JP2011239810A - シャトルコック用人工羽根およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水鳥の羽根を用いたシャトルコックと同等の飛翔性能および耐久性を備えたシャトルコック用人工羽根とその製造方法を提供する。炭酸ガスの排出を削減できるシャトルコック用人工羽根とその製造方法を提供する。
【解決手段】羽部2と羽部2に接続された軸部3とを備えたシャトルコック用人工羽根において、羽部2と軸部3が熱可塑性樹脂からなり、羽部2と軸部3が超音波および/またはレーザーによって融着されてなるシャトルコック用人工羽根に関するものであり、熱可塑性樹脂からなる羽部2と熱可塑性樹脂からなる軸部3を積設し、超音波照射および/またはレーザー照射により羽部の表面および/または軸部の表面を融解固化せしめ、羽部2と軸部3を融着させることにより製造される。
【選択図】図1
【解決手段】羽部2と羽部2に接続された軸部3とを備えたシャトルコック用人工羽根において、羽部2と軸部3が熱可塑性樹脂からなり、羽部2と軸部3が超音波および/またはレーザーによって融着されてなるシャトルコック用人工羽根に関するものであり、熱可塑性樹脂からなる羽部2と熱可塑性樹脂からなる軸部3を積設し、超音波照射および/またはレーザー照射により羽部の表面および/または軸部の表面を融解固化せしめ、羽部2と軸部3を融着させることにより製造される。
【選択図】図1
Description
本発明は、バドミントン用シャトルコック等に好適に用いられるシャトルコック用人工羽根およびその製造方法に関し、熱可塑性樹脂からなる羽部と熱可塑性樹脂からなる軸部を超音波融着またはレーザー融着により融着接合させることにより、意匠上好ましくかつ耐久性を向上させたシャトルコック用人工羽根とその製造方法に関するものである。さらに好ましくは、本発明は、羽部と軸部に植物由来の熱可塑性の生分解樹脂を用いることにより、特定的には、優れた耐久性を有するだけでなく炭酸ガス排出を削減可能なシャトルコック用人工羽根との製造方法に関するものである。
従来、バドミントン用シャトルコックの羽根としては、従来、ガチョウやアヒルなど天然の水鳥の羽根を用いたもの(天然シャトルコック用)と、ナイロン樹脂などにより人工的に製造された羽根を用いたもの(人工シャトルコック用)とが知られている。そして、天然シャトルコックは、その天然の水鳥の羽根について、一定の品質のものを選別し入手することに手間が掛かることから、人工の羽根を用いたシャトルコックより高価であり、さらには水鳥養殖など大量飼育による糞尿の点で環境汚染が問題となっている。また、水鳥の大量飼育は、鳥インフルエンザ等により人間への感染も懸念されている。
そのため、安価で安定かつ安全な人工の羽根を用いたシャトルコックが提案されている。例えば、合成繊維からなる不織布もしくは織布によって羽部を形成し、当該羽部に結合したプラスチックからなる羽軸部を射出成形により一体的に形成したシャトルコック用人工羽根およびその人工羽根を用いた人工シャトルコックが提案されている(特許文献1参照。)。
また、プラスチックからなる羽部と、高強度繊維を補強材とする強化プラスチックからなる羽軸部とを、接着剤で接合したシャトルコック用人工羽根が提案されている(特許文献2参照。)。
また、羽部と前記羽部に接続された軸とを備え、軸部は固着軸部と前記固着軸部に連なる羽軸部とを含み、前記羽部を構成する部材は、前記固着軸部と接触し前記固着軸部より幅の広い羽本体部と、前記羽本体部から前記羽軸部に突出する突出部とを含み、前記突出部において前記羽部側と反対側の端部は前記羽軸部を構成する部材に埋設されるシャトルコック用人工羽根が提案されている(特許文献3参照。)
また、羽根を構成する羽根弁が熱可塑性長繊維不織布製であり、その羽根弁の外縁において端面が熱融着している人工羽根を用いたバドミントンのシャトルコックが提案されている(特許文献4参照。)。
また、羽根を構成する羽根弁が熱可塑性長繊維不織布製であり、その羽根弁の外縁において端面が熱融着している人工羽根を用いたバドミントンのシャトルコックが提案されている(特許文献4参照。)。
しかしながら、上述の各特許文献で提案されたシャトルコック用人工羽根は、羽部と軸部を接着剤で接着したり、羽部をあらかじめ金型に入れたインサート射出成形で形成している。その結果、得られたシャトルコック用人工羽根は、使用により接着剤がはがれたり接合面同士が剥離したりするため耐久性の面で劣っており、また、接着剤や射出成形の樹脂がはみ出るなど意匠面において概観が劣っていた。
また、羽部と軸部を熱風乾燥機等で加熱した後に(溶着)接合すると、接合する部分以外も溶融するので、羽部や軸部が溶け出して意匠性が劣るばかりか、急いで接合しないとすぐに固化するので接合性に劣り、その結果、羽根の耐久性が劣っていた。さらに耐久性をあげるために加熱温度を高くしたり時間を長くすると、樹脂の溶け出しが多くなり意匠性ばかりか飛翔性も劣ることになる。
また、従来の人工シャトルコックの羽根は、石化原料を基としており、その廃棄処分において炭酸ガスを排出することから、環境面での配慮が必要となる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、水鳥の羽根を用いたシャトルコックと同等の飛翔性能および耐久性を備えたシャトルコック用人工羽根とその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的はさらに炭酸ガスの排出を削減できるシャトルコック用人工羽根とその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成せんとするものであって、本発明のシャトルコック用人工羽根は、羽部と前記羽部に接続された軸部とを備えたシャトルコック用人工羽根において、前記羽部と前記軸部が熱可塑性樹脂からなり、羽部と軸部が超音波および/またはレーザーによって融着されてなることを特徴するシャトルコック用人工羽根である。
本発明のシャトルコック用人工羽根の好ましい態様によれば、前記の羽部と融着する軸部の表面が、波状、格子状または凹凸状を有していることである。
本発明のシャトルコック用人工羽根の好ましい態様によれば、前記の羽部と融着する側の軸部の表面積が、同形の平坦な表面を有する軸部の面積に対し1.5〜4.0倍の面積を有していることである。
本発明のシャトルコック用人工羽根の好ましい態様によれば、前記の軸部の断面形状が、T字、十字または3角径から12角形の多角形の形状からなることである。
本発明のシャトルコック用人工羽根の好ましい態様によれば、前記の羽部がプリーツ構造を有することである。
本発明のシャトルコック用人工羽根の好ましい態様によれば、前記の羽部と軸部がさらに熱可塑性樹脂からなるビードにより融着されていることである。
本発明のシャトルコック用人工羽根の好ましい態様によれば、前記の羽部と軸部を構成する熱可塑性樹脂が、生物由来の生分解樹脂からなることである。
本発明の上記シャトルコック用人工羽根は、熱可塑性樹脂からなる羽部と熱可塑性樹脂からなる軸部を積設し、超音波照射および/またはレーザー照射により羽部の表面および/または軸部の表面を融解固化せしめ、羽部と軸部を融着させることによって、製造することができる。
本発明のシャトルコック用人工羽根は、熱可塑性の樹脂からなる羽部と熱可塑性の樹脂からなる軸部とを有しており、羽部と軸部は互に接続されていて、かつ、羽部または軸部はいずれか、または、各々が接する表面において融着されており、さらに好適には熱可塑性の樹脂からなるビート材で融着されている。この結果、本発明のシャトルコック用人工羽根は、羽部と軸部との接合において、高い耐久性を保持している。
さらに好ましくは、本発明のシャトルコック用人工羽根は、羽部耐久性を保持するために、羽部がプリーツ構造を有している。この結果、天然のシャトルコック用羽根を用いたシャトルコックと同等の飛翔性能、および、不織布の目付けが低くとも耐久性を備える人工のシャトルコックを実現することができる。
さらに好ましくは、本発明のシャトルコック用人工羽根は、羽部と軸部を生物由来の熱可塑性の生分解樹脂を用いることにより、炭酸ガスを増加させない効果を得ることもできる。
また、本発明のシャトルコック用人工羽根の製造方法によれば、上記のシャトルコック用人工羽根を工業的に安定して製造することができる。
次に、本発明のシャトルコック用人工羽根の実施の形態および実施例について説明する。以下に記載する本発明の構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂からなる羽部と熱可塑性樹脂からなる軸部が超音波照射やレーザー照射による融着により強固に接合されることにより、羽部と軸部の接合面が均一で、かつ、接合強度を高めることにより、耐久性が向上することに着目した。
さらには、羽部との接合面である軸部の表面4が、波状や格子状などの凹凸面を有することにより、羽部と軸部の接合面積が大きくなり、その結果、羽部と軸部の接合耐久性が向上することに着目した。また、天然の水鳥の羽根における羽部は目付けが非常に軽く、同じように人工の樹脂の目付けを非常に軽くすると、強度不足の点が問題となるが、羽部が軸方向にプリーツ形状を有することにより耐久性を高めることができることに着目した。
図1は、本発明のシャトルコック用人工羽根の一例を示す平面模式図であり、図2は、図1の線分I−IIにおける断面模式図である。また、図3は、本発明の他のシャトルコック用人工羽根の一例を示す平面模式図であり、図4は、図3の線分III−IVにおける断面模式図である。
図1および図2において、本発明のシャトルコック用人工羽根1は、羽部2と前記羽部2に接続された軸部3とを備えている。羽部2と軸部3はいずれも熱可塑性樹脂からなり、超音波および/またはレーザーで両者が融着されている。
羽部2には、図2に示されるように、羽部2の長さ方向に折られたプリーツ高さ14のプリーツが形成されている。軸部3は、羽部の先になるに従い円錐形となっており、図2では、断面がT字形の軸部である。羽部2と軸部3は、羽部2の表面および/または軸部3の表面4が融溶して相互に融着し接合されている。
図3と図4に、本発明の別の態様のシャトルコック用人工羽根が示されている。図3と図4は、それぞれ図1図2に対応している。図4において、羽部がレシプロ機を用いてプリーツ構造をつけられた後、断面が略四角形の軸部が熱可塑性樹脂からなるビート材13で融着固着され構造保持されている。
本発明における超音波照射による融着とは、プラスチックの中でも熱可塑性樹脂を微細な超音波振動と加圧力によって、きわめて短時間にかつ、樹脂の表面のほんのわずかのみを溶融し、圧力接合する接着技術である。
この超音波溶着の原理は、超音波溶着機において、電気のエネルギーを機械的な振動エネルギーに変換させる。詳しくは、50/60Hzの電気的信号を、発振器によって20kHzもしくは35kHzの電気的信号に変換させる。一方の入力時の電圧は、通常AC200〜240Vを発振器内部で1000Vまで増幅して、これを振動子へと伝える。これに同時に加圧をかけることにより、2つの熱可塑性樹脂同士の接合面において、極めて強力な摩擦熱を発生させ、熱可塑性樹脂を溶融し結合させる(融解固化)。
また、本発明におけるレーザー照射による溶着とは、レーザー光が熱エネルギーに変換されてレーザー照射部が過熱され、樹脂表面に溶融を生ずるプロセスを利用する加工技術である。レーザー溶着は、光学系で集光したレーザビーム(エネルギー密度は約105〜106W/cm2により溶融し接合する方法である。エネルギーはレーザー照射のエネルギーのみであり、レーザー自身に材料を溶融するに足りる十分なエネルギーのみ要求される。溶着に使用されている実用レーザーは、炭酸ガスレーザーとイットリウム・アルミニウム・ガーネットを用いた固体レーザー(YAGレーザー)の二種類である。
本発明のシャトルコック用人工羽根の製造における超音波照射とレーザー照射による融着のメリットの効果としては、次の点が挙げられます。
一般的な融着(加工)時間が1秒以下と短いので製造サイクルがきわめて短く、そのため固定費が安くなり、接着剤などの消耗材を必要としないため、ランニングコストも安くなる。また、短時間で融着するので仕上がりが美麗で、さらには、表面に塗装処理が施されている物も溶着可能となる。特に、従来の時間のかかる熱風乾燥機やヒーターによる直接加熱による大量溶着に比べて、仕上がりが非常に美麗である。特に、強度が高い同材質同士の融着であれば、元の熱可塑性樹脂強度に近いレベルで融着できる。また、自動化しやすい自動機への導入が簡単に行えるように設計されているので、超音波照射やレーザー照射の量や時間が一定に固定制御されるため、製品の品質が極めて一定である。また、超音波照射やレーザー照射以外は待機電力のみであるため消費電力が少ないことも利点である。さらに、再現性が高いパラメーターは数値管理されており、プログラムの保存も可能となる。特に、従来の時間のかかる熱風乾燥機やヒーターによる直接加熱に比べて、バラつきが非常に少ない。超音波照射の各パラメーターはデジタル制御されており、精密な制御も可能となる。また、接着剤の臭いや、時間のかかる熱風乾燥機やヒーターによる直接加熱で発生するガスもないので、悪臭も発生しない。
本発明で用いられる羽部と軸部を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12およびポリカーボネートなどの樹脂を用いることができる。
中でも好ましい熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネートおよびポリエチレンサクシネートであり、さらに好ましいのは、ポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネートおよびポリエチレンサクシネートである。特に、ポリ乳酸は光合成によって得られる植物由来の樹脂であり、カーボンを増加させない点で好ましく用いられる。
さらに、上記の熱可塑性樹脂は、その融点が100℃〜350℃であることが好ましく、融点はより好ましくは100℃〜270℃であり、さらに好ましくは110℃〜260℃である。
さらに、本発明において、羽部は、上記の熱可塑性樹脂からなる不織布、織物、フィルムおよび発泡樹脂等で構成されるが、特に不織布が好ましく用いられる。
羽部を構成する不織布としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12およびポリカーボネートなどの化学繊維からなる不織布を用いることができる。
中でも好ましい熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネートおよびポリエチレンサクシネートであり、さらに好ましいのは、ポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネートおよびポリエチレンサクシネートである。
羽部を構成する不織布としては、目付が好ましくは10g/m2以上100g/m2以下のものが好ましく用いられるが、水鳥の羽部の目付けが30g/m2〜50g/m2であることから、不織布としても0g/m2〜50g/m2の目付のものが好ましく用いられる。また、不織布の厚みは、2.5mm〜0.3mmであることが好ましいが、水鳥の羽部の厚みが0.9mm〜0.6mmであることから、不織布の厚みは0.9mm〜0.6mmであることが好ましい。
また、羽部を構成する織物としては、絹や綿のような天然繊維やセルロース繊維からなる織物でもよく、好ましくは樹脂をコーティングした織物や、不織布やフィルムを張り合わせた織物を用いてもよい。織物の目付けや厚みは、上述した不織布と同じものが好ましい。
また、羽部を構成するフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12、ポリカーボネートなどの樹脂からなるフィルムを用いることができる。
中でも好ましい熱可塑性樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン6,6、ポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネートおよびポリエチレンサクシネートであり、さらに好ましいのは、ポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネートおよびポリエチレンサクシネートである。
目付けや厚みは、上述した不織布と同じものが好ましく用いられる。フィルムとしては発泡構造にしてもよい。
また、羽部は、不織布とフィルムを張り合わせたり、樹脂フィルムを不織布にラミネートしたり、押出し成形したものでもよい。さらに、不織布や樹脂フィルムは、片側だけでなく相互に両面に張り合わせでもよい。また、張り合わせ時のフィルムは、肉厚が好ましくは5〜100μmであり、より好ましくは10〜30μmである。
次に、本発明における羽部と軸部の融着について説明する。
本発明のシャトルコック用人工羽根は、超音波および/またはレーザーで羽部の表面および/または軸部の表面が融解され、各々が融着されている本発明においては、羽部と軸部を積設し、羽部からもしく軸部のいずれかまたは両方から超音波照射および/またはレーザー照射し両者を融着してもよい。
従来、表面の熱可塑性樹脂が融着する際に、羽部や軸部を従来の方法である単なる加熱により溶着したときには、表面の樹脂が溶けて羽部への接着が大きくなりすぎて、意匠上外観が見劣り、または、加熱不足時には熱可塑性樹脂の表面が融けずに接着力が低下し耐久性に劣っていた。すなわち、樹脂表面が溶解して素早く接合しないと、すぐに固化するので接着力が劣り耐久性が低下することになる。このため、得られるシャトルコックの飛翔性が劣るという問題も発生する。
また、接着力を追加で向上させるために再度過熱すると、必要部分以外の熱可塑性樹脂も融けるため、羽根全体の耐久性が低下し、さらには羽根全体が変形し、得られるシャトルコックの飛翔性が劣るという問題も同時に発生する。
また、従来の方法である接着剤を用いて羽部と軸部を接着した場合には、接着剤が多すぎると、羽部へ広がり意匠上外観が見劣り、また接着剤の量が多いと羽根の全体の重さが重くなり、シャトルコックとしての飛翔性に劣るという課題があった。一方これに対し、接着剤が適量より少ないと、耐久性が劣り、また接着剤の耐久性や劣化という点からも不具合があった。
これに対し、本発明の超音波照射または/かつレーザー照射によって、羽部の表面および/または軸部の表面の融解させると同時に各々を融着させると、必要な部分のみが融着されているので、外観上の意匠性に優れており、また樹脂同士が融着接合しているので強度も向上して、耐久性もある。
本発明のシャトルコック用人工羽根は、羽部と融着する軸部の表面が、波状、格子状または凹凸状を有することが好ましい。
軸部の波状の形態は、軸部表面の表面積が通常の表面よりも広くなるとよいのであって、間隔や高さが一定的な波状や山谷でもよく、または間隔や高さが不規則な山谷でもよく、羽部と軸部が接するものであればよい。また、格子状については、正方形や長方形、ひし形でもよく、また規則的でもよく不規則でもよく、羽部と軸部が接するものであればよい。また、凹凸状については、射出成形におかれるブラスト加工やシボ加工等により、均一または不均一の山谷があればよく、羽部と軸部が接するものであればよい。
さらに、本発明で用いられる軸部は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12およびポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂を射出成形することにより得ることができる。
軸部にさらにガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維を混ぜてもよい。ガラス繊維や炭素繊維などの強化繊維を軸部に用いることにより耐久性が向上する。
軸部表面の表面積が通常の表面よりも広くなると、軸部と羽部との接着面積も拡大し耐久性が向上する。その表面積を広げた形状としては、波状、格子状および凹凸状が好ましく、射出成形から得られる軸部の形状を考慮すると、波状と格子状が好ましく、さらには射出成形の金型を放電加工や砂によるブラスト加工することにより表面積を増やすことができる。
そのため、本発明においては、羽部と融着する側の軸部の表面積が、同形の平坦な表面を有する軸部の面積に対し1.0〜6.0倍の面積を有することが好ましく、上記表面積はより好ましくは1.5〜4.0倍であり、さらに好ましくは1.8〜2.5倍である。
また、本発明においては、軸部の断面形状が、T字、十字、三菱形または3角形から12角形の多角形の形状であることが好ましく、さらにはT字、十字、3角形および4角形が好ましい態様である。さらに、軸部は、重量を軽くするために軸部内部を空洞にすることが好ましい。
また本発明においては、羽部がプリーツ構造を有することが好ましい。また、プリーツの方向は軸方向と平行もしくは垂直があるが、強度向上のためには垂直方向でもよいが、軸部方向と水平方向にプリーツされていることが好ましい。
不織布やフィルムなどからなる羽部のプリーツ形状は、プリーツ高さは1mm〜5mmが好ましく、さらに好ましくは2mm〜4mmである。また、プリーツ幅は1mm〜5mmが好ましく、さらに好ましくは2mm〜4mmである。また、プリーツ条数は、羽部1枚当たり1条〜5条が好ましく、さらに好ましくは1条〜2条である。
図2や図4の断面形状に示されているように、軸部を囲い折れ曲がっている形状を意味する。
プリーツの角度は、好ましくは水平面に対し1度から30度が好ましく、さらに好ましくは3度から25度が好ましく、さらに好ましくは5度から20度である。
羽部は、プリーツされていることにより、羽部の強度が増すと伴に耐久性も向上する。また、羽部が軸部と水平にプリーツされていることにより、プリーツの折り目と軸部が接合し接触面積を広げることになり、羽部と軸部との接合の耐久性が向上する。
また、羽部が軸部と垂直に羽部がプリーツされていても、羽部と融着する軸部の表面が融着されていれば使用上の支障はない。
さらには、プリーツを連続加工した状態の不織布等の羽部の谷部に軸部を置くことにより、軸部が移動することなく、超音波融着やレーザー融着することができる。この結果、シャトルコック用人工羽根を連続かつ安定的に生産することができ、この軸部と連続したプリーツからなる不織布等の羽部を、羽部の形の打ち抜きとすることによりシャトルコック用人工羽根を製造することができる。
本発明においてはさらに、羽部と軸部が、熱可塑性樹脂からなるビードにより融着されることにより、羽部と軸部とを補強することができる。羽部の表面と軸部の表面が融着されていて、なおかつビート材で補強されていることにより、羽部と軸部の接合の強力が向上し、さらには羽部のプリーツ形状が保持されるので、シャトルコック用人工羽根の耐久性が向上する。
本発明においてはさらに、羽部と軸部が、熱可塑性樹脂からなるビードにより融着されることにより、羽部と軸部とを補強することができる。羽部の表面と軸部の表面が融着されていて、なおかつビート材で補強されていることにより、羽部と軸部の接合の強力が向上し、さらには羽部のプリーツ形状が保持されるので、シャトルコック用人工羽根の耐久性が向上する。
ビート材としては、エチレンビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂を射出成形して得ることができる。
中でもビート材としてはエチレンビニルアルコール、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどオレフィン系の熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
本発明においては、羽部と軸部さらにはビート材が生物由来の熱可塑性の生分解樹脂からなることが好ましい。生物由来の熱可塑性の生分解樹脂としては、好ましくはポリ乳酸、ボリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートおよびポリプロピレンテレフタレートを用いることができる。
シャトルコック用人工羽根が、生物由来の熱可塑性の生分解性樹脂から構成されると、使用後に焼却しても大気中の炭酸ガスを増やすことなく、環境にやさしい製品となる。また、生分解性であると微生物等による分解により堆肥となり、再び植物となり再生可能な製品となる。
本発明のシャトルコック用人工羽根は、バドミントン用シャトルコック等に好適に用いられ、意匠上好ましくかつ耐久性に優れたバドミントン用シャトルコックであり、さらに好ましくは、植物由来の生分解樹脂を用いることにより、特定的には、優れた耐久性を有するだけでなく炭酸ガス排出を削減可能なシャトルコック用人工羽根である。
以下、実施例を挙げて本発明のシャトルコック用人工羽根の特徴をさらに具体的に説明する。実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容および処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明は示す例により限定的に解釈されるべきものではない。
また、実施例において、耐久性、飛翔性および意匠性の評価は、次のようにして行った。
[耐久性]
耐久性は、バトミントンのコート規格内のバックバウンダリーラインの手前530mmから990mmまでの範囲内に落ちたショットにおいて、1000ショット打ったときに、羽根から羽部が外れたのが100個中0〜1個であれば◎(最適)、2〜5個は○(良好)、5〜20個は△(可)、21個以上は×(不可)とした。
耐久性は、バトミントンのコート規格内のバックバウンダリーラインの手前530mmから990mmまでの範囲内に落ちたショットにおいて、1000ショット打ったときに、羽根から羽部が外れたのが100個中0〜1個であれば◎(最適)、2〜5個は○(良好)、5〜20個は△(可)、21個以上は×(不可)とした。
[飛翔性]
飛翔性は、バトミントンのコート規格内のバックバウンダリーラインの手前530mmから990mmまでの範囲内に落ちたショットにおいて、天然シャトルでは100個中99個が枠内に入ったのに対し、100個中100〜99個入ったのが◎(最適)、98〜95個が○(良好)、94〜80個が△(可)、79以下が×(不可)とした。
飛翔性は、バトミントンのコート規格内のバックバウンダリーラインの手前530mmから990mmまでの範囲内に落ちたショットにおいて、天然シャトルでは100個中99個が枠内に入ったのに対し、100個中100〜99個入ったのが◎(最適)、98〜95個が○(良好)、94〜80個が△(可)、79以下が×(不可)とした。
[意匠性]
意匠性は、100枚の羽根から1mm以上の樹脂や接着剤のはみ出しみが、0〜1個であれば◎(最適)、2〜5個は○(良好)、5〜20個は△(可)、21個以上は×(不可)とした。
意匠性は、100枚の羽根から1mm以上の樹脂や接着剤のはみ出しみが、0〜1個であれば◎(最適)、2〜5個は○(良好)、5〜20個は△(可)、21個以上は×(不可)とした。
(実施例1)
まず、図1およびを図1の線分I−IIにおける断面模式図である図2を参照して、本発明のシャトルコック用人工羽根1の構造を説明する。
まず、図1およびを図1の線分I−IIにおける断面模式図である図2を参照して、本発明のシャトルコック用人工羽根1の構造を説明する。
羽部2は、ポリエチレン樹脂からなる不織布からなり、目付けが40g/m2で、厚み6が0.8mmで、長さ7が38.1mmで、幅8が19.0mmで、狭幅9が8.5mmで、広幅10が10.5mmで、面積が5.1cm2で、重量が0.020gの不織布である。プリーツは長さ方向に折られており、プリーツ高さ14は1.8mmの1条で、プリーツの角度は10度ある。
軸部3はポリプロピレン樹脂からなり、軸部3の長さ11は76mmであり、厚み12は2.0mmで軸部3の断面形状はT字状の構造を有しており、羽部の先になるに従い円錐形となっている。軸部3の重さは0.120gである。軸部の羽部と融着する側の表面積4は0.72cm2で、これは平坦な表面を有する軸部の面積に対して2.7倍である。また、軸部の表面側に格子状の山谷がある。
羽部2と軸部3は、軸部の表面4が融溶して羽部2に融着し接合されている。得られたシャトルコック用の人工羽根1の重量は、0.140gであった。
このシャトルコック用人工羽根1の製造方法は、ポリエチレンからなる不織布を型抜きで打ち抜きして羽部2を形成し、ポリプロピレンの射出成形で得られた軸部3を羽部2の不織布の上に設置した後、アレックス製PS DIALOGデジタルコントロールを用いて、溶融着した。超音波照射の条件は、沈み込み量0.46mm、照射時間0.66秒、エネルギー量350W/S、加圧0.4MPaである。
得られたシャトルコック用人工羽根1を、コルクに16個差込み、エチレンビニルアルコール、ポリエチレンおよびポリプロピレンのオレフィン系の混合熱可塑性樹脂で接着したシャトルコック5を得た。
(実施例2)
実施例1のうち、羽部2の樹脂をポリ乳酸に変え、目付は50g/m2で、厚みは0.9mmで、長さ7は38.0mmで、幅3は19.5mmで、狭幅4は8.0mmで、広幅5は11.5mmで、面積は5.2cm2で、重量は0.026gの羽部2を用いた。
実施例1のうち、羽部2の樹脂をポリ乳酸に変え、目付は50g/m2で、厚みは0.9mmで、長さ7は38.0mmで、幅3は19.5mmで、狭幅4は8.0mmで、広幅5は11.5mmで、面積は5.2cm2で、重量は0.026gの羽部2を用いた。
プリーツ高さ14は1.7mmの1条で、プリーツの角度は8度ある以外は実施例1と同じである。
軸部3はポリ乳酸からなり、長さ6は77mmであり、厚み7は2.1mmで十字状の断面構造を有しており、羽部の先になるに従い円錐形となる。重さは0.11gである。羽部と軸部は、軸部の表面が融着して羽部に接合している。軸部の羽部と融着する側の表面積4は0.50cm2で、これは平坦な表面を有する軸部の面積に対して1.9倍である。また、軸部の表面側が波状となっている。また、超音波条件は照射時間を0.75秒としたこと以外は、実施例1と同じ条件である。
得られたシャトルコック用の人工羽根1の重量は、0.136gであった。得られたシャトルコック用の人工羽根1をコルクに16個差込みエチレンビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレンのオレフィン系の混合熱可塑性樹脂で接着したシャトルコック5を得た。
(実施例3)
実施例1のうち、羽部2の樹脂をポリエチレンテレフタレート樹脂とし、目付は38g/m2で、厚みは0.7mmで、長さ2は37.9mmで、幅3は19.2mmで、狭幅4は8.1mmで、広幅5は11.1mmで、面積は5.1cm2で、重量は0.019gの羽部2を用いた。プリーツは長さ方向に折られており、プリーツ高さ14は2mmの1条である。
実施例1のうち、羽部2の樹脂をポリエチレンテレフタレート樹脂とし、目付は38g/m2で、厚みは0.7mmで、長さ2は37.9mmで、幅3は19.2mmで、狭幅4は8.1mmで、広幅5は11.1mmで、面積は5.1cm2で、重量は0.019gの羽部2を用いた。プリーツは長さ方向に折られており、プリーツ高さ14は2mmの1条である。
軸部3はポリエチレン樹脂からなり、長さ6は72mmであり、厚み7は1.8mmで軸部の断面は三角形の構造を有しており、羽部の先になるに従い円錐形となる。重さは0.11gである。軸部の羽部と融着する側の表面積4は0.55cm2で、これは平坦な表面を有する軸部の面積に対して2.1倍である。また、軸部の表面側が凹凸状となっている。また、超音波条件はエネルギー量を380W/Sとし、加圧を0.5MPaとしたこと以外は、実施例2と同じ条件である。得られたシャトルコック用人工羽根の重量は、0.129gであった。
このシャトルコック用の人工羽根の製造方法は、羽部2の不織布は、レシプロ機を用いてプリーツ構造をつけた後、エチレンビニルアルコール、ポリエチレンおよびポリプロピレンのオレフィン系の混合熱可塑性樹脂からなる図4に示されるビート材13で構造保持し、ビート材13が羽部と溶融固着される前に軸部を置き、ビート材13固着させる。この不織布を型抜きで打ち抜く、得られたシャトルコック用人工羽根1をコルクに16個差込み、エチレンビニルアルコール、ポリエチレンビート材およびポリプロピレンなどオレフィン系の熱可塑性樹脂で接着したシャトルコックを得た。
(実施例4)
まず、図3およびを図3の線分III−IVにおける断面模式図である図4を参照して、本発明のシャトルコック用人工羽根の構造を説明する。
まず、図3およびを図3の線分III−IVにおける断面模式図である図4を参照して、本発明のシャトルコック用人工羽根の構造を説明する。
実施例1のうち、羽部を、羽部の樹脂をポリエチレンテレフタレートとし、目付が38g/m2で、厚みが0.7mmで、長さ2が37.9mmで、幅3が19.4mmで、狭幅4が8.1mmで、広幅5が11.3mmで、面積が5.1cm2で、重量が0.019gであるの不織布とした。羽部のプリーツは、長さ方向に折られており、プリーツ高さ14は1.8mmの1条であった。軸部5は、ナイロン66からなり、長さ6は71mmであり、厚み7は1.7mmで四角状の断面構造でかつ内部が中空であり、羽部の先になるに従い円錐形となっており、重さは0.11gであった。軸部の羽部と融着する側の表面積4は0.40cm2で、軸部の表面側が凹凸状となっている。この表面積は、平坦な表面を有する軸部の面積に対して1.5倍である。
このシャトルコック用の人工羽根の製造方法は、羽部の不織布をレシプロ機を用いてプリーツ構造をつけた後、エチレンビニルアルコール、ポリエチレンおよびポリプロピレンのオレフィン系の混合熱可塑性樹脂からなるビート材で構造保持し、ビート材が固着する前に軸部を置き、固着させる。また、超音波条件はエネルギー量350W/S以外は、実施例3と同じ条件である。ビート材の重さは0.005gであった。得られたシャトルコック用の人工羽根1の重量は、0.134gである。
この不織布を型抜きで打ち抜く、得られたシャトルコック用の人工羽根1をコルクに16個差込みエチレンビニルアルコール、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどオレフィン系の熱可塑性樹脂で接着したシャトルコックを得た。
(実施例5)
実施例4において、ビート材がポリ乳酸からなるビート材で構造保持し、ビート材が固着する前に軸部を置き、固着させる。ビート材の重さは0.006gであった。ビート材としてポリ乳酸を用いたことこと以外は、実施例4と同様にしてシャトルコックを得た。得られたシャトルコック用の人工羽根1の重量は、0.138gであった。
実施例4において、ビート材がポリ乳酸からなるビート材で構造保持し、ビート材が固着する前に軸部を置き、固着させる。ビート材の重さは0.006gであった。ビート材としてポリ乳酸を用いたことこと以外は、実施例4と同様にしてシャトルコックを得た。得られたシャトルコック用の人工羽根1の重量は、0.138gであった。
(比較例1)
図5およびを図5の線分V−VIにおける断面模式図である図6を参照して、従来のシャトルコック用の人工羽根の構造を説明する。
図5およびを図5の線分V−VIにおける断面模式図である図6を参照して、従来のシャトルコック用の人工羽根の構造を説明する。
実施例1のうち、羽部の樹脂をポリエチレンからなる発泡シートとし、目付が40g/m2で、厚みが0.7mmで、長さ2が17.9mmで、幅3が19.4mmで、狭幅4が8.1mmで、広幅5が11.3mmで、面積が5.1cm2で、重量が0.020gのものを用いた。軸部は、ナイロン66からなり、発泡シートとの接着力が弱いので、長さ6は71mmであり、厚み7は2.7mmで十字状の断面構造となり太くなっており、羽部の先になるに従い円錐形となっている。軸部の重さは、0.21gである。軸部の羽部と融着する側の表面積は0.26cm2である。この表面積は、平坦な表面を有する軸部の面積に対して1.0倍である。
この軸部を羽部のポリエチレンからなる発泡シート上に置き、さらに目付30g/m2のポリエチレン樹脂からなる粘着シートで固定する(図6)。粘着シートの重さは0.016gであり、得られたシャトルコック用人工羽根の重量は、0.246gであった。得られたシャトルコック用の人工羽根は重いので、コルクに15個しか差込こめなかったが、エチレンビニルアルコール、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどオレフィン系の熱可塑性樹脂で接着したシャトルコックを得た。
(比較例2)
図7およびを図7の線分VII−VIIIにおける断面模式図である図8を参照して、従来のシャトルコック用の人工羽根の構造を説明する。
図7およびを図7の線分VII−VIIIにおける断面模式図である図8を参照して、従来のシャトルコック用の人工羽根の構造を説明する。
実施例1のうち、羽部の樹脂をポリエチレンからなる不織布とし、目付が41g/m2で、厚みが0.7mmで、長さが37.8mmで、幅が19.0mmで。狭幅が7.9mmで、広幅が11.1mmで、面積が5.0cm2で、重量が0.023gのものを用いた。
軸部には、ナイロン66からなり、長さが70mmであり、厚みが2.8mmで十字状の断面構造を有しており、羽部の先になるに従い円錐形となっている軸部を用いた。軸部の重さは0.21gであった。軸部の羽部と融着する側の表面積は0.25cm2である。この表面積は、平坦な表面を有する軸部の面積に対して1.0倍である。
このシャトルコック用人工羽根の製造方法は、ポリ乳酸からなる不織布を型抜きで打ち抜きして羽部を製造し、軸部を熱風乾燥機を用いて290℃×10minで加熱した後、羽部の不織布の上に軸部を設置して溶着した。ここでの溶着は、熱風乾燥機による熱で、軸部の樹脂表面をあらかじめ溶かして、その後に羽部と接合させたものである(図8)。
得られたシャトルコック用の人工羽根の重量は、0.233gであった。軸部が溶けた樹脂が、図7と8のように羽部の不織布に大部分はみ出している。
得られたシャトルコック用の人工羽根は重いので、コルクに15個しか差込こめずエチレンビニルアルコール、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどオレフィン系の熱可塑性樹脂で接着したシャトルコックを得た。
(比較例3)
比較例1において、粘着シートの代わりに、アクリル樹脂系接着剤を用いたこと以外は、比較例1と同様にしてシャトルコックを得た。得られたシャトルコック用の人工羽根の重量は、0.256gであった。
比較例1において、粘着シートの代わりに、アクリル樹脂系接着剤を用いたこと以外は、比較例1と同様にしてシャトルコックを得た。得られたシャトルコック用の人工羽根の重量は、0.256gであった。
上記の実施例1〜5と比較例1〜3の評価結果を、まとめて表1に示す。
本発明は、バドミントン用シャトルコック等に好適に用いられる、シャトルコック用人工羽根およびそれらの製造方法に関し、特に好ましくは熱可塑性樹脂からなる羽部2と軸部3を超音波融着により接合することで、意匠上好ましくかつ耐久性が向上したバドミントン用シャトルコックが得られる。さらに好ましくは植物由来の生分解樹脂を用いることで、特定的には、優れた耐久性を有するだけでなく炭酸ガス排出を削減可能なシャトルコック用人工羽根と、それを用いたシャトルコックおよびそれらの製造方法に関するものである。
1 シャトルコック用羽根
2 羽部
3 軸部
4 羽部2と融着する軸部の表面
5 シャトルコック
6 羽部厚み
7 羽部長さ
8 羽部全幅
9 羽部狭幅
10 羽部広幅
11 軸部長さ
12 コルク
13 ビート
14 プリーツ高さ
2 羽部
3 軸部
4 羽部2と融着する軸部の表面
5 シャトルコック
6 羽部厚み
7 羽部長さ
8 羽部全幅
9 羽部狭幅
10 羽部広幅
11 軸部長さ
12 コルク
13 ビート
14 プリーツ高さ
Claims (9)
- 羽部と前記羽部に接続された軸部とを備えたシャトルコック用人工羽根において、羽部と軸部が熱可塑性樹脂からなり、羽部と軸部が超音波および/またはレーザーによって融着されてなることを特徴するシャトルコック用人工羽根。
- 羽部と融着する軸部の表面が、波状、格子状または凹凸状を有することを特徴する請求項1記載のシャトルコック用人工羽根。
- 羽部と融着する側の軸部の表面積が、同形の平坦な表面を有する軸部の面積に対し1.5〜4.0倍の面積を有することを特徴とする請求項2記載のシャトルコック用人工羽根。
- 軸部の断面形状が、T字、十字、3角形から12角形の多角形の形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のシャトルコック用人工羽根。
- 羽部がプリーツ構造を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかにのシャトルコック用人工羽根。
- 羽部と軸部が、さらに熱可塑性樹脂からなるビード13により融着されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のシャトルコック用人工羽根。
- 熱可塑性樹脂が生物由来の生分解樹脂からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のシャトルコック用人工羽根。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のシャトルコック用人工羽根を用いたバトミントンシャトルコック。
- 羽部と前記羽部に接続された軸部とを備えたシャトルコック用人工羽根の製造方法において、熱可塑性樹脂からなる羽部と熱可塑性樹脂からなる軸部を積設し、超音波照射および/またはレーザー照射により羽部の表面および/または軸部の表面を融解固化せしめ、羽部と軸部を融着させることを特徴とする請求項1記載のシャトルコック用人工羽根の製造方法。
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-
2010
- 2010-05-14 JP JP2010111870A patent/JP2011239810A/ja active Pending
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