JP6739130B1 - 磁気検出装置、検出方法、及び検出プログラム - Google Patents

磁気検出装置、検出方法、及び検出プログラム Download PDF

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Abstract

磁気検出装置は、磁界のX方向の成分の大きさを測定可能な磁気センサを備える。磁気検出装置は、X方向に移動する磁性体が最近接位置を通過した時機を検出したか判断する(S5)。磁気検出装置は、磁性体が最近接位置を通過した時機に磁気センサが測定した、磁界のX方向の成分、Y方向の成分、及び、Z方向の成分を取得する(S6)。磁気検出装置は、磁性体が所定位置にあるときに磁気センサが測定した、磁界のX方向の成分を取得する(S7)。磁気検出装置は、S6で取得された磁界のX方向の成分、及びS7で取得された磁界のX方向の成分に基づいて、距離zを推定する(S8)。磁気検出装置は、S6で取得された磁界のX方向の成分、Y方向の成分、及び、Z方向の成分の何れか、及び、S8で推定された距離zに基づいて、磁気モーメントの大きさmを推定する(S10)。

Description

本発明は、磁気検出装置、検出方法、及び検出プログラムに関する。
特許文献1は、磁性体の磁気モーメントに基づき武器を検出可能なセキュリティーシステムを開示する。セキュリティーシステムは周囲磁場を検出する磁気センサを備える。武器は磁気モーメントが大きい強磁性体である場合が多く、武器の磁気モーメントは日用品の磁気モーメントと比較して大きい。磁性体による周囲磁場を磁気センサが検出した場合、セキュリティーシステムは検出した周囲磁場の大きさに基づき警報信号を発する。
特表2019−512088号公報
磁気モーメントが形成する周囲磁場の大きさは磁性体と磁気センサとの距離に依存し、磁性体と磁気センサとの距離に対する逆べき乗則に従う。即ち、磁気センサの測定値は、磁気センサから遠い距離にある強磁性体と、磁気センサから近い距離にある磁気モーメントが小さな物体とで同じになり得る。特許文献1に記載のセキュリティーシステムでは磁性体の位置を推定できない。故に、物理的な障害物により磁性体と磁気センサとの距離を制限しなければ、磁気モーメントが大きい武器か、磁気モーメントが小さい日用品かを区別することができなかった。また磁気モーメントが大きい武器も、距離が離れると磁場が減衰することから、武器としての判定を見逃す事態も容易に想定し得るものである。尚ここで述べる磁気モーメントが形成する磁界とは、必ずしも磁石のような磁化した磁性体が加える磁界だけではなく、軟磁性体、強磁性体が周囲磁界の磁力線を取り込んだ磁気モーメントによって形成される磁界も、同様に取り扱えるものであり、銃やナイフなどの武器類は主に強磁性体、すなわち鉄類で構成されているものは後者が主である。
本発明の目的は、磁性体の磁気モーメントの大きさを精度よく推定可能な磁気検出装置、検出方法、及び検出プログラムを提供することである。
本発明の第一態様に係る磁気検出装置は、特定の方向である第一方向、前記第一方向と交差する第二方向及び第三方向のうち、前記第一方向に移動する磁性体の磁気モーメントによる磁界を検出可能な磁気検出装置であって、前記磁界の前記第一方向の成分である第一磁界成分を測定可能な第一磁気センサと、前記第一磁気センサと近接又は一体であって、前記磁界の前記第二方向の成分である第二磁界成分、及び、前記磁界の前記第三方向の成分である第三磁界成分の少なくとも何れか一方を含む可能磁界成分を測定可能な第二磁気センサと、制御部と、前記制御部により実行されるプログラムを記憶した記憶部と、を備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶した前記プログラムを実行することにより、前記第一方向に移動する前記磁性体が前記第一磁気センサに最も近接したときの前記磁性体の位置である最近接位置を通過した時機を検出する最近接検知処理と、前記時機に前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分、及び、前記第二磁気センサが測定した前記可能磁界成分を取得する最近接時成分取得処理と、前記第一磁気センサの位置から所定距離離れた所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得する定位置時成分取得処理と、前記最近接時成分取得処理及び前記定位置時成分取得処理の夫々で取得した前記第一磁界成分に基づいて、前記磁性体と前記第一磁気センサとの前記第三方向の距離である第三方向距離を推定する距離推定処理と、前記距離推定処理で推定した前記第三方向距離、及び、前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記可能磁界成分の少なくとも一方に基づいて、前記磁気モーメントの大きさを推定する磁気モーメント量推定処理と、を実行することを特徴とする。磁気検出装置は、磁界を測定可能なセンサを用いて第三方向距離を推定できるので、第三方向距離に基づき磁性体の磁気モーメントの大きさを精度良く推定できる。
第一態様において、前記制御部は、前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記可能磁界成分に基づき、前記磁気モーメントの姿勢角を推定する姿勢角推定処理を更に実行し、前記磁気モーメント量推定処理において、更に前記姿勢角推定処理で推定した前記姿勢角に基づいて、前記磁気モーメントの大きさを推定してもよい。この場合、磁気検出装置は、推定された姿勢角及び第三方向距離に基づいて磁気モーメントの大きさを推定する。よって、磁気検出装置は、磁性体の磁気モーメントの大きさを精度良く推定できる。
第一態様において、前記可能磁界成分は、前記第二磁界成分及び前記第三磁界成分を含み、前記制御部は、前記姿勢角推定処理において、前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記第二磁界成分に基づいて、前記姿勢角の前記第三方向を軸とした回転方向の成分である第一回転角を推定し、前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記第三磁界成分に基づいて、前記姿勢角の前記第二方向を軸とした回転方向の成分である第二回転角を推定し、前記磁気モーメント量推定処理において、前記姿勢角推定処理で推定した前記第一回転角と、前記距離推定処理で推定した前記第三方向距離と、前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記第二磁界成分の何れかと、に基づいて、前記磁気モーメントの前記第一方向と前記第二方向とを含む平面に投影した成分である第一磁気モーメント成分を推定し、前記姿勢角推定処理で推定した前記第二回転角と、前記距離推定処理で推定した前記第三方向距離と、前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記第三磁界成分の何れかと、に基づいて、前記磁気モーメントの前記第一方向と前記第三方向とを含む平面に投影した成分である第二磁気モーメント成分を推定し、前記第一磁気モーメント成分及び前記第二磁気モーメント成分に基づいて前記磁気モーメントの大きさを推定してもよい。この場合、磁気検出装置は、磁気モーメントがどのような姿勢であっても、第一磁気モーメント成分及び第二磁気モーメント成分を推定することで、磁気モーメントの姿勢を考慮した磁気モーメントの大きさを推定できる。よって、磁気検出装置は、磁性体の磁気モーメントの大きさを精度良く推定できる。
第一態様において、前記制御部は、前記磁気モーメント量推定処理で推定された前記磁気モーメントの大きさが予め決められた閾値以上の大きさの場合、前記磁性体が武器であると判断する武器判断処理を更に実行してもよい。この場合、磁気検出装置は、精度良く推定した磁性体の磁気モーメントの大きさに基づき、磁性体が武器であるか判断する。よって、磁気検出装置は、磁性体が武器であるかを精度よく判断できる。
第一態様において、二つの前記第一磁気センサを更に備え、二つの前記第一磁気センサは互いに前記第一方向に前記所定距離離れて設けられ、前記制御部は、前記定位置時成分取得処理において、前記最近接時成分取得処理で一方の前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得した場合に他方の前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を、前記所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分として取得してもよい。この場合、磁気検出装置は、所定位置が決定されるので、磁性体の位置を精度よく推定できる。
第一態様において、前記磁性体の前記第一方向の移動速度を推定する速度推定部を更に備え、前記制御部は、前記定位置時成分取得処理において、前記速度推定部により推定された前記移動速度及び前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分に基づいて前記所定位置を決定し、前記所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得してもよい。この場合、磁気検出装置は、所定位置が決定されるので、磁性体の位置を精度よく推定できる。
本発明の第二態様に係る検出方法は、特定の方向である第一方向、前記第一方向と交差する第二方向及び第三方向のうち、前記第一方向に移動する磁性体と、第一磁気センサ及び前記第一磁気センサと近接又は一体である第二磁気センサの少なくとも一方との距離を、前記第一磁気センサ及び前記第二磁気センサを用いて推定する検出方法であって、前記第一磁気センサは、磁界の前記第一方向の成分である第一磁界成分を測定可能であり、前記第二磁気センサは、前記磁界の前記第二方向の成分である第二磁界成分、及び、前記磁界の前記第三方向の成分である第三磁界成分の少なくとも何れか一方を含む可能磁界成分を測定可能であり、前記第一方向に移動する前記磁性体が前記第一磁気センサに最も近接したときの前記磁性体の位置である最近接位置を通過した時機を検出する最近接検知工程と、前記時機に前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分、及び、前記第二磁気センサが測定した前記可能磁界成分を取得する最近接時成分取得工程と、前記最近接位置から前記第一方向に所定距離離れた前記磁性体の位置である所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得する定位置時成分取得工程と、前記最近接時成分取得工程及び前記定位置時成分取得工程の夫々で取得した前記第一磁界成分に基づいて、前記磁性体と前記第一磁気センサとの前記第三方向の距離である第三方向距離を推定する距離推定工程と、前記距離推定工程で推定した前記第三方向距離、及び、前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記可能磁界成分の少なくとも一方に基づいて、磁気モーメントの大きさを推定する磁気モーメント量推定工程と、を含むことを特徴とする。
第二態様において、前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記可能磁界成分に基づき、前記磁性体の前記磁気モーメントの姿勢角を推定する姿勢角推定工程を更に含み、前記磁気モーメント量推定工程において、更に前記姿勢角推定工程で推定した前記姿勢角に基づいて、前記磁気モーメントの大きさを推定してもよい。
第二態様において、前記可能磁界成分は、前記第二磁界成分及び前記第三磁界成分を含み、前記姿勢角推定工程において、前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記第二磁界成分に基づいて前記姿勢角の前記第三方向を軸とした回転方向の成分である第一回転角と、前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記第三磁界成分に基づいて前記姿勢角の前記第二方向を軸とした回転方向の成分である第二回転角とを推定し、前記磁気モーメント量推定工程において、前記姿勢角推定工程で推定した前記第一回転角と、前記距離推定工程で推定した前記第三方向距離と、前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記第二磁界成分の何れかと、に基づいて、前記磁気モーメントの前記第一方向と前記第二方向とを含む平面に投影した成分である第一磁気モーメント成分を推定し、前記姿勢角推定工程で推定した前記第二回転角と、前記距離推定工程で推定した前記第三方向距離と、前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記第三磁界成分の何れかと、に基づいて、前記磁気モーメントの前記第一方向と前記第三方向とを含む平面に投影した成分である第二磁気モーメント成分を推定し、前記第一磁気モーメント成分及び前記第二磁気モーメント成分に基づいて前記磁気モーメントの大きさを推定してもよい。
第二態様において、前記磁気モーメント量推定工程で推定された前記磁気モーメントの大きさが予め決められた閾値以上の大きさの場合、前記磁性体が武器であると判断する武器判断工程を更に含んでもよい。
第二態様において、前記定位置時成分取得工程において、互いに前記所定距離離れた二つの前記第一磁気センサを用いて、前記最近接時成分取得工程で一方の前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得した場合に他方の前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を、前記所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分として取得してもよい。
第二態様において、前記定位置時成分取得工程において、前記第一方向に移動する前記磁性体が移動する移動速度を推定可能な速度推定部が推定した前記移動速度及び前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分に基づいて前記所定位置を決定し、前記所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得してもよい。
本発明の第三態様に係る検出プログラムは、第二態様に係る前記検出方法をコンピュータが実行する。
第二態様及び第三態様によれば、第一態様と同様の効果を奏することができる。
磁気検出装置1の概要を示す図である。 磁気検出装置1の電気的構成を示す図である。 センサ部2と磁性体90の位置の関係を示す図である。 磁性体90の磁気モーメントの姿勢角を示す図である。 メイン処理を示すフローチャートである。 所定周期で取得される磁界のX方向の成分の絶対値における時間変化を示す図である。
<磁気検出装置1の概要>
本発明に係る磁気検出装置1の一実施形態について、図面を参照して説明する。磁気検出装置1は、磁性体90の位置、及び、磁性体90の磁気モーメントの大きさを推定可能な装置である。図1に示すように、磁気検出装置1は、センサ部2、及び、制御部3を備える。制御部3は水平方向に延びる略直方体形状である。センサ部2は、制御部3上面から上方に延びる略直方体形状である。センサ部2は、複数の表示部6を備える。複数の表示部6は、点灯または点滅可能であり、センサ部2の表面に上下方向に並んで設けてある。磁気検出装置1は、ネットワーク99を介して、ディスプレイ21を備える汎用のパーソナルコンピュータ(PC)20、点灯または点滅可能な警告灯30、監視カメラ40等と通信可能である。
<磁気検出装置1の電気的構成>
図2に示すように、センサ部2は、磁気センサP(1)、P(2)・・・P(n)(nは自然数)(総称して「磁気センサP」という。)、及び、磁気センサQ(1)、Q(2)・・・Q(n)(総称して「磁気センサQ」という。)を備える。磁気センサP、Qは、例えば、アモルファス磁性ワイヤの磁気インピーダンス効果(Magneto-Impedance element MI効果)を利用した周知のMIセンサである。
磁気センサP、Qは、磁界における特定の方向の成分の大きさを選択的に測定可能である。磁気センサP、Qは、測定可能な磁界の成分の方向が夫々直交する三つのセンサを有する三軸センサ(三次元センサ)である。本実施形態において、磁気センサP、Qが測定可能な磁界の成分の方向は、相互に直交するX方向、Y方向、Z方向である。Y方向は上下方向と平行である。X方向及びZ方向は、水平方向と平行である。磁性体90は、X方向に沿って移動する。磁気センサP、Qは、測定した磁界の各方向の成分の大きさを示す値(以下、「測定値」という。)を示す信号を、制御部3に出力する。
磁気センサP(1)、P(2)・・・P(n)は、Y方向に等間隔に並ぶ。磁気センサQ(1)、Q(2)・・・Q(n)は、Y方向に等間隔に並ぶ。磁気センサP(j)(jは1以上、n以下の自然数)と、磁気センサQ(j)とは、X方向に所定の間隔をあけて並ぶ。磁気センサP(j)と、磁気センサQ(j)との距離を、Δと表記する。
制御部3は、CPU11、ROM12、RAM13、記憶装置14、通信インターフェース(通信I/F)15、及び、入出力インターフェース(入出力I/F)16を備える。CPU11、ROM12、RAM13、記憶装置14、及び、通信I/F15は、データバス17を介して入出力I/F16に電気的に接続する。CPU11は、磁気検出装置1の制御を司る。CPU11は、記憶装置14が記憶するプログラムに基づき、メイン処理(図5参照)を実行する。メイン処理では、磁気センサP、Qが出力する信号が示す測定値(以下、「磁気センサP、Qが検出する測定値」と言い換える。)に基づき、磁性体90の位置、及び、磁性体90の磁気モーメントの大きさを推定する。ROM12は、後述の閾値等の各種パラメータを記憶する。RAM13は、CPU11の演算結果、ポインタ、カウンタ、後述の測定値テーブル等を一時的に記憶する。記憶装置14は不揮発性であり、各種プログラム等を記憶する。通信I/F15は、ネットワーク99を介して、PC20、警告灯30、及び、監視カメラ40と通信する為のインターフェース素子である。入出力I/F16は、センサ部2に電気的に接続する。
<座標系>
磁気検出装置1において、磁気センサP(1)、P(2)・・・P(n)、及び、磁気センサQ(1)、Q(2)・・・Q(n)から対象センサ及び補償センサが選定される。対象センサは、磁性体90からの距離が最も短い磁気センサである。補償センサは、対象センサからX方向に距離Δ離れた磁気センサである。磁気検出装置1は、対象センサ及び補償センサを用いて、磁性体90の位置、及び、磁性体90の磁気モーメントの大きさを推定する。以下説明では、対象センサを磁気センサP(j)とし、補償センサを磁気センサQ(j)とする。
図3(A)に示すように、磁性体90の位置を示すための座標系の原点Oは、対象センサ(磁気センサP(j))の位置とする。磁性体90は原点OからX方向に距離x、Y方向に距離y、Z方向に距離z離れた座標(x,y,z)にあるとする。Y方向に並ぶ磁気センサP(1)、P(2)・・・P(n)のうち、磁性体90とのY方向の距離が最も短いのは、磁気センサP(j)である。本実施形態において、距離y=0とする。図3(B)に示すように、X方向に沿って移動する磁性体90が磁気センサP(j)に最も近接したとき、距離x=0となる。距離x=0、距離y=0となる場合の磁性体90の位置を、「最近接位置」という。
<姿勢角>
磁性体90は、所定の姿勢でX方向に移動する。磁性体90は、Y方向を軸に回転角θ、及び、Z方向を軸に回転角φで傾斜する。回転角θ、φで傾斜した姿勢を姿勢角という。本実施形態において、図4に示すように、磁性体90の磁気モーメントの姿勢角は、磁性体90の姿勢角と略等しいとする。磁気モーメントベクトルを、m´と表記する。磁気モーメントベクトルm´のXY平面に投影した成分(以下、「磁気モーメントXY成分」という。)を、m´と表記する。磁気モーメントベクトルm´のXZ平面に投影した成分(以下、「磁気モーメントXZ成分」という。)を、m´と表記する。
<磁性体90の位置の推定方法>
磁性体90の位置の推定方法について説明する。磁性体90が持つ磁気モーメントが作る三次元空間の磁場分布は、式(1)で示される。なお、磁性体90が持つ磁気モーメントが作る磁束密度ベクトルを、Bと表記する。磁性体90が持つ磁気モーメントからの距離ベクトルを、r´と表記する。距離ベクトルr´の大きさ(以下、「磁性体90が持つ磁気モーメントからの距離」という。)を、rと表記する。
Figure 0006739130
座標系の原点Oを対象センサの位置とし、磁性体90は原点OからX方向に距離x、Y方向に距離y、Z方向に距離z離れた座標(x,y,z)にあるとする。上記の通り、磁性体90と対象センサとのY方向の距離y=0である。磁性体90が座標(x,0,z)にある場合を想定する。磁気モーメントXY成分m´が作る三次元空間の磁場分布のうち、X方向の成分の大きさとY方向の成分の大きさは、式(2)(3)で示される。なお、対象センサが検出する磁束密度ベクトルBのX方向の成分の大きさを、Bと表記する。対象センサが検出する磁束密度ベクトルBのY方向の成分の大きさを、Bと表記する。磁気モーメントXY成分m´の大きさを、mと表記する。磁気モーメントXY成分m´は、m´=m(cosθ,sinθ,0)であり、磁性体90が持つ磁気モーメントから対象センサまでの距離rは、r=(x+z1/2である。
Figure 0006739130
Figure 0006739130
式(2)により、磁束密度ベクトルBのX方向の成分の大きさBが最大となるのは磁性体90が最近接位置にあるとき(座標(0,0,z))である。磁性体90が最近接位置にある場合の磁束密度ベクトルBの、X方向の成分の大きさとY方向の成分の大きさは、式(2)(3)に基づき、式(4)(5)で示される。磁性体90が最近接位置にある場合の対象センサが検出する磁束密度ベクトルBのX方向の成分の大きさを、BX0と表記する。磁性体90が最近接位置にある場合の対象センサが検出する磁束密度ベクトルBのY方向の成分の大きさを、BY0と表記する。
Figure 0006739130
Figure 0006739130
式(2)(4)により、BをBX0により規格化した場合、式(6)で示される。
Figure 0006739130
最近接位置(座標(0,0,z))からX方向に距離Δ離れた磁性体90の位置(座標(Δ,0,z))を、所定位置という。所定位置にある磁性体90が持つ磁気モーメントからの距離rは、r=(Δ+z1/2である。磁性体90が所定位置にある場合の磁束密度ベクトルBのX方向の成分を、BXΔと表記する。BXΔをBX0により規格化したBXΔ/BX0を、Rと表記する。式(6)において、右辺第二項が右辺第一項よりも極めて小さいとして無視することによって、距離zは、式(7)で示される。
Figure 0006739130
また距離zは、式(7)の計算以外の方法で求めることができる。例えば磁性体90が最近接位置にある場合の磁束密度ベクトルであるベクトルBと磁性体90が所定位置にある場合の磁束密度ベクトルであるベクトルBΔとがなす角度を計算し、三角法で距離zを求めることも可能である。
式(7)等により、距離Δの大きさが既知であれば、磁性体90が最近接位置にあるときの磁束密度ベクトルBのX方向の成分BX0、及び、磁性体90が所定位置にあるときの磁束密度ベクトルのX方向の成分BXΔから、距離zを推定できる。なお、説明は省略するが、同様の方法によって磁気モーメントXZ成分m´が作る磁束密度ベクトルから、同じ結果、式(7)を得ることができる。
<距離Δを決定する為の方法>
距離Δを決定する為の方法を三つ例示する。第一の方法は次の通りである。磁界のX方向の成分を測定可能な磁気センサがX方向に二つ並べられる。このときの、二つの磁気センサのX方向の間隔を距離Δの大きさとする。磁性体90が二つの磁気センサのうち一方の磁気センサに対する最近接位置にあるとき、一方の磁気センサの測定値はBX0を示す。このとき、磁性体90は、二つの磁気センサのうち他方の磁気センサに対して所定位置にある。他方の磁気センサの測定値はBXΔである。よって、式(7)等により、距離zを推定できる。
第二の方法は次の通りである。磁界のX方向の成分を測定可能な磁気センサがX方向に二つ並べられる。二つの磁気センサの夫々の測定値の時間変化が記憶される。二つの磁気センサのうち一方の磁気センサの測定値が最大を示したときと、二つの磁気センサのうち他方の磁気センサの測定値が最大を示したときとの時間差から、磁性体90の移動速度が推算される。一方の磁気センサの測定値が最大を示したときから所定時間経過したときの磁性体90の位置が所定位置とされ、所定時間と推算された磁性体90の移動速度から距離Δが決定される。これにより、一方の磁気センサにおける、最大値であるBX0と、BX0を示したときから所定時間経過後の測定値であるBXΔとに基づき、式(7)等により、距離zを推定できる。
第三の方法は次の通りである。磁界のX方向の成分を測定可能な磁気センサの周囲に、二つのフォトインタラプタがX方向に並べられる。フォトインタラプタは、対向する発光部と受光部とを備える。X方向に移動する磁性体90が発光部と受光部との間を通過すると、フォトインタラプタは信号を出力する。二つのフォトインタラプタのうち一方が信号を出力したときと、二つのフォトインタラプタのうち他方が信号を出力したときとの時間差から、磁性体90の移動速度が推算される。磁気センサの測定値の時間変化が記憶される。磁気センサの測定値が最大値を示したときから所定時間経過したときの磁性体90の位置が所定位置とされ、当該所定時間と推算された磁性体90の移動速度から距離Δが決定される。これにより、磁気センサにおける、最大値であるBX0と、BX0を示したときから所定時間経過後の測定値であるBXΔとに基づき、式(7)等により、距離zを推定できる。
<距離zに基づく磁気モーメントの大きさの推定方法>
磁気モーメントベクトルm´の大きさの推定方法について説明する。以下、磁気モーメントベクトルm´の大きさを、単に磁気モーメントの大きさという。姿勢角がθ=90度、φ=0度である場合、式(1)により、磁気モーメントベクトルm´と距離ベクトルr´とがなす角が90度であるので、磁束密度ベクトルBは、式(8)で示される。
Figure 0006739130
式(8)において、磁性体90が最近接位置にある場合、r=zとなる。この場合に、式(8)により、磁束密度ベクトルBのX方向の成分、Y方向の成分、及び、Z方向の成分の夫々の大きさが分かれば、磁気モーメントベクトルm´のX方向の成分、Y方向の成分、及び、Z方向の成分の夫々の大きさを推定できる。磁気モーメントベクトルm´の各方向の成分の大きさに基づいて、磁気モーメントの大きさを推定できる。例えば、磁気モーメントベクトルm´の各方向の成分の大きさを二乗し、足しあわせた和の平方根から、磁気モーメントの大きさを推定できる。
<姿勢角の推定方法>
式(8)において、θ=90度、φ=0度としているが、磁性体90の磁気モーメントの姿勢角はこれに限定されない。磁気モーメントの姿勢角の推定方法について説明する。磁性体90が最近接位置にあるとき、姿勢角の成分である回転角θは、式(4)(5)より、式(9)で示される。
Figure 0006739130
姿勢角の成分である回転角φについても同様に推定される。磁性体90の磁気モーメントXZ成分m´が作る三次元空間の磁場分布のうち、X方向の成分の大きさとZ方向の成分の大きさは、式(10)(11)で示される。なお、対象センサが検出する磁束密度ベクトルBのZ方向の成分の大きさを、Bと表記する。磁気モーメントXZ成分m´の大きさを、mと表記する。磁気モーメントXZ成分は、m´=m(cosφ,0,sinφ)である。
Figure 0006739130
Figure 0006739130
式(10)により、Bが最大となるのは、磁性体90が最近接位置にあるときである。磁性体90が最近接位置にある場合の磁束密度ベクトルBの、X方向の成分の大きさとZ方向の成分の大きさは、式(10)(11)に基づき、式(12)(13)で示される。磁性体90が最近接位置にある場合の対象センサが検出する磁束密度ベクトルBのZ方向の成分の大きさを、BZ0と表記する。
Figure 0006739130
Figure 0006739130
磁性体90が最近接位置にあるとき、磁性体90が持つ磁気モーメントからの距離rは、r=zである。これにより、姿勢角の成分である回転角φは、式(12)(13)によって、式(14)で示される。
Figure 0006739130
<磁気モーメントXY成分の大きさmの推定方法>
磁気モーメントXY成分の大きさmの推定方法について説明する。式(4)(5)により、磁性体90が最近接位置にある場合、磁束密度ベクトルBのX方向の成分の大きさBX0、Y方向の成分の大きさBY0の夫々の絶対値は、式(15)(16)で示される。
Figure 0006739130
Figure 0006739130
a=abs(tanθ)とすると、cosθ及びsinθの夫々の絶対値は、式(17)(18)で示される。
Figure 0006739130
Figure 0006739130
式(7)等で推定された距離z、及び、式(9)で推定された回転角θに基づいて、式(15)又は式(16)により、磁気モーメントXY成分の大きさmを推定できる。本実施形態において、磁気モーメントXY成分の大きさmの推定には式(15)及び式(16)のうち推定精度が良い一方が用いられる。式(15)(16)は、abs(cosθ)が用いられるか、又はabs(sinθ)が用いられるかという点で異なる。abs(cosθ)及びabs(sinθ)のうち大きい方に基づいて推定されることにより、磁気モーメントXY成分の大きさmを精度よく推定できる。
abs(sinθ)<abs(cosθ)の場合、式(15)(17)により、磁気モーメントXY成分の大きさmは、式(19)で示される。
Figure 0006739130
abs(cosθ)<abs(sinθ)の場合、式(16)(18)により、磁気モーメントXY成分の大きさmは、式(20)で示される。
Figure 0006739130
<磁気モーメントXZ成分の大きさmの推定方法>
磁気モーメントXZ成分の大きさmの推定方法について説明する。式(12)(13)により、磁性体90が最近接位置にある場合、磁束密度ベクトルBのX方向の成分の大きさBX0、Z方向の成分の大きさBZ0の夫々の絶対値は、式(21)(22)で示される。
Figure 0006739130
Figure 0006739130
b=abs(tanφ)とすると、cosφ及びsinφの夫々の絶対値は、式(23)(24)で示される。
Figure 0006739130
Figure 0006739130
式(7)等で推定された距離z、及び、式(14)で推定された回転角φに基づいて、式(21)又は式(22)により磁気モーメントXZ成分の大きさmを推定できる。磁気モーメントXY成分の大きさmの推定と同様に、abs(cosφ)及びabs(sinφ)のうち大きい方に基づいて推定することにより、磁気モーメントXZ成分の大きさmを精度よく推定できる。
abs(sinφ)<abs(cosφ)の場合、式(21)(23)により、磁気モーメントXZ成分の大きさmは、式(25)で示される。
Figure 0006739130
abs(cosφ)<abs(sinφ)の場合、式(22)(24)により、磁気モーメントXZ成分の大きさmは、式(26)で示される。
Figure 0006739130
<姿勢角を考慮した磁気モーメントの大きさの推定方法>
磁性体90の磁気モーメントの大きさの推定方法について説明する。磁気モーメントの大きさを、mと表記する。磁気モーメントの大きさmは、磁気モーメントXY成分の大きさmと磁気モーメントXZ成分の大きさmとを合成した値である。磁気モーメントの大きさmは、式(27)で示される。
Figure 0006739130
<メイン処理>
図5を参照し、メイン処理について説明する。メイン処理は、磁性体90の位置、及び、磁性体90の磁気モーメントの大きさの推定を開始するための指示が磁気検出装置1に入力された場合、記憶装置14に記憶されたプログラムをCPU11が実行することによって開始される。
CPU11は、磁気センサP、Qが夫々検出する測定値を、所定周期で、繰り返し取得し、RAM13に記憶する(S1)。各々の測定値には、X方向の測定値、Y方向の測定値、及び、Z方向の測定値が含まれる。CPU11は、RAM13に記憶された複数の測定値に対してノイズ除去処理を実行する(S2)。ノイズ除去処理は、複数の測定値に含まれる磁性体90以外の物体による環境磁界を除去する為の処理である。本実施形態では、ノイズ除去処理においてローパスフィルタ及びハイパスフィルタが使用され、環境磁界が除去される。
CPU11は、磁性体90を検知したか判断する(S3)。S3において、CPU11は、S2で環境磁界が除去された複数の測定値の何れかが、予め決められた閾値以上であるか判定する。以下、S2で環境磁界が除去された複数の測定値を、「複数の分析値」という。各分析値には、X方向の測定値に対応するX方向の分析値、Y方向の測定値に対応するY方向の分析値、及び、Z方向の測定値に対応するZ方向の分析値が含まれる。磁気センサP、Qに対応する複数の分析値が全て閾値より小さい場合、CPU11は磁性体90を検知していないとして(S3:NO)、処理をS1に戻す。磁気センサP、Qに対応する複数の分析値の何れかが閾値以上である場合、CPU11は磁性体90を検知したとして(S3:YES)、処理をS4に移行する。
CPU11は、センサ決定処理を実行する(S4)。S4において、CPU11は、磁気センサP、Qの中から、対象センサと補償センサを決定する。CPU11は、磁気センサP(1)、P(2)・・・P(n)のうちで、Y方向の分析値の絶対値が最大となる磁気センサPを選定する。Y方向の分析値の絶対値が最大となる磁気センサPが磁気センサP(j)である場合、磁気センサP(j)と磁気センサQ(j)のX方向の分析値の絶対値の大小を比較する。CPU11は、X方向の分析値の絶対値の大きい方を対象センサに決定し、小さい方を補償センサに決定する。
CPU11は、磁性体90が対象センサに対する最近接位置を通過したか判断する(S5)。式(2)(10)により、磁性体90が最近接位置にあるとき、磁性体90が作る磁界のX方向の成分の絶対値が最大となる。換言すると、磁性体90が最近接位置にあるとき、X方向の分析値の絶対値が最大となる。図6は、対象センサが検出したX方向の分析値の絶対値の時間変化を示すグラフである。グラフにおいて、X方向の分析値の絶対値が極大値となる時機が、磁性体90が最近接位置に位置する時機tとされる。対象センサにおいてX方向の分析値の絶対値における時間変化に極大値がない場合、CPU11は磁性体90が最近接位置を通過していないとして(S5:NO)、処理をS1に戻す。対象センサにおいてX方向の分析値の絶対値における時間変化に極大値がある場合、CPU11は磁性体90が最近接位置を通過したとして(S5:YES)、処理をS6に移行する。
CPU11は、最近接時成分取得処理を実行する(S6)。最近接時成分取得処理において、磁性体90が対象センサに対して最近接位置にあるとき(時機t)に対象センサが検出する分析値が取得される。CPU11は、処理をS7に移行する。
CPU11は、定位置時成分取得処理を実行する(S7)。定位置時成分取得処理において、磁性体90が補償センサに対して所定位置にあるときに補償センサが検出する分析値が取得される。対象センサと補償センサとは、X方向に距離Δ離れて配置される。上記した距離Δを決定する為の第一の方法により対象センサが最近接時成分を検出したとき、磁性体90は補償センサに対して所定位置にある。即ち、定位置時成分取得処理(S7)において、時機tに補償センサが検出する分析値が取得される。CPU11は、処理をS8に移行する。
CPU11は、位置推定処理を実行する(S8)。位置推定処理では、S6で取得された最近接時成分のX方向の分析値、S7で取得された定位置時成分のX方向の分析値、及び、ROM12に記憶された距離Δが、式(6)に代入される。CPU11は、各値が代入された式(6)を変形し、式(7)を導出する。これによって、CPU11は距離zを推定する。CPU11は、処理をS9に移行する。またzは前述の三角法を用いてもよい。
CPU11は、姿勢角推定処理を実行する(S9)。姿勢角推定処理では、S6で取得された最近接時成分のX方向の分析値、Y方向の分析値、及び、Z方向の分析値のうちの二つが、式(9)(14)に代入される。これによって、CPU11は回転角θ、φを夫々推定する。CPU11は、処理をS10に移行する。
CPU11は、磁気モーメント量推定処理を実行する(S10)。磁気モーメント量推定処理では以下の処理が実行される。S6で取得された最近接時成分のX方向の分析値、Y方向の分析値、S8で推定された距離z、及び、S9で推定された回転角θが、式(15)から式(18)に代入される。各値が代入された式(15)から式(18)により、式(19)(20)が導出される。回転角θに基づき、式(19)(20)の一方から磁気モーメントXY成分の大きさmが推定される。S6で取得された最近接時成分のX方向の分析値、Z方向の分析値、S8で推定された距離z、及び、S9で推定された回転角φが、式(21)から式(24)に代入される。各値が代入された式(21)から式(24)により、式(25)(26)が導出される。回転角φに基づき、式(25)(26)の一方から磁気モーメントXZ成分の大きさmが推定される。推定された磁気モーメントXY成分の大きさm、及び、磁気モーメントXZ成分の大きさmが、式(27)に代入される。これによって、磁気モーメントの大きさmが推定される。
CPU11は、推定された磁気モーメントの大きさmに基づき、磁性体90が武器であるか判断する(S11)。磁極の強さをq、磁極間距離をdと夫々表記すると、磁気モーメントの大きさmはm=qdとなる。武器の磁極間距離dは、武器ではない物体(例えば、日用品に含まれる磁石等)の磁極間距離dと比して大きい。よって、武器の磁気モーメントの大きさmは、武器ではない物体の磁気モーメントの大きさmと比して大きい。S11において、推定された磁気モーメントの大きさmが予め決められた閾値以上である場合、CPU11は磁性体90が武器であると判断する。S11において、推定された磁気モーメントの大きさmが予め決められた閾値よりも小さい場合、CPU11は磁性体90が武器でないと判断する。
磁性体90が武器でないと判断された場合(S11:NO)、CPU11は処理をS1に戻す。磁性体90が武器であると判断された場合(S11:YES)、CPU11は警告信号を出力する(S12)。警告信号は表示部6、及び、通信I/F15を介して、PC20、警告灯30、監視カメラ40等に出力される。表示部6は警告信号の受信に応じて、点灯または点滅する。PC20は警告信号の受信に応じて、例えば磁気検出装置1の近くに武器があることを通知する通知画面を、ディスプレイ21に表示する。警告灯30は警告信号の受信に応じて点滅する。監視カメラ40は警告信号の受信に応じて、例えばS8で推定された位置を撮影する。CPU11は処理をS1に戻す。CPU11はS1からS12を繰り返し実行する。
<本実施形態の主たる作用、効果>
以上のように、磁気検出装置1は磁気センサP、Qを備える。磁気センサP、Qは、三つのセンサを有する三軸センサであり、夫々、磁界のX方向の成分、Y方向の成分、Z方向の成分の夫々の大きさを選択的に測定可能である。磁気検出装置1のCPU11は、磁性体90が対象センサに対する最近接位置を通過した時機tを検出する(S5)。CPU11は、時機tで対象センサにより検出されたX方向の分析値、Y方向の分析値、及び、Z方向の分析値を夫々取得する(S6)。CPU11は、時機tで補償センサにより検出されたX方向の分析値を取得する(S7)。CPU11は、S6で取得されたX方向の分析値、及び、S7で取得されたX方向の分析値に基づいて、距離zを推定する(S8)。CPU11は、S6で取得されたX方向の分析値、Y方向の分析値、及び、Z方向の分析値の何れか、及び、S8で推定された距離zに基づいて、磁気モーメントの大きさmを推定する(S10)。よって、磁気検出装置1は、磁性体90の磁気モーメントの大きさmを精度良く推定できる。
CPU11は、S6で取得されたX方向の分析値、Y方向の分析値、及び、Z方向の分析値のうちの二つに基づいて、姿勢角の成分である回転角θ、φを夫々推定する(S9)。CPU11は、S6で取得されたX方向の分析値、Y方向の分析値、及び、Z方向の分析値の何れか、S8で推定された距離z、及び、S9で推定された回転角θ及び回転角φの少なくとも一方に基づいて、磁気モーメントの大きさmを推定する(S10)。この場合、磁気検出装置1は、推定された磁性体90の位置及び姿勢角に基づいて磁気モーメントの大きさmを推定する。よって、磁気検出装置1は、磁性体90の磁気モーメントの大きさmを精度良く推定できる。
CPU11は、S9において、回転角θ、φを夫々推定する。CPU11は、S10において、S6で取得されたX方向の分析値、及び、Y方向の分析値の何れか一方、S8で推定された距離z、及び、S9で推定された回転角θに基づいて、磁気モーメントXY成分の大きさmを推定する。CPU11は、S10において、S6で取得されたX方向の分析値、及びZ方向の分析値の何れか一方、S8で推定された距離z、及び、S9で推定された回転角φに基づいて、磁気モーメントXZ成分の大きさmを推定する。CPU11は、S10において、推定された磁気モーメントXY成分の大きさm、及び磁気モーメントXZ成分の大きさmに基づいて、磁気モーメントの大きさmを推定する。
CPU11は、推定された磁気モーメントの大きさmに基づいて、磁性体90が武器であるか判断する(S11)。この場合、磁気検出装置1は、精度良く推定した磁性体90の磁気モーメントの大きさに基づき、磁性体90が武器であるか判断する。よって、磁気検出装置1は、磁性体90が武器であるかを精度よく判断できる。
磁気センサP(j)と磁気センサQ(j)とは、X方向に所定の距離Δをあけて並ぶ。CPU11は、対象センサが時機tで検出したX方向の分析値、Y方向の分析値、及びZ方向の分析値を夫々取得した場合に(S6)、補償センサが時機tで検出したX方向の分析値を取得する(S7)。この場合、磁性体90の補償センサに対する所定位置が決定されるので、磁性体90の位置を精度よく推定できる。
<その他>
X方向は、本発明の「第一方向」の一例である。Y方向は、本発明の「第二方向」の一例である。Z方向は、本発明の「第三方向」の一例である。磁気センサP、Qが夫々有する三つのセンサのうち、磁界のX方向の成分の大きさを測定可能なセンサは、本発明の「第一磁気センサ」の一例である。磁気センサP、Qが夫々有する三つのセンサのうち、磁界のY方向の成分、Z方向の成分の大きさを夫々測定可能な二つのセンサは、本発明の「第二磁気センサ」の一例である。距離(Δ+z1/2は、本発明の「所定距離」の一例である。距離zは、本発明の「第三方向距離」の一例である。回転角θは、本発明の「第一回転角」の一例である。回転角φは、本発明の「第二回転角」の一例である。磁気モーメントXY成分の大きさmは、本発明の「第一磁気モーメント成分」の一例である。磁気モーメントXZ成分の大きさmは、本発明の「第二磁気モーメント成分」の一例である。CPU11が実行するS11は、本発明の「武器判断処理」の一例である。
<変形例>
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。磁気検出装置1は、センサ部2と制御部3が別体となった構造を有していてもよい。この場合、制御部3はPCやワークステーション等のコンピュータシステムでもよい。
磁気センサP、Qの数は限定されない。Y方向に配列される磁気センサP、Qの間隔は等間隔でなくてもよい。磁気センサP(j)と磁気センサQ(j)の間隔は、所定の距離Δでなくてもよい。磁気センサP、Qは、MIセンサに限定されず、磁界の特定方向の成分の大きさを選択的に検出可能な他の磁気センサであってもよい。磁気センサP、Qは、三つのセンサを有する三軸センサではなく、二つのセンサを有する二軸センサであってもよい。磁気センサP、Qのうち一方は、磁界のX方向の成分のみを測定可能であってもよい。この場合、磁界のX方向の成分のみを測定可能な一方の磁気センサを補償センサ、他方の磁気センサを対象センサとしてもよい。磁性体90の位置、及び、磁気モーメントの推定が行われる場合において、対象センサ、補償センサ以外の磁気センサP、Qの分析値が参照されてもよい。
磁気センサP、Qは、測定可能な磁界の成分の方向が夫々直交しなくてもよい。磁界の各方向の成分の大きさは、磁気センサP、Qを構成する複数のセンサの測定値に基づいて検出されてもよい。磁性体90の移動方向は、X方向に沿った方向に限定されず、任意の方向であってもよい。この場合、磁気検出装置1は、磁性体90の移動方向のうちX方向に沿った成分に基づき、磁性体90の位置、及び、磁性体90の磁気モーメントの大きさmを推定できる。
メイン処理を実行させる為の指令を含むプログラムは、CPU11がプログラムを実行する前に記憶装置14に記憶すればよい。プログラムの取得方法、取得経路及びプログラムを記憶する機器の各々は、適宜変更されてもよい。CPU11が実行するプログラムは、ケーブル又は無線通信を介して、他の装置から受信され、不揮発性メモリ等の記憶装置に記憶されてもよい。他の装置は、例えば、ネットワーク99を介して接続されるサーバを含む。
メイン処理の各ステップの一部又は全部は、他の電子機器(例えば、ASIC)が実行してもよい。メイン処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び、追加ができる。制御部3上で稼動しているオペレーティングシステム(OS)等が、CPU11からの指令によりメイン処理の一部又は全部を行う態様も、本発明の範囲に含まれる。例えば、メイン処理に以下の変更が適宜加えられてもよい。
S2が省略され、磁気センサP、Qにより検出された測定値から磁性体90の位置、及び、磁性体90の磁気モーメントの大きさが推定されてもよい。S3、S4は省略されてもよい。この場合、S5において極大値を示した磁気センサのうちで、極大値が最大となる磁気センサが対象センサとなる。磁気センサP、Qの一方を対象センサ、他方を補償センサと予め決定されてもよい。この場合、S4における処理が簡略化される。
S5において、磁性体90が対象センサに対する最近接位置を通過したかの判断は、上記実施形態に限定されない。例えば、磁気検出装置1は動画を撮影可能なカメラを備えてもよい。カメラにより撮影された動画における磁性体90の移動の軌跡から、最近接位置を通過したかが判断されてもよい。
S6での定位置時成分は、別の方法で取得されてもよい。例えば、距離Δを決定する方法として例示された第二の方法、又は第三の方法が用いられてもよい。第二の方法、及び、第三の方法では、磁性体90の移動速度が推定され、推定された移動速度に基づいて所定位置が決定される。第三の方法が用いられる場合、磁気検出装置1は、磁性体90の移動速度を推定する為の二つのフォトインタラプタを備え、磁気センサP、Qの一方を備えなくてもよい。この場合、二つのフォトインタラプタは、本発明の「速度推定部」の一例である。尚、第三の方法が用いられる場合、磁性体90の移動速度を推定する為に、二つのフォトインタラプタではなく、レーダーによる速度計測器等が用いられてもよい。
座標系は上記実施形態に限定されない。例えば、Y方向において、地面の位置をy=0としてもよい。S8において、距離z以外に距離x、距離yが推定されてもよい。距離xは、例えば距離Δを決定する方法として例示された第二の方法、又は第三の方法で磁性体90の移動速度が推定され、推定された移動速度に基づいて推定されてもよい。例えば磁気検出装置1が地面に設置された場合、夫々の磁気センサの地面からの高さの情報が予めROM12に記憶されてもよい。距離yは、対象センサの地面からの高さの情報に基づいて推定されてもよい。距離x、y、zの情報がS12で出力される警告信号に含められてもよい。この場合、例えば、PC20のディスプレイ21に磁性体90の位置の情報が表示され、推定された磁性体90の位置が監視カメラ40により撮影されてもよい。
S9において、回転角θ、φの何れか一方のみが推定されてもよい。S10において、磁気モーメントXY成分の大きさm、及び、磁気モーメントXZ成分の大きさmの何れか一方のみが推定されてもよい。また、S10において、磁性体90が最近接位置にある場合(r=z)に取得された最近接時成分に基づき、式(8)により、磁気モーメントの大きさmを推定してもよい。この場合、S9は省略されてもよい。磁気モーメントの大きさmの推定は上記実施形態に限定されない。例えば、磁気モーメントXY成分の大きさm、及び、磁気モーメントXZ成分の大きさmのうち大きい一方が、磁気モーメントの大きさmとされてもよい。磁気モーメントXY成分の大きさmと、磁気モーメントXZ成分の大きさmとの相加平均、又は相乗平均であってもよい。S11、S12は省略されてもよい。
1 :磁気検出装置
4、5 :磁気センサ
11 :CPU

Claims (13)

  1. 特定の方向である第一方向、前記第一方向と交差する第二方向及び第三方向のうち、前記第一方向に移動する磁性体の磁気モーメントによる磁界を検出可能な磁気検出装置であって、
    前記磁界の前記第一方向の成分である第一磁界成分を測定可能な第一磁気センサと、
    前記第一磁気センサと近接又は一体であって、前記磁界の前記第二方向の成分である第二磁界成分、及び、前記磁界の前記第三方向の成分である第三磁界成分の少なくとも何れか一方を含む可能磁界成分を測定可能な第二磁気センサと、
    制御部と、
    前記制御部により実行されるプログラムを記憶した記憶部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記記憶部に記憶した前記プログラムを実行することにより、
    前記第一方向に移動する前記磁性体が前記第一磁気センサに最も近接したときの前記磁性体の位置である最近接位置を通過した時機を検出する最近接検知処理と、
    前記時機に前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分、及び、前記第二磁気センサが測定した前記可能磁界成分を取得する最近接時成分取得処理と、
    前記第一磁気センサの位置から所定距離離れた所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得する定位置時成分取得処理と、
    前記最近接時成分取得処理及び前記定位置時成分取得処理の夫々で取得した前記第一磁界成分に基づいて、前記磁性体と前記第一磁気センサとの前記第三方向の距離である第三方向距離を推定する距離推定処理と、
    前記距離推定処理で推定した前記第三方向距離、及び、前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記可能磁界成分の少なくとも一方に基づいて、前記磁気モーメントの大きさを推定する磁気モーメント量推定処理と、
    を実行することを特徴とする磁気検出装置。
  2. 前記制御部は、
    前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記可能磁界成分に基づき、前記磁気モーメントの姿勢角を推定する姿勢角推定処理を更に実行し、
    前記磁気モーメント量推定処理において、更に前記姿勢角推定処理で推定した前記姿勢角に基づいて、前記磁気モーメントの大きさを推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気検出装置。
  3. 前記可能磁界成分は、前記第二磁界成分及び前記第三磁界成分を含み、
    前記制御部は、
    前記姿勢角推定処理において、
    前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記第二磁界成分に基づいて、前記姿勢角の前記第三方向を軸とした回転方向の成分である第一回転角を推定し、
    前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記第三磁界成分に基づいて、前記姿勢角の前記第二方向を軸とした回転方向の成分である第二回転角を推定し、
    前記磁気モーメント量推定処理において、
    前記姿勢角推定処理で推定した前記第一回転角と、前記距離推定処理で推定した前記第三方向距離と、前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記第二磁界成分の何れかと、に基づいて、前記磁気モーメントの前記第一方向と前記第二方向とを含む平面に投影した成分である第一磁気モーメント成分を推定し、
    前記姿勢角推定処理で推定した前記第二回転角と、前記距離推定処理で推定した前記第三方向距離と、前記最近接時成分取得処理で取得した前記第一磁界成分及び前記第三磁界成分の何れかと、に基づいて、前記磁気モーメントの前記第一方向と前記第三方向とを含む平面に投影した成分である第二磁気モーメント成分を推定し、
    前記第一磁気モーメント成分及び前記第二磁気モーメント成分に基づいて前記磁気モーメントの大きさを推定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の磁気検出装置。
  4. 前記制御部は、
    前記磁気モーメント量推定処理で推定された前記磁気モーメントの大きさが予め決められた閾値以上の大きさの場合、前記磁性体が武器であると判断する武器判断処理を更に実行することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の磁気検出装置。
  5. 二つの前記第一磁気センサを備え、
    二つの前記第一磁気センサは互いに前記第一方向に前記所定距離離れて設けられ、
    前記制御部は、
    前記定位置時成分取得処理において、
    前記最近接時成分取得処理で一方の前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得した場合に他方の前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を、前記所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分として取得する
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の磁気検出装置。
  6. 前記磁性体の前記第一方向の移動速度を推定する速度推定部を更に備え、
    前記制御部は、
    前記定位置時成分取得処理において、
    前記速度推定部により推定された前記移動速度及び前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分に基づいて前記所定位置を決定し、前記所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得する
    ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の磁気検出装置。
  7. 特定の方向である第一方向、前記第一方向と交差する第二方向及び第三方向のうち、前記第一方向に移動する磁性体と、第一磁気センサ及び前記第一磁気センサと近接又は一体である第二磁気センサの少なくとも一方との距離を、前記第一磁気センサ及び前記第二磁気センサを用いて推定する検出方法であって、
    前記第一磁気センサは、磁界の前記第一方向の成分である第一磁界成分を測定可能であり、
    前記第二磁気センサは、前記磁界の前記第二方向の成分である第二磁界成分、及び、前記磁界の前記第三方向の成分である第三磁界成分の少なくとも何れか一方を含む可能磁界成分を測定可能であり、
    前記第一方向に移動する前記磁性体が前記第一磁気センサに最も近接したときの前記磁性体の位置である最近接位置を通過した時機を検出する最近接検知工程と、
    前記時機に前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分、及び、前記第二磁気センサが測定した前記可能磁界成分を取得する最近接時成分取得工程と、
    前記最近接位置から前記第一方向に所定距離離れた前記磁性体の位置である所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得する定位置時成分取得工程と、
    前記最近接時成分取得工程及び前記定位置時成分取得工程の夫々で取得した前記第一磁界成分に基づいて、前記磁性体と前記第一磁気センサとの前記第三方向の距離である第三方向距離を推定する距離推定工程と、
    前記距離推定工程で推定した前記第三方向距離、及び、前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記可能磁界成分の少なくとも一方に基づいて、磁気モーメントの大きさを推定する磁気モーメント量推定工程と、
    を含むことを特徴とする検出方法。
  8. 前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記可能磁界成分に基づき、前記磁性体の前記磁気モーメントの姿勢角を推定する姿勢角推定工程を更に含み、
    前記磁気モーメント量推定工程において、更に前記姿勢角推定工程で推定した前記姿勢角に基づいて、前記磁気モーメントの大きさを推定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の検出方法。
  9. 前記可能磁界成分は、前記第二磁界成分及び前記第三磁界成分を含み、
    前記姿勢角推定工程において、
    前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記第二磁界成分に基づいて前記姿勢角の前記第三方向を軸とした回転方向の成分である第一回転角と、
    前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記第三磁界成分に基づいて前記姿勢角の前記第二方向を軸とした回転方向の成分である第二回転角とを推定し、
    前記磁気モーメント量推定工程において、
    前記姿勢角推定工程で推定した前記第一回転角と、前記距離推定工程で推定した前記第三方向距離と、前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記第二磁界成分の何れかと、に基づいて、前記磁気モーメントの前記第一方向と前記第二方向とを含む平面に投影した成分である第一磁気モーメント成分を推定し、
    前記姿勢角推定工程で推定した前記第二回転角と、前記距離推定工程で推定した前記第三方向距離と、前記最近接時成分取得工程で取得した前記第一磁界成分及び前記第三磁界成分の何れかと、に基づいて、前記磁気モーメントの前記第一方向と前記第三方向とを含む平面に投影した成分である第二磁気モーメント成分を推定し、
    前記第一磁気モーメント成分及び前記第二磁気モーメント成分に基づいて前記磁気モーメントの大きさを推定する
    ことを特徴とする請求項8に記載の検出方法。
  10. 前記磁気モーメント量推定工程で推定された前記磁気モーメントの大きさが予め決められた閾値以上の大きさの場合、前記磁性体が武器であると判断する武器判断工程を更に含んだことを特徴とする請求項7から9の何れかに記載の検出方法。
  11. 前記定位置時成分取得工程において、
    互いに前記所定距離離れた二つの前記第一磁気センサを用いて、
    前記最近接時成分取得工程で一方の前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得した場合に他方の前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を、前記所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分として取得する
    ことを特徴とする請求項7から10の何れかに記載の検出方法。
  12. 前記定位置時成分取得工程において、
    前記第一方向に移動する前記磁性体が移動する移動速度を推定可能な速度推定部が推定した前記移動速度及び前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分に基づいて前記所定位置を決定し、前記所定位置に前記磁性体があるときに前記第一磁気センサが測定した前記第一磁界成分を取得する
    ことを特徴とする請求項7から11の何れかに記載の検出方法。
  13. 請求項7から12の何れかに記載の前記検出方法をコンピュータに実行させる為の検出プログラム。
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