以下に、本願に係る決定装置、決定方法、及び決定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る決定装置、決定方法、及び決定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(実施形態)
〔1.決定処理〕
まず、実施形態に係る決定処理について説明する。図1は、実施形態に係る決定処理の一例を示す図である。図1では、広告配信装置100は、ユーザが入力した検索クエリ(キーワード)に応じて、検索結果とともに広告を表示する際に表示される広告の数を決定する場合を例に説明する。すなわち、図1は、検索連動型広告における配信数を決定する場合を示す。
なお、以下に説明する決定処理は、検索連動型広告に限らずコンテンツ連動型広告を含めたリスティング広告等、どのような広告の配信態様においても適用可能である。すなわち、以下に説明する決定処理は、広告配信において表示される広告の数を変動可能、すなわち1以上の任意の数に決定可能な場合であれば、どのような広告の配信態様においても適用可能である。例えば、以下に説明する決定処理は、所定の評価値に基づいて複数の広告を並べて表示する広告の配信態様においても適用可能である。また、以下においては、広告を表示する媒体がウェブページである場合を説明するが、媒体は、ウェブページ以外の媒体であってもよい。例えば、媒体は、所定のアプリケーション(図1では、検索アプリケーション)によって表示される媒体などであってもよい。
図1に示すように、実施形態に係る配信システム1には、端末装置10と、検索装置50と、広告配信装置100とが含まれる。端末装置10と、検索装置50と、広告配信装置100とは、所定のネットワークを介して通信可能に接続される。なお、図1に示した配信システム1には、複数の端末装置10、複数の検索装置50、複数の広告配信装置100が含まれてもよい。
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。なお、以下では、端末装置10をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザを端末装置10と読み替えることもできる。なお、図1では、端末装置10は、ユーザID「U1」により識別されるユーザ(以下、「ユーザU1」とする場合がある)が利用するノート型PCである場合を示す。
検索装置50は、ユーザが端末装置10に入力した検索クエリに対する検索結果を表示する検索サービスを提供する情報処理装置である。図1に示す例において、検索装置50は、端末装置10から取得した検索クエリに基づいて、端末装置10において表示されるウェブページに表示する検索結果を配信する。
広告配信装置100は、広告の数に応じて算出される期待収益値に応じて、表示される広告の数を決定する決定装置である。例えば、広告配信装置100は、各広告のCPC(Cost Per Click:クリック単価)と、その広告が表示される位置のCTR(Click Through Rate:クリック率)とに基づいて算出される期待収益値に応じて、表示される広告の数を決定する決定装置である。なお、期待収益値の算出の詳細については、後述する。
以下、図1を用いて、決定処理の一例を説明する。図1に示す例においては、ユーザがユーザU1である場合を示す。具体的には、図1は、広告配信装置100が配信する広告の数を第1の数(以下、「第1配信数」とする場合がある)である9本と、第1配信数よりも少ない第2の数(以下、「第2配信数」とする場合がある)とのいずれにするかを決定する場合を示す。以下では、ユーザU1が利用する端末装置10を、検索クエリ入力時に対応する端末装置10−1と検索クエリによる検索実行時に対応する端末装置10−2として説明する。なお、端末装置10−1、10−2は同一の端末装置10である。また、以下では、端末装置10−1、10−2について、特に区別することなく説明する場合には、端末装置10と記載する。
まず、ユーザU1は、端末装置10−1に表示されたウェブページである検索入力ページW10中の検索ボックスSB10に「保険」と入力し、検索を実行する(ステップS10)。図1では、検索入力ページW10中の検索ボックスSB10に「保険」と入力した後、カーソルCS10によりボタンBT10をクリックすることにより、検索を実行する。
端末装置10−2は、検索クエリ「保険」による検索実行ページW11が表示された端末装置10を示す。図1中の検索実行ページW11には、検索クエリ「保険」に対応する検索結果が表示される検索結果表示領域SR11と、キーワード「保険」に対応する広告が表示される広告表示領域AR10(以下、「広告枠AR10」とする場合がある)とが含まれる。また、広告枠AR10には、検索結果表示領域SR11の上側のエリアAに位置する広告表示領域AR11(以下、「上広告枠AR11」とする場合がある)と、検索結果表示領域SR11の右側のエリアBに位置する広告表示領域AR12(以下、「右広告枠AR12」とする場合がある)とが含まれる。なお、ユーザU1は、例えば端末装置10に表示されたスクロールバー(図示せず)を操作することにより、検索実行ページW11の下部、すなわち検索結果表示領域SR11の非表示部分を表示させることができる。
ここで、図1では、上広告枠AR11及び右広告枠AR12は、上下方向に複数の広告を並べて表示可能である。以下では、上広告枠AR11において最上部の広告表示位置から順に「A1位の位置」、「A2位の位置」、「A3位の位置」、及び「A4位の位置」とする。なお、図1においては1つの上広告枠AR11内に図示するが、A1位の位置、A2位の位置、A3位の位置、及びA4位の位置の各々を広告枠としてもよい。また、上広告枠AR11におけるA1位〜A4位の位置は、順位が高いほどCTRが高いものとする。また、右広告枠AR12において最上部の広告表示位置から順に「B1位の位置」、「B2位の位置」、「B3位の位置」、「B4位の位置」、及び「B5位の位置」とする。なお、図1においては1つの右広告枠AR12内に図示するが、B1位の位置、B2位の位置、B3位の位置、B4位の位置、及びB5位の位置の各々を広告枠としてもよい。すなわち、本実施形態における広告枠内の位置の各々を広告枠としてもよい。例えば、本実施形態における各位置は広告枠と読み替えることができる。また、右広告枠AR12におけるB1位〜B5位の位置は、順位が高いほどCTRが高いものとする。
また、図1における上広告枠AR11の各位置は右広告枠AR12の各位置よりもCTRが高く、上広告枠AR11の各位置の方が、右広告枠AR12の各位置よりも広告を表示する位置としての順位が高いものとする。すなわち、広告枠AR10全体としては、上広告枠AR11におけるA1位〜A4位の位置が順位1位〜4位であり、右広告枠AR12におけるB1位〜B5位の位置が順位5位〜9位であるものとする。なお、図1中の端末装置10−2に示す検索結果表示領域SR11、上広告枠AR11、及び右広告枠AR12は、その位置関係を示すものであり、検索結果表示領域SR11、上広告枠AR11、及び右広告枠AR12の大きさは表示する情報に応じて可変であってもよい。
検索装置50は、端末装置10から検索クエリ「保険」を取得する(ステップS11)。その後、検索装置50は、端末装置10に検索クエリ「保険」の検索結果を配信する(ステップS12)。また、検索クエリ「保険」の検索結果を受信した端末装置10−2は、検索結果表示領域SR11に検索クエリ「保険」の検索結果を表示する。
また、広告配信装置100は、端末装置10からキーワード「保険」を取得する(ステップS13)。また、広告配信装置100は、端末装置10から広告要求を取得する。例えば、広告配信装置100は、端末装置10からキーワード「保険」とともに広告要求を取得する。例えば、広告配信装置100は、端末装置10からキーワード「保険」を広告要求として取得する。図1では、広告配信装置100は、広告要求として、上広告枠AR11に表示する4本の広告と、右広告枠AR12に表示する5本の広告との合計9本の広告を要求された場合を示す。すなわち、図1の例では、広告配信装置100は、1回の広告要求に対して、複数の広告を配信する。
なお、図1に示すステップS10〜S19は処理を説明するための符号であり、ステップS10〜S19の順序で処理されることを示すものではない。例えば、ステップS11とステップS13とは同時に行われてもよいし、ステップS13がステップS11よりも先に行われてもよい。また、広告配信装置100は、検索装置50からキーワード「保険」を取得してもよい。
キーワード「保険」を取得した広告配信装置100は、キーワード「保険」に対応する広告を抽出する(ステップS14)。例えば、広告配信装置100は、広告情報記憶部121からキーワード「保険」に対応する広告を抽出する。具体的には、広告配信装置100は、広告情報記憶部121からキーワード「保険」に対応づけられた広告AD1等を抽出する。
図1中の広告リストAL10は、ステップS14において抽出された広告を示す。広告リストAL10には、広告AD1〜AD9等が含まれる。また、広告リストAL10中の各広告は、広告の評価値に基づいて順位付けされる。例えば、広告リストAL10中の各広告は、eCPM(effective Cost Per Mille)を広告の評価値として、広告の評価値の高い方から順に順位が付される。なお、広告の評価値は、eCPMの他にも、例えば、入札価格、CTR、CPC、CVR(Conversion Rate)などであってもよい。また、広告リストAL10中の各広告のCPCは、所定の算出方法により算出される。広告リストAL10中の各広告のCPCは、その広告の次順位の広告の入札価格に基づいて算出されてもよい。また、広告リストAL10中の各広告のCPCは、その広告のCTRと次順位の広告のeCPMに基づいて算出されてもよい。なお、図1の例では、説明を簡単にするために、各広告の順位が、CPCが大きいほど高くなっている場合を示す。
次に、広告配信装置100は、配信数を決定する処理を行う。具体的には、広告配信装置100は、抽出した広告と、要求された広告の数とに基づいて配信数を決定する処理を行う。まず、広告配信装置100は、第1の配信数である9本の広告を配信する場合の期待収益値(以下、「第1期待収益値」とする場合がある)を算出する。具体的には、広告配信装置100は、上広告枠AR11に表示する4本の広告と、右広告枠AR12に表示する5本の広告との合計9本の広告を配信する場合の第1期待収益値を算出する。
ここで、上広告枠AR11に表示する4本の広告と、右広告枠AR12に表示する5本の広告との合計9本の広告を配信した場合、端末装置10における表示は、配置情報LA11に示すような表示になる。例えば、配置情報LA11に示すように、上広告枠AR11に表示する4本の広告を配信する場合、上広告枠AR11におけるA1位の位置、A2位の位置、A3位の位置、及びA4位の位置の各々に広告が表示される。また、配置情報LA11に示すように、右広告枠AR12に表示する5本の広告を配信する場合、右広告枠AR12におけるB1位の位置、B2位の位置、B3位の位置、B4位の位置、及びB5位の位置の各々に広告が表示される。
図1では、広告配信装置100は、表示リストPL11に示すように、広告枠AR10における順位1位〜9位の位置の各々に広告リストAL10に含まれる広告を割り当てる。具体的には、広告配信装置100は、広告リストAL10に含まれる広告のうち、順位が高い方から順に、広告枠AR10における順位1位〜9位の位置の各々に割り当てる。例えば、広告枠AR10における順位1位である上広告枠AR11中のA1位の位置には、広告リストAL10中の順位が1位である広告AD1が割り当てられる。また、例えば、広告枠AR10における順位2位である上広告枠AR11中のA2位の位置には、広告リストAL10中の順位が2位である広告AD2が割り当てられる。また、例えば、広告枠AR10における順位5位である右広告枠AR12中のB1位の位置には、広告リストAL10中の順位が5位である広告AD5が割り当てられる。
ここで、表示リストPL11に示すCTRは各位置に表示された広告のCTRを示す。なお、以下では、各位置に表示された広告のCTRを「位置のCTR」と記載する場合がある。例えば、上広告枠AR11におけるA1位の位置に表示された広告のCTRをA1位の位置のCTRとする場合がある。
図1では、広告配信装置100は、配置情報LA11に基づいて、表示リストPL11に示すCTRに関する情報を取得する。具体的には、広告配信装置100は、配置情報LA11に基づいて、上広告枠AR11に4本の広告が表示され、右広告枠AR12に5本の広告が表示された場合のCTRに関する情報を取得する。例えば、広告配信装置100は、表示リストPL11に示すCTRを広告枠情報記憶部122(図4参照)から取得してもよい。また、例えば、広告配信装置100は、表示リストPL11に示すCTRを外部の情報処理装置から取得してもよい。
図1中の表示リストPL11は、広告枠AR10における順位1位である上広告枠AR11中のA1位の位置のCTRは20(%)であることを示す。また、図1中の表示リストPL11は、広告枠AR10における順位3位である上広告枠AR11中のA3位の位置のCTRは5(%)であることを示す。また、図1中の表示リストPL11は、広告枠AR10における順位5位である右広告枠AR12中のB1位の位置のCTRは3(%)であることを示す。また、図1中の表示リストPL11に示す「その他」は、例えば検索結果表示領域SR11に表示された検索結果がクリックされたり、何もクリックされずにページが閉じられたりする等、広告のクリック以外が行われる確率を示す。なお、以下では、広告のクリック以外が行われる確率を「その他のCTR」と記載する場合がある。すなわち、図1中の表示リストPL11に示す「その他」は、配置情報LA11に示す広告枠AR10に表示された広告がクリックされる以外の操作が行われる確率を示す。なお、図1中の表示リストPL11では、A1位〜A4位の位置、B1位〜B5位の位置、及びその他のCTRの合計は100(%)になる。
広告配信装置100は、広告枠AR10における各位置のCTRとその位置に割り当てられた広告を示す表示リストPL11に基づいて、期待収益値を算出する(ステップS15)。具体的には、広告配信装置100は、上広告枠AR11に4本の広告が表示され、右広告枠AR12に5本の広告が表示された場合の第1期待収益値を算出する。例えば、広告配信装置100は、下記の式(1)を用いて期待収益値を算出する。下記の式(1)に示すように、広告配信装置100は、各位置のCTRとその位置に割り当てられた広告のCPCを用いて、eCPMに類似の評価値から期待収益値を算出する。このように、広告配信装置100は、各位置のCTRを各広告が表示される広告枠に関する評価値とし、広告のCPCを広告の評価値として期待収益値を算出する。
期待収益値(円)=Σ(位置のCTR×位置の広告のCPC×1000) …(1)
上記の式(1)において、「位置のCTR」は、広告が割当てられた各位置のCTRに対応する。例えば、上広告枠AR11中のA4位の位置のCTRは0.05となる。また、「位置の広告のCPC」は、各位置に割当てられた広告のCPCを示す。例えば、上広告枠AR11中のA4位の位置に割当てられた広告AD4のCPCは、18(円)となる。また、「Σ(位置のCTR×位置の広告のCPC×1000)」は、広告が割り当てられた各位置のCTRとその位置に割当てられた広告のCPCとの乗算値の合算を示す。例えば、表示リストPL11では、A1位〜A4位の位置、及びB1位〜B5位の位置の9つの位置のCTRとその位置に割当てられた広告のCPCとの乗算値の合算を示す。
広告配信装置100は、上記の式(1)に各位置のCTR及び各位置に割当てられた広告のCPCを代入した下記の式(2)により第1期待収益値を算出する。
第1期待収益値=0.2×100×1000+0.1×80×1000… …(2)
広告配信装置100は、上記の式(2)により、下記の式(3)のように第1期待収益値を算出する。
第1期待収益値=30880(円) …(3)
すなわち、広告配信装置100は、上広告枠AR11に4本の広告が表示され、右広告枠AR12に5本の広告が表示された場合の第1期待収益値は、収益表ER11や上記の式(3)に示すように、30880(円)であると算出する。このように、広告配信装置100は、第1配信数である9本の広告を配信した場合、第1期待収益値は、30800(円)であると算出する。
そして、広告配信装置100は、第1配信数よりも少ない第2配信数である7本の広告を配信した場合における期待収益値(以下、「第2期待収益値」とする場合がある)を算出する。図1では、広告配信装置100は、上広告枠AR11に表示する2本の広告と、右広告枠AR12に表示する5本の広告との合計7本の広告を配信する場合の第2期待収益値を算出する。すなわち、広告配信装置100は、上広告枠AR11に表示する広告を4本から2本に削減した場合における期待収益値を算出する。
まず、広告配信装置100は、配信広告数を削減する(ステップS16−1)。具体的には、広告配信装置100は、上広告枠AR11中のA3位の位置及びA4位の位置を除外する。この場合、広告配信装置100は、配置情報LA11を配置情報LA12に変更する。ここで、上広告枠AR11に表示する2本の広告と、右広告枠AR12に表示する5本の広告との合計7本の広告を配信した場合、端末装置10における表示は、配置情報LA12に示すような表示になる。例えば、配置情報LA12に示すように、上広告枠AR11に表示する2本の広告を配信する場合、上広告枠AR11におけるA1位の位置、とA2位の位置との各々に広告が表示される。また、配置情報LA12に示すように、右広告枠AR12に表示する5本の広告を配信する場合、右広告枠AR12におけるB1位の位置、B2位の位置、B3位の位置、B4位の位置、及びB5位の位置の各々に広告が表示される。
次に、広告配信装置100は、削減された位置のCTRを残った位置及びその他に分配する(ステップS16−2)。ここで、削減された上広告枠AR11中のA3位の位置及びA4位の位置は、配置情報LA11において位置のCTRが5%である。そのため、広告配信装置100は、上広告枠AR11中のA3位の位置及びA4位の位置が削減された配置情報LA12においては、A3位の位置のCTR及びA4位の位置のCTRを残った位置及びその他に分配する。つまり、広告配信装置100は、A3位の位置のCTR及びA4位の位置のCTRを合算した10%は、A1位〜A2位の位置、B1位〜B5位の位置、及びその他のいずれかに分配する。例えば、広告配信装置100は、下記の式(4)を用いて、上広告枠AR11中のA3位の位置及びA4位の位置が削減後のA1位〜A2位の位置、B1位〜B5位の位置、及びその他のCTRを算出する。下記の式(4)に示すように、広告配信装置100は、各位置またはその他のCTRが大きい対象に分配される削減された位置のCTRが大きくなるように削減後の各位置及びその他のCTRを算出する。
新CTR=旧CTR+旧CTR/(100−Σ削減位置CTR) … (4)
上記の式(4)において、「新CTR」は、削減された位置のCTRを残った位置及びその他に分配後の各位置のCTR及びその他のCTRを示す。上述の例では、「新CTR」は、上広告枠AR11中のA3位の位置及びA4位の位置が削減後のA1位〜A2位の位置、B1位〜B5位の位置、及びその他のCTRに対応する。また、「旧CTR」は、位置の削減前における各位置のCTR及びその他のCTRを示す。上述の例では、「旧CTR」は、表示リストPL11中に示すA1位〜A2位の位置、B1位〜B5位の位置、及びその他のCTRに対応する。
また、「削減位置CTR」は、削減される位置のCTRを示す。上述の例では、「削減位置CTR」は、表示リストPL11中に示すA3位〜A4位の位置のCTRに対応する。また、「Σ削減位置CTR」は、削減される位置のCTRの合算を示す。上述の例では、「Σ削減位置CTR」は、表示リストPL11中に示すA3位〜A4位の位置のCTRの合算、すなわち(5+5=)10(%)に対応する。
例えば、上記の式(4)を用いて上広告枠AR11中のA1位の位置のCTRを算出する場合を下記の式(5)に示す。
A1位の位置のCTR=20+20/(100−10) … (5)
上記の式(5)により、上広告枠AR11中のA1位の位置のCTRは、「22.222・・・(%)」となる。なお、以下では、小数第一位までを示す。また、A2位の位置のCTRは、「11.1(%)」となる。また、B1位の位置のCTRは、「3.3(%)」となる。上記の式(4)を用いて、広告配信装置100は、表示リストPL12に示すように、削減された位置のCTRを残った位置及びその他に分配して、位置の削減後の残った位置及びその他のCTRを算出する。なお、表示リストPL12に示すCTRは表示リストPL11に示すCTRと同様に位置のCTRである。
なお、A3位〜A4位の位置削減の広告枠AR10全体としては、上広告枠AR11におけるA1位〜A2位の位置が順位1位〜2位であり、右広告枠AR12におけるB1位〜B5位の位置が順位3位〜7位であるものとする。このように、A3位〜A4位の位置削減により、右広告枠AR12におけるB1位〜B5位の位置の順位が2位ずつ繰り上がる。例えば、図1中の表示リストPL12は、位置削減後の広告枠AR10における順位1位である上広告枠AR11中のA1位の位置のCTRは22.2(%)であることを示す。また、図1中の表示リストPL12は、位置削減後の広告枠AR10における順位3位である右広告枠AR12中のB1位の位置のCTRは3.3(%)であることを示す。また、図1中の表示リストPL12は、位置削減後の広告枠AR10における順位4位である右広告枠AR12中のB2位の位置のCTRは2.2(%)であることを示す。
図1では、広告配信装置100は、表示リストPL12に示すように、広告枠AR10における順位1位〜7位の位置の各々に広告リストAL10に含まれる広告を割り当てる。具体的には、広告配信装置100は、広告リストAL10に含まれる広告のうち、順位が高い方から順に、広告枠AR10における順位1位〜7位の位置の各々に割り当てる。例えば、広告枠AR10における順位1位である上広告枠AR11中のA1位の位置には、広告リストAL10中の順位が1位である広告AD1が割り当てられる。また、例えば、広告枠AR10における順位3位である右広告枠AR12中のB1位の位置には、広告リストAL10中の順位が3位である広告AD3が割り当てられる。また、例えば、広告枠AR10における順位4位である右広告枠AR12中のB2位の位置には、広告リストAL10中の順位が4位である広告AD4が割り当てられる。このように、A3位〜A4位の位置削減により、広告リストAL10中の順位が3位以降の広告の表示位置が2位ずつ繰り下がる。
広告配信装置100は、広告枠AR10における各位置のCTRとその位置に割り当てられた広告を示す表示リストPL12に基づいて、期待収益値を算出する(ステップS17)。具体的には、広告配信装置100は、上広告枠AR11に2本の広告が表示され、右広告枠AR12に5本の広告が表示された場合の第2期待収益値を算出する。例えば、広告配信装置100は、上記の式(1)を用いて期待収益値を算出する。具体的には、広告配信装置100は、上記の式(1)に各位置のCTR及び各位置に割当てられた広告のCPCを代入した下記の式(6)により第2期待収益値を算出する。
第2期待収益値=0.222×100×1000+0.111×80×… …(6)
広告配信装置100は、上記の式(6)により、下記の式(7)のように第2期待収益値を算出する。
第2期待収益値=32774(円) …(7)
すなわち、広告配信装置100は、上広告枠AR11に2本の広告が表示され、右広告枠AR12に5本の広告が表示された場合の第2期待収益値は、収益表ER12や上記の式(7)に示すように、32774(円)であると算出する。このように、広告配信装置100は、第2配信数である7本の広告を配信した場合、第2期待収益値は、32774(円)であると算出する。
その後、広告配信装置100は、配信する広告の数を決定する(ステップS18)。すなわち、広告配信装置100は、端末装置10に表示される広告の数を決定する。具体的には、広告配信装置100は、第1配信数の広告を配信した場合における第1期待収益値と、第2配信数の広告を配信した場合における第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。図1では、広告の数を7本にした場合の第2期待収益値のほうが広告の数が9本である場合の第1期待収益値よりも大きいため、広告配信装置100は、配信する広告の数を7本に決定する。具体的には、広告配信装置100は、配信数表DN11に示すように、上広告枠AR11に表示する2本の広告と、右広告枠AR12に表示する5本の広告との合計7本に決定する。そして、広告配信装置100は、上広告枠AR11であるエリアAに表示される2本の広告と、右広告枠AR12であるエリアBに表示される5本の広告との合計7本の広告を端末装置10に配信する(ステップS19)。具体的には、広告配信装置100は、広告AD1、AD2の2本の広告を上広告枠AR11に表示される広告として配信し、広告AD3〜AD7の5本の広告を右広告枠AR12に表示される広告として端末装置10に配信する。その後、端末装置10は、上広告枠AR11であるエリアAに広告AD1、AD2の2本の広告を表示し、右広告枠AR12であるエリアBに広告AD3〜AD7の5本の広告を表示する。
上述したように、広告配信装置100は、第1期待収益値と第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。これにより、広告配信装置100は、より期待収益値の大きい配信数の広告を配信することができる。したがって、広告配信装置100は、表示される広告の数を適切に決定することができる。例えば、広告配信装置100は、1回の広告要求に対して複数の広告を配信する場合、複数の広告全体としての収益性に基づいて配信数の決定するため、より収益性の高い数の広告を配信することができる。このように、広告配信装置100は、各広告と閾値との比較に基づいて配信数を決定した場合に比べて、配信する(表示される)広告全体の収益性がより高い広告の数を決定することができる。また、図1に示すように広告が連続して表示され、一画面に表示される場合、削減される位置のCTRは、一画面に表示される他の位置等に分配される。したがって、図1に示す例では、上記の式(4)による削減後のCTRの精度が高くなると想定される。そのため、広告配信装置100は、図1に示すように広告が連続して表示される場合において、より精確に第1期待収益値と第2期待収益値とを算出できるため、表示される広告の数を適切に決定することができる。
なお、図1では、説明を簡単にするために、上広告枠AR11に表示する2本の広告と、右広告枠AR12に表示する5本の広告との合計7本の広告を配信する場合の第2期待収益値を算出し、第1期待収益値と比較する例を示したが、広告配信装置100は、どのような組合せの本数を第2配信数として第2期待収益値を算出してもよい。なお、ここでいう組合せとは、合計の配信数における各広告枠AR10(図1では上広告枠AR11と右広告枠AR12)の各々の配信数の組合せをいう。例えば、合計の配信数が2本である場合、上広告枠AR11が2本と右広告枠AR12が0本、上広告枠AR11が1本と右広告枠AR12が1本、及び上広告枠AR11が0本と右広告枠AR12が2本の計3つの組合せがある。そこで、例えば、広告配信装置100は、配信数が7本になる上広告枠AR11に表示する広告の数と、右広告枠AR12に表示する広告の数との組合せにおける第2期待収益値を算出してもよい。例えば、広告配信装置100は、上広告枠AR11に表示する3本の広告と、右広告枠AR12に表示する4本の広告との合計7本の広告を配信する場合の第2期待収益値を算出してもよい。また、例えば、広告配信装置100は、上広告枠AR11に表示する1本の広告と、右広告枠AR12に表示する6本の広告との合計7本の広告を配信する場合の第2期待収益値を算出してもよい。また、広告配信装置100は、第1配信数を9本とした場合、複数の数を第2配信数として期待収益値を算出してもよい。この点については図10において詳述するが、例えば、広告配信装置100は、第1配信数である9本での上広告枠AR11に表示する広告の数と、右広告枠AR12に表示する広告の本数との組合せにおける第1期待収益値を算出してもよい。この場合、広告配信装置100は、複数の第1期待収益値を算出してもよい。また、広告配信装置100は、1〜8本までの本数を第2配信数とし、各本数での上広告枠AR11に表示する広告の数と、右広告枠AR12に表示する広告の本数との組合せにおける第2期待収益値を算出してもよい。そして、広告配信装置100は、複数の第1期待収益値と複数の第2期待収益値とのうち、最も大きい値の期待収益値を示した配信数及び上広告枠AR11に表示する広告の数と、右広告枠AR12に表示する広告の数との組合せで広告を配信してもよい。
なお、上記例では、広告配信装置100が配信数すなわち、端末装置10に表示される広告の数を決定する場合を示したが、端末装置10に表示される広告の数の決定は他の装置が行ってもよい。すなわち、広告を配信する装置と、配信する広告の数を決定する装置は別体であってもよい。この場合、広告配信装置100は、外部の決定装置において決定された広告の数を受信し、受信した広告の数に基づいて、広告の配信を行ってもよい。
また、例えば、端末装置10が端末装置10に表示される広告の数の決定を行ってもよい。この場合、端末装置10は、9本の広告が表示された場合の第1期待収益値と7本の広告が表示された場合の第2期待収益値とを算出し、期待収益値の大きい本数の広告を広告配信装置100に要求してもよい。また、例えば、端末装置10は、9本の広告を広告配信装置100から受信し、9本の広告を表示するか、7本の広告を表示するかを決定してもよい。このように、決定処理を行う主体は、どの構成(装置)であってもよい。
また、上記の例では、広告配信装置100は、予め決定された本数である第2配信数を7本とする場合を示したが、第1配信数の広告のうち、順位が上位の広告の評価値との差が所定の閾値以上である順位以降の広告を所定数削除した第2配信数の広告の第2期待収益値を算出してもよい。例えば、図1では、広告配信装置100は、所定の閾値を「50」(円)とした場合、順位2位の広告AD2のCPC「80」(円)と順位3位の広告AD3のCPC「20」(円)との差が「60」(円)であるため、順位3位以降の所定数の広告を削除してもよい。すなわち、広告配信装置100は、広告枠AR10から対応する数の位置を削除してもよい。また、広告配信装置100は、配信される広告が所定のカテゴリに属する場合のみ、第1期待収益値と第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定してもよい。例えば、広告配信装置100は、入札価格の平均が所定の閾値以上のキーワードに対応する広告の場合、第1期待収益値と第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定してもよい。例えば、広告配信装置100は、キーワード「保険」の場合、第1期待収益値と第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定してもよい。
〔2.広告配信装置の構成〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る広告配信装置100の構成について説明する。図2は、実施形態に係る広告配信装置100の構成例を示す図である。図2に示すように、広告配信装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、広告配信装置100は、広告配信装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、図2に示すように、広告情報記憶部121と、広告枠情報記憶部122とを有する。
(広告情報記憶部121)
実施形態に係る広告情報記憶部121は、広告に関する各種情報を記憶する。図3に、実施形態に係る広告情報記憶部121の一例を示す。図3に示す広告情報記憶部121は、「広告」、「キーワード」、「入札価格」といった項目を有する。
「広告」は、広告主から入稿された広告を示す。図3では「広告」に「AD1」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、静止画像や動画像やテキストデータやURL、または、これらの格納場所を示すファイルパス名などが格納される。また、「キーワード」は、対応する広告に関連するキーワードを示す。なお、「キーワード」は、広告主によって指定可能であってもよい。また、「キーワード」は、複数のキーワードの組み合わせであってもよい。また、「入札価格」は、対応する広告の入札価格に関する情報を示す。図3中の「入札価格」の単位は、例えば「円」であってもよい。
例えば、図3に示す例において、広告AD1は、キーワード「保険」に関連する広告であり、入札価格が「120」(円)であることを示す。また、例えば、図3に示す例において、広告AD21は、キーワード「求人」に関連する広告であり、入札価格が「150」(円)であることを示す。
なお、広告情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、広告情報記憶部121は、広告を識別するための識別情報を記憶してもよい。例えば、広告情報記憶部121は、広告主に関する情報を記憶してもよい。なお、広告主は、入稿作業等を代理店に依頼する場合もある。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であるものとする。例えば、広告情報記憶部121は、商品に関する情報を記憶してもよい。例えば、広告情報記憶部121は、広告の対象となる商品名やサービス名を示す情報を記憶してもよい。また、広告情報記憶部121は、各広告のCTRやeCPM等に関する情報を記憶してもよい。
(広告枠情報記憶部122)
実施形態に係る広告枠情報記憶部122は、広告枠に関する情報を記憶する。図4に、実施形態に係る広告枠情報記憶部122の一例を示す。具体的には、図4に示す広告枠情報記憶部122は、各広告枠に表示された広告のCTRを示す情報を記憶する。例えば、広告枠情報記憶部122は、配置情報LA11等の各々の表示状態の端末装置10に広告が配信された際の各位置のCTRを示す情報を記憶する。図4に示す広告枠情報記憶部122には、複数の枠情報が記憶される。具体的には、図4に示す広告枠情報記憶部122には、各配置情報に対応する枠情報FA11、FA12等が記憶される。各枠情報FA11、FA12には、各配置情報に含まれる広告が表示される位置とその位置のCTRが対応付けて記憶される。「CTR(%)」は、各位置のCTR、すなわちクリック率を示す。
例えば、図4に示す例において、枠情報FA11では、A1位の位置のCTRが20(%)であり、A2位の位置のCTRが10(%)であることを示す。具体的には、枠情報FA11では、配置情報LA11に対応し、広告枠AR10における順位1位である上広告枠AR11中のA1位の位置のCTRは20(%)であることを示す。
なお、広告枠情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、広告枠情報記憶部122は、枠情報と配置情報とを対応付けて記憶してもよい。例えば、広告枠情報記憶部122は、枠情報FA11と配置情報LA11とを対応付けて記憶してもよい。また、広告枠情報記憶部122は、広告枠における広告を表示する位置のCTR以外の評価値を記憶してもよい。
(制御部130)
図2の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告配信装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(決定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図2に示すように、制御部130は、取得部131と、抽出部132と、算出部133と、決定部134と、配信部135とを有し、以下に説明する決定処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する決定処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
(取得部131)
取得部131は、広告の評価値を取得する。例えば、取得部131は、広告の評価値として、広告のCPCを取得する。例えば、取得部131は、広告の評価値を外部の情報処理装置から取得してもよい。また、例えば、取得部131は、広告の評価値を広告情報記憶部121等から取得してもよい。また、取得部131は、広告要求を取得する。また、取得部131は、キーワードを取得する。
また、取得部131は、広告枠に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、外部の情報処理装置から広告枠に関する情報を取得してもよい。また、例えば、取得部131は、広告枠情報記憶部122等から広告枠に関する情報を取得してもよい。
また、取得部131は、広告主から広告の入稿を取得してもよい。なお、取得部131は、広告主から広告の入稿を依頼された代理店から広告の入稿を取得してもよい。この場合、例えば、取得部131は、広告主や代理店が利用する情報処理装置から広告の入稿を取得する。また、例えば、取得部131は、取得した広告を広告情報記憶部121に記憶する。
(抽出部132)
抽出部132は、広告情報記憶部121から広告を抽出する。また、抽出部132は、キーワードに基づいて広告を抽出する。例えば、抽出部132は、端末装置10から取得したキーワードに基づいて広告を抽出する。図1では、抽出部132は、取得したキーワード「保険」に対応する広告を抽出する。例えば、抽出部132は、広告情報記憶部121からキーワード「保険」に対応する広告を抽出する。具体的には、抽出部132は、広告情報記憶部121からキーワード「保険」に対応づけられた広告AD1等を抽出する。
(算出部133)
算出部133は、上記の式(1)や(4)を用いて各種の値を算出する。例えば、算出部133は、第1配信数である9本の広告を配信する場合の第1期待収益値を算出する。具体的には、算出部133は、上広告枠AR11に表示する4本の広告と、右広告枠AR12に表示する5本の広告との合計9本の広告を配信する場合の第1期待収益値を算出する。
図1では、算出部133は、広告枠AR10における各位置のCTRとその位置に割り当てられた広告を示す表示リストPL11に基づいて、期待収益値を算出する。具体的には、算出部133は、上広告枠AR11に4本の広告が表示され、右広告枠AR12に5本の広告が表示された場合の第1期待収益値を算出する。例えば、算出部133は、上記の式(1)を用いて期待収益値を算出する。
また、図1では、算出部133は、第1配信数よりも少ない第2配信数である7本の広告を配信した場合における第2期待収益値を算出する。例えば、算出部133は、上広告枠AR11に表示する2本の広告と、右広告枠AR12に表示する5本の広告との合計7本の広告を配信する場合の第2期待収益値を算出する。算出部133は、広告枠AR10における各位置のCTRとその位置に割り当てられた広告を示す表示リストPL12に基づいて、期待収益値を算出する。具体的には、算出部133は、上広告枠AR11に2本の広告が表示され、右広告枠AR12に5本の広告が表示された場合の第2期待収益値を算出する。例えば、広告配信装置100は、上記の式(1)を用いて期待収益値を算出する。
また、例えば、算出部133は、削減された位置のCTRを残った位置及びその他に分配することにより、残った位置及びその他のCTRを算出する。例えば、算出部133は、上記の式(4)を用いて、上広告枠AR11中のA3位の位置及びA4位の位置が削減後のA1位〜A2位の位置、B1位〜B5位の位置、及びその他のCTRを算出する。
(決定部134)
決定部134は、所定の数である第1の数の広告が表示された場合における広告の評価値に基づく期待収益値である第1期待収益値と、第1の数よりも少ない第2の数の広告が表示された場合における広告の評価値に基づく期待収益値である第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1の数と第2の数とのいずれにするかを決定する。
例えば、決定部134は、所定の配信数である第1配信数の広告を配信した場合における広告の評価値に基づく第1期待収益値と、第1配信数よりも少ない第2配信数の広告を配信した場合における広告の評価値に基づく第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と前記第2配信数とのいずれにするかを決定する。例えば、決定部134は、第1期待収益値と第2期待収益値とを比較し、第1期待収益値が大きい場合、第1配信数を表示される広告の数と決定し、第2期待収益値が大きい場合、第2配信数を表示される広告の数として決定する。
例えば、決定部134は、第1配信数の広告に含まれる各広告の評価値と、各広告が表示される広告枠に関する評価値とに基づく第1期待収益値と、第2配信数の広告に含まれる各広告の評価値と、各広告が表示される広告枠に関する評価値とに基づく第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。
例えば、決定部134は、広告が表示される広告枠の数が第1配信数から第2配信数に削減される場合における各広告枠の評価値の変動に基づく第2期待収益値と、第1期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。例えば、決定部134は、端末装置10において広告が表示される広告枠AR10内の位置の数が第1配信数から第2配信数に削減される場合における各広告枠の評価値の変動に基づく第2期待収益値と、第1期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を決定する。
また、例えば、決定部134は、削減される広告枠の評価値を他の広告枠に分配することにより算出される第2期待収益値と、第1期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。決定部134は、他の広告枠の評価値に応じて、削減される広告枠の評価値を他の広告枠に分配することにより算出される第2期待収益値と、第1期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。
決定部134は、評価値に基づいて順位が付された第1配信数の広告のうち、順位が上位の広告の評価値との差が所定の閾値以上である順位以降の広告以外を含む第2配信数の広告の第2期待収益値と、第1期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。決定部134は、配信される広告が所定のカテゴリに属する場合、第1期待収益値と第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。
(配信部135)
配信部135は、決定部134により決定された配信数の広告を端末装置10に配信する。例えば、配信部135は、上広告枠AR11であるエリアAに表示される2本の広告と、右広告枠AR12であるエリアBに表示される5本の広告との合計7本の広告を端末装置10に配信する。具体的には、配信部135は、広告AD1、AD2の2本の広告を上広告枠AR11に表示される広告として配信し、広告AD3〜AD7の5本の広告を右広告枠AR12に表示される広告として端末装置10に配信する。
〔3.端末装置の構成〕
次に、図5を用いて、実施形態に係る端末装置10の構成について説明する。図5は、実施形態に係る端末装置10の構成例を示す図である。図5に示すように、端末装置10は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15とを有する。
(通信部11)
通信部11は、例えば、NICや通信回路等によって実現される。そして、通信部11は、図示しない所定のネットワークと有線または無線で接続され、広告配信装置100や検索装置50との間で情報の送受信を行う。
(記憶部12)
記憶部12は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12は、例えば、端末装置10にインストールされているアプリケーションに関する情報、例えばプログラム等を記憶する。
(入力部13)
入力部13は、ユーザからの各種操作を受け付ける。例えば、入力部13は、例えば、端末装置10に接続されたキーボードやマウス等によりユーザからの各種操作を受け付けてもよい。
(出力部14)
出力部14は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。
(制御部15)
制御部15は、例えば、CPUやMPU等によって、端末装置10内部の記憶部12などの記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムには、インストールされているアプリケーションのプログラムが含まれる。また、制御部15は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図5に示すように、制御部15は、要求部151と、受信部152と、表示部153とを有し、以下に説明する表示処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部15の内部構成は、図5に示した構成に限られず、後述する表示処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部15が有する各処理部の接続関係は、図5に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
要求部151は、外部の情報処理装置へ各種要求等を送信する。例えば、要求部151は、入力部13により受け付けたユーザ操作に従って、検索装置50へ検索クエリを送信する。また、要求部151は、入力部13により受け付けたユーザ操作に従って、広告配信装置100へ広告の配信を要求する。例えば、要求部151は、検索クエリをキーワードとして送信することにより広告配信装置100へ広告の配信を要求する。例えば、要求部151は、広告要求として、上広告枠AR11に表示する4本の広告と、右広告枠AR12に表示する5本の広告との合計9本の広告を要求する。
受信部152は、外部の情報処理装置から各種情報を受信する。例えば、受信部152は、検索装置50から検索結果を受信する。例えば、受信部152は、広告配信装置100から配信された広告を受信する。
表示部153は、受信部152により受信された検索結果や広告を表示する。例えば、表示部153は、検索入力ページW10や検索実行ページW11等を表示する。
なお、上述した制御部15による表示処理等の処理は、例えば、JavaScript(登録商標)などにより実現されてもよい。また、上述した表示処理が所定のアプリケーションにより行われる場合や表示処理が専用アプリにより行われる場合、制御部15は、例えば、所定のアプリや専用アプリを制御するアプリ制御部を有してもよい。
〔4.処理フロー〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る配信システム1による決定処理の手順について説明する。図6は、実施形態に係る決定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、図6を用いて決定処理の一例について説明する。図6に示すように、広告配信装置100の取得部131は、キーワードを取得する(ステップS101)。例えば、取得部131は、端末装置10からキーワードを取得する。
その後、広告配信装置100の抽出部132は、キーワードに対応する広告を抽出する(ステップS102)。そして、広告配信装置100の算出部133は、第1配信数の広告を配信した場合の期待収益値(第1期待収益値)を算出する(ステップS103)。また、算出部133は、第2配信数の広告を配信した場合の期待収益値(第2期待収益値)を算出する(ステップS104)。
その後、広告配信装置100の決定部134は、第2期待収益値が第1期待収益値以上である場合(ステップS105:Yes)、第2配信数を配信する広告の数に決定する(ステップS106)。そして、広告配信装置100の配信部135は、決定した配信数の広告を配信する(ステップS107)。すなわち、配信部135は、決定した第2配信数の広告を配信する。
一方、決定部134は、第2期待収益値が第1期待収益値以上でない場合(ステップS105:No)、第1配信数を配信する広告の数に決定する(ステップS108)。そして、配信部135は、決定した配信数の広告を配信する(ステップS107)。すなわち、配信部135は、決定した第1配信数の広告を配信する。
〔5.変形例〕
入札する広告の決定は、上述した実施形態の決定処理に限らず、種々の情報や条件に基づいて決定処理を行ってもよい。そこで、以下では、広告配信装置による他の決定処理について説明する。なお、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
(変形例)
〔6.決定処理〕
まず、変形例に係る決定処理について説明する。図7は、変形例に係る決定処理の一例を示す図である。図7では、広告配信装置200は、ユーザが入力した検索クエリ(キーワード)に応じて、検索結果とともに広告を表示する際に表示される広告の数を決定する場合を例に説明する。すなわち、図7は、検索連動型広告における配信数を決定する場合を示す。なお、図1と同様の内容(構成等)については、適宜説明を省略する。
図7に示すように、変形例に係る配信システム2には、端末装置20と、検索装置50と、広告配信装置200とが含まれる。端末装置20と、検索装置50と、広告配信装置200とは、所定のネットワークを介して通信可能に接続される。なお、図7に示した配信システム2には、複数の端末装置20、複数の検索装置50、複数の広告配信装置200が含まれてもよい。
端末装置20は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置20は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。なお、以下では、端末装置20をユーザと表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザを端末装置20と読み替えることもできる。なお、図7では、端末装置20は、タッチパネル機能を有するスマートフォンである場合を示す。また、端末装置20は、ユーザID「U2」により識別されるユーザ(以下、「ユーザU2」とする場合がある)が利用するスマートフォンである場合を示す。
広告配信装置200は、評価値に基づいて順位が付された第1配信数の広告のうち、順位が上位の広告の評価値との差が所定の閾値以上である順位以降の所定数の広告を除いた配信数である第2配信数を表示される広告の数として決定する決定装置である。例えば、広告配信装置200は、広告の評価値をCPCとし、順位が上位の広告のCPCとの差が所定の閾値以上である順位以降の所定数の広告を除いた配信数である第2配信数を表示される広告の数として決定する。
以下、図7を用いて、決定処理の一例を説明する。図7に示す例においては、ユーザがユーザU2である場合を示す。具体的には、図7は、広告配信装置200が配信する広告の数を第1配信数である4本と、第1配信数よりも少ない第2配信数とのいずれにするかを決定する場合を示す。以下では、ユーザU2が利用する端末装置20を、検索クエリ入力時に対応する端末装置20−1と検索クエリによる検索実行時に対応する端末装置20−2として説明する。なお、端末装置20−1、20−2は同一の端末装置20である。また、以下では、端末装置20−1、20−2について、特に区別することなく説明する場合には、端末装置20と記載する。また、図7では、広告配信装置200は、所定の閾値を「50」(円)とし、順位が上位の広告のCPCの差が「50」(円)以上である場合、順位以降の所定数の広告を除いた配信数である第2配信数を表示される広告の数として決定する例を示す。
まず、ユーザU2は、端末装置20−1に表示されたウェブページである検索入力ページW20中の検索ボックスSB20に「求人」と入力し、検索を実行する(ステップS20)。図7では、検索入力ページW20中の検索ボックスSB20に「求人」と入力した後、指F1によりボタンBT20をタッチすることにより、検索を実行する。
端末装置20−2は、検索クエリ「求人」による検索実行ページW21が表示された端末装置20を示す。図7中の検索実行ページW21には、検索クエリ「求人」に対応する検索結果が表示される検索結果表示領域SR21と、キーワード「求人」に対応する広告が表示される広告表示領域AR21(以下、「上広告枠AR21」とする場合がある)とが含まれる。また、上広告枠AR21は、検索結果表示領域SR21の上側のエリアCに位置する。なお、ユーザU2は、例えば端末装置20に表示されたスクロールバー(図示せず)を操作することにより、検索実行ページW21の下部、すなわち検索結果表示領域SR21の非表示部分を表示させることができる。
ここで、図7では、上広告枠AR21は、上下方向に複数の広告を並べて表示可能である。以下では、上広告枠AR21において最上部の広告表示位置から順に「C1位の位置」、「C2位の位置」、「C3位の位置」、及び「C4位の位置」とする。なお、図7においては1つの上広告枠AR21内に図示するが、C1位の位置、C2位の位置、C3位の位置、及びC4位の位置の各々を広告枠としてもよい。変形例における広告枠内の位置の各々を広告枠としてもよい。また、上広告枠AR21におけるC1位〜C4位の位置は、順位が高いほどCTRが高いものとする。すなわち、上広告枠AR21におけるC1位〜C4位の位置は順位1位〜4位であるものとする。なお、図7中の端末装置20−2に示す検索結果表示領域SR21、及び上広告枠AR21は、その位置関係を示すものであり、検索結果表示領域SR21、及び上広告枠AR21の大きさは表示する情報に応じて可変であってもよい。
検索装置50は、端末装置20から検索クエリ「求人」を取得する(ステップS21)。その後、検索装置50は、端末装置20に検索クエリ「求人」の検索結果を配信する(ステップS22)。また、検索クエリ「求人」の検索結果を受信した端末装置20−2は、検索結果表示領域SR21に検索クエリ「求人」の検索結果を表示する。
また、広告配信装置200は、端末装置20からキーワード「求人」を取得する(ステップS23)。また、広告配信装置200は、端末装置20から広告要求を取得する。例えば、広告配信装置200は、端末装置20からキーワード「求人」とともに広告要求を取得する。例えば、広告配信装置200は、端末装置20からキーワード「求人」を広告要求として取得する。図7では、広告配信装置200は、広告要求として、上広告枠AR21に表示する4本の広告を要求された場合を示す。
なお、図7に示すステップS20〜S27は処理を説明するための符号であり、ステップS20〜S27の順序で処理されることを示すものではない。例えば、ステップS21とステップS23とは同時に行われてもよいし、ステップS23がステップS21よりも先に行われてもよい。また、広告配信装置200は、検索装置50からキーワード「求人」を取得してもよい。
キーワード「求人」を取得した広告配信装置200は、キーワード「求人」に対応する広告を抽出する(ステップS24)。例えば、広告配信装置200は、広告情報記憶部121からキーワード「求人」に対応する広告を抽出する。具体的には、広告配信装置200は、広告情報記憶部121からキーワード「求人」に対応づけられた広告AD21等を抽出する。
図7中の広告リストAL20は、ステップS24において抽出された広告を示す。広告リストAL20には、広告AD21〜AD29等が含まれる。また、広告リストAL20中の各広告は、広告の評価値に基づいて順位付けされる。例えば、広告リストAL20中の各広告は、eCPMを広告の評価値として、広告の評価値の高い方から順に順位が付される。また、広告リストAL20中の各広告のCPCは、所定の算出方法により算出される。広告リストAL20中の各広告のCPCは、その広告の次順位の広告の入札価格に基づいて算出されてもよい。また、広告リストAL20中の各広告のCPCは、その広告のCTRと次順位の広告のeCPMに基づいて算出されてもよい。なお、図7の例では、説明を簡単にするために、各広告の順位が、CPCが大きいほど高くなっている場合を示す。
次に、広告配信装置200は、配信数を決定する処理を行う。具体的には、広告配信装置200は、抽出した広告と、要求された広告の数とに基づいて配信数を決定する処理を行う。まず、広告配信装置200は、広告リストAL21に示すように、第1配信数である4本の広告を広告リストAL20から抽出する。広告リストAL21には、CPCの高い広告AD21〜AD24の4つの広告が含まれる。
ここで、上広告枠AR21に表示する4本の広告を配信した場合、端末装置20における表示は、配置情報LA21に示すような表示になる。例えば、配置情報LA21に示すように、上広告枠AR21に表示する4本の広告を配信する場合、上広告枠AR21におけるC1位の位置、C2位の位置、C3位の位置、及びC4位の位置の各々に広告が表示される。
ここで、広告配信装置200は、第1配信数である4本の広告のうち、順位が上位の広告のCPCと下位の広告のCPCを比較する。なお、ここでいう「上位の広告」とは、所定の順位(例えば全広告数の半分等)以上の広告であってもよいし、評価値が所定の値以上の広告であってもよい。また、ここでいう「下位の広告」とは、所定の順位(例えば全広告数の半分等)未満の広告であってもよいし、評価値が所定の値未満の広告であってもよい。
図7では、順位が2位の広告のCPCが「100」(円)であるのに対して、順位が3位の広告のCPCが「20」(円)であり、その差が「80」(円)となる。そこで、広告配信装置200は、差「80」(円)が所定の閾値「50」(円)以上であるため、第1配信数から所定数の広告を削減する(ステップS25)。図7では、広告配信装置200は、広告リストAL22に示すように、順位が3位の広告AD23と4位の広告AD24の2つの広告を削減する。また、広告配信装置200は、配信広告数の削減に合わせて、上広告枠AR21中のC3位の位置及びC4位の位置を除外する。この場合、広告配信装置200は、配置情報LA21を配置情報LA22に変更する。
その後、広告配信装置200は、配信する広告の数を決定する(ステップS26)。すなわち、広告配信装置200は、端末装置20に表示される広告の数を決定する。具体的には、広告配信装置200は、配信数表DN21に示すように、第1配信数である4本の広告のうち、順位が3位の広告AD23と順位が4位の広告AD24を除いた第2配信数である2本を配信する広告の数として決定する。
そして、広告配信装置200は、上広告枠AR21であるエリアCに表示される2本の広告を端末装置20に配信する(ステップS27)。具体的には、広告配信装置200は、広告AD21、AD22の2本の広告を上広告枠AR21に表示される広告として端末装置20に配信する。その後、端末装置20は、上広告枠AR21であるエリアCに広告AD21、AD22の2本の広告を表示する。
上述したように、広告配信装置200は、第1配信数の広告であって、順位が付された第1配信数の広告のうち、順位が上位の広告のCPCとの差が所定の閾値以上である順位以降の所定数の広告を除いた配信数である第2配信数を表示される広告の数として決定する。これにより、表示される広告の数を適切に決定することができる。例えば、図7では、上記の式(1)を用いて期待収益値と算出すると、広告の数を第2配信数である2本にした場合の期待収益値は31080(円)となり、第1配信数である4本にした場合の期待収益値は29900(円)となる。このように、広告配信装置200は、上位と下位の広告間における評価値の差に基づいて広告の数を決定することにより、より期待収益値の大きい配信数の広告を配信することができる。したがって、広告配信装置200は、表示される広告の数を適切に決定することができる。
なお、上述した例においては、順位が上位の広告のCPCと下位の広告のCPCとの差に基づいて、広告配信装置200が配信する広告の数を決定する例を示したが、広告配信装置200は、種々の条件に基づいて配信する広告の数を決定してもよい。例えば、広告配信装置200は、順位が付された第1配信数の広告における評価値であるCPCの分散に基づいて、配信する広告の数を決定してもよい。具体的には、広告配信装置200は、順位が付された第1配信数の広告における評価値であるCPCの分散に基づいて、第1配信数以下のいずれの数の広告を配信するかを決定してもよい。
〔7.広告配信装置の構成〕
次に、図8を用いて、変形例に係る広告配信装置200の構成について説明する。図8は、変形例に係る広告配信装置200の構成例を示す図である。図8に示すように、広告配信装置200は、通信部110と、記憶部120と、制御部230とを有する。
(制御部230)
制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、広告配信装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(決定プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
図8に示すように、制御部230は、取得部131と、抽出部132と、決定部234と、配信部135とを有し、以下に説明する決定処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、図8に示した構成に限られず、後述する決定処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
(決定部234)
決定部234は、所定の配信数である第1配信数の広告であって、評価値に基づいて順位が付された第1配信数の広告のうち、順位が上位の広告の前記評価値との差が所定の閾値以上である順位以降の所定数の広告を除いた配信数である第2配信数を表示される広告の数として決定する。図7では、決定部234は、第1配信数である4本の広告のうち、順位が3位の広告AD23と順位が4位の広告AD24を除いた第2配信数である2本を配信する広告の数として決定する。
〔8.処理フロー〕
次に、図9を用いて、変形例に係る配信システム2による決定処理の手順について説明する。図9は、変形例に係る決定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、図9を用いて決定処理の一例について説明する。図9に示すように、広告配信装置200の取得部131は、キーワードを取得する(ステップS201)。例えば、取得部131は、端末装置20からキーワードを取得する。
その後、広告配信装置200の抽出部132は、キーワードに対応する広告を抽出する(ステップS202)。そして、広告配信装置200の決定部234は、第1配信数の広告のうち、順位が上位と下位の広告の評価値の差が所定の閾値以上であるかを判定する(ステップS203)。
決定部234は、第1配信数の広告のうち、順位が上位と下位の広告の評価値の差が所定の閾値以上である場合(ステップS203:Yes)、所定数の下位の広告を除いた第2配信数を配信する広告の数に決定する(ステップS204)。そして、広告配信装置200の配信部135は、決定した配信数の広告を配信する(ステップS205)。すなわち、配信部135は、決定した第2配信数の広告を配信する。
一方、決定部234は、第1配信数の広告のうち、順位が上位と下位の広告の評価値の差が所定の閾値以上でない場合(ステップS203:No)、第1配信数を配信する広告の数に決定する(ステップS206)。そして、配信部135は、決定した配信数の広告を配信する(ステップS205)。すなわち、配信部135は、決定した第1配信数の広告を配信する。
〔9.全組合せに基づく配信数の決定〕
なお、上述したように広告配信装置100や広告配信装置200は、第1配信数から1本までの広告を配信した場合における各期待収益値を算出し、算出した期待収益値のうち最大の期待収益値となる配信本数及びその配置を、端末装置10に配信し表示させる広告の本数及びその配置として決定してもよい。この点について、図10を用いて説明する。図10は、全組合せの期待収益値の比較により配信数及び組合せを決定する処理の一例を示すフローチャートである。以下では、広告配信装置100が処理を行う場合を示す。なお、以下では、第1配信数として2以上の所定の値が設定され、取得したキーワードに基づいて広告を抽出した後の処理を説明する。また、上記のように第1期待収益値と第2期待収益値とを区別しない場合、期待収益値と記載する。
図10に示すように、広告配信装置100は、配信数nに第1配信数を設定する(ステップS301)。そして、広告配信装置100は、配信数nのうち、期待収益値を未算出の組合せにおける期待収益値を算出する(ステップS302)。例えば、広告配信装置100は、各広告の順位に基づいて各広告枠における各位置に広告を割り当てる。また、広告配信装置100は、算出した期待収益値と配信数n及び組合せとを対応付けて記憶してもよい。
そして、広告配信装置100は、配信数nのうち、全組合せの期待収益値を算出したかどうかを判定する(ステップS303)。広告配信装置100は、配信数nのうち、全組合せの期待収益値を算出していない場合(ステップS303:No)、ステップS302に戻って処理を繰り返す。
一方、広告配信装置100は、配信数nの全組合せの期待収益値を算出した場合(ステップS303:Yes)、配信数nが1であるかどうかを判定する(ステップS304)。広告配信装置100は、配信数nが1でない場合(ステップS304:No)、配信数nから1を減算し(ステップS305)、ステップS302に戻って処理を繰り返す。
一方、広告配信装置100は、配信数nが1である場合(ステップS304:Yes)、算出した期待収益値のうち、最大の期待収益値となる配信数及び組合せの広告を配信する(ステップS306)。例えば、広告配信装置100は、配信数が6であって、上広告枠AR11に表示する広告が4本であり、右広告枠AR12に表示する広告が2本である組合せの期待収益値が最大である場合、広告枠AR11に4本、右広告枠AR12に2本の合計6本の広告を配信する。なお、広告配信装置100は、算出した期待収益値を最大の期待収益値と順次比較し、算出した期待収益値のうち最大の期待収益値のみを記憶してもよい。上述した処理により、広告配信装置100は、第1配信数における全組合せと、第1配信数未満1以上の各数を第2配信数とした場合における全組合せとのうち、最大の期待収益値となる配信数及び組合せで広告を配信することができる。また、広告配信装置100は、ステップS303において算出した期待収益値と当該ステップS303以前までにおいて最大の期待収益値とを、ステップS303の処理ごとに比較してもよい。例えば、広告配信装置100は、ステップS303において算出した期待収益値と最大の期待収益値より大きい場合、S303において算出した期待収益値を最大の期待収益値としてその配信数n及び組合せに対応付けて記憶してもよい。すなわち、広告配信装置100は、最大の期待収益値のみをその配信数n及び組合せに対応付けて記憶してもよい。
〔10.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る広告配信装置100は、取得部131と、決定部134とを有する。取得部131は、広告の評価値を取得する。決定部134は、所定の数である第1の数(実施形態においては、「第1配信数」。以下同じ)の広告が表示された場合における広告の評価値に基づく期待収益値である第1期待収益値と、第1の数よりも少ない第2の数(実施形態においては、「第2配信数」。以下同じ)の広告が表示された場合における広告の評価値に基づく期待収益値である第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1の数と第2の数とのいずれにするかを決定する。
これにより、実施形態に係る広告配信装置100は、第1期待収益値と第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。これにより、広告配信装置100は、より期待収益値の大きい配信数の広告を配信することができる。したがって、広告配信装置100は、表示される広告の数を適切に決定することができる。
実施形態に係る広告配信装置100において、決定部134は、第1の数の広告に含まれる各広告の評価値と、各広告が表示される広告枠に関する評価値とに基づく第1期待収益値と、第2の数の広告に含まれる各広告の評価値と、各広告が表示される広告枠に関する評価値とに基づく第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1の数と第2の数とのいずれにするかを決定する。
これにより、実施形態に係る広告配信装置100は、各広告の評価値に基づいて算出される第1期待収益値と第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。これにより、広告配信装置100は、より期待収益値の大きい配信数の広告を配信することができる。したがって、広告配信装置100は、表示される広告の数を適切に決定することができる。
実施形態に係る広告配信装置100において、決定部134は、広告が表示される広告枠の数が第1の数から第2の数に削減される場合における各広告枠の評価値の変動に基づく第2期待収益値と、第1期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1の数と第2の数とのいずれにするかを決定する。
これにより、実施形態に係る広告配信装置100は、広告が表示される広告枠の数が第1の数から第2の数に削減される場合における各広告枠の評価値の変動に基づく第2期待収益値により、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。これにより、広告配信装置100は、より期待収益値の大きい配信数の広告を配信することができる。したがって、広告配信装置100は、表示される広告の数を適切に決定することができる。
実施形態に係る広告配信装置100において、決定部134は、削減される広告枠の評価値を他の広告枠に分配することにより算出される第2期待収益値と、第1期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1の数と第2の数とのいずれにするかを決定する。
これにより、実施形態に係る広告配信装置100は、削減される広告枠の評価値を他の広告枠に分配することにより算出される第2期待収益値により、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。これにより、広告配信装置100は、より期待収益値の大きい配信数の広告を配信することができる。したがって、広告配信装置100は、表示される広告の数を適切に決定することができる。
実施形態に係る広告配信装置100において、決定部134は、他の広告枠の評価値に応じて、削減される広告枠の評価値を他の広告枠に分配することにより算出される第2期待収益値と、第1期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1の数と第2の数とのいずれにするかを決定する。
これにより、実施形態に係る広告配信装置100は、他の広告枠の評価値に応じて、削減される広告枠の評価値を他の広告枠に分配することにより算出される第2期待収益値により、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。これにより、広告配信装置100は、より期待収益値の大きい配信数の広告を配信することができる。したがって、広告配信装置100は、表示される広告の数を適切に決定することができる。
実施形態に係る広告配信装置100において、決定部134は、評価値に基づいて順位が付された第1の数の広告のうち、順位が上位の広告の評価値との差が所定の閾値以上である順位以降の広告以外を含む第2の数の広告の第2期待収益値と、第1期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1の数と第2の数とのいずれにするかを決定する。
これにより、実施形態に係る広告配信装置100は、順位が上位の広告の評価値と下位の広告の評価値との比較に基づく第1配信数と第2配信数との期待収益値に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。これにより、広告配信装置100は、より期待収益値の大きい配信数の広告を配信することができる。したがって、広告配信装置100は、表示される広告の数を適切に決定することができる。
実施形態に係る広告配信装置100において、決定部134は、表示される広告が所定のカテゴリに属する場合、第1期待収益値と第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1の数と第2の数とのいずれにするかを決定する。
これにより、実施形態に係る広告配信装置100は、表示される広告が所定のカテゴリに属する場合のみ、第1期待収益値と第2期待収益値との比較に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。これにより、広告配信装置100は、期待収益値の算出による処理負荷を軽減することができる。
また、変形例に係る広告配信装置200は、取得部131と、決定部234とを有する。取得部131は、広告の評価値を取得する。決定部234は、所定の数である第1の数の広告であって、評価値に基づいて順位が付された第1の数の広告のうち、順位が上位の広告の評価値との差が所定の閾値以上である順位以降の所定数の広告を除いた数である第2の数を表示される広告の数として決定する。
これにより、変形例に係る広告配信装置200は、順位が上位の広告の評価値と下位の広告の評価値との比較に基づく第1配信数と第2配信数との期待収益値に基づいて、表示される広告の数を第1配信数と第2配信数とのいずれにするかを決定する。これにより、広告配信装置200は、より期待収益値の大きい配信数の広告を配信することができる。したがって、広告配信装置200は、表示される広告の数を適切に決定することができる。
〔11.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る広告配信装置100及び変形例に係る広告配信装置200は、例えば図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図11は、広告配信装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が広告配信装置100、200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130、230の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
以上、本願の実施形態及び変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
〔12.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。