JP6735728B2 - トランスポンダー・モジュール及び該トランスポンダー・モジュールを活動状態にし、かつ、構成するためのアクセス・モジュール - Google Patents

トランスポンダー・モジュール及び該トランスポンダー・モジュールを活動状態にし、かつ、構成するためのアクセス・モジュール Download PDF

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Description

本発明は、トランスポンダー及び該トランスポンダーにアクセスし、かつ(あるいは)、それを構成するためのモジュールに関し、特に、排他的ではなく、トランスポンダーの一つ又はそれ以上の機能にアクセスし、かつ、それを構成するための方法、アクセス・モジュールと通信するよう構成されているトランスポンダー・モジュール、及び該トランスポンダー内のトランスポンダー機能の活動状態化及び(又は)構成を可能にするためのアクセス・モジュール、及び該方法を用いるためのコンピュータプログラム製品に関する。
サーキット又はオフロード・モータースポーツイベントやサイクリングイベント等の車両スポーツイベント用の計時システムは、例えばラップタイム、合計時間、平均ラップタイム、ランキング等の計時情報を決定するための車両内又は車両上に取り付けられる無線トランスポンダーを用いる。トランスポンダーは、レーストラック又はコース内に、かつ(あるいは)、それに沿って配置されているアンテナによってピックアップされる一意の識別子を含むトランスポンダー信号を送信するよう構成されている。アンテナは、該アンテナを横切る車両のトランスポンダー信号をトランスポンダーデータに変換するデコーダに接続されている。これらのデータは、次いで、レースイベントに参加している車両の計時情報を決定するためにデータ処理システムに送られる。
従来の計時システムは、一般に、計時操作員によってセットアップされ、かつ、管理され、操作員は、イベントへの参加者用のトランスポンダーを構成し、かつ、トランスポンダーを計時システムに登録する。しかしながら現今、参加者は、彼ら自身のパーソナル・トランスポンダーを購入して、それを車両内に、又は、車両上に(半)永久的に設置できるようになっている。トランスポンダーは、イベントの前又はイベント中に、計時システムに登録されることができる。
特許文献1には、既知のスポーツ計時システムの一例が説明されている。トランスポンダーの機能性は、限定されており、また、ユーザーのニーズ及び(又は)レーシング・イベントの要求に従って、トランスポンダーの機能を(再)構成し、かつ(あるいは)、拡張できる可能性が全くないか、あるいは少なくともほとんどない。さらに、トランスポンダーは、過酷な条件に耐えるよう構成されていることが多く、車両内の、アクセスがあまりよくできない場所に設置される。そしてひとたび設置されると、トランスポンダーへの物理的なアクセスが難しくなり、したがって、トランスポンダーの迅速な再構成及び(又は)トランスポンダーのファームウェアの更新は、トランスポンダーを物理的に外さない限りできなくなる場合が多い。
欧州特許出願公開第1447681号
したがって、上記のことから、従来技術においては、トランスポンダー内の異なる機能性の容易な構成及び(又は)更新、及び(又は)トランスポンダーと関連するサービスを許容する、改良されたトランスポンダーが必要性である、ということになる。従来技術においては、特に、イベントのタイプ、車両のタイプ、イベントの地理的な場所、ユーザーの好み等のパラメータに基づいて、トランスポンダーを、車両から取り外さずに、簡単、確実かつ安全なやり方で構成することを可能にする方法及びシステムの必要性が存在する。
本発明の態様は、当業者なら理解されるところであるが、システム、方法又はコンピュータプログラム製品として具体化することができる。よって、本発明の態様は、ハードウェアの形態、ソフトウェアの形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、又は、ここで全て一般的に「回路」、「モジュール」又は「システム」と呼べる、ソフトウェアとハードウェア態様とを組み合わせた形態の形を採ることができる。この開示で説明する機能は、コンピュータのマイクロプロセッサによって実行されるアルゴリズムとして実現することができる。さらに、本発明の態様は、一つ又はそれ以上のコンピュータで読取可能な媒体(複数も可)内に収録されたコンピュータプログラム製品であって、それに収録された、例えば、格納された、コンピュータで読取可能なプログラムコードを有するコンピュータプログラム製品の形を採ることができる。
また、一つ又はそれ以上のコンピュータで読取可能な媒体(複数も可)のいかなる組合せも利用することができる。コンピュータで読取可能な媒体は、コンピュータで読取可能な信号媒体又はコンピュータで読取可能な記憶媒体とすることができる。コンピュータで読取可能な記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、又は半導体システム、装置、又はデバイス、又は、これらの任意の適当な組合せとすることができるが、それらに限定されない。コンピュータで読取可能な記憶媒体のより具体的な例(包括的ではないリスト)には、下記のものが含まれるであろう。すなわち、一つ又はそれ以上の線(ワイヤ)を有する電気的な接続体、ポータブルコンピュータのディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去できるプログラマブル・リードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、オプチカルファイバー、ポータブルなコンパクトディスク・リードオンリーメモリ(CD−ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、又はこれらの任意の適当な組合せが含まれるであろう。この明細書の文脈では、コンピュータで読取可能な記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって使用される、あるいは、それと接続されるプログラムを含む、又は格納する任意の有形の媒体とすることができる。
コンピュータで読取可能な信号媒体は、伝播データ信号であって、その中に、例えば、ベースバンド内に又は搬送波の一部として収録された、コンピュータで読取可能なプログラムコードを有する伝播データ信号を含むことができる。このような伝播信号は、電磁、光学、又はそれらの任意の適当な組合せを含む、しかしそれらに限定されない様々な形態のうちの任意の形態を採ることができる。コンピュータで読取可能な信号媒体は、コンピュータで読取可能な記憶媒体ではなくて、命令実行システム、装置、又はデバイスによって使用される、あるいは、それと接続されるプログラムを通信し、伝播し、あるいは、移送することができる任意のコンピュータで読取可能な媒体とすることができる。
コンピュータで読取可能な媒体に収録されたプログラムコードは、無線、ワイヤーライン、オプチカルファイバー、ケーブル、RF、等、又は、これらの任意の適当な組合せを含むが、しかしそれらに限定されない任意の適当な媒体を用いて送信することができる。本発明の態様のための動作を実行するコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、スモールトーク、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の従来の手続き型のプログラミング言語を含む一つ又はそれ以上のプログラミング言語の任意の組合せで書くことができる。プログラムコードは、専らユーザーのコンピュータ上で、スタンドアロン・ソフトウェアパッケージとして部分的にユーザーコンピュータ上で、部分的にユーザーのコンピュータ上及び部分的に遠隔コンピュータ上で、又は、専ら遠隔コンピュータ又はサーバー上で、実行することができる。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介して、ユーザーのコンピュータに接続することができ、あるいは、この接続は、外部コンピュータに(例えば、インターネット・サービスプロバイダを用いるインターネットを介して)行うことができる。
以下、本発明の態様を、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び(又は)ブロック図を参照して説明する。フローチャート図及び(又は)ブロック図の各ブロック、及び、フローチャート図及び(又は)ブロック図におけるブロック(複数)の組合せは、コンピュータプログラム命令によって実現可能であることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサの、具体的には、マイクロプロセッサ又は中央処理装置(CPU)に与えて、マシンを構築し、コンピュータのプロセッサ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他の装置を介して実行される命令により、フローチャート及び(又は)ブロック図のブロック又はブロック(複数)内で指定された機能/動作を実現するための手段が生成されるようにすることができる。
これらのコンピュータプログラム命令も、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は特定のやり方で機能する他の装置に指示することができる、コンピュータで読取可能な媒体内に格納して、コンピュータで読取可能な媒体に格納されている命令により、フローチャート及び(又は)ブロック図のブロック又はブロック(複数)内で指定された機能/動作を実現する命令を含む製品が作り出されるようにすることができる。
コンピュータプログラム命令は、また、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他の装置にロードして、コンピュータ、他のプログラマブル装置又は他の装置上で一連の動作ステップを行わせ、コンピュータで実行される処理を作り出して、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令により、フローチャート及び(又は)ブロック図のブロック又はブロック(複数)内で指定される機能/動作を実行する処理が行われるようにすることができる。
図のフローチャート及びブロック図は、本発明の各種の実施形態に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の可能な実装におけるアーキテクチャ、機能性、及び動作を説明するものである。この点で、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、特定の論理機能(複数も可)を実行するための一つ又はそれ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又は、コードの一部分を代表することができる。なお、別の実装では、ブロック(複数)内に示された機能は、図に示された順序を越えて行われる場合があることにも注目すべきである。例えば、連続して示された2つのブロック(複数)は、事実、実質的に同時に実行することができ、あるいは、含まれている機能性により、ブロック(複数)を逆の順序で実行することができる場合もある。ブロック図及び(又は)フローチャート図の各ブロック、及び、ブロック図及び(又は)フローチャート図内のブロック(複数)の組合せは、特定の機能又は動作を行う専用のハードウェアベースのシステム、又は、専用のハードウェアとコンピュータ命令との組合せによって実現できることにも注目されよう。
本発明の目的は、従来技術における既知の欠点の少なくとも一つを軽減もしくは排除することである。一態様では、本発明は、少なくとも一つのトランスポンダーの一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能にアクセスを行うための方法に関わることができる。
一形態では、前記方法は、下記のステップを含むことができる。すなわち、前記トランスポンダーと時刻情報を決定するよう構成されているアクセス・モジュールとの間に通信リンクを確立するステップであって、好ましくは、前記時刻情報は現在の時刻の指示を含むステップと、前記トランスポンダーのメモリに格納されている権利情報であって、前記トランスポンダーのユーザーが、いつ、前記トランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有するかを決定するための一つ又はそれ以上のアクセス条件を含む前記権利情報を決定するステップと、前記アクセス・モジュールから時刻情報を受信するステップと、前記ユーザーが、前記アクセス条件の少なくとも一部及び前記時刻情報に基づいて、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを判定するステップと、を含むことができる。
したがって、この方法は、ユーザーが、権利情報、すなわち、ユーザーの権利に基づいて、トランスポンダーの機能にアクセスできるかどうかを判定するための簡単な方途を与えるものである。権利情報は、トランスポンダーの機能に対するアクセス条件を決定するライセンス情報の一部とすることができる。権利情報(ユーザーライセンス)は、権利情報に対する安全なモバイルデータ搬送波としても、また、トランスポンダー機能にアクセスして、これを活動状態にするためのアクセス・モジュール(「キー」)としても役立つアクセス・モジュールを用いて、トランスポンダーに与えることができる。
一形態では、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一つは、トランスポンダー識別子を含む信号を、前記トランスポンダーが前記受信器を通過する時点を判定するよう構成されている計時システムの受信器に送信するステップを含むことができる。したがって、トランスポンダーは、計時システムと通信するよう構成されているスポーツ計時トランスポンダーとして構成することができる。アクセス・モジュールは、トランスポンダーを活動状態にし、かつ(あるいは)、トランスポンダーを計時システムと通信できるようにするキーとして機能することができる。
アクセス・モジュールは、トランスポンダーと無線で通信するか、あるいは、有線データバス、好ましくは、CANバス等の作動信号データバスに基づいて、トランスポンダーと通信するよう構成することができる。すなわち、トランスポンダーは、アクセス・モジュールに着脱可能に接続して、車両から取り外すことなく、ユーザーのニーズに従って、これを構成することができる。アクセス・モジュールは、ユーザーがトランスポンダーを所有している間に、計時操作員が、異なるトランスポンダー機能を効率よく利用できるようになし得るものである。
一形態では、前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能にアクセスする権利を有しているかどうかを判定するステップは、トランスポンダー識別子を前記アクセス・モジュールに送信するステップと、前記アクセス・モジュールから暗号化された権利情報を受信するステップであって、前記権利情報は、前記トランスポンダー識別子の少なくとも一部に基づいて決定され、好ましくは、前記権利情報は、前記トランスポンダー機能の少なくとも一部を構成するためのファームウェアコードをさらに含むステップと、前記トランスポンダー内の暗号モジュールが、前記トランスポンダーのセキュアメモリに格納されている復号化キーに基づいて、前記暗号化された権利情報を復号化するステップと、前記復号化された権利情報を前記トランスポンダーの前記セキュアメモリに格納するステップと、をさらに含むことができる。したがって、暗号化された権利情報は、トランスポンダーのIDに基づいて、トランスポンダ内の暗号モジュールに送信することができる。すなわち、トランスポンダーの不正使用を排除することができるか、あるいは、少なくとも実質的に低減することができる。
一形態では、前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能にアクセスする権利を有しているかどうかを判定するステップは、前記ユーザーが、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能にアクセスする権利を有している場合、前記トランスポンダー内のマイクロコントローラが、前記権利情報に従って、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部を構成するステップをさらに含むことができる。トランスポンダーは、アクセス条件及び時刻情報(例えば現在の時刻)を用いて、特定のトランスポンダー機能へのアクセスが、許されるか否かを決定することができる。アクセスが許される場合は、トランスポンダーは、ユーザーが代価を払ったトランスポンダーのある構成を規定することができる権利情報に従って、機能を構成することができる。
一形態では、前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを判定するステップは、前記トランスポンダーが、前記アクセス・モジュールに時刻要求を送信するステップと、前記アクセス・モジュールから前記時刻情報を受信するステップであって、時刻情報は、前記アクセス・モジュール内のリアルタイム・クロックに基づいて、前記アクセス・モジュールによって決定されるステップと、をさらに含んでいる。一形態では、前記時刻要求は、前記トランスポンダーによって受信された前記時刻情報の認証のため、暗号化された認証値、好ましくは、暗号化されたノンスを含むことができる。
一形態では、前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを判定するステップは、前記暗号化された認証値を復号化するステップと、前記認証値を前記時刻情報と組み合わせることによって、サイン入りの時刻情報を決定するステップと、前記サイン入りの時刻情報を暗号化するステップと、前記暗号化されたサイン入りの時刻情報を前記トランスポンダーに送信するステップと、前記トランスポンダー内に格納されている前記認証値を前記サイン入りの時刻情報内の認証値とマッチングさせることによって、前記時刻情報を認証するステップと、をさらに含むことができる。したがって、時刻情報が、認証されたアクセス・モジュールに由来するものであるかどうかを判定するため、認証手続を用いることができる。すなわち、トランスポンダーの不正使用を排除することができるか、あるいは、少なくとも実質的に低減することができる。
一形態では、前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを判定するステップは、前記トランスポンダーの前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有していない場合は、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の前記少なくとも一部及び(又は)前記トランスポンダーに関連する一つ又はそれ以上のサービスへのアクセスを制限するステップをさらに含んでいる。この形態では、トランスポンダーは、ユーザーが、(例えば、ユーザーがそのライセンス料を支払わなかった、及び(又は)、ライセンスが期限切れとなったため)一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能にアクセスする権利を有していない、と判定される場合、トランスポンダー機能へのアクセスを制限する対策を取ることができる。
一形態では、前記アクセス・モジュールは、データバスを介して前記トランスポンダーに着脱可能に接続されるよう構成されているセキュアハードウェア装置として実現することができる。一形態では、アクセス・モジュールは、有線データバス、好ましくは、CANバス又はRS-422バス等の差動信号データバスを介してトランスポンダーと通信するよう構成することができる。差動データバスは、高雑音で過酷な環境に対して非常に頑丈であり、したがって、スポーツイベント中、トランスポンダーとアクセス・モジュールとの間で連続的なデータリンクを可能にするものである。ローカル・インターコネクト・ネットワーク(LIN)バス、イーサネット(登録商標)、ファイアワイア、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)等の他のタイプの有線データバス、又は、光データバスも用いることができる。
別の形態では、アクセス・モジュールは、無線インタフェース(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi又は近距離無線通信<NFC>プロトコル)を用いて、トランスポンダーと通信するよう構成することができる。
一形態では、着脱可能な接続体は、前記アクセス・モジュールを受け容れるためのソケットであって、前記ソケットは、前記データバスを介して前記トランスポンダーに電気的に接続され、かつ、前記ソケットは、前記データバスを介して前記トランスポンダーに前記セキュアハードウェア装置を電気的に接続するよう構成されているソケットを備えることができる。
一形態では、前記トランスポンダー及び前記アクセス・モジュールは、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)コントローラを備え、前記データバスは、CANバスとして構成されている。
一形態では、前記トランスポンダーとアクセス・モジュールとの間に通信リンクを確立するステップは、トランスポンダーCANコントローラが、アクセス・モジュールのCANコントローラからアナウンスCANメッセージを聴取するステップであって、前記アナウンスCANメッセージのCANIDフィールドは、前記アクセス・モジュールと関連するCAN IDを含み、かつ、前記アナウンスCANメッセージのペイロードフィールドは、アンサーCAN IDを含むステップと、前記トランスポンダーCANコントローラが、前記アクセス・モジュールCANコントローラからアナウンスCANメッセージを受信するステップと、前記トランスポンダーCANコントローラが、リクエスト・インフォCANメッセージを前記アクセス・モジュールに送信するステップであって、前記CANメッセージのCANIDフィールドは、前記アンサーCAN ID及び前記トランスポンダーの前記トランスポンダー識別子、好ましくは、トランスポンダーシリアル番号の少なくとも一部を含む前記リクエスト・インフォCANメッセージのペイロードを含むステップと、前記トランスポンダー識別子を用いて前記トランスポンダーと前記アクセス・モジュールとの間にデータ接続を確立するステップと、をさらに含むことができる。CANバスは、高雑音で過酷な環境に対して頑丈であり、かつ、高い信号速度を可能にする差動データバスとして実現することができる。CANバスに接続される装置(「ノード」と呼ばれる場合がある)は、CANプロトコルに基づいて互いに他と通信するよう構成することができる。CAN規格ISO-11898:2003は、バスに接続される全てのノードをリンクし、かつ、ノードが、CANメッセージに基づいて互いに他と対話することを可能にする通信ネットワークを規定するものである。ノード、例えば、CANベースのアクセス・モジュールは、いつでも、たとえネットワークが動作中(「ホットプラッギング」と呼ばれる場合がある)であっても、追加することができる。
一形態では、前記アクセス・モジュールは、ユーザー装置内のセキュア・モジュールとして、好ましくは、モバイルユーザー装置内のセキュアハードウェア又はソフトウェアモジュールとして、実現することができる。一形態では、前記トランスポンダーは、さらなる無線インタフェース、好ましくは、ラジオインタフェースを備えることができ、前記ユーザー装置は、さらなる無線インタフェースを介して、前記セキュア・モジュールと前記トランスポンダーとの間に無線通信リンクを確立するよう構成することができる。したがって、この形態では、アクセス・モジュールは、モバイル装置、例えば、スマートホン又は電子タブレット内に実現することができ、かつ、モバイル装置の無線インタフェースは、トランスポンダーとの接続を確立するのに用いることができる。すなわち、トランスポンダーは、アクセスするのが難しい車両の部域内に取り付けられた場合でもアクセスすることができる。
一形態では、前記一つ又はそれ以上のアクセス条件は、前記トランスポンダー機能の少なくとも一部へのアクセスが、いつ期限切れとなるかを決定するための満期情報を含むことができる。別の形態では、前記一つ又はそれ以上のアクセス条件は、前記トランスポンダー機能の少なくとも一部が、どこの場所又は場所(複数)でアクセス可能であるかを決定するための場所情報を含むことができる。また別の形態では、前記一つ又はそれ以上のアクセス条件は、どんなトランスポンダーの使用に対して、前記トランスポンダー機能の少なくとも一部が、アクセスできるのかを決定するための一つ又はそれ以上の使用条件を含むことができる。一形態では、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能は、一つ又はそれ以上の(無線)インタフェース機能、GPS機能、データロギング機能、一つ又はそれ以上のCAN機能、電源機能、及び(又は)、トランスポンダーの地理的な場所に左右される一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能のうちの少なくとも一つを含んでいる。
したがって、アクセス条件は、時刻及び(又は)場所に依存することができる。例えば、トランスポンダー又はアクセス・モジュールにおけるGPSモジュールは、ユーザーが、ある地理的な場所で、ある機能を、例えばあるイベントで、データロギング機能を利用できるかどうかをチェックするのに用いることができる場所情報を生成することができる。
さらなる態様では、本発明は、アクセス・モジュールと通信するよう構成されているトランスポンダーであって、前記アクセス・モジュールは、権利情報及び時刻情報を含み、前記トランスポンダーは、一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールであって、前記トランスポンダー機能モジュールの少なくとも一つは、トランスポンダー識別子を含む信号をスポーツ計時システムの受信器に送信して、前記トランスポンダーが前記受信器を通過する時点を判定するよう構成されている一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールと、前記アクセス・モジュールとの通信リンクを確立するためのインタフェースと、前記トランスポンダーのユーザーが、いつ、前記トランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有するかを決定するための一つ又はそれ以上のアクセス条件を含む権利情報を格納するためのセキュアメモリと、コンピュータで読取可能な記憶媒体であって、それによって収録されたコンピュータで読取可能なプログラムコードを有するコンピュータで読取可能な記憶媒体と、コンピュータで読取可能な記憶媒体に結合されていて、コンピュータで読取可能なプログラムコードの実行に応答するマイクロプロセッサとを備え、前記マイクロプロセッサが、前記アクセス・モジュールとの通信リンクを確立するステップと、前記アクセス・モジュールから時刻情報を受信するステップであって、好ましくは、前記時刻情報は、現在の時刻の指示を含むステップと、前記ユーザーが、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを前記アクセス条件及び前記時刻情報の少なくとも一部に基づいて判定するステップと、を含む実行可能な動作を行うよう構成されているトランスポンダーに関わることができる。
別の態様では、本発明は、トランスポンダーと通信するよう構成されているアクセス・モジュールであって、前記トランスポンダーは、一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールを備えており、前記トランスポンダー機能モジュールの少なくとも一つは、トランスポンダー識別子を含む信号を、前記トランスポンダーが前記受信器を通過する時点を判定するよう構成されているスポーツ計時システムの受信器に送信するよう構成されているアクセス・モジュールにおいて、前記アクセス・モジュールは、前記トランスポンダーとの通信リンクを確立するためのインタフェースと、前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールの少なくとも一部にアクセスするための一つ又はそれ以上のアクセス条件を含む権利情報を格納するためのセキュアメモリと、計時情報を判定するための手段であって、好ましくは、前記計時情報は、現在の時刻の指示を含む手段と、コンピュータで読取可能な記憶媒体であって、それによって収録されたコンピュータで読取可能なプログラムコードを有するコンピュータで読取可能な記憶媒体と、コンピュータで読取可能な記憶媒体に結合されていて、コンピュータで読取可能なプログラムコードの実行に応答するマイクロプロセッサとを備え、前記マイクロプロセッサが、前記トランスポンダーとの通信リンクを確立するステップと、時刻情報を生成するステップと、前記通信リンクを介して前記時刻情報を前記トランスポンダーに送信して、ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールの少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを、前記トランスポンダーのメモリに格納されている権利情報及び前記時刻情報に基づいて、前記トランスポンダーが判定できるようにするステップと、を含む実行可能な動作を行うよう構成されているアクセス・モジュールに関わることができる。
さらなる態様では、本発明は、上記のアクセス・モジュールを受信するよう構成されているソケットであって、前記ソケットは、一つ又はそれ以上のトランスポンダーに接続されているCANバスと電気的に接触し、かつ、前記ソケットは、アクセス・モジュールを前記ソケット内に着脱可能に位置決めして、アクセス・モジュールが前記ソケット内に位置決めされたとき、アクセス・モジュールが、CANバスと電気的な接触状態となるよう構成されているソケットに関わることができる。ソケットの使用は、アクセスするのが比較的難しい個所、例えば、車両のホイールウェル及び(又は)ベースプレートにトランスポンダーが取り付けられた場合でも、トランスポンダーへのアクセスを可能にする。すなわち、アクセスモジュール(「キー」)用のソケットは、ドライバーが容易にアクセス可能な個所(例えば、車両のダッシュボード)に取り付けることができ、一方、トランスポンダーは、トランスポンダーから計時システムの基地局への良好な信号転送、及び、その逆の良好な信号転送が保証される個所に取り付けられる。
さらなる態様では、本発明は、車両内で使用するためのトランスポンダー・システムであって、前記トランスポンダー・システムは、トランスポンダーと、データバス、好ましくは、CANバスを介して、前記トランスポンダーに通信可能に接続されるアクセスキーと、前記アクセスキーを受け容れ、かつ、アクセスキーを着脱可能に位置決めするよう構成されているソケットであって、アクセスキーが、前記ソケット内に位置決めされたとき、前記データバスを介してアクセスキーが前記トランスポンダーに電気的に接続されるソケットと、を備え、前記アクセスキーは、前記トランスポンダーを活動状態にし、かつ(あるいは)、トランスポンダーを、ライセンス情報及び(又は)ファームウェアの更新に基づいて形成するよう構成されているトランスポンダー・システムに関わることができる。
本発明はまた、コンピュータのメモリ内で動作させたとき、上記の方法のうちのいずれか一つを実行するよう構成されているソフトウェア・コード部分を含むコンピュータプログラム製品に関わることができる。
以下、本発明は、添付の図面を参照して、さらに説明し、それにより、本発明に係る実施形態を概略的に示す。本発明は、これらの特定の実施形態には、いかなる点からも制限されないことが理解されよう。
本発明の一実施形態に係るスポーツ計時システムを概略的に示す。 本発明の一実施形態に係るトランスポンダー・システムの一部を概略的に示す。 本発明の一実施形態に係るトランスポンダー・システムの一部を概略的に示す。 本発明の一実施形態に係るスポーツ計時トランスポンダーのトランスポンダー機能にアクセスを行うための処理のフロー図を示す。 本発明の別の実施形態に係るトランスポンダー・システムを示す。 本発明のさらに別の実施形態に係るトランスポンダー・システムを示す。 本発明の一実施形態に係るスポーツタ計時トランスポンダーのトランスポンダー機能に、CANバスを介してアクセスを行うための処理の一部のフロー図を示す。 本発明の一実施形態に係るスポーツ計時トランスポンダーのトランスポンダー機能に、CANバスを介してアクセスを行うための処理の一部のフロー図を示す。 本発明の一実施形態に係るCANメッセージのデータフォーマットの概略を示す。 本発明の一実施形態に係るアクセス・モジュール及びアクセス・モジュールをCANバスに着脱可能に接続するためのソケットを示す。 本発明におけるシステム及び方法に用いることができる例示的なデータ処理システムを示すブロック図を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係るスポーツ計時システムを概略的に示す。具体的には、図1は、スポーツイベントへの参加者によって使用されるスポーツ計時トランスポンダー102を備えるスポーツ計時システムであって、少なくとも一つのトランスポンダーが、車両(図示せず)内又はその上に取り付けられ、かつ、基地局110がレーストラックに沿って設置されるスポーツ計時システムを示す。トランスポンダーは、とりわけトランスポンダー識別子を含むトランスポンダー信号108を基地局110に送信するための無線インタフェース106を備えることができ、基地局は、トランスポンダー信号を受信するための受信器113を備えることができる。
一実施形態では、基地局は、レーストラック内に埋設された、又は、その上に配置された誘導性アンテナ112、例えば、誘導性ループに接続することができる。ループは、データ通信に対して、約数メートル幅のエリアを規定することができる。特に、車両が、高速でループを横切る場合は、これは、データの送信のための非常に短い時間窓(約20〜40ms)となる。トランスポンダーと基地局との間でデータ通信を成し遂げるためには、既知の変調構成(周波数、位相シフトキーイング及び(又は)振幅変調)を用いることができる。
基地局は、ある大きさの搬送周波数信号を送信することができる。トランスポンダーがアンテナの近傍にある場合には、トランスポンダーは、基地局信号を受信することになり、それへの応答として、搬送波信号を変調することにより、情報、例えば、時刻印を押されたトランスポンダーIDを、基地局に送信開始することができる。変調周波数の周波数は、0.4と6GHzの間の範囲から選択され、好ましくは、0.4と1.0GHzの間の範囲で、例えば433.868乃至915MHzの範囲で選択することができる。
トランスポンダーは、搬送周波数信号を受信することなしにメッセージを送信するように構成することもできる。その場合には、トランスポンダーは、3と7MHzの間でメッセージを送信することができる。
別法として、及び(又は)、付加的に、一実施形態では、基地局は、レーストラックに沿って、及び(又は)、その上に位置付けされている一つ又はそれ以上のRFアンテナ109に接続することができる。一つ又はそれ以上のRFアンテナは、基地局(100〜200メートル幅)とトランスポンダーとの間でWLANタイプのデータ通信を行うための比較的大きな面積のRFエリアを生ずるよう構成することができる。大きなRFエリアは、基地局とトランスポンダーとの間のデータ通信のための比較的大きな時間窓とすることができる。したがって、トランスポンダーは、誘導性アンテナ及びRFアンテナの両方を介して、基地局と通信するよう構成することができる。
トランスポンダーを備える車両が基地局に近づくと、アンテナ(誘導性ループ及び(又は)RFアンテナ)はトランスポンダー信号を受信することができ、かつ、受信器がそれを検出できる。受信器内のデコーダは、トランスポンダー信号を復号化し、かつ、それにタイムスタンプを押し、その後、トランスポンダー信号は、一つ又はそれ以上のネットワーク114を介して、データ処理システム116に送信され、イベントに参加している車両と関連する計時情報が決定される。すなわち、データ処理システムは、レーストラックに沿ってアンテナを通過する全ての車両からトランスポンダーデータを受信することができ、その結果、全車両の正確な計時情報を得ることができ、かつ、当該時刻情報をユーザーに提供することができる。
図1に示すように、トランスポンダーは、さらに、マイクロプロセッサ118、データを格納するためのメモリ120、電源121(例えば、再充電可能なバッテリー及び(又は)外部電源接続用の電源インタフェース)及び一つ又はそれ以上の機能性トランスポンダー・モジュール122〜126を備えることができる。例えば、一実施形態では、トランスポンダーは、外部RFノードを有する無線周波数(RF)モジュール122(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi又はWLAN接続体)を備えることができる。
別の実施形態では、トランスポンダーは、バス・インタフェース・モジュール124を備えることができる。一実施形態では、バス・インタフェースは、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)バス等の過酷な電磁環境に耐えられるバス・インタフェースとすることができる。このCANインタフェースを用いて、車両のモーター管理システム(図示せず)と通信リンクを確立することができる。すなわち、トランスポンダーは、車両情報を受信して、これを、トランスポンダー内の、例えば、データ・ロギング・モジュール126に格納することができる。
別の実施形態では、機能性モジュールは、ある時点における車両の場所を判定するためのGPSモジュール及び(又は)基地局とトランスポンダーとの間の双方向データ通信を含むことができる。その場合には、トラックに沿った基地局の少なくとも一部は、アンテナに接続される受信器及び送信器の両方を備えることができる。
以下でより詳しく説明するように、トランスポンダーは、適当な有線又は無線インタフェース130を介してトランスポンダーに接続されるよう構成されている外部アクセス・モジュール104に基づいて構成することができ、かつ(あるいは)、活動状態にすることができる。具体的には、トランスポンダーは、アクセス・モジュール内に格納されているライセンス情報をトランスポンダーに送信することによって、構成することができ、かつ(あるいは)、活動状態にすることができ、トランスポンダーは、次いで、ライセンス情報を用いることができ、かつ、トランスポンダー機能を適宜に構成することができる。
一実施形態では、アクセス・モジュールは、有線データバス、好ましくは、CANバス又はRS-422バス等の差動信号データバスを介してトランスポンダーと通信するよう構成することができる。差動データバスは、高雑音で過酷な環境に対して非常に頑丈であり、したがって、スポーツイベント中、トランスポンダーとアクセス・モジュールとの間で連続的なデータリンクを可能にするものである。
例えば、トランスポンダーは、ホイールウェル内に取り付け、かつ、車両の便利でアクセス可能な一部、例えば、車両のダッシュボード上に設置することができる取付けアセンブリ(ソケット)に、CANバスを介して接続することができる。アクセス・モジュールは、アクセス・モジュールのCANインタフェースがCANバスと電気的な接触を為すよう、ソケット内に着脱可能に取り付けることができる。ローカル・インターコネクト・ネットワーク(LIN)バス、イーサネット(登録商標)、ファイアワイア、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)等の他のタイプの有線データバス、又は、光データバスも用いることができる。
別の実施形態では、アクセス・モジュールは、適当な無線インタフェース(例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi又は近距離無線通信(NFC)プロトコル)を用いて、トランスポンダーと通信するよう構成することができる。
アクセス・モジュールは、一つ又はそれ以上の一意のトランスポンダー識別子132を含むことができ、トランスポンダー識別子は、アクセス・モジュールのハードウェアレジスタ内に安全に格納することができる。アクセス・モジュールは、さらに、マイクロコントローラ134、セキュア・モジュール136及びメモリ138を備えることができる。ここで、セキュア・モジュールは、タンパーフリー・ハードウェア及び(又は)ソフトウェアモジュールとして構成することができる。セキュア・モジュールは、トランスポンダーとの通信中に用いられる機密情報を格納するよう構成することができる。以下でより詳しく説明するように、ユーザーが、トランスポンダー内の或る機能性モジュールにアクセスする(それを用いる)及び(又は)それを構成する権利を有しているかどうかを判定する処理は、タンパーフリー・リアルタイム・クロック140の時刻情報及び(又は)ライセンス情報142のトランスポンダーへの送信を含むことができる。
好ましくは、ライセンス情報142は、アクセス・モジュールのメモリ内に暗号化された形態で格納することができる。トランスポンダー内のセキュア・モジュール146は、暗号化されたライセンス情報を復号化し、かつ、ライセンス情報をクリアテキストでセキュアメモリ150に格納するよう構成することができる。ライセンス情報(これは権利情報とも呼ばれる)は、トランスポンダーのマイクロプロセッサが、これを用いて、ユーザーがどのトランスポンダー機能にアクセスすることができるかを判定することができるものである。具体的には、ライセンス情報は、アクセス条件を含むことができ、アクセス条件は、時刻、トランスポンダーの場所、及び(又は)、トランスポンダーの使用に依存することができる。ライセンス情報及びアクセス条件は、以下でより詳しく説明する。
したがって、図1に示すようなトランスポンダー・システムは、ライセンス、すなわち、或るトランスポンダー機能に対して条件付きのアクセスができるユーザー権利に基づいた一つ又はそれ以上のスポーツ計時トランスポンダーの簡単でフレクシブルな構成を可能にするものである。ライセンス情報は、アクセス・モジュールを用いて、トランスポンダーに付与することができ、アクセス・モジュールは、ライセンス情報及びソフトウェア更新のための安全なモバイルデータ搬送波としても、トランスポンダー機能へのアクセスのためのアクセス・モジュール(キー)としても役立ち得るものである。アクセス・モジュールは、トランスポンダーと無線通信するか、あるいは、データバス、好ましくは、CANバス等の差動信号データバスを介してトランスポンダーと通信するよう構成することができる。すなわち、トランスポンダーは、アクセス・モジュールに着脱可能に接続して、トランスポンダーを車両から取り外すことなく、ユーザーのニーズに従って、これを構成することができる。アクセス・モジュールは、ユーザーがトランスポンダーを所有している間に、計時操作員が、異なるトランスポンダー機能を効率よく利用できるようになし得るものである。
図2A及び図2Bは、本発明の一実施形態に係るトランスポンダー・システムの一部を概略的に示す。具体的には、図2Aは、トランスポンダー・システムのより詳細な例を示し、トランスポンダー202は、ライセンシング情報に基づいて構成することができる複数の機能性モジュール206,222,224,226,228,229を備えることができる。トランスポンダー202は、レーシングトラックに沿った基地局との通信のための(標準)無線インタフェースモジュール206に接続されるマイクロプロセッサ218と、トランスポンダーと、レーストラックに沿って(例えば、フィニッシュエリアに)配置されるWLANとの間での迅速な高速データリンクとなる無線周波数(RF)インタフェースモジュール222と、トランスポンダーによって用いることができる場所情報を生成するためのGPSモジュール224と、データ・ロギング・モジュール226と、そしてCANコントローラモジュール228とを備えることができる。
CANコントローラモジュールは、トランスポンダーを車両のCANバスに接続して、トランスポンダーが、車両のモーター管理システム及び(又は)CANバスに接続されている他のセンサーモジュールと通信できるようにすることを可能にするものである。トランスポンダーは、さらに、電源モジュール229(例えば、再充電可能なバッテリー及び(又は)外部電源接続用の電源インタフェース)を備えて、トランスポンダー202内の機能性モジュールへの電力供給を制御することができる。
トランスポンダーの機能性モジュールのアクセス及び構成は、トランスポンダーのセキュア・モジュール246内に格納されているライセンス情報によって制御することができる。トランスポンダーのマイクロプロセッサは、セキュア・モジュール内のライセンス情報(権利情報とも呼ばれる)を用いて、ユーザーが、どの機能性モジュールに、どんな条件でアクセスできるかを決定することができる。これらの条件は、アクセス条件と呼ぶことができ、それらは、図2Bを参照してより詳細に説明する。
アクセス・モジュール204は、適当なインタフェース、例えば、CANバス又はBluetooth(登録商標)リンクを用いて、トランスポンダーに着脱可能に接続することができる。接続を確立する場合には、認証手続を用いて、トランスポンダーに対しアクセス・モジュールを認証することができ、また、その逆を行うことができる。トランスポンダーをアクセス・モジュールに対して認定するための認証手続の際には、トランスポンダー識別子256、例えば、一意のトランスポンダー(シリアル)番号を用いることができる。トランスポンダーのタンパーフリー・レジスタ内に格納することができるトランスポンダー識別子は、アクセス・モジュール内に格納されている一つ又はそれ以上のトランスポンダー識別子232とマッチングさせることができる。
トランスポンダーとアクセス・モジュールとの間の接続が、うまく確立された場合には、トランスポンダーのマイクロプロセッサをトリガして、現在の時刻についての指示を有する時刻情報に基づき、ユーザーがどの機能にアクセスできるのか、判定することができる。一実施形態では、アクセス・モジュールは、アクセス・モジュールのセキュア・モジュール236内に実現されているリアルタイム・クロック240に基づいて、時刻情報を決定することができる。アクセス・モジュールのセキュア・モジュールは、トランスポンダー内のセキュア・モジュールに時刻情報を暗号化された形態で送信するための暗号モジュール238を備えて、トランスポンダー機能及び(又は)ライセンス・キーの不正使用が防止できるようにすることができる。そのため、第1の暗号システムを用いて、暗号化された時刻情報をトランスポンダーに送信することができる。第1の暗号システムは、トランスポンダーとアクセス・モジュールとの間で交換されるデータを暗号化及び復号化して、時刻情報をトランスポンダーに安全に送信するための暗号化及び復号化アルゴリズム及び少なくとも一つのキーを備えることができる。計時情報を暗号化された形態でトランスポンダーに送信するためには、(拡張及び(又は)補正された)小さな暗号化アルゴリズム(TEA)又はRC4又はそのバリアント等の既知の「光」暗号システムを用いることができる。
アクセス・モジュールは、暗号化されたライセンス情報242及び(又は)暗号化されたソフトウェア・コード244(例えば、ファームウェア・アップデート及び(又は)パッチ)を含むメモリを備えることができ、ライセンス情報及び(又は)ソフトウェア・コードは、第2の暗号システムに基づいて暗号化される。
以下でより詳しく説明するように、アクセス・モジュールは、ライセンス情報及び(又は)ソフトウェアを暗号化された形態で格納するための、また、トランスポンダー機能にアクセスを行うための安全なモバイルデータ搬送波として用いることができる。計時情報とは対照的に、アクセス・モジュールは、アクセス・モジュール内に格納されているライセンス情報及び(又は)ソフトウェアを復号化するのに用いることができる第2の暗号システムの構成部分、例えば、キー情報(復号化キー)、を含んでいない。したがって、第2の暗号システムは、AdvanceEncryption Standard(AES)又はその変形等のより拡張された暗号化構成に基づいて実現することができる。
一実施形態では、第2の暗号システムは、非対称の暗号システム、例えば、プライベート・パブリック暗号システムとして実現することができ、ライセンス情報及び(又は)ソフトウェア・コードは、パブリック・キーを用いて暗号化することができ、また、アクセス・モジュールのセキュア・モジュール内に格納されている異なる(シークレット)プライベート・キーを用いて、復号化することができる。別法として、第2の暗号システムは、対称暗号システムとして実現することができ、暗号化キーは、復号化キーと同一である。
一実施形態では、アクセス・モジュールは、ライセンス及びソフトウェア・コードのバージョン情報(これは、バージョン番号及び(又は)タイムスタンプを含むことができる)をトランスポンダーに送信して、トランスポンダーが、バージョン情報をトランスポンダーのセキュア・モジュール内に格納されているライセンス及び(又は)ソフトウェア・コード・バージョンと比較することができるようにすることができる。別法として、アクセス・モジュールは、トランスポンダーにインストールされているライセンス及びソフトウェア・コードのバージョン情報を受信して、アクセス・モジュールが比較を行えるようにすることができる。トランスポンダー又はアクセス・モジュールによって、新しいライセンス情報及び(又は)ソフトウェア・コードがトランスポンダーに利用できると判定された場合には、新しいバージョン(複数も可)は、復号化のため、トランスポンダーのセキュア・モジュール246に送信されることができる。
トランスポンダーのセキュア・モジュール内の暗号モジュール248は、第2の暗号システム(すなわち、暗号化及び復号化アルゴリズム及びキー情報)を用いて、ライセンス情報及び(又は)ソフトウェア・コードを復号化することができ、また、第1の暗号システムを用いて、データを復号化し、かつ、暗号化し、暗号化された時刻情報をトランスポンダーからライセンス・キーに送信することができる。
例えば、暗号化されたライセンス情報及び(又は)ソフトウェア・コードが、アクセス・モジュールによって、トランスポンダーに送信される場合は、暗号モジュールは、第2の暗号システムの少なくとも一つの復号化キーを用いて、暗号化されたライセンス情報及びソフトウェア・コードを復号化することができる。復号化キー及び復号化された(クリアテキスト)ライセンス情報250及び(又は)ソフトウェア・コード252は、セキュア・モジュールのタンパーフリー・メモリ内に格納することができる。
上述したように、トランスポンダーは、アクセス・モジュール内のリアルタイム・クロックに由来する時刻情報を用いて、或るトランスポンダー機能の使用についての一時的なアクセス条件が、満足されているかいないかをチェックすることができる。いくつかの実施形態では、ライセンス情報内のいわゆる満期情報(すなわち、どの時点までライセンスが有効であるかを決定する情報)は、トランスポンダーのセキュア・モジュール内のタイマー254の期間を決定するのに用いることができる。タイマーは、ライセンスが有効である期間をモニターするのに用いることができる。例えば、一実施形態では、タイマーは、カウンターとして実現することができ、タイマーが、予め決められた値(例えば、ゼロ)に達した時、ライセンス(の一部)を終了させることができる。マイクロプロセッサは、中央データ処理システムが処理できるトランスポンダー・メッセージ108にタイマー情報を挿入して、スポーツイベントへの参加者のライセンス(の一部)の有効性が適時にモニターできるようにすることができる。
一実施形態では、タイマー情報は、トランスポンダー・メッセージに継続的に挿入される。別法として及び(又は)付加的に、一実施形態では、タイマー情報は、タイマーが、期間の終わりに達した時、トランスポンダー・メッセージに挿入することができる。その場合、ライセンス期間の終端は、トランスポンダー・メッセージ内のフラグ又はコードに基づいて、中央データ処理システムに知らせることができる。
図2Bは、本発明の各種の実施形態に係るトランスポンダー・システムによって使用されるライセンスのデータモデル270の一例を示す。ライセンス情報は、一つ又はそれ以上のトランスポンダー識別子272及びどのトランスポンダーにライセンスが適用されるのかを示す一つ又はそれ以上のトランスポンダー・タイプ274を含むことができる。さらに、ライセンスは、トランスポンダーの時刻、場所又は使用に依存することができるアクセス条件276,284,290の異なるセットを含むことができる。
一実施形態では、ライセンスは、一時的なアクセス条件276を含むことができる。これらの条件は、特定のトランスポンダー機能及び満期情報277にリンクさせることができ、満期情報は、トランスポンダー機能へのユーザーによるアクセスが許される限界の時点を決定する。満期情報は、特定のトランスポンダー機能へのアクセスが、終了するか、あるいは、ある基本的な機能性に制限されることになる日付を含むことができる。図2Bの例では、基本的なトランスポンダー機能282は、2016年12月31日までライセンスが与えられており、また、RFリンク機能278及びデータロギング機能280は、2014年12月31日までライセンスが与えられている。
別の実施形態では、ライセンスは、場所の(又は地理的な)アクセス条件284を含むことができる。その場合、トランスポンダー機能のうちの或るものについてのライセンスは、地理的情報283に規定されたエリアに限定される。例えば、図2Bでは、RFリンク機能及びデータロギング機能は、それぞれ、オランダ及びフランス内の或るエリアに限定されている。ライセンスにおける地理的なエリアは、座標によって規定することができ、これは、トランスポンダー内のGPSモジュールによって生成される場所情報に対比することができる。トランスポンダー機能は、場所情報が、エリア内である場合に用いることができる。
また別の実施形態では、ライセンスは、使用アクセス条件290を含むことができる。これらの条件は、アクセスをトランスポンダーのある使用に規定することができる。実施形態によっては、(バイナリ)フラグ291の予め決められた値を用いて、トランスポンダーのある使用が必要とされているかどうかを示すことができる。例えば、図2Bの例では、第1の使用アクセス条件292のフラグ「キー接触が必要」は、「真」に設定されており、この設定では、トランスポンダー機能へのアクセスは、トランスポンダーが、アクセス・モジュールと接触しているときのみ可能である。したがって、このモードでは、アクセス・モジュールは、トランスポンダー機能へのアクセスを「アンロック」するキーとして用いることができる。
さらに、第2の使用アクセス条件294のフラグ「外部電源」は、「真」にセットされており、この設定では、トランスポンダー、具体的には、トランスポンダーの電源(バッテリー)を、外部ソースに接続する必要がある。第3の使用アクセス条件296「ISM]は、或るISMバンドに設定することができ、トランスポンダーの無線(RF)リンクは、2.4GHzのISMバンドを用いることを示している。第4の使用アクセス条件298のフラグ「CANコントローラアクセス」は、トランスポンダーが、CANバスを介して外部装置に接続できることを示すことができる。多くのトランスポンダー機能、サービス及び使用が、ライセンス情報に基づいて制御可能であること、また、図2Bは、限定されない例を示しているに過ぎないことに注目されたい。
図3は、本発明の一実施形態に係るスポーツ計時トランスポンダーのトランスポンダー機能へのアクセスを行うための処理のフロー図を示す。先ず、アクセス・モジュールとトランスポンダーとの間に、接続を確立することができる。その後、アクセス・モジュールは、一つ又はそれ以上のアナウンス・メッセージをトランスポンダーに送信することができ(ステップ300)、アナウンス・メッセージは、トランスポンダーが、アクセス・モジュールとのデータ接続を要求できることを示している。
トランスポンダーは、アナウンス・メッセージに応答して、アクセス・モジュールに時刻情報を要求し、ライセンスがまだ有効かどうかをチェックすることができる。アクセス・モジュールの誤用を回避するため、アクセス・モジュールとトランスポンダーとの間に安全な接続を確立することができ、データは、図2Aを参照して説明した第1の暗号システムを用いて、暗号化される。そのため、トランスポンダー内のセキュア・モジュールは、トランスポンダーの暗号モジュール内の擬似ランダム・ジェネレータによって生成できる認証キーAUTH、好ましくは、暗号ナンスを生成することができる。トランスポンダーは、認証キーを格納し、かつ、暗号化アルゴリズム及び少なくとも一つの暗号化キーk1を用いて、認証キーを暗号化することができ(ステップ302)、次いでそれは、アクセス・モジュールに、リクエスト・タイム・メッセージで、送信される(ステップ304)。リクエスト・タイム・メッセージは、さらにトランスポンダーIDを含むことができる。
アクセス・モジュール内のセキュア・モジュールは、第1の暗号システムの復号化アルゴリズム及び復号化キーを用いて、認証キーを復号化することができる(ステップ306)。その後、アクセス・モジュールは、レスポンス・タイム・メッセージ内のトランスポンダーIDを、アクセス・モジュールのメモリに格納されているトランスポンダーIDでチェックすることができる。両方のトランスポンダーIDが一致する場合は、アクセス・モジュールは、トランスポンダーに対して使用可能である、と決定することができる。その場合、現在の時刻は、リアルタイム・クロックに基づいて決定し、かつ、認証キーと組合せることができる。時刻と認証キーは、トランスポンダーによって既知である予め決められた機能に基づいて組み合わせることができる。時刻と認証キーは、第1の暗号システムの暗号化アルゴリズム及び暗号化キーを用いて、暗号化することができる(ステップ308)。暗号化された情報は、トランスポンダーのセキュア・モジュールに、レスポンス・タイム・メッセージで送信することができ(ステップ310)、セキュア・モジュールは、時刻と認証キーを復号化し、かつ、セキュア・モジュールのメモリに格納されている認証キーを復号化された認証キーと比較することができる(ステップ312)。
格納されている認証キーが、アクセス・モジュールから受信された認証キーに一致する場合は、トランスポンダーは、レスポンス・タイム・メッセージは正しいアクセス・モジュールに由来する、と判断することができる。その場合、トランスポンダーは、レスポンス・タイム・メッセージ内の現在の時刻を用いて、トランスポンダーのセキュア・モジュール内に格納されているライセンスを見直すことができる。具体的には、トランスポンダーは、現在の時刻を用いて、ライセンス情報内の一時的なアクセス条件が満たされているかどうかチェックすることができる(ステップ314)。一実施形態では、トランスポンダーが、アクセス・モジュールに肯定応答メッセージを送信して、アクセス・モジュールに、トランスポンダー内の現行のライセンスが、有効、部分的に有効又は無効であることを知らせることができる(ステップ316)。
ライセンスの見直しの結果に応答して、トランスポンダー及び(又は)アクセス・モジュールは、或る対策を開始することができる。例えば、ライセンスが有効である場合は、トランスポンダー機能へのアクセスは、ライセンス情報で規定されたように行うことができる(ステップ318)。ライセンス又はその一部が有効でない場合は、トランスポンダー機能へのアクセスができないか、あるいは、限定されたアクセスしか行うことができない(ステップ320)。さらに、或る実施形態では、ライセンスが、有効でない場合でも、基本的なトランスポンダー機能へのアクセスは、行うことができ、基地局に送信されるトランスポンダー・メッセージは、中央データ処理サーバの基地局が検出できる満期通知を含むことができる。
図4は、本発明の別の実施形態に係るトランスポンダー・システムを示す。図4におけるシステムは、トランスポンダー402及びアクセス・モジュール406を含むユーザー装置404(例えば、モバイルホン、電子テーブル、ラップトップ、パーソナルコンピュータ等)を備えることができる。アクセス・モジュールは、ユーザー装置において、各種のやり方で実現することができる。一実施形態では、アクセス・モジュールは、例えば、スマートカード又はセキュアディジタル(SD)カードのようなセキュアカードとして実現することができ、セキュアカードは、モバイルユーザー装置のマイクロプロセッサ410に、インタフェース408を介して、電気的に接続することができる。
別法として、別の実施形態では、アクセス・モジュールは、セキュア・ソフトウェアモジュールとして構成することができ、ホワイトボックス暗号方式及び(又は)コード難読化技術などの既知の技術を用いて、キー情報及び暗号化及び復号化アルゴリズムを保護することができる。
ユーザー装置には、トランスポンダー・クライアント・アプリケーション412を設置することができ、クライアント・アプリケーションは、(グラフィカル)ユーザーインタフェース414をレンダリングして、ユーザー装置422の無線インタフェース416を制御し、アクセス・モジュールとトランスポンダーとの間及びアクセス・モジュールとサーバー418上でホストされるトランスポンダー・サーバー・アプリケーションとの間の通信を管理することができる。トランスポンダー・サーバー・アプリケーションは、アクセス・モジュールのユーザーにユーザーアカウント420へのアクセスを与えることができる。
トランスポンダー及びアクセス・モジュールは、図1及び図2を参照して説明したのと同様なやり方で構成することができる。具体的には、トランスポンダーは、マイクロプロセッサ422、トランスポンダー・メッセージを基地局に送信するための無線インタフェース424、メモリ426、電源427(例えば、再充電可能なバッテリー及び(又は)外部電源接続用の電源インタフェース)、さらには、キー情報430と、暗号化されたライセンス情報432、暗号化されたソフトウェア・コード434及びタイマー435を含むセキュア・モジュール428とを備えることができる。メモリあるいはトランスポンダーの専用レジスタのメモリには、トランスポンダー識別子436を格納することができる。さらに、トランスポンダーは、ユーザー装置との通信リンクを確立するためのインタフェース438を備えることができる。
同様に、アクセス・モジュールは、マイクロプロセッサ440と、キー情報444及びリアルタイム・クロック446を含むセキュア・モジュール442と、暗号化されたライセンス情報450及び(又は)ソフトウェア・コード452(例えばファームウェア)を含むメモリ448と、一つ又はそれ以上のトランスポンダー識別子454とを備えることができる。
この特定の実施形態では、ユーザーは、トランスポンダー・クライアント・アプリケーションに命令して、サーバーアプリケーションに接続させ、ユーザーアカウント420にアクセスして、特定のトランスポンダー識別子460と関連する新しいライセンス情報456及び(又は)ソフトウェア・アップデート458が利用可能かどうかを尋ねさせる。この場合には、サーバーアプリケーションは、キー情報430を用いて、第2の暗号システムの暗号化アルゴリズムに基づき、ライセンス情報及び(又は)ソフトウェアの更新を暗号化し、次いで、それを、一つ又はそれ以上のネットワーク464及びユーザー装置を介して、セキュア・モジュール428に送信することができる。ここで、トランスポンダー・クライアント・アプリケーションとトランスポンダー・サーバー・アプリケーションとの間の通信は、セキュアリンク、例えば、HTTP/SSLリンクに基づいて、確立することができる。したがって、トランスポンダーに接続する前に、ユーザーは、ユーザーアカウントを介して、アクセス・モジュールを最新のライセンス情報又はソフトウェア・アップデートで更新することができる。別法として及び(又は)付加的に、ユーザーは、新しいライセンスを購入し、あるいは、そのユーザーアカウントを介して、ライセンスをアップグレードし、例えば図2A及び図2Bを参照して詳細に説明した所望のトランスポンダー機能にアクセスすることができる。
アクセス・モジュールにおけるライセンス情報及びソフトウェアの更新後は、アクセス・モジュールとトランスポンダーとの間の接続は、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi又は近距離無線通信(NFC)プロトコル等の、トランスポンダーとユーザー装置との間の適当な無線接続に基づいて、確立することができ、また、スポーツ計時トランスポンダーのトランスポンダー機能へのアクセスは、ライセンス及び時刻情報に基づき、図3の処理を参照して説明したのと同様なやり方で、管理することができる。
図5は、本発明のさらなる実施形態に係るCANベースのトランスポンダー・システムを示す。この特定の実施形態では、システムは、CANインタフェース506,508を介して、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)バス510に接続されるトランスポンダー502及びアクセス・モジュール504を備えることができる。一実施形態では、CANバスは、一つ又はそれ以上のトランスポンダーと少なくとも一つのアクセス・モジュールとの間にローカルネットワークを形成するよう配置することができる。CANバス信号は、差動であり、したがって、高雑音で過酷な環境に対して強く、かつ、高い信号速度を可能にするものである。
CANバスに接続される装置(「ノード」と呼ばれることもある)は、CANプロトコルに基づいて、互いに他と通信するよう構成することができる。CAN規格ISO-11898:2003は、バスに接続される全てのノードをリンクし、かつ、ノードが、CANメッセージに基づいて互いに他と対話することを可能にする通信ネットワークを規定する。中央コントロール・ノードは、有っても無くてもよく、また、ノードは、いつでも、たとえネットワークが動作中(「ホットプラッギング」と呼ばれる場合がある)であっても、追加することができる。CAN規格に準拠して構成されている装置は、CAN装置と呼ばれる場合がある。
一実施形態では、図5のCANバスは、車両のCANネットワークの一部とすることができる。その場合には、トランスポンダー及び(又は)アクセス・モジュールは、CANプロトコルに基づいてCANバスに接続されている他の(第三者の)CAN装置512と通信することができる。例えば、トランスポンダー及び(又は)アクセス・モジュールは、CANプロトコルに基づいて、車両モーター管理システム及び(又は)他の車両センサー装置と通信することができる。
図5のトランスポンダー及びアクセス・モジュールの機能性の大部分は、図4に示したものと同様なものとすることができる。したがって、トランスポンダーは、基地局のための無線インタフェース514と、マイクロプロセッサ516と、トランスポンダー識別子520を含むメモリ518と、電源521(例えば、再充電可能なバッテリー及び(又は)外部電源接続用の電源インタフェース)と、そして、ライセンス524と、ソフトウェア・コード526と(例えばファームウェア)、キー情報528及びタイマー527を含むセキュア・モジュール522とを備えることができる。同様に、アクセス・モジュールは、マイクロプロセッサ530と、暗号化されたライセンス情報534及びソフトウェア・コード536(例えばファームウェア・アップデート)を含むメモリ532と、キー情報540及びリアルタイム・クロック542を含むセキュア・モジュール538とを備えることができる。アクセス・モジュールは、アクセス・モジュールに接続できるトランスポンダーを識別するための一つ又はそれ以上のトランスポンダーID544をさらに備えることができる。
トランスポンダー及びアクセス・モジュールがCANバスを介して通信するため、トランスポンダー及びアクセス・モジュールは、CANメッセージを、CANバスを通じてバスに接続されている他のCAN装置にブロードキャストし、かつ、他のCAN装置からブロードキャストされたCANメッセージを受信するためのトランシーバ(図示せず)を含むCANコントローラ546、548を備えることができる。CANコントローラは、CANバスを通じて、CANメッセージをブロードキャストすることができ、各CANメッセージは、CAN識別子(CANID)を含むソース識別子を有し、一方、CANメッセージをブロードキャストしたCAN装置は、CANIDで識別される。CAN IDは、ISO-11898:2003に規定された標準CAN11ビット識別子として実現することができる。
アクセス・モジュールは、CANバスに接続されているトランスポンダーにそのCANメッセージをブロードキャストするのに用いるCANID552含むCANテーブル550をそのメモリ内に備えるCAN装置として構成することができる。トランスポンダーのCANコントローラは、CANメッセージをアクセス・モジュールのCANIDでフィルター処理するためのフィルターを備えることができる。
従来のCANネットワークでは、CAN装置は、一般に、スタティックな予め設定されているCANIDを含んでいる。しかしながら、この構成は、スポーツ計時トランスポンダーにはあまり適当ではない。なぜなら、スポーツ計時トランスポンダーは、第三者のCANバス(車両のCANバス)に接続されている場合があり、第三者のCANバスは、既にそれに接続されている多数のノードを有している場合があるからである。例えば、トランスポンダーのスタティックな(予め設定されている)CANIDが、別のCAN装置のCAN IDと一致する場合は、トランスポンダー、アクセス・モジュール及び他のCAN装置(車両管理システム等)間のデータ通信は、途絶えることになろう。したがって、実施形態によっては、アクセス・モジュールは、CANIDをトランスポンダーにダイナミックに割り当てるよう構成することができる。
トランスポンダーへのCAN IDのダイナミックな割り当ては、アクセス・モジュールが、いわゆるアナウンスCANメッセージをトランスポンダーにブロードキャストすることで開始することができ、アナウンスCANメッセージのソースIDフィールドには、アクセス・モジュール504のCANID(lmCANid)が含まれている。アクセス・モジュールは、CANメッセージのペイロードの予め決められた一部に選択されたCANIDを挿入することができる。このCAN IDは、アンサーCAN ID(aCANid)554と呼ばれる場合があり、これは、トランスポンダーが、ソースIDとして用いるべきものである。aCANidは、アクセス・モジュールが、CANテーブル内の利用可能なCANIDのリストから選択することができるものである。一実施形態では、アクセス・モジュールは、CANバスに既に接続されているCAN装置の(スタティック)CANIDと一致しないCAN IDを選択することができる。アクセス・モジュールは、したがって、CANID(アンサーCAN ID(aCANid)をトランスポンダーにダイナミックに割り当てるためのアナウンスCANメッセージを用いることができ、トランスポンダーは、そのメモリ556内にアンサーCANIDを格納することができる。
アンサーCANIDのトランスポンダへの割り当てを確認するため、トランスポンダーは、レスポンスCANメッセージをアクセス・モジュールにブロードキャストすることによって応答することができ、レスポンスCANメッセージのソースIDフィールドには、アンサーCANID(aCANid)が含まれている。さらに、トランスポンダーは、そのトランスポンダーID520(例えば、シリアル番号)をレスポンスCANメッセージのペイロードの予め決められた一部に挿入することができる。アクセス・モジュールが、ソースIDフィールド内にアンサーCANIDを有するレスポンスCANメッセージを受信すると、アクセス・モジュールは、このメッセージが、前に送信されたアナウンスCANメッセージに応答して、トランスポンダーによって送信されたものであり、ペイロードは、トランスポンダーのトランスポンダーIDを含んでいる、と判断することができる。
アクセス・モジュールは、次いで、メモリ内に格納されているトランスポンダーID544で、レスポンスCANメッセージ内のトランスポンダーIDをチェックして、アクセス・モジュールをトランスポンダーと共に用いることができるかどうかを判定することができる。例えば、レスポンスCANメッセージ内のトランスポンダーIDが、アクセス・モジュール内のトランスポンダーIDに一致している場合は、アクセス・モジュールは、トランスポンダーとの通信リンクを確立して、例えば、暗号化されたライセンス情報、ソフトウェア・コード(例えばファームウェア)及び(又は)時刻のトランスポンダーへの送信を含むデータ交換ができる、と判定することができる。この処理のより詳細な説明は、図6及び図7を参照して行うことになる。
図6は、本発明の一実施形態に係る一つ又はそれ以上のスポーツ計時トランスポンダーのトランスポンダー機能への、CANベースのアクセスを行うための処理の、第1のフェーズのフロー図を示す。具体的には、このフロー図は、例えば図5を参照して説明したアクセス・モジュールにCANバスを介して接続されているトランスポンダーのトランスポンダー機能にアクセスを行うための処理を示す。
処理は、それぞれトランスポンダーIDで識別される一つ又はそれ以上のトランスポンダーが、CANバスから、或るCANID(lmCANid)で識別されるアクセス・モジュールに由来するアナウンスCANメッセージを聴取することで開始することができる(ステップ602)。次いで、アクセス・モジュールは、アナウンスCANメッセージを生成することができるが、アナウンスCANメッセージには、アンサーCANID(aCANid)が、そのペイロードの特定の一部に挿入されている(ステップ604)。生成されたアナウンスCANメッセージは、次いで、CANバスを通じて、CANバスに接続されている他のCAN装置、この例では、2つのトランスポンダーにブロードキャストすることができる(ステップ606)。その後、アクセス・モジュールは、CANメッセージのソースIDフィールドとしてのアンサーCANIDで、CANバスからCANメッセージの聴取を開始することができる(ステップ608)。
一方、トランスポンダーは、アナウンスCANメッセージを受信し、かつ、CANメッセージのソースIDに基づき、メッセージがアクセス・モジュールに由来する、と判定することができる。さらに、トランスポンダーは、メッセージが、アナウンス・メッセージである、と判定し、かつ、ペイロードから、アンサーCANID(aCANid)を抽出することができる(ステップ610)。一つ又はそれ以上のトランスポンダーが、アクセス・モジュールから情報(例えば、ライセンス情報、時刻及び(又は)ソフトウェア・アップデート)を受信したい場合は、レスポンスCANメッセージを生成することができる。このメッセージは、以後、「リクエスト・インフォ」CANメッセージと呼ぶことができ(ステップ612,614)、リクエスト・インフォCANメッセージのソースIDは、aCANidを含むことができ、かつ、ペイロードの予め決められた一部は、トランスポンダーIDを含むことができる。
異なるトランスポンダーが、同じaCANidを有するリクエスト・インフォCANメッセージを、同時にアクセス・モジュールに送信する可能性を無くすため、各トランスポンダーは、そのトランスポンダーIDに基づいて、待ち時間tを生成することができる(ステップ616、618)。例えば、一実施形態では、トランスポンダーIDの少なくとも一部を、トランスポンダー内のランダム・ジェネレータ用のシードとして用いて、各トランスポンダーが、異なる待ち時間(例えば、図6の例では、第1の待ち時間t1及び異なる第2の待ち時間t2)を生成するようにすることができる。
第2の待ち時間がより短いので、第2のトランスポンダーは、メッセージのペイロード内にそのトランスポンダーID(この例では、トランスポンダー2のシリアル番号シリアル#2)を含むリクエスト・インフォCANメッセージをアクセス・モジュールに送信する最初のトランスポンダーとなることができる(ステップ620)。その後、第2のトランスポンダーは、期間について、アクセス・モジュールからレスポンス・インフォ・メッセージの聴取を開始することができる(ステップ622)。一実施形態では、トランスポンダーは、予め決められた時間(「タイムアウト」)後に、レスポンス・インフォ・メッセージの聴取を停止し、かつ、その以前の聴取状態(すなわち、図6のステップ602を参照して説明した状態)に戻り、アクセス・モジュールに由来するアナウンス・メッセージを聴取するよう構成することができる。
図6の例では、第2のトランスポンダーは、アクセス・モジュールにリクエスト・インフォ・メッセージを送信する最初のトランスポンダーとなっている。応答の際には、アクセス・モジュールは、第2のトランスポンダーのトランスポンダーIDを含む肯定応答インフォCANメッセージをトランスポンダーに送信することによって、第2のトランスポンダーのインフォ・リクエストを承認することができる(ステップ624)。第2のトランスポンダーのリクエストに肯定応答した後では、アクセス・モジュールは、第2のトランスポンダーのインフォ・リクエスト(複数も可)を完了するまで、他のトランスポンダーのリクエスト・インフォCANメッセージを受け容れない(ステップ626)。待ち時間t1後に、第1のトランスポンダーによって、アクセス・モジュールに送信されるリクエスト・インフォ・メッセージ(ステップ628)は、したがって、アクセス・モジュールによって無視されることになる。したがって、第1のトランスポンダーは、そのリクエスト・インフォ・メッセージに対する肯定応答メッセージを受け取らない。予め決められた時間後には、タイムアウトが出現することができ、かつ、第1のトランスポンダーは、その以前の状態に戻って、アクセス・モジュールに由来するアナウンス・メッセージを聴取することができる(ステップ630)。
図7は、本発明の一実施形態に係る一つ又はそれ以上のスポーツ計時トランスポンダーのトランスポンダー機能に、CANバスを介してアクセスを行うための処理の、第2のフェーズのフロー図を示す。図7の処理は、アクセス・モジュールが、第2のトランスポンダーのトランスポンダーIDを含む肯定応答インフォ・メッセージを第2のトランスポンダーへ送信することによって、第2のトランスポンダーのインフォ・リクエストCANメッセージを処理することを承認する図6の処理後に行うことができる(ステップ702)。第2のトランスポンダーが、第2のトランスポンダーのトランスポンダーIDを含む肯定応答インフォCANメッセージを受信すると、第2のトランスポンダーは、アクセス・モジュールが、そのインフォ・リクエストを受け容れた、と判定することができる。その後、トランスポンダーは、アクセス・モジュールに、新しいライセンス情報が利用できるかどうかを尋ねることができる(ステップ704)。そこで、アクセス・モジュールは、トランスポンダーIDを用いて、それが、第2のトランスポンダーに送信するための新しいライセンス情報を有しているかどうかを判定することができる(ステップ706)。可能な場合、新しい(暗号化された)ライセンス情報は、アクセス・モジュールは、それを、第2のトランスポンダーのセキュア・モジュールに送信することができる(ステップ708)。トランスポンダーのセキュア・モジュールは、暗号化されたライセンス情報を復号化し、新しいライセンスを格納し、かつ、ライセンス情報に基づいて、トランスポンダー内に、機能性モジュールを構成することができる(ステップ709)。
別法として及び(又は)付加的に、トランスポンダーは、アクセス・モジュールに、時刻情報(例えば、現在の時刻)を要求することができる(ステップ710)。これに応答して、アクセス・モジュールは、トランスポンダーのセキュア・モジュールに、暗号化された時刻情報を送信することができる(ステップ712)。トランスポンダーのセキュア・モジュールは、時刻情報を復号化し、かつ、それを用いて、トランスポンダーライセンス又はその一部が有効であるかどうかをチェックすることができる(ステップ713)。一実施形態では、時刻情報の送信は、図3を参照して説明した処理と同様の認証処理を含むことができる。その場合、ステップ710でアクセス・モジュールに送信されるCANメッセージは、暗号化された認証キーAUTHを含むことができ、図3のステップ304〜312を参照して説明したのと同様なやり方で、暗号化された形態の時刻情報を含むアクセス・モジュールのレスポンス・メッセージを認証することができる。
その後、アクセス・モジュールと第2のトランスポンダーとの間の通信セッションを終了することができる。一実施形態では、第2のトランスポンダーは、肯定応答ストップCANメッセージを、アクセス・モジュールに送信して(ステップ714)、それ自体をアイドル状態に切り換え、予め決められた時間の間、アナウンス・メッセージに応答しないようにすることができる(ステップ716)。別法として、第2のトランスポンダーは、アクセス・モジュールにメッセージを送信することを停止し、予め決められた時間後に、タイムアウトが出現するようにすることができる。その後、アクセス・モジュールは、アナウンス・メッセージの生成を開始し(ステップ718)、これを、トランスポンダーに送信することができる(ステップ720)。その場合、第1のトランスポンダーは、アナウンス・メッセージに応答して、既述したのと同様のやり方で、第1のトランスポンダーとアクセス・モジュールとの間に、通信セッションを確立することができる。
図8は、本発明の一実施形態に係るCANメッセージのデータフォーマットの概略を示す。CANメッセージは、11ビットCAN識別子を含む標準のCANメッセージフォーマット又は29ビットCAN識別子を含む拡張CANメッセージフォーマットに基づいて、フォーマット化し、CANメッセージのソースを識別することができる。CANメッセージは、0バイトのデータと8バイトのデータとの間にペイロードを含み、DLCデータフィールドは、メッセージのバイト数を示すことができる。
図8に示すように、CANアナウンス・メッセージ802は、アクセス・モジュールのCANID(lmCANid)を含むソースIDフィールド804を含むことができる。ペイロード(又は予め決められたその一部)は、トランスポンダーが、CANIDとして用いるべきアンサーCAN ID806(aCANid)を含むことができる。CANリクエスト・インフォCANメッセージ810は、アンサーCANID(aCANid)を含むソースIDフィールド812を含むことができ、かつ、ペイロード(又は予め決められたその一部)は、リクエスト・インフォCANメッセージを送信するトランスポンダーのトランスポンダーID814を含むことができる。CAN肯定応答インフォ・メッセージ820は、アクセス・モジュールのCANID(lmCANid)を含むソースIDフィールド822を含むことができ、かつ、ペイロード(又は予め決められたその一部)は、アクセス・モジュールが通信リンクを確立するため選択するトランスポンダーのトランスポンダーID824を含むことができる。
トランスポンダー内のCANコントローラ及びアクセス・モジュールは、これらのCANメッセージを生成し、かつ、それらを、CANバスを通じて、他のCAN装置にブロードキャストするよう構成することができる。同様に、トランスポンダー内のCANコントローラ及びアクセス・モジュールは、これらのCANメッセージを受信し、かつ、ペイロード内の情報に基づいて、メッセージを処理するよう構成することができる。図8のメッセージは、アクセス・モジュールが、CANIDを特定のトランスポンダーにダイナミックに割り当て、かつ、アクセス・モジュールとCANネットワーク内のトランスポンダーとの間に、一時的なポイント・ツー・ポイント接続を確立することを可能にするものである。
図1〜8の実施形態は、非限定的であることに注意されたい。さらに、一実施形態の要素は、本発明の範囲を逸脱することなしに、別の実施形態の一つ又はそれ以上の要素と組み合せることができる。さらに、アクセス・モジュールは、二つ又はそれ以上のトランスポンダー識別子を含んで、アクセス・モジュールが、二つ又はそれ以上のトランスポンダーにアクセスを行えるようにすることもできる。一実施形態では、ライセンス情報は、第1のトランスポンダーと関連する第1のライセンス情報、及び、第2のトランスポンダーと関連する第2のライセンス情報を含むことができる。例えば、或る状況においては、車両は、一つ又はそれ以上のトランスポンダー、例えばトランスポンダーとバックアップトランスポンダーを備えることができる。別の実施形態では、ユーザーは、トランスポンダーを備える二つ又はそれ以上の車両を有することができる。その場合、アクセス条件は、アクセス・モジュールをトランスポンダーに接続して、トランスポンダー機能を活動状態に保ち、ただ一つのトランスポンダーしか、同時には活動状態にすることができないようにすることを要求することができる。すなわち、アクセス・モジュールは、トランスポンダー機能を活動状態にするためのトランスポンダー・キーとして用いることができる。
スポーツ計時トランスポンダーは、カー、カート又はモーターを用いるサーキット及びオフロード・レーシング、バイク・イベント、無線コントロール(RC)レーシング等を含んでおり、しかし、これらに限定されない、いかなる種類の発動機付き又は非発動機付きのスポーツイベントにも用いることができる。
図9は、アクセス・モジュール(アクセスキー)を、CANバス等のデータバスを介して、本発明の一実施形態に係るトランスポンダーに着脱可能に接続するためのシステムを示す。具体的には、図9は、(図1〜3を参照して説明した)アクセス・モジュールを備える(ハードウェア)メモリカード906、及び、ハードウェアカードを受け入れそしてメモリカードをソケット内に着脱可能に位置決めするよう構成されているソケット904を示す。ハードウェアカードが、ソケット内に位置決めされると、ハードウェアカードの電気接点910が、CANバスワイヤ908を介して、トランスポンダー902に電気的に接続することができるソケットの接点911と電気的な接触を為す。トランスポンダー及びアクセスキーは、さらなるCANバスワイヤ909により、図9に示したシステムが取り付けられている車両のCANバスに接続することができる。すなわち、トランスポンダーは、車両のモーター管理システム及び(又は)車両の電源(例えば、電池)に直接接続することができる。図9の挿入図は、ディスプレイ912を備えて、或る情報をドライバーに表示することができるアクセス・モジュールの上面側を示す。
図9のシステムの車両内における設置可能な箇所は、トランスポンダーが、アクセスするのが比較的難しい個所、例えば、車両のホイールウェル及び(又は)ベースプレートに取り付けでき、また、アクセスキー用のソケットが、ドライバーにより容易にアクセス可能な箇所(例えば、車両のダッシュボード)に取り付けできるようになっている箇所である。トランスポンダーは、トランスポンダーから基地局への良好な信号転送、及び、その逆の良好な信号転送を保証するため、このような箇所に取り付ける必要がある。CANバスを介して、トランスポンダーとアクセスキーとの間にデータリンクを確立するためには、車両のCANバス(の一部)を用いることができる。CANバスは、過酷な環境(例えば、電磁ノイズ)に対して、非常に強いので、異なる条件下で確実なデータ接続が確立できる。図9のシステムは、明らかに、CANバスを介して、アクセス・モジュールに接続される複数のトランスポンダー(例えば、メイントランスポンダー及び一つ又はそれ以上のバックアップトランスポンダー)にまで拡張できる。アクセス・モジュールは、トランスポンダーを活動状態にするキーとして用いることができ、かつ、ライセンス情報及び(又は)ファームウェア・アップデートに基づき、アクセス・モジュールとして用いて、トランスポンダーを構成することができる。
図10は、図1〜9を参照して説明したシステム及び方法に用いることができる例示的なデータ処理システムを示すブロック図を示す。データ処理システム1000は、システムバス1006を介して、メモリ素子1004に結合されている少なくとも一つのプロセッサ1002を備えることができる。よって、データ処理システムは、メモリ素子1004内にプログラムコードを格納することができる。さらに、プロセッサ1002は、システムバス1006を介して、メモリ素子1004から取得されるプログラムコードを実行することができる。一態様では、データ処理システムは、プログラムコードを格納し、かつ(あるいは)、実行するのに適当なコンピュータとして実現することができる。しかしながら、データ処理システムは、この明細書で説明されている機能を実行することができるプロセッサ及びメモリを備える任意のシステムの形で実現できることを理解されたい。
メモリ1004は、例えば、ローカルメモリ1008及び一つ又はそれ以上のバルク記憶装置1010等の一つ又はそれ以上の物理的なメモリ装置を備えることができる。ローカルメモリは、プログラムコードの実際の実行の際に一般的に用いられるランダムアクセスメモリや他の非持続性メモリ装置(複数も可)を指すことができる。バルク記憶装置は、ハードドライブ又は他の持続性データ記憶装置として実現することができる。処理システムは、少なくともいくつかのプログラムコードの一時的な格納を行って、実行中にバルク記憶装置1010からプログラムコードを検索しなければならない回数を減らす一つ又はそれ以上のキャッシュメモリ(図示せず)を備えることもできる。
データ処理システムには、入力装置1012及び出力装置1014として示されている入/出力(I/O)装置をオプショナルに結合することができる。入力装置の例には、例えば、キーボード、マウス等の位置指示装置、等を含めることができるが、それらに限定されない。出力装置の例には、例えば、モニター又はディスプレイ、スピーカ等を含めることができるが、それらに限定されない。入力装置及び(又は)出力装置は、直接、あるいは、途中に介在するI/Oコントローラを通して、データ処理システムに結合することができる。また、データ処理システムには、ネットワーク・アダプター1016を結合して、データ処理システムを、途中に介在するプライベート又はパブリックネットワークを介して、他のシステム、コンピュータシステム、遠隔ネットワーク装置、及び(又は)遠隔記憶装置に結合することもできる。ネットワーク・アダプターは、前記システム、装置及び(又は)ネットワークによって、前記データ処理システムに送信されるデータを受信するためのデータ受信器、及び、前記システム、装置及び(又は)ネットワークにデータを送信するためのデータ送信器を備えることができる。モデム、ケーブルモデム、及びイーサネット(登録商標)カードは、データ処理システムに対して用いることができる異なるタイプのネットワーク・アダプターの例である。
図10に示すように、メモリ素子1004は、アプリケーション1018を格納することができる。データ処理システム1000は、アプリケーションの実行を容易にするオペレーティングシステム(図示せず)をさらに実行することができることを理解されたい。アプリケーションは、実行可能なプログラムコードの形で実現される場合、データ処理システム1000によって、例えば、プロセッサ1002によって実行することができる。アプリケーションの実行に対して応答するデータ処理システムは、ここでさらに詳細に説明する一つ又はそれ以上の動作を行うよう構成することができる。
一態様では、例えば、データ処理システム1000は、クライアントデータ処理システムを代表することができる。その場合、アプリケーション1018は、それが実行されると、ここで「クライアント」を参照して説明する各種の機能を行うデータ処理システム1000を構成するクライアントアプリケーションを代表することができる。クライアントの例には、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、モバイルホン等を含めることができるが、それらに限定されない。
別の態様では、データ処理システム1000は、サーバーを代表することができる。例えば、データ処理システム1000は、HTTPサーバーを代表することができ、この場合、アプリケーション1018は、実行されると、HTTPサーバー動作を行うデータ処理システム1000を構成する。
ここで用いられる用語は、特定の実施形態のみを説明するという目的のためのものであり、本発明を限定することを意図したものではない。ここで用いられる、単数形の「a」、「an」、及び「the」を冠した名詞又は名詞句は、文脈によって別様に指示される場合を除き、複数形の名詞又は名詞句も同様に含むことを意図したものである。用語「comprise」及び(又は)「comprising」は、本明細書で用いられる場合、記述された特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び(又は)構成要素の存在を明記するが、一つ又はそれ以上の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び(又は)構成要素及び(又は)それらのグループの存在又は追加を排除しないことが、さらに理解されよう。
以下の請求項における全ての手段又はステッププラスファンクション要素の対応する構成、材料、動作、および等価事項は、特に特許請求された他の特許請求された要素との組合せで機能を実行するいかなる構成、材料、又は動作をも含むことが意図されている。本発明の記述は、説明及び記述の目的で為されたものであり、言い尽くしたり、あるいは、開示された形態の本発明に限定したりする意図はない。当業者には、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく多くの修正形態及び変形形態が可能であることは明らかであろう。既述された実施形態は、本発明の原理及び実用例をできるだけ解りやすく説明し、他の当業者が、本発明を理解して、想到される特定の用途に適した各種の修正を有する各種の実施形態に至れるようにするために選び、かつ、記述したものである。

Claims (15)

  1. トランスポンダーの一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能へのアクセスを行う方法であって、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能は、トランスポンダー識別子を含む信号を前記トランスポンダーが受信器を通過する時点を判定するよう構成されている計時システムの前記受信器に送信するステップを含む方法において、
    前記方法は、
    前記トランスポンダーと時刻情報を決定するよう構成されているアクセス・モジュールとの間の通信リンクを前記トランスポンダーが確立するステップであって、前記アクセス・モジュールが、データバスを介して前記トランスポンダーに着脱可能に接続されるよう構成されているセキュアハードウェア装置をなすステップと、
    前記トランスポンダーのメモリに格納されている権利情報であって、前記トランスポンダーのユーザーが、いつ、前記トランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有するかを決定するための一つ又はそれ以上のアクセス条件を含む前記権利情報を前記トランスポンダーが決定するステップと、
    前記トランスポンダーが前記アクセス・モジュールから時刻情報を受信するステップと、
    前記ユーザーが、前記アクセス条件の少なくとも一部及び前記時刻情報に基づいて、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを前記トランスポンダーが判定するステップと、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記ユーザーが、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを判定するステップは、
    前記トランスポンダーが、トランスポンダー識別子を前記アクセス・モジュールに送信するステップと、
    前記トランスポンダーが、前記アクセス・モジュールから暗号化された権利情報を受信するステップであって、前記権利情報は、前記トランスポンダー識別子の少なくとも一部に基づいて決定されるステップと、
    前記トランスポンダー内の暗号モジュールが、前記トランスポンダーのセキュアメモリに格納されている復号化キーに基づいて、前記暗号化された権利情報を復号化するステップと、
    前記トランスポンダーが、前記復号化された権利情報を前記トランスポンダーの前記セキュアメモリに格納するステップと、
    をさらに含むこととする請求項1に記載の方法。
  3. 前記権利情報は、前記トランスポンダー機能の少なくとも一部を構成するためのファームウェアコードをさらに含むこととする請求項2に記載の方法。
  4. 前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能にアクセスする権利を有している場合、前記トランスポンダー内のマイクロコントローラが、前記権利情報に従って、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部を構成するステップをさらに含むこととする請求項2又は請求項3に記載の方法。
  5. 前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを判定するステップは、
    前記トランスポンダーが、前記アクセス・モジュールに時刻要求を送信するステップと、
    前記トランスポンダーが前記アクセス・モジュールから前記時刻情報を受信するステップであって、時刻情報は、前記アクセス・モジュール内のリアルタイム・クロックに基づいて、前記アクセス・モジュールによって決定されるステップと、
    をさらに含むこととする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 前記時刻要求は、前記トランスポンダーによって受信された前記時刻情報の認証のため、暗号化された認証値を含むこととする請求項5に記載の方法。
  7. 前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを判定するステップは、
    前記アクセス・モジュールが、前記暗号化された認証値を復号化するステップと、
    前記アクセス・モジュールが、前記認証値を前記時刻情報と組み合わせて組合せ時刻情報とするステップと、
    前記アクセス・モジュールが、前記組合せ時刻情報を暗号化するステップと、
    前記アクセス・モジュールが、暗号化された前記組合せ時刻情報を前記トランスポンダーに送信するステップと、
    前記トランスポンダーが、前記トランスポンダー内に格納されている前記認証値を前記組合せ時刻情報内の認証値とマッチングさせることによって、前記時刻情報を認証するステップと、
    をさらに含むこととする請求項6に記載の方法。
  8. 前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを前記トランスポンダーが判定するステップは、
    前記トランスポンダーの前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の少なくとも一部にアクセスする権利を有していない場合は、前記トランスポンダーが、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能の前記少なくとも一部及び前記トランスポンダーに関連する一つ又はそれ以上のサービスの少なくとも一方へのアクセスを制限するステップをさらに含むこととする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の方法。
  9. 着脱可能な接続体は、前記アクセス・モジュールを受け容れるためのソケットを備え、前記ソケットは、前記データバスを介して前記トランスポンダーに電気的に接続され、かつ、前記ソケットは、前記データバスを介して前記トランスポンダーに前記セキュアハードウェア装置を電気的に接続するよう構成されていることとする請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載の方法。
  10. 前記トランスポンダー及び前記アクセス・モジュールは、コントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)コントローラを備え、かつ、前記データバスは、CANバスとして構成されていることとする請求項1乃至請求項9のいずれか一つに記載の方法。
  11. 前記トランスポンダーが前記トランスポンダーとアクセス・モジュールとの間に通信リンクを確立するステップは、
    トランスポンダーCANコントローラが、アクセス・モジュールCANコントローラからアナウンスCANメッセージを聴取するステップであって、前記アナウンスCANメッセージのCAN IDフィールドは、前記アクセス・モジュールと関連するCAN ID
    を含み、かつ、前記アナウンスCANメッセージのペイロードフィールドは、アンサーCAN IDを含むステップと、
    前記トランスポンダーCANコントローラが、前記アクセス・モジュールCANコントローラからアナウンスCANメッセージを受信するステップと、
    前記トランスポンダーCANコントローラが、リクエスト・インフォCANメッセージを前記アクセス・モジュールに送信するステップであって、前記リクエスト・インフォCANメッセージのCAN IDフィールドは、前記アンサーCAN ID及び前記トランスポンダーの前記トランスポンダー識別子を含む前記リクエスト・インフォCANメッセージのペイロードを含むステップと、
    前記トランスポンダーが、前記トランスポンダー識別子を用いて前記トランスポンダーと前記アクセス・モジュールとの間にデータ接続を確立するステップと、
    をさらに含むこととする請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載の方法。
  12. 前記一つ又はそれ以上のアクセス条件は、前記トランスポンダー機能の少なくとも一部へのアクセスがいつ期限切れとなるかを決定するための満期情報、前記トランスポンダー機能の少なくとも一部がどこの場所でアクセス可能であるかを決定するための場所情報、及び、どのトランスポンダーの使用に対して前記トランスポンダー機能の少なくとも一部がアクセスできるのかを決定するための一つ又はそれ以上の使用条件のうちいずれか一つを含むこととする請求項1乃至請求項11のいずれか一つに記載の方法。
  13. 前記時刻情報が現在の時刻の指示を含むこととする請求項1乃至請求項12のいずれか一つに記載の方法。
  14. アクセス・モジュールと通信するよう構成されているトランスポンダーであって、
    前記アクセス・モジュールは、権利情報及び時刻情報を含み、
    前記トランスポンダーは、
    一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールであって、前記トランスポンダー機能モジュールの少なくとも一つは、トランスポンダー識別子を含む信号をスポーツ計時システムの受信器に送信して、前記トランスポンダーが前記受信器を通過する時点を判定するよう構成されている一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールと、
    前記アクセス・モジュールとの通信リンクを確立するためのインタフェースと、
    前記トランスポンダーのユーザーが、いつ、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールの少なくとも一部にアクセスする権利を有するかを決定するための一つ又はそれ以上のアクセス条件を含む権利情報を格納するためのセキュアメモリと、
    コンピュータで読取可能な記憶媒体であって、それによって収録されたコンピュータで読取可能なプログラムコードを有するコンピュータで読取可能な記憶媒体と、
    コンピュータで読取可能な記憶媒体に結合されていて、コンピュータで読取可能なプログラムコードの実行に応答するマイクロプロセッサとを備え、
    前記マイクロプロセッサが、
    前記アクセス・モジュールとの通信リンクを確立するステップと、
    前記アクセス・モジュールから時刻情報を受信するステップと、
    前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールの少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを前記アクセス条件及び前記時刻情報の少なくとも一部に基づいて判定するステップと、
    を含む実行可能な動作を行うよう構成されていることを特徴とするトランスポンダー。
  15. トランスポンダーと通信するよう構成されているアクセス・モジュールであって、前記トランスポンダーは、一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールを備えており、前記トランスポンダー機能モジュールの少なくとも一つは、トランスポンダー識別子を含む信号を、前記トランスポンダーが受信器を通過する時点を判定するよう構成されているスポーツ計時システムの受信器に送信するよう構成されているアクセス・モジュールにおいて、
    前記アクセス・モジュールは、
    前記トランスポンダーとの通信リンクを確立するためのインタフェースと、
    ユーザーが、前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールの少なくとも一部にアクセスするための一つ又はそれ以上のアクセス条件を含む権利情報を格納するためのセキュアメモリと、
    計時情報を判定するための手段と、
    コンピュータで読取可能な記憶媒体であって、それによって収録されたコンピュータで読取可能なプログラムコードを有するコンピュータで読取可能な記憶媒体と、コンピュータで読取可能な記憶媒体に結合されていて、コンピュータで読取可能なプログラムコードの実行に応答するマイクロプロセッサとを備え、
    前記マイクロプロセッサが、
    前記トランスポンダーとの通信リンクを確立するステップと、
    時刻情報を生成するステップと、
    前記通信リンクを介して前記時刻情報を前記トランスポンダーに送信して、前記ユーザーが前記一つ又はそれ以上のトランスポンダー機能モジュールの少なくとも一部にアクセスする権利を有しているかどうかを、前記トランスポンダーのメモリに格納されている権利情報及び前記時刻情報に基づいて、前記トランスポンダーが判定できるようにするステップと、
    を含む実行可能な動作を行うよう構成されていることを特徴とするアクセス・モジュール。
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