JP6735157B2 - 双ロール式縦型鋳造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、双ロール式縦型鋳造装置に関するものである。
溶湯液面の状態に左右されずに板厚と品質が安定したシートを高速度で採取することができる双ロール式縦型鋳造装置として、一対の水冷回転ロールの上方に、一対の主堰及び一対の横堰を延設したものが知られている(特許文献1)。
特許第4873626号公報
この種の双ロール式縦型鋳造装置では、溶湯ノズルの液面高さ(溶湯ヘッド圧)が低いと鋳造ロールとの接触面の近傍でメニスカス力による振動が発生し易く、得られるシートの表面及び内部組織に、リップルマークと呼ばれる欠陥が周期的に生じる。このため、溶湯ノズルの液面高さ(溶湯ヘッド圧)は所定値以上とすることが望ましいとされる。しかしながら、溶湯をレードルから溶湯ノズルに注湯する鋳造工程の初期段階と、溶湯ノズルの溶湯がなくなる鋳造工程の終期段階においては、所望の液面高さを確保することができない。そのため、得られたシートの先頭部分と後尾部分は仕上がり品質が低く、廃棄せざるを得ないという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、鋳造されるシートの表面及び内面の仕上がり品質を一定値以上に維持し、歩留まりを高めることができる双ロール式縦型鋳造装置を提供することである。
本発明は、溶湯ノズルの下部に一対の主堰板又は側堰板の距離が第1距離である拡張域を設け、拡張域の上部に、一対の主堰板又は側堰板の距離が第1距離より短い第2距離である縮小域を設けることによって上記課題を解決する。
ロールギャップは、溶湯ノズルに注湯された溶湯の液面の位置に相関するため、溶湯を溶湯ノズルに注湯する鋳造初期においては、製品歩留まりの観点から目標液面に達するまでの時間を極力短くする必要がある。同様に、溶湯ノズルの溶湯がなくなる鋳造終期においては、製品歩留まりの観点から目標液面をできる限り長い時間維持する必要がある。このため、溶湯ノズルの下部に設けた拡張域の上部に縮小域を設けることで、鋳造初期においてはロールギャップ上の液面位置が短時間で目標液面に達することになる。また、鋳造終期においてはロールギャップ上の液面位置が長時間目標液面を維持することになる。この結果、得られる軽金属シートの表面及び内面の仕上がり品質が一定値以上に維持され、シートの先頭と後尾の廃棄部分が少なくなるので、製品の歩留まりが向上する。
本発明に係る双ロール式縦型鋳造装置の一実施の形態を示す側面図である。 図1の平面図である。 図1の溶湯ノズルの第1実施形態を示す拡大断面図である。 図1の溶湯ノズルの第2実施形態を示す拡大断面図である。 図1の溶湯ノズルの第3実施形態を示す拡大断面図である。 図1の溶湯ノズルの第4実施形態を示す拡大断面図である。 図1の溶湯ノズルの第5実施形態を示す拡大断面図である。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1は、溶解された軽金属材料を、特に限定はされないが例えば1000℃/秒以上の冷却速度で冷間圧延し、所定厚さt、所定幅W及び所定長Lのシート2に製造するための鋳造装置である。冷却速度を大きくすることで不純物が含まれていても大きく成長せず、また生産性も高いという利点がある。鋳造原料となる軽金属材料としては、アルミニウム、マグネシウム、ベリリウム、チタン、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられるが、高速ロール鋳造に対する適正から、アルミニウム及びその合金、マグネシウム及びその合金が好ましく、アルミニウム合金には、アルミニウム・シリコン合金、アルミニウム・シリコン・マグネシウム合金その他のアルミニウム合金が含まれる。なお、アルミニウム系材料の融点又は液相温度は、概ね450〜700℃である。以下の説明では、軽金属としてアルミニウム系材料を使用した例を説明する。
本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1は、所定のロールギャップ13をもって対向配置された一対の鋳造ロール11,12と、当該一対の鋳造ロール11,12のロールギャップ13の上方に配置され、アルミニウム系材料の溶湯5を受容する溶湯ノズル14と、アルミニウム系材料の溶湯5を収容し当該溶湯5を溶湯ノズル14に注湯するレードル15と、を備える。なお、図1には図示を省略するが、溶湯ノズル14からロールギャップ13を通過する溶湯5が、弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力を推定する反力推定器と、この反力推定器により推定された反力に応じて一対の鋳造ロール11,12がロールギャップ13を通過する溶湯5から受ける単位時間当たりの受熱量を制御する制御ユニットとを設けてもよい。図2に示すように、一対の鋳造ロール11,12と、溶湯ノズル14と、レードル15とは、それぞれの幅方向の中心軸CLが一致するように配置されている。
一対の鋳造ロール11,12は、架台4に搭載され、一方の鋳造ロール11は、回転軸111を中心にして回転するように設けられ、他方の鋳造ロール12は、回転軸111に平行な回転軸121を中心にして回転するように設けられている。本実施形態における一方の鋳造ロール11は、架台4に対して位置が固定され、他方の鋳造ロール12は、スライドレール41を介して一方の鋳造ロール11に対して水平方向に接近及び離反移動が可能とされている。当該他方の鋳造ロール12は、一方の鋳造ロール11に向かう方向にばね又は流体圧シリンダなどの弾性体122により弾性付勢されているが、最も接近した際のロールギャップ13は、目的とするシート2の板厚tに応じたゼロを超える所定値、特に限定されないが例えば、0.5〜3mmに設定されている。なお、一対の鋳造ロール11,12の両者を、架台4に対して互いに接近及び離反移動が可能に構成してもよい。
一対の鋳造ロール11,12は、互いに等しい周速度で回転するように、プーリ及びベルトなどの伝達機構を介して回転駆動モータ112に接続されている。本実施形態の鋳造ロール11,12は、外径が等しくされているので、一つの回転駆動モータ112により互いに逆方向、すなわちロールギャップ13において溶湯5を鉛直下方向へ押し下げる力が作用するように等しい周速度で回転する。図1〜図7に示す各例においては、一方の鋳造ロール11は反時計方向に回転し、他方の鋳造ロール12は時計方向に回転する。なお図示は省略するが、回転駆動モータ112は、出力軸の回転速度を可変とするインバータ装置により回転速度が制御され、当該インバータ装置は制御ユニットからの制御指令により制御される。
ちなみに、一対の鋳造ロール11,12の外径を等しくすれば、変速機構を設けることなく一つの回転駆動モータ112により等しい周速度で回転させることができる。また、一対の鋳造ロール11,12の外径を等しくし、後述する溶湯ノズル14の主堰板141,142の中心をロールギャップ13の中心に一致させれば、溶湯ノズル14の下端の溶湯5と鋳造ロール11,12との接触面113,123の面積が等しくなるので、鋳造されるシートの表裏における冷却速度が均等になる。ただし、本発明の一対の鋳造ロール11,12は、周速度が等しければ異なる外径であってもよい。この場合に、溶湯ノズル14の下端の溶湯5と鋳造ロール11,12との接触面113,123の面積を等しくするためには、溶湯ノズル14の主堰板141,142の中心の位置をロールギャップ13の中心に対してどちらかにずらせばよい。
一対の鋳造ロール11,12は、回転軸111,121の両端部にそれぞれ固定されたハブ114,124に、熱伝導性が良好な銅などの金属板115,125を固定することにより構成されている。金属板115,125の内部の一部又は全部には、冷媒が循環する循環系統が設けられ、少なくとも溶湯5との接触面113,123(以下、これらの接触面113,123を成形面116,126ともいい、その回転軸111,121方向の長さをWRという。)の裏面の金属板115,125に冷媒が接触するように、スプレーノズルが設けられたり、あるいは金属板115,125の内部の一部又は全体が冷媒の流路とされている。本実施形態の一対の鋳造ロール11,12のそれぞれは、少なくとも溶湯5が接触する鋳造ロールの接触面113,123の温度を調節する温度調節器を含んでもよい。
本実施形態の溶湯ノズル14は、一対の鋳造ロール11,12の回転軸111,121と平行に対向配置された一対の主堰板141,142と、回転軸111,121と直交して対向配置されるとともに一対の主堰板141,142の両端面に密接された一対の側堰板143,144とを含んで構成されている。すなわち、本実施形態の溶湯ノズル14は、4つの側面を有し、上面と下面がそれぞれ開口した、断面が矩形の筒体とされている。
一対の主堰板141,142及び一対の側堰板143,144は、アルミニウム系材料の融点又は液相温度に耐え得る耐熱性を有するセラミックス製板材を基材とし、その表面(少なくとも主堰板と側堰板とで囲まれる内面)に、同等の耐熱性を有する断熱材層が形成されてなる。そして、一対の主堰板141,142の下端が、上述した一対の鋳造ロール11,12の表面に接触又は僅かな隙間をあけて設けられている。また、一対の側堰板143,144は、図2の平面図に示すように、一対の主堰板141,142の端面と一対の鋳造ロール11,12の両端面に、押圧弾性体145,146を介して当接する。すなわち、主堰板141,142の幅方向の長さは鋳造ロール11,12の幅方向の長さとほぼ等しく形成され、一対の側堰板143,144は、これら一対の主堰板141,142と一対の鋳造ロール11,12とに押圧されている。これにより、一対の主堰板141,142、一対の側堰板143,144及び一対の鋳造ロール11,12のロールギャップ13の近傍(接触面113,123)とで囲まれた空間に溶湯5が受容されることになる。
なお、他方の鋳造ロール12の接触面123に接触又は僅かな隙間をあけて設けられる主堰板141には、当該他方の鋳造ロール12が架台4に対して水平方向に移動する際においても、他方の鋳造ロール12の接触面123との接触又は僅かな隙間を維持するように引張り弾性体147が設けられている。これに対して、一方の鋳造ロール11の接触面113に接触又は僅かな隙間をあけて設けられる主堰板142は、図示はしないが架台4に対して位置が固定されている。
本実施形態の一対の主堰板141,142は、図1及びこれを拡大した図3に示すように、当該主堰板141,142の下部には、一対の主堰板141,142の板間距離が第1距離L1である拡張域14Eが設けられ、この拡張域14Eの上部には、一対の主堰板141,142の板間距離が第1距離L1より短い第2距離L2(L1>L2)である縮小域14Rが設けられている。また、縮小域14Rの主堰板141,142の鉛直方向の位置(鋳造ロール11,12の回転軸111,121に直交する方向の位置)は、後述する溶湯5の凝固開始点P3よりロールギャップ13側に配置されている。
拡張域14Eの鉛直方向の長さ、拡開角度、板間距離L1及び縮小域14Rの鉛直方向の長さ、板間距離L2は、溶湯ノズル14の容積、すなわち1バッチで受容するべき溶湯5の容量と、溶湯ノズル14における溶湯5の目標液面高さにより適宜の値に設定される。上述したとおり、ロールギャップ13の上方における溶湯の液面高さは、ロールギャップ13に加わる圧力、すなわちロールギャップ13を押し広げようとする力に相関し、この力によってロールギャップ13の寸法が短時間で目標寸法になることが、製品歩留まりを向上させる観点から好ましい。したがって、1バッチで受容するべき溶湯5の容量が一定量であれば、縮小域14Rの幅寸法(一対の主堰板141,142の板間距離L2)が小さいほど、目標液面高さが高くなり、ロールギャップ13に加わる圧力が大きくなる。
ただし、溶湯ノズル14の全体を縮小域14Rで構成すると、溶湯ノズル14の下部において溶湯5が鋳造ロール11,12と接触する接触面113,123の面積が減少し、これにより所定温度までの冷却時間が長くなるので、鋳造ロール11,12の周速度を遅くする必要がある。このようにすると生産性が低下する。そこで、本実施形態の溶湯ノズル14においては、溶湯ノズル14の下部の拡張域14Eにより、溶湯5が鋳造ロール11,12と接触する面積を充分に確保しつつ、同時に溶湯ノズル14の上部の縮小域14Rにより、目標液面高さをできる限り高くすることとしている。
図1及び図2に戻り、溶湯ノズル14の上方には、レードル(取鍋)15が設けられ、当該レードル15に収容された溶湯5を溶湯ノズル14に注入するための、ホイストクレーンなどのレードル移動機構(不図示)が設けられている。アルミニウム系材料の固形原材料は、レードル15に投入された状態で別途の溶解炉にて溶解され、このレードル15をレードル移動機構により溶湯ノズル14の近傍に移動し、当該レードル15を傾けることで溶湯5を溶湯ノズル14に注入する。図1及び図2に示すレードル15は、いわゆるバッチ方式による鋳造を行う場合のものを示すが、本発明に適用できるレードルは、溶解炉により溶解したアルミニウム材の溶湯5を連続してレードル15に給湯し、当該レードル15の注湯口から溶湯ノズル14へ連続して溶湯5を注湯するタイプの連続方式のものも含まれる。
一対の鋳造ロール11,12の下方には、ロールギャップ13を通過して固相状態となったアルミニウムシート2を略水平方向に案内するガイド板6が設けられ、その下流にガイドローラ7と巻取機3が設けられている。ロールギャップ13を通過して固相状態となったアルミニウムシート2は、ガイド板6により水平方向に案内されたのちガイドローラ7の上面を滑りつつ巻取機3によってロール状に巻き取られる。
さて、本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1においては、図3に示すように、レードル15から溶湯ノズル14へ溶湯5を注入すると同時又は若干のタイムラグをもって、一対の鋳造ロール11,12の回転を開始する。この溶湯注入初期段階において、溶湯ノズル14への溶湯5の注入速度(単位時間当たりの注入容積)は、ロールギャップ13を通過して固相状態となるアルミニウムシート2の鋳造速度(単位時間当たりの鋳造容積)よりも大きい速度に設定する。
溶湯ノズル14に注入された溶湯5は、ロールギャップ13の中心水平線と交わる点P1から主堰板141,142に接触又は僅かな隙間をあけて設けられる点P2までの、一対の鋳造ロール11,12の接触面113,123と接触することで、溶湯5は冷却され、凝固し始める。図3において溶湯5のうち液相状態の溶湯を符号51、固液共存の溶湯を符号52、固相の溶湯(すなわちアルミニウムシート2)を符号53で示す。同図において、溶湯5の凝固開始点P3、すなわち符号52で示す固液共存の溶湯の始点を、主堰板141,142の下端が鋳造ロール11,12に接触又は僅かな隙間をあけて設けられる点P2と同じ位置として示しているが、鋳造ロール11,12による冷却能力が低いほど又溶湯5の温度が高いほど、この溶湯5の凝固開始点はロールギャップ13側に移動する。上述したとおり、本実施形態の主堰板141,142の縮小域14Rの鉛直方向の位置は、点線矢印で示すように、この溶湯5の凝固開始点P3よりロールギャップ13側に設けられている。
本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1は、溶湯5の冷却速度が例えば1000℃/秒以上となる冷間圧延鋳造法であり、この溶湯5の冷却速度に応じて一対の鋳造ロール11,12の周速度が設定される。ここで、液相の溶湯51が接触面113,123と接触する際の温度が高いと、凝固速度が遅くなり、図3に示す液相の溶湯51及び固液共存の溶湯52の存在領域が、同図において下方にずれることになる。このため、ロールギャップ13を通過する溶湯のうち液相の溶湯51が全体に占める割合が増加し、固相の溶湯53が全体に占める割合が減少するので、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が減少する。これにより、ロールギャップ13は小さくなる。逆に、液相の溶湯51が接触面113,123と接触する際の温度が低いと、凝固速度が早くなり、図3に示す液相の溶湯51及び固液共存の溶湯52の存在領域が、同図において上方にずれることになる。このため、ロールギャップ13を通過する溶湯のうち固相の溶湯53が全体に占める割合が増加し、液相の溶湯51が全体に占める割合が減少するので、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が増加する。これにより、ロールギャップ13は大きくなる。このように、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の温度が変動すると、ロールギャップ13の寸法が変動し、その結果、得られるアルミニウムシート2の板厚tが不均一となる。
また、本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1においては、いわゆるバッチ方式により所定量の溶湯5を溶湯ノズル14に注入し、所定厚さt、所定幅W及び所定長さLのアルミニウムシート2を得るが、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の重量が、鋳造中にロールギャップ13に重力として作用する。すなわち、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の液面が高いと(溶湯重量が大きいと)、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が増加する。これにより、ロールギャップ13は大きくなる。また、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の液面が高いと(溶湯重量が大きいと)、溶湯5と接触面113,123との密着度が大きくなり、溶湯5の凝固効率が高くなる。このため、図3に示す液相の溶湯51及び固液共存の溶湯52の存在領域が、同図において上方にずれることになり、ロールギャップ13を通過する溶湯のうち固相の溶湯53が全体に占める割合が増加し、液相の溶湯51が全体に示す割合が減少する。このため、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が増加する。これによっても、ロールギャップ13は大きくなるといえる。
逆に、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の液面が低いと(溶湯重量が小さいと)、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が減少する。これにより、ロールギャップ13は小さくなる。また、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の液面が低いと(溶湯重量が小さいと)、溶湯5と接触面113,123との密着度が小さくなり、溶湯5の凝固効率が低くなる。このため、図3に示す液相の溶湯51及び固液共存の溶湯52の存在領域が、同図において下方にずれることになり、ロールギャップ13を通過する溶湯のうち液相の溶湯51が全体に占める割合が増加し、固相の溶湯53が全体に占める割合が減少する。このため、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力が減少する。これによっても、ロールギャップ13は小さくなるといえる。このように、溶湯ノズル14に注入された溶湯5の液面の位置が変動すると、ロールギャップ13の寸法が変動し、その結果、得られるアルミニウムシート2の板厚tが不均一となる。
このため、本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1では、ロールギャップ13を通過する溶湯5が、弾性体122の弾性付勢に反して当該ロールギャップ13を押し広げようとする反力を推定する反力推定器、たとえば溶湯ノズル14の液面位置検出器や溶湯ノズル14の溶湯温度検出器を設け、この反力推定器により推定された反力に応じて一対の鋳造ロール11,12がロールギャップ13を通過する溶湯5から受ける単位時間当たりの受熱量を制御する制御ユニットを設け、推定された反力が大きいほど単位時間当たりの受熱量を小さく制御し、推定された反力が小さいほど単位時間当たりの受熱量を大きく制御してもよい。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1を用いてアルミニウムシート2を鋳造する場合においては、まず一対の鋳造ロール11,12の回転を開始すると同時又は若干のタイムラグをもって、レードル15から溶湯ノズル14へ溶湯5を注入する。溶湯ノズル14に注入された溶湯5は、図3に示すように、ロールギャップ13の中心水平線と交わる点P1から主堰板141,142に接触又は僅かな隙間をあけて設けられる点P2までの、一対の鋳造ロール11,12の接触面113,123と接触することで、溶湯5は冷却され、凝固し始める。本実施形態の双ロール式縦型鋳造装置1は、溶湯5の冷却速度が例えば1000℃/秒以上となる冷間圧延鋳造法であり、この溶湯5の冷却速度に応じて一対の鋳造ロール11,12の周速度が設定される。
この鋳造開始時において、レードル15から溶湯ノズル14へ溶湯5を注湯する鋳造初期において、本実施形態の溶湯ノズル14には縮小域14Rが設けられているので、溶湯5の液面が目標液面に短時間で到達することができる。また溶湯ノズル14内の溶湯5が徐々に少なくなる鋳造終期において、ロールギャップ上の液面位置が長時間目標液面を維持することになる。この結果、得られるアルミニウムシート2の表面及び内面の仕上がり品質が一定値以上に維持され、アルミニウムシート2の先頭と後尾の廃棄部分が少なくなるので、製品の歩留まりが向上する。
これに加えて、本実施形態の溶湯ノズル14の下部には拡張域14Eが設けられ、溶湯5と鋳造ロール11,12との接触面113,123の面積が充分に確保されているので、一対の鋳造ロール11,12の周速度を高めても溶湯5は充分な速度で冷却する。これにより、アルミニウムシート2の生産性を高めることができる。
さらに、主堰板141,142の表面は、溶湯ノズル14内において比較的温度の低下が大きいことからその表面近傍に半凝固(固液共存)した塊が生じ易い。しかしながら、本実施形態の主堰板141,142の縮小域14Rの鉛直方向の位置は、溶湯5の凝固開始点P3よりロールギャップ13側に設けられているので、縮小域14Rの主堰板141,142の表面近傍から半凝固した塊がロールギャップ13方向へ流下しても、鋳造ロール11,12の表面に落下することが抑制される。すなわち、固液共存の溶湯5又は固相の溶湯53に入り込み、ここで周囲の固液共存の溶湯5と一体化される。これにより、半凝固した塊が鋳造後のアルミニウムシート2に巻き込まれ、表面欠陥になることが防止される。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図3に示す第1実施形態の溶湯ノズル14は、鋳造ロール11,12の回転軸111,121に直角方向(図3に示す左右方向)において、ロールギャップ13の中心線CLを対称線として一対の主堰板141,142が線対称の形状とされ、さらに縮小域14Rにおける一対の主堰板141,142が鉛直方向に沿う平板から構成されている。これに対して、図4に示す第2実施形態のように、縮小域14Rにおける一対の主堰板141,142の構造を、拡張域14Eの上端に連続して鉛直方向に延在する主堰板141,142の第1縮小域14Rと、第1縮小域14Rの上端に連続して外側に向かって拡開する主堰板141,142の第2縮小域14Rとを含む構造としてもよい。そしてこの場合にも、主堰板141,142の縮小域14Rの鉛直方向の位置を、溶湯5の凝固開始点P3よりロールギャップ13側に設ける。
上述したとおり、図3に示す溶湯ノズル14においては、主堰板141、142の下端が鋳造ロール11,12に接触又は僅かな隙間をあけて設けられる点P2と、凝固開始点P3とがほぼ同じ位置となっているが、溶湯5の冷却速度が遅いと、図4に示すように凝固開始点P3が、主堰板141,142の下端の点P2よりロールギャップ13側に移動することがある。この場合に、点P2と点P3との間に、縮小域14Rの主堰板141,142の表面近傍で生じた半凝固した塊が落下すると、この半凝固した塊が鋳造後のアルミニウムシート2に巻き込まれ、表面欠陥になることがある、しかしながら、本実施形態では、主堰板141,142の縮小域14Rの鉛直方向の位置は、溶湯5の凝固開始点P3よりロールギャップ13側に設けられているので、縮小域14Rの主堰板141,142の表面近傍から半凝固した塊がロールギャップ13方向へ流下しても、鋳造ロール11,12の点P2と点P3との間の表面に落下することが抑制される。すなわち、固液共存の溶湯5又は固相の溶湯53に入り込み、ここで周囲の固液共存の溶湯5と一体化される。これにより、半凝固した塊が鋳造後のアルミニウムシート2に巻き込まれ、表面欠陥になることが防止される。
また図4に示す第2実施形態の溶湯ノズル14では、縮小域14Rにおける一対の主堰板141,142を、拡張域14Eの上端に連続して鉛直方向に延在する主堰板141,142の第1縮小域14Rと、第1縮小域14Rの上端に連続して外側に向かって拡開する主堰板141,142の第2縮小域14Rとを含む構造としているので、第1縮小域14Rにより、目標液面を満たす一方、第2縮小域14Rにより溶湯ノズル14の容積を稼ぐことができる。したがって、溶湯ノズル14の高さ方向の寸法を最小限に抑えることができる。
図3に示す第1実施形態の溶湯ノズル14は、鋳造ロール11,12の回転軸111,121に直角方向(図3に示す左右方向)において、ロールギャップ13の中心線CLを対称線として一対の主堰板141,142が線対称の形状とされているが、図5に示す第3実施形態のように、一方の主堰板141のみの下部を屈折し、他方の主堰板142は平板で構成し、これにより、一対の主堰板141,142の下部に拡張域14Eを形成し、その上部に縮小域14Rを設けてもよい。ただしこの場合には、一方の鋳造ロール12の接触面123の面積が、他方の鋳造ロール11の接触面113の面積より大きくなるので、一対の鋳造ロール11,12の冷却能力を相違させる必要がある。すなわち、接触面123の面積が大きい鋳造ロール12の冷却能力を、接触面113の面積が小さい鋳造ロール11の冷却能力より小さく制御する。
図4に示す第2実施形態の溶湯ノズル14は、鋳造ロール11,12の回転軸111,121に直角方向(図4に示す左右方向)において、ロールギャップ13の中心線CLを対称線として一対の主堰板141,142が線対称の形状とされているが、図6に示す第4実施形態のように、一方の主堰板141のみの下部及び上部を屈折し、他方の主堰板142は平板で構成し、これにより、一対の主堰板141,142の下部に拡張域14Eを形成し、その上部に縮小域14R(第1縮小域14R及び第2縮小域14Rを含んでもよいし含まなくてもよい)を設けてもよい。ただしこの場合には、一方の鋳造ロール12の接触面123の面積が、他方の鋳造ロール11の接触面113の面積より大きくなるので、一対の鋳造ロール11,12の冷却能力を相違させる必要がある。すなわち、接触面123の面積が大きい鋳造ロール12の冷却能力を、接触面113の面積が小さい鋳造ロール11の冷却能力より小さく制御する。
図3〜図6に示す第1〜第4実施形態の溶湯ノズル14の拡張域14Eは、鋳造ロール11,12との接触点P2に向かって傾斜して拡開する形状とされているが、図7に示す第5実施形態のように、拡張域14Eの主堰板141,142を鉛直方向に延在する形状とし、その上部に傾斜面(又は水平面でもよい)を挟んで縮小域14Rを設けてもよい。
なお、以上の図1〜7に示す実施形態の溶湯ノズル14の拡張域14Eは、鋳造ロール11,12の回転軸方向に沿って連続して同一の形状とされているが、本発明はこの実施形態に限定されない。たとえば、拡張域14E及び縮小域14Rを鋳造ロール11,12の回転軸方向に沿って不連続に形成してもよい。また、拡張域14Eと縮小域14Rは、鋳造ロール11,12の回転軸方向について幅広となる拡張域と幅狭となる縮小域を設けてもよい。この場合、一対の側堰板143,144の上部の間隔が下部の間隔より短くなるように側堰板143,144を屈曲してもよい。
1…双ロール式縦型鋳造装置
11…鋳造ロール
111…回転軸
112…回転駆動モータ
113…溶湯との接触面
114…ハブ
115…金属板
116…成形面
12…鋳造ロール
121…回転軸
122…弾性体
123…溶湯との接触面
124…ハブ
125…金属板
126…成形面
…成形面の回転軸方向の長さ
13…ロールギャップ
14…溶湯ノズル
141,142…主堰板
143,144…側堰板
145,146…押圧弾性体
147…引張り弾性体
14E…拡張域
14R…縮小域
14R…第1縮小域
14R…第2縮小域
L1…第1距離
L2…第2距離
15…レードル(取鍋)
2…アルミニウムシート
3…巻取機
4…架台
41…スライドレール
5…溶湯
51…液相の溶湯
52…固液共存の溶湯
53…固相の溶湯(シート)
6…ガイド板
7…ガイドローラ
P1…ロールギャップが中心水平線と交わる点
P2…主堰板の下端が鋳造ロールに接触又は僅かな隙間をあけて設けられる点
P3…凝固開始点

Claims (5)

  1. 軽金属材料をシートに製造する双ロール式縦型鋳造装置であって、
    所定のロールギャップをもって対向配置され、互いに平行な回転軸を中心にして等しい周速度で回転するとともに、相対的に接近する方向へ弾性付勢された一対の鋳造ロールと、
    前記回転軸と平行に対向配置された一対の主堰板と、前記回転軸と直交して対向配置されるとともに前記一対の主堰板の両端面に密接された一対の側堰板とを含み、前記一対の鋳造ロールの前記ロールギャップの上方に配置されて、前記軽金属材料の溶湯が注湯される溶湯ノズルと、を備える双ロール式縦型鋳造装置において、
    前記溶湯ノズルの下部には、前記一対の主堰板の距離が第1距離である拡張域が設けられ、
    前記拡張域の上部には、前記一対の主堰板の距離が前記第1距離より短い第2距離である縮小域が設けられている双ロール式縦型鋳造装置。
  2. 前記縮小域は、前記拡張域の上端に連続する前記一対の主堰板の少なくとも一方が、前記ロールギャップを中心にして内側に縮小して構成される請求項1に記載の双ロール式縦型鋳造装置。
  3. 前記縮小域は、前記拡張域の上端に連続して鉛直方向に延在する第1縮小域と、前記第1縮小域の上端に連続して外側に向かって拡開する第2縮小域とを含む請求項1又は2に記載の双ロール式縦型鋳造装置。
  4. 前記拡張域は、前記一対の主堰板の少なくとも一方が外側に向かって拡開して構成される請求項1〜のいずれか一項に記載の双ロール式縦型鋳造装置。
  5. 軽金属材料をシートに製造する双ロール式縦型鋳造装置であって、
    所定のロールギャップをもって対向配置され、互いに平行な回転軸を中心にして等しい周速度で回転するとともに、相対的に接近する方向へ弾性付勢された一対の鋳造ロールと、
    前記回転軸と平行に対向配置された一対の主堰板と、前記回転軸と直交して対向配置されるとともに前記一対の主堰板の両端面に密接された一対の側堰板とを含み、前記一対の鋳造ロールの前記ロールギャップの上方に配置されて、前記軽金属材料の溶湯が注湯される溶湯ノズルと、を備える双ロール式縦型鋳造装置において、
    前記溶湯ノズルの下部には、前記一対の側堰板の距離が第1距離である拡張域が設けられ、
    前記拡張域の上部には、前記一対の側堰板の距離が前記第1距離より短い第2距離である縮小域が設けられている双ロール式縦型鋳造装置。
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