JP6736060B2 - 屈曲処置具 - Google Patents

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Description

この発明は、屈曲処置具、特に、軟性内視鏡の処置具チャンネル内、または、軟性内視鏡の処置具挿通用チューブ内に挿入し、軟性内視鏡と共に口や肛門から胃腸等の腹腔内臓器に到達させて、メスや鉗子等の処置部材(以下、デバイスという場合がある。)により上皮癌等の患部の切除等を行う屈曲処置具において、デバイスが取り付けられた先端部を軟性内視鏡と独立して自由に屈曲させることができ、しかも、軟性内視鏡内に挿入する際のシース・ワイヤ部材の軸回りの捩じれに起因するデバイスの捩じれを防止することができ、さらに、軟性内視鏡を旋回させる際の人や物の配置や動きに支障を来すおそれがない屈曲処置具に関するものである。
近年、口や肛門等から処置具を挿入して、胃や大腸の壁を貫かずに胃や大腸等の粘膜の上位層を広い範囲に亘って取り除く内視鏡粘膜下層切開剥離術(ESD)といった術式が行われている。また、胃カメラや大腸カメラ等の軟性内視鏡を体の表面にもともと存在する口、肛門、膣、尿道等から挿入し、さらに、胃や大腸の壁を貫いて腹腔まで軟性内視鏡を到達させて、腹腔内臓器の診断や治療を行う術式(NOTES:Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery:経管腔的内視鏡手術)が知られている。
このような内視鏡粘膜下層切開剥離術(ESD)に代表される経管腔的内視鏡手術は、体の表面にもともと存在する口等から軟性内視鏡と共にデバイスを挿入し、疾患部位までこれを到達させて治療等を行うために、体の表面に傷が全くつかず、しかも、通常の手術のような腹壁の感染や癒着等の合併症をなくすことができるので、人体への侵襲を少なくすることができるといった利点がある。
このような経管腔的内視鏡手術に用いられる処置具は、特許文献1に記載されているように、軟性内視鏡内に挿入して軟性内視鏡の先端から突出したデバイスを屈曲自在に操作する屈曲部を備えている。また、屈曲部に屈曲動作を伝達するシース・ワイヤ部とこのシース・ワイヤ部を押し引きすることによって、屈曲部の屈曲動作を操作する操作部等を備えている。
特開2010−511440号公報
しかし、特許文献1に記載された屈曲処置具は、その外径が4.0mm程度に形成されており内視鏡の内視鏡チャンネルに挿通できるサイズではないため、安全に口から食道を通して胃等へ到達させることができず、実使用できないものであった。
また、上述した内視鏡粘膜下層切開剥離術(ESD)に適用できるように、外径を内視鏡チャンネルに挿入可能なサイズまで細く形成しようとすると、自在に屈曲でき且つ適切に鉗子による把持やメスによる切除を行うことに支障が出てしまい、これを実現するに至っていない。
さらに、特許文献1に記載された処置具は、各ワイヤを挿通するケーブルジャケットにワイヤを挿通させ、このケーブルジャケットをまとめて挿通する外皮を備えているので、鉗子の把持動作およびメスの切除動作の際の荷重に充分に耐えることが難しく、切除および剥離操作が非常に難しいという問題があった。
また、軟性内視鏡の内視鏡チャンネルが直径3.8mm、3.2mm、2.8mm程度と種々の形状が知られているものの、何れの形状も小径であるので、視鏡チャンネルに挿入し且つ屈曲可能な処置具とすることは、外皮の剛性不足による捻じれが生じて、ワイヤの動力を円滑かつ確実に伝えることができないという問題があった。
また、従来の屈曲処置具は、内視鏡に屈曲処置具を挿入するときに、内視鏡に対する屈曲処置具の軸回りの角度を規定する手段がないために、鉗子口から突出する処置部材の方向が定まっておらず、屈曲方向が操作部の操作方向と一致しないという問題があった。このため、従来の屈曲処置具においては、内視鏡に屈曲処置具を挿入した後、操作部の操作方向と屈曲方向とを一致させる軸合わせと呼ばれる作業を行っていたが、この作業が煩雑であるという問題があった。
従って、この発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、軟性内視鏡の処置具チャンネル内、または、軟性内視鏡に取り付けられた屈曲処置具挿通用チューブ内に挿入し、軟性内視鏡と共に口や肛門から胃腸等の腹腔内臓器に到達させて、メスや鉗子等のデバイスにより上皮癌等の患部の切除等を行う屈曲処置具において、デバイスが取り付けられた先端部を軟性内視鏡と独立して自由に屈曲させることができ、しかも、軟性内視鏡内に挿入する際のシース・ワイヤ部材の軸回りの捩じれに起因するデバイスの捩じれを防止することができ、さらに、軟性内視鏡を旋回させる際の人や物の配置や動きに支障を来すおそれがない屈曲処置具を提供することを目的とする。
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、下記を特徴とするものである。
請求項1に記載の発明は、先端に処置部材が取り付けられた屈曲部と、前記屈曲部の屈曲動作、前記処置部材としての鉗子の開閉動作および前記処置部材としてのメスの出没動作を行う操作部と、前記操作部の操作を伝達するシース・ワイヤ部と、前記シース・ワイヤ部の軸回りの回転を阻止する軸固定手段とを備え、前記軸固定手段は前記シース・ワイヤ部が挿通される軸固定手段本体と、前記軸固定手段の先端側に取り付けられた先端係止部とを備え、前記軸固定手段本体は、内視鏡ホルダに固定可能なホルダ固定部が形成され、前記軸固定手段本体には、前記シース・ワイヤ部に固定された係合突起と係合する溝が形成されて、前記シース・ワイヤ部の軸方向への移動を許容し、前記シース・ワイヤ部の軸回りの回転を阻止する軸固定部が内蔵され、前記軸固定手段の前記屈曲部側の端部は、前記軸固定手段を内視鏡チャンネルに保持させた際に、軟性内視鏡の旋回中心軸と前記軸固定手段とが平行になるように湾曲していることに特徴を有するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記シース・ワイヤ部は、前記処置部材に接続されて前記処置部材を操作するデバイス用ワイヤが挿通されるデバイス用シースと、前記屈曲部を屈曲操作すめる複数本の屈曲用ワイヤがそれぞれ挿通される屈曲用シースとからなる内シースと、前記内シースをまとめて被覆する外シースと、前記外シースを被覆するライナーブレードとからなることに特徴を有するものである。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記軸固定部の少なくとも一方の端部には、前記溝を閉塞する係止部を備えていることに特徴を有するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記デバイス用ワイヤおよび前記屈曲用ワイヤの少なくとも一方は、単線の一端にスエージングワイヤが固定されているものからなることに特徴を有するものである。
この発明によれば、シース・ワイヤ部の軸回りの回転を阻止する軸固定手段を備えているので、デバイスを軟性内視鏡内に挿入する際のシース・ワイヤ部材の軸回りの捩じれに起因するデバイスの捩じれを防止することができる。この結果、屈曲処置具の操作方向とデバイスの動きが一致するので、直観的な操作が可能となり、屈曲処置具の操作性が良好になる。
また、この発明によれば、軸固定手段を備えることによって、グリップの操作方向と屈曲部の屈曲方向と一致させる軸合わせ作業を行う必要がなくなる。
また、この発明によれば、軸固定手段の屈曲部側の端部を、軸固定手段を内視鏡チャンネル口に保持させた際に、軟性内視鏡の旋回中心軸と軸固定手段とが平行になるように湾曲させることによって、軟性内視鏡を旋回させる際の人や物の配置や動きに支障を来すおそれがなくなる。
また、この発明によれば、軸固定手段に内視鏡ホルダに固定されるホルダ固定部を設けることによって、軟性内視鏡に設置した内視鏡ホルダ等にシース・ワイヤ部材を固定することができるので、屈曲処置具の挿入姿勢を固定することができる。
また、この発明によれば、軸固定部の少なくとも一方の端部に、シース・ワイヤ部に固定された係合突起と係合する溝を閉塞する係止部を備えることによって、シース・ワイヤ部が長手方向に移動した場合であっても、係合突起が溝から脱落することがなく、挿入姿勢の固定を維持することができる。
また、この発明によれば、デバイス用ワイヤおよび屈曲用ワイヤの少なくとも一方を、単線の一端にスエージングワイヤを溶接したものとすることによって、伸びに強く、屈曲部での曲げ性が向上する。
この発明の実施形態に係る屈曲処置具の使用状態を説明するための概略図である。 この発明の実施形態に係る屈曲処置具の使用例を説明するための概略図である。 この発明の実施形態に係る屈曲処置具の構成を説明するための側面図である。 鉗子用屈曲処置具の屈曲部の構成を説明するための拡大図である。 図4の長手方向断面図である。 屈曲部の基端側に位置するヒンジトップの構成を示す斜視図である。 鉗子の開閉動作を説明するための図であり、(a)は、閉じた状態を示す部分断面図であり、(b)は、開いた状態を示す部分断面図である。 メス用屈曲処置具の屈曲部の構成を説明するための拡大図である。 屈曲部を構成するヒンジ部材を示す斜視図である。 ヒンジ部材を示す図であり、(a)は、図9のA−A線断面図であり、(b)は、側面図である。 ヒンジ部材を示す正面図である。 屈曲部の屈曲動作を説明するための断面図である。 シース・ワイヤ部の構成を説明するための図であり、(a)は、シース・ワイヤ部の構成を説明するための部分斜視図であり、(b)は、屈曲用ワイヤおよびデバイス用ワイヤを説明するための長手方向断面図であり、(c)は、屈曲用ワイヤおよびデバイス用ワイヤを示す縦方向断面図である。 シース・ワイヤ部の縦方向断面図である。 操作部の内部構造を説明するための分解斜視図である。 回転手段の構造を説明するための分解斜視図である。 捻じれ力逃がし機構の構造を説明するための分解斜視図である。 軸固定手段を示す平面図である。 軸固定手段を示す正面図である。 軸固定手段本体を取り外した軸固定手段を示す正面図である。 図20のA−A線断面図である。 軸固定手段と軟性内視鏡との関係を示す図であり、(a)は、軸固定手段の内視鏡側の端部が直線状の場合を示す正面図であり、(b)は、軸固定手段の屈曲部側の端部が湾曲している場合を示す正面図である。
以下、この発明の屈曲処置具の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てがこの発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、この発明の実施形態に係る屈曲処置具の使用状態を説明するための概略図、図2は、この発明の実施形態に係る屈曲処置具の使用例を説明するための概略図、図3は、 この発明の実施形態に係る屈曲処置具の構成を説明するための側面図、図4は、鉗子用屈曲処置具の屈曲部の構成を説明するための拡大図、図5は、図4の長手方向断面図、図6は、屈曲部の基端側に位置するヒンジトップの構成を示す斜視図、図7は、鉗子の開閉動作を説明するための図であり、(a)は、閉じた状態を示す部分断面図、(b)は、開いた状態を示す部分断面図、図8は、メス用屈曲処置具の屈曲部の構成を説明するための拡大図、図9は、屈曲部を構成するヒンジ部材を示す斜視図、図10は、ヒンジ部材を示す図であり、(a)は、図9のA−A線断面図、(b)は、側面図、図11は、ヒンジ部材を示す正面図、図12は、屈曲部の屈曲動作を説明するための断面図、図13は、 シース・ワイヤ部の構成を説明するための図であり、(a)は、シース・ワイヤ部の構成を説明するための部分斜視図、(b)は、屈曲用ワイヤおよびデバイス用ワイヤを説明するための長手方向断面図、(c)は、屈曲用ワイヤおよびデバイス用ワイヤを示す縦方向断面図、図14は、シース・ワイヤ部の縦方向断面図、図15は、操作部の内部構造を説明するための分解斜視図、図16は、回転手段の構造を説明するための分解斜視図、図17は、捻じれ力逃がし機構の構造を説明するための分解斜視図、図18は、軸固定手段を示す平面図、図19は、軸固定手段を示す正面図、図20は、軸固定手段本体を取り外した軸固定手段を示す正面図、図21は、図20のA−A線断面図、図22は、軸固定手段と軟性内視鏡との関係を示す図であり、(a)は、軸固定手段の内視鏡側の端部が直線状の場合を示す正面図、(b)は、軸固定手段の内視鏡側の端部が湾曲している場合を示す正面図である。
図1および図2に示すように、この発明の実施形態に係る屈曲処置具は、先端に鉗子を備える鉗子用屈曲処置具1aと、先端にメス(電気メス)を備えるメス用屈曲処置具1bを包含している。これらの屈曲処置具1a、1bは、軟性内視鏡2の内視鏡チャンネル2a、または、軟性内視鏡2の先端に取り付けられた処置具挿通用チューブ2bに挿入されて軟性内視鏡2とともに、患者3の口や肛門等から消化管等の腹腔内の癌等の患部3aの診断や切除を行う。
この際、鉗子用屈曲処置具1aおよびメス用屈曲処置具1bは、少なくとも2自由度を有するように軟性内視鏡2と独立して個別に屈曲するので、軟性内視鏡2の視点を固定したまま、患部3aの把持や切除を行うことができ、安定した視野で自由度の高い手技を行うことができる。
次に、この発明の実施形態に係る屈曲処置具の構成について、図3を参照しながら説明する。なお、図3では、鉗子用屈曲処置具1aおよびメス用屈曲処置具1bを包含して屈曲処置具1として図示した。
屈曲処置具1は、水平および鉛直方向に2自由度を有する屈曲部4の先端に取り付けられた処置部材としての鉗子または電気メスと、屈曲部4の屈曲動作および鉗子の開閉動作および電気メスの出没動作を行う操作部60と、操作部60の操作を伝達する複数本のワイヤとこのワイヤを挿通するシースとを備えるシース・ワイヤ部5とを備えている。また、シース・ワイヤ部5には、軸固定手段100が取り付けられている。
操作部60は、シース・ワイヤ部5に挿通されている複数本のワイヤに接続されたグリップ61を、操作部本体63に対してジョイスティックのように上下左右に回動させることにより屈曲部4に挿通および接続されたワイヤを長手方向に押し引きし、これにより屈曲部4の屈曲動作を行う機能を有している。また、グリップ61は、図15に示すように、操作移動体69を備えており、この操作移動体69を長手方向に押し引き動作することもでき、この動作により鉗子30に接続されたワイヤを押し引きし、これにより鉗子30の開閉動作を行う機能を有してる。
さらに、操作部60は、長手方向に操作部本体63を摺動させることができるスライダ機構64を介して固定台接続部62に取り付けられている。スライダ機構64を長手方向に摺動させることにより、鉗子30、屈曲部4およびシース・ワイヤ部5を長手方向に沿って押し引きすることができ、これにより鉗子30の内視鏡チャンネル2aまたは処置具挿通用チューブ2bからの突出量を調整することができる。
図4に示すように、屈曲部4は、先端側にヒンジエンド12を介して鉗子30が取り付けられ、基端側にヒンジトップ11およびヒンジベース13を介してシース・ワイヤ部5を構成するシース20が取り付けられている。また、屈曲部4は、複数個のヒンジ部材10が互いに共軸に並設されており、隣接するヒンジ部材10が互いに軸方向と交差する方向に摺動することで屈曲動作が行なえるように構成されている。
具体的には、図5に示すように、屈曲部4は、一端が操作部60に、他端がヒンジエンド12に接続された複数本の屈曲用ワイヤ22が屈曲部4内に挿通されており、屈曲用ワイヤ22が操作部60によって押し引きされることにより、ヒンジ部材10同士を摺動させ、これにより屈曲動作が行なわれるように構成されている。なお、屈曲用ワイヤ22とヒンジエンド12の固定は、接着でも構わないし、屈曲用ワイヤ22にかしめ用部材を取り付けてかしめることによりヒンジエンド12に引っ掛けて固定しても構わない。このように、かしめ用部材を用いて屈曲用ワイヤ22とヒンジエンド12を固定すれば、簡単な構成で屈曲用ワイヤ22とヒンジエンド12との接続部の強度を向上させることができ、屈曲部4の屈曲を行うための屈曲用ワイヤ22の押し引き操作による応力が接続部に集中した場合であっても、屈曲用ワイヤ22の剥がれを防止することができる。なおカシメ用部材の材料・形状は、上述したように接続部の強度を向上させることができれば良く、特に限定されないが、具体的には、金属製の円柱形部材を用いる。
また、ヒンジ部材10の軸心部を貫通するように、一端が操作部60に、他端が鉗子30に接続されたデバイス用ワイヤ23が挿通しており、このデバイス用ワイヤ23が押し引きされることによって鉗子30の開閉動作が行なえる。さらに、デバイス用ワイヤ23は、屈曲部4内での押し引きの際に、ヒンジ部材10との摺動抵抗を抑えること、および、ヒンジ部材10同士が径方向にずれることを防止するために、フッ素樹脂チューブ17に挿通されている。
これらの屈曲用ワイヤ22およびデバイス用ワイヤ23は、ヒンジトップ11に取り付けられた後述する内シース21にそれぞれ挿通されている。図13(b)に示すように、屈曲用ワイヤ22およびデバイス用ワイヤ23は、それぞれステンレス線の単線27の一端にスエージングワイヤ28を溶接したものから構成されている。スエージングワイヤ28は、図13(c)に示すように、複数本のステンレス線を縒り合せた後、外周から加圧することにより、縒り線同士を圧着させたワイヤにより構成されている。
このように構成することによって、屈曲部4に相当する部位は、スエージングワイヤ28が挿通され、シース・ワイヤ部5に相当する部位に単線27を挿通するように配置することができる。これにより、シース・ワイヤ部5では、単線27が挿通されることにより伸びに強い構造となるとともに、屈曲部4では、曲げ性が向上した構造とすることができる。なお、スエージングワイヤ28は、上述したように、縒り線同士を圧着させた構造となっているので、単線27にスエージングワイヤ28を溶接する際に、毛細管現象によってロウが縒り線間に流れ出てしまうことを防止することができ、これにより溶接性も向上する。
また、屈曲用ワイヤ22およびデバイス用ワイヤ23は、内シース21内での摺動抵抗を抑制するために表面処理が施されている。なお、この場合、図13(b)に示すように、スエージングワイヤ28の先端側および単線27の基端側を除いて、単線27およびスエージングワイヤ28の外周の、内シースに挿入される部位に表面処理が施されていると好適である。さらに、表面処理は、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)等のフッ素樹脂またはフッ化炭素樹脂を用いると好適である。
また、シース20は、ヒンジトップ11まで延在しており、ヒンジトップ11は、図6に示すように、ヒンジベース13に嵌合することによって、シース20を構成する内シース21のうち、屈曲用ワイヤ22が挿通する内シース21を外方に案内させている。この構成により、シース20から屈曲部4へ屈曲用ワイヤ22が円滑に案内されている。なお、内シース21は、ヒンジトップ11の端面に接着や溶接等によって接合されている。
図7に示すように、鉗子30は、一対の鉗子片31、31´がピン33を枢軸として互いに回動することにより開閉動作する。鉗子片31、31´は、基端側に取り付けられると共に互いに交差した開閉ワイヤ34、34´が取り付けられており、開閉ワイヤ34、34´は、デバイス用ワイヤ23の押し引き動作に連動して移動する移動体32に接続されている。なお、移動体32および開閉ワイヤ34、34´は、鉗子基部35に収納されている。
このような構成によれば、デバイス用ワイヤ23を引いた状態では、図7(a)に示すように、移動体32がヒンジエンド12側に移動して開閉ワイヤ34、34´の交差角を軸方向に対して鋭角となるように交差させる。このとき、開閉ワイヤ34、34´の鉗子片31との接続端は互いに近接するので、鉗子片31、31´は、この開閉ワイヤ34、34´の動作に連動して閉じられる。
また、デバイス用ワイヤ23を押した状態では、図7(b)に示すように、移動体32がヒンジエンド12から離間して鉗子片31、31側に押し出される。このとき、開閉ワイヤ34、34は、その交差角が軸方向に対して鈍角となるように交差するので、開閉ワイヤ34、34の鉗子片31との接続端は、互いに離間し、鉗子片31、31は、この開閉ワイヤ34、34の動作に連動して開かれる。
これに対し、メス用屈曲処置具1bは、図8に示すように、先端部37を介して電気メス36が取り付けられている。屈曲部4およびシース20の構成は、上述した鉗子用屈曲処置具1aと同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
電気メス36は、導電性がある部材構成され、高周波電流を導通させて患部の切開や焼灼を行う処置部材であり、例えば、先端が球形状またはフック状に形成されている。また、先端部37からの突出量は、デバイス用ワイヤ23の押し引き操作によって適宜調整可能に構成される。
また、メス用屈曲処置具1bにおいて、先端部37とヒンジ部材10との間にずれ防止部材14a、14bが介在されている。このずれ防止部材14a、14bは、ヒンジ部材10と同様に、軸方向に突出する凸部と凹部が軸方向の端面に形成されるとともに、軸方向の一端に軸方向に突出する爪15が形成され、他端にこの爪15に係合する溝16が形成された部材であり、この爪15と溝16が互いに係合することによって先端部37が屈曲部4に対して径方向にずれることを防止している。
図9に示すように、ヒンジ部材10は、略円筒状の部材であり、外径が3.8mm以下に形成されている。なお、ヒンジ部材10およびシース・ワイヤ部5の外径は、3.8mmが好ましく、3.2mmがより好ましく、2.8mmが好適である。この寸法に形成することによって屈曲処置具1を内視鏡チャンネル2aへ挿入することが可能になっている。また、ヒンジ部材10において、軸方向の基端側の基端面41の外縁部には、径方向に沿って凹部42が形成され、先端側の先端面43に軸方向へ突出するとともに、径方向に沿って対向配置された一対の凸部44が形成されている。
また、凹部42と凸部44とは、互いに90°周方向にずらして配置されている。さらに、凸部44は、隣接するヒンジ部材10の凹部42と摺動可能となるように、円弧状に形成されている。図11に示すように、凹部42は、凸部44の円弧形状と略同じ曲率に形成された曲線部42aと、曲線部42aの両端から延びる直線部42b、42bとから構成されている。このように凹部42および凸部44を形成することによって、隣接するヒンジ部材10、10同士が屈曲の際に互いにフィットする形状となり、無理なく限界まで屈曲することが可能となる。
ヒンジ部材10は、軸方向と平行に貫通する複数の屈曲用貫通孔45と、軸心部を貫通するデバイス用貫通孔46が形成されている。屈曲用貫通孔45は、周方向に略等間隔に配列されており、先端面43の凸部44の凹部42との摺動面を除いた位置に4箇所形成されている。このように屈曲用貫通孔45が凸部44の凹部42との摺動面を除いた位置に形成されているため、隣接する凸部44と凹部42とが摺動して屈曲部4が屈曲する際、屈曲用貫通孔45に挿通される屈曲用ワイヤ22が凸部44と凹部42の摺動を阻害することがなく、円滑な屈曲動作を実現することができる。なお、屈曲用貫通孔45は、凸部44の両端側にそれぞれ2箇所形成され、合計4箇所に形成されている。
また、図10aに示すように、凸部44には、屈曲用ワイヤ22が干渉することを防止する干渉防止溝44aが屈曲用貫通孔45の外縁部から連続して形成されている。さらに、屈曲用貫通孔45は、軸方向に沿った中心部cから先端側の先端面43および基端側の端面41に向かって拡径する所謂テーパ状に形成されている。なお、基端面41は、所定の角度傾斜した傾斜面として形成され、先端面43も所定の角度θ1傾斜した傾斜面として形成されており、この傾斜面によって、屈曲部4が屈曲する際における隣接する先端面43と基端面41との干渉を防止している。
このようにヒンジ部材10を構成することによって、図12に示すように、屈曲処置具が屈曲する際に、屈曲用貫通孔45に挿通された屈曲用ワイヤ22が牽引され、これによって、屈曲用貫通孔45の屈曲方向外側に張り付くため、屈曲用貫通孔45の内周面の接触点Ptと接触する。この実施形態に係るヒンジ部材10の屈曲用貫通孔45は、上述したように、両端面側に向かって拡径するテーパ状に形成されているので、屈曲時における隣り合う屈曲用貫通孔45、45により形成される屈曲用ワイヤが挿通される領域を大きくとることができ、この結果、屈曲角度を大きくすることが可能となる。また、屈曲用ワイヤの可動領域も広がっているため、ワイヤ押し引きに起因する屈曲用処置具の操作性も向上させることが可能となる。
また、図10bに示すように、凸部44の幅方向の両側面における先端側の先端面43と連続する位置には、互いに対向するように切り欠いた切欠き44b、44bを形成しても構わない。このように切欠き44bを形成することによって、凸部44の外周面の長さをできるだけ長くとれるように設計することができる。この結果、切欠き44b、44bにより、屈曲処置具が屈曲したときに、隣り合うヒンジ部材10同士が干渉する範囲を狭めて、ヒンジ部材の傾斜角度を大きくして屈曲処置具の屈曲角度を大きくすることが可能となる。このとき、凹部42は、凸部44の円弧形状に対応するように円弧形状に形成されており、凹部42の曲率は、凸部44の曲率よりも大きく形成されていると好適である。
なお、図9に示すように、デバイス用貫通孔46は、楕円形状に形成されている。デバイス用貫通孔46が楕円形状に形成されることによって、屈曲部4が屈曲した状態でデバイス用貫通孔46を挿通するデバイス用ワイヤ23の可動域を長軸方向に確保することができる。これにより屈曲部4が屈曲した状態でもデバイス用ワイヤ23の円滑な押し引き動作を行うことができる。
さらに、デバイス用貫通孔46は、凸部44の対向する方向と直交する方向と長軸が平行に形成されている。このように構成することによって、凸部44を厚肉に形成することができるので、凸部44の摺動面を大きく確保することができ、屈曲部4の剛性を確保することができる。
図13(a)および図14に示すように、シース・ワイヤ部5は、複数本の屈曲用ワイヤ22およびデバイス用ワイヤ23をそれぞれ挿通する内シース21と、これらの内シース21をまとめて挿通する外シース24と、外シース24の外表面に被着するライナーブレード25と、ライナーブレード25の外表面に被着する保護チューブ26とを備えている。
内シース21は、屈曲用ワイヤ22およびデバイス用ワイヤ23の押し引き動作の案内、および、これらのワイヤ同士が干渉することを防止する機能を有しており、金属製の断面扁平形状の平線を隙間なく螺旋状に巻き回した、所謂密巻きコイルからなっている。このように、平線を用いることによって、内シース21の強度を確保することができると共に、内径寸法を大きくすることができ、内シース21内を挿通する屈曲用ワイヤ22およびデバイス用ワイヤ23が内シース21内で円滑に押し引き動作を行うことができる。また、用いる平線の幅を厚さに対して大きくすることによって、当該強度をより大きく、かつ、屈曲用ワイヤ22およびデバイス用ワイヤ23が内シース21内での押し引き動作する際の摩擦抵抗をより少なくすることができる。具体的には、用いる平線の厚さをX、平線の幅をYとしたとき、X:Y=1:10にすると好適である。さらに、密巻きコイルとして構成することによって、屈曲用ワイヤ22およびデバイス用ワイヤ23の押し引き動作により内シース21が座屈または伸縮しないように構成されている。
これに対し、内シース21を断面丸形状の丸線を用いると、螺旋状に巻き回したときに隣り合う丸線同士が線接触するので、内視鏡チャンネルへの挿入時や屈曲処置具の保管時等、内シース21を曲げた際に線接触する位置が周方向に移動してしまい、丸線が座屈することによって、内シース21の縮みが生じるという問題が生じる。また、丸線を密巻きにした場合は、座屈して縮みが生じるばかりでなく、変形したまま戻らないという問題も生じる。また、図14に示すように、屈曲用ワイヤ22が挿通する内シース21は、デバイス用ワイヤ23が挿通する内シース21を取り囲むように配置されている。
外シース24は、シース・ワイヤ部5の骨格をなす部材であり、屈曲用ワイヤ22およびデバイス用ワイヤ23の保護、および、屈曲処置具全体の回転力を伝達する機能を有している。外シース24は、内シース21と同様に、金属製の断面扁平形状の平線を螺旋状に巻き回すことにより構成されているが、所定の隙間を有する所謂、疎巻きコイルとして構成されている。このように疎巻きコイルとして構成することによって、曲げ方向のしなり性が良好となり、小径曲で曲げた場合でも座屈が生じることなく、シース・ワイヤ部5が内視鏡チャンネルの屈曲に倣って円滑に屈曲することができる。なお、上述したように、内シース21が密巻きに構成していることによって、内シース21自体の縮みが防止されているので、外シース24を疎巻きに構成した場合であっても、シース・ワイヤ部5の縮みを可及的に抑制することができる。
ライナーブレード25は、鉗子30の把持動作や電気メス36の切除動作等の荷重によって屈曲部4に対する外力が生じたときに、この外力による操作軸のぶれを防止する機能を有しており、金属製の線材を互いに交差させて編み込んだメッシュ構造が好適に用いられる。
保護チューブ26は、シース・ワイヤ部5の被覆および保護、および、電気メス36に印加する高周波高電圧の電気的な絶縁を行う部材である。具体的には、ポリオレフィン等で構成された熱収縮チューブを用いると好適である。
このように、この実施形態に係る屈曲処置具によれば、屈曲部4およびシース・ワイヤ部5の外径を内視鏡チャンネル2aに挿通可能な3.8mm以下に極小化した場合であっても、屈曲部4の屈曲動作の際に,屈曲部4の内部を挿通する屈曲用ワイヤ22やデバイス用ワイヤ23とヒンジ部材10の干渉によって屈曲動作が阻害されるおそれがなく、操作部60の操作による屈曲用ワイヤ22およびデバイス用ワイヤ23の押し引き動作を、屈曲部4並びに鉗子30や電気メス36に確実に伝達することができる。
また、シース・ワイヤ部5の外径を極小化した場合であっても、シース・ワイヤ部5の捻じれが生じることなく、操作軸のぶれが生じない。この結果、より直感的な操作が可能となる。
また、屈曲部4は、互いに凹凸係合するヒンジ部材10により構成され、凸部44と凹部42の摺動面を大きく確保するとともに、凸部44も可能な限り厚肉に形成されているので、鉗子30の把持動作や電気メス36の切除動作による荷重にも十分に耐えることができる。
図15に示すように、操作部60は、長手方向に操作部本体63を摺動させることができるスライダ機構64を介して固定台接続部62に取り付けられている。スライダ機構64を長手方向に摺動させることによって、屈曲部4およびシース・ワイヤ部5を長手方向に沿って押し引きすることができ、これにより屈曲部4の先端に取付けられた鉗子30または電気メス36の内視鏡チャンネル2aまたは処置具挿通用チューブ2bからの突出量を調整することができる。
固定台接続部62は、保持手段71を備えている。保持手段71には、長手方向と直交して延びる溝状の第1の係留部72aおよび第2の係留部72bが形成されている。第1の係留部72aは、第2の係留部72bよりも高く形成されている。
また、操作部本体63の先端側には、捻じれ力逃がし機構110が取り付けられ、捻じれ力逃がし機構110を覆うようにカバー体79が取り付けられている。カバー体79は、保持手段71に形成された第1の係留部72aおよび第2の係留部72bに対して、第1の係留部72aおよび第2の係留部72bの延設方向に沿って鉛直方向から圧入されることによって、固定台接続部62と係留可能となっており、この係留によって操作部本体63を長手方向に保持している。なお、第1の係留部72aは、第2の係留部72bよりも長く形成されているので、操作部本体63の着脱の際に、第2の係留部72bとの摩擦力が低減し、これによって、着脱が容易になる。
操作部60は、シース・ワイヤ部5に挿通されている複数本の屈曲用ワイヤ22に接続されたグリップ61を操作部本体63に対してジョイスティックのように上下左右に回動させることによって、屈曲部4に挿通および接続されたワイヤを長手方向に押し引きし、これによって、屈曲部4の屈曲動作を行っている。また、グリップ61は、操作移動体69を備えており、操作移動体69を長手方向に押し引き動作することもでき、この動作により鉗子30および電気メス36に接続されたデバイス用ワイヤ23を押し引きすることによって、鉗子30の開閉動作および電気メス36の出没操作を行っている。
グリップ61は、屈曲用ワイヤ22が取り付けられる屈曲用ワイヤ牽引部66と、デバイス用ワイヤ23が取り付けられるグリップ部67とを備えている。また、操作部本体63には、案内部65が収容されており、案内部65は、デバイス用ワイヤ23が貫通している。
図16に示すように、操作部本体63は、操作部本体63を固定台接続部62に対して回転自在に組み付ける回転手段90を介してカバー体79に組み付けられている。回転手段90は、操作部本体63の周方向に形成された回転溝63aと、ゴム等の弾性材料からなる係止部材96と、カバー体79に回転溝63aに対応して形成された回転突部95とを備えており、回転突部95が係止部材96に押圧されることによる相互の摩擦力によって操作部本体63とカバー体79との相対回転を係止している。なお、カバー体79と操作部本体63とは、摩擦力によってのみ係止しているため、操作部本体63を周方向に回転させる回転力を付与することによって、比較的容易に操作部本体63を回転させることができ、屈曲部4の屈曲方向とグリップ61の操作方向とを一致させて操作性を向上させることができる。
この実施形態に係る屈曲処置具1は、シース・ワイヤ部5に取り付けた軸固定手段100を軟性内視鏡2に設置した内視鏡ホルダに固定することができるので、屈曲処置具1の挿入姿勢を固定することができ、これによって、内視鏡チャンネル2aおよび処置具挿通用チューブ2b内で屈曲部4やシース・ワイヤ部5が回転することを抑制し、グリップ部61の操作方向と屈曲部4の屈曲方向が一致させる軸合わせ作業の必要性を回避している。
しかし、このような構成によると、操作部60の取り扱い中にシース・ワイヤ部5等に余計な捻じり力が生じた場合、軸固定手段100に負荷が加わり、軸固定手段100が内視鏡ホルダから脱落する等の問題が生じることが考えられる。これを防止するために、シース・ワイヤ部5に捻じり力が生じた場合に、これを分散する捻じり力逃がし機構110が操作部60に取り付けられている。
図17に示すように、捻じれ力逃がし機構110は、シース・ワイヤ部5に挿通される屈曲用ワイヤ22およびデバイス用ワイヤ23が挿通される捻じれ力逃がし機構本体111と、捻じれ力逃がし機構本体111に対して周方向に回転可能に組み付けられた回転体112とを備えている。回転体112は、シース・ワイヤ部5の端部に係留されており、図15に示すように、捻じれ力逃がし機構本体111と覆い部材113によって挟持されているので、回転体112は、デバイス用ワイヤ23および屈曲用ワイヤ22の挿通方向に移動不能に保持されている。
このように構成されている捻じれ力逃がし機構110によれば、操作部60の取り扱い中に操作部60とシース・ワイヤ部5とに捻じれ力が生じても、回転体112が捻じれ力に応じて回転することにより捻じれ力を分散して、軸固定手段100へ負荷が加わることを防止している。
次に、図18から図21を参照しながら、軸固定手段100について説明する。図18および図18に示すように、軸固定手段100は、シース・ワイヤ部5が挿通される軸固定手段本体101と、軸固定手段本体101の先端側に取り付けられた先端係止部102とを備えている。軸固定手段本体101には、内視鏡ホルダに固定されるホルダ固定部101aが形成されており、ホルダ固定部101aを内視鏡ホルダに固定することによって、屈曲処置具1の挿入姿勢を固定することができる。軸固定手段100の屈曲部4側の端部100aは、軸固定手段100を内視鏡チャンネル2aの入口に保持させた際に、軟性内視鏡2の旋回中心軸と軸固定手段100とが平行になるように湾曲している。
このように、軸固定手段100の屈曲部4側の端部100aを湾曲させることによって、図22(b)に示すように、軸固定手段100の旋回範囲が小さくなるので、軟性内視鏡2を旋回させる際の人や物の配置や動きに支障を来すおそれが少なくなる。一方、軸固定手段100の屈曲部4側の端部100aが直線状である場合には、図22(a)に示すように、軸固定手段100の旋回範囲が大きくなるので、軟性内視鏡2を旋回させる際の人や物の配置や動きに支障を来すおそれが大きくなる。
図20および図21に示すように、軸固定手段本体101には、長手方向に沿って溝104aが形成された軸固定部104が内蔵されており、溝104aにシース・ワイヤ部5の外周に固定された係合突起105が嵌合することによって、シース・ワイヤ部5の長手方向の摺動を可能とするととともに、デバイスを軟性内視鏡2内に挿入する際に、シース・ワイヤ部材5の軸回りの捩じれに起因するデバイスの捩じれを防止することができる。係合突起105は、外面に突起が形成されたパイプ状の部材を接着剤等によってシース・ワイヤ部材5に固定することによって形成することができる。軸固定部104と係合突起105とは、接触抵抗を小さくするために、互いに摺動性の良好な材質を選択する必要がある。
このように構成することによって、屈曲処置具の操作方向とデバイスの動きが一致するので、直観的な操作が可能となり、屈曲処置具の操作性が良好になる。しかも、グリップ61の操作方向と屈曲部4の屈曲方向と一致させる軸合わせ作業を行う必要がなくなる。
なお、軸固定部104の長手方向の両端には、先端係止部102および基端係止部103が取り付けられており、係合突起105が先端係止部102および基端係止部103に当接することによって、長手方向の摺動を規制して係合突起105が軸固定部104の溝104aから脱落しないように構成されている。
この実施形態に係る屈曲処置具は、鉗子用屈曲処置具1aとメス用屈曲処置具1bとをそれぞれ内視鏡チャンネル2aおよび処置具挿通用チューブ2bに挿通して同時に使用する場合について説明を行ったが、これらの鉗子用屈曲処置具1aおよびメス用屈曲処置具1bは、何れか一方のみを用いても構わない。もしくは、鉗子用屈曲処置具1a、メス用屈曲処置具1b以外に、例えば、クリップ用屈曲処置具、圧排用屈曲処置具または持針器用屈曲処置具等を代わりに用いても良い。また、上述した実施形態に係る屈曲処置具では、ヒンジ部材10の4箇所に屈曲用貫通孔45を形成した場合について説明を行ったが、屈曲用貫通孔45の数は適宜変更することも可能である。さらに、上述した本実施形態に係る屈曲処置具では、デバイス用貫通孔46は楕円形状に形成した場合について説明を行ったが、デバイス用ワイヤ23の十分な可動域を確保することができれば、例えば円形状に形成しても構わない。
1:屈曲処置具
1a:鉗子用屈曲処置具
1b:メス用屈曲処置具
2:軟性内視鏡
2a:内視鏡チャンネル
2b:処置具挿通用チューブ
3:患者
3a:患部
4:屈曲部
5:シース・ワイヤ部
10:ヒンジ部材
11:ヒンジトップ
12:ヒンジエンド
13:ヒンジベース
14a、14b:ずれ防止部材
15:爪
16:溝
17:フッ素樹脂チューブ
20:シース
21:内シース
22:屈曲用ワイヤ
23:デバイス用ワイヤ
24:外シース
25:ライナーブレード
26:保護チューブ
27:単線
28:スエージングワイア
30:鉗子
31、31´:鉗子片
32:移動体
33:ピン
34、34´:開閉ワイヤ
35:鉗子基部
36:電気メス
37:先端部
41:基端面
42:凹部
42a:曲線部
42b:直線部
43:先端面
44:凸部
44a:干渉防止溝
44b:切欠き
45:屈曲用貫通孔
46:デバイス用貫通孔
60:操作部
61:グリップ
62:固定台接続部
63:操作部本体
63a:回転溝
64:スライダ機構
65:案内部
66:屈曲用ワイヤ牽引部
67:グリップ部
69:操作移動体
71:保持手段
72a:第1の係留部
72b:第2の係留部
79:カバー体
90:回転手段
95:回転突起
96:係止部材
100:軸固定手段
100a:端部
101:軸固定手段本体
101a:ホルダ固定部
102:先端係止部
103:基端係止部
104:軸固定部
104a:溝
105:係合突起
110:捩じり力逃がし機構
110:捩じり力逃がし機構本体
112:回転体
113:覆い部材

Claims (4)

  1. 先端に処置部材が取り付けられた屈曲部と、前記屈曲部の屈曲動作、前記処置部材としての鉗子の開閉動作および前記処置部材としてのメスの出没動作を行う操作部と、前記操作部の操作を伝達するシース・ワイヤ部と、前記シース・ワイヤ部の軸回りの回転を阻止する軸固定手段とを備え、
    前記軸固定手段は前記シース・ワイヤ部が挿通される軸固定手段本体と、前記軸固定手段の先端側に取り付けられた先端係止部とを備え、
    前記軸固定手段本体は、内視鏡ホルダに固定可能なホルダ固定部が形成され、
    前記軸固定手段本体には、前記シース・ワイヤ部に固定された係合突起と係合する溝が形成されて、前記シース・ワイヤ部の軸方向への移動を許容し、前記シース・ワイヤ部の軸回りの回転を阻止する軸固定部が内蔵され、
    前記軸固定手段の前記屈曲部側の端部は、前記軸固定手段を内視鏡チャンネルに保持させた際に、軟性内視鏡の旋回中心軸と前記軸固定手段とが平行になるように湾曲していることを特徴とする屈曲処置具。
  2. 前記シース・ワイヤ部は、前記処置部材に接続されて前記処置部材を操作するデバイス用ワイヤが挿通されるデバイス用シースと、前記屈曲部を屈曲操作すめる複数本の屈曲用ワイヤがそれぞれ挿通される屈曲用シースとからなる内シースと、前記内シースをまとめて被覆する外シースと、前記外シースを被覆するライナーブレードとからなることを特徴とする、請求項1に記載の屈曲処置具。
  3. 前記軸固定部の少なくとも一方の端部には、前記溝を閉塞する係止部を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の屈曲処置具。
  4. 前記デバイス用ワイヤおよび前記屈曲用ワイヤの少なくとも一方は、単線の一端にスエージングワイヤが固定されているものからなることを特徴とする、請求項2に記載の屈曲処置具。
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