層の厚さ30μmの粘着テープを作製した。得られた粘着テープを以下の評価で用いた。
(粘着テープの評価α)
<(3−3)粘接着剤組成物の保持力>
SUS板に15mm×25mmの面積が接するように粘着テープを貼り付け、50℃において1kgの荷重を与えて粘着テープがずれ落ちるまでの時間を測定した。得られた時間に基づいて、下記の基準により粘接着剤組成物の保持力を評価した。評価は、良い順から☆、◎、○、△、×とする。
40≦保持力(分) :☆
20≦保持力(分)<40 :◎
5≦保持力(分)<20 :〇
2≦保持力(分)<5 :△
保持力(分)<2 :×
<(3−4)粘接着剤組成物のタック>
粘接着剤組成物のプローブタックをASTM D2979に準じて測定した。温度23℃にて、粘着テープをウェイト(荷重10g)に張り付けた後、プローブ(5mmφ)を1mm/secの速さで粘着テープに接触させ、1秒間接触させたのちに1mm/secの速さでプローブを引き剥がした。このときの最大値をプローブタックの値として測定し、タックを評価した。評価は、良好な順から◎、○、△、×とした。
プローブタック(N/5mmφ)≧2.0 :◎
2.0>プローブタック(N/5mmφ)≧1.0 :〇
1.0>プローブタック(N/5mmφ)≧0.2 :△
0.2>プローブタック(N/5mmφ) :×
(粘着テープの評価β)
<(3−5)粘接着剤組成物の保持力>
SUS板に15mm×15mmの面積が接するように粘着テープを貼り付け、50℃において1kgの荷重を与えて粘着テープがずれ落ちるまでの時間を測定した。得られた時間に基づいて、下記の基準により粘接着剤組成物の保持力を評価した。評価は、良い順から○、△、×とする。
150≦保持力(分) :〇
50≦保持力(分)<150 :△
保持力(分)<50 :×
<(3−6)粘接着剤組成物のタック>
粘接着剤組成物の粘着性はJIS−Z0237に準じ、傾斜式ボールタックにより評価した。具体的には、剛球を置く起点と、起点に続く助走路(100mm)と、助走路に続く粘着テープの粘着面(100mm)を斜面に備える三角形の装置(傾斜角30度)を用意し、斜面上方の起点から斜面下方の粘着面へ向けて、剛球(サイズ:1/32〜32/32インチ)を転がした。粘着面上で停止したボールのサイズの32倍の数値を「ボールナンバー」と呼び、各粘着テープにおいて停止した最大のボールナンバーを測定した。得られたボールナンバーに基づいて、下記の基準により粘接着剤組成物の粘着性を評価した。評価は、良い順から○、△、×とする。
10≦ボールナンバー :○
3≦ボールナンバー<10 :△
ボールナンバー<3 :×
<(3−7)粘接着剤組成物の経時変化特性>
25mm幅の粘着テープをSUS板に貼り付け、23℃で12時間静置したサンプル(K)と60℃で48時間静置したサンプル(L)を作製した。引き剥がし速度300mm/minで引き剥がし、その際の180°剥離力を測定した。サンプル(L)の剥離力とサンプル(K)の剥離力の差の絶対値に基づいて下記の基準により粘接着剤組成物の粘着力を評価した。評価は、良い順から◎、○、△、×とする。
剥離力の差(N/10mm)<4 :◎
4≦剥離力の差(N/10mm)<8 :○
8≦剥離力の差(N/10mm)<20 :△
20≦剥離力の差(N/10mm) :×
(粘着テープの品位評価)
<(3−8)粘接着剤組成物の色調>
白色の上質紙に50mm×50mmの粘着テープを貼り付け、PETフィルムを通した粘接着剤組成物の色調を目視で評価した。得られた結果に基づいて、下記の基準により粘接着剤組成物の色調を評価した。評価は、良い順から○、△、×とする。
白色であった場合 :○
白色でも黄色でもなかった場合 :△
黄色が目立った場合 :×
<(3−9)粘接着剤組成物の寸法制御性>
白色の上質紙に50mm×50mmの粘着テープを貼り付け、50cm×50cm×2cmのガラス板2枚で挟み、これを60℃のギアオーブンで3日間静置した。得られた結果に基づいて下記の基準により粘接着剤組成物の寸法制御性を評価した。評価は、良好な順から○、×とした。
粘着テープの縁にべたつきがあった場合 :○
粘着テープの縁にべたつきがなかった場合 :×
〔(4)水素添加触媒の調製〕
後述する実施例及び比較例において、水素添加ブロック共重合体を作製する際に用いる水素添加触媒を、下記の方法により調製した。攪拌装置を具備する反応容器を窒素置換しておき、これに、乾燥、精製したシクロヘキサンを1L仕込んだ。次に、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100mmolを添加した。これを十分に攪拌しながら、トリメチルアルミニウム200mmolを含むn−ヘキサン溶液をさらに添加して、室温にて約3日間反応させた。これにより水素添加触媒を得た。
〔(5)水素添加ブロック共重合体、および水素添加ブロック共重合体組成物の調製〕
<製造例1>
攪拌機及びジャケット付きの内容量40Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5960gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を65℃に設定した。N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下、TMEDAと称する)2.0g及びn−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で5.34g)を添加し、スチレンを含むシクロヘキサン溶液(純分で335g)を連続的に添加した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、1,3−ブタジエンを含むシクロヘキサン溶液(純分で2370g)を連続的に添加して重合を継続した。ブタジエンの重合転化率は100%であった。引き続き、スチレンを含むシクロヘキサン溶液(純分で335g)を連続的に添加して重合を継続した。スチレンの重合転化率は100%であった。スチレンの2段階目の重合後、メタノール2.21gを加えて失活させた。得られた溶液を、分析したところ、得られたブロック共重合体は、スチレンの含有量が22質量%であり、ブタジエン部の平均ビニル結合量が30mol%であった。また、重量平均分子量は70,000であった。
ブロック共重合体溶液に、上記のようにして調整した水素添加触媒を添加し、水素添加反応を行った。得られた水素添加ブロック共重合体溶液を抜出し、分析したところ、得られた水素添加ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位における不飽和二重結合の総水素添加率は75mol%であった。
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記水素添加ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。得られた共重合体溶液に対して、酸化チタン(純正化学株式会社製;ルチル型、平均粒子径1.5〜2.1μm)をチタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部あたり0.02質量部となるように添加してラボ・リューション(プライミクス社(株)製)を用いて十分混合を行った。その後溶媒を加熱除去し製造例1の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。
<製造例2、4>
TMEDA、n−ブチルリチウム、スチレン、1,3−ブタジエン、カップリング剤、メタノール、及び酸化チタンの量をそれぞれ表1に示すように変更したこと以外は製造例1と同様にして、水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体の一部を分析した結果を表1に示す。
<製造例3>
TMEDA、n−ブチルリチウム、スチレン、1,3−ブタジエン、カップリング剤、及びメタノールをそれぞれ表1に示すように変更した上で、製造例1と同様にして、水素添加ブロック共重合体溶液を得た。
水素添加ブロック共重合体溶液:水=1:2(質量比)となる量の水を水素添加ブロック共重合体溶液に添加し、ラボ・リューション(プライミクス社(株)製)で混合した。静置分離し、共重合体溶液を分取したのちに、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記水素添加ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去し、チタン化合物としてチタン酸リチウムを含む製造例3の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体の一部を分析した結果を表1に示す。
<製造例5、5−H>
攪拌機及びジャケット付きの内容量40Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5960gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を65℃に設定した。TMEDA1.8g及びn−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で3.85g)を添加し、スチレンを含むシクロヘキサン溶液(純分で360g)を連続的に添加した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、1,3−ブタジエンを含むシクロヘキサン溶液(純分で2655g)を連続的に添加して重合を継続した。ブタジエンの重合転化率は100%であった。その後に、カップリング剤5.70gを添加し、カップリング反応させた。カップリング剤としてはエポトートZX−1059(新日鉄住金化学株式会社)とシクロヘキサンを質量比で、90:10で混合したものを用いた。カップリング剤添加後、メタノール0.88gを加えて失活させた。得られた溶液の一部を抜出し、分析したところ、得られたブロック共重合体組成物は、スチレンの含有量が12質量%であり、ブタジエン部の平均ビニル結合量が35mol%であった。また、得られたブロック共重合体の成分(A)の含有量は40質量%であり、重量平均分子量は115,000であり、成分(B)の含有量は60質量%であり、重量平均分子量は228,000であった。
得られた水素添加ブロック共重合体組成物溶液に、上記のようにして調整した水素添加触媒を添加し、水素添加反応を行った。水素添加反応の途中で水素添加ブロック共重合体溶液の一部を抜出し、分析したところ、得られた水素添加ブロック共重合体組成物における共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の総水素添加率は55mol%であった。水素添加ブロック共重合体溶液:水=1:2(質量比)となる量の水をこの水素添加ブロック共重合体溶液に添加し、ラボ・リューション(プライミクス社(株)製)で混合した。その後、重合体溶液に対してSi原子換算で50ppmとなるようにシリカ#300S−A(中央シリカ(株)製)を混合し、2μmの細孔径を有するフィルターを用いて吸引ろ過した。静置分離し、共重合体溶液を分取したのちに、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記水素添加ブロック共重合体組成物100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去し、チタン化合物としてチタン酸リチウムを含む製造例5の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体の一部を分析した結果を表2に示す。
また、抜き出した後に残った共重合体溶液の水素添加反応を完全に進行させ、総水素添加率100mol%とした。オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記水素添加ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。得られた共重合体溶液に対して、酸化チタン(純正化学株式会社製;ルチル型、平均粒子径1.5〜2.1μm)をチタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部あたり0.02質量部となるように添加してラボ・リューション(プライミクス社(株)製)を用いて十分混合を行った。その後溶媒を加熱除去し製造例5−Hの水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体組成物の一部を分析した結果を表2に示す。
<製造例6>
攪拌機及びジャケット付きの内容量40Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5960gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を65℃に設定した。TMEDA2.5g及びn−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で5.14g)を添加し、スチレンを含むシクロヘキサン溶液(純分で360g)を連続的に添加した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、1,3−ブタジエンを含むシクロヘキサン溶液(純分で2655g)を連続的に添加して重合を継続した。ブタジエンの重合転化率は100%であった。その後に、カップリング剤7.60gを添加し、カップリング反応させた。カップリング剤としてはエポトートZX−1059(新日鉄住金化学株式会社)とシクロヘキサンを質量比で、90:10で混合したものを用いた。カップリング剤添加後、メタノール1.27gを加えて失活させた。得られた溶液の一部を抜出し、分析したところ、得られたブロック共重合体組成物は、スチレンの含有量が12質量%であり、ブタジエン部の平均ビニル結合量が35mol%であった。また、得られたブロック共重合体の成分(A)の含有量は40質量%であり、重量平均分子量は80,000であり、成分(B)の含有量は60質量%であり、重量平均分子量は160,000であった。
得られた水素添加ブロック共重合体組成物溶液に、上記のようにして調整した水素添加触媒を添加し、水素添加反応を行った。共重合体溶液の一部を抜出し、分析したところ、得られた水素添加ブロック共重合体組成物における共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の総水素添加率は55mol%であった。オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水素添加ブロック共重合体組成物100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。得られた共重合体溶液に対して、酸化チタン(純正化学株式会社製;ルチル型、平均粒子径1.5〜2.1μm)をチタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部あたり0.02質量部となるように添加してラボ・リューション(プライミクス社(株)製)を用いて十分混合を行った。その後溶媒を加熱除去し製造例6の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体組成物を分析した結果を表2に示す。
<製造例7−B>
攪拌機及びジャケット付きの内容量40Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5960gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を65℃に設定した。TMEDA2.6g及びn−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で5.28g)を添加し、スチレンを含むシクロヘキサン溶液(純分で793g)を連続的に添加した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、1,3−ブタジエンを含むシクロヘキサン溶液(純分で2256g)を連続的に添加して重合を継続した。ブタジエンの重合転化率は100%であった。その後に、カップリング剤3.91gを添加し、カップリング反応させた。カップリング剤としてはエポトートZX−1059(新日鉄住金化学株式会社)とシクロヘキサンを質量比で、90:10で混合したものを用いた。カップリング剤添加後、メタノール1.53gを加えて失活させ、ブロック共重合体溶液7を得た。得られた溶液の一部を抜出し、分析したところ、得られたブロック共重合体組成物は、スチレンの含有量が26質量%であり、ブタジエン部の平均ビニル結合量が35mol%であった。また、得られたブロック共重合体組成物の成分(A)の含有量は70質量%であり、重量平均分子量は70,000であり、成分(B)の含有量は30質量%であり、重量平均分子量は140,000であった。
ブロック共重合体溶液7に対して、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、水素添加ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。共重合体溶液7に対して、酸化チタン(純正化学株式会社製;ルチル型、平均粒子径1.5〜2.1μm)をチタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部あたり0.01質量部となるように添加してラボ・リューション(プライミクス社(株)製)を用いて十分混合を行った。その後溶媒を加熱除去し製造例7−Bのブロック共重合体組成物を得た。得られたブロック共重合体組成物を分析した結果を表2に示す。
<製造例7−1>
製造例7−Bで得られたブロック共重合体溶液7に、上記のようにして調整した水素添加触媒を添加し、水素添加反応を行い、水素添加ブロック共重合体溶液7−Hを得た。水素添加ブロック共重合体溶液7−Hの一部を抜出し、分析したところ、得られた水素添加ブロック共重合体組成物における共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の総水素添加率は65mol%であった。水素添加ブロック共重合体溶液7−H:水=1:2(質量比)となる量の水を共重合体溶液に添加し、ラボ・リューション(プライミクス社(株)製)で混合した。静置分離し、共重合体溶液を分取したのちに、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記水素添加ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しチタン化合物としてチタン酸リチウムを含む製造例7−1の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体の一部を分析した結果を表2に示す。
<製造例7−2>
製造例7−1で得られた水素添加ブロック共重合体溶液7−Hに対して、酸化チタン(純正化学株式会社製;ルチル型、平均粒子径1.5〜2.1μm)をチタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部あたり0.02質量部となるように添加してラボ・リューション(プライミクス社(株)製)を用いて十分混合を行った。その後溶媒を加熱除去し製造例7−2の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体組成物を分析した結果を表2に示す。
<製造例7−3>
製造例7−1で得られた水素添加ブロック共重合体溶液7−Hに対して、水素化チタン((株)大阪チタニウムテクノロジーズ、粒径〜45μm)をチタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部あたり0.02質量部となるように添加してラボ・リューション(プライミクス社(株)製)を用いて十分混合を行った。その後溶媒を加熱除去し製造例7−2の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体組成物を分析した結果を表2に示す。
<製造例7−4、7−6>
酸化チタンの量を表2に示すように変更したこと以外は製造例7−2と同様にして、水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体組成物を分析した結果を表2に示す。
<製造例7−5>
製造例7−Bで得られたブロック共重合体溶液7に、等質量のシクロヘキサンを添加し、上記のようにして調整した水素添加触媒を添加し、水素添加反応を行い、水素添加ブロック共重合体溶液7−5を得た。水素添加ブロック共重合体溶液7−5:水=1:2(質量比)となる量の水を共重合体溶液に添加し、ラボ・リューション(プライミクス社(株)製)で混合した。静置分離し、共重合体溶液を分取したのちに、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記水素添加ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しチタン化合物としてチタン酸リチウムを含む製造例7−5の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体の一部を分析した結果を表2に示す。
<製造例7−7>
製造例7−Bで得られたブロック共重合体溶液7に、上記のようにして調整した水素添加触媒を添加し、水素添加反応を行い、水素添加ブロック共重合体溶液7−7を得た。水素添加ブロック共重合体溶液7−7の一部を抜出し、分析したところ、得られた水素添加ブロック共重合体組成物における共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の総水素添加率は18mol%であった。水素添加ブロック共重合体溶液7−7:水=1:2(質量比)となる量の水を共重合体溶液に添加し、ラボ・リューション(プライミクス社(株)製)で混合した。静置分離し、共重合体溶液を分取したのちに、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記水素添加ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しチタン化合物としてチタン酸リチウムを含む製造例7−7の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体の一部を分析した結果を表2に示す。
<製造例7−8>
製造例7−1で得られた水素添加ブロック共重合体溶液7−Hに対して、酸化チタン(純正化学株式会社製;ルチル型、平均粒子径1.5〜2.1μm)および水素化チタン((株)大阪チタニウムテクノロジーズ、粒径〜150μm)をチタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部あたり0.01質量部となるように添加してラボ・リューション(プライミクス社(株)製)を用いて十分混合を行った。その後溶媒を加熱除去し製造例7−8の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体組成物を分析した結果を表2に示す。
<製造例8、9>
TMEDA、n−ブチルリチウム、スチレン、1,3−ブタジエン、カップリング剤、及びメタノールの量をそれぞれ表2に示すように変更し、共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の総水素添加率を40mol%としたこと以外は製造例6と同様にして、水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体組成物を分析した結果を表2に示す。
<製造例10>
攪拌機及びジャケット付きの内容量40Lのステンレス製オートクレーブを、洗浄、乾燥、窒素置換し、シクロヘキサン5960gを仕込み、ジャケットに温水を通水して内容物を65℃に設定した。TMEDA5.5g及びn−ブチルリチウムシクロヘキサン溶液(純分で10.04g)を添加し、スチレンを含むシクロヘキサン溶液(純分で607g)を連続的に添加した。スチレンの重合転化率は100%であった。引き続き、1,3−ブタジエンを含むシクロヘキサン溶液(純分で2428g)を連続的に添加して重合を継続した。ブタジエンの重合転化率は100%であった。その後に、カップリング剤4.95gを添加し、カップリング反応させた。カップリング剤としてはエポトートZX−1059(新日鉄住金化学株式会社)とシクロヘキサンを質量比で、90:10で混合したものを用いた。カップリング剤添加後、メタノール3.65gを加えて失活させた。得られた溶液の一部を抜出し、分析したところ、得られたブロック共重合体組成物は、スチレンの含有量が20質量%であり、ブタジエン部の平均ビニル結合量が35mol%であった。また、得られたブロック共重合体の成分(A)の含有量は80質量%であり、重量平均分子量は35,000であり、成分(B)の含有量は20質量%であり、重量平均分子量は70,000であった。
得られたブロック共重合体組成物溶液に、上記のようにして調整した水素添加触媒を添加し、水素添加反応を行った。水素添加ブロック共重合体溶液の一部を抜出し、分析したところ、得られた水素添加ブロック共重合体組成物における共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の総水素添加率は40mol%であった。
水素添加ブロック共重合体溶液:水=1:2(質量比)となる量の水を水素添加ブロック共重合体溶液に添加し、ラボ・リューション(プライミクス社(株)製)で混合した。静置分離し、共重合体溶液を分取した。その後、水素添加ブロック共重合体溶液を遠心分離機(久保田商事(株)製)により分離し、共重合体溶液の上澄みのみを採取した。オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記水素添加ブロック共重合体組成物100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去し製造例10の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。得られた水素添加ブロック共重合体の一部を分析した結果を表2に示す。
<製造例11>
内容積が10Lの撹拌装置及びジャケット付き槽型反応器を用いて、重合を以下の方法で行った。シクロヘキサンを反応器に仕込んで温度70℃に調整した後、n−ブチルリチウムとTMEDAを添加し、その後、モノマーとしてスチレン14質量部を含有するシクロヘキサン溶液を添加した。スチレンの重合転化率は100%であった。
次にブタジエン75質量部を含有するシクロヘキサン溶液およびスチレン11質量部を含有するシクロヘキサン溶液をそれぞれ一定速度で連続的に反応器に供給した。この時、2種の溶液の添加開始と添加終了が同じになるように添加速度を調整し、添加した。スチレン及びブタジエンの重合転化率は100%であった。
次にエポトートZX−1059のシクロヘキサン溶液を添加し、メタノールを添加し、失活させた。得られた溶液の一部を抜出し、分析したところ、得られたブロック共重合体組成物は、スチレンの総含有量が25質量%であり、25量体以上となっているスチレンの含有量は14質量%であり、成分(A)および成分(B)はそれぞれAr−D/Ar、(Ar−D/Ar)2Xで表されるランダムブロックを有しており、ブタジエン部の平均ビニル結合量が40mol%であった。また、得られたブロック共重合体の成分(A)の含有量は70質量%であり、重量平均分子量は90,000であり、成分(B)の含有量は30質量%であり、重量平均分子量は180,000であった。
得られたブロック共重合体組成物溶液に、上記のようにして調製した水素添加触媒を添加し、水素添加反応を行った。水素添加ブロック共重合体溶液の一部を抜出し、分析したところ、得られた水素添加ブロック共重合体組成物における共役ジエン化合物に基づく不飽和二重結合の総水素添加率は50mol%であった。
得られた水素添加ブロック共重合体溶液と水の質量比が1:2となる量の水を共重合体溶液に添加し、ラボ・リューション(プライミクス社(株)製)で混合した。静置分離し、共重合体溶液を分取したのちに、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、上記水素添加ブロック共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、充分混合した。その後溶媒を加熱除去しチタン化合物としてチタン酸リチウムを含む製造例11の水素添加ブロック共重合体組成物を得た。水素添加ブロック共重合体100質量部に対するチタン量は0.009質量部であり、粒子径0.1〜100μmを有するチタン量は98vol%であった。
<実施例1>
製造例1の水素添加ブロック共重合体組成物を用い、上述した粘接着剤組成物の作製方法により、ホットメルト型粘接着剤組成物を得た。更に、上述した粘着テープの作製方法により粘着テープを得た。これらの粘接着剤組成物及び粘着テープを使って上述した粘接着剤組成物の物性の測定(粘接着剤組成物の評価、粘着テープの評価α、粘着テープの品位評価)を行った。これらの結果を表3に示す。
<実施例2〜7、9〜12、15〜18、参考例19>
製造例1の水素添加ブロック共重合体に代えて、製造例2〜6、7−1、7−2、7−3、7−5、7−6、7−7、7−8、8、9、11の水素添加ブロック共重合体組成物を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、粘接着剤組成物及び粘着テープをそれぞれ作製し、特性を評価した。これらの結果を表3に示す。
<実施例8>
製造例1の水素添加ブロック共重合体組成物に代えて、製造例7−2の水素添加ブロック共重合体組成物を用い、クイントンR100(日本ゼオン(株)製)に代えて、アルコンM100(荒川化学工業(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、粘接着剤組成物及び粘着テープをそれぞれ作製し、特性を評価した。これらの結果を表3に示す。
<実施例13〜14>
製造例1の水素添加ブロック共重合体組成物に代えて、製造例5、7−1の水素添加ブロック共重合体組成物を用い、クイントンR100(日本ゼオン(株)製)に代えて、アイマーブS100(出光興産(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、粘接着剤組成物及び粘着テープをそれぞれ作製し、特性を評価した。これらの結果を表3に示す。
<実施例20、比較例21、実施例22、比較例1>
製造例1の水素添加ブロック共重合体組成物に代えて、製造例5−H、製造例7−B、製造例10、製造例7−4の水素添加ブロック共重合体組成物を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、粘接着剤組成物及び粘着テープをそれぞれ作製し、特性を評価した。これらの結果を表3に示す。
<実施例23〜34、比較例35、実施例36>
(A1)非水素添加スチレン−イソプレン系ブロック共重合体
(A1−1)D1161(クレイトンポリマー社製)
SI/SIS、スチレン含有量16質量%、SI含有量20質量%
(A1−2)クインタック3520(日本ゼオン社製)
SI/SIS、スチレン含有量15質量%、SI含有量78質量%
(A2)水素添加スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体
(A2−1)G1726(クレイトンポリマー社製)
SEB/SEBS、スチレン含有量30質量%、SEB含有量70質量%
(A2−2)G1652(クレイトンポリマー社製)
SEBS、スチレン含有量30質量%、SEB含有量0%
(A2−3)G1657(クレイトンポリマー社製)
SEB/SEBS、スチレン含有量13質量%、SEB含有量30%
(A3)水素添加スチレン−イソプレン系ブロック共重合体
(A3−1)セプトン2063(クラレ社製)
(A3−2)セプトン2043(クラレ社製)
(A3−3)セプトン2007(クラレ社製)
(A3−4)セプトン2277(クラレ社製)
(A3−5)セプトン4033(クラレ社製)
(B)粘着付与剤
(B1)クイントンR100(脂肪族石油炭化水素樹脂/日本ゼオン社製)
(B2)クリアロンP125(水素添加テルペン樹脂/ヤスハラケミカル社製)
(C)軟化剤
(C1)ダイアナプロセスオイルNS90S(ナフテン系オイル/出光興産社製)
(D)酸化防止剤
(D1)イルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製)
これらの成分を表4に示す割合で配合した以外は、上述した粘接着剤組成物の作製方法により、ホットメルト型粘接着剤組成物を得、更に、上述した粘着テープの作製方法により粘着テープを得た。これらの粘接着剤組成物及び粘着テープを使って上述した粘接着剤組成物の物性の測定(粘接着剤組成物の評価、粘着テープの評価β、粘着テープの品位評価)を行った。これらの結果を表4に示す。
実施例33、34で得た粘着テープを50mm×50mmに切り、SUS板に貼り付け、南を向いた窓際に粘着層に日が当たるようにSUS板を置き、静置した。二週間後、粘着テープをはがすと粘着層の劣化に由来する匂いを感じた。この時、実施例33のテープに比べて、実施例34のテープの方が匂いが弱かった。
Figure 0006739158
Ar:ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックを示す。
D :共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを示す。
Figure 0006739158
Ar:ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックを示す。
D :共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを示す。
X :カップリング剤の残基を示す。
Figure 0006739158
Figure 0006739158
本発明の粘接着剤組成物は、各種粘着性テープ、粘着性シート、粘着性フィルム、粘着性ラベル類、感圧性薄板、感圧性シート、表面保護シート、表面保護フィルム、衛生材料、各種軽量プラスチック成型品固定用裏糊、カーペット固定用裏糊、タイル固定用裏糊、接着剤等に利用でき、特に、粘着性テープ用、粘着性シート用、粘着性フィルム用、粘着性ラベル用、表面保護シート用、表面保護フィルム用、衛生材料用の粘接着剤として産業上の利用可能性がある。

Claims (11)

  1. ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロック、及び、共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックを有する水素添加ブロック共重合体と、
    平均粒子径が0.1〜20μmであるチタン化合物と、を含み、
    前記チタン化合物の含有量が、チタン原子換算で、水素添加ブロック共重合体100質量部に対し、0.000001〜2質量部であり、
    前記チタン化合物の80vol%以上が、粒子径が0.1〜100μmの粒子であり、
    前記共役ジエン単量体単位における不飽和二重結合の総水素添加率が、5mol%以上90mol%未満である、
    水素添加ブロック共重合体組成物。
  2. 前記共役ジエン単量体単位がブタジエン単量体単位を含む、請求項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
  3. 前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックの重量平均分子量が、7,500を超え、150,000以下である、請求項1又は2に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
  4. 前記チタン化合物の含有量が、チタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部に対し、0.000001〜0.05質量部である、請求項1〜のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
  5. 前記チタン化合物の含有量が、チタン原子換算で水素添加ブロック共重合体100質量部に対し、0.0075質量部を超え、0.02質量部以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
  6. 前記チタン化合物が、酸化チタン、チタン酸リチウム、含水酸化チタン、及び水酸化チタンからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
  7. 前記水素添加ブロック共重合体として、水素添加ブロック共重合体(A)と水素添加ブロック共重合体(B)を含み、
    前記水素添加ブロック共重合体(A)が、前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックと、前記共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックと、を有し、
    前記水素添加ブロック共重合体(B)が、前記ビニル芳香族炭化水素単量体単位を主体とする重合体ブロックを少なくとも2つと、前記共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックと、を有し、
    前記水素添加ブロック共重合体(A)に対する前記水素添加ブロック共重合体(B)の重量平均分子量の比(前記水素添加ブロック共重合体(B)の重量平均分子量)/(前記水素添加ブロック共重合体(A)の重量平均分子量)が、1.3〜10であり、
    前記水素添加ブロック共重合体(A)の含有量が、前記水素添加ブロック共重合体(A)と前記水素添加ブロック共重合体(B)の合計100質量%に対して、20質量%以上90質量%以下であり、
    前記水素添加ブロック共重合体(B)の含有量が、前記水素添加ブロック共重合体(A)と前記水素添加ブロック共重合体(B)の合計100質量%に対して、10質量%以上80質量%以下である、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の水素添加ブロック共重合体組成物100質量部と、
    粘着付与剤20〜700質量部と、
    を、含有する、粘接着剤組成物。
  9. 芳香族ビニル系エラストマーを含有する、
    請求項に記載の粘接着剤組成物。
  10. 共役ジエン系合成ゴムを含有する、
    請求項8又は9に記載の粘接着剤組成物。
  11. 天然ゴムを含有する、
    請求項8〜10のいずれか一項に記載の粘接着剤組成物。
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