JP6736948B2 - 移相器及びこれを備えたアンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、信号の位相を変化させることが可能な移相器、及びこの移相器を備えたアンテナ装置に関する。
従来、複数のアンテナ素子を介して送信又は受信される信号の位相を調整することが可能な移相器が、例えば携帯電話機の基地局用のアンテナ装置に用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1〜3に記載の移相器は、複数のアンテナ素子を介して伝送される信号の伝送線路を構成する信号導体を第1グランド板及び第2グランド板で挟んでなるトリプレート線路に設けられ、信号導体と第1グランド板との間、及び信号導体と第2グランド板との間にそれぞれ誘電体板が配置されている。これらの誘電体板は、共にその長手方向に進退移動可能であり、この長手方向への移動に伴って信号導体との重複面積が変化する。そして、この重複面積が変化することによってトリプレート線路における実効誘電率が変化し、これに伴って電気線路長が変化するため、信号導体を伝搬する信号の位相が変化する。
また、信号導体を挟む一対の誘電体板は、ピンやねじ棒等の軸状部材によって連結され、この軸状部材を介して長手方向の移動力を受けて進退移動する。一対の誘電体板からなる誘電体板対は、アンテナ装置の複数箇所に設けられ、複数のアンテナ素子から電磁波が放射される場合、各アンテナ素子から放射される電磁波の位相差が移相器によって調整される。これにより、アンテナ装置の指向性、具体的にはメインビームの放射方向を可変とすることができる。
特開2014−158188号公報 特開2015−233205号公報 特開2014−216784号公報
特許文献1〜3に記載された移相器では、誘電体板の長手方向の両端部に軸状部材が配置されている。また、これらの軸状部材は、例えば特許文献3に記載されているように、第2グランド板と平行に移動する棒状の駆動体(連結棒)に一端部が嵌合し、この駆動体を介して電動モータを有するアクチュエータからの移動力を受ける。
このように構成された移相器において、誘電体板の両端部に配置されたそれぞれの軸状部材の先端部が駆動体に形成された嵌合孔に密嵌合(締り嵌め)する場合には、例えば誘電体板の製造誤差や誘電体板と駆動体との熱膨張率の違い等により、誘電体板の長手方向における軸状部材同士の間隔と、駆動体に形成された嵌合孔同士の間隔とが異なると、誘電体板に歪みが発生し、この歪によって信号の位相差が変動してしまうおそれがある。
また、誘電体板の両端部に配置された2つの軸状部材のうち、一方の軸状部材の先端部を駆動体の嵌合孔に密嵌合し、他方の軸状部材の先端部を駆動体の嵌合孔に遊嵌(すきま嵌め)した場合には、実質的に嵌合孔に密嵌合した一方の軸状部材のみが駆動体からの移動力を受けることになるため、この一方の軸状部材の基端部の周辺において誘電体板に応力による歪が発生しやすくなる。また、この軸状部材の強度によっては、誘電体板の移動時に折れや曲り等の破損が生じやすくなる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、誘電体板に発生する歪を抑制しながら、誘電体板の移動時における損傷を防ぐことが可能な移相器、及びこの移相器を備えたアンテナ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、互いに平行に配置された導電板の間に配置され、アンテナ素子を介して伝送される信号の伝送線路を構成する信号導体と、前記導電板と前記信号導体との間に配置された誘電体からなる誘電体板を有する誘電部材と、前記誘電部材を前記導電板と平行な所定の方向に移動させる移動機構とを備え、前記誘電部材が前記所定の方向に移動することにより前記信号導体と前記誘電体板との対向面積が変化し、前記伝送線路を伝搬する信号の位相が変化する移相器であって、前記移動機構は、駆動体と、前記駆動体に前記所定の方向への移動力を付与するアクチュエータとを備え、前記誘電部材は、前記駆動体に嵌合して前記駆動体に付与された前記移動力を受ける複数の駆動突起が立設され、前記複数の駆動突起は、前記誘電部材における前記所定の方向の一部の領域に、前記所定の方向に直交する方向に並んで設けられている移相器、及びこの移相器を備えたアンテナ装置を提供する。
本発明に係る移相器及びこれを備えたアンテナ装置によれば、誘電体板に発生する歪を抑制しながら、誘電体板の移動時における損傷を防ぐことが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る移相器を備えたアンテナ装置を示すブロック図である。 アンテナ装置を示す説明図であって、(a)は外観を示す全体斜視図、(b)は(a)のレドームを外した第2グランド板上の構成を示す斜視図である。 レドームの内部において8個のアンテナ素子側とは反対側に配置された移相器の移動機構の構成例を示す斜視図である。 信号導体を構成する配線パターンが形成された基板の一部を示す斜視図である。 移相部を示す図であり、(a)は第1グランド板を省略して第1誘電体板及び基板の一部を示す平面図、(b)は(a)における基板を部分的に示す平面図である。 (a)は、移相部の断面図である。(b)は、第1の誘電体板及び第2の誘電体板を示す斜視図である。 第1誘電体板の第1及び第2の駆動突起ならびに第1乃至第4の柱状突起がそれぞれ嵌合する第1乃至第6の嵌合孔が形成された駆動体の長手方向の一部を示す平面図である。 (a)は、第1の実施の形態の変形例に係る第1の誘電体板を示す斜視図である。図8(b)は、第1の実施の形態の変形例に係る駆動体の一部を示す平面図である。 第2の実施の形態に係る第1及び第2の誘電部材を示し、(a)は第1の誘電部材を示す平面図、(b)は第1及び第2の誘電部材を示す側面図、(c)は第2の誘電部材を示す平面図である。 (a)は、第1の誘電部材と第2の誘電部材との間に配置される基板を示す平面図である。(b)及び(c)は、基板と第1の誘電部材との位置関係を示す平面図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の移相器及びこれを備えたアンテナ装置の第1の実施の形態について、図1乃至図7を参照して説明する。このアンテナ装置11は、例えば、アンテナ塔やビル等の建造物の高所に設置され、携帯電話機用の基地局アンテナとして用いられる。なお、以下の説明では、本実施の形態に係るアンテナ装置11を高周波信号の送信のために用いる場合について説明するが、このアンテナ装置11を受信のために用いることも可能である。
(アンテナ装置の構成)
図1はアンテナ装置11を示すブロック図である。アンテナ装置11は、移相器10と、高周波信号が入力される入力端子12と、入力端子12に入力された信号を分配する第1分配線路14aと、第1分配線路14aによって分配された信号をさらに分配する第2分配線路14bと、第2分配線路14bによって分配された信号をさらに分配する第3分配線路14cと、第3分配線路14cの端末部に接続されたアンテナ素子13と、を備えている。各分配線路14a〜14cは1入力2出力の線路構成となっており、第3分配線路14cの端末部には合計8個のアンテナ素子13(13a〜13h)がそれぞれ接続されている。
8個のアンテナ素子13(13a〜13h)は鉛直方向に並び、アンテナ素子13aが最上部に、アンテナ素子13hが最下部に配置される。他のアンテナ素子13(13b〜13g)は、図1の上側(アンテナ素子13a側)に示すアンテナ素子13ほど鉛直方向の上側に配置される。各アンテナ素子13の信号位相は、第1乃至第3分配線路14a〜14cの線路長の違いにより、下側のアンテナ素子13ほど信号位相が遅れるように調節されている。
第1乃至第3の分配線路14a,14b,14cは、アンテナ素子13(13a〜13h)を介して伝送される信号の伝送線路1に含まれる。第1分配線路14aと第2分配線路14bとの間、及び第2分配線路14bと第3分配線路14cとの間には、それぞれ移相器10の移相部10a〜10fが設けられている。ここでは、第1分配線路14aと第2分配線路14bとの間の2箇所と、第2分配線路14bと第3分配線路14cとの間の4箇所に、合計6個の移相部10a〜10fが設けられている。移相器10は、伝送線路1を構成する信号導体と後述するグランド板との間に誘電体を挿入する誘電体挿入型の移相器であり、信号導体と誘電体とが重なる面積が大きいほど信号の位相が遅れるように構成されている。
アンテナ装置11では、移相部10a〜10fによって信号の位相を変化させることにより、アンテナ素子13a〜13hから放射される電波の指向性(ビームチルト角)を上下方向に調節することが可能である。具体的には、移相部10a,10c,10dによってアンテナ素子13a〜13dの位相遅れ量を小さくし、移相部10b,10e,10fによってアンテナ素子13e〜13hの位相遅れ量を大きくすることで、電波の指向性を下方(地上側)に向けることができる。また、移相部10a,10c,10dによってアンテナ素子13a〜13dの位相遅れ量を大きくし、移相部10b,10e,10fによってアンテナ素子13e〜13hの位相遅れ量を小さくすることで、電波の指向性を上方(天空側)に向けることができる。なお、ここでは、8個のアンテナ素子13(13a〜13h)と、6個の移相部10a〜10fを用いる場合を説明したが、アンテナ素子や移相部の数は一例であり、図示のものに限定されない。
図2は、アンテナ装置11の具体的な構成例を示す斜視図であり、(a)は外観を、(b)は複数のアンテナ素子13の配置状態を、それぞれ示す。図2(a)に示すように、アンテナ装置11は、円筒状のレドーム30内に、第1乃至第3の分配線路14a,14b,14cを含む伝送線路1、及び8個のアンテナ素子13等を収容して構成されている。伝送線路1は、基板上に所定のパターンで形成された銅等の良導電性の金属からなる配線パターンによって構成され、トリプレート線路の内導体となる。
レドーム30は、その両端がアンテナキャップ301,302によって閉塞されており、その中心軸方向が鉛直方向となるように、取付金具303,304によってアンテナ塔等の高所に取り付けられる。鉛直方向の下方に配置されるアンテナキャップ302には、入力端子12(図1参照)として機能する同軸ケーブルアダプタ305,306が取り付けられている。レドーム30内には、図略のアース線により電気的に接地された第1グランド板31及び第2グランド板32が固定されている。図2(b)では、このうち第2グランド板32を8個のアンテナ素子13と共に図示している。
複数のアンテナ素子13は、レドーム30の長手方向に沿って配列され、第2グランド板32に固定されている。それぞれのアンテナ素子13は、十字状に交差して配置された水平偏波アンテナ素子131と垂直偏波アンテナ素子132とを有している。第2グランド板32は、水平偏波アンテナ素子131及び垂直偏波アンテナ素子132から放射される電磁波を反射する反射板としての機能を有している。
水平偏波アンテナ素子131及び垂直偏波アンテナ素子132は、放射素子として機能する図略の配線パターンが板状の誘電体に形成されたプリント基板からなるプリントダイポールアンテナである。水平偏波アンテナ素子131及び垂直偏波アンテナ素子132には、第2グランド板32に形成された開口を挿通する図略の凸部が設けられ、この凸部を介して放射素子として機能する配線パターンが伝送線路1における第3分配線路14c(図1参照)の端末部に電気的に接続されている。
図3は、レドーム30の内部において8個のアンテナ素子13側とは反対側に配置された移相器10の移動機構4の構成例を示す斜視図である。この移動機構4は、8個のアンテナ素子13が固定された第2グランド板32と平行に配置された第1グランド板31上に設けられている。第1グランド板31及び第2グランド板32は、ステンレスやアルミニウム等の導電性金属からなる平板状の導電板であり、電気的に接地されている。また、第1グランド板31及び第2グランド板32は、その長手方向がレドーム30の中心軸方向に沿った長板状であって、トリプレート線路の外導体を構成する。第1グランド板31は本発明の導電板の一態様である。
移動機構4は、後述する移相器10の第1誘電体板51及び第2誘電体板52(図6参照)を、第1グランド板31及び第2グランド板32と平行で、かつ第1グランド板31及び第2グランド板32の長手方向に沿った所定の方向に進退移動させる。以下、この所定の方向を移動方向Aという。図3では、この移動方向Aを両矢印で図示している。
移動機構4は、電動モータ41と、電動モータ41の回転力を直線方向の移動力に変換する回転直動変換部42と、第1グランド板31に固定された支持板43と、支持板43に形成された挿通孔430に挿通された軸部441、及び軸部441に固定されて第1グランド板31の短手方向に延びる腕部442を有する直動部材44と、第1グランド板31と対向して配置された一対の駆動体45とを備えている。
回転直動変換部42は、例えばラックアンドピニオン機構を構成するピニオン歯車及びラック軸の噛み合いにより、直動部材44の軸部441を第1グランド板31の長手方向に移動させる。一対の駆動体45は、第1グランド板31の長手方向に延在して互いに平行に配置された棒状の部材である。一対の駆動体45は、その長手方向の一部においてそれぞれ直動部材44の腕部442に固定され、直動部材44と共に第1グランド板31の長手方向に進退移動する。
電動モータ41、回転直動変換部42、及び直動部材44は、駆動体45に移動方向Aへの移動力を付与するアクチュエータを構成する。第1グランド板31上には、外部からの指示信号を受けて電動モータ41を制御する制御部40が配置されている。また、第1グランド板31には、駆動体45をガイドするガイド部材35が固定されている。
第1グランド板31の短手方向における両端部には、切り欠き31bが形成され、この切り欠き31bに一端部が挿通された水平偏波用同軸ケーブル33及び垂直偏波用同軸ケーブル34を介して伝送線路1における第1分配線路14a(図1参照)に送信信号が供給される。水平偏波用同軸ケーブル33及び垂直偏波用同軸ケーブル34の他端部は、同軸ケーブルアダプタ305,306に接続されている。
図4は、第1グランド板31と第2グランド板32との間に挟まれ、後述する信号導体2を構成する配線パターンが形成された基板20の一部を示す斜視図である。基板20は、例えばガラス繊維で補強されたエポキシ樹脂からなるソリッド基板であり、その両面に配線パターンが形成されている。配線パターンは、基板20の一方の面に形成された配線パターンの裏側に同形状の配線パターンが形成されるように、基板20の両面に対称に設けられている。第1乃至第3分配線路14a〜14cは、この配線パターンによって形成されている。
なお、本実施の形態では、信号導体2として、ガラスエポキシ等からなる基板20の両面に形成された配線パターンで構成されたものを用いたが、これに限らず、信号導体2として、銅等の導体からなる板状の部材を用いた構成でもよく、また、誘電体基板としてフィルム状のものを用いる場合には、当該フィルム状の基板の一方の面に形成された配線パターンで構成されてもよい。
信号導体2は、第1グランド板31と第2グランド板32との間に配置され、図4に示す領域Pにおいて直線部2aと接続部2bを有し、その両側に移動方向Aに沿って延びる長孔20aが形成されている。基板20には、このような領域Pが6箇所に設けられ、図4ではそのうち2箇所の領域Pを図示している。
(移相部の構成)
図5は、移相部10aを示す図であり、(a)は第1グランド板31を省略して第1誘電体板51及び基板20の一部を示す平面図、(b)は(a)における基板20を部分的に示す平面図である。図6(a)は、移相部10aの断面図である。図6(b)は、第1誘電体板51及び第2誘電体板52を示す斜視図である。なお、図示は省略しているが、他の移相部10b〜10fについても、移相部10aと同様に構成されている。第1誘電体板51は、本発明の誘電体板及び誘電部材に相当する。
基板20は、第1グランド板31と第2グランド板32との間に、それぞれ等間隔を以って平行に配置されている。基板20の配線パターンならびに第1グランド板31及び第2グランド板32は、トリプレート線路を形成する。第1誘電体板51と第2誘電体板52との間に挟まれる領域Pの信号導体2は、互いに平行に配置された2本の直線部2aと、直線部2aの先端部同士(図5(b)における右側の端部同士)を接続する接続部2bとからなり、全体として平面視において略U字状に形成されている。直線部2aと接続部2bとの接続部は、面取りがなされた形状となっている。
移相部10aは、第1グランド板31と基板20との間に配置された第1誘電体板51と、第2グランド板32と基板20との間に配置された第2誘電体板52とを有している。
第1誘電体板51は、少なくとも一部が信号導体2(基板20の一方の面側の直線部2a及び接続部2b)と対向する誘電体からなる平板状の第1板状部510と、第1板状部510から第1グランド板31側に突出する一対の第1外側突起511と、第1板状部510から基板20側に突出する一対の第1内側突起512と、第1及び第2の駆動突起513,514と、第1乃至第4の柱状突起515〜518とを一体に有している。第1及び第2の駆動突起513,514ならびに第1乃至第4の柱状突起515〜518は、第1板状部510からその板厚方向に沿って延びる軸状である。第1誘電体板51は、電動モータ41、回転直動変換部42、及び直動部材44からなるアクチュエータにより駆動体45に付与された移動力を、第1及び第2の駆動突起513,514によって受け、移動方向Aへ進退移動する。
本実施の形態では、第1及び第2の駆動突起513,514ならびに第1乃至第4の柱状突起515〜518が円柱状であり、それぞれの直径(太さ)が同じである。ただし、第1及び第2の駆動突起513,514ならびに第1乃至第4の柱状突起515〜518の形状はこれに限らず、例えば四角柱状であってもよい。また、第1及び第2の駆動突起513,514の太さと第1乃至第4の柱状突起515〜518の太さとが異なっていてもよい。
第1及び第2の駆動突起513,514ならびに第1乃至第4の柱状突起515〜518は、第1板状部510における第1グランド板31との対向面に立設されている。また、第1板状部510における基板20との対向面には、第1及び第2の駆動突起513,514ならびに第1乃至第4の柱状突起515〜518のそれぞれに対応する位置(第1板状部510の裏側にあたる位置)に、第1乃至第6の連結突起519a〜519fが立設されている。第1乃至第6の連結突起519a〜519fは、第1の誘電体板51に第2の誘電体板52を連結するための連結部材として機能する。基板20には、第1乃至第6の連結突起519a〜519fを挿通させる6つの長孔20aが、移動方向Aに延在して形成されている。
なお、本実施の形態では、第1及び第2の駆動突起513,514、第1乃至第4の柱状突起515〜518、ならびに第1乃至第6の連結突起519a〜519fが第1板状部510と一体であるが、これに限らず、例えば第1板状部510に形成された孔に軸状の部材を嵌合して取り付け、この軸状の部材を第1及び第2の駆動突起513,514、第1乃至第4の柱状突起515〜518、ならびに第1乃至第6の連結突起519a〜519fとしてもよい。
第2誘電体板52は、少なくとも一部が信号導体2(基板20の他方の面側の直線部2a及び接続部2b)と対向する誘電体からなる平板状の第2板状部520と、第2板状部520から第2グランド板32側に突出する一対の第2外側突起522と、第2板状部520から基板20側に突出する一対の第2内側突起521とを一体に有している。第2板状部520には、第1の誘電体板51の第1乃至第6の連結突起519a〜519fが嵌合する嵌合孔520a〜520bが形成されている。
第1誘電体板51及び第2誘電体板52の誘電体の材料は特に限定するものではないが、例えばLCP(液晶ポリマー)、PBT(ポリブチレンテレフタラート)、POM(ポリアセタール)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PC(ポリカーボネート)、PPE(ポリフェニレンエーテル)を用いることができる。
移動機構4は、第1誘電体板51及び第2誘電体板52を、基板20と平行に移動させる。本実施の形態では、第1誘電体板51及び第2誘電体板52が、基板20に対して垂直な方向から見た平面視において長方形状であり、移動機構4による移動方向が長手方向となるように配置される。第1誘電体板51及び第2誘電体板52は、第1乃至第6の連結突起519a〜519fが第2誘電体板52の嵌合孔520a〜520bに嵌合して連結されているので、移動機構4によって一体に移動する。
第1誘電体板51及び第2誘電体板52が移動方向Aに沿って移動することにより、信号導体2(直線部2a及び接続部2b)と第1板状部510及び第2板状部520との対向面積が変化し、信号導体2を伝搬する信号の位相が変化する。これにより、トリプレート線路における実効誘電率が変化し、これに伴って電気線路長が変化するため、伝送線路1を伝搬する信号の位相が変化する。
第1誘電体板51は、一対の第1内側突起512によって第1板状部510と信号導体2との間隔が保持され、一対の第1外側突起511によって第1板状部510と第1グランド板31との間隔が保持される。また、第2誘電体板52は、一対の第2内側突起521によって第2板状部520と信号導体2との間隔が保持され、一対の第2外側突起522によって第2板状部520と第2グランド板32との間隔が保持される。
移動機構4によって第1誘電体板51及び第2誘電体板52が移動する際、第1誘電体板51の一対の第1外側突起511は第1グランド板31を摺動し、一対の第1内側突起512は基板20を摺動する。また、第2誘電体板52の一対の第2外側突起521は第2グランド板32を摺動し、一対の第2内側突起522は基板20を摺動する。移動機構4は、これらの摺動により発生する摺動抵抗に抗して第1誘電体板51及び第2誘電体板52を移動方向Aに沿って移動させる。
以下、移相器10における信号導体2と第1板状部510及び第2板状部520とが重なり合う部分を重複部61、重なり合わない部分を非重複部62と呼称する。非重複部62は、信号導体2と第1及び第2グランド板31,32とが空気層を介して対向する部分である。
移相器10は、第1誘電体板51及び第2誘電体板52を駆動体45により移動させ、重複部61の面積を変化させることで、信号導体2を伝送される信号の位相を変化させる。信号の位相は、重複部61の面積が大きくなるほど遅れ、重複部61の面積が小さくなるほど進む。よって、図5(a)において、ある基準位置から図示左側(直線部2aの基端側)に第1誘電体板51及び第2誘電体板52を移動させることで、信号の位相を基準位置における位相よりも遅らせ、基準位置から図示右側(直線部2aの先端側)に誘電体を移動させることで、信号の位相を基準位置における位相よりも進めることができる。
また、移相器10は、重複部61と非重複部62との間でインピーダンスを整合させるための変成器部7A,7Bを備えている(図5(a)参照)。ここでは、第1誘電体板51及び第2誘電体板52の信号の入力側及び出力側の端部(直線部2aの基端側)に変成器部7Aを形成しており、かつ、直線部2aの長手方向に沿って第1誘電体板51及び第2誘電体板52を移動させるように移動機構4を構成しているため、変成器部7Aは、第1誘電体板51及び第2誘電体板52を図示左右方向に移動させても、必ず信号の入力側および出力側の端部に位置することになる。
移相器10では、変成器部7A,7Bは、重複部61側に設けられた高インピーダンス部7aと、高インピーダンス部7aの非重複部62側に設けられ、高インピーダンス部7aよりも特性インピーダンスが低い低インピーダンス部7bとを備えている。高インピーダンス部7aにおける信号導体2と第1グランド板31及び第2グランド板32の間の実効誘電率は、低インピーダンス部7bにおける信号導体2と第1及び第2グランド板31,32間の実効誘電率よりも低い。
図5(a)に示すように、高インピーダンス部7aの信号導体2に沿った長さLa,La、及び低インピーダンス部7bの信号導体2に沿った長さLb,Lbは、重複部61と非重複部62間でインピーダンスを整合できる長さに調整される。
図4に例示する移相器10では、重複部61の特性インピーダンスが21Ω、非重複部62の特性インピーダンスが50Ωであり、変成器部7A,7Bの高インピーダンス部7aの特性インピーダンスが50Ω、低インピーダンス部7bの特性インピーダンスが21Ωである。第1変成器部7Aは、その両インピーダンス部7a,7bの長さLa,Lbを調整することで、非重複部62と、重複部61と非重複部62の中間の特性インピーダンス(中間特性インピーダンスと呼称する)とをインピーダンス整合させるように構成される。第2変成器部7Bは、その両インピーダンス部7a,7bの長さLa,Lbを調整することで、中間特性インピーダンスと重複部61とをインピーダンス整合させるように構成される。つまり、移相器10では、重複部61と非重複部62間のインピーダンス整合を2段階で行うように変成器部7A,7Bを構成している。
アンテナ装置11がアンテナ塔に設置されると、必要なビームチルト角に応じて制御部40が電動モータ41を駆動する。電動モータ41が駆動されると、その回転力が回転直動変換部42によって変換された移動力により直動部材44が移動し、その移動力が駆動体45を介して各移相部10a〜10fの第1誘電体板51及び第2誘電体板52に付与される。そして、第1誘電体板51及び第2誘電体板52が移動方向Aに沿って移動することにより、移相部10a〜10fにおいて、ビームチルト角に応じて重複部61の面積が調整される。
本実施の形態では、移相部10a,10c,10dと、移相部10b,10e,10fとで、第1誘電体板51及び第2誘電体板52の長手方向の向きが反対となるように第1誘電体板51及び第2誘電体板52が配置されている。これにより、駆動体45の進退移動によって移相部10a,10c,10dの移相量が増大するとき、移相部10b,10e,10fの移相量が減少する。このように、アンテナ装置11は、移動機構4によって各移相部10a〜10fの第1誘電体板51及び第2誘電体板52を移動させることで、所望のビームチルト角でアンテナ素子13から信号波を輻射することが可能である。
図7は、第1誘電体板51の第1及び第2の駆動突起513,514ならびに第1乃至第4の柱状突起515〜518がそれぞれ嵌合する第1乃至第6の嵌合孔451〜456が形成された駆動体45の長手方向の一部を示す平面図である。
第1の駆動突起513は第1の嵌合孔451に嵌合し、第2の駆動突起514は第2の嵌合孔452に嵌合する。また、第1乃至第4の柱状突起515〜518は、第3乃至第6の嵌合孔453〜456にそれぞれ嵌合する。
第1及び第2の駆動突起513,514は、第1誘電体板51における移動方向Aの一部の領域に、移動方向Aに直交する方向に並んで設けられている。前述のように、第1誘電体板51は、移動方向Aが長辺方向(長手方向)となるように配置された長方形状であるので、第1及び第2の駆動突起513,514は、第1の誘電体板51の長辺方向の一端部において、短辺方向(短手方向)に並んで設けられている。また、第3及び第4の柱状突起517,518は、第1誘電体板51の他端部において、短辺方向(短手方向)に並んで設けられている。またさらに、第1及び第2の柱状突起515,516は、第1誘電体板51の長辺方向の一端部と他端部との間の位置において、短辺方向(短手方向)に並んで設けられている。
第1及び第2の駆動突起513,514は、駆動体45に嵌合し、駆動体45に付与された移動力を受ける。第1誘電体板51及び第2の誘電体板52は、この移動力によって信号導体2に対して移動する。本実施の形態では、第1及び第2の駆動突起513,514の先端部が駆動体45の第1及び第2の嵌合孔451,452に密嵌合され、駆動体45に対して相対移動不能に固定されている。
第1乃至第4の柱状突起515〜518は、第3乃至第6の嵌合孔453〜456にそれぞれ遊嵌されている。これにより、第1乃至第4の柱状突起515〜518は、駆動体45に付与された移動力を第1板状部510に伝達しないが、例えば第1及び第2の駆動突起513,514が第1板状部510に対して傾いている場合には、第1乃至第4の柱状突起515〜518によって、第1誘電体板51の移動方向Aに対する傾きが抑制される。
第1及び第2の嵌合孔451,452の直径は、第3乃至第6の嵌合孔453〜456の直径よりも小さい。本実施の形態では、図7に示すように、第1及び第2の嵌合孔451,452の直径が共にDであり、第3及び第4の嵌合孔453,454の直径が共にDであり、第5及び第6の嵌合孔455,456の直径が共にDである。そして、DはD及びDよりも小さく、DとDは等しい(D<D=D)。なお、DをDよりも大きくDよりも小さくしてもよい(D<D<D)。この場合、第1誘電体板51の移動方向Aに対する傾きをより確実に抑制できる。
第1及び第2の嵌合孔451,452の直径Dは、第1及び第2の嵌合孔451,452に嵌合される前の第1及び第2の駆動突起513,514の直径よりも僅かに小さい。また、第3及び第4の嵌合孔453,454の直径Dならびに第5及び第6の嵌合孔455,456の直径Dは、第1乃至第4の柱状突起515〜518の直径よりも僅かに大きい。これにより、第1及び第2の駆動突起513,514は第1及び第2の嵌合孔451,452にそれぞれ密嵌合し、第1乃至第4の柱状突起515〜518は、第3乃至第6の嵌合孔453〜456にそれぞれ遊嵌される。
(第1の実施の形態の効果)
以上、説明した第1の実施の形態によれば、駆動体45に付与された移動力が第1及び第2の駆動突起513,514によって分散して第1板状部510に伝達される。これにより、例えば第1誘電体板51が1つの駆動突起のみを有し、この1つの駆動突起によって駆動体45に付与された移動力を受ける場合に比較して、第1誘電体板51に発生する歪を抑制しながら、第1誘電体板51の移動時における損傷を防ぐことが可能となる。
また、本実施の形態によれば、第1誘電体板51の第1乃至第4の柱状突起515〜518が駆動体45の第3乃至第6の嵌合孔453〜456にそれぞれ遊嵌されているので、基板20と平行な方向への第1誘電体板51の傾きが規制される。これにより、第1誘電体板51の傾きによって伝送線路1を伝搬する信号の位相が変化してしまうことが抑制される。
[第1の実施の形態の変形例]
次に、第1の実施の形態の変形例について図8を参照して説明する。
図8(a)は、第1の実施の形態の変形例に係る第1の誘電体板51を示す斜視図である。図8(b)は、第1の実施の形態の変形例に係る駆動体45の一部を示す平面図である。
図6を参照して説明した第1の実施の形態では、第1及び第2の駆動突起513,514が長辺方向の一端部において短辺方向に並んで設けられた場合について説明したが、本変形例では、第1の誘電体板51の長辺方向の一端部に第1及び第2の柱状突起515,516が立設されると共に、長辺方向の他端部に第3及び第4の柱状突起517,518が立設され、第1及び第2の駆動突起513,514が長辺方向の一端部と他端部との間の位置において短辺方向に並んで設けられている。
第1及び第2の駆動突起513,514は、駆動体45の第1及び第2の嵌合孔451,452にそれぞれ密嵌合し、第1乃至第4の柱状突起515〜518は、第3乃至第6の嵌合孔453〜456にそれぞれ遊嵌される。第1及び第2の嵌合孔451,452は、第3及び第4の嵌合孔453,454と第5及び第6の嵌合孔455,456との間に形成されている。第1乃至第6の嵌合孔451〜456の寸法関係は、第1の実施の形態と同様である。
この変形例によっても、第1の実施の形態と同様の作用及び効果が得られる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図9及び図10を参照して説明する。本実施の形態では、移相部10a〜10fに、それぞれ第1の誘電部材8A及び第2の誘電部材8Bが配置されている。第1の誘電部材8A及び第2の誘電部材8Bの動作及び機能は、概ね第1の実施の形態と同様であるので、以下、第1の実施の形態について説明した構成要素をその符号と共に援用して説明する。
図9(a)は、連結された第1及び第2の誘電部材8A,8Bのうち、第1の誘電部材8Aを示す平面図である。図9(b)は、第1及び第2の誘電部材8A,8Bを示す側面図である。図9(c)は、連結された第1及び第2の誘電部材8A,8Bのうち、第2の誘電部材8Bを示す平面図である。
第1の誘電部材8Aは、基板20と第1グランド板31との間に配置され、第2の誘電部材8Bは、基板20と第2グランド板32との間に配置される。第1の誘電部材8A及び第2の誘電部材8Bは、互いに連結され、移動機構4によって一体に移動する。
第1及び第2の誘電部材8A,8Bは、それぞれが第1乃至第4の誘電体板91〜94と、第1乃至第4の誘電体板91〜94を支持する支持体としての枠体80とを有している。枠体80の誘電率は、第1乃至第4の誘電体板91〜94の誘電率よりも低い。枠体80は、例えばポリアセタール樹脂によって形成されている。第1乃至第4の誘電体板91〜94は、それぞれが三角形状であり、枠体80に装着されている。
第1及び第2の誘電部材8A,8Bは、長方形状であり、その長辺方向(長手方向)に沿って基板20に対して移動する。第1の誘電部材8Aの枠体80には、その長手方向の一端部に、第1の駆動突起81及び第2の駆動突起82が立設されている。第1の駆動突起81及び第2の駆動突起82は、第1の誘電部材8Aの枠体80に形成された挿通孔を挿通し、その一端部が駆動体45に密嵌合し、他端部は第2の誘電部材8Bの枠体80に形成された嵌合孔に嵌合している。
また、第1の誘電部材8Aの枠体80には、その長手方向の他端部に、第1の柱状突起83及び第2の柱状突起84が立設されている。第1の柱状突起83及び第2の柱状突起84は、第1の誘電部材8Aの枠体80に形成された挿通孔を挿通し、その一端部が駆動体45に遊嵌され、他端部は第2の誘電部材8Bの枠体80に形成された嵌合孔に嵌合している。
第1の駆動突起81及び第2の駆動突起82は、第1の誘電部材8Aの短辺方向(短手方向)に並んで設けられている。また、第1の柱状突起83及び第2の柱状突起84は、第1の誘電部材8Aの短辺方向(短手方向)に並んで設けられている。第1の誘電部材8Aと第2の誘電部材8Bとは、第1及び第2の駆動突起81,82ならびに第1及び第2の柱状突起83,84によって連結されている。なお、第1及び第2の駆動突起81,82ならびに第1及び第2の柱状突起83,84を、第1の誘電部材8Aの枠体80と一体に形成してもよい。
図10(a)は、第1の誘電部材8Aと第2の誘電部材8Bとの間に配置される基板20を示す平面図である。図10(b)及び(c)は、基板20と第1の誘電部材8Aとの位置関係を示す平面図であり、(b)は第1の誘電部材8Aが移動方向の一側に最も移動したときの状態を示し、(c)は第1の誘電部材8Aが移動方向の他側に最も移動したときの状態を示している。
基板20の両面には、第1の誘電部材8Aと第2の誘電部材8Bの移動方向に対して直交する方向に延びる第1乃至第3の直線部201〜204を含むミアンダ状の信号導体2が配線パターンとして形成されている。第1の駆動突起81が移動機構4の移動力を受けて移動すると、第1乃至第4の誘電体板91〜94と第1乃至第3の直線部201〜204との対向面積が変化する。そして、この対向面積が変化することによって実効誘電率が変化し、これに伴って電気線路長が変化するため、信号導体を伝搬する信号の位相が変化する。なお、図示は省略しているが、第2の誘電部材8Bの第1乃至第4の誘電体板91〜94と第1乃至第3の直線部201〜204との対向面積も同様に変化する。
(第2の実施の形態の作用及び効果)
本実施の形態によれば、駆動体45に付与された移動力が第1及び第2の駆動突起81,82によって分散して第1及び第2の誘電部材8A,8Bの枠体80に伝達される。これにより、例えば枠体80に1つの駆動突起のみが立設された場合に比較して、枠体80の歪を抑制することができ、枠体80の損傷等を防ぐことも可能となる。
また、本実施の形態によれば、第1及び第2の柱状突起83,84が駆動体45にそれぞれ遊嵌されるので、基板20と平行な方向への第1及び第2の誘電部材8A,8Bの傾きが規制される。これにより、第1及び第2の誘電部材8A,8Bの傾きによって信号の位相が変化してしまうことが抑制される。
なお、第1の誘電部材8Aの長手方向における第1及び第2の駆動突起81,82と第1及び第2の柱状突起83,84との間に、駆動体45に遊嵌される1つ又は複数の柱状突起をさらに設けてもよい。この柱状突起は、枠体80に立設してもよく、例えば第2の誘電体板92に立設してもよい。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]互いに平行に配置された導電板(第1グランド板31及び第2グランド板32)の間に配置され、アンテナ素子(13)を介して伝送される信号の伝送線路(1)を構成する信号導体(2)と、前記導電板(31,32)と前記信号導体(2)との間に配置された誘電体からなる誘電体板(第1誘電体板51/第1乃至第4の誘電体板91〜94)を有する誘電部材(第1誘電体板51/第1の誘電部材8A)と、前記誘電部材(51/8A)を前記導電板(31,32)と平行な所定の方向に移動させる移動機構(4)とを備え、前記誘電部材(51/8A)が前記所定の方向に移動することにより前記信号導体(2)と前記誘電体板(51/91〜94)との対向面積が変化し、前記伝送線路(1)を伝搬する信号の位相が変化する移相器(10)であって、前記移動機構(4)は、駆動体(45)と、前記駆動体(45)に前記所定の方向への移動力を付与するアクチュエータ(41,42,44)とを備え、前記誘電部材(51/8A)は、前記駆動体(45)に嵌合して前記駆動体(45)に付与された前記移動力を受ける複数の駆動突起(513,514/81,82)が立設され、前記複数の駆動突起(513,514/81,82)は、前記誘電部材(51/8A)における前記所定の方向の一部の領域に、前記所定の方向に直交する方向に並んで設けられている、移相器(10)。
[2]前記誘電部材(51/8A)は、前記所定の方向が長辺方向となる長方形状であり、前記複数の駆動突起(513,514/81,82)は、前記誘電部材(51/8A)の前記長辺方向の一端部において短辺方向に並んで設けられ、前記誘電部材(51/8A)の前記長辺方向の他端部に柱状突起(515〜518/83,84)が立設され、前記柱状突起(515〜518/83.84)が前記駆動体(45)に形成された嵌合孔(453〜456)に遊嵌されている、前記[1]に記載の移相器(10)。
[3]前記誘電部材(51)は、前記所定の方向が長辺方向となる長方形状であり、前記誘電部材(51)の前記長辺方向の一端部及び他端部にそれぞれ柱状突起(515〜518)が立設され、これら柱状突起(515〜518)のそれぞれが前記駆動体(45)に形成された嵌合孔(453〜456)に遊嵌され、前記複数の駆動突起(513,514)は、前記誘電部材(51)の前記長辺方向の前記一端部と前記他端部との間の位置において短辺方向に並んで設けられている、前記[1]に記載の移相器(10)。
[4]前記誘電部材(8A)は、前記誘電体板(91〜94)と、前記誘電体板(91〜94)を支持する支持体(枠体80)とを有し、前記枠体(80)の誘電率は、前記誘電体板(91〜94)の誘電率よりも低く、前記枠体(80)に前記複数の駆動突起(81,82)が立設されている、前記[1]乃至[3]の何れか1つに記載の移相器(10)。
[5]前記[1]乃至[4]の何れか1つに記載の移相器(10)を備えた、アンテナ装置(11)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1…伝送線路
10…移相器
11…アンテナ装置
13…アンテナ素子
2…信号導体
31,32…第1及び第2グランド板(導電板)
4…移動機構
41…電動モータ(アクチュエータ)
42…回転直動変換部(アクチュエータ)
44…直動部材(アクチュエータ)
45…駆動体
451〜456…嵌合孔
51…第1の誘電体板(誘電部材)
515〜518…第1乃至第4の柱状突起
8A,8B…第1及び第2の誘電部材
80…枠体(支持体)
81,82…第1及び第2の駆動突起
83,84…第1及び第2の柱状突起
91〜94…第1乃至第4の誘電体板

Claims (5)

  1. 互いに平行に配置された導電板の間に配置され、アンテナ素子を介して伝送される信号の伝送線路を構成する信号導体と、
    前記導電板と前記信号導体との間に配置された誘電体からなる誘電体板を有する誘電部材と、
    前記誘電部材を前記導電板と平行な所定の方向に移動させる移動機構とを備え、
    前記誘電部材が前記所定の方向に移動することにより前記信号導体と前記誘電体板との対向面積が変化し、前記伝送線路を伝搬する信号の位相が変化する移相器であって、
    前記移動機構は、駆動体と、前記駆動体に前記所定の方向への移動力を付与するアクチュエータとを備え、
    前記誘電部材は、前記駆動体に嵌合して前記駆動体に付与された前記移動力を受ける複数の駆動突起が立設され、
    前記複数の駆動突起は、前記誘電部材における前記所定の方向の一部の領域に、前記所定の方向に直交する方向に並んで設けられている、
    移相器。
  2. 前記誘電部材は、前記所定の方向が長辺方向となる長方形状であり、
    前記複数の駆動突起は、前記誘電部材の前記長辺方向の一端部において短辺方向に並んで設けられ、
    前記誘電部材の前記長辺方向の他端部に柱状突起が立設され、
    前記柱状突起が前記駆動体に形成された嵌合孔に遊嵌されている、
    請求項1に記載の移相器。
  3. 前記誘電部材は、前記所定の方向が長辺方向となる長方形状であり、
    前記誘電部材の前記長辺方向の一端部及び他端部にそれぞれ柱状突起が立設され、これら柱状突起のそれぞれが前記駆動体に形成された嵌合孔に遊嵌され、
    前記複数の駆動突起は、前記誘電部材の前記長辺方向の前記一端部と前記他端部との間の位置において短辺方向に並んで設けられている、
    請求項1に記載の移相器。
  4. 前記誘電部材は、前記誘電体板と、前記誘電体板を支持する支持体とを有し、
    前記支持体の誘電率は、前記誘電体板の誘電率よりも低く、
    前記支持体に前記複数の駆動突起が立設されている、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の移相器。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の移相器を備えた、
    アンテナ装置。
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