JP6733565B2 - ワイヤハーネス - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤハーネスに関する。
従来、電気自動車又はハイブリッド車等の車両は、例えばバッテリとインバータとを電気的に接続するワイヤハーネスを備えている。このワイヤハーネスは、例えば車両の床下等に配索される。ワイヤハーネスは、複数の電線、及び複数の電線を覆うパイプを備える。パイプの端部には、防水カバーが取着されている。床下に配索されるワイヤハーネスは、密閉構造とされ、温度変化に伴う内部圧力の変化による変形を抑制するために通気部材が取着される(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−241143号公報
ところで、上記のようなワイヤハーネスにおいて、通電された電線から発する熱や外気温の変化は、ワイヤハーネスに含まれる部材に影響する。例えば、電線から発する熱や外気温の変化は、ワイヤハーネスの内圧が変化する。この内圧の変化により、例えば、ゴム等により形成される防水カバーは、膨張と収縮を繰り返す。膨張した防水カバーが周辺部材に干渉すると、損傷等が発生する虞がある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、放熱性の向上を可能としたワイヤハーネスを提供することにある。
上記課題を解決するワイヤハーネスは、電線と、前記電線が挿通された保護管と、筒形状をなし前記保護管の端部外面に密着して固定された第1外装部と、を有するハーネス部材と、空気管と、筒形状をなし前記空気管の第1端部の外面に密着して固定された第2外装部と、を有する放熱部材と、前記第1外装部の内部と前記第2外装部の内部とを互いに連通する第1連通部と、を有する。
この構成によれば、通電された電線により発する熱は、第1連通部によって第1外装部と連通する第2外装部へと伝達する。つまり、ハーネス部材の内部の熱は放熱部材へと伝達される。放熱部材において、外部から空気管の第2端部へと向かう空気の流れが生じる。このように、外気が第2外装部から空気管を通過して第2端部から排出されるため、ハーネス部材の内部に熱がこもり難くなり、ハーネス部材の放熱性が向上する。
上記のワイヤハーネスは、前記ハーネス部材を複数備え、複数のハーネス部材のうちの2つの前記ハーネス部材の前記第1外装部の内部を互いに連通する第2連通部を有することが好ましい。
この構成によれば、複数のハーネス部材の内部に熱がこもり難くなり、各ハーネス部材の放熱性が向上する。
上記のワイヤハーネスは、前記第2外装部に接続され、気体の通過を許容し、液体の通過を規制する通気部材を有することが好ましい。
この構成によれば、ハーネス部材に対する液体等の進入を抑制することができる。
上記のワイヤハーネスにおいて、前記第1外装部と前記第2外装部と前記第1連通部は一体に形成されてなることが好ましい。
この構成によれば、第1外装部と第2外装部とを容易に連通させることができる。また、部品点数を低減することができる。
本発明のワイヤハーネスによれば、放熱性を向上することができる。
ワイヤハーネスの概略図。 カバー部材の内部を示す概略断面図。
以下、各形態を説明する。
なお、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。構成要素の寸法比率は実際のものと、または別の図面中のものと異なる場合がある。また、断面図では、理解を容易にするために、一部の構成要素のハッチングを省略している場合がある。
図1に示すワイヤハーネス1は、例えばハイブリッド車等の車両に配索される。ワイヤハーネス1は、車両に配設された各種の電気機器を互いに電気的に接続する。
ワイヤハーネス1は、複数(図1では2つ)のハーネス部材10,20と、1つの放熱部材30とを有している。
本実施形態において、ハーネス部材10,20と放熱部材30は、カバー部材40により互いに連結されている。カバー部材40は、ハーネス部材10,20に対応する外装部41,42と、放熱部材30に対応する外装部43と、外装部41,42,43を接続する接続部45,46とを含む。つまり、ハーネス部材10,20と放熱部材30は、それぞれに含まれる外装部41,42,43と接続部45,46により互いに連結されている。
ハーネス部材10は、複数本(例えば3本)の電線11と、電線11が挿通された保護管12と、電線11が接続されたコネクタ13,14と、コネクタ13,14を覆う外装部41,16とを有している。保護管12は、水滴、飛び石等から電線11を保護する。保護管12としては、例えばアルミニウム等の金属パイプ、樹脂等からなり可撓性を有するコルゲートチューブ等を用いることができる。
外装部41は、概略筒形状に形成されている。外装部41は、コネクタ13(コネクタシェル又はハウジング)と保護管12との間に掛け渡されるように被着されている。外装部41は、図示しない固定バンドによりコネクタ13の外側と保護管12の外側にそれぞれ締結固定されている。外装部41は、コネクタ13の外側と保護管12の外側とにそれぞれ気密状に密着している。外装部41の材料としては、例えばゴムやエラストマー等を用いることができる。
外装部16は、概略筒形状に形成されている。外装部16は、コネクタ14(コネクタシェル又はハウジング)と保護管12との間に掛け渡されるように被着されている。外装部16は、図示しない固定バンドによりコネクタ14の外側と保護管12の外側にそれぞれ締結固定されている。外装部16は、コネクタ14の外側と保護管12の外側とにそれぞれ気密状に密着している。外装部16の材料としては、例えばゴムやエラストマー等を用いることができる。
ハーネス部材20は、複数本(例えば3本)の電線21と、電線21が挿通された保護管22と、電線21が接続されたコネクタ23,24と、コネクタ23,24を覆う外装部42,26とを有している。保護管22は、水滴、飛び石等から電線21を保護する。保護管22としては、例えばアルミニウム等の金属パイプ、樹脂等からなり可撓性を有するコルゲートチューブ等を用いることができる。
外装部42は、概略筒形状に形成されている。外装部42は、コネクタ23(コネクタシェル又はハウジング)と保護管22との間に掛け渡されるように被着されている。外装部42は、図示しない固定バンドによりコネクタ23の外側と保護管22の外側にそれぞれ締結固定されている。外装部42は、コネクタ23の外側と保護管22の外側とにそれぞれ気密状に密着している。外装部42の材料としては、例えばゴムやエラストマー等を用いることができる。
外装部26は、概略筒形状に形成されている。外装部26は、コネクタ24と保護管22との間に掛け渡されるように被着されている。外装部26は、図示しない固定バンドによりコネクタ24の外側と保護管22の外側にそれぞれ締結固定されている。外装部26は、コネクタ24の外側と保護管22の外側とにそれぞれ気密状に密着している。外装部26の材料としては、例えばゴムやエラストマー等を用いることができる。
放熱部材30は、外装部43と、外装部43に取着された通気部材31及び空気管32とを有している。外装部43は、概略筒形状に形成されている。外装部43の一方の端部には、通気部材31が取着され、外装部43の他方の端部には空気管32の第1端部32aが取着されている。空気管32の第1端部32aは開放されている。空気管32の内部は外装部43の内部と連通されている。空気管32の第2端部32bは開放されている。
本例では、空気管32の長手方向の中間部が保護管12に沿って延在されている。本例の空気管32は、第1端部32a、つまり外装部43が配設される位置よりも、第2端部32bが配設される位置を高くするように、形成されている。例えば、空気管32は、第2端部32bが上方に向かうように曲げられている。この空気管32の第2端部32bは、水滴等がかからない箇所、例えば車室内に配設されている。
通気部材31は、通気膜31aを含む。通気膜31aは、所定の厚さであり、矩形の薄板状に形成されている。通気膜31aは、気体の通過を許容し、液体の通過を規制する性質を有している。本実施形態において、通気部材31は、通気膜31aによって、外装部43の外部から外装部43の内部に対して、気体の通過を許容し、液体の通過を規制する。この通気膜31aは、例えば、フッ素系樹脂のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の多孔体を用いることができる。なお、通気膜31aとして、その他の多孔体、織布、不織布、ネット、発泡体、等を用いてもよい。
外装部43の材料としては、例えばゴムやエラストマー等を用いることができる。空気管32の材料としては、例えばアルミニウム等の金属パイプ、樹脂等からなり可撓性を有するコルゲートチューブ等を用いることができる。
図2は、カバー部材40の内部を概略的に示す断面図である。
接続部45は、ハーネス部材10の外装部41とハーネス部材20の外装部42との間に配設され、両外装部41,42を互いに接続する。接続部45は、筒形状に形成され、外装部41の内部と外装部42の内部とを互いに連通する。つまり、接続部45は、外装部41,42の内部を互いに連通する第2連通部として機能する。
接続部46は、ハーネス部材10の外装部41と放熱部材30の外装部43との間に配設され、両外装部41,42を互いに接続する。接続部46は、筒形状に形成され、外装部41の内部と外装部43の内部とを互いに連通する。つまり、接続部46は、外装部41,42の内部を互いに連通する第1連通部として機能する。
(作用)
放熱部材30の空気管32の内部は、外装部43の内部と連通されている。外装部43は、接続部46を介してハーネス部材10の外装部41に接続されている。接続部46は、放熱部材30の外装部43の内部とハーネス部材10の外装部41の内部とを連通する。従って、空気管32は、外装部43、接続部46、外装部41を介してハーネス部材10の保護管12と連通される。
ハーネス部材10において、通電された電線11により発する熱によって、ハーネス部材10の内部の空気が熱せられ、内部温度が上昇する。ハーネス部材10の内部は、接続部46を介して放熱部材30の内部と連通している。従って、ハーネス部材10の内部の温度は、放熱部材30の内部へと伝達される。放熱部材30は、外装部43に取着された通気部材31と空気管32とを有している。この放熱部材30において、通気部材31から空気管32の第2端部32bに向かう空気の流れが生じる。このように、外気が通気部材31から空気管32を通過して第2端部32bから排出されるため、ハーネス部材10の内部に熱がこもり難くなり、ハーネス部材10の放熱性が向上する。
そして、ハーネス部材10の放熱性が向上することにより、ハーネス部材10に含まれる外装部41,16の変形が抑制される。このため、外装部41,16が周辺部材に干渉し難くなる。また、外装部41,16の変形が抑制されるため、これら外装部41,16の機能低下が抑制される。
ハーネス部材20の外装部42は、接続部45を介してハーネス部材10の外装部41に接続されている。接続部45は、ハーネス部材10の外装部41の内部とハーネス部材20の外装部42の内部とを連通する。放熱部材30の空気管32は、外装部43、接続部46、外装部41、接続部45、外装部42を介してハーネス部材20の保護管22と連通される。ハーネス部材20については、ハーネス部材10と同様である。従って、ハーネス部材20の内部に熱がこもり難くなり、ハーネス部材20の放熱性が向上する。
そして、ハーネス部材20の放熱性が向上することにより、ハーネス部材20に含まれる外装部42,26の変形が抑制される。このため、外装部42,26が周辺部材に干渉し難くなる。また、外装部42,26の変形が抑制されるため、これら外装部42,26の機能低下が抑制される。
また、ワイヤハーネス1は、2つのハーネス部材10,20に対して1つの通気部材31を有している。つまり、1つの通気部材31は、2つのハーネス部材10,20に対して、気体の通過を許容し、液体の通過を規制する。このため、各ハーネス部材10,20に通気部材をそれぞれ配設する必要がなく、ワイヤハーネス1のコストの増加を抑制することができる。
通気部材31は、通気膜31aを含む。通気膜31aは、気体の通過を許容し、液体の通過を規制する性質を有している。本実施形態において、通気部材31は、通気膜31aによって、外装部43の外部から外装部43の内部に対して、気体の通過を許容し、液体の通過を規制する。従って、通気部材31により、ハーネス部材10,20に対する液体等の進入を抑制することができる。
カバー部材40は、外装部41,42,43と接続部45,46とを有している。外装部41,42,43と接続部45,46は、一体的に形成されている。このため、外装部41,42,43を容易に連通させることができる。また、ワイヤハーネス1を構成する部品点数が少なくなり、コストを低減することができる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ワイヤハーネス1は、2つのハーネス部材10,20と1つの放熱部材30とを有している。ハーネス部材10は、電線11が挿通された保護管12と、電線11が接続されたコネクタ13,14と、コネクタ13,14の一部を被覆する外装部41,16を有している。ハーネス部材20は、電線21が挿通された保護管22と、電線21が接続されたコネクタ23,24と、コネクタ23,24の一部を被覆する外装部42,26を有している。
放熱部材30は、空気管32と、その空気管の第1端部32aの外面に固定された外装部43と、外装部43に取着された通気部材31とを有している。放熱部材30の外装部43は、接続部46を介してハーネス部材10の外装部41に接続されている。接続部46は、放熱部材30の外装部43の内部とハーネス部材10の外装部41の内部とを連通する。従って、放熱部材30の空気管32は、外装部43、接続部46、外装部41を介してハーネス部材10の保護管12と連通される。
通電された電線11により発する熱は、接続部46によって外装部41と連通する外装部43へと伝達する。つまり、ハーネス部材10の内部の熱は放熱部材30へと伝達される。放熱部材30において、外部から空気管32の第2端部32bへと向かう空気の流れが生じる。このように、外気が外装部43から空気管32を通過し、第2端部32bから排出されるため、ハーネス部材10の内部に熱がこもり難くなり、ハーネス部材10の放熱性を向上することができる。
(2)ハーネス部材20の外装部42は、接続部45を介してハーネス部材10の外装部41に接続されている。接続部45は、ハーネス部材10の外装部41の内部とハーネス部材20の外装部42の内部とを連通する。放熱部材30の空気管32は、外装部43、接続部46、外装部41、接続部45、外装部42を介してハーネス部材20の保護管22と連通される。ハーネス部材20については、ハーネス部材10と同様である。複数のハーネス部材10,20の内部に熱がこもり難くなり、ハーネス部材10,20の放熱性を向上することができる。
(3)ワイヤハーネス1は、2つのハーネス部材10,20に対して1つの通気部材31を有している。つまり、1つの通気部材31は、2つのハーネス部材10,20に対して、気体の通過を許容し、液体の通過を規制する。このため、各ハーネス部材10,20に通気部材をそれぞれ配設する必要がなく、ワイヤハーネス1のコストの増加を抑制することができる。
(4)通気部材31は、通気膜31aを含む。通気膜31aは、気体の通過を許容し、液体の通過を規制する性質を有している。本実施形態において、通気部材31は、通気膜31aによって、外装部43の外部から外装部43の内部に対して、気体の通過を許容し、液体の通過を規制する。従って、通気部材31により、ハーネス部材10,20に対する液体等の進入を抑制することができる。
(5)カバー部材40の外装部41,42,43と接続部45,46は、一体的に形成されている。このため、外装部41,42,43を容易に連通させることができる。また、ワイヤハーネス1を構成する部品点数が少なくなり、コストを低減することができる。
尚、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記実施形態では、放熱部材30の外装部43に通気部材31を取着した。これは、外装部43、つまりハーネス部材10,20のコネクタ13,23の配設位置において、外装部43に水滴等がかかるため、これの進入を防止するものである。従って、水滴等がかからない場所にコネクタ13,23が配設されるワイヤハーネスの場合、通気部材31を省略することができる。
・上記実施形態は2つのハーネス部材10,20を有するワイヤハーネス1としたが、1つ又は3つ以上のハーネス部材を有するワイヤハーネスとしてもよい。
・上記各形態に対し、通気部材31を空気管32の第2端部32bに取着してもよい。このように通気部材31を取着することで、水滴等の進入をより抑制することができる。また、空気管32の第2端部32bの配設位置の自由度が高くなる。
・上記実施形態において、保護管12,22は、例えば、非金属(樹脂製等)のパイプ本体に導電性のシールド層を積層又は埋設した構造を有する保護管であってもよい。
10,20…ハーネス部材、11,21…電線、12,22…保護管、30…放熱部材、31…通気部材、31a…通気膜、32…空気管、32a…第1端部、32b…第2端部、40…カバー部材、41,42…外装部(第1外装部)、43…外装部(第2外装部)、45…接続部(第2連通部)、46…接続部(第1連通部)。

Claims (4)

  1. 電線と、前記電線が挿通された保護管と、筒形状をなし前記保護管の端部外面に密着して固定された第1外装部と、を有するハーネス部材と、
    空気管と、筒形状をなし前記空気管の第1端部の外面に密着して固定された第2外装部と、を有する放熱部材と、
    前記第1外装部の内部と前記第2外装部の内部とを互いに連通する第1連通部と、
    を有することを特徴とするワイヤハーネス。
  2. 前記ハーネス部材を複数備え、
    複数のハーネス部材のうちの2つの前記ハーネス部材の前記第1外装部の内部を互いに連通する第2連通部を有することを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス。
  3. 前記第2外装部に接続され、気体の通過を許容し、液体の通過を規制する通気部材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤハーネス。
  4. 前記第1外装部と前記第2外装部と前記第1連通部は一体に形成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のワイヤハーネス。
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