JP6733598B2 - 用紙搬送機構、画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動されるベルトを用いて用紙を搬送する用紙搬送機構、及びこれを用いた画像形成装置に関する。
プリンタ等の画像形成装置においては、例えば、感光体ドラムにパターニングされて担持されたトナーが用紙に転写された後に、定着用加熱ロール等を用いてこのトナーのパターンが用紙に定着されて、用紙が出力される。こうした工程においては、用紙が湾曲(カール)した状態となる。このように用紙がカールした状態でその後に搬送が行われると、搬送経路において用紙が詰まる、あるいは出力後のトレイにおいて用紙が乱れる、等の問題が発生する。このため、用紙のロールを矯正するための機構が用いられている。
一方、用紙を搬送するためには、複数のローラーやこれに掛け渡されたベルトを用いた機構が用いられる。特許文献1に記載の構成においては、用紙のカールを矯正する向きに押圧された押圧ローラーが用いられ、用紙がこの押圧ローラーと弾性変形するベルトとの間に挟まれて搬送される際に、押圧ローラーによってカールと逆向きに用紙が変形する。この際、ベルトは、押圧ローラーから離間した箇所にあり回転駆動されたローラー(駆動用ローラー)に掛け渡され、定められた速度で駆動され、このベルトの移動に沿って用紙が搬送される。このため、用紙がこの機構によって搬送される際に、カールが矯正される。カールの矯正の度合いは、この搬送の際に押圧ローラーの用紙に与える曲率の度合いで定まり、この曲率の度合いは、用紙、ベルト側への押圧ローラーの突出量、すなわち押圧ローラーの位置で定まる。この位置が調整可能で、かつ用紙の搬送時には固定されるように押圧ローラーが設けられている。なお、押圧ローラーは回転駆動されず、用紙の移動に際して従動する。このため、用紙の移動は、駆動用ローラーで駆動されるベルトにより行われる。
この構成においては、用紙はベルトによって駆動されるものの、実際には、用紙とベルトとの間には僅かに滑りが発生するために、用紙の搬送速度はベルトの駆動速度(ベルトの直線部分における移動速度)よりも小さくなる。特に、この状況は用紙の厚さや押圧ローラーの位置に応じて変動する。例えば、用紙が厚い場合や押圧ローラーの突出量が大きい場合には、滑りが小さくなり用紙の搬送速度は大きく、用紙が薄い場合や押圧ローラーの突出量が小さな場合には滑りが大きくなり用紙の搬送速度は小さくなる。
このため、特許文献1に記載の技術においては、上記のような状況に応じてベルトの駆動速度(駆動用ローラーの回転速度)が、用紙の搬送速度が一定となるように調整される。これによって、紙詰まり等が発生することが抑制される。
特許第3879379号公報
特許文献1に記載の構成においては、ベルトと用紙との間に滑りがあることが前提とされている。この滑り、あるいはベルトの駆動速度と用紙の搬送速度の関係には上記のような傾向があるものの、この滑りの状況は、ベルトと用紙の界面の状況等に応じても変動する。特に、用紙の種類として様々なものが存在するため、この界面の状況は一定ではなく、用紙の種類によらずに搬送速度を精密に制御することは困難であった。
すなわち、用紙の搬送速度を精密に制御することが可能な用紙搬送機構が望まれた。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上記課題を解決できる技術を提供することを目的とする。
本発明の用紙搬送機構は、弾性変形が可能であり長さ方向に移動するベルトを用いて用紙を搬送する用紙搬送機構であって、前記ベルト側に向かって前記ベルトを湾曲させるように突出して設置され、前記用紙を前記ベルトとの間に挟んだ状態で、前記ベルトと接する側の表面が前記ベルトの移動方向と同じ向きに移動するように回転駆動される押圧ローラーを具備し、前記ベルトの前記用紙と接する表面の移動速度が、前記押圧ローラーの前記用紙と接する表面の移動速度よりも大きく設定され、前記用紙の搬送速度の基準値が設定され、前記基準値である前記搬送速度で搬送される前記用紙と前記ベルトとの間で滑りが発生しないように前記ベルトの駆動速度が設定され、かつ、前記基準値である前記搬送速度で搬送される前記用紙と前記押圧ローラーの前記表面との間で滑りが発生しないように前記押圧ローラーの前記表面の移動速度が設定されたことを特徴とする。
本発明の用紙搬送機構は、前記押圧ローラーの前記ベルト側への突出量が調整可能とされたことを特徴とする
本発明の用紙搬送機構において、前記ベルトの駆動速度、及び前記押圧ローラーの前記表面の移動速度は、前記用紙の厚さ又は種類に応じて設定されたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、前記用紙搬送機構が用いられ、前記用紙に画像を形成して出力することを特徴とする。
上記の構成により、用紙の搬送速度を精密に制御することことができる。
本発明の実施の形態に係る用紙搬送機構の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る用紙搬送機構における押圧ローラー周辺の状況を拡大して示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る用紙搬送機構1の構造を示す断面図である。この用紙搬送機構1は、用紙Pに画像を形成して出力する(印刷する)機能を具備する画像形成装置に用いられる。この際、この用紙搬送機構1は、画像形成装置内において用紙Pの湾曲(カール)も矯正するために用いられ、用紙搬送機構1で用紙Pが搬送される際にカールが矯正される。なお、実際には用紙Pを構成する材料は紙類に限定されず、用紙Pは、画像をその上に形成することができる変形可能な媒体であればよい。このため、用紙Pは、OHPシート等、樹脂材料で構成されたフィルム等であってもよい。以下では、用紙Pとしてはこうした場合も含むものとする。
用紙Pの矯正の度合いは、特許文献1に記載の技術と同様に、押圧ローラー10の設定位置(用紙P側への突出量)で調整することができる。また、回転駆動されかつその回転速度が調整可能な駆動用ローラー11と、駆動用ローラー11から離間した従動ローラー12が用いられ、駆動用ローラー11と従動用ローラー12との間には、弾性変形可能なベルト20が掛け渡される。ベルト20は駆動用ローラー11の回転によって駆動され、従動ローラー12は、ベルト20のガイドとして機能する。ベルト20と駆動用ローラー11の表面、従動用ローラー12の表面との間には滑りは発生しないものとする。このため、駆動用ローラー11の回転速度を制御することによってベルト20の駆動速度(図1中での直線部分におけるベルト20の移動速度)が調整される。
また、図1において、環状のベルト20の内側からベルト20と当接しベルト20に対して外側に圧力を加えるように接しベルト20に張力を与えるテンションローラー13も設けられる。図1における押圧ローラー10、駆動用ローラー11、従動ローラー12、テンションローラー13の回転軸は、それぞれの中心において紙面垂直とされる。また、駆動用ローラー11、押圧ローラー10は、それぞれ図中反時計回り、時計回りに回転駆動され、ベルト20の表面は、全体として図中紙面内を反時計回りに移動する。従動ローラー12、テンションローラー13は回転駆動されず、ベルト20の移動に伴って従動する。駆動用ローラー11、従動ローラー12の回転軸の位置は固定されるため、ベルト20を安定して駆動することができ、この際に、テンションローラー13によってベルト20に張力を付与し、ベルト20を弛みのない状態とすることができる。また、ベルト20は弾性変形可能であるため、押圧ローラー10の設定位置に関わらず、ベルト20は弛みのない状態で駆動される。
図1においては、用紙Pが搬送される際の状況が示され、この際には用紙Pはベルト20と押圧ローラー10に挟まれ、この箇所ではベルト20が図中左側から右側に向けて移動する。この際のベルト20の用紙Pと接する表面の移動速度は、ベルト20の駆動速度(図1におけるベルト20直線部分の移動速度)で定まり、この駆動速度は駆動用ローラー11の回転速度によって定まる。一方、この用紙搬送機構1においては、押圧ローラー10も図1中で時計回りに回転駆動される。この押圧ローラー10の用紙Pと接する表面の移動速度は、押圧ローラー10の回転速度で定まる。
用紙Pの搬送に際して、押圧ローラー10の前、後にはそれぞれガイド31、32が設けられているため、図2において用紙Pは押圧ローラー10の前後で適正に延びた状態となり、例えば用紙Pが折り曲げられた状態で搬送されることが抑制される。また、ガイド31には、用紙Pの有無を光学的に検知する用紙センサ33が設けられる。用紙センサ33によって、用紙Pが押圧ローラー10と接する直前の状態にあることを認識することができる。また、ガイド32には、搬送される用紙Pの実際の移動速度(搬送速度)を光学的に認識する搬送速度センサ34が設けられている。一般的には図1における各部の大きさと比べて用紙Pの厚さは無視できる程度に薄く、かつベルト20には弾性があるため、用紙Pがベルト20と押圧ローラー10の間にない場合(非搬送時)においては、ベルト20と押圧ローラー10とは直接接する。
図2は、図1における用紙Pの搬送時における押圧ローラー10付近の状況を拡大して示す図である。用紙Pのカールが図2における用紙P及びベルト20の湾曲と反対の向きとなるように用紙Pは搬送されるため、搬送に際してこのカールを矯正することができる。この際、前記の通り押圧ローラー10は矢印A1で示される範囲で位置調整が可能であり、その位置に応じて図2におけるベルト20及び用紙Pの曲率半径は変動する。具体的には、押圧ローラー10の位置が図2において左上側にある場合にはこの曲率半径は小さくなり、右下側にある場合にはこの曲率半径は大きくなる。前者の場合には用紙Pのカールの矯正の度合いが強く、後者の場合にはこの度合いは弱くなる。どの場合においても、ベルト20及び用紙Pが図中左上側に向かって凸形状となるように湾曲する状態は維持される。このため、用紙Pは、図中右下側から押圧ローラー10によって押圧され、図中左上側からベルト20によって押圧される。前記の通り、ベルト20は弾性体で構成され、用紙Pも少なくとも狭い範囲では変形が可能であるために、押圧ローラー10の設定位置に関わらず、こうした形態でベルト20、用紙Pは矢印A2、A3に示される向きに移動することができる。
この構成においては、用紙Pは押圧ローラー10とベルト20の両者から両面で駆動されて搬送されるため、ベルトのみによって駆動される従来の用紙搬送機構と比べて、滑りが発生しにくい。このため、搬送速度を精密に制御することができる。また、このために用紙Pのカールの矯正を安定して行わせることができるため、カールの矯正の能力も高まる。このため、この用紙搬送機構1は、押圧ローラー10の回転速度、ベルト20の駆動速度(駆動用ローラー11の回転速度)を調整するCPU(制御部:図示せず)を具備する。以下では、この制御部が行う制御の内容について説明する。
まず、用紙Pの搬送速度を予め設定された値とする場合において、用紙Pと押圧ローラー10との間、用紙Pとベルト20との間でそれぞれ滑りを発生させないための、押圧ローラー10の表面の移動速度、ベルト20の駆動速度について、以下に説明する。押圧ローラー10の表面の移動速度、ベルト20の駆動速度は個別に制御され、これらの関係は、用紙Pの厚さに依存する。
図2においては、押圧ローラー10の回転角度の範囲がBとCの間となる領域(ニップ領域)において、用紙Pは押圧ローラー10及びベルト20と接する。この際、用紙Pはカールと逆向きに湾曲するため、カールが矯正される。ベルト20、用紙Pは弾性変形するために、こうした用紙Pの搬送が可能となる。なお、この際の用紙Pの変形量は僅かであるために、用紙Pの厚さtpやベルト20の厚さtbは一様と考えることができる。
図2におけるニップ領域で押圧ローラー10と用紙Pとの間で滑りが発生しない場合、押圧ローラー10の表面の移動速度と用紙Pの押圧ローラー10側の表面の移動速度は等しくなる。このため、図2において押圧ローラー10の半径をrとし、押圧ローラー10の中心Oの周りの角速度をωとすると、この移動速度Vrt=r×ωとなる。一方、この領域でベルト20と用紙Pとの間でも滑りが発生しない場合、ベルト20の用紙P側の移動速度と用紙Pのベルト20側の移動速度とが等しくなる。更に、ニップ領域において押圧ローラー10、用紙P及びベルト20が一体となって動くためには、ベルト20及び用紙Pも押圧ローラー10の中心Oの周りで同じ角速度ωで動くことが必要である。このため、用紙Pのベルト20側の移動速度Vrt1は、上記の関係からωを消去すると、以下の通りになり、このVrt1はベルト20の用紙P側の表面の移動速度と等しくなる。
また、用紙Pの搬送速度Vpfは、用紙Pのニップ領域外での移動速度となる。Vpfは、ニップ領域内における用紙Pの厚さ方向の中央部における移動速度と等しく、上記のVrt1と同様に、以下の通りとなる。
また、ベルト20の駆動速度Vbは、ベルト20のニップ領域外での移動速度となり、上記と同様に、ニップ領域内におけるその厚さ方向の中央における移動速度と等しくなるため、以下の通りとなる。
回転の中心Oからみてベルト20は最も外側、押圧ローラー10の表面は最も内側にあり、用紙Pはこれらの間にあるため、常にVb>Vpf>Vrtとなる。ここで、押圧ローラー10の半径r、ベルト20の厚さtbは、装置構成に応じて定まるため、一定と考えることができる。また、用紙Pの搬送速度Vpfは、この用紙搬送機構1が用いられる画像形成装置に応じて設定される。一方、用紙Pの厚さtpは、用紙Pの種類に応じて変動する。このため、この用紙搬送機構1においては、要求される用紙Pの搬送速度Vpfと用紙Pの厚さtpから(2)式によって押圧ローラー10表面の移動速度Vrt及び角速度ωを決定すると共に、(3)式によって、ベルト20の移動速度Vb(駆動用ローラー11の回転速度)を決定することによって、用紙Pの厚さに応じて滑りがない状態で用紙Pを搬送速度Vpfで搬送させることができる。これによって、高い精度で搬送速度を上記のVpfとして用紙Pを搬送することができる。
また、用紙Pの搬送時にはベルト20と押圧ローラー10の間には用紙Pが挟まれているが、非搬送時においてはベルト20と押圧ローラー10の間には用紙Pが存在せずにベルトPと押圧ローラー10は直接接し、かつこれらは共に駆動されている。この状態においては、これらの間で滑りを発生させずにこれらの摩耗を抑制することが好ましい。このためには、ベルト20の押圧ローラー10と接する側の表面と押圧ローラー10の表面が同じ速度で移動するようにこれらを駆動することが好ましい。この場合におけるベルト20の移動速度Vb0は、(3)式においてtp=0とした場合に等しく、以下の通りとなる。
すなわち、用紙Pを搬送する状態と搬送していない状態とで、押圧ローラー10の角速度ω(押圧ローラー10の表面の移動速度Vrt)を変えない場合には、ベルト20の駆動速度を用紙Pの搬送時には上記のVb、非搬送時には上記のVb0となるように切り替えればよい。一般的にはr>>tbであり、この場合にはVb>Vb0となる。すなわち、用紙Pを搬送する際には、ベルト20の駆動速度を高める(駆動用ローラー11の回転速度を高める)必要がある。この切替は、図1における用紙センサ33によって用紙Pが検知されたタイミングで行うことができる。
上記のような設定とした場合の実際の上記の各速度について算出した結果について説明する。ここでは、押圧用ローラー10の半径rを5mm(直径10mm)、ベルト20の厚さtbを0.3mm、用紙Pの搬送速度Vpfを800mm/sとする。このVpfは、A4サイズの用紙(横向き)で150枚/minに相当する。用紙Pの厚さtpは、80μm(普通紙)、160μm(厚紙)、50μm(薄紙)の3種類とした。tp<tb<<rであるため、この場合の押圧用ローラー10の表面の移動速度VrtはVpf(800mm/s)よりも僅かに小さな値となり、押圧ローラー10の回転速度は25rps(Rotation Per Second)程度となる。ベルト20の駆動速度Vb(搬送時)、Vb0(非搬送時)は、Vpfよりも僅かに大きな値となる。実際に、この3種類の用紙Pについて押圧用ローラー10の表面の移動速度Vrt、Vrtを一定とした場合のベルト20の搬送時の移動速度Vb、非搬送時の移動速度のVb0を算出した結果を表1に示す。表1に示された条件においては、非搬送時において押圧ローラー10とベルト20との間で滑りが発生せず、用紙Pの搬送時には用紙Pと押圧ローラー10の間、用紙Pとベルト20との間で共に滑りが発生しない。
図2において、ベルト20の中心Oからの距離は、用紙Pの厚さに応じて変動するため、ニップ領域で用紙Pと押圧ローラー10との間に滑りがなくこれらが完全に連動する場合には、押圧ローラー10の回転速度が一定でも、用紙Pの搬送速度はその厚さに応じて変動する。具体的には、用紙Pが厚い場合には搬送速度が高く、薄い場合には搬送速度は低くなる。表1においては、搬送速度を一定(800mm/s)としているために、押圧ローラー10の表面の移動速度Vrt(押圧ローラー10の回転速度)は、用紙Pとして普通紙が用いられた場合と比べて、用紙Pが厚い場合に低く、薄い場合に高く設定されている。
一方、用紙Pが厚い場合には押圧ローラー10の表面の移動速度とベルト20の表面の移動速度の差が大きくなり、用紙Pが薄い場合にはこれらの移動速度の差は小さくなる。このため、表1においては、搬送速度を一定(800mm/s)とした場合におけるベルト20の駆動速度は、用紙Pとして普通紙が用いられた場合と比べて、用紙Pが厚い場合に高く、薄い場合に低く設定されている。すなわち、用紙Pの厚さtpに応じて、用紙Pとの間で滑りを発生させない条件でベルト20、押圧ローラー10を駆動することができる。
一方、このためには、用紙Pの厚さtpを認識することが必要である。しかしながら、実際にはtpを正確に認識することが困難である場合もある。こうした場合に滑りを抑制して搬送速度を精密に制御するための動作について以下に説明する。ここで、tpを正確に認識することはできないが、tpの標準的な値は既知であるものとし、この標準的なtpとの差が不明であるとして、以下に説明する。tpの標準的な値としては、例えば表1における普通紙の場合(80μm)を用いることができる。
この場合、表1における普通紙の場合の条件で押圧ローラー10、ベルト20を駆動するものとする。この場合において、用紙Pが普通紙であった場合には、その搬送速度が800mm/sとなることは前記の通りである。以下の制御では、この搬送速度が基準値として用いられる。
用紙Pが普通紙よりも厚かった場合(表1における厚紙の場合)には、この駆動条件では、前記の通り、その搬送速度は基準値である800mm/sよりも高くなる。この搬送速度は、図1における搬送速度センサ34によって認識することができる。すなわち、搬送速度が基準値よりも速かった場合には、実際に搬送された用紙Pは普通紙よりも厚かったものと推定することができる。この場合において、滑りを抑制し、かつ搬送速度を基準値に近づけるためには、表1における厚紙の場合に対応して、押圧ローラー10の回転速度を低下させると共に、ベルト20の駆動速度を高める制御を行えばよい。この場合には、押圧ローラー10の回転速度の低下量、ベルト20の駆動速度の増加量を予め小さく設定しておけば、少なくともこの制御によって実際の搬送速度を、基準値を下回らない範囲で基準値に近づけることができる。
逆に、この基準値よりも実測された搬送速度が遅かった場合には、実際に搬送された用紙Pは普通紙よりも薄かったものと推定することができる。この場合においては、上記とは逆に、表1における薄紙の場合に対応して、押圧ローラー10の回転速度を高めると共に、ベルト20の駆動速度を低下させる制御を行えばよい。この場合における、押圧ローラー10の回転速度の増加量、ベルト20の駆動速度の低下量を予め小さく設定しておけば、少なくともこの制御によって実際の搬送速度を、滑りを抑制し、基準値を超えない範囲で基準値に近づけることができる。あるいは、上記のように実測された搬送速度が基準値よりも高かった場合に押圧ローラー10の回転速度を低下させると共にベルト20の駆動速度を高める制御と、実測された搬送速度が基準値よりも低かった場合に押圧ローラー10の回転速度を高めると共にベルト20の駆動速度を低下させる制御とを組み合わせて、搬送速度を基準値に近づけることができる。
すなわち、制御部は、用紙Pの実際の厚さtpが不明の場合でも、予め定められた標準条件(例えば表1において普通紙が用いられた場合の駆動条件)を採用した場合の実際の搬送速度を搬送速度センサ34によって測定し、この搬送速度をフィードバックして上記のように押圧ローラー10の回転速度、ベルト20の駆動速度を微調整することによって、滑りを抑制しつつ搬送速度を基準値に近づけることができる。
例えば、用紙Pが搬送方向において長く、搬送速度センサ34によって用紙Pの実際の搬送速度を押圧ローラー10の近傍で測定する場合には、1枚の用紙Pの搬送時において上記の制御を複数回行うことにより、搬送速度を基準値に近づけることができる。あるいは、同一種類の用紙Pが多数枚連続的に処理される場合には、上記の制御を行うことによって、処理が進むにつれて、搬送速度を基準値に近づけることができる。例えば出力トレイで出力された用紙Pを積層する場合に搬送速度が適正でない場合には、用紙Pを適正に積層することが困難となる場合がある。こうした場合において、特に上側に(後で)用紙Pが積層される際には、既に用紙Pが多く積層されているために、出力トレイにおけるスペースが狭くなり、紙詰まり等が発生しやすい。上記の構成では、後で出力される用紙Pに対する搬送速度が特に適正となるため、こうした状況は発生しにくくなる。
このように、用紙Pの厚さtpが不明である場合でも、用紙Pの実際の搬送速度と、予め定められた搬送速度の基準値とを比較することによって、搬送速度をこの基準値に近づけることができる。ここで、実際にはtpの変動の範囲は例えば表1に記載のように標準値の2倍〜1/2倍程度であり、上記の制御における押圧ローラー10、ベルト20の駆動条件の変化量も大きくないため、このように実測された搬送速度をフィードバックする制御は、極めて有効である。想定されるtpの変動の範囲に応じて、上記の制御における押圧ローラー10の回転速度、ベルト20の駆動速度の増加量、低下量は、予め設定することが可能である。
なお、上記の構成においては、押圧ローラー10は、用紙Pのカールを矯正するために用いられた。しかしながら、こうした目的でなくとも、図1、2と同様に、ベルト側に向かってベルトを湾曲させるように突出して設置された押圧ローラーが用いられる場合に、用紙の搬送速度を精密に制御する上では、上記の構成は有効である。また、上記の例では、ベルト20は駆動用ローラー11によって駆動されるものとしたが、ベルトの駆動方式も任意である。
特に、このようなベルト、ローラーを用いた用紙搬送機構は、用紙に画像を形成して出力する(印刷する)画像形成装置において有効である。しかしながら、画像形成装置以外でも、特に多数の用紙を連続的に処理する装置においては、同様の構成が有効であることは明らかである。
1 用紙搬送機構
10 押圧ローラー
11 駆動用ローラー
12 従動ローラー
13 テンションローラー
20 ベルト
31、32 ガイド
33 用紙センサ
34 搬送速度センサ
O 中心
P 用紙

Claims (4)

  1. 弾性変形が可能であり長さ方向に移動するベルトを用いて用紙を搬送する用紙搬送機構であって、
    前記ベルト側に向かって前記ベルトを湾曲させるように突出して設置され、前記用紙を前記ベルトとの間に挟んだ状態で、前記ベルトと接する側の表面が前記ベルトの移動方向と同じ向きに移動するように回転駆動される押圧ローラーを具備し、
    前記ベルトの前記用紙と接する表面の移動速度が、前記押圧ローラーの前記用紙と接する表面の移動速度よりも大きく設定され
    前記用紙の搬送速度の基準値が設定され、
    前記基準値である前記搬送速度で搬送される前記用紙と前記ベルトとの間で滑りが発生しないように前記ベルトの駆動速度が設定され、
    かつ、前記基準値である前記搬送速度で搬送される前記用紙と前記押圧ローラーの前記表面との間で滑りが発生しないように前記押圧ローラーの前記表面の移動速度が設定されたことを特徴とする用紙搬送機構。
  2. 前記押圧ローラーの前記ベルト側への突出量が調整可能とされたことを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送機構。
  3. 前記ベルトの駆動速度、及び前記押圧ローラーの前記表面の移動速度は、前記用紙の厚さ又は種類に応じて設定されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の用紙搬送機構。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の用紙搬送機構が用いられ、前記用紙に画像を形成して出力することを特徴とする画像形成装置。
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