JP6734594B2 - ヒートシンク及び該ヒートシンクの製造方法並びに該ヒートシンクを用いた電子部品パッケージ - Google Patents
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この従来技術によれば、上下のパンチ間を狭めながら上型及び下型を同方向へ移動する独特の工法により、比較的薄肉で突出量の大きい有底筒状の凸部を形成することができ、電子部品用のヒートシンクとして用いるのに好適である。
しかしながら、このような金属材料は、一般的に、熱伝導率の低い金属材料(例えば、アルミニウム等)に比較して重量単価が高価である。
電子部品に接触させるための電子部品接触面を有する伝熱金属部と、該伝熱金属部における前記電子部品接触面以外の部分に面接触するとともにこの接触面以外の部分を露出した放熱金属部とを一体的に備え、前記伝熱金属部が、前記放熱金属部よりも熱伝導率の高い金属材料によって形成されているヒートシンクであって、板状の基部と、該基部から厚み方向へ突出した筒状の放熱部とを有し、これら基部及び放熱部が、前記放熱金属部と前記伝熱金属部とからなる二層状に構成されていることを特徴とするヒートシンク。
また、本発明の他例としては、以下の構成を具備する。
電子部品に接触させるための電子部品接触面を有する伝熱金属部と、該伝熱金属部における前記電子部品接触面以外の部分に面接触するとともにこの接触面以外の部分を露出した放熱金属部とを一体的に備え、前記伝熱金属部が、前記放熱金属部よりも熱伝導率の高い金属材料によって形成されているヒートシンクであって、前記放熱金属部は、一方側の面を前記伝熱金属部に接した板状の基部と、前記基部の他方側の面から突出してその突端側を開口した筒状の放熱部とを有し、前記放熱部内の空間は、前記基部を厚み方向へ貫通して前記伝熱金属部を部分的に外部に露出していることを特徴とするヒートシンク。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
ヒートシンクAは、電子部品aに接触させるための電子部品接触面10aを有する伝熱金属部10と、該伝熱金属部10における電子部品接触面10a以外の部分に面接触するとともにこの接触面以外の部分を露出した放熱金属部20とを一体的に備え、伝熱金属部10が、放熱金属部20よりも熱伝導率の高い金属材料によって形成されている(図1〜図2参照)。
この伝熱金属部10を構成する金属材料は、放熱金属部20よりも熱伝導率が高いものであればよく、例えば、銅、又は銅を主成分に含む合金を用いる。
本実施態様によれば、伝熱金属部10の熱伝導率は、386〜402W/(m・K)である。
この放熱金属部20を構成する金属材料は、伝熱金属部10よりも熱伝導率が低いものであり、例えば、アルミニウム、又はアルミニウムを主成分に含む合金を用いる。
本実施態様によれば、放熱金属部20の熱伝導率は、150〜230W/(m・K)である。
凹部22は、平面視矩形状且つ断面略凹状に形成され、その底面(図2によれば上面)の略全面を、伝熱金属部10との接触面としている。
各放熱部23は、一端側及び他端側を開口した筒状を呈し、基部21の露出側の面から略垂直に突出している。この放熱部23内の空間は、基部21を貫通している(図2参照)。
伝熱金属部10は、平板状の素材(例えば、銅板等)を、プレス加工によりカットすることで、所定寸法の矩形板状に形成される。
詳細に説明すれば、先ず、平板状の素材(例えば、アルミニウム合金板等)に対し、上下の金型及びパンチ等を用いた塑性加工が施されることで、凹部22の周囲に鍔部24を有する平面視矩形状且つ断面ハット状の部材に形成され、さらに、この部材に同様の塑性加工が施されることで、凹部22の底壁に複数の放熱部23が形成される。そして、ドリル加工又はプレス加工等によって、各放熱部23の突端に、開口が形成される(図2(a)参照)。
伝熱金属部10と放熱金属部20を接続固定する手段は、例えば、溶着や、接着、圧入嵌合、ネジ止め等とすればよい。
しかも、このヒートシンクAでは、ヒートシンク全体を銅等の高伝導率金属により形成した場合と比較し、材料コストを低減することができる。
また、例えば、ヒートシンク全体を銅のみによって形成さた場合は、長期使用された場合等に、銅表面の酸化により外観上の体裁を著しく低下させてしまうが、本実施態様では、露出側の放熱金属部20にアルミニウムを含むため、酸化による見栄えの低下を防ぐことができる。
次に、本発明に係るヒートシンク及び電子部品パッケージの他の実施態様について説明する。なお、以下に示す実施態様は、上述した実施態様を一部変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、共通部分の説明は同一符号を用いる等して適宜省略する。
詳細に説明すれば、ヒートシンクBは、電子部品aに接触させるための電子部品接触面10aを有する伝熱金属部10と、該伝熱金属部10における前記電子部品接触面10a以外の部分に面接触するとともにこの接触面以外の部分を露出した放熱金属部30とを一体的に備え、伝熱金属部10が、放熱金属部30よりも熱伝導率の高い金属材料によって形成されている。
この放熱金属部30は、凹部32の底面を、伝熱金属部10における電子部品接触面10aと反対側の面に略全面にわたって接触させて、該凹部32内に伝熱金属部10を嵌め合せている。伝熱金属部10を放熱金属部30に接続固定する手段は、ヒートシンクAと同様に、溶着や接着、圧入嵌合、ネジ止め等とすることができる。
伝熱金属部10は、ヒートシンクAと同様にして、平板状の素材(例えば、銅板等)から所定寸法の矩形板状に形成される。
詳細に説明すれば、先ず、平板状の素材(例えば、アルミニウム合金板等)に対し、上下の金型及びパンチ等を用いた塑性加工により、凹部32の周囲に鍔部34を有する平面視矩形状且つ断面ハット状の部材が形成される(図4(a)参照)。
そして、前記部材について、凹部32周囲の鍔部34がプレス加工等の除去加工によって除去され、その内側に、放熱金属部30が残される(図4(b)参照)
伝熱金属部10に電子部品aを固定する手段は、接着やネジ止め、あるいは嵌合等とすればよい。
しかも、このヒートシンクBによれば、設置状況等に応じて、平坦状の放熱部31上に放熱フィン等を設け、より放熱効率を向上することが可能である。
図5〜図6に示すヒートシンクCは、基部51と、この基部51から厚み方向の一方側(図5(b)によれば上方側)へ突出した複数の筒状の放熱部52と、他方側へ突出した複数の筒状の伝熱部53とを有し、これら基部51、放熱部52及び伝熱部53が、前記放熱金属部と前記伝熱金属部とからなる二層状に構成されている。
周壁部52a及び底壁52bは、外側の層が前記放熱金属部であり、内側の層が前記伝熱金属部になっている。
周壁部52aは、前記放熱金属部である外周面が、円筒状の面(言い換えれば、横断面円形)に形成され、前記伝熱金属部である内周面が、入隅部52cを有する角筒状(図5(a)に示す一例によれば六角筒状)の面に形成されている。
周壁部53a及び底壁53bは、外側の層が前記伝熱金属部であり、内側の層が前記放熱金属部になっており、底壁53bの外面が、電子部品接触面になっている(図5(b)参照)。
周壁部53aは、前記伝熱金属部である外周面が、円柱の外周面(言い換えれば、横断面円形)に形成され、前記放熱金属部である内周面が、入隅部53cを有する角筒状(図5(a)に示す一例によれば六角筒状)の面に形成される。
同様に、前記伝熱金属部も、基部51、周壁部52a、底壁52b、周壁部53a及び底壁53bにわたって連続している。
ヒートシンクCと電子部品aを固定する手段は、例えば、接着やネジ止め、あるいは嵌合等とすればよい。
先ず、上記放熱金属部になる板状素材50aと、上記伝熱金属部になる板状素材40aとが、重ね合わせられる(図6(a)参照)。
この際、これら板状素材50aと板状素材40aは、接着や圧着、溶接等により接合されることなく、引き離すことが可能な状態で、単に重ね合わせられる。
すなわち、放熱部52及び伝熱部53を加工する前の板状素材50a,40aは、複数枚の金属製板材を重ね合わせて圧着し原子間接合したクラッド材とは異なる。
次に、第1パンチP1と第2パンチP2の間を狭めながら、第1成形型M1及び第2成形型M2を、基部51の厚み方向の一方(図示例によれば下方)へ移動する(図6(c)参照)
これらの工程によれば、周壁部52a及び底壁52bが薄く延ばされて、比較的突出量の大きな放熱部52を形成することができる。
しかも、上記塑性加工の際に、第2パンチP2外周の角部P21と第1成形型M1の内周面との間で、放熱部52(又は伝熱部53)周壁に局部的な力が作用し入隅部52c(又は53c)が形成されるため、この入隅部52c(又は53c)でのアンカー効果によって、放熱金属部50と伝熱金属部40とを強力に接続することができる。
10a:電子部品接触面
20,30,50:放熱金属部
21,51:基部
22,32:凹部
23,31,52:放熱部
53:伝熱部
53b:底壁(電子部品接触面)
a:電子部品
A,B,C:ヒートシンク
M1:第1成形型
M2:第2成形型
P1:第1パンチ
P2:第2パンチ
Claims (5)
- 電子部品に接触させるための電子部品接触面を有する伝熱金属部と、該伝熱金属部における前記電子部品接触面以外の部分に面接触するとともにこの接触面以外の部分を露出した放熱金属部とを一体的に備え、前記伝熱金属部が、前記放熱金属部よりも熱伝導率の高い金属材料によって形成されているヒートシンクであって、
板状の基部と、該基部から厚み方向へ突出した筒状の放熱部とを有し、
これら基部及び放熱部が、前記放熱金属部と前記伝熱金属部とからなる二層状に構成されていることを特徴とするヒートシンク。 - 前記放熱金属部用の第1の板状素材と、前記伝熱金属部用の第2の板状素材とを圧着せずに重ね合わせ、これら二枚の板状素材の一部分に、厚み方向への塑性加工を施すことで、その塑性変形部分を前記放熱部とし、他の部分を前記基部とすることを特徴とする請求項1記載のヒートシンクの製造方法。
- 前記塑性加工では、円筒状の内周面を有する成形型と、角筒状の外周面を有するパンチとが用いられ、前記成形型の内周面と前記パンチの外周面との間で、前記放熱部の周壁部を形成することを特徴とすることを特徴とする請求項2記載のヒートシンクの製造方法。
- 電子部品に接触させるための電子部品接触面を有する伝熱金属部と、該伝熱金属部における前記電子部品接触面以外の部分に面接触するとともにこの接触面以外の部分を露出した放熱金属部とを一体的に備え、前記伝熱金属部が、前記放熱金属部よりも熱伝導率の高い金属材料によって形成されているヒートシンクであって、
前記放熱金属部は、一方側の面を前記伝熱金属部に接した板状の基部と、前記基部の他方側の面から突出してその突端側を開口した筒状の放熱部とを有し、
前記放熱部内の空間は、前記基部を厚み方向へ貫通して前記伝熱金属部を部分的に外部に露出していることを特徴とするヒートシンク。 - 前記電子部品接触面に電子部品を接触させていることを特徴とする請求項1又は4記載のヒートシンクを用いた電子部品パッケージ。
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