JP6736312B2 - 便座ヒータ及びその製造方法並びに便座ヒータ用ヒータ線 - Google Patents

便座ヒータ及びその製造方法並びに便座ヒータ用ヒータ線 Download PDF

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Description

本発明は、便座ヒータ及びその製造方法並びに便座ヒータ用ヒータ線に関し、さらに詳しくは、ヒータ線と2枚の金属箔との間に隙間が生じるのを抑制して、便座面への熱伝達と生産性に優れた便座ヒータ及びその製造方法並びに便座ヒータ用ヒータ線に関する。
便座ヒータは、蛇行したヒータ線が2枚のアルミニウム箔の間に挟まれ、その2枚のアルミニウム箔が粘着層で貼り合わされて形成されている。こうした便座ヒータを構成する一方のアルミニウム箔の表面は、便座ケーシングの便座着座面の裏面に粘着層を介して貼り合わされている。便座ヒータを構成するヒータ線は、発熱によって温度変化を生じさせるが、その温度変化によってヒータ線自体が膨張・収縮し、ヒータ線に撓みや局所的な屈曲が起こることがあり、その対応が検討されている。
そうした現象に対し、特許文献1では、線状ヒータと金属箔との間に粘着剤を充填する技術を提案している。この技術によれば、線状ヒータに発生する応力を分散して、温度変化によってヒータ線自体が膨張・収縮した場合であっても、ヒータ線に撓みや局所的な屈曲が起こることを防ぐというものである。
なお、特許文献2,3は、便座ヒータに関する技術分野での関連技術である。特許文献2は、ヒータ線とアルミニウム箔との間での剥離の発生を防ぐことを目的として、発熱材を覆う耐熱性の絶縁材を設け、さらにその外側に熱溶着材を形成したヒータを提案するものである。特許文献3は、ヒータ線をアルミニウム箔に接着する場合に設ける融着層の組成を改良して、融着層を備えたヒータ線が、巻き取り時にボビンに貼り付かないようにしたヒータ線を提案するものである。
特開2008−253749号公報 特開2007−323818号公報 特開2008−258129号公報
上記特許文献1に記載の便座ヒータでは、2枚の金属箔のうち、便座ケーシングの便座着座面の裏面に位置する平らな金属箔と線状ヒータとの間に生じた隙間を、粘着剤で充填している。当該文献では、その粘着剤、その粘着剤の粘性及び粘着剤の充填方法についての記載はないが、隙間に粘着剤を充填する手段であることから、流動性のある粘着剤を微小な隙間に充填することになり、煩雑で工数の多いプロセスを経るものと考えられる。結果として、生産性やコスト面での改善が必要であろうと考えられる。
さらに、その便座ヒータでは、便座ケーシングの便座着座面の裏面に設けるための平らな金属箔と線状ヒータとの間に粘着層がないので、線状ヒータは、その金属箔に直接貼り付けられていない。そのため、特に便座ケーシングの湾曲部に便座ヒータを貼り付ける場合にその金属箔と線状ヒータとの間には隙間やその隙間に基づいた浮き上がりが生じやすく、その結果、便座面への熱伝達性が部分的に低下して、温度の低下や所定温度に達するまでの時間が長くなるおそれがある。
本発明の目的は、ヒータ線で発生した熱を2枚の金属箔に効率的に伝えることができるとともに、生産性やコスト面に優れた便座ヒータ及びその製造方法並びに便座ヒータ用ヒータ線を提供することにある。
(1)本発明に係る便座ヒータは、便座着座面の裏面に設けるための第1金属箔と、該第1金属箔に固定されたヒータ線と、該ヒータ線を覆うように貼り合わされた第2金属箔とがその順で配置された便座ヒータであって、前記ヒータ線の外周は融着層を有し、該融着層が前記第1金属箔に融着して前記ヒータ線が前記第1金属箔に固定されており、前記第2金属箔の表面は粘着層を有し、該粘着層が前記ヒータ線を覆って前記ヒータ線と前記第2金属箔とが貼り合わされている、ことを特徴とする。
この発明によれば、ヒータ線の外周に設けられた融着層が第1金属箔に融着してヒータ線が第1金属箔に固定されており、第2金属箔の表面に設けられた粘着層がヒータ線を覆ってヒータ線と第2金属箔とが貼り合わされているので、ヒータ線と2枚の金属箔との間に隙間が生じるのを抑制することができる。その結果、特に便座ヒータを便座ケーシングの湾曲部に貼り付けた場合のようなヒータ線と第1金属箔との間に隙間や浮き上がりを低減でき、2枚の金属箔それぞれへの熱伝達性が高まり、便座面への熱伝達性に優れた生産性の良い便座ヒータを提供することができる。
本発明に係る便座ヒータにおいて、前記融着層が熱融着性であるように構成できる。この発明によれば、ヒータ線を第1金属箔に熱融着によって固定することができる。その結果、ヒータ線で発生した熱を第1金属箔に効率的に伝えることができる。
本発明に係る便座ヒータにおいて、前記第1金属箔と前記ヒータ線と前記第2金属箔との間が前記融着層で塞ぐように構成できる。この発明によれば、2枚の金属箔で挟まれたヒータ線とそれら金属箔との間が融着層で塞ぐので、従来のような隙間が生じるのを抑制することができ、ヒータ線で発生した熱が2枚の金属箔に効率的に伝わる。その結果、便座面への熱伝達性に優れた便座ヒータを提供することができる。
本発明に係る便座ヒータにおいて、前記融着層の厚さが、前記ヒータ線の直径の3%以上、30%以下の範囲内であることが好ましい。この発明によれば、ヒータ線の直径が大きいほど、2枚の金属箔で挟まれたヒータ線とそれら金属箔との間に生じ得る隙間を塞ぐための融着層の量が大きくなりやすいが、融着層の厚さをヒータ線の直径に対して上記範囲内とすることにより、ヒータ線と金属箔との間に生じ得る隙間を塞ぐのに十分な量の融着剤を融着層に持たせることができる。
(2)本発明に係る便座ヒータの製造方法は、便座着座面の裏面に設けるための第1金属箔と、外周に融着層を有するヒータ線と、表面に粘着層を有する第2金属箔とがその順で配置された便座ヒータの製造方法であって、前記ヒータ線が有する前記融着層を第1金属箔に融着させて前記ヒータ線を前記第1金属箔に固定する工程と、前記第2金属箔が有する前記粘着層が前記ヒータ線を覆って前記ヒータ線に前記第2金属箔を貼り合わせ工程と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、上記2つの工程を少なくとも有するので、ヒータ線と2枚の金属箔との間に隙間が生じるのを抑制することができる。その結果、2枚の金属箔への熱伝達性が高まり、便座面への熱伝達性に優れた便座ヒータを生産性良く製造することができる。
本発明に係る便座ヒータの製造方法において、前記融着を熱融着で行うように構成できる。この発明によれば、ヒータ線を第1金属箔に熱融着によって固定することができるので、極めて簡易な方法によって熱伝達性の良い便座ヒータを製造することができる。
(3)本発明に係る便座ヒータ用ヒータ線は、第1金属箔と、粘着層を有する第2金属箔とに挟まれて便座着座面の裏面に設けられる便座ヒータ用のヒータ線であって、発熱体と、該発熱体を覆う絶縁被覆層と、該絶縁被覆層を覆う融着層とを少なくとも有することを特徴とする。
この発明によれば、ヒータ線が有する融着層を第1金属箔に融着させてヒータ線を第1金属箔に固定することができる。さらに、その融着層は溶融して変形し易いので、粘着層を有する第2金属箔がヒータ線を覆う際に、ヒータ線と2枚の金属箔との間に隙間が生じるのを抑制することができる。その結果、このヒータ線を便座ヒータに用いれば、2枚の金属箔への熱伝達性が高まり、便座面への熱伝達性に優れた便座ヒータを生産性良く製造することができる。
本発明によれば、ヒータ線で発生した熱を2枚の金属箔に効率的に伝えることができ、特に湾曲部で生じ易い熱伝達性の低下を抑制でき、生産性やコスト面に優れた便座ヒータ及びその製造方法並びに便座ヒータ用ヒータ線を提供することができる。
特に、ヒータ線の外周に設けられた融着層が第1金属箔に融着してヒータ線が第1金属箔に固定され、第2金属箔の表面に設けられた粘着層がヒータ線を覆ってヒータ線と第2金属箔とが貼り合わされているので、ヒータ線と2枚の金属箔との間に隙間が生じるのを抑制することができる。その結果、特に便座ヒータを便座ケーシングの湾曲部に貼り付けた場合のようなヒータ線と第1金属箔との間に生じる隙間やその隙間に基づいた浮き上がり等の従来の問題を低減することができ、2枚の金属箔への熱伝達性が高まり、部分的な熱伝達の低下に基づいた温度の低下や所定温度に達するまでの時間が長くなるという問題を解決でき、便座面への熱伝達性に優れた生産性の良い便座ヒータとなる。
本発明に係る便座ヒータの一例を示す模式的な断面構成図である。 本発明に係る便座ヒータ用ヒータ線の例を示す模式的な説明図である。 融着層が隙間部分を塞ぐように流動した形態の模式的な断面図である。 ヒータ線の直径と融着層の厚さと隙間部分の面積との関係を示す断面図である。 本発明に係る便座ヒータの他の一例を示す模式的な断面構成図である。 比較例1の従来の便座ヒータを示す模式的な断面構成図である。 比較例1の従来の便座ヒータ用ヒータ線の模式的な説明図である。 図3に示す形態の断面写真である。
以下、本発明に係る便座ヒータ、その製造方法並びに便座ヒータ用ヒータ線について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。
[便座ヒータ]
本発明に係る便座ヒータ40は、図1に示すように、便座着座32の裏面33に設けるための第1金属箔11と、その第1金属箔11に固定されたヒータ線10と、そのヒータ線10を覆うように貼り合わされた第2金属箔21とがその順で配置された便座ヒータである。そして、ヒータ線10の外周は融着層5を有し、その融着層5が第1金属箔11に融着してヒータ線10が第1金属箔11に固定されており、第2金属箔21の表面は粘着層22を有し、その粘着層22がヒータ線10を覆ってヒータ線10と第2金属箔21とが貼り合わされている。
この便座ヒータ40の構成により、ヒータ線10と2枚の金属箔11,21との間に隙間が生じるのを抑制することができる。その結果、特に便座ヒータ40を便座ケーシング31の湾曲部に貼り付けた場合のようなヒータ線10と第1金属箔11との間に生じる隙間やその隙間に基づいた浮き上がり等の従来の問題を低減することができ、2枚の金属箔11,21への熱伝達性が高まり、便座面32への熱伝達性に優れた生産性の良い便座ヒータ40を提供することができる。
以下、便座ヒータの各構成要素を詳しく説明する。
(ヒータ線)
ヒータ線10は、図1に示すように、2枚の金属箔(第1金属箔11と第2金属箔21)との間に挟まれて固定されており、熱を発生して便座32をその熱で暖めるための発熱素子である。ヒータ線10の構成は、図2(A)(B)に示すように、発熱体2と、発熱体2を覆う絶縁被覆層4と、絶縁被覆層4を覆う融着層5とを少なくとも有している。「少なくとも」とは、本発明の効果を阻害しない範囲でそれ以外の構成が含まれていてもよいことを意味し、例えば、図2(A)に示す芯材1を有していてもよいし、発熱体2と絶縁被覆層4との間に他の層や材料を設けてもよいし、絶縁被覆層4と融着層5との間に他の層や材料を設けてもよい。
芯材1は、必須の構成ではないが、例えば図2(A)に示すように、ヒータ線10の中心に位置し、複数の繊維からなる繊維束で構成されていてもよい。繊維としては、強度があり、発熱体2の加熱によっても熱的影響のない耐熱性の繊維であればよく、例えば、テトロン(登録商標)等のポリエステル繊維や、ケブラ(登録商標)等の全芳香族ポリアミド繊維や、ベクトラン(登録商標)等のポリアリレート繊維、ガラス繊維等を挙げることができる。芯材1の直径としては、例えば0.17mm以上、0.8mm以下のものを例示できる。
発熱体2は、必須の構成であり、例えば、図2(A)に示すように、ヒータ線10が芯材1を有する場合には、その芯材1の外周に線状の発熱体2(2A)をスパイラル状に横巻きして設けてもよいし、芯材1の外周に撚って設けてもよい(図示しない)。また、図2(B)に示すように、ヒータ線10が芯材を有しない場合には、線状の発熱体2(2B)自身を撚って設けてもよい。発熱体2は、電流によって発熱する抵抗線であり、その発熱仕様により所定の抵抗値となる抵抗線及びその本数を任意に選択して用いることができる。例えば、銅線や銅合金線等を挙げることができる。銅合金線としては、CuAg合金、CuSn合金、CuNi合金等を挙げることができる。発熱体2は、直径が0.04mm以上、0.2mm以下の抵抗線を複数本用いて構成されている。
発熱体2を構成する抵抗線には、絶縁皮膜(エナメル皮膜ともいう。)が設けられていてもよい。絶縁皮膜としては、耐熱性を有するポリエステルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等を挙げることができる。絶縁皮膜の厚さは、一般的なJIS規格で1種、2種、3種の程度であり、その中から任意の厚さに選択することができる。
絶縁被覆層4は、発熱体2を覆うように設けられている。例えば、図2(A)(B)に示すように、発熱体2を設けた後に、その外周を覆うように例えば樹脂押出等で形成することができる。絶縁被覆層4の構成材料としては、絶縁性があり、耐熱性のある樹脂材料であればよく、例えば耐熱性が高いフッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等を挙げることができる。フッ素系樹脂としては、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、フッ素化樹脂共重合体(ペルフルオロアルコキシフッ素系樹脂:PFA)、等を挙げることができる。絶縁被覆層4の厚さとしては、0.05mm以上、1.0mm以下の程度であればよい。
融着層5は、絶縁被覆層4を覆い、ヒータ線10の最外周になるように設けられている。この融着層5は、図1、図3及び図4に示すように、第1金属箔11に融着してヒータ線10が第1金属箔11に固定されるように作用する。その結果、ヒータ線10で発生した熱を第1金属箔11に効率的に伝えることができるようになる。
融着層5は、熱によって柔らかくなり、第1金属箔11に対して融着し易く、且つ第1金属箔11とヒータ線10との間の隙間部分8を塞ぐように流動する性質を有するものである。こうした性質を有する融着層5であれば、その構成材料は特に特に限定されない。融着層5の構成材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂、及びそれらの複合樹脂等がから選ばれる融着材料で形成することができる。中でも、ポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂からなる熱融着性の樹脂材料が好ましい。特に、ポリエステル樹脂は、特にアルミニウム箔との接着性がよく、100℃〜180℃程度の加熱によって流動して(図3及び図8参照)、図1に示すように、ヒータ線10と第1の金属箔11との間の隙間部分8を塞ぐように作用し、隙間が生じるのを抑制することができる。
融着層5が、ポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂からなる熱融着性の樹脂材料である場合、第2金属箔21に設けられた粘着層22と、その粘着層22で覆われて貼り合わされる融着層5との粘着力が高いという利点がある。特に、融着層5がポリエステル樹脂で、粘着層22がアクリル系樹脂である場合には、より優れた粘着力を示すので、粘着層22によってヒータ線10がしっかりと貼り合わされている。その結果、熱膨張や収縮が起こった場合でも、ヒータ線10と第2金属箔21との貼り合わせ部分での隙間の発生を抑制でき、ヒータ線10から発生した熱が第2金属箔21に熱伝達性よく伝わることができる。
こうした融着層5の構成材料には、その性質を阻害しない範囲で各種の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、酸化防止剤、難燃剤、可塑剤、安定剤等を挙げることができる。
上記した他の層又は材料は、発熱体2と絶縁被覆層4との間、又は、絶縁被覆層4と融着層5との間に設けられてもよい。他の層又は材料としては、芯材と同様のポリエステル繊維やポリアミド繊維を用いることができる。この繊維からなる繊維材料を横巻糸として巻き付けて設けることができる。
融着層5の厚さは、ヒータ線10の直径の3%以上、30%以下の範囲内であることが好ましい。ヒータ線10の直径が大きいほど、2枚の金属箔11,21で挟まれたヒータ線10とそれら金属箔11,21との間に生じ得る隙間8は大きくなり、図3に示すように、その隙間8を塞ぐための融着層5の量も大きくしなければならない。融着層5の厚さをヒータ線10の直径に対して上記範囲内とすることにより、ヒータ線10と金属箔11,21との間に生じ得る隙間8を低減するのに十分な量の融着剤を融着層5に持たせることができる。
図5は、ヒータ線10の直径Dと融着層5の厚さTと隙間部分8の面積との関係を示す断面図である。この図は、本発明に係る便座ヒータの構造形態を示すものではなく、上記関係を説明するための図である。隙間部分8は、ヒータ線10の直径によってその概略値は計算できる。例えば、後述の実施例1のようにヒータ線10の総外径が0.7mmである場合、隙間部分8の面積は約0.026mmとなる。したがって、融着層5が流動して隙間部分8を埋めるように作用するには、それと同じ量の融着層5が余剰に存在しなければならない。そうすると、融着層5の厚さとして、ヒータ線10の直径の3%以上であればよいことになる。その厚さが3%未満では、隙間部分を十分に埋めることができないことがある。また、その厚さが30%を超えた場合は、隙間部分に基づいた熱伝達性については特に問題ないが、量が十分すぎるとともに融着層5が厚くなりすぎることがある。
この融着層5の作用により、第1金属箔11とヒータ線10と第2金属箔21との間で生じ得る隙間8を低減するように融着層5で塞ぐことができる。その結果、従来のような隙間8を低減することができ、ヒータ線10で発生した熱が2枚の金属箔11,21に効率的に伝わり、便座面への熱伝達性を優れたものとすることができる。
(第1金属箔)
第1金属箔11は、図1に示すように、便座ヒータ40において便座ケーシング31の便座着座面32の裏面33に貼り合わされる側に位置している。第1金属箔11は、ヒータ線10の融着層5が融着固定された状態でもある程度の平坦性を保持しているので、その第1金属箔11の表面に設けられた粘着層12を介して、便座ケーシング31の便座着座面32の裏面33に貼り合わせることができるとともに、ヒータ線10から発生した熱を均等に拡散するように伝えることができる。その結果、便座ヒータ40の一部が局所的に加熱されて高温になることがないので、その便座ヒータ40に広がった熱を便座ケーシング31の便座着座面32の裏面33に均等に伝えることができる。
第1金属箔11の構成材料としては、熱伝達性の良い材料であれば特に限定されないが、アルミニウム箔や銅箔を好ましく挙げることができる。中でもアルミニウム箔が好ましく用いられる。
第1金属箔11の厚さは、40μm以上、60μm以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内の厚さの第1金属箔11は、上記した作用を発揮することができる。その厚さが40μm未満では、熱を均等に拡散することができないおそれがある。その厚さが60μmを超えると、便座に貼り付ける際の加工性の悪化や熱容量の増大による温度上昇時間の遅延のおそれがある。
第1金属箔11において、図1に示すように、ヒータ線10が貼り合わされる側の反対面には粘着層12が設けられている。この粘着層12は、ヒータ線10が固定された第1金属箔11を、便座ケーシング31の便座着座面32の裏面33に貼り合わせるように作用する。粘着層12の構成材料としては、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、シリコン系樹脂等を挙げることができる。これらのうち、アクリル系樹脂が好ましい。粘着層12の厚さは特に限定されないが、30μm以上、50μm以下の範囲内であることが好ましい。
(第2金属箔)
第2金属箔11は、図1に示すように、便座ヒータ40において、便座ケーシング31の便座着座面32の裏面33に貼り合わされない側に位置している。そして、この第2金属箔21は、ヒータ線10が融着された第1金属箔11に対してそのヒータ線10を半円状に覆うように貼り合わされる。こうした第2金属箔21は、粘着層22を介してヒータ線10の外周面を半円状に覆うので、ヒータ線10と第1金属箔11との間に隙間が生じるのを抑制するように貼り合わせることができる。こうした貼り合わせは、ヒータ線10で発生した熱が便座ケーシングの反対側に伝わる場合において、その熱を均等に拡散するように伝えることができる。その結果、第2金属箔21の一部が局所的に加熱されて高温になることがなく、その第2金属箔21に広がった熱を第1金属箔11に均等に伝えることができる。
第2金属箔21の構成材料は、第1金属箔11と同じであるので、ここではその説明を省略する。
第2金属箔21の厚さも上記第1金属箔11と同様、40μm以上、60μm以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内の厚さにすることにより、上記した第2金属箔21の作用効果を発揮することができる。厚さが40μm未満では、第2金属箔21に伝わる熱が第2金属箔21で均等に拡散することができず、局所的に高温になってしまうおそれがある。その厚さが60μmを超えると、厚すぎてヒータ線10を半円状に覆ってヒータ線10に密着せずに隙間が生じてしまうおそれがあり、第2金属箔21に伝わる熱が第2金属箔21に均等に拡散することができず、局所的に高温になってしまうおそれがある。
第2金属箔21において、図1に示すように、ヒータ線10に貼り合わせる側には粘着層22が設けられている。この粘着層22は、第2金属箔21とヒータ線10との間の隙間を抑制した状態で貼り合わせるように作用する。粘着層22の構成材料としては、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、シリコン系樹脂等を挙げることができる。これらのうち、アクリル系樹脂が好ましい。粘着層22の厚さは特に限定されないが、30μm以上、50μm以下の範囲内であることが好ましい。
粘着層22がアクリル系樹脂である場合には、融着層5がポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂からなる熱融着性の樹脂材料である場合が好ましく、特にポリエステル樹脂である場合には、より優れた粘着力を示すので、粘着層22によってヒータ線10がしっかりと貼り合わされ、第2金属箔21に設けられた粘着層22と、その粘着層22で覆われて貼り合わされる融着層5との粘着力が高いという利点がある。
(ヒータ線と金属箔との接合状態)
ヒータ線10と第1金属箔11との接合は、第1金属箔11の箔面上にヒータ線10を押し当てた状態で、第1金属箔11の粘着層12の側(ヒータ線と逆側)から加熱板で加圧して行うことが好ましい。こうした加熱板での加圧によって、第1金属箔11に接した融着層5のみが加熱されて溶融し、同時にその加圧によって、図3及び図8に示すように、溶融した融着層5が横に押し出されて流動する。この流動した融着層5が、隙間部分8の発生を抑制するように作用する。
ヒータ線10と第1金属箔11との接合後において、融着層5と第1金属箔11とが接触して固まっている接合長さL(図3参照)は、ヒータ線10の直径Dと同じ又はそれ以上であることが望ましく、第1金属箔11とヒータ線10との間の接合が確保されると共に、接触面積が大きくなって熱伝達が良くなるという格別の効果を生じさせることができる。
このとき、図3及び図8に示すように、ヒータ線10に設けられた融着層5のうち、第1金属箔11の箔面に近接する融着層5が主に溶融して横に押し出されて流動する。その結果、第1金属箔11とヒータ線10の発熱体2とが近づき、熱伝達性がさらに良くなるという利点も併せ持つことになる。
また、流動した融着層5は、図4に示すように、ヒータ線10を構成する絶縁被覆層4と第1金属箔11との間に残っていることがより好ましく、ヒータ線10と第1金属箔11との接合を十分に行うことができる。なお、流動した融着層5が、ヒータ線10を構成する絶縁被覆層4と第1金属箔11との間に残っていない場合(図1参照)であっても、ヒータ線10と第1金属箔11との接合はある程度十分であるが、絶縁被覆層4が例えばフッ素系樹脂であるときには、融着層5が極端に薄かったり残っていなかったりするとヒータ線10の接合力が低下することがある。
第1金属箔11の箔面に近接する部分以外の融着層5、特にヒータ線断面の上半分側は、図8に示すように、あまり変形しない。その結果、ヒータ線10の上半分の表面(第1金属箔11が接触した逆側のヒータ線10の表面)ではあまり変形しないので、その表面は平滑であり、第2金属箔21に設けられた粘着層22と貼り合わせ易く、好ましく粘着させることができる。
こうして構成された便座ヒータ40は、ヒータ40の最外周に設けられた融着層5が第1金属箔11の表面に融着固定されている。(ア)この第1金属箔11への融着固定は、近年の着座面が熱効率向上のために非常に薄くなっている場合の熱膨張による変形が生じた場合であっても、ヒータ線10が第1金属箔11にしっかり固定されているので、ヒータ線10の温度上昇があっても、変形に基づいた剥がれや隙間の発生を抑制でき、熱伝達性を安定化させることができるという利点がある。(イ)また、ヒータ線10を第1金属箔11に融着固定する際に、融着層5は、図5に示すような隙間部分8が生じる位置に流動して固化する。その結果、その後にヒータ線10を覆うように第2金属箔21を貼り合わせた場合に、従来のような隙間部分8の発生を抑制することができ、ヒータ線10を覆うことができる。こうしたことは、隙間部分8の存在に基づいた熱伝達性の低下や局部的な熱伝達の不均一をなくすことができる。(ウ)また、第2金属箔21がヒータ線10の上面や側面を半円状に覆うことができるので、ヒータ線10の温度上昇があっても、変形に基づいた剥がれや隙間の発生を抑制でき、熱伝達性を安定化させることができる。こうしたことは、第2金属箔21に伝達するヒータ線10の熱を、第1金属箔11に効果的に伝達することができるので、ヒータ線10から第1金属箔11に直接伝達する熱と併せて、熱伝達効率を向上させることができる。
便座ヒータ40は、粘着層12を介して便座ケーシング31の便座着座面32の裏面33に貼り合わされる。便座ケーシング31としては、通常は、金属板や樹脂板を挙げることができる。金属板としては、アルミニウム板、銅板、ステンレス板、アルミニウムめっき鋼板、亜鉛アルミニウムめっき鋼板等を挙げることができる。樹脂板としては、PP樹脂、ABS樹脂、FRP樹脂等を挙げることができる。金属板や樹脂板には、通常、化粧層が設けられ、外観装飾されている。なお、アルミニウム板には、必要に応じて陽極酸化皮膜が設けられていてもよい。
[便座ヒータの製造方法]
本発明に係る便座ヒータ40の製造方法は、便座ケーシング31の便座着座面32の裏面33に設けるための第1金属箔11と、外周に融着層5を有するヒータ線10と、表面に粘着層22を有する第2金属箔21とがその順で配置された便座ヒータ40の製造方法である。そして、ヒータ線10が有する融着層5を第1金属箔11に融着させてヒータ線10を第1金属箔11に固定する工程と、粘着層22を有する第2金属箔21がヒータ線10を覆ってヒータ線10に第2金属箔21を貼り合わせ工程とを有する。
この製造方法は、上記2つの工程を少なくとも有するので、ヒータ線10と2枚の金属箔11,21との間の隙間の発生を抑制することができ、従来のような隙間による問題を低減することができる。その結果、2枚の金属箔11,21への熱伝達性が高まり、便座面への熱伝達性に優れた便座ヒータを生産性良く製造することができる。
各構成要素は、上記下した便座ヒータ40の説明欄で説明したとおりであるので、重複する部分の説明は省略する。
融着層5を第1金属箔11に融着固定する手段としては、熱融着性材料からなる融着層5においては、例えば熱プレスで圧着しながら融着させる熱融着手段で容易に融着固定することができる。ヒータ線10を第1金属箔11に熱融着によって固定する手段は、極めて簡易な方法であり、熱伝達性の良い便座ヒータを低コストで製造することができる。本発明では、ヒータ線10と第1金属箔11との接合は、第1金属箔11の箔面上にヒータ線10を押し当てた状態で、第1金属箔11の粘着層12の側(ヒータ線と逆側)から加熱板で加圧して行うことが好ましい。こうした加熱板での加圧によって、第1金属箔11に接した融着層5のみが加熱されて溶融し、同時にその加圧によって、溶融した融着層5が横に押し出されて流動する。
なお、必ずしもこうした融着手段でなくてもよく、他の手段であってもよい。例えば、特定の溶剤等で融着又は溶着する材料を用いる手段であってもよいし、レーザーで融着する材料を用いる手段であってもよいし、発熱体自身を通電発熱させて融着する材料を用いる手段であってもよい。
[便座ヒータ用ヒータ線]
本発明に係る便座ヒータ用ヒータ線10は、第1金属箔11と、粘着層5を有する第2金属箔21とに挟まれて便座ケーシング31の便座着座面32の裏面33に設けられる便座ヒータ用のヒータ線である。このヒータ線10は、発熱体2と、その発熱体2を覆う絶縁被覆層4と、絶縁被覆層4を覆う融着層5とを少なくとも有する。
このヒータ線10は、融着層5を第1金属箔11に融着させてヒータ線10を第1金属箔11に固定することができる。さらに、その融着層5は溶融して変形し易いので、粘着層5を有する第2金属箔21がヒータ線10を覆う際に、ヒータ線10と2枚の金属箔11,21との間に隙間が生じるのを抑制することができる。その結果、このヒータ線10を便座ヒータ40に用いれば、2枚の金属箔11,21への熱伝達性が高まり、便座面への熱伝達性に優れた便座ヒータ40を生産性良く製造することができる。
各構成要素は、上記下した便座ヒータ40の説明欄で説明したとおりであるので、重複する部分の説明は省略する。
以上説明したように、本発明によれば、ヒータ線10で発生した熱を2枚の金属箔11,21に効率的に伝えることができるとともに、生産性やコスト面に優れた便座ヒータ40及びその製造方法並びに便座ヒータ用ヒータ線10を提供することができる。特に、ヒータ線10の外周に設けられた融着層5が第1金属箔11に融着してヒータ線10が第1金属箔11に固定され、第2金属箔21の表面に設けられた粘着層22がヒータ線10を覆ってヒータ線10と第2金属箔21とが貼り合わされているので、ヒータ線10と2枚の金属箔11,21との間に隙間が生じるのを抑制することができる。その結果、特に便座ヒータ40を便座ケーシング31の湾曲部に貼り付けた場合のようなヒータ線10と第1金属箔11との間に隙間8やその隙間8に基づいた浮き上がりを抑制でき、2枚の金属箔11,12への熱伝達性が高まり、部分的な熱伝達の低下に基づいた温度の低下や所定温度に達するまでの時間が長くなるという問題を解決でき、便座面への熱伝達性に優れた生産性の良い便座ヒータとなる。
近年、便座の着座面は、熱効率向上のために非常に薄くなっており、熱膨張によって変形しやすくなっている。そのため、ヒータ線10が第1金属箔11に融着固定されていることは、そうした変形が生じた場合であっても、ヒータ線10が第1金属箔11にしっかり固定されている。その結果、固定されていない従来の便座ヒータに比べて、ヒータ線10の温度上昇があっても、変形に基づいた剥がれや隙間を低減できるので、便座面への熱伝達性に優れたものとすることができる。特に便座ケーシングの湾曲部では、従来は隙間が生じやすく、便座面への熱伝達性が部分的に低下するおそれがあったが、本発明ではこうした問題も解消できた。
以下、実施例により本発明をさらに詳しくて説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
[実施例1]
芯材1として、ポリアリレート繊維を束ねて外径約0.17mmにしたものを用いた。この芯材1上に、外径0.08mmの抵抗線4本を発熱体2として、図2(A)に示すスパイラル状に横巻きした。このときの抵抗線は、約2Ω/mのものを用いた。次に、溶融押出しによって、フッ素系樹脂であるETFEからなる厚さ0.050mmの絶縁被覆層4を形成し、外径を0.5mmとした。最後に、溶融押出しによって、熱融着性のポリエステル系樹脂からなる厚さ0.1mmの融着層5を形成し、総外径を0.7mmにした。こうしてヒータ線10を作製した。融着層厚さ/総外径は百分率で14%である。
次に、粘着層及び離型紙付きのアルミニウム箔を準備し、それぞれを第1金属箔11及び第2金属箔21とした。いずれのアルミニウム箔も厚さ0.05mmであり、粘着層12,22はアクリル系粘着樹脂からなり、その厚さは0.03mmであった。
次に、ヒータ線10を第1金属箔11のアルミニウム箔側に融着した。融着は、熱プレスで圧着し、その条件は、温度200℃〜220℃、プレス時間2〜5秒程度とし、プレス量はスペーサにより設定し、融着層5の厚さと同じ0.1mm程度とした。このときの断面模式図を図3に示し、実際の断面写真を図8に示した。融着層5が第1金属箔11上に流動して固まっているのがわかる。次に、離型紙を剥がして粘着層22を露出させた第2金属箔21を、その粘着層22がヒータ線10側になるようにして貼り合わせた。このときの貼り合わせは、第2金属箔21がヒータ線10を覆うようにプレス手段で行った。こうして実施例1の便座ヒータ40を作製した。この便座ヒータ40の断面形態を観察したところ、図1の模式断面図に示すように、隙間部分8が無いか極めて小さくできた。
[比較例1]
実施例1のヒータ線10において、最外周に融着層5を設けなかった。それ以外は実施例1と同様にして図7に示す外径0.5mmのヒータ線10’を作製した。
次に、実施例1と同様、粘着層及び離型紙付きのアルミニウム箔を準備し、それぞれを第1金属箔11及び第2金属箔21とした。ヒータ線10’には融着層が設けられていないので、実施例1のような融着はできない。そのため、ヒータ線10’を、第2金属箔21の粘着層22側と第1金属箔11のアルミニウム側との間に挟んで貼り合わせ、第1金属箔11の表面に接着させた。このときの貼り合わせは、第2金属箔21がヒータ線10を覆うようにプレス手段で行った。こうして比較例1の便座ヒータ40’を作製した。この便座ヒータ40’の断面形態を観察したところ、図6の模式断面図に示すように、隙間部分8が存在していた。
[便座の温度測定]
実施例1及び比較例1で得られた便座ヒータそれぞれについて、離型紙を剥がして露出した粘着層12をPP樹脂からなる便座ケーシング31の便座着座面32の裏面33に貼り合わせた。電圧2.33V、電力4.06Wで便座ヒータに入力したところ、特に裏面33の湾曲部において、実施例1の便座ヒータは、比較例1の便座ヒータに比べて、30秒で0.7℃の差が生じているのが確認できた。この差は、比較例1の便座ヒータが備える隙間部分が影響して、第1金属箔11からヒータ線10’が浮き上がってしまったためであり、隙間部分が抑制された実施例1の便座ヒータは良好な熱伝達が実現できている。なお、30℃までに到達する時間差で比べれば、実施例1では29秒であり、比較例1では37秒であった。
[接合状態]
実施例1の例では、ヒータ線10と第1金属箔11との接合状態は、第1金属箔11に接した融着層5のみが横に押し出されるように流動し、第1金属箔11に接合していた。このときの接合長さLは、図8の写真からもわかるように、ヒータ線10の直径D以上の0.8mmであった。また、第1金属箔11とヒータ線10の発熱体2との距離も近づいていた。また、融着層5は、図4の模式断面図に示すように、絶縁被覆層4と第1金属箔11との間にも残っていた。また、ヒータ線断面の上半分側は、図8に示すように、あまり変形していなかった。
1 芯材
2,2A,2B 発熱体
4 絶縁被覆層
5 融着層
8 隙間部分(隙間)
9 塞がれた部分
10,10A,10B ヒータ線
11 第1金属箔
12 粘着層
21 第2金属箔
22 粘着層
31 便座ケーシング
32 便座(便座着座面)
33 便座着座面の裏面
40 便座ヒータ
L 接合長さ
D ヒータ線の直径
T 融着層の厚さ

Claims (6)

  1. 便座着座面の裏面に設けるための第1金属箔と、該第1金属箔に固定されたヒータ線と、該ヒータ線を覆うように貼り合わされた第2金属箔とがその順で配置された便座ヒータであって、
    前記ヒータ線の外周は融着層を有し、該融着層が前記第1金属箔に前記ヒータ線の直径又はそれ以上の幅で融着して前記ヒータ線が前記第1金属箔に固定されており、前記融着層は前記第1金属箔と前記ヒータ線と前記第2金属箔との間を塞ぐと共に前記ヒータ線の外周を覆っており、前記第2金属箔の表面は粘着層を有し、該粘着層が前記ヒータ線の前記融着層を覆って前記ヒータ線と前記第2金属箔とが貼り合わされている、ことを特徴とする便座ヒータ。
  2. 前記融着層が熱融着性である、請求項1に記載の便座ヒータ。
  3. 前記融着層の厚さが、前記ヒータ線の直径の3%以上、30%以下の範囲内である、請求項1又は2に記載の便座ヒータ。
  4. 前記融着層がポリエステル系樹脂であり、前記粘着層がアクリル系樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の便座ヒータ。
  5. 便座着座面の裏面に設けるための第1金属箔と、外周に融着層を有するヒータ線と、表面に粘着層を有する第2金属箔とがその順で配置された便座ヒータの製造方法であって、
    前記ヒータ線が有する前記融着層を第1金属箔に前記ヒータ線の直径又はそれ以上の幅で融着させて前記ヒータ線を前記第1金属箔に固定する工程と、前記第2金属箔が有する前記粘着層が前記ヒータ線を覆って前記ヒータ線に前記第2金属箔を貼り合わせ工程と、を有し、前記融着層は前記第1金属箔と前記ヒータ線と前記第2金属箔との間を塞ぐと共に前記ヒータ線の外周を覆っており、前記粘着層が前記ヒータ線の前記融着層を覆っている、ことを特徴とする便座ヒータの製造方法。
  6. 前記融着を熱融着で行う、請求項5に記載の便座ヒータの製造方法。
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