コネクテッド車両の1つまたは複数のセンサによって記録されたセンサ測定値の正確性を判定するシステム、方法およびコンピュータプログラム製品を含む実施形態が記載される。
一実施形態では、センサデータの2つの情報源が存在する。センサデータの第1の情報源はエゴ車両(ego vehicle、自車両ともいう)のローカルセンサである。本明細書では、この第1の情報源を介して提供されるセンサデータを、「ローカルセンサデータ」と称する。センサデータの第2の情報源は、エゴ車両から遠隔の位置にある他の車両のセンサを含む。これらの遠隔車両(remote vehicle)は、専用狭域通信(Dedicated Short Range Communication:「DSRC」)または他の無線通信方式によって、それらの遠隔車両のセンサデータをエゴ車両に無線で送信してもよい。本明細書では、この第2の情報源を介して提供されるセンサデータを、「遠隔センサデータ」と称する。遠隔センサデータは、DSRCメッセージの中に含まれていてもよく、そのため、DSRCデータと呼ばれる。例えば、図4Aおよび4Bを参照されたい。いくつかの状況では、ローカルセンサデータの方が遠隔センサデータよりも正確である。他の状況では、遠隔センサデータの方が、ローカルセンサデータよりも正確なことがある。
一実施形態では、エゴ車両と遠隔車両のうちの1台以上の車両とは、DSRC搭載車両(DSRC−equipped vehicle)である。DSRC搭載車両は、以下の
うちの1つまたは複数の要素を含む車両を含んでもよい:DSRCメッセージを符号化および送信するのに必要なDSRCトランシーバおよびソフトウェアまたはハードウェア;DSRCメッセージを受信および復号するのに必要なDSRC受信器およびソフトウェアまたはハードウェア;及び、DSRC対応(DSRC−compliant)全地球測位システム(「DSRC対応GPSユニット」)。
DSRC対応GPSユニットは、車両の位置を車線レベルの正確性で示す車両位置データを提供することができる。車線レベルの正確性とは、車両の位置が、屋外で走行しているときに車両の走行車線が正確に決定されるくらいの正確性で表されることを意味してもよい(例えば、当該車両の実際の位置からプラスまたはマイナス1.5メートルの範囲)。従来のGPSシステムは、車両の位置を車線レベルの正確性で決定することはできない。例えば、車道の一般的な車線の幅は約3メートルである。しかしながら、従来のGPSシステムは、車両の実際の位置に対してプラスまたはマイナス10メートルの正確性しか持たないことがある。
DSRC対応GPSユニットは、DSRC規格に対応する精度で車両の位置を示す車両位置データを取り出すためにGPS衛星と無線通信するハードウェアを含んでもよい。DSRC規格は、車両位置データが、2台の車両が同じ車線上にあるか否かを推定するのに十分な精度を有していることを要求している。DSRC対応GPSユニットは、屋外における時間の68%で、DSRC対応GPSユニットの実際の位置から1.5メートル以内の範囲で、DSRC対応GPSユニットの2次元位置を識別、監視および追跡してもよい。車道の車線の幅は通常3メートル以上であるため、車両位置データの2次元誤差が1.5メートル未満であるときには常に、本明細書に記載された正確性判定システムは、DSRC対応GPSユニットによって提供された車両位置データを解析し、当該車両が当該車道のどの車線を走行しているのかを、当該車道上の車両の相対位置に基づいて決定してもよい。このようにして、DSRC対応GPSユニットは、車両位置データを車線レベルの正確性で有益に提供し、それにより、正確性判定システムが、より正確な車両位置データをエゴ車両のADASシステムに提供することを可能にし、それにより、ADASシステムの機能を向上させることができる。
一実施形態では、車両以外のデバイスにDSRCが搭載されていてもよい。これらのDSRC搭載デバイスは、DSRCメッセージを介して遠隔センサデータをエゴ車両に中継するために使用されてもよい。例えば、以下の要素のうちの1つまたは複数の要素を含んでいるのであれば、路側機(roadside unit:「RSU」)または他の通信デバイスはDSRCを搭載していると言える:DSRCメッセージを符号化および送信するのに必要なDSRCトランシーバおよびソフトウェアまたはハードウェア;及び、DSRCメッセージを受信および復号するのに必要なDSRC受信器およびソフトウェアまたはハードウェア。
本明細書に記載された実施形態では、DSRCメッセージまたは基本安全メッセージ(Basic Safety Message:「BSM」)などの無線メッセージを介した遠隔センサデータのエゴ車両への無線送信を利用してもよい。当該遠隔センサデータは、DSRCメッセージまたはBSMの中に含まれているDSRCデータに含まれている。
一部の情報は安全上重要であり、リアルタイムで利用可能でなければならないことがあるため、DSRCは、そのBSM要件とともに、計算に必要な性能および根底をなすネットワークプロトコルを提供する。これは、DSRCが、モビリティおよび車両用途向けに設計されているためである。DSRC使用可能デバイス(DSRC−enabled device)は、それらのデバイスが交換するフレームのヘッダにワイルドカードBSSID(全て「1」の値)を使用し、通信チャネルに到達したらすぐにそれらのデータフレ
ームの送受信を開始してもよい。これが、車両用途に対してDSRCが適当であり、他のタイプの無線通信が車両用途に対してあまり適当でないことの理由の一例である。
エゴ車両は、ADASシステムのセットを含んでもよい。当該ADASシステムのセットは1つまたは複数のADASシステムを含む。
一実施形態では、当該正確性判定システムを含むエゴ車両は、自律走行車両である。米国の国家道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration:「NHTSA」)は、異なる自律走行車両「レベル」、例えば、レベル0、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4およびレベル5を規定している。1台の車両が別の車両よりも高いレベルを有する場合(例えば、レベル3は、レベル2または1よりも高いレベルを有する)、よりレベルの高い車両は、よりレベルの低い車両に比べて、自律走行の特徴を、より多くの組合せおよびより多くの量で要求する。以下に、当該異なる自律走行車両レベルが簡単に説明される。
レベル0:エゴ車両に設置されたADASシステムのセットは、車両制御(vehicle control)を有さないが、エゴ車両の運転者に警告を発することはできる。車両制御は、エゴ車両のADASシステムによって提供される特徴または機能を指し、これは、例えば、ADASシステムによって提供される「自律走行特徴」または「自律走行機能」を含む。
レベル1:運転者は常に、エゴ車両を制御できる状態になければならない。エゴ車両に設置されたADASシステムのセットは、車間距離制御(Adaptive Cruise Control:「ACC」)、及び、ハンドル操作が自動化された駐車支援(Parking Assistance)および車線維持支援(Lane Keeping Assistance:「LKA」)タイプIIのうちの1つまたは複数などの自律走行特徴を、任意の組合せで提供してもよい。
レベル2:運転者は、車道環境内の物体および事象を検出すること、およびエゴ車両に設置されたADASシステムのセットが適正に反応することに失敗した場合に(運転者の主観的な判断に基づいて)反応することが強制される。車両に設置されたADASシステムのセットは、加速、制動およびハンドル操作を実行する。エゴ車両に設置されたADASシステムのセットは、運転者に運転を引き継いだ直後に動作を停止することができる。
レベル3:(高速道路などの)既知の限られた環境内で、運転者は、安全に運転任務から注意をそらすことができるが、それでもなお、必要なときにはエゴ車両を制御できるように備えていなければならない。
レベル4:エゴ車両に設置されたADASシステムのセットは、荒天などの少数の環境を除く全ての環境でエゴ車両を制御することができる。運転者は、(エゴ車両に設置されたADASシステムのセットからなる)自律走行システムを使用可能にしても安全であるときに限り、当該システムを使用可能にできる。当該自律走行システムが使用可能にされているときには、エゴ車両が、安全にかつ一般に受け入れられた規範と調和して動くのに、運転者の注意は必要とされない。
レベル5:行き先を設定することおよびシステムを始動することを除いて、人間の介入は必要とされない。当該自律走行システムは、当該システムが運転することおよび決定を下すことが合法である(これは、エゴ車両が位置する法域(jurisdiction)に基づいて異なることがある)任意の場所まで運転することができる。
一実施形態では、エゴ車両は、高度自律走行車両(Highly Autonomous Vehicle)(「HAV」)である。HAVは、上で説明されたまたは2016年9月に発表された「Federal Automated Vehicles Policy:Accelerating the Next Revolution in Roadway Safety」という表題のNHTSAの政策資料の9ページにNHTSAによって規定されたレベル3以上で動作するADASシステムのセットを含む車両(例えば、DSRC使用可能エゴ車両)である。
ADASシステムの例は、以下のシステムのうちの1つまたは複数のシステムを含む:ACCシステム;適応ハイビームシステム;適応光制御システム;自動駐車システム;自動車夜間視界システム;ブラインドスポットモニタ;衝突回避システム;横風安定化システム;運転者居眠り検出システム;運転者監視システム;緊急運転者支援システム;前方衝突警告システム;交差点支援システム;インテリジェントスピード適応システム;車線逸脱警告システム;歩行者保護システム;道路標識認識システム;ターニングアシスタント(turning assistant);および逆走警告システム。これらの例示的なADASシステムはそれぞれ、それらのシステム自体の特徴および機能を提供し、本明細書では、それらの特徴および機能がそれぞれ、「ADAS特徴」または「ADAS機能」と呼ばれることがある。本明細書において、これらの例示的なADASシステムによって提供される当該特徴および機能はそれぞれ、「自律走行特徴」または「自律走行機能」とも呼ばれる。
一実施形態では、エゴ車両はDSRC無線ユニットを含む。当該DSRC無線ユニットは、DSRCトランシーバおよびDSRC受信器を含む。DSRC無線ユニットは、DSRCデータを含むDSRCメッセージを受信する。当該DSRCデータはとりわけ、第1の遠隔車両によって測定されたセンサ情報を含む。当該DSRCメッセージは第1の遠隔車両によって送信される。エゴ車両は、電子制御ユニット(electronic control unit:「ECU」)などの車載車両コンピュータを含む。当該車載車両コンピュータは、本明細書に記載された正確性判定システムを含む。当該正確性判定システムは、車載車両コンピュータによって実行されたときに、利用可能な全ての情報を車載車両コンピュータに解析させ、DSRCデータに含まれるセンサ情報が正確か否かのリアルタイムまたはほぼリアルタイムの計算を提供するコード(code)およびルーチンを含む。例えば、第1の遠隔車両の1つまたは複数のセンサが故障、損傷しており、または較正、修復、交換またはソフトウェア更新を必要としている場合など、当該センサ情報は正確でないことがある。センサ情報が正確でないと判定された場合、正確性判定システムは、当該DSRCデータを消去または無視する。
一実施形態では、将来的に発生する当該特定の第1の遠隔車両からのDSRCデータは、正確か否かを判定せずに消去または無視される。例えば、第1の遠隔車両が正確性判定システムによって信用できない(untrustworthy)と判定されると、この特定の第1の遠隔車両の固有の車両識別子を含む全ての無線メッセージはエゴ車両によって消去または無視される。
一実施形態では、センサ情報が正確か否かを判定するときに正確性判定システムによって考慮される情報は、例えば、以下のうちの1つまたは複数の情報を含む:(1)信頼できることが知られているまたは信頼できると考えられるエゴ車両の車載センサセットによって測定された対応するセンサ情報;(2)他のコネクテッド車両(すなわち第2の遠隔車両)から受信された情報であり、第1の遠隔車両によって生成されたセンサ情報の正確性を示す情報;および(3)第1の遠隔車両によって生成されたセンサ情報(例えば、第1の遠隔車両によってブロードキャストで送信または送信されたDSRCメッセージのパート1に含まれるDSRCデータ)。例示的なDSRCメッセージのパート1およびパー
ト2は図4Bに示されている。
本明細書に記載された正確性判定システムは、既存の解決策の複数の欠点を解決する。次に、これらの欠点が説明される。
第1に、既存の解決策は常に、(第1の遠隔車両などの)サードパーティ(third−party)コネクテッド車両から受信されたセンサ情報は信頼できると仮定する。これらの既存の解決策は、サードパーティ源からセンサ情報を受信し、このセンサ情報に基づく動作決定を自動的に行う。しかしながら、このセンサ情報が常に信頼できるわけでないことは経験から知られている。なぜなら、保守、較正またはソフトウェア更新を車両センサが必要としている車両は常に存在し、そのような車両によって生成されるセンサ情報は不正確であるかまたは一貫性がない。本明細書に記載された正確性判定システムは、信頼できない車両(unreliable vehicle)を識別し、これらの信頼できない車両から受信されたセンサ情報を排除することによってこの問題を解決する。当該正確性判定システムを含むエゴ車両によってセンサ情報を含む無線メッセージが受信されたとき、正確性判定システムは、利用可能な関連データをリアルタイムで(またはほぼリアルタイムで)解析して、サードパーティ車両から受信されたセンサ情報の正確性を決定し、さらにオプションとして当該サードパーティ車両自体に対する「信用レベル(trust level)」を決定する。この解析は、エゴ車両に対する動作決定を実施するために当該センサ情報がエゴ車両のADASシステムによって使用される前に実施される。その結果として、当該正確性判定システムは、信頼できない情報源から受信されたセンサ情報を排除することにより、コネクテッド車両の動作決定の質を有益に向上させる。これに比べて、既存の解決策は、信頼できない情報源から受信されたセンサ情報を排除せず、したがって、本明細書に記載された正確性判定システムを含む車両によって実施される車両動作決定に比べて劣った車両動作決定をする可能性が高い。当該正確性判定システムによって可能にされる改善された動作決定は、車両の安全性を高め、命を救う可能性がある。
第2に、一実施形態では、本明細書に記載された正確性判定システムは、サードパーティ車両の壊れたセンサまたは不正確なセンサを検出し、そのサードパーティ車両が修復を求めることを支援する。例えば、当該正確性判定システムは、そのセンサ情報が不正確または一貫性がない車両を、上記で説明された手法で検出する。これらの車両を、「非信頼車両」と称する。一実施形態では、当該正確性判定システムは、非信頼車両に、当該非信頼車両のセンサが保守、較正またはソフトウェア更新を必要としているようであることを通知する無線メッセージを送信することをエゴ車両に実行させる機能を含む。当該非信頼車両は次いで、当該非信頼車両のセンサがサービス作業を必要としていることを運転者に通知するステップを実行してもよい。
または、当該正確性判定システムは、非信頼車両を識別する無線メッセージおよび当該車両が非信頼車両であることを示すために正確性判定システムによって使用されたデータを、当該非信頼車両の製造業者のサーバに送信することもできる。当該サーバは、これらのデータを解析して、当該車両が「信頼できない」車両であるか否かを確認することができる。当該車両が「信頼できない」車両であるとの判定が当該サーバによって確認された場合、当該製造業者は、運転者に(例えば、電子メール、SMSまたは都合のよい他の何らかの手段を介して)メッセージを送る、または、当該車両をメンテナンスに出すよう運転者を促すメッセージを当該車両自体に表示させる、等の措置をとることができる。当該車両が「信頼できない」車両であるとの判定が当該サーバによって確認されない場合、当該サーバは次いで、正確性判定システムの動作および機能を向上させる正確性判定システムのソフトウェア更新を生成するのに役立つデータを集める措置をとることができる。
第3に、当該正確性判定システムは、他の車両が不正確なセンサ測定値を記録する可能
性がある悪意ある攻撃(malicious attack)を検出することにより、当該他の車両のセキュリティを向上させることがある。例えば、非信頼車両は、悪意ある個人または悪意あるコンピュータプログラムによってハッキングされていることにより、不正確なセンサ情報または一貫性のないセンサ情報を生成していることがある。上記で説明されたとおり、当該正確性判定システムは、(1)センサ情報が不正確または一貫性がない車両を検出すること、および(2)当該非信頼車両に、この問題を通知する無線メッセージを送信すること、ができる。これらの車両は最終的に、サービス作業のために販売店または整備工に持ち込まれ、そこで当該ハッキング問題が発見される。
または、当該正確性判定システムは、非信頼車両を識別する無線メッセージおよび当該車両が非信頼車両であることを示すために正確性判定システムによって使用されたデータを、当該非信頼車両の製造業者のサーバに送信することもできる。当該サーバは、これらのデータを解析することができる。当該サーバはさらに、当該サードパーティ車両自体から他の診断データを取り出すこともできる。このようにすると、当該サーバは、当該サードパーティ車両がハッキングされているか否かの確認を試みることができる。当該サードパーティ車両がハッキングされている場合、当該サーバは、路肩(または安全かつ合法であることが知られている他の何らかの位置)まで安全に運転し、動作を停止することを当該サードパーティ車両のADASシステムに実行させる無線メッセージを当該サードパーティ車両に送信するなど、緊急の措置をとることができる。当該サーバは、この問題を運転者に通知する追加の措置、および運転者を支援する他の措置をとることができる。一実施形態では、当該サーバはクラウドサーバである。
動作時に1つまたは複数のコンピュータのシステムに特定の操作を実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたはこれらの組合せを当該システムにインストールすることにより、当該システムを、当該動作または操作を実行するように構成することができる。データ処理装置によって実行されたときに当該装置にその操作を実行させる命令を含むことにより、1つまたは複数のコンピュータプログラムを、当該動作または操作を実行するように構成することができる。
一般的な一態様は、ADASシステムを含むエゴ車両のための方法を含む。当該方法は、第1の遠隔車両に関する情報を示すDSRCデータであり、当該第1の遠隔車両によって記録されたセンサ測定値を含むDSRCデータを受信すること、当該DSRCデータが、エゴ車両の1つまたは複数のセンサによって測定されたローカルセンサデータと一致していないと判定すること、遠隔車両のセットに、当該遠隔車両のセットによって決定された第1の遠隔車両のセンサ測定値の正確性を示す遠隔正確性データを要求すること、エゴ車両によって決定された第1の遠隔車両に対する正確性レベルを示す、第1の遠隔車両に対するエゴ正確性データを、遠隔車両のセットから受信された遠隔正確性データに基づいて決定すること、及び、当該DSRCデータをADASシステムに入力するか否かを、エゴ正確性データによって表された正確性レベルに基づいて判定して、ADASシステムに不正確な情報が入力されないように、およびADASシステムの性能が向上するようにすることを含む。この態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶デバイス上に記録されたコンピュータプログラムを含み、それらはそれぞれ、当該方法の当該操作を実行するように構成されている。一実施形態では、エゴ正確性データは、DSRCデータに含まれる特定のセンサ測定値(例えば位置、スピード、進行方向(heading)など)が正確か否かを示す。
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数の特徴を含んでもよい。当該方法では、DSRCデータは、ブロードキャストで送信されたメッセージを介して受信される。当該方法では、DSRCデータは、DSRCスペクトルのチャネル172を介して受信されたメッセージに含まれる。当該方法では、DSRCデータは、特定の時刻における第1の
遠隔車両の位置、当該特定の時刻における当該遠隔車両の速度、および、当該特定の時刻における当該遠隔車両の進行方向のうちの1つまたは複数を示す。当該方法では、遠隔正確性データを要求することは、遠隔正確性データを要求するリクエストを含むメッセージを、遠隔車両のセットに含まれる1台または複数台の第2の遠隔車両にブロードキャストで送信することを含む。当該方法では、DSRCデータおよび遠隔正確性データのうちの1つまたは複数のデータは、RSUによって提供された無線メッセージに入れられて受信される。当該方法では、エゴ正確性データをしきい値と比較して、当該しきい値が満たされているか否かを判定することをさらに含み、当該DSRCデータをADASシステムに入力するか否かを判定することは、当該しきい値が満たされているときにはDSRCデータをADASシステムに入力し、当該しきい値が満たされていないときにはDSRCデータをADASシステムに入力しないことを含む。当該方法では、エゴ車両は高度自律走行車両である。記載された技法の実施態様は、ハードウェア、方法またはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
一般的な一態様は、エゴ車両を含むシステムを含む。当該エゴ車両は、ADASシステムと、当該ADASシステムに通信可能に接続された車載車両コンピュータシステムとを含む。当該車載車両コンピュータシステムは、コンピュータコードを記憶した非一時的メモリを含む。当該コンピュータコードは、車載車両コンピュータシステムによって実行されたときに、第1の遠隔車両に関する情報を示すDSRCデータであり、当該第1の遠隔車両によって記録されたセンサ測定値を含むDSRCデータを受信すること、当該DSRCデータがローカルセンサデータと一致していないと判定すること、遠隔車両のセットに、第1の遠隔車両のセンサ測定値の正確性を示す遠隔正確性データを要求すること、第1の遠隔車両に対する正確性レベルを示す、第1の遠隔車両に対するエゴ正確性データを、遠隔車両のセットから受信された遠隔正確性データに基づいて決定すること、および、当該DSRCデータをADASシステムに入力するか否かを、エゴ正確性データによって表された正確性レベルに基づいて判定して、ADASシステムに不正確な情報が入力されないようにすることを車載車両コンピュータシステムに実行させる。この態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶デバイス上に記録されたコンピュータプログラムを含み、それらはそれぞれ、当該方法の当該操作を実行するように構成されている。
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数の特徴を含んでもよい。当該システムでは、DSRCデータはDSRCメッセージに含まれており、エゴ正確性データは、DSRCデータのパート1の正確性を示す。当該システムでは、DSRCデータは、特定の時刻における第1の遠隔車両の位置、当該特定の時刻における当該遠隔車両の速度、および、当該特定の時刻における当該遠隔車両の進行方向のうちの1つまたは複数を示す。当該システムでは、遠隔正確性データを要求することは、遠隔正確性データを要求するリクエストを含むメッセージを、遠隔車両のセットに含まれる1台または複数台の第2の遠隔車両にブロードキャストで送信することを含む。当該システムでは、DSRCデータおよび遠隔正確性データのうちの1つまたは複数のデータは、RSUによって提供された無線メッセージに入れられて受信される。当該システムでは、ローカルセンサデータは、車載車両コンピュータシステムに通信可能に接続されたエゴ車両のセンサセットによって測定された、特定の時刻における第1の遠隔車両の位置、当該特定の時刻における当該遠隔車両の速度、および当該特定の時刻における当該遠隔車両の進行方向のうちの1つまたは複数を示す。当該システムでは、前記非一時的メモリが追加のコンピュータコードを記憶しており、当該追加のコンピュータコードが、車載車両コンピュータシステムによって実行されたときに、前記エゴ正確性データをしきい値と比較して、当該しきい値が満たされているか否かを判定することを、車載車両コンピュータシステムに実行させ、DSRCデータをADASシステムに入力するか否かを判定することが、当該しきい値が満たされているときにはDSRCデータをADASシステムに入力し、当該しきい値が満たされていない
ときにはDSRCデータをADASシステムに入力しないことを含む。当該システムでは、エゴ車両は自律走行車両である。記載された技法の実施態様は、ハードウェア、方法またはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
一般的な一態様は、コンピュータ実行可能コードを記憶した、エゴ車両の車載車両コンピュータシステムの非一時的メモリを含むコンピュータプログラム製品を含む。当該コンピュータ実行可能コードは、プロセッサによって実行されたときに、第1の遠隔車両に関する情報を示すDSRCデータであり、当該第1の遠隔車両によって記録されたセンサ測定値を含むDSRCデータを受信すること、当該DSRCデータがローカルセンサデータと一致していないと判定すること、遠隔車両のセットに、第1の遠隔車両のセンサ測定値の正確性を示す遠隔正確性データを要求すること、第1の遠隔車両に対する正確性レベルを示す、第1の遠隔車両に対するエゴ正確性データを、遠隔車両のセットから受信された遠隔正確性データに基づいて決定すること、および当該DSRCデータをADASシステムに入力するか否かを、エゴ正確性データによって表された正確性レベルに基づいて判定して、ADASシステムに不正確な情報が入力されないようにすることを、当該プロセッサに実行させる。この態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、および1つまたは複数のコンピュータ記憶デバイス上に記録されたコンピュータプログラムを含み、それらはそれぞれ、当該方法の当該操作を実行するように構成されている。
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数の特徴を含んでもよい。当該コンピュータプログラム製品では、DSRCデータはDSRCメッセージに含まれており、エゴ正確性データは、DSRCデータのパート1の正確性を示す。当該コンピュータプログラム製品では、遠隔正確性データを要求することは、遠隔正確性データを要求するリクエストを含むメッセージを、遠隔車両のセットに含まれる1台または複数台の第2の遠隔車両にブロードキャストで送信することを含む。当該コンピュータプログラム製品では、エゴ車両および第1の遠隔車両のうちの1台または複数台の車両は自律走行車両である、当該コンピュータプログラム製品。記載された技法の実施態様は、ハードウェア、方法またはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含んでもよい。
本発明の一態様は、ADASシステムを含む車両の、ADASシステムと通信可能に接続されたコンピュータが、第1の車両に関する情報を示すデータであって、第1の車両によって記録されたセンサ測定値を含む第1のデータを受信し、記第1のデータが、自車両の少なくとも1つのセンサによって測定されたローカルセンサデータと一致していないことを判定し、複数の第2の車両に、第2の車両が決定した当該第1の車両のセンサ測定値の正確性を示す第2の正確性データを要求し、自車両が決定した当該第1の車両の正確性レベルを示す第1の正確性データを、当該複数の第2の車両から受信された当該第2の正確性データに基づいて決定し、当該第1のデータを当該ADASシステムに入力するか否かを、第1の正確性データによって示される正確性レベルに基づいて判定する、方法である。
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数の特徴を含んでもよい。当該方法では、第1のデータは、所定の時刻における第1の車両の位置、速度、及び、進行方向のうちの少なくとも1つを含んでもよい。当該方法では、当該第1の正確性データをしきい値と比較し、当該しきい値が満たされているか否かを判定することをさらに含み、当該しきい値が満たされているときには当該第1のデータをADASシステムに入力し、当該しきい値が満たされていないときには当該第1のデータをADASシステムに入力しないことを判定してもよい。当該方法では、当該車両は、高度自律走行車両であってもよい。
本発明の他の一態様は、ADASシステムと、当該ADASシステムと通信可能に接続された制御部と、を含む車両である。当該制御部は、第1の車両に関する情報を示すデータであって、当該第1の車両によって記録されたセンサ測定値を含む第1のデータを受信し、当該第1のデータが、自車両の少なくとも1つのセンサによって測定されたローカルセンサデータと一致していないことを判定し、複数の第2の車両に、第2の車両が決定した当該第1の車両のセンサ測定値の正確性を示す第2の正確性データを要求し、自車両が決定した当該第1の車両の正確性レベルを示す第1の正確性データを、当該複数の第2の車両から受信された当該第2の正確性データに基づいて決定し、当該第1のデータをADASシステムに入力するか否かを、第1の正確性データによって示される正確性レベルに基づいて判定する。
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数の特徴を含んでもよい。当該車両では、当該第1のデータは、DSRCメッセージに含まれるDSRCデータであり、当該第1の正確性データは、当該DSRCデータのパート1の正確性を示してもよい。当該車両では、当該第1のデータは、所定の時刻における第1の車両の位置、速度、および、進行方向のうちの少なくとも1つを含んでもよい。当該車両では、当該ローカルセンサデータは、当該車両の複数のセンサによって測定された、所定の時刻における第1の車両の位置、速度、および、進行方向のうちの少なくとも1つを含んでもよい。当該車両では、当該制御部は、当該第1の正確性データをしきい値と比較して、当該しきい値が満たされているか否かを判定し、当該しきい値が満たされている場合に、当該第1のデータをADASシステムに入力し、当該しきい値が満たされていない場合に、当該第1のデータをADASシステムに入力しないことを判定してもよい。当該車両は、自律走行車両であってもよい。
本発明の他の態様の一つは、ADASシステムを含む車両の、ADASシステムと通信可能に接続されたコンピュータに、第1の車両に関する情報を示すデータであって、当該第1の車両によって記録されたセンサ測定値を含む第1のデータを受信させ、当該第1のデータが、自車両の少なくとも1つのセンサによって測定されたローカルセンサデータと一致していないことを判定させ、複数の第2の車両に、第2の車両が決定した当該第1の車両のセンサ測定値の正確性を示す第2の正確性データを要求させ、自車両が決定した当該第1の車両の正確性レベルを示す第1の正確性データを、当該複数の第2の車両から受信された当該第2の正確性データに基づいて決定させ、当該第1のデータをADASシステムに入力するか否かを、第1の正確性データによって示される正確性レベルに基づいて判定させる、ためのプログラムである。
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数の特徴を含んでもよい。当該プログラムでは、当該第1のデータは、DSRCメッセージに含まれるDSRCデータであり、当該第1の正確性データは、当該DSRCデータのパート1の正確性を示してもよい。当該車両および当該第1の車両の少なくともいずれか一方は、自律走行車両であってもよい。
本開示は、限定のためではなく、例示のために、添付図面中の図において示されている。これらの図では、同様の要素を指すために同様の参照符号が使用されている。
本明細書では、運転者の車両は、「エゴ車両」と呼ばれることがある。エゴ車両はADASシステムを含むことを想定する。エゴ車両はさらに、ローカルセンサデータを捕捉するセンサセットを含み、当該ローカルセンサデータは、当該センサセットによって記録されたセンサ測定値を示す。エゴ車両はさらに、遠隔車両のセンサによって記録された遠隔センサデータを受信してもよい。一実施形態では、遠隔センサデータは、DSRCメッセージを介して送信されたDSRCデータに含まれる。ローカルセンサデータと遠隔センサデータはともに、エゴ車両と1台または複数台の遠隔車両の両方を含む車道環境を示すデータを含んでもよい。例えば、ローカルセンサデータおよび遠隔センサデータは、特定の時点における特定の遠隔車両の位置、速度および進行方向を含む。例えば、図4Bに示されたDSRCデータのパート1を参照されたい。
ADASシステムによって提供される機能は、ADASシステムがその機能を提供しているときにADASシステムによって利用されるセンサデータの正確性に左右される。そのため、ADASシステムが有益なのは、そのデータがローカルセンサデータであるのかまたは遠隔データであるのかを問わず、どんな状況でも利用可能な最も正確なセンサデータが、ADASシステムに常に提供される場合であろう。例えば、エゴ車両は、エゴ車両をHAVにするADASシステムのセットを含み、当該ADASシステムのセットは、特定の遠隔車両との衝突を回避するために正確な遠隔センサデータを必要とする。エゴ車両は、当該特定の遠隔車両から受信された遠隔センサデータ(当該遠隔センサデータはDSRCデータに含まれていてもよい)の正確性を判定し、当該遠隔センサデータが正確か否かに基づいて、当該遠隔センサデータを当該ADASシステムのセットに入力するか否かを判定することによってこの問題を解決する正確性判定システムを含んでもよい。
遠隔センサデータは、1つまたは複数の遠隔の情報源から供給されてもよい。遠隔の情報源の例は、遠隔車両および路側機(「RSU」)を含む。例えば、遠隔車両がエゴ車両のDSRC範囲外にある場合には、RSUは、遠隔センサデータをエゴ車両に中継してもよい。任意選択で、RSUは、当該RSU自体の遠隔センサデータを記録するセンサのセットを含んでもよく、当該遠隔センサデータは、DSRCまたは他の何らかの無線通信プロトコルによってエゴ車両に関係づけられてもよい。
一実施形態では、正確性判定システムは、所与の時刻または時間枠にローカルセンサデータと遠隔センサデータのどちらがより正確であるかを知らせる通知を車両の運転者に提供してもよい。当該車両の運転者に提供される当該通知は、グラフィカルユーザインタフェース(「GUI」)などの視覚的通知、1つまたは複数のスピーカによって出力される音声などの音声通知、または、同時にまたは同時期に提供される視覚的通知と音声通知の組合せを含んでもよい。
視覚的通知は、ヘッドアップディスプレイユニットまたは電子パネルによって提供されてもよい。当該ヘッドアップディスプレイユニットは、2016年3月24日に出願された「Wireless Data Sharing Between a Mobile
Client Device and a Three−Dimensional Heads−Up Display Unit」という名称の米国特許出願第15/080,433号に記載されているものなどの3次元ヘッドアップディスプレイユニットを含んでもよい。この文献はその全体が参照によって本明細書に組み込まれている。当該電子パネルは、車両内に設置されたヘッドユニット(head−unit)またはインフォテインメント(infotainment)システムの要素であってもよい。
音声通知は、車両のヘッドユニット、インフォテインメントシステムまたはナビゲーションシステムによって操作された1つまたは複数のスピーカによって提供されてもよい。
<遠隔センサデータを含む無線メッセージの例>
DSRCを搭載した車両がますます増えている。DSRCを搭載した車両は、「DSRC搭載」または「DSRC使用可能」車両と呼ばれることがある。DSRC搭載車両は、DSRCアンテナと、DSRCメッセージを送受信し、DSRCメッセージを生成し、DSRCメッセージを読むのに必要なハードウェア又はソフトウェアと、を含んでもよい。例えば、DSRC搭載車両は、DSRCメッセージを受信し、当該DSRCメッセージに含まれるデータを取り出し、当該DSRCメッセージに含まれる当該データを読むのに必要なハードウェアまたはソフトウェアを含んでもよい。当該DSRCアンテナは、当該車両(例えばエゴ車両)が位置する法域において5.9GHz帯の75MHzスペクトルにわたってDSRCメッセージを合法的に送受信するDSRCトランシーバおよびDSRC受信器を含む。
一実施形態では、DSRC通信のための1次割当て(primary allocation)は、以下のチャネルを含む5.850GHzから5.925GHzである:BSMおよび車両−インフラストラクチャ間安全性アプリケーションの小セットを送受信するために使用される、チャネル172;インフラストラクチャ−車両間メッセージのためと、チャネル172とのチャネル間干渉の回避のためと、に使用される、チャネル174;歩行者安全性メッセージとセキュリティ証明書管理とのために使用される、チャネル176;ワイヤレスアクセスインビークラエンバイロンメンツ(Wireless Access in Vehicular Environments:WAVE)サービスの広告のため(すなわち特定の地理的領域に対してWAVEサービスが利用可能であることを車両に通知するため)に使用される、チャネル178;BSMに関係しない車両−車両間安全性メッセージおよびモビリティメッセージのために使用される、チャネル180;インフラストラクチャ−車両間安全性メッセージおよびモビリティメッセージのために使用される、チャネル182;および公共安全性(public safety)メッセージ用に指定される、チャネル184。これらのチャネルに対して示された当該説明は例示的であることが意図されており、排他的であることは意図されていない。
一実施形態では、DSRCメッセージは、遠隔車両からエゴ車両に遠隔センサデータを送信するために使用される。DSRCメッセージには様々なタイプがある。DSRCメッセージのタイプの一つはBSMとして知られている。DSRC搭載車両は、BSMを一定の周期でブロードキャストで送信する。一実施形態では、当該周期はユーザによって調整可能である。
BSMはDSRCデータを含む。DSRCデータは、BSMの送信元である車両の属性を示す。DSRCを搭載した車両は、調整可能な周期でBSMをブロードキャストで送信する。一実施形態では、当該周期は0.10秒ごとに1回である。BSMは、とりわけ以下のうちの1つまたは複数を示すDSRCデータを含む:(1)特定の時刻を示すタイムスタンプ;(2)当該タイムスタンプによって示された時刻に当該BSMを送信する車両の位置を示す車両位置データ(「全地球測位システムデータ」または「GPSデータ」と
呼ばれることもある);(3)当該タイムスタンプによって示された時刻に当該BSMを送信する車両の速度;および(4)当該タイムスタンプによって示された時刻に当該BSMを送信する車両の進行方向。後述の図4Aおよび図4Bは、一実施形態に係るDSRCデータの一例を示す。DSRCデータのパート1は一実施形態に係る遠隔センサデータを含む。例えば、図4Bを参照されたい。
一実施形態では、DSRC搭載車両は、車道に沿った他のDSRC搭載車両/デバイスの現在および将来の状態を示す情報を得るために当該車両/デバイスを調べる。当該情報は、当該車両/デバイスが受信または生成した当該車両/デバイスの経路履歴、将来の経路および遠隔センサデータを含む。この情報は、「DSRCプローブ(probe)データ」と表現される。DSRCプローブデータは、DSRCプローブを介して受信されたデータまたはDSRCプローブに応答して受信されたデータを含んでもよい。
DSRCメッセージは、DSRCベースのデータを含んでもよい。当該DSRCベースのデータは、DSRCデータまたはDSRCプローブデータを含んでもよい。一実施形態では、DSRCメッセージに含まれるDSRCベースのデータは、複数のDSRC搭載車両(または他のDSRC搭載デバイス)から受信されたDSRCデータまたはDSRCプローブデータを含んでもよい。このDSRCデータまたはDSRCプローブデータは、当該データの送信元の識別子および当該送信元の位置、または当該DSRCデータまたはDSRCプローブデータによって表された交通事象を含んでもよい。一実施形態では、DSRCプローブデータは、DSRCデータのパート1に含まれるような遠隔センサデータを含む。
一実施形態では、DSRC使用可能車両は、DSRC対応GPSユニットを含むこともある。DSRCデータまたはDSRCプローブデータは、車両の走行スピードおよび経路履歴に加え、車両が走行している車線も示してもよい。DSRCデータまたはDSRCプローブデータはさらに、以下のうちの1つまたは複数を示してもよい:1つまたは複数の異なる時刻、または、1つまたは複数の異なる位置における当該車両の速度;1つまたは複数の異なる時刻、または、1つまたは複数の異なる位置における当該車両の進行方向;および、1つまたは複数の異なる時刻、または、1つまたは複数の異なる位置における当該車両の加速度。
無線メッセージの他のタイプは、2014年8月28日に出願された「Full−Duplex Coordination System」という名称の米国特許出願第14/471,387号に記載された全二重無線メッセージである。この文献はその全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
<車線レベルの正確性の例>
GPSベースのナビゲーションシステムを含む車両の製造も増えている。GPSベースのナビゲーションシステムは、車両位置データおよび渋滞情報に基づくナビゲーションルートを運転者に提供してもよい。
車線レベルの正確性は、車両の走行車線が正確に決定されるほどの正確性で当該車両の位置が示されることを意味してもよい。正確性判定システムの状況において、正確性判定システムは、車線レベルの正確性によって、エゴ車両のリージョンIDをより正確に決定することができ、これによって、ローカルセンサデータまたは遠隔センサデータが所与の時刻または時間枠においてより正確か否かをより正確に判定することができる。従来のGPSシステムは、車両の位置を車線レベルの正確性で決定することができない。例えば、車道の一般的な車線の幅は約3メートルである。しかしながら、従来のGPSシステムは、車両の実際の位置に対してプラスまたはマイナス10メートルの正確性しか持たないこ
とがある。
DSRC対応GPSユニットは、車両の位置を車線レベルの正確性で示す車両位置データを提供することができる。DSRC対応GPSユニットは、DSRC規格に対応する精度で車両の位置を示す車両位置データを取り出すためにGPS衛星と無線通信するハードウェアを含んでもよい。DSRC規格は、車両位置データが、2台の車両が同じ車線上にあるか否かを推定するのに十分な精度を有していることを要求している。当該車線は車道の車線であってもよい。DSRC対応GPSユニットは、屋外における時間の68%で、DSRC対応GPSユニットの実際の位置から1.5メートル以内の範囲で、DSRC対応GPSユニットの2次元位置を識別、監視および追跡してもよい。車道の車線の幅は通常3メートル以上であるため、車両位置データの2次元誤差が1.5メートル未満であるときには常に、本明細書に記載された正確性判定システムは、DSRC対応GPSユニットによって提供された車両位置データを解析し、当該車両が当該車道のどの車線を走行しているのかを、当該車道上の車両の相対位置に基づいて決定してもよい。
本明細書に記載された正確性判定システムは、遠隔車両のリージョンIDを、DSRC対応GPSユニットによって提供された車両位置データに基づいて決定してもよい。
<ADASシステム>
本明細書に記載されたエゴ車両は、ADASシステムのセットを含む。当該ADASシステムのセットは1つまたは複数のADASシステムを含む。ADASシステムの例は、エゴ車両の以下の要素のうちの1つまたは複数の要素を含んでもよい:ACCシステム;適応ハイビームシステム;適応光制御システム;自動駐車システム;自動車夜間視界システム;ブラインドスポットモニタ;衝突回避システム;横風安定化システム;運転者居眠り検出システム;運転者監視システム;緊急運転者支援システム;前方衝突警告システム;交差点支援システム;インテリジェントスピード適応システム;車線逸脱警告システム;歩行者保護システム;道路標識認識システム;ターニングアシスタント;および逆走警告システム。
当該ADASシステムはさらに、エゴ車両に含まれるソフトウェアまたはハードウェアであって、そのエゴ車両を自律走行車両または半自律走行車両たらしめるソフトウェアまたはハードウェアを含んでもよい。
<ディジタルデータ>
本明細書には、例えば、ローカルセンサデータ及び遠隔センサデータなどのセンサデータ、DSRCデータ、遠隔正確性データ、エゴ正確性データおよびしきい値データを含むさまざまなタイプのデータが開示されている。これらのタイプのディジタルデータおよび本明細書に記載された他のタイプのデータは、非一時的メモリ上にディジタルで記憶可能なディジタルデータを指す。
<例示的な概要>
図1は、正確性判定システム199の動作環境100を示す図である。動作環境100は、エゴ車両123、第1の遠隔車両124、1台または複数台の第2の遠隔車両を含む遠隔車両セット126、および路側機104(「RSU 104」)のうちの1つまた複数の要素を含んでもよい。動作環境100のこれらの要素は、ネットワーク105に通信可能に接続されていてもよい。図1には示されていないが、一実施形態では、動作環境100には、エゴ車両123、第1の遠隔車両124および遠隔車両セット126に含まれる第2の遠隔車両のうちの1種または数種の車両の製造業者によって運営されているサーバが含まれる。
ネットワーク105は、従来のタイプの有線または無線ネットワークでもよく、スター構成、トークンリング構成または他の構成を含む複数の異なる構成を有してもよい。さらに、ネットワーク105は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えばインターネット)、または複数のデバイスおよび/または構成要素がそれを通じて通信する相互接続された他のデータパスを含んでもよい。一実施形態では、ネットワーク105は、ピアツーピアネットワークを含む。ネットワーク105はさらに、異なるさまざまな通信プロトコルでデータを送信する電気通信ネットワークの一部に接続されていてもよく、またはそのような電気通信ネットワークの一部を含んでいてもよい。一実施形態では、ネットワーク105は、データを送受信するためにBluetooth(登録商標)通信ネットワークまたはセルラ方式通信ネットワークを含み、このデータの送受信は、ショートメッセージングサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)、直接データ接続、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)、電子メール、DSRC、全二重無線通信などによってデータを送受信することを含む。ネットワーク105はさらに、3G、4G、LTE、VoLTEを含むモバイルデータネットワーク、または他のセルラ方式ネットワーク、モバイルデータネットワークまたはモバイルデータネットワークの組合せを含んでもよい。ネットワーク105はさらに、1つまたは複数のIEEE 802.11無線ネットワークを含んでもよい。
一実施形態では、エゴ車両123、第1の遠隔車両124、遠隔車両セット126に含まれる1台または複数台の第2の遠隔車両およびRSU 104のうちの1つまたは複数は、DSRCを搭載する。ネットワーク105は、エゴ車両123および1つまたは複数の他の無線通信デバイス(例えば、1台または複数台の第1の遠隔車両124、1台または複数台の第2の遠隔車両、1つまたは複数のRSU 104、1つまたは複数のサーバ103など)の間で共用される1つまたは複数の通信チャネルを含んでもよい。当該通信チャネルは、DSRC、全二重無線通信または他の無線通信プロトコルを含んでもよい。例えば、ネットワーク105は、DSRCデータ195を含む、DSRCメッセージ、DSRCプローブ、または、BSMをエゴ車両123に送信するために使用されてもよい。
エゴ車両123、第1の遠隔車両124および遠隔車両セット126に含まれる1台または複数台の第2の遠隔車両は、同じ要素または同様の要素を含んでもよい。エゴ車両123、第1の遠隔車両124および第2の遠隔車両のうちの2種類以上の車両は、組織(connection)または団体(association)が共通していてもよい。例えば、エゴ車両123と第1の遠隔車両124が、共通の製造業者(例えば、Toyota)であってもよい。本明細書に記載された機能が、この共通の製造業者の車両だけに提供されてもよい。
エゴ車両123は、自動車、トラック、スポーツユーティリティ車両、バス、セミトラック(semi−truck)、ドローンまたは他の車道ベースの乗物を含んでもよい。一実施形態では、エゴ車両123は、自律走行車両または半自律走行車両を含む。例えば、エゴ車両123はADASシステムを含んでもよい。一実施形態では、エゴ車両123はHAVである。
エゴ車両123は、センサセット182、プロセッサ125、メモリ127、通信ユニット145、DSRC対応GPSユニット170、ADASシステム180、および、正確性判定システム199のうちの1つまたは複数の要素を含んでもよい。一実施形態では、ADASシステム180は、複数のADASシステム180を含むADASシステムセットの要素である。エゴ車両123のこれらの要素はバス120を介して互いに通信可能に接続されていてもよい。
一実施形態では、プロセッサ125およびメモリ127は、車載車両コンピュータシステム(図示せず)の要素であってもよい。当該車載車両コンピュータシステムは、正確性判定システム199を動作させてもよく、または正確性判定システム199の動作を制御してもよい。当該車載車両コンピュータシステムは、正確性判定システム199または正確性判定システム199の要素に本明細書に記載された機能を提供するために、メモリ127上に記憶されたデータにアクセスし、そのデータを実行してもよい。例えば、エゴ車両123は、車両用途に特化された電子制御ユニット(ECU)または他の何らかの車載ユニットを含み、このプロセッサベースのコンピューティングデバイスは車載車両コンピュータシステムである。
センサセット182は、エゴ車両123の外部の物理環境を測定する1つまたは複数のセンサを含んでもよい。センサセット182は、例えば、エゴ車両123の周囲の物理環境の1つまたは複数の物理特性を記録してもよい。
一実施形態では、センサセット182は、カメラ、ライダ(LIDAR)センサ、レーザ高度計、ナビゲーションセンサ(例えば、DSRC対応GPSユニット170の全地球測位システムセンサ)、赤外線検出器、モーション検出器、サーモスタット、音検出器、一酸化炭素センサ、二酸化炭素センサ、酸素センサ、質量空気流量センサ、エンジン冷却剤温度センサ、スロットル位置センサ、クランクシャフト位置センサ、自動車エンジンセンサ、バルブタイマ、空燃比計、ブラインドスポットメータ(blind spot meter)、カーブフィーラ(curb feeler)、欠陥検出器、ホール効果センサ、マニホルド絶対圧力センサ、パーキングセンサ、レーダガン、スピードメータ、スピードセンサ、タイヤ圧力監視センサ、トルクセンサ、トランスミッション流体温度センサ;タービンスピードセンサ(TSS)、可変磁気抵抗センサ、車両スピードセンサ(VSS)、水センサ、車輪スピードセンサ、および他のタイプの自動車センサ等の車両センサのうちの1つまたは複数の車両センサを含む。
センサセット182は、以下のうちの1つまたは複数を示すローカルセンサデータ191を記録してもよい:1つまたは複数の異なる時刻における第1の遠隔車両124の1つまたは複数の位置;当該1つまたは複数の異なる時刻における第1の遠隔車両124の速度;当該1つまたは複数の異なる時刻における第1の遠隔車両124の進行方向;および当該1つまたは複数の異なる時刻を示すタイムスタンプ。ローカルセンサデータ191はメモリ127に記憶される。
一実施形態では、センサセット182は、DSRCデータ195に含まれる情報を示すディジタルデータを記録する1つまたは複数のセンサを含む。例えば、図4Aおよび4Bを参照されたい。
プロセッサ125は、演算を実行し、電子表示信号をディスプレイデバイスに提供するための算術論理ユニット、マイクロプロセッサ、汎用コントローラまたは他の何らかのプロセッサアレイを含む。プロセッサ125は、データ信号を処理し、複雑命令セットコンピュータ(CISC)アーキテクチャ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)アーキテクチャ、または命令セットの組合せを実施するアーキテクチャを含む、さまざまなコンピューティングアーキテクチャを含んでもよい。図1では単一のプロセッサ125が示されているが、複数のプロセッサが含まれていてもよい。他のプロセッサ、オペレーティングシステム、センサ、ディスプレイおよび物理構成も採用することができる。
メモリ127は、プロセッサ125によって実行されてもよい命令またはデータを記憶する。当該命令またはデータは、本明細書に記載された技法を実行するためのコードを含んでもよい。メモリ127は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイ
ス、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリまたは他の何らかのメモリデバイスであってもよい。一実施形態では、メモリ127はさらに、不揮発性メモリまたは同種の永続性記憶デバイスおよび媒体を含み、当該永続性記憶デバイスおよび媒体は、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD−ROMデバイス、DVD−ROMデバイス、DVD−RAMデバイス、DVD−RWデバイス、フラッシュメモリデバイス、または情報をより永続的に記憶するための他の何らかの大容量記憶デバイスを含む。
図1に示されているように、一実施形態では、メモリ127は、ローカルセンサデータ191、DSRCデータ195、正確性データセット194およびエゴ正確性データ190のうちの1つまたは複数を記憶する。一実施形態では、DSRCデータ195は、正確性データセット194の要素である。
ローカルセンサデータ191については、センサセット182に関して上記で説明されており、そのため、ここでその説明は繰り返されない。ローカルセンサデータ191は、とりわけ第1の遠隔車両124に関する情報を示すディジタルデータであり、例えば1つまたは複数の時刻における第1の遠隔車両124の位置、速度および進行方向を示すディジタルデータである。このように、ローカルセンサデータ191は、エゴ車両123のローカルセンサによって記録された、第1の遠隔車両124に関する情報を示す。
DSRCデータ195は、第1の遠隔車両124の車載センサによって記録された第1の遠隔車両124に関する情報を示すディジタルデータである。例えば、第1の遠隔車両124は、センサセット182を含み、これらのセンサは、とりわけ第1の遠隔車両124に関する情報を示すDSRCデータ195、例えば、1つまたは複数の時刻における第1の遠隔車両124の位置、速度および進行方向を示すDSRCデータ195を記録する。DSRCデータ195については後に、図4Aおよび4Bを参照してより詳細に説明される。第1の遠隔車両124は、DSRC使用可能車両であり、BSMを所定の周期でブロードキャストで送信する。当該BSMはDSRCデータ195を含む。エゴ車両123の通信ユニット145は当該BSMを受信し、このようにしてエゴ車両123はDSRCデータ195を受信する。
一実施形態では、第1の遠隔車両124によってエゴ車両123に送信される他の何らかのタイプのDSRCメッセージの中にDSRCデータ195が含まれる。
正確性データセット194は、遠隔正確性データ193の1つまたは複数を記憶したデータ構造体である。遠隔正確性データ193は、第1の遠隔車両124によって提供されたDSRCデータ195が正確か否かを示すディジタルデータである。例えば、遠隔車両セット126に含まれる第2の遠隔車両はそれぞれ正確性判定システム199を含む。これらの第2の遠隔車両の正確性判定システム199はそれぞれ、以下のステップのうちの1つまたは複数のステップを実行する:(1)これらの第2の遠隔車両の車載センサによって記録されたこれらの第2の遠隔車両自体のローカルセンサデータ191に基づいて、第1の遠隔車両124によって提供されているDSRCデータ195が正確か否か(例えば、DSRCデータ195に含まれる位置情報が、特定の時刻における第1の遠隔車両124の位置に関して正確か否か、DSRCデータ195に含まれる速度情報が、特定の時刻における第1の遠隔車両の速度に関して正確か否か、DSRCデータ195に含まれる進行方向情報が、特定の時刻における第1の遠隔車両の速度に関して正確か否かなど)を判定するステップ;(2)第1の遠隔車両124が第1の遠隔車両124に関して正確なDSRCデータ195を提供しているか否かについての、第2の遠隔車両の判定結果を示す遠隔正確性データ193を生成するステップ;(3)遠隔正確性データ193を要求するリクエストをエゴ車両123から受信するステップ;および(4)遠隔正確性データ1
93をエゴ車両123に提供するステップ。このようにして、エゴ車両123の正確性判定システム199は、複数の遠隔正確性データ193を遠隔車両セット126から受信し、当該1台または複数台の第2の遠隔車両から受信された遠隔正確性データ193に基づいて正確性データセット194を構築する。
一実施形態では、第1の遠隔車両124について示す遠隔正確性データ193は、第2の遠隔車両によって異なる。例えば、1台の第2の遠隔車両は、第1の遠隔車両124は正確なまたは信用できるDSRCデータ195を提供していると判定し、その一方で、他の第2の遠隔車両が、第1の遠隔車両124は正確なまたは信用できるDSRCデータ195を提供していないと判定することがある。このように、正確性データセット194は、第1の遠隔車両124によって提供されているDSRCデータ195の正確性の表現に関して、および第1の遠隔車両124が信用できるか否かに関して均質ではない。本明細書において、「信用できる」とは、第1の遠隔車両124の車載センサが正確なDSRCデータ195を提供しているか否かに関する。DSRCデータ195が正確である場合、第1の遠隔車両124は信用できる。DSRCデータ195が正確でない場合、第1の遠隔車両124は信用できない。
エゴ正確性データ190は、エゴ車両の正確性判定システム199によって判定された、第1の遠隔車両124が正確なDSRCデータ195を提供しているか否かを示すディジタルデータである。一実施形態では、正確性判定システム199は、第1の遠隔車両124に関するローカルセンサデータ191、第1の遠隔車両124に関するDSRCデータ195、および、第1の遠隔車両124に関する1つ又は複数の遠隔正確性データ193を含む正確性データセット194、のうちの1つまたは複数を入力として受信する。一実施形態では、正確性判定システム199は、エゴ車両123のプロセッサ125によって実行されたときに、これらの入力を受信すること、これらの入力に基づいてエゴ正確性データ190を決定すること、および、エゴ正確性データ190に基づいて、DSRCデータ195を入力としてADASシステム180に提供するか否かを判定することを、プロセッサ125に実行させるコードおよびルーチンを、含む。
一実施形態では、第1の遠隔車両124から受信されたDSRCデータ195が不正確であることをエゴ正確性データ190が示している場合、DSRCデータ195は入力としてADASシステム180に提供されない。任意選択で、将来、第1の遠隔車両124から受信された全てのDSRCデータ195は、DSRCデータ195は正確か否かをさらに解析されずに廃棄されるか、ADASシステム180に提供されない。これは例えば、第1の遠隔車両124が信用できないためである。任意選択で、第1の遠隔車両124のローカルセンサのサービス作業、交換または更新を第1の遠隔車両124に受けさせて、第1の遠隔車両124のDSRCデータ195が将来において正確となるようにするステップが実行されてもよい。第1の遠隔車両124から受信されたDSRCデータ195が正確であることをエゴ正確性データ190が示している場合、DSRCデータ195は入力としてADASシステム180に提供される。
一実施形態では、エゴ正確性データ190は、第1の遠隔車両124によって提供されたDSRCデータ195に対する正確性レベル、および第1の遠隔車両124が信用できるか否かを示す。当該正確性レベルは数値である。第1の遠隔車両124が信用できるということをエゴ正確性データ190が示すために、当該正確性レベルが所定のしきい値を満たすことが要求されてもよい。メモリ127は、当該所定のしきい値を示すしきい値データを記憶する。図1に、当該しきい値データは示されていない。一実施形態では、正確性データセット194に含まれる遠隔正確性データ193は、さらに、第1の遠隔車両124によって提供されたDSRCデータ195に対する、遠隔車両セット126に含まれる1台または複数台の第2の遠隔車両の正確性判定システム199によって決定された、
1つまたは複数の正確性レベルを示す。例えば、図5〜図7を参照されたい。図5〜図7では、複数の遠隔正確性データ193(P5,1、P5,2、P5,3、P5,4)に部分的に基づいて、エゴ正確性データ190(図7では「P5,0」として示されている)が決定される。図5〜図7のX0が付されたブロックはエゴ車両123の例示的な実施形態であり、X5が付されたブロックは第1の遠隔車両124の例示的な実施形態、X1、X2、X3およびX4が付されたブロックは、遠隔車両セット126に含まれる第2の遠隔車両の例である。エゴ車両123の正確性判定システム199は、エゴ正確性データ190をしきい値データと比較して、所定のしきい値が満たされているか否かを判定し、このようにして、エゴ車両123の正確性判定システム199は、第1の遠隔車両124に対するDSRCデータ195を入力としてADASシステム180に提供するか否かを判定する。
一実施形態では、エゴ正確性データ190は、DSRCデータ195に含まれる特定のセンサ測定値(例えば、位置、スピード、進行方向など)が正確か否かを示す。
図1に戻って、通信ユニット145は、ネットワーク105または他の通信チャネルについて、データを送受信する。一実施形態では、通信ユニット145は、DSRCトランシーバ、DSRC受信器、および、エゴ車両123をDSRC使用可能デバイスにするのに必要な他のハードウェアまたはソフトウェアを含む。
一実施形態では、通信ユニット145は、ネットワーク105または他の通信チャネルに直接物理接続するためのポートを含む。例えば、通信ユニット145は、ネットワーク105と有線通信するためのUSB、SD、CAT−5または同種のポートを含む。一実施形態では、通信ユニット145は、以下の無線通信方式を含む1つまたは複数の無線通信方式を使用してネットワーク105または他の通信チャネルとデータを交換するための無線トランシーバを含む:IEEE 802.11;IEEE 802.16(BLUETOOTH(登録商標));EN ISO 14906:2004 エレクトロニックフィーコレクション(Electronic Fee Collection)−アプリケーションインタフェース;EN 11253:2004 専用狭域通信−5.8GHzのマイクロ波を使用した物理層(レビュー);EN 12795:2002 専用狭域通信(DSRC)−DSRCデータリンク層:メディアアクセスおよび論理リンク制御(レビュー);EN 12834:2002 専用狭域通信−アプリケーション層(レビュー);EN 13372:2004 専用狭域通信(DSRC)−RTTTアプリケーションのためのDSRCプロファイル(レビュー);2014年8月28日に出願された「Full−Duplex Coordination System」という名称の米国特許出願第14/471,387号に記載された通信方式;または他の適当な無線通信方式。
一実施形態では、通信ユニット145は、2014年8月28日に出願された「Full−Duplex Coordination System」という名称の米国特許出願第14/471,387号に記載された全二重調整システムを含む。
一実施形態では、通信ユニット145は、セルラ方式通信ネットワークを介してデータを送受信するためのセルラ方式通信トランシーバを含み、このデータの送受信は、ショートメッセージングサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、ハイパーテキストトランスファプロトコル(HTTP)、直接データ接続、WAP、電子メールまたは他の適当なタイプの電子通信によってデータを送受信することを含む。一実施形態では、通信ユニット145が、有線ポートおよび無線トランシーバを含む。通信ユニット145はさらに、TCP/IP、HTTP、HTTPSおよびSMTPを含む標準ネットワークプロトコル、ミリメートル波、DSRCなどを使用してファイルまたは媒体オブジェクト(media object)を配布するためのネットワーク105へ
の他の従来の接続を提供する。
図1には示されていないが、一実施形態では、第1の遠隔車両124、第2の遠隔車両およびRSUは、通信ユニット145を含む。一実施形態では、通信ユニット145は、DSRCデータ195を含む無線メッセージを構築し、当該無線メッセージをネットワーク105に送信するコードまたはルーチンを含む。例えば、第1の遠隔車両124、1台または複数台の第2の遠隔車両またはRSU 104は、DSRCデータ195を含む無線メッセージがエゴ車両123に送信されるようにする通信ユニット145を含む。当該無線メッセージは、DSRCメッセージ、DSRCプローブ、BSMまたは全二重無線メッセージ、または他の無線通信方式またはプロトコルによって送信された他のタイプの無線メッセージを含んでもよい。エゴ車両123の通信ユニット145は、DSRCデータ195を含む当該無線メッセージを受信してもよい。
一実施形態では、エゴ車両123の通信ユニット145は、DSRCデータ195を正確性判定システム199に提供し、またはDSRCデータ195をメモリ127上に記憶してもよい。
DSRC対応GPSユニット170は、エゴ車両123の位置を示す車両位置データを取り出すためにGPS衛星と無線通信するハードウェアを含んでもよい。一実施形態では、DSRC対応GPSユニット170は、エゴ車両123の位置を車線レベルの精度で示す車両位置データを提供する。この車両位置データは、DSRCデータ195のパート1に含まれている。DSRC規格は、車両位置データが、2台の車両(例えばエゴ車両123とエゴ車両123と同じ車道上の他の車両)が同じ車線上にあるか否かを推定するのに十分な精度を有していることを要求している。DSRC対応GPSユニット170は、屋外における時間の68%で、DSRC対応GPSユニット170の実際の位置から1.5メートル以内の範囲で、DSRC対応GPSユニット170の2次元位置を識別、監視および追跡してもよい。車道の車線の幅は通常3メートル以上であるため、車両位置データの2次元誤差が1.5メートル未満であるときには常に、正確性判定システム199は、DSRC対応GPSユニット170によって提供された車両位置データを解析し、エゴ車両123が当該車道のどの車線を走行しているのかを、当該車道上の車両の相対位置に基づいて決定してもよい。
これに比べて、DSRC規格に対応していないGPSユニットの正確性は、DSRC対応GPSユニット170の正確性よりもはるかに低く、DSRC規格に対応していないGPSユニットは、DSRC対応GPSユニット170のように車線レベルの正確性を確実に提供することができない。例えば、非DSRC対応GPSユニットは10メートル程度の正確性を有することがあり、この正確性では、DSRC対応GPSユニット170によって提供される車線レベルの精度を提供するには精度において十分とは言えない。例えば、車線の幅は3メートルほどの狭さであることがあるため、DSRC規格は、DSRC対応GPSユニット170が、1.5メートル程度の正確性を有することを要求することがあり、この正確性は、上述の非DSRC対応GPSユニットよりも精度においてかなり高い。
ADASシステム180は、上で説明されたような先進運転支援システムである。
一実施形態では、ADASシステム180は、エゴ車両123の1つまたは複数の動作を、エゴ車両123が「自律走行」または「半自律走行」車両となるように制御するハードウェアまたはソフトウェアを含む。例えば、エゴ車両123は、エゴ車両123を、レベル1自律走行車両、レベル2自律走行車両、レベル3自律走行車両、レベル4自律走行車両、レベル5自律走行車両およびHAVのうちの1つの車両にするADASシステム1
80のセットを含む。
一実施形態では、正確性判定システム199は、プロセッサ125によって実行されたときに、後述の図3を参照して説明されるステップのうちの1つまたは複数のステップをプロセッサ125に実行させるコードおよびルーチンを含む。一実施形態では、正確性判定システム199は、プロセッサ125によって実行されたときに、後述の図5〜図7を参照して説明されるステップのうちの1つまたは複数のステップをプロセッサ125に実行させるコードおよびルーチンを含む。
一実施形態では、正確性判定システム199は、プロセッサ125によって実行されたときに、以下のステップのうちの1つまたは複数のステップをプロセッサ125に実行させるコードおよびルーチンを含む:(1)第1の遠隔車両124に関するDSRCデータ195を受信するステップ;(2)センサセット182に含まれるローカルセンサにローカルセンサデータ191を生成させるステップ;(3)ローカルセンサデータ191とDSRCデータ195とが第1の遠隔車両124に関して異なって示している(例えば、所与の時刻における第1の遠隔車両124の位置が異なって示されている、当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の速度が異なって示されている、当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の進行方向が異なって示されているなど)と判定するステップ;(4)遠隔車両セット126に含まれる第2の遠隔車両に遠隔正確性データ193を要求するステップ;(5)1台または複数台の第2の遠隔車両から遠隔正確性データ193を受信するステップ;(6)当該1台または複数台の第2の遠隔車両から受信された遠隔正確性データ193に基づいて正確性データセット194を構築するステップ;(7)DSRCデータ195、ローカルセンサデータ191および当該1台または複数台の第2の遠隔車両から受信された遠隔正確性データ193のうちの1つまたは複数のデータに基づいてエゴ正確性データ190を決定するステップ;及び、(8)第1の遠隔車両124から受信されたDSRCデータ195をADASシステム180に提供するか否かをエゴ正確性データ190に基づいて判定するステップ。
一実施形態では、正確性判定システム199は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)または特定用途向け集積回路(「ASIC」)を含むハードウェアを使用して実装される。他の実施形態では、正確性判定システム199は、ハードウェアとソフトウェアとの組合せを使用して実装される。正確性判定システム199は、複数のデバイス(例えば、サーバまたは他のデバイス)の組合せ、または、当該複数デバイスのうちの1つのデバイスに記憶されていてもよい。
正確性判定システム199は、後述の図2、図3および図5〜図7を参照してより詳細に説明される。
図1には示されていないが、一実施形態では、エゴ車両123は、2014年8月28日に出願された「Full−Duplex Coordination System」という名称の米国特許出願第14/471,387号に記載された全二重調整システムを含む。一実施形態では、エゴ車両123の当該全二重調整システムは、DSRCデータ195を含む全二重無線メッセージを受信する。
第1の遠隔車両124は、エゴ車両123と同様の要素を含み、そのため、ここでそれらの要素の説明は繰り返されない。第1の遠隔車両124はとりわけ、DSRCデータ195と正確性判定システム199とを記憶した非一時的メモリを含む。第1の遠隔車両124の正確性判定システム199は、DSRCデータ195をネットワーク105を介してエゴ車両123(および遠隔車両セット126の第2の遠隔車両などの他のコネクテッド車両)に提供する(通信ユニット145と同様の)通信ユニットを含む。第1の遠隔車
両124は、DSRCデータ195を構成するのに必要な情報を示すセンサデータを測定する(センサセット182と同様の)センサセットを含む。例えば、第1の遠隔車両124のセンサセットは、所与の時刻における第1の遠隔車両124の位置、当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の速度、および当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の進行方向を示すセンサデータを測定する。このセンサデータは次いで、第1の遠隔車両124の通信ユニットまたは第1の遠隔車両124の正確性判定システム199によって、DSRCメッセージ(例えばBSM)の中にDSRCデータ195として格納される。当該DSRCメッセージは、第1の遠隔車両124の通信ユニットによってネットワーク105に提供される。このようにして、第1の遠隔車両124は、第1の遠隔車両124に関する情報を示すDSRCデータ195をエゴ車両123に提供する。
一実施形態では、第1の遠隔車両124は、図2に示されているようなコンピュータシステム200を含む。
遠隔車両セット126は、1台または複数台の第2の遠隔車両を含む。当該第2の遠隔車両の例は、図5〜図7に示されている。遠隔車両セット126の当該1台または複数台の第2の遠隔車両はエゴ車両123と同様の要素を含み、そのため、ここでそれらの要素の説明は繰り返されない。一実施形態では、当該第2の遠隔車両はそれぞれ、図2に示されているようなコンピュータシステム200を含む。
遠隔車両セット126はとりわけ、1台または複数台の第2の遠隔車両を含む。一実施形態では、当該第2の遠隔車両がそれぞれ、正確性判定システム199と遠隔正確性データ193とを記憶した非一時的メモリを含む。次に、遠隔車両セット126に含まれる当該1台または複数台の第2の遠隔車両を参照することにより、遠隔車両セット126が説明される。単純にするために、1台の第2の遠隔車両が参照されることもある。しかしながら、当該第2の遠隔車両はそれぞれ同様の要素を含み、そのため、1台の第2の遠隔車両について説明することが、遠隔車両セット126の機能を全体として説明するのに役立つことが理解される。
一実施形態では、第2の遠隔車両は、遠隔正確性データ193(および遠隔正確性データ193を生成する目的に使用されるセンサデータおよび他のディジタルデータ)と正確性判定システム199とを記憶した非一時的メモリを含む。当該第2の遠隔車両は、遠隔正確性データ193をネットワーク105を介してエゴ車両123に提供する(通信ユニット145と同様の)通信ユニットを含む。当該第2の遠隔車両は、当該第2の遠隔車両の正確性判定システム199が遠隔正確性データ193を決定するのに必要な情報を示すセンサデータを測定する(センサセット182と同様の)センサセットを含む。例えば、当該第2の遠隔車両のセンサセットは、所与の時刻における第1の遠隔車両124の位置、当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の速度、および当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の進行方向を示すセンサデータを測定する。このセンサデータは次いで、第2の遠隔車両の正確性判定システム199によって、遠隔正確性データ193を決定するために使用される。一実施形態では、エゴ車両123の正確性判定システム199によってエゴ正確性データ190が決定される手法と同様の手法で、遠隔正確性データ193が決定モジュール204によって決定される。遠隔正確性データ193の決定の詳細については後述される。一実施形態では、遠隔正確性データ193は、当該第2の遠隔車両の通信ユニットによってネットワーク105を介してエゴ車両123に送信される無線メッセージの中に格納される。このようにして、1台または複数台の第2の遠隔車両は、第2の遠隔車両の遠隔正確性データ193をエゴ車両123に提供する。エゴ車両123の正確性判定システム199は、遠隔車両セット126の当該1台または複数台の第2の遠隔車両によって提供された遠隔正確性データ193の1つまたは複数に基づいて正確性データセット194を構築する。
RSU 104は、遠隔正確性データ193、DSRCデータ195と正確性判定システム199とを記憶した非一時的メモリを含む。RSU 104はさらに、(通信ユニット145と同様の)通信ユニットを含む。RSU 104はさらに、DSRCデータ195と、遠隔正確性データ193を生成するのに必要なデータとを測定する(センサセット182と同様の)センサセットを含んでもよい。RSU 104自体のセンサセットを使用してDSRCデータ195を直接記録する代わりに、RSU 104は、第1の遠隔車両124からのDSRCデータ195をエゴ車両123に中継してもよい。例えば、エゴ車両123が第1の遠隔車両124の通信範囲外にある場合には、RSU 104は、DSRCデータ195を含む無線メッセージをエゴ車両123に中継してもよい。同様に、RSU 104は、第2の遠隔車両からの遠隔正確性データ193をエゴ車両123に中継してもよい。
次に、図2は、一実施形態に係る正確性判定システム199を含む例示的なコンピュータシステム200を示すブロック図である。
一実施形態では、コンピュータシステム200は、図3を参照して後述される方法300または図5〜図7を参照して後述されるプロセスの1つまたは複数のステップを実行するようにプログラムされた専用コンピュータシステムを含む。
一実施形態では、コンピュータシステム200は、エゴ車両123、第1の遠隔車両124、第2の遠隔車両のうちの1台または複数台の車両、および、RSU 104のうちの1つまたは複数のデバイスの要素である。
一実施形態では、コンピュータシステム200は、エゴ車両123、第1の遠隔車両124、第2の遠隔車両のうちの1台または複数台の車両、および、RSU 104のうちの1つまたは複数のデバイスなどのデバイスの車載車両コンピュータである。
一実施形態では、コンピュータシステム200は、エゴ車両123、第1の遠隔車両124、および第2の遠隔車両のうちの1台または複数台の車両のうちの1種または数種の車両などの車両のエンジン制御ユニット、ヘッドユニットまたは他の何らかのプロセッサベースのコンピューティングデバイスを含む。
いくつかの例によれば、コンピュータシステム200は、正確性判定システム199、プロセッサ125、通信ユニット145、センサセット182、DSRC対応GPSユニット170、ADASシステム180、メモリ127および記憶装置241のうちの1つまたは複数の要素を含む。コンピュータシステム200の当該構成要素はバス220によって通信可能に接続されている。
図示された実施形態では、プロセッサ125は、信号線238を介してバス220に通信可能に接続されている。通信ユニット145は、信号線246を介してバス220に通信可能に接続されている。センサセット182は、信号線248を介してバス220に通信可能に接続されている。DSRC対応GPSユニット170は、信号線249を介してバス220に通信可能に接続されている。ADASシステム180は、信号線239を介してバス220に通信可能に接続されている。記憶装置241は、信号線242を介してバス220に通信可能に接続されている。メモリ127は、信号線244を介してバス220に通信可能に接続されている。
コンピュータシステム200の以下の要素については図1を参照して上で説明されており、そのため、ここでそれらの要素の説明は繰り返されない:正確性判定システム199
;プロセッサ125;通信ユニット145;センサセット182;DSRC対応GPSユニット170;ADASシステム180;およびメモリ127。
メモリ127は、本明細書に記載された任意のディジタルデータを記憶してもよい。
記憶装置241は、本明細書に記載された機能を提供するデータを記憶する非一時的記憶媒体である。記憶装置241は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリまたは他の何らかのメモリデバイスであってもよい。一実施形態では、記憶装置241がさらに、不揮発性メモリまたは同種の永続性記憶デバイスおよび媒体を含み、当該永続性記憶デバイスおよび媒体は、ハードディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、CD−ROMデバイス、DVD−ROMデバイス、DVD−RAMデバイス、DVD−RWデバイス、フラッシュメモリデバイス、または情報をより永続的に記憶するための他の何らかの大容量記憶デバイスを含む。
図2に示された図示の実施形態では、正確性判定システム199は、通信モジュール202および決定モジュール204を含む。正確性判定システム199のこれらの構成要素は、バス220を介して互いに通信可能に接続されている。一実施形態では、正確性判定システム199の構成要素を、単一のサーバまたはデバイスに記憶することができる。他の実施形態では、正確性判定システム199の構成要素を、複数のサーバまたはデバイスにわたって分散させ、記憶することができる。例えば、正確性判定システム199の当該構成要素のうちの一部の構成要素は、1つまたは複数のサーバ、RSUおよびエゴ車両123にわたって分散されていてもよい。
通信モジュール202を、正確性判定システム199とコンピュータシステム200の他の構成要素との間の通信を処理するルーチンを含むソフトウェアとすることができる。一実施形態では、通信モジュール202を、プロセッサ125によって実行可能な命令のセットであって、正確性判定システム199とコンピュータシステム200の他の構成要素との間の通信を処理する後に説明される機能を提供する命令のセットとすることができる。
通信モジュール202は、動作環境100の1つまたは複数の要素に通信ユニット145を介してデータを送信し、動作環境100の1つまたは複数の要素から通信ユニット145を介してデータを受信する。例えば、通信モジュール202は、DSRCデータ195;遠隔正確性データ193;および遠隔正確性データ193を要求するリクエストを含む本明細書に記載された無線メッセージのうちの1つまたは複数の要素を、通信ユニット145を介して受信または送信する。
一実施形態では、通信モジュール202は、正確性判定システム199の構成要素からデータを受信し、記憶装置241とメモリ127のうちの1つまたは複数に当該データを記憶する。例えば、通信モジュール202は、上述のディジタルデータを(例えば、ネットワーク105、DSRCメッセージ、BSM、DSRCプローブ、全二重無線メッセージなどを介して)受信し、このデータをメモリ127に(またはバッファとして動作する記憶装置241に一時的に)記憶する。
一実施形態では、決定モジュール204は、通信モジュール202に、コンピュータシステム200の他の要素と通信させてもよい。
例えば、決定モジュール204は、通信モジュール202を使用してセンサセット182と通信し、センサセット182に、ローカルセンサデータ191を記録させてもよい。
他の例では、決定モジュール204は、通信モジュール202を使用してDSRC対応GPSユニット170と通信し、DSRC対応GPSユニット170に、車両位置データを取り出させてもよい。他の例では、決定モジュール204は、通信モジュール202を使用して、特定の第1の遠隔車両124に関する遠隔正確性データ193をメモリ127から取り出し、この特定の第1の遠隔車両124に関する遠隔正確性データ193に基づいて正確性データセット194を構築してもよい。さらに他の例では、通信ユニット145は、ネットワーク105からDSRCデータ195を受信し、決定モジュール204は、通信モジュール202に、DSRCデータ195をメモリ127に記憶することを実行させてもよい。これらの例は例示が目的であり、限定を意図するものではない。
一実施形態では、コンピュータシステム200のメモリ127に通信モジュール202を記憶することができ、通信モジュール202を、プロセッサ125によってアクセス可能および実行可能な通信モジュールとすることができる。通信モジュール202は、信号線222を介してプロセッサ125およびコンピュータシステム200の他の構成要素と協調および通信するように適合されていてもよい。
決定モジュール204は、プロセッサ125によって実行されたときに、以下のステップを含む1つまたは複数のステップをプロセッサ125に実行させるルーチンを含むソフトウェアであってもよい:(1)第1の遠隔車両124に関するDSRCデータ195を受信するステップ;(2)センサセット182に含まれるローカルセンサにローカルセンサデータ191を生成させるステップ;(3)ローカルセンサデータ191とDSRCデータ195とが示す第1の遠隔車両124に関する内容が異なっていることを(例えば、所与の時刻における第1の遠隔車両124の位置が異なっている、当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の速度が異なっている、当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の進行方向が異なっているなど)と判定するステップ;(4)遠隔車両セット126に含まれる第2の遠隔車両に遠隔正確性データ193を要求するステップ;(5)1台または複数台の第2の遠隔車両から遠隔正確性データ193を受信するステップ;(6)当該1台または複数台の第2の遠隔車両から受信された遠隔正確性データ193に基づいて正確性データセット194を構築するステップ;(7)DSRCデータ195、ローカルセンサデータ191および当該1台または複数台の第2の遠隔車両から受信された遠隔正確性データ193のうちの1つまたは複数のデータに基づいてエゴ正確性データ190を決定するステップ;及び(8)第1の遠隔車両124から受信されたDSRCデータ195をADASシステム180に提供するか否かをエゴ正確性データ190に基づいて判定するステップ。
決定モジュール204を、プロセッサ125によって実行されたときに、センサセット182に含まれるセンサのうちの1つまたは複数のセンサを使用してローカルセンサデータ191を生成することをプロセッサ125に実行させるルーチンを含むソフトウェアとすることができる。例えば、決定モジュール204は、センサセット182に含まれるセンサのうちの1つまたは複数のセンサを、コンピュータシステム200の近くの物理環境(例えばエゴ車両123および第1の遠隔車両124を含む車道環境)の測定値を記録するように動作させることを、プロセッサ125によって実行されたときにプロセッサ125に実行させるコードおよびルーチンを含んでもよい。
一実施形態では、決定モジュール204は、センサセット182の当該測定値を示すローカルセンサデータ191を生成するようにしてもよい。決定モジュール204は、ローカルセンサデータ191をメモリ127に記憶させてもよい。
一実施形態では、通信ユニット145は、ネットワーク105からDSRCデータ195を受信し、決定モジュール204は、通信モジュール202に、DSRCデータ195
をメモリに記憶することを実行させてもよい。
一実施形態では、決定モジュール204を、プロセッサ125によって実行されたときに、以下のステップのうちの1つまたは複数のステップをプロセッサ125に実行させるルーチンを含むソフトウェアとすることができる:(1)センサセット182の中の1つまたは複数のセンサを実行してローカルセンサデータ191を生成するステップ;(2)ローカルセンサデータ191をメモリ127に記憶するステップ;(3)1台または複数台の第1の遠隔車両124の1つまたは複数のセンサ、または、1つまたは複数のRSU
104の1つまたは複数のセンサによって生成されたDSRCデータ195を受信するために、通信ユニット145に問い合わせるステップ;および(4)DSRCデータ195をメモリ127に記憶するステップ。
一実施形態では、コンピュータシステム200は、第1の遠隔車両124の要素である。コンピュータシステム200のメモリ127は、第1の遠隔車両124示すDSRCデータ195と正確性判定システム199とを記憶している。コンピュータシステム200の通信ユニット145は、DSRCデータ195をネットワーク105を介してエゴ車両123(および遠隔車両セット126の第2の遠隔車両などの他のコネクテッド車両)に提供する。コンピュータシステム200の決定モジュール204は、プロセッサ125によって実行されたときに、DSRCデータ195を構成するのに必要な情報を示すセンサデータを測定することをセンサセット182に実行させるようにセンサセット182の動作を制御するコードおよびルーチンを含む。例えば、コンピュータシステム200のセンサセット182は、所与の時刻における第1の遠隔車両124の位置、当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の速度、および当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の進行方向を示すセンサデータを測定する。このセンサデータは次いで、通信モジュール202または通信ユニット145によってDSRCメッセージ(例えばBSM)の中にDSRCデータ195として格納される。通信モジュール202は、プロセッサ125によって実行されたときに、DSRCメッセージをネットワーク105に提供することを通信ユニット145に実行させるように通信ユニット145の動作を制御することを当該プロセッサに実行させるコードおよびルーチンを含む。このようにして、第1の遠隔車両124は、第1の遠隔車両124に関する情報を示すDSRCデータ195をエゴ車両123に提供する。
一実施形態では、コンピュータシステム200は第2の遠隔車両の要素である。コンピュータシステム200のメモリ127は、遠隔正確性データ193(および遠隔正確性データ193を生成する目的に使用されるセンサデータおよび他のディジタルデータ)と正確性判定システム199とを記憶している。第2の遠隔車両のコンピュータシステム200はさらに通信ユニット145を含む。通信モジュール202は、プロセッサ125によって実行されたときに、遠隔正確性データ193をネットワーク105を介してエゴ車両123に提供することを通信ユニット145に実行させるコードおよびルーチンを含む。例えば、通信ユニット145は、遠隔正確性データ193を要求するリクエストをネットワーク105から受信し(これは例えばこのようなリクエストがエゴ車両123によって送信されたためである)、通信モジュール202は、このリクエストを決定モジュール204に提供する。第2の遠隔車両のコンピュータシステム200はセンサセット182を含む。決定モジュール204は、プロセッサ125によって実行されたときに、決定モジュール204が遠隔正確性データ193を決定するのに必要な情報を示すセンサデータを測定することをセンサセット182に実行させるようにセンサセット182の動作を制御するコードおよびルーチンを含む。例えば、コンピュータシステム200のセンサセット182は、所与の時刻における第1の遠隔車両124の位置、当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の速度、および当該所与の時刻における第1の遠隔車両124の進行方向を示すセンサデータを測定する。このセンサデータは次いで、決定モジュール204
によって、遠隔正確性データ193を決定するために使用される。一実施形態では、エゴ車両123によってエゴ正確性データ190が決定される手法と同様の手法で、遠隔正確性データ193が、第2の遠隔車両の正確性判定システム199によって決定される。遠隔正確性データ193の決定の詳細については後述される。一実施形態では、遠隔正確性データ193は、コンピュータシステム200の通信モジュール202によって無線メッセージの中に格納される。通信モジュール202は次いで、当該無線メッセージをネットワーク105を介してエゴ車両123に提供することを、コンピュータシステム200の通信ユニット145に実行させる。エゴ車両123も、コンピュータシステム200の実施形態を含み、エゴ車両123の決定モジュールは、当該1台または複数台の第2の遠隔車両によって提供された遠隔正確性データ193に基づいて正確性データセット194を構築するソフトウェアを含む。
一実施形態では、コンピュータシステム200のメモリ127に決定モジュール204を記憶することができ、決定モジュール204を、プロセッサ125によってアクセス可能および実行可能なモジュールとすることができる。決定モジュール204は、信号線224を介してプロセッサ125およびコンピュータシステム200の他の構成要素と協調および通信するように適合されていてもよい。
次に、図3は、一実施形態に係る、第1の遠隔車両によって提供されたDSRCデータをエゴ車両のADASシステムに提供するか否かを判定する例示的な方法300のフローチャートである。本明細書に記載された方法300のステップのうちの1つまたは複数のステップは、1つまたは複数の正確性判定システムによって実行されてもよい。
ステップ301では、第1の遠隔車両からDSRCデータが受信される。当該DSRCデータは第1の遠隔車両に関する情報を示す。
ステップ303では、ローカルセンサデータが生成される。当該ローカルセンサデータは第1の遠隔車両に関する情報を示す。
ステップ305では、ローカルセンサデータに基づいて、DSRCデータに含まれる情報の見かけの正確性が決定される。例えば、DSRCデータに含まれる第1の遠隔車両に関する情報の見かけの正確性を決定するために、DSRCデータに含まれる第1の遠隔車両に関する情報は、ローカルセンサデータに含まれる第1の遠隔車両に関する情報と比較される。一実施形態では、エゴ車両の車載センサの状態が既知であり、良好であると仮定されるため、ローカルセンサデータは正確であると仮定される。一実施形態では、ローカルセンサデータは正確であるとは仮定されず、ステップ305では、DSRCデータとローカルセンサデータの間の差異(variance)が検出される。差異は、DSRCデータがローカルセンサデータと一致していないときに生じる。
ステップ307では、遠隔車両のセットに対して遠隔正確性データが要求される。当該遠隔車両のセットは、1台または複数台の第2の遠隔車両を含む。第2の遠隔車両は、第1の遠隔車両に対する正確性レベルを示す遠隔正確性データ、すなわち第1の遠隔車両によって提供されたDSRCデータが第1の遠隔車両に関する情報を正確に示しているか否かを示す遠隔正確性データを決定する。当該遠隔車両のセットに含まれるそれぞれの第2の遠隔車両は、それぞれの第2の遠隔車両による第1の遠隔車両に対する正確性レベルを示す遠隔正確性データを提供する。このようにして、エゴ車両は、複数の遠隔正確性データを受信する。
ステップ308では、当該遠隔車両のセットから受信された複数の遠隔正確性データに基づいて正確性データセットが構築される。当該遠隔車両のセットは、第1の遠隔車両と
は異なる1台または複数台の第2の遠隔車両を含む。一実施形態では、それぞれの第2の遠隔車両は、第1の遠隔車両に対する当該第2の遠隔車両自体による正確性レベルを決定する。そのため、異なる第2の遠隔車両が、他の第2の遠隔車両によって決定された第1の遠隔車両に対する正確性レベルに関して、第1の遠隔車両に対する異なる正確性レベルを決定することがある。例えば、第2の遠隔車両X1が、第1の遠隔車両に対する第1の正確性レベルを決定し、第2の遠隔車両X2が、当該第1の遠隔車両に対する第2の正確性レベルを決定し、当該第1の正確性レベルと当該第2の正確性レベルとは等しくない。
ステップ309では、(1)ローカルセンサデータ;(2)第1の遠隔車両から受信されたDSRCデータのパート1;および(3)正確性データセットのうちの1つまたは複数に基づいてエゴ正確性データが決定される。当該エゴ正確性データは、一実施形態に係る方法300を実行するエゴ車両によって決定された第1の遠隔車両に対する正確性レベルを示す。
ステップ311では、当該エゴ正確性データに部分的に基づいてエゴ車両の動作が制御される。例えば、エゴ車両のADASシステムはエゴ車両の動作を制御する。DSRCデータをADASシステムに提供するか否かに関する判定は、当該エゴ正確性データに少なくとも部分的に基づいて実施される。このようにして、エゴ車両の動作が、エゴ正確性データに部分的に基づいて制御される。
一実施形態では、ステップ303〜311が、ステップ301でのDSRCデータの受信に関してリアルタイムでまたは実質的にリアルタイムで実行される。このことは有益である。これは例えば、このことが、エゴ車両の動作を制御するときにADASシステムが正確な情報だけを考慮することを保証することによって、エゴ車両のADASシステムの性能を向上させるためである。エゴ車両が、ADASシステムの動作によって命が失われる可能性があるような自動化または半自動化された車両である場合には、このことが特に重要である。
次に、図4Aは、一実施形態に係るDSRCデータ195の一例を示すブロック図である。
DSRCメッセージは、5.9GHzのDSRC帯で、ブロードキャストで送信または送信されてもよい。BSMはブロードキャストで送信され、他のDSRCメッセージはユニキャスト送信(unicast)される。DSRC範囲は実質的に1,000メートルであってもよい。一実施形態では、DSRC範囲は、実質的に100メートルから実質的に1,000メートルの範囲を含む。当該範囲は、他の自動車、樹木、丘および建造物などの障害物の存在に基づいて変化しうる。例えば、平坦な土地を有する農村環境におけるDSRC範囲は都市におけるDSRC範囲よりも大きい。これは、都市には建造物およびより多くの自動車が存在するためである。
一実施形態では、DSRCメッセージはBSMである。BSMを送信する所定の周期は、ユーザによって設定可能であってもよい。一実施形態では、この周期のデフォルト設定は、0.10秒または実質的に0.10秒ごとにBSMを送信することである。
次に、図4Bは、一実施形態に係るDSRCデータ195の一例を示すブロック図である。
DSRCメッセージは2つのパートを含んでもよい。これらの2つのパートは、図4Bに示される異なるDSRCデータ195を含んでもよい。
DSRCデータ195のパート1は、車両位置、車両進行方向、車両スピード、車両加速度、車両ハンドル角および車両サイズのうちの1つまたは複数を示してもよい。
DSRCデータ195のパート2は、任意選択の要素のリストの中から選出されたデータ要素の可変セットを含んでもよい。BSMのパート2に含まれるDSRCデータ195の一部は、事象トリガに基づいて選出される。例えば、アンチロックブレーキシステム(「ABS」)の作動が、車両のABSシステムに関連したDSRCデータ195の選出を誘起してもよい。
一実施形態では、帯域幅を節約するために、パート2の要素の一部がより低い頻度で送信される。
一実施形態では、DSRCメッセージ(例えばBSM)に含まれるDSRCデータ195は、車道網に沿って走行している車両の現在のスナップショットを含む。
一実施形態では、エゴ正確性データ190は、DSRCデータ195に含まれる特定のセンサ測定値(例えば位置、スピード、進行方向など)が正確か否かを示す。
図5〜図7は、一実施形態に係る正確性判定システムの例示的な使用事例を示すブロック図である。図5〜図7のX0でラベル付けされたブロックはエゴ車両123の例示的な実施形態であり、X5でラベル付けされたブロックは第1の遠隔車両124の例示的な実施形態、X1、X2、X3およびX4でラベル付けされたブロックは、遠隔車両セット126に含まれる第2の遠隔車両の例である。エゴ車両123の正確性判定システム199は、エゴ正確性データ190をしきい値データと比較して、所定のしきい値が満たされているか否かを判定し、このようにして、エゴ車両123の正確性判定システム199は、第1の遠隔車両124に関するDSRCデータ195を入力としてADASシステム180に提供するか否かを判定する。
X0、X1、X2、X3、X4およびX5はそれぞれノード(node)とみなしてもよい。ノードは通常、車両だが、インフラストラクチャ内のRSUなどのデバイスとすることもできる。ノードは、DSRCまたは他の何らかの無線通信方式によって互いに通信することができる。
次に、図5は、一実施形態に係る正確性判定システムの例示的な使用事例を示すブロック図である。
ブロック501では、エゴ車両(X0)は、第1の遠隔車両(X5)からDSRCデータを受信する。当該DSRCデータは、第1の遠隔車両に関する情報を示す。第1の遠隔車両に対する正確性レベルはエゴ車両によって知られていない。これは、例えば、エゴ車両が、これより前に第1の遠隔車両からDSRCデータを受信していないためである。エゴ車両の正確性判定システムは、エゴ車両のセンサセットに、第1の遠隔車両を示すローカルセンサデータを生成させる。エゴ車両の正確性判定システムは、DSRCデータをローカルセンサデータと比較し、DSRCデータとローカルセンサデータの間の差異を識別する。(例えば、BSMは0.10秒間隔でブロードキャストで送信されるので)複数のDSRCデータが受信される場合には、当該複数のDSRCデータは互いに一致していないことがあり、これも差異を示すことになる。
ブロック502では、エゴ車両は、複数の第2の遠隔車両(X1、X2、X3およびX4)に、第1の遠隔車両に関する遠隔正確性データを要求する。
ブロック503では、エゴ車両は、当該複数の第2の遠隔車両から、第1の遠隔車両に関する遠隔正確性データを含む無線メッセージを受信する。エゴ車両の正確性判定システムは、当該遠隔正確性データに部分的に基づいてエゴ正確性データを決定する。
次に、一実施形態に係る、正確性判定システムに含まれる例示的な関数であって、エゴ正確性データを決定するための例示的な関数について、説明される。これらの関数のいくつかの定義は以下のものを含む。
Xi:ノードi。ノードは通常、車両だが、インフラストラクチャ内のRSUなどのデバイスとすることもできる。
Ri:ノードiに対する要求フラグ。
Si:ノードiに対する送信フラグ。
Pi,j:ノードjからのノードiに対する正確性レベル。この正確性レベルは、特定の情報に対するものとすることができ、または、一般に、特定のノードiのDSRCデータに含まれる全ての情報に適用することができる。
T:タイムアウトまでの時間。
一実施形態では、それぞれのノードX0が、(1)要求関数(request function)と(2)提供関数(provide function)の2つの基本関数を有する。当該要求関数は、Xiの正確性レベルを要求するメッセージをブロードキャストで送信する(すなわち、第2の遠隔車両などの他の遠隔ノードに遠隔正確性データを要求する)。当該提供関数は、Xiに関するエゴ正確性データを提供する。エゴ正確性データが計算済みの場合、X0は、そのエゴ正確性データを直接ブロードキャストで送信し、エゴ正確性データがまだ計算されていない場合、X0は、最初に要求関数を呼び出し、次いでエゴ正確性データをブロードキャストで送信する。
次に、要求関数について説明される。
次に、一実施形態に係る要求関数の6行目および7行目について、より詳細に説明される。6行目に関しては、X0は、Xj1、Xj2、...、XjNからN個の応答を受信すると仮定する。ここで、それぞれのPjk,0は正の数であり(Pjk,0が正でない場合、これはカウントしない)、Pi,0=(Pi,j1×Pj1,0+Pi,j2×Pj2,0+...+Pi,jN×PjN,0)/(Pj1,0+Pj2,0+...+PjN,0)である。7行目に関しては、Pi,0×Pi,jk<0の場合、Pjk,0=max(−1,Pjk,0−|Pi,0−Pi,jk|)である。
次に、提供関数が説明される。
一実施形態に係る、正確性判定システムを含む全てのノードX0が当該要求関数および提供関数を実行することができることに留意されたい。これは、これらの関数が、一実施形態に係る正確性判定システムのためのソフトウェアに含まれているためである。ここで
、Pi,0の添数0は「ノード自体」を意味し、要求関数を最初から実行するノードX0を意味しない。当該全体プロセスは、提供関数を実行しているノードが、Xiの信用情報を有していなくてもよい再帰的方法である。この場合(提供関数の3行目以降)、提供関数も要求関数を呼び出し、残りのノードに遠隔正確性データを要求する。
一実施形態では、正確性レベルPi,0が(所定のしきい値に比べて)高い場合、X0の正確性判定システムは、ローカルセンサデータに誤りがあり、X0に潜在的なセンサエラーが存在すると判定する。正確性レベルPi,0が低い場合、X0の正確性判定システムは、DSRCデータに誤りがあり、潜在的なセキュリティ攻撃が存在すると判定する。
一実施形態では、上述の解析を、リアルタイムでまたはほぼリアルタイムで実行することができる。オーバヘッド(overhead)はノード間の通信によって発生する。可能な最も小さなオーバヘッドを有しリアルタイムに最も近いシナリオは、当該通信が2つのノード間の通信であるとき、すなわち1つのノードが正確性レベルを要求し、1つのノードが正確性レベルを提供するときに生じる。言い換えると、第2の遠隔車両が1台だけであり、複数の第2の遠隔車両がないときに、エゴ車両の正確性判定システムの機能の実行はよりリアルタイムに近くなる。より複雑な状況は、タイムアウトまでの時間、変数「T」に依存する。タイムアウトは、当該ノードが他のノードからのフィードバックをどのくらいの時間待つかを規定する。これらの状況はトレードオフの関係にある。すなわち、変数「T」が長いほど多くのフィードバックが集められ、変数「T」が短いほど、エゴ車両の正確性判定システムによるエゴ正確性データの決定が早くなる。
図6および図7は、エゴ車両のADASシステムが協調型車間距離制御(Cooperative Adaptive Cruise Control:CACC)システムである場合の正確性判定システムの具体例を示す。図6は第1のシナリオを示し、図7は第2の例を示す。図5が一般的な例を説明しているため、図6および図7の例は例示が目的であり、限定を意図するものではない。
図6および図7では、2台の車両(一般化されたシナリオではこれを一団の車両とすることができる)が存在し、第1の遠隔車両(X5として示されている)が先行し、エゴ車両(X0として示されている)が追従している。エゴ車両は、第1の遠隔車両の加速度、スピードおよび位置を考慮して、第1の遠隔車両に対するエゴ車両自体の目標とする間隔、目標とする速度および目標とする加速度を決定する。第1の遠隔車両の加速度、速度および位置は、第1の遠隔車両によって送信され、第1の遠隔車両に追従しているエゴ車両によって受信される。この情報は、BSMなどのDSRCメッセージを介して第1の遠隔車両によってエゴ車両に提供されるDSRCデータに含まれる。エゴ車両はさらに、第1の遠隔車両の加速度、スピードおよび位置を感知する(例えば、第1の遠隔車両を示すローカルセンサデータを生成する)。DSRCデータが、エゴ車両の速度を毎時60マイルとしており、ローカルセンサデータが、エゴ車両の速度を毎時90マイルとしていると仮定すると、エゴ車両の正確性判定システムは、DSRCデータに含まれる速度情報をCACCシステムに提供するために信頼するか否かを判定することができる。次に、図6および図7について説明される。本段落に含まれる情報は状況説明として図6および図7に提供される。
次に図6を参照する。ブロック601では、エゴ車両(X0)が、第1の遠隔車両(X5)からDSRCデータを受信する。当該DSRCデータは、第1の遠隔車両の速度など、第1の遠隔車両に関する情報を示す。この例では、DSRCデータは、第1の遠隔車両の速度が毎時60マイルであることを示している。第1の遠隔車両の正確性レベルはエゴ車両によって知られていない。これは例えば、エゴ車両が、これより前に第1の遠隔車両からDSRCデータを受信していないためである。エゴ車両の正確性判定システムは、エ
ゴ車両のセンサセットに、第1の遠隔車両に関するローカルセンサデータを生成させる。この例では、ローカルセンサデータは、第1の遠隔車両の速度が毎時90マイルであることを示している。エゴ車両の正確性判定システムは、DSRCデータをローカルセンサデータと比較し、DSRCデータとローカルセンサデータの間の差異を検出する。
ブロック602でで、エゴ車両は、複数の第2の遠隔車両(X1、X2、X3およびX4)に、第1の遠隔車両に関する遠隔正確性データを要求する。この要求はブロードキャストで送信されてもよい。例えば、エゴ車両は、遠隔正確性データを要求するリクエストをブロードキャストで送信する。
ブロック603では、エゴ車両は、当該複数の第2の遠隔車両から、第1の遠隔車両に関する遠隔正確性データを含む無線メッセージを受信する。エゴ車両の正確性判定システムは、当該遠隔正確性データに部分的に基づいてエゴ正確性データを決定する。ここで、受信される遠隔正確性データはP5,1、P5,2、P5,3およびP5,4である。P5,1は、第2の遠隔車両X1から受信される。P5,2は、第2の遠隔車両X2から受信される。P5,3は、第2の遠隔車両X3から受信される。P5,4は、第2の遠隔車両X4から受信される。
ブロック604では、エゴ車両は、第2の遠隔車両に対する正確性レベルを決定する。ここで、信用レベルP1,0は、X1に対する正確性レベルに対応し、信用レベルP2,0は、X2に対する正確性レベルに対応し、信用レベルP3,0は、X3に対する正確性レベルに対応し、信用レベルP4,0は、X4に対する正確性レベルに対応する。
ブロック605では、第1の遠隔車両に対するエゴ正確性データが以下のように決定される:N=4、j1=1、j2=2、j3=3、j4=4であり、P5,0=(1×1+1×0.9+(−1)×0.4+0.9×1)/(1+0.9+0.4+1)=0.727である。ブロック605において適用されるルールは、一実施形態に係る要求関数の6行目に関して上記で説明されている。
ブロック606では、X3に対する正確性レベルがP3,0=−1に更新される。ブロック606において適用されるルールは、一実施形態に係る要求関数の7行目に関して上記で説明されている。
この第1のシナリオにおいて、エゴ車両(X0)は、第1の遠隔車両(X5)からの速度情報が高い正確性レベルを有しており、エゴ車両のセンサは壊れているかまたは不正確である可能性が高いと判断することができる。提案された当該手法が使用されず、エゴ車両が、エゴ車両自体のローカルセンサデータを信用した場合には、事故が発生する危険性がある。本明細書に記載された正確性判定システムはこの危険性を排除する。
次に図7を参照する。ブロック701では、エゴ車両(X0)が、第1の遠隔車両(X5)からDSRCデータを受信する。当該DSRCデータは、第1の遠隔車両の速度など、第1の遠隔車両に関する情報を示す。この例では、DSRCデータは、第1の遠隔車両の速度が毎時60マイルであることを示している。第1の遠隔車両に対する正確性レベルはエゴ車両によって知られていない。これは例えば、エゴ車両は、これより前に第1の遠隔車両からDSRCデータを受信していないためである。エゴ車両の正確性判定システムが、エゴ車両のセンサセットに、第1の遠隔車両を示すローカルセンサデータを生成させる。この例では、ローカルセンサデータは、第1の遠隔車両の速度が毎時90マイルであることを示している。エゴ車両の正確性判定システムは、DSRCデータをローカルセンサデータと比較し、DSRCデータとローカルセンサデータの間の差異を識別する。
ブロック702では、エゴ車両は、複数の第2の遠隔車両(X1、X2、X3およびX4)に、第1の遠隔車両を示す遠隔正確性データを要求する。この要求はブロードキャストで送信されてもよい。例えば、エゴ車両は、遠隔正確性データを要求するリクエストをブロードキャストで送信する。
ブロック703では、エゴ車両は、当該複数の第2の遠隔車両から、第1の遠隔車両に対する遠隔正確性データを含む無線メッセージを受信する。エゴ車両の正確性判定システムは、当該遠隔正確性データに部分的に基づいてエゴ正確性データを決定する。ここで、受信される遠隔正確性データはP5,1、P5,2、P5,3およびP5,4である。P5,1は、第2の遠隔車両X1から受信される。P5,2は、第2の遠隔車両X2から受信される。P5,3は、第2の遠隔車両X3から受信される。P5,4は、第2の遠隔車両X4から受信される。
ブロック704では、エゴ車両は、第2の遠隔車両に対する正確性レベルを決定する。ここで、信用レベルP1,0は、X1に対する正確性レベルに対応し、信用レベルP2,0は、X2に対する正確性レベルに対応し、信用レベルP3,0は、X3に対する正確性レベルに対応し、信用レベルP4,0は、X4に対する正確性レベルに対応する。
ブロック705では、第1の遠隔車両に対するエゴ正確性データが以下のように決定される:N=4、j1=1、j2=2、j3=3、j4=4であり、P5,0=((−1)×1+(−1)×0.9+(−1)×0.4+(−0.9)×1)/(1+0.9+0.4+1)=−0.970である。ブロック705において適用される当該ルールは、一実施形態に係る要求関数の6行目に関して上記で説明されている。
この第2のシナリオにおいて、エゴ車両(X0)は、第1の遠隔車両(X5)からの速度情報が低い正確性レベルを有し(これは例えば、0である所定のしきい値が−0.970よりも大きく、−0.970が当該しきい値を満たしていないためである)、そのため、第1の遠隔車両のセンサは壊れているかまたは不正確である可能性が高いと判断することができる。当該正確性判定システムによって提供される機能が使用されず、エゴ車両が、DSRCデータに含まれる速度情報を信用した場合には、事故が発生する危険性がある。これは、第1の遠隔車両のスピードが、ローカルセンサデータによって表された毎時90マイルにより近い可能性がより高いときに、DSRCデータが、第1の遠隔車両のスピードを毎時60マイルとしているため、第1の遠隔車両(すなわち先行する車両)とエゴ車両(すなわちこの例では第1の遠隔車両に追従している車両)との間のギャップがより大きいと考えられるためである。本明細書に記載された正確性判定システムはこの危険性を排除する。
一実施形態では、当該所定のしきい値が0であり、そのため、0よりも小さい正確性レベルは、エゴ車両の正確性判定システムにより、十分に正確とは言えないと判定される。一実施形態では、正確性レベル「1」が、可能な最良の正確性レベルであり、最も正確であることを意味する。
図6のブロック604および図7のブロック704を参照すると、第2の遠隔車両の正確性レベルを、ブロック604および704を実行することができるように初期化する複数の実施態様が存在する。次に、3つの例示的な実施態様が説明される。
第2の遠隔車両の正確性レベルを初期化する第1の例示的な実施態様として、保守または検査中にセンサを較正することができる。較正後、特定の第2の遠隔車両の正確性レベルを1に設定し、これを、ネットワーク105を介して正確性レベルをエゴ車両に提供するクラウドサーバに登録することができる。この例では、「1」が、高い信用レベルまた
は可能な最良の信用レベルであると仮定される。当該クラウドサーバおよび当該クラウドサーバの対応するデバイスも、動作環境100内のノードとすることができることに留意されたい。さらなる更新がなされない場合、エゴ車両の正確性判定システムは、当該保守または検査事象の日付から時間が経過するにつれて、当該特定の第2の遠隔車両の正確性レベルを自動的に引き下げる。このようにすると、複数の第2の遠隔車両に対する正確性レベルを自動的に知り、更新することができる。正確性レベルを自動的に引き下げるために正確性判定システムによって適用される1つの例示的なルーチンが、max(1−2t,0)である。ここで、tは、最後の保守または検査からその時点までの年数である。このルーチンは、年に1度、ある所定の日に(例えば毎年1月1日に)実行することができる。
第2の遠隔車両の正確性レベルを初期化する第2の例示的な実施態様として、エゴ車両などのノードが利用することができる公開鍵インフラストラクチャがある。初期セキュリティ鍵の交換が認証局(certificate authority)によって完了された場合、認証局または当該セキュリティ鍵交換に関与した他のノードにおいて、ノードの正確性レベルを「1」に設定することができる。セキュリティ鍵交換がなされない場合には、ノードの信用レベルを0(または所定のしきい値に基づく十分に正確とは言えない他の何らかの値)に設定することができる。
第2の遠隔車両の正確性レベルを初期化する第3の例示的な実施態様として、上の2つ段落で説明された第1の例と第2の例が結合される。可能な操作は、上述の例示的な2つの実施態様の平均、最小および最大のうちの1つまたは複数を含む。
以上の説明では、本明細書を十分に理解できるように、多くの具体的な詳細について説明した。しかしながら、これらの具体的な詳細無しでも実施可能であることは当業者にとって明らかであろう。また、説明が不明瞭になることを避けるために、構造や装置をブロック図の形式で表すこともある。たとえば、一実施形態は、ユーザインタフェースおよび特定のハードウェアとともに説明される。しかし、上述の実施形態は、データおよびコマンドを受信可能な任意のタイプのコンピュータシステムおよび任意の周辺機器について適用できる。
本明細書における「一実施形態」又は「ある実施形態」等という用語は、その実施形態と関連づけて説明される特定の特徴、構造、性質が少なくとも本明細書の一つの実施形態に含まれることを意味する。「一実施形態では」等という用語は本明細書内で複数用いられるが、これらは必ずしも同一の実施形態を示すものとは限らない。
以上の詳細な説明の一部は、コンピュータメモリに記憶されたデータビットに対する動作のアルゴリズムおよび記号的表現として提供される。これらのアルゴリズム的な説明および表現は、データ処理技術分野の当業者によって、他の当業者に対して自らの成果の本質を最も効果的に説明するために用いられるものである。なお、本明細書において、及び、一般的に、アルゴリズムとは、所望の結果を得るための論理的な手順を意味する。処理のステップは、物理量を物理的に操作するものである。必須ではないが、通常は、これらの量は記憶、伝送、結合、比較、およびその他の処理が可能な電気的又は磁気的信号の形式を取る。通例にしたがって、これらの信号をビット、値、要素、エレメント、シンボル、特徴、項、数値などとして称することが簡便である。
なお、これらの用語および類似する用語はいずれも、適切な物理量と関連付いているものであり、これら物理量に対する簡易的なラベルに過ぎないということに留意する必要がある。以下の説明から明らかなように、特に断らない限りは、本明細書において「処理」「計算」「コンピュータ計算(処理)」「判定」「表示」等の用語を用いた説明は、コン
ピュータシステムや類似の電子的計算装置の動作および処理であって、コンピュータシステムのレジスタやメモリ内の物理的(電子的)量を、他のメモリやレジスタ又は同様の情報ストレージや通信装置、表示装置内の物理量として表される他のデータへ操作および変形する動作および処理を意味する。
本明細書の実施形態は、本明細書で説明される動作を実行する装置にも関する。この装置は要求される目的のために特別に製造されるものであっても良いし、汎用コンピュータを用いて構成しコンピュータ内に格納されるプログラムによって選択的に実行されたり再構成されたりするものであっても良い。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD−ROM、磁気ディスクなど任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気又は光学式カード、USBキーを含む不揮発性フラッシュメモリ、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体などの、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶される。ただし、これらに限定されない。
本明細書は、完全にハードウェアによって実現されるものでも良いし、完全にソフトウェアによって実現されるものでも良いし、ハードウェアとソフトウェアの両方によって実現されるものでも良い。好ましい実施形態は、ソフトウェアによって実現される。ここでソフトウェアとは、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードやその他のソフトウェアを含むものである。ただし、これらに限定されない。
さらに、ある実施形態は、コンピュータが利用あるいは読み込み可能な記憶媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムプロダクトの形態を取る。この記憶媒体は、コンピュータや任意の命令実行システムによってあるいはそれらと共に利用されるプログラムコードを提供する。明細書の目的によって、コンピュータが利用あるいは読み込み可能な記憶媒体とは、命令実行システムや装置によってあるいはそれらと共に利用されるプログラムを、保持、格納、通信、伝搬および転送可能な任意の装置を指す。
プログラムコードを格納、実行するために適したデータ処理システムは、システムバスを介して記憶素子に直接又は間接的に接続された少なくとも1つのプロセッサを有する。記憶素子は、プログラムコードの実際の実行に際して使われるローカルメモリや、大容量記憶装置や、実行中に大容量記憶装置からデータを取得する回数を減らすためにいくつかのプログラムコードを一時的に記憶するキャッシュメモリなどを含む。
入力/出力(I/O)装置(キーボード、ディスプレイ、ポインティング装置などを含み、これらに限定されない)は、I/Oコントローラを介して直接あるいは間接的にシステムに接続される。
システムにはネットワークアダプタも接続されており、これにより、私的ネットワークや公共ネットワークを介して、他のデータ処理システムやリモートにあるプリンタや記憶装置に接続される。モデム、ケーブルモデム、イーサネット(登録商標)カードは、現在利用可能なネットワークアダプタのほんの一例である。
最後に、本明細書において提示されるアルゴリズムおよび表示は特定のコンピュータや他の装置と本来的に関連するものではない。本明細書における説明にしたがったプログラムを有する種々の汎用システムを用いることができるし、また要求された処理ステップを実行するための特定用途の装置を製作することが適した場合もある。これら種々のシステムに要求される構成は、以上の説明において明らかにされる。さらに、本発明は、特定のプログラミング言語と関連づけられるものではない。本明細書で説明される教示内容を実
装するために種々のプログラミング言語を利用できることは明らかであろう。
本明細書の実施形態の前述の説明は、例示と説明を目的として行われたものである。したがって、開示された実施形態が本発明の全てではないし、本発明を上記の実施形態に限定するものでもない。上記の開示にしたがって、種々の変形が可能である。本開示の範囲は上述の実施形態に限定解釈されるべきではなく、特許請求の範囲にしたがって解釈されるべきである。当該技術に詳しい者であれば、本明細書はその思想や本質的特徴から離れることなくその他の種々の形態で実現できることを理解できるであろう。同様に、モジュール、処理、特徴、属性、方法およびその他の態様に関する名前付けや分割方法は必須なものでものないし重要でもない。また、本明細書やその特徴を実装する機構は異なる名前や分割方法や構成を備えていても構わない。さらに、当業者であれば、モジュール、処理、特徴、属性、方法およびその他の本開示の態様は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアもしくはこれらの組合せとして実装できることを理解できるであろう。また、本明細書をソフトウェアとして実装する場合には、モジュールなどの各要素は、どのような様式で実装されても良い。例えば、スタンドアローンのプログラム、大きなプログラムの一部、異なる複数のプログラム、静的あるいは動的なリンクライブラリー、カーネルローダブルモジュール、デバイスドライバー、その他コンピュータプログラミングの当業者にとって現在又は未来において既知な方式として実装することができる。さらに、本発明の実装は特定のプログラミング言語に限定されるものではないし、特定のオペレーティングシステムや環境に限定されるものでもない。以上のように、上記の本開示は限定的なものではなく例示的なものであり、本明細書の範囲は添付の特許請求の範囲にしたがって定められる。