JP6738654B2 - 人工羽根及びシャトルコック - Google Patents

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Description

本発明は、人工羽根及びシャトルコックに関する。
従来から、水鳥の天然羽根を用いたシャトルコックの代替として、人工羽根及び人工羽根を用いたシャトルコックが知られている。このような人工羽根及び人工羽根を用いたシャトルコックの例として、国際公開2010/074234号(特許文献1)に記載の人工羽根及び人工羽根を用いたシャトルコックが知られている。
特許文献1に記載の人工羽根は、羽部と、羽部に接続された軸とを備える。羽部は、軸固定層と、発泡体層とを有している。軸は、軸固定層と発泡体層とにより、挟み込まれている。軸固定層及び発泡体層は、ポリエチレンフォーム等により形成されている。軸固定層及び発泡体層上には、両面テープが設けられている。軸固定層及び発泡体層は、両面テープを用いて、軸に固定されている。また、特許文献1には、発泡体層に代えて、不織布を採用することができる旨記載されている。なお、特許文献1に記載の軸固定層は、シャトルコックの内側に向くように配置されており、発泡体層はシャトルコックの外側に向くように配置されている。
国際公開2010/074234号
特許文献1に記載の人工羽根を用いたシャトルコックは、発泡体層を構成するポリエチレンフォーム等の強度が低い。これに起因して、特許文献1に記載の人工羽根を用いたシャトルコックには、使用時に繰り返される打撃により、軸が発泡体層を突き破って露出したり、羽が飛散してしまうという問題点がある。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。具体的には、本発明は、使用時の損傷を抑制することが可能な人工羽根及びシャトルコックを提供するものである。
本発明の一態様に係る人工羽根は、軸部材と、不織布と基材とを有し、かつ不織布と基材とにより軸部材を挟み込むように設けられた羽部材を備える。不織布は、第1の方向に沿って延びるように配列された複数の第1の繊維を含む層と、第1の繊維を含む層の一方の面上に設けられるとともに、第1の方向と異なる第2の方向に沿って延びるように配列された複数の第2の繊維を含む層とを有する。第1の繊維を含む層は第2の繊維を含む層より軸部材の近くに配置される。第1の方向と軸部材の延在方向とがなす角度は、第2の方向と軸部材の延在方向とがなす角度よりも大きい。
本発明によると、人工羽根及びシャトルコックの、使用時における羽の損傷を抑制することが可能となる。
実施形態に係る人工羽根の上面図である。 図1のII−IIにおける断面図である。 実施形態に係る人工羽根に用いられる不織布の模式図である。 実施形態に係るシャトルコックの側面図である。 実施形態に係る人工羽根の製造工程を示す工程図である。 実施形態に係るシャトルコックの製造工程を示す工程図である。 比較例に係る人工羽根の上面図である。 図7のVIII−VIIIにおける断面図である。
以下に、実施形態に係る人工羽根及びシャトルコックについて、図を参照して、説明する。なお、各図中同一または相当部分には同一符号を付している。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(実施形態に係る人工羽根及びシャトルコックの構成)
以下に、実施形態に係る人工羽根10の構成について説明する。図1は、実施形態に係る人工羽根10の上面図である。図1に示すように、実施形態に係る人工羽根10は、軸部材1と、羽部材2とを有している。軸部材1は、軸固着部11と、羽根軸部12とを有する。軸部材1の軸固着部11には、羽部材2が固定されている。羽根軸部12は、羽部材2から突出している。羽部材2は、例えば水鳥の天然羽根に模した形状を有している。
図2は、図1のII−IIにおける断面図である。図2に示すように、羽部材2は、基材21と、不織布22とを有している。軸部材1の軸固着部11は、基材21と不織布22とにより、挟み込まれている。
軸部材1の断面形状は、特に限定はない。例えば、軸部材1の断面形状は、図2(A)に示されるような曲線を含む断面形状であってもよい。また、軸部材1の断面形状は、図2(B)に示されるようなI字型の断面形状であってもよい。ここで、I字形状とは、長方形状の長軸方向における両端部から短軸方向の両側に突出した突出部が形成されている形状をいう。この場合、軸部材1の断面二次モーメントが向上することにより、軸部材1の剛性を向上させることができる。
さらに、軸部材1の断面形状は、図2(C)に示されるような矩形形状を有していてもよい。なお、この場合には、羽部材2が軸部材1に対して傾いていてもよい。より具体的には、羽部材2は、その相対的に大きな面積を有する面である主表面が、軸部材1の断面における中立軸に対して傾いているように、軸固着部11と接続固定されていてもよい。
軸部材1に用いられる材料は、例えば、一軸延伸ポリエチレンテレフタレートである。この場合、軸部材1を折れにくくすることが可能となる。軸部材1には、ナイロンを用いることもできる。ナイロンとしては、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン10、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1010などを用いることが好ましい。軸部材1は、繊維強化のために、ナイロンにチタン酸カリウムウィスカー、ガラスなどが添加されていてもよい。さらに、軸部材1には、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレンなども用いることができる。
基材21に用いられる材料は、例えば、樹脂の発泡体である。より具体的には、基材21に用いられる材料は、例えば、ポリエチレンフォームである。ポリエチレンフォーム以外に、樹脂などのフィルムを、基材21として用いることができる。基材21は、羽部材2の剛性を確保するために設けられている。基材21の厚さは、例えば0.5mm以上2.0mmである。好ましくは、基材21の厚さは、0.8mm以上1.2mmである。
不織布22は、後述するとおり、第1の繊維22aを含む層と、第2の繊維22bを層とを有している。不織布22は、第1の繊維22aを含む層が軸部材1の軸固着部11の側に位置するように(第1の繊維22aを含む層が、第2の繊維22bを含む層よりも軸部材1の軸固着部11に近い位置に)配置される。第1の繊維22a及び第2の繊維22bの繊維径は、例えば5μm以上20μm以下である。第1の繊維22a及び第2の繊維22bの繊維径は、好ましくは、7.5μm以上15μmである。そのため、不織布22の厚さは、基材21の厚さよりも薄い。
羽部材2は、両面テープ23と、接着層24とを有している。両面テープ23は、基材21上に設けられている。両面テープ23は、例えば、フィルム状部材と粘着層とを有している。フィルム状部材には、PET(ポリエチレンテレフタレート)等が用いられる。粘着層には、例えばアクリル系粘着剤が設けられる。フィルム状部材の厚さは、例えば、0.001mm以上0.003mm以下である。粘着層の厚さは、例えば、0.003mm以上0.005mm以下である。接着層24は、不織布22と軸部材1の軸固着部11との間に設けられている。接着層24には、例えばアクリル系粘着剤が用いられる。接着層の厚さは、例えば0.005mm以上0.012mm以下である。
基材21は、両面テープ23により、軸部材1の軸固着部11に接着されている。不織布22は、接着層24により、軸部材1の軸固着部11に接着されている。このことを別の観点からいえば、不織布22と軸部材1の軸固着部11は、接着層24により直接接着されている。これにより、軸部材1の軸固着部11は、基材21と不織布22とにより、挟み込まれている。なお、基材21と不織布22とは、軸部材1の軸固着部11と接着している部分以外において、相互に接着されている。
図3は、実施形態に係る人工羽根10に用いられる不織布22の模式図である。図3に示すように、不織布22は、第1の繊維22aと、第2の繊維22bとを有している。第1の繊維22a及び第2の繊維22bは、不織布22中において、複数配列されている。第1の繊維22a及び第2の繊維22bは、例えばポリエステル繊維である。なお、第1の繊維22a及び第2の繊維22bに用いられる材料は、これに限られない。また、第1の繊維22aと第2の繊維22bに用いられる材料は、異なっていてもよい。
第1の繊維22aは、第1の方向D1に沿って延びるように配列されている。第2の繊維22bは、第2の方向D2に沿って延びるように配列されている。第1の方向D1と第2の方向D2とは、異なっている。第1の方向D1と第2の方向D2とは、直交していることが好ましい。ここでは、第1の方向D1と第2の方向D2とがなす角度が90°である場合に加え、第1の方向D1と第2の方向D2とがなす角度が90°±10°である場合も、第1の方向D1と第2の方向D2とが直交している場合に含まれるものとする。羽の飛散を抑えるためには、第1の方向D1と第2の方向D2とが直交していることが好ましく、第1の方向D1と第2の方向D2とがなす角度が90°±10°であれば同様の効果が得られるからである。
第1の方向D1と第2の方向D2とがなす角度が90°±10°であるかは、ゲージを用いて判断する。ゲージとは、シート状部材の上に基準線を引き、基準線上の1点(基準点)から、基準線と±80°の角度をなす測定線を引いたものである。例えば、第2の方向D2が軸部材1と平行である場合、このゲージを、基準線が軸部材1と重なるように、人工羽根10の上に置く。そして、基準点に対応する位置に設けられた羽部材2の第1の繊維22aが羽部材2の境界において測定線の内側にある場合は、第1の方向D1と第2の方向D2とがなす角度が、90°±10°である。
第1の繊維22aの配列密度(目付量)は、第2の繊維22bの配列密度よりも大きいことが好ましい。第1の繊維22aの配列密度と第2の繊維の配列密度との合計は、例えば、15g/m以上40g/m以下である。第1の繊維22aの配列密度と第2の繊維の配列密度との合計は、好ましくは、20g/m2以上30g/m2以上である。
ここで、第1の繊維22aの配列密度及び第2の繊維の配列密度は、単位面積あたりの第1の繊維22a及び第2の繊維22bの重量を測定することにより決定される。
第1の繊維22a及び第2の繊維22bの各々は、不織布22中において、連続している。すなわち、第1の繊維22a及び第2の繊維22bの各々は、不織布22中において途中で切れていない。このことをさらに別の観点からいえば、第1の繊維22a及び第2の繊維22bの各々の端部は、不織布22の端部と一致している。
第2の繊維22bを含む層は、第1の繊維22aを含む層の一方の面の上に設けられている。第2の繊維22bは、第1の繊維22aと交差している部分が熱圧着されている。これにより、第1の繊維22aと第2の繊維22bとが一体化され、不織布22となっている。すなわち、不織布22は、第1の繊維22aを含む層と、第2の繊維22bを含む層とが積層されることにより、形成されている。
図3に示すように、好ましくは、軸固着部11の延在方向と第1の繊維22aが延びる方向とがなす角度は、略直角をなしている。すなわち、軸固着部11の延在方向と第1の方向D1とがなす角度は、略直角となっている。軸固着部11の延在方向と第1の方向D1とが略直交することにより、軸固着部11が羽部材2を突き破ることを抑制することができる。また、軸固着部11の延在方向と第2の繊維22bが延びる方向とは、略平行となっている。すなわち、軸固着部11の延在方向と第2の方向D2とは、略平行となっている。
ここで、軸部材1と第1の繊維22aがなす角度が略直角である場合(軸部材1の延在方向と第1の方向D1とが略直角となっている場合)には、軸部材1と第1の繊維22aがなす角度が90°である場合に加え、軸部材1と第1の繊維22aがなす角度が90°±10°である場合も含まれるものとする。なお、軸部材1と第1の繊維22aがなす角度(軸部材1の延在方向と第1の方向D1とがなす角度)は、略直角でなくても、軸部材1と第1の繊維22aがなす角度が軸部材1と第2の繊維22bがなす角度よりも大きければよい。この場合においても、軸固着部11が羽部材2を突き破ることを抑制することができる。
軸部材1の延在方向と第1の方向D1とがなす角度が90°±10°であるかは、ゲージを用いて判断する。ゲージとは、シート状部材の上に基準線を引き、さらに基準線上の1点(基準点)から、基準線と±80°の角度をなす測定線を引いたものである。このゲージを、基準線が軸部材1と重なるように、人工羽根10の上に置く。そして、基準点に対応する位置に設けられた羽部材2の第1の繊維22aが羽部材2の境界において測定線の内側にある場合、軸部材1の延在方向と第1の方向D1とがなす角度が、90°±10°である。
以下に、実施形態に係るシャトルコックの構成について説明する。図4は、実施形態に係るシャトルコックの側面図である。図4に示すように、実施形態に係るシャトルコックは、人工羽根10と、ベース部3とを有している。
ベース部3には、コルク等の天然素材、又はEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、ポリウレタン、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー等の合成樹脂等を用いることができる。
実施形態に係るシャトルコックは、実施形態に係る人工羽根10を複数(例えば、16本)有している。人工羽根10の羽根軸部12の端部は、ベース部3に挿入されている。具体的には、ベース部3の上面には、その外周に沿って、円環状に複数の挿入孔が形成されている。この挿入孔は、ベース部3の上面から下面に向かうにしたがって、ベース部3の中心軸線に近づくように傾斜して設けられていてもよい。この挿入孔の平面形状は、羽根軸部12の端部を嵌め合わせることができる任意の形状を有している。羽根軸部12の端部は、この挿入孔に挿入、嵌合されている。人工羽根10は、羽部材2の不織布22がシャトルコックの外側に配置されるように、ベース部3の上面に設けられた挿入穴に挿入されている。なお、ベース部3に挿入された羽根軸部12は、かがり糸等により相互に固定されている。
(実施形態に係る人工羽根及びシャトルコックの製造方法)
以下に、実施形態に係る人工羽根10の製造方法について説明する。図5は、実施形態に係る人工羽根10の製造工程を示す工程図である。図5に示すように、実施形態に係る人工羽根10の製造方法は、準備工程S1と、貼り合せ工程S2と、後処理工程S3とを有している。
準備工程S1においては、人工羽根10を構成する各部材の準備が行われる。より具体的には、軸部材1と、基材21と、不織布22とが準備される。なお、複数の人工羽根10を同時に製造するために、基材21及び不織布22は、長尺の部材として、準備されてもよい。また、基材21上には、両面テープ23が接着され、不織布22の第1の繊維22aが設けられている側には、接着層24が塗布されている。
貼り合せ工程S2においては、軸部材1と、基材21と、不織布22とが貼り合せられる。より具体的には、不織布22の第1の繊維22aが設けられている側に塗布された接着層24上に軸部材1の軸固着部11が載置されるとともに、軸部材1上に基材21の両面テープ23が設けられた側が貼り付けられる。これにより、軸部材1が基材21と不織布22とにより挟み込まれた構造が得られる。
後処理工程S3においては、基材21及び不織布22の不要部分の切断、除去が行われる。以上から、実施形態に係る人工羽根10の製造が行われる。
図6は、実施形態に係るシャトルコックの製造工程を示す工程図である。図6に示すように、実施形態に係るシャトルコックの製造方法は、準備工程S4と、組立工程S5とを有する。
準備工程S4においては、実施形態に係るシャトルコックを構成する各部材の準備が行われる。具体的には、人工羽根10と、ベース部3とが準備される。なお、ベース部3の製造方法は、従来公知の任意の方法を用いることができる。ベース部3の材料として合成樹脂を用いる場合、従来周知の任意の加工方法を用いてベース部3を形成することができる。例えば、まず、ベース部3となる素材のブロックを準備し、切削加工により概略形状とする。さらに、切削加工により、挿入穴を形成する。
組立工程S5においては、実施形態に係るシャトルコックの組立が行われる。まず、ベース部3の挿入穴に、羽根軸部12が挿入、固定される。具体的には、挿入穴周辺に接着剤を塗布することにより、羽根軸部12とベース部とを強固に固定する。この接着剤は、ベース部3の材質に合わせて選択される。例えば、この接着剤として、硝化綿、エポキシ樹脂、EVA系エマルジョンなどを用いることができる。この際、羽部材2の不織布22が設けられている側の面が、シャトルコックの外側を向くように、人工羽根10がベース部3に挿入、固定される。その後に、ベース部3に挿入された人工羽根10の各々は、かがり糸等により、相互に固定される。人工羽根10とかがり糸とは、接着剤を塗布することにより、さらに強固に固定される。かがり糸としては、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維等を用いることができる。以上により、実施形態に係るシャトルコックの製造が行われる。
(実施形態に係る人工羽根及びシャトルコックの効果)
以下に、実施形態に係る人工羽根10及び実施形態に係るシャトルコックの効果を、比較例と対比して説明する。図7は、比較例に係る人工羽根の上面図である。図8は、図7のVIII−VIIIにおける断面図である。
図7に示すように、比較例に係る人工羽根は、実施形態に係る人工羽根10と同様に、軸部材1と、羽部材2とを有している。しかしながら、図8に示すように、比較例に係る人工羽根は、不織布22を有していない。比較例に係る人工羽根は、不織布22に代えて、ポリエチレンフォーム層25を有している。すなわち、比較例に係る人工羽根においては、軸部材1が、基材21とポリエチレンフォーム層25によって挟み込まれている。
なお、ポリエチレンフォーム層25の厚さは、0.5mmである。ポリエチレンフォーム層25上には、10μmの厚さのポリエチレンフィルム層26が設けられている。ポリエチレンフィルム層26には、HD(高密度)ポリエチレンフィルムが用いられている。
比較例に係る人工羽根を用いたシャトルコックの使用時においては、シャトルコックの外側に設けられたポリエチレンフォーム層25には、軸部材1から、シャトルコックの内側から外側に向かう荷重が加えられる。ポリエチレンフォーム層25は強度が低いため、この荷重に起因し、比較例に係る人工羽根を用いたシャトルコックの使用時には、軸部材1がポリエチレンフォーム層25を突き破り、羽部材2から軸部材1が露出してしまう。
他方、実施形態に係る人工羽根10においては、羽部材2が不織布22を有し、不織布22は、第1の繊維22aと、第2の繊維22bとを含んでいる。そして、軸部材1の側に位置している第1の繊維22aは、第2の繊維22bと比較して、軸部材1の延在方向に対する角度が大きくなっている。
そのため、不織布22は、比較例に係る人工羽根のポリエチレンフォーム層25と比較して、軸部材1から受けるシャトルコックの内側から外側に向かう方向の荷重に対する強度が強い。その結果、実施形態に係る人工羽根10及び実施形態に係るシャトルコックにおいては、シャトルコックの使用中に、羽部材2が飛散、損傷してしまうことを抑制することが可能となる。
特に、第1の方向D1の方向と第2の方向とが直交し、第1の方向D1が軸部材1の延在方向に対して略直角となっている場合には、第1の繊維22aが軸部材1を支持するとともに、第2の繊維22bが第1の繊維22aを支持することにより軸部材1を間接的に支持する。すなわち、この場合には、第1の繊維22a及び第2の繊維22bの双方が、軸部材1から受けるシャトルコックの内側から外側に向かう方向の荷重に対する強度に寄与することになる。そのため、不織布22の軸部材1から受けるシャトルコックの内側から外側に向かう方向の荷重に対する強度が最大化され、シャトルコックの使用中に、羽部材2が飛散、損傷してしまうことをさらに抑制することが可能となる。
また、第1の繊維22aの配列密度が第2の繊維22bの配列密度よりも高い場合、不織布22の軸部材1から受けるシャトルコックの内側から外側に向かう方向の荷重に対する強度が上昇する。そのため、この場合には、シャトルコックの使用中に、羽部材2が損傷してしまうことをさらに抑制することが可能となる。
不織布22は、第1の繊維22aと第2の繊維22bとが積層された構造を有しているため、不織布22の厚さは、ポリエチレンフォーム層25よりも薄くすることが可能となる。そのため、実施形態に係る人工羽根10及び実施形態に係るシャトルコックでは、羽部材2の厚さを薄くすることができる。その結果、実施形態に係る人工羽根10及び実施形態に係るシャトルコックによると、打球音を小さくでき、打感を軽くすることが可能となる。
比較例に係る人工羽根においては、ポリエチレンフォーム層25を接着層24により、直接、軸部材1に接着することは困難である。これは、ポリエチレンフォーム層25は柔らかく変形しやすいために、軸部材1が羽部材2中で回転してしまうためである。
他方、実施形態に係る人工羽根10においては、接着層24により、不織布22を軸部材1に直接接着することが可能である。これは、不織布22は厚さが薄く、伸びが少ないため、接着層24のみで不織布22が軸部材1に対して回転しないように接着させることが可能であるからである。
そのため、実施形態に係る人工羽根10及び実施形態に係るシャトルコックによると、両面テープ23の使用枚数を減らし、製造コストを低減することが可能となる。
第1の繊維22aの配列密度と第2の繊維22bの配列密度との合計が15g/m2未満である場合、接着層24が、第1の繊維22aと第2の繊維22bとの隙間からしみだしてしまうおそれがある。第1の繊維22aの配列密度と第2の繊維22bの配列密度との合計が40g/m2を超える場合、不織布22の重量が増加し、シャトルの重心位置が高くなってしまう。
そのため、実施形態に係る人工羽根10及び実施形態に係るシャトルコックにおいて、第1の繊維22aの配列密度と第2の繊維22bの配列密度との合計が15g/m2以上40g/m2以下である場合、接着層24のしみだしを防止しつつ、シャトルの重心位置が高くなることを抑制することができる。
以下に、実施形態に係るシャトルコック、比較例に係る人工羽根を用いたシャトルコック及び参考例に係るシャトルコックについて行った耐久試験の結果について説明する。なお、比較例に係る人工羽根を用いたシャトルコックにおいては、人工羽根の本数は15本である。
(試験サンプル)
実施形態に係るシャトルコックにおいては、人工羽根10の本数を15本とし、第1の方向D1と第2の方向D2とがなす角度は、90°とした。また、実施形態に係るシャトルコックにおける軸部材1と第1の方向D1とがなす角度は、90°とした。なお、参考例に係るシャトルコックは、不織布22中の第1の繊維22a及び第2の繊維22bの配列が、実施形態に係るシャトルコックと逆になっている(すなわち、第2の繊維22bが軸部材1の側に配置されている)点を除いて、実施形態に係るシャトルコックと同様となっている。
(耐久試験の試験方法)
耐久試験は、シャトルコック耐久試験機を用いて、実施形態に係るシャトルコック、比較例に係る人工羽根を用いたシャトルコック及び参考例に係るシャトルコックに対し、200km毎時の打ち出し速度になるように、ラケットで打撃した。繰り返し数は、150回とした。なお、シャトルコック耐久試験機の打撃箇所には、糸につるされたシャトルコックを配置することにより、各々のシャトルコックが供給される。耐久試験に供したシャトルコックの数は、それぞれ1個である。
耐久試験においては、実施形態に係るシャトルコック、比較例に係る人工羽根を用いたシャトルコック、及び参考例に係るシャトルコックの破損状況を点数化することにより、耐久性を評価した。破損状況の点数化は、人工羽根10ごとに軸部材1の羽部材2からの露出の程度及び羽部材2の飛散の程度を点数化することにより行った。点数化は、すべての人工羽根10の羽部材2ごとの軸部材1の羽部材2からの露出の程度に関する点数と羽部材2の飛散の程度に関する点数とを足し合わせることにより行った。
(耐久試験結果)
耐久試験の結果を、表1に示す。なお、耐久試験は上記のように行われるため、表1に記載の点数が低いほど、飛散、損傷が抑制されていることになる。
Figure 0006738654
表1に示すように、耐久試験においては、実施形態に係る人工羽根を用いたシャトルコックの点数が最も低かった。このような試験結果により、実施形態に係るシャトルコックによると羽部材2の飛散、損傷が抑制されることが明らかとされた。
また、耐久試験においては、参考例に係るシャトルコックの点数は、実施形態に係るシャトルコックの点数よりも高かった。このことから、第1の繊維22aを軸部材1の側に配置することにより、羽部材2の飛散、損傷が抑制されることが明らかとされた。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 人工羽根、1 軸部材、11 軸固着部、12 羽根軸部、2 羽部材、21 基材、22 不織布、22a 第1の繊維、22b 第2の繊維、23 両面テープ、24 接着層、25 ポリエチレンフォーム層、26 ポリエチレンフィルム層、3 ベース部、D1 第1の方向、D2 第2の方向、S1 準備工程、S2 貼り合せ工程、S3 後処理工程、S4 準備工程、S5 組立工程。

Claims (6)

  1. 軸部材と、
    不織布と基材とを有し、かつ前記不織布と前記基材とにより前記軸部材を挟み込むように設けられた羽部材を備え、
    前記不織布は、第1の方向に沿って延びるように配列された複数の第1の繊維を含む層と、前記第1の繊維を含む層の一方の面上に設けられるとともに、前記第1の方向と異なる第2の方向に沿って延びるように配列された複数の第2の繊維を含む層とを有し、
    前記第1の繊維を含む層は前記第2の繊維を含む層より前記軸部材の近くに配置され、
    前記第1の方向と前記軸部材の延在方向とがなす角度は、前記第2の方向と前記軸部材の前記延在方向とがなす角度よりも大きく、
    前記第1の繊維の配列密度は、前記第2の繊維の配列密度よりも大きい、人工羽根。
  2. 前記第1の方向と前記第2の方向とがなす角度は、80°以上100°以下である、請求項1に記載の人工羽根。
  3. 前記第1の方向と前記軸部材の前記延在方向とがなす前記角度は、80°以上100°以下である、請求項1又は2に記載の人工羽根。
  4. 前記第1の繊維の配列密度と前記第2の繊維の配列密度との合計は、15g/m2以上40g/m2以下である、請求項1又は2に記載の人工羽根。
  5. 前記軸部材と前記不織布との間に配置された接着層をさらに備え、
    前記接着層は、前記不織布と前記軸部材とを直接接着する、請求項1又は2に記載の人工羽根。
  6. ベース部と、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の前記人工羽根とを備え、
    前記人工羽根の前記軸部材の一部分は、前記不織布が外側に向くように前記ベース部に挿入されている、シャトルコック。
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