JP6739139B2 - 二次電池のセパレータ接合装置、二次電池および二次電池のセパレータ接合方法 - Google Patents
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Description
セパレータは、たとえば矩形形状とされ、その片面にたとえば非導電性・耐熱性のセラミックが塗工されている。このようにセラミックの塗工されたセパレータをセラミックセパレータと呼ぶ。また、一対のセパレータ(セラミックセパレータ)は、正極と負極との間に電解質を保持しており、イオンの伝導性を担保している。
電極(正極、負極)は、矩形形状の集電体(正極集電体、負極集電体)と、電極端子(正極集電端子、負極集電端子)とを有して構成され、集電体の外縁の一部から電極端子が突出するように、つまり、全体がL字形状または凸型形状となるように形成されている。集電体は導電体からなり、その両面に活物質(正極活物質、負極活物質)が結着されている。もちろん、正極集電端子、負極集電端子は、互いに重複しないように互い違いの位置に積層されている。
すなわち、一対のセラミックセパレータにより二次電池内部の正極、負極(集電体)が電気的(物理的)に隔離されて過熱や発火などが防止され、二次電池の安全性が確保されている。
たとえば、特開2015−197977号公報には、電極のうち相対的に大きい方の電極と、その電極を挟持するセラミックセパレータの一方とを、両面テープを介して固定する構成が記載されている。詳細には、まず、一対のセラミックセパレータのうち、一方の外周部に両面テープを貼り付け、電極のうち相対的に大きい電極(たとえば負極)とセラミックセパレータとを両面テープを介して重畳、接合させる。それから、他方のセラミックセパレータを負極の上から重畳することで、一対のセラミックセパレータで電極を挟持している。
両面テープの基材および接着剤には、絶縁性を備えた素材が使用される。両面テープを使用することで、一対のセラミックセパレータを簡単に接合することができる。
なお、両面テープの代わりに接着剤を、セラミックセパレータに直接塗工してもよい。
また、経年劣化により両面テープや接着剤が劣化するおそれがある。両面テープや接着剤が劣化するとセラミックセパレータ、電極の接合が外れ、漏電、破損などにより二次電池の安全性が確保できない。
また、本発明は、二次電池の安全性やセパレータ(セラミックセパレータ)の耐熱性を確保しつつ、確実かつ簡単に接合して製造される二次電池の提供を別の目的としている。
そして、本発明は、二次電池の安全性やセパレータ(セラミックセパレータ)の耐熱性を確保しつつ、確実かつ簡単に接合できる二次電池のセパレータ接合方法の提供をさらに他の目的としている。
すなわち、請求項1、6に係る本発明によれば、集電体と、集電体の外縁の一部から突出して形成された電極端子とを備える電極を、一対のセパレータが挟持して接合し、セパレータは集電体よりも大きく形成され、一方の面にセラミックがそれぞれ塗工され、セパレータ接合装置(方法)は反転機構(工程)および圧接機構(工程)を備え、反転機構(工程)により、一対のセパレータのうち一方のセパレータが反転され、電極を積層した反転されない他方のセパレータのセラミック面と面合わせにされ、圧接機構(工程)により、集電体を挟持しない一対のセパレータの外周縁の一部またはすべてを圧接により接合して、セパレータに接合部を設けている。
二次電池10は、電極20(正極21または負極22)のいずれか一方を一対のセパレータ30(30A、30B)で挟持して形成した、いわゆる袋詰電極32と、他方の電極20(負極22または正極21)とを交互に積層して構成されている。図2では、一対のセパレータ30(下のセパレータ30A、上のセパレータ30B)が負極22を挟持しており、上のセパレータの上面にはさらに正極21が重畳(積層)されている。
正極21、負極22は同様の構成であるため、まずは正極についてその構成を詳細に述べる。
正極21は、矩形形状の正極集電体21−1と、正極集電体の外縁の一部から突出した正極集電端子21−2とを有して構成され、その全体はL字形状または凸型形状に形成されている。正極集電体21−1は、その両面に正極活物質(電解質;図示しない)が結着されている。正極集電端子21−2は、正極集電体21−1から電力を取り出すための外部端子とされている。
正極20(正極集電体21−1、正極集電端子21−2)が導電体とされることはいうまでもない。二次電池10の正極集電体21−1の材料として、たとえばリチウム遷移金属酸化物(LiCoO2など)が用いられるが、これに限定されない。
また、負極22(負極集電体22−1、負極集電端子22−2)も、正極21と同様に導電体とされている。二次電池10の負極集電体22−1の材料として、たとえばグラファイト(炭素材料;C)が用いられるが、これに限定されない。
なお、正極集電体21−1および負極集電体22−1の両面にそれぞれ結着される正極活物質および負極活物質(電解質;図示しない)として有機溶媒が用いられ、正極21、負極22間で電解質を介してリチウムイオンが出し入れ可能とされる。
また、電極20の厚さ(高さ;図示しない)は、たとえば0.2mmとされる。
一対のセパレータ30A、30Bそれぞれの厚さ(上下方向の高さ)α(図5参照)は、電極20よりも薄く、たとえば0.02mmとされる。
また、一対のセパレータ30(30A、30B)が負極集電体22−1を挟持すると、セパレータの外縁の一部から負極集電端子22−2が突出する。電極により生成された電力は、突出した負極集電端子22−2から取り出される。
そして、袋詰電極32の上面にさらに正極21を重畳(積層)すると、同様に、正極集電端子21−2が突出する。電極により生成された電力は、正極集電端子21−2からも取り出される。
ポリプロピレン層は、たとえばポリプロピレンをシート状に形成したものであり、非水溶媒に電解質を溶解することで非水電解液が含浸されている。
セラミック層は、ポリプロピレン層よりも溶融温度が高い。図2を見るとわかるように、一対のセパレータ30のセラミック層はそれぞれ対向するように負極22(負極集電体22−1)を上下から挟持し、負極活物質に当接している。つまり、一対のセパレータ30が、セラミックの塗工された面(セラミック層のある面)を面合わせにして二次電池内部の電極(正極21または負極22。正確には、正極集電体21−1または負極集電体22−1。実施例では負極集電体)を挟持して、電極を電気的(物理的)に隔離している。
なお、一対のセパレータ(セラミックセパレータ)30はこの構成に限定されず、電極20を電気的(物理的)に隔離する構成であればよい。
なお、図1では、セパレータ30の外周縁すべてが負極集電体22−1を挟持しない(負極集電体と重畳しない)部分30A’、30B’とされている。しかし、これに限定されず、たとえばセパレータの外周縁の一部が負極集電体22−1を挟持しない部分としてもよい。
図1では、セパレータ30の外周縁30A’、30B’に合計8か所の接合部40が形成されている。しかし、これに限定されず、たとえばセパレータの外周縁の周囲すべてに接合部40を設けてもよい。
また、接合部40は、後述する波型形状の上型の圧接面161−2’と下型の圧接面162−1との噛合により形成されるため、たとえば波型形状とされる(図4、5)。しかし、実際の接合部40は微細なものであり、また、説明のしやすさのため、図1では線型形状で表している。
なお、前後左右は筒状のセパレータロール(後述)から引き延ばされたセパレータ(セラミックセパレータ)の移送方向を前として、Fr(前;セパレータの経路の下流)、Rr(後;上流)、L(左)、R(右)で示す。
なお、説明のしやすさのため、実施例では、セパレータロール30’から前方へ延ばされる帯状のセパレータ30において、その上面30Upにセラミックが塗工されている。しかし、セパレータはその構成に限定されない。
また、切断機構120の下方には、供給機構130の吸着プレート(第一の吸着プレート)131が配置されている。
カッター121は、たとえば円盤状とされ、その外周端でセパレータを切断可能としている。また、カッター121は、その回転中心となる中心軸121’が設けられている。
支持部122はその下部で、カッター121が中心軸121’を中心として回転可能となるように支持している。
支持板123は、引き延ばされたセパレータ30の上方で左右方向に延びて架設されている。支持板123の前面には左右方向(セパレータの幅方向;セパレータ30が引き延ばされる方向に直行する方向)に延びるレール123’、支持部122の上部後面にはレール上を摺動可能とする摺動部122’がそれぞれ設けられている。支持部の摺動部122’が支持板のレール123’上を摺動することで、カッター121が左右方向(セパレータの幅方向)に移動し、帯状のセパレータ30を一定の長さで左右方向に切断して個々のセパレータ(たとえば、一対のセパレータ30A、30B)を形成する。
左右一対の支持脚124は、引き延ばされたセパレータ30の左右に配置、固定されて、支持板123の左右端部を支持している。
第一の吸着プレート131は、引き延ばされたセパレータ30の前部の下方に、詳細には切断機構のカッター121の下方に位置し、カッター121による切断の台座にもされる。第一の吸着プレート131は、その上面にセパレータ30の下面と当接してセパレータを吸着する複数の吸着口(図示しない)を有している。吸着口はたとえばエアポンプ(真空ポンプ;図示しない)に接続され、カッター121で切断された個々のセパレータ(たとえば、下のセパレータ30A)をエアポンプの真空圧により第一の吸着プレート131の上面に吸着する。図3では、第一の吸着プレート131の上面に下のセパレータ30Aが配設、吸着されている。
駆動モータ(図示しない)は、その駆動により、第一の吸着プレート131の上面に個々のセパレータを吸着した状態で第一の吸着プレートを前後方向に移動可能とするように取り付けられている。図3の破線の矢視は、第一の吸着プレート131の移動する方向を示す。図3の位置Aは第一の吸着プレート131の可動範囲の後端、位置Bは第一の吸着プレートの可動範囲の前端を示す。図3を見るとわかるように、位置Aは切断機構120の直下である。位置Bは第一の吸着プレートの可動範囲の前端であるとともに、反転機構140(詳細には反転プレート141)の回動範囲の後端および搬送機構150(詳細には第二の吸着プレート151)の可動範囲の後端とされる。
また、駆動モータ(図示しない)は、セパレータロール30’の送りモータ(図示しない)と、たとえば電気信号により連動可能とされる。
反転プレート141は、第一の吸着プレート131と同様に、その上面にセパレータ30の下面と当接してセパレータを吸着する複数の吸着口(図示しない)を有している。吸着口はたとえばエアポンプ(真空ポンプ;図示しない)に接続され、個々のセパレータ(たとえば、上のセパレータ30B)をエアポンプの真空圧により反転プレート141の上面に吸着する。図3の一点鎖線は、反転プレート141の上面に配設された上のセパレータ30Bを表している。
支持板142は、前部の支持板142−1、後部の支持板142−2を有して構成されている。前部の支持板142−1は反転プレート141よりも後方に長く形成され、その前部上面に反転プレート141の下面が、その後部上面に後部の支持板142−2の下面がそれぞれ接続されている。後部の支持板142−2は、引き延ばされたセパレータ30の前方で左右方向に延びて架設されている。
回動軸143は、後部の支持板142−2の回動中心となる軸であり、たとえば後部の支持板142−2の左右側面から延びる左右一対のピンとされる。
左右一対の支持脚144は、引き延ばされたセパレータ30の延長上の左右に配置、固定され、回動軸(左右一対のピン)143の左右端を支持している。
モータ(図示しない)は、その駆動により、反転プレート141の上面に個々のセパレータを吸着した状態で、前後の支持板142−1、142−2を介して、回動軸143を中心として反転プレートを前後方向に回動可能とするように取り付けられている。
端的に言えば、反転プレート141は、回動軸143を中心として180°の範囲内で前後方向に回動可能とされる。図3の一点鎖線の矢視は、反転プレート141の回動する方向を示す。また、図3の位置Bは反転プレート141の回動範囲の後端、位置Cは反転プレート141の回動範囲の前端を示す。位置Bは、前述のとおり、第一の吸着プレート131の可動範囲の前端および搬送機構150の可動範囲の後端とされる。
第二の吸着プレート151は、その下面にセパレータ30の上面と当接する複数の吸着口(図示しない)を有している。吸着口はたとえばエアポンプ(真空ポンプ;図示しない)に接続され、個々のセパレータ(一対のセパレータ30A、30B)をエアポンプの真空圧により第二の吸着プレート151の下面に吸着する。また、第二の吸着プレート151には、後述する上型の圧接部161−2の挿通可能な挿通孔151−1が、圧接部の個数分設けられている。図3では、挿通孔151−1が8個形成されているが、これに限定されず、上型の圧接部161−2に対応した個数が備えられていればよい。
左右一対の支持部152は、引き延ばされたセパレータ30の延長上の左右に配置され、第二の吸着プレート151の左右両端を支持している。また、左右一対の支持部152は、その内側面に上下方向に延びるレール152−1を、その外側面上部に後述する支持板のレール153’上を摺動可能とする摺動部152−2をそれぞれ備えている。
左右一対の支持板153は、その内側面に前後方向に延びるレール153’を備えている。
支持脚154は、支持板153の外側面に取り付けられ、支持板を支持、固定している。
このような自在な移動により、第二の吸着プレート151は、その下面に個々のセパレータ30(一対のセパレータ30A、30B)を吸着した状態で、供給機構130または反転機構140から圧接機構160へ個々のセパレータを移送することができる。
圧接機構160は、搬送機構150の前部に位置している。圧接機構160は、それぞれ圧接面を持つ上下一対の型161、162(上下型;上型161、下型162)を備えて構成されている。
上型161は、その上面にピストン161−1が、その下面に圧接部161−2がそれぞれ設けられている。ピストン161−1は、その下端が上型161の上面に、その上端がたとえばセパレータ接合装置100の天井面(図示しない)にそれぞれ接続されている。言い替えると、上型161は、セパレータ接合装置100の天井面からピストン161−1を介して吊り下がって設置されている。上型161は、ピストン161−1の内部の空気圧により上下方向に移動(上昇および下降)可能とされる。上型の圧接部161−2はたとえば棒状の部材とされ、図4(A)を見るとわかるように、下方に向かって先細りに形成されている。そして、上型の圧接部161−2の下端は、凹凸を持つ波型形状の圧接面161−2’を持っている。図4(B)(C)に示すように、上型の圧接部161−2の下端はテーパー加工が施され、側面のテーパー面161−2’a、正面(前面)のテーパー面161−2’bが形成されている。図4(B)に示すように、たとえば上型の圧接部の側面のテーパー面161−2’aにおいて、テーパーの角度θ1は15°、高さε1は0.2mmとされる。また、図4(C)に示すように、たとえば上型の圧接部の正面(前面)のテーパー面161−2’bにおいて、テーパーの角度θ2は15°、高さε2は0.2mmとされる。
下型162は、たとえば平板上の部材とされ、左右方向に移動可能とされている。また、下型162は、上型161の直下に配置されるとともに、その上面に圧接部162’を有している。圧接部162’(下型162)は、その上面に圧接面162−1を持っている。また、圧接部162’は、2個の固定部材(ネジ)162−2によって下型162の上面に固定されているが、この構成に限定されず、下型の上面に圧接部が固定されていれば足りる。下型の圧接面162−1は、上型の圧接面161−2’と同様に凹凸を持つ波型形状に形成されて、上型の圧接面の直下に位置している。つまり、上型の圧接面161−2’と、下型の圧接面162−1とは、噛合可能な凹凸を持つ波型形状にそれぞれ形成されている。図4(D)(E)に示すように、上型の圧接部161−2の下端と同様に、下型の圧接部162’の上端もテーパー加工が施され、側面のテーパー面162’’a、正面(前面)のテーパー面162’’bが形成されている。図4(D)に示すように、たとえば下型の圧接部の側面のテーパー面162’’aにおいて、テーパーの角度θ3は30°、高さε3は0.5mmとされる。また、図4(E)に示すように、たとえば下型の圧接部の正面(前面)のテーパー面162’’bにおいて、テーパーの角度θ4は15°、高さε4は0.2mmとされる。
また、テーパーを含む上型の圧接部161−2、下型の圧接面162−1の幅ζ(図4(A);左右の長さ)、すなわち接合部40の幅はたとえば6mmとされるが、これに限定されない。
図5(A)のように、一対のセパレータ30A、30Bそれぞれの厚さ(上下方向の高さ)α、セパレータに挟持される電極(負極22)の厚さ(高さ;図示しない)を、たとえば0.02mm、0.2mmとそれぞれする場合、たとえば上型の圧接面161−2’および下型の圧接面162−1における1つの波型(凹凸)の厚さ(高さ)β1は0.2mm、幅β2は0.65mmとそれぞれされる。また、1つの波型(凹凸)により形成される角度δは、73.74°とされる。しかし、これらの厚さ、幅、角度に限定されるものではない。
セパレータ接合方法は、巻き出し機構110による巻き出し工程、切断機構120による切断工程、供給機構130による供給工程、反転機構140による反転工程、搬送機構150による搬送工程、圧接機構160による圧接工程を含んでいる。
第二の吸着プレート151は、下のセパレータ30Aを吸着した状態で、第一の吸着プレート131の上方(位置B)から圧接機構160まで移送する。そして、第二の吸着プレート151のエアポンプが停止し、下のセパレータ30Aは圧接機構の下型162の上面に配置される(ステップS5−1)。
圧接機構の下型162の上面に配置された下のセパレータは、下型の上面に配置されたまま下型が右方向に移動し、電極の積層機構(図示しない)に移送される(ステップS5−2)。積層機構自体は本発明の要旨ではないため、概略のみ述べると、積層機構に移送された下のセパレータ30Aはその上面に負極22が積層され(ステップS5−3)、下型162が左方向に移動して下のセパレータ、負極は積層された状態で元の位置に戻される(ステップS5−4)。
ステップS4で、下のセパレータ30Aが第二の吸着プレート151に吸着されて第一の吸着プレート131から下のセパレータ30Aが除かれると、第一の吸着プレートが第一の吸着プレートの可動範囲の前端(位置B)の位置からその後端(位置A)まで後方に移動する(ステップS6−1)。そして、第一の吸着プレート131が位置Aに戻ると再度吸引を開始し、帯状のセパレータ30の前部を吸着してセパレータを前方向に引き延ばす(ステップS6−2)。そして、ステップS2と同様に、エアポンプの吸引により帯状のセパレータ30の前部を第一の吸着プレート131の上面に配置、固定する。それから、ステップS3と同様に、第一の吸着プレート131上で、カッター121が左右方向に移動して帯状のセパレータ30の前部を切断することで、上のセパレータ30Bが形成される(ステップS6−3)。
第二の吸着プレート151は、その下面に上のセパレータ30Bを吸着した状態で、反転プレート141の上方(位置C)から圧接機構160まで上のセパレータ30Bを移送する(ステップS6−6)。
下型162の上方まで移動した第二の吸着プレート151は下降し、吸着プレートの下面が下型の上面と接する。第二の吸着プレート151のエアポンプが停止し、上のセパレータ30Bが第二の吸着プレートの下面から離反する。すると、上のセパレータ30Bが、すでに下型162上に配置されていた負極22の上に積層される。また、このとき、下のセパレータ30A、上のセパレータ30Bは、それぞれのセラミック面を面合わせにされる。つまり、セラミック面を面合わせにして、上から順に、上のセパレータ30B、負極22、下のセパレータ30Aと積層された積層構造が形成される(ステップS7)。
そして、第二の吸着プレート151、上型161が上昇して下型162から離反することで上型、下型の圧接面161−2’、162−1の噛合が解除され、一対のセパレータの外周縁30A’、30B’に接合部40が残される(図5(C))。
0.02mm(一対のセパレータ30A、30Bの厚さ(高さ)α)×2+0.2mm(上型の圧接面161−2’および下型の圧接面162−1の凹凸の厚さ(高さ)β1)=0.24mm
とされる。しかし、上型161が下型162から離反するときに一対のセパレータ30の圧接(変形)が元に戻る現象、いわゆるスプリングバック現象が生じ、実際のγの値は0.24mmよりも小さく、より正確には、セパレータ30に挟持された電極20の厚さ(高さ;0.2mm)よりも小さくなる。つまり、接合部40の厚さγは、セパレータ30に挟持された電極20(正極21または負極22)の厚さよりも薄く形成される。
積層機構自体は本発明の要旨ではないため、概略のみ述べると、積層機構に移送された袋詰電極32はその上面に正極21が積層され、それからステップS1〜S7の流れを繰り返して、袋詰電極と正極とを交互に積層した積層構造が形成される。そして、外装体50(図2参照)で袋詰電極、正極を上下から挟持し、外装体の外周縁の一部から電解液を注入し、外周縁を封止することで、二次電池10が形成される。
20 電極
21 正極
21−1 正極集電体
22−1 正極集電端子(正極の電極端子)
22 負極
22−1 負極集電体
22−2 負極集電端子(負極の電極端子)
30(30A、30B) セパレータ
30A’、30B’ セパレータの外周縁(集電体を挟持しない部分)
40 接合部
140 反転機構(反転工程)
161 上型(一対の型の上型)
161−2’ 上型の圧接面
162 下型(一対の型の下型)
162−1 下型の圧接面
Claims (9)
- 集電体と、集電体の外縁の一部から突出して形成された電極端子とを備える電極を、一対のセパレータが挟持して接合される二次電池のセパレータ接合装置において、
セパレータは集電体よりも大きく形成され、一方の面にセラミックがそれぞれ塗工され、
セパレータ接合装置は反転機構および圧接機構を備え、
反転機構により、一対のセパレータのうち一方のセパレータが反転され、電極を積層した反転されない他方のセパレータのセラミック面と面合わせにされ、
圧接機構により、集電体を挟持しない一対のセパレータの外周縁の一部またはすべてを圧接により接合して、セパレータに接合部を設けた二次電池のセパレータ接合装置。 - 反転機構は、セパレータを吸着可能とし、セパレータの移送方向へ向けて回動可能とする反転プレートを少なくとも有する請求項1記載の二次電池のセパレータ接合装置。
- セパレータ接合装置は切断機構、供給機構、搬送機構をさらに備え、
切断機構は引き伸ばされた帯状のセパレータをその長手方向と直行する方向に一定の長さで切断し、
供給機構は切断機構に続き、切断機構で切断したセパレータを吸着可能とし、移送する第一の吸着プレートを少なくとも有し、
反転機構は供給機構に続き、供給機構から供給されたセパレータを吸着した反転プレートが回動し、セパレータを送り、
搬送機構は反転機構に続き、セパレータを吸着可能とする第二の吸着プレートを少なくとも有し、供給機構により移送されたセパレータまたは反転機構で反転されたセパレータを交互に吸着し、移送して次の圧接機構へ送り、
圧接機構は搬送機構に続き、供給機構から移送されたセパレータを下面、反転機構で反転されたセパレータを上面にして、面合わせされた一対のセパレータの外周縁の一部またはすべてを圧接により接合する請求項2記載の二次電池のセパレータ接合装置。 - 圧接は、それぞれ圧接面を持つ一対の型により行われ、
圧接面は噛合可能な凹凸を持つ波型形状にそれぞれ形成された請求項1〜3のいずれか記載の二次電池のセパレータ接合装置。 - 接合部の厚さは、セパレータに挟持された電極の厚さよりも薄く形成される請求項1〜3のいずれか記載の二次電池のセパレータ接合装置。
- 集電体と、集電体の外縁の一部から突出して形成された電極端子とを備える電極を、一対のセパレータが挟持して接合される二次電池のセパレータ接合方法において、
セパレータは集電体よりも大きく形成され、一方の面にセラミックがそれぞれ塗工され、
セパレータ接合方法は反転工程および圧接工程を備え、
反転工程により、一対のセパレータのうち一方のセパレータが反転され、電極を積層した反転されない他方のセパレータのセラミック面と面合わせにされ、
圧接工程により、集電体を挟持しない一対のセパレータの外周縁の一部またはすべてを圧接により接合して、セパレータに接合部を設けた二次電池のセパレータ接合方法。 - 反転工程は、セパレータを吸着可能とし、セパレータの移送方向へ向けて回動可能とする反転プレートを少なくとも有する請求項6記載の二次電池のセパレータ接合方法。
- セパレータ接合方法は切断工程、供給工程、搬送工程をさらに備え、
切断工程は引き伸ばされた帯状のセパレータをその長手方向と直行する方向に一定の長さで切断し、
供給工程は切断工程に続き、切断工程で切断したセパレータを吸着可能とし、移送する第一の吸着プレートを少なくとも有し、
反転工程は供給工程に続き、供給工程から供給されたセパレータを吸着した反転プレートが回動し、セパレータを送り、
搬送工程は反転工程に続き、セパレータを吸着可能とする第二の吸着プレートを少なくとも有し、供給工程により移送されたセパレータまたは反転工程で反転されたセパレータを交互に吸着し、移送して次の圧接工程へ送り、
圧接工程は搬送工程に続き、供給工程から移送されたセパレータを下面、反転工程で反転されたセパレータを上面にして、面合わせされた一対のセパレータの外周縁の一部またはすべてを圧接により接合する請求項7記載の二次電池のセパレータ接合方法。 - 圧接は、それぞれ圧接面を持つ一対の型により行われ、
圧接面は噛合可能な凹凸を持つ波型形状にそれぞれ形成された請求項6〜8のいずれか記載の二次電池のセパレータ接合方法。
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